JP2004326424A - 運賃計算方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】旅客の乗車パターンに応じた多様な割引運賃サービスの計算を、運賃計算システムの負荷を増大させることなく実現することにある。
【解決手段】利用者の記録媒体が改札機1070にアクセスした際、利用者の記録媒体内に運賃計算に必要な情報を書き込む。改札機は、記録媒体内に書き込まれてある利用実績情報やその他の運賃計算に必要な情報を読み取り、割引運賃を算出する。また、複数の割引運賃が存在する場合には、それぞれの割引を適用した場合の運賃を積算して利用者の記録媒体内に蓄積しておき、各割引運賃を比較して、最も易い運賃を適用して精算を行う。運賃計算機1010は、改札機からの顧客毎の利用情報を履歴情報として収集して、運賃後払いの利用者の運賃の積算を行って、一定期間毎の請求を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】利用者の記録媒体が改札機1070にアクセスした際、利用者の記録媒体内に運賃計算に必要な情報を書き込む。改札機は、記録媒体内に書き込まれてある利用実績情報やその他の運賃計算に必要な情報を読み取り、割引運賃を算出する。また、複数の割引運賃が存在する場合には、それぞれの割引を適用した場合の運賃を積算して利用者の記録媒体内に蓄積しておき、各割引運賃を比較して、最も易い運賃を適用して精算を行う。運賃計算機1010は、改札機からの顧客毎の利用情報を履歴情報として収集して、運賃後払いの利用者の運賃の積算を行って、一定期間毎の請求を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交通機関の利用料金を計算する運賃計算方法及びシステムに係り、特に、利用者が保持する記録媒体内の情報を用いた割引運賃を計算する運賃計算方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、交通機関における乗車券として、ICカード等の記録可能な媒体を使用するものが実用化され始めている。この種のICカード乗車券は、JR東日本のSuica に代表されるように、カード内に預託金としてバリューを蓄積しておき、利用時にこれを減額する方法が一般的であるが、この方法は、単一の運賃体系に対してしか利用することができないものである。
【0003】
これに対し、特許文献1に記載のものや長崎スマートカード(西肥自動車)を利用するものは、各回の利用内容に応じたポイントサービスや、乗り継ぎ割引等のサービスを実現することができるものであるが、複数の割引を同時に提供し、その中から適用する割引を選択するようなサービスは実現されていない。
【0004】
一方、運賃等の先払い方法における乗車券の購入や更新、バリューの積み増しの手間を改善する方法として、例えば、特許文献2に記載されているような運賃後払い計算方法が提案されている。この方法は、利用履歴をセンタ側で集計して割引を適用することができるため、複数の割引を同時に提供可能である反面、日々蓄積される膨大な利用データを集計・分析し、割引の適用判定や適用する割引の選択を行う必要があるため、割引種別の増加に伴って処理負荷が増大するという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−351130号公報
【0006】
【特許文献2】
特許第2857086号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術における運賃先払いの方法は、利用内容や利用時間等に応じた割引運賃を実現することができるものの、単一の運賃体系に対してしか利用することができないものであり、複数の割引運賃を同時に提供し、その中から適用する割引を選択するサービスを実現することができなかった。
【0008】
また、運賃後払いの方法は、日々蓄積される膨大な利用データを用いて、割引運賃適用判定等の処理を行う必要があるため、日々の精算処理、及び、月末の請求額算出処理が多大な負荷となるという問題点を有し、このため、多様な割引運賃を同時に提供することが困難であった。
【0009】
本発明の目的は、前述した従来技術の方法で実現することができなかった旅客の乗車パターンに応じた多様な割引運賃サービスを、運賃計算システムの負荷を増大させることなく実現することを可能にした割引運賃計算方法及びシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、交通機関の利用料金を、利用者の利用状況に応じて課金する運賃計算方法において、改札機が、利用者が交通機関を利用する際に、利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスしたとき、利用者の保持する記録媒体に、利用情報として利用時刻や利用場所の情報等を書き込むステップと、利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出するステップと、算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップとを実行することにより達成される。
【0011】
また、前記目的は、交通機関の利用料金を、利用者の利用状況に応じて課金する運賃計算システムにおいて、複数の改札機と運賃計算機とがネットワークを介して接続され、前記改札機が、利用者が交通機関を利用する際に、利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスしたとき、利用者の保持する記録媒体に、利用情報として利用時刻や利用場所の情報等を書き込む手段と、利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出する手段と、算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択する手段とを備えて構成され、前記運賃計算機が、前記改札機から送信されてきた運賃を選択する手段により選択決定された運賃の算出結果を利用者毎に集計する手段と、後日精算の各利用者に対する後日精算処理を行う手段とを備えて構成されることにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による割引運賃計算方法及びシステムの実施形態を図面により詳細に説明する。以下に説明する本発明の実施形態は、カードへの利用情報の書き込みを用いて複数種類の割引運賃の適用を可能にした例である。
【0013】
