【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法、及びこれに用いるクリアインク組成物に関し、特に、記録画像の光沢性に優れた記録物を提供し得る、インクジェット記録方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、これを紙等の記録媒体に付着させて記録を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置を用いながら、解像度が高く鮮明な画像を高速に印刷することができるという特徴を有する。
【0003】
従来より、このインクジェット記録方法による記録に用いるためのインク組成物を備えたインクセットが種々提案されている。
【0004】
近年は、デジタルカメラなどの、より高品位な記録画像を印刷することへの要求が高まってきており、このため、記録画像の発色性及び光沢性を一層向上させる種々の工夫がなされている。
【0005】
しかしながら、色材として顔料を用いた場合、記録画像において光沢性が不十分であったり、印字dutyが異なる部分での光沢に差がある場合が多く、画像全体の光沢感が不十分である場合が多い。
【0006】
例えば、記録画像の光沢性を向上させるための技術として、例えば、特開2001−277488号(特許文献1)では2種以上の濃度の異なる黒色インクと着色剤を含まないインクを用い、黒色インクの非印字部のみに着色剤を含まないインクを使用する記録方法が提案されているが、この方法では、カラー画像が得られないばかりでなく、記録画像の発色性及び光沢性を十分に向上させることができないという問題がある。
【0007】
また、クリアインクを使用したインクジェット記録方法としては、特開平8−118684(特許文献2)があり、インクの吐出データに対し、クリアインクの吐出データを間引くという方法が提案されている。また、特開2000−218772(特許文献3)では、単位面積当たりに対するクリアインクの吐出量を、単位面積当たりのインク吐出量よりも少なくするという方法が提案されている。しかし、これらは記録画像の発色性(特に普通紙上)やフェザリング(いわゆるにじみ)を向上させるという効果はあるが、光沢性の優れた記録物を得ることは難しい。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−277488号
【特許文献2】
特開平8−118684
【特許文献3】
特開2000−218772
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、記録画像の光沢性に優れたカラーの記録物を提供し得る、クリアインク組成物、インクジェット記録方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録方法は、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくとも顔料を含む1色以上のカラーインク組成物とを備えるインクセットを使用するインクジェット記録方法において、前記クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量がカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量よりも少ないことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のクリアインク組成物は、上記インクセットに有用であって、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないことを特徴とするものである。また、本発明のインクジェット記録方法は、カラーインク組成物のインクdutyに応じて、クリアインク組成物の吐出量を調整する、インクジェット記録方法である。
【0012】
前記ポリマー微粒子は、(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であることが好ましい。
【0013】
特に、(i)〜(iv)のいずれかをポリマー微粒子として含む場合、(i)と(ii)の双方をポリマー微粒子として含む場合、並びに(ii)と(iii)の双方をポリマー微粒子として含む場合が好ましい。
【0014】
上記インクセットは、インクジェット記録に用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録方法、クリアインク組成物の好ましい実施形態について説明する。
【0016】
本発明のインクセットは、クリアインク組成物をカラーインク組成物と別に備えているので、これを用いて記録することにより、光沢性に優れた記録画像を得ることができる。特に、専用紙を用いた場合において、カラーインク組成物による非印字部分及び低duty部分にクリアインク組成物を印字することができ、非印字部分及び低duty部分の光沢性を向上させることができる。また、クリアインク組成物を印字することにより、カラーインク組成物を均一に付着させることができ発色性が向上する。特に、普通紙において白ぬけを防止することができるとともに、低明度・高彩度を実現できるので色再現性が著しく向上する場合がある。
【0017】
さらに、本発明では、インクジェット記録方法として、クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量よりも少なくすることを特徴とする。クリアインクの吐出量が少ないと、クリアインクのドット径が小さくなる。その結果、記録媒体上で小さいドットが並び、光の乱反射が多くなり、光沢が高くなる。
【0018】
より具体的には、クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量の0.1〜0.9倍にすることが好ましい。クリアインクの吐出量をインク組成物の吐出量の0.1倍より少なくすると、記録媒体表面でのポリマー微粒子の絶対量が少なくなり、光沢性向上の効果は少なくなる。
【0019】
また、クリアインクの吐出量をカラーインク組成物の吐出量の0.9倍よりも多くしてしまうと、ドット径が大きくなって、光の乱反射の度合いが少なくなり、光沢を向上させる効果が低くなる。
【0020】
本発明のような効果が得られるためには、クリアインクの吐出量を少なくすることが必要であるが、その方法としては、駆動エネルギーを調整することで簡単に実現することができる。具体的には、電歪素子に印加する電圧を調整したり、加える熱エネルギーを調整することで吐出量をコントロールすることができる。
【0021】
または、インクの1ドットあたりのインク吐出量はインクの粘度によっても調整することができる。同じ駆動エネルギーで、クリアインクの粘度を、カラーインクの粘度よりも大きくすると、クリアインクの吐出量をカラーインクの吐出量よりも少なくすることができる。
【0022】
さらに、本発明の効果を得るためには、記録媒体上でのクリアインクのドット径が、インク組成物の記録媒体上でのドット径よりも小さくすることによっても実現することができる。つまり、インクの吐出量を調整するということは、もともとはドット径を調整がすることが目的である。ドット径という観点では、クリアインクの記録媒体上でのドット径をインク組成物の記録媒体上でのドット径の0.1〜0.9倍にすると、光沢を上げる効果がある。
【0023】
本発明のインクセットは、特定構造のポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、ブラックインク組成物とを備える。
【0024】
このように、本発明のクリアインク組成物は、インクセットとして用いたときに有用なものであり、さらに貯蔵性にも優れている。
【0025】
前記ポリマー微粒子は、クリアインク組成物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することが好ましい。すなわち、ポリマー微粒子は、エマルジョンの形でクリアインク組成物中に添加されるのが好ましい。
【0026】
ポリマー微粒子がクリアインク組成物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することにより、クリアインク組成物の透明性が増すので、より高品位な記録画像が得られる。
【0027】
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であることが好ましい。
(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)
前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン系スルホン酸基含有重合体であることが好ましい。
【0028】
前記スルホン酸基含有重合体は、以下のモノマーを単独又は共重合して得た重合体又は共重合体をスルホン化処理して得たもの(特開平11−217525号公報を参照)、または、スルホン化されたモノマーを単独又は共重合して得た重合体であり、ジエン系モノマーを必須成分とするジエン系スルホン酸基含有重合体とジエンモノマーを必須成分としない非ジエン系スルホン酸基含有重合体とがある。
【0029】
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、ジエン系モノマーと、ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとがある。
【0030】
ジエン系モノマーとしては、炭素数が4〜10のジエン系化合物で、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,2−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロヘプタジエン等を挙げることができる。これらのジエン系モノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0031】
ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノ或いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これらの他のモノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0032】
これらの他のモノマーを併用する場合には、ジエン系モノマーの使用量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
【0033】
上記のジエン系モノマー又はジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとを共重合して得られるジエン系共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0034】
好ましい重合体としては、例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元ブロック共重合体等が挙げられる。より好ましい共重合体としては、例えば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体等が挙げられる。
【0035】
本発明で使用されるジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のジエン系重合体及び/又はその前駆モノマーに基づく残存二重結合の一部又は全部を水添して得られる重合体を、公知のスルホン化方法、例えば、日本化学会編集、新実験化学講座(14巻III.1773頁)又は特開平2−227403号公報等に記載された方法によってスルホン化されたものであってもよい。
【0036】
スルホン化剤としては、無水硫酸、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Li塩,Na塩,K塩,Rb塩,Cs塩等)等が挙げられる。スルホン化剤の量は、上記重合体1モルに対して、好ましくは、無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、より好ましくは、0.01〜1.0モルである。
【0037】
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体は、次に、上記のようにしてスルホン化された生成物に水及び/又は塩基性化合物を作用させて得られた状態で使用されるのが好ましい。塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア水、有機金属化合物、アミン類などが挙げられる。塩基性化合物は、1種または2種以上を併用して用いることができる。塩基性化合物の使用量は、使用したスルホン化剤1モルに対して、2モル以下、好ましくは、1.3モル以下である。
【0038】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、又はイソブチレンと三酸化イオウとを反応させて得られるメタクリルスルホン酸等のビニルモノマー、あるいはp−スチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレン系単量体(例えば、東ソ(株)製、スピロマー)、あるいは一般式CH2=C(CH3)−COO(AO)nSO3Na(A:低級アルキレン基)で表わされるメタクリル酸エステル系単量体(例えば、三洋化成(株)製、エレミノールRS−30)のようなスルホニル基を有するモノマー、及び前記モノマーのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0039】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記スルホン酸基を有するモノマーにスルホン酸基を含有しないモノマーを共重合させることによっても得られる。
【0040】
共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、シリコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることができる。更に、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。共重合可能なモノマーのうちでは、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリルが好ましい。
【0041】
共重合可能なモノマーの使用量は、重合性モノマーの通常1〜93重量%、好ましくは、5〜80重量%である。
【0042】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のスルホン酸基含有モノマー又は、スルホン酸基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、例えば、水あるいは有機溶媒などの重合用溶媒の中で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してラジカル重合する。
