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JP2004321771A - ミシン及びパルスモータ制御プログラム - Google Patents

ミシン及びパルスモータ制御プログラム Download PDF

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JP2004321771A JP2003331709A JP2003331709A JP2004321771A JP 2004321771 A JP2004321771 A JP 2004321771A JP 2003331709 A JP2003331709 A JP 2003331709A JP 2003331709 A JP2003331709 A JP 2003331709A JP 2004321771 A JP2004321771 A JP 2004321771A
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pulse
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motor
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Toru Takemura
徹 竹村
Minoru Yamaguchi
稔 山口
信次 ▲よし▼田
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Brother Industries Ltd
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    • D05B19/12Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit characterised by control of operation of machine
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/40Regulating or controlling the amount of current drawn or delivered by the motor for controlling the mechanical load
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
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Abstract

【課題】 ミシンの構成及び制御を複雑にすることなく、パルスモータを正確に
制御し、且つ、パルスモータの出力を略最大トルクに維持すること、消費電力を
削減することが可能なミシン及びミシン用パルスモータ制御プログラムを提供す
ること。
【解決手段】 多針ミシンは、X方向駆動モータに出力された駆動パルスの駆動
パルス数の第1パルス数P1とX方向駆動モータに付設されたエンコーダにより
検出されたX方向駆動モータの実際の回転量に対応する第2パルス数P2との偏
差Dが、予め設定された設定偏差DoになるようにX方向駆動モータに出力され
る駆動パルスが制御され、X方向駆動モータの脱調を防いでいる。また、加速用
設定偏差Daが、X方向駆動モータのトルクを略最大になるように設定されてい
る。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ミシン及びパルスモータ制御プログラムに関し、特に、パルスモータを備えたミシン及びミシンのパルスモータを制御するためのミシン用パルスモータ制御プログラムに関するものである。
一般的なミシンにおいては、制御手段により出力される駆動パルス数により駆動量を制御することが可能なパルスモータが設けられているものが多い。例えば、刺繍ミシンには、加工布を保持する刺繍枠が装着された枠ホルダーをX方向及びY方向に所定量駆動させるためのパルスモータが設けられている。それゆえ、枠ホルダーは加工布を保持する刺繍枠と共に正確に所定の位置へと移動駆動されるため、ユーザーにより設定された複雑な刺繍模様を縫製することが可能に構成されている。しかし、パルスモータにおいても、他のモータと同様に、外部からの大きな負荷や、回転しているパルスモータの惰性によって脱調し、制御手段からの駆動パルス数と、パルスモータの回転量に対応する駆動パルス数との間に誤差が生じ、刺繍枠を正確に駆動させることができないために、正確な刺繍縫製を行うことができない場合がある。そこで、パルスモータの脱調を防ぐためのパルスモータの制御手段を備えた種々のミシンが提供されている。
特開平6−86591号(3頁,4頁、図1〜図3)
しかし、特許文献1に記載のミシンでは、パルスモータの脱調を減少させることはできるが、全く脱調が発生しない訳ではないため、パルスモータの駆動量と出力された駆動パルスとの間には誤差が生じる。周波数発生回路からパルスモータへの駆動パルスの出力が停止されている状態においても、情報処理回路からは周波数発生回路へ駆動パルスが送信されているため、情報処理回路から出力される駆動パルスが無駄になることが多く、消費電力が増加する。トルクを比較させるための基準電圧を発生させるための基準電圧発生器が必要となるため、ミシンの構成及び制御が複雑になる。
また、パルスモータは、入力されるパルスにより励磁されるコイルと、ローターとの間に一定の位相差が生じたときに、最大トルクを引き出すことができるが、特許文献1のミシンにおいては、当該位相差を全く考慮していないため、パルスモータの出力を最大限生かすことができず、パルスモータの最大出力を所望の出力に対して余裕を持たす必要があり、ミシンに搭載されるパルスモータの小型化の妨げになっている。逆に、ミシンモータが低速で駆動されている場合などは、パルスモータを略最大トルクで高速に駆動させると、ミシンモータの駆動音が小さいためパルスモータの駆動音が目立つなどの問題が生じている。
本発明の目的は、ミシンの構成及び制御を複雑にすることなく、パルスモータを正確に制御し、且つ、パルスモータの出力を略最大トルクに維持すること若しくはパルスモータを静音化すること、消費電力を削減することが可能なミシン及びミシン用パルスモータ制御プログラムを提供することにある。
請求項1に記載のミシンは、ミシンの駆動対象部を駆動するパルスモータと、パルスモータを駆動する駆動部と、この駆動部を介してパルスモータを制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、前記パルスモータに付設されパルスモータの実際の回転量を検出するエンコーダ手段を設け、前記制御手段は、パルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、エンコーダ手段で検出されたパルスモータの回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差を演算し、この偏差が予め設定された設定偏差になるようにパルスモータへ出力する駆動パルスを制御するものである。
このミシンによれば、パルスモータに付設されたエンコーダ手段によりパルスモータの実際の回転量が検出され、制御手段によりパルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、エンコーダ手段により検出されたパルスモータの実際の回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差が演算され、その偏差が予め設定された設定偏差になるようにパルスモータへ出力する駆動パルスが制御される。