図1は本発明の一実施形態による運賃計算システムの全体の構成を示すブロック図である。図1において、1010は運賃計算機、1020は利用履歴情報、1030は顧客情報、1040は通知情報、1050は運賃計算プログラム、1060はネットワーク、1070は改札機、1080はカード情報照会機、1090は表示装置である。
【0014】
本発明の一実施形態による運賃計算システムは、主に口座振替を行う利用者に対する運賃等の計算を行う運賃計算機101と、ICカードを持つ利用者の駅等への入場、出場の処理を行うと共にICカード内への情報の書き込み、読み出しを行って運賃計算を行う複数の改札機1070と、利用者がICカード内の情報を照会し、預託金としてのバリューの入金等を行う複数のカード情報照会機1080とがネットワークを介して接続されて構成されている。
【0015】
運賃計算機1010は、、顧客毎に蓄積している利用履歴情報1020と、各顧客に関する顧客情報1030と、顧客に通知すべき通知情報1040と、口座振替を行う利用者に対する運賃等の計算を行う運賃計算プログラム1050とにより構成されている。改札機1070とカード情報照会機1080とは、表示装置1090を有し、割引情報の適用状況、バリュー残高等を利用者に通知するために使用される。
【0016】
図2は利用者が保持するICカード内に格納されている情報と、改札機、カード照会機としてのカード利用機器の構成とについて接続する図である。図2において、2010はICカード、2020は改札機、カード照会機としてのカード利用機器、2310は内部時計、2320はメモリ、2340はカードリーダライタである。
【0017】
利用者が保持するICカード2010は、その内部に書き替え可能で電力の供給なしに記憶を保持することができるメモリを有して構成され、そのメモリには、カードID2030、バリュー情報2040、前回精算額2050、入場情報2060、最終出場情報2090、途中下車割引情報2130、周遊券情報2190、定期券情報2250を格納する格納場所が用意されている。入場情報2060には、入場時刻2070と入場駅コード2080とが格納され、最終出場情報2090には、出場年月日2100、出場時刻2110及び出場駅コード2120が格納される。
【0018】
本発明の実施形態は、各種割引で用いるデータの格納場所として、定期券割引、周遊券割引、途中下車・入場券割引の3つの割引を適用する場合のために、途中下車割引情報2130、周遊券情報2190、定期券情報2250を格納する格納場所が用意されている。そして、途中下車駅割引情報2130には、途中下車と判定される最初の乗車駅コード2140、途中下車回数2150、前回精算額2160、精算額2170、当日積算額2180が格納され、周遊券情報2190には、周遊券コード2200、利用日2210、周遊券運賃2220、普通運賃相当額2230、当日積算額2240が格納されている。定期券情報2250には、区間を表す駅1コード2260、駅2コード2270、有効期限2280、積算額利用日2290、当日積算額2300が格納される。
【0019】
前述した各割引運賃情報にある当日積算額は、各割引を適用した場合の運賃を格納する領域であり、実際の精算時には、各割引運賃における当日積算額を比較し、より低額な運賃で精算を行う。
【0020】
一方、カード利用機器2020は、内部時計2310、メモリ2320、表示装置1090、カードリーダライタ2340を備えて構成され、メモリ2320には、機器ID2350、設置駅コード2360、普通運賃計算プログラム2370、周遊券割引計算プログラム2380、途中下車割引計算プログラム2390、定期割引計算プログラム2400、及び、周遊券区間データ2410が格納されている。
【0021】
次に、本発明の実施形態による割引運賃計算の処理について説明する。
【0022】
図3は改札機における割引運賃計算の処理動作の全体を接続するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0023】
(1)利用者が駅への入場、駅からの出場のために、改札機のカードリーダライタに自分が保持しているICカードをかざし、あるいは、挿入して改札機にアクセスすると、入場か出場かを判定する(ステップ3010、3020)。
【0024】
(2)ステップ3020の判定で、入場であった場合には、途中下車割引計算処理(入場時処理)を行い、入場情報2060をICカードに書き込む。なお、途中下車割引計算処理(入場時処理)については後述する(ステップ3030、3040)。
【0025】
(3)ステップ3020の判定で、出場であった場合には、普通運賃を算出する処理を実行した後、定期券割引計算処理、周遊券割引計算処理、途中下車割引計算処理(入場時処理)の各処理を実行する。定期券割引計算処理は、ICカード内に記録されている入場駅コード及び出場駅である自機器の設置駅コードと、ICカード内の定期券情報に記録されている駅1コード及び駅2コードとから当該利用区間に定期区間を含むか否かを判定し、含む場合には当該区間から定期券区間を除いてた残りの区間を取得し、残りの区間を当日積算額に加算すると共に、積算額利用日を当日とする処理である。なお、周遊券割引計算処理、途中下車割引計算処理(入場時処理)の各処理の詳細については後述する(ステップ3050〜3080)。
【0026】
(4)各割引計算処理を実行した後、ステップ3060〜ステップ3080の各割引計算の処理により、適用判定中あるいは適用中の割引が存在するか否かを判定する。この判定は、定期券割引の場合、積算額利用日が当日であるか否かによる判定であり、周遊券割引の場合、利用日が当日である周遊券情報が存在するか否かによる判定であり、また、途中下車割引の場合、途中下車回数が1以上であるか否かによる判定である(ステップ3090)。
【0027】
(5)ステップ3090の判定により、適用判定中あるいは適用中の割引が存在していた場合、各運賃の当日積算額を更新する。この更新方法は、ステップ3060〜ステップ3080の各割引処理において、各割引が適用された場合にはそのままとし、適用されなかった場合には普通運賃を加算する方法である(ステップ3100)。
【0028】
(6)次に、各割引の当日積算額を比較し、ICカード内の前回精算額と最低運賃とを比較して最低となる運賃を選択し、前回精算額と最低運賃との差額を精算する。この精算は、ICカード内に先払いしたバリューを用いて、ICカード内のバリューを更新することにより行われる(ステップ3110、3120)。
【0029】
