JP2004320963A - 電力負荷推定方法,装置及び電力料金請求方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】時間毎の電力量を計測する電力メータを設置していない需要家に対して適切な時間毎の負荷推定する装置および方法を提供すること。
【解決手段】需要家タイプ別の基準負荷パターンを一定比率で拡大縮小して、エリア内の各需要家タイプの月間使用電力量が一致するように各需要家タイプの負荷を推定し、次に各需要家タイプの時間毎の電力使用量がエリアの時間毎の電力使用量と一致するように各時間の各需要家タイプの推定負荷を補正することによりエリアの電力負荷の特徴を考慮して需要家の負荷を推定する。
【選択図】 図2
【解決手段】需要家タイプ別の基準負荷パターンを一定比率で拡大縮小して、エリア内の各需要家タイプの月間使用電力量が一致するように各需要家タイプの負荷を推定し、次に各需要家タイプの時間毎の電力使用量がエリアの時間毎の電力使用量と一致するように各時間の各需要家タイプの推定負荷を補正することによりエリアの電力負荷の特徴を考慮して需要家の負荷を推定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電力負荷推定方法,装置及び電力料金推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配電系統の負荷予測は、特開平7−177661号公報記載のように予め求めておいた1日の負荷曲線とその曲線の現在の時刻に相当する時刻の負荷値が計測した現在の配電線の電流と同じ値となるように比率係数を掛けることにより、予想したい将来の時刻の負荷を予測するものが提案されている。これは、現時点で計測した電流,電力量をもとに将来のある時点の負荷を予測して、配電系統の制御や作業に利用するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−177661号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、例えば小規模な需要家の電気料金は使用した時刻によらず、一定価格として計算している。このため、月に1回、これらの需要家の月間電力使用量を検針して、時間によらない一定の従量料金を用いて電気料金を計算している。一方、今後、電力自由化が進展すると、大多数の需要家が電気を供給する事業者を選択できるようになる。2007年にも小売電力が完全自由化される予定になっており、需要家は電力の供給者を選択することができるようになる。また、電力取引市場が開設され電力価格が時刻により相違することを前提とした料金体系が必須になると考えられる。このためには、全需要家の30分毎あるいは1時間毎の電力使用量を計測して、時間毎の電気料金を計算する必要が出てくる。しかし、小規模な一般需要家に30分毎あるいは1時間毎の電力メータを設置することはコスト面で事実上困難である。
【0005】
本発明の目的は、各地域及び各需要家にあった時間毎の需要家の電力負荷を推定することができる電力負荷推定方法,装置及び電力料金請求方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴は、電力負荷推定方法において、エリア内の各需要家の需要家タイプ,エリア内の需要家タイプの月間電力使用量,需要家タイプ別の基準負荷パターン及び前記エリア内の各需要家の月間電力使用量を受け付ける処理と、前記エリア内の各需要家の需要家タイプ,前記エリア内の各需要家の需要家タイプの月間電力使用量,前記需要家タイプ別の基準負荷パターン及び前記エリア内の各需要家の月間電力使用量とからエリア内の各需要家の時間毎の負荷を推定する処理とを持つことである。
【0007】
なお、本発明のその他の特徴は本願特許請求の範囲に記載のとおりである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の適用対象である電力負荷推定装置1での処理フローの一例、図2は電力負荷推定装置1の全体構成の一例を示す。図3は配電系統で負荷推定需要家が含まれるエリアAの一例を示す。図2における電力負荷推定装置1は推定処理部2,入力装置3,表示装置4,記憶装置5,印字装置6からなる。電力負荷推定装置1は配電システム7と通信回線を通してつながっている。また、配電システム7は配電系統9に設置されている計測装置8を通して、配電系統の開閉器の入り切り状態やセンサで計測したデータを収集する。計測装置8は複数の計測装置からなる。配電系統ではフィーダーの電流,電圧等を計測して電力量を計算する計測装置21が設置されている。計測装置21は計測装置8のなかの一つである。図3の例では計測装置21で計測される電力量は開閉器23と開閉器24は閉じており、開閉器25は開いているため、エリアAの範囲となる。一部の開閉器には電流,電圧あるいは電力量を計測するセンサが取り付けられているものもある。例えば、開閉器23に電力量を計測するセンサが取り付けられているとき、このセンサでは開閉器23から開閉器25までのエリアを計測することができる。開閉器23,24および25の入り切り状態は計測装置8を通して配電システム7に送られる。計測装置8では時々刻々の情報を通信装置に送るのではなく、30分あるいは1時間の電力量を一定期間分蓄積してから送ることにより、計測装置8と配電システム7の通信回線の混雑を防ぐことができる。計測装置8から送られてきたデータは配電システム7から推定処理部2を経由して、記憶装置5に格納される。配電システム7は配電系統を制御,監視,計画するもので、需要家の契約情報,サンプリングした需要家タイプ別の負荷実績等を保有している。これらのデータは必要に応じて、推定処理部2を通して、記憶装置5に格納される。
