JP2004344245A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別遊技状態中での変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告演出の面白みを向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【解決手段】時短状態中の変動表示においては、連続予告を実行する場合に、ランダムに表示される図柄の組合せではなく、時短残り変動回数以外の図柄の組合せが導出表示される(SA56〜SA59)。
【選択図】 図11
【解決手段】時短状態中の変動表示においては、連続予告を実行する場合に、ランダムに表示される図柄の組合せではなく、時短残り変動回数以外の図柄の組合せが導出表示される(SA56〜SA59)。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、または、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、有効な始動入賞の発生等の所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の図柄等の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有するパチンコ遊技機等の遊技機があった。
【0003】
このような遊技機においては、変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したこと(たとえば、表示結果が特別の大当り図柄の組合せになったこと)に特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動時間短縮制御状態、確率変動状態等)に制御されるように構成されたものがあった。
【0004】
このような遊技機としては、導出表示される識別情報により、特定遊技状態に制御されるか否かということ以外の別の事項を報知するようにした以下のようなものがあった。
【0005】
このような遊技機の第1の例としては、特別遊技状態中における変動表示の実行状況を示すために、特別遊技状態における変動表示回数を変動表示に用いられる識別情報を用いて表示するものがあった(特許文献1)。具体的に、この遊技機では、たとえば、大当り終了後の確率変動状態のような有利状態において、変動表示において一時的に導出表示される図柄の表示結果が示す数値により、有利状態が継続する残りの変動表示回数を図柄変動表示器に示す制御が行なわれる。
【0006】
また、このような遊技機の第2の例としては、特別遊技状態中における変動表示には限られるものではないが、連続する複数回の変動表示のそれぞれにおいて、大当り予告用の識別情報(たとえば、7,7,FEVER)を表示結果として導出表示するものもあった(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−143469号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−103555号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した第1の例の遊技機では、特別遊技状態中における変動表示の実行状況を示すために導出表示される変動表示回数の表示結果が、特定の表示態様の成立を目的として行なわれる識別情報の変動表示の表示結果との関連性を有していなかった。このため、特別遊技状態中における変動表示回数を導出表示することに遊技性という観点からの面白みがなく遊技者があまり興味を持たなかった。
【0010】
また、前述した第2の例の遊技機では、連続する複数回の変動表示のそれぞれにおいて導出表示される大当り予告用の識別情報が一定のものしか選択されない構成となっていたため、大当り予告用の識別情報を表示することが単調なものとなり、大当り予告用の識別情報の連続的な表示が回数を重ねるごとに遊技者に飽きられる傾向があった。
【0011】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特別遊技状態中での変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告演出の面白みを向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 所定の変動表示の実行条件(有効な始動入賞があったこと)が成立した後に変動表示の開始条件(始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもないこと)が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄、特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置(飾り図柄変動表示装置9、特別図柄変動表示装置9a)を有し、変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したこと(たとえば、表示結果が所定の大当り図柄の組合せとなったこと)に基づいて前記変動表示が所定回数(たとえば、200回)実行されるまでの期間前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動時間短縮制御状態、確率変動状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記実行条件が成立した変動表示の表示結果を前記特定の表示態様にするか否かを示すデータを保留データ(始動入賞記憶データ)として前記開始条件が成立するときまで記憶する手段であって、保留データを所定の上限個数まで記憶可能な保留記憶手段(RAM55)と、
該保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを当該保留データに対応する変動表示の開始条件の成立以前に判定する事前判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S4,S8)と、
前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数(時短残り変動回数)を計数する回数計数手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、第1実施形態の時短中変動回数カウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ53,SA32)と、
前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様になると判定されたときに、変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かを判定する予告判定手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA56)と、該予告判定手段により前記予告演出を行なうと判定されたときに、前記予告演出を実行する制御を行なう予告実行手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA59、SA71〜SA97)とを含み、
該予告実行手段は、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記予告演出として、前記特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において前記回数計数手段により計数された残変動表示回数を示す変動回数情報を前記識別情報の表示結果として導出表示させる制御を行なう(SA59,SA71〜SA97、図4参照)。
【0013】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されているときの変動表示において、保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が特定の表示態様となるか否かの判定に基づいて、変動表示の表示結果が特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かが判定され、予告演出として、特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数を示す変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示させられる。このように、特別遊技状態に制御されているときの特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示される予告演出がされるので、変動回数情報と表示結果が特定の表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる変動回数情報の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数を知らせることができる。しかも、そのように予告演出に用いられる変動回数情報は、特別遊技状態に制御されているとき変動表示が実行されるごとに変化するので、予告演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、特別遊技状態に制御されているときの変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0014】
(2) 所定の変動表示の実行条件(有効な始動入賞があったこと)が成立した後に変動表示の開始条件(始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもないこと)が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄、特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置を有し、前記変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したこと(たとえば、表示結果が所定の大当り図柄の組合せとなったこと)に基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動時間短縮制御状態、確率変動状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記実行条件が成立した変動表示の表示結果を前記特定の表示態様にするか否かを示すデータを保留データ(始動入賞記憶データ)として前記開始条件が成立するときまで記憶する手段であって、保留データを所定の上限個数まで記憶可能な保留記憶手段(RAM55)と、
該保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを前記保留データに対応する変動表示の開始条件の成立以前に判定する事前判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S4,S8)と、
前記特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数である実行変動表示回数(時短実行変動回数)を計数する回数計数手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、第3実施形態の時短中変動回数カウンタ、SA32に代わる第3実施形態の時短中変動回数カウンタを加算更新するステップ)と、