(7)一方、ステップ3090の判定により、適用判定中あるいは適用中の割引が存在していなかった場合、普通運賃を精算する。この精算は、ICカード内に先払いしたバリューを用いて、ICカード内のバリューを更新することにより行われる。その後、各運賃の当日積算額を0とし、前回精算額を0として、これらをICカード内に書き込む(ステップ3130〜3150)。
【0030】
(8)次に、ステップ3120、3150の処理後、ICカード内の最終出場情報を更新する(ステップ3160)
(9)ステップ3040、3160の処理後、運賃計算機1010に利用履歴情報を送信し、適用された割引運賃が存在したか否かを判定して、存在した場合、割引内容を表示装置1090に表示して、ここでの処理を終了する(ステップ3170〜3190)。
【0031】
図4は前述したステップ3030での途中下車割引計算処理(入場時処理)の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。この処理では、当駅での下車が、途中下車とみなされるか否かを判定する。
【0032】
(1)ICカード内に最終出場情報が存在するか否かを、出場年月日が当該年月日と等しいか否か、出場駅コードが当該駅コードと等しいか否か、現在時刻と出場時刻の差が1時間以内であるか否かを判定し、これらの判定の結果の全てがYESであった場合、当該駅での下車を途中下車とみなし、ICカード内の途中下車駅情報の途中下車回数に1を加算する(ステップ4010〜4050)。
【0033】
(2)ステップ4010〜ステップ4040の判定で、条件に合致しない項目が1つでもあった場合、途中下車回数を0とし、ICカード内の途中下車駅情報の最初乗車駅コードに当駅コードを登録する。これは、当該駅までの利用とこれからの利用が途切れていると判定したことを意味する(ステップ4060、4070)。
【0034】
(3)ステップ4050、4070の処理の後、運賃計算機1010に通知情報を送信して、処理を終了する(ステップ4080)。
【0035】
通知情報とは、入場割引及び途中下車割引が適用される期限の一定時刻前に運賃計算機からメールを送信して通知を行うサービスの情報である。この情報により、運賃計算機1010は、例えば、入場の場合、入場券としての利用による入場料が無料となる時間期限を10分とし、その2分前に通知を行い、また、出場の場合、途中下車割引が適用される時間期限がステップ4040で判定したように1時間であるとすると、その10分前に通知を行う。
【0036】
図5は運賃計算機が持つ通知情報のデータ構造を説明する図である。通知情報1040は、カードID5010、通知時刻5020、入場時刻5030、出場時刻5040及び駅コード5050から構成される。運賃計算機1010は、通知情報の受信時に、入場時刻及び出場時刻から所定の通知時刻を算出し、通知時刻5020に算出した時刻を格納すると共に、通知時刻を昇順に並べ替えて、所定の時刻に当該カードIDに対応するメールアドレスに通知情報を送信する。利用者のメールアドレスは、顧客情報1030に格納されている。
【0037】
図6は運賃計算機が持つ顧客情報のデータ構造を説明する図である。顧客情報1030は、カード発行の際に利用者からの情報を格納したものであり、カードID6010、氏名6020、性別6030、郵便番号6040、E−mailアドレス6050、カード番号6060及びカード種別6070から構成される。運賃計算機1010は、カードIDに対応するメールアドレスを当該顧客情報から参照する。また、利用料金を後払い精算する利用者に対しては、カード情報に基づいて精算処理を行う。
【0038】
図7は図3により説明したステップ3070での周遊券割引計算処理の処理の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0039】
(1)周遊券割引計算の処理が開始されると、まず、当該ICカード内の情報から判別した乗車区間と、改札機内にある周遊券区間情報とを照合し、当該乗車区間が周遊券区間を含むか否かを判定し、含まなければ、何もせずに処理を終了する(ステップ7010)
(2)ステップ7010の判定で、当該乗車区間が周遊券区間を含んでいた場合、周遊券区間とそれ以外の区間とを分割し、次に、ICカード内の周遊券情報に、当日の当該周遊券コードの情報が存在するか否かを判定かる(ステップ7020、7030)。
【0040】
(3)ステップ7030の判定で、周遊券情報に当日の当該周遊券コードの情報が存在した場合、ICカード内の普通運賃相当額及び当日積算額に周遊券区間外の普通運賃を加算する処理を行って、ここでの処理を終了する(ステップ7040)。
【0041】
(4)ステップ7030の判定で、ICカード内に当日の周遊券情報が存在しなかった場合、ICカード内の周遊券情報に空き領域があるか否かを判定し、空き領域がなかった場合、ICカード内の周遊券情報のうち当日以外の情報を検索し、なかった場合、処理を終了し、あった場合、その情報を消去する(ステップ7050〜7070)。
【0042】
(5)ステップ7050の判定で、ICカード内の周遊券情報に空き領域があった場合、または、ステップ7070の処理の後、周遊券情報の空き領域に対して、新規周遊券情報の登録として、周遊券コード、利用日、周遊券運賃を登録する(ステップ7080)。
【0043】
(6)次に、普通運賃相当額に周遊券外運賃を加算して登録し、さらに、ICカード内の当日積算額に周遊券運賃と普通運賃相当額とを加算した運賃を登録して、ここでの処理を終了する(ステップ7090、7100)。
【0044】
図8は図3により説明したステップ3080での途中下車割引計算処理(出場時処理)の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0045】
(1)途中下車割引計算処理(出場時処理)が開始されると、まず、当該駅と入場駅とが一致するか否かを判定し、異なっていた場合、ステップ8020以下の処理により、途中下車割引の適用判定、及び割引運賃の算出を行い、当該駅が入場駅と同一であった場合、ステップ8030以下の処理により、入場券運賃の算出を行う(ステップ8010)。
【0046】
(2)ステップ8010の判定で、当該駅と入場駅とが異なっていた場合、ICカード内の途中下車駅情報の途中下車回数が1以上であるか否かを判定し、途中下車回数が0であった場合、前駅での下車が途中下車であると判定されなかったことを意味するため、ここでの処理を終了する(ステップ8020)。
【0047】