【0010】
図2の推定処理部2は電力負荷推定制御部11,データ読み込み部12,基準負荷パターン作成部13,基準負荷パターン補正部14,需要家負荷推定部15,料金計算部16および出力処理部17からなる。電力負荷推定制御部11は他の処理装置とのデータの授受および推定処理部2内の他の処理部との情報の授受を制御する。
【0011】
次に処理フローについて図1および図2を用いて説明する。ここでは、配電システム7から電力負荷推定装置1で使用するデータは既に記憶装置5に格納されているものとする。入力装置3を通して、推定対象月である2002年8月を入力して、電力負荷推定計算を実行させることにより、図1で示す処理を実行する。以下では2002年8月の電力負荷の推定を対象とする例を説明する。実行命令が電力負荷推定制御部11に送られると、電力負荷推定制御部11は処理S101を実行する。処理S101ではデータ読み込み部12を通して記憶装置5からサンプリングした需要家の負荷実績,需要家タイプを読み込む。図8に負荷実績の例を示す。この例では1ヶ月間の1時間毎のある需要家の負荷実績を示している。ここで、サンプリングした需要家とは、全ての需要家に対して30分あるいは1時間毎の電力量を計測する電力メータを設置することが難しいので、各需要家タイプの需要家の母集団の中から一部のサンプリングした需要家に電力メータを設置して、電力負荷を計測したものである。需要家タイプは一般電灯A,Bあるいは電力あるいは契約アンペア等の契約情報を元に需要家のタイプを分類したものである。図8は一般家庭としたタイプである。ここでは、需要家タイプを一般家庭,商店および事務所にタイプ分けしたときの例で説明する。タイプ分けは各需要家に対して電力小売部門が持っている情報をもとに更に詳細に分類した需要家タイプを使っても良い。図9に例示するエリアAの1ヶ月間の1時間毎の負荷実績を読み込む。図10に例示するエリアAに属する需要家の月間電力使用量も読み込む。また、需要家タイプに応じた時間別従量料金および基本料金を読み込む。なお、基本料金がない場合も考えられる。
【0012】
次に、データの読み込み処理S101が終了すると、電力負荷推定制御部11は基準負荷パターン作成部13に読み込んだデータをもとに、処理S102により需要家タイプ別の基準負荷パターンを作成するように制御する。基準負荷パターンは同一タイプのサンプリングした需要家の8月1ヶ月間の時間毎の負荷実績を加算して、24時間の電力量が単位量となるように規格化する。(数1)は同一タイプのサンプリングした需要家の実績電力量を用いて規格化する計算式である。分母はタイプjの全需要家の総電力使用量であり、分子は対象時刻の全需要家の総電力使用量となっている。分子の値を全時間で加算すると、分母と同じ値になる。すなわち、(数1)の左辺の値を全時刻で加算すると、1となる。(数2)は(数1)の分母の需要家タイプjの全需要家の時刻tの電力量を加算したものである。(数1)のようにして、各需要家タイプの規格化した基準負荷パターンを作成する。基準負荷パターンの例を図4に示す。
【0013】
【数1】
【0014】
Ljt:タイプjの時刻tの電力量を規格化した値
Rjit:タイプjの需要家iの時刻tの電力量
【0015】
【数2】
【0016】
Rjt:タイプjの全需要家の時刻tの電力量の合計
処理103では処理S102で作成した基準負荷パターンを補正するかどうかを判定する。もともとの基準負荷パターンは標準的なものであるが、同一の需要家タイプでも地域により負荷の消費特性が異なることが考えられるので、その地域により適切な基準負荷パターンを作成するために、検針データ,エリアの負荷実績を用いて基準負荷パターンを補正するものである。補正しない場合は処理S106の処理へ移る。補正する場合は処理S104に移る。
【0017】
処理S104では入力装置3から補正条件を設定し、次に基準負荷パターン補正部14にて処理S105を実行して基準負荷パターンを補正する。補正条件には各需要家タイプ別の基準負荷パターンに対して固定ベース分を付加する条件と基準負荷パターンの中の固定ベース分を設定する条件がある。前者の固定ベース分を負荷する場合について最初に説明する。ベース分を加算することを一般家庭の例を用いて説明する。図4の一般家庭のタイプの基準負荷パターンに対して、一定のv1だけかさ上げして(v1がマイナスのときもある)負荷パターンを補正するものである。(数3),(数4)および(数5)を用いてエリアAの各需要家タイプの基準負荷パターンを補正する。
【0018】
(数4)は時刻tのエリアAで計測した負荷実績L0tと補正した各需要家タイプの負荷合計との誤差を示す。各時刻の誤差の式は24時点分ある。補正するベース固定分を各需要家タイプ毎にvjとしている。
【0019】
