JP2004315624A - Air-cooled inflation molded polypropylene film - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性の良好な空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリプロピレン系樹脂は、引張強度、剛性、透明性などに優れ、かつ無毒性、無臭性などの食品衛生性に優れるため、特に食品包装分野で広く利用されている。通常、ポリプロピレン系樹脂を包装分野に使用する際、フィルム状にして使用されることが多い。
フィルムの製造方法には、Tダイ成形法、水冷インフレーション法、空冷インフレーション法等があり、経済性、フィルムの要求性能等を勘案し適宜選択されている。
このうち、空冷インフレーション法は、設備が簡単な上、ブロー比の調整だけでフィルムの幅替えが容易に出来るので作業性が良く、また比較的低温にて成形できるので低臭性も優れる特徴を有する。しかしながら、空冷インフレーション法は、ポリエチレン系樹脂には広く用いられてきたが、ポリプロピレン系樹脂ではあまり使用されない。その理由として、Tダイ成形法、水冷インフレーション法では、透明なフィルムが得られるプロピレン系樹脂材料であっても、空冷インフレーション法では全く透明性が得られない、といった問題があった。
【0003】
透明性の問題点を解決するために、様々な発明がなされてきた。例えば、分子量の大きいポリプロピレンと特定のエチレン含量及び特定の分子鎖のブロック共重合体からなる樹脂組成物を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。また、ポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸またはそのポリプロピレン変性体を添加した樹脂組成物を用いる方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。また、シンジオタクチックポリプロピレンを用いて高透明化する方法(例えば、特許文献3参照。)が開示されており、更に、ポリプロピレンとアルケニルシランの共重合体を用いる方法(例えば、特許文献4参照。)が開示されている。しかしながら、これらの方法では、極めて特殊な樹脂を用いる必要があり、且つ透明性の改良は、まだ不十分であり、Tダイフィルム成形法や水冷インフレーション成形法なみの透明性は得られていない。
本発明者等は、上記問題点に鑑み特定の樹脂組成物からなる透明性の良好な空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムを提案(例えば、特許文献5参照。)しており、この空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムは、透明性は非常に良好なものである。しかし、野菜包装等の比較的低温で使用される食品包装の場合等の耐衝撃性が求められる用途には、さらに衝撃強度を有するフィルムが望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭56−84712号公報
【特許文献2】
特開昭56−118825号公報
【特許文献3】
特開平7−125064号公報
【特許文献4】
特開平8−174665号公報
【特許文献5】
特願2002−296972号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述の問題点に鑑み、空冷インフレーション法にて、Tダイ法や水冷インフレーション法で得られるフィルムなみに高透明であり、衝撃強度が良好なポリプロピレンフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体に特定のエチレン系重合体を特定量配合した樹脂組成物から空冷インフレーション法にて、Tダイ法や水冷インフレーション法なみに高透明であり、かつ衝撃強度が良好なポリプロピレンフィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、メタロセン触媒を用いて重合され、且つ下記(A1)〜(A3)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(成分A)51〜99重量%と下記(B1)〜(B2)の特性を有するエチレン系重合体(成分B)1〜49重量%を含んでなる樹脂組成物からなり、HAZEが15%以下であることを特徴とする空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムが提供される。
(A1)メルトフローレート(MFRA)(230℃、21.18N荷重)が1〜30g/分である。
(A2)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が110〜145℃である。
(A3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
(B1)メルトフローレート(MFRB)(190℃、21.18N荷重)が0.1〜50g/分である。
(B2)密度が0.860〜0.918g/cm3である。
【0008】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明においいて、成分Bがエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの少なくとも1種との共重合体であることを特徴とする空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムが提供される。
【0009】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明においいて、打ち抜き衝撃強度が700J/mm以上であることを特徴とする空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.樹脂組成物
(1)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(成分A)
本発明の空冷インフレーション成形フィルムに用いる樹脂組成物を構成する(A)成分は、メタロセン触媒を用いて重合され、且つ下記(A1)〜(A3)の特性を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体である。
(A1)230℃におけるメルトフローレート(MFRA)(230℃、21.18N荷重)が1〜30g/分である。
(A2)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が110℃〜145℃である。
(A3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
【0011】
以下、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造法、及びそれが具備する各種の物性について順次に説明する。
(i)モノマー構成
本発明に使用されるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、プロピレンから誘導される構成単位を主成分としたプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体である。
コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。また、α−オレフィンとしては、1種または2種以上の組み合わせでもよい。
かかるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の具体例としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−オクテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、アイソタクチックプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であることが好ましい。
【0012】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体中のプロピレン単位の量は、88〜99.9重量%、好ましくは87〜99.5重量%、より好ましくは89〜99重量%であり、α−オレフィンの単位の量は、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜13重量%、より好ましくは1〜11重量%である。プロピレン単位量が少ない場合、フィルムの剛性の低下ならびに好適な耐ブロッキング性が得られず、多すぎる場合は、低温ヒートシール性が損なわれる。ここでプロピレン単位及びα−オレフィン単位は、下記の条件の13C−NMR法によって計測される値である。
装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
【0013】
(ii)重合触媒及び重合法
本発明に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、メタロセン触媒を用いる重合により容易に製造することができる。メタロセン触媒とは、▲1▼シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、▲2▼メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、▲3▼有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、公知の触媒はいずれも使用できる。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。
【0014】
▲1▼メタロセン化合物としては、例えば、特開昭60−35007号、特開昭61−130314号、特開昭63−295607号、特開平1−275609号、特開平2−41303号、特開平2−131488号、特開平2−76887号、特開平3−163088号、特開平4−300887号、特開平4−211694号、特開平5−43616号、特開平5−209013号、特開平6−239914号、特表平7−504934号、特開平8−85708号、の各公報に開示されている。
【0015】
更に、具体的には、メチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2−(4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニル−4Hアズレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−メチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(3‘−t−ブチル−5’−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[4−(1−フェニル−3−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(フルオレニル)t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,(1−ナフチル)−インデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(3−フルオロビフェニリル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物が例示できる。上記において、ジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用できる。場合によっては、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物等の混合物を使用することもできる。また、クロリドは他のハロゲン化合物、メチル、イソブチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることが出来る。
これらの内、インデニル基あるいはアズレニル基を珪素あるいはゲルミル基で架橋したメタロセン化合物が好ましい。
【0016】
また、メタロセン化合物は、無機または有機化合物の担体に担持して使用してもよい。該担体としては、無機または有機化合物の多孔質化合物が好ましく、具体的には、イオン交換性層状珪酸塩、ゼオライト、SiO2、Al2O3、シリカアルミナ、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2、等の無機化合物、多孔質のポリオレフィン、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、オレフィン・アクリル酸共重合体等からなる有機化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0017】
▲2▼メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物(たとえば、アルミノキサン化合物)、イオン交換性層状珪酸塩、ルイス酸、ホウ素含有化合物、イオン性化合物、フッ素含有有機化合物等が挙げられる。
【0018】
▲3▼有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
【0019】
重合法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー法、溶液法、実質的に溶媒を用いない気相法や、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。本発明が特定するプロピレン・α−オレフィン共重合体を得る方法としては、例えば、重合温度やコモノマー量を調節して、分子量および結晶性の分布を適宜制御することにより、所望のポリマーを得ることができる。
【0020】
また、かかるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、メタロセン系ポリプロピレンとして市販されているものの中から適宜選択し使用することもできる。市販品としては、日本ポリケム社製「ウィンテック」等が挙げられる。
【0021】
(iv)特性
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が有する(A1)〜(A3)の特性について以下に説明する。
(A1)メルトフローレート(MFRA)(230℃、21.18N荷重)
