JP2004356419A - 半導体製造装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板にチップを金属接合する際の信頼性を高くし、チップ接続が完了しても未硬化のままだったりすることを無くすことにある。
【解決手段】樹脂3を塗布した基板2にチップ5を吸着して位置合わせし、超音波印加手段により樹脂3を軟化させてチップ5を基板2に接合するホーン4と、ホーン4の外部に配置され、ホーン4が位置合わせされてから樹脂3の硬化のために加熱する加熱装置6と、ホーン4の外部に配置され、ホーン4がチップ5を離れてからホーン4を冷却する冷却装置7とを有し、超音波併用の熱圧着方式によるAuバンプ5Aと基板2の接続およびその接続部の樹脂封止とを同一プロセスにて行う。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂3を塗布した基板2にチップ5を吸着して位置合わせし、超音波印加手段により樹脂3を軟化させてチップ5を基板2に接合するホーン4と、ホーン4の外部に配置され、ホーン4が位置合わせされてから樹脂3の硬化のために加熱する加熱装置6と、ホーン4の外部に配置され、ホーン4がチップ5を離れてからホーン4を冷却する冷却装置7とを有し、超音波併用の熱圧着方式によるAuバンプ5Aと基板2の接続およびその接続部の樹脂封止とを同一プロセスにて行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関し、特に半導体チップを基板やテープなどのインターポーザ(リード接続部等)に実装する半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置の製造方法、例えば電極上にAuバンプを形成したチップと複数個の接続端子を持つ基板やテープなどの接続部とを位置合わせした後、チップ裏面を真空吸着保持したホーンによって荷重,超音波および熱エネルギーが印加され、チップとリード接続部とを接続することにより、実装している。この時、ホーンの温度は常に一定であり、またリード接続部上にはチップ接続前に液状の樹脂を塗布するか、シート状の樹脂を貼り付けるかしている。あるいは、チップを接続した後、チップとリード接続部との隙間から液状の樹脂を注入することにより、接続部を封止するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5(a)〜(d)はそれぞれ上述した従来の一例を説明するための製造各部材の温度や荷重等の特性図である。まず、図5(a)に示すように、ステージ(図示省略)上に載置される基板は、チップを接続するための接続端子(リード)を覆うように、アンダーフィル材(UF材)を塗布するか、あるいは貼り付けるが、このときのUF材の温度T3は、UF材の軟化温度以上で且つ硬化開始温度以下で一定である。
【0004】
一方、図5(b)に示すように、基板に接続固定されるチップ(図示省略)は、ホーン(図示省略)に裏面側を真空吸着され、ホーンと共にほぼ均一の温度T4に保持される。この温度T4は前述した温度T3より高く、ホーンの超音波振幅を一定の振幅に保つために、一定の温度となっている。
【0005】
また、図5(c)に示すように、チップが基板に接続される時にチップにかかる荷重は、一定もしくは時間とともに増加する。すなわち、1バンプあたりに加わる荷重は、UF材が軟化するまで急激に増加するが、UF材が硬化すると、それに伴って荷重が分散されるので、1バンプあたりの荷重は減少する。
【0006】
さらに、図5(d)に示すように、ホーンに加わる超音波の発振のタイミグは、UF材の軟化または除去、もしくはその両方を促進するために、所定時間(t)の超音波パルス(US−P)が印加される。
【0007】
このように、従来の製法は、バンプ付き半導体チップを基板の電極に実装する際に、超音波を加える実装方法とするものであり、その結果、低荷重実装やフラックレス実装を可能とするものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−26922号公報(第3,4頁、第1〜3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の製法は、ホーンの共振点を一定に保ち、安定した超音波振幅を得るため、ホーンそのものに対し、ある任意の温度における熱膨張による共振点の位置ずれを考慮した設計にする必要がある。このため、異なる温度条件にて使用することは困難であるため、ホーンの共振点を一定に保ち、接合時の温度を常に一定にしなければならない。
【0010】
したがって、従来は、接合時の温度が樹脂硬化温度より高い場合、リードとバンプの接合が完了する前に封止樹脂の硬化が進行するため、樹脂によりバンプの塑性変形が阻害され、電気的接合を得られなくなるか、あるいはリードとバンプの間に樹脂が存在するために信頼性が低下するという問題がある。
【0011】
また、従来の製法は、接合時の温度が樹脂硬化温度より低い場合、樹脂が硬化せず、降温時にストレスがバンプとリードの接合部に加わり、接合部が破断するか、あるいは電気的に接触不良となるという欠点がある。
【0012】
本発明の目的は、このような超音波併用の熱圧着にあたり、信頼性の高い金属接合を実現すること、すなわちアンダーフィル材がホーンの熱によりチップ接続前に硬化したり、あるいはチップ接続が完了しても未硬化のままだったりすることのない半導体製造装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体製造装置は、 樹脂が供給された基板に対し金バンプを形成したチップを吸着して位置合わせを行うとともに、超音波印加手段を備えて前記樹脂を軟化させ前記チップを前記基板上に接合するホーンと、前記ホーンの外部に配置され且つ前記ホーンが位置合わせされてから前記樹脂の硬化のために印加される加熱装置と、前記ホーンの外部に配置され且つ前記ホーンが接合した前記チップを離れてから前記ホーンを冷却する冷却装置とを有して構成される。
