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JP2004354676A - 光源装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光源装置、およびプロジェクタ Download PDF

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JP2004354676A
JP2004354676A JP2003152060A JP2003152060A JP2004354676A JP 2004354676 A JP2004354676 A JP 2004354676A JP 2003152060 A JP2003152060 A JP 2003152060A JP 2003152060 A JP2003152060 A JP 2003152060A JP 2004354676 A JP2004354676 A JP 2004354676A
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Hiroki Sakai
宏樹 酒井
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Abstract

【課題】光の利用効率の向上を図れる光源装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】光源装置10を構成するリフレクタ12は、光源ランプ11から放射された光束のうち、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する第1反射面121B1を有する断面略凹状の第1リフレクタ121と、第1リフレクタ121の外周を覆うように断面略凹状に形成される第2リフレクタ122とを備える。第2リフレクタ122には、第1反射面121B1を透過した特定波長光を可視光に変換する蛍光体122Bと、この蛍光体122Bにて変換された可視光を反射し、該可視光を第1反射面121B1との間で相互に反射させながらリフレクタの凹状先端部分に導光する第2反射面122Aとが設けられている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間で放電発光が行われる発光部、およびこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、この発光管から放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置、およびプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、電極間で放電発光が行われる発行部、およびこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、この発光管を固定し、この発光管から放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置が知られている。
この光源装置において、従来、リフレクタには、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過するコールドミラーが用いられている。このような構成では、発光管から放射される光束のうち、可視光成分しか利用されないため、光の利用効率が悪い。
そこで、発光管から放射される光束の利用効率を高めるために、以下に示す光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この光源装置において、リフレクタは、光源収納空間を有する碗状に形成され、上述したコールドミラーで構成されている。また、リフレクタの外周面には、特定波長光を可視光に変換する蛍光体が塗布され、さらにこの蛍光体上に可視光を反射する反射膜が積層されている。
そして、発光管から放射された光束は、コールドミラーにて可視光が反射されるとともに、コールドミラーを透過した特定波長光が蛍光体にて可視光に変換され、反射膜にて反射されて光源収納空間内に射出される。
このような構成により、発光管から放射される光束のうち、可視光成分のみならず、特定波長光をも利用することができ、光の利用効率を向上させる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−272725号公報(〔0015〕段落、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成では、リフレクタとしてコールドミラーが用いられているので、蛍光体にて変換され反射膜にて反射された可視光は、光源収納空間内に射出されず、コールドミラーにて反射されると考えられる。
したがって、上述した光源装置では、リフレクタを透過した特定波長光を利用することができず、光の利用効率の向上を図れるとは言えない。
【0005】