(3)ステップ8020の判定で、途中下車回数が1以上であった場合、前駅における下車が途中下車であったことを意味するため、途中下車割引運賃の算出を行い、精算額を前回精算額にコピーし、ICカード内の途中下車割引情報内の精算額に算出額を書き込んで処理を終了する(ステップ8040〜8060)。
【0048】
前述したステップ8040の途中下車割引運賃の算出方法としては、例えば、以下の式で示す2つの方法がある。すなわち、
割引運賃=(入場駅→当駅の普通運賃)×0.8 ……(式1)
割引運賃=(最初乗車駅→当駅の普通運賃)×1.2−前回精算額 ……(式2)
である。
【0049】
式1に示す方法は、前回の途中下車駅から当駅までの運賃を割り引く方法であり、逐次割引運賃を精算していくという方法である。式2に示す方法は、途中下車と判定された区間を連続の乗車とみなし、最初の乗車駅から当駅までの運賃に対して、途中下車分の割増料金を適用する方法であり、前回精算額との差額を精算することによって実現する。
【0050】
(4)一方、ステップ8010の判定で、当該駅と入場駅とが同一であった場合、入場券運賃の適用を行い、入場時刻が出場時刻から10分以内であるか否かを判定し、入場時刻が出場時刻から10分以内であった場合、入場料金を無料として、ここでの処理を終了する(ステップ8030)。
【0051】
(5)ステップ8030の判定で、入場時刻が出場時刻から10分以上経過していた場合、以下に式3として示す入場料算出式
入場料金=(現在時刻−入場時刻)÷60分×(基本入場料) ……(式3)
により、入場料金を算出する。基本入場料は1時間当りの入場料であり、これにより、当該利用の入場料金を算出して、ここでの処理を終了する(ステップ8070)。
【0052】
前述までに説明した本発明の実施形態による各処理は、処理プログラムとして構成することができ、この処理プログラムは、HD、DAT、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することができる。
【0053】
図9は運賃計算機が持つ利用履歴情報のデータ構造を説明する図である。利用履歴情報は1020、利用日9010、利用時刻9020、カードID9030、駅コード9040、処理9050、バリュー処理9060及びバリュー残高9070から構成され、利用者のICカードが改札機やバリューの積み増しのためにカード情報照会機にアクセスするたびに運賃計算機1010に送信される情報である。運賃計算機1010は、この利用履歴情報1020と顧客情報1030との情報を使用して、口座振替を行う利用者に対する一定期間毎、例えば、1月毎の料金の精算を運賃計算プログラム1050を用いて行い、利用者が登録しているクレジット会社等を介して、利用者に料金の請求を行う。
【0054】
前述した本発明の実施形態における図3で説明したステップ3120、ステップ3130の精算は、ICカード内のバリューを用いた先払いとして説明したが、本発明は、前述した利用履歴情報を用いた後払いの方法を適用することも可能である。また、本発明は、当日は、当日積算額の積み増しを行い続け、一定の期間経過して後日のアクセスした際に、当日分までの精算を一括して行うようにすることもできる。この方法によれば、精算回数を削減することが可能となる。
【0055】
前述した本発明の実施形態によれば、前述したフローによる一連の処理を実行することにより、多様な運賃サービスを、運賃計算システム全体のの負荷を増大させることなく、同時に実現することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数種類の割引運賃を同時に提供し、適用する割引を選択することが可能となり、これらの機能を、運賃後払いによる精算に対しても運賃計算システム全体の処理負荷を低減させて実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による運賃計算システムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】利用者が保持するICカード内に格納されている情報と、改札機、カード照会機としてのカード利用機器の構成とについて接続する図である。
【図3】改札機における割引運賃計算の処理動作の全体を接続するフローチャートである。
【図4】途中下車割引計算処理(入場時処理)の詳細を説明するフローチャートである。
【図5】運賃計算機が持つ通知情報のデータ構造を説明する図である。
【図6】運賃計算機が持つ顧客情報のデータ構造を説明する図である。
【図7】周遊券割引計算処理の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】途中下車割引計算処理(出場時処理)の詳細を説明するフローチャートある。
【図9】運賃計算機が持つ利用履歴情報のデータ構造を説明する図である。
【符号の説明】
1010 運賃計算機
1020 利用履歴情報
1030 顧客情報
1040 通知情報
1050 運賃計算プログラム
1060 ネットワーク
1070 改札機
1080 カード情報照会機
1090 表示装置
2010 ICカード
2020 改札機、カード情報照会機としてのカード利用機器
2310 内部時計
2320 メモリ
2340 カードリーダライタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、交通機関の利用料金を計算する運賃計算方法及びシステムに係り、特に、利用者が保持する記録媒体内の情報を用いた割引運賃を計算する運賃計算方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、交通機関における乗車券として、ICカード等の記録可能な媒体を使用するものが実用化され始めている。この種のICカード乗車券は、JR東日本のSuica に代表されるように、カード内に預託金としてバリューを蓄積しておき、利用時にこれを減額する方法が一般的であるが、この方法は、単一の運賃体系に対してしか利用することができないものである。
【0003】
これに対し、特許文献1に記載のものや長崎スマートカード(西肥自動車)を利用するものは、各回の利用内容に応じたポイントサービスや、乗り継ぎ割引等のサービスを実現することができるものであるが、複数の割引を同時に提供し、その中から適用する割引を選択するようなサービスは実現されていない。
【0004】
