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JP2004324615A - パッケージ型圧縮機 - Google Patents

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JP2004324615A
JP2004324615A JP2003123924A JP2003123924A JP2004324615A JP 2004324615 A JP2004324615 A JP 2004324615A JP 2003123924 A JP2003123924 A JP 2003123924A JP 2003123924 A JP2003123924 A JP 2003123924A JP 2004324615 A JP2004324615 A JP 2004324615A
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Abstract

【課題】インバータ装置用の冷却風ダクト内に専用の冷却ファンを設けることにより、インバータ装置を含めて圧縮機全体の冷却性能を高める。
【解決手段】パッケージ1内の取付台5には、圧縮部8、電動モータ9、圧縮駆動部冷却ファン10、インバータ装置11等を搭載し、取付台5の下面側にはインバータ冷却ファン14を取付ける。また、冷却風ダクト12は、インバータ装置11と冷却ファン14とを取囲む位置から上向きに伸長させる。そして、圧縮機の運転時には、冷却ファン14によりインバータ装置11を冷却し、冷却後の暖かい空気を冷却風ダクト12によって排気口4から外部に排気する。これにより、インバータ装置11を下側近傍の冷却ファン14により効率よく冷却できると共に、冷却後の空気を外部に排気して圧縮部8、電動モータ9等の冷却効率も高めることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気、冷媒等の流体を圧縮するのに好適に用いられるパッケージ型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パッケージ型圧縮機は、例えば空気、冷媒等の圧縮に用いられており、防音性を有する箱形状のパッケージ内に圧縮部、電動モータ、インバータ装置等を収容したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−346875号公報
【0004】
この種の従来技術による圧縮機は、インバータ装置から電動モータに給電を行うと、電動モータが圧縮部を駆動することにより、空気、冷媒等の流体を圧縮部に吸込んで圧縮し、これらを圧縮流体として外部に吐出するものである。
【0005】
ここで、圧縮機の運転時には、パッケージ内の閉塞された空間で圧縮部、電動モータ、インバータ装置等の各部品が発熱することによって高温となる。このため、パッケージには空気の吸気口と排気口とが設けられ、排気口の近傍には、各部品を冷却するための冷却ファンが設けられている。
【0006】
そして、冷却ファンが作動すると、パッケージ内の空気が排気口から外部に排気されることにより、外部の空気が吸気口から吸込まれて冷却風となる。この場合、冷却風の一部は、圧縮部や電動モータ等を冷却した後に、冷却ファンによって排気口からパッケージの外部に排気される。
【0007】
また、残りの冷却風は、パッケージ内のダクト部材等に沿って流れることにより、吸気口の近傍に配置されたインバータ装置の周囲に導かれる。そして、この冷却風はインバータ装置を冷却した後に、パッケージ内の空間を通って冷却ファンに吸寄せられ、排気口から外部に排気される構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、パッケージの排気口側に冷却ファンを設け、この冷却ファンによってパッケージ内の空気を外部に排気することにより、パッケージ内に冷却風を吸込む構成としている。
【0009】
しかし、圧縮機の運転時には、冷却ファンの排気動作によって外部の空気がパッケージ内に間接的に吸込まれるに過ぎず、この空気の流れは弱い冷却風となってインバータ装置の周囲を流れることになり易い。
【0010】