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のMFRA(230℃、21.18N荷重)は、1〜30g/10分、好ましくは2〜20g/10分、より好ましくは4〜15g/10分である。MFRが上記範囲未満の場合には、押出性が低下し好適な生産性が得られず、更に透明性が得られないので好ましくない。上記範囲を超える場合には、フィルムの強度が低下し、且つ空冷インフレーション成形におけるチューブの安定性が悪くなるので好ましくない。ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量など適宜調節する方法がとられる。
なお、MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
【0022】
(A2)融解ピーク温度(Tm)
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が110〜145℃、好ましくは110〜143℃、更に好ましくは120〜140℃である。Tmが上記範囲未満の場合には、剛性の低下ならびに好適な耐ブロッキング性が得られず、上記範囲を超える場合には、低温ヒートシール性、衝撃強度が損なわれる。
Tmは、α−オレフィン含量やその種類およびプロピレン構成単位のレジオ規則性などの影響を受けうる。α−オレフィンがエチレンの場合には、その含有量は1〜5重量%程度であり、α−オレフィンが1−ブテンの場合には、その含有量は3〜15重量%程度である。
Tmの調節は、共重合させるα−オレフィンの種類と量を制御することにより適宜調整することができる。
なお、Tmの測定は、セイコー社製DSCを用い、サンプル量5.0mgを採り、170℃で5分間保持した後、−10℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させた後に1分間保持し、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度(Tm)で評価する。
【0023】
(A3)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜3.5、好ましくは2.0〜3.3、より好ましくは2.5〜3.1である。Mw/Mnが上記範囲を超える場合には、透明性が低下するので好ましくなく、上記範囲未満の場合には、押出負荷が上昇したり、シャークスキンが発生しやすくなるなど、加工適性が悪化する。
Mw/Mnを所定の範囲に調整する方法としては、適当なメタロセン触媒を選択する方法等が挙げられる。
なお、Mw/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行い、測定条件は次の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN社製 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量はポリスチレンとポリプロピレンの粘度式を用いてポリプロピレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリプロピレンはα=0.707、logK=−3.616である。)
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
【0024】
(2)エチレン系重合体(成分B)
本発明の空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムに用いる樹脂組成物を構成するエチレン系重合体(成分B)は、下記(B1)〜(B2)の特性を有するエチレン・α−オレフィンランダム共重合体である。
エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、炭素数3〜20のα−オレフィンが好ましく、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が挙げられ、特に、プロピレン、ブテン−1、もしくはヘキセン−1が好ましい。また、エチレンと共重合されるα−オレフィンは一種類でも2種類以上でもよい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体中のエチレン含量は、50重量%以上が好ましい。エチレン含量が50重量%未満のものは引張破断特性、特に低温下での引張破断特性に劣る。α−オレフィンの含有量は求められる密度に応じ適宜調整される。
【0025】
(B1)メルトフローレート(MFRB:190℃、21.18N荷重)
本発明におけるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体のメルトフローレート(MFRB:190℃、21.18N荷重)は、0.1〜50g/10分であり、好ましくは1〜30g/10分であり、より好ましくは2〜15g/10分である。0.1g/10分未満のものは、押出特性が悪化しやすく、フィルムの生産性が悪化しやすい問題がある。50g/10分を超えるものは、引張破断特性が悪化しやすくなる。
なお、メルトフローレートは、JIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する。
【0026】
(B2)密度
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体の密度は、0.860〜0.918g/cm3であり、好ましくは0.865〜0.905g/cm3であり、より好ましくは0.870〜0.898g/cm3である。密度が0.860g/cm3未満のものは、フィルムがべたついたり耐ブロッキング性が悪化しやすい。また、密度が0.918g/cm3を超えるのものは、引張破断特性が悪化し、さらに透明性が低下する。
なお、密度は、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に準拠して測定する。
【0027】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造方法は、特に制限されず、チタン系触媒、バナジウム系触媒、クロム系触媒、メタロセン系触媒、フェノキシイミン系触媒を用いて製造することができる。また、市販品を用いることもでき、三井化学(株)製タフマーPシリーズやタフマーAシリーズ、JSR(株)製EPシリーズやEBMシリーズ、日本ポリケム(株)製ノバテックLLシリーズやカーネルシリーズが例示できる。
【0028】
(3)成分Aと成分Bの配合比
本発明の樹脂組成物における成分Aと成分Bの配合量は、成分Aが51〜99重量%、成分Bが1〜49重量%であり、好ましくは成分Aが65〜98重量%、成分Bが2〜35重量%であり、より好ましくは成分Aが70〜90重量%、成分Bが10〜30重量%である。成分Aが99重量%を超えると目的とする衝撃強度が得られない。一方、成分Aが50重量%未満であると剛性が低下し、さらに透明性が悪化する。
【0029】
(4)その他の配合成分
本発明の成分A及び成分Bからなる樹脂組成物に対し、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
特に、透明性の向上のためさらに結晶核剤が含まれていることが好ましい。
【0030】
任意成分としての結晶核剤としては、結晶核生成過程の進行速度を向上させるものであればよい。一般的には、ポリプロピレンの結晶化は、結晶核生成過程と結晶成長過程の2過程からなり、結晶核生成過程では、結晶化温度との温度差や分子鎖の配向挙動等がその結晶核生成速度に影響し、特に分子鎖の吸着等を経て分子鎖配向を助長する効果のある物質の存在等による不均一な結晶核生成速度は著しく増大する。
【0031】
結晶核剤の具体例としては、有機カルボン酸若しくはその金属塩、芳香族スルホン酸塩若しくはその金属塩、有機リン酸化合物若しくはその金属塩、ジベンジリデンソルビトール若しくはその誘導体、ロジン酸部分金属塩、タルク等の無機微粒子、イミド類、アミド類、キナクリドンキノン類、高密度ポリエチレン等の結晶性高分子化合物又はこれらの混合物が挙げられる。中でも下記一般式(I)で示される有機リン酸金属塩、タルク、高密度ポリエチレン等は臭いの発生が少なく食品向けに好適である。
【0032】
【化1】
【0033】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛のいずれかを示し、Mがアルカリ金属のときmは0を、nは1を示し、Mが二価金属のときnは1又は2を示し、nが1のときmは1を、nが2のときmは0を示し、Mがアルミニウムのときmは1を、nは2を示す。)
【0034】
更に、タルク等の無機微粒子を含む樹脂を用いて成形されたフィルムは、スリップ性にも優れるため製袋、印刷等の二次加工性が向上し、各種自動充填包装、ラミネーター等の高速製造装置でのあらゆる汎用包装フィルムに好適である。
【0035】
ジベンジリデンソルビトール又はその誘導体を含む樹脂を用いて成形されたフィルムは、特に透明性に優れディスプレー効果が大きいため玩具、文具等の包装向けに好適である。ジベンジリデンソルビトールの誘導体の具体例としては、1,3:2,4−ビス(o−3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビト−ル、1,3:2,4−ビス(o−2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビト−ル、1,3:2,4−ビス(o−4−エチルベンジリデン)ソルビト−ル、1,3:2,4−ビス(o−4−クロロベンジリデン)ソルビト−ル、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビト−ルが挙げられる。
【0036】
アミド化合物を含む樹脂を用いて成形されたフィルムは、特に剛性に優れ、高速製袋における巻き皺等の問題が起こりにくいため、高速製袋機でのあらゆる汎用包装フィルムに好適である。アミド化合物の具体例としては、アジピン酸ジアニリド、スペリン酸ジアニリドが挙げられる。
【0037】
高密度ポリエチレンを含む樹脂を用いて成形されたフィルムは、特に加工安定性に優れるため、高速生産性に優れあらゆる汎用包装フィルムに好適である。高密度ポリエチレンとして好ましいものは、下記(C1)、(C2)の特性を有する高密度ポリエチレンである。
(C1)MFRC(190℃、21.18N荷重)が、0.7×MFRAg/10分以上
(C2)密度が0.94〜0.98g/cm3
【0038】
核剤の配合量は、核剤の種類により異なり、上記組成物100重量部に対して、有機カルボン酸若しくはその金属塩、芳香族スルホン酸塩若しくはその金属塩、有機リン酸化合物若しくはその金属塩、ジベンジリデンソルビトール若しくはその誘導体、ロジン酸部分金属塩、タルク等の無機微粒子、イミド類、アミド類、キナクリドンキノン類の場合は、0.001〜1重量部であり、高密度ポリエチレンの場合は、0.01〜5重量部である。
【0039】
2.樹脂組成物の調製方法
本発明で用いる樹脂組成物は、上記必須成分と必要に応じて配合される付加的成分とを混合し、溶融混練することにより得られる。 溶融混練は、例えば粉末状、ペレット状等の形状の各成分を一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッチミキサー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練機を使用して行う。混練温度は、一般に180〜270℃で行われる。また、混練機は上述したものを二種以上を組み合わせることもできる。
【0040】
3.フィルム
本発明の空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムとは、空冷インフレーション成形法により得られるポリプロピレンフィルムをいい、上記樹脂組成物を空冷インフレーション成形法により成形して得られるフィルムである。好ましい態様は、樹脂組成物を環状ダイ付きの押出機により溶融させてチューブ状にして押出し、ブロアーなどから供給される空気を空冷リングから溶融チューブに吹き付けて冷却固化させた後、ガイド板を経てピンチロールにて折り畳み、引取機にて引き取る方法である。この成形方法で使用できる成形機、冷却リング、ブロアー、ガイド板、ピンチロール、及びフィルムの引取機などは広く市場にて使用されている装置で構わず、特別なものは必要としない。
本発明における空冷インフレーション成形法フィルムを成形する条件としては、本発明で特定する特性が得られる限り特に限定しないが、成形温度は170〜250℃、好ましくは170〜200℃、成形速度は1〜150m/分、好ましくは5〜100m/分、より好ましくは10〜50m/分である。
【0041】
上記のようにして得られた本発明の空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムのHAZEは、15%以下であり、好ましくは10%以下である。HAZEが15%を超えると内容物が鮮明に見えないなど、商品価値に劣り、好ましくない。
なお、本発明におけるフィルムのHAZEは、JIS−K7136−2000に準拠して測定する。
【0042】
上記のようにして得られた本発明の空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムの打ち抜き衝撃強度は、700J/mm以上が好ましく、より好ましくは1000J/mm以上である。打ち抜き衝撃強度が700J/mmに満たないと包装時に破れが生じるため、商品価値に劣り、好ましくない。
【0043】
また、本発明における空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムの厚みは、10〜150μmが好ましい。上記範囲内であれば透明性に優れるフィルムが安定的に成形できるので好ましい。更に、本発明で得られたポリプロピレンフィルムに対し、通常工業的に採用されている方法によってコロナ放電処理、あるいは火炎処理等の表面処理を施すこともできる。
【0044】
4.用途
本発明で得られる空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムは、従来の技術で得られる空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムに比べて、白味がなく、すっきりした透明感があり、包装材料としては極めて商品価値の高いものである。用途としては、特に限定されないが、食品、衣料、医薬、文具、雑貨などの包装用途に好適に用いられる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法及び使用樹脂は、以下の通りである。
【0046】
1.評価方法
