JP2004352994A - ポリオレフィン系粉体塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部にハイドロタルサイト類化合物0.1〜10重量部を配合してなり、熱水環境下においても腐食防止性に優れた塗膜を与えるポリオレフィン系粉体塗料組成物であって、上記ポリオレフィン系樹脂が、変性ポリプロピレン100〜5重量%と未変性ポリプロピレン0〜95重量%とからなるポリプロピレン系樹脂であるポリオレフィン系粉体塗料組成物。
【選択図】 なし
Description
即ち、本発明は、
(1) ポリオレフィン系樹脂100重量部に腐食防止剤0.1〜10重量部を配合してなるポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(2) ポリオレフィン系樹脂が、変性ポリプロピレン100〜5重量%と未変性ポリプロピレン0〜95重量%とからなるポリプロピレン系樹脂である上記(1)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(3) ポリプロピレン系樹脂が、230℃におけるメルトフローレート5〜80g/10分の樹脂である上記(2)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(4) ポリオレフィン系樹脂が、変性ポリエチレン100〜5重量%と未変性ポリエチレン0〜95重量%とからなるポリエチレン系樹脂である上記(1)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(5) ポリエチレン系樹脂が、190℃におけるメルトフローレート1〜80g/10分の樹脂である上記(4)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(6) ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−アクリル酸共重合体100〜5重量%と未変性ポリエチレン0〜95重量%とからなるエチレン−アクリル酸共重合体系樹脂である上記(1)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(7) エチレン−アクリル酸共重合体系樹脂が、190℃におけるメルトフローレート5〜50g/10分の樹脂である上記(6)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物、
(8) 腐食防止剤が、ハイドロタルサイト類化合物、リン酸塩及びモリブデン酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である上記(1)〜(7)記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物に関する。
本発明のポリオレフィン系粉体塗料組成物は、ポリオレフィン系樹脂に腐食防止剤を配合したものである。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、変性ポリプロピレン、未変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、未変性ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、適宜組み合わせて使用することもできるが、好ましくは、変性ポリプロピレンと未変性ポリプロピレンとからなるポリプロピレン系樹脂、変性ポリエチレンと未変性ポリエチレンとからなるポリエチレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体と未変性ポリエチレンとからなるエチレン−アクリル酸共重合体系樹脂が用いられる。
上記α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、なかでも、エチレン、1−ブテン、2−ブテンが好ましい。
上記α−オレフィンの共重合割合が1重量%未満であると、塗料組成物の融点が高く、溶融時の粘度が大きくなるため、平滑な塗膜が得られ難く、上記α−オレフィンの共重合割合が10重量%を超えると、塗料組成物の融点が低くなり、得られる塗膜の耐熱性及び表面硬度が低下する。
上記不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。
本発明で用いられる変性ポリエチレンとしては、上記の未変性ポリエチレンを不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性した樹脂が好ましく用いられる。上記不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。
[M2+ 1−xM3+ x(OH)2]x+[An− x/n・mH2O]x− (I)
(式中、M2+は、Mg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+又はZn2+を表し、M3+は、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+又はIn3+を表し、An−は、OH− 、F− 、Cl− 、Br− 、NO3 − 、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO− 、シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表し、nはこれらに対応して1〜3の整数を表す。mは、正の整数を表し、xは、0<x≦0.33の範囲を示す。)
で表される不定比化合物であり、例えば、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg4・3Al2(OH)12・6CO3・mH2O等を挙げることができる。
上記モリブデン酸塩としては、例えば、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛等を挙げることができる。
未変性ポリプロピレンを無水マレイン酸でグラフト変性した変性ポリプロピレン(三井石油化学工業社製:接着性ポリプロピレン)20重量部、ポリプロピレン95重量%とポリエチレン5重量%とのランダム共重合体(住友化学工業社製:ノーブレンZ131)80重量部、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製:DHT−4A、Mg4・3Al2(OH)12・6CO3・mH2O)3重量部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで押出機を使用して190℃で溶融混練してペレットを得た。MFRは30g/10分であった。MFRは、JIS K 6758(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
得られたペレットを液体チッソを使用し冷凍粉砕し、40メッシュパスに分級して粉体塗料組成物を得た。
得られた塗装品を80℃の熱水中に1月間浸漬し、耐久性試験を行った。試験後の塗膜の評価結果を表1に示した。
(1)外観