本発明の目的は、光の利用効率の向上を図れる光源装置、およびプロジェクタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光源装置は、電極間で放電発光が行われる発光部、およびこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、この発光管から放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置であって、前記リフレクタは、前記発光管から放射された光束のうち、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する第1反射面を有する断面略凹状の第1リフレクタと、前記第1リフレクタの外周を覆うように断面略凹状に形成される第2リフレクタとを備え、前記第2リフレクタには、前記第1反射面を透過した特定波長光を可視光に変換する光変換部と、前記光変換部にて変換された可視光を反射し、該可視光を前記第1反射面との間で相互に反射させながら前記リフレクタの凹状先端部分に導光する第2反射面とが設けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、発光管としては、高輝度発光する種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等を採用できる。
また、第1リフレクタとしては、例えば、パラボラリフレクタ、楕円リフレクタ等を採用できる。
さらに、第2リフレクタとしては、断面略凹状の形状を有していればよく、例えば、第1リフレクタと相似関係を有する形状、または第1リフレクタに対して凹状開口部分の開口比率が大きい形状等を採用してもよい。また、この第2リフレクタと第1リフレクタとは、所定の隙間を空けて離間配置してもよく、これらの部材間に光透過性部材が介装された構成を採用してもよい。
さらにまた、光変換部および第2反射面は、例えば、第2リフレクタの凹状内側面に設けられる構成を採用できる。また、第2リフレクタが光透過性部材から構成されている場合には、例えば、これら光変換部および第2反射面を第2リフレクタの凹状外側面に設ける構成、または、光変換部を凹状内側面に設け、第2反射面を凹状外側面に設ける構成も採用できる。さらに、これら光変換部および第2反射面は、第2リフレクタの凹状内側面または凹状外側面全体に亘って設けられる構成に限らず、第2リフレクタの凹状内側面または凹状外側面の一部に設けられる構成も採用できる。
【0008】
本発明によれば、光変換部にて第1リフレクタの第1反射面を透過した特定波長光を可視光に変換し、第2反射面にて光変換部が変換した可視光を第1反射面との間で相互に反射させながら導光し、リフレクタの凹状先端部分から射出できる。したがって、発光管から放射された光束のうち、第1リフレクタにて反射される可視光成分のみならず、第1リフレクタにて透過される特定波長光をも利用でき、光の利用効率を確実に向上できる。
また、光変換部にて変換された可視光は、リフレクタの凹状先端部分から射出されるので、従来の光源装置と比較して、射出される光束の照明光軸から離れた周辺部分の輝度を高くできる。
【0009】
本発明の光源装置は、電極間で放電発光が行われる発光部、およびこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、この発光管から放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置であって、前記リフレクタは、前記発光管から放射された光束のうち、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する第1反射面を有する断面略凹状の第1リフレクタと、前記第1リフレクタの外周を覆うように断面略凹状に形成される第2リフレクタとを備え、前記第2リフレクタには、前記第1反射面を透過した特定波長光を前記リフレクタの凹状先端部分に向けて反射する第2反射面と、前記第2反射面から射出される特定波長光の光路上に位置し、該特定波長光を可視光に変換して射出する光変換部とが設けられていることを特徴とする。
【0010】
ここで、発光管および第1リフレクタは、上述した発光管および第1リフレクタと同様のものを採用できる。
また、第2リフレクタの形状は、上述した第2リフレクタと同様の形状を採用できる。ここで、この第2リフレクタと第1リフレクタとは、上述の光源装置と同様に、所定の隙間を空けて離間配置してもよく、これらの部材間に光透過性部材が介装された構成を採用してもよい。
さらに、第2反射面は、リフレクタの凹状先端部分に向けて反射すればよく、例えば、第1リフレクタと第2リフレクタとの間における凹状先端部分に反射する構成を採用できるが、その配置位置、および配置される数量は特に限定されない。例えば、この第2反射面は、第2リフレクタの凹状内側面、または凹状外側面に設けられる構成を採用できる。
さらにまた、光変換部は、第2反射面から射出される特定波長光の光路上に位置すればよい。例えば、第1リフレクタと第2リフレクタとの間における凹状先端部分の全周に亘って設ける構成を採用できる。
【0011】
本発明によれば、第2反射面にて第1リフレクタの第1反射面を透過した特定波長光をリフレクタの凹状先端部分に向けて反射し、光変換部にて第2反射面から射出される特定波長光を可視光に変換し、例えば、光変換部における特定波長光の入射面と反対側の面から射出できる。したがって、発光管から放射された光束のうち、第1リフレクタにて反射される可視光成分のみならず、第1リフレクタにて透過される特定波長光をも利用でき、光の利用効率を確実に向上できる。
また、光変換部にて変換された可視光は、リフレクタの凹状先端部分から射出されるので、従来の光源装置と比較して、射出される光束の照明光軸から離れた周辺部分の輝度を高くできる。
【0012】
本発明の光源装置では、前記第1リフレクタおよび前記第2リフレクタは、外部からの冷却空気を流通可能とする所定の隙間を有して離間配置されていることが好ましい。
本発明によれば、第1リフレクタおよび第2リフレクタは、所定の隙間を空けて離間配置されているので、例えば、冷却ファン等を光源装置の側方に配置すれば、該冷却ファンから送風される冷却空気を第1リフレクタおよび第2リフレクタの間に流通させることができる。したがって、第1リフレクタおよび第2リフレクタが密着した構造と比較して、光源装置の冷却効率を向上できる。