【0043】
上記の非ジエン系モノマーを共重合して得られる非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0044】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体としては、特に、アクリル系スルホン酸基含有重合体が好ましい。
【0045】
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、酸価が100以上であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、重量平均分子量(Mw)が8000以上、2万以下であり、ガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が5℃以上、50℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の粒子径は70nm以下であることが好ましい。より好ましくは、20nm以上、70nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、透明性の高いクリアインク組成物が得られ、高品位な記録画像が得られる。
(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン
前記変性ポリプロピレンエマルジョンは、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、重量平均分子量(Mw)が1000以上、50000以下のポリプロピレンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させた後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させて得たものであることが好ましい。前記不飽和カルボン酸は、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸であることが好ましい。
【0046】
本発明の変性ポリプロピレンエマルジョンとしては、低分子量ポリプロピレンを、加熱反応又は有機過酸化物を用いた公知の方法等で変性して得られたものが挙げられる。例えば、不活性ガス雰囲気中、低分子量ポリプロピレンを芳香族系溶剤又は塩素系溶剤の存在下で、あるいは、パーオキシド類ラジカル発生触媒の存在下で、加熱溶解し、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトさせて変性して得られる。
(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体(当該共重合体は「アルカリ可溶型樹脂」でもある)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、酸価が40以下であることが好ましい。
前記共重合体は、塩基によってpHが調整されていることが好ましい。
前記塩基は無機塩基であることが好ましい。
前記無機塩基は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物であることが好ましい。
【0047】
前記共重合体のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、70℃以下であることが好ましい。より好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは10℃以下である。
【0048】
具体的には、水溶性高分子化合物のうち、分子量1,000当たりアルコール性水酸基を5〜25個含有しているものが好ましく、例えば、ポリビニルアルコールやその各種変性物等のビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マレイン酸との共重合体の鹸化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシメチル澱粉、等の澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコール等を挙げることができる。これらのアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0049】
前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、ビニルアルコール系重合体であることが好ましい。
【0050】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シストラコン酸等の多価カルボン酸無水物等を挙げることができる。これらの単量体は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0051】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、アクリル酸又はメタクリル酸であることが好ましい。
【0052】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル単量体などが挙げられる。これらの単量体は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0053】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体であることが好ましい。
前記共重合性界面活性剤は、分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤であり、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤を挙げることができる。これらの中では、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れている点で、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩が好ましい。これらの共重合性界面活性剤は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0054】
前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(Mw)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、1000以上、100万以下であることが好ましく、より好ましくは、8000以上、2万以下である。なお、アルカリ可溶型樹脂の重量平均分子量を調節するために、必要に応じて連鎖移動剤を重合時に使用することができる。
【0055】
前記ポリマー微粒子のpHは、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、8以上、11以下であることが好ましく、さらには、9以上、10以下であることが好ましい。
【0056】
前記ポリマー微粒子の濁度は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、30mg/L以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂
前記ポリマー微粒子は、粒子径70nm以上の乳化型樹脂であることが好ましい。より好ましくは、100nm以上、150nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、透明性の高いクリアインク組成物が得られ、高品位な記録画像が得られる。
【0057】
該乳化型樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
【0058】
前記ポリマー微粒子の含有量は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、クリアインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下である。なお、ここでいうポリマー微粒子の重量は、固形分換算量である。
【0059】
ポリマー微粒子は一種添加してもよく、あるいは、これらのうち二種以上を混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量がインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下(さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下)である。
【0060】
本発明のインクセットは、上記のいずれかに記載のクリアインク組成物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、ブラックインクを備えることが好ましい。
【0061】
上記おいては、さらに、色相角が前記イエローインク組成物及び前記マゼンタインク組成物の混合色の色相角であるレッドインク組成物を備えることが好ましい。
【0062】
上記においては、さらに、色相角が前記マゼンタインク組成物及び前記シアンインク組成物の混合色の色相角であるバイオレットインク組成物を備えることが好ましい。
【0063】
レッドインク組成物やバイオレットインク組成物を備えることにより、粒状性に優れたインクセットを得ることができる。これは、マゼンタやシアンは顔料固形分の含有量が低いことに因るものと考えられる。
【0064】
上記の構成とすることにより、記録画像の発色性及び光沢性がより向上する。
【0065】
上記クリアインク組成物においては、溶媒として水を用いる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水の何れも好ましく用いることができる。また、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理したものを用いると、カビやバクテリアの発生が抑制されるため、さらに好ましい。
【0066】
上記クリアインク組成物は、さらに、アセチレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化合物、又はポリシロキサン系化合物のいずれかを界面活性剤として含有してもよい。
【0067】
これにより、発色性及び光沢性を劣化させることなく、クリアインク組成物の吐出安定性を高めることができる。吐出安定性が高まるのは、これら界面活性剤がクリアインク組成物の表面張力を低下させ、クリアインク組成物が記録媒体へ浸透するのを促進するためであると考えられる。
【0068】
界面活性剤の含有量は、クリアインク組成物中好ましくは0.1重量%以上、3.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上、1.0重量%以下である。
【0069】
クリアインク組成物の表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上、45dyn/cm以下であり、より好ましくは20dyn/cm以上、30dyn/cm以下である。
【0070】
アセチレングリコール系化合物としては、オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日信化学社製)、サーフィノール82、104、440、465、485(何れも商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
【0071】
アセチレンアルコール系化合物としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等を用いることができる。
【0072】
ポリシロキサン系化合物としては、下記の一般式(2)で表わされる化合物等を用いることができる。
【0073】
【化1】
(式(2)中、R1〜R9は、独立してC1−6アルキル基を表し、j、k及びxは独立して1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、m及びnは0以上の整数を表すが、m+nは1以上の整数を表し、EO及びPOは[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)上記クリアインク組成物は、さらに、グリコールエーテル系化合物又はアルキルジオール系化合物を含んでいてもよい。これら化合物を溶剤として用いることにより、発色性及び光沢性を低下させることなく、記録画像の画像品質を高めることができる。これら化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の向上の観点から、クリアインク組成物中好ましくは1.0重量%以上、30重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、10重量%以下である。
【0074】
グリコールエーテル系化合物としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適である。
【0075】
アルキルジオール系化合物としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適である。
【0076】
上記クリアインク組成物は、さらに、多価アルコール系化合物を含有していてもよい。多価アルコール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水溶性の有機溶剤が挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
【0077】
多価アルコール系化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、クリアインク組成物中好ましくは5.0重量%以上、40重量%以下、より好ましくは10重量%以上、30重量%以下である。
【0078】
本発明のインクセットは、イエローインク組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンインク組成物(C)等のカラーインク組成物を含有する。これらには、通常のインクジェット記録用カラーインク組成物に含まれる着色剤、分散剤等を特に制限なく用いることができる。
【0079】
イエローインク組成物(Y)の着色剤としては、イエロー顔料が好適に用いられる。該イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、81、83、93、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、173、180、185、195等が挙げられる。
【0080】