【0014】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、基板に供給された樹脂を軟化させ且つ硬化反応が開始する温度よりも低い温度領域にて、超音波を併用しながら熱圧着治具によりチップの金バンプと基板上に形成された金めっきリードを金属接合する接合工程と、前記金バンプと前記金めっきリードの接続完了後にチップ保持具を間接的に加熱し、封止樹脂の硬化温度を達成する樹脂加熱硬化工程と、前記チップの接続完了後に前記チップ保持具に対し、前記基板に供給された樹脂の軟化温度まで冷却する冷却工程とを含んで構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、超音波併用の熱圧着方式によるAuバンプと基板の接続およびその接続部の樹脂封止を同一プロセスにて行うものである。特に、樹脂硬化温度以下の温度でAuバンプと基板の接続を超音波併用の熱圧着で完了し、その接続完了後に、外部から接続部に対して熱エネルギーを与えて封止樹脂の硬化温度に上昇させることを特徴としている。以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1(a)〜(d)はそれぞれ本発明における製造方法の一実施の形態を説明するための工程順に示した半導体装置の斜視図である。まず、図1(a)に示すように、本実施の形態は、X,Y,Z軸方向の駆動機構(図示省略)を備えたステージ1上に半導体チップを搭載するための基板2を載置する。その際、基板上に配置され且つチップと電気的接続を取るためのリード部に対して、アンダーフィル材(UF材)3を貼り付けるか、または塗布する。このとき、UF材3の温度は、ステージ1からの加熱によりUF材軟化温度にて一定温度に保たれる。
【0017】
ついで、図1(b)に示すように、トレーなどに配置され且つAuバンプ5Aを被着したAuバンプ付きチップ5を超音波振動を与えるためのホーン4の底面で真空吸着し、移動機構(図示省略)によって、例えば直線的に、移動させる。しかる後、チップ5を保持したホーン4をステージ1上の基板2に対して位置合わせを行い、ホーン4をUF材3上に下降させる。また、このときのホーン4(あるいはチップ5)の温度は、UF材3が軟化し且つ硬化しない温度に設定される。
【0018】
ついで、図1(c)に示すように、UF材3上にチップ5が移送されてくると、UF材3は上下からの加熱によりゲル化し、硬化反応加熱温度以下で超音波併用熱圧着方式により、金バンプ5Aとリード接続部の金属接合を行う。この金属接合が完了すると、樹脂部となっているUF材3に対し、チップ保持機構の外部に設けられた加熱装置6により熱エネルギー与え、UF材3の硬化反応温度を得る。この接続時にチップ5に対し印加される荷重は、1バンプあたり10〜50gが適当である。
【0019】
さらに、図1(d)に示すように、UF材3の硬化が完了すると、ホーン4はチップ5の吸着を解放し、上昇する。その際、ホーン4の温度は、UF材3の硬化反応温度近傍まで上昇しているため、ホーン4とは別に設けられた冷却装置7により冷却され、所定の温度まで下げられる。
【0020】
以上により、金バンプ5Aが形成された1つのチップ5を、UF材3があらかじめ供給された基板2などのリード接続部にフリップチップ実装することができる。
【0021】
図2は図1における半導体装置の製造手順の概略を説明するための工程フロー図である。図2に示すように、まず製造工程における第1のステップS1は、ステージ上の基板に形成されたリード接続部(インターポーザ)に対し、UF材を塗布もしくは貼り付ける。
【0022】
ついで、ステップS2では、電極上に金バンプが形成されたLSIチップを超音波印加が可能なホーンに吸着保持させる。すなわち、ホーンがチップ受け渡し位置まで移動し、金バンプが形成されていないチップ裏面側をホーンが吸着する向きで受け渡し、ホーンに真空吸着することで保持する。一方、ステージ上では、チップの金バンプ形成面と対向する位置に、UF材を貼り付け、または塗布したインタポーザを配置する。
【0023】
ついで、ステップS3では、ホーンがチップを吸着保持して移動中も、超音波振幅を一定に保つため、ホーン温度は一定に設定される。そのときの温度は、UF材が軟化し且つ硬化しない温度である。なお、ホーンの各部の寸法は、その温度で最も効率よくリード接合部に超音波エネルギーを伝達可能であるように設計されている。
【0024】
ついで、ステップS4では、チップを吸着した状態でホーンが降下し、チップとリード接続部との位置合わせを行う。この位置合わせ後、チップを保持したまま、金バンプがリード接続部に接触するまでホーンを変位させる。
【0025】
ついで、ステップS5では、金バンプの先端がリード接続部に接触した後、ホーンより超音波を印加し、超音波併用の熱圧着により金バンプとリード接続部を接合する。この状態では、UF材は未だ硬化していない。
【0026】
ついで、ステップS6では、ホーンより超音波印加後、ホーンとチップとリード接続部はその位置を保持する。しかる後、荷重が接続部に印加された状態でホーンとは別の加熱装置から熱エネルギーをホーンに加え、UF材を硬化温度に到達させる。すなわち、UF材を硬化させる。また、外部から熱エネルギーを与える手法として、十分な熱容量を持つヒータブロックをホーンに近接させるなどの方法を用いる。
【0027】
ついで、ステップS7では、UF材の硬化完了後、ホーンはチップの吸着を解放し、受け渡し位置に変位するため、上昇する。
【0028】
最後に、ステップS8では、ホーンを冷却装置、例えばエアブロー等により冷却する。このホーンの冷却温度は、UF材が軟化し且つ硬化しない温度まで冷却される。
【0029】