(数5)は各需要家タイプの月間電力使用量Ljと負荷パターンから求めた月間電力量との誤算の式である。ここでは、需要家タイプを3つとしているので、3つの式がある。(数5)のLjtを時間分だけ加算したものは、(数1)の定義から1になる。よって、固定ベース分vjがゼロのとき、(数5)の左辺のFjをゼロとするためには、kjはLjと同じになる。実際には、送電ロス,計測誤差,基準負荷パターンの誤差が存在するため、kjとLjは一致するとは限らない。そこで、(数4),(数5)の条件のもとで、それぞれの誤差の重み係数をα1,α2として誤差が最小となるように各需要家タイプの規格化した値の倍率k1,k2,k3と固定ベース追加分であるv1,v2およびv3を計算する。α1,α2は入力装置3にて設定するものとする。(数3)は二次式なので二次計画法を使って最小化でき、このときのk1,k2,k3,v1,v2,v3を計算することができる。
【0020】
【数3】
【0021】
Q:最小化する目的関数
α1,α2:重み係数
【0022】
【数4】
Et:時刻tにおけるエリアAの電力量の誤差(時刻1から24時)
L0t:時刻tのエリアの負荷実績
k1,k2,k3:需要家タイプ1,2,3の係数
v1,v2,v3:需要家タイプ1,2,3の追加固定ベース分
【0023】
【数5】
【0024】
Lj:需要家タイプjの実績月間電力使用量(検針データ)
Fj:需要家タイプjの電力量の誤差
これらの式を解いて得られた、kjおよびvjと(数1)を用いて規格化した基準負荷パターンを(数6)のように補正する。
【0025】
【数6】
【0026】
Ljt:左辺は補正後のタイプjの時刻tの電力量を規格化した値
次に、図6に例示すように規格化した基準負荷パターンの一部をvjだけ補正する場合について説明する。この考え方は、ベースとなるvjの引き延ばし係数とベース分を除いた負荷パターンの引き延ばし係数を変更するものである。例えば、基準負荷パターンがあり、これをもとに負荷を推定するときを考える。電力需要にはベース分(通常夜間も使用している電力)と気温上昇による冷房需要の変動分があり、夏季に気温が変化したとき、例えばベース分の電力量はほとんど変化しないが、昼間の電力量は増加する。両者の増加が違うことを考慮するためには、ベースとなるvjの引き延ばし係数とベース分を除いた負荷パターンの引き延ばし係数を別に決定する必要がある。これらを考慮するために各需要家タイプ毎に補正するこのvjは入力装置3から設定する。設定したvjは定数となるので、この場合は、(数8),(数9)の条件のもとで(数7)を最小化するときの変数k11,k12,k21,k22,k31およびk32を求める。
【0027】
【数7】
【0028】
Q:最小化する目的関数
α1,α2:重み係数
【0029】
【数8】
Et:時刻tにおけるエリアAの電力量の誤差(時刻1から24時)
L0t:時刻tのエリアの負荷実績
k11,k12,k21,k22,k13,k23:需要家タイプ1,2,3の係数
v1,v2,v3:需要家タイプ1,2,3の追加固定ベース分
【0030】
【数9】
【0031】
Lj:需要家タイプjの実績月間電力使用量
Fj:需要家タイプjの電力量の誤差
これらの式を解いて得られた、kjiと(数1)を用いて規格化した基準負荷パターンを(数10)のように補正する。
【0032】
【数10】
【0033】
Ljt:左辺は補正後のタイプjの時刻tの電力量を規格化した値
以上により、処理S105の基準負荷パターンの補正を完了する。完了したことを基準負荷パターン補正部14は電力負荷推定制御部11に伝える。
【0034】
次に電力負荷推定制御部11は需要家負荷推定部15に処理S106を実行させる。処理S106では需要家タイプ別の負荷推定計算を実施する。この処理は(数11)に示すように、(数1)の基準負荷パターンあるいは補正した場合は(数6)または(数10)で補正した基準負荷パターンを用いて、各需要家タイプの月間電力量が実績値と一致するように各時刻のパターンを拡大縮小する。基準負荷パターンの積算値は単位量に規格化してあるので、月間電力量を各時刻の値に掛けることにより、各時刻の予想電力使用量が計算できる。
【0035】
【数11】
【0036】
Mjt:月間電力使用量を検針した値に合わせたときのタイプjの時刻tの電力量
更に、各時刻の推定電力量と計測した電力量実績と一致させるための修正係数Ntを(数12)により計算する。この修正係数Ntを用いて(数13)のように各需要家タイプの時刻tの電力量を計算する。
【0037】
【数12】
Nt=L0t/(M1t+M2t+M3t) …(数12)
Nt:時刻tの推定電力使用量と実績値とを合わせるための修正係数
L0t:エリアAの時刻tの計測した負荷実績
【0038】
【数13】
Mjt=Nt×Mjt …(数13)
Mjt:月間電力使用量および時刻tの電力使用量を合わせたときのタイプjの時刻tの電力量
処理S106が終了すると、電力負荷推定制御部11は処理S107にて、月間使用電力量が実績値と各需要家タイプの負荷推定値の月間使用電力量が一致するかどうかと時間毎の電力使用量と各需要家タイプの負荷推定値の時間毎の電力量が一致するかどうかをチェックする。両方とも一致するときは処理S108へ処理が移る。どちらかが一致しないときは、電力負荷推定制御部11は各需要家タイプの電力量Ljtを(数13)の電力量Mjtとして更新して、再度処理S106を実施する。
【0039】
処理S106は電力負荷推定値の月間電力使用量の実績値と推定値および時間毎の実績値と推定値の両方がほぼ一致するあるいは決めておいた繰り返し回数まで繰り返す。以上により、月間電力量および時間毎の実績値と一致する電力負荷推定値を計算することができる。処理S107で収束したことを電力負荷推定制御部11でチェックすると更に需要家負荷推定部15では需要家処理S108を実行する。
【0040】
