JP2004354617A - フォトニック結晶とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板上方に形成された屈折率の異なる少なくとも2つの媒質を含み、上記媒質のうち1の媒質5が他の媒質中で周期的に配列されている、フォトニック結晶4であって、フォトニック結晶4はその側面に劈開面2を有しており、上記1の媒質5の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトルS2の方向と上記劈開面2とが所望の角度を為しているフォトニック結晶4とその製造方法である。ここで、基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つの基本並進ベクトルS1の方向と劈開面2とが平行であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフォトニック結晶とその製造方法に関し、特に外部からの光を効率良く導入することができ、高い歩留まりで生産可能なフォトニック結晶とその製造方法に関する。なお、本発明における「光」の用語の意味は、可視光に比べて波長の長いまたは短い電磁波をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、屈折率が周期的に分布する周期構造を有し、2種類以上の誘電体や半導体等の材料からなる多層構造のフォトニック結晶が注目されている。このフォトニック結晶においては、材料の持つ屈折率や周期構造などを適切に設定するとフォトニックバンドギャップと呼ばれる光伝搬を禁止する周波数帯が現れ、フォトニック結晶中における特定の周波数を有する光の伝搬を抑制することができる。さらに、フォトニック結晶の周期構造に欠陥を導入することによりフォトニックバンドギャップ中にフォトニック結晶中における光の伝搬を可能にする周波数帯が現れ、フォトニック結晶中の光を自在に曲げたり分岐させたりすることができる。このような特長を利用すれば、フォトニック結晶を光共振器や光導波路に応用することが可能となり、将来的にはフォトニック結晶を用いた超小型光回路や光分波器などの実現も期待されている。
【0003】
このようなフォトニック結晶の作製に利用することができる方法が、例えば特許文献1および特許文献2などに開示されている。
【0004】
特許文献1に開示されている方法は、フォトリソグラフィ工程において光学露光装置を用いてフォトレジストに格子パターンを露光する露光方法に関するものであり、少なくとも2種類の異なるパターンを多重露光することによってパターニングすることを特徴としている。この方法により、露光部と非露光部との光強度のコントラストを大きくすることができ、より微細な格子パターンが形成され得る。
【0005】
また、特許文献2に開示されている方法は、単結晶基板上に半導体層を形成した後、原子間力顕微鏡微細加工法などを用いて、この半導体層の表面を周期的に酸化することにより微細な酸化物マスクを形成し、その後半導体層上に所定の薄膜材料層を形成する際に、酸化物マスクが形成された部位には薄膜材料層が形成されず、酸化物マスクが形成されていない部位には薄膜材料層が形成されることを利用した方法である。この方法を用いれば、サブミクロンオーダーの損傷ない高品質なフォトニック結晶が作製され得る。
【0006】
しかしながら、上述の作製方法によって作製されたフォトニック結晶においては、フォトニック結晶中に外部からの光が効率良く導入されないことがあった。外部からの光が効率良く導入されないフォトニック結晶からなる光回路部品は不良品となるため、外部からの光を効率良く導入することができるフォトニック結晶を高い歩留まりで生産することによって、フォトニック結晶からなる光回路部品の製造歩留まりを向上させる必要があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−150340号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−162459号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、外部からの光を効率良く導入することができ、高い歩留まりで生産可能なフォトニック結晶とその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体基板上方に形成された屈折率の異なる少なくとも2つの媒質を含み、上記媒質のうち1の媒質が他の媒質中で周期的に配列されている、フォトニック結晶であって、上記フォトニック結晶はその側面に劈開された面を有しており、上記1の媒質の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向と上記劈開された面とが所定の角度を為しているフォトニック結晶である。
【0011】
