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JP2004523438A - 投与ユニットを容器ネックに固定するための固定装置 - Google Patents

投与ユニットを容器ネックに固定するための固定装置 Download PDF

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JP2004523438A
JP2004523438A JP2002579334A JP2002579334A JP2004523438A JP 2004523438 A JP2004523438 A JP 2004523438A JP 2002579334 A JP2002579334 A JP 2002579334A JP 2002579334 A JP2002579334 A JP 2002579334A JP 2004523438 A JP2004523438 A JP 2004523438A
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Abstract

外壁(32)が形作られた容器(3)のネック(30)に投与ユニットを固定するための固定装置であって、内壁(22)が形作られた被覆フープ(2)と、投与ユニットを保持するための受け手段(13)と、内壁(101)、外壁(102)、そして下側自由端部(105)が形作られたスカート(10)とが形成された固定リング(1)と、を有し、前記スカートにはさらに、固定用の第1領域(103)とロック用の第2領域(104)とが形作られており、前記固定用の第1領域においては、その内壁(101)がネックの外壁(32)とかみ合うように意図されて作られており、そして、前記ロック用の第2領域においては、その外壁(102)が被覆フープの内部(22)と堅くかみ合うように意図されて作られており、特徴となるのは、ロック用の第2領域(104)が固定用の第1領域の下側に位置し、実質的にスカートの下側端部(105)の位置にある点である、という固定装置。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁が形作られた容器のネックに投与ユニットを固定するための固定装置に関する。この種の固定装置は、香水や化粧品または薬学の分野において多く用いられ、一般的に、弁やポンプなどの投与ユニットを保持するための受け止め手段が形成された固定リングとスカートとから成り、スカートの内壁は、容器のネックの外壁にかみ合うように作られている。
【背景技術】
【0002】
現在使用されている技術の本質は、ネックの外壁に形成された肩の下に収まるロック用プロフィールを1つ以上、スカートの内壁に設ける、という点にある。これらのロック用プロフィールについては、いくつかに分かれたタブの下側端部に配置されたスナップ用ヘッドという形状にすることができる。この場合、スカートにはスリットが入れられて、下側端部にスナップ用ヘッドを備えたタブが形成される。また、別の技術として、スナップ用プロフィールに、スカートの内壁上で内向きに突き出た、切れ目のない内部周縁フィレット、という形を持たせる、というものもある。このフィレットは、スナップ用ヘッドと同様に、容器のネックにリングを設置する際には、厚み付けまたは補強がなされたネックのエッジの上を越えて進み、エッジの下に形成された肩が当該フィレットまたはヘッドと協働することになる。そのため、スカートは、厚み付けエッジの上を越える際、瞬間的に、径方向外向きの変形を受けて外径が大きくなる。
【0003】
その一方で、この種の固定装置はさらに被覆フープを有する場合があるが、こうしたフープは、美観上の目的のために、また時には機能的な目的のために、リング(そして、特にスカート)を覆うものである。これは特に、内側にスナップ用ヘッドが形成された複数のタブを備える形でスカートが作られている場合に当てはまる。その場合、スカートを覆うことになるフープはブロック用手段として用いられ、ネックの厚み付けエッジの肩の下にスナップ用ヘッドを閉じ込める。
【0004】
リングがネック上に設置される前の段階では、フープをリングに設置することはできない。上で述べたように、タブは、ネックの補強エッジの上を越える瞬間に、径方向外向きに変形するからである。リングにフープを事前設置していた場合、この径方向外向きの変形は必然的に、被覆フープを変形させるか、これに損傷を与えることになる。従って、このようなスナップ用ヘッドを備えたタブを用いる技術では、リングが容器のネックに設置した後、フープを単独でリング上に設置することになる。
【0005】
