JP2005053006A - 微小成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製可能な微小成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板12の表面に有機無機複合材料からなるゲル膜14を形成し、ゲル膜14に回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して成形構造体14Aを成形し、成形構造体14Aを600℃(350〜600℃の範囲)で熱処理して、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体14Aから除去する。作製された回折格子20を400℃以上で加熱しても、有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生するのを抑制でき、回折格子20自体の熱分解による破損や反射膜16の破損を抑制できる。熱処理温度を600℃以下(350〜600℃の範囲)に抑えることで、回折格子20自体の熱分解による破損が抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】ガラス基板12の表面に有機無機複合材料からなるゲル膜14を形成し、ゲル膜14に回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して成形構造体14Aを成形し、成形構造体14Aを600℃(350〜600℃の範囲)で熱処理して、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体14Aから除去する。作製された回折格子20を400℃以上で加熱しても、有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生するのを抑制でき、回折格子20自体の熱分解による破損や反射膜16の破損を抑制できる。熱処理温度を600℃以下(350〜600℃の範囲)に抑えることで、回折格子20自体の熱分解による破損が抑制される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロレンズアレイや回折格子などの微小成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、幅や高さが数μm程度の微小成形体、例えば回折格子などは転写性のよいエポキシ樹脂などの成形により作製されている。
【0003】
また、光学素子基材表面に金属アルコレートを供給し、型により押圧して光学素子基材上に凹凸を有する形状の酸化物層を、光学素子に形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、回折格子などの光学素子以外の微小成形体としては、内部に流体を充填または移動させるための微小流路を有する微小流路構造体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−142410号公報
【特許文献2】
特開2003−62797号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題点があった。
(1)エポキシ樹脂などの成形により回折格子などの光学素子を作製した場合、樹脂の種類にもよるが、エポキシ樹脂自身の熱分解により数10〜400℃で大きく変形し、あるいは燃焼してしまう。
【0007】
(2)一般に、回折格子などの光学素子(精密光学素子)に要求される耐熱温度は、使用状態ではかなり高温での使用を想定する場合でも一般に100〜200℃程度以下である。しかし、回折格子などの光学素子をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、耐候性を高めるためには樹脂接着剤よりも低融点ガラスを用いる方が好ましい。低融点ガラスによる接合には通常400〜500℃以上の高温が要求されるので、光学素子自身もこのような高温に晒される場合があり得る。
【0008】
上記特許文献1に記載された従来技術では、400℃以上で加熱されると有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生し、光学素子自体が破損されたり、表面に反射膜や反射防止膜が形成されている場合にはそれらの膜が破損されたりする。これは、金属アルコレート(ゾルゲル法で用いる有機無機複合材料)は材料自体に有機成分を含み、これらの分解温度が数10〜400℃程度にあり、熱分解が起こるためである。
(3)完全な無機材料を成形して回折格子などの光学素子を作製する場合は、溝などの凹凸深さが0.1μm程度のものしか作製できなかった。これは、膜厚が0.1μm以上になると、硬化時の収縮によりクラックが発生し易いためである。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製可能な微小成形体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、前記微細な形状を有する成形構造体を成形し、前記成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法において、前記成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と、前記成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する工程を備えることを要旨とする。
【0011】
なお、ここにいう「骨格構造」とは、成形構造体を構成する物質の化学構造を意味し、本発明においてはその物質の金属−酸素−金属結合、または金属−炭素結合を指す。ただし、ここにいう「金属」には、Siも含まれる。一方、「成形構造体」における「構造」は凹凸構造などの形状のことである。
【0012】
この構成によれば、微細な形状を有する成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する。この熱処理により、成形構造体内の不安定な成分は除去されるが、成形構造体を構成する物質の骨格構造は破壊されないため、作製された微小成形体の形状は、高温で変化しない。このため、耐熱性が高くなり、高温で微細な形状が維持される。例えば、微小成形体が400℃以上で加熱されても、脱離したガスが発生して微小成形体自体が破損したり、その表面に反射膜や反射防止膜がある場合にはその膜が破損するのを抑制できる。したがって、耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製することができる。
【0013】
また、上述したように、微小成形体をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、微小成形体が低融点ガラスによる接合時に400〜500℃以上の高温に晒される場合がある。しかし、微小成形体は耐熱性が高いので、低融点ガラスによる接合時に微小成形体自体が破損したり、その表面に反射膜や反射防止膜がある場合にはその膜が破損するのが抑制される。したがって、前記実装工程における不良品の発生を抑制でき、製造コストを低減することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、前記微細な形状を有する成形構造体を成形し、前記成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法において、基材表面に前記ゲル膜を形成する工程と、前記ゲル膜に前記成形型の微細な形状を転写して前記成形構造体を成形する工程と、前記成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と、前記成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する工程とを備えることを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する。この熱処理により、成形構造体内の不安定な成分は除去されるが、成形構造体を構成する物質の骨格構造は破壊されないため、作製された微小成形体の形状は高温で変化しない。このため、耐熱性が高くなり、高温で微細な形状が維持される。例えば、微小成形体が400℃以上で加熱されても、脱離したガスが発生して微小成形体自体が破損したり、表面の反射膜や反射防止膜が破損するのを抑制できる。
