JP2004351667A - 一軸拡散面の製造方法およびこれを用いて製造された液晶表示装置用導光板、拡散シート、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストでしかも短時間で加工を終えることができる一軸拡散面の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる一軸拡散面の製造方法は、透過する光を特定方向に拡散させる一軸拡散面を透明材に形成するものである。具体的には、まず、金型1に砥石車2を接触させた状態で光の拡散方向に対してほぼ直交する方向に砥石車2が往復するように砥石車2と金型1を相対的に移動させることにより一軸拡散面を形成するための微小凹凸面を形成する。次に、微小凹凸面が形成された金型1を用いて透明材に一軸拡散面を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかる一軸拡散面の製造方法は、透過する光を特定方向に拡散させる一軸拡散面を透明材に形成するものである。具体的には、まず、金型1に砥石車2を接触させた状態で光の拡散方向に対してほぼ直交する方向に砥石車2が往復するように砥石車2と金型1を相対的に移動させることにより一軸拡散面を形成するための微小凹凸面を形成する。次に、微小凹凸面が形成された金型1を用いて透明材に一軸拡散面を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明材の一軸拡散面を製造する方法やこの製造方法を用いて製造された液晶表示装置用の導光板、拡散シート、液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置が広く普及している。特に急速に市場が拡大している携帯電話やPDA、スマートフォン等の携帯情報端末においても、基幹デバイスとして液晶表示装置が用いられている。この液晶表示装置自身は発光性を有しないため、バックライト或いはフロントライトと呼ばれる照明ユニットが付属されている。照明ユニットは、一般に導光板を備えており、この導光板は、その側面に設けたLEDや蛍光管等の光源からの光を伝播させ、液晶基板側の出射面より出射させる。このとき、視野角を拡大させたり、輝線、暗線を緩和させる目的で導光板の表面に拡散性を持たせたり、導光板の出射面と液晶基板の間に拡散シートが挿入される。
【0003】
一方、本発明者らは光の拡散方向を特定し、所望の方向のみに拡散性を持たせることで、光損失を抑える技術として特願2002−265815において、一軸拡散性に関する発明を提案した。かかる出願は未だ公開されていないため、公知技術ではないが、本発明にかかる一軸拡散面の製造方法に対する参考例として、以下にその出願に開示された製造方法について説明する。
【0004】
まず、例えば光学ガラス板等の平行平板状のガラス板を平滑に研磨し、そのガラス板上にフォトレジストをスピンコート法によって均一な膜厚で塗布する。次にこのガラス板を載せるテーブルがXY方向に移動可能、若しくはレーザー露光部がXY方向に移動可能な描画装置を用いて、ガラス板上のフォトレジストをレーザー光で露光させる。この時、一軸拡散性を持たせるためにランダムピッチで無数の直線を描画させるが、例えば1本の線を描画させるに当たり、正弦波で形成して振幅、周波数をランダムに変えることによって、ピッチを変えることが望ましい。また、振幅は200μm以下にすることによって、見掛け上、一軸性の直線とすることができる。次に露光したフォトレジストを現像液で現像することによって、線状の微小凹凸面を得ることができる。使用したフォトレジストがポジ型であれば露光された部分が現像の際に流されて、露光されない部分が形成される。逆に使用したフォトレジストがネガ型であれば、露光されない部分が現像の際に流されて、露光された部分が形成される。これにスパッタリング法、或いは真空蒸着装置法等を用いて導電薄膜を形成し、その後、この導電薄膜上にNi鍍金等を厚鍍金し、最後にレジストを剥離することによって線状の微小凹凸面を有する金型を作成することができる。そして、この金型を用いて射出成形により透明材に一軸拡散面を形成する。
【0005】
尚、従来の導光板の製造方法が特許文献1に開示されている。但し、この文献において製造される導光板において拡散面が形成されるが、一軸拡散面ではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−303734号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、一軸拡散面を形成するには高額な設備投資と工数を要することから、高コストと成らざるを得ない。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、低コストでしかも短時間で加工を終えることができる一軸拡散面の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、シボ加工等に比べて光損失が少なく、効果的に光を拡散させることができる一軸拡散面の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる一軸拡散面の製造方法は、透過する光を特定方向に拡散させる一軸拡散面を透明材に形成する一軸拡散面の製造方法であって、金型に砥石を接触させた状態で光の拡散方向に対してほぼ直交する方向に砥石が往復するように前記砥石と前記金型を相対的に移動させることにより前記一軸拡散面を形成するための微小凹凸面を形成するステップと、前記微小凹凸面が形成された金型を用いて前記透明材に前記一軸拡散面を形成するステップとを備えたものである。このような方法によれば、低コストでしかも短時間で加工を終えることができる。また、シボ加工等に比べて光損失が少なく、効果的に光を拡散させることができる。