イエローインク組成物としては、記録媒体上でのCIELAB色空間(CIE1976(L*A*B*)表色系、JISZ 8729)において定義される色相角が80°〜110°の範囲内であるものが好ましい。
【0081】
マゼンタインク組成物(M)の着色剤としては、マゼンタ顔料が好適に用いられる。該マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、202、209、112、123、168、184、5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1及びC.I.ピグメントバイオレット19等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントレッド122と202が好ましい。
【0082】
マゼンタインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が330°〜360°の範囲内であるものが好ましい。
【0083】
シアンインク組成物(C)の着色剤としては、シアン顔料が好適に用いられる。該シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60、1、2、3、16、22、15:34等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
【0084】
シアンインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が230°〜260°の範囲内であるものが好ましい。
【0085】
レッドインク組成物(R)の着色剤としては、色相角がイエローインク組成物及びマゼンタインク組成物の混合色の色相角となるようなレッド顔料が好適に用いられる。該レッド顔料としては、ピグメントレッド17、49:2、112、177、178、188、255、264、149等が挙げられる。
【0086】
バイオレットインク組成物(V)の着色剤としては、色相角がマゼンタインク組成物及びシアンインク組成物の混合色の色相角となるようなバイオレット顔料が好適に用いられる。該バイオレット顔料としては、ピグメントバイオレット3、19、23、32、36、38等が挙げられる。
【0087】
ブラックインク組成物(K)の着色剤としては、ブラック顔料が好適に用いられる。該ブランクインク顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
【0088】
本発明のインクセットは、上記の他、ライトイエローインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物、ブルーインク組成物、ライトブラックインク組成物、グリーンインク組成物、ダークイエローインク組成物、オレンジインク組成物等を備えていてもよい。
【0089】
オレンジインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が30°〜80°の範囲内であるものが好ましい。
【0090】
ブルーインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が160°〜230°の範囲内であるものが好ましい。
【0091】
前記オレンジインク組成物の明度及びブルーインク組成物の明度は、それぞれマゼンタインク組成物の明度及びシアンインク組成物の明度よりも低いことが好ましい。
【0092】
前記オレンジインク組成物の彩度及びブルーインク組成物の彩度は、それぞれマゼンタインク組成物の彩度及びシアンインク組成物の彩度よりも高いことが好ましい。
【0093】
着色剤の含有量は、各インク組成物中、好ましくは0.1〜20重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。着色剤の含有量は、濃淡カラーインク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜調整される。
【0094】
前記クリアインク組成物及び/又はカラーインク組成物は、必要に応じてインクジェット記録用の水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさらに含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、等が挙げられる。ここで多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。また市販品としては、HS−300、500(登録商標林原商事)等を入手することができる。
【0095】
また、クリアインク組成物及び/又はカラーインク組成物は、助剤をさらに含むことができる。そのような助剤としては、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、耐擦性向上剤等が挙げられる。
【0096】
カラーインク組成物の表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上、45dyn/cm以下であり、より好ましくは20dyn/cm以上、30dyn/cm以下である。
【0097】
さらに、本発明のインクジェット記録方法について、説明する。本発明のインクジェット記録方法では、上述のクリアインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物あるいは、上記インクセットを用いて、各インク組成物を記録媒体に付着させて記録を行うものである。上述のインクセットを用いて印字することにより、特に、専用紙においてカラーインクの光沢性を著しく向上させることができる。
【0098】
これらの記録方法を用いることにより、記録画像の発色性及び光沢性を兼ね備えた記録物を得ることができる。
【0099】
なお、上記記録方法においては、クリアインク組成物とインク組成物とを同一処理時に吐出させてもよい。ここで、「同一処理時」とは、1回の記録(1パス)内で、クリアインク組成物及びインク組成物の両者により、特定画像を形成するように処理するときをいう。したがって、両者を全く同時に吐出する場合の他、1パス内において、インク組成物を先に吐出した後、クリアインク組成物を吐出する場合、及び1パス内において、クリアインク組成物を先に吐出した後、インク組成物を後で吐出する場合も「同一処理時」に含まれる。
【0100】
上述のインクジェット記録方法を用いて印字することにより、特に、専用紙においてカラーインクの光沢性を著しく向上させることができる。カラーインク組成物による非印字部分及び低duty部分にクリアインク組成物を印字することにより、該非印字部分及び低duty部分の光沢性を向上させることができる。上記記録方法においては、記録媒体上におけるクリアインク組成物の各dutyが、カラーインク組成物の各dutyより小さいことが好ましい。
【0101】
上記記録方法においては、カラーインク組成物のdutyに応じて、上記クリアインク組成物のdutyを調整することが好ましい。
【0102】
上記記録方法においては、記録媒体上におけるカラーインク組成物のdutyが目的duty値以下である部分に、該カラーインク組成物のduty値とクリアインク組成物のduty値との和が目的duty値以上となるように、前記クリアインク組成物を付着させることが好ましい。
このように記録することにより、樹脂コート層を有する専用光沢紙(PM写真用紙等)を記録媒体として用いた場合に、特に記録画像の発色性及び光沢性に優れた記録物を得ることができる。
該目的duty値は、40%であることが好ましい。このように記録することにより、低温・高湿度下におけるインクのあふれを防止することができる。
【0103】
あるいは、上記記録方法においては、記録媒体上におけるカラーインク組成物の各dutyとは無関係に、前記クリアインク組成物を一定のduty値により該記録媒体表面の各領域に付着させてもよい。
このように記録することにより、樹脂コート層の無い普通紙を記録媒体として用いた場合に、特に記録画像の発色性に優れた記録物を得ることができる。
特に、カラーインク組成物により記録がなされた記録媒体表面の各領域に対して、20%以下の一定のduty(例えばduty10%)によりクリアインク組成物を付着させることが好ましい。すなわち、前記一定のduty値とは、duty20%以下の一定のduty値であることが好ましい。duty20%以下とすることにより、記録媒体の歪みやシワを有効に防止することができる。
【0104】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何等限定されるものではない。
【0105】
(実施例1)
(エマルジョンAの調整)
エチルアクリレート55部、メチルアクリレート37部、メタクリル酸6部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール2.5部及びイオン交換水280部を攪拌混合して、単量体混合物の分散物を調整した。
【0106】
次に、攪拌機付き反応器にイオン交換水130部と過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温し、上記単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃で30分間反応を行った。
【0107】
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モルの水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、さらに80℃で1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて固形分濃度15%の樹脂を得た。該樹脂の酸価は40、pHは9.2であった。
【0108】
(エマルジョンBの調整)
攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えたフラスコに、イオン交換水100mlおよび過硫酸カリウム0.1gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら、該フラスコ内の温度が70℃になるまで加熱した。また、別途、反応容器に、イオン交換水100ml、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0g、スチレン30g、2−エチルヘキシルアクリレート55gおよびメタクリル酸5gを入れ、攪拌して乳化物を調製した。その後、該乳化物を、滴下漏斗を用いて前記フラスコ内に徐々に滴下し、ポリマー微粒子を分散質とするエマルジョンを調製した。該エマルジョンを、室温まで冷却した後、これを0.4μmのフィルターで濾過し、更に前記ポリマー微粒子の濃度が30%となるように蒸留水を加えてエマルジョンAを得た。エマルジョンAのガラス転移温度Tg(JIS K6900に従い測定)は20℃以下であった。
【0109】
下記の各組成物からなるクリアインク及びカラーインクを調製した。
【0110】
(クリアインク1)
エマルジョンA(固形分換算) 1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0111】
(クリアインク2)
エマルジョンB(固形分換算) 1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0112】
(マゼンタインク)
顔料(PR202) 1.5重量%
スチレン−アクリル共重合樹脂(固形分換算)0.5重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0113】
(ブラックインク)
顔料(カーボンブラック) 2.0重量%
スチレン−アクリル共重合樹脂(固形分換算)2.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
【0114】
以上、クリアインクとカラーインクの表面張力を協和界面科学社製CBVP−Zで、粘度を山一電機製デジタル粘度計VM−100で測定したところ、以下表1のようであった。
【0115】
【表1】
【0116】
PM−800C(セイコーエプソン(株)製)のカラーインクカートリッジのマゼンタとイエローの列に上記のマゼンタとブラックの2色のインクを充填し(その他の列には何も充填しなかった)、ブラックインクカートリッジにはクリアインクを充填し、インクジェット専用紙(セイコーエプソン株式会社製;PM写真用紙)に印刷した。なお、印刷の際は、1ドットあたりのインク吐出量が表2記載のインク量となるよう、電歪素子に印加する電圧を調整した。
【0117】
記録パターンは、マゼンタとブラックを、記録dutyが0%(非印字部)、10%、20%、・・・100%)と10%刻みとなるようにした。また、クリアインクは、カラーインクの記録dutyが40%以下のところに、合計で40%の記録dutyになるように(例えば、カラーインクが30%の時はクリアインクが10%、カラーインクが20%の時はクリアインクが20%)同じ印字パス内で、重ね打ちをした。
【0118】
また、それぞれの記録パターンは50×50mmの領域で印刷し、印字方法としてはプリンタドライバでPM写真用紙における推奨設定の「きれい」モードを用いて記録した。
【0119】
〔光沢度比〕
各色の各dutyの20°の光沢度を光沢度計PG−1M(日本電色工業株式会社製)で測定した。また、各色における最大と最小の光沢度比を算出し、以下の基準により、各色のduty差による光沢ばらつきの度合いを判断した。
A:光沢度比が1.0以上、1.3未満
B:光沢度比が1.3以上、1.5未満
C:光沢度比が1.5以上
【0120】
〔光沢度〕
カラーインクの30%、20%、10%duty部の20°の光沢度を、光沢度計PG−1M(日本電色工業株式会社製)で測定し、以下の基準で判断した。
A:光沢度が80以上
B:光沢度が50以上、80未満
C:光沢度が50未満
【0121】
上記評価基準にて評価した結果を表2に示す。
【0122】
【表2】
【0123】
表2に示すように、実施例1〜4においては比較例1及び3に比べて光沢度比及び光沢度が向上した。また、比較例2よりも光沢度が向上した。このようにクリアインクの吐出量を、カラーインク塗布量に対して少なくすると、光沢性を向上することができる。
【0124】
【発明の効果】
本発明のインク組成物、インクジェット記録方法によれば、記録画像の光沢性に優れた高画質な画像を得ることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording method and a clear ink composition used for the same, and more particularly to an ink jet recording method and the like that can provide a recorded matter having excellent gloss of a recorded image.