前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様になると判定されたときに、変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かを判定する予告判定手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA56)と、該予告判定手段により前記予告演出を行なうと判定されたときに、前記予告演出を実行する制御を行なう予告実行手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA59に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として決定するステップ,SA71〜SA97に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として導出表示するステップ)とを含み、
該予告実行手段は、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記予告演出として、前記特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において前記回数計数手段により計数された実行変動表示回数を示す変動回数情報を前記識別情報の表示結果として導出表示させる制御を行なう(SA59に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として決定するステップ,SA71〜SA97に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として導出表示するステップ)。
【0015】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されているときの変動表示において、保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が特定の表示態様となるか否かの判定に基づいて、変動表示の表示結果が特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かが判定され、予告演出として、特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数である実行変動表示回数を示す変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示させられる。このように、特別遊技状態に制御されているときの特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示される予告演出がされるので、変動回数情報と表示結果が特定の表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる変動回数情報の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数を知らせることができる。しかも、そのように予告演出に用いられる変動回数情報は、特別遊技状態に制御されているとき変動表示が実行されるごとに変化するので、予告演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、特別遊技状態に制御されているときの変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0016】
(3) 前記予告実行手段は、前記特別遊技状態中における表示結果が前記特定の表示態様となる変動表示において、前記特定の表示態様となる表示結果が導出表示される前に、前記変動回数情報を一旦導出表示させる(図5の(i)参照)一旦導出表示手段(SA62,SA71〜SA97)を含む。
【0017】
このような構成によれば、特別遊技状態中で表示結果が特定の表示態様となる変動表示において、特定の表示態様となる表示結果が導出表示される前に、非変動回数情報が一旦導出表示させられるので、特別遊技状態中における表示について、演出を多彩化することができ、面白みを向上させることができる。
【0018】
(4) 前記遊技機の遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータ(遊技制御用マイクロコンピュータ53)と、
該遊技制御マイクロコンピュータとは別に設けられ、当該遊技制御マイクロコンピュータからのコマンド(表示制御コマンド)に基づいて前記変動表示装置における変動表示を制御する表示制御マイクロコンピュータ(表示制御用マイクロコンピュータ81)とをさらに含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記保留記憶手段と、
前記事前判定手段と、
前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となると判定されたときに、当該表示結果が前記特定の表示態様になることを示す特定表示コマンド(保留記憶コマンド)を送信する特定表示コマンド送信手段(S45)と、
前記変動表示を行なうときに、前記事前判定手段による判定に基づいて決定された変動表示における変動パターンを示す変動パターンコマンドを送信する変動パターンコマンド送信手段(S47)とを含み、
前記表示制御マイクロコンピュータは、
前記回数計数手段と、
前記予告判定手段と、
前記予告実行手段とを含み、
前記回数計数手段は、前記変動パターンコマンドの受信に基づいて、前記計数をし(SA29〜SA32)、
前記予告判定手段は、前記特定表示コマンドの受信に基づいて、前記予告演出を行なうか否かの判定をする(SA53〜SA56)。
【0019】
このような構成によれば、遊技制御マイクロコンピュータが特定表示コマンド、および、変動パターンコマンドのようなコマンドを表示制御マイクロコンピュータに送ると、そのコマンドに基づいて、表示制御マイクロコンピュータが、回数計数手段による計数と、予告判定手段による予告演出を行なうか否かの判定とを行なうことともに、それら計数結果と判定結果とに基づいて予告実行手段が予告演出を実行するので、特別遊技状態での予告演出の表示に関する遊技制御マイクロコンピュータの制御の負担を激減することができる。
【0020】
(5) 前記予告実行手段により予告演出を行なっているか否かを判定する予告実行判定手段(SA54)をさらに含み、
前記予告判定手段は、前記予告実行判定手段により予告演出を行なっていると判定されたときに、前記予告演出を行なうか否かを判定しない(SA54でYESのときにSA56での連続予告判定をせずに直接SA58に進む)。
【0021】
このような構成によれば、予告演出を行なっているか否かが判定され、予告演出を行なっていると判定されたときに、予告演出を行なうか否かが判定されないので、予告演出が重複して実行されることを防ぐことができ、遊技機の制御負担を軽減することができる。
【0022】
(6) 前記予告判定手段は、前記保留記憶手段に記憶されている前記保留データが所定数以上であるときに、前記予告演出を行なうか否かを判定する(SA55でYESのときにのみSA56での連続予告判定をする)。
【0023】
このような構成によれば、保留データが所定数以上であるときに予告演出を行なうか否かの判定がされるので、予告演出を行なう判定がされたときに、変動回数情報を連続する複数回の変動表示において導出表示できる可能性を高めることができる。
【0024】
(7) 前記予告演出実行手段により前記予告演出が実行されているときに、当該予告演出が行なわれていることを報知する報知手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、飾り図柄変動表示装置9、SA71〜SA97、図4の(e),(g))をさらに含む。
【0025】
このような構成によれば、予告演出が実行されているときに予告演出が行なわれていることが報知されるので、予告演出が行なわれていることを遊技者が認識しやすいようにすることができる。
【0026】
(8) 前記報知手段は、前記予告演出が行なわれているときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様を、前記予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様と異なるように変化させる表示態様変化手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA83、図4の(e),(g))を含む。
【0027】
このような構成によれば、予告演出が行なわれているときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様が、予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様と異なるように変化させられるので、より予告演出が行なわれていることを遊技者がより一層認識しやすいようにすることができる。
【0028】
(9) 前記予告判定手段は、前記特別遊技状態中の変動表示において、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様にならないと判定されたとき(図3の大当りデータなしの場合)に、前記予告演出と同じ態様で実行される偽の予告演出を行なうか否かを判定し(SA56)、
前記予告実行手段は、前記予告判定手段により前記偽の予告演出を行なうと判定されたときに、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記特定の表示態様にならない判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前に、前記予告演出と同じ態様で前記偽の予告演出を行なう(SA71〜SA97)。
【0029】
このような構成によれば、変動表示の表示結果が特定の表示態様になるときのみならず、変動表示の表示結果が特定の表示態様にならないと判定されたときにも予告演出と同じ態様での偽の予告演出を実行することが判定され、その判定に基づいて偽の予告演出が行なわれるので、変動表示の表示結果が特定の表示態様になると判定されたときにのみ予告演出がされる場合と比べて、予告演出がされる機会が多くなり、予告演出に基づく遊技者の期待感をより一層盛上げることができる。
【0030】
(10) 前記予告実行手段は、前記予告判定手段により前記予告演出を行なう判定がされているときの変動表示であっても、前記表示結果を前記特定の表示態様としない変動表示について、前記変動回数情報が前記特定の表示態様と一致するときに、前記変動回数情報に代えて、前記変動回数情報以外の非変動回数情報を導出表示させる表示結果変更手段(SA58,SA60)を含む。
【0031】
このような構成によれば、予告演出を行なう判定がされているときの変動表示であっても、表示結果を特定の表示態様としない変動表示について、変動回数情報が特定の表示態様と一致するときに、変動回数情報に代えて変動回数情報以外の非変動回数情報が導出表示させられるので、特定の表示態様と一致する変動回数情報が表示結果として表示されても特定遊技状態に制御されないというような表示結果と遊技制御状態との不整合の発生を防ぐことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、前記変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0033】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。
【0034】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。
【0035】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
【0036】
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生したときのエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0037】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打玉供給皿3がある。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