このため、従来技術では、インバータ装置が電動モータに大電流を供給することによって多量の熱を発生するにも拘らず、その周囲を流れる冷却風の風量、風速等が不足し易くなり、インバータ装置を効率よく冷却するのが難しいという問題がある。
【0011】
しかも、パッケージ内に吸込まれた冷却風は、発熱量が多いインバータ装置を吸気口の近傍で冷却することにより、その熱を吸収して温風となる。このため、従来技術では、インバータ装置の位置を通過した暖かい冷却風が、その下流側に位置する他の部品等の近傍を流れるため、これらの部品が十分に冷却されなくなり、全体の冷却効率が低下するという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、インバータ装置を確実に冷却できると共に、他の部品を含めて圧縮機全体の冷却性能を向上できるようにしたパッケージ型圧縮機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、パッケージと、該パッケージ内に設けられ気体を吸込んで圧縮し圧縮気体を吐出する圧縮部と、該圧縮部を駆動する駆動部と、該駆動部に給電することにより前記圧縮部を駆動するインバータ装置とを備えてなるパッケージ型圧縮機に適用される。
【0014】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、パッケージ内にはインバータ装置を取囲む冷却風ダクトを設け、該冷却風ダクトには前記インバータ装置に向けて冷却風を発生するインバータ冷却ファンを設ける構成としている。
【0015】
このように構成することにより、冷却風ダクトは、例えばパッケージ内でインバータ装置のみを取囲むことができ、圧縮部、駆動部等からなる他の部品は冷却風ダクトの外側に配置することができる。そして、インバータ冷却ファンによって冷却風ダクト内を流れる冷却風を発生でき、この冷却風によってインバータ装置を冷却することができる。
【0016】
また、請求項2の発明によると、冷却風ダクトは冷却風の流出側がパッケージの外部に開口する構成としている。これにより、インバータ装置を冷却することによって冷却風の温度が上昇したとしても、この暖かい冷却風を冷却風ダクトによってパッケージの外部に排気でき、暖かい冷却風がパッケージ内で圧縮部、駆動部等の近傍を流れるのを防止することができる。
【0017】
また、請求項3の発明によると、パッケージ内には圧縮部、駆動部、インバータ装置およびインバータ冷却ファンが取付けられる取付台を設け、冷却風ダクトは前記インバータ装置とインバータ冷却ファンとを取囲む位置で上,下方向に延びる構成としている。
【0018】
これにより、取付台には、例えばインバータ装置とインバータ冷却ファンとを互いに対面した状態で取付けることができ、これらを取囲む位置から上向きに冷却風ダクトを延ばすことができる。そして、パッケージ内には、例えばインバータ装置、冷却風ダクトおよびインバータ冷却ファンを上,下方向に重なり合うように配置することができる。
【0019】
また、請求項4の発明によると、パッケージ内には圧縮部と駆動部とを冷却する圧縮駆動部冷却ファンを設け、取付台には該圧縮駆動部冷却ファンと異なる位置で冷却風ダクトに冷却風を流入させる流入路を設ける構成としている。
【0020】
これにより、圧縮機の運転時には、圧縮駆動部冷却ファンによって圧縮部と駆動部とを冷却することができる。また、取付台には、圧縮駆動部冷却ファンによる冷却風の流れと異なる位置に流入路を配置でき、この流入路から冷却風ダクトに向けて冷却風を流入させることができる。
【0021】
また、請求項5の発明によると、冷却風ダクトには圧縮部から吐出される圧縮気体を貯留する貯留タンクを設け、取付台と冷却風ダクトとは防振部材を介してパッケージに取付ける構成としている。
【0022】
これにより、圧縮部を支持する取付台と、貯留タンクを支持する冷却風ダクトとを、防振部材を介してパッケージに取付けることができる。このため、例えば圧縮部と貯留タンクとを金属製の吐出配管等によって接続する場合でも、これらの構造物とパッケージとの間に防振部材を介在させることができ、この防振部材によって構造物を支持することができる。従って、圧縮機の運転時には、これらの圧縮部、貯留タンク、吐出配管等を剛性が高い一体構造物として、防振部材を介して一緒に振動させることができ、吐出配管の接続部位等を振動による応力から保護することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるパッケージ型圧縮機を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0024】