【0010】
前記砥石は、回転することによりその表面を金型に対して摺動させて研削する砥石車であることが望ましい。この場合には、砥石車は回転した状態で金型に対して相対的に移動するため、金型の表面の領域によって、接触する砥石車の研削表面の領域が異なる。従って、研削された金型の表面は、部分部分で微妙に異なる研削加工が施されることになり、ランダムに加工することができる。
【0011】
また、砥石車の回転軸を、前記光の拡散方向に対してほぼ平行とするとよい。このように配置すると、砥石車による研削方向と、砥石車全体と金型の相対的な移動による研削の方向とを一致させることができ、拡散性及びその直交方向との異方性を向上させることができる。
【0012】
好適な実施の形態において、前記金型の砥石の往復方向と直交する方向に走査させた時の最大面粗さRtが1μm〜50μm又は平均面粗さRaが0.1μm〜5μmの範囲である。
【0013】
上述の製造方法により製造された一軸拡散面が出射面に形成された液晶表示装置用の導光板であって、該導光板の光の主たる進行方向と前記砥石を往復させる研削方向を略一致させるとよい。このように構成することにより、導光板内を伝播する光の進行を阻害することなく、効率的にその出射角を広げることができる。つまり光の進行方向においては平滑面反射と同様の光の挙動を示し、これと直交方向においては拡散面反射の光の挙動を示すことになる。
【0014】
また、上述の製造方法により製造された一軸拡散面を液晶表示装置用の拡散シートに形成してもよい。さらに、上述の製造方法により製造された一軸拡散面を液晶表示装置用の導光板の光入射端面に形成するようにしてもよい。このとき、該導光板の厚み方向と前記砥石の往復方向を略一致させるとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、金型の製品面を形成するキャビティまたはコア面に対し、砥石を用いた研削加工にて光を制御する特定方向に加工する。尚、キャビティとは金型の雌(凹)型入れ駒をいい、コアとは金型の雄(凸)型入れ駒をいう。
【0016】
研削加工方法には様々な種類があるが、本発明では、高速度で回転する円盤状の砥石車を用い、テーブルを往復させることで、加工ワークを削り取って行く、所謂平面研削法を用いる。図1に当該平面研削法を実行するための研削装置の要部を示す。図に示されるように、金型キャビティ又は金型コアの加工ワーク1をマグネットや固定治具等でテーブル3上に固定する。そして、高速度で回転する円盤状の砥石車2を加工ワーク1の表面に接触させた状態で、テーブル3を図における左右方向に往復させる。このとき、テーブル3の送り速度は、例えば、1.5m/秒である。往復動作は、加速、等速、減速の繰り返しであり、加工は等速の部分で行う。例えば、砥石車2の回転方向は時計廻りであり、テーブル3が図における左から右へ移動する際に削る。これをアップカットと言う。逆にテーブル3が右から左に移動する際に削ることをダウンカットと言う。アップカットの場合と、ダウンカットの場合とは、相対速度を異にするため、加工条件は多少違うことになるが、どちらで加工しても問題はない。
【0017】
次に3軸の動きについて説明する。ここで、図1に示されるように、テーブル3の往復方向をX軸、テーブル3の主平面におけるこれと直交方向をY軸、上下方向、即ちテーブル3の主平面と垂直方向をZ軸とする。このとき、テーブル3は、X軸方向に砥石車2が1往復したときに、1ピッチ分Y軸方向へ移動する。また、Y軸方向への移動により加工ワーク1の端まで砥石車2が移動した場合、即ち加工ワーク1を全面加工した後には、Z軸方向に所望の深さ分切り込む。加工ワーク1の全面を一通り加工する際におけるZ軸方向の加工ワーク1とテーブル3との相対的な位置関係は固定である。Y軸方向の移動もX軸方向に砥石車2が1往復する際は固定である。Y軸方向及びZ軸方向の砥石車2とテーブル3の相対的移動は、砥石車2が加工ワーク1を外れている際に行われる。この例においてZ軸方向への砥石車2とテーブル3との相対的な移動は、砥石車2が移動することにより実現する。
【0018】
また、テーブルの往復方向を研削方向とすると、▲1▼拡散性を付与させたい方向と直交方向を研削方向として金型を加工する。このように加工することで、研削方向には微細な凹凸状の筋からなる微小凹凸面が金型の表面に形成される。このような微小凹凸面が形成された金型を用いて射出成形により一軸拡散面を透明材に形成することができる。このとき、一軸拡散面は、研削方向とほぼ直交方向に拡散性を有する。ここで、本発明の実施の形態において、「一軸拡散面」とは直交する二軸に対して、一方向のみ拡散性を示すものであり、例えばある平板に平行光をその面に対して法線方向から入射させ、出射する光の輝度を求めた場合、出射面に対して法線方向を角度0度として、直交する2方向に対して測定角度に対する輝度は異方性がなければ直交する2方向の各角度における値は等しくなる。これに対して一軸拡散性を付与させた面では、拡散方向では0度近傍の輝度が下がり、その周辺の角度の輝度が増す。これに対してその直交方向では0度の輝度は僅かに低下するものの、大凡各角度に対する輝度の傾向に変わりはない。
【0019】
研削方向と直交方向に走査させた時の金型の面粗さは、最大表面粗さRt1μm〜50μm又は平均面粗さRa0.1μm〜5μmの範囲であることが望ましい。ここでの面粗さの定義はJIS−B0601規格に基づくものである。かかる面粗さの測定機としては、位相差法を用いたWYKO社製TOPO−2D・3D、非点収差法を用いた東京精密社製Surfcom920A、原子間力顕微鏡のDigital Instruments 社製Nano Scope、触針式のTencor社製P12EXなどを用いることができ、ここでは、一例として、Tencor社製P12EXを用いた。粗さの測定条件は、走査距離が1000μm、走査速度が5μm/sec、サンプリング周波数が200Hz、スタイラス加重が5mg、スタイラス先端形状が45°、2μmR、カットオフ・フィルターがガウシアン、短波長側カットオフ・フィルターが24Hz、長波長側カットオフ・フィルターが167μmである。
