JP2004314985A - 包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周縁熱接着部で密封した内層に熱接着性樹脂層を有する包装袋であって、前記周縁熱接着部の外端縁の所定箇所に包装袋を開封するための複数の微細な切欠からなる開封手段が設けられていることを特徴とする包装袋。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に引き裂いて開口することができる包装袋に関し、さらに詳しくは、目の不自由な人でも容易に引き裂いて開口することができる包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装袋を開口するための開封手段として、包装袋51には、たとえば、図7に示すような開封予定線54が周縁熱接着部52の外縁と交わる位置にV字形状や五角形状(図示せず)、U字形状(図示せず)等の切欠からなる開封手段53が設けられ、該開封手段53から包装袋51を引裂いたときに開封予定線54に沿って引裂くことができるように構成されている。しかしながら、包装袋51の周縁熱接着部52の外縁に、上記したような開封手段53を設けると、不可抗力により包装袋51がこの開封手段53から破袋するといった問題や、また、包装袋51を構成する包装材が剛性を有する場合には、包装袋51を取扱う際等に、この切欠53で手指を切るなどの問題を生じる虞があった。
【0003】
上記問題を解決する包装袋として、包装袋の融着部(シール部)の外縁より3mm以内の位置に複数の欠落のない貫通孔を形成したものがある(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この特許文献1記載の発明は、包装袋の融着部(シール部)のいずれの位置からでも袋を容易に引裂き開始することができるので引裂きたい箇所以外の位置からでも袋が引裂かれてしまう虞があり、開封時に内容物を零す虞があった。また、特許文献1記載の発明は、貫通孔が端縁線にはないために、包装袋が剛性を有する包装材からなる場合には、極めて引裂き難いという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−60469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、第1の目的とするところは、包装袋の周縁熱接着部の所定箇所から容易に引裂いて開口することができると共に、不可抗力で破袋することがなく、手指を切るなどの虞のない包装袋を提供することであり、また、第2の目的とするところは、目の不自由な人でも引裂き開始箇所が容易に解る包装袋を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、周縁熱接着部で密封した内層に熱接着性樹脂層を有する包装袋であって、前記周縁熱接着部の外端縁の所定箇所に包装袋を開封するための複数の微細な切欠からなる開封手段が設けられていることを特徴とするものである。このように構成することにより、開封手段に開封するという意識操作をしない限りにおいては、破袋し難い包装袋とすることができると共に、開封するという明確な意識操作をした際には容易に引裂いて開口することができる包装袋とすることができる。また、包装袋が剛性を有する包装材からなる場合においても、開封手段が微細な切欠からなるために手指を切る虞のないものとすることができる。
【0007】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の包装袋において、前記開封手段が、前記周縁熱接着部の内端縁の延びる方向に平行な方向で裁断することにより複数の微細な切欠が形成されるように構成された突刺し孔の集合体により形成されたことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3記載の本発明は、請求項2記載の包装袋において、前記突刺し孔の集合体が、定間隔に設けられた微細な突刺し孔列を少なくとも平行方向に4列が定間隔に、かつ、前記平行方向における前記突刺し孔列の突刺し孔間の隙間の間隔が前記突刺し孔の寸法より小さい寸法からなると共に、各列の突刺し孔が隣接する突刺し孔列の前記平行方向に直交する方向に対して突刺し孔間に位置するように配列され、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の内端縁の延びる方向に直交する方向となるように形成されたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2、3のいずれかに記載の構成とすることにより、周縁熱接着部の外端縁に複数の微細な切欠を容易に形成することができる。
【0010】
また、請求項4記載の本発明は、請求項2記載の包装袋において、前記突刺し孔の集合体が、定間隔に設けられた微細な突刺し孔列を少なくとも平行方向に4列が定間隔に、かつ、各列の突刺し孔が隣接する突刺し孔列の突刺し孔間に位置するように配列されると共に、前記平行方向における前記突刺し孔列の突刺し孔間の隙間の間隔が前記突刺し孔の寸法より小さい寸法からなり、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の前記内端縁の延びる方向に直交する方向に対して角度を付けて配列されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5記載の本発明は、請求項4記載の包装袋において、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の前記外端縁の延びる方向に直交する方向に対して10〜35度の角度となるように配列されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4、5のいずれかに記載の構成とすることにより、後述するが開封手段としての複数の微細な切欠の大きさが一定の大きさに偏ることなく、大と小との組合せからなる切欠を外端縁に設けることができ、より確実な開封し易さを得ることができる。