もう一方の、内部周縁フィレットを用いる技術でも、スカートは、補強エッジの上を越える際、瞬間的かつ局所的にではあるが、径方向外向きに変形させられる。従って、リング上に被覆フープを設置しておくことは、やはり不可能である。だが、実際には、ほとんどの場合、被覆フープは、リング上(特に、そのスカート上)に設置され、これは、フープの内壁とリングの外壁との間の堅い接触から生じる径方向の締めつけ力を利用している。従って、スカートの外壁がほんのわずかでも変形すると、この変形は、当該スカートと堅く接触しているフープを変形させる結果を生じる。従って、切れ目のないフィレットを用いる技術を採用した場合でさえ、ネック上にリングを設置する前の段階で、フープをリングに事前設置することはできない。しかしながら、留意すべきは、切れ目のないフィレットを用いる技術は、それ自体で充分にリングをネックに固定できるため、当該技術を利用する場合、被覆フープは、容器のネックに固定されても、美的な機能以外には何の機能も果たさない、ということである。
【0006】
切れ目のないフィレットを備えたリングにフープを事前設置する問題については、特許公報:WO 99/20401号の発明で部分的には解決される。この文書では、被覆フープと固定リングとを有する固定装置について記述されている。リングに形成されたスカートには内壁が形作られ、当該内壁は、いくつかのロック用プロフィールを備えており、これらは、スカートの内壁の各所に分散配置されている。よって、これは、切れ目のないフィレットとは何ら関連がない。しかしながら、スカートにはスリットが入っていない。そこで、ポイントロック(点締め)用プロフィールがネックの厚み付けエッジの上を越える際に、径方向外向きに変形することが可能となるように、対応する形で狭くなった部分が設けられており、これらはスカートの外壁上に形成されている。したがって、スカートはフープの内壁と接触することはなく、それどころか、スカートの外周上にいくつかに分散する中間領域を形作っている。これら領域は、各ロック用プロフィールに対してそれぞれ直角を成し、それによって、スカートは、これらの中間スペースにおいて径方向外向きに変形することが可能となり、変形の際にも、事前設置された被覆フープを変形させたり、これに損傷を与えたりすることがない。確かに、当該文書の発明においては、ネック上にリングを設置する前にフープをリングに設置するものとされており、スカートが中間スペースの中で径方向外向きに変形するので、その際にも外部フープは変形しないかもしれない。
【0007】
しかし、当該文書の発明において、設けられている被覆フープは、リングと接触し、特にスカートとは、その高さ方向の全長にわたって接触しており、接触部分には、スカートが容器のネックと接触する位置が含まれている。より具体的に言えば、スカートの内壁のロック用プロフィールにそれぞれ対応する各中間スペースの間の部分では、スカートの外壁とフープの内壁とは堅く接触する。従って、スカートが中間スペースにおいて径方向外向きに変形することが許されるとしても、スカートがフープと堅く接触する位置においては、無視できない程度にまで、スカートもまた変形する、という事実は少なくとも残る。その結果、フープはわずかながらも変形することになり、この変形は、非常によく知られた現象である被覆フープの表面品質の劣化または変質につながる。これは特に、フープが金属製である場合に当てはまる(実際には、ほとんど常に金属製である)。こうした表面の変質現象は、表面割れ(checking)として知られる「はく離」の形で生じる。この表面割れ現象は、非常に広範囲にわたる問題であり、金属製の被覆フープに対しては抑制するのが難しい。実際、フープがほんのわずかでも変形すれば、その外表面には表面割れ現象が発生し、その美的外観は明らかに損なわれてしまう。フープとリングとは、リングの高さ方向の全長にわたって堅く接触している、という前記の先行技術文書における発明の場合、前記径方向の締め付けのため、フープがわずかながら変形させられることは避けられない、この締め付けは、フープを広がらせる傾向があり、その結果として、表面割れ現象の発生原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、先行技術に関わる、これら上述の問題点に対する改善策を見出すことであり、そのために、被覆フープと固定用リングとを備える固定装置であって、これが有する被覆フープが、上記表面割れ現象の発生原因となりうる実質的な変形を全く受けることがなく、しかもその一方で、ネックへのリングの固定、および、リングへのフープの固定が完全なものとなることを保証する、という固定装置を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明が提供するのは、外壁が形作られた容器ネックに投与ユニットを固定するための固定装置であって、内壁が形作られた被覆フープと、投与ユニットを保持するための受け手段と、内壁、外壁、そして下側自由端部が形作られたスカートとが形成された固定リングと、を有し、前記スカートにはさらに、固定用の第1領域とロック用の第2領域とが形作られており、前記固定用の第1領域においては、その内壁がネックの外壁とかみ合うように意図されて作られており、そして、前記ロック用の第2領域においては、その外壁が被覆フープの内壁と堅くかみ合うように意図されて作られており、特徴となるのは、ロック用の第2領域が固定用の第1領域の下側に位置し、実質的にスカートの下側端部の位置にある点である、という固定装置である。