【0020】
このような金型を用いて形成した透明材の面も同様の面粗さを有することになる。砥石車2には酸化アルミニウム・炭化珪素等の硬質砥粒をバインダと混ぜ合わせて固化させたものを用いる。砥石車2は回転した状態で加工ワーク1に対して相対的に移動するため、加工ワーク1の表面の領域によって、接触する砥石車2の研削表面の領域が異なる。従って、研削された加工ワーク1の表面は、部分部分で微妙に異なる研削加工が施されることになる。即ち、ランダムに加工されることになる。
【0021】
このようにして得られた金型を導光板の出射面や光入射面、拡散シートなどの拡散面の形成に用いることで、光の損失を抑えた上で特定方向に拡散機能を付加することができる。尚、本発明にかかる製造方法により一軸拡散面を形成する透明材は、完全に透明な材料のみならず、半透明材料であってもよい。透明材には、例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン等の合成樹脂やガラス材料が含まれる。
【0022】
また、▲2▼導光板の出射面に形成する場合においては、指向性を持った光の主たる進行方向と研削方向を略一致させて、その金型を加工する。これにより、導光板内を伝播する光の進行を阻害することなく、効率的にその出射角を広げることができる。ここで、指向性を持った光の主たる進行方向とは入射面に対する法線方向を指し、更に別の観点によれば、国際照明委員会の定める光の配光分布の最大強度で示される方向、完全平行光の場合においては光の進行方向と定義される。
【0023】
図2は、金型駒上に形成した一軸拡散面の顕微鏡観察像であり、本図の上下に微細な凹凸状の筋が形成されており、この筋が研削方向、この筋と直交方向が拡散方向となる。
【0024】
(第1の実施形態)
図4は本発明の実施の形態に関わる第1の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、導光板10の出射面に一軸拡散面を形成した例である。導光板10は長方形状であり、短辺2辺のうち一辺の略中央に光源チップ20が配置される。一軸拡散面における拡散方向は光源チップ20からの光の主たる進行方向とほぼ直交方向である。この場合、図4に示した如く、光の主たる進行方向に線状痕が観察されることになる。本発明では光源チップ20から出射された光が導光板10の上面(出射面)と下面(反射面)との間で繰り返し反射しながら導光板10内を伝播する。
【0025】
本発明の実施の形態にかかる導光板10は、光の進行方向に対して拡散性を持たないため、光が伝播する際に不必要な拡散を来たすことなく、効率良く導光板10内を光が伝播することになる。また、導光板10の反射プリズムに当たった光が出射面から出射する際の出射角は、光の伝播方向と直交方向が狭い傾向を示すが、この直交方向に拡散性を持たせることで、光を効率良く拡散させることが可能となる。
【0026】
次に本発明の実施の形態にかかる一軸拡散面の製造方法について説明する。
図3は図4に示した導光板を射出成形で得るための金型駒を示した斜視図である。金型駒が故に厚みが厚い以外はその外形は図4に示した導光板と同様の様相を呈す。本金型駒の製作方法としては先ず、母材として日立粉末冶金社製のHPM38(HRC50)を所望の形状に切り出し、これをナガセインテグレックス社製の平面研削盤にマグネットチャックを用いて取り付け、研削加工を行った。研削方向は図3に示した拡散方向に対して直交方向とし、この方向が図1に示したテーブルの往復方向となる。ここで、研削方向は指向性を持った光の主たる進行方向と略一致させることが選択される。即ち研削方向には微細な筋状の微小凹凸面が形成され、これと直交方向に拡散性を示す一軸拡散面を形成することができる。研削砥石はノリタケ社製CXY60−J(砥粒#60)を用い、砥石の回転数は2500rpm、ワークの研削方向と直交方向の送りピッチは1.5mm、砥石の切り込み量は0.02mm/回、研削液はノリタケクール社製NK−55を用いた。砥石車による研削幅は、約30mmである。
【0027】
研削速度はワークをマグネットチャックしたテーブルの送り速度と研削砥石の回転数の相対速度差で決定され、この研削速度が速い場合は面租さが粗く、また遅い場合は細かい面租さとなり、一軸拡散面の拡散方向に走査させた時の面粗さがRt1μm〜50μm、Ra0.1μm〜5μmの範囲となるようにテーブルの送り速度を決定した。
【0028】
このようにして得られた金型を用いて、導光板を射出成形法で成形することにより、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図5は本発明に関わる第2の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、導光板10の出射面に一軸拡散面を形成した別の例である。導光板10は長方形状であり、隅部に光源チップ20を配置した点が第1の実施形態と異にする。一軸拡散面の方向は実施例1同様に光源チップ20からの光の主たる進行方向と直交方向に拡散性を持たせた。従って、図5に示した如く、斜めに線状痕が観察されることになる。それ以外の構成は第1の実施形態を踏襲しており、また金型駒の製造方法も研削方向を異にする以外は第1の実施形態を踏襲する。本実施形態においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0030】
(第3の実施形態)