一方、運賃等の先払い方法における乗車券の購入や更新、バリューの積み増しの手間を改善する方法として、例えば、特許文献2に記載されているような運賃後払い計算方法が提案されている。この方法は、利用履歴をセンタ側で集計して割引を適用することができるため、複数の割引を同時に提供可能である反面、日々蓄積される膨大な利用データを集計・分析し、割引の適用判定や適用する割引の選択を行う必要があるため、割引種別の増加に伴って処理負荷が増大するという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−351130号公報
【0006】
【特許文献2】
特許第2857086号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術における運賃先払いの方法は、利用内容や利用時間等に応じた割引運賃を実現することができるものの、単一の運賃体系に対してしか利用することができないものであり、複数の割引運賃を同時に提供し、その中から適用する割引を選択するサービスを実現することができなかった。
【0008】
また、運賃後払いの方法は、日々蓄積される膨大な利用データを用いて、割引運賃適用判定等の処理を行う必要があるため、日々の精算処理、及び、月末の請求額算出処理が多大な負荷となるという問題点を有し、このため、多様な割引運賃を同時に提供することが困難であった。
【0009】
本発明の目的は、前述した従来技術の方法で実現することができなかった旅客の乗車パターンに応じた多様な割引運賃サービスを、運賃計算システムの負荷を増大させることなく実現することを可能にした割引運賃計算方法及びシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、交通機関の利用料金を、利用者の利用状況に応じて課金する運賃計算方法において、改札機が、利用者が交通機関を利用する際に、利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスしたとき、利用者の保持する記録媒体に、利用情報として利用時刻や利用場所の情報等を書き込むステップと、利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出するステップと、算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップとを実行することにより達成される。
【0011】
また、前記目的は、交通機関の利用料金を、利用者の利用状況に応じて課金する運賃計算システムにおいて、複数の改札機と運賃計算機とがネットワークを介して接続され、前記改札機が、利用者が交通機関を利用する際に、利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスしたとき、利用者の保持する記録媒体に、利用情報として利用時刻や利用場所の情報等を書き込む手段と、利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出する手段と、算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択する手段とを備えて構成され、前記運賃計算機が、前記改札機から送信されてきた運賃を選択する手段により選択決定された運賃の算出結果を利用者毎に集計する手段と、後日精算の各利用者に対する後日精算処理を行う手段とを備えて構成されることにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による割引運賃計算方法及びシステムの実施形態を図面により詳細に説明する。以下に説明する本発明の実施形態は、カードへの利用情報の書き込みを用いて複数種類の割引運賃の適用を可能にした例である。
【0013】
図1は本発明の一実施形態による運賃計算システムの全体の構成を示すブロック図である。図1において、1010は運賃計算機、1020は利用履歴情報、1030は顧客情報、1040は通知情報、1050は運賃計算プログラム、1060はネットワーク、1070は改札機、1080はカード情報照会機、1090は表示装置である。
【0014】
本発明の一実施形態による運賃計算システムは、主に口座振替を行う利用者に対する運賃等の計算を行う運賃計算機101と、ICカードを持つ利用者の駅等への入場、出場の処理を行うと共にICカード内への情報の書き込み、読み出しを行って運賃計算を行う複数の改札機1070と、利用者がICカード内の情報を照会し、預託金としてのバリューの入金等を行う複数のカード情報照会機1080とがネットワークを介して接続されて構成されている。
【0015】
運賃計算機1010は、、顧客毎に蓄積している利用履歴情報1020と、各顧客に関する顧客情報1030と、顧客に通知すべき通知情報1040と、口座振替を行う利用者に対する運賃等の計算を行う運賃計算プログラム1050とにより構成されている。改札機1070とカード情報照会機1080とは、表示装置1090を有し、割引情報の適用状況、バリュー残高等を利用者に通知するために使用される。
【0016】
図2は利用者が保持するICカード内に格納されている情報と、改札機、カード照会機としてのカード利用機器の構成とについて接続する図である。図2において、2010はICカード、2020は改札機、カード照会機としてのカード利用機器、2310は内部時計、2320はメモリ、2340はカードリーダライタである。
【0017】
利用者が保持するICカード2010は、その内部に書き替え可能で電力の供給なしに記憶を保持することができるメモリを有して構成され、そのメモリには、カードID2030、バリュー情報2040、前回精算額2050、入場情報2060、最終出場情報2090、途中下車割引情報2130、周遊券情報2190、定期券情報2250を格納する格納場所が用意されている。入場情報2060には、入場時刻2070と入場駅コード2080とが格納され、最終出場情報2090には、出場年月日2100、出場時刻2110及び出場駅コード2120が格納される。
【0018】
本発明の実施形態は、各種割引で用いるデータの格納場所として、定期券割引、周遊券割引、途中下車・入場券割引の3つの割引を適用する場合のために、途中下車割引情報2130、周遊券情報2190、定期券情報2250を格納する格納場所が用意されている。そして、途中下車駅割引情報2130には、途中下車と判定される最初の乗車駅コード2140、途中下車回数2150、前回精算額2160、精算額2170、当日積算額2180が格納され、周遊券情報2190には、周遊券コード2200、利用日2210、周遊券運賃2220、普通運賃相当額2230、当日積算額2240が格納されている。定期券情報2250には、区間を表す駅1コード2260、駅2コード2270、有効期限2280、積算額利用日2290、当日積算額2300が格納される。