処理S108では各需要家タイプの電力負荷推定値Mjtを用いて、各需要家の電力負荷推定値を計算する。需要家の電力負荷推定値を計算するときはその需要家のタイプと一致する電力負荷推定値Mjtを用いる。
【0041】
【数14】
【0042】
Pjit:需要家タイプjの需要家iの時刻tの電力負荷推定値
Mjt:月間電力使用量および時刻tの電力使用量を合わせたときのタイプjの時刻tの電力量
Lj:需要家タイプjの実績月間電力使用量
Rjit:タイプjの需要家iの時刻tの電力量
以上により、各需要家の電力負荷推定値を計算することができる。次に電力負荷推定制御部11は料金計算部16に処理S109の料金計算を実行させる。処理S101で読み込んだ各需要家の時間別従量料金,基本料金と処理S108で計算した時刻別の電力負荷推定値をもとに電気料金を計算する。推定した各時刻の使用電力量と従量単価および計算した従量料金の例を図7の「8月分の時間別使用電力量と単価」表34に例示する。従量金額は時間毎の使用電力量とその時刻の従量料金の積である。図7の表31に従量金額合計と基本料金および両者の和である請求金額を計算した例を示している。従量金額合計は図7の表34の各時刻の従量金額の和である。上記の計算をエリアAに含まれる全需要家について計算する。以上により、エリアAの全需要家の処理S109の料金計算の処理が終了する。
【0043】
次に電力負荷推定制御部11は出力処理部17に処理S110の結果の表示,請求書の作成,印字を実行させる。出力処理部17は処理S110で計算結果を確認できるように図7に例示する請求書を表示装置4に表示する。その後、印字装置6により請求書を印字する。図7は請求書の例である。この表示装置4に表示あるいは印字装置6に印刷する請求書には、表31に示す需要家名称,需要家タイプ,電力の使用期間,使用量に対する請求期間,使用電力量,従量金額合計,基本料金および請求金額,表32のグラフで示す時間毎の従量単価,表33のグラフで示す時間毎の使用電力量および表34で示す時間毎の使用電力量,従量単価,従量金額が含まれている。
【0044】
これにより、負荷推定計算処理を終了する。
【0045】
以上では図3に示すフィーダー以下のエリアAの需要家の負荷推定の例を説明したが、エリアとしてはより狭い範囲でもよい。例えば開閉器23と開閉器24に電力センサが設置されているときはこの開閉器23と開閉器24の区間の負荷実績が分かるのでこの区間をエリアとすることができる。反対に、図3の母線の上位側のバンクに電力センサが設置されているときは、2つのフィーダーで供給している広い地域をエリアとすることもできる。
【0046】
また以上の例では負荷推定の単位が1時間であったが、もっと短い30分、もっと長い2時間以上とすることも可能であり、全需要家に存在するデータとして月間電力量を用いたが、将来的にもっと短時間の電力量を計測するようになれば、この短い期間のデータを使うこともできる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、各地域及び各需要家にあった時間事の需要家の電力負荷を推定することができる電力負荷推定方法,装置及び電力料金請求方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力負荷推定の処理フローの一例。
【図2】電力負荷推定装置の構成と配電システムの一例。
【図3】配電系統の一例。
【図4】需要家タイプ別の基準負荷パターンの一例。
【図5】基準負荷パターンの補正方法の一例。
【図6】基準負荷パターンの補正方法の一例。
【図7】従量単価,使用電力量をグラフあるいは表を含んだ請求書の一例。
【図8】一般家庭タイプの需要家の負荷実績の一例。
【図9】エリアの負荷実績の一例。
【図10】検針実績データの一例。
【図11】エリアの月間使用電力量の一例。
【符号の説明】
1…電力負荷推定装置、2…推定処理部、3…入力装置、4…表示装置、5…記憶装置、6…印字装置、7…配電システム、8…計測装置、9…配電系統、
11…電力負荷推定制御部、12…データ読み込み部、13…基準負荷パターン作成部、14…基準負荷パターン補正部、16…料金計算部、17…出力処理部。
【発明の属する技術分野】
本発明は電力負荷推定方法,装置及び電力料金推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配電系統の負荷予測は、特開平7−177661号公報記載のように予め求めておいた1日の負荷曲線とその曲線の現在の時刻に相当する時刻の負荷値が計測した現在の配電線の電流と同じ値となるように比率係数を掛けることにより、予想したい将来の時刻の負荷を予測するものが提案されている。これは、現時点で計測した電流,電力量をもとに将来のある時点の負荷を予測して、配電系統の制御や作業に利用するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−177661号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、例えば小規模な需要家の電気料金は使用した時刻によらず、一定価格として計算している。このため、月に1回、これらの需要家の月間電力使用量を検針して、時間によらない一定の従量料金を用いて電気料金を計算している。一方、今後、電力自由化が進展すると、大多数の需要家が電気を供給する事業者を選択できるようになる。2007年にも小売電力が完全自由化される予定になっており、需要家は電力の供給者を選択することができるようになる。また、電力取引市場が開設され電力価格が時刻により相違することを前提とした料金体系が必須になると考えられる。このためには、全需要家の30分毎あるいは1時間毎の電力使用量を計測して、時間毎の電気料金を計算する必要が出てくる。しかし、小規模な一般需要家に30分毎あるいは1時間毎の電力メータを設置することはコスト面で事実上困難である。