【発明の効果】
【0010】
また、効果的な構成として、固定用の第1領域の位置において、スカートとフープとの間に中間フリースペースが形成されていること、とする。さらに、前記中間スペースは、スカートの縦方向全長のうちロック用の第2領域を除く部分にわたって延びていること、とするのが好ましい。このようにすれば、被覆フープとリングとが堅く接触するのは、スカートの下側自由端のところに位置するロック用の第2領域においてのみとなる。さらに、このスカートの下側端部は自由端であるため、それが有する剛性と支持力とは、リングの他の部分に接続された上側端部に比べて小さくなる。そのため、この下側端部が、フープの内壁と共に径方向の締めを生じた場合には、従来よりも容易に変形することになる。さらに、留意すべきは、スカートへのフープのロック効果が生じるのが、設置操作の完了時点においてのみ、ロック用の第2領域がスカートの下側端部の位置にくる時である、という点である。よって、フープには、ロック用の第2領域の位置にある領域以外の場所では、いかなる形でも接触しない。なお、前期領域については、最も塑性変形能力の高いスカートのところに配置されるのが効果的である。そのため、フープの質が浅割れ現象によって低下することはありえない。なぜなら、その高さ方向の長さの大部分にわたって、フープはリングと接触しておらず、中間スペースによって隔てられているからである。さらに、フープがスカートにロックされている位置においても、径方向内向きの変形を受け、それによってフープとの堅い接触を実現するのは後者の方である。よって、チェック現象によるあらゆる質低下は防止される。
【0011】
また、1つの実施の形態として、ロック用の第2領域の外径は固定用の第1領域の外径よりも大きくなっていること、とする。さらに、外側外向きの肩が、第1領域を第2領域に接続していること、とするのが効果的である。こうすると、スカートの外壁(効果的構成としてリングの外壁を形成するもの)は、肩(効果的構成としては斜めのもの)によって接続された円筒形(効果的構成としては、円形)の2つのセクションを有する形とすることができる。その場合、第1の円筒形セクションは、スカートの高さ方向の長さの大部分にわたって延びており、その径は第2のセクションの径よりも小さい。また、当該第2のセクションについては、同様に円筒形または円形とすればよく、スカートの下側端部の所に位置づけられている。
【0012】
また、本発明の別の特徴として、ロック用の第2領域の内径は固定用の第1領域の内径よりも大きくなっていること、とする。さらに、内側外向きの肩が、第1領域を第2領域に接続していること、とするのが効果的である。これによって、スカートの内壁は、ロック用の第2領域の位置においては誘導壁として働き、容器のネックへのリングの配置および装着を容易にする。また、好ましい構成として、ロック用の第2領域におけるリングの内径は、ネックの外径よりも大きくなっており、その結果、ネックへのリングの設置が終わった後に、ロック用の第2領域とネックとが堅く接触することはない。また、内部の肩(効果的構成として、傾斜しているもの)は、収斂壁(convergency wall)として働き、スカートの固定用の第1領域へとネックを上方向に誘導する。
【0013】
また、本発明の別の特徴として、スカートの外壁には、ロック用の第2領域の位置において、フープの内壁に接する変形可能なロック用プロフィールを備えていること、とする。この場合、フープの内壁は、変形可能ロック用プロフィールの位置で、ロック用の第2領域と局地的に接触すること、とすることもできる。また、その代わりに、フープの内壁は、周囲全体にわたって、ロック用の第2領域と切れ目なく接触していること、とすることもできる。そのため、スカートの外壁は、ロック用の第2領域の位置では、完全な円筒形、円形でしかも平坦とすることもでき、それ以外にも、円筒形、円形、ただし、フープのロックを助けるような表面条件(例えば、水平または垂直のリブまたはグルーブ)を備えることにしてもよい。
【0014】