【0038】
操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止される。
【0039】
遊技領域7においては、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる変動表示装置として、識別情報としての特別図柄を変動表示させるための第1の変動表示装置である特別図柄変動表示装置9aと、識別情報としての飾り図柄を変動表示させるための第2の変動表示装置である飾り図柄変動表示装置9とが設けられている。
【0040】
特別図柄変動表示装置9aは、遊技領域7の右側下部に設けられた入賞口24の下部に設けられている。この特別図柄変動表示装置9aは、複数(3つ)の7セグメントLEDが左右方向に並べて配置された態様の表示装置であり、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の3つの変動表示部が設けられている。左変動表示部、中変動表示部、および、右変動表示部のそれぞれで変動表示される特別図柄は、それぞれ、左図柄、中図柄、および、右図柄と呼ばれる。特別図柄変動表示装置9aの各変動表示部においては、特別図柄がその場で次々と切替えられて更新されていく切替表示等の所定の変動表示パターンで個別に変動表示可能である。この実施の形態では、特別図柄変動表示装置9aにおいて表示される特別図柄は、0〜9の10種類の図柄を数字で表したものである。
【0041】
また、飾り図柄変動表示装置9は、遊技領域7の中央に設けられた変動表示用構造体8の中央部に配置されている。この飾り図柄変動表示装置9は、画像を表示する液晶表示器(LCD表示器)で構成された表示装置であり、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の3つの変動表示部が画像上で設けられる。左変動表示部、中変動表示部、および、右変動表示部のそれぞれで変動表示される飾り図柄は、それぞれ、左図柄、中図柄、および、右図柄と呼ばれる。飾り図柄変動表示装置9の各変動表示部においては、飾り図柄がスクロール等の所定の変動表示パターンで個別に変動表示(変動表示)可能である。
【0042】
この実施の形態では、飾り図柄変動表示装置9において表示される飾り図柄は、0〜9の10種類の図柄を数字で表したものである。なお、飾り図柄変動表示装置9により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0043】
なお、飾り図柄変動表示装置9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0044】
飾り図柄変動表示装置9で表示される飾り図柄は、特別図柄変動表示装置9aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいい、7セグメントLEDにより行なわれる比較的単調な特別図柄変動表示装置9aの変動表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための図柄である。
【0045】
前述した特別図柄変動表示装置9aでの特別図柄と、飾り図柄変動表示装置9での飾り図柄とは、次のような関係で対応して変動表示される。特別図柄の変動表示が開始されるときには、同時に飾り図柄の変動表示が開始され、特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されるときには、同時に飾り図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示される。また、特別図柄は、変動表示の開始後、左,右,中図柄の順に順次停止表示されていくが、飾り図柄も同様に、変動表示の開始後、左,右,中図柄の順に順次停止表示されていく。このように、特別図柄と飾り図柄とは、同期した態様で変動表示される。また、飾り図柄変動表示装置9の表示結果は、特別図柄変動表示装置9aの表示結果に対応するように表示される。たとえば特別図柄変動表示装置9aの表示結果が大当り図柄の組合せを示す特定の表示態様の表示結果になる場合には、飾り図柄変動表示装置9の表示結果も大当り図柄の組合せを示す特定の表示態様の表示結果になる。また、特別図柄変動表示装置9aの表示結果が大当り図柄の組合せ以外のはずれ図柄の組合せを示す場合には、飾り図柄変動表示装置9の表示結果もはずれ図柄の組合せを示す結果となる。
【0046】
このような特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9が設けられたパチンコ遊技機1では、飾り図柄変動表示装置9により表示される飾り図柄によって、特別図柄変動表示装置9aにより表示される特別図柄よりも派手な演出で変動表示が行なわれる。このため、一般的に、遊技者は、特別図柄変動表示装置9aでの変動表示よりもよりも飾り図柄変動表示装置9での変動表示の方に注目することとなる。
【0047】
変動表示用構造体8には、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置10がさらに設けられている。普通図柄表示装置10は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器10aと、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器10bとを含む。当り表示器10aおよびはずれ表示器10bは、LED(発光ダイオード)により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような普通図柄表示装置10では、当り表示器10aおよびはずれ表示器10bを交互に点灯するよう点滅させる(交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる)ことにより普通図柄としての○印と×印とが所定時間間隔で変動表示(可変表示,更新表示ともいう)される。
【0048】
また、飾り図柄変動表示装置9においては、4個のLEDを模した始動記憶表示部が画像により表示される。この始動記憶表示部のLED画像の点灯している数により、特別図柄の変動表示を始動させるための始動口14に打玉が入賞(以下、始動入賞ともいう)して、まだ変動表示に用いられていない始動入賞が記憶されている(始動入賞記憶という)数が表示される。このような始動入賞記憶は、保留記憶とも呼ばれる。この始動入賞記憶の数には、所定数の上限値(4つ)が設けられている。したがって、始動入賞は、始動入賞記憶数が上限値になるまでに発生した場合は有効なもの(変動表示に用いられる)となり、始動入賞記憶数が上限値になった状態で発生した場合は無効なもの(変動表示に用いられない)となる。
【0049】
また、変動表示用構造体8には、遊技領域7の所定箇所には、4個のLEDからなる通過記憶表示器15が設けられている。この通過記憶表示器15のLEDの点灯している数により、普通図柄の変動表示を始動させるための通過ゲート11に打玉が通過(以下、始動通過ともいう)した数が記憶されていること(始動通過記憶という)が表示される。この始動通過記憶の数には、所定数の上限値(4つ)が設けられている。したがって、始動通過は、始動通過記憶数が上限値になるまでに発生した場合は有効なもの(変動表示に用いられる)となり、始動通過記憶数が上限値になった状態で発生した場合は無効なもの(変動表示に用いられない)となる。
【0050】
遊技領域7において、変動表示用構造体8の下方には、始動口(始動入賞口)14が設けられた始動用電動役物14aと、大入賞口(図示省略)が設けられた可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物14aには、始動口14への打玉の入賞がしやすい状態、または、始動口14への打玉の入賞がしにくい状態のいずれかにするために開閉される左右一対可動片が設けられている。可変入賞球装置19には、大入賞口への打玉の入賞が可能な状態または大入賞口への打玉の入賞が不可能な状態のいずれかにするために開閉される開閉板20が設けられている。
【0051】
また、遊技領域7においては、一般入賞口として、変動表示用構造体8の左右下方、遊技領域7の下方左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、遊技領域7の左右両端部のそれぞれには、装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下端部には、打込まれた打玉が始動口14やいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口26が設けられている。
【0052】
遊技領域7の外周には遊技効果LED42と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ43と、玉切れ中に点灯する玉切れランプ44とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ41,41が設けられている。
【0053】
また、遊技領域7においては、始動用電動役物14aの左右両側に、打玉が進入可能な通過口11が設けられている。通過口11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。
【0054】
打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限値に達していなければ、所定の乱数値(普通図柄の表示結果決定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されてメモリ(後述するRAM55)に記憶される。そして、普通図柄表示装置10の変動表示を開始させることができる状態であれば、記憶された乱数値に基づき、普通図柄表示装置10において、普通図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄表示装置10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示装置10の変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として通過玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。通過記憶表示器15におけるLEDの点灯数は、変動表示が開始される毎に1つ減らされる。
【0055】
前述したように抽出された乱数値が所定の普通図柄当り決定値と一致するときには、普通図柄表示装置10における変動表示の表示結果が当りであると判断され、変動表示の表示結果として、「〇」が付されている当り表示器10aが点灯させられる。一方、抽出された乱数値が所定の当り決定値と一致しないときは、普通図柄表示装置10における変動表示の表示結果がはずれであると判断され、変動表示の表示結果として、「×」が付されているはずれ表示器10bが点灯させられる。
【0056】
このような普通図柄の変動表示において当りとなった場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物14aが開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物14aが開成状態にあるときに打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aが開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
【0057】