請求項2に記載のミシンは、請求項1に記載のミシンにおいて、前記設定偏差は、少なくともパルスモータ加速時に適用する加速用設定偏差を有するものである。このミシンによれば、少なくともパルスモータが加速される時は、第1パルス数と第2パルス数との偏差が加速用設定偏差になるように、制御手段によりパルスモータへ出力する駆動パルスが制御される。
請求項3に記載のミシンは、請求項1又は2に記載のミシンにおいて、前記設定偏差は、前記パルスモータによる発生トルクを変更するためのものである。このミシンによれば、設定偏差によってパルスモータによる発生トルクが変更される。
請求項4に記載のミシンは、請求項1〜3に記載のミシンにおいて、前記加速用設定偏差はパルスモータのトルクが略最大になる正の値である最大トルク加速用設定偏差である。このミシンによれば、制御手段により第1パルス数と第2パルス数の偏差が、正の値である最大トルク加速用設定偏差になるようにパルスモータに出力する駆動パルスが制御され、このように制御されることでパルスモータのトルクが略最大で維持される。
請求項5に記載のミシンは、請求項1〜4に記載のミシンにおいて、前記加速用設定偏差はパルスモータのトルクが略最大になる最大トルク加速用設定偏差よりも小さく正の値である静音加速用設定偏差に設定可能である。このミシンによれば、第1パルス数と第2パルス数との偏差が、パルスモータのトルクが略最大になる最大トルク加速用設定偏差よりも小さく正の値である静音加速用設定偏差になるようにパルスモータに出力される駆動パルスが制御されて、パルスモータが低速で駆動され、パルスモータの駆動音が抑制される。
請求項6に記載のミシンは、請求項5に記載のミシンにおいて、前記加速用設定偏差を最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換え可能である。このミシンによれば、ユーザーによって手動で若しくは制御手段などによって自動で、最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換えられて、パルスモータが最大トルクで高速に若しくは静かに低速で駆動される。
請求項7に記載のミシンは、請求項6に記載のミシンにおいて、前記パルスモータは加工布を移動させるためのものであって、前記制御手段は、前記加速用設定偏差をミシンモータの回転数に基づいて自動で最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換えるものである。このミシンの制御手段によれば、ミシンモータの回転数に基づいて加速用設定偏差が最大トルク加速用設定偏差若しくは静音加速用設定偏差に自動で択一的に切り換えられて、加工布を移動させるためのパルスモータが最大トルクで高速に若しくは静かに低速で駆動される。
請求項8に記載のミシンは、請求項6に記載のミシンにおいて、前記パルスモータは加工布を移動させるためのものであって、前記制御手段は、前記加速用設定偏差を1針分の布送り量に基づいて自動で最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換える。このミシンの制御手段によれば、1針分の布送り量に基づいて加速用設定偏差が最大トルク加速用設定偏差若しくは静音加速用設定偏差に自動で択一的に切り換えられて、加工布を移動させるためのパルスモータが最大トルクで高速に若しくは静かに低速で駆動される。
請求項9に記載のミシンは、請求項1〜8の何れかに記載のミシンにおいて、前記設定偏差は、パルスモータ減速時に適用する減速用設定偏差を有するものである。このミシンによれば、パルスモータ減速時に第1パルス数と第2パルス数の偏差が減速用設定偏差になるように、制御手段によりパルスモータへ出力する駆動パルスが制御される。
請求項10に記載のミシンは、請求項9に記載のミシンにおいて、前記減速用設定偏差は、少なくとも減速前期の第1減速用設定偏差と、減速後期の第2減速用設定偏差とを有するものである。このミシンによれば、減速前期においては第1パルス数と第2パルス数との偏差が第1減速用設定偏差になるように制御手段によりパルスモータへ出力される駆動パルスが制御され、減速後期には前記偏差が第2減速用設定偏差になるように制御手段によりパルスモータへ出力される駆動パルスが制御される。
請求項11に記載のミシンは、請求項10に記載のミシンにおいて、前記第1減速用設定偏差の大きさは、前記第2減速用設定偏差の大きさよりも小さいものである。このミシンによれば、第1減速用設定偏差の大きさが第2減速用設定偏差の大きさよりも小さいため、減速後期は減速前期に比べ、パルスモータがゆっくりと減速される。
請求項12に記載のミシンは、請求項1〜11の何れかに記載のミシンにおいて、縫針を上下駆動するミシンモータと、このミシンモータを駆動制御する駆動制御手段と、前記パルスモータの動作中のパルスモータの負荷を直接的又は間接的に検知する負荷検知手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記負荷検知手段で検知した負荷に応じてミシンモータの回転数を調整するものである。このミシンによれば、負荷検知手段により直接的又は間接的に検知されたパルスモータの負荷に基づいて、駆動制御手段により縫針を上下駆動させるミシンモータの回転数が調整される。
請求項13に記載のミシンは、請求項12に記載のミシンにおいて、前記負荷検出手段は、一定時間における前記パルスモータの駆動量、若しくは、パルスモータが一定量駆動するまでの時間に基づいてパルスモータの負荷を検知するものである。このミシンによれば、負荷検出手段により、一定時間におけるパルスモータの駆動量、例えば、縫針が上下駆動の縫針上死点近傍に達する時間におけるパルスモータの駆動量に基づいてパルスモータの負荷が検知されるか、若しくは、パルスモータが一定量駆動するまでの時間、例えば、パルスモータが1ステッチの中央部近傍まで移動駆動されるのに要した時間に基づいてパルスモータの負荷が検出される。
請求項14に記載のミシンは、請求項1〜13の何れかに記載のミシンにおいて、前記設定偏差は、前記パルスモータの駆動速度に基づいて設定されるものである。このミシンによれば、第1パルス数と第2パルス数との偏差がパルスモータの駆動速度に基づいて設定される設定偏差になるように、制御手段によりパルスモータへ出力する駆動パルスが制御される。
請求項15に記載のミシンは、請求項14に記載のミシンにおいて、前記設定偏差は、前記パルスモータの駆動速度が増加するのに応じて、増加するものである。このミシンによれば、パルスモータが加速している状態では、制御手段により、設定偏差がパルスモータの駆動速度の増加に応じて増加され、その設定偏差に基づいてパルスモータへ出力する駆動パルスが制御される。
請求項16に記載のミシン用パルスモータ制御プログラムは、ミシンの駆動対象部を駆動するパルスモータと、パルスモータを駆動する駆動部と、この駆動部を介してパルスモータを制御する制御手段とを備えたミシンにおける、前記制御手段のコンピュータに実行させるためのパルスモータ制御プログラムであって、前記パルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、パルスモータに付設されたエンコーダ手段により検出されたパルスモータの実際の回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差を求める偏差演算ルーチンと、前記偏差演算ルーチンにより演算された偏差と、予め設定された設定偏差とを比較する偏差比較ルーチンと、前記偏差比較ルーチンでの比較に基づいてパルスモータへ駆動パルスを出力させるパルス出力ルーチンとを備えたものである。