【0016】
したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い、すなわち400℃以上の耐熱性を持つ微小成形体を、量産性よく作製することができる。
【0017】
また、上述したように、微小成形体をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、微小成形体が低融点ガラスによる接合時に400〜500℃以上の高温に晒される場合がある。しかし、微小成形体は耐熱性が高いので、低融点ガラスによる接合時に微小成形体自体が破損したり、反射膜などの膜が破損するのが抑制されので、前記実装工程における不良品の発生を抑制でき、製造コストを低減することができる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の微小成形体の製造方法において、前記熱処理する工程における前記熱処理を、350〜600℃の範囲で行うことを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、成形構造体を350℃以上で熱処理を行うことにより、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体から除去することができる。そのため、作製された微小成形体を400℃以上で加熱しても、上記従来技術のように有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生するのを抑制でき、微小成形体自体の熱分解による破損や、反射膜或いは反射防止膜の破損を抑制できる。したがって、耐熱性に優れた微小成形体を得ることができる。また、成形構造体の熱処理温度を600℃以下に抑えることで、微小成形体自体の熱分解による破損を抑制できる。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の微小成形体の製造方法において、前記成形構造体に転写成形された微細な形状の表面に膜を成膜する場合、その成膜前に前記熱処理する工程を行うことを要旨とする。
【0021】
この構成によれば、成形構造体に転写成形された微細な形状の表面に膜を成膜する場合、その成膜前に前記熱処理する工程を行うので、微細な形状の表面に成膜した反射膜や反射防止膜などの膜が熱処理中に発生するガスにより破損するのを抑制できる。これにより、微細な形状の表面に反射膜や反射防止膜などが成膜された微小成形体、例えば高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状の表面に反射膜が形成された耐熱性の高い反射型の回折格子を得ることができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の微小成形体の製造方法において、前記ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料を用いることを要旨とする。
【0023】
なお、ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料を用いる場合における前記「骨格構造」は、Siと酸素または炭素の結合を意味する。
【0024】
この構成によれば、ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどを用いる。これにより、成形構造体を熱処理する過程において脱離する成分が水(H2O)と一部の未反応基に付帯すると考えられるメチル基(CH3)またはフェニル基なので、有機成分の燃焼時の収縮量(減少量)を抑制できる。
【0025】
また、従来、完全な無機材料を成形して回折格子などの光学素子を作製する場合は、溝などの凹凸深さが0.1μm程度のものしか作製できなかった。これは、膜厚が0.1μm以上になると、硬化時の収縮によりクラックが発生し易いためである。これに対して、有機無機複合材料からなるゲル膜に成形型の微細な形状を転写成形するので、ゲル膜の膜厚が0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上になっても、硬化時の収縮によりクラックが発生するのを抑制できる。
【0026】
また、微小成形体が400℃以上で加熱されても、有機無機複合材料に含まれる有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生して微小成形体自体が破損したり、表面の反射膜や反射防止膜が破損するのを抑制できる。その結果、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、400℃以上の耐熱性を持つ微小成形体を得ることができる。
【0027】
したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い、すなわち400℃以上の耐熱性を持つ微小成形体を、量産性よく作製することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る微小成形体の製造方法を回折格子に適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
[一実施形態]
本発明の一実施形態に係る回折格子の製造方法を図1に基づいて説明する。
この製造方法は、ゾルゲル法による回折格子の製造方法で、以下の工程を含む。
【0030】
なお、一般的な「ゾルゲル法」は、含水酸化物ゾルを脱水処理してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物をある一定の形状、または基板上の被膜として、調製する方法をいう。
【0031】
(工程1)まず、微細な形状である微細な溝形状10を有する樹脂製の回折格子成形型11(図1(a)参照)を作製し、微細な溝形状10の表面に離型膜(図示略)を成膜する。
【0032】
(工程2)基材としてのガラス基板12の表面(基材表面)に有機無機複合材料からなるゲル膜14を形成する。
この工程2は、次の手順で行われる。
【0033】
・図1(b)に示すように、メチル基が直接Siに結合した材料(有機無機複合材料)であるメチルトリエトキシシランおよび酸水溶液を主成分とするゾル液13をガラス基板12の表面に塗布する。
【0034】
・塗布したゾル液13を脱水処理してゲル膜14を形成する。
(工程3)上記工程2で形成されたゲル膜14に、回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを成形する。
【0035】
この工程3は次の手順で行われる。
・上記工程2で得られたゲル膜14が柔らかい状態で、表面にゲル膜14が形成されたガラス基板12をプレス機15内に入れ(図1(c)参照)、プレス機15内を真空にして成形の準備をする。
【0036】
・次に、プレス機15に取り付けた回折格子成形型11の微細な溝形状10をゲル膜14に押し当てて、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを成形する(図1(d)参照)。