【0013】
また、請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の包装袋において、前記周縁熱接着部の前記開封手段を挟む位置に包装袋にエンボスすることにより形成された押型部が設けられていることを特徴とするものである。このように構成することにより、目の不自由な人でも開封手段を設けた位置を容易に、かつ、手指を切るなどの虞なく認識することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる包装袋の第1実施形態を示す平面図、図2は図1の要部拡大平面図、図3は図2のX−X線断面図、図4は開封手段の形成方法を説明する図、図5は本発明にかかる包装袋の図4に対応する他の開封手段を説明する図、図6は本発明にかかる包装袋の第2実施形態を示す図2に対応する図、図7は従来の包装袋を示す要部平面図であり、図中の1は包装袋、1’は積層体、2,2’は周縁熱接着部、3は開封手段、4は押型部、10は基材層、11は内層、30は微細な突刺し孔、30’は微細な切欠をそれぞれ示す。
【0015】
図1は本発明にかかる包装袋の第1実施形態を示す平面図、図2は図1の要部拡大平面図、図3は図2のX−X線断面図であって、包装袋1は、三辺の周縁を周縁熱接着部2で熱接着した四方シールタイプの包装袋である。図1上の対向する前記周縁熱接着部2の上部には上端縁から所定距離下方の対向する位置に、外端縁(図1上は側端縁)に一定間隔で微細な切欠30’と、前記周縁熱接着部2の外端縁(図1上は側端縁)から内側に掛けて包装袋を貫通する複数の微細な突刺し孔30からなる開封手段3と該開封手段3を挟む位置にエンボス加工することにより形成されたハの字状の押型部4が設けられている。なお、図1に示す包装袋1は、上端縁を開口部とし、この開口部から内容物が充填されるなどして後に、上端縁が熱接着により封止されて四方シールタイプの包装袋となる。上端縁を熱接着して封止する位置は、前記開封手段3および前記ハの字状の押型部4よりも上側(図1上)である。
【0016】
図3は図2のX−X線断面図であって、包装袋1は基材層10と熱接着性樹脂層を内層11とする積層体1’で構成され、包装袋1の一方からハの字状の押型をエンボスすることにより押型部4を設けると共に、包装袋1の一方から開封手段3としての微細な突刺し孔30および微細な切欠30’が袋を貫通して設けられている。
【0017】
このように構成した包装袋1は、前記開封手段3を引裂き開始位置とし、この開始位置から包装袋を容易に引裂いて袋を開口することができる。また、前記周縁熱接着部2に設けた前記押型部4は、手指で触って袋の引裂き開始位置を容易に認識することができるために、目の不自由な人にも好適な包装袋とすることができる。
【0018】
次に、前記開封手段3について説明する。前記開封手段3は、製袋工程で設けられるものであり、周縁熱接着部2を形成して後に、針状突起を備えた集合体からなる突刺し手段を用いて前記周縁熱接着部2の所定位置を突刺すことにより形成するものである。開封手段の設け方を図2を例に挙げて詳しく説明する。まず、図4に示すように、製袋工程(製袋機)で積層体1’の内層11同士を熱接着して周縁熱接着部2を形成して後に、該周縁熱接着部2の所定箇所に36本の針状突起を集合体としての形状を菱形状に配列した突刺し手段で突刺すことにより36個の突刺し孔30からなる開封手段3を前記周縁熱接着部2の所定箇所に形成する。その後、前記周縁熱接着部2の中央部(図4上、符号Aで示す箇所)が裁断されて包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)が形成されると共に、裁断することにより裁断位置(図4上の符号Aで示す箇所)にある突刺し孔30も裁断されて、開封手段3としての微細な切欠30’が形成される。
【0019】
本発明において、開封手段3としては、包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)に複数の微細な切欠30’が形成されることが必須要件の一つであり、この微細な切欠30’の設け方としては、たとえば、図4上で符号Aで示す線上にのみ微細な突刺し孔30を形成し、この微細な突刺し孔30を裁断することにより微細な切欠30’を形成してもよいが、裁断位置が機械方向にプラス・マイナス0.5mm程度位置ズレする虞があり、微細な切欠30’を形成することができない場合が生じる。そのために、裁断位置がズレても必ず微細な突刺し孔30が裁断されて複数の微細な切欠30’を形成することができるようにする一方法として、前記周縁熱接着部2に前記周縁熱接着部2の内端縁の延びる方向(図4上、符号Bで示す)に直交する方向に定間隔に設けられた微細な突刺し孔30列を前記内端縁に平行な方向に少なくとも4列(図上は11列)を定間隔に、かつ、各列の突刺し孔30が隣接する突刺し孔30列の突刺し孔30間の前記平行方向に直交する方向に対して中心に位置するように配列されると共に、前記突刺し孔30列の突刺し孔30間の隙間の間隔が前記突刺し孔30の前記内端縁に直交する方向の寸法より小さい寸法からなる突刺し孔30の集合体を形成するものである。
【0020】