[0002]
[Prior art]
The ink jet recording method is a printing method in which droplets of an ink composition are made to fly and adhere to a recording medium such as paper to perform recording. This method has a feature that a clear image with high resolution can be printed at high speed while using a relatively inexpensive apparatus.
[0003]
Conventionally, various ink sets including an ink composition for use in recording by the ink jet recording method have been proposed.
[0004]
In recent years, there has been an increasing demand for printing higher-quality recorded images, such as digital cameras, and accordingly, various devices have been devised to further improve the coloring and glossiness of recorded images.
[0005]
However, when a pigment is used as a coloring material, the glossiness of a recorded image is often insufficient, or there is a difference in glossiness at a portion where a print duty is different, and the glossiness of the entire image is insufficient. There are many.
[0006]
For example, as a technique for improving the glossiness of a recorded image, for example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-277488 (Patent Document 1), two or more black inks having different densities and an ink containing no colorant are used. There has been proposed a recording method using an ink not containing a colorant only in the non-printed area, but this method not only does not provide a color image, but also sufficiently improves the coloring and gloss of the recorded image. There is a problem that it can not be done.
[0007]
Further, as an inkjet recording method using clear ink, there is Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-118684 (Patent Document 2), and a method of thinning out clear ink ejection data from ink ejection data has been proposed. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-218772 (Patent Document 3) proposes a method in which the discharge amount of the clear ink per unit area is made smaller than the ink discharge amount per unit area. However, these have the effect of improving the color developability (especially on plain paper) and feathering (so-called bleeding) of the recorded image, but it is difficult to obtain a recorded matter having excellent gloss.
[0008]
[Patent Document 1]
JP 2001-277488 A [Patent Document 2]
JP-A-8-118684
[Patent Document 3]
JP-A-2000-218772
[Problems to be solved by the invention]
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a clear ink composition and an ink jet recording method capable of providing a color recorded matter having excellent glossiness of a recorded image.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The inkjet recording method of the present invention is directed to an inkjet recording method using an ink set including a clear ink composition containing polymer fine particles and not containing a colorant, and one or more color ink compositions containing at least a pigment. The ink discharge amount per dot of the clear ink is smaller than the ink discharge amount per dot of the color ink composition.
[0011]
Further, the clear ink composition of the present invention is useful for the above-mentioned ink set, and is characterized by containing polymer fine particles and not containing a colorant. Further, the inkjet recording method of the present invention is an inkjet recording method in which the discharge amount of the clear ink composition is adjusted according to the ink duty of the color ink composition.
[0012]
The polymer fine particles include (i) a sulfonic acid group-containing polymer (sol-type resin), (ii) a modified polypropylene emulsion, (iii) an ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer, and another monomer copolymerizable therewith. And a copolymer obtained by polymerizing the polymer in the presence of an alcoholic hydroxyl group-containing water-soluble polymer compound or a copolymerizable surfactant, and (iv) an emulsified resin having a particle diameter of 70 nm or more. Preferably, it is at least one kind of polymer fine particles.
[0013]
In particular, when any of (i) to (iv) is included as polymer fine particles, when both (i) and (ii) are included as polymer fine particles, and when both (ii) and (iii) are included as polymer fine particles Is preferred.
[0014]
The ink set is used for inkjet recording.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the ink jet recording method and the clear ink composition of the present invention will be described.
[0016]
Since the ink set of the present invention is provided with the clear ink composition separately from the color ink composition, by performing recording using the clear ink composition, a recorded image having excellent gloss can be obtained. In particular, when the special paper is used, the clear ink composition can be printed on the non-printed portion and the low duty portion by the color ink composition, and the glossiness of the non-printed portion and the low duty portion can be improved. . In addition, by printing the clear ink composition, the color ink composition can be uniformly attached, and the color developability is improved. In particular, white spots on plain paper can be prevented, and low brightness and high chroma can be realized, so that color reproducibility may be significantly improved.
[0017]
Further, the present invention is characterized in that the ink ejection amount per dot of the clear ink is made smaller than the ink ejection amount per dot of the color ink composition as an ink jet recording method. When the discharge amount of the clear ink is small, the dot diameter of the clear ink becomes small. As a result, small dots are arranged on the recording medium, the irregular reflection of light increases, and the gloss increases.
[0018]
More specifically, it is preferable that the ink ejection amount per dot of the clear ink be 0.1 to 0.9 times the ink ejection amount per dot of the color ink composition. When the discharge amount of the clear ink is smaller than 0.1 times the discharge amount of the ink composition, the absolute amount of the polymer fine particles on the surface of the recording medium decreases, and the effect of improving the glossiness decreases.
[0019]
Also, if the discharge amount of the clear ink is set to be larger than 0.9 times the discharge amount of the color ink composition, the dot diameter increases, the degree of irregular reflection of light decreases, and the effect of improving the gloss is reduced. Lower.
[0020]
In order to obtain the effect as in the present invention, it is necessary to reduce the discharge amount of the clear ink, but this can be easily realized by adjusting the driving energy. Specifically, the discharge amount can be controlled by adjusting the voltage applied to the electrostrictive element or adjusting the applied heat energy.
[0021]
Alternatively, the amount of ink ejected per dot of ink can also be adjusted by the viscosity of the ink. If the viscosity of the clear ink is made larger than the viscosity of the color ink with the same driving energy, the discharge amount of the clear ink can be made smaller than the discharge amount of the color ink.
[0022]
Further, the effect of the present invention can be realized by making the dot diameter of the clear ink on the recording medium smaller than the dot diameter of the ink composition on the recording medium. In other words, adjusting the ink ejection amount originally aims at adjusting the dot diameter. From the viewpoint of the dot diameter, if the dot diameter of the clear ink on the recording medium is 0.1 to 0.9 times the dot diameter of the ink composition on the recording medium, there is an effect of increasing the gloss.
[0023]
The ink set of the present invention includes a clear ink composition containing polymer fine particles having a specific structure and containing no colorant, at least a yellow ink composition, a magenta ink composition, a cyan ink composition, and a black ink composition. With things.
[0024]
As described above, the clear ink composition of the present invention is useful when used as an ink set, and has excellent storage properties.
[0025]
It is preferable that the polymer fine particles form an emulsion in the clear ink composition and are colloidally dispersed. That is, the polymer fine particles are preferably added to the clear ink composition in the form of an emulsion.
[0026]
Since the polymer fine particles form an emulsion in the clear ink composition and are colloidally dispersed, the transparency of the clear ink composition is increased, so that a higher-quality recorded image can be obtained.
[0027]
From the viewpoints of improving the glossiness and the stability of the recorded image, the polymer fine particles may include (i) a sulfonic acid group-containing polymer (sol-type resin), (ii) a modified polypropylene emulsion, and (iii) an ethylenically unsaturated carboxylic acid. A copolymer obtained by polymerizing an acid monomer and another monomer copolymerizable therewith in the presence of an alcoholic hydroxyl group-containing water-soluble polymer compound or a copolymerizable surfactant, and (iv) It is preferably at least one kind of polymer fine particles selected from the group consisting of emulsified resins having a particle diameter of 70 nm or more.