始動口14に入賞した始動入賞玉は、遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると、入賞記憶数が上限に達していないことを条件として特別図柄の変動表示の実行条件が成立し、所定の乱数値(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値であり、始動入賞記憶データ、または、保留記憶データともいう)が抽出されてメモリ(後述するRAM55)に記憶される。このように記憶された始動入賞記憶データの数が始動記憶表示部において点灯状態で表示されたLED画像の数により表示される。また、始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると、5個の賞球が払出される。
【0058】
始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合には、特別図柄の変動表示の開始条件が成立し、始動入賞記憶のデータに基づき、特別図柄の3つの変動表示部において変動表示が一斉に開始される。そして、特別図柄変動表示装置9aが可変開始される毎に、点灯している始動記憶表示部のLED画像が1つ減らされる。
【0059】
特別図柄変動表示装置9aにおける特別図柄の変動表示においては、変動表示の開始時から所定時間が経過したときに変動表示が停止され、表示結果が導出表示される。表示結果として導出表示された特別図柄の停止図柄の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下大当り図柄の組合せともいう。)となれば、大当りとなり、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0060】
大当り遊技状態においては、可変入賞球装置19の開閉板20を開成させて大入賞口を開口させる制御が行なわれる。これにより、大当り遊技状態では、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20の駆動は、ソレノイド21によって行なわれる。
【0061】
可変入賞球装置19における大入賞口の内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されている。特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉は、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。また、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。そして、可変入賞球装置19に打玉が入賞した場合は、入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0062】
パチンコ遊技機1の背面側には、各入賞口および可変入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー(図示省略)が設けられており、この入賞玉集合カバーにより導かれた入賞玉は、入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示省略)に供給される。入賞玉処理装置には入賞玉検出スイッチ(図示省略)が設けられており、これにより、入賞玉処理装置による景品玉の払出しの対象となる入賞玉が検出される。
【0063】
大当り遊技状態において、大入賞口が開口した第1の状態で、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、可変入賞球装置19の第1の状態が一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。
【0064】
大当り遊技状態においては、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0065】
また、特別図柄変動表示装置9aでの変動表示において導出表示された特別図柄の表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうちの予め定められた特別の表示態様(たとえば、奇数のゾロ目。以下確変大当り図柄、または、確変図柄ともいう)となると、特別遊技条件が成立し、特定遊技状態としての大当り遊技状態の終了後において、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態に制御される。
【0066】
確率変動状態は、確率向上状態ともいい、次に大当りとなる確率が通常遊技状態(特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態)よりも高くなった状態である。このような確率変動状態は、次回の大当りが発生するまでの期間継続される。
【0067】
また、特別図柄の変動表示において導出表示された表示結果が、前述した特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうち、特別の表示態様以外の所定の表示態様(たとえば、偶数のゾロ目。以下非確変大当り図柄の組合せ、または、非確変図柄の組合せともいう)となると、特別遊技条件が成立し、特定遊技状態としての大当り遊技状態の終了後において、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての変動時間短縮制御状態(以下、時短状態という)に制御される。このような時短状態に制御されることとなる所定の表示態様(非確変大当り図柄の組合せ)は、確変大当り図柄の組合せを特別の表示態様と定義した場合における特別の表示態様以外の表示態様であるが、時短状態が特別遊技状態であるという観点からは、時短状態としての特別遊技状態に制御されるための特別の表示態様であるとも言え、確変大当り図柄の組合せ以外のその他の特別の表示態様であるとも言える。このような時短状態に制御されると、1回の変動表示が通常状態よりも短時間で終了するため、始動入賞記憶数の上限を超えた数の始動入賞の発生により始動口14の打玉の入賞が無効な始動入賞となることが低減でき、短時間により多くの変動表示を実行させることが可能となるので、遊技者にとって有利な状態となる。
【0068】
時短状態は、特別図柄の1回の変動表示の開始から終了までに要する変動時間が通常遊技状態(特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態)よりも短縮される状態である。このような時短状態は、時短状態の開始後において、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、200回であり、以下、時短設定変動回数ともいう)実行されるまでの期間にわたり継続される。ただし、時短状態は、時短状態の開始後において所定回数の特別図柄の変動表示が実行される前に次回の大当りが発生すると、その時点で終了する。
【0069】
特別図柄変動表示装置9aで変動表示された特別図柄の表示結果が大当り図柄の組合せとならない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常状態のままとなる。
【0070】
また、特別図柄の動表示中においては、リーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。
【0071】
ここで、リーチとは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組み合わせ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組み合わせを保持した状態で変動表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0072】
図2は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図2には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0073】
遊技制御基板31、表示制御基板80、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、および、発射制御基板91のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。具体的に、遊技制御基板31には遊技制御用マイクロコンピュータ53が設けられている。表示制御基板80には表示制御用マイクロコンピュータ81が設けられている。賞球制御基板37には賞球制御用マイクロコンピュータ370が設けられている。音制御基板70には音制御用マイクロコンピュータ700が設けられている。ランプ制御基板35にはランプ制御用マイクロコンピュータ350が設けられている。発射制御基板91には発射制御用マイクロコンピュータ910が設けられている。
【0074】
各制御基板に設けられた制御用のマイクロコンピュータには、たとえば、制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM、制御用プログラムに従って制御動作を行なう演算制御手段としてのCPUおよび入出力手段としてのI/Oポート等の構成要素が含まれている。これらROM、RAM、CPU、および、I/Oポートは、一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ53について図示する。
【0075】
賞球制御基板37では、球払出装置97およびカードユニット50が接続され、これらが賞球制御用マイクロコンピュータ370により制御される。音制御基板70では、スピーカ41が接続され、スピーカ41から出力される音が音制御用マイクロコンピュータ700により制御される。ランプ制御基板35では、遊技効果LED42、賞球ランプ43、玉切れランプ44、普通図柄表示装置10(10a,10b)、および、通過記憶表示器15が接続され、これらがランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御される。発射制御基板91では、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続され、これらが発射制御用マイクロコンピュータ910により制御される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80では、特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9が接続され、これらが表示制御用マイクロコンピュータ81により制御される。
【0076】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53、スイッチ回路58、ソレノイド回路59、ランプ・LED回路60、情報出力回路64、初期リセット回路65、および、アドレスデコード回路67が設けられている。
【0077】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56が、記憶されている遊技用制御プログラムを読出し、タイマ割込みにしたがって、ROM54に記憶されている遊技用制御プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行することにより、前述したような遊技制御を含む各種の遊技制御を実行する。
【0078】
スイッチ回路58は、接続されている各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および、入賞球検出スイッチ99等が接続される。
【0079】
ソレノイド回路59は、始動用電動役物14aの左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0080】
ランプ・LED回路60は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って、装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