【0019】
前述した各割引運賃情報にある当日積算額は、各割引を適用した場合の運賃を格納する領域であり、実際の精算時には、各割引運賃における当日積算額を比較し、より低額な運賃で精算を行う。
【0020】
一方、カード利用機器2020は、内部時計2310、メモリ2320、表示装置1090、カードリーダライタ2340を備えて構成され、メモリ2320には、機器ID2350、設置駅コード2360、普通運賃計算プログラム2370、周遊券割引計算プログラム2380、途中下車割引計算プログラム2390、定期割引計算プログラム2400、及び、周遊券区間データ2410が格納されている。
【0021】
次に、本発明の実施形態による割引運賃計算の処理について説明する。
【0022】
図3は改札機における割引運賃計算の処理動作の全体を接続するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0023】
(1)利用者が駅への入場、駅からの出場のために、改札機のカードリーダライタに自分が保持しているICカードをかざし、あるいは、挿入して改札機にアクセスすると、入場か出場かを判定する(ステップ3010、3020)。
【0024】
(2)ステップ3020の判定で、入場であった場合には、途中下車割引計算処理(入場時処理)を行い、入場情報2060をICカードに書き込む。なお、途中下車割引計算処理(入場時処理)については後述する(ステップ3030、3040)。
【0025】
(3)ステップ3020の判定で、出場であった場合には、普通運賃を算出する処理を実行した後、定期券割引計算処理、周遊券割引計算処理、途中下車割引計算処理(入場時処理)の各処理を実行する。定期券割引計算処理は、ICカード内に記録されている入場駅コード及び出場駅である自機器の設置駅コードと、ICカード内の定期券情報に記録されている駅1コード及び駅2コードとから当該利用区間に定期区間を含むか否かを判定し、含む場合には当該区間から定期券区間を除いてた残りの区間を取得し、残りの区間を当日積算額に加算すると共に、積算額利用日を当日とする処理である。なお、周遊券割引計算処理、途中下車割引計算処理(入場時処理)の各処理の詳細については後述する(ステップ3050〜3080)。
【0026】
(4)各割引計算処理を実行した後、ステップ3060〜ステップ3080の各割引計算の処理により、適用判定中あるいは適用中の割引が存在するか否かを判定する。この判定は、定期券割引の場合、積算額利用日が当日であるか否かによる判定であり、周遊券割引の場合、利用日が当日である周遊券情報が存在するか否かによる判定であり、また、途中下車割引の場合、途中下車回数が1以上であるか否かによる判定である(ステップ3090)。
【0027】
(5)ステップ3090の判定により、適用判定中あるいは適用中の割引が存在していた場合、各運賃の当日積算額を更新する。この更新方法は、ステップ3060〜ステップ3080の各割引処理において、各割引が適用された場合にはそのままとし、適用されなかった場合には普通運賃を加算する方法である(ステップ3100)。
【0028】
(6)次に、各割引の当日積算額を比較し、ICカード内の前回精算額と最低運賃とを比較して最低となる運賃を選択し、前回精算額と最低運賃との差額を精算する。この精算は、ICカード内に先払いしたバリューを用いて、ICカード内のバリューを更新することにより行われる(ステップ3110、3120)。
【0029】
(7)一方、ステップ3090の判定により、適用判定中あるいは適用中の割引が存在していなかった場合、普通運賃を精算する。この精算は、ICカード内に先払いしたバリューを用いて、ICカード内のバリューを更新することにより行われる。その後、各運賃の当日積算額を0とし、前回精算額を0として、これらをICカード内に書き込む(ステップ3130〜3150)。
【0030】
(8)次に、ステップ3120、3150の処理後、ICカード内の最終出場情報を更新する(ステップ3160)
(9)ステップ3040、3160の処理後、運賃計算機1010に利用履歴情報を送信し、適用された割引運賃が存在したか否かを判定して、存在した場合、割引内容を表示装置1090に表示して、ここでの処理を終了する(ステップ3170〜3190)。
【0031】
図4は前述したステップ3030での途中下車割引計算処理(入場時処理)の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。この処理では、当駅での下車が、途中下車とみなされるか否かを判定する。
【0032】
(1)ICカード内に最終出場情報が存在するか否かを、出場年月日が当該年月日と等しいか否か、出場駅コードが当該駅コードと等しいか否か、現在時刻と出場時刻の差が1時間以内であるか否かを判定し、これらの判定の結果の全てがYESであった場合、当該駅での下車を途中下車とみなし、ICカード内の途中下車駅情報の途中下車回数に1を加算する(ステップ4010〜4050)。
【0033】
(2)ステップ4010〜ステップ4040の判定で、条件に合致しない項目が1つでもあった場合、途中下車回数を0とし、ICカード内の途中下車駅情報の最初乗車駅コードに当駅コードを登録する。これは、当該駅までの利用とこれからの利用が途切れていると判定したことを意味する(ステップ4060、4070)。
【0034】
(3)ステップ4050、4070の処理の後、運賃計算機1010に通知情報を送信して、処理を終了する(ステップ4080)。
【0035】
通知情報とは、入場割引及び途中下車割引が適用される期限の一定時刻前に運賃計算機からメールを送信して通知を行うサービスの情報である。この情報により、運賃計算機1010は、例えば、入場の場合、入場券としての利用による入場料が無料となる時間期限を10分とし、その2分前に通知を行い、また、出場の場合、途中下車割引が適用される時間期限がステップ4040で判定したように1時間であるとすると、その10分前に通知を行う。
【0036】
図5は運賃計算機が持つ通知情報のデータ構造を説明する図である。通知情報1040は、カードID5010、通知時刻5020、入場時刻5030、出場時刻5040及び駅コード5050から構成される。運賃計算機1010は、通知情報の受信時に、入場時刻及び出場時刻から所定の通知時刻を算出し、通知時刻5020に算出した時刻を格納すると共に、通知時刻を昇順に並べ替えて、所定の時刻に当該カードIDに対応するメールアドレスに通知情報を送信する。利用者のメールアドレスは、顧客情報1030に格納されている。
【0037】