(1)メルトフローレート(MFR):前述の通り、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のMFRAは、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定し、ポリエチレン系重合体のMFRBは、JIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠し測定した。
(2)Tm:前述の通り、DSCにより測定した。
(3)Mw/Mn:前述の通り、GPCにより測定した。
(4)密度:前述の通り、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に準拠して測定した。
(5)HAZE:前述の通り、JIS−K7136−2000に準拠して測定した。
(6)グロス:JIS−Z8741に準拠して、得られた樹脂フィルムをグロスメータにて測定した(単位:%)。この値が大きい程光沢が優れていることを意味する。
(7)打ち抜き衝撃強度:JIS−P8134に準拠して、得られたフィルムを23℃−50%RHの雰囲気下にて24時間以上放置し、状態調整を行った後、同雰囲気下で測定した(単位:J/mm)。この値が大きい程耐衝撃性が優れていることを意味する。
(8)引裂強度:得られたフィルムの成形時の引き取り方向をタテ方向(MD)、引き取り方向と垂直の方向(TD)として、JIS−K7128−1991に準拠し、エルメンドルフ引裂法にて測定した(単位:N/mm)。この値が大きい程引裂強度が優れていることを意味する。
【0047】
2.使用樹脂
(A)成分
(A)成分として、以下のプロピレン重合体の製造例1〜4で製造した(mRCP−1)〜(mRCP−3)、(znRCP)を用いた。
【0048】
製造例1
(1)触媒の調製
(i)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリドのラセミ体の合成
特開平10−226712号公報の実施例12に記載された方法に従って合成した。
(ii)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
特開平11−80229号公報の実施例1に記載された方法に従って製造した。さらに、この化学処理モンモリロナイト200gを内容積3Lの攪拌翼のついたガラス製反応器に導入し、ノルマルヘプタン750ml、さらにトリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(500mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ノルマルヘプタンにて洗浄(残液率1%未満)し、スラリーを2000mLに調製した。
(iii)触媒の調製/予備重合
次に、(r)−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロリド3mmolのトルエンスラリー870mLとトリイソブチルアルミニウム(15mmol)のヘプタン溶液42.6mLを、あらかじめ室温にて1時間反応させておいた混合液を、上記の化学処理モンモリロナイトスラリーに加え、1時間攪拌した。
続いて、窒素で十分置換を行った内容積10Lの攪拌式オートクレーブにノルマルヘプタン2.1Lを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製したモンモリロナイト/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを100g/時間の速度で供給し、その温度を維持した。4時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。回収した予備重合触媒スラリーから、上澄みを約3L除き、トリイソブチルアルミニウム(30mmol)のヘプタン溶液を170mL添加し、10分間撹拌した後に、40℃にて減圧下熱処理した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレン2.08gを含む予備重合触媒が得られた。
(iv)プロピレン−エチレンランダム共重合体の製造
内容積270Lの攪拌装置付き液相重合槽、内容積400Lの失活槽、スラリー循環ポンプ、循環ラインからなる失活システム、二重管式熱交換器と流動フラッシュ槽からなる高圧脱ガスシステム、さらに低圧脱ガス槽および乾燥器などを含む後処理系を組み込んだプロセスにより、プロピレン・エチレン共重合体の連続製造を実施した。
上記で製造した予備重合触媒を流動パラフィン(東燃社製:ホワイトレックス335)に濃度15重量%で分散させて、触媒成分として0.52g/hrで液相重合槽に導入した。さらにこの重合槽に液状プロピレンを38kg/hr、エチレンを1.38kg/hr、水素を0.20g/hr、トリイソブチルアルミニウムを9.0g/hrで連続的に供給し、内温を62℃に保持し、重合を行った。
液相重合槽からポリマーと液状プロピレンの混合スラリーをポリマーとして11kg/hrとなるように失活槽に抜き出した。このとき重合槽の触媒の平均滞留時間は、1.3時間であった。失活槽には、失活剤としてエタノールを10.5g/hrで供給した。さらにポリマーは、循環ラインから高圧脱ガス槽へ抜き出し、さらに低圧脱ガス槽を経て、乾燥器で乾燥を行った。乾燥器の内温80℃、滞留時間が1時間となるように調整し、さらに室温の乾燥窒素をパウダーの流れの向流方向に12m3/hrの流量で流した。乾燥後のポリマー(mRCP−1)は、ホッパーから取り出した。
得られた重合体(mRCP−1)は、エチレン含量=3.3重量%、MFR=7g/10分、Tm=125℃、Mw/Mn=2.8であった。
【0049】
製造例2
製造例1(iv)において、エチレンを0.77kg/hr、水素を0.10g/hr、内温を70℃にした以外は、製造例1と同様にして、エチレン含量=2.0重量%、MFR=7g/10分、Tm=135℃、Mw/Mn=2.8の重合体(mRCP−2)を得た。
【0050】
製造例3
製造例1(iv)において、エチレンを0.17kg/hr、水素を0.05g/hr、重合温度を70℃とした以外は、製造例1と同様にして、エチレン含量=0.3重量%、MFR=7g/10分、Tm=147℃、Mw/Mn=2.8の重合体(mRCP−3)を得た。
【0051】
製造例4
(1)触媒の調整、予備重合
十分に窒素置換したフラスコに脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200ミリリットルを導入し、ついでMgCl20.4モル、Ti(O−n−C4H9)4を0.8モル導入し、95℃に保ちながら2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルハイドロジェンポリシロキサン(20センチストークス)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、十分に窒素置換したフラスコに生成したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.24モル導入した。さらに、n−ヘプタン25ミリリットルSiCl40.4モルを混合して30℃に保ちながら60分間かけてフラスコへ導入し、90℃で3時間反応させた。
これに、さらにn−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド0.016モルを混合して、90℃に保ちながら30分間かけてフラスコに導入し、90℃で1時間反応させた。
反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでこれらにSiCl40.24ミリモルを導入して、100℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで十分洗浄した。十分に窒素置換したフラスコに十分精製したn−ヘプタン50ミリリットルを導入し、次いで上記で得た固体成分を5グラム導入し、さらに(CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2を0.81ミリリットル、30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで洗浄した。さらに、プロピレンをフローさせて予備重合を実施し、固体触媒を得た。
(2)プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体の製造
内容積200リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、精製したn−ヘプタン60リットルを導入し、これにトリエチルアルミニウム15g、上述の固体触媒2.0g(予備重合ポリマーを除いた量として)を55℃でプロピレン雰囲気下で導入した。さらに気相部水素濃度を5.8容量%に保ちながらプロピレンを5.8kg/時間のフィード速度で導入し、さらにエチレンを240g/時間の速度で導入して6時間重合を実施した。その後、全モノマーの供給を停止し1時間重合を行った。ここでブタノールにて反応を停止させた。その後、生成物をろ過して、乾燥を行い、MFR=8g/10分、Tm=145℃、Mw/Mn=4.0、エチレン含量=2.8重量%のプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(znRCP)を得た。
【0052】
(B)成分
(B)成分のとして、下記のエチレン系重合体(PE−1)〜(PE−4)を用いた。
PE−1:密度0.898g/cm3、MFR3.5g/10分(日本ポリケム製カーネルKF360T)
PE−2:密度0.880g/cm3、MFR3.5g/10分(日本ポリケム製カーネルKS340T)
PE−3:密度0.870g/cm3、MFR2.8g/10分(三井化学製タフマーP0280)
PE−4:密度0.920g/cm3、MFR2.0g/10分(日本ポリケム製ノバテックSF240)
【0053】
実施例1
成分AとしてmRCP−1を95重量%、成分BとしてPE−1を5重量%からなる混合物100重量部に対して、フェノール系安定剤(IR1010)を0.05重量部、リン系酸化防止剤(IF168)を0.05重量部、中和剤(ステアリン酸カルシウム)を0.05重量部、アンチブロッキング剤(SY350)を0.15重量部、SLIP剤(オレイン酸アミド)を0.20重量部を加え、ブレンダーにて良くブレンドし、溶融押出してペレットとし、口径50mmの押出機に装着した直径75mm、リップ巾1mmの環状ダイより180℃にて溶融押出し、ブロー比=2、引き取り速度21m/分にて空冷インフレーション成形を行い、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0054】
実施例2
成分Aと成分Bの比を80重量%:20重量%とした以外は、実施例1と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0055】
実施例3
成分BとしてPE−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0056】
実施例4
成分BとしてPE−2を用いたこと以外は、実施例2と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0057】
実施例5
成分BとしてPE−3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0058】
実施例6
成分BとしてPE−3を用いたこと以外は、実施例2と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0059】
実施例7
成分AとしてmRCP−2を用いたこと以外は、実施例4と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0060】
実施例8
実施例4の組成物に高密度ポリエチレン(HDPE:日本ポリケム社製ノバテックHJ490)を1重量部配合した以外は、実施例4と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0061】
比較例1
成分Bを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。エチレン重合体の配合がないため、衝撃強度が悪かった。
【0062】
比較例2
成分AとしてznRCPを用いたこと以外は、実施例5と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。分子量分布が広いため、透明性が悪かった。
【0063】
比較例3
成分AとしてznRCPを用いたこと以外は、実施例6と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。分子量分布が広いため、透明性が悪かった。
【0064】
比較例4
成分BとしてPE−4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。PE−4の密度が大きいため、透明性が悪かった。
【0065】
比較例5
成分Aと成分Bの比を90重量%:10重量%とした以外は、比較例4と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。PE−4の密度が大きいため、透明性が悪かった。
【0066】
比較例6
成分AとしてmRCP−3を用いたこと以外は、実施例3と同様にして厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。mRCP−3の融点が高いため、衝撃強度が悪かった。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】
本発明の空冷インフレーション成形ポリプロピレンフィルムは、透明性に優れ、包装材料としては極めて商品価値が高く、食品、衣料、医薬、文具、雑貨などの包装用途に好適に用いることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an air-cooled inflation-molded polypropylene film having good transparency.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Conventionally, polypropylene resins have been widely used, particularly in the field of food packaging, because they are excellent in tensile strength, rigidity, transparency, and the like, and are excellent in food hygiene such as nontoxicity and odorlessness. Usually, when a polypropylene resin is used in the field of packaging, it is often used in the form of a film.