図6は本発明に関わる第3の実施形態の斜視図を表したものであり、導光板上の出射面に載置する拡散シート30に使用した例である。本例では拡散シート30中を光が伝播する必要がないため、所望の方向に拡散方向を設定することができる。基本的な金型駒の製造方法は第1の実施形態を踏襲し、得られた金型を用いてシートを製造することにより、一軸拡散性を持つ拡散シートを得ることができる。シートの材質としてはPC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)が選択される。本実施形態においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた拡散シートを得ることができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図7は本発明に関わる第4の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、導光板の光入射部に一軸拡散面を形成した例である。導光板10は長方形状であり、短辺2辺のうち一辺の略中央に光源チップが配置される。一軸拡散面の方向は短辺から入光される光源チップからの光が導光板面内に拡散する方向を選択し、導光板の厚み方向には拡散しないものとする。つまり図7に示した如く、導光板の厚み方向に線状痕が観察されることになる。加工方法については金型駒の形状が小さくなる以外は第1の実施形態を踏襲して製作することが可能である。本実施例においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0032】
(第5の実施形態)
図8は本発明に関わる第5の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、第4の実施形態の導光板に対して異にした入光部形状を有する導光板に使用した例である。導光板10は長方形状であり、隅部に光源チップを配置した点が第4の実施形態と異にする。一軸拡散面の方向は隅部から入光される光源チップ20からの光が導光板面内に拡散する方向を選択し、導光板10の厚み方向には拡散しないものとする。つまり図8に示した如く、導光板10の厚み方向に線状痕が観察されることになる。ここでは入光部11が曲率を持った円弧であることから、平面研削盤の代用として倣い研削盤を用いて加工する以外は第1の実施形態を踏襲して製作した。本実施例においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0033】
(第6の実施形態)
第6の実施の形態は、第1、第2、第4、第5の実施の形態にかかる導光板を備えた液晶表示装置に関する。図9において、10は導光板、11は光入射部、12はプリズム面、13は出射面、20は光源チップ、40は反射シート、50は偏光板(位相差板含む)、60は透過型液晶板、100は面状光源、200は液晶モジュールである。
【0034】
本実施形態では導光板10の下面即ちプリズム面12側に反射シート40を配置して面状光源100とした。導光板10の出射面13には、上述の実施の形態に示す製造方法により一軸拡散面が形成されている。反射シート40の構成、機能およびその効果は周知であることから、説明は省略する。また、面状光源100上には両面に偏光板50(位相差板含む)を設けた透過型液晶板60を配置した構成とした。ここで光源チップ20から出射された光は光入射部11を通って導光板10に入射し、導光板10内を出射面13、プリズム面12間で繰り返し反射されて導光板10内を伝播し、プリズム面12上に形成された傾斜角によって出射面13の法線方向に反射、偏向され出射面13より出射する。ここでプリズム面12側には反射シート40が配設されており、導光板10内を伝播する光は漏れなく出射面13側から出射することになる。導光板10の出射面13には、一軸拡散面が形成されているため、光は拡散され、偏光板50を介して液晶板60を照明するようにしたバックライト型の液晶表示パネルを構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、汎用的な平面研削法を用いて加工することから、低コストでしかも短時間で加工を終えることができる。しかもシボ加工等に比べて光損失が少なく、効果的に光を拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一軸拡散面の製造方法において用いられる研削装置の要部の斜視図である。
【図2】本発明にかかる一軸拡散面の製造方法により製造された金型駒の顕微鏡の観察像を示す図である。
【図3】本発明にかかる製造方法により加工された金型駒の斜視図である。
【図4】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の斜視図である。
【図5】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の斜視図である。
【図6】本発明にかかる製造方法により製造された拡散シートの斜視図である。
【図7】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の入射面付近の拡大図である。
【図8】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の入射面付近の拡大図である。
【図9】本発明にかかる製造方法により製造された導光板を備えた液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 加工ワーク
2 砥石車
3 テーブル
10 導光板
20 光源チップ