図6は運賃計算機が持つ顧客情報のデータ構造を説明する図である。顧客情報1030は、カード発行の際に利用者からの情報を格納したものであり、カードID6010、氏名6020、性別6030、郵便番号6040、E−mailアドレス6050、カード番号6060及びカード種別6070から構成される。運賃計算機1010は、カードIDに対応するメールアドレスを当該顧客情報から参照する。また、利用料金を後払い精算する利用者に対しては、カード情報に基づいて精算処理を行う。
【0038】
図7は図3により説明したステップ3070での周遊券割引計算処理の処理の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0039】
(1)周遊券割引計算の処理が開始されると、まず、当該ICカード内の情報から判別した乗車区間と、改札機内にある周遊券区間情報とを照合し、当該乗車区間が周遊券区間を含むか否かを判定し、含まなければ、何もせずに処理を終了する(ステップ7010)
(2)ステップ7010の判定で、当該乗車区間が周遊券区間を含んでいた場合、周遊券区間とそれ以外の区間とを分割し、次に、ICカード内の周遊券情報に、当日の当該周遊券コードの情報が存在するか否かを判定かる(ステップ7020、7030)。
【0040】
(3)ステップ7030の判定で、周遊券情報に当日の当該周遊券コードの情報が存在した場合、ICカード内の普通運賃相当額及び当日積算額に周遊券区間外の普通運賃を加算する処理を行って、ここでの処理を終了する(ステップ7040)。
【0041】
(4)ステップ7030の判定で、ICカード内に当日の周遊券情報が存在しなかった場合、ICカード内の周遊券情報に空き領域があるか否かを判定し、空き領域がなかった場合、ICカード内の周遊券情報のうち当日以外の情報を検索し、なかった場合、処理を終了し、あった場合、その情報を消去する(ステップ7050〜7070)。
【0042】
(5)ステップ7050の判定で、ICカード内の周遊券情報に空き領域があった場合、または、ステップ7070の処理の後、周遊券情報の空き領域に対して、新規周遊券情報の登録として、周遊券コード、利用日、周遊券運賃を登録する(ステップ7080)。
【0043】
(6)次に、普通運賃相当額に周遊券外運賃を加算して登録し、さらに、ICカード内の当日積算額に周遊券運賃と普通運賃相当額とを加算した運賃を登録して、ここでの処理を終了する(ステップ7090、7100)。
【0044】
図8は図3により説明したステップ3080での途中下車割引計算処理(出場時処理)の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0045】
(1)途中下車割引計算処理(出場時処理)が開始されると、まず、当該駅と入場駅とが一致するか否かを判定し、異なっていた場合、ステップ8020以下の処理により、途中下車割引の適用判定、及び割引運賃の算出を行い、当該駅が入場駅と同一であった場合、ステップ8030以下の処理により、入場券運賃の算出を行う(ステップ8010)。
【0046】
(2)ステップ8010の判定で、当該駅と入場駅とが異なっていた場合、ICカード内の途中下車駅情報の途中下車回数が1以上であるか否かを判定し、途中下車回数が0であった場合、前駅での下車が途中下車であると判定されなかったことを意味するため、ここでの処理を終了する(ステップ8020)。
【0047】
(3)ステップ8020の判定で、途中下車回数が1以上であった場合、前駅における下車が途中下車であったことを意味するため、途中下車割引運賃の算出を行い、精算額を前回精算額にコピーし、ICカード内の途中下車割引情報内の精算額に算出額を書き込んで処理を終了する(ステップ8040〜8060)。
【0048】
前述したステップ8040の途中下車割引運賃の算出方法としては、例えば、以下の式で示す2つの方法がある。すなわち、
割引運賃=(入場駅→当駅の普通運賃)×0.8 ……(式1)
割引運賃=(最初乗車駅→当駅の普通運賃)×1.2−前回精算額 ……(式2)
である。
【0049】
式1に示す方法は、前回の途中下車駅から当駅までの運賃を割り引く方法であり、逐次割引運賃を精算していくという方法である。式2に示す方法は、途中下車と判定された区間を連続の乗車とみなし、最初の乗車駅から当駅までの運賃に対して、途中下車分の割増料金を適用する方法であり、前回精算額との差額を精算することによって実現する。
【0050】
(4)一方、ステップ8010の判定で、当該駅と入場駅とが同一であった場合、入場券運賃の適用を行い、入場時刻が出場時刻から10分以内であるか否かを判定し、入場時刻が出場時刻から10分以内であった場合、入場料金を無料として、ここでの処理を終了する(ステップ8030)。
【0051】
(5)ステップ8030の判定で、入場時刻が出場時刻から10分以上経過していた場合、以下に式3として示す入場料算出式
入場料金=(現在時刻−入場時刻)÷60分×(基本入場料) ……(式3)
により、入場料金を算出する。基本入場料は1時間当りの入場料であり、これにより、当該利用の入場料金を算出して、ここでの処理を終了する(ステップ8070)。
【0052】
前述までに説明した本発明の実施形態による各処理は、処理プログラムとして構成することができ、この処理プログラムは、HD、DAT、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することができる。
【0053】
図9は運賃計算機が持つ利用履歴情報のデータ構造を説明する図である。利用履歴情報は1020、利用日9010、利用時刻9020、カードID9030、駅コード9040、処理9050、バリュー処理9060及びバリュー残高9070から構成され、利用者のICカードが改札機やバリューの積み増しのためにカード情報照会機にアクセスするたびに運賃計算機1010に送信される情報である。運賃計算機1010は、この利用履歴情報1020と顧客情報1030との情報を使用して、口座振替を行う利用者に対する一定期間毎、例えば、1月毎の料金の精算を運賃計算プログラム1050を用いて行い、利用者が登録しているクレジット会社等を介して、利用者に料金の請求を行う。
【0054】
前述した本発明の実施形態における図3で説明したステップ3120、ステップ3130の精算は、ICカード内のバリューを用いた先払いとして説明したが、本発明は、前述した利用履歴情報を用いた後払いの方法を適用することも可能である。また、本発明は、当日は、当日積算額の積み増しを行い続け、一定の期間経過して後日のアクセスした際に、当日分までの精算を一括して行うようにすることもできる。この方法によれば、精算回数を削減することが可能となる。