実施例においては、微細な突刺し孔30の集合体としての形状を菱形状として説明したが、集合体としての形状はこれに限るものではないことはいうまでもないことであるが、微細な突刺し孔30の集合体は包装袋1の外端縁方向(図1、2上の側端縁)の幅が5〜10mm程度が好ましく、また、包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)と直交する方向の幅としては、周縁熱接着部2の外端縁(図1、2上の側端縁)から内端縁近傍までの範囲で適宜の幅に設けることができる。また、前記突刺し孔30の形状としては、実施例に限ることはなく、たとえば、線状であってもよいし、三角形状、四角形状等の角形状、あるいは、円形状、半円形状等であってもよいが、好ましくは実施例に示すように、四角形の相対する対角線を結ぶ方向が包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)と直交する方向と平行になるように配列した四角錐状針状突起からなる手段で形成した突刺し孔である。突刺し孔の大きさは包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)と直交する方向が0.1〜0.5mm、包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)と直交する方向の隣接する孔の隙間の間隔は前記突刺し孔の包装袋1の外端縁(図1、2上の側端縁)と直交する方向の大きさ(突刺し孔の寸法)より小さければよいものである。
【0021】
しかしながら、図4に示した開封手段3では、裁断位置Aが機械方向に位置ズレした場合に、微細な切欠30’の大きさが裁断位置の右側(図4上)と左側(図4上)で一方の側が全て小さい切欠となり他方が全て大きい切欠となって現れる場合がある。このように一方にのみ小さい切欠が現れると、この小さい切欠からなる前記開封開始手段3から包装袋を引裂いて袋を開口する際に引裂き辛くなる虞があり、さらに好ましいものとしては、図5に示すように、図4に示した四角錐状針状突起で形成した突刺し孔列群(集合体)をそれぞれ、時計回り、あるいは、反時計回りに0(ゼロ)度超45度未満回転させて形成した突刺し孔列群である。図5の場合は、図4に示した四角錐状針状突起で形成した突刺し孔列群をそれぞれ時計回りに15度回転させて形成した突刺し孔列群である。このような突刺し孔列群からなる開封手段3は、裁断位置Aが機械方向に位置ズレした場合においても、裁断位置Aで裁断されて形成された微細な切欠30’(図示せず)の大きさが裁断位置Aの右側(図5上)と左側(図5上)で一方の側に偏ることなく、小さい切欠と大きい切欠とが裁断位置Aの右側(図5上)と左側(図5上)に適当に配置されるために、前記開封開始手段3から包装袋を引裂いて袋を開口する際に引裂き辛くなる虞を解消することができる。なお、図5に示した符号は図4に示した符号と同じ意味である。また、上記効果を有効に発揮させるには、前記突刺し孔列群を回転させる角度としては、裁断位置Aに直交する方向に対して時計回り、あるいは、反時計回りに約10〜35度が好ましい範囲である。この理由としては、外端縁に大と小との組合せからなる切欠を確実に安定して設けることができるからである。なお、図4、5においては、突刺し孔30の形状を四角形状としたが、四角錐状針状突起で形成した突刺し孔の実際の形状は略十字形状となるものである。
【0022】
また、突刺し孔を設ける突刺し手段としては、針状突起を形成した突刺し具を用いると共にこれを受ける受け台として、たとえば、平板状のゴムシートやプレスボード、あるいは、プラスチック製シートを用いて所定個所を突刺し具で突刺すことにより形成してもよいし、針状突起を形成した雄型と該雄型と係合する雌型とでプレス成形することにより形成してもよいものである。なお、突刺し孔の個数についても、実施例に示した個数に限るものではなく、適宜決められるべきものである。
【0023】
また、前記押型部4の形成についても製袋工程で設けられるものであり、所定形状の雄型、雌型の金型を用いて前記開封手段3を形成して後に所定箇所にプレス成形することにより設けることができるし、また、前記開封手段3と同時に形成するようにしてもよいものである。前記押型部4は、前記周縁熱接着部2の前記開封手段3の位置を認識可能とするために設けるものであり、前記開封手段3を挟む位置に設けることが好ましい。また、前記押型部4を形成する金型は必要に応じて加熱可能としてもよいものである。
【0024】
また、実施例においては、四方シールタイプの包装袋を示したが、本発明の包装袋はこれに限ることはなく、たとえば、三方シールタイプであってもよいし、スタンディングパウチであってもよいものである。また、前記開封手段3を設ける前記周縁熱接着部2は、図1等においては前記周縁熱接着部2の内縁を直線状としたが、これは前記周縁熱接着部2が前記開封手段3や前記押型部4を設けるだけの十分な幅を有する場合を示したものであって、前記開封手段3や前記押型部4を設けるだけの十分な幅を有さない場合には、図6に示すように、前記開封手段3や前記押型部4を設ける部分のみを幅広とした周縁熱接着部2’としてもよいものである。
【0025】
次に、本発明の包装袋に用いる積層体について説明する。
本発明の包装袋に用いる積層体1’の内層11を構成する材料としては、熱により溶融し相互に溶着し得る熱接着性樹脂から形成された層であればよく、包装袋に要求される物性により適宜選択して用いればよく、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂で形成することができる。
【0026】