このミシン用パルスモータ制御プログラムによれば、偏差演算ルーチンにおいて、パルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、パルスモータに付設されたエンコーダ手段により検出されたパルスモータの実際の回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差が求められる。次に、偏差比較ルーチンにおいて、偏差演算ルーチンにおいて演算されて求められた偏差と、予め設定された設定偏差とが比較され、次に、パルス出力ルーチンにおいて、偏差比較ルーチンでの比較に基づいてパルスモータへ出力する駆動パルスが制御される。
請求項1に記載のミシンによれば、パルスモータの実際の回転量に基づいた第2パルス数と第1パルス数との偏差が設定偏差になるようにパルスモータへ駆動パルスを出力するので、パルスモータの脱調を防ぐことができる。即ち、パルスモータにエンコーダを付設するだけの簡単な構成と、第1パルス数と第2パルス数との偏差を設定偏差にするように駆動パルスを出力する簡単な制御のみで、パルスモータの脱調を防ぐことができる。パルスモータの脱調を防ぐことで、パルスモータへ出力された駆動パルスの無駄を防げるので、パルスモータにおける消費電力を削減することができる。エンコーダ手段により、パルスモータの実際の回転量を検出するので、パルスモータにより駆動される駆動対象部の駆動量に誤差が生じることがなく、正確に所望の駆動量で駆動対象部を駆動させることができる。
請求項2に記載のミシンによれば、少なくともパルスモータが加速している状態では、パルスモータの脱調を防ぐことができ、パルスモータの実際の回転量を正確に制御することができる。その他、請求項1と同様の効果を奏することができる。
請求項3に記載のミシンによれば、駆動対象部の重量など、パルスモータに作用する負荷に応じてパルスモータの発生トルクを変更させることができ、1つのパルスモータでも作用する負荷に影響されることなく正確に駆動させることができる。その他、請求項1又は2と同様の効果を奏することができる。
請求項4に記載のミシンによれば、パルスモータのトルクが最大になるように最大トルク加速用設定偏差である加速用設定偏差が設定され、その加速用設定偏差に偏差がなるように駆動パルスがパルスモータへ出力されるので、パルスモータは常にトルクを略最大に維持することができる。また、パルスモータのトルクを略最大に維持することができるので、最大トルクの小さなパルスモータをミシンに適用することができ、小型のパルスモータをミシンに搭載することができる。その他、請求項1〜3と同様の効果を奏することができる。
請求項5に記載のミシンによれば、パルスモータのトルクが低速で駆動するように静音加速用設定偏差である加速用設定偏差が設定され、その加速用設定偏差に偏差がなるように駆動パルスがパルモータへ出力されるので、パルスモータを低速で静かに駆動させることができる。従って、ミシンモータが低速で駆動されている場合などは、このようにパルスモータを低速で駆動させてもミシンモータに追随できるので、ミシンモータ及びパルスモータの両方を低速で且つ静かに駆動させることができ、ミシンを大幅に静音化することができる。その他、請求項1〜4と同様の効果を奏することができる。
請求項6に記載のミシンによれば、加速用設定偏差を最大トルクと静音加速用設定偏差とに択一的に切り換えることができるので、ミシンの駆動状況に合わせてパルスモータを最大トルクで高速に駆動させたり、低速で静かに駆動させたりすることができる。その他、請求項5と同様の効果を奏することができる。
請求項7に記載のミシンによれば、制御手段がミシンモータの回転数に基づいて加速用設定偏差を最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに自動で切り換えるので、ミシンモータを高速で駆動させている場合には、パルスモータもミシンモータに追随できるように最大トルクで高速に駆動させ、ミシンモータを低速で駆動させている場合にはパルスモータを高速で駆動させる必要がないため静かに低速で駆動させるなど、ミシンモータの駆動状況に合わせてパルスモータを最適な状態で駆動させることができる。その他、請求項6と同様の効果を奏することができる。
請求項8に記載のミシンによれば、制御手段が1針分の布送り量に基づいて加速用設定偏差を最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに自動で切り換えるので、1針分の布送り量が少ない場合にはパルスモータを低速で静かに駆動させ、1針分の布送り量が多い場合にはパルスモータを最大トルクで高速に駆動させるなど、縫製する縫製模様などの布送り量に応じてパルスモータを最適な状態で駆動させることができる。その他、請求項6と同様の効果を奏することができる。
請求項9に記載のミシンによれば、パルスモータが減速している状態では、パルスモータの脱調を防ぎ、パルスモータの実際の回転量を正確に制御することができる。その他、請求項1〜8の何れかと同様の効果を奏することができる。
請求項10に記載のミシンによれば、減速前期と減速後期のとのパルスモータの回転速度を変えて減速させることができる。その他、請求項9と同様の効果を奏することができる。
請求項11に記載のミシンによれば、減速前期に比べ減速後期の方がパルスモータをゆっくりと回転駆動させつつ減速させることができ、円滑にパルスモータを減速させることができる。その他、請求項10と同様の効果を奏することができる。
請求項12に記載のミシンによれば、パルスモータの負荷に応じてミシンモータの回転数を調整するので、縫針の針落ち位置に誤差が生じることがない。その他、請求項1〜11と同様の効果を奏することができる。
請求項13に記載のミシンによれば、一定時間におけるパルスモータの駆動量、若しくは、パルスモータが一定量駆動するまでの時間を、エンコーダ手段により検出したパルスモータの実際の回転量に基づいて演算することができるので、ミシンの構成部品を増やすことなく、簡単な制御で、パルスモータの負荷を検出することができる。その他、請求項12と同様の効果を奏することができる。
請求項14に記載のミシンによれば、加速時及び減速時に最大トルクを維持し且つ脱調を防ぎつつ、パルスモータを短時間で所望の回転速度で駆動することができる。その他、請求項1〜13と同様の効果を奏することができる。
請求項15に記載のミシンによれば、パルスモータが加速している状態では、駆動速度の増加に応じて、設定偏差を増加させることで、パルスモータの出力を最大トルクに維持しつつ、回転速度を急速に上昇させることができるので、パルスモータが駆動対象部を短時間で所定量駆動させることができる。その他、請求項14と同様の効果を奏することができる。
請求項16に記載のミシン用パルスモータ制御プログラムによれば、第1パルス数と第2パルス数の偏差と、設定偏差とを比較し、その比較に基づいてパルスモータへ駆動パルスを出力するので、パルスモータの脱調を防ぐことができ、パルスモータの実際の回転量を正確に制御することができる。また、脱調を防ぐことで、パルスモータに出力される駆動パルスが無駄になることがなく、パルスモータにおける消費エネルギーを削減することができる。
ミシンの構成及び制御を複雑にすることなく、パルスモータを正確に制御し、且つ、パルスモータの出力を略最大トルクに維持すること、消費電力を削減することが可能なミシン及びミシン用パルスモータ制御プログラムを提供するという本発明の目的を、ミシンの駆動対象部を駆動するパルスモータと、パルスモータを駆動する駆動部と、この駆動部を介してパルスモータを制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、前記パルスモータに付設されパルスモータの実際の回転量を検出するエンコーダ手段を設け、前記制御手段は、パルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、エンコーダ手段で検出されたパルスモータの回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差を演算し、この偏差が予め設定された設定偏差になるようにパルスモータへ出力する駆動パルスを制御することで実現した。