【0081】
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率向上状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄変動表示装置9aの変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
【0082】
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1の状態を初期化する。
【0083】
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0084】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御基板31に接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、前述したような遊技が行なえるように、接続された制御対象の各種機器を駆動する制御を行なう。
【0085】
また、前述したような遊技を行なうために、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81、賞球制御用マイクロコンピュータ370、音制御用マイクロコンピュータ700、および、ランプ制御用マイクロコンピュータ350のそれぞれには、各制御用マイクロコンピュータが実行する制御内容を指令(指示、指定)する制御指令情報の一例となるコマンド(制御コマンド)がそれぞれ送信される。
【0086】
具体的に、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81には、表示制御用マイクロコンピュータ81により制御が行なわれる表示制御基板80に接続された機器を制御するための指令情報である表示制御コマンド等の情報が送信される。表示制御用マイクロコンピュータ81は、受信した表示制御コマンドに基づいて、特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9のそれぞれを動作させて特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示をさせる制御を行なう。また、表示制御用マイクロコンピュータ81は、受信した表示制御コマンドに基づいて、始動入賞記憶数を飾り図柄変動表示装置9に表示させる制御を行なう。
【0087】
表示制御コマンドの送信は、たとえば、次のように行なわれる。まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の実行にあたり、時短状態であるか否か、および、変動表示結果を大当りとするか否かを指定する当りはずれ指定コマンドを送信する。当りはずれ指定コマンドには、たとえば、時短状態中ではずれにすることを指定する時短中はずれ指定コマンド、時短状態中で大当りにすることを指定する時短中大当り指定コマンド、非時短状態中ではずれにすることを指定する非時短中はずれ指定コマンド、および、非時短状態中で大当りにすることを指定する非時短中大当り指定コマンドの4つのコマンドが含まれる。当りはずれ指定コマンドは、前述した4つのコマンドのうちの何れかのコマンドが選択されて出力される。
【0088】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の実行にあたり、現在の始動入賞記憶数を示すとともに、その時点で始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれている場合には記憶された順序(変動表示が実行される順序)で何個目の始動入賞記憶データが大当りとなるかを示し、一方、その時点で始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれていない場合にはどのデータも大当りとならないことを示す保留記憶コマンドが送信される。
【0089】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(変動表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する3つの停止図柄コマンドを送信する。その後、特別図柄の変動表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した変動表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示の停止を指示するための全図柄停止コマンドを送信する。
【0090】
このような変動表示に関する表示制御コマンドのうち、当りはずれ指定コマンドおよび保留記憶コマンドは特別図柄の変動表示が開始される前に送信され、変動パターンコマンドは特別図柄の変動表示の開始時に送信され、3つの停止図柄コマンドは特別図柄の変動表示の開始後に送信され、全図柄停止コマンドは特別図柄の変動表示の終了時に送信される。
【0091】
そして、特別図柄の変動表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。表示制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0092】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から音制御用マイクロコンピュータ700には、スピーカ41から出力させる効果音等の音を制御するための指令情報である音制御コマンド等の情報が送信される。音制御用マイクロコンピュータ700では、受信した音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41から出力させる制御が行なわれる。
【0093】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、ランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御が行なわれるランプ制御基板35に接続された機器を制御するための指令情報であるランプ制御コマンド等の情報が送信される。ランプ制御用マイクロコンピュータ350では、受信したランプ制御コマンドに基づいて、ランプおよびLED等の各種発光体の発光制御が行なわれる。
【0094】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信される情報には、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、受信したコマンドに基づいて球払出装置97を制御して、所定個数の賞球または貸玉を払出すための制御が行なわれる。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球コマンド(賞球信号ともいう)を賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信する。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置97を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。
【0095】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、前述したような制御の指令内容を示すコマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、INT信号により取込みタイミングを示しつつ指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0096】
なお、図2においては、変動表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ別のマイクロコンピュータに含ませる例を示した。しかし、これに限らず、変動表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータの機能に含ませ、その1つのマイクロコンピュータが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を統括的に行なうようにしてもよい。
【0097】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の変動表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。
【0098】
大当りとするかはずれとするかの判定は、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント値は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出されて始動入賞記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り遊技状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0099】
次に、変動表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの判定(リーチ判定ともいう)は、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする判定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ判定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ判定用のランダムカウンタを用いた判定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0100】
また、特別図柄の変動表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)の場合においては、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0101】
また、特別図柄の変動表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左,中,右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左,中,右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って可変(更新)表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。なお、はずれとする決定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(修正)して各停止図柄が決定される。
【0102】
また、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。
【0103】
また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値のうち、左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,右の各停止図柄として決定されるとともに、中特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。なお、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合において、中特別図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然左,右図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように中図柄の停止図柄が別の図柄に補正(修正)されて決定される。これにより、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の停止図柄が一致したはずれ図柄となるように停止図柄が決定される。