The film production method includes a T-die molding method, a water-cooled inflation method, an air-cooled inflation method, and the like, and is appropriately selected in consideration of economy, required film performance, and the like.
Of these, the air-cooled inflation method has the features of simple equipment, easy change of film width only by adjusting the blow ratio, good workability, and excellent low odor because it can be formed at a relatively low temperature. Have. However, the air-cooled inflation method has been widely used for polyethylene resins, but is rarely used for polypropylene resins. The reason is that the T-die molding method and the water-cooled inflation method have a problem that even if the propylene-based resin material can provide a transparent film, no transparency can be obtained by the air-cooled inflation method.
[0003]
Various inventions have been made to solve the problem of transparency. For example, a method is disclosed in which a resin composition comprising a polypropylene having a high molecular weight and a block copolymer having a specific ethylene content and a specific molecular chain is used (for example, see Patent Document 1). Further, there is disclosed a method of using a resin composition in which an unsaturated carboxylic acid or its modified polypropylene is added to a polypropylene resin (for example, see Patent Document 2). In addition, a method for increasing transparency using syndiotactic polypropylene is disclosed (for example, see Patent Document 3), and a method using a copolymer of polypropylene and alkenylsilane (for example, see Patent Document 4). ) Is disclosed. However, in these methods, it is necessary to use a very special resin, and the improvement of the transparency is still insufficient, and the transparency comparable to the T-die film forming method or the water-cooled inflation forming method has not been obtained.
In view of the above problems, the present inventors have proposed an air-cooled inflation-molded polypropylene film having a good transparency and made of a specific resin composition (for example, see Patent Document 5). , The transparency is very good. However, for applications requiring impact resistance, such as in the case of food packaging used at relatively low temperatures, such as vegetable packaging, films having more impact strength are desired.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-56-84712
[Patent Document 2]
JP-A-56-118825
[Patent Document 3]
JP-A-7-125064
[Patent Document 4]
JP-A-8-174665
[Patent Document 5]
Japanese Patent Application No. 2002-296972
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above problems, an object of the present invention is to provide a polypropylene film which is as highly transparent as a film obtained by a T-die method or a water-cooled inflation method by air-cooling inflation and has a good impact strength. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result of air-cooled inflation from a resin composition containing a specific amount of a specific ethylene-based polymer in a specific propylene / α-olefin random copolymer, The present inventors have found that a polypropylene film having high transparency and good impact strength can be obtained as compared with the T-die method and the water-cooled inflation method, and completed the present invention.
[0007]
That is, according to the first aspect of the present invention, a propylene / α-olefin random copolymer (component A) 51 to 99 which is polymerized using a metallocene catalyst and has the following properties (A1) to (A3): The resin composition comprises 1 to 49% by weight of an ethylene polymer (component B) having the following characteristics (B1) and (B2), and has a HAZE of 15% or less. An air-cooled inflation molded polypropylene film is provided.
(A1) Melt flow rate (MFRA) (230 ° C., 21.18 N load) is 1 to 30 g / min.
(A2) The melting peak temperature (Tm) by differential scanning calorimetry (DSC) is 110 to 145 ° C.
(A3) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) to the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) is 1.5 to 3.5.
(B1) Melt flow rate (MFRB) (190 ° C., 21.18 N load) is 0.1 to 50 g / min.
(B2) a density of 0.860 to 0.918 g / cm3It is.
[0008]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the component B is a copolymer of ethylene and at least one α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. An air-cooled inflation molded polypropylene film is provided.
[0009]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the air-cooled inflation-molded polypropylene film according to the first or second aspect, wherein the impact strength is not less than 700 J / mm.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
1. Resin composition
(1) Propylene / α-olefin random copolymer (component A)
The component (A) constituting the resin composition used for the air-cooled inflation molded film of the present invention is polymerized using a metallocene catalyst and has the following properties (A1) to (A3). It is united.
(A1) Melt flow rate at 230 ° C. (MFRA) (230 ° C., 21.18 N load) is 1 to 30 g / min.
(A2) The melting peak temperature (Tm) measured by a differential scanning calorimeter (DSC) is 110 ° C to 145 ° C.
(A3) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) to the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) is 1.5 to 3.5.
[0011]
Hereinafter, a method for producing a propylene / α-olefin random copolymer and various physical properties of the method will be sequentially described.
(I) Monomer composition
The propylene / α-olefin random copolymer used in the present invention is a random copolymer of propylene and α-olefin having a structural unit derived from propylene as a main component.
The α-olefin used as a comonomer is preferably ethylene or an α-olefin having 4 to 18 carbon atoms. Specifically, ethylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-heptene, 4-methyl-pentene-1, 4-methyl-hexene-1,4,4-dimethylpentene- 1 and the like. Further, the α-olefin may be one kind or a combination of two or more kinds.
Specific examples of the propylene / α-olefin random copolymer include propylene / ethylene random copolymer, propylene / 1-butene random copolymer, propylene / 1-hexene random copolymer, and propylene / ethylene / 1- An octene random copolymer, a propylene / ethylene / 1-butene random copolymer, and the like can be given.