また、本発明の別の側面として、スカートの内壁は、固定用の第1領域の位置においては実質的に円筒形であり、ネック上への設置前の状態では、内径がネックの外径よりも小さくなっており、それによって、径方向の締め効果で固定を実現すること、とする。スカートの壁については、完全な円筒形で、丸くて、そして平坦である、としてもよい。さらに、別の形として、スカートの内壁には、固定用の第1領域の位置において、固定用プロフィールが設けられており、当該プロフィールは、ネックの外壁に接して変形するように作られていること、としてもよい。さらに、スカートの内壁には、固定用の第1領域の位置において、ブロック用プロフィールが設けられており、当該プロフィールは、ネックの外壁に形成された内向きの肩の下に収まるように作られていること、とするのが効果的である。いずれにせよ、固定用の第1領域の位置におけるスカート内壁のプロフィールがどんな形状であれ、スカートは、中間自由スペースの中で径方向外向きに変形することができ、被覆フープに接触したり、これに悪影響を及ぼしたりすることはない。
【0015】
また、実際的な実施の形態として、被覆フープは、内側に内壁が形作られた円筒形の本体を有し、前記本体には、少なくともスカートの下側自由端部まで延びる下側端部と、再入フラップが形成された上側端部とが形作られており、フープとリングとは、ロック用の第2領域および再入フラップにおいてのみ接触しており、ロック用の第2領域と再入フラップとの間には中間スペースが延びていること、とする。これによれば、フープは、径方向の締め付けによって、その下側端部で固定されるとともに、リングに受け台接触する再入フラップによって、その上側端部でブロックされる。これら2つの端部の間にある部分で、フープとリングとが接触することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について、例示的な実施の形態を示す単一の添付図面を参照しながら、さらに詳細に説明する。
容器3(図示するのは、そのうちのネック30のみ)は、流体製品を格納するための本体が形成された標準的な容器であり、その頂上部はネック30であり、上方向に突き出しているとともに、開口部が形作られており、容器から出る流体製品は当該開口部を通って放出される。容器のネック30は、極めて標準的なものである。すなわち、上側端部34を有し、さらに、効果的な構成として環状密封ビード35を備えている。また、ネック30には、補強または厚み付けされたエッジ31が形成されている。当該エッジは径方向外向きに突き出して下側に肩を形成し、当該肩は、より径の小さいネック部33につながっている。補強エッジ31は、上側の壁34から肩33まで延びている。厚み付けエッジ31の外壁および肩33の外壁は、外壁32として示すことにする。厚み付けエッジ31の部分の外壁32については、完全な円筒形としてもよいし、円形としてもよいが、これ以降の部分に見られるよう、前記固定装置のロック効果を強化するためのロック用プロフィールを1個または複数個有することとしてもよい。
【0017】
本発明の固定装置は、本質的に2つの構成要素(すなわち、固定用リング1および被覆フープ2)から成る。リング1はフープの内部に収容され、少なくとも一部が隠れる形となる。
固定リング1は、ポンプまたは弁などの投与ユニットを保持するための受け止め手段を有する。図面において、この受け止め手段はスナップ用スリーブ13として示されており、その内部に、弁またはポンプ本体の一部がスナップ留めによって保持される。このスリーブ13にはさらに、中央開口部14が形作られており、ポンプまたは弁の駆動ロッドが当該開口部を通って延びる。スナップ用スリーブ13は、固定リングの内部中央部分を規定する。このスリーブ13は、環状プレート12を介して径方向外向きに延び、プレート12は、ネック30の上側端部34と直接接触してもよいが、ネック30の上側端部34上のネックガスケット4に接してこれを押さえつける、という形にしてもよい。ネックガスケット4、またはプレート12そのものが、密封ビード35に強く押しつけられることで、容器のネックにおける密封を実現する。
【0018】
その外周部において、プレート12はスカート10につながっており、当該スカートは下向きに延びて下側自由端部105を形作っている。また、図面に示す実施例では、プレート12の外周部からは、ソケット11も上方向に延びている。このソケット11は、スカート10から連続して延びているので、スカート10の一部と見なすこともできる。もちろん、他の実施の形態も考えることができ、ソケット11が厳密に壁10に連続する形で延びてはおらず、例えば、わずかに内側に下がった形となっている、というものも考えられる。その場合でも、これは、ステップ付けされた(stepped)外側の「スカート」という言葉で呼んでよいものであろう。そうして、ソケット11は上方向に延び、上側自由端部115を形作る。
【0019】