【0037】
・次に、プレス機15内を60℃に保持して成形構造体14Aを硬化させる。
・この後、プレス機15内部を大気圧に戻し、回折格子成形型11をゲル膜14から離型する(図1(e)参照)。
【0038】
こうして、回折格子成形型11の微細な溝形状10がゲル膜14に転写されて微細な溝形状10を有する成形構造体(ゲル状の回折格子)14Aが形成される。
【0039】
(工程4)微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを350℃で熱処理する(図1(f)参照)。
(工程5)次に、工程4で熱処理された成形構造体14Aの微細な溝形状10の表面に金(Au)を成膜して反射膜16を形成し(図1(g)参照)、反射膜16付の成形構造体14Aの光学特性を評価する。
【0040】
(工程6)次に、反射膜16を剥離する(図1(h)参照)。
(工程7)次に、反射膜16が剥離された成形構造体14Aを、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度(例えば350℃)と、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造が熱分解する温度(例えば600℃)との間の温度で熱処理する。本実施形態では、反射膜16が剥離された成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理を行う(図1(i)参照)。
【0041】
(工程8)次に、上記工程7で熱処理された成形構造体14Aの微細な溝形状10の表面に再度金(Au)を成膜して反射膜16を形成する(図1(j)参照)。これにより、微小成形体としての回折格子20の作製が完了する。
【0042】
こうして作製された回折格子20の光学特性を評価し工程7(図1(i))での熱処理前の成形構造体14Aと比較したところ、回折効率で20%程度の変化はあったものの、その他の光学特性では変化がなかった。
【0043】
この評価後、回折格子20をさらに400℃で2時間の熱処理を行い、この熱処理後の回折格子20の光学特性を再び評価したが、光学特性の変化はなかった。
【0044】
<分析試験>
次に、上記工程7での熱処理時に生じる現象を検証するための分析試験を行った。この分析試験では、試料として、メチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの混合物を用い、熱重量−示差熱(TG−DTA)分析および昇温脱離ガス分析を行った。その分析結果を示す図2において、曲線30はメチル基(CH3)の脱離ガス量を示しており、曲線40は水(H2O)の脱離ガス量を示している。
【0045】
熱重量−示差熱(TG−DTA)分析は、示差熱天秤などの測定装置により、熱重量測定(TG:Thermo Gravimetry)と示差熱分析(DTA:Differential Thermal Analysis)を同時に測定した。
【0046】
熱重量−示差熱分析法で評価される重量減少は、図2に示すように、100〜350℃、および600℃以上の温度範囲で急激に発生しているが、途中の350〜600℃の温度範囲では大きな重量減少は生じていない。また、600℃以上の温度領域での重量減少は発熱を伴うことがわかる。
【0047】
また、昇温脱離ガス分析からは、100〜350℃付近の重量減少の脱離成分は水(H2O)と一部の未反応基に付帯すると考えられるメチル基(CH3)を含み、600℃付近の脱離成分は主としてメチル基(CH3)だけを含むことがわかる。
【0048】
以上の分析結果から、100〜350℃の温度範囲での重量減少は、脱水縮合反応によるゲル骨格の発達に伴う反応と未反応成分の脱離などにより生じていると考えられる。また、350〜600℃の温度範囲では緩やかに脱水を伴う縮合反応が進行し、600℃以上の温度領域では成形構造体14A内のメチル基(CH3)が熱分解されて脱離することにより重量減少が生じていると考えられる。
ここでの「メチル基の脱離」は、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造であるSi−O−Si結合やSi−C結合が分解していることを意味する。このようなメチル基の脱離は、成形構造体14Aの形状変化や破壊を引き起こす。
【0049】
そこで、図1(i)に示す上記工程7では、成形構造体14Aを、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度(例えば350℃)と、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造が熱分解する温度(例えば600℃)との間の温度(350℃〜600°)の範囲で熱処理する。350℃以上の熱処理(本例では600℃)を行うことによって、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体14Aから除去でき、耐熱性に優れた回折格子20が得られる。また、上記工程7において熱処理温度を600℃以下(本例では600℃)に抑えることで、成形構造体14A自体の熱分解による破損を抑制できる。
【0050】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○成形構造体14Aを、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度(例えば350℃)とそれを構成する物質の骨格構造が熱分解する温度(例えば600℃温度)との間の温度で熱処理するので、成形構造体14A内の不安定な成分は除去されるが、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造は破壊されない。これにより、作製された回折格子20の形状は高温で変化しなくなる。このため、回折格子20の耐熱性が高くなり、高温で回折格子20の微細な溝形状10が維持される。
【0051】
例えば、回折格子20が400℃以上で加熱されても、脱離したガスが発生して微小成形体である回折格子20自体が破損したり、表面の反射膜16が破損するのを抑制できる。したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い、すなわち400℃以上の耐熱性を持つ回折格子20を量産性よく作製することができる。
【0052】
○図1(i)に示す上記工程7で350℃以上の熱処理(本例では600℃)を行うことによって、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体14Aから除去することができる。そのため、作製された回折格子20を400℃以上で加熱しても、上記従来技術のように有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生するのを抑制でき、回折格子20自体の熱分解による破損や反射膜16などの膜の破損を抑制できる。したがって、耐熱性に優れた回折格子20を得ることができる。
【0053】
○上記工程7において熱処理温度を600℃以下(本例では600℃)に抑えることで、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造は破壊されないので、成形構造体14A自体の熱分解による破損を抑制でき、回折格子20の歩留まりが向上する。
【0054】
○回折格子20をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、上述したように回折格子20が低融点ガラスによる接合時に400〜500℃以上の高温に晒される場合がある。しかし、回折格子20は耐熱性が高いので、低融点ガラスによる接合時に回折格子20自体が破損したり、反射膜16などの膜が破損するのが抑制されるので、前記実装工程における不良品の発生を抑制でき、製造コストを低減することができる。