(I) Sulfonic acid group-containing polymer (sol-type resin)
The sulfonic acid group-containing polymer is preferably a diene sulfonic acid group-containing polymer and / or a non-diene sulfonic acid group-containing polymer.
[0028]
The sulfonic acid group-containing polymer is obtained by sulfonating a polymer or copolymer obtained by homopolymerizing or copolymerizing the following monomers (see JP-A-11-217525), or A polymer obtained by homogenizing or copolymerizing a sulfonated monomer and containing a diene sulfonic acid group containing a diene monomer as an essential component and a non-diene sulfonic acid group containing no diene monomer as an essential component There is a polymer.
[0029]
Examples of the monomer used to obtain the diene-based sulfonic acid group-containing polymer include a diene-based monomer and another monomer that can be used in combination with the diene-based monomer.
[0030]
The diene-based monomer is a diene-based compound having 4 to 10 carbon atoms, such as 1,3-butadiene, 1,2-butadiene, 1,3-pentadiene, 1,2-pentadiene, 2,3-pentadiene, Isoprene, 1,2-hexadiene, 1,3-hexadiene, 1,4-hexadiene, 1,5-hexadiene, 2,3-hexadiene, 2,4-hexadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 2-ethyl-1,3-butadiene, 1,2-heptadiene, 1,3-heptadiene, 1,4-heptadiene, 1,5-heptadiene, 1,6-heptadiene, 2,3-heptadiene, 2,5- Heptadiene, 3,4-heptadiene, 3,5-heptadiene, cycloheptadiene and the like can be mentioned. These diene monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0031]
Other monomers that can be used in combination with the diene monomer include, for example, aromatic monomers such as styrene, α-methylstyrene, O-methylstyrene, p-methylstyrene, m-methylstyrene, and vinylnaphthalene, and methyl (meth) acrylate. (Meth) acrylic acid alkyl esters such as ethyl, (meth) acrylate and butyl (meth) acrylate; mono- or dicarboxylic acids or anhydrides of dicarboxylic acids such as (meth) acrylic acid, crotonic acid, maleic acid and itaconic acid And vinyl cyanide compounds such as (meth) acrylonitrile, and unsaturated compounds such as vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl methyl ethyl ketone, vinyl acetate, (meth) acrylamide, and glycidyl (meth) acrylate. These other monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0032]
When these other monomers are used in combination, the amount of the diene-based monomer used is preferably 0.5% by weight or more, more preferably 1% by weight or more, and further preferably 5% by weight or more.
[0033]
The diene-based copolymer obtained by copolymerizing the diene-based monomer or another monomer that can be used in combination with the diene-based monomer may be any copolymer including a random copolymer and a block copolymer. .
[0034]
Preferred polymers include, for example, isoprene homopolymer, butadiene homopolymer, isoprene-styrene random copolymer, isoprene-styrene block copolymer, styrene-isoprene-styrene ternary block copolymer, butadiene-styrene random Copolymers, butadiene-styrene block copolymers, styrene-butadiene-styrene block copolymers, styrene-butadiene-styrene ternary block copolymers, ethylene-propylene-diene ternary block copolymers and the like can be mentioned. More preferred copolymers include, for example, isoprene-styrene block copolymer, styrene-isoprene-styrene ternary block copolymer, butadiene-styrene block copolymer, styrene-butadiene-styrene block copolymer, styrene- Butadiene-styrene triblock copolymer and the like.
[0035]
The diene-based sulfonic acid group-containing polymer used in the present invention is obtained by hydrogenating a part or all of the remaining double bond based on the diene-based polymer and / or its precursor monomer, It may be sulfonated by a known sulfonation method, for example, a method described in the Chemical Society of Japan, New Experimental Chemistry Course (Vol. 14, page III.1773) or JP-A-2-227403. .
[0036]
Examples of the sulfonating agent include sulfuric anhydride, sulfuric acid, chlorosulfonic acid, fuming sulfuric acid, bisulfite (Li salt, Na salt, K salt, Rb salt, Cs salt and the like). The amount of the sulfonating agent is preferably 0.005 to 1.5 mol, more preferably 0.01 to 1.0 mol, in terms of sulfuric anhydride, relative to 1 mol of the polymer.
[0037]
Next, the diene-based sulfonic acid group-containing polymer is preferably used in a state obtained by allowing water and / or a basic compound to act on the sulfonated product as described above. Examples of the basic compound include an alkali metal hydroxide, an alkali metal alkoxide, an alkali metal carbonate, aqueous ammonia, an organic metal compound, and amines. The basic compounds can be used alone or in combination of two or more. The amount of the basic compound used is 2 mol or less, preferably 1.3 mol or less, per 1 mol of the sulfonating agent used.
[0038]
Examples of the monomer used to obtain the non-diene sulfonic acid group-containing polymer include, for example, vinyl monomers such as allylsulfonic acid, vinylsulfonic acid, or methacrylsulfonic acid obtained by reacting isobutylene with sulfur trioxide. Or a styrene-based monomer such as sodium p-styrenesulfonate (eg, Spiromer, manufactured by Toso Corporation) or a general formula CH 2 = C (CH 3 ) —COO (AO) n SO 3 Na (A : A lower alkylene group), a monomer having a sulfonyl group such as a methacrylate monomer (for example, Eleminol RS-30, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.), and a sodium salt, potassium salt, and lithium of the monomer And the like.
[0039]
The non-diene sulfonic acid group-containing polymer can also be obtained by copolymerizing a monomer having no sulfonic acid group with the monomer having a sulfonic acid group.
[0040]
Other copolymerizable monomers include styrene, ethylvinylbenzene, α-methylstyrene, fluorostyrene, aromatic monovinyl compounds such as vinylpyrine, butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, β-methacryloyloxyethylhydrodiene phthalate, N Acrylate monomer such as N, N'-dimethylaminoethyl acrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, methoxydiethylene glycol methacrylate, methoxypolyethylene glycol methacrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, N, N'-dimethylaminoethyl methacrylate, glycidyl methacrylate Methacrylate monomers such as acrylonitrile and methacrylonitrile Le compound include silicone-modified monomers, macromonomers. Further examples include conjugated double bond compounds such as butadiene and isoprene, vinyl ester compounds such as vinyl acetate, 4-methyl-1-pentene, and other α-olefin compounds. Among the copolymerizable monomers, styrene, methyl methacrylate and acrylonitrile are preferred.
[0041]
The amount of the copolymerizable monomer to be used is usually 1 to 93% by weight, preferably 5 to 80% by weight of the polymerizable monomer.
[0042]
Non-diene sulfonic acid group-containing polymer, the sulfonic acid group-containing monomer or other monomers copolymerizable with the sulfonic acid group-containing monomer, for example, in a polymerization solvent such as water or an organic solvent. Radical polymerization using a radical polymerization initiator, a chain transfer agent and the like.
[0043]
The non-diene-based sulfonic acid group-containing polymer obtained by copolymerizing the above-mentioned non-diene-based monomer may be any copolymer including a random copolymer and a block copolymer.
[0044]
As the non-diene sulfonic acid group-containing polymer, an acrylic sulfonic acid group-containing polymer is particularly preferable.
[0045]
The polymer particles preferably have an acid value of 100 or more from the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of a recorded image.
The polymer fine particles have a weight average molecular weight (Mw) of 8000 or more and 20,000 or less and a glass transition temperature (Tg; measured in accordance with JIS K6900) of 5 ° C. from the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of a recorded image. As mentioned above, it is preferable that it is 50 degrees C or less.
The minimum film forming temperature (MFT) of the polymer fine particles is preferably 20 ° C. or less from the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of a recorded image.
The particle size of the polymer fine particles is preferably 70 nm or less. More preferably, it is 20 nm or more and 70 nm or less. When the polymer fine particle diameter is within this range, the polymer fine particles easily form an emulsion in water, and a clear ink composition having high transparency can be obtained, and a high-quality recorded image can be obtained.
(Ii) Modified polypropylene emulsion From the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of a recorded image, the modified polypropylene emulsion is used to convert a polypropylene having a weight average molecular weight (Mw) of 1,000 to 50,000 to an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof. And then dispersed in water in the presence of a basic compound and an emulsifier. Preferably, the unsaturated carboxylic acid is maleic acid and / or maleic anhydride.
[0046]
Examples of the modified polypropylene emulsion of the present invention include those obtained by modifying a low molecular weight polypropylene by a heat reaction or a known method using an organic peroxide. For example, in an inert gas atmosphere, low-molecular-weight polypropylene is heated and dissolved in the presence of an aromatic solvent or a chlorine-based solvent, or in the presence of a peroxide radical generating catalyst, to convert the unsaturated carboxylic acid or its anhydride. It is obtained by grafting and modification.