図3は本発明における製造装置の一実施の形態を説明する概略半導体製造装置の斜視図である。図3に示すように、本実施の形態における半導体製造装置は複数の電極上に金バンプを形成されたLSIチップ5を吸着する超音波併用の熱圧着ホーン4およびホーン4を外部から加熱するヒータなどの加熱装置6を備えた超音波併用の熱圧着装置と、ホーン4を外部から冷却するホーン冷却装置7とを有している。この超音波併用熱圧着ホーン4は、かかるチップ5を基板2などの金メッキされた複数のリード接続部に対し実装するにあたり、リード接続部上に塗布もしくは貼り付けられたUF材3を軟化させる機能を持っている。また、この熱圧着ホーン4は、チップ5とリード接続部の位置合せを行うとともに、超音波を印加し、チップ5を保持しているホーン部を内部から加熱する機能を備えている。さらに、これらの金バンプとリード接続部の位置合わせが完了すると、超音波を併用した熱圧着方式によって基板2のリードとチップ5の金バンプとの金属接合を得る。
【0030】
上述したように、金属接合する樹脂部の温度は、樹脂が硬化反応を開始する温度より低温に設定され、金属接合完了後に、外部の加熱装置6からUF材(アンダーフィル樹脂部)に熱エネルギーを与える。この結果、アンダーフィル樹脂が硬化開始温度に達し、アンダーフィル樹脂による封止が完了する。封止完了後、ホーン4は冷却装置7により冷却され、樹脂が硬化反応を開始する温度よりも低い設定値に戻る。
【0031】
図4(a)〜(d)はそれぞれ図1における製造各部材の温度や荷重等の特性図である。まず、図4(a)に示すように、ステージ1上に載置される基板2は、チップ5を接続するための接続端子(リード)を覆うように、アンダーフィル材(UF材)3を塗布するか、あるいは貼り付けるが、このときのUF材3の温度は、UF材の軟化温度T1まで増加する。UF材の軟化温度T1に達すると、ほぼ一定となる。さらに、UF材3がゲル化し、外部の加熱装置6によってUF材3の温度が上昇し、硬化温度T2になると、UF材3が硬化する。このUF材3が硬化した後は、冷却装置7によりホーン4が冷却されるため、UF材3は初期の温度まで下がる。
【0032】
一方、図4(b)に示すように、基板2に接続固定されるチップ5は、ホーン4に裏面側を真空吸着され、ホーン4と共にほぼ均一の温度T1′に保持される。この温度T1′は、ホーンの超音波振幅を一定に保つために、超音波(US)印加中は一定に保たれる。外部加熱装置6により、ホーン温度がT2′に上昇すると、UF材3が硬化温度T2に達する。UF材3が硬化すると、ホーン4の温度は、再度均一の温度T1′に保持される。
【0033】
また、図4(c)に示すように、チップが基板に接続される時にチップにかかる荷重は、USエネルギーが効率よく伝達するような特性が得られるように設定される。
【0034】
さらに、図4(d)に示すように、ホーン4に加わる超音波の発振のタイミグは、印加される荷重が金バンプとリードの接続を得る上で最適な値に到達した時点となる。
【0035】
上述した本実施の形態について説明したが、本実施の形態における半導体製造装置および半導体装置の製造方法によれば、次のような利点が得られる。
【0036】
(1)本実施の形態によれば、熱膨張による超音波ホーンの長さの変化を考慮することなく、超音波併用熱圧着プロセスとアンダーフィル材による接合部の封止が可能であるため、超音波併用熱圧着工法による信頼性の高い金属接合と、アンダーフィル材による接合部の封止とを同一工程中で行えるので、製造工程の簡略化,製造装置の小型化および装置操作の簡易化を実現できる。
【0037】
(2)本実施の形態によれば、チップ上に形成された金バンプとインタポーザ側の金めっきリードの接合が行われる時はアンダーフィル材が未硬化であるため、荷重,超音波,バンプ潰れ高さ等の金バンプとリードの接合に関わるプロセスパラメータの制御を容易に実現できる。
【0038】
(3)本実施の形態によれば、接合完了後すぐに荷重を解放することなく、チップおよび基板が降温するため、降温時に発生する基板およびアンダーフィル材の収縮ストレスから接合部を保護することが可能になる。
【0039】
(4)本実施の形態によれば、チップ接合時の荷重を解放せずに硬化を行うため、熱による基板およびチップの反りの影響を受けることなく、アンダーフィル材の硬化を実現できる。
【0040】
(5)本実施の形態によれば、接合と硬化を同一のホーンにて連続して行うため、アンダーフィル材が降温することなく硬化することが可能であるため、アンダーフィル材の信頼性を損うことなく封止することが可能である。
【0041】
(6)本実施の形態によれば、金属接合完了後、降温せずに封止を完了するため、インタポーザとチップの熱膨張率の違いに起因するバンプとリードの電気的オープン不良を防止できる。そのため、従来と比較して低エネルギーでの金バンプと金めっきリードの接合が可能となるので、チップ上の電極パッドへのダメージを低減でき、チップ裏面へのダメージを避けることができるとともに、またホーンの摩耗を低減することができる。
【0042】
(7)本実施の形態によれば、ホーンの外部から熱エネルギーを与え、封止完了後、外部からの熱エネルギーの供給を停止し、しかる後に冷却装置により冷却するため、短時間での降温が可能となり、高い生産性を実現できる。
【0043】
(8)本実施の形態によれば、樹脂を供給後にチップを搭載するため、インタポーザ上にアンダーフィル材を塗布するための空間を必要とせず、デバイスの小型,軽量化が可能となり、また塗布領域を考慮する必要がない為、設計自由度を拡大することができる。
【0044】
要するに、上述した利点は、次のような理由に基ずいている。
▲1▼ 金バンプとリードの接合完了後、超音波併用熱圧着のホーン温度を昇温させるため、温度変化によるホーン長の変化を考慮することなく、ホーンの温度をアンダーフィル材の軟化温度から硬化温度まで昇温することが可能となることによる。
▲2▼ 接合開始時のホーンは、アンダーフィル材の軟化温度に設定されているため、金バンプとリードの接合時にはアンダーフィル材が硬化することがなく、また超音波併用熱圧着後にホーンを昇温させるため、効率的に超音波を接合部に印加できることによる。