【0055】
○図1(f)に示す上記工程4で成形構造体14Aを350℃で熱処理した後、成形構造体14Aに反射膜16を成膜した状態で、成形構造体14Aを600℃で熱処理したところ、反射膜16に多数の穴が開くなどの破損が生じた。
【0056】
これに対して、図1(j)に示す上記工程8で成形構造体14Aに反射膜16を成膜する前に、上記工程7で成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理するようにしているので、反射膜16に多数の穴が開くなどの破損が生じるのを抑制できる。したがって、耐熱性に優れた反射膜付の回折格子20を得ることができる。
【0057】
○上記工程3において、上記工程2で形成されたゲル膜14に回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを成形する。具体的には、この工程3では、メチル基が直接Siに結合した有機無機複合材料であるメチルトリエトキシシランおよび酸水溶液を主成分とするゾル液13をガラス基板12の表面に塗布し、このゾル液13を脱水処理してゲル膜14を形成する。このゲル膜14に、回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して成形構造体14Aを成形する。
【0058】
このため、ゲル膜14の膜厚が0.1μm以上になっても、硬化時の収縮によりクラックがゲル膜14に発生するのを抑制でき、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な溝形状10を持つ成形構造体14Aを成形することができる。したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い回折格子20を得ることができる。
【0059】
○上記工程5において、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aの表面に反射膜16を形成して、反射膜16付の成形構造体(ゲル状の回折格子)14Aの光学特性を評価するようにしている。そのため、所望の光学特性が得られた成形構造体14Aに対してのみ、その後の処理を行って回折格子20を完成させることができるので、回折格子20の歩留まりが向上し、製造コストを低減することができる。
【0060】
○図1(g)に示す工程5で微細な溝形状10を有する成形構造体14Aの表面に反射膜16を形成する前に、図1(f)に示す工程4で成形構造体14Aを350℃で熱処理しているので、この熱処理によっても未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を回折格子から除去することができる。
【0061】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記一実施形態では、基材表面であるガラス基板12の表面に形成したゲル膜14に回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、回折格子成形型11の微細な溝形状10の表面にゲル膜14を形成し、このゲル膜14をプレス機15によりガラス基板12などの基材表面に押圧して、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを基材と一体化するような製造方法にも本発明は適用可能である。
【0062】
要するに、本発明は、ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、微細な形状を有する成形構造体を成形し、成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法に広く適用可能である。
【0063】
・上記一実施形態では、工程4において成形構造体14Aを350℃で熱処理しているが、その熱処理温度は一例であって、350℃よりも低い温度であってもよい。
【0064】
・上記一実施形態では、工程7において成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理しているが、その熱処理温度および時間は一例である。熱処理温度は、350℃〜600℃の範囲内であればよく、また、熱処理時間は1時間に限らず、適宜増減可能である。
【0065】
・上記一実施形態では、メチル基が直接Siに結合した材料(有機無機複合材料)であるメチルトリエトキシシランおよび酸水溶液を主成分とするゾル液13を用いているが、本発明はこれに限定されない。
【0066】
メチル基が直接Siに結合した有機無機複合材料として、メチルトリエトキシシラン以外に、例えば、ジメチルジエトキシシランなどを用いることができる。ここで、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランの一般式は、次のとおりである。
【0067】
メチルトリアルコキシシラン類:CH3Si(OR)3R=CH2またはC2H5、
ジメチルジアルコキシシラン類:(CH3)2Si(OR)2R=CH2またはC2H5。
【0068】
これらの材料に、
テトラアルコキシシラン類:Si(OR)4R=CH2またはC2H5を加えた組成を有する有機無機複合材料を、ゾル液13に用いることができる。
【0069】
また、ゲル膜14の材料として、メチル基以外に、例えばフェニル基が直接Siに結合したフェニルトリエトキシシランなどの有機無機複合材料を主成分とするゾル液13を用いる場合にも本発明は適用可能である。この場合においても、メチル基の場合と同様に耐熱性の高い回折格子などの微小成形体が得られる。
【0070】
・上記一実施形態では、反射膜16付の回折格子20を作製する場合の製造方法を一例として説明したが、反射膜や反射防止膜のない微小成形体を作製する場合にも本発明は適用可能である。反射膜や反射防止膜のない微小成形体を作製する場合には、図1に示す各工程のうち、図1(g),(h)および(j)の工程が不要になる。
【0071】
・また、反射膜や反射防止膜のない微小成形体を作製する場合、図1(f)に示す上記工程4において成形構造体14Aを350℃で熱処理する代わりに、図1(i)に示す上記工程7のように成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理するようにしてもよい。このようにすることで、熱処理工程を一つ減らすことができる。
【0072】
・上記一実施形態において、微小成形体の一例として回折格子20を作製する場合の製造方法について説明したが、本発明は回折格子以外の微小成形体を作製する場合にも適用できる。例えば、透明基板の片面に多数の微小レンズを有する平板マイクロレンズを成形により作製する場合に本発明を適用可能である。この場合、例えば、片面に半球面状の凹部(微細な形状)を多数有する透明基板を本発明による方法で作製可能である。
【0073】
・また、回折格子などの光学素子以外に、微細な形状を有する微小成形体として、例えば上記特許文献2に記載された微小流路構造体を作製する場合にも本発明は適用可能である。要するに、種々の微細な形状を有する微小成形体の作製に本発明は広く適用可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(j)は一実施形態に係る回折格子の製造方法を示す説明図。
【図2】作製した回折格子についての熱分析結果を示すグラフ。
【符号の説明】