ここで、図1ないし図5は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、パッケージ型の空気圧縮機を例に挙げて説明する。
【0025】
1は空気圧縮機の外郭を構成するパッケージで、該パッケージ1は、例えば複数の金属板等により中空の箱形状に形成され、その内部には、後述の取付台5、圧縮部8、電動モータ9、冷却ファン10,14、インバータ装置11、冷却風ダクト12、空気タンク15等が収容されている。
【0026】
そして、パッケージ1は、その下部側に位置する四角形状の底板1Aと、該底板1Aの四辺に立設され、底板1Aを取囲んで上向きに延びた4枚の側板1B,1C,1D(3枚のみ図示)と、これらの側板1B〜1Cの上端側に設けられ、パッケージ1内の空間を上側から閉塞する上板1Eとにより構成されている。
【0027】
また、例えば図1中の左側に位置する側板1Bには、冷却ファン10,14により外部の空気をパッケージ1内に吸込む上,下の吸気口2,3が設けられている。また、上板1Eには、冷却風ダクト12から流出する空気等を外部に排気する排気口4が設けられている。
【0028】
5はパッケージ1の底板1A上に設けられた取付台で、該取付台5は、図2、図5に示す如く、例えば金属板を略コ字状に折曲げ加工することにより、長さ方向の両側と下面側とが開口した細長い箱状体として形成され、後述の圧縮部8、電動モータ9、冷却ファン10,14、インバータ装置11等を搭載するものである。
【0029】
ここで、取付台5は、パッケージ1の底板1A上に互いに間隔をもって立設された例えば2枚の縦板5Aと、該各縦板5Aの上端側を連結して設けられ、底板1Aと間隔をもって水平方向に延びる横板5Bと、各縦板5Aの下端側にL字状に屈曲して形成され、後述の取付ねじ17を用いて底板1Aに取付けられるフランジ部5Cとにより構成されている。
【0030】
そして、取付台5は、図3、図4に示す如く、長さ方向の一側がパッケージ1の下側の吸気口3に面して配置され、他側が後述の冷却風ダクト12内に配置されている。また、取付台5の内側には、パッケージ1の底板1Aとの間に位置して流入路6が画成され、この流入路6は、後述の圧縮駆動部冷却ファン10と異なる位置で吸気口3から冷却風ダクト12に冷却風を流入させるものである。この場合、取付台5の横板5Bには、流入路6と冷却風ダクト12とを連通する通気孔7が形成されている。
【0031】
8は取付台5の横板5Bの上面側に搭載された圧縮部で、該圧縮部8は、例えば往復動型の圧縮機等からなり、図5に示す如く、後述の電動モータ9、圧縮駆動部冷却ファン10およびインバータ装置11と一体化されると共に、これらはねじ止め等の手段によって取付台5に固定されている。この場合、圧縮部8、電動モータ9および圧縮駆動部冷却ファン10は、冷却風ダクト12の外側に配置されている。
【0032】
そして、圧縮部8は、電動モータ9によって駆動されることにより、空気を吸込んで圧縮し、圧縮空気を吐出するものである。この場合、圧縮部8の吸込側にはサイレンサ8Aが接続され、圧縮部8の吐出側には、後述の空気タンク15が吐出配管16等を介して接続されている。
【0033】
9は圧縮部8に取付けられた駆動部としての電動モータで、該電動モータ9の出力側には、圧縮部8の回転軸(図示せず)と圧縮駆動部冷却ファン10とが連結されている。そして、電動モータ9は、インバータ装置11から給電されることにより、圧縮部8を駆動しつつ、圧縮駆動部冷却ファン10を回転させるものである。
【0034】
10は圧縮部8に取付けられた圧縮駆動部冷却ファンで、該圧縮駆動部冷却ファン10は、パッケージ1の上側の吸気口2に面して配置され、圧縮部8の回転軸に連結されると共に、電動モータ9によって回転駆動される。そして、冷却ファン10は、図3中の矢示A1,A2に示す如く、パッケージ1の外部の空気を吸気口2から吸込み、この空気を冷却風として圧縮部8、電動モータ9等に送風することにより、これらを冷却する構成となっている。
【0035】