【0005】
本発明の目的は、各地域及び各需要家にあった時間毎の需要家の電力負荷を推定することができる電力負荷推定方法,装置及び電力料金請求方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴は、電力負荷推定方法において、エリア内の各需要家の需要家タイプ,エリア内の需要家タイプの月間電力使用量,需要家タイプ別の基準負荷パターン及び前記エリア内の各需要家の月間電力使用量を受け付ける処理と、前記エリア内の各需要家の需要家タイプ,前記エリア内の各需要家の需要家タイプの月間電力使用量,前記需要家タイプ別の基準負荷パターン及び前記エリア内の各需要家の月間電力使用量とからエリア内の各需要家の時間毎の負荷を推定する処理とを持つことである。
【0007】
なお、本発明のその他の特徴は本願特許請求の範囲に記載のとおりである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の適用対象である電力負荷推定装置1での処理フローの一例、図2は電力負荷推定装置1の全体構成の一例を示す。図3は配電系統で負荷推定需要家が含まれるエリアAの一例を示す。図2における電力負荷推定装置1は推定処理部2,入力装置3,表示装置4,記憶装置5,印字装置6からなる。電力負荷推定装置1は配電システム7と通信回線を通してつながっている。また、配電システム7は配電系統9に設置されている計測装置8を通して、配電系統の開閉器の入り切り状態やセンサで計測したデータを収集する。計測装置8は複数の計測装置からなる。配電系統ではフィーダーの電流,電圧等を計測して電力量を計算する計測装置21が設置されている。計測装置21は計測装置8のなかの一つである。図3の例では計測装置21で計測される電力量は開閉器23と開閉器24は閉じており、開閉器25は開いているため、エリアAの範囲となる。一部の開閉器には電流,電圧あるいは電力量を計測するセンサが取り付けられているものもある。例えば、開閉器23に電力量を計測するセンサが取り付けられているとき、このセンサでは開閉器23から開閉器25までのエリアを計測することができる。開閉器23,24および25の入り切り状態は計測装置8を通して配電システム7に送られる。計測装置8では時々刻々の情報を通信装置に送るのではなく、30分あるいは1時間の電力量を一定期間分蓄積してから送ることにより、計測装置8と配電システム7の通信回線の混雑を防ぐことができる。計測装置8から送られてきたデータは配電システム7から推定処理部2を経由して、記憶装置5に格納される。配電システム7は配電系統を制御,監視,計画するもので、需要家の契約情報,サンプリングした需要家タイプ別の負荷実績等を保有している。これらのデータは必要に応じて、推定処理部2を通して、記憶装置5に格納される。
【0010】
図2の推定処理部2は電力負荷推定制御部11,データ読み込み部12,基準負荷パターン作成部13,基準負荷パターン補正部14,需要家負荷推定部15,料金計算部16および出力処理部17からなる。電力負荷推定制御部11は他の処理装置とのデータの授受および推定処理部2内の他の処理部との情報の授受を制御する。
【0011】
次に処理フローについて図1および図2を用いて説明する。ここでは、配電システム7から電力負荷推定装置1で使用するデータは既に記憶装置5に格納されているものとする。入力装置3を通して、推定対象月である2002年8月を入力して、電力負荷推定計算を実行させることにより、図1で示す処理を実行する。以下では2002年8月の電力負荷の推定を対象とする例を説明する。実行命令が電力負荷推定制御部11に送られると、電力負荷推定制御部11は処理S101を実行する。処理S101ではデータ読み込み部12を通して記憶装置5からサンプリングした需要家の負荷実績,需要家タイプを読み込む。図8に負荷実績の例を示す。この例では1ヶ月間の1時間毎のある需要家の負荷実績を示している。ここで、サンプリングした需要家とは、全ての需要家に対して30分あるいは1時間毎の電力量を計測する電力メータを設置することが難しいので、各需要家タイプの需要家の母集団の中から一部のサンプリングした需要家に電力メータを設置して、電力負荷を計測したものである。需要家タイプは一般電灯A,Bあるいは電力あるいは契約アンペア等の契約情報を元に需要家のタイプを分類したものである。図8は一般家庭としたタイプである。ここでは、需要家タイプを一般家庭,商店および事務所にタイプ分けしたときの例で説明する。タイプ分けは各需要家に対して電力小売部門が持っている情報をもとに更に詳細に分類した需要家タイプを使っても良い。図9に例示するエリアAの1ヶ月間の1時間毎の負荷実績を読み込む。図10に例示するエリアAに属する需要家の月間電力使用量も読み込む。また、需要家タイプに応じた時間別従量料金および基本料金を読み込む。なお、基本料金がない場合も考えられる。
【0012】