本発明の実施例について図面を参照して説明する。本実施例は、刺繍枠が装着される枠ホルダーを有し、該枠ホルダーが配設されたキャリッジをX方向及びY方向に駆動させる為のパルスモータを備えた刺繍用の多針ミシンに本発明を適用した一例である。尚、図1に矢印で示すように作業者が位置する方向を前方(Y方向)とし、作業者から見て左右方向を左右方向(X方向)とする。
図1に示すように、多針ミシンMは、多針ミシンMを支持する左右1対の支持脚1と、支持脚1の後端部から立設する脚柱部2と、脚柱部2の上端部から前方に延びるアーム部3と、アーム部3の先端部に左右方向へ移動可能に配設された針棒ケース4と、脚柱部2の下端部から前方に延びるシリンダベッド部5と、シリンダベッド部5の直ぐ上方に位置し枠ホルダー20と共にX方向及びY方向へと移動移動するためのキャリッジ6(駆動対象部に相当)と、ユーザーがタッチパネル8aを介して種々の操作をするための操作パネル8と、多針ミシンMの制御全般を司る制御装置40などを有する。
針棒ケース4には、下端部に縫針10が装着された6本の針棒(図示略)と、その針棒と対応するように配置された天秤11と、針棒ケース4の上端部に設けられた糸調子器台12と、糸調子器台12に配設された6個の糸調子器13などを有する。
アーム部3には、脚柱部2に設けられたミシンモータ50(図3参照)の駆動力を縫針10及び天秤11に伝達する為の駆動力伝達機構(図示略)と、駆動力伝達機構により伝達されたミシンモータ50の駆動力により縫針10及び天秤11を夫々駆動する縫針上下駆動機構及び天秤揺動機構(図示略)と、針棒ケース駆動モータ55(図3参照)により針棒ケース4を左右に移動させて所望の針棒及び天秤11を駆動力伝達可能な位置に切換える針棒天秤切換え機構(図示略)などを有するが、一般的な構成を適用しているため説明は省略する。
アーム部3の上面の後半部には、合計6個の糸駒(図示略)が載置可能な1対の糸駒台14と、糸駒台14と対応するように案内機構15が設けられている。糸駒台14は、後方に向かって開くV字形状に伸展させることが可能に構成され、案内機構15も対応するように同じV字形状に伸展させることが可能に構成されている。各糸駒から延びる上糸は糸駒台14の上方に位置する案内機構15、糸調子器13、天秤11などを経由して各縫針10に供給される。
図2に示すように、キャリッジ6には、枠ホルダー20が装着されたX方向キャリッジ21と、パルスモータであってX方向キャリッジ21を駆動するためのX方向駆動モータ22と、X方向駆動モータ22の駆動力をX方向キャリッジ21に伝達する為のタイミングベルト23と、パルスモータであって脚柱部2に設けられたY方向駆動モータ53(図3参照)の駆動力が伝達されるガイド脚24等が設けられている。
X方向駆動モータ22は、両軸タイプのものであって、上方に延びる出力軸25にはタイミングベルト23の一端が掛けられ、下方に延びる出力軸25にはエンコーダ57(図3参照)が付設されている。
エンコーダ57は、X方向駆動モータ22の実際の回転量を検出するためのものである。図示しないが、エンコーダ57は、出力軸25と共に回転可能に固定され周方向適当間隔にスリットが形成されたディスクと、発光部と受光部とを有する検出器とを備えている。エンコーダ57は、発光部で発光された光が、ディスクのスリットを通過して受光部で検出されると、その検出された信号を制御装置40に出力し、その制御装置40によりX方向駆動モータ22の出力軸25の回転角度が検出される。
タイミングベルト23の一端はX方向駆動モータ22の出力軸25に支持され、他端はキャリッジ右端部に設けられた回転軸26に支持され、中間部ではX方向キャリッジ21の2箇所に連結部材27により連結されている。X方向駆動モータ22の駆動力は、このタイミングベルト23を介してX方向キャリッジ21に伝達される。
ガイド脚24は、Y方向駆動モータ53により支持脚1に形成されたガイド溝28に沿って、キャリッジ6,枠ホルダー20と共に移動される。尚、図示しないがX方向駆動モータ22に装着されているエンコーダ57と同じものが、Y方向駆動モータ53の出力軸にも装着されている。
枠ホルダー20は、加工布を保持する刺繍枠29が装着されるものである。この枠ホルダー20は、左右1対の腕部30a,30bにより刺繍枠29を支持するが、左側の腕部30aは、左右方向に移動可能に構成され、複数種の刺繍枠29を支持することができる。
多針ミシンMにより刺繍縫製する際には、X方向駆動モータ22及びY方向駆動モータ53により加工布が移動されつつ、ミシンモータ50の駆動力が駆動力伝達機構により縫針上下駆動機構により所望の針棒に伝達され、その針棒が縫針10と共に上下駆動され、その縫針10に対応する天秤11も上下に揺動され、シリンダベッド部5に設けられた糸輪捕捉器(図示略)との協動により、刺繍縫製される。
次に、この多針ミシンMの制御系について図3を参照して説明する。図3に示すように、制御装置40は、多針ミシンMの制御全般を司るものである。制御装置40は、CPU41とROM42とRAM43とこれらを接続するバス44などを含むコンピュータ45と、コンピュータ45に入出力するための入出力インターフェース46などを有する。
入出力インターフェース46には、ミシンモータ50を駆動するための駆動回路51と、X方向駆動モータ22を駆動するための駆動回路52(駆動部に相当)と、Y方向駆動モータ53を駆動するための駆動回路54と、針棒ケース駆動モータ55を駆動するための駆動回路56と、操作パネル8と、エンコーダ57などが接続され、夫々の駆動回路を介して制御対象を制御する。
CPU41では、エンコーダ57で検出された駆動モータ22(53)の回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数P2を求める演算や、駆動回路52,(54)から駆動モータ22(53)に出力された駆動パルス数の第1パルス数P1と第2パルス数P2との偏差Dを求める演算などが行われる。
ROM42には、駆動モータ22,53を制御するための駆動モータ制御プログラム(パルスモータ制御プログラムに相当)や、駆動モータ制御プログラムなどが実行される際に用いられる各パラメータや、刺繍縫製のイメージデータなどが読出し可能に予め記録されている。RAM43には、エンコーダ57から送信されるパルスモータの回転量に対応する第2パルス数P2や、駆動モータ22,53に出力された第1パルス数P1などの各種データが格納される。
次に、駆動モータ制御プログラムを説明する前に、パルスモータを最大トルクで制御するために必要な、ローターの回転角度と励磁されるコイルとの回転角度の差と、最大トルクとの関係について、図4に示すような4相のパルスモータ60を例にし、図5も参照しつつ説明する。パルスモータ60は、4つのコイルC1,C2,C3,C4と、永久磁石であって励磁されたコイルC1,C2,C3,C4により回転軸62の周りを回転されるローター63で構成されている。図5のグラフに示す各曲線は、各コイルC1,C2,C3,C4に駆動パルスが出力された際の、ローター63の回転角度と出力トルクとの関係を示している。尚、以下の説明で、コイルC1,C2,C3,C4に出力される駆動パルスは、コイルC1,C2,C3,C4に「N」,「S」で示すように、ローター63のN極と駆動パルスが出力されたコイルC1,C2,C3,C4との間に引力が作用する方向にコイルC1,C2,C3,C4を流れるものとする。また、図4に示すローター63の位置を「0°」とし、平面視にて反時計周りを正の角度とする。