【0013】
本発明のプロジェクタは、上述した光源装置と、この光源装置から射出される光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、この光変調装置にて変調された光束を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、上述した光源装置を備えているので、上述した光源装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、上述した光源装置にて光の利用効率を向上できるので、より鮮明な画像を投写できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本発明に係る光源装置が搭載されたプロジェクタ1の光学系を示す模式図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、スクリーン上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、光源装置10と、均一照明光学系20と、色分離光学系30と、リレー光学系35と、光学装置40と、投写光学装置としての投写レンズ50とを備えて構成され、光学系20〜35を構成する光学素子は、所定の照明光軸Aが設定されたライトガイド2内に位置決め調整されて収納されている。
【0015】
光源装置10は、光源ランプ11から放射された光束を一定方向に揃えて射出し、光学装置40を照明するものであり、詳しくは後述するが、図1に示すように、発光管としての光源ランプ11と、リフレクタ12と、平行化凹レンズ13とを備えている。
そして、光源ランプ11から放射された光束は、リフレクタ12により装置前方側に収束光として射出され、平行化凹レンズ13によって平行化され、均一照明光学系20に射出される。
【0016】
均一照明光学系20は、光源装置10から射出された光束を複数の部分光束に分割し、照明領域の面内照度を均一化する。この均一照明光学系20は、図1に示すように、第1レンズアレイ21と、第2レンズアレイ22と、偏光変換素子23と、重畳レンズ24と、反射ミラー25とを備えている。
第1レンズアレイ21は、光源ランプ11から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ22は、前述した第1レンズアレイ21により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ21と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成であるが、集光を目的としているため、各小レンズの輪郭形状が液晶パネル42R、42G、42Bの画像形成領域の形状と対応している必要はない。
【0017】
偏光変換素子23は、第1レンズアレイ21により分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える。
この偏光変換素子23は、図示を略したが、照明光軸Aに対して傾斜配置される偏光分離膜及び反射ミラーを交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束及びS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射ミラーによって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子23の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、すべての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子23を用いることにより、光源ランプ11から射出される光束を、一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置40で利用する光源光の利用率を向上することができる。
【0018】
重畳レンズ24は、第1レンズアレイ21、第2レンズアレイ22、および偏光変換素子23を経た複数の部分光束を集光して液晶パネル42R、42G、42Bの画像形成領域上に重畳させる光学素子である。この重畳レンズ24は、本例では光束透過領域の入射側端面が平面で射出側端面が球面の球面レンズであるが、非球面レンズを用いることも可能である。
この重畳レンズ24から射出された光束は、反射ミラー25で曲折されて色分離光学系30に射出される。
【0019】
色分離光学系30は、2枚のダイクロイックミラー31、32と、反射ミラー33とを備え、ダイクロイックミラー31、32より均一照明光学系20から射出された複数の部分光束を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を具備する。
ダイクロイックミラー31、32は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子であり、光路前段に配置されるダイクロイックミラー31は、赤色光を透過し、その他の色光を反射するミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー32は、緑色光を反射し、青色光を透過するミラーである。
【0020】