10…微細な形状である微細な溝形状、11…成形型としての回折格子成形型、12…基材としてのガラス基板、13…ゾル液、14…ゲル膜、14A…成形構造体、16…反射膜、20…微小成形体としての回折格子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロレンズアレイや回折格子などの微小成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、幅や高さが数μm程度の微小成形体、例えば回折格子などは転写性のよいエポキシ樹脂などの成形により作製されている。
【0003】
また、光学素子基材表面に金属アルコレートを供給し、型により押圧して光学素子基材上に凹凸を有する形状の酸化物層を、光学素子に形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、回折格子などの光学素子以外の微小成形体としては、内部に流体を充填または移動させるための微小流路を有する微小流路構造体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−142410号公報
【特許文献2】
特開2003−62797号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題点があった。
(1)エポキシ樹脂などの成形により回折格子などの光学素子を作製した場合、樹脂の種類にもよるが、エポキシ樹脂自身の熱分解により数10〜400℃で大きく変形し、あるいは燃焼してしまう。
【0007】
(2)一般に、回折格子などの光学素子(精密光学素子)に要求される耐熱温度は、使用状態ではかなり高温での使用を想定する場合でも一般に100〜200℃程度以下である。しかし、回折格子などの光学素子をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、耐候性を高めるためには樹脂接着剤よりも低融点ガラスを用いる方が好ましい。低融点ガラスによる接合には通常400〜500℃以上の高温が要求されるので、光学素子自身もこのような高温に晒される場合があり得る。
【0008】
上記特許文献1に記載された従来技術では、400℃以上で加熱されると有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生し、光学素子自体が破損されたり、表面に反射膜や反射防止膜が形成されている場合にはそれらの膜が破損されたりする。これは、金属アルコレート(ゾルゲル法で用いる有機無機複合材料)は材料自体に有機成分を含み、これらの分解温度が数10〜400℃程度にあり、熱分解が起こるためである。
(3)完全な無機材料を成形して回折格子などの光学素子を作製する場合は、溝などの凹凸深さが0.1μm程度のものしか作製できなかった。これは、膜厚が0.1μm以上になると、硬化時の収縮によりクラックが発生し易いためである。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製可能な微小成形体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、前記微細な形状を有する成形構造体を成形し、前記成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法において、前記成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と、前記成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する工程を備えることを要旨とする。
【0011】
なお、ここにいう「骨格構造」とは、成形構造体を構成する物質の化学構造を意味し、本発明においてはその物質の金属−酸素−金属結合、または金属−炭素結合を指す。ただし、ここにいう「金属」には、Siも含まれる。一方、「成形構造体」における「構造」は凹凸構造などの形状のことである。
【0012】
この構成によれば、微細な形状を有する成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する。この熱処理により、成形構造体内の不安定な成分は除去されるが、成形構造体を構成する物質の骨格構造は破壊されないため、作製された微小成形体の形状は、高温で変化しない。このため、耐熱性が高くなり、高温で微細な形状が維持される。例えば、微小成形体が400℃以上で加熱されても、脱離したガスが発生して微小成形体自体が破損したり、その表面に反射膜や反射防止膜がある場合にはその膜が破損するのを抑制できる。したがって、耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製することができる。
【0013】
また、上述したように、微小成形体をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、微小成形体が低融点ガラスによる接合時に400〜500℃以上の高温に晒される場合がある。しかし、微小成形体は耐熱性が高いので、低融点ガラスによる接合時に微小成形体自体が破損したり、その表面に反射膜や反射防止膜がある場合にはその膜が破損するのが抑制される。したがって、前記実装工程における不良品の発生を抑制でき、製造コストを低減することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、前記微細な形状を有する成形構造体を成形し、前記成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法において、基材表面に前記ゲル膜を形成する工程と、前記ゲル膜に前記成形型の微細な形状を転写して前記成形構造体を成形する工程と、前記成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と、前記成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する工程とを備えることを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する。この熱処理により、成形構造体内の不安定な成分は除去されるが、成形構造体を構成する物質の骨格構造は破壊されないため、作製された微小成形体の形状は高温で変化しない。このため、耐熱性が高くなり、高温で微細な形状が維持される。例えば、微小成形体が400℃以上で加熱されても、脱離したガスが発生して微小成形体自体が破損したり、表面の反射膜や反射防止膜が破損するのを抑制できる。
【0016】
したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い、すなわち400℃以上の耐熱性を持つ微小成形体を、量産性よく作製することができる。
【0017】
また、上述したように、微小成形体をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、微小成形体が低融点ガラスによる接合時に400〜500℃以上の高温に晒される場合がある。しかし、微小成形体は耐熱性が高いので、低融点ガラスによる接合時に微小成形体自体が破損したり、反射膜などの膜が破損するのが抑制されので、前記実装工程における不良品の発生を抑制でき、製造コストを低減することができる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の微小成形体の製造方法において、前記熱処理する工程における前記熱処理を、350〜600℃の範囲で行うことを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、成形構造体を350℃以上で熱処理を行うことにより、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体から除去することができる。そのため、作製された微小成形体を400℃以上で加熱しても、上記従来技術のように有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生するのを抑制でき、微小成形体自体の熱分解による破損や、反射膜或いは反射防止膜の破損を抑制できる。したがって、耐熱性に優れた微小成形体を得ることができる。また、成形構造体の熱処理温度を600℃以下に抑えることで、微小成形体自体の熱分解による破損を抑制できる。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の微小成形体の製造方法において、前記成形構造体に転写成形された微細な形状の表面に膜を成膜する場合、その成膜前に前記熱処理する工程を行うことを要旨とする。
