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JP2004507356A - ポリウレタン・オイルエマルジョン破壊ユニット - Google Patents

ポリウレタン・オイルエマルジョン破壊ユニット Download PDF

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JP2004507356A JP2002524596A JP2002524596A JP2004507356A JP 2004507356 A JP2004507356 A JP 2004507356A JP 2002524596 A JP2002524596 A JP 2002524596A JP 2002524596 A JP2002524596 A JP 2002524596A JP 2004507356 A JP2004507356 A JP 2004507356A
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Abstract

再生された非水溶相を提供し、受容可能なレベルの非水溶相を含む再生水溶相を提供するために、水溶相と非水溶相を含む水溶性エマルジョンを、分離された水溶相と非水溶相に切り離すためのプロセス。このプロセスにおいて、典型的にはフォーム材料またはポリマーチップである、高い表面積を有する高分子材料体を少なくとも一つ、好ましくは二つ以上、水平フロー処理システムにおいて使用し、エマルジョンを破壊し、二つの分離したフローとして水溶相と非水溶相をもたらす。このシステムにおいて、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、およびポリエチレンを含む高分子材料といったように、広い範囲のポリマーを使用することができる。排水における非水溶相のレベルが非常に低いことが求められる場合、例えば、飲料水の基準に見合うことが求められる場合、USP5,239,040に記載されているようなKozlowskiポリウレタンが最後の高分子材料体として好ましい。
【選択図】図1

Description

【0001】
植物種、昆虫、野性生命に対し、また人間に対してさえも、環境的かつ生態学的さらに毒物的な問題を引き起こす、不注意な液体流出について詳しく解説された事例が、近頃数々見られる。流出した液体の例としては、オイルおよび溶剤が含まれ、さらに、大まかにPCB(ポリ塩化ビフェニル)として知られるマテリアルグループが含まれる。これらの液体の多くについては、例えば原油およびPCBといったような比較的困難なものに対しても浄化を行う方法が知られている。
【0002】
これらのマテリアルの多くに対して、浄化および再生の双方を行うことが可能な方法が、US5,239,040において、Kozlowskiにより記載されている。この方法は、例えば、浄化剤により液体を単に分散させるよりはむしろ、流出した液体それ自体を再生させるという点において、実用的かつ効果的であることが示されている。さらに、再生済みの液体が適切な方法で安全に処理されることができるように、また、再生剤自体がさらに多くの液体をとらえるために再利用されることができるように、再生剤から再生済みの液体を分離することが可能である。Kozlowskiにより記載されているように、再生剤および再生済みの液体は遠心分離により切り離される。Kozlowskiに記載されている再生剤は、ポリウレタンフォーム材料であり、これは特別なプロセスを使用して特定の反応物質から調製される。以下、この材料を「Kozlowskiポリウレタンフォーム」と記述する。
【0003】
再使用可能な液体再生剤として機能するその能力に加えて、Kozlowskiポリウレタンは、例えば、水上にこぼれたオイルを再生させるために使用できることが示されている。Kozlowskiポリウレタンは、例えば、フォームが実質的に乾燥している場合だけでなく、フォームが実質的に完全にぬれた状態であるかまたは水浸しである場合でもオイルを吸収することができることが示されている。
【0004】
流出した非水溶液体に伴う他の問題は、水が存在する場合に生じる。水非混合性液体は、二つの全く異なる形態で水と関連して存在することができる。少なくともその一部は、一般に分離した第二の相として存在する。それは水より重い場合もあるし、または軽い場合もある。残りは一般に、少なくともある程度の安定性を有するエマルジョンとして存在し、この中で水は連続相または分散相のいずれかになり得る。いずれの場合においても、さらに問題となるのは、水と非混合性であるように見える成分(例えばベンゼン等の軽量炭化水素)のほとんどすべてが少量の範囲で、時には100万分の1のレベルで、水溶性があるということである。水が連続相である水溶性エマルジョンについては、Kozlowskiは、WO94/21347において、Kozlowskiポリウレタンが、水中に第二相として分散されたオイル滴を吸収するのに加え、水分を含んで重くなっている場合でも飲料水に必要とされる低いレベルになるまで溶解されたオイルを吸収することを開示している。