図4に示すローター63の位置では、コイルC1に駆動パルスが出力されているため、ローター63に作用するトルクは「0」である。次に、コイルC2に1つ目の駆動パルスが出力されると、ローター63のN極がコイルC2に引かれるため、ローター63は、回転軸62の周りを平面視にて反時計周りに回転される。次に、ローター63が45°回転されると、図5のC2の曲線で示すように、ローター63に作用するトルクが小さくなるので、コイルC2が消磁されて、コイルC3に2つ目の駆動パルスが出力される。コイルC3に駆動パルスが出力されると、図5のC3の曲線で示すように、ローター63に作用するトルクが再び増加する。次に、ローター63の回転角度が135°になるとローター63に作用するトルクが小さくなるので、コイルC3が消磁され、コイルC4に3つめのパルスが出力され、図5のC4の曲線で示すように、ローター63に作用するトルクが増加する。後は、上記と同じように繰り返すことでパルスモータ60の出力が略最大トルクに維持される。
このように、パルスが出力されるコイルとローター63との間に135°の角度差が維持されると、パルスモータ60の出力が略最大トルクに維持されつつ、ロータ63を回転させることができる。即ち、4つのコイルC1,C2,C3,C4でパルスモータ60が形成されているため、1駆動パルスが回転角度が90°に対応するので、コイルC1,C2,C3,C4に出力される駆動パルス数とローター63の回転角度に対応する駆動パルス数との間の偏差が、1.5パルス数(設定偏差)に維持されると、パルスモータ60の出力が常に略最大トルクに維持される。
次に、駆動モータ制御プログラムにより実行される処理について、図6〜図9を参照して説明する。この駆動モータ制御プログラムは、ミシンモータ50により縫針10が1周期上下駆動する際に、加工布を1ステッチ分移動させる際に実行されるものである。駆動モータ制御プログラムは、X方向駆動モータ22及びY方向駆動モータ53が夫々駆動される際に実行されるものであるが、以下の説明においてはX方向駆動モータ22が駆動される場合を例にして説明する。以下の説明において、Si(i=1,2,3‥)は、ステップ数を示す。
最初に、図7のフローチャートに沿って実行される処理を説明する前に、図6に示すグラフついて簡単に説明する。このグラフは、第1パルス数P1と第2パルス数P2の時間変化を示すものであり、加速、減速前期、減速後期、停止の夫々において、第1パルス数P1と第2パルス数P2の間隔、即ち、偏差D(=第1パルス数P1−第2パルス数P2)が、加速、減速前期、減速後期、停止の夫々の設定偏差Doを保ちつつ、両パルス数P1,P2が停止終了パルス数Plまで増加する様子を示している。
まず、駆動モータ制御プログラムが実行されると、各パラメータDa,Db1,Db2,Pa,Pb1,Pb2,Pl,N,dN1,Ta,Tb,TcがROM42から読み込まれ、RAM43に格納される(S1)。尚、各パラメータの詳細については、夫々のパラメータが用いられる各ステップにおいて説明する。次に、設定偏差Doが加速用設定偏差である最大トルク加速用設定偏差Daに設定され、設定パルス数Psが加速終了パルス数Paに設定され、第1,第2パルス数P1,P2及び時間tが夫々「0」に設定される(S2)。
加速終了パルス数Paは、加速を終了させるためのパルス数であって、第1パルス数P1がこの加速終了パルス数Paに達すると加速が終了される。尚、加速終了パルス数Paは、1ステッチが終了する停止終了パルス数Plの略60%程度である。最大トルク加速用設定偏差Daは、X方向駆動モータ22のトルクを略最大で維持するためのパラメータであって、加速時に、偏差Dを最大トルク加速用設定偏差Daに維持することで、X方向駆動モータ22のトルクが略最大で維持される。
第1パルス数P1は、制御装置40により駆動回路52を介して出力された駆動パルス数である。第2パルス数P2は、エンコーダ57により検出されたX方向駆動モータ22の実際の回転量に対応する駆動パルス数である。時間tは、このパルスモータ制御処理がスタートしてからの経過時間である。
次に、第1パルス数P1と、第2パルス数P2との偏差Dが、「D=P1−P2」に基づいて演算される(S3)。次に、「設定偏差Do≧偏差D」に基づいて設定偏差Doと偏差Dが比較され、設定偏差Doより偏差Dが大きい場合には(S4;No)、S3に戻り、設定偏差Doより偏差Dが小さい場合には(S4;Yes)、その他の種々のデータが参照され、駆動パルスの出力タイミングと判定されるまでS5が繰り返され(S5;No)、駆動パルスの出力タイミングと判定されたら(S5;Yes)、1パルスがX方向駆動モータ22に出力される(S6)。尚、S5における種々のデータは、本願発明とは直接関係がないので説明を省略するが、特定のデータに限定するものではない。
次に、この加速時のX方向駆動モータ22の動作について簡単に説明する。X方向駆動モータ22に駆動パルスが出力されると、第1パルス数P1は出力された駆動パルス数だけ増加するが、第2パルス数P2はX方向駆動モータ22の出力軸25に作用する負荷などの影響により第1パルス数P1よりは遅れて増加するため、偏差Dは増大する。従って、設定偏差Doより偏差Dが小さい場合には、偏差Dを増加させて、偏差Dが設定偏差Doになるように、駆動パルスがX方向駆動モータ22へ出力される。
一方、X方向駆動モータ22への駆動パルスが出力されないと、第1パルス数P1は一定値を保つが、回転しているX方向駆動モータ22は惰性によって回転駆動を続けるため、第2パルス数P2のみが増大し、偏差Dは減少する。従って、設定偏差Doより偏差Dが大きい場合には、偏差Dを減少させて、偏差Dが設定偏差Doになるように、駆動パルスの出力が行われない。
次に、第1パルス数P1が、設定パルス数Ps(加速終了パルス数Pa)か否かが判定され、設定パルス数Psでないならば(S7;No)、S3に移行する。一方、設定パルス数Psならば(S7;Yes)、X方向駆動モータ22の加速を終了し、S8に移行し、Ps=Paか否かが判定され、Ps=Paなので(S8;Yes)、ミシンモータ制御処理に移行する。
次に、ミシンモータ制御処理について、図8,図9を参照して説明する。このミシンモータ制御処理は、X方向駆動モータ22が加速終了パルス数Paに至るまでの時間に基づいてX方向駆動モータ22の負荷を検知し、X方向駆動モータ22により駆動される刺繍枠29、枠ホルダー20,X方向キャリッジ21などに大きな負荷が作用していると検知された場合には、X方向駆動モータ22が、縫針10の上下駆動の1周期Tc内に所定の回転角度を回転することができないと判断され、ミシンモータ50の回転数Nを所定の回転数減少させるためのものである。尚、前述したように、加速終了パルス数Paは停止終了パルス数Plの約60%なので、ミシンモータ制御処理は、縫針10が縫針上死点位置から所定量下がった位置であって、縫針10が加工布に刺さっていない状態で実行される。図9に示すように、第1判定時間Ta<第2判定時間Tbとする。
ミシンモータ制御処理がスタートすると、まず、時間t、即ち、第1パルス数P1が設定パルス数Psになるのに要した時間が判定用時間Tに設定される(S20)。次に、T≦Taならば(S21;Yes)、縫針10の上下駆動1周期Tc内に第1パルス数P1が停止終了パルス数Plに達することができると判断され、ミシンモータ50の回転数Nが維持されたまま、ミシンモータ制御処理は終了し、S10に移行する。