(Iii) Obtained by polymerizing an ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer and another monomer copolymerizable therewith in the presence of an alcoholic hydroxyl group-containing water-soluble polymer compound or a copolymerizable surfactant. The copolymer is obtained by polymerizing the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer and other monomers copolymerizable therewith in the presence of an alcoholic hydroxyl group-containing water-soluble polymer compound or a copolymerizable surfactant. The resulting copolymer (the copolymer is also an “alkali-soluble resin”) preferably has an acid value of 40 or less from the viewpoint of improving the gloss and the stability of the recorded image.
The pH of the copolymer is preferably adjusted by a base.
Preferably, the base is an inorganic base.
The inorganic base is preferably an alkali metal hydroxide or an alkaline earth metal hydroxide.
[0047]
The glass transition temperature (Tg; measured in accordance with JIS K6900) of the copolymer is preferably 70 ° C. or lower from the viewpoint of improving the gloss and the stability of the recorded image. The temperature is more preferably 50 ° C or lower, and further preferably 10 ° C or lower.
[0048]
Specifically, among the water-soluble polymer compounds, those containing 5 to 25 alcoholic hydroxyl groups per 1,000 molecular weight are preferable, for example, vinyl alcohol polymers such as polyvinyl alcohol and various modified products thereof. Saponified copolymer of vinyl acetate and acrylic acid, methacrylic acid or maleic anhydride; cellulose derivatives such as alkyl cellulose, hydroxyalkyl cellulose, alkyl hydroxyalkyl cellulose; starch derivatives such as alkyl starch and carboxymethyl starch; Arabic gum, tragacanth gum, polyalkylene glycol and the like. One or more of these alcoholic hydroxyl group-containing water-soluble polymer compounds can be used.
[0049]
The alcoholic hydroxyl group-containing water-soluble polymer compound is preferably a vinyl alcohol-based polymer from the viewpoint of improving glossiness and improving recorded image stability.
[0050]
The ethylenically unsaturated carboxylic acid monomers include, for example, ethylenically unsaturated monocarboxylic acid monomers such as acrylic acid and methacrylic acid; and ethylenically unsaturated monocarboxylic acid monomers such as itaconic acid, maleic acid, fumaric acid, and butenetricarboxylic acid. Polycarboxylic acid monomers; partial ester monomers of ethylenically unsaturated polycarboxylic acids such as monobutyl fumarate, monobutyl maleate and mono-2-hydroxypropyl maleate; maleic anhydride, cistraconic anhydride and the like Examples thereof include polycarboxylic anhydrides. One or more of these monomers can be used.
[0051]
The ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer is preferably acrylic acid or methacrylic acid from the viewpoint of improving gloss and stability of a recorded image.
[0052]
The other monomer copolymerizable with the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer is not particularly limited, and examples thereof include aromatic vinyl monomers such as styrene, α-methylstyrene, vinyltoluene, and chlorostyrene; Methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, n-amyl (meth) acrylate, isoamyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, ethylhexyl (meth) acrylate (Meth) acrylate monomers such as octyl (meth) acrylate, hydroxyethyl (meth) acrylate, hydroxypropyl (meth) acrylate, and glycidyl (meth) acrylate; cyano groups such as (meth) acrylonitrile Containing ethylenically unsaturated monomer; ethylenically unsaturated glycidyl such as allyl glycidyl ether -Monomer; ethylenically unsaturated amide monomer such as (meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide, N-butoxymethyl (meth) acrylamide; 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl Conjugated diene monomers such as -1,3-butadiene and 1,3-pentadiene; and carboxylic acid vinyl ester monomers such as vinyl acetate. One or more of these monomers can be used.
[0053]
The other monomer copolymerizable with the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer is an ethylenically unsaturated carboxylic acid ester monomer from the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of a recorded image. Is preferred.
The copolymerizable surfactant is a surfactant having one or more polymerizable vinyl groups in a molecule, for example, sodium propenyl-2-ethylhexylsulfosuccinate, polyoxyethylene sulfate (meth) acrylate, and the like. Anionic polymerizable surfactants such as esters, polyoxyethylene alkylpropenyl ether sulfate ammonium salt, polyoxyethylene ester (meth) acrylate phosphoric acid ester; polyoxyethylene alkylbenzene ether (meth) acrylate, polyoxyethylene alkyl Anionic polymerizable surfactants such as ether (meth) acrylate can be given. Among them, polyoxyethylene alkylpropenyl ether sulfate ammonium salt is preferred in terms of excellent balance between the emulsifying and dispersing performance of the monomer and the copolymerizability with the monomer. One or more of these copolymerizable surfactants can be used.
[0054]
The weight average molecular weight (Mw) of the polymer fine particles is preferably from 1,000 to 1,000,000, more preferably from 8,000 to 20,000, from the viewpoint of improving the gloss and the stability of the recorded image. is there. In addition, in order to adjust the weight average molecular weight of the alkali-soluble resin, a chain transfer agent can be used at the time of polymerization, if necessary.
[0055]
The pH of the polymer fine particles is preferably 8 or more and 11 or less, and more preferably 9 or more and 10 or less, from the viewpoint of improving the gloss and the stability of the recorded image.
[0056]
The turbidity of the polymer fine particles is preferably 30 mg / L or less from the viewpoint of improving the gloss and the stability of the recorded image.
The minimum film forming temperature (MFT) of the polymer fine particles is preferably 20 ° C. or less from the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of a recorded image.
(Iv) Emulsifying resin having a particle diameter of 70 nm or more The polymer fine particles are preferably an emulsifying resin having a particle diameter of 70 nm or more. More preferably, it is 100 nm or more and 150 nm or less. When the polymer fine particle diameter is within this range, the polymer fine particles easily form an emulsion in water, and a clear ink composition having high transparency can be obtained, and a high-quality recorded image can be obtained.
[0057]
The glass transition temperature (Tg; measured according to JIS K6900) of the emulsified resin is preferably 20 ° C. or lower from the viewpoint of improving glossiness and improving the stability of recorded images.
[0058]
The content of the polymer fine particles is preferably 0.05% by weight or more and 10.0% by weight or less in the clear ink composition from the viewpoint of improving the gloss and the stability of the recorded image. The content is more preferably 0.1% by weight or more and 5.0% by weight or less, and further preferably 0.1% by weight or more and 2.0% by weight or less. Here, the weight of the polymer fine particles is a solid content conversion amount.
[0059]
Polymer fine particles may be added singly, or two or more of these may be mixed and added. When mixed and added, the total content thereof is preferably 0.05% by weight or more and 10.0% by weight or less, more preferably 0.1% by weight or more and 5.0% by weight in the ink composition. Or less (more preferably 0.1% by weight or more and 2.0% by weight or less).
[0060]
The ink set of the present invention preferably includes the clear ink composition described in any of the above, at least a yellow ink composition, a magenta ink composition, a cyan ink composition, and a black ink.
[0061]
In the above, it is preferable to further include a red ink composition having a hue angle of a mixed color of the yellow ink composition and the magenta ink composition.
[0062]
In the above, it is preferable to further include a violet ink composition having a hue angle of a mixed color of the magenta ink composition and the cyan ink composition.
[0063]
By providing the red ink composition or the violet ink composition, an ink set having excellent granularity can be obtained. This is considered to be due to the low content of pigment solids in magenta and cyan.
[0064]
With the above configuration, the color developability and glossiness of the recorded image are further improved.
[0065]
In the clear ink composition, water is used as a solvent. As the water, any of pure water such as ion-exchanged water, ultrafiltration water, reverse osmosis water, and distilled water, or ultrapure water can be preferably used. Further, it is more preferable to use those obtained by sterilizing these waters by irradiating ultraviolet rays or adding hydrogen peroxide, since the generation of mold and bacteria is suppressed.
[0066]
The clear ink composition may further contain any one of an acetylene glycol-based compound, an acetylene alcohol-based compound, and a polysiloxane-based compound as a surfactant.
[0067]
This makes it possible to enhance the ejection stability of the clear ink composition without deteriorating the color developability and glossiness. It is considered that the reason why the ejection stability is enhanced is that these surfactants lower the surface tension of the clear ink composition and promote the penetration of the clear ink composition into the recording medium.
[0068]
The content of the surfactant in the clear ink composition is preferably from 0.1% by weight to 3.0% by weight, and more preferably from 0.1% by weight to 1.0% by weight.