ここで、本発明のフォトニック結晶においては、上記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つまたは上記基本並進ベクトルを合成した合成ベクトルの方向のうち少なくとも1つが、上記劈開された面と平行であり得る。
【0012】
また、本発明のフォトニック結晶においては、半導体基板上に媒質を形成した後に、1の媒質を他の媒質中で周期的に配列させ得る。
【0013】
また、本発明のフォトニック結晶においては、半導体基板上に酸化物マスクを積層した後に、酸化物マスクに周期的な配列パターンを形成し、酸化物マスクが形成されている部位には媒質を形成せず、酸化物マスクが形成されていない部位には媒質を形成して、1の媒質を他の媒質中で周期的に配列させ得る。
【0014】
また、本発明のフォトニック結晶において、上記半導体基板は、ヒ化ガリウム、ケイ素またはリン化インジウムのいずれかからなる基板であり得る。
【0015】
また、本発明のフォトニック結晶においては、上記1の媒質の周期的な配列パターンが三角格子を形成しており、上記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに30°回転させた方向と上記劈開された面とが平行であり得る。
【0016】
また、本発明のフォトニック結晶においては、上記1の媒質の周期的な配列パターンが正方格子を形成しており、上記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに45°回転させた方向と上記劈開された面とが平行であり得る。
【0017】
さらに、本発明は、半導体基板上に形成された、屈折率の異なる少なくとも2つの媒質を含み、媒質のうち1の媒質が他の媒質中で周期的に配列されているフォトニック結晶の製造方法において、半導体基板を含む積層体に劈開された面を少なくとも1つ形成する工程と、1の媒質の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向と積層体の劈開された面とが所定の角度を為すように1の媒質を形成する工程とを含むフォトニック結晶の製造方法である。
【0018】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法においては、上記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つまたは上記基本並進ベクトルを合成した合成ベクトルの方向のうち少なくとも1つが、上記劈開された面と平行であり得る。
【0019】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法においては、半導体基板上に媒質を形成した後に、1の媒質を他の媒質中で周期的に配列させ得る。
【0020】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法においては、半導体基板上に酸化物マスクを積層した後、酸化物マスクに周期的な配列パターンを形成し、媒質を積層することにより酸化物マスクが形成された部位には媒質を形成せず、酸化物マスクが形成されていない部位には媒質を形成して、1の媒質を他の媒質中で周期的に配列させ得る。
【0021】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法において、上記半導体基板は、ヒ化ガリウム、ケイ素またはリン化インジウムのいずれかからなる基板であり得る。
【0022】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法においては、上記1の媒質の周期的な配列パターンが三角格子を形成しており、上記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに30°回転させた方向と上記劈開された面とが平行であり得る。
【0023】
また、本発明のフォトニック結晶の製造方法においては、上記1の媒質の周期的な配列パターンが正方格子を形成しており、上記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに45°回転させた方向と上記劈開された面とが平行であり得る。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
【0025】
(実施の形態1)
図1(A)に本発明の実施の形態1によるフォトニック結晶を含むウエハの好ましい一例の模式的な上面図を示し、図1(B)に本発明の実施の形態1によるフォトニック結晶の好ましい一例の模式的な上面図を示す。
【0026】