▲3▼ アンダーフィル材の硬化は、金バンプとリードの接合後に行われるため、接合のパラメータ設定が容易であることによる。
▲4▼ 接合完了からアンダーフィル硬化までにインタポーザは降温しないため、アンダーフィル材が塗布される前に接合部に直接応力が加わることはないことによる。
▲5▼ アンダーフィル材を硬化する際、加熱されるホーンはステージと比較して熱容量が小さいため、短時間で加熱,冷却できることによる。
▲6▼ バンプとリードを接合するホーンとアンダーフィル材硬化のためのホーンとが同一であるため、製造装置の小型化,低価格化,操作の容易化が可能であることによる。
【0045】
上述した一実施の形態におけるアンダーフィル材としては、NCF(Non Conductive Film),ACF(Anisotropy Conductive Film)等のシート状アンダーフィル材、またはNCP(Non−Conductive Paste),ACP(Anisotropy Conductive Paste)等の液状樹脂を用いることができる。
【0046】
また、チップを搭載する基板は、単層またはビルドアップ層や導電ペーストにより多層配線された多層配線基板を用いたり、またはセラミック多層または単層セラミック基板を用いることができる。さらに、単層,多層配線されたテープ基板を用いてもよい。
【0047】
また、バンプとリードの金属接合完了後に行なうアンダーフィル樹脂部の加熱は、ホーンの外部に設けられた赤外線またはレーザを用いることもできるし、さらに封止完了後の設定値へのホーン部冷却は、エアブロー装置に代えて、冷却ファンを用いて行なってもよい。
【0048】
また、樹脂硬化時の加熱および封止完了後、設定値へのホーン部冷却はペルチェ素子を用いて行なってもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体製造装置および半導体装置の製造方法は、熱膨張による超音波ホーンの長さの変化を考慮することなく、超音波併用熱圧着プロセスとシート材による接合部の封止が可能であるため、超音波併用熱圧着工法による信頼性の高い金属接合と、アンダーフィル材による接合部の封止とを同一工程中で可能とし、工程の簡略化,製造装置の小型化および装置操作の簡易化を実現できるという効果がある。
【0050】
また、本発明は、チップ上に形成された金バンプとインタポーザ側の金めっきリードの接合を行うとき時アンダーフィル材が未硬化であるため、荷重,超音波,バンプ潰れ高さなどの金バンプとリードの接合に関わるプロセスパラメータの制御を容易にできるという効果がある。
【0051】
また、本発明は、接合完了直後に加重を解放することなく、またチップおよび基板を降温することなく封止するため、降温時に発生するストレスが機械的強度の低いバンプとリードの接合部に加わることを避け、接合部を保護することが可能となるという効果がある。
【0052】
また、本発明は、チップ接合時の荷重を解放せずに硬化を行うため、熱による基板およびチップの反りの影響を受けることなくアンダーフィル材の硬化を可能にするという効果がある。
【0053】
また、本発明は、接合と硬化を同一のホーンにて連続して行うため、アンダーフィル材が硬化後、降温することなく硬化することが可能であるため、アンダーフィル材の信頼性を損うことなく封止できるという効果がある。
【0054】
また、本発明は、金属接合完了後、降温せずに封止を完了するため、インタポーザとチップの熱膨張率の違いに起因するバンプとリードの電気的オープン不良を防止できるので、低エネルギーでの金バンプと金めっきリードの接合を実現し、チップ上の電極パッドのダメージ低減と、チップ裏面へのダメージ防止と、ホーンの摩耗低減とを可能にするという効果がある。
【0055】
また、本発明は、ホーンの外部から熱エネルギーを与え、封止完了後、外部からの熱エネルギーの供給を停止し、冷却装置により冷却することにより、短時間で降温が可能となり、高い生産性を実現できるという効果がある。
【0056】
さらに、本発明は、樹脂を供給後、チップを搭載するため、インタポーザ上にアンダーフィル材を塗布するための空間を必要とせず、デバイスの小型,軽量化を可能にし、塗布領域を考慮する必要がない為、設計自由度を拡大できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における製造方法の一実施の形態を説明するための工程順に示した半導体装置の斜視図である。
【図2】図1における半導体装置の製造手順の概略を説明するための工程フロー図である。
【図3】本発明における製造装置の一実施の形態を説明する概略半導体製造装置の斜視図である。
【図4】図1における製造各部材の温度や荷重等の特性図である。
【図5】従来の一例を説明するための製造各部材の温度や荷重等の特性図である。
【符号の説明】
1 ステージ
2 基板
3 アンダーフィル材(UF材)
4 ホーン
5 Auバンプ付きチップ
6 加熱装置
7 冷却装置
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関し、特に半導体チップを基板やテープなどのインターポーザ(リード接続部等)に実装する半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置の製造方法、例えば電極上にAuバンプを形成したチップと複数個の接続端子を持つ基板やテープなどの接続部とを位置合わせした後、チップ裏面を真空吸着保持したホーンによって荷重,超音波および熱エネルギーが印加され、チップとリード接続部とを接続することにより、実装している。この時、ホーンの温度は常に一定であり、またリード接続部上にはチップ接続前に液状の樹脂を塗布するか、シート状の樹脂を貼り付けるかしている。あるいは、チップを接続した後、チップとリード接続部との隙間から液状の樹脂を注入することにより、接続部を封止するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5(a)〜(d)はそれぞれ上述した従来の一例を説明するための製造各部材の温度や荷重等の特性図である。まず、図5(a)に示すように、ステージ(図示省略)上に載置される基板は、チップを接続するための接続端子(リード)を覆うように、アンダーフィル材(UF材)を塗布するか、あるいは貼り付けるが、このときのUF材の温度T3は、UF材の軟化温度以上で且つ硬化開始温度以下で一定である。