11は電動モータ9を介して取付台5の上面側に取付けられたインバータ装置で、該インバータ装置11は、例えば外部の電源(図示せず)等から電動モータ9に給電する電流の大きさ、周波数等を制御することにより、圧縮部8を所定の状態で作動させるものである。
【0036】
この場合、インバータ装置11は、例えばアルミニウム合金等の熱伝導性が良好な金属ケース内にインバータ回路(図示せず)が収容され、この金属ケースの外面側には複数の放熱フィン11Aが形成されている。そして、これらの放熱フィン11Aは、冷却風ダクト12内に位置して取付台5の通気孔7の上側近傍に配置されている。
【0037】
12は取付台5と一緒にパッケージ1の底板1A上に立設された縦置き型の冷却風ダクトで、該冷却風ダクト12は、図2、図5に示す如く、例えば上,下方向に延びる細長い四角形の筒状体として形成され、その内部は、後述のインバータ冷却ファン14による冷却風が排気口4に向けて流出する流出路13となっている。そして、冷却風ダクト12は、インバータ装置11を冷却した後の冷却風を上側の排気口4からパッケージ1の外部に排気するものである。
【0038】
ここで、冷却風ダクト12は、その側面を構成する四辺の側板12A,12B,12C,12Dと、これらの側板12A〜12Dの上端側に設けられた四角形状の上板12Eと、例えば取付台5を挟んで両側に位置する2枚の側板12B,12Dの下端側にL字状に屈曲して形成されたフランジ部12Fとにより構成されている。
【0039】
この場合、側板12Aには、取付台5、インバータ装置11等を冷却風ダクト12内に配置するための切欠き12Gが形成され、冷却風ダクト12の下部側(冷却風の流入側)は、他の3枚の側板12B〜12Dによって取付台5、インバータ装置11、冷却ファン14等の部材を取囲んでいる。
【0040】
また、冷却風ダクト12は、これらの部材を取囲む位置から排気口4に向けて上向きに延び、その上部側(冷却風の流出側)は排気口4を介してパッケージ1の外部に開口している。この場合、冷却風ダクト12の上板12Eは、パッケージ1の上板1Eと小さな隙間をもって配置され、この上板12Eには排気口4に面した円形状の開口部12Hが形成されている。
【0041】
また、冷却風ダクト12の各フランジ部12Fは、後述の取付ねじ17と防振ゴム18とを介してパッケージ1の底板1Aに取付けられ、取付台5のフランジ部5Cと一緒に底板1Aに共締めされている。
【0042】
14は冷却風ダクト12内に設けられたインバータ冷却ファンで、該インバータ冷却ファン14は、図3、図4に示す如く、例えば電動式の軸流ファン等からなり、取付台5の通気孔7を覆う位置で横板5Bの下面側に取付けられると共に、その作動時には、矢示B1,B2に示す如く、インバータ装置11に向けて冷却風を発生するものである。
【0043】
ここで、インバータ冷却ファン14は、冷却風の流れ方向に対してインバータ装置11の上流側(流入側)、即ち下側の近傍に配置され、通気孔7を介して各放熱フィン11Aと対面している。そして、インバータ冷却ファン14は、外部から給電されることにより、取付台5の流入路6から吸込んだ空気をインバータ装置11に向けて上向きに送風し、各放熱フィン11Aに冷却風を強く吹付け、これによってインバータ装置11を効率よく冷却する構成となっている。
【0044】
一方、15はパッケージ1内に設けられた貯留タンクとしての縦置き型の空気タンクで、該空気タンク15は、冷却風ダクト12によりパッケージ1の底板1A、側板1B〜1D等から離れた位置に支持されると共に、金属パイプ等の吐出配管16を介して圧縮部8の吐出側に接続されている。そして、空気タンク15は、圧縮部8から吐出される圧縮空気を貯留し、この圧縮空気を他の供給配管(図示せず)等を介して外部の空圧機器等に供給するものである。
【0045】
ここで、冷却風ダクト12には、例えば側板12Cの外面側に上,下2箇所のブラケット15Aが突設されている。そして、空気タンク15は、これらのブラケット15Aを介して冷却風ダクト12に固着され、この冷却風ダクト12に沿って上,下方向に延びている。
【0046】
このように、本実施の形態では、取付台5の流入路6、インバータ装置11、冷却風ダクト12、インバータ冷却ファン14等の部品をパッケージ1内で上,下方向に重なり合うように配置し、上,下方向に延びる冷却風ダクト12に縦置き型の空気タンク15を取付ける構成としている。このため、パッケージ1内の各部品を水平方向に対してコンパクトに配置でき、圧縮機の占有面積(底板1Aの面積)を小型化できるものである。