【0005】
WO94/21347において、Kozlowskiは、水処理手順を記載しており、この手順において汚染水は、Kozlowskiポリウレタンの連続層を通じて下方に流れるようになっている。水の流出についてはモニターしなければならず、流出水におけるオイルのレベルが受容不可能な値にまで上がった場合には、このフォーム層は取り除かれ、そこから吸収したオイルを再生させる。
【0006】
WO94/21347においてKozlowskiにより記載された手順は、水溶性エマルジョンを処理するように見えるが、実際にはいくつか不都合がある。最も関連する不都合な点は、分散相としてであっても溶質としてであっても、すべてのオイルはKozlowskiポリウレタンによって吸収されなければならず、通常は遠心分離によりそこから再生され、また、さらに多くのオイルを再生させるためにKozlowskiポリウレタンが再使用しなければならないことである。よって、比較的少量の乳化オイルしか含まない大量の水を処理すると、非常に時間のかかることになり得るのは明らかである。従って、少なくとも水溶性エマルジョンを処理するための初期処理として、WO94/21347に記載されたKozlowskiポリウレタンの使用に代わる技術が必要である。
【0007】
エマルジョンを処理するための、他の明らかに実行可能な唯一の代替案は、二つの相への分離が起こるサイズになるまで溶滴を凝集させることである。これは通常、少なくとも30μmを超える溶滴サイズまで凝集させることを必要とする。しかしながら、この技術は、化学物質を消費することが必要であり、化学沈殿物を作り出すことになる。結果として、環境のことが考慮された使用ではない。
【0008】
本発明は、このような問題点を克服することを求め、水溶性エマルジョンを合理的な速さで処理し、再生可能な形態の非水溶相をもたらす処理装置およびプロセスを提供するものである。
【0009】
本発明は、Kozlowskiポリウレタンフォームだけでなく、他の高分子材料であっても、例えばフォーム(発泡体)のように高い表面積の材料体として調製され、正しい条件下で使用された場合は、エマルジョン・ブレーカーとして機能して、水溶性エマルジョンのフローを二つの分離した相に切り離すという発見をしたことに基づく。高い表面積の材料体に調製された高分子材料には、例えば、少なくとも約10,000ppmまでの分散オイルを含むオイルと水のエマルジョン・フローにさらした場合に、二つの相が生じるものが数々あることが現在発見されている。まず、この高分子材料は、オイルによって飽和するまでオイルを吸収する。次に、この高分子材料は、さらに多くのオイルを吸収し続けるにつれ、吸収した分のオイルを放出するが、この際、分離したオイル相に融合するために十分な大きさの溶滴サイズにて放出される。その後、水溶相および非水溶相を分離し、二つの各相を別々に再生することができる。さらに、この処理ステップのシーケンスを利用することにより、乳化した非水溶性物質の大部分を再生させることが可能であり、結果として、Kozlowskiポリウレタンフォーム吸収剤が必要とされるのは、このシーケンスにおける最終処理ステップまたは最後の数処理ステップにおいてのみとなる。唯一、このポリマー材料に関する重要な制限は、第一に、そこから高い表面積の材料(例えばフォーム(発泡体))を形成する能力と、第二に、選択される高分子材料は使用条件における劣化に対し耐性がなければならないということである。例えば、ポリエステル材料は、ポリマーの加水劣化を招くアルカリ性の条件下は適さないが、ポリエチレンのようなポリアルキレンは耐性がある。
【0010】
従って、本発明はその最も広い実施例において、連続水溶相と非水溶分散相を有する水溶性エマルジョンを、分離された水溶相と非水溶相に切り離すためのプロセスを提供すること、再生された非水溶相を提供すること、および受容可能なレベルの、非水溶相を含む再生水溶相を提供することを目的とし、このプロセスは、
(a) 水溶性エマルジョンのフローを、高い表面積を有する第1の高分子材料体に接触させ、
(b) 第1の高分子材料体がエマルジョンの非水溶相で飽和されることを可能にし、
(c) 分離した非水溶相が形成されるまで水溶性エマルジョンのフローを続け、
(d) 水溶相から非水溶相を切り離し、
(e) 分離された非水溶相を再生し、
(f) 処理済水溶相のフローを再生し、
(g) 必要に応じて、再生された水溶相のフローにおいて非水溶物質が受容可能なレベルに到達するまで、少なくとも、高い表面積を有する第二の高分子材料体に処理済水溶相のフローを接触させるために、ステップ(a)から(f)までを繰り返す、ことから成る。