次に、データの読み込み処理S101が終了すると、電力負荷推定制御部11は基準負荷パターン作成部13に読み込んだデータをもとに、処理S102により需要家タイプ別の基準負荷パターンを作成するように制御する。基準負荷パターンは同一タイプのサンプリングした需要家の8月1ヶ月間の時間毎の負荷実績を加算して、24時間の電力量が単位量となるように規格化する。(数1)は同一タイプのサンプリングした需要家の実績電力量を用いて規格化する計算式である。分母はタイプjの全需要家の総電力使用量であり、分子は対象時刻の全需要家の総電力使用量となっている。分子の値を全時間で加算すると、分母と同じ値になる。すなわち、(数1)の左辺の値を全時刻で加算すると、1となる。(数2)は(数1)の分母の需要家タイプjの全需要家の時刻tの電力量を加算したものである。(数1)のようにして、各需要家タイプの規格化した基準負荷パターンを作成する。基準負荷パターンの例を図4に示す。
【0013】
【数1】
【0014】
Ljt:タイプjの時刻tの電力量を規格化した値
Rjit:タイプjの需要家iの時刻tの電力量
【0015】
【数2】
【0016】
Rjt:タイプjの全需要家の時刻tの電力量の合計
処理103では処理S102で作成した基準負荷パターンを補正するかどうかを判定する。もともとの基準負荷パターンは標準的なものであるが、同一の需要家タイプでも地域により負荷の消費特性が異なることが考えられるので、その地域により適切な基準負荷パターンを作成するために、検針データ,エリアの負荷実績を用いて基準負荷パターンを補正するものである。補正しない場合は処理S106の処理へ移る。補正する場合は処理S104に移る。
【0017】
処理S104では入力装置3から補正条件を設定し、次に基準負荷パターン補正部14にて処理S105を実行して基準負荷パターンを補正する。補正条件には各需要家タイプ別の基準負荷パターンに対して固定ベース分を付加する条件と基準負荷パターンの中の固定ベース分を設定する条件がある。前者の固定ベース分を負荷する場合について最初に説明する。ベース分を加算することを一般家庭の例を用いて説明する。図4の一般家庭のタイプの基準負荷パターンに対して、一定のv1だけかさ上げして(v1がマイナスのときもある)負荷パターンを補正するものである。(数3),(数4)および(数5)を用いてエリアAの各需要家タイプの基準負荷パターンを補正する。
【0018】
(数4)は時刻tのエリアAで計測した負荷実績L0tと補正した各需要家タイプの負荷合計との誤差を示す。各時刻の誤差の式は24時点分ある。補正するベース固定分を各需要家タイプ毎にvjとしている。
【0019】
(数5)は各需要家タイプの月間電力使用量Ljと負荷パターンから求めた月間電力量との誤算の式である。ここでは、需要家タイプを3つとしているので、3つの式がある。(数5)のLjtを時間分だけ加算したものは、(数1)の定義から1になる。よって、固定ベース分vjがゼロのとき、(数5)の左辺のFjをゼロとするためには、kjはLjと同じになる。実際には、送電ロス,計測誤差,基準負荷パターンの誤差が存在するため、kjとLjは一致するとは限らない。そこで、(数4),(数5)の条件のもとで、それぞれの誤差の重み係数をα1,α2として誤差が最小となるように各需要家タイプの規格化した値の倍率k1,k2,k3と固定ベース追加分であるv1,v2およびv3を計算する。α1,α2は入力装置3にて設定するものとする。(数3)は二次式なので二次計画法を使って最小化でき、このときのk1,k2,k3,v1,v2,v3を計算することができる。
【0020】
【数3】
【0021】
Q:最小化する目的関数
α1,α2:重み係数
【0022】
【数4】
Et:時刻tにおけるエリアAの電力量の誤差(時刻1から24時)
L0t:時刻tのエリアの負荷実績
k1,k2,k3:需要家タイプ1,2,3の係数
v1,v2,v3:需要家タイプ1,2,3の追加固定ベース分
【0023】
【数5】
【0024】
Lj:需要家タイプjの実績月間電力使用量(検針データ)
Fj:需要家タイプjの電力量の誤差
これらの式を解いて得られた、kjおよびvjと(数1)を用いて規格化した基準負荷パターンを(数6)のように補正する。
【0025】
【数6】
【0026】
Ljt:左辺は補正後のタイプjの時刻tの電力量を規格化した値
次に、図6に例示すように規格化した基準負荷パターンの一部をvjだけ補正する場合について説明する。この考え方は、ベースとなるvjの引き延ばし係数とベース分を除いた負荷パターンの引き延ばし係数を変更するものである。例えば、基準負荷パターンがあり、これをもとに負荷を推定するときを考える。電力需要にはベース分(通常夜間も使用している電力)と気温上昇による冷房需要の変動分があり、夏季に気温が変化したとき、例えばベース分の電力量はほとんど変化しないが、昼間の電力量は増加する。両者の増加が違うことを考慮するためには、ベースとなるvjの引き延ばし係数とベース分を除いた負荷パターンの引き延ばし係数を別に決定する必要がある。これらを考慮するために各需要家タイプ毎に補正するこのvjは入力装置3から設定する。設定したvjは定数となるので、この場合は、(数8),(数9)の条件のもとで(数7)を最小化するときの変数k11,k12,k21,k22,k31およびk32を求める。
【0027】
【数7】
【0028】
Q:最小化する目的関数
α1,α2:重み係数
【0029】
【数8】
Et:時刻tにおけるエリアAの電力量の誤差(時刻1から24時)
L0t:時刻tのエリアの負荷実績