【0047】
17は取付台5と冷却風ダクト12とをパッケージ1の底板1Aに取付ける複数の取付ねじで、該各取付ねじ17は、例えば取付台5の四隅に位置して各フランジ部5Cをパッケージ1の底板1Aに締着している。また、各取付ねじ17のうち、例えば図3中で右側に位置する2本の取付ねじ17は、取付台5と冷却風ダクト12とを底板1Aに一緒に固定する共通の固定部材として用いられ、これらのフランジ部5C,12Fを底板1Aに共締めしている。
【0048】
18は取付台5(冷却風ダクト12)とパッケージ1の底板1Aとの間に設けられた複数の防振ゴムで、該各防振ゴム18は、例えばゴムブッシュ、積層ゴム、ゴムダンパ等からなる筒状の防振部材として形成され、圧縮部8、電動モータ9等で発生する振動がパッケージ1に伝わるのを防止するものである。
【0049】
そして、防振ゴム18は、各取付ねじ17の外周側に挿通され、取付台5のフランジ部5C(冷却風ダクト12のフランジ部12F)と、パッケージ1の底板1Aとの間に弾性変形可能な状態で配置されている。この場合、防振ゴム18は、金属製の吐出配管16等を介して高い剛性で接続された圧縮部8、空気タンク15等の部材とパッケージ1の底板1Aとの間に介在し、これらの圧縮部8、空気タンク15、吐出配管16等を底板1A上で弾性的に支持している。
【0050】
これにより、圧縮機の運転時には、圧縮部8、空気タンク15、吐出配管16等の部品が剛性の高い一体構造物として、互いにほぼ等しい振動状態(振動モード)をもって防振ゴム18上で振動する。従って、これらの部品の接続部位等に振動による応力が加わるのを防止できるものである。
【0051】
本実施の形態によるパッケージ型圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0052】
まず、インバータ装置11により電動モータ9に給電を行うと、電動モータ9により圧縮部8が駆動され、サイレンサ8Aから空気が吸込まれて圧縮部8で圧縮される。そして、この圧縮空気は吐出配管16に吐出され、空気タンク15内に貯留されるので、外部の空圧機器等に圧縮空気を供給することができる。
【0053】
この場合、圧縮部8が駆動されることにより振動が発生し、この振動は吐出配管16等を介して空気タンク15に伝達される。しかし、空気タンク15は、冷却風ダクト12に支持され、圧縮部8や吐出配管16と一緒に防振ゴム18を介してパッケージ1の底板1A上に弾性的に取付けられている。
【0054】
このため、圧縮部8、空気タンク15、吐出配管16等の部品は、剛性が高い一体構造物として防振ゴム18上で一緒に振動するようになり、これによって各部品の接続部位を振動による応力等から保護することができる。
【0055】
また、電動モータ9により圧縮部8が駆動されると、これに伴って圧縮駆動部冷却ファン10も駆動され、この冷却ファン10によりパッケージ1の吸気口2から外気が冷却風として吸込まれる。そして、この冷却風は、例えば図3中に矢示A1,A2として示すように流通し、圧縮機の運転時に高温となる圧縮部8、電動モータ9等を冷却する。また、これらを冷却した後の暖かい冷却風は、パッケージ1の上側に流動して排気口4から外部に排気される。
【0056】
一方、圧縮機の運転時には、例えば圧縮機の電源スイッチ(図示せず)等に連動してインバータ冷却ファン14が駆動され、この冷却ファン14によりパッケージ1の吸気口3から外気が冷却風として吸込まれる。
【0057】
そして、この冷却風は、図3中の矢示B1に示す如く、取付台5の下側の流入路6に流入し、冷却ファン14により通気孔7を介してインバータ装置11の各放熱フィン11Aに強く吹付けられる。これにより、圧縮機の運転中には、特に高温となるインバータ装置11を効率よく冷却することができる。
【0058】
また、インバータ装置11を冷却した後の冷却風は温風となるが、この温風は、矢示B2に示す如く、冷却風ダクト12内の流出路13に沿って上向きに流れるようになり、パッケージ1内で冷却風ダクト12の外側に漏れ出ることなく、排気口4から外部に排気される。
【0059】