【0104】
以上に示したような大当り判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能および、停止図柄決定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0105】
また、表示制御用マイクロコンピュータ81では、所定の大当り予告条件が成立した場合に、飾り図柄表示装置9において、大当りとなることを予告報知する予告演出としての大当り予告を表示させるための表示制御が行なわれる。時短状態において行なわれる大当り予告は、時短時大当り予告と呼ばれ、連続予告をする予告演出と、今回予告とをする予告演出とを含む。ここで、連続予告とは、予告対象となる変動表示の表示結果が導出表示される前における連続する複数回の変動表示のそれぞれにおいて画像等により予告に関する所定の報知を行なう予告である。また、今回予告とは、予告対象となる変動表示の表示結果が導出表示される変動表示の回において画像等により予告に関する所定の報知を行なう予告である。連続予告と今回予告とは、大当り予告条件が異なる。
【0106】
表示制御用マイクロコンピュータ81では、時短状態となったときにおいて連続予告が行なわれる場合に、大当り予告の表示態様として、飾り図柄の変動表示が行なわれるごとに、飾り図柄の表示結果として、前述した時短設定変動回数分の変動表示回数についての残り回数(以下、時短残り変動回数という)、言い換えると、特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数を表示させることにより、時短時残り変動回数をカウントダウン表示させる制御が行なわれる。また、表示制御用マイクロコンピュータ81では、時短状態となったときにおいて今回予告が行なわれる場合に、大当り予告の表示態様として、飾り図柄を時短残り変動回数で一旦停止させた後に、飾り図柄を再変動表示させる制御が行なわれる。
【0107】
次に、表示制御用マイクロコンピュータ81において行なわれる連続予告をするか否かの判定について説明する。表示制御用マイクロコンピュータ81においては、前述した時短時大当り予告としての連続予告をするか否かの判定が行なわれる。このような判定は、予告判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。
【0108】
図3は、予告判定用のランダムカウンタのカウント値と、連続予告判定値との関係を表形式で示す図である。図3に示されるように、予告判定用のランダムカウンタは、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段であり、カウントアップは、所定周期(2msecごと)で1ずつ行なわれる。
【0109】
予告判定用のランダムカウンタのカウント値は、後述するように、変動表示の実行前において所定の連続予告判定実行条件(連続予告の実行中ではなく、現在の始動入賞記憶数が所定数以上であるとき)が成立したときに抽出され、連続予告判定値と一致するか否かが判定される。ここで、連続予告判定値は、予告判定用のランダムカウンタのカウント値がその値になったときに連続予告を行なうことを決定するための判定値である。
【0110】
連続予告判定値は、前述した連続予告判定実行条件が成立した時点で大当りとなる始動入賞記憶データが存在している場合について「0」〜「7」の数値範囲内の8つの数値が設定され、一方、前述した予告判定実行条件が成立した時点で大当りとなる始動入賞記憶データが存在していない場合について「8」という1つの数値が設定される。連続予告判定実行条件が成立した時点で大当りとなる始動入賞記憶データが存在しているか否かは、その時点で受信している最新の保留記憶コマンドが示す当りデータのあるなしの情報に基づいて判断される。
【0111】
このように、大当りとなる始動入賞記憶データが存在している場合の方が、そのような大当りとなる始動入賞記憶データが存在していない場合よりも高い割合(8/10)で連続予告を行なうことが決定される。また、そのような大当りとなる始動入賞記憶データが存在していない場合であっても、所定の割合(1/10)で連続予告を行なうことが決定される。また、そのような大当りとなる始動入賞記憶データが存在している場合であっても、所定の割合(2/10)で連続予告を行なわないことが決定される。
【0112】
図3に示されたような連続予告判定値は、表示制御用マイクロコンピュータ81のRAMに記憶されており、連続予告判定条件が成立したときに大当りとなる始動入賞記憶データが存在しているか否かに応じて選択的に使用される。
【0113】
次に、飾り図柄変動表示装置9で表示される時短時大当り予告の表示例を説明する。図4および図5は、時短状態における飾り図柄変動表示装置9での表示の一例を示す表示画面図である。図4および図5においては、表示画面の変化の状態が時間経過にしたがって(a)〜(k)の順に示されている。
【0114】
図4および図5を参照して、飾り図柄変動表示装置9の表示領域においては、基本的に、(b)等に示されるように、飾り図柄として、左図柄91、中図柄92、右図柄93が変動表示される(図中の下向き矢印は、変動中であることおよびスクロール方向を示している)とともに、始動記憶表示部18が表示される。
始動記憶表示部18は、4つのLEDを模した画像であるLED画像により構成され、そのLED画像が点灯状態で表わされた数により、始動入賞記憶数を表示する。
【0115】
時短状態が発生すると、まず、(a)に示されるように、「時短200回開始!」というような時短状態が開始したことを報知する表示が行なわれる。この表示における「200回」は、前述した時短設定変動回数である。
【0116】
そして、始動入賞が発生すると、(b)に示されるように飾り図柄が変動表示を行なった後、(c)に示されるように飾り図柄が停止表示されて表示結果が導出表示される。飾り図柄の停止図柄の導出表示は、左,右,中図柄の順に停止表示される特別図柄の変動表示に対応して、左図柄91,右図柄93,中図柄92の順に行なわれる。また、時短状態においては、飾り図柄変動表示装置9の表示画面の所定位置(たとえば、画面右上の位置)に時短残り変動回数を示す時短残り変動回数情報96が表示される。たとえば、(b),(c)の場合は、時短状態開始後の1回目の変動表示であるため、「200」が時短残り変動回数を示す時短残り変動回数情報96として表示される。つまり、この実施の形態での一連の時短状態は、最大限200回の変動表示が行なわれるまでと規定されているため、時短状態での1回目の変動表示の実行時点での時短残り変動回数は、「200回」となる。
【0117】
時短状態において導出表示される飾り図柄の表示結果は、時短時大当り予告が行なわれる場合を除き、(c)に示されるように、基本的に、ランダムに決定される。
【0118】
次に、時短時大当り予告としての連続予告が行なわれる場合を説明する。時短時大当り予告としての連続予告が行なわれる場合において導出表示される飾り図柄は、基本的に、表示結果が時短残り変動回数を示す図柄の組合せとなるように表示される。たとえば、(e)の場合は、時短状態開始後の102回目の変動表示において連続予告が行なわれる例である。(e)の場合は、時短状態開始後の102回目の変動表示であり、その変動表示に対応する時短残り変動回数が99回であるため、「099」という飾り図柄の組合せが時短残り変動回数を示す表示結果として導出表示される。そして、連続予告が行なわれる場合には、(d)〜(g)に示されるように、時短状態において連続予告中に変動表示が行なわれるごとに、飾り図柄の表示結果により時短残り変動回数がカウントダウン表示されていく。
【0119】
このように、時短状態においては、飾り図柄の表示結果として時短残り変動回数を表示していくことにより、連続予告が行なわれる。このような連続予告が行なわれる場合において、飾り図柄の表示結果が時短残り変動回数となっているか否かは、導出表示された飾り図柄の表示結果が示す数値と、表示中の時短残り変動回数情報96の数値とが一致するか否かに基づいて、遊技者が確認することができる(これらの数値が一致した変動表示が連続して発生している場合には、連続予告が行なわれているものと判断できる。)。
【0120】
このような時短残り変動回数がカウントダウン表示される連続予告中においては、変動表示の表示結果が、はずれとなることが決定されている場合であっても、たとえば、時短残り変動回数に応じて「111」というような大当り図柄の組合せになってしまう場合が生じる可能性がある。このような場合には、たとえば、導出表示する表示結果が「911」というような大当り図柄の組合せにならない図柄の組合せに補正して表示される。
【0121】
また、このような連続予告が行なわれているときには、連続予告が行なわれていることを報知するために、(e),(g)に示されるように、表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様が、連続予告が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様と異なるように変化させられる。具体的に、(e),(g)では、連続予告が行なわれているときの表示結果となる飾り図柄の色および模様が、連続予告が行なわれていないときの表示結果となる飾り図柄(色はあるが模様はなし)と異なるように変化させられる(色が変化し模様が付加される)。さらに、このような連続予告が行なわれているときには、(e),(g)に示されるように、飾り図柄の表示結果が導出表示されるときに、飾り図柄の背景画像が通常時の背景画像95とは表示態様が異なる連続予告時背景画像99(たとえば、通常時の所定色で模様がない背景画像に対して、何かが発光したような形状が中央部に表示された背景画像)に変化させられる。
【0122】
また、大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示の回には、最終的な表示結果が導出表示される前の変動表示中の所定のタイミングにおいて、前述した今回予告をするために、(i)に示されるように飾り図柄が一旦停止する一旦停止表示(仮停止表示ともいう)が行なわれる。
【0123】
一旦停止表示において導出表示される飾り図柄は、たとえば、(i)に示す「097」というような時短残り変動回数にされる。一旦停止状態では、たとえば、(i)に示されるように、飾り図柄が上下方向に揺れて表示される揺れ動作表示が行なわれるとともに、今回予告が行なわれていることを報知するために、一旦停止が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様と異なるように変化させられる。具体的に、(i)では、一旦停止が行なわれているときの表示結果となる飾り図柄の色および模様が、一旦停止が行なわれていないときの表示結果となる飾り図柄(色はあるが模様はなし)と異なるように変化させられる(色が変化し模様が付加される)。そして、一旦停止表示がされた後、(j)に示されるように飾り図柄の再度変動表示が開始され、その後、(k)に示されるように大当り図柄の組合せ(たとえば、「777」)が表示結果として導出表示される。このような一旦停止表示および再変動表示は、大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示の回に実行されるため、今回予告を示す表示である。また、このような大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示の回における大当り予告は、前述した連続予告の概念の一部に含めてもよい。
【0124】