The propylene / α-olefin random copolymer used in the present invention is preferably an isotactic propylene / α-olefin random copolymer.
[0012]
The amount of propylene units in the propylene / α-olefin random copolymer is 88 to 99.9% by weight, preferably 87 to 99.5% by weight, more preferably 89 to 99% by weight. The amount of the unit is 0.1 to 15% by weight, preferably 0.5 to 13% by weight, more preferably 1 to 11% by weight. When the propylene unit amount is small, the rigidity of the film is not lowered and a suitable blocking resistance cannot be obtained. When it is too large, the low-temperature heat sealability is impaired. Here, the propylene unit and the α-olefin unit satisfy the following conditions:ThirteenThis is a value measured by the C-NMR method.
Apparatus: JEOL-GSX270 manufactured by JEOL Ltd.
Concentration: 300mg / 2mL
Solvent: orthodichlorobenzene
[0013]
(Ii) Polymerization catalyst and polymerization method
The propylene / α-olefin random copolymer used in the present invention can be easily produced by polymerization using a metallocene catalyst. Metallocene catalysts are: (1) a transition metal compound of the fourth group of the periodic table containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton (a so-called metallocene compound); and (2) a stable ionic state by reacting with the metallocene compound. It is a catalyst comprising an activatable cocatalyst and, if necessary, (3) an organoaluminum compound, and any known catalyst can be used. The metallocene compound is preferably a cross-linked metallocene compound capable of stereoregular polymerization of propylene, and more preferably a crosslinked metallocene compound capable of iso-regular polymerization of propylene.
[0014]
(1) Examples of the metallocene compound include, for example, JP-A-60-35007, JP-A-61-130314, JP-A-63-295607, JP-A-1-275609, JP-A-2-41303, and JP-A-2-41303. JP-A-2-131488, JP-A-2-76887, JP-A-3-16388, JP-A-4-300887, JP-A-4-21694, JP-A-5-43616, JP-A-5-2090013, JP-A-6-209 JP-A-239914, JP-A-7-504934, and JP-A-8-85708.
[0015]
More specifically, methylene bis (2-methylindenyl) zirconium dichloride, ethylene bis (2-methylindenyl) zirconium dichloride, ethylene 1,2- (4-phenylindenyl) (2-methyl-4-phenyl) -4H azulenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (cyclopentadienyl) (fluorenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (4-methylcyclopentadienyl) (3-t-butylindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylene (2-methyl) -4-t-butyl-cyclopentadienyl) (3'-t-butyl-5'-methyl-cyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (indenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (4,5 , 7-Tetrahydroindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-methyl-4-phenylindenyl)] zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-ethyl-4-phenylindenyl)] zirconium Dichloride, dimethylsilylenebis [4- (1-phenyl-3-methylindenyl)] zirconium dichloride, dimethylsilylene (fluorenyl) t-butylamidozirconium dichloride, methylphenylsilylenebis [1- (2-methyl-4, ( 1-naphthyl) -indenyl)] zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-methyl-4,5-benzoindenyl)] zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-methyl-4-phenyl-4H) -Azulenyl ] Zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-ethyl-4- (4-chlorophenyl) -4H-azulenyl)] zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-ethyl-4-naphthyl-4H-azulenyl) ] Zirconium dichloride, diphenylsilylenebis [1- (2-methyl-4- (4-chlorophenyl) -4H-azulenyl)] zirconium dichloride, dimethylsilylenebis [1- (2-ethyl-4- (3-fluorobiphenylyl) ) -4H-azulenyl)] zirconium dichloride, dimethylgermylene bis [1- (2-ethyl-4- (4-chlorophenyl) -4H-azulenyl)] zirconium dichloride, dimethylgermylenebis [1- (2-ethyl- 4-phenylindenyl)] zirconiumdic Examples include zirconium compounds such as chloride. In the above, a compound in which zirconium is replaced with titanium or hafnium can also be used. In some cases, a mixture of a zirconium compound and a hafnium compound can be used. Chloride can be replaced by other halogen compounds, hydrocarbon groups such as methyl, isobutyl and benzyl, amide groups such as dimethylamide and diethylamide, alkoxide groups such as methoxy group and phenoxy group, and hydride groups.
Among these, a metallocene compound in which an indenyl group or an azulenyl group is crosslinked with silicon or a germyl group is preferable.
[0016]
Further, the metallocene compound may be used by being supported on an inorganic or organic compound carrier. As the carrier, a porous compound of an inorganic or organic compound is preferable. Specifically, an ion-exchange layered silicate, zeolite, SiO 22, Al2O3, Silica alumina, MgO, ZrO2, TiO2, B2O3, CaO, ZnO, BaO, ThO2,And organic compounds such as porous polyolefins, styrene / divinylbenzene copolymers, olefin / acrylic acid copolymers, and mixtures thereof.
[0017]
{Circle over (2)} Cocatalysts which can be activated to a stable ionic state by reacting with a metallocene compound include organic aluminum oxy compounds (eg, aluminoxane compounds), ion-exchanged layered silicates, Lewis acids, boron-containing compounds, ionic compounds And fluorine-containing organic compounds.
[0018]
(3) Examples of the organoaluminum compounds include trialkylaluminums such as triethylaluminum, triisopropylaluminum, and triisobutylaluminum, dialkylaluminum halides, alkylaluminum sesquihalides, alkylaluminum dihalides, alkylaluminum hydrides, and organoaluminum alkoxides. No.
[0019]
Examples of the polymerization method include a slurry method using an inert solvent, a solution method, a gas phase method using substantially no solvent, and a bulk polymerization method using a polymerization monomer as a solvent in the presence of the catalyst. . As a method for obtaining the propylene / α-olefin copolymer specified by the present invention, for example, by controlling the polymerization temperature and the comonomer amount and appropriately controlling the molecular weight and the distribution of crystallinity, a desired polymer is obtained. Can be.
[0020]
In addition, such a propylene / α-olefin random copolymer can be appropriately selected from those commercially available as metallocene-based polypropylene and used. Examples of commercially available products include "Wintech" manufactured by Nippon Polychem.
[0021]
(Iv) Characteristics
The characteristics (A1) to (A3) of the propylene / α-olefin random copolymer used in the present invention will be described below.
(A1) Melt flow rate (MFRA) (230 ° C, 21.18N load)
MFR of propylene / α-olefin random copolymer used in the present inventionA(230 ° C., 21.18 N load) is 1 to 30 g / 10 min, preferably 2 to 20 g / 10 min, more preferably 4 to 15 g / 10 min. If the MFR is less than the above-mentioned range, the extrudability is lowered, so that suitable productivity cannot be obtained, and further, transparency cannot be obtained. Exceeding the above range is not preferred because the strength of the film decreases and the stability of the tube in air-cooled inflation molding deteriorates. In order to adjust the MFR of the polymer, for example, a method of appropriately adjusting the polymerization temperature, the amount of the catalyst, the supply amount of hydrogen as a molecular weight modifier, and the like are employed.
The measurement of MFR is performed in accordance with JIS-K691-2-2: 1997 Appendix (230 ° C., 21.18 N load).
[0022]
(A2) Melting peak temperature (Tm)
The propylene / α-olefin random copolymer used in the present invention has a melting peak temperature (Tm) of 110 to 145 ° C, preferably 110 to 143 ° C, more preferably 120 to 140 ° C by a differential scanning calorimeter (DSC). is there. If the Tm is less than the above range, the rigidity is not lowered and the suitable blocking resistance cannot be obtained. If the Tm is more than the above range, the low-temperature heat sealability and the impact strength are impaired.
Tm can be affected by the α-olefin content and its type and the regioregularity of the propylene structural units. When the α-olefin is ethylene, its content is about 1 to 5% by weight, and when the α-olefin is 1-butene, its content is about 3 to 15% by weight.
Tm can be adjusted as appropriate by controlling the type and amount of α-olefin to be copolymerized.
The Tm was measured using a DSC manufactured by Seiko Co., Ltd., taking a sample amount of 5.0 mg, maintaining the sample at 170 ° C. for 5 minutes, crystallizing it at −10 ° C. at a rate of 10 ° C./min, and then heating for 1 minute. It is evaluated by the melting peak temperature (Tm) when the sample is held and further melted at a heating rate of 10 ° C./min.