【0011】
好ましくは、高分子材料において使用されるポリマーは、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリエチレンからなるグループから選択される。より好ましくは、高分子材料は、ポリウレタンである。
【0012】
好ましくは、高い表面積を有するポリマー材料は、ポリマーフォーム材料である。さらに好ましくは、高い表面積を有するポリマー材料は、微粒子のポリマーフォーム材料である。あるいは、高い表面積を有するポリマー材料は、ポリマーチップの形態を有する。
【0013】
好ましくは、ステップ(a)の水溶性エマルジョンのフローは、水平、下方に垂直、上方に垂直、から成るグループから選択される流れ方向で、第1の高分子材料体に接触する。
【0014】
好ましくは、複数の高分子材料体が使用され、フローは各高分子材料体に順に接触し、各高分子材料体の後で、分離された非水溶相がフローから再生される。あるいは、複数の高分子材料体が使用され、フローは、各高分子材料体に順に接触し、最後の高分子材料体を除く各高分子体の後で、分離された非水溶相がフローから再生される。そして、分離された非水溶相が最後の材料体から再生される。
【0015】
好ましくは、高分子材料体のシーケンスが使用されるときに、少なくとも、最後の高分子材料体はKozlowskiポリウレタンフォームから成る。
【0016】
好ましくは、このプロセスはさらにステップ(a)の前に前処理ステップを含む。これは:
(h) 融合を行うために十分な大きさの非水溶相の溶滴により、分離した非水溶相を形成することが可能となり、
(i) 分離された非水溶相が再生され、
(j) 水溶相が再生されて、ステップ(a)のフローとして使用される。
【0017】
本発明について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、三つのユニットの処理システムを概略的に示したものである。
図2は、別のユニットを概略的に示したものである。
図3は、Kozlowskiポリウレタンと他の四つの市販のポリウレタン材料のパフォーマンスをグラフにより示したものである。
図4、5、6および7は、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリエチレンのフォーム(発泡体)のパフォーマンスをグラフにより示したものである。
【0018】
まず図1を参照すると、これは、前処理ユニットを伴った三つのコンパートメントユニットを概略的に示したものである。
処理システム1は、2、3、4、5、6、7および8の一セットのボックスから成る。これらは別々のユニットとして組み立てることができるが、図示するように対にして組み立てるか、または単一の完成した処理システムとして組み立てることも可能である。流入する水溶性エマルジョン9のフローは、ボックス2に入る。ボックス2は前処理ユニットである。エマルジョン・フロー9は、概して、この箱の下から3分の1〜2分の1ほど上のところに流入する。このボックスの中で、大きい溶滴はすべて分離された非水溶相10に融合し、パイプ11を通じて、取り除かれる。
【0019】
次のボックス3は、小孔側壁12と13、および密で固い上部シート14を有する。このボックスは、概してフォーム(発泡体)である、高い表面積の高分子材料15で充填されており、この発泡体は、通常、微粒子の形態で使用され、一部はこのボックスの充填を補助することに使用され、また一部は、ボックスを通過するフローに対し、高い表面積をさらすことを確実にするために使用される。典型的な粒子サイズは、約5mmから約20mmである。
ボックス2からの分離された水溶性エマルジョン相16は、壁12を通ってボックス3に入り、高分子材料15に接触し、壁13を通ってボックス4に入る。ボックス3において、非水溶相と水溶相のさらなる分離が生じる。ボックス4において、この二つの相は、第二分離非水溶相17をもたらすように分離し、これはパイプ18を通じて再生される。処理済水溶相19はボックス5へと通過する。図示するように、ボックス4は、ボックス3の上部へと伸びて拡大された任意の集水スペースを含む。
【0020】
ボックス5と6は、ボックス3と4と同様に構成される。処理済水溶相19は、小孔壁20を通ってボックス5に入り、高分子材料21に接触し、小孔壁22を通ってそこから出る。ボックス6においてさらに、非水溶相23が分離し、集められ、パイプ24を通って再生される。二度処理済の水溶相25は、やはりボックス3と4と同様に、二つの小孔壁の間に第三の高分子材料体を伴うボックス7と8へと通過する。ボックス8においてさらに、非水溶相26が集められ、パイプ27を通って再生され、処理済水溶相のフロー28がボックス8からシステムの外に出る。パイプ18、24および27の各々において、フロート式自動バルブ(float operated automatic valve)またはタイムシーケンス・バルブ(time sequenced valve)というような、適切なフロー制御装置が使用される。