一方、時短状態において時短時大当り予告の実行がされず、かつ、大当りが発生しない場合には、200回の変動表示が行なわれるまで、飾り図柄の変動表示の表示結果として、時短残り変動回数以外の値がランダムに表示される態様で表示されていく。
【0125】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0126】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行されるサブルーチンプログラムのうち一部のプログラムについて説明する。以下においては、特別図柄通常処理、停止図柄・変動パターン設定処理、および、変動表示時コマンド送信関連処理について説明する。
【0127】
まず、特別図柄通常処理を説明する。特別図柄通常処理においては、始動入賞記憶に基づいて大当り判定がされるとともに、その判定結果に基づいて、当りはずれ指定コマンドおよび保留記憶コマンドのそれぞれについて送信をするための設定がされる。
【0128】
図6は、特別図柄通常処理の処理内容を示すフローチャートである。ステップS(以下、単にSという)1により、特別図柄の変動表示を開始することができる状態であるか否かが判断される。具体的に、S1では、現在において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合に、特別図柄の変動表示を開始することができる状態であると判断する。
【0129】
S1により特別図柄の変動表示を開始することができない状態であると判断された場合は、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。一方、S1により特別図柄の変動表示を開始することができる状態であると判断された場合には、S2に進み、始動入賞記憶のデータがあるか否かが判断される。S2により始動入賞記憶のデータがないと判断された場合は、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。一方、S2により始動入賞記憶のデータがあると判断された場合は、S3に進み、次の変動表示に用いる始動入賞記憶データ(始動入賞記憶データのうち、最先に記憶されたデータ)が、大当り判定をするために読出される処理が行なわれる。このような大当り判定をするために読出された始動入賞記憶データは、その後、不用になるので、消去される。
【0130】
次に、S4により、大当りを発生させるか否かを決定するための大当り判定が行なわれる。具体的に、S4では、S3により読出された始動入賞記憶データ(大当り判定用のランダムカウンタの抽出値)と前述した大当り判定値とが一致するか否かが確認され、これらが一致する場合に大当りとし、不一致の場合にはずれとする前述したような大当り判定が行なわれる。
【0131】
次に、S5に進み、S4での大当り判定により大当りとする決定がされたか否かが判断される。S5により大当りとする決定がされたと判断された場合は、後述するS12に進む。一方、S5により大当りとする決定がされていない、すなわち、はずれとする決定がされたと判断された場合は、S6に進み、現在が時短状態中であるか否かが判断される。現在が時短状態中であるか否かは、時短状態中であるときにフラグがオン状態にされ、時短状態が終了するとフラグがオフ状態となる時短フラグの状態を確認することに基づいて判断される。
【0132】
S6により時短状態中ではないと判断された場合は、S10に進み、非時短中はずれ指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。S10でデータの設定が行なわれることにより、非時短中はずれ指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に非時短中はずれ指定コマンドが送信されることとなる。S10の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0133】
一方、S6により時短状態中であると判断された場合は、S7に進み、時短中はずれ指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、時短中はずれ指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に時短中はずれ指定コマンドが送信されることとなる。
【0134】
次に、S8に進み、現在RAM55に記憶されているすべての始動入賞記憶データを対象として大当りとなる始動入賞記憶データが存在しているか否かを判断するために、すべての始動入賞記憶データを対象としたデータのスキャン(検査)が行なわれる。
【0135】
次に、S9に進み、S8でのスキャンの結果、始動入賞記憶データのうちに大当りと判定されるデータがあるか否かが判断される。S9により大当りと判定されるデータがないと判断された場合は、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0136】
S9では、保留記憶コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。具体的に、S9では、S8でのスキャンにより大当りと判定されるデータがあると判断された場合は、現在の始動入賞記憶数の情報と、現在の始動入賞記憶の順序(変動表示が実行される順序)で何個目の始動入賞記憶データが大当りとなるかを特定する保留記憶コマンドを送信するためのデータの設定が行なわれる。また、S9では、S8でのスキャンにより大当りと判定されるデータがないと判断された場合は、現在のどの始動入賞記憶データも大当りとならないことを特定する保留記憶コマンドを送信するためのデータの設定が行なわれる。このようなデータの設定がされることにより、保留記憶コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に保留記憶コマンドが送信されることとなる。S10の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0137】
また、前述したS5により大当りとする決定がされたと判断されてS11に進んだ場合は、大当りフラグをオン状態にするための処理が行なわれる。ここで、大当りフラグとは、大当りとする決定がされたことを示すためのフラグであり、大当りとする決定がされた場合にオン状態にされる。この大当りフラグは、大当り遊技状態が終了すると、オフ状態にされる。
【0138】
次に、S12に進み、現在が時短状態中であるか否かが判断される。S12により時短状態中ではないと判断された場合は、S14に進み、非時短中大当り指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。S14でデータの設定が行なわれることにより、非時短中大当り指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に非時短中大当り指定コマンドが送信されることとなる。S14の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0139】
一方、S12により時短状態中であると判断された場合は、S13に進み、時短中大当り指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、時短中大当り指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に時短中大当り指定コマンドが送信されることとなる。S13の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0140】
次に、停止図柄・変動パターン設定処理について説明する。停止図柄・変動パターン設定処理においては、大当り判定での判定結果に対応して、特別図柄の変動表示における停止図柄および変動パターンが設定される。
【0141】
図7は、停止図柄・変動パターン設定処理の処理内容を示すフローチャートである。S21により、前述した大当りフラグがオン状態であるか否かが判断される。S21により大当りフラグがオン状態であると判断された場合、すなわち、表示結果が大当りとなる場合は、後述するS22に進む。一方、S21により大当りフラグがオン状態ではないと判断された場合、すなわち、表示結果がはずれとなる場合は、S23に進む。
【0142】
S23では、前述したリーチ判定用の乱数(ランダムカウンタの値)が抽出される。そして、S24により、前述したようなリーチ状態を発生させるか否かを決定するためのリーチ判定が行なわれる。具体的に、S24では、S23により抽出されたリーチ判定用の乱数値と前述したリーチ判定値とが一致するか否かが確認され、これらが一致する場合にリーチ状態(最終的にはずれとなるリーチ状態)を発生させるという決定がされ、不一致の場合にリーチ状態を発生させないという決定がされる。
【0143】
次に、S25に進み、S24でのリーチ判定によりリーチ状態を発生させる決定がされたか否かが判断される。S25によりリーチ状態を発生させる決定がされたと判断された場合は、S26に進み、リーチ状態となるはずれ停止図柄を特別図柄の表示結果となる停止図柄として決定する処理が行なわれる。具体的に、S26では、前述したようなリーチ状態となるはずれ停止図柄の決定の仕方で、停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて、リーチ状態となるはずれ停止図柄が決定される。S26の後、後述するS28に進む。
【0144】
S25によりリーチ状態を発生させる決定がされていないと判断された場合は、S27に進み、リーチ状態とならないはずれ停止図柄を特別図柄の表示結果となる停止図柄として決定する処理が行なわれる。具体的に、S27では、前述したようなリーチ状態とならないはずれ停止図柄の決定の仕方で、停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて、リーチ状態とならないはずれ停止図柄が決定される。S27の後、S28に進む。
【0145】
S28では、S22,S26,S27のうちのいずれかにより決定された停止図柄に基づいて、左,中,右の特別図柄のそれぞれの停止図柄を指定する3つの停止図柄コマンド(左停止図柄コマンド,中停止図柄コマンド,右停止図柄コマンド)を送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、特別図柄の停止図柄コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に特別図柄の停止図柄を指定する左停止図柄コマンド、中停止図柄コマンド、および、右停止図柄コマンドコマンドの3つの停止図柄コマンド)が送信されることとなる。
【0146】
次に、S29に進み、前述した大当り判定での判定結果およびリーチ判定での判定結果に基づいて、変動パターンを決定する処理が行なわれる。具体的に、S29では、前述したような変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を抽出し、その抽出に基づいて、前述したような決定の仕方で変動パターンが決定される。特別図柄の変動パターンには、非時短状態での通常の変動時間での変動パターンと、時短状態での短縮された変動時間での変動パターンとが含まれている。このため、S29において、非時短状態では、非時短状態に対応する変動パターンが選択決定され、時短状態では、時短状態に対応する変動パターンが選択決定される。
【0147】
次に、S30に進み、S29により決定された変動パターンに基づいて、変動パターンコマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、変動パターンコマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に変動パターンコマンドが送信されることとなる。S30の後、停止図柄・変動パターン設定処理が終了し、リターンする。
【0148】