[0023]
(A3) Weight average molecular weight (Mw) / number average molecular weight (Mn)
The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) to the number average molecular weight (Mn) of the propylene / α-olefin random copolymer used in the present invention is 1.5 to 3.5, preferably 2.0. To 3.3, more preferably 2.5 to 3.1. If the Mw / Mn exceeds the above range, the transparency is lowered, which is not preferable. If the Mw / Mn is less than the above range, the processability is deteriorated, for example, the extrusion load is increased and shark skin is easily generated. .
As a method of adjusting Mw / Mn to a predetermined range, a method of selecting an appropriate metallocene catalyst and the like can be mentioned.
The measurement of Mw / Mn was performed by gel permeation chromatography (GPC), and the measurement conditions were as follows.
Equipment: Waters GPC 150C
Detector: 1A infrared spectrophotometer manufactured by MIRAN (measurement wavelength: 3.42 μm)
Column: Measurement of three AD806M / S manufactured by Showa Denko KK (column calibration: Tosoh monodisperse polystyrene (0.5 mg / ml solution of each of A500, A2500, F1, F2, F4, F10, F20, F40, F288)) The logarithmic value of the elution volume and the molecular weight was approximated by a quadratic equation, and the molecular weight of the sample was converted to polypropylene using the viscosity equation of polystyrene and polypropylene, where the coefficient of the viscosity equation of polystyrene was α = 0. 0.723, log K = -3.967, and polypropylene has α = 0.707, log K = -3.616.)
Measurement temperature: 140 ° C
Concentration: 20mg / 10mL
Injection volume: 0.2ml
Solvent: orthodichlorobenzene
Flow rate: 1.0 ml / min
[0024]
(2) Ethylene polymer (component B)
The ethylene-based polymer (component B) constituting the resin composition used for the air-cooled inflation-molded polypropylene film of the present invention is an ethylene / α-olefin random copolymer having the following properties (B1) to (B2).
As the α-olefin to be copolymerized with ethylene, an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms is preferable, and examples thereof include propylene, butene-1, hexene-1, and octene-1. 1, or hexene-1 is preferred. The α-olefin to be copolymerized with ethylene may be one kind or two or more kinds.
The ethylene content in the ethylene / α-olefin random copolymer is preferably at least 50% by weight. Those having an ethylene content of less than 50% by weight are inferior in tensile rupture properties, especially at low temperatures. The content of the α-olefin is appropriately adjusted according to the required density.
[0025]
(B1) Melt flow rate (MFRB: 190 ° C, 21.18N load)
Melt flow rate (MFR) of the ethylene / α-olefin random copolymer in the present inventionB: 190 ° C, 21.18 N load) is 0.1 to 50 g / 10 min, preferably 1 to 30 g / 10 min, and more preferably 2 to 15 g / 10 min. If it is less than 0.1 g / 10 min, there is a problem that the extrusion characteristics are liable to deteriorate and the productivity of the film is liable to deteriorate. If it exceeds 50 g / 10 minutes, the tensile rupture properties are likely to deteriorate.
In addition, a melt flow rate is measured based on JIS-K6922-2: 1997 Appendix (190 degreeC, 21.18N load).
[0026]
(B2) Density
The density of the ethylene / α-olefin random copolymer used in the present invention is 0.860 to 0.918 g / cm.3And preferably 0.865 to 0.905 g / cm3And more preferably 0.870 to 0.898 g / cm3It is. 0.860g / cm density3If it is less, the film tends to be sticky or the blocking resistance tends to deteriorate. In addition, the density is 0.918 g / cm3If it exceeds, the tensile break characteristics are deteriorated, and the transparency is further reduced.
The density is measured according to JIS-K6922-2: 1997 Appendix (23 ° C.).
[0027]
The method for producing the ethylene / α-olefin random copolymer is not particularly limited, and can be produced using a titanium-based catalyst, a vanadium-based catalyst, a chromium-based catalyst, a metallocene-based catalyst, or a phenoxyimine-based catalyst. Commercial products can also be used, and examples thereof include Tuffmer P series and Tuffmer A series manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., EP series and EBM series manufactured by JSR Corporation, Novatec LL series and Kernel series manufactured by Nippon Polychem Corporation. .
[0028]
(3) Mixing ratio of component A and component B
In the resin composition of the present invention, the compounding amounts of component A and component B are 51 to 99% by weight of component A and 1 to 49% by weight of component B, preferably 65 to 98% by weight of component A, and component B. Is 2 to 35% by weight, more preferably 70 to 90% by weight of component A and 10 to 30% by weight of component B. If component A exceeds 99% by weight, the desired impact strength cannot be obtained. On the other hand, when the component A is less than 50% by weight, the rigidity is reduced, and the transparency is further deteriorated.
[0029]
(4) Other components
Other additional optional components can be added to the resin composition comprising the component A and the component B of the present invention as long as the effects of the present invention are not significantly impaired. Such optional components include antioxidants, crystal nucleating agents, clarifying agents, lubricants, antiblocking agents, antistatic agents, antifogging agents, neutralizing agents, and metal inerts used in ordinary polyolefin resin materials. Agents, colorants, dispersants, peroxides, fillers, fluorescent brighteners and the like.
In particular, it is preferable that a crystal nucleating agent is further contained for improving transparency.
[0030]
As a crystal nucleating agent as an optional component, any agent can be used as long as it can improve the progress rate of the crystal nucleation process. Generally, the crystallization of polypropylene consists of two processes, a crystal nucleation process and a crystal growth process. In the crystal nucleation process, the temperature difference from the crystallization temperature and the orientation behavior of the molecular chains are determined. The rate of heterogeneous crystal nucleation due to the presence of a substance which influences the rate, particularly promotes the molecular chain orientation through the adsorption of the molecular chain, etc. is significantly increased.
[0031]
Specific examples of the crystal nucleating agent include organic carboxylic acids or metal salts thereof, aromatic sulfonates or metal salts thereof, organic phosphoric acid compounds or metal salts thereof, dibenzylidene sorbitol or derivatives thereof, rosin acid partial metal salts, and talc. And inorganic high-molecular compounds such as imides, amides, quinacridone quinones, and high-density polyethylene, and mixtures thereof. Among them, organophosphate metal salts, talc, high-density polyethylene and the like represented by the following general formula (I) generate less odor and are suitable for foods.
[0032]
Embedded image
[0033]
(Where R1Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms;2And R3Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group, respectively. M represents any one of an alkali metal, an alkaline earth metal, aluminum, and zinc. When M is an alkali metal, m represents 0, n represents 1, and when M is a divalent metal, n represents 1 or 2. , N is 1 when m is 1; when n is 2, m is 0; when M is aluminum, m is 1 and n is 2. )
[0034]
Furthermore, films formed using resin containing inorganic fine particles such as talc have excellent slipping properties, so that secondary processing properties such as bag making and printing are improved, and various automatic filling and packaging, high-speed manufacturing equipment such as laminators, etc. Suitable for all general-purpose packaging films.
[0035]
A film formed using a resin containing dibenzylidene sorbitol or a derivative thereof is particularly suitable for packaging toys, stationery, and the like because of its excellent transparency and large display effect. Specific examples of derivatives of dibenzylidene sorbitol include 1,3: 2,4-bis (o-3,4-dimethylbenzylidene) sorbitol and 1,3: 2,4-bis (o-2,4- Dimethylbenzylidene) sorbitol, 1,3: 2,4-bis (o-4-ethylbenzylidene) sorbitol, 1,3: 2,4-bis (o-4-chlorobenzylidene) sorbitol, 1 , 3: 2,4-dibenzylidene sorbitol.
[0036]
A film formed using a resin containing an amide compound is particularly excellent in rigidity and is less likely to cause wrinkles and the like in high-speed bag making, and thus is suitable for all general-purpose packaging films in high-speed bag making machines. Specific examples of the amide compound include dianilide adipate and dianilide sperate.
[0037]
Films formed using a resin containing high-density polyethylene are particularly excellent in processing stability, and therefore are excellent in high-speed productivity and suitable for all general-purpose packaging films. Preferred as high-density polyethylene is high-density polyethylene having the following properties (C1) and (C2).
(C1) MFRC(190 ° C, 21.18N load) 0.7 × MFRAg / 10 minutes or more
(C2) Density of 0.94 to 0.98 g / cm3
[0038]
The amount of the nucleating agent varies depending on the type of the nucleating agent, and is based on 100 parts by weight of the composition, and is based on an organic carboxylic acid or a metal salt thereof, an aromatic sulfonate or a metal salt thereof, an organic phosphate compound or a metal salt thereof , Dibenzylidene sorbitol or a derivative thereof, rosin acid partial metal salt, inorganic fine particles such as talc, imides, amides, quinacridone quinones, 0.001 to 1 part by weight, in the case of high-density polyethylene, It is 0.01 to 5 parts by weight.