【0021】
この構成によれば、成形構造体に転写成形された微細な形状の表面に膜を成膜する場合、その成膜前に前記熱処理する工程を行うので、微細な形状の表面に成膜した反射膜や反射防止膜などの膜が熱処理中に発生するガスにより破損するのを抑制できる。これにより、微細な形状の表面に反射膜や反射防止膜などが成膜された微小成形体、例えば高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状の表面に反射膜が形成された耐熱性の高い反射型の回折格子を得ることができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の微小成形体の製造方法において、前記ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料を用いることを要旨とする。
【0023】
なお、ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料を用いる場合における前記「骨格構造」は、Siと酸素または炭素の結合を意味する。
【0024】
この構成によれば、ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料、例えばメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどを用いる。これにより、成形構造体を熱処理する過程において脱離する成分が水(H2O)と一部の未反応基に付帯すると考えられるメチル基(CH3)またはフェニル基なので、有機成分の燃焼時の収縮量(減少量)を抑制できる。
【0025】
また、従来、完全な無機材料を成形して回折格子などの光学素子を作製する場合は、溝などの凹凸深さが0.1μm程度のものしか作製できなかった。これは、膜厚が0.1μm以上になると、硬化時の収縮によりクラックが発生し易いためである。これに対して、有機無機複合材料からなるゲル膜に成形型の微細な形状を転写成形するので、ゲル膜の膜厚が0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上になっても、硬化時の収縮によりクラックが発生するのを抑制できる。
【0026】
また、微小成形体が400℃以上で加熱されても、有機無機複合材料に含まれる有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生して微小成形体自体が破損したり、表面の反射膜や反射防止膜が破損するのを抑制できる。その結果、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、400℃以上の耐熱性を持つ微小成形体を得ることができる。
【0027】
したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い、すなわち400℃以上の耐熱性を持つ微小成形体を、量産性よく作製することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る微小成形体の製造方法を回折格子に適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
[一実施形態]
本発明の一実施形態に係る回折格子の製造方法を図1に基づいて説明する。
この製造方法は、ゾルゲル法による回折格子の製造方法で、以下の工程を含む。
【0030】
なお、一般的な「ゾルゲル法」は、含水酸化物ゾルを脱水処理してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物をある一定の形状、または基板上の被膜として、調製する方法をいう。
【0031】
(工程1)まず、微細な形状である微細な溝形状10を有する樹脂製の回折格子成形型11(図1(a)参照)を作製し、微細な溝形状10の表面に離型膜(図示略)を成膜する。
【0032】
(工程2)基材としてのガラス基板12の表面(基材表面)に有機無機複合材料からなるゲル膜14を形成する。
この工程2は、次の手順で行われる。
【0033】
・図1(b)に示すように、メチル基が直接Siに結合した材料(有機無機複合材料)であるメチルトリエトキシシランおよび酸水溶液を主成分とするゾル液13をガラス基板12の表面に塗布する。
【0034】
・塗布したゾル液13を脱水処理してゲル膜14を形成する。
(工程3)上記工程2で形成されたゲル膜14に、回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを成形する。
【0035】
この工程3は次の手順で行われる。
・上記工程2で得られたゲル膜14が柔らかい状態で、表面にゲル膜14が形成されたガラス基板12をプレス機15内に入れ(図1(c)参照)、プレス機15内を真空にして成形の準備をする。
【0036】
・次に、プレス機15に取り付けた回折格子成形型11の微細な溝形状10をゲル膜14に押し当てて、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを成形する(図1(d)参照)。
【0037】
・次に、プレス機15内を60℃に保持して成形構造体14Aを硬化させる。
・この後、プレス機15内部を大気圧に戻し、回折格子成形型11をゲル膜14から離型する(図1(e)参照)。
【0038】
こうして、回折格子成形型11の微細な溝形状10がゲル膜14に転写されて微細な溝形状10を有する成形構造体(ゲル状の回折格子)14Aが形成される。
【0039】
(工程4)微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを350℃で熱処理する(図1(f)参照)。
(工程5)次に、工程4で熱処理された成形構造体14Aの微細な溝形状10の表面に金(Au)を成膜して反射膜16を形成し(図1(g)参照)、反射膜16付の成形構造体14Aの光学特性を評価する。
【0040】
(工程6)次に、反射膜16を剥離する(図1(h)参照)。
(工程7)次に、反射膜16が剥離された成形構造体14Aを、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度(例えば350℃)と、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造が熱分解する温度(例えば600℃)との間の温度で熱処理する。本実施形態では、反射膜16が剥離された成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理を行う(図1(i)参照)。
【0041】
(工程8)次に、上記工程7で熱処理された成形構造体14Aの微細な溝形状10の表面に再度金(Au)を成膜して反射膜16を形成する(図1(j)参照)。これにより、微小成形体としての回折格子20の作製が完了する。
【0042】