塗膜表面を目視により観察した。
(2)錆の発生
塗膜をカッターナイフで剥離し、塗膜に接した金属面の錆の発生状況を目視により観察した。
(3)接着強度
塗膜に、カッターナイフで25mm幅の平行ノッチを金属素材まで達するように入れ、引張試験機を用いて50mm/分の引っ張り速度で、180度剥離させた時の接着強度を測定した(単位:kg/25mm幅)。
変性ポリプロピレンと未変性ポリプロピレンとの配合割合を表1に示した割合に変更した以外は実施例1と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例1と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表1に示した。
ハイドロタルサイトの配合量を3重量部から7重量部に変更した以外は実施例2と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例1と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表1に示した。
腐食防止剤としてハイドロタルサイトの代わりにリン酸カルシウム(キクチカラー社製:LFボウセイ CP−Z)を表1に示した配合割合で用いた以外は実施例2と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例1と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表1に示した。
腐食防止剤としてハイドロタルサイトの代わりにリン酸亜鉛(キクチカラー社製:LFボウセイ P−WF)を表1に示した配合割合で用いた以外は実施例2と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例1と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表1に示した。
腐食防止剤を配合しないこと以外は、実施例4と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例1と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表1に示した。
腐食防止剤としてハイドロタルサイトを表1に示した配合割合で用いた以外は実施例4と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例1と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表1に示した。
未変性ポリエチレンを無水マレイン酸でグラフト変性した変性ポリエチレン(三井石油化学工業社製:アドマーNE100)20重量部、線状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業社製:ウルトゼックス25100)80重量部、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製:DHT−4A、Mg4・3Al2(OH)12・6CO3・mH2O)3重量部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで押出機を使用して150℃で溶融混練してペレットを得た。MFRは10g/10分であった。MFRは、JIS K 6760(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。得られたペレットを常温で粉砕し、40メッシュパスに分級して粉体塗料組成物を得た。
変性ポリエチレンと未変性ポリエチレンとの配合割合を表2に示した割合に変更した以外は実施例10と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例10と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表2に示した。
腐食防止剤を配合しないこと以外は、実施例13と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例10と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表2に示した。
アクリル酸含量が7重量%のエチレン−アクリル酸共重合体(三菱化学社製:EAA−A210M)20重量部、線状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業社製:ウルトゼックス25100)80重量部、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製:DHT−4A、Mg4・3Al2(OH)12・6CO3・mH2O)3重量部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで押出機を使用して150℃で溶融混練してペレットを得た。MFRは10g/10分であった。MFRは、JIS K 6760(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。得られたペレットを常温で粉砕し、40メッシュパスに分級して粉体塗料組成物を得た。
得られた塗装品を80℃の熱水中に1月間浸漬し、耐久性試験を行った。試験後の塗膜の評価結果を表2に示した。
エチレン−アクリル酸共重合体と線状低密度ポリエチレンとの配合割合を表2に示した割合に変更した以外は実施例14と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例14と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表2に示した。
腐食防止剤を配合しないこと以外は、実施例17と同様にして粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を用いて実施例14と同様にして塗装品の評価を行った。結果を表2に示した。
Claims (3)
- ポリオレフィン系樹脂100重量部にハイドロタルサイト類化合物0.1〜10重量部を配合してなり、熱水環境下においても腐食防止性に優れた塗膜を与えるポリオレフィン系粉体塗料組成物であって、
前記ポリオレフィン系樹脂が、変性ポリプロピレン100〜5重量%と未変性ポリプロピレン0〜95重量%とからなるポリプロピレン系樹脂であるポリオレフィン系粉体塗料組成物。 - ポリプロピレン系樹脂が、230℃におけるメルトフローレート5〜80g/10分の樹脂である請求項1記載のポリオレフィン系粉体塗料組成物。
- 基材と、前記基材上にポリオレフィン系粉体塗料組成物を塗装することにより形成した塗膜とを含む給湯管であって、
前記ポリオレフィン系粉体塗料組成物が、ポリオレフィン系樹脂100重量部にハイドロタルサイト類化合物0.1〜10重量部を配合してなるものであり、
前記ポリオレフィン系樹脂が、変性ポリプロピレン100〜5重量%と未変性ポリプロピレン0〜95重量%とからなるポリプロピレン系樹脂である給湯管。
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