かくして、本実施の形態によれば、パッケージ1内には、圧縮部8、電動モータ9およびインバータ装置11のうちインバータ装置11のみを取囲む冷却風ダクト12を設け、該冷却風ダクト12内には、インバータ冷却ファン14を設ける構成としている。
【0060】
これにより、圧縮機の運転時には、インバータ装置11専用の冷却ファン14によって冷却風ダクト12内を流れる冷却風を発生でき、この冷却風によってインバータ装置11を効率よく冷却することができる。また、圧縮部8と電動モータ9とは、これら専用の圧縮駆動部冷却ファン10によって効率よく冷却できるから、圧縮機全体の冷却性能を高めることができる。
【0061】
この場合、冷却風ダクト12は、冷却風の流出側(開口部12H側)がパッケージ1の排気口4を介して外部に開口する形状としたので、インバータ装置11を冷却することによって冷却風の温度が上昇したとしても、この暖かい冷却風を冷却風ダクト12によって排気口4からパッケージ1の外部へと確実に排気することができる。
【0062】
これにより、インバータ装置11を冷却した後の暖かい冷却風がパッケージ1内で圧縮部8、電動モータ9等の近傍を流れるのを防止でき、インバータ装置11から多量の熱が発生する場合でも、パッケージ1内の他の部品に対して高い冷却効率を維持することができる。
【0063】
また、パッケージ1の底板1Aにはテーブル状の取付台5を設けたので、その横板5Bの上面側には、圧縮部8、電動モータ9およびインバータ装置11を安定的に搭載でき、横板5Bの下面側には、インバータ装置11と対面する位置にインバータ冷却ファン14を容易に取付けることができる。
【0064】
従って、パッケージ1内には、簡単な形状の取付台5を用いて複数の部品を上,下方向に離れた所定の位置に固定でき、各部品の取付けを容易に行うことができる。また、インバータ冷却ファン14をインバータ装置11の下側近傍に配置できるから、冷却ファン14によりインバータ装置11に冷却風を強く吹付けることができ、その冷却効率を高めることができる。
【0065】
この場合、取付台5には、圧縮駆動部冷却ファン10による冷却風の流れ(矢示A1,A2)と異なる位置に流入路6を設けたので、インバータ冷却ファン14の作動時には、この流入路6から冷却風ダクト12に向けて冷却風を円滑に流入させることができ、それぞれの冷却ファン10,14に対して冷却風の流路(風量)を安定的に確保することができる。そして、取付台5をダクト構造の一部として兼用できるから、パッケージ1内の構造を簡略化することができる。
【0066】
また、冷却風ダクト12を上,下方向に延びる縦置き型の形状としたので、パッケージ1内には、インバータ装置11、冷却風ダクト12およびインバータ冷却ファン14を上,下方向に重なり合うようにコンパクトに配置でき、パッケージ1内にインバータ用のダクト構造を配置した状態でも、圧縮機を水平方向に対して小型化することができる。
【0067】
しかも、冷却風ダクト12の外面側には、縦置き型の空気タンク15を取付けたので、この空気タンク15を冷却風ダクト12に沿ってコンパクトに配置でき、圧縮機の設置面積をより小さくすることができる。
【0068】
また、圧縮部8を支持する取付台5と、空気タンク15を支持する冷却風ダクト12とを、防振ゴム18を介してパッケージ1の底板1Aに取付けたので、圧縮部8と空気タンク15とを金属製の吐出配管16等により接続した状態でも、これらの構造物とパッケージ1の底板1Aとの間に防振ゴム18を介在させることができる。
【0069】
これにより、防振ゴム18は、圧縮部8、空気タンク15、吐出配管16等を剛性が高い一体構造物として弾性的に支持でき、圧縮機の運転時には、この一体構造物を防振ゴム18を介して一緒に振動させることができる。このため、例えば圧縮部8で発生した振動が空気タンク15に伝わるときに、両者の振動状態(振動の周期、位相、振幅等)にずれが生じ、これらの部材と吐出配管16との接続部位に応力が加わるのを防止することができる。従って、吐出配管16を応力による損傷等から保護でき、圧縮機の耐久性を高めることができる。
【0070】
また、取付台5と冷却風ダクト12とは、共通の取付ねじ17を用いてパッケージ1の底板1Aに共締めするようにしたので、取付ねじ17等の部品点数を削減でき、これらの取付構造を簡略化することができる。
【0071】