【0004】
一方、図5(b)に示すように、基板に接続固定されるチップ(図示省略)は、ホーン(図示省略)に裏面側を真空吸着され、ホーンと共にほぼ均一の温度T4に保持される。この温度T4は前述した温度T3より高く、ホーンの超音波振幅を一定の振幅に保つために、一定の温度となっている。
【0005】
また、図5(c)に示すように、チップが基板に接続される時にチップにかかる荷重は、一定もしくは時間とともに増加する。すなわち、1バンプあたりに加わる荷重は、UF材が軟化するまで急激に増加するが、UF材が硬化すると、それに伴って荷重が分散されるので、1バンプあたりの荷重は減少する。
【0006】
さらに、図5(d)に示すように、ホーンに加わる超音波の発振のタイミグは、UF材の軟化または除去、もしくはその両方を促進するために、所定時間(t)の超音波パルス(US−P)が印加される。
【0007】
このように、従来の製法は、バンプ付き半導体チップを基板の電極に実装する際に、超音波を加える実装方法とするものであり、その結果、低荷重実装やフラックレス実装を可能とするものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−26922号公報(第3,4頁、第1〜3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の製法は、ホーンの共振点を一定に保ち、安定した超音波振幅を得るため、ホーンそのものに対し、ある任意の温度における熱膨張による共振点の位置ずれを考慮した設計にする必要がある。このため、異なる温度条件にて使用することは困難であるため、ホーンの共振点を一定に保ち、接合時の温度を常に一定にしなければならない。
【0010】
したがって、従来は、接合時の温度が樹脂硬化温度より高い場合、リードとバンプの接合が完了する前に封止樹脂の硬化が進行するため、樹脂によりバンプの塑性変形が阻害され、電気的接合を得られなくなるか、あるいはリードとバンプの間に樹脂が存在するために信頼性が低下するという問題がある。
【0011】
また、従来の製法は、接合時の温度が樹脂硬化温度より低い場合、樹脂が硬化せず、降温時にストレスがバンプとリードの接合部に加わり、接合部が破断するか、あるいは電気的に接触不良となるという欠点がある。
【0012】
本発明の目的は、このような超音波併用の熱圧着にあたり、信頼性の高い金属接合を実現すること、すなわちアンダーフィル材がホーンの熱によりチップ接続前に硬化したり、あるいはチップ接続が完了しても未硬化のままだったりすることのない半導体製造装置および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体製造装置は、 樹脂が供給された基板に対し金バンプを形成したチップを吸着して位置合わせを行うとともに、超音波印加手段を備えて前記樹脂を軟化させ前記チップを前記基板上に接合するホーンと、前記ホーンの外部に配置され且つ前記ホーンが位置合わせされてから前記樹脂の硬化のために印加される加熱装置と、前記ホーンの外部に配置され且つ前記ホーンが接合した前記チップを離れてから前記ホーンを冷却する冷却装置とを有して構成される。
【0014】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、基板に供給された樹脂を軟化させ且つ硬化反応が開始する温度よりも低い温度領域にて、超音波を併用しながら熱圧着治具によりチップの金バンプと基板上に形成された金めっきリードを金属接合する接合工程と、前記金バンプと前記金めっきリードの接続完了後にチップ保持具を間接的に加熱し、封止樹脂の硬化温度を達成する樹脂加熱硬化工程と、前記チップの接続完了後に前記チップ保持具に対し、前記基板に供給された樹脂の軟化温度まで冷却する冷却工程とを含んで構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、超音波併用の熱圧着方式によるAuバンプと基板の接続およびその接続部の樹脂封止を同一プロセスにて行うものである。特に、樹脂硬化温度以下の温度でAuバンプと基板の接続を超音波併用の熱圧着で完了し、その接続完了後に、外部から接続部に対して熱エネルギーを与えて封止樹脂の硬化温度に上昇させることを特徴としている。以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1(a)〜(d)はそれぞれ本発明における製造方法の一実施の形態を説明するための工程順に示した半導体装置の斜視図である。まず、図1(a)に示すように、本実施の形態は、X,Y,Z軸方向の駆動機構(図示省略)を備えたステージ1上に半導体チップを搭載するための基板2を載置する。その際、基板上に配置され且つチップと電気的接続を取るためのリード部に対して、アンダーフィル材(UF材)3を貼り付けるか、または塗布する。このとき、UF材3の温度は、ステージ1からの加熱によりUF材軟化温度にて一定温度に保たれる。
【0017】
ついで、図1(b)に示すように、トレーなどに配置され且つAuバンプ5Aを被着したAuバンプ付きチップ5を超音波振動を与えるためのホーン4の底面で真空吸着し、移動機構(図示省略)によって、例えば直線的に、移動させる。しかる後、チップ5を保持したホーン4をステージ1上の基板2に対して位置合わせを行い、ホーン4をUF材3上に下降させる。また、このときのホーン4(あるいはチップ5)の温度は、UF材3が軟化し且つ硬化しない温度に設定される。
【0018】