リレー光学系35は、入射側レンズ36と、リレーレンズ38と、反射ミラー37、39とを備え、色分離光学系30を構成するダイクロイックミラー32を透過した青色光を光学装置40まで導く機能を有している。尚、青色光の光路にこのようなリレー光学系35が設けられているのは、青色光の光路長が他の色光の光路長よりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。本例においては青色光の光路長が長いのでこのような構成とされているが赤色光の光路長を長くする構成も考えられる。
【0021】
前述したダイクロイックミラー31により分離された赤色光は、反射ミラー33により曲折された後、フィールドレンズ41を介して光学装置40に供給される。また、ダイクロイックミラー32により分離された緑色光は、そのままフィールドレンズ41を介して光学装置40に供給される。さらに、青色光は、リレー光学系35を構成するレンズ36、38及び反射ミラー37、39により集光、曲折されてフィールドレンズ41を介して光学装置40に供給される。尚、光学装置40の各色光の光路前段に設けられるフィールドレンズ41は、第2レンズアレイ22から射出された各部分光束を、照明光軸に対して並行な光束に変換するために設けられている。
【0022】
光学装置40は、入射した光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、照明対象となる光変調装置としての液晶パネル42と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム43とを備えて構成される。尚、フィールドレンズ41及び各液晶パネル42R、42G、42Bの間には、入射側偏光板44が介在配置され、図示を略したが、各液晶パネル42R、42G、42B及びクロスダイクロイックプリズム43の間には、射出側偏光板が介在配置され、入射側偏光板44、液晶パネル42R、42G、42B、及び射出側偏光板によって入射する各色光の光変調が行われる。
【0023】
液晶パネル42R、42G、42Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に従って、入射側偏光板44から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。この液晶パネル42R、42G、42Bの変調を行う画像形成領域は、矩形状であり、その対角寸法は、例えば0.7インチである。
【0024】
クロスダイクロイックプリズム43は、射出側偏光板から射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム43は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
そして、クロスダイクロイックプリズム43から射出されたカラー画像は、投写レンズ50によって拡大投写され、図示を略したスクリーン上で大画面画像を形成する。
【0025】
〔光源装置の構成〕
図2は、光源装置10を模式的に示す断面図である。
光源装置10は、図2に示すように、上述した光源ランプ11、リフレクタ12、および平行化凹レンズ13の他、リフレクタ12の凹状開口部分を閉塞する防爆ガラス14を備えている。この光源装置10は、図示しないランプハウジングにより該光源装置10全体が収納保持され、プロジェクタ1のライトガイド2の所定位置に配置される。なお、図1では図示を省略したが、プロジェクタ1は、光源装置10に隣接配置される冷却ファンを備え、この冷却ファンは、光源装置10に向けて冷却空気を吹き付けるようになっている。
【0026】
光源ランプ11は、中央部が球状に膨出した石英ガラス管から構成され、中央部分が発光部111、この発光部111の両側に延びる部分が封止部112とされる。
発光部111の内部には、図2では図示を略したが、内部に所定距離離間配置される一対のタングステン製の電極と、水銀、希ガス、及び少量のハロゲンが封入されている。
封止部112の内部には、発光部111の電極と電気的に接続されるモリブデン製の金属箔が挿入され、ガラス材料等で封止されている。この金属箔には、さらに電極引出線としての図示しないリード線が接続されている。そして、このリード線に電圧を印加すると、電極間で放電が生じ、発光部111が発光する。
【0027】
リフレクタ12は、楕円反射鏡として構成され、第1リフレクタ121と、第2リフレクタ122とを備える。
第1リフレクタ121は、光源ランプ11の封止部112が挿通される首状部121Aおよびこの首状部121Aから拡がる楕円曲面状の反射部121Bを備えたガラス製の一体成形品である。
首状部121Aには、中央に挿入孔121A1が形成されており、この挿入孔121A1の中心に封止部112が配置される。
反射部121Bは、楕円曲面状の内側面全面に金属薄膜を蒸着形成して構成される第1反射面121B1を有し、この第1反射面121B1は、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光(例えば、赤外線、紫外線)を透過するコールドミラーとされる。この第1反射面121B1の第1焦点位置L1に、光源ランプ11における発光部111の発光中心が配置される。そして、発光部111から放射された光束は、可視光成分が反射部121Bの第1反射面121B1で反射して、該第1反射面121B1の図示しない第2焦点位置に収束し、可視光以外の特定波長光が第1反射面121B1を透過する。
【0028】
図3は、図2の一部を拡大して示す図であり、第1実施形態における第2リフレクタ122の構造を説明するための断面図である。