30 拡散シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明材の一軸拡散面を製造する方法やこの製造方法を用いて製造された液晶表示装置用の導光板、拡散シート、液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置が広く普及している。特に急速に市場が拡大している携帯電話やPDA、スマートフォン等の携帯情報端末においても、基幹デバイスとして液晶表示装置が用いられている。この液晶表示装置自身は発光性を有しないため、バックライト或いはフロントライトと呼ばれる照明ユニットが付属されている。照明ユニットは、一般に導光板を備えており、この導光板は、その側面に設けたLEDや蛍光管等の光源からの光を伝播させ、液晶基板側の出射面より出射させる。このとき、視野角を拡大させたり、輝線、暗線を緩和させる目的で導光板の表面に拡散性を持たせたり、導光板の出射面と液晶基板の間に拡散シートが挿入される。
【0003】
一方、本発明者らは光の拡散方向を特定し、所望の方向のみに拡散性を持たせることで、光損失を抑える技術として特願2002−265815において、一軸拡散性に関する発明を提案した。かかる出願は未だ公開されていないため、公知技術ではないが、本発明にかかる一軸拡散面の製造方法に対する参考例として、以下にその出願に開示された製造方法について説明する。
【0004】
まず、例えば光学ガラス板等の平行平板状のガラス板を平滑に研磨し、そのガラス板上にフォトレジストをスピンコート法によって均一な膜厚で塗布する。次にこのガラス板を載せるテーブルがXY方向に移動可能、若しくはレーザー露光部がXY方向に移動可能な描画装置を用いて、ガラス板上のフォトレジストをレーザー光で露光させる。この時、一軸拡散性を持たせるためにランダムピッチで無数の直線を描画させるが、例えば1本の線を描画させるに当たり、正弦波で形成して振幅、周波数をランダムに変えることによって、ピッチを変えることが望ましい。また、振幅は200μm以下にすることによって、見掛け上、一軸性の直線とすることができる。次に露光したフォトレジストを現像液で現像することによって、線状の微小凹凸面を得ることができる。使用したフォトレジストがポジ型であれば露光された部分が現像の際に流されて、露光されない部分が形成される。逆に使用したフォトレジストがネガ型であれば、露光されない部分が現像の際に流されて、露光された部分が形成される。これにスパッタリング法、或いは真空蒸着装置法等を用いて導電薄膜を形成し、その後、この導電薄膜上にNi鍍金等を厚鍍金し、最後にレジストを剥離することによって線状の微小凹凸面を有する金型を作成することができる。そして、この金型を用いて射出成形により透明材に一軸拡散面を形成する。
【0005】
尚、従来の導光板の製造方法が特許文献1に開示されている。但し、この文献において製造される導光板において拡散面が形成されるが、一軸拡散面ではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−303734号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、一軸拡散面を形成するには高額な設備投資と工数を要することから、高コストと成らざるを得ない。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、低コストでしかも短時間で加工を終えることができる一軸拡散面の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、シボ加工等に比べて光損失が少なく、効果的に光を拡散させることができる一軸拡散面の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる一軸拡散面の製造方法は、透過する光を特定方向に拡散させる一軸拡散面を透明材に形成する一軸拡散面の製造方法であって、金型に砥石を接触させた状態で光の拡散方向に対してほぼ直交する方向に砥石が往復するように前記砥石と前記金型を相対的に移動させることにより前記一軸拡散面を形成するための微小凹凸面を形成するステップと、前記微小凹凸面が形成された金型を用いて前記透明材に前記一軸拡散面を形成するステップとを備えたものである。このような方法によれば、低コストでしかも短時間で加工を終えることができる。また、シボ加工等に比べて光損失が少なく、効果的に光を拡散させることができる。
【0010】
前記砥石は、回転することによりその表面を金型に対して摺動させて研削する砥石車であることが望ましい。この場合には、砥石車は回転した状態で金型に対して相対的に移動するため、金型の表面の領域によって、接触する砥石車の研削表面の領域が異なる。従って、研削された金型の表面は、部分部分で微妙に異なる研削加工が施されることになり、ランダムに加工することができる。
【0011】
また、砥石車の回転軸を、前記光の拡散方向に対してほぼ平行とするとよい。このように配置すると、砥石車による研削方向と、砥石車全体と金型の相対的な移動による研削の方向とを一致させることができ、拡散性及びその直交方向との異方性を向上させることができる。
【0012】
好適な実施の形態において、前記金型の砥石の往復方向と直交する方向に走査させた時の最大面粗さRtが1μm〜50μm又は平均面粗さRaが0.1μm〜5μmの範囲である。
【0013】
上述の製造方法により製造された一軸拡散面が出射面に形成された液晶表示装置用の導光板であって、該導光板の光の主たる進行方向と前記砥石を往復させる研削方向を略一致させるとよい。このように構成することにより、導光板内を伝播する光の進行を阻害することなく、効率的にその出射角を広げることができる。つまり光の進行方向においては平滑面反射と同様の光の挙動を示し、これと直交方向においては拡散面反射の光の挙動を示すことになる。
【0014】