スカート10には、プレート12より下に位置する部分において、外壁102と内壁101とが形作られている。外壁102という言葉が指す部分には、ソケット11の外壁も含まれる。スカート10はネック30の周囲を囲む形で下方向に延び、その下側自由端部105は、厚み付けエッジ31よりもかなり下に位置し、さらに、場合によっては、ネックのベースと接触するようにしてもよい。
【0020】
固定装置の被覆フープ2については、金属製とするのが好ましいが、プラスチック製とすることもできる。フープ2は、内壁22と外から見える外壁21とが形作られた円筒形の本体20を有する。本体20は、自由端部となった下側端部23と、再入フラップ(reentering-flap)24が形成された上側端部とを有する。
本発明におけるスカート10には、固定用の第1領域103が形作られ、この領域のところで、スカート10の内壁101はネック30の外壁32と接触する。スカート10はまた、ロック用の第2領域104を有し、この領域のところで、スカート10の外壁102はフープ2の内壁22と堅く接触する。
【0021】
本発明の興味深い特徴として、図面に示すように、固定装置が縦置きの状態にあって、スカート10の下側自由端部105が下方向を向いている状態では、ロック用の第2領域104が固定用の第1領域103よりも下の位置にくる。また、図面に示すように、固定装置が容器ネック上に設置された状態では、ロック用の第2領域104は厚み付けエッジ31よりも下に、さらには、肩320よりも下の位置にくる。固定用の第1領域103については、厚み付けエッジ31の高さ方向にわたって延びているのが効果的であり、さらに、肩320の下側にまで延びているのが好ましい。ロック用の第2領域104は、スカートの下側自由端部105のすぐ上に位置している。そうして、その位置によって、ロック用の第2領域104は優れた変形特性を有することになり、当該変形特性は、いかなる場合においても、スカートの変形特性を上回る(たとえば、スカートを固め、補強して、その変形性を下げてしまうプレート12の位置において)。効果的構成として、このロック用の第2領域104はフープ2の内壁22と、その下側端部23に近い位置で堅く接触している。例えば、この下側端部23の位置については、スカート10の下側端部105のところ、または、その少し下とすることもできる。ロック用領域104の外壁は円筒形でもよいが、円形が効果的である。また、同領域については、滑らかな表面条件を有することとしてもよいし、それ以外に、多少間隔がつまった、横方向または縦方向のリブの形でロック用プロフィールを備え、それによってフープのロック効果を強化すること、としてもよい。スカート10の下側自由端部105のところ、という位置にあるため、ロック用の領域は、変形が容易となる。そのため、フープ2を堅くはめても、フープに目立った変形は生じることがなく、浅割れによるあらゆる劣化現象は防止される。
【0022】
ロック用の領域104の内壁については、ネックの厚み付けエッジ31よりも大きい径を有することとし、それによって、ロック用の領域104の位置ではネックとの間に堅い接触が生じないようにするのが効果的である。これに対して、ロック用の領域104の内壁にガイド壁および挿入壁としての働きを持たせ、容器ネック上へのリングの配置を容易にする、としてもよい。
【0023】
本発明に関するもう一つの興味深い特徴として、中間フリースペース201が、固定用の第1領域103の位置で、スカート10とフープ2との間に形成されている。効果的な構成として、この中間スペース201は、スカートの高さ方向の全長にわたって延びており、ソケット11のところにも延びている(ただし、ロック用の第2領域104の部分は除く)。いずれにせよ、この中間スペース201は、少なくとも固定用の第1領域103の位置には延びている。この中間スペース201を形成するために、固定用の第1領域103の外径は、ロック用の第2領域104のそれと異なる大きさになっている。スカートの径については、ロック用の領域104を除いて、その高さ方向の全長にわたって、固定用の第1領域103のそれと同じ大きさとするのが効果的である。図面を見れば分かるように、中間スペース201は、フープ2の円筒形本体20とスカートの円筒形外壁102との間にできた完全に円筒形のリング、という形でロック用領域104より上の位置に延びている。固定用の第1領域103は、下に行くほど外に広がる外側の肩106を介して、ロック用の第2領域104につながっている。
【0024】