【0021】
処理システムにおいて、流入してくる水溶性エマルジョン9の流速は、ボックス3、5、7においてこの水溶性エマルジョンと高分子材料の間に適度な接触時間があるように調節され、非水溶相の分離を起こし、非水溶相の層のフリーフローティングを形成する。
実際には、少なくとも約150μmを超えるサイズを有する溶滴をもたらすことができれば十分であるということが一般的に見出されている。
【0022】
処理済水溶相28における非水溶相の受容レベルが非常に低い場合、例えば、処理済水溶相が飲料水の基準に見合うことが意図されている場合は、少なくともボックス7における第三高分子材料体をKozlowskiポリウレタンフォームにすることが薦められる。この場合、Kozlowskiポリウレタンフォームは吸収剤としてのみ作用し、エマルジョン・ブレーカとしては作用しない。従って、第三の材料体(三つより多く使用される場合は、最後の材料体)が、吸収剤としてのみ機能するKozlowskiポリウレタンフォームである場合、分離された非水溶相は形成されず、パイプ27に非水溶相のフローが現れない。その代わり、この処理済水溶相はモニターされなければならず、それにより、Kozlowskiポリウレタンフォームが非水溶相で満杯になったときに(これは処理済フロー28における濃度の上昇により示される)、通常は遠心分離により取り除かれ、非水溶相がそこから再生される。非水溶相が増量したKozlowskiポリウレタンから再生される間に処理が止まることを避けるため、交互に使用できるように、処理ユニットを平行して二つ備えることが都合よい。
【0023】
同様に、流入してくる水溶性フロー9が、非水溶相によりかなり汚染されている場合、高分子材料体は三つより多く必要とされる場合がある。この必要とされる数は、処理ユニットから流れ出る水の受容可能な汚染レベルによって大体は決定される。もし、流入する水溶性フローがさらに固体物質を含む場合、蓄積した固体物が定期的に取り除かれるように、ボックス2からの排出口29を備えることが有効である。
【0024】
第一のコンパートメントにおける高分子材料もまた定期的に検査し、前処理段階において分離されなかった水溶性フローにおいて、浮遊した小さな粒度の固形物が詰まってしまったときに交換することが必要な場合がある。
【0025】
このユニットは、非水溶相の溶滴が高分子材料体から分離しながら、単にそこから離れて上昇し続けるので、横に移動するのは処理済フローのみであるという有利な点を有する。
【0026】
図1において、処理段階のポリウレタン材料体を通った水溶性エマルジョンのフローは基本的に水平である。このフローがポリウレタン体を基本的に垂直に(上方向または下方向のいずれかに)通過するように処理段階を配置することも可能である。フローが上方向に通過する、好適な処理ユニットを図2に示す。
【0027】
図2において示された処理ユニット40は、基本的に単一の構造である。水平ユニットのように、ひとつの統合した構造として作成することも可能であるし、またはいくつかの別々のボックスを相互に接続させて作成することも可能である。水溶性エマルジョンは、41のところでパイプを通って第一のボックス43の中へと入って、ユニットの底部に入る。所望の場合、ボックス43の中に蓄積する固体物があるときにそれを処理するため、ドレイン42を設けることができる。そして、このボックスを上方向に以下のように互い違いにする:ボックス43、45、47および49は、処理ユニットを通過して流れる水溶相を含み、ボックス44、46および48は、高い表面積の高分子材料を含む。集水ボックス50、51、52および53は、各一対のボックスの側面に位置する。ボックス43、44および50の構造と作用を典型例とする。高分子材料は、孔あき金属プレートのようなグリッド54上で、外部ソリッド壁56Aおよび内部壁56Bの間に位置する。壁56Bは、グリッド54のすぐ下のボックス43を横切る孔またはスロットの列を含む。集水ボックス57の上部表面57は密で堅くできている。エマルジョンは高分子材料体58の飽和体にぶつかると、水溶相は多かれ少なかれそこを通って上方に動き続け、次のボックスに入る。所望の場合、第二の孔あき金属プレート55を高分子材料体58の上に配置することができる。高分子材料がエマルジョンを破壊するにつれ、分離したオイル溶滴は下方表面上に集まるようになり、そこを浸透しなくなる。分離したオイル溶滴は壁56Bにある孔またはスロットを通って横に移動し、集水ボックス50に入る。分離されたオイルは、59において第二相として集まり、パイプ60から取り除かれる。パイプ60からのフローは、また、フロート制御自動バルブ(float controlled automatic valve)、またはタイムシーケンス・バルブ(time sequenced valve)などの適切な方法で制御される。これに続く二つのユニットは同様の方法で動作し、上側に続く箱に処理済の水を与え、オイルフローはパイプ61と62に流れる。