こうして作製された回折格子20の光学特性を評価し工程7(図1(i))での熱処理前の成形構造体14Aと比較したところ、回折効率で20%程度の変化はあったものの、その他の光学特性では変化がなかった。
【0043】
この評価後、回折格子20をさらに400℃で2時間の熱処理を行い、この熱処理後の回折格子20の光学特性を再び評価したが、光学特性の変化はなかった。
【0044】
<分析試験>
次に、上記工程7での熱処理時に生じる現象を検証するための分析試験を行った。この分析試験では、試料として、メチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの混合物を用い、熱重量−示差熱(TG−DTA)分析および昇温脱離ガス分析を行った。その分析結果を示す図2において、曲線30はメチル基(CH3)の脱離ガス量を示しており、曲線40は水(H2O)の脱離ガス量を示している。
【0045】
熱重量−示差熱(TG−DTA)分析は、示差熱天秤などの測定装置により、熱重量測定(TG:Thermo Gravimetry)と示差熱分析(DTA:Differential Thermal Analysis)を同時に測定した。
【0046】
熱重量−示差熱分析法で評価される重量減少は、図2に示すように、100〜350℃、および600℃以上の温度範囲で急激に発生しているが、途中の350〜600℃の温度範囲では大きな重量減少は生じていない。また、600℃以上の温度領域での重量減少は発熱を伴うことがわかる。
【0047】
また、昇温脱離ガス分析からは、100〜350℃付近の重量減少の脱離成分は水(H2O)と一部の未反応基に付帯すると考えられるメチル基(CH3)を含み、600℃付近の脱離成分は主としてメチル基(CH3)だけを含むことがわかる。
【0048】
以上の分析結果から、100〜350℃の温度範囲での重量減少は、脱水縮合反応によるゲル骨格の発達に伴う反応と未反応成分の脱離などにより生じていると考えられる。また、350〜600℃の温度範囲では緩やかに脱水を伴う縮合反応が進行し、600℃以上の温度領域では成形構造体14A内のメチル基(CH3)が熱分解されて脱離することにより重量減少が生じていると考えられる。
ここでの「メチル基の脱離」は、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造であるSi−O−Si結合やSi−C結合が分解していることを意味する。このようなメチル基の脱離は、成形構造体14Aの形状変化や破壊を引き起こす。
【0049】
そこで、図1(i)に示す上記工程7では、成形構造体14Aを、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度(例えば350℃)と、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造が熱分解する温度(例えば600℃)との間の温度(350℃〜600°)の範囲で熱処理する。350℃以上の熱処理(本例では600℃)を行うことによって、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体14Aから除去でき、耐熱性に優れた回折格子20が得られる。また、上記工程7において熱処理温度を600℃以下(本例では600℃)に抑えることで、成形構造体14A自体の熱分解による破損を抑制できる。
【0050】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○成形構造体14Aを、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度(例えば350℃)とそれを構成する物質の骨格構造が熱分解する温度(例えば600℃温度)との間の温度で熱処理するので、成形構造体14A内の不安定な成分は除去されるが、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造は破壊されない。これにより、作製された回折格子20の形状は高温で変化しなくなる。このため、回折格子20の耐熱性が高くなり、高温で回折格子20の微細な溝形状10が維持される。
【0051】
例えば、回折格子20が400℃以上で加熱されても、脱離したガスが発生して微小成形体である回折格子20自体が破損したり、表面の反射膜16が破損するのを抑制できる。したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い、すなわち400℃以上の耐熱性を持つ回折格子20を量産性よく作製することができる。
【0052】
○図1(i)に示す上記工程7で350℃以上の熱処理(本例では600℃)を行うことによって、未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を成形構造体14Aから除去することができる。そのため、作製された回折格子20を400℃以上で加熱しても、上記従来技術のように有機成分の燃焼によって脱離したガスが発生するのを抑制でき、回折格子20自体の熱分解による破損や反射膜16などの膜の破損を抑制できる。したがって、耐熱性に優れた回折格子20を得ることができる。
【0053】
○上記工程7において熱処理温度を600℃以下(本例では600℃)に抑えることで、成形構造体14Aを構成する物質の骨格構造は破壊されないので、成形構造体14A自体の熱分解による破損を抑制でき、回折格子20の歩留まりが向上する。
【0054】
○回折格子20をモジュールや装置に組み込んだりする実装工程において、上述したように回折格子20が低融点ガラスによる接合時に400〜500℃以上の高温に晒される場合がある。しかし、回折格子20は耐熱性が高いので、低融点ガラスによる接合時に回折格子20自体が破損したり、反射膜16などの膜が破損するのが抑制されるので、前記実装工程における不良品の発生を抑制でき、製造コストを低減することができる。
【0055】
○図1(f)に示す上記工程4で成形構造体14Aを350℃で熱処理した後、成形構造体14Aに反射膜16を成膜した状態で、成形構造体14Aを600℃で熱処理したところ、反射膜16に多数の穴が開くなどの破損が生じた。
【0056】
これに対して、図1(j)に示す上記工程8で成形構造体14Aに反射膜16を成膜する前に、上記工程7で成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理するようにしているので、反射膜16に多数の穴が開くなどの破損が生じるのを抑制できる。したがって、耐熱性に優れた反射膜付の回折格子20を得ることができる。
【0057】
○上記工程3において、上記工程2で形成されたゲル膜14に回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを成形する。具体的には、この工程3では、メチル基が直接Siに結合した有機無機複合材料であるメチルトリエトキシシランおよび酸水溶液を主成分とするゾル液13をガラス基板12の表面に塗布し、このゾル液13を脱水処理してゲル膜14を形成する。このゲル膜14に、回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写して成形構造体14Aを成形する。
【0058】
このため、ゲル膜14の膜厚が0.1μm以上になっても、硬化時の収縮によりクラックがゲル膜14に発生するのを抑制でき、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な溝形状10を持つ成形構造体14Aを成形することができる。したがって、高さ或いは深さが0〜0.1μmの範囲はもちろん、0.1μm以上の微細な形状を持つ場合でも、耐熱性の高い回折格子20を得ることができる。
【0059】