リング1上にフープ2を設置する際、フープ2の本体20の下側端部23は先ず、ソケット11に形成されたスカート部分とかみ合うが、その外径はフープの内径よりも小さくなっている。従って、外側の肩106の位置までは、フープとリングとの間に堅い接触は生じない。この外側の肩106から、フープ2とロック用領域104とのかみ合いが始まり、ここから先、このロック用領域104にフープをはめ込むためには、ある程度のスラスト力が必要となる。その結果、この位置で堅い接触が実現されることになる。フープ2のリング1へのはめ込みは、フープの再入フラップ24がソケット11の上側端部115と接触する状態になった時点で完了する。こうして、フープ2とリングとは、径方向の堅い接触が実現されているロック用領域104、ならびに、ソケット11上に載っている再入フラップ24、の位置においてのみリングと接触する形となる。これら2つの接点の間の部分では、フープ2はリングと接触しておらず、その一方で、中間スペース201を形作っている。留意すべきは、フープ2が、それをリング1上に設置する際に、その下側端部23以外のいかなる位置でも圧迫を受けない、という点である。実際、フープ2の本体20の大部分は、決してリング1と接触しない。そうして、フープとリングとが接触してない位置で、フープ2が表面割れ現象によって品質劣化する、ということはありえない。さらに、スカートの下側端部の近く、という位置から、ロック用領域が良好な変形特徴を有するため、フープがいかなる形でも過度に変形することはない。
【0025】
中間スペース201は、スカート10の外壁102について、フープに損傷を与えることなく固定用の第1領域103において変形することを可能とする、という機能がある。実際、本発明によるこの固定システムでは、リング1上へのフープ2の設置は、容器ネック30の上にリング1を設置するより前に行われるものと考えられている。従って、この中間スペースをフープとリングとの間に設けて、リングが容器のネック上で変形しないようにすべきなのである。
【0026】
ネック上へのスカートの適切な固定を実現するためには、いくつかの技術が利用できるが、そうした技術では全て、スカートの外壁102が瞬間的または継続して、径方向外向きに変形させられることになる。スカートの内壁101は、例えば、その固定領域103の位置に、径方向内向きに突き出し、ネック30の肩320の下に収まる、というスナップ用ビーズ108を備えることとしてもよい。これは、すでに説明した標準的な技術である。留意すべきは、ビーズ108が、固定領域103の位置、内部の肩107のすぐ上の位置にある、という点である。ビーズ108については、厚み付けエッジ31の上を越えた時点で、中間スペース101の中で径方向外向きに変形して肩320の下に収まる、とすればよい。
【0027】
上記の代わりに、または、これを補う形で、固定領域103の位置におけるスカート10の内壁101が、厚み付けエッジ35の位置における外壁32と径方向に堅く接触すること、としてもよい。内壁101については、全くの円筒形、円形、なめらか、とすることができるが、それ以外に、固定用プロフィールを備える形とすることもでき、その場合は、例えば、多少間隔をあけた縦方向または横方向のリブなどとすることができる。厚み付けエッジ35において、このような径方向の締め付けがあれば、スナップ用ビーズ108は省略することができる。他にも、径方向外向きの変形を実現するために外部に隙間(clearance)を必要とする、という容器ネックにおける固定の技術は考案できる。そして、実際にはスカートの外壁102を径方向外向きに変形させることが全くない、という固定技術すら考えられるのである。この場合ですら、中間スペース101は特別な効果を生じる。なぜなら、高さ方向の全長にわたって、フープがリングを径方向に締め付けることを防ぎ、それが、表面割れ現象のあらゆる危険性を除去することになるからである。
【0028】
スカートの下側端部の位置でのみ径方向の締め付けによってフープをロックし、フープの他の部分には中間スペースを残しておくこと、という形のロックが効果的なのは、それによって、浅割れの危険性が除去されるのに加え、スカートの外壁に径方向外向きの変形を生じさせる種類のネック固定技術を用いる場合でさえ、リングへのフープの事前設置が可能となるからである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による固定装置の縦断面図であり、容器ネックに設置された状態で示す図である。

Claims (16)

  1. 外壁(32)が形作られた容器(3)のネック(30)に投与ユニットを固定するための固定装置であって、
    内壁(22)が形作られた被覆フープ(2)と、
    投与ユニットを保持するための受け手段(13)と、内壁(101)、外壁(102)、そして下側自由端部(105)が形作られたスカート(10)とが形成された固定リング(1)と、を有し、
    前記スカートにはさらに、固定用の第1領域(103)とロック用の第2領域(104)とが形作られており、前記固定用の第1領域においては、その内壁(101)がネックの外壁(32)とかみ合うように意図されて作られており、そして、前記ロック用の第2領域においては、その外壁(102)が被覆フープの内壁(22)と堅くかみ合うように意図されて作られており、