ついで、図1(c)に示すように、UF材3上にチップ5が移送されてくると、UF材3は上下からの加熱によりゲル化し、硬化反応加熱温度以下で超音波併用熱圧着方式により、金バンプ5Aとリード接続部の金属接合を行う。この金属接合が完了すると、樹脂部となっているUF材3に対し、チップ保持機構の外部に設けられた加熱装置6により熱エネルギー与え、UF材3の硬化反応温度を得る。この接続時にチップ5に対し印加される荷重は、1バンプあたり10〜50gが適当である。
【0019】
さらに、図1(d)に示すように、UF材3の硬化が完了すると、ホーン4はチップ5の吸着を解放し、上昇する。その際、ホーン4の温度は、UF材3の硬化反応温度近傍まで上昇しているため、ホーン4とは別に設けられた冷却装置7により冷却され、所定の温度まで下げられる。
【0020】
以上により、金バンプ5Aが形成された1つのチップ5を、UF材3があらかじめ供給された基板2などのリード接続部にフリップチップ実装することができる。
【0021】
図2は図1における半導体装置の製造手順の概略を説明するための工程フロー図である。図2に示すように、まず製造工程における第1のステップS1は、ステージ上の基板に形成されたリード接続部(インターポーザ)に対し、UF材を塗布もしくは貼り付ける。
【0022】
ついで、ステップS2では、電極上に金バンプが形成されたLSIチップを超音波印加が可能なホーンに吸着保持させる。すなわち、ホーンがチップ受け渡し位置まで移動し、金バンプが形成されていないチップ裏面側をホーンが吸着する向きで受け渡し、ホーンに真空吸着することで保持する。一方、ステージ上では、チップの金バンプ形成面と対向する位置に、UF材を貼り付け、または塗布したインタポーザを配置する。
【0023】
ついで、ステップS3では、ホーンがチップを吸着保持して移動中も、超音波振幅を一定に保つため、ホーン温度は一定に設定される。そのときの温度は、UF材が軟化し且つ硬化しない温度である。なお、ホーンの各部の寸法は、その温度で最も効率よくリード接合部に超音波エネルギーを伝達可能であるように設計されている。
【0024】
ついで、ステップS4では、チップを吸着した状態でホーンが降下し、チップとリード接続部との位置合わせを行う。この位置合わせ後、チップを保持したまま、金バンプがリード接続部に接触するまでホーンを変位させる。
【0025】
ついで、ステップS5では、金バンプの先端がリード接続部に接触した後、ホーンより超音波を印加し、超音波併用の熱圧着により金バンプとリード接続部を接合する。この状態では、UF材は未だ硬化していない。
【0026】
ついで、ステップS6では、ホーンより超音波印加後、ホーンとチップとリード接続部はその位置を保持する。しかる後、荷重が接続部に印加された状態でホーンとは別の加熱装置から熱エネルギーをホーンに加え、UF材を硬化温度に到達させる。すなわち、UF材を硬化させる。また、外部から熱エネルギーを与える手法として、十分な熱容量を持つヒータブロックをホーンに近接させるなどの方法を用いる。
【0027】
ついで、ステップS7では、UF材の硬化完了後、ホーンはチップの吸着を解放し、受け渡し位置に変位するため、上昇する。
【0028】
最後に、ステップS8では、ホーンを冷却装置、例えばエアブロー等により冷却する。このホーンの冷却温度は、UF材が軟化し且つ硬化しない温度まで冷却される。
【0029】
図3は本発明における製造装置の一実施の形態を説明する概略半導体製造装置の斜視図である。図3に示すように、本実施の形態における半導体製造装置は複数の電極上に金バンプを形成されたLSIチップ5を吸着する超音波併用の熱圧着ホーン4およびホーン4を外部から加熱するヒータなどの加熱装置6を備えた超音波併用の熱圧着装置と、ホーン4を外部から冷却するホーン冷却装置7とを有している。この超音波併用熱圧着ホーン4は、かかるチップ5を基板2などの金メッキされた複数のリード接続部に対し実装するにあたり、リード接続部上に塗布もしくは貼り付けられたUF材3を軟化させる機能を持っている。また、この熱圧着ホーン4は、チップ5とリード接続部の位置合せを行うとともに、超音波を印加し、チップ5を保持しているホーン部を内部から加熱する機能を備えている。さらに、これらの金バンプとリード接続部の位置合わせが完了すると、超音波を併用した熱圧着方式によって基板2のリードとチップ5の金バンプとの金属接合を得る。
【0030】
上述したように、金属接合する樹脂部の温度は、樹脂が硬化反応を開始する温度より低温に設定され、金属接合完了後に、外部の加熱装置6からUF材(アンダーフィル樹脂部)に熱エネルギーを与える。この結果、アンダーフィル樹脂が硬化開始温度に達し、アンダーフィル樹脂による封止が完了する。封止完了後、ホーン4は冷却装置7により冷却され、樹脂が硬化反応を開始する温度よりも低い設定値に戻る。
【0031】
図4(a)〜(d)はそれぞれ図1における製造各部材の温度や荷重等の特性図である。まず、図4(a)に示すように、ステージ1上に載置される基板2は、チップ5を接続するための接続端子(リード)を覆うように、アンダーフィル材(UF材)3を塗布するか、あるいは貼り付けるが、このときのUF材3の温度は、UF材の軟化温度T1まで増加する。UF材の軟化温度T1に達すると、ほぼ一定となる。さらに、UF材3がゲル化し、外部の加熱装置6によってUF材3の温度が上昇し、硬化温度T2になると、UF材3が硬化する。このUF材3が硬化した後は、冷却装置7によりホーン4が冷却されるため、UF材3は初期の温度まで下がる。
【0032】
一方、図4(b)に示すように、基板2に接続固定されるチップ5は、ホーン4に裏面側を真空吸着され、ホーン4と共にほぼ均一の温度T1′に保持される。この温度T1′は、ホーンの超音波振幅を一定に保つために、超音波(US)印加中は一定に保たれる。外部加熱装置6により、ホーン温度がT2′に上昇すると、UF材3が硬化温度T2に達する。UF材3が硬化すると、ホーン4の温度は、再度均一の温度T1′に保持される。
【0033】