一方、T≧Taならば(S21;No)、縫針10の上下駆動1周期Tc内に第2パルス数P2が停止終了パルス数Plに達することができないと判断され、ミシンモータ50の回転数Nを減少させるために、S22に移行する。S22において、T≦Tbならば(S22;Yes)、ミシンモータ50の回転数Nが所定量dN1減少されて(S23)、ミシンモータ制御処理が終了し、S10に移行する。一方、T≦Tbでないならば(S22;No)、非常に大きな負荷がX方向駆動モータ22などに作用しているものと判断されて、ミシンモータ50など多針ミシンMが停止される(S24)。
次に、S10において、減速前期を行うために、減速前期初期値として、設定パルス数Psが減速前期終了パルス数Pb1に、設定偏差Doが第1減速用設定偏差Db1に夫々設定される(S10)。減速前期終了パルス数Pb1は、減速前期を終了させるための駆動パルス数であって、第1パルス数P1がこの減速前期終了パルス数Pb1に達すると、減速前期が終了される。第1減速用設定偏差Db1は負の数である。
次に、加速時と同様に、S3からS7までが繰り返される。特に、減速前期が開始された直後は、第1減速用設定偏差Db1が負の数のため、惰性により出力軸25が回転して、第2パルス数P2が第1パルス数P1を超え、偏差Dが負の数になり、偏差Dが設定偏差Do(第1減速用設定偏差Db1)以下になるまで、駆動パルスがX方向駆動モータ22に出力されない。偏差Dが設定偏差Do以下になると(S4;Yes)、駆動パルスがX方向駆動モータ22に出力されるが(S6)、第1パルス数P1は第2パルス数P2よりも少ないため、出力軸25には制動力が作用することになる。次に、駆動パルスが所定数出力され、第1パルス数P1が設定パルス数Ps(減速前期終了パルス数Pb1)になると(S7;Yes)、減速前期が終了し、Ps=Pbなので、(S8;No),(S11;Yes)で処理されて、S12に移行する。
次に、S12において、減速後期を行うために、減速後期初期値として、設定パルス数Psが減速後期終了パルス数Pb2に、設定偏差Doが第2減速用設定偏差Db2に設定される(S12)。減速後期終了パルス数Pb2は、減速後期を終了させるための駆動パルス数であって、第1パルス数P1が減速後期終了パルス数Pb2なると、減速後期が終了する。
第2減速用設定偏差Db2は、第1減速用設定偏差Db1と同様に負の数ではあるが、第2減速用設定偏差Db2の大きさが第1減速用設定偏差Db1の大きさよりも大きいので、図6のグラフの点線の曲線で示すように、減速前期に比べ減速後期の方が、X方向駆動モータ22がゆっくりと回転されつつ減速される。加速時と同様に、S3からS7までのステップが繰り返される。所定数の駆動パルスが出力されて、第1パルス数P1が設定パルス数Ps(減速後期終了パルス数Pb2)になると(S7;Yes)、減速後期が終了し、Ps=Pb2なので、(S8;No),(S11;No),(S13;Yes)で処理されて、S14に移行する。
次に、X方向駆動モータ22の回転を停止させるために、停止初期値として設定パルス数Psが停止終了パルス数Plに設定され、設定偏差Doが「0」に設定される(S14)。停止終了パルス数Plは、駆動モータ制御を終了させるためのパルス数であって、停止終了パルス数Plに対応するX方向駆動モータ22の回転量が、1ステッチ分の回転量に相当する。次に、加速時と同様にS3からS7までのステップが繰り返され、第1パルス数P1が設定パルス数Ps(停止終了パルス数Pl)になると(S7;Yes)、(S8;No),(S11;No),(S13;No)で処理されて、駆動モータ制御が終了する。このように停止時の設定偏差Doが「0」に設定され、且つ、既に脱調を起こすことが無い程度まで減速されているので、第1パルス数P1と第2パルス数P2とが確実に一致される、即ち、確実に所望の駆動量で出力軸25が停止される。
次に上述した実施例の作用及び効果について説明する。この多針ミシンMにおいては、X方向駆動モータ22に出力された駆動パルスの第1パルス数P1とエンコーダ57により実際に検出されたX方向駆動モータ22の回転量に対応する第2パルス数P2との偏差D(=P1−P2)を正の設定偏差Doになるように、制御装置40がX方向駆動モータ22に駆動パルスを出力するので、エンコーダ57と制御装置40による簡単な制御のみで、X方向駆動モータ22の脱調を防ぐことができ、正確に駆動量を制御することができる。また、脱調を防ぐことで、無駄な駆動パルスを無くし消費電力を削減することができる。エンコーダ57によりX方向駆動モータ22の実際の回転量を検出しているので、X方向駆動モータ22の回転量を正確に制御することができる。
X方向駆動モータ22の加速時、偏差DがX方向駆動モータ22の出力が略最大トルクになるように設定された最大トルク加速用設定偏差Daになるように駆動パルスがX方向駆動モータ22に出力されるので、所望のトルクに対してX方向駆動モータ22の最大トルクに余裕を持たす必要がないので、X方向駆動モータ22に小型のパルスモータを適用することができる。X方向駆動モータ22の減速時、減速前期と減速後期で、設定偏差Doを別に設定し、第1減速用設定偏差Db1の大きさが第2減速用設定偏差Db2の大きさに比べ、小さく設定されているので、減速前期に比べ減速後期はゆっくりX方向駆動モータ22が回転されつつ減速されるので、減速が円滑に行われ、停止精度が向上する。縫針10が加工布に刺さる前の加速終了時までに要した判定用時間Tに基づいて、ミシンモータ50の負荷を演算し、ミシンモータ50の1周期Tc内に1ステッチ分X方向駆動モータ22が回転するか否かが判定されるので、多針ミシンMの構成部品を増やすことなく、また、制御を複雑にすることなく、正確な刺繍縫製をすることができる。
尚、上記の実施例において、制御装置40は特許請求の範囲における制御手段,駆動制御手段に相当し、エンコーダ57及び制御装置40は特許請求の範囲における負荷検知手段に相当する。
次に、設定偏差を静音加速用設定偏差に設定した場合の実施例2について図10を参照して説明する。上述した実施例1と同様の構成については同じ符号を付けて説明を省略する。また、実施例1の駆動モータ制御プログラムと、この実施例2における駆動モータ制御プログラムに関しては、減速用設定偏差が1つになったこと以外は夫々の設定値の値が変化しただけなのでフローチャートに関しても省略する。以下、実施例2の駆動モータ制御プログラムについて簡単に説明する。
この実施例2の駆動モータ制御プログラムにおいては、加速時に、設定偏差Doが、最大トルク加速用設定偏差Daの約半分程度の静音加速用設定偏差Dsに設定され、偏差Dが設定偏差Do以下になると駆動パルスが出力されて、X方向駆動モータ22が加速される。次に、第1パルス数P1が加速終了パルス数Paまで達すると、ミシンモータ制御処理が実行され、設定偏差Doが減速用設定偏差Dbに設定されて、偏差Dが設定偏差Do以下になると駆動パルスが出力されて、X方向駆動モータ22が減速される。次に、第1パルス数P1が減速終了パルス数Pbまで達すると、設定偏差Doが「0」に設定されて、X方向駆動モータ22が停止される。
図10に示すように、実施例2の駆動モータ制御プログラムにおいては、加速時に設定偏差Doが、最大トルク設定偏差Daの約半分程度の静音加速用設定偏差Dsに設定されているので、駆動モータ22,53がゆっくりと低速で駆動される。従って、X方向駆動モータ22の駆動音を抑制することができる。特に、ミシンモータ50の回転数が低い時は、ミシンモータ50の駆動音が小さくX方向駆動モータ22の駆動音が目立っていたが、このような場合でも上述のように静音加速用設定偏差Dsを採用することで、X方向駆動モータ22の駆動音を目立たなくすることができ、多針ミシンMを大幅に静音化することができる。尚、この実施例2においてもX方向駆動モータ22と同様の駆動モータ制御プログラムをY方向駆動モータ53に適用することができる。