また、上述の製造方法により製造された一軸拡散面を液晶表示装置用の拡散シートに形成してもよい。さらに、上述の製造方法により製造された一軸拡散面を液晶表示装置用の導光板の光入射端面に形成するようにしてもよい。このとき、該導光板の厚み方向と前記砥石の往復方向を略一致させるとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、金型の製品面を形成するキャビティまたはコア面に対し、砥石を用いた研削加工にて光を制御する特定方向に加工する。尚、キャビティとは金型の雌(凹)型入れ駒をいい、コアとは金型の雄(凸)型入れ駒をいう。
【0016】
研削加工方法には様々な種類があるが、本発明では、高速度で回転する円盤状の砥石車を用い、テーブルを往復させることで、加工ワークを削り取って行く、所謂平面研削法を用いる。図1に当該平面研削法を実行するための研削装置の要部を示す。図に示されるように、金型キャビティ又は金型コアの加工ワーク1をマグネットや固定治具等でテーブル3上に固定する。そして、高速度で回転する円盤状の砥石車2を加工ワーク1の表面に接触させた状態で、テーブル3を図における左右方向に往復させる。このとき、テーブル3の送り速度は、例えば、1.5m/秒である。往復動作は、加速、等速、減速の繰り返しであり、加工は等速の部分で行う。例えば、砥石車2の回転方向は時計廻りであり、テーブル3が図における左から右へ移動する際に削る。これをアップカットと言う。逆にテーブル3が右から左に移動する際に削ることをダウンカットと言う。アップカットの場合と、ダウンカットの場合とは、相対速度を異にするため、加工条件は多少違うことになるが、どちらで加工しても問題はない。
【0017】
次に3軸の動きについて説明する。ここで、図1に示されるように、テーブル3の往復方向をX軸、テーブル3の主平面におけるこれと直交方向をY軸、上下方向、即ちテーブル3の主平面と垂直方向をZ軸とする。このとき、テーブル3は、X軸方向に砥石車2が1往復したときに、1ピッチ分Y軸方向へ移動する。また、Y軸方向への移動により加工ワーク1の端まで砥石車2が移動した場合、即ち加工ワーク1を全面加工した後には、Z軸方向に所望の深さ分切り込む。加工ワーク1の全面を一通り加工する際におけるZ軸方向の加工ワーク1とテーブル3との相対的な位置関係は固定である。Y軸方向の移動もX軸方向に砥石車2が1往復する際は固定である。Y軸方向及びZ軸方向の砥石車2とテーブル3の相対的移動は、砥石車2が加工ワーク1を外れている際に行われる。この例においてZ軸方向への砥石車2とテーブル3との相対的な移動は、砥石車2が移動することにより実現する。
【0018】
また、テーブルの往復方向を研削方向とすると、▲1▼拡散性を付与させたい方向と直交方向を研削方向として金型を加工する。このように加工することで、研削方向には微細な凹凸状の筋からなる微小凹凸面が金型の表面に形成される。このような微小凹凸面が形成された金型を用いて射出成形により一軸拡散面を透明材に形成することができる。このとき、一軸拡散面は、研削方向とほぼ直交方向に拡散性を有する。ここで、本発明の実施の形態において、「一軸拡散面」とは直交する二軸に対して、一方向のみ拡散性を示すものであり、例えばある平板に平行光をその面に対して法線方向から入射させ、出射する光の輝度を求めた場合、出射面に対して法線方向を角度0度として、直交する2方向に対して測定角度に対する輝度は異方性がなければ直交する2方向の各角度における値は等しくなる。これに対して一軸拡散性を付与させた面では、拡散方向では0度近傍の輝度が下がり、その周辺の角度の輝度が増す。これに対してその直交方向では0度の輝度は僅かに低下するものの、大凡各角度に対する輝度の傾向に変わりはない。
【0019】
研削方向と直交方向に走査させた時の金型の面粗さは、最大表面粗さRt1μm〜50μm又は平均面粗さRa0.1μm〜5μmの範囲であることが望ましい。ここでの面粗さの定義はJIS−B0601規格に基づくものである。かかる面粗さの測定機としては、位相差法を用いたWYKO社製TOPO−2D・3D、非点収差法を用いた東京精密社製Surfcom920A、原子間力顕微鏡のDigital Instruments 社製Nano Scope、触針式のTencor社製P12EXなどを用いることができ、ここでは、一例として、Tencor社製P12EXを用いた。粗さの測定条件は、走査距離が1000μm、走査速度が5μm/sec、サンプリング周波数が200Hz、スタイラス加重が5mg、スタイラス先端形状が45°、2μmR、カットオフ・フィルターがガウシアン、短波長側カットオフ・フィルターが24Hz、長波長側カットオフ・フィルターが167μmである。
【0020】
このような金型を用いて形成した透明材の面も同様の面粗さを有することになる。砥石車2には酸化アルミニウム・炭化珪素等の硬質砥粒をバインダと混ぜ合わせて固化させたものを用いる。砥石車2は回転した状態で加工ワーク1に対して相対的に移動するため、加工ワーク1の表面の領域によって、接触する砥石車2の研削表面の領域が異なる。従って、研削された加工ワーク1の表面は、部分部分で微妙に異なる研削加工が施されることになる。即ち、ランダムに加工されることになる。
【0021】
このようにして得られた金型を導光板の出射面や光入射面、拡散シートなどの拡散面の形成に用いることで、光の損失を抑えた上で特定方向に拡散機能を付加することができる。尚、本発明にかかる製造方法により一軸拡散面を形成する透明材は、完全に透明な材料のみならず、半透明材料であってもよい。透明材には、例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン等の合成樹脂やガラス材料が含まれる。
【0022】