第2リフレクタ122は、第1リフレクタ121の第1反射面121B1を透過した特定波長光を可視光に変換して射出する。この第2リフレクタ122は、第1リフレクタ121における反射部121Bと同様に、楕円曲面状に形成される。また、この第2リフレクタ122は、図2に示すように、第1リフレクタ121の外周を覆い、第1リフレクタ121に対して所定の隙間を空けて離間配置され、外部から送風される冷却空気を流通可能に第1リフレクタ121の首状部121Aに固定される。すなわち、図示は省略するが、第2リフレクタ122において、第1リフレクタ121の首状部121Aとの固定部分には複数の開口部が形成され、この開口部を介して外部からの冷却空気を第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間に流通可能としている。
なお、この第2リフレクタ122は、第1リフレクタ121と同様に、ガラス製の成型品として構成してもよく、金属等の他の部材から構成してもよい。
【0029】
この第2リフレクタ122における楕円曲面状の内側面全面には、図2または図3に示すように、金属薄膜を蒸着形成して構成される第2反射面122Aと、この第2反射面122A上に光変換部としての蛍光体122B(蛍光塗料)とが積層されている。
第2反射面122Aは、第1反射面121B1と同様に、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過するコールドミラーとされる。
蛍光体122Bは、特定波長光(例えば、赤外線、紫外線)を可視光に変換する。この蛍光体122Bとしては、種々のものを採用でき、例えば、ハロりん酸塩蛍光体、りん酸塩蛍光体、けい酸塩蛍光体、タングステン酸塩蛍光体、アルミネート蛍光体、ホウ酸塩蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、またはゲルマン酸塩蛍光体等を採用できる。
【0030】
ここで、発光部111から放射された光束は、上述したように、第1リフレクタ121の第1反射面121B1にて可視光成分が反射され、可視光以外の特定波長光が透過する。そして、図3に示すように、第1反射面121B1を透過した特定波長光は、第2リフレクタ122の蛍光体122Bに入射して可視光に変換される。変換された可視光は、第2反射面122Aおよび第1反射面121B1との間で反射を繰り返しながら、第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間の先端部分開口から前方側に射出される。
防爆ガラス14は、その平面形状がリフレクタ12の開口部分の平面形状と略同一の形状であり、第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の先端部分に固定される。なお、この防爆ガラス14としては、例えば、高耐熱ガラスを採用できる。
【0031】
〔第1実施形態の効果〕
上述した第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)第1リフレクタ121の第1反射面121B1は、光源ランプ11から放射された光束のうち、可視光成分を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する。そして、第2リフレクタ122の楕円曲面状の内側面には、第2反射面122Aおよび蛍光体122Bが積層されているので、第1反射面121B1を透過した特定波長光を蛍光体122Bにて可視光に変換し、この可視光を第2反射面122Aおよび第1反射面121B1との間で反射させながら第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間の先端部分開口から前方側に射出できる。したがって、光源ランプ11から放射された光束のうち、可視光成分のみならず、特定波長光をも利用でき、光の利用効率を確実に向上できる。
【0032】
(2)蛍光体122Bにて変換された可視光は、第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間の先端部分開口から射出されるので、従来の光源装置と比較して、光源装置10から射出される光束において、該光束の照明光軸から離れた周辺部分の輝度を高くできる。
(3)第1リフレクタ121および第2リフレクタ122は、所定の隙間を空けて離間配置されているので、外部の冷却ファンから吹き付けられる冷却空気を第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間に流通させることができる。したがって、第1リフレクタ121および第2リフレクタ122が密着した構造と比較して、光源装置10の冷却効率を向上できる。
(4)プロジェクタ1は、上述した光源装置10を備えているので、投写レンズ50からより鮮明な画像をスクリーンに向けて投写させることができる。
【0033】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、光源装置10において、第2リフレクタ122では、第1リフレクタ121を透過した特定波長光を蛍光体122Bにて可視光に変換する。そして、この可視光を第2反射面122Aおよび第1リフレクタ121の第1反射面121B1との間で反射させながら導光し、第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間の先端部分開口から前方側に射出する反射型構造が採用されている。
これに対して第2実施形態では、第2リフレクタ222の第1反射面222Aは、第1リフレクタ121を透過した特定波長光を第1リフレクタおよび第2リフレクタ222の間の先端部分開口に向けて反射させる。そして、反射された特定波長光を蛍光体222Bに入射させ、この入射面と反対側の面から、変換した可視光を前方側に射出する透過型構造が採用されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0034】