○上記工程5において、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aの表面に反射膜16を形成して、反射膜16付の成形構造体(ゲル状の回折格子)14Aの光学特性を評価するようにしている。そのため、所望の光学特性が得られた成形構造体14Aに対してのみ、その後の処理を行って回折格子20を完成させることができるので、回折格子20の歩留まりが向上し、製造コストを低減することができる。
【0060】
○図1(g)に示す工程5で微細な溝形状10を有する成形構造体14Aの表面に反射膜16を形成する前に、図1(f)に示す工程4で成形構造体14Aを350℃で熱処理しているので、この熱処理によっても未反応成分などの不安定で脱離し易い成分を回折格子から除去することができる。
【0061】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記一実施形態では、基材表面であるガラス基板12の表面に形成したゲル膜14に回折格子成形型11の微細な溝形状10を転写するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、回折格子成形型11の微細な溝形状10の表面にゲル膜14を形成し、このゲル膜14をプレス機15によりガラス基板12などの基材表面に押圧して、微細な溝形状10を有する成形構造体14Aを基材と一体化するような製造方法にも本発明は適用可能である。
【0062】
要するに、本発明は、ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、微細な形状を有する成形構造体を成形し、成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法に広く適用可能である。
【0063】
・上記一実施形態では、工程4において成形構造体14Aを350℃で熱処理しているが、その熱処理温度は一例であって、350℃よりも低い温度であってもよい。
【0064】
・上記一実施形態では、工程7において成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理しているが、その熱処理温度および時間は一例である。熱処理温度は、350℃〜600℃の範囲内であればよく、また、熱処理時間は1時間に限らず、適宜増減可能である。
【0065】
・上記一実施形態では、メチル基が直接Siに結合した材料(有機無機複合材料)であるメチルトリエトキシシランおよび酸水溶液を主成分とするゾル液13を用いているが、本発明はこれに限定されない。
【0066】
メチル基が直接Siに結合した有機無機複合材料として、メチルトリエトキシシラン以外に、例えば、ジメチルジエトキシシランなどを用いることができる。ここで、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランの一般式は、次のとおりである。
【0067】
メチルトリアルコキシシラン類:CH3Si(OR)3R=CH2またはC2H5、
ジメチルジアルコキシシラン類:(CH3)2Si(OR)2R=CH2またはC2H5。
【0068】
これらの材料に、
テトラアルコキシシラン類:Si(OR)4R=CH2またはC2H5を加えた組成を有する有機無機複合材料を、ゾル液13に用いることができる。
【0069】
また、ゲル膜14の材料として、メチル基以外に、例えばフェニル基が直接Siに結合したフェニルトリエトキシシランなどの有機無機複合材料を主成分とするゾル液13を用いる場合にも本発明は適用可能である。この場合においても、メチル基の場合と同様に耐熱性の高い回折格子などの微小成形体が得られる。
【0070】
・上記一実施形態では、反射膜16付の回折格子20を作製する場合の製造方法を一例として説明したが、反射膜や反射防止膜のない微小成形体を作製する場合にも本発明は適用可能である。反射膜や反射防止膜のない微小成形体を作製する場合には、図1に示す各工程のうち、図1(g),(h)および(j)の工程が不要になる。
【0071】
・また、反射膜や反射防止膜のない微小成形体を作製する場合、図1(f)に示す上記工程4において成形構造体14Aを350℃で熱処理する代わりに、図1(i)に示す上記工程7のように成形構造体14Aを600℃で1時間熱処理するようにしてもよい。このようにすることで、熱処理工程を一つ減らすことができる。
【0072】
・上記一実施形態において、微小成形体の一例として回折格子20を作製する場合の製造方法について説明したが、本発明は回折格子以外の微小成形体を作製する場合にも適用できる。例えば、透明基板の片面に多数の微小レンズを有する平板マイクロレンズを成形により作製する場合に本発明を適用可能である。この場合、例えば、片面に半球面状の凹部(微細な形状)を多数有する透明基板を本発明による方法で作製可能である。
【0073】
・また、回折格子などの光学素子以外に、微細な形状を有する微小成形体として、例えば上記特許文献2に記載された微小流路構造体を作製する場合にも本発明は適用可能である。要するに、種々の微細な形状を有する微小成形体の作製に本発明は広く適用可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐熱性の高い微小成形体を量産性よく作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(j)は一実施形態に係る回折格子の製造方法を示す説明図。
【図2】作製した回折格子についての熱分析結果を示すグラフ。
【符号の説明】
10…微細な形状である微細な溝形状、11…成形型としての回折格子成形型、12…基材としてのガラス基板、13…ゾル液、14…ゲル膜、14A…成形構造体、16…反射膜、20…微小成形体としての回折格子。
Claims (5)
- ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、前記微細な形状を有する成形構造体を成形し、前記成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法において、
前記成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と、前記成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する工程を備えることを特徴とする微小成形体の製造方法。 - ゾル液を脱水処理したゲル膜に成形型の微細な形状を転写して、前記微細な形状を有する成形構造体を成形し、前記成形構造体を加熱して微小成形体を作製する微小成形体の製造方法において、
基材表面に前記ゲル膜を形成する工程と、
前記ゲル膜に前記成形型の微細な形状を転写して前記成形構造体を成形する工程と、
前記成形構造体を、脱水縮合反応および未反応成分の脱離が起こる温度と、前記成形構造体を構成する物質の骨格構造が熱分解する温度との間の温度で熱処理する工程とを備えることを特徴とする微小成形体の製造方法。 - 前記熱処理する工程における前記熱処理を、350〜600℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の微小成形体の製造方法。
- 前記成形構造体に転写成形された微細な形状の表面に膜を成膜する場合、その成膜前に前記熱処理する工程を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の微小成形体の製造方法。
- 前記ゲル膜の材料として、メチル基またはフェニル基が直接Siに結合した有機無機複合材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の微小成形体の製造方法。
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