図1(A)に示すように、フォトニック結晶4を含むウエハ1は、その端部に、劈開された面2および劈開された面3を有している。そして、ウエハ1を劈開して得られたフォトニック結晶4は、図1(B)に示すように、半導体中に周期的に配列されている円柱状の複数の孔5を有しており、複数の孔5中には空気が存在している。また、フォトニック結晶4は、劈開された面2および劈開された面3aを有している。そして、半導体中の空気の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトルとして基本並進ベクトルS1およびS2を採用し得るが、そのうち基本並進ベクトルS1の方向と劈開された面2とは平行である。
【0027】
これは、本発明者がフォトニック結晶からなる光回路部品における歩留まりの低下について原因を調査した結果、フォトニック結晶の屈折率分布の周期構造を構成する1の媒質(例えば、空気)の他の媒質(例えば、半導体)中における周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向とフォトニック結晶の端面とが為す角度が大きく影響していることを見出したためである。
【0028】
すなわち、図7の拡大上面図に示すように、フォトニック結晶4aの端面2aと半導体に形成された複数の孔5中の空気の基本並進ベクトルS1の方向とが平行でない場合には、端面2aに対して垂直に入射した外部からの光7がフォトニック結晶4aにうまく入り込めないことがあった。それゆえ、フォトニック結晶4aに外部からの光7を効率良く導入することができず、ひいてはフォトニック結晶4aからなる光回路部品の製造歩留まりが低下する原因となっていた。
【0029】
そこで、図1に示すように、あらかじめフォトニック結晶4を含むウエハ1の端部を劈開して劈開された面2を形成しておき、この劈開された面2を基準として、この劈開された面2と少なくとも1つの基本並進ベクトルS1の方向とを平行に形成する。
【0030】
そして、(001)面を表面とするウエハ1をA1からAn(nは2以上の整数)まで<010>方向にn回、B1からBm(mは2以上の整数)まで<100>方向にm回、それぞれ等間隔に劈開して複数のフォトニック結晶に分割することによって、ウエハ1に含まれるすべてのフォトニック結晶4において、複数の孔5中に存在する空気の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向の少なくとも1つを劈開された面2と平行にすることができるのである。また、劈開された面2および劈開された面3とウエハ1の劈開方向とは必然的に平行になることから、ウエハ1の劈開方向を改めて設定し直す必要がない。それゆえ、本発明においては、外部からの光を効率良く導入することができるフォトニック結晶を高い歩留まりで生産することができるのである。
【0031】
図2(E)は、図1(B)に示されたフォトニック結晶4における線X2−X2に沿った模式的な断面の一部を表わしている。このフォトニック結晶4は、GaAsからなる半導体基板11と、半導体基板11上に積層されたAlxGa1−xAs(0<x<1)の式で表わされる半導体からなるクラッド層12と、クラッド層12上に積層されたGaAsからなるコア層13と、コア層13に周期的に配列されている複数の孔5とを含む。
【0032】
このフォトニック結晶4の製造方法の好ましい一例を、以下に説明する。まず、図2(A)に示すように、半導体基板11を用意し、この半導体基板11上に、分子線エピタキシー(MBE)法または有機金属気相成長(MOCVD)法等を用いて、クラッド層12およびコア層13を順次エピタキシャル成長させて積層体10を形成する。そして、積層体10の端部を劈開する。
【0033】
次いで、図2(B)に示すように、コア層13上にフォトレジスト14を塗布する。そして、図2(C)に示すように、周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つの基本並進ベクトル方向と、積層体10の劈開された面とが平行になるように基本並進ベクトル方向に沿って複数の穴15をフォトレジスト14に形成する。
【0034】
その後、図2(D)に示すように、複数の穴が形成されたフォトレジスト14をマスクとしてコア層13を垂直にエッチングする。このとき、コア層13に上記基本並進ベクトル方向に沿って周期的に配列する複数の孔5が形成される。最後に、フォトレジスト14を剥離液等で除去し、複数のフォトニック結晶4が含まれているウエハを劈開することによって、図2(E)に示す構成の本発明の実施の形態1によるフォトニック結晶4が形成される。
【0035】
このフォトニック結晶4においては、図3(A)の模式的拡大上面図に示すように、半導体に形成された複数の孔5中の空気の周期的な配列パターンが三角格子を形成している。また、孔5aを中心として基本並進ベクトル方向を右に30°回転させることにより、例えば図3(B)の模式的拡大上面図に示すように、基本並進ベクトルα1と基本並進ベクトルα2とを合成した合成ベクトル(α1+α2)の方向を劈開された面2と平行にすることもできる。さらに、図3(B)においては、基本並進ベクトルα2の方向を右に30°回転させた方向と劈開された面2とは平行になる。
【0036】