具体的に、図4は、第2実施形態における第2リフレクタ222の構造を説明するための断面図である。
第2リフレクタ222は、図示は省略するが、第1実施形態の第2リフレクタ122と同様に、楕円曲面状に形成され、第1リフレクタ121の外周を覆い、第1リフレクタ121に対して所定の隙間を空けて離間配置され、外部から送風される冷却空気を流通可能に第1リフレクタ121の首状部121A(図2)に固定される。この第2リフレクタ222における楕円曲面状の内側面には、図4に示すように、複数の第2反射面222Aと、蛍光体222Bとが設けられている。
【0035】
第2反射面222Aは、複数設けられ、それぞれ楕円曲面の軸を中心として対称となる平面視略枠状に形成されている。この第2反射面222Aは、特定波長光(例えば、赤外線、紫外線)を反射するミラーとして構成され、反射光が第1リフレクタ121および第2リフレクタ222の間における先端部分開口に向けて射出されるように設定されている。
蛍光体222Bは、第1リフレクタ121および第2リフレクタ222の間における先端部分開口を閉塞するように設けられ、入射した特定波長光を可視光に変換し、特定波長光の入射面と反対側の面から可視光を射出する。なお、この蛍光体222Bは、第1実施形態の蛍光体122Bと同様の材料を採用できる。
ここで、光源ランプ11の発光部111(図2)から放射された光束は、第1実施形態と同様に、第1リフレクタ121の第1反射面121B1にて可視光成分が反射され、可視光以外の特定波長光が透過する。そして、図4に示すように、第1反射面121B1を透過した特定波長光は、第2リフレクタ222の第2反射面222Aにて第1リフレクタ121および第2リフレクタ222の間の先端部分開口に向けて反射される。そしてまた、第1リフレクタ121および第2リフレクタ222の間の先端部分開口に設置された蛍光体222Bにより、第2反射面222Aにて反射された特定波長光が可視光に変換されて特定波長光の入射面と反対側の面から前方側に射出される。
【0036】
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、上記(2)〜(4)と同様の効果の他、以下のような効果がある。
(5)第1リフレクタ121の第1反射面121B1は、光源ランプ11から放射された光束のうち、可視光成分を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する。そして、第2リフレクタ222の楕円曲面状の内側面には、第2反射面222Aおよび蛍光体222Bが設けられているので、第1反射面121B1を透過した特定波長光を第2反射面222Aにて第1リフレクタ121および第2リフレクタ222との間の先端部分開口に反射し、蛍光体222Bにて第2反射面222Aから射出される特定波長光を可視光に変換し、特定波長光の入射面と反対側の面から前方側に射出できる。したがって、光源ランプ11から放射された光束のうち、可視光成分のみならず、特定波長光をも利用でき、光の利用効率を確実に向上できる。
【0037】
〔実施形態の変形〕
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記各実施形態では、光源ランプ11として発光部111の内部に水銀を封入した高圧水銀ランプを採用していたが、これに限らず、メタルハライドランプに本発明を採用してもよい。
前記各実施形態では、第1リフレクタ121は、楕円リフレクタとして構成したが、これに限らず、パラボラリフレクタとして構成してもよい。
【0038】
前記各実施形態では、第2リフレクタ122,222は、第1リフレクタ121の形状と相似関係を有するように構成され、第1リフレクタ121との離間距離が略同一となるように構成されていたが、これに限らない。例えば、第2リフレクタ122,222の形状を、第1リフレクタ121に対して、楕円曲面状開口部分が他の部分よりも幅広になるように設定し、第1リフレクタ121との離間距離が先端部分に向かうにしたがって、大きくなるような形状を採用してもよい。
例えば、第1実施形態にこの形状を採用すれば、第2リフレクタ122の第2反射面122Aと、第1リフレクタ121の第1反射面121B1との間で繰り返し反射される可視光を第1リフレクタ121および第2リフレクタ122の間の先端部分開口に導光しやすい。
また、例えば、第2実施形態にこの形状を採用すれば、第2リフレクタ222の第2反射面222Aにて特定波長光を、第1リフレクタ121および第2リフレクタ222の間の先端部分開口に向けて反射させやすい。
【0039】
前記各実施形態では、第1リフレクタ121と第2リフレクタ122,222とは、所定の隙間を有して離間配置されていたが、これらの部材間に光透過性部材を介装した構成を採用してもよい。
前記第1実施形態では、第1反射面122Aおよび蛍光体122Bは、第2リフレクタ122の楕円曲面状の内側面に設けられていたが、これに限らず、蛍光体122Bのみを第2リフレクタ122の楕円曲面状の内側面に設け、第1反射面122Aを第2リフレクタ122の楕円曲面状の外側面に設ける構成を採用してもよい。また、これら第1反射面122Aおよび蛍光体122Bは、第2リフレクタ122の楕円曲面状の内側面または外側面全体に亘って設けられる構成に限らず、第2リフレクタ122の楕円曲面状の内側面または外側面の一部に設けられる構成も採用できる。
【0040】