[0069]
The surface tension of the clear ink composition is preferably 15 dyn / cm or more and 45 dyn / cm or less, and more preferably 20 dyn / cm or more and 30 dyn / cm or less from the viewpoint of improving ejection stability.
[0070]
As the acetylene glycol-based compound, Olfin E1010, STG, Y (all trade names, manufactured by Nissin Chemical Co., Ltd.) and Surfynol 82, 104, 440, 465, 485 (all trade names, manufactured by Air Products and Chemicals Inc.) ) Can be used.
[0071]
Examples of the acetylene alcohol-based compound include 3,5-dimethyl-1-hexyn-3-ol, 2,4-dimethyl-5-hexyn-3-ol, Surfynol 61 (trade name, manufactured by Air Products and Chemicals Inc.), and the like. Can be used.
[0072]
As the polysiloxane compound, a compound represented by the following general formula (2) or the like can be used.
[0073]
Embedded image
(In the formula (2), R 1 to R 9 independently represent a C 1-6 alkyl group, j, k and x independently represent an integer of 1 or more, EO represents an ethyleneoxy group, PO represents a propyleneoxy group, m and n each represent an integer of 0 or more, m + n represents an integer of 1 or more, and EO and PO may be in a block even if they are random in [] regardless of their order. The clear ink composition may further contain a glycol ether compound or an alkyl diol compound. By using these compounds as a solvent, the image quality of a recorded image can be improved without lowering the color developability and glossiness. The content of these compounds (the total amount when plural types are mixed) is preferably 1.0% by weight or more and 30% by weight or less in the clear ink composition, from the viewpoint of improving image quality, more preferably. Is from 1.0% by weight to 10% by weight.
[0074]
Examples of the glycol ether compound include triethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, and diethylene glycol monomethyl ether. In particular, triethylene glycol monobutyl ether is preferred.
[0075]
Examples of the alkyl diol compound include 1,2-hexanediol, 1,2-pentanediol, and the like. In particular, 1,2-hexanediol is preferred.
[0076]
The clear ink composition may further contain a polyhydric alcohol compound. Examples of polyhydric alcohol compounds include glycerin, ethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, pentamethylene glycol, trimethylene glycol, 2-butene-1,4-diol, and 2-ethyl-1,3-hexanediol. And water-soluble organic solvents such as 2-methyl-2,4-pentanediol, dipropylene glycol and tetraethylene glycol. In particular, glycerin is preferred.
[0077]
The content of the polyhydric alcohol-based compound (the total amount when a plurality of types are mixed) is preferably 5.0% by weight or more and 40% by weight or less, more preferably 10% by weight or more and 30% by weight or less in the clear ink composition. % By weight or less.
[0078]
The ink set of the present invention contains a color ink composition such as a yellow ink composition (Y), a magenta ink composition (M), and a cyan ink composition (C). For these, a colorant, a dispersant, and the like contained in a general color ink composition for inkjet recording can be used without any particular limitation.
[0079]
As the colorant of the yellow ink composition (Y), a yellow pigment is suitably used. Examples of the yellow pigment include C.I. I. Pigment Yellow 74, 81, 83, 93, 109, 110, 120, 128, 138, 139, 150, 151, 154, 155, 173, 180, 185, 195 and the like.
[0080]
The yellow ink composition has a hue angle defined in a CIELAB color space (CIE1976 (L * A * B *) color system, JISZ 8729) on a recording medium in a range of 80 ° to 110 °. Is preferred.
[0081]
As a coloring agent of the magenta ink composition (M), a magenta pigment is suitably used. Examples of the magenta pigment include C.I. I. Pigment Red 122, 202, 209, 112, 123, 168, 184, 5, 7, 12, 48 (Ca), 48 (Mn), 57 (Ca), 57: 1 and C.I. I. Pigment Violet 19 and the like are preferably used. I. Pigment Red 122 and 202 are preferred.
[0082]
The magenta ink composition preferably has a hue angle defined in the CIELAB color space in the range of 330 ° to 360 °.
[0083]
As the colorant of the cyan ink composition (C), a cyan pigment is suitably used. Examples of the cyan pigment include C.I. I. Pigment Blue 15: 3, 15: 4, 60, 1, 2, 3, 16, 22, 15:34 and the like are preferably used. I. Pigment Blue 15: 3 is preferred.
[0084]
The cyan ink composition preferably has a hue angle defined in the CIELAB color space in the range of 230 ° to 260 °.
[0085]
As the colorant of the red ink composition (R), a red pigment whose hue angle is the hue angle of a mixed color of the yellow ink composition and the magenta ink composition is preferably used. Examples of the red pigment include Pigment Red 17, 49: 2, 112, 177, 178, 188, 255, 264, 149, and the like.
[0086]
As the colorant of the violet ink composition (V), a violet pigment having a hue angle that is a hue angle of a mixed color of the magenta ink composition and the cyan ink composition is suitably used. Examples of the violet pigment include Pigment Violet 3, 19, 23, 32, 36, and 38.
[0087]
As a coloring agent of the black ink composition (K), a black pigment is suitably used. Examples of the blank ink pigment include carbon black.
[0088]
In addition to the above, the ink set of the present invention includes a light yellow ink composition, a light magenta ink composition, a light cyan ink composition, a blue ink composition, a light black ink composition, a green ink composition, a dark yellow ink composition, An orange ink composition or the like may be provided.
[0089]
The orange ink composition preferably has a hue angle defined in the CIELAB color space in the range of 30 ° to 80 °.
[0090]
The blue ink composition preferably has a hue angle defined in the CIELAB color space in the range of 160 ° to 230 °.
[0091]
The brightness of the orange ink composition and the brightness of the blue ink composition are preferably lower than the brightness of the magenta ink composition and the brightness of the cyan ink composition, respectively.
[0092]
The saturation of the orange ink composition and the saturation of the blue ink composition are preferably higher than the saturation of the magenta ink composition and the saturation of the cyan ink composition, respectively.
[0093]
The content of the coloring agent is preferably 0.1 to 20% by weight, more preferably 0.5 to 10% by weight, in each ink composition. The content of the colorant is appropriately adjusted according to the type of the ink composition such as the light and shade color ink composition.
[0094]
The clear ink composition and / or the color ink composition may further include a solvent generally used for an aqueous ink composition for inkjet recording, if necessary. Examples of such a solvent include 2-pyrrolidone, triethanolamine, sugar and the like. Specific examples of sugars include monosaccharides, disaccharides, oligosaccharides (including trisaccharides and tetrasaccharides) and polysaccharides, preferably glucose, mannose, fructose, ribose, xylose, arabinose, galactose, aldonic acid, Glucitol, sorbitol, maltose, cellobiose, lactose, sucrose, trehalose, maltotriose, and the like. Here, the polysaccharide means a saccharide in a broad sense, and is used to include a substance widely existing in nature such as alginic acid, α-cyclodextrin, and cellulose. Examples of the derivatives of these saccharides include reducing sugars of the above-mentioned saccharides (for example, sugar alcohols (represented by the general formula HOCH 2 (CHOH) nCH 2 OH, where n is an integer of 2 to 5)) And oxidized sugars (eg, aldonic acid, uronic acid, etc.), amino acids, thiosugars, etc. Particularly preferred are sugar alcohols, and specific examples include maltitol, sorbitol, and the like. 300, 500 (registered trademark Hayashibara Shoji) and the like can be obtained.
[0095]
In addition, the clear ink composition and / or the color ink composition may further include an auxiliary. Examples of such auxiliaries include a pH adjuster, a chelating agent, a preservative, a rust inhibitor, an antioxidant, an ultraviolet absorber, an oxygen absorber, an abrasion resistance improver, and the like.
[0096]
The surface tension of the color ink composition is preferably 15 dyn / cm or more and 45 dyn / cm or less, and more preferably 20 dyn / cm or more and 30 dyn / cm or less, from the viewpoint of improving ejection stability.
[0097]
Further, the ink jet recording method of the present invention will be described. In the inkjet recording method of the present invention, the above-described clear ink composition, yellow ink composition, magenta ink composition, cyan ink composition, and black ink composition, or each ink composition is recorded using the above-described ink set. The recording is performed by attaching the recording medium to a medium. By performing printing using the above-described ink set, it is possible to significantly improve the glossiness of the color ink particularly on special paper.
[0098]
By using these recording methods, it is possible to obtain a recorded matter having both the coloring property and the glossiness of the recorded image.