    特徴となるのは、ロック用の第2領域(104)が固定用の第1領域の下側に位置し、実質的にスカートの下側端部(105)の位置にある点である、
    という固定装置。
  2. 固定用の第1領域(103)の位置において、スカート(10)とフープ(2)との間に中間フリースペース(201)が形成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の固定装置。
  3. 前記中間スペース(201)は、スカートの縦方向全長のうちロック用の第2領域(104)を除く部分にわたって延びていること、
    を特徴とする請求項2に記載の固定装置。
  4. ロック用の第2領域の外径は固定用の第1領域の外径よりも大きくなっていること、
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固定装置。
  5. 外側外向きの肩(106)が、第1領域(103)を第2領域(104)に接続していること、
    を特徴とする請求項4に記載の固定装置。
  6. ロック用の第2領域の内径は固定用の第1領域の内径よりも大きくなっていること、
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の固定装置。
  7. 内側の肩(107)が外向きに延びて、第1領域(103)を第2領域(104)に接続していること、
    を特徴とする請求項6に記載の固定装置。
  8. スカートの外壁(102)は、ロック用の第2領域(104)の位置においては、実質的に円筒形であること、
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の固定装置。
  9. スカートの外壁(102)には、ロック用の第2領域(104)の位置において、フープ(2)の内壁(22)に接する変形可能なロック用プロフィールを備えていること、
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の固定装置。
  10. フープの内壁(22)は、変形可能ロック用プロフィールの位置で、ロック用の第2領域と局地的に接触すること、
    を特徴とする請求項9に記載の固定装置。
  11. フープの内壁(22)は、周囲全体にわたって、ロック用の第2領域と切れ目なく接触していること、
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の固定装置。
  12. スカートの外壁(102)は、固定用の第1領域(103)の位置においては、実質的に円筒形であること、
    を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の固定装置。
  13. スカートの内壁(101)は、固定用の第1領域(103)の位置においては実質的に円筒形であり、ネック上への設置前の状態では、内径がネックの外径よりも小さくなっており、それによって、径方向の締め効果で固定を実現すること、
    を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の固定装置。
  14. スカートの内壁(101)には、固定用の第1領域(103)の位置において、固定用プロフィールが設けられており、当該プロフィールは、ネックの外壁(32)に接して変形するように作られていること、
    を特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の固定装置。
  15. スカートの内壁(101)には、固定用の第1領域(103)の位置において、ブロック用プロフィール(108)が設けられており、当該プロフィールは、ネックの外壁(32)に形成された内向きの肩(33)の下に収まるように作られていること、
    を特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の固定装置。
  16. 被覆フープ(2)は、内側に内壁(22)が形作られた円筒形の本体(20)を有し、
    前記本体(20)には、少なくともスカートの下側自由端部(105)まで延びる下側端部(23)と、再入フラップ(24)が形成された上側端部とが形作られており、
    フープとリングとは、ロック用の第2領域および再入フラップ(24)においてのみ接触しており、ロック用の第2領域と再入フラップとの間には中間スペース(201)が延びていること、
    を特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の固定装置。
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