【0028】
集水ボックス53を伴う最後のボックス49は、そこに到達する水溶性エマルジョン内にまだ存在するオイル量、および排出される処理済水フロー64において受容可能なオイル量によって作用する。流入する水においてフリーなオイルをすべて分離するため、ボックス49と集水ボックス53の間に適切なワイヤー配列が設けられている。ボックス48における最後の高分子材料体が、吸収剤としてのみ機能するKozlowskiポリウレタンフォームならば、集水ボックス53に流れ込む分離されたオイルは存在し得ない。従って、パイプ63からオイルが流出する場合はない。別の方法において、ボックス48における最後の高分子材料体がさらにオイルを分離するよう機能している場合、ボックス49内の水にいくらかオイル溶滴が存在しうる。これらは集水ボックス53にてとらえられ、パイプ63を通ってオイル相として再生される。
【0029】
前述のように、図2における処理ユニットは、三つのポリウレタン体を含む。何個のポリウレタン体が使用されるかは基本的に三つの要因によって決定される。すなわち、処理すべきエマルジョン量、このエマルジョンにおける非水溶物質の量、排出された処理済水における求められる品質レベル、である。従って、場合によっては、示された三つのユニットよりも多くのユニットが必要になる可能性がある。このタイプのユニットはときに、悪条件において、あるいは、最小限の監視しかできない条件において使用する必要があるので、使用される処理ユニットの数は、分析結果が必要と示すよりも多くし、安全域を設けることが好ましい。
【0030】
本発明を実施するにあたっては、上述したように、水溶相の中の非常に低いレベルの非水溶物質が必要な場合は、少なくとも最後の処理段階において、Kozlowskiポリウレタンを使用することが通常望まれる。もっと早い段階または多段階において、他の高分子材料を使用することができる。図3は、五つの異なるポリウレタン材料についての比較パフォーマンスデータを示したものである。このデータは、水溶オイルエマルジョンを各フォームマテリアル体に通過させ、入口と出口におけるオイル含有量を測定する、一回の通過テストに基づく。これらのテストにおいて、五つのコンパートメントを備えた直径10cmのパイプが使用された。第一と第三のコンパートメントは、長さ約4cmで、ポリウレタンのテストサンプルが含まれている。第一と、第三と第五のコンパートメントは中空で、長さは約0.8cmであった。テストパイプを通過するフローは水平であった。使用されたエマルジョンは、遠心分離ポンプを使って3,450rpmで水に混合した10W30モーターオイルであった。流速は、1.5L/minで一定であった。
【0031】
図3において、排水オイルレベル(縦軸)を入口オイルレベル(横軸)に対して、両軸ともppmにてプロットした。
五つのポリウレタン材料は以下のように特定される。
A:Kozlowskiポリウレタンフォーム
B:アップホルスタリーグレード(Upholstery grade)フォーム・チップ。組成不明。
C:グレートスタッフ(Great Stuff)(TM)ポリウレタンフォーム
D:グレートスタッフ(Great Stuff)(TM)膨張ポリウレタンフォーム
E:オール・ディレクション・グレートスタッフ(All Direction Great Stuff)(TM)ポリウレタンフォーム
製品Bは、多くの供給元から入手可能な標準の市販品である。その組成は不明である。当該製品は、エバーソフト・ファイバー・アンド・フォーム・リミテッド(Eversoft Fibre and Foam Ltd.)から供給されたものである。製品C、DおよびEは、すべて市販品で、米国イリノイ州ジョリエのフレキシブル・プロダクツ・カンパニー(Flexible Products Co., Joliet, Illinois, USA) により製造されている。主要成分は、4,4’−ジフェニルメタン・ジイソシアネート、ポリエーテル/ポリオール混合および膨張剤であると思われる。図3が示すように、これらの製品はすべて、テストをしたオイル及び水系のオイル含有量をかなり低減させることが可能である。
【0032】
他の高分子材料を使用した同様のテスト結果が、比較の目的でポリウレタンフォームを含めて、図4、5、6および7に示される。これらのテストにおいては、シリンダーが、高分子材料を詰め込んだ四つのコンパートメントを含み、流速は1.2リットル/分、エマルジョン中のテスト用オイルは10W30モーターオイルであった。使用されたテスト用ポリマーは、図4はポリエチレン、図5はポリエステル、図6はポリスチレン、図7はポリプロピレンであった。