k11,k12,k21,k22,k13,k23:需要家タイプ1,2,3の係数
v1,v2,v3:需要家タイプ1,2,3の追加固定ベース分
【0030】
【数9】
【0031】
Lj:需要家タイプjの実績月間電力使用量
Fj:需要家タイプjの電力量の誤差
これらの式を解いて得られた、kjiと(数1)を用いて規格化した基準負荷パターンを(数10)のように補正する。
【0032】
【数10】
【0033】
Ljt:左辺は補正後のタイプjの時刻tの電力量を規格化した値
以上により、処理S105の基準負荷パターンの補正を完了する。完了したことを基準負荷パターン補正部14は電力負荷推定制御部11に伝える。
【0034】
次に電力負荷推定制御部11は需要家負荷推定部15に処理S106を実行させる。処理S106では需要家タイプ別の負荷推定計算を実施する。この処理は(数11)に示すように、(数1)の基準負荷パターンあるいは補正した場合は(数6)または(数10)で補正した基準負荷パターンを用いて、各需要家タイプの月間電力量が実績値と一致するように各時刻のパターンを拡大縮小する。基準負荷パターンの積算値は単位量に規格化してあるので、月間電力量を各時刻の値に掛けることにより、各時刻の予想電力使用量が計算できる。
【0035】
【数11】
【0036】
Mjt:月間電力使用量を検針した値に合わせたときのタイプjの時刻tの電力量
更に、各時刻の推定電力量と計測した電力量実績と一致させるための修正係数Ntを(数12)により計算する。この修正係数Ntを用いて(数13)のように各需要家タイプの時刻tの電力量を計算する。
【0037】
【数12】
Nt=L0t/(M1t+M2t+M3t) …(数12)
Nt:時刻tの推定電力使用量と実績値とを合わせるための修正係数
L0t:エリアAの時刻tの計測した負荷実績
【0038】
【数13】
Mjt=Nt×Mjt …(数13)
Mjt:月間電力使用量および時刻tの電力使用量を合わせたときのタイプjの時刻tの電力量
処理S106が終了すると、電力負荷推定制御部11は処理S107にて、月間使用電力量が実績値と各需要家タイプの負荷推定値の月間使用電力量が一致するかどうかと時間毎の電力使用量と各需要家タイプの負荷推定値の時間毎の電力量が一致するかどうかをチェックする。両方とも一致するときは処理S108へ処理が移る。どちらかが一致しないときは、電力負荷推定制御部11は各需要家タイプの電力量Ljtを(数13)の電力量Mjtとして更新して、再度処理S106を実施する。
【0039】
処理S106は電力負荷推定値の月間電力使用量の実績値と推定値および時間毎の実績値と推定値の両方がほぼ一致するあるいは決めておいた繰り返し回数まで繰り返す。以上により、月間電力量および時間毎の実績値と一致する電力負荷推定値を計算することができる。処理S107で収束したことを電力負荷推定制御部11でチェックすると更に需要家負荷推定部15では需要家処理S108を実行する。
【0040】
処理S108では各需要家タイプの電力負荷推定値Mjtを用いて、各需要家の電力負荷推定値を計算する。需要家の電力負荷推定値を計算するときはその需要家のタイプと一致する電力負荷推定値Mjtを用いる。
【0041】
【数14】
【0042】
Pjit:需要家タイプjの需要家iの時刻tの電力負荷推定値
Mjt:月間電力使用量および時刻tの電力使用量を合わせたときのタイプjの時刻tの電力量
Lj:需要家タイプjの実績月間電力使用量
Rjit:タイプjの需要家iの時刻tの電力量
以上により、各需要家の電力負荷推定値を計算することができる。次に電力負荷推定制御部11は料金計算部16に処理S109の料金計算を実行させる。処理S101で読み込んだ各需要家の時間別従量料金,基本料金と処理S108で計算した時刻別の電力負荷推定値をもとに電気料金を計算する。推定した各時刻の使用電力量と従量単価および計算した従量料金の例を図7の「8月分の時間別使用電力量と単価」表34に例示する。従量金額は時間毎の使用電力量とその時刻の従量料金の積である。図7の表31に従量金額合計と基本料金および両者の和である請求金額を計算した例を示している。従量金額合計は図7の表34の各時刻の従量金額の和である。上記の計算をエリアAに含まれる全需要家について計算する。以上により、エリアAの全需要家の処理S109の料金計算の処理が終了する。
【0043】
次に電力負荷推定制御部11は出力処理部17に処理S110の結果の表示,請求書の作成,印字を実行させる。出力処理部17は処理S110で計算結果を確認できるように図7に例示する請求書を表示装置4に表示する。その後、印字装置6により請求書を印字する。図7は請求書の例である。この表示装置4に表示あるいは印字装置6に印刷する請求書には、表31に示す需要家名称,需要家タイプ,電力の使用期間,使用量に対する請求期間,使用電力量,従量金額合計,基本料金および請求金額,表32のグラフで示す時間毎の従量単価,表33のグラフで示す時間毎の使用電力量および表34で示す時間毎の使用電力量,従量単価,従量金額が含まれている。
【0044】
これにより、負荷推定計算処理を終了する。
【0045】
以上では図3に示すフィーダー以下のエリアAの需要家の負荷推定の例を説明したが、エリアとしてはより狭い範囲でもよい。例えば開閉器23と開閉器24に電力センサが設置されているときはこの開閉器23と開閉器24の区間の負荷実績が分かるのでこの区間をエリアとすることができる。反対に、図3の母線の上位側のバンクに電力センサが設置されているときは、2つのフィーダーで供給している広い地域をエリアとすることもできる。