[0039]
2. Method for preparing resin composition
The resin composition used in the present invention is obtained by mixing the above essential components and additional components that are blended as required, and then melt-kneading the components. Melt kneading is performed, for example, using a kneading machine such as a single-screw or twin-screw extruder, a Banbury mixer, a kneader blender, a Brabender plastograph, a small batch mixer, a continuous mixer, a mixing roll, etc. Use to do. The kneading temperature is generally from 180 to 270 ° C. In addition, two or more kneaders described above can be combined.
[0040]
3. the film
The air-cooled inflation-molded polypropylene film of the present invention refers to a polypropylene film obtained by an air-cooled inflation molding method, and is a film obtained by molding the resin composition by an air-cooled inflation molding method. In a preferred embodiment, the resin composition is melted by an extruder with an annular die and extruded into a tube, and air supplied from a blower or the like is blown from an air-cooling ring to a melting tube to be cooled and solidified, and then passed through a guide plate. It is a method of folding with a pinch roll and taking it with a take-up machine. A molding machine, a cooling ring, a blower, a guide plate, a pinch roll, a film take-up machine and the like which can be used in this molding method may be a device widely used in a market, and a special device is not required.
The conditions for molding the air-cooled inflation molding film in the present invention are not particularly limited as long as the characteristics specified in the present invention can be obtained, but the molding temperature is 170 to 250 ° C, preferably 170 to 200 ° C, and the molding speed is 1 to 1. It is 150 m / min, preferably 5 to 100 m / min, more preferably 10 to 50 m / min.
[0041]
HAZE of the air-cooled inflation-molded polypropylene film of the present invention obtained as described above is 15% or less, preferably 10% or less. If the HAZE is more than 15%, the content is inferior, such as inconspicuous contents.
In addition, HAZE of the film in this invention is measured based on JIS-K7136-2000.
[0042]
The punch impact strength of the air-cooled inflation-molded polypropylene film of the present invention obtained as described above is preferably 700 J / mm or more, more preferably 1000 J / mm or more. If the punching impact strength is less than 700 J / mm, tearing occurs at the time of packaging, which is inferior in commercial value and is not preferable.
[0043]
Further, the thickness of the air-cooled inflation-molded polypropylene film in the present invention is preferably from 10 to 150 μm. It is preferable if it is in the above range since a film having excellent transparency can be formed stably. Furthermore, the polypropylene film obtained in the present invention may be subjected to a surface treatment such as a corona discharge treatment or a flame treatment by a method usually employed industrially.
[0044]
4. Use
The air-cooled inflation-molded polypropylene film obtained by the present invention has no whiteness, has a clear transparency, and has a very high commercial value as a packaging material, compared to the air-cooled inflation-molded polypropylene film obtained by the conventional technique. is there. Although the use is not particularly limited, it is suitably used for packaging of food, clothing, medicine, stationery, miscellaneous goods, and the like.
[0045]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. The evaluation methods and resins used in Examples and Comparative Examples are as follows.
[0046]
1. Evaluation method
(1) Melt flow rate (MFR): As described above, MFR of propylene / α-olefin random copolymerAIs measured according to JIS-K6921-2: 1997 Appendix (230 ° C., 21.18 N load), and the MFR of the polyethylene polymer is measured.BWas measured according to JIS-K6922-2: 1997 Appendix (190 ° C, 21.18 N load).
(2) Tm: Measured by DSC as described above.
(3) Mw / Mn: Measured by GPC as described above.
(4) Density: As described above, the density was measured according to JIS-K6922-2: Appendix to 1997 (23 ° C.).
(5) HAZE: Measured according to JIS-K7136-2000 as described above.
(6) Gloss: The obtained resin film was measured with a gloss meter according to JIS-Z8741 (unit:%). The larger the value, the better the gloss.
(7) Punching impact strength: According to JIS-P8134, the obtained film was allowed to stand in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH for 24 hours or more, adjusted in condition, and measured under the same atmosphere. (Unit: J / mm). The larger the value, the better the impact resistance.
(8) Tear strength: The obtained film was measured by the Elmendorf tear method in accordance with JIS-K7128-1991, with the take-up direction at the time of molding as the vertical direction (MD) and the direction perpendicular to the take-up direction (TD). (Unit: N / mm). The larger the value, the better the tear strength.
[0047]
2. Used resin
(A) component
As the component (A), (mRCP-1) to (mRCP-3) and (znRCP) produced in Production Examples 1 to 4 of the following propylene polymer were used.
[0048]
Production Example 1
(1) Preparation of catalyst
(I) Synthesis of racemic dimethylsilylenebis (2-methyl-4- (4-chlorophenyl) -4H-azulenyl) zirconium dichloride
It was synthesized according to the method described in Example 12 of JP-A-10-226712.
(Ii) Chemical treatment of ion-exchangeable layered silicate
It was manufactured according to the method described in Example 1 of JP-A-11-80229. Further, 200 g of the chemically treated montmorillonite was introduced into a glass reactor having an internal volume of 3 L and equipped with a stirring blade, 750 ml of normal heptane and further a heptane solution of trinormal octyl aluminum (500 mmol) were added, and the mixture was stirred at room temperature. After 1 hour, the slurry was washed with normal heptane (residual liquid ratio was less than 1%), and the slurry was adjusted to 2000 mL.
(Iii) Preparation of catalyst / prepolymerization
Next, 870 mL of a toluene slurry of 3 mmol of (r) -dimethylsilylenebis [2-methyl-4- (4-chlorophenyl) -4H-azulenyl] zirconium dichloride and 42.6 mL of a heptane solution of triisobutylaluminum (15 mmol) were added in advance. The mixed solution reacted at room temperature for 1 hour was added to the chemically treated montmorillonite slurry and stirred for 1 hour.
Subsequently, 2.1 L of normal heptane was introduced into a stirred autoclave having an internal volume of 10 L, which was sufficiently replaced with nitrogen, and kept at 40 ° C. The montmorillonite / complex slurry prepared above was introduced therein. When the temperature was stabilized at 40 ° C., propylene was supplied at a rate of 100 g / hour, and the temperature was maintained. After 4 hours, the supply of propylene was stopped and maintained for another 2 hours. About 3 L of the supernatant was removed from the recovered preliminary polymerization catalyst slurry, 170 mL of a heptane solution of triisobutylaluminum (30 mmol) was added, and the mixture was stirred for 10 minutes, and then heat-treated at 40 ° C. under reduced pressure. By this operation, a prepolymerized catalyst containing 2.08 g of polypropylene per 1 g of the catalyst was obtained.
(Iv) Production of propylene-ethylene random copolymer
A liquid-phase polymerization tank with an internal volume of 270 L with a stirrer, a deactivation tank with an internal volume of 400 L, a slurry circulation pump, a deactivation system including a circulation line, a high-pressure degassing system including a double-pipe heat exchanger and a fluidized flash tank, Furthermore, continuous production of propylene / ethylene copolymer was carried out by a process incorporating a post-treatment system including a low-pressure degassing tank and a dryer.
The prepolymerized catalyst produced as described above was dispersed in liquid paraffin (White Rex 335, manufactured by Tonen Corp.) at a concentration of 15% by weight, and introduced into the liquid phase polymerization tank at 0.52 g / hr as a catalyst component. Further, 38 kg / hr of liquid propylene, 1.38 kg / hr of ethylene, 0.20 g / hr of hydrogen, and 9.0 g / hr of triisobutylaluminum were continuously supplied to the polymerization tank, and the internal temperature was reduced to 62 ° C. While holding, polymerization was performed.
A mixed slurry of the polymer and the liquid propylene was withdrawn from the liquid phase polymerization tank into the deactivation tank at a rate of 11 kg / hr as a polymer. At this time, the average residence time of the catalyst in the polymerization tank was 1.3 hours. Ethanol was supplied as a deactivator to the deactivation tank at 10.5 g / hr. Further, the polymer was withdrawn from the circulation line into a high-pressure degassing tank, and further dried through a low-pressure degassing tank using a dryer. The inside temperature of the dryer was adjusted to 80 ° C. and the residence time was adjusted to 1 hour. Dry nitrogen at room temperature was further applied for 12 m in the countercurrent direction of the powder flow.3/ Hr flow rate. The dried polymer (mRCP-1) was taken out of the hopper.
The obtained polymer (mRCP-1) had an ethylene content of 3.3% by weight, an MFR of 7 g / 10 min, a Tm of 125 ° C., and an Mw / Mn of 2.8.