また、▲2▼導光板の出射面に形成する場合においては、指向性を持った光の主たる進行方向と研削方向を略一致させて、その金型を加工する。これにより、導光板内を伝播する光の進行を阻害することなく、効率的にその出射角を広げることができる。ここで、指向性を持った光の主たる進行方向とは入射面に対する法線方向を指し、更に別の観点によれば、国際照明委員会の定める光の配光分布の最大強度で示される方向、完全平行光の場合においては光の進行方向と定義される。
【0023】
図2は、金型駒上に形成した一軸拡散面の顕微鏡観察像であり、本図の上下に微細な凹凸状の筋が形成されており、この筋が研削方向、この筋と直交方向が拡散方向となる。
【0024】
(第1の実施形態)
図4は本発明の実施の形態に関わる第1の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、導光板10の出射面に一軸拡散面を形成した例である。導光板10は長方形状であり、短辺2辺のうち一辺の略中央に光源チップ20が配置される。一軸拡散面における拡散方向は光源チップ20からの光の主たる進行方向とほぼ直交方向である。この場合、図4に示した如く、光の主たる進行方向に線状痕が観察されることになる。本発明では光源チップ20から出射された光が導光板10の上面(出射面)と下面(反射面)との間で繰り返し反射しながら導光板10内を伝播する。
【0025】
本発明の実施の形態にかかる導光板10は、光の進行方向に対して拡散性を持たないため、光が伝播する際に不必要な拡散を来たすことなく、効率良く導光板10内を光が伝播することになる。また、導光板10の反射プリズムに当たった光が出射面から出射する際の出射角は、光の伝播方向と直交方向が狭い傾向を示すが、この直交方向に拡散性を持たせることで、光を効率良く拡散させることが可能となる。
【0026】
次に本発明の実施の形態にかかる一軸拡散面の製造方法について説明する。
図3は図4に示した導光板を射出成形で得るための金型駒を示した斜視図である。金型駒が故に厚みが厚い以外はその外形は図4に示した導光板と同様の様相を呈す。本金型駒の製作方法としては先ず、母材として日立粉末冶金社製のHPM38(HRC50)を所望の形状に切り出し、これをナガセインテグレックス社製の平面研削盤にマグネットチャックを用いて取り付け、研削加工を行った。研削方向は図3に示した拡散方向に対して直交方向とし、この方向が図1に示したテーブルの往復方向となる。ここで、研削方向は指向性を持った光の主たる進行方向と略一致させることが選択される。即ち研削方向には微細な筋状の微小凹凸面が形成され、これと直交方向に拡散性を示す一軸拡散面を形成することができる。研削砥石はノリタケ社製CXY60−J(砥粒#60)を用い、砥石の回転数は2500rpm、ワークの研削方向と直交方向の送りピッチは1.5mm、砥石の切り込み量は0.02mm/回、研削液はノリタケクール社製NK−55を用いた。砥石車による研削幅は、約30mmである。
【0027】
研削速度はワークをマグネットチャックしたテーブルの送り速度と研削砥石の回転数の相対速度差で決定され、この研削速度が速い場合は面租さが粗く、また遅い場合は細かい面租さとなり、一軸拡散面の拡散方向に走査させた時の面粗さがRt1μm〜50μm、Ra0.1μm〜5μmの範囲となるようにテーブルの送り速度を決定した。
【0028】
このようにして得られた金型を用いて、導光板を射出成形法で成形することにより、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図5は本発明に関わる第2の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、導光板10の出射面に一軸拡散面を形成した別の例である。導光板10は長方形状であり、隅部に光源チップ20を配置した点が第1の実施形態と異にする。一軸拡散面の方向は実施例1同様に光源チップ20からの光の主たる進行方向と直交方向に拡散性を持たせた。従って、図5に示した如く、斜めに線状痕が観察されることになる。それ以外の構成は第1の実施形態を踏襲しており、また金型駒の製造方法も研削方向を異にする以外は第1の実施形態を踏襲する。本実施形態においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0030】
(第3の実施形態)
図6は本発明に関わる第3の実施形態の斜視図を表したものであり、導光板上の出射面に載置する拡散シート30に使用した例である。本例では拡散シート30中を光が伝播する必要がないため、所望の方向に拡散方向を設定することができる。基本的な金型駒の製造方法は第1の実施形態を踏襲し、得られた金型を用いてシートを製造することにより、一軸拡散性を持つ拡散シートを得ることができる。シートの材質としてはPC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)が選択される。本実施形態においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた拡散シートを得ることができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図7は本発明に関わる第4の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、導光板の光入射部に一軸拡散面を形成した例である。導光板10は長方形状であり、短辺2辺のうち一辺の略中央に光源チップが配置される。一軸拡散面の方向は短辺から入光される光源チップからの光が導光板面内に拡散する方向を選択し、導光板の厚み方向には拡散しないものとする。つまり図7に示した如く、導光板の厚み方向に線状痕が観察されることになる。加工方法については金型駒の形状が小さくなる以外は第1の実施形態を踏襲して製作することが可能である。本実施例においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0032】