また、本発明の包装袋に用いる積層体1’の基材層10を構成する材料としては、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の樹脂からなる二軸方向に延伸した延伸フィルムを使用することができる。フィルムの厚さとしては基材層10としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決めればよい。また、基材層10には、通常、印刷が施されることが多く、この点からも二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。また、包装袋に要求される物性によってはセロハンを用いることができる。
【0027】
また、本発明の包装袋に用いる積層体1’には、酸素ガス、水蒸気ガス等のガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与するために必要に応じて中間層を前記基材層10と前記内層11との間に設けることができる。この中間層を構成する材料としては、たとえば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、あるいは、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリビニルアルコール等のフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしはアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムなどを用いることができる。また、前記中間層は、上記したガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与するのみならず、たとえば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の機能を付与することができ、上記したガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与する材料と、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン等のフィルムと組合わせて用いても構わない。
【0028】
また、前記基材層10に用いる合成樹脂製フィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したものやアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層を形成したものを用いる場合には、ガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与するための前記中間層は用いなくともよいが、必要に応じて、たとえば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の機能を付与するために、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、あるいは、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン等のフィルムなどの一種ないしそれ以上を組み合わせて中間層として用いることができる。これらのフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは、二軸方向に延伸した延伸フィルムのいずれのものでも使用することができる。
【0029】
次に、本発明の包装袋に用いる積層体の代表的な構成を具体的に例示するならば、二軸延伸ポリアミドフィルム/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/二軸延伸ポリアミドフィルム/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム/接着剤/二軸延伸ポリアミドフィルム/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム/接着剤/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/二軸延伸ポリアミドフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、酸化珪素蒸着した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/二軸延伸ポリアミドフィルム/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム/接着剤/エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム/接着剤/未延伸ポリエチレンフィルムないし未延伸ポリプロピレンフィルム等を挙げることができる。そして、本発明は、手指を切るなどの虞が生じると共に引裂き難くなる、すなわち、ループスティフネスが0.1N(ニュートン)以上、好ましくは0.15N(ニュートン)以上の剛性を有する積層体からなる包装袋に好適に用いることができる。また、未延伸ポリエチレンや未延伸ポリプロピレン等のシーラントフィルムの厚さが60μm以上、特に70μm以上の厚さを有する包装袋であって、該包装袋の端面となる部分のシーラントフィルムに直接、V字形状等の切欠からなる開封手段等を設けないと引裂き難い積層体からなる包装袋に好適に用いることができる。なお、ループスティフネスは、積層体を15mm×150mmの帯状に切断し、その帯状片の中央付近で直径80mmの円形ループを作り、この円形ループを外側から15mm押し込んだときにかかる荷重であり、(株)東洋精機製作所製の「ループスティフネステスター」を用いて測定したものである。