【0033】
ポリエステルおよびポリウレタンが、フォーム(発泡体)として使用され、ポリエチレン、ポリスチレンおよびポリプロピレンは、高い表面積を有する小粒子として使用された。これは薄い切り屑(削り屑に類似するもの)であり、最大寸法が約5mmであった。
【0034】
各実験において、オイルと水の混合液はシリンダーを通過し、処理前と処理後にオイルレベルが測定された。水溶フローにおけるオイルレベルは一定ではなかった。
【0035】
図4〜7の各図において、横軸は時間であり、縦軸は100万分の1(ppm)である。左軸は、処理済水溶フローを示し、右軸は未処理水溶フローを示す。これらの軸は、目盛が異なる。各図において、トレースAは、流入する水溶オイル含有フロー、トレースBは、ポリウレタンを用いた処理後、トレースCは、テストポリマーを用いた処理後を表す。各図において、水溶フローに残ったオイル量は最初から存在するオイル量に関連することを示されている。これらのトレースが示していることは、テストされた材料の中でポリウレタンが最も効果的であるように思われ、概して、最大約50ppmよりも少ないレベルまでオイルレベルを下げている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、三つのユニットの処理システムを概略的に示したものである。
【図2】図2は、別のユニットを概略的に示したものである。
【図3】図3は、Kozlowskiポリウレタンと他の四つの市販のポリウレタン材料のパフォーマンスをグラフにより示したものである。
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】図4〜図7は、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリエチレンのフォーム(発泡体)のパフォーマンスをグラフにより示したものである。

Claims (9)

  1. 再生された非水溶相を提供し、受容可能なレベルの非水溶相を含む再生水溶相を提供するために、水溶連続相と非水溶分散相を含む水溶性エマルジョンを、分離された水溶相と非水溶相に切り離すためのプロセスであって、
    (a) 水溶性エマルジョンのフローを、高い表面積を有する第1の高分子材料体に接触させ、
    (b) 第1の高分子材料体が該エマルジョンの非水溶相で飽和されることを可能にし、
    (c) 分離した非水溶相が形成されるまで水溶性エマルジョンのフローを続け、
    (d) 水溶相から非水溶相を切り離し、
    (e) 分離された非水溶相を再生し、
    (f) 処理済水溶相のフローを再生し、
    (g) 必要に応じて、再生された水溶相のフローにおいて非水溶物質が受容可能なレベルに到達するまで、少なくとも、高い表面積を有する第二の高分子材料体に処理済水溶相のフローを接触させるために、ステップ(a)から(f)までを繰り返す、ことから成るプロセス。
  2. 請求項1記載のプロセスであって、前記高分子材料におけるポリマーは、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリエチレンからなるグループから選択される。
  3. 請求項2記載のプロセスであって、前記高分子材料におけるポリマーは、ポリウレタンである。
  4. 請求項1記載のプロセスであって、高い表面積を有するポリマー材料は、フォームと、高い表面積のチップから成るグループから選択される形態である。
  5. 請求項4記載のプロセスであって、高い表面積を有するポリマー材料は、微粒子のポリマーフォーム材料である。
  6. 請求項1記載のプロセスであって、複数の高分子材料体が使用され、前記フローは順に各高分子材料体に接触し、分離された非水溶相が、各高分子材料体の後で、該フローから再生される。
  7. 請求項1記載のプロセスであって、複数の高分子材料体が使用され、前記フローは順に各高分子材料体に接触し、分離された非水溶相が、最後を除く各高分子材料体の後で、該フローから再生され、分離された非水溶相が最後の材料体から再生される。
  8. 請求項1記載のプロセスであって、高分子材料体のシーケンスが使用され、少なくとも最後のポリウレタン材料体は、Kozlowskiポリウレタンから成る。
  9. 請求項1記載のプロセスであって、ステップ(a)の前に、前処理ステップをさらに含み、このステップは、
    (h) 融合を行うために十分な大きさの非水溶相の溶滴により、分離した非水溶相が形成され、
    (i) 分離された非水溶相が再生され、
    (j) 水溶相が再生されて、ステップ(a)のフローとして使用される、ステップである。
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