これにより、基本並進ベクトル方向と異なる方向に導波路が形成された場合でも、外部からの光を効率良く導入することができるフォトニック結晶を高い歩留まりで生産することが可能となる。
【0037】
ここで、基本並進ベクトル方向を回転させる方法の一例としては、例えば図6の模式的概念図に示すように、フォトレジスト14塗布後の積層体10に対して露光マスク41を左右いずれかの方向に所定の角度回転させた後、露光マスク41の上方から光を照射し、光学レンズ42を介して積層体10上のフォトレジスト14を露光し、露光されたフォトレジスト14を除去して残されたフォトレジスト14をマスクとして積層体10をエッチングする方法等がある。
【0038】
なお、本実施の形態においては、2つの互いに直交する劈開された面2および劈開された面3を形成したが、劈開された面2および劈開された面3のいずれか一方のみを形成して、この劈開された面を基準として、上記基本並進ベクトル方向に沿った複数の孔5を形成してもよい。ただし、本実施の形態のように劈開された面を2つ形成した場合には、1つの劈開された面を基準として利用し、もう1つの劈開された面を確認用として利用することで、フォトニック結晶4により精度良く複数の孔5を周期的に配列させることが可能となる。
【0039】
また、本実施の形態においては、半導体基板11としてGaAsからなる基板を用いたが、劈開性を有する基板であればGaAsからなる基板に限らず、ケイ素(Si)またはリン化インジウム(InP)からなる基板を用いることもできる。Siからなる基板を用いた場合には、SOI(Silicon On Insulator)からなる基板とすることで、Siをコア層として用いることができるため、フォトニック結晶の微細加工がしやすくなるというメリットがある。また、InPからなる基板を用いた場合には、この基板に格子整合し、InGaAsPの式で表わされる混晶半導体をこの基板上に成長させることができる。InGaAsPの式で表わされる混晶半導体は表面準位が形成されにくいことから、フォトニック結晶中に伝搬する光の吸収が抑制されるため、光損失の小さいフォトニック結晶を形成することができる。
【0040】
また、本実施の形態においては、複数の孔5が周期的に配列したフォトニック結晶の製造方法を示したが、図6に示す露光マスク41において、光の透過部分と遮光部分とを反転させることにより、半導体からなるピラーを三角格子状に周期的に配列させることもできる。また、本実施の形態においては、1の媒質として空気を、他の媒質として半導体を用いたが、これら以外の媒質を用いてもよいことは言うまでもない。また、用いられる媒質は2種類だけでなく、3種類以上の屈折率の異なる媒質を用いてもよく、その中の少なくとも1の媒質が他の媒質中で周期的に配列されていてもよい。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2によるフォトニック結晶は、図4(A)の模式的拡大上面図に示すように、複数の孔5中の空気の周期的な配列パターンが実施の形態1のような三角格子ではなく、正方格子を形成している点に特徴がある。
【0042】
また、孔5aを中心として基本並進ベクトル方向を左に45°回転させることにより、図4(B)の模式的拡大上面図に示すように、例えば基本並進ベクトルβ1と基本並進ベクトルβ2とを合成した基本並進ベクトル(β1+β2)の方向を、劈開された面2と平行にすることもできる。さらに、図4(B)においては、基本並進ベクトルβ2の方向を左に45°回転させた方向と劈開された面2とは平行になる。その他の説明は、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0043】
(実施の形態3)
実施の形態3によるフォトニック結晶は、実施の形態1および実施の形態2と製造方法が異なっている。また、複数の孔中に存在する空気と半導体基板との間に酸化物層が形成されている点でも異なっている。実施の形態3によるフォトニック結晶の製造方法の好ましい一例を以下に説明する。
【0044】
まず、図5(A)の模式的拡大断面図に示すように、GaAsからなる半導体基板11を用意し、この半導体基板11上に、電子ビーム蒸着法等を用いて、SiO2からなる酸化物層22を形成して積層体20を形成する。そして、積層体20の端部を劈開する。
【0045】
次いで、図5(B)に示すように、酸化物層22上にフォトレジスト14を塗布する。そして、図5(C)に示すように、周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向がこの劈開された面と所定の角度を為し、少なくとも1つの基本並進ベクトル方向がこの劈開された面と平行になるように基本並進ベクトル方向に沿って複数の穴15をフォトレジスト14に形成する。ここで、複数の穴15の周期的な配列パターンは実施の形態1の場合と同様に三角格子を形成している。
【0046】