【0030】
なお、上記した包装袋に用いる積層体の具体的な構成は、本発明の代表的な構成を示したものであって、これに限るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範疇の構成はすべて本発明に含まれるものである。
【0031】
【発明の効果】
今まで縷々説明してきたように、本発明によれば、周縁熱接着部で密封した内層に熱接着性樹脂層を有する包装袋であって、前記周縁熱接着部の外端縁の所定箇所に包装袋を開封するための複数の微細な切欠からなる開封手段を設けた構成とすることにより、開封手段に開封するという意識操作をしない限りにおいては、破袋し難い包装袋とすることができると共に、開封するという明確な意識操作をした際には容易に引裂いて開口することができる包装袋とすることができるし、包装袋が剛性を有する積層体からなる場合においても、開封手段が微細な切欠からなるために手指を切る虞のない包装袋とすることができる。また、開封手段が、前記周縁熱接着部の内端縁の延びる方向に平行な方向で裁断することにより複数の微細な切欠が形成されるように構成された突刺し孔の集合体からなり、前記突刺し孔の集合体が定間隔に設けられた微細な突刺し孔列を少なくとも平行方向に4列が定間隔に、かつ、前記平行方向における前記突刺し孔列の突刺し孔間の隙間の間隔が前記突刺し孔の寸法より小さい寸法からなると共に、各列の突刺し孔が隣接する突刺し孔列の前記平行方向に直交する方向に対して突刺し孔間に位置するように配列され、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の内端縁の延びる方向に直交する方向となるように形成された構成、あるいは、前記突刺し孔の集合体が定間隔に設けられた微細な突刺し孔列を少なくとも平行方向に4列が定間隔に、かつ、各列の突刺し孔が隣接する突刺し孔列の突刺し孔間に位置するように配列されると共に、前記平行方向における前記突刺し孔列の突刺し孔間の隙間の間隔が前記突刺し孔の寸法より小さい寸法からなり、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の前記内端縁の延びる方向に直交する方向に対して角度を付けて配列されている構成とすることにより、周縁熱接着部の外端縁に複数の微細な切欠を容易に形成することができる。さらにまた、周縁熱接着部の開封手段を挟む位置に包装袋に押型部を設けた構成とすることにより、目の不自由な人でも開封手段を設けた位置を容易に認識することができる包装袋とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる包装袋の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の要部拡大平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】開封手段の形成方法を説明する図である。
【図5】本発明にかかる包装袋の図4に対応する他の開封手段を説明する図である。
【図6】本発明にかかる包装袋の第2実施形態を示す図2に対応する図である。
【図7】従来の包装袋を示す要部平面図である。
【符号の説明】
1 包装袋
1’ 積層体
2,2’ 周縁熱接着部
3 開封手段
4 押型部
10 基材層
11 内層
30 微細な突刺し孔
30’ 微細な切欠
Claims (6)
- 周縁熱接着部で密封した内層に熱接着性樹脂層を有する包装袋であって、前記周縁熱接着部の外端縁の所定箇所に包装袋を開封するための複数の微細な切欠からなる開封手段が設けられていることを特徴とする包装袋。
- 前記開封手段が、前記周縁熱接着部の内端縁の延びる方向に平行な方向で裁断することにより複数の微細な切欠が形成されるように構成された突刺し孔の集合体により形成されたことを特徴とする請求項1記載の包装袋。
- 前記突刺し孔の集合体が、定間隔に設けられた微細な突刺し孔列を少なくとも平行方向に4列が定間隔に、かつ、前記平行方向における前記突刺し孔列の突刺し孔間の隙間の間隔が前記突刺し孔の寸法より小さい寸法からなると共に、各列の突刺し孔が隣接する突刺し孔列の前記平行方向に直交する方向に対して突刺し孔間に位置するように配列され、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の内端縁の延びる方向に直交する方向となるように形成されたことを特徴とする請求項2記載の包装袋。
- 前記突刺し孔の集合体が、定間隔に設けられた微細な突刺し孔列を少なくとも平行方向に4列が定間隔に、かつ、各列の突刺し孔が隣接する突刺し孔列の突刺し孔間に位置するように配列されると共に、前記平行方向における前記突刺し孔列の突刺し孔間の隙間の間隔が前記突刺し孔の寸法より小さい寸法からなり、前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の前記内端縁の延びる方向に直交する方向に対して角度を付けて配列されていることを特徴とする請求項2記載の包装袋。
- 前記突刺し孔列が前記周縁熱接着部の前記内端縁の延びる方向に直交する方向に対して10〜35度の角度となるように配列されていることを特徴とする請求項4記載の包装袋。
- 前記周縁熱接着部の前記開封手段を挟む位置に包装袋にエンボスすることにより形成された押型部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の包装袋。
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