[0099]
In the recording method, the clear ink composition and the ink composition may be ejected during the same processing. Here, “at the time of the same processing” refers to a case where processing is performed so as to form a specific image with both the clear ink composition and the ink composition in one recording (one pass). Therefore, in addition to the case where both are ejected at exactly the same time, the ink composition is ejected first in one pass, and then the clear ink composition is ejected in one pass, and the clear ink composition is ejected first in one pass. After that, the case where the ink composition is ejected later is also included in “the same processing”.
[0100]
By performing printing using the above-described inkjet recording method, the glossiness of the color ink can be remarkably improved, especially on specialty paper. By printing the clear ink composition on the non-printed portion and the low duty portion with the color ink composition, the glossiness of the non-printed portion and the low duty portion can be improved. In the above recording method, it is preferable that each duty of the clear ink composition on the recording medium is smaller than each duty of the color ink composition.
[0101]
In the recording method, it is preferable to adjust the duty of the clear ink composition according to the duty of the color ink composition.
[0102]
In the above recording method, the sum of the duty value of the color ink composition and the duty value of the clear ink composition is equal to or more than the target duty value in a portion where the duty of the color ink composition on the recording medium is equal to or less than the target duty value. It is preferable that the clear ink composition is adhered so that
By performing recording in this manner, when a special glossy paper (PM photographic paper or the like) having a resin coat layer is used as a recording medium, it is possible to obtain a recorded matter having particularly excellent color developability and glossiness of a recorded image. .
The target duty value is preferably 40%. By performing recording in this way, it is possible to prevent the ink from overflowing under low temperature and high humidity.
[0103]
Alternatively, in the above recording method, the clear ink composition may be applied to each area of the surface of the recording medium with a fixed duty value, regardless of the duty of the color ink composition on the recording medium.
By performing recording in this way, when plain paper having no resin coat layer is used as a recording medium, it is possible to obtain a recorded matter having particularly excellent color development of a recorded image.
In particular, it is preferable that the clear ink composition be adhered to each area on the surface of the recording medium on which recording has been performed with the color ink composition with a fixed duty of 20% or less (for example, a duty of 10%). That is, the constant duty value is preferably a constant duty value of duty 20% or less. By setting the duty to 20% or less, distortion and wrinkles of the recording medium can be effectively prevented.
[0104]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0105]
(Example 1)
(Adjustment of emulsion A)
55 parts of ethyl acrylate, 37 parts of methyl acrylate, 6 parts of methacrylic acid, 3 parts of octyl thioglycolate as a molecular weight modifier, 2.5 parts of polyvinyl alcohol and 280 parts of ion-exchanged water are stirred and mixed to disperse the monomer mixture. I adjusted things.
[0106]
Next, 130 parts of ion-exchanged water and 2 parts of potassium persulfate were charged into a reactor equipped with a stirrer, the temperature was raised to 80 ° C., and the dispersion of the monomer mixture was continuously added over 4 hours to carry out polymerization. After the end of the continuous addition, the reaction was carried out at 80 ° C. for 30 minutes.
[0107]
Next, a 10% aqueous solution of sodium hydroxide was added to the reactor in an amount corresponding to the charged methacrylic acid and an equimolar amount of sodium hydroxide, and the mixture was further heat-treated at 80 ° C. for 1 hour. A resin having a concentration of 15% was obtained. The acid value of the resin was 40, and the pH was 9.2.
[0108]
(Adjustment of emulsion B)
In a flask equipped with a stirrer, a thermometer, a reflux condenser and a dropping funnel, put 100 ml of ion-exchanged water and 0.1 g of potassium persulfate, and stir under a nitrogen atmosphere until the temperature in the flask reaches 70 ° C. Heated. Separately, 100 ml of ion-exchanged water, 1.0 g of sodium dodecylbenzenesulfonate, 30 g of styrene, 55 g of 2-ethylhexyl acrylate and 5 g of methacrylic acid were separately placed in a reaction vessel and stirred to prepare an emulsion. Thereafter, the emulsion was gradually dropped into the flask using a dropping funnel to prepare an emulsion containing polymer fine particles as a dispersoid. After the emulsion was cooled to room temperature, it was filtered with a 0.4 μm filter, and further distilled water was added so that the concentration of the polymer fine particles became 30% to obtain Emulsion A. The glass transition temperature Tg (measured according to JIS K6900) of the emulsion A was 20 ° C. or less.
[0109]
A clear ink and a color ink comprising the following compositions were prepared.
[0110]
(Clear ink 1)
Emulsion A (solid content conversion) 1.0% by weight
Olfin E1010 0.5% by weight
Glycerin 20% by weight
20% by weight ethylene glycol
1,2-hexanediol 5.0% by weight
2.0% by weight of 2-pyrrolidone
1.0% by weight of TEA (triethanolamine)
Water 100% by weight
[0111]
(Clear ink 2)
Emulsion B (solid content conversion) 1.0% by weight
Olfin E1010 0.5% by weight
Glycerin 20% by weight
20% by weight ethylene glycol
1,2-hexanediol 5.0% by weight
2.0% by weight of 2-pyrrolidone
1.0% by weight of TEA (triethanolamine)
Water 100% by weight
[0112]
(Magenta ink)
Pigment (PR202) 1.5% by weight
Styrene-acrylic copolymer resin (solid content conversion) 0.5% by weight
Olfin E1010 0.5% by weight
Glycerin 20% by weight
20% by weight ethylene glycol
1,2-hexanediol 5.0% by weight
2.0% by weight of 2-pyrrolidone
1.0% by weight of TEA (triethanolamine)
Water 100% by weight
[0113]
(Black ink)
Pigment (carbon black) 2.0% by weight
Styrene-acrylic copolymer resin (solid content conversion) 2.0% by weight
Olfin E1010 0.5% by weight
Glycerin 20% by weight
20% by weight ethylene glycol
1,2-hexanediol 5.0% by weight
2.0% by weight of 2-pyrrolidone
1.0% by weight of TEA (triethanolamine)
Water remaining [0114]
As described above, the surface tensions of the clear ink and the color ink were measured by CBVP-Z manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd., and the viscosity was measured by a digital viscometer VM-100 manufactured by Yamaichi Denki.
[0115]
[Table 1]
[0116]
The magenta and yellow rows of a color ink cartridge of PM-800C (manufactured by Seiko Epson Corp.) were filled with the above-described two colors of magenta and black inks (the other rows were not filled with anything) and black. The ink cartridge was filled with clear ink and printed on ink jet paper (manufactured by Seiko Epson Corporation; PM photo paper). At the time of printing, the voltage applied to the electrostrictive element was adjusted so that the ink ejection amount per dot became the ink amount shown in Table 2.
[0117]
The recording patterns were magenta and black, and the recording duty was 0% (non-printed portion), 10%, 20%,... 100%) in 10% steps. Also, the clear ink is set so that the recording duty of the color ink is 40% or less and the recording duty of 40% in total (for example, when the color ink is 30%, the clear ink is 10% and the color ink is 10%). (At 20%, the clear ink is 20%.) Overprinting was performed in the same print pass.
[0118]
Each recording pattern was printed in an area of 50 × 50 mm, and was recorded by using a “clean” mode of a recommended setting for PM photo paper using a printer driver as a printing method.
[0119]
(Gloss ratio)
The glossiness at 20 ° of each duty of each color was measured with a glossmeter PG-1M (manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.). In addition, the maximum and minimum glossiness ratios for each color were calculated, and the degree of gloss variation due to the duty difference of each color was determined based on the following criteria.
A: Gloss ratio is 1.0 or more and less than 1.3 B: Gloss ratio is 1.3 or more and less than 1.5 C: Gloss ratio is 1.5 or more
(Glossiness)
The glossiness at 20 ° of the 30%, 20%, and 10% duty portions of the color ink was measured with a glossmeter PG-1M (manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.), and judged based on the following criteria.
A: Gloss is 80 or more B: Gloss is 50 or more and less than 80 C: Gloss is less than 50
Table 2 shows the results of the evaluation based on the above evaluation criteria.
[0122]
[Table 2]
[0123]
As shown in Table 2, in Examples 1 to 4, the gloss ratio and the gloss were improved as compared with Comparative Examples 1 and 3. Further, the glossiness was improved as compared with Comparative Example 2. As described above, when the discharge amount of the clear ink is smaller than the application amount of the color ink, the glossiness can be improved.
[0124]
【The invention's effect】
According to the ink composition and the inkjet recording method of the present invention, a high-quality image excellent in glossiness of a recorded image can be obtained.