次に、図6は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、冷却風ダクト内にインバータ冷却ファンを取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0072】
21は第1の実施の形態によるインバータ冷却ファン14に代えて本実施の形態で用いられるインバータ冷却ファンを示し、該インバータ冷却ファン21は、第1の実施の形態とほぼ同様に、例えば電動式の軸流ファン等からなり、インバータ装置11に向けて冷却風を発生するものである。
【0073】
しかし、冷却ファン21は、冷却風ダクト12の側板12A〜12Dの内側に取付けられ、冷却風の流れ方向に対してインバータ装置11の下流側(流出側)、即ち上側の近傍に配置されている。そして、インバータ冷却ファン21の作動時には、取付台5の流入路6からインバータ装置11の位置を通って冷却風ダクト12内に冷却風が吸込まれる構成となっている。
【0074】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、冷却風ダクト12内にインバータ冷却ファン21を取付ける構成としたので、取付台5内の空間(流入路6)を用いることなく、冷却ファン21の取付位置を冷却風ダクト12内に確保でき、設計自由度を高めることができる。
【0075】
なお、前記各実施の形態では、インバータ冷却ファン14,21を冷却風ダクト12内に設ける構成とした。しかし、本発明によるインバータ冷却ファンの取付位置は冷却風ダクトの内部に限るものではなく、例えば図6中に仮想線で示す変形例のように構成してもよい。この場合、インバータ冷却ファン14′は、冷却風ダクト12の流入側の開口位置に配置され、この位置で取付台5に取付けられている。
【0076】
また、実施の形態では、上,下方向に延びる縦置き型の冷却風ダクト12を主としてインバータ装置11の下流側に配置する構成とした。しかし、本発明による冷却風ダクトの形状、配置等は実施の形態に限るものではなく、例えば冷却風ダクトを水平方向に延ばす構成としてもよい。また、冷却風ダクトをインバータ装置11の上流側と下流側とにわたって延ばす構成としてもよい。
【0077】
また、実施の形態では、テーブル状の取付台5を用いる構成とした。しかし、本発明による取付台の形状、配置等は実施の形態に限るものではなく、圧縮部8、電動モータ9、冷却ファン10,14、インバータ装置11等を支持することができれば、任意の形状、配置としてよいものである。
【0078】
また、実施の形態では、往復動型の空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばスクロール型の圧縮機にも適用でき、また冷媒を圧縮する冷媒圧縮機等にも適用できるのは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、パッケージ内には、インバータ装置を取囲む冷却風ダクトを設け、該冷却風ダクトにはインバータ冷却ファンを設ける構成としたので、圧縮機の運転時には、インバータ装置を専用の冷却ファンによって効率よく冷却することができる。そして、冷却風ダクトは、インバータ装置を冷却した後の暖かい冷却風が圧縮部、駆動部等の近傍を流れるのを防止でき、圧縮機全体の冷却性能を高めることができる。
【0080】
また、請求項2の発明によれば、冷却風ダクトは、冷却風の流出側が前記パッケージの外部に開口する構成としたので、インバータ装置を冷却した後の暖かい冷却風を冷却風ダクトによってパッケージの外部へと確実に排気でき、暖かい冷却風がパッケージ内で圧縮部、駆動部等の近傍を流れるのを防止することができる。これにより、インバータ装置から多量の熱が発生する場合でも、パッケージ内の他の部品に対して高い冷却効率を維持することができる。
【0081】
また、請求項3の発明によれば、冷却風ダクトは、取付台に取付けられたインバータ装置とインバータ冷却ファンとを取囲む位置で上,下方向に延びる構成としたので、例えばインバータ装置の近傍にインバータ冷却ファンを取付けることができ、インバータ装置に冷却風を強く吹付けることができるから、その冷却効率を高めることができる。また、取付台によって各部品の取付けを容易に行うことができる。そして、パッケージ内には、インバータ装置、冷却風ダクトおよびインバータ冷却ファンを上,下方向に重なり合うようにコンパクトに配置でき、パッケージ内にインバータ用のダクト構造を配置した状態でも、圧縮機を水平方向に対して小型化することができる。