[0049]
Production Example 2
In Production Example 1 (iv), the ethylene content was 2.0% by weight in the same manner as in Production Example 1, except that ethylene was 0.77 kg / hr, hydrogen was 0.10 g / hr, and the internal temperature was 70 ° C. , MFR = 7 g / 10 min, Tm = 135 ° C., Mw / Mn = 2.8 (mRCP-2).
[0050]
Production Example 3
In Production Example 1 (iv), the ethylene content was 0.3% by weight in the same manner as in Production Example 1 except that ethylene was 0.17 kg / hr, hydrogen was 0.05 g / hr, and the polymerization temperature was 70 ° C. , MFR = 7 g / 10 min, Tm = 147 ° C., Mw / Mn = 2.8 (mRCP-3).
[0051]
Production Example 4
(1) Preparation of catalyst, pre-polymerization
200 ml of dehydrated and deoxygenated n-heptane was introduced into a flask sufficiently purged with nitrogen, and then MgCl 2 was added.20.4 mol, Ti (On-C4H9)4Was introduced thereinto and reacted at 95 ° C. for 2 hours. After the completion of the reaction, the temperature was lowered to 40 ° C., and then 48 ml of methyl hydrogen polysiloxane (20 centistokes) was introduced, followed by a reaction for 3 hours. The resulting solid component was washed with n-heptane.
Next, 50 ml of the produced n-heptane was introduced into a flask sufficiently purged with nitrogen, and 0.24 mol of the solid component synthesized above was introduced in terms of Mg atoms. In addition, n-heptane 25 ml SiCl40.4 mol was mixed and introduced into the flask over 60 minutes while maintaining the temperature at 30 ° C., and reacted at 90 ° C. for 3 hours.
Further, 0.016 mol of phthalic acid chloride was further mixed with 25 ml of n-heptane, introduced into the flask over 30 minutes while maintaining the temperature at 90 ° C., and reacted at 90 ° C. for 1 hour.
After the completion of the reaction, the resultant was washed with n-heptane. These are then added to SiCl40.24 mmol was introduced and reacted at 100 ° C. for 3 hours. After the completion of the reaction, the resultant was sufficiently washed with n-heptane. 50 ml of sufficiently purified n-heptane is introduced into a flask sufficiently purged with nitrogen, then 5 g of the solid component obtained above is introduced, and further (CH3)3CSi (CH3) (OCH3)2Was contacted with 0.81 ml at 30 ° C. for 2 hours. After the completion of the contact, the substrate was washed with n-heptane. Further, propylene was allowed to flow to carry out preliminary polymerization to obtain a solid catalyst.
(2) Production of propylene-ethylene-butene random copolymer
After sufficiently replacing the inside of a 200-liter stirred autoclave with propylene, 60 liters of purified n-heptane were introduced, and 15 g of triethylaluminum and 2.0 g of the above-mentioned solid catalyst (the amount excluding the prepolymerized polymer) were added. At 55 ° C. under a propylene atmosphere. Further, propylene was introduced at a feed rate of 5.8 kg / hour while maintaining the hydrogen concentration in the gas phase at 5.8% by volume, and ethylene was further introduced at a rate of 240 g / hour to carry out polymerization for 6 hours. Thereafter, the supply of all monomers was stopped, and polymerization was performed for 1 hour. Here, the reaction was stopped with butanol. Thereafter, the product was filtered and dried, and MFR = 8 g / 10 min, Tm = 145 ° C., Mw / Mn = 4.0, ethylene content = 2.8 wt% propylene / ethylene / 1-butene. A polymer (znRCP) was obtained.
[0052]
(B) component
As the component (B), the following ethylene polymers (PE-1) to (PE-4) were used.
PE-1: density 0.898 g / cm3, MFR 3.5g / 10min (Kernel KF360T manufactured by Nippon Polychem)
PE-2: density 0.880 g / cm3, MFR 3.5 g / 10 min (Kernel KS340T manufactured by Nippon Polychem)
PE-3: density 0.870 g / cm32.8 g / 10 min MFR (Tuffmer P0280 manufactured by Mitsui Chemicals)
PE-4: density 0.920 g / cm3, MFR 2.0 g / 10 min (Novatec SF240 manufactured by Nippon Polychem)
[0053]
Example 1
For 100 parts by weight of a mixture consisting of 95% by weight of mRCP-1 as Component A and 5% by weight of PE-1 as Component B, 0.05 part by weight of a phenolic stabilizer (IR1010), a phosphorus-based antioxidant (IF168) 0.05 parts by weight, neutralizing agent (calcium stearate) 0.05 parts by weight, antiblocking agent (SY350) 0.15 parts by weight, SLIP agent (oleic acid amide) 0.20 parts by weight And blended well in a blender, melt-extruded into pellets, melt-extruded at 180 ° C. from an annular die having a diameter of 75 mm and a lip width of 1 mm attached to an extruder having a diameter of 50 mm, a blow ratio = 2, and a take-up speed of 21 m / Per minute, air-cooled inflation molding was performed to obtain a film having a thickness of 30 μm. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0054]
Example 2
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that the ratio of the component A to the component B was changed to 80% by weight: 20% by weight. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0055]
Example 3
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 1, except that PE-2 was used as the component B. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0056]
Example 4
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 2 except that PE-2 was used as the component B. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0057]
Example 5
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 1, except that PE-3 was used as the component B. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0058]
Example 6
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 2 except that PE-3 was used as the component B. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0059]
Example 7
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 4, except that mRCP-2 was used as the component A. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0060]
Example 8
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 4, except that 1 part by weight of high-density polyethylene (HDPE: Novatec HJ490 manufactured by Nippon Polychem Co., Ltd.) was added to the composition of Example 4. Table 1 shows the physical properties of the obtained film.
[0061]
Comparative Example 1
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 1, except that the component B was not used. Table 2 shows the physical properties of the obtained film. The impact strength was poor because no ethylene polymer was blended.
[0062]
Comparative Example 2
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 5, except that znRCP was used as the component A. Table 2 shows the physical properties of the obtained film. The transparency was poor due to the wide molecular weight distribution.
[0063]
Comparative Example 3
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 6, except that znRCP was used as the component A. Table 2 shows the physical properties of the obtained film. The transparency was poor due to the wide molecular weight distribution.
[0064]
Comparative Example 4
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 1, except that PE-4 was used as the component B. Table 2 shows the physical properties of the obtained film. Since the density of PE-4 was large, the transparency was poor.
[0065]
Comparative Example 5
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Comparative Example 4, except that the ratio of Component A to Component B was 90% by weight: 10% by weight. Table 2 shows the physical properties of the obtained film. Since the density of PE-4 was large, the transparency was poor.
[0066]
Comparative Example 6
A film having a thickness of 30 μm was obtained in the same manner as in Example 3, except that mRCP-3 was used as the component A. Table 2 shows the physical properties of the obtained film. Impact strength was poor due to the high melting point of mRCP-3.
[0067]
[Table 1]
[0068]
[Table 2]
[0069]
【The invention's effect】
The air-cooled inflation-molded polypropylene film of the present invention has excellent transparency and extremely high commercial value as a packaging material, and can be suitably used for packaging of foods, clothing, medicines, stationery, miscellaneous goods, and the like.
Claims (3)
(A1)メルトフローレート(MFRA)(230℃、21.18N荷重)が1〜30g/分である。
(A2)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が110〜145℃である。
(A3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
(B1)メルトフローレート(MFRB)(190℃、21.18N荷重)が0.1〜50g/分である。
(B2)密度が0.860〜0.918g/cm3である。Propylene-α-olefin random copolymer (Component A) 51-99% by weight polymerized using a metallocene catalyst and having the following properties (A1)-(A3) and the following properties (B1)-(B2) An air-cooled inflation-molded polypropylene film comprising a resin composition containing 1 to 49% by weight of an ethylene-based polymer (component B) having the following: HAZE is 15% or less.
(A1) melt flow rate (MFR A) (230 ℃, 21.18N load) is 1 to 30 g / min.
(A2) The melting peak temperature (Tm) by differential scanning calorimetry (DSC) is 110 to 145 ° C.
(A3) The ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight (Mw) to the number average molecular weight (Mn) determined by gel permeation chromatography (GPC) is 1.5 to 3.5.
(B1) a melt flow rate (MFR B) (190 ℃, 21.18N load) is 0.1 to 50 g / min.
(B2) The density is 0.860 to 0.918 g / cm 3 .
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- 2003-04-15 JP JP2003110081A patent/JP2004315624A/en active Pending
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