【0055】
前述した本発明の実施形態によれば、前述したフローによる一連の処理を実行することにより、多様な運賃サービスを、運賃計算システム全体のの負荷を増大させることなく、同時に実現することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数種類の割引運賃を同時に提供し、適用する割引を選択することが可能となり、これらの機能を、運賃後払いによる精算に対しても運賃計算システム全体の処理負荷を低減させて実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による運賃計算システムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】利用者が保持するICカード内に格納されている情報と、改札機、カード照会機としてのカード利用機器の構成とについて接続する図である。
【図3】改札機における割引運賃計算の処理動作の全体を接続するフローチャートである。
【図4】途中下車割引計算処理(入場時処理)の詳細を説明するフローチャートである。
【図5】運賃計算機が持つ通知情報のデータ構造を説明する図である。
【図6】運賃計算機が持つ顧客情報のデータ構造を説明する図である。
【図7】周遊券割引計算処理の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】途中下車割引計算処理(出場時処理)の詳細を説明するフローチャートある。
【図9】運賃計算機が持つ利用履歴情報のデータ構造を説明する図である。
【符号の説明】
1010 運賃計算機
1020 利用履歴情報
1030 顧客情報
1040 通知情報
1050 運賃計算プログラム
1060 ネットワーク
1070 改札機
1080 カード情報照会機
1090 表示装置
2010 ICカード
2020 改札機、カード情報照会機としてのカード利用機器
2310 内部時計
2320 メモリ
2340 カードリーダライタ
Claims (8)
- 交通機関の利用料金を、利用者の利用状況に応じて課金する運賃計算方法において、改札機は、利用者が交通機関を利用する際に、利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスしたとき、利用者の保持する記録媒体に、利用情報として利用時刻や利用場所の情報等を書き込むステップと、利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出するステップと、算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップとを実行することを特徴とする運賃計算方法。
- 前記利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出するステップは、複数種類の割引の全てに対して、それぞれの割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出するステップを有することを特徴とする請求項1記載の運賃計算方法。
- 前記利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出するステップは、適用可能な割引が存在する場合、当該時点以降の利用のたびに、算出した全ての種類の割引についての割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を、前記利用者の保持する記録媒体に記録するステップを有することを特徴とする請求項2記載の運賃計算方法。
- 前記算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップは、当該割引運賃に適用期限が設定されている場合に、当該期限後に初めて利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスした際に、適用する運賃の選択を行うステップを有することを特徴とする請求項1記載の運賃計算方法。
- 前記算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップにより選択決定された運賃の算出結果に基づいて、利用者の保持する記録媒体内に記録された預託金額に対する精算処理を行うステップをさらに実行することを特徴とする請求項1記載の運賃計算方法。
- 前記算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップにより選択決定された運賃の算出結果を運賃計算機に送信するステップを実行し、前記運賃計算機が、前記算出結果を利用者ID毎に集計するステップと、各利用者に対して後日精算処理を行うステップとを実行することを特徴とする請求項1記載の運賃計算方法。
- 前記算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択するステップは、割引運賃が適用された場合に、改札機の表示部に割引内容を表示するステップを有することを特徴とする請求項1記載の運賃計算方法。
- 交通機関の利用料金を、利用者の利用状況に応じて課金する運賃計算システムにおいて、複数の改札機と運賃計算機とがネットワークを介して接続され、前記改札機は、利用者が交通機関を利用する際に、利用者の保持する記録媒体が改札機にアクセスしたとき、利用者の保持する記録媒体に、利用情報として利用時刻や利用場所の情報等を書き込む手段と、利用者の保持する記録媒体に記録されている利用情報を用いて、割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報を算出する手段と、算出した割引運賃あるいは割引運賃計算に必要な情報に基づいて、適用する運賃を選択する手段とを備えて構成され、前記運賃計算機は、前記改札機から送信されてきた運賃を選択する手段により選択決定された運賃の算出結果を利用者毎に集計する手段と、後日精算の各利用者に対する後日精算処理を行う手段とを備えて構成されることを特徴とする運賃計算システム。
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- 2003-04-24 JP JP2003120081A patent/JP2004326424A/ja active Pending
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