【0082】
また、請求項4の発明によれば、取付台には、圧縮駆動部冷却ファンと異なる位置で冷却風ダクトに冷却風を流入させる流入路を設ける構成としたので、インバータ装置だけでなく、圧縮部と駆動部も効率よく冷却することができる。また、圧縮駆動部冷却ファンによる冷却風の流れと異なる位置で取付台の流入路から冷却風ダクトに向けて冷却風を円滑に流入させることができる。従って、圧縮駆動部冷却ファンとインバータ冷却ファンのそれぞれに対して冷却風の流路(風量)を安定的に確保でき、全体の冷却効率を高めることができる。そして、取付台をダクト構造の一部として兼用できるから、パッケージ内の構造を簡略化することができる。
【0083】
また、請求項5の発明によれば、冷却風ダクトには圧縮気体を貯留する貯留タンクを設け、取付台と冷却風ダクトとは防振部材を介してパッケージに取付ける構成としたので、防振部材は、例えば圧縮部、貯留タンクや、これらの接続する吐出配管等を剛性が高い一体構造物として弾性的に支持することができる。これにより、圧縮機の運転時には、この一体構造物を防振部材を介して一緒に振動させることができる。従って、例えば圧縮部と貯留タンクとの間で振動状態にずれが生じることにより吐出配管の接続部位等に応力が加わるのを防止でき、吐出配管等を応力による損傷等から保護できると共に、圧縮機の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるパッケージ型空気圧縮機を側板の一部を取外した状態で示す斜視図である。
【図2】パッケージを取外した空気圧縮機を示す斜視図である。
【図3】図1中の矢示III−III方向からみた縦断面図である。
【図4】図3中の取付台、インバータ冷却ファン等を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図5】パッケージ型空気圧縮機を組立てる前の状態を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるパッケージ型圧縮機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 パッケージ
2,3 吸気口
4 排気口
5 取付台
6 流入路
7 通気孔
8 圧縮部
9 電動モータ(駆動部)
10 圧縮駆動部冷却ファン
11 インバータ装置
12 冷却風ダクト
13 流出路
14,14′,21 インバータ冷却ファン
15 空気タンク(貯留タンク)
16 吐出配管
17 取付ねじ
18 防振ゴム(防振部材)

Claims (5)

  1. パッケージと、該パッケージ内に設けられ気体を吸込んで圧縮し圧縮気体を吐出する圧縮部と、該圧縮部を駆動する駆動部と、該駆動部に給電することにより前記圧縮部を駆動するインバータ装置とを備えてなるパッケージ型圧縮機において、
    前記パッケージ内には前記インバータ装置を取囲む冷却風ダクトを設け、該冷却風ダクトには前記インバータ装置に向けて冷却風を発生するインバータ冷却ファンを設ける構成としたことを特徴とするパッケージ型圧縮機。
  2. 前記冷却風ダクトは前記冷却風の流出側が前記パッケージの外部に開口する構成としてなる請求項1に記載のパッケージ型圧縮機。
  3. 前記パッケージ内には前記圧縮部、駆動部、インバータ装置およびインバータ冷却ファンが取付けられる取付台を設け、前記冷却風ダクトは前記インバータ装置とインバータ冷却ファンとを取囲む位置で上,下方向に延びる構成としてなる請求項1または2に記載のパッケージ型圧縮機。
  4. 前記パッケージ内には前記圧縮部と駆動部とを冷却する圧縮駆動部冷却ファンを設け、前記取付台には該圧縮駆動部冷却ファンと異なる位置で前記冷却風ダクトに冷却風を流入させる流入路を設けてなる請求項3に記載のパッケージ型圧縮機。
  5. 前記冷却風ダクトには前記圧縮部から吐出される圧縮気体を貯留する貯留タンクを設け、前記取付台と冷却風ダクトとは防振部材を介して前記パッケージに取付ける構成としてなる請求項3または4に記載のパッケージ型圧縮機。
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