JP2004345751A - エレベータの安全装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エレベータかご駆動用の電動機に対しトルク指令を発するトルク制御手段と、その後段の電流指令手段を通じて該電動機を駆動し、該電動機を拘束するブレーキ装置によりエレベータかごの停止を維持するエレベータにおいて、
該エレベータかご内の荷重を検出し該トルク制御手段に対しかご内の荷重情報を入力する荷重検出装置を設け、所定の条件下で該荷重検出装置の出力信号と前記電流指令手段の出力信号とを比較して前記ブレーキ装置の異常を検出するブレーキ異常検出手段を備えるものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの安全装置に係り、特にエレベータのブレーキ装置における異常検出装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からエレベータでは、ブレーキ装置におけるプランジャーの動きを正確に検出するスイッチを設け、このプランジャーの動きをチェックすることにより、ブレーキ装置の異常を検出するようにしている。
【0003】
しかしこの場合、プランジャーの動きを正確に検出する必要があり、検出スイッチの取付け調整に十分注意を払わなければならなかった。
【0004】
このため、図3に示す装置が提案されている。(特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特公平7−5251号公報
【0006】
即ち、エレベータかごの一定走行におけるトルク指令22aの最大値TMAXと最小値TMINとの差が所定値以下になったときに電動機に対するブレーキの拘束解除不良、つまりブレーキ解放不良を検出でき、ブレーキの動きを検出するスイッチやそのための配線なども不要にできるものである。この場合の装置構成は、たとえば図3に示すようなもので、速度指令装置21の速度指令21aとかご速度27aとをつき合わせてトルク制御手段22によりトルク指令22aを作り出し、電流指令手段23を通じてインバータへの電流指令を発するエレベータシステムにおいて、このトルク指令手段22のトルク指令22aをチェックして、ブレーキ異常検出手段29によりブレーキ装置の異常を検出するものである。
【0007】
ここで、図4はブレーキが作動したまま上昇運転を行った場合のかご速度とトルク指令との関係を示しており、定格負荷上昇運転時のトルクを100%としたとき、通常200〜250%程度の最大トルクを必要とすることから、トルク制御手段22には通常の運転時には動作しないが、必要以上のトルクを出力しないようにトルク指令22aにリミッタが設けられている。そして、エレベータのブレーキトルクの方は通常200%程度であり、もしブレーキを引きずったまま運転を行うと、電動機はかご走行のためのトルクに加え、ブレーキトルクに打ち勝つためのトルクも発生させなければならないので、かなりの高トルクとなる。このため、全負荷上昇運転時のトルク指令22aでは、図4(b)に示すように全領域に亘ってリミッタがかかることになるので、トルク差ΔT=TMAX−TMINは非常に小さい値となる。一方、平衡平行負荷上昇運転時には図4(c)に示すようにトルク差ΔTは正常値より小さい値となる。そして、無負荷上昇運転時には図4(d)に示すような正常時と大差がない状態となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このことから、このようなトルク差の監視では、無負荷上昇運転時や定格負荷下降運転時には、たとえブレーキを引きずったまま運転していても、異常を検出できない。あくまでも他の運転モードとともに総合的に異常を検出できるもので、早期発見することができない問題があつた。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、ブレーキに異常が起これば直ちに発見できるエレベータの安全装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エレベータかご駆動用の電動機に対しトルク指令を発するトルク制御手段と、その後段の電流指令手段を通じて該電動機を駆動し、該電動機を拘束するブレーキ装置によりエレベータかごの停止を維持するエレベータにおいて、エレベータのアンバランス荷重を検出し該トルク制御手段に対し該アンバランス荷重情報を入力する荷重検出手段を設け、所定の条件下で該荷重検出手段の出力信号と前記電流指令手段の出力信号とを比較して前記ブレーキ装置の異常を検出するブレーキ異常検出手段を備えるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、電流指令手段から出力される信号をチェックすることにより、早期にブレーキの異常を検出するものである。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例を示す全体構成図、図2はかご速度と電流指令との関係を示す図である。
【0013】
図中、図3と同一符号のものは同一のものを示すが、30はエレベータかご内の荷重を検出する荷重検出装置で、この出力信号がトルク制御手段に入力されて、そのときの荷重情報に応じたトルク指令に基き起動補償が行われる。31は本発明に係るブレーキ異常検出手段で、荷重検出装置30からの出力信号30a(30a1,30a2,30a3…)と電流指令手段23からの出力信号23aとを比較することにより、ブレーキの異常を検出するものである。この比較する時点は、たとえばエレベータかごの起動時、定速走行時、停止直前時などである。
【0014】
図2に示すとおり、荷重検出装置30が出力する出力信号30aは、定格荷重(定格負荷)の場合は30a1、均衡荷重(平衡負荷)の場合は30a2、無負荷荷重の場合は30a3のように、それぞれレベルの異なる信号であり、正常時にはかごの起動時、定速走行時及び停止直前時において、このレベルに見合った電流指令23a(信号30aよりも小さい値)しかそもそも出力されないため、この荷重検出装置30の出力信号30aと電流指令手段23の出力信号23aとを比較すれば、極めて迅速に異常を検出できることになる。即ち、電流指令23aが信号30a(30a1,30a2,30a3,…)のレベルを超えれば、ブレーキ装置が異常であると直ちに判断する。