また、図4(c)に示すように、チップが基板に接続される時にチップにかかる荷重は、USエネルギーが効率よく伝達するような特性が得られるように設定される。
【0034】
さらに、図4(d)に示すように、ホーン4に加わる超音波の発振のタイミグは、印加される荷重が金バンプとリードの接続を得る上で最適な値に到達した時点となる。
【0035】
上述した本実施の形態について説明したが、本実施の形態における半導体製造装置および半導体装置の製造方法によれば、次のような利点が得られる。
【0036】
(1)本実施の形態によれば、熱膨張による超音波ホーンの長さの変化を考慮することなく、超音波併用熱圧着プロセスとアンダーフィル材による接合部の封止が可能であるため、超音波併用熱圧着工法による信頼性の高い金属接合と、アンダーフィル材による接合部の封止とを同一工程中で行えるので、製造工程の簡略化,製造装置の小型化および装置操作の簡易化を実現できる。
【0037】
(2)本実施の形態によれば、チップ上に形成された金バンプとインタポーザ側の金めっきリードの接合が行われる時はアンダーフィル材が未硬化であるため、荷重,超音波,バンプ潰れ高さ等の金バンプとリードの接合に関わるプロセスパラメータの制御を容易に実現できる。
【0038】
(3)本実施の形態によれば、接合完了後すぐに荷重を解放することなく、チップおよび基板が降温するため、降温時に発生する基板およびアンダーフィル材の収縮ストレスから接合部を保護することが可能になる。
【0039】
(4)本実施の形態によれば、チップ接合時の荷重を解放せずに硬化を行うため、熱による基板およびチップの反りの影響を受けることなく、アンダーフィル材の硬化を実現できる。
【0040】
(5)本実施の形態によれば、接合と硬化を同一のホーンにて連続して行うため、アンダーフィル材が降温することなく硬化することが可能であるため、アンダーフィル材の信頼性を損うことなく封止することが可能である。
【0041】
(6)本実施の形態によれば、金属接合完了後、降温せずに封止を完了するため、インタポーザとチップの熱膨張率の違いに起因するバンプとリードの電気的オープン不良を防止できる。そのため、従来と比較して低エネルギーでの金バンプと金めっきリードの接合が可能となるので、チップ上の電極パッドへのダメージを低減でき、チップ裏面へのダメージを避けることができるとともに、またホーンの摩耗を低減することができる。
【0042】
(7)本実施の形態によれば、ホーンの外部から熱エネルギーを与え、封止完了後、外部からの熱エネルギーの供給を停止し、しかる後に冷却装置により冷却するため、短時間での降温が可能となり、高い生産性を実現できる。
【0043】
(8)本実施の形態によれば、樹脂を供給後にチップを搭載するため、インタポーザ上にアンダーフィル材を塗布するための空間を必要とせず、デバイスの小型,軽量化が可能となり、また塗布領域を考慮する必要がない為、設計自由度を拡大することができる。
【0044】
要するに、上述した利点は、次のような理由に基ずいている。
▲1▼ 金バンプとリードの接合完了後、超音波併用熱圧着のホーン温度を昇温させるため、温度変化によるホーン長の変化を考慮することなく、ホーンの温度をアンダーフィル材の軟化温度から硬化温度まで昇温することが可能となることによる。
▲2▼ 接合開始時のホーンは、アンダーフィル材の軟化温度に設定されているため、金バンプとリードの接合時にはアンダーフィル材が硬化することがなく、また超音波併用熱圧着後にホーンを昇温させるため、効率的に超音波を接合部に印加できることによる。
▲3▼ アンダーフィル材の硬化は、金バンプとリードの接合後に行われるため、接合のパラメータ設定が容易であることによる。
▲4▼ 接合完了からアンダーフィル硬化までにインタポーザは降温しないため、アンダーフィル材が塗布される前に接合部に直接応力が加わることはないことによる。
▲5▼ アンダーフィル材を硬化する際、加熱されるホーンはステージと比較して熱容量が小さいため、短時間で加熱,冷却できることによる。
▲6▼ バンプとリードを接合するホーンとアンダーフィル材硬化のためのホーンとが同一であるため、製造装置の小型化,低価格化,操作の容易化が可能であることによる。
【0045】
上述した一実施の形態におけるアンダーフィル材としては、NCF(Non Conductive Film),ACF(Anisotropy Conductive Film)等のシート状アンダーフィル材、またはNCP(Non−Conductive Paste),ACP(Anisotropy Conductive Paste)等の液状樹脂を用いることができる。
【0046】
また、チップを搭載する基板は、単層またはビルドアップ層や導電ペーストにより多層配線された多層配線基板を用いたり、またはセラミック多層または単層セラミック基板を用いることができる。さらに、単層,多層配線されたテープ基板を用いてもよい。
【0047】
また、バンプとリードの金属接合完了後に行なうアンダーフィル樹脂部の加熱は、ホーンの外部に設けられた赤外線またはレーザを用いることもできるし、さらに封止完了後の設定値へのホーン部冷却は、エアブロー装置に代えて、冷却ファンを用いて行なってもよい。
【0048】
また、樹脂硬化時の加熱および封止完了後、設定値へのホーン部冷却はペルチェ素子を用いて行なってもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体製造装置および半導体装置の製造方法は、熱膨張による超音波ホーンの長さの変化を考慮することなく、超音波併用熱圧着プロセスとシート材による接合部の封止が可能であるため、超音波併用熱圧着工法による信頼性の高い金属接合と、アンダーフィル材による接合部の封止とを同一工程中で可能とし、工程の簡略化,製造装置の小型化および装置操作の簡易化を実現できるという効果がある。
【0050】
また、本発明は、チップ上に形成された金バンプとインタポーザ側の金めっきリードの接合を行うとき時アンダーフィル材が未硬化であるため、荷重,超音波,バンプ潰れ高さなどの金バンプとリードの接合に関わるプロセスパラメータの制御を容易にできるという効果がある。