その後、図5(D)に示すように、複数の穴が形成されたフォトレジスト14をマスクとして酸化物層22を垂直にエッチングして酸化物層22を部分的に除去し、半導体基板11の表面を露出させる。このとき、酸化物層22に上記基本並進ベクトル方向に沿って周期的に配列する複数の孔5が形成される。次に、図5(E)に示すように、フォトレジスト14を剥離液等で除去する。
【0047】
そして、図5(F)に示すように、露出させた半導体基板11の表面上にAl0.5Ga0.5Asからなる下部クラッド層24、GaAsからなるコア層25およびAl0.5Ga0.5Asからなる上部クラッド層26をMBE法またはMOCVD法等を用いて、順次エピタキシャル成長させる。この時、酸化物層22上には、これらの層は成長しない。
【0048】
最後に、実施の形態3によるフォトニック結晶が複数含まれているウエハを劈開することによって、劈開された面と平行となる基本並進ベクトル方向に沿って周期的に配列されている複数の孔5を有する本発明の実施の形態3によるフォトニック結晶が形成される。なお、本実施の形態を踏まえて、図6に示す露光マスク41において、光の透過部分と遮光部分とを反転させることにより、半導体からなるピラーを三角格子状に周期的に配列させることもできる。
【0049】
ここで、実施の形態3においては、半導体基板11の上方のみに選択的に半導体層をエピタキシャル成長させることによって周期的に配列した複数の孔5が形成されることから、下部クラッド層24、コア層25および上部クラッド層26の表面準位の形成が抑制され得る。それゆえ、フォトニック結晶中に伝搬する光の吸収が抑制されるため、光損失の小さいフォトニック結晶を形成することができる。その他の説明は、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0050】
(実施の形態4)
実施の形態4によるフォトニック結晶は、半導体における複数の孔5中の空気の周期的な配列パターンが実施の形態3のような三角格子ではなく、正方格子を形成している点で実施の形態3と異なっている。
【0051】
また、基本並進ベクトル方向を左右いずれかに45°回転させることにより、基本並進ベクトルを合成した合成ベクトルの方向を、劈開された面と平行にすることもできる。さらに、少なくとも1つの基本並進ベクトルの方向を左右いずれかに45°回転させた方向と上記劈開された面とは平行になる。その他の説明は、実施の形態3と同様であるので、その説明を省略する。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0053】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、外部からの光を効率良く導入することができ、高い歩留まりで生産可能なフォトニック結晶とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態1によるフォトニック結晶を含むウエハの好ましい一例の模式的な上面図であり、(B)は本発明の実施の形態1によるフォトニック結晶の模式的な上面図である。
【図2】(A)は本発明に用いられる半導体基板上にクラッド層およびコア層を順次成長させた積層体の模式的な拡大断面図であり、(B)はフォトレジストが塗布された積層体の模式的な拡大断面図であり、(C)はフォトレジストに複数の穴が形成された積層体の模式的な拡大断面図であり、(D)はエッチング後の積層体の模式的な拡大断面図であり、(E)は図1(B)に示すフォトニック結晶における線X2−X2に沿った模式的な断面の一部を示す図である。
【図3】(A)は本発明の実施の形態1によるフォトニック結晶の模式的な拡大上面図であり、(B)は(A)に示す基本並進ベクトル方向を右に30°回転させたフォトニック結晶の模式的な拡大上面図である。
【図4】(A)は本発明の実施の形態2によるフォトニック結晶の模式的な拡大上面図であり、(B)は(A)に示す基本並進ベクトル方向を左に45°回転させたフォトニック結晶の模式的な拡大上面図である。
【図5】(A)は本発明に用いられる半導体基板上に酸化物層を形成した積層体の模式的な拡大断面図であり、(B)はフォトレジストが塗布された(A)に示す積層体の模式的な拡大断面図であり、(C)はフォトレジストに複数の穴が形成された積層体の模式的な拡大断面図であり、(D)はエッチング後の積層体の模式的な拡大断面図であり、(E)はフォトレジスト除去後の積層体の模式的な拡大断面図であり、(F)は本発明の実施の形態3によるフォトニック結晶が複数含まれているウエハの模式的な拡大断面図である。
【図6】本発明のフォトニック結晶において基本並進ベクトル方向を所定の角度回転させる方法の一例を示した模式的概念図である。
【図7】フォトニック結晶の端面と基本並進ベクトル方向とが平行でないフォトニック結晶の模式的な拡大上面図である。
【符号の説明】