上述の実施例2においては、静音加速用設定偏差Dsを1つだけ備えた設定で説明したが、静音加速用設定偏差Dsを複数備えてもよい。例えば、ミシンモータ50の回転数や1針分の布送り量に対応して複数の静音加速用設定偏差Dsを設定可能に構成してもよい。即ち、ミシンモータ50の回転数が高い場合などには値の大きい静音加速用設定偏差Dsを設定してミシンモータ50に駆動モータ22,53が追随できるようにし、一方、ミシンモータ50の回転数が低い場合には値の小さい静音加速用設定偏差Dsを設定して更に駆動モータ22,53の駆動音を低減するように構成することが可能である。
加速用設定偏差を最大トルク加速用設定偏差に設定する最大トルクモードと静音加速用設定偏差に設定する静音モードとにモード切り換え可能な実施例3について説明する。この実施例においては、以下の4つの方法によってモード切換が実行される。
(1) 操作パネル8にモード切換キー(図示略)を設け、ユーザーによって手動で切り換え可能に構成してもよい。但し、ユーザーが静音モードを所望してモード切換キーを操作しても、設定されているミシンモータ50の回転数や1針分の布送り量によっては、駆動モータ22,53を最大トルクで駆動させなくてはならない場合もあるので、このような場合にはタッチパネル8aに警告メッセージなどを表示して、制御装置40により自動で最大トルクモードに設定するように構成するのが望ましい。
(2) ミシンモータ50の回転数に基づいて制御装置40により自動でモードを切り換えるように構成してもよい。例えば、ミシンモータ50の回転数が1500rpm未満の場合には静音モードに設定し、1500rpm以上の場合には最大トルクモードに切り換えるように構成する。このように構成すると、ミシンモータ50の回転数が低く駆動モータ22,53を低速で駆動させてもミシンモータ50に追随できる場合には、駆動モータ22,53をも低速で駆動させて、ミシンモータ50及び駆動モータ22,53の駆動音を共に小さくすることができ、多針ミシンM全体の駆動音を大幅に抑制することができる。また、ミシンモータ50の回転数が大きい場合には、ミシンモータ50やミシンモータ50により駆動される針棒などの駆動音が大きいため、駆動モータ22,53を最大トルクで駆動させても駆動モータ22,53の駆動音が目立たせることなく、駆動モータ22,53を高速で駆動させることができる。
(3) 1針分の布送り量に基づいて制御装置40により自動でモードを切り換えるように構成してもよい。例えば、1針分の布送り量が3.0mm未満ならば静音モードに設定し、3.0mm以上ならば最大トルクモードに設定するように構成してもよい。このように構成すると、布送り量が小さい場合には駆動モータ22,53を低速で駆動させて駆動音を小さくすることができ、布送り量が大きい場合にはミシンモータ50に追随できるように駆動モータ22,53を最大トルクで駆動し、針落ち位置の位置ずれをなくし縫製品質を向上させることができる。
(4) 上述した(1)〜(3)を組み合わせてもよい。例えば、上述の(1)のように手動で静音モード及び最大トルクモードに切り換え可能な手動モードと、上述の(2),(3)のように制御装置40によって自動で静音モード及び最大トルクモードに切り換え可能な自動モードとに切り換え可能に構成してもよい。特に、自動モードにおいては、ミシンモータ50の回転数と1針分の布送り量の両方の値に基づいて静音モード若しくは最大トルクモードに切り換えるように構成してもよい。即ち、ミシンモータ50の回転数から演算された縫針10の上下駆動1周期の内の布送り可能な時間と、1針分の布送り量から駆動モータ22,53を最大トルクで駆動させなければならないか否かを判断し、その結果に基づいて、最大トルクモードと静音モードとに自動で切り換えてもよい。このように構成することで、多針ミシンMの駆動状況やユーザーの要望に合わせて駆動モータ22,53を最大トルクで高速に駆動させたり、低速で静かに駆動させることができる。
次に上述した実施例を部分的に変更した変更の形態について説明する。
1) 上述の実施例1においては、減速用設定偏差が2つの設定偏差である第1減速用偏差Db1と第2減速用偏差Db2とで構成し、実施例2においては1つの減速用設定偏差Dbで構成したが、減速用設定偏差を2つ若しくは1つの設定偏差で構成することに限定するものではなく、1つ若しくは3つ以上の設定偏差で減速用設定偏差を構成してもよい。また、同様に、最大トルク加速用設定偏差Da及び静音トルク加速用設定偏差Dsは、1つの設定偏差で構成したが、複数の設定偏差で構成してもよい。
2)上述の実施例においては、減速する際にも減速用設定偏差を設定し、その減速用設定偏差に従って駆動モータ22,53へ駆動パルスが出力されたが、ROM42に、図11に示すような減速用タイムテーブルを記憶し、減速の際には、そのタイムテーブルに従って、駆動パルスを出力するようにしてもよい。図11に示す減速用タイムテーブルは、例えば、減速に要する駆動パルス数が、「5」の場合には、各駆動パルスが、「0.8」,「0.8」,「1.0」,「1.0」(単位はms)の間隔で出力されることを示している。このように減速する際には、タイムテーブルに基づいて駆動パルスを出力することで、減速の制御を簡単化することができる。
3)上述の実施例のミシンモータ制御処理においては、X方向駆動モータ22が一定量駆動するまで、即ち、加速終了時までの時間に基づいてミシンモータ50の負荷を検知したが、一定時間におけるX方向駆動モータ22の駆動量に基づいてミシンモータ50の負荷を検知してもよい。例えば、縫針10が縫針下死点から縫針上死点に至るまでの時間におけるX方向駆動モータ22の駆動量が、所定の閾値以上か否かで、ミシンモータ50の負荷を検知してもよい。
4)上述の実施例においては、加速終了時にミシンモータ制御処理が実行されたが、このミシンモータ制御処理は、絶対不可欠な処理ではなく、適宜省略してもよく、また、加速終了時以外に、ミシンモータ制御処理を適宜変更した処理を行ってもよい。例えば、エンコーダ57から送られるパルスの間隔を常に監視し、その間隔が理論値と大きくずれている場合には、ミシンモータ50を停止するようにしてもよい。
5)上述の実施例においては、キャリッジ6を駆動するための駆動モータ22,53にパルスモータ制御プログラムである駆動モータ制御プログラムを適用したが、ミシンに設けられる他のパルスモータを制御するためにパルスモータ制御プログラムを適用してもよい。
6)上述の実施例においては、設定偏差Doを複数の定数であるDa,Db1,Db2で構成したが、加速、減速前期、減速後期の夫々の設定偏差の初期値のみ定数にし、その後は、パルスモータの回転速度をエンコーダ57により検出し、その回転速度に応じて、設定偏差を所定の演算により変化させてもよい。特に、加速時の設定偏差は、パルスモータの駆動速度に基づいて設定偏差を大きくすることで、パルスモータを加速させつつ、パルスモータのトルクを略最大で維持することができ、また、短時間でパルスモータを所望の回転角度回転させることができる。尚、このように加速を行う場合には、所定の速度になるとパルスモータが脱調するために、設定偏差がその所定の速度に対応した設定偏差に収束する。
7)駆動対象部による負荷など、パルスモータに作用する負荷に応じて設定偏差を変更してもよい。例えば、駆動対象部が重くパルスモータに作用する負荷が大きい場合には、最大トルク若しくはそれに近い高トルクを発生させるための設定偏差が設定されるように構成し、駆動対象部が軽くパルスモータに作用する負荷が小さい場合には、パルスモータを低トルクで駆動させるための設定偏差が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、負荷が大きい場合に生じることが多い駆動対象部のダンピングを防ぎ、その結果、騒音や縫いずれを防ぐことができ、一方、負荷が小さい場合にはパルスモータの駆動音を削減することができる。