【0015】
なお、ここではかご内の荷重を検出する荷重検出装置を採用している例を述べているが、エレベータかご内の積載荷重だけでなく、かご位置に基づく主ロープを含めたアンバランスなどを考慮して、かご位置を検出することにより、全体的なアンバランス補償分を含めたトルク指令に基づいて、ブレーキの異常を判断するようにしてもかまわない。
【0016】
このエレベータかごの起動時と定速走行時と停止直前時には、エレベータのアンバランス荷重に相当する電流(トルク)指令が電流指令手段23から発せられるので、万一異なるレベルの指令が出力されていると、ブレーキ異常検出手段31により直ちに検出されることになる。検出されると、その後のエレベータの運転が休止されるのは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各種の条件下でエレベータかごの運転が行われる場合に応じて、適宜ブレーキ装置のチェックを行うため、極めて迅速に異常検出ができる効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明装置に係るかご速度と電流指令との関係を示す図である。
【図3】従来の異常検出装置を示す全体構成図である。
【図4】図3のブレーキ異常検出装置の動作状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
22 トルク制御手段
23 電流指令手段
23a 電流指令手段23の出力信号
30 荷重検出装置
30a 荷重検出装置30の出力信号
31 ブレーキ異常検出手段
Claims (4)
- エレベータかご駆動用の電動機に対しトルク指令を発するトルク制御手段と、その後段の電流指令手段を通じて該電動機を駆動し、該電動機を拘束するブレーキ装置によりエレベータかごの停止を維持するエレベータにおいて、
エレベータのアンバランス荷重を検出し該トルク制御手段に対し該アンバランス荷重情報を入力する荷重検出手段を設け、所定の条件下で該荷重検出手段の出力信号と前記電流指令手段の出力信号とを比較して前記ブレーキ装置の異常を検出するブレーキ異常検出手段を備えたことを特徴とするエレベータの安全装置。 - 前記所定の条件下とは、エレベータかごの起動時であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの安全装置。
- 前記所定の条件下とは、エレベータかごの定速走行時であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの安全装置。
- 前記所定の条件下とは、エレベータかごの停止直前時であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの安全装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003141491A JP2004345751A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | エレベータの安全装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003141491A JP2004345751A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | エレベータの安全装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004345751A true JP2004345751A (ja) | 2004-12-09 |
JP2004345751A5 JP2004345751A5 (ja) | 2006-06-01 |
Family
ID=33529832
Family Applications (1)
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JP2003141491A Pending JP2004345751A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | エレベータの安全装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004345751A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007112538A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-05-10 | Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd | エレベータの自動点検装置、及びエレベータの自動点検方法 |
JP2008094604A (ja) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Fujitec Co Ltd | エレベータの制御装置 |
JP2010241541A (ja) * | 2009-04-03 | 2010-10-28 | Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd | エレベータの検査装置及びその改修方法 |
JP4919800B2 (ja) * | 2005-05-11 | 2012-04-18 | 三菱電機株式会社 | エレベータの制御装置 |
CN104176576A (zh) * | 2013-05-20 | 2014-12-03 | 株式会社日立制作所 | 附带安全装置的电梯 |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141491A patent/JP2004345751A/ja active Pending
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