1 ウエハ、2,3,3a 劈開された面、2a 端面、4,4a フォトニック結晶、5,5a 孔、7 光、10,20 積層体、11 半導体基板、12 クラッド層、13,25 コア層、14 フォトレジスト、15 穴、22酸化物層、24 下部クラッド層、26 上部クラッド層、41 露光マスク、42 光学レンズ。
Claims (14)
- 半導体基板上方に形成された屈折率の異なる少なくとも2つの媒質を含み、前記媒質のうち1の媒質が他の媒質中で周期的に配列されている、フォトニック結晶であって、前記フォトニック結晶はその側面に劈開された面を有しており、前記1の媒質の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向と前記劈開された面とが所定の角度を為していることを特徴とする、フォトニック結晶。
- 前記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つまたは前記基本並進ベクトルを合成した合成ベクトルの方向のうち少なくとも1つが、前記劈開された面と平行であることを特徴とする、請求項1に記載のフォトニック結晶。
- 前記半導体基板上に前記媒質を形成した後に、前記1の媒質を前記他の媒質中で周期的に配列させることを特徴とする、請求項1または2に記載のフォトニック結晶。
- 前記半導体基板上に酸化物マスクを積層した後に、前記酸化物マスクに周期的な配列パターンを形成し、前記酸化物マスクが形成されている部位には前記媒質を形成せず、前記酸化物マスクが形成されていない部位には前記媒質を形成して、前記1の媒質を前記他の媒質中で周期的に配列させることを特徴とする、請求項1または2に記載のフォトニック結晶。
- 前記半導体基板は、ヒ化ガリウム、ケイ素またはリン化インジウムのいずれかからなる基板であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のフォトニック結晶。
- 前記1の媒質の周期的な配列パターンが三角格子を形成しており、前記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに30°回転させた方向と前記劈開された面とが平行であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のフォトニック結晶。
- 前記1の媒質の周期的な配列パターンが正方格子を形成しており、前記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに45°回転させた方向と前記劈開された面とが平行であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のフォトニック結晶。
- 半導体基板上に形成された、屈折率の異なる少なくとも2つの媒質を含み、前記媒質のうち1の媒質が他の媒質中で周期的に配列されているフォトニック結晶の製造方法において、前記半導体基板を含む積層体に劈開された面を少なくとも1つ形成する工程と、前記1の媒質の周期的な配列方向を示す基本並進ベクトル方向と前記積層体の劈開された面とが所定の角度を為すように前記1の媒質を形成する工程と、を含むフォトニック結晶の製造方法。
- 前記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つまたは前記基本並進ベクトルを合成した合成ベクトルの方向のうち少なくとも1つが、前記劈開された面と平行であることを特徴とする、請求項8に記載のフォトニック結晶の製造方法。
- 前記半導体基板上に前記媒質を形成した後に、前記1の媒質を前記他の媒質中で周期的に配列させることを特徴とする、請求項8または9に記載のフォトニック結晶。
- 前記半導体基板上に酸化物マスクを積層した後、前記酸化物マスクに周期的な配列パターンを形成し、前記媒質を積層することにより前記酸化物マスクが形成された部位には前記媒質を形成せず、前記酸化物マスクが形成されていない部位には前記媒質を形成して、前記1の媒質を前記他の媒質中で周期的に配列させることを特徴とする請求項8または9に記載のフォトニック結晶の製造方法。
- 前記半導体基板は、ヒ化ガリウム、ケイ素またはリン化インジウムのいずれかからなる基板であることを特徴とする、請求項8から11のいずれかに記載のフォトニック結晶の製造方法。
- 前記1の媒質の周期的な配列パターンが三角格子を形成しており、前記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに30°回転させた方向と前記劈開された面とが平行であることを特徴とする、請求項8から12のいずれかに記載のフォトニック結晶の製造方法。
- 前記1の媒質の周期的な配列パターンが正方格子を形成しており、前記基本並進ベクトル方向のうち少なくとも1つを左右いずれかに45°回転させた方向と前記劈開された面とが平行であることを特徴とする、請求項8から13のいずれかに記載のフォトニック結晶の製造方法。
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