【0046】
また以上の例では負荷推定の単位が1時間であったが、もっと短い30分、もっと長い2時間以上とすることも可能であり、全需要家に存在するデータとして月間電力量を用いたが、将来的にもっと短時間の電力量を計測するようになれば、この短い期間のデータを使うこともできる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、各地域及び各需要家にあった時間事の需要家の電力負荷を推定することができる電力負荷推定方法,装置及び電力料金請求方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力負荷推定の処理フローの一例。
【図2】電力負荷推定装置の構成と配電システムの一例。
【図3】配電系統の一例。
【図4】需要家タイプ別の基準負荷パターンの一例。
【図5】基準負荷パターンの補正方法の一例。
【図6】基準負荷パターンの補正方法の一例。
【図7】従量単価,使用電力量をグラフあるいは表を含んだ請求書の一例。
【図8】一般家庭タイプの需要家の負荷実績の一例。
【図9】エリアの負荷実績の一例。
【図10】検針実績データの一例。
【図11】エリアの月間使用電力量の一例。
【符号の説明】
1…電力負荷推定装置、2…推定処理部、3…入力装置、4…表示装置、5…記憶装置、6…印字装置、7…配電システム、8…計測装置、9…配電系統、
11…電力負荷推定制御部、12…データ読み込み部、13…基準負荷パターン作成部、14…基準負荷パターン補正部、16…料金計算部、17…出力処理部。
Claims (9)
- エリア内の各需要家の需要家タイプ,エリア内の需要家タイプの月間電力使用量,需要家タイプ別の基準負荷パターン及び前記エリア内の各需要家の月間電力使用量を受け付ける受付処理と、
前記エリア内の各需要家の需要家タイプ,前記エリア内の各需要家の需要家タイプの月間電力使用量,前記需要家タイプ別の基準負荷パターン及び前記エリア内の各需要家の月間電力使用量とからエリア内の各需要家の所定時間毎の負荷を推定する推定処理とを有することを特徴とする電力負荷推定方法。 - エリア内の各需要家の需要家タイプ,エリア内の需要家タイプの月間電力使用量,需要家タイプ別の基準負荷パターン,エリア内の各需要家の月間電力使用量,エリア内の月間電力使用量及びエリア内の所定時間毎の電力使用量を受け付ける処理と、
前記エリア内の月間電力使用量と前記エリア内の各需要家の月間電力使用量を一致させるように、かつ前記エリア内の所定時間毎の電力使用量とエリア内の各需要家の所定時間毎の合計月間使用電力量を一致させるようにエリア内の各需要家の所定時間毎の負荷を推定する処理とを有することを特徴とする電力負荷推定方法。 - 請求項2において、
前記電力使用量を一致させるようにするために、
前記需要家タイプ別の基準負荷パターンを補正して、前記エリア内の各需要家タイプの月間電力使用量と一致させるように各需要家タイプの負荷を求める処理と、
前記エリア内の各需要家タイプの所定時間毎の電力使用量と前記エリア内の所定時間毎の電力使用量とを一致させるように前記エリア内の各時間の各需要家タイプの負荷を補正する処理とを有することを特徴とする電力負荷推定方法。 - 請求項2及び3のいずれかにおいて、
エリア内の各需要家の所定時間毎の負荷を推定するために、
前記エリア内の各時間の各需要家タイプの負荷,前記エリア内の各需要家の月間電力使用量及びエリアの需要家タイプの月間電力使用量を使うことを特徴とする電力負荷推定方法。 - 請求項2において、
前記エリア内の月間電力使用量と前記エリア内の各需要家の月間電力使用量を一致させるように、かつ前記エリア内の所定時間毎の電力使用量と前記エリア内の各需要家の所定時間毎の合計月間使用電力量を一致させるようにするために、前記エリア内の所定時間毎の電力使用量及び前記エリア内の需要家タイプの月間電力使用量を用いて、需要家タイプ別の基準負荷パターンを補正する処理を有することを特徴とする電力負荷推定方法。 - 請求項3及び5のいずれかにおいて、
前記補正とは、一定比率で増減すること又は、所定値分増減することである電力負荷推定方法。 - 請求項1及び2のいずれかにおいて、
エリア内の各需要家の所定時間毎の負荷推定値からエリア内の各需要家の請求金額を計算する処理とを有することを特徴とする電力負荷推定方法。 - エリア内の各需要家の需要家タイプ,エリア内の需要家タイプの月間電力使用量,需要家タイプ別の基準負荷パターン,エリア内の各需要家の月間電力使用量,エリア内の月間電力使用量及びエリア内の所定時間毎の電力使用量を受け付ける受付部と、
前記エリア内の月間電力使用量と前記エリア内の各需要家の月間電力使用量を一致させるように、かつ前記エリア内の所定時間毎の電力使用量とエリア内の各需要家の所定時間毎の合計月間使用電力量を一致させるようにエリア内の各需要家の所定時間毎の負荷を推定する推定部とを有することを特徴とする電力負荷推定装置。 - 所定時間毎の負荷推定値及び従量料金を受け付ける処理と、
前記所定時間毎の負荷推定値及び前記従量料金を表示装置に表示する処理、あるいは前記所定時間毎の負荷推定値と前記従量料金を記載した請求書を作成する処理とを有することを特徴とする電力料金請求方法。
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