前記第2実施形態において、第2反射面222Aは、リフレクタ12の先端部分に向けて反射すればよく、その配置位置、および配置される数量は特に限定されない。例えば、第2反射面222Aを第2リフレクタ222の楕円曲面状の外側面に設ける構成を採用できる。また、蛍光体222Bは、第2反射面222Aから射出される特定波長光の光路上に配置されればよく、第1リフレクタ121と第2リフレクタ222との間における先端部分開口を塞ぐ配置位置に限らない。例えば、第2反射面222Aが第2リフレクタ222の楕円曲面状の先端部分に向けて光束を反射する場合には、蛍光体222Bを第2リフレクタ222の楕円曲面状の先端部分に配置すればよい。
【0041】
前記第2実施形態において、第2リフレクタ222の第2反射面222Aが設けられていない部分に適宜、外部からの冷却空気を流通可能とする開口を設けてもよい。このような構成では、第1リフレクタ121および第2リフレクタ222との間にさらに多くの冷却空気を流通させることができ、光源装置10の冷却効率をさらに向上できる。
【0042】
前記各実施形態において、第1リフレクタ121の第1反射面121B1にて反射された可視光が図示しない第2焦点位置に収束するように、第1リフレクタ121と第2リフレクタ122,222との間における先端部分開口から射出される可視光を図示しない第2焦点位置に収束する集光手段を設けてもよい。例えば、防爆ガラス14において、第1リフレクタ121と第2リフレクタ122,222との間における先端部分開口と対向する部分を集光手段として構成してもよい。この集光手段としては、特に限定されないが、例えば、両凸レンズ、平凸レンズ、正の屈折力を有するメニスカスレンズ等の単レンズ、および、これら単レンズと両凹レンズ、平凹レンズ等の単レンズを組み合わせて全体として正の屈折力を有する組み合わせレンズ等を採用できる。
【0043】
前記各実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つまたは2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネル42R、42G、42Bを採用したが、これに限らず、マイクロミラーを用いた光変調装置を備えたプロジェクタについて本発明の光源装置を採用してもよい。
【0044】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光源装置が搭載されたプロジェクタの光学系を示す模式図。
【図2】本実施形態における光源装置を模式的に示す断面図。
【図3】第1実施形態における第2リフレクタの構造を説明するための図。
【図4】第2実施形態における第2リフレクタの構造を説明するための図。
【符号の説明】
1・・・プロジェクタ、10・・・光源装置、11・・・光源ランプ(発光管)、12・・・リフレクタ、42・・・液晶パネル(光変調装置)、50・・・投写レンズ(投写光学装置)、111・・・発光部、112・・・封止部、121・・・第1リフレクタ、121B1・・・第1反射面、122,222・・・第2リフレクタ、122A,222A・・・第2反射面、122B,222B・・・蛍光体(光変換部)。

Claims (4)

  1. 電極間で放電発光が行われる発光部、およびこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、この発光管から放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置であって、
    前記リフレクタは、前記発光管から放射された光束のうち、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する第1反射面を有する断面略凹状の第1リフレクタと、前記第1リフレクタの外周を覆うように断面略凹状に形成される第2リフレクタとを備え、
    前記第2リフレクタには、前記第1反射面を透過した特定波長光を可視光に変換する光変換部と、前記光変換部にて変換された可視光を反射し、該可視光を前記第1反射面との間で相互に反射させながら前記リフレクタの凹状先端部分に導光する第2反射面とが設けられていることを特徴とする光源装置。
  2. 電極間で放電発光が行われる発光部、およびこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、この発光管から放射された光束を反射するリフレクタとを備えた光源装置であって、
    前記リフレクタは、前記発光管から放射された光束のうち、可視光を反射し、可視光以外の特定波長光を透過する第1反射面を有する断面略凹状の第1リフレクタと、前記第1リフレクタの外周を覆うように断面略凹状に形成される第2リフレクタとを備え、
    前記第2リフレクタには、前記第1反射面を透過した特定波長光を前記リフレクタの凹状先端部分に向けて反射する第2反射面と、前記第2反射面から射出される特定波長光の光路上に位置し、該特定波長光を可視光に変換して射出する光変換部とが設けられていることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光源装置において、
    前記第1リフレクタおよび前記第2リフレクタは、外部からの冷却空気を流通可能とする所定の隙間を有して離間配置されていることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置と、この光源装置から射出される光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、この光変調装置にて変調された光束を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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