【0051】
また、本発明は、接合完了直後に加重を解放することなく、またチップおよび基板を降温することなく封止するため、降温時に発生するストレスが機械的強度の低いバンプとリードの接合部に加わることを避け、接合部を保護することが可能となるという効果がある。
【0052】
また、本発明は、チップ接合時の荷重を解放せずに硬化を行うため、熱による基板およびチップの反りの影響を受けることなくアンダーフィル材の硬化を可能にするという効果がある。
【0053】
また、本発明は、接合と硬化を同一のホーンにて連続して行うため、アンダーフィル材が硬化後、降温することなく硬化することが可能であるため、アンダーフィル材の信頼性を損うことなく封止できるという効果がある。
【0054】
また、本発明は、金属接合完了後、降温せずに封止を完了するため、インタポーザとチップの熱膨張率の違いに起因するバンプとリードの電気的オープン不良を防止できるので、低エネルギーでの金バンプと金めっきリードの接合を実現し、チップ上の電極パッドのダメージ低減と、チップ裏面へのダメージ防止と、ホーンの摩耗低減とを可能にするという効果がある。
【0055】
また、本発明は、ホーンの外部から熱エネルギーを与え、封止完了後、外部からの熱エネルギーの供給を停止し、冷却装置により冷却することにより、短時間で降温が可能となり、高い生産性を実現できるという効果がある。
【0056】
さらに、本発明は、樹脂を供給後、チップを搭載するため、インタポーザ上にアンダーフィル材を塗布するための空間を必要とせず、デバイスの小型,軽量化を可能にし、塗布領域を考慮する必要がない為、設計自由度を拡大できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における製造方法の一実施の形態を説明するための工程順に示した半導体装置の斜視図である。
【図2】図1における半導体装置の製造手順の概略を説明するための工程フロー図である。
【図3】本発明における製造装置の一実施の形態を説明する概略半導体製造装置の斜視図である。
【図4】図1における製造各部材の温度や荷重等の特性図である。
【図5】従来の一例を説明するための製造各部材の温度や荷重等の特性図である。
【符号の説明】
1 ステージ
2 基板
3 アンダーフィル材(UF材)
4 ホーン
5 Auバンプ付きチップ
6 加熱装置
7 冷却装置
Claims (8)
- 樹脂が供給された基板に対し金バンプを形成したチップを吸着して位置合わせを行うとともに、超音波印加手段を備えて前記樹脂を軟化させ前記チップを前記基板上に接合するホーンと、前記ホーンの外部に配置され且つ前記ホーンが位置合わせされてから前記樹脂の硬化のために印加される加熱装置と、前記ホーンの外部に配置され且つ前記ホーンが接合した前記チップを離れてから前記ホーンを冷却する冷却装置とを有することを特徴とする半導体製造装置。
- 前記超音波印加手段は、樹脂が十分軟化し且つ硬化反応開始温度以下のある温度にて最適な超音波振幅が得られるように設計されていることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
- 前記超音波印加手段は、封止樹脂を硬化させるための前記加熱装置とは分離されていることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
- 前記加熱装置は、ヒータによって形成され、前記基板と前記チップの隙間を充填するアンダーフィル樹脂を加熱することを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
- 前記冷却装置は、前記ホーンを冷却するためのエアブロー機構または冷却ファンまたはペルチェ素子またはそれらの組み合わせ機構により実現されることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
- 基板に供給された樹脂を軟化させ且つ硬化反応が開始する温度よりも低い温度領域にて、超音波を併用しながら熱圧着治具によりチップの金バンプと基板上に形成された金めっきリードを金属接合する接合工程と、前記金バンプと前記金めっきリードの接続完了後にチップ保持具を間接的に加熱し、封止樹脂の硬化温度を達成する樹脂加熱硬化工程と、前記チップの接続完了後に前記チップ保持具に対し、前記基板に供給された樹脂の軟化温度まで冷却する冷却工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記接合工程において、接続時に前記チップに対し印加される荷重は、1バンプあたり10〜50gであることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
- 前記樹脂加熱硬化工程における加熱方式は、電熱線による方式または赤外線加熱方式またはレーザ加熱方式を用いることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2003152747A JP2004356419A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 半導体製造装置および半導体装置の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7566586B2 (en) | 2006-05-11 | 2009-07-28 | Fujitsu Limited | Method of manufacturing a semiconductor device |
-
2003
- 2003-05-29 JP JP2003152747A patent/JP2004356419A/ja active Pending
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