尚、駆動対象部の重量を以下の方法により検出してもよい。
a)移動が開始してから所定速度若しくは所定距離に達するまでの時間に基づいて制御手段により演算する。
b)駆動対象部の取り付け位置に重量計測手段を設け、その重量計測手段を介して制御手段により駆動対象部の重量を測定する。
c)刺繍枠や布押えのサイズ若しくは種類を検出若しくはユーザーが入力し、そのサイズや種類に応じて予めROMなどに記憶されたデータから刺繍枠や布押えの重量を読み出す。
d)ユーザーが駆動対象部の重量を測定し、操作パネルからその値を入力する。
7)上述の実施例においては、エンコーダ57によりX方向駆動モータ22の間接的に負荷を検出したが、X方向駆動モータのトルク検出器を設け直接的にX方向駆動モータのトルクを検出してもよい。
8)上述の実施例においては、多針ミシンMに本発明を適用したが、縫針が1本の単針ミシンに適用してもよい。
9)上述の実施例においては、駆動パルスを1パルスずつ出力したが、複数パルスずつ出力してもよい。
10)パルスモータの例として、図4における4相型のパルスモータを上げたが、このようなパルスモータに限定するものではなく、あらゆるパルスモータに本願発明を適用することができる。
尚、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更例をも包含するものである。
本発明の実施例に係る多針ミシンの全体図である。 多針ミシンのキャリッジ周辺の平面図である。 多針ミシンの制御系の全体構成図である。 パルスモータのコイルとローターの概略図である。 各コイルに電流を流した時のパルスモータのトルクカーブのグラフである。 第1パルス数,第2パルス数と時間との関係を示すグラフである。 駆動モータ制御プログラムを説明するフローチャートである。 ミシンモータ制御処理を説明するフローチャートである。 ミシンモータの負荷の判別を説明するためのグラフである。 最大トルクモードと静音モードとを比較するための図6相当図である。 変更例における、減速時に用いられるタイムテーブルである。
符号の説明
M 多針ミシン
20 枠ホルダー
22 X方向駆動モータ
40 制御装置
45 コンピュータ
50 ミシンモータ
53 Y方向駆動モータ
57 エンコーダ
60 パルスモータ
D 偏差
Do 設定偏差
Da 最大トルク加速用設定偏差
Db1 第1減速用設定偏差
Db2 第2減速用設定偏差
N 回転数
1 第1パルス数
2 第2パルス数
T 判定用時間
Ds 静音加速用設定偏差

Claims (16)

  1. ミシンの駆動対象部を駆動するパルスモータと、パルスモータを駆動する駆動部と、この駆動部を介してパルスモータを制御する制御手段とを備えたミシンにおいて、
    前記パルスモータに付設されパルスモータの実際の回転量を検出するエンコーダ手段を設け、
    前記制御手段は、パルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、エンコーダ手段で検出されたパルスモータの回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差を演算し、この偏差が予め設定された設定偏差になるようにパルスモータへ出力する駆動パルスを制御することを特徴とするミシン。
  2. 前記設定偏差は、少なくともパルスモータ加速時に適用する加速用設定偏差を含むことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記設定偏差は、前記パルスモータによる発生トルクを変更するためのものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記加速用設定偏差はパルスモータのトルクが略最大になる正の値である最大トルク加速用設定偏差であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン。
  5. 前記加速用設定偏差はパルスモータのトルクが略最大になる最大トルク加速用設定偏差よりも小さく正の値である静音加速用設定偏差に設定可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシン。
  6. 前記加速用設定偏差を最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換え可能であることを特徴とする請求項5に記載のミシン。
  7. 前記パルスモータは加工布を移動させるためのものであって、
    前記制御手段は、前記加速用設定偏差をミシンモータの回転数に基づいて自動で最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換えることを特徴とする請求項6に記載のミシン。
  8. 前記パルスモータは加工布を移動させるためのものであって、
    前記制御手段は、前記加速用設定偏差を1針分の布送り量に基づいて自動で最大トルク加速用設定偏差と静音加速用設定偏差とに択一的に切り換えることを特徴とする請求項6に記載のミシン。
  9. 前記設定偏差は、パルスモータ減速時に適用する減速用設定偏差を有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のミシン。
  10. 前記減速用設定偏差は、少なくとも減速前期の第1減速用設定偏差と、減速後期の第2減速用設定偏差とを有することを特徴とする請求項9に記載のミシン。
  11. 前記第1減速用設定偏差の大きさは、前記第2減速用設定偏差の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項10に記載のミシン。
  12. 縫針を上下駆動するミシンモータと、このミシンモータを駆動制御する駆動制御手段と、前記パルスモータの動作中のパルスモータの負荷を直接的又は間接的に検知する負荷検知手段とを備え、
    前記駆動制御手段は、前記負荷検知手段で検知した負荷に応じてミシンモータの回転数を調整することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のミシン。
  13. 前記負荷検出手段は、一定時間における前記パルスモータの駆動量、若しくは、パルスモータが一定量駆動するまでの時間に基づいてパルスモータの負荷を検知することを特徴とする請求項12に記載のミシン。
  14. 前記設定偏差は、前記パルスモータの駆動速度に基づいて設定されることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のミシン。
  15. 前記設定偏差は、前記パルスモータの駆動速度が増加するのに応じて、増加することを特徴とする請求項14に記載のミシン。
  16. ミシンの駆動対象部を駆動するパルスモータと、パルスモータを駆動する駆動部と、この駆動部を介してパルスモータを制御する制御手段とを備えたミシンにおける、前記制御手段のコンピュータに実行させるためのパルスモータ制御プログラムであって、
    前記パルスモータを駆動するための駆動パルスの第1パルス数と、パルスモータに付設されたエンコーダ手段により検出されたパルスモータの実際の回転量に対応する駆動パルス数である第2パルス数との偏差を求める偏差演算ルーチンと、
    前記偏差演算ルーチンにより演算された偏差と、予め設定された設定偏差とを比較する偏差比較ルーチンと、
    前記偏差比較ルーチンでの比較に基づいてパルスモータへ駆動パルスを出力させるパルス出力ルーチンと、
    を備えたことを特徴とするミシン用パルスモータ制御プログラム。
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