(第5の実施形態)
図8は本発明に関わる第5の実施形態の導光板の斜視図を表したものであり、第4の実施形態の導光板に対して異にした入光部形状を有する導光板に使用した例である。導光板10は長方形状であり、隅部に光源チップを配置した点が第4の実施形態と異にする。一軸拡散面の方向は隅部から入光される光源チップ20からの光が導光板面内に拡散する方向を選択し、導光板10の厚み方向には拡散しないものとする。つまり図8に示した如く、導光板10の厚み方向に線状痕が観察されることになる。ここでは入光部11が曲率を持った円弧であることから、平面研削盤の代用として倣い研削盤を用いて加工する以外は第1の実施形態を踏襲して製作した。本実施例においても、光の損失を抑えた上で所望の方向のみに拡散機能を付加させた導光板を得ることができる。
【0033】
(第6の実施形態)
第6の実施の形態は、第1、第2、第4、第5の実施の形態にかかる導光板を備えた液晶表示装置に関する。図9において、10は導光板、11は光入射部、12はプリズム面、13は出射面、20は光源チップ、40は反射シート、50は偏光板(位相差板含む)、60は透過型液晶板、100は面状光源、200は液晶モジュールである。
【0034】
本実施形態では導光板10の下面即ちプリズム面12側に反射シート40を配置して面状光源100とした。導光板10の出射面13には、上述の実施の形態に示す製造方法により一軸拡散面が形成されている。反射シート40の構成、機能およびその効果は周知であることから、説明は省略する。また、面状光源100上には両面に偏光板50(位相差板含む)を設けた透過型液晶板60を配置した構成とした。ここで光源チップ20から出射された光は光入射部11を通って導光板10に入射し、導光板10内を出射面13、プリズム面12間で繰り返し反射されて導光板10内を伝播し、プリズム面12上に形成された傾斜角によって出射面13の法線方向に反射、偏向され出射面13より出射する。ここでプリズム面12側には反射シート40が配設されており、導光板10内を伝播する光は漏れなく出射面13側から出射することになる。導光板10の出射面13には、一軸拡散面が形成されているため、光は拡散され、偏光板50を介して液晶板60を照明するようにしたバックライト型の液晶表示パネルを構成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、汎用的な平面研削法を用いて加工することから、低コストでしかも短時間で加工を終えることができる。しかもシボ加工等に比べて光損失が少なく、効果的に光を拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一軸拡散面の製造方法において用いられる研削装置の要部の斜視図である。
【図2】本発明にかかる一軸拡散面の製造方法により製造された金型駒の顕微鏡の観察像を示す図である。
【図3】本発明にかかる製造方法により加工された金型駒の斜視図である。
【図4】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の斜視図である。
【図5】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の斜視図である。
【図6】本発明にかかる製造方法により製造された拡散シートの斜視図である。
【図7】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の入射面付近の拡大図である。
【図8】本発明にかかる製造方法により製造された導光板の入射面付近の拡大図である。
【図9】本発明にかかる製造方法により製造された導光板を備えた液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 加工ワーク
2 砥石車
3 テーブル
10 導光板
20 光源チップ
30 拡散シート
Claims (8)
- 透過する光を特定方向に拡散させる一軸拡散面を透明材に形成する一軸拡散面の製造方法であって、
金型に砥石を接触させた状態で光の拡散方向に対してほぼ直交する方向に砥石が往復するように前記砥石と前記金型を相対的に移動させることにより前記一軸拡散面を形成するための微小凹凸面を形成するステップと、
前記微小凹凸面が形成された金型を用いて前記透明材に前記一軸拡散面を形成するステップとを備えた一軸拡散面の製造方法。 - 前記砥石は、回転することによりその表面を金型に対して摺動させて研削する砥石車であることを特徴とする請求項1記載の一軸拡散面の製造方法。
- 前記砥石車の回転軸は、前記光の拡散方向に対してほぼ平行であることを特徴とする請求項2記載の一軸拡散面の製造方法。
- 前記金型の砥石の往復方向と直交する方向に走査させた時の最大面粗さRtが1μm〜50μm又は平均面粗さRaが0.1μm〜5μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の一軸拡散面の製造方法。
- 請求項1乃至4いずれかに記載の一軸拡散面の製造方法により製造された一軸拡散面が出射面に形成された液晶表示装置用の導光板であって、該導光板の光の主たる進行方向と前記砥石を往復させる研削方向を略一致させたことを特徴とする導光板。
- 請求項1乃至4いずれかに記載の一軸拡散面の製造方法により製造された一軸拡散面が少なくとも一面に形成された液晶表示装置用の拡散シート。
- 請求項1乃至4いずれかに記載の一軸拡散面の製造方法により製造された一軸拡散面が光入射端面に形成された液晶表示装置用の導光板であって、該導光板の厚み方向と前記砥石の往復方向を略一致させたことを特徴とする導光板。
- 前記請求項5又は7記載の導光板を備えた液晶表示装置。
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