次に、変動表示時コマンド送信関連処理について説明する。変動表示時コマンド送信関連処理においては、特別図柄の変動表示に用いられる表示制御コマンドが送信される。特別図柄の変動表示に用いられる表示制御コマンド以外の表示制御コマンドは、その他のコマンド送信処理の実行に基づいて送信されることとなる。
【0149】
図8は、変動表示時コマンド送信関連処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S41により、現在が、当りはずれコマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S41により送信タイミングであると判断された場合は、S42に進み、時短中はずれ指定コマンド、時短中大当り指定コマンド、非短中はずれ指定コマンド、および、非時短中大当り指定コマンドのうち、前述したS7,S11,S14,S15のいずれかによって、今回行なう変動表示のために設定されたコマンドが当りはずれコマンドとして送信される。S42の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、S41により送信タイミングではないと判断された場合は、S43に進む。
【0150】
S43では、現在が、保留記憶コマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S43により送信タイミングであると判断された場合は、S44に進み、今回行なう変動表示のために保留記憶コマンドが設定されているか否かが判断される。S44により設定されていないと判断された場合は、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、S44により設定されていると判断された場合は、S45に進み、S10により設定された保留記憶コマンドが送信される。S45の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。また、前述したS43により送信タイミングではないと判断された場合は、S46に進む。
【0151】
S46では、現在が、変動パターンコマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S46により送信タイミングであると判断された場合は、S47に進み、S29により設定された変動パターンコマンドが送信される。S47の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、前述したS46により送信タイミングではないと判断された場合は、S48に進む。
【0152】
S48では、現在が、特別図柄の停止図柄コマンド(左,中,右の停止図柄コマンド)についての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S48により送信タイミングであると判断された場合は、S49に進み、S28により設定された左,中,右の3つの停止図柄コマンドが順次送信される。S49の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、前述したS48により送信タイミングではないと判断された場合は、S50に進む。
【0153】
S50では、現在が、全図柄停止コマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S50により送信タイミングであると判断された場合は、S51に進み、全図柄停止コマンドが送信される。S51の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、前述したS50により送信タイミングではないと判断された場合は、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。
【0154】
以上に示したように、特別図柄の変動表示に用いられる表示制御コマンドは、各コマンドについて予め定められた送信タイミングになると、変動表示を実行させるために送信される。
【0155】
次に、表示制御用マイクロコンピュータ81のCPUにより実行される制御を説明する。表示制御用マイクロコンピュータ81では、特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9のそれぞれにおける変動表示の進行を制御するための処理である表示制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理によって各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0156】
次に、表示制御用マイクロコンピュータ81により実行されるサブルーチンプログラムのうちの一部のプログラムについて説明する。以下においては、コマンド解析処理、飾り図柄演出設定処理、図柄変動開始処理、図柄変動中処理、および、全図柄停止待ち処理について説明する。
【0157】
まず、コマンド解析処理を説明する。コマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信される表示制御コマンドを受信したときに、受信したコマンドが示す情報が解析される。図9および図10は、コマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0158】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは、予め定められた受信コマンドバッファ(図示省略)に格納される。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0159】
まず、SA21により、コマンド受信バッファに受信した表示制御コマンドが格納されているか否かが確認される。具体的に、コマンドが格納されているか否かは、表示制御コマンドを受信するごとにカウントアップされるコマンド受信個数カウンタの値と、受信した表示制御コマンドが読出されるごとに加算される読出ポインタとを比較することによって判断される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。
【0160】
SA21により格納されていないと判断された場合は、このコマンド解析処理が終了する。一方、SA21により格納されていると判断された場合は、SA22に進み、コマンド受信バッファから受信コマンドが読出される。なお、このような読出しに応じて読出ポインタの値が「1」加算されるのである。
【0161】
次に、SA23により、受信した表示制御コマンドが前述した左停止図柄コマンドであるか否かが判断される。SA23により左停止図柄コマンドであると判断された場合は、SA24において、左停止図柄コマンドが指定する左特別図柄を示すデータがRAMにおける左特別図柄格納領域に格納され、その後、SA21に戻る。一方、SA23により左停止図柄コマンドではないと判断された場合は、SA25に進む。
【0162】
SA25では、受信した表示制御コマンドが前述した中停止図柄コマンドであるか否かが判断される。SA25により中停止図柄コマンドであると判断された場合は、SA26において、中停止図柄コマンドが指定する中特別図柄を示すデータがRAMにおける中特別図柄格納領域に格納され、その後、SA21に戻る。一方、SA25により中停止図柄コマンドではないと判断された場合は、SA27に進む。
【0163】
SA27では、受信した表示制御コマンドが前述した右停止図柄コマンドであるか否かが判断される。SA27により右停止図柄コマンドであると判断された場合は、SA28において、右停止図柄コマンドが指定する右特別図柄を示すデータがRAMにおける右特別図柄格納領域に格納され、その後、SA21に戻る。一方、SA27により右停止図柄コマンドではないと判断された場合は、SA29に進む。
【0164】
SA29では、受信した表示制御コマンドが前述した変動パターンコマンドであるか否かが判断される。SA29により変動パターンコマンドであると判断された場合は、SA30により、変動パターンコマンドが指定する変動パターンを示すデータがRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納される。そして、SA31により、現在が時短状態中であるか否かが判断される。
【0165】
具体的に、SA31では、表示制御コマンドに応じて実行しようとする変動表示に関連して先に受信された当りはずれコマンドにより時短中はずれフラグまたは時短中大当りフラグがオン状態になっているか否かに基づいて判断される。ここで、時短中はずれフラグとは、時短状態中でのはずれとなる状態であることを示すためのフラグである。時短中はずれフラグは、当りはずれコマンドにより時短中でのはずれとなる状態であることが示された場合にオン状態にされ、該当する変動表示が終了するごとにオフ状態にされる。また、時短中大当りフラグとは、時短状態中での大当りとなる状態であることを示すためのフラグである。時短中大当りフラグは、当りはずれコマンドにより時短中での大当りとなる状態であることが示された場合にオン状態にされ、該当する変動表示が終了するとオフ状態にされる。
【0166】
SA31により時短状態中であると判断された場合は、SA32により、時短中変動回数カウンタの計数値が「1」だけ減算更新され、その後、SA21に戻る。ここで、時短中変動回数カウンタは、1回の時短状態中における特別図柄の変動表示に関する実行回数を計数するための計数手段であって、この実施の形態の場合は、前述した時短残り変動回数を計数するために、時短設定変動回数(200回)+1を初期値として、変動表示が実行されるごとに減算更新される。ここで、時短中変動回数カウンタの初期値を200+1回としたのは、時短残り変動回数の表示が各変動表示中は実行中の変動表示を含めた回数として表示されるために、時短中変動回数カウンタの計数値と初期値を時短残り変動回数の表示値とを整合させるためである。
【0167】
また、前述したSA29により変動パターンコマンドではないと判断された場合は、SA33(図10参照)に進み、受信した表示制御コマンドが前述した非時短中はずれ指定コマンドであるか否かが判断される。SA33により非時短中はずれ指定コマンドであると判断された場合は、SA34により、前述した時短中変動回数カウンタの計数値が初期値(「200+1」)に初期化される。そして、SA35により、非時短中フラグがオン状態にされ、その後、SA36に進む。ここで、非時短中フラグとは、非時短状態中であることを示すためのフラグである。非時短中フラグは、当りはずれコマンドにより非時短中であることが示された場合にオン状態にされ、該当する変動表示が終了するごとにオフ状態にされる。また、前述したSA33により非時短中はずれ指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA36に進む。
【0168】
SA36では、受信した表示制御コマンドが前述した非時短中大当り指定コマンドであるか否かが判断される。SA36により非時短中大当り指定コマンドであると判断された場合は、SA37により、前述した時短中変動回数カウンタの計数値が初期値(「200+1」)に初期化される。そして、SA38により、非時短中フラグがオン状態にされ、その後、SA39に進む。また、前述したSA36により非時短中大当り指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA39に進む。
【0169】
SA39では、受信した表示制御コマンドが前述した時短中はずれ指定コマンドであるか否かが判断される。SA39により時短中はずれ指定コマンドであると判断された場合は、SA40により、前述した時短中はずれフラグがオン状態にされ、その後、SA41に進む。また、前述したSA39により時短中はずれ指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA41に進む。
【0170】
SA41では、受信した表示制御コマンドが前述した時短中大当り指定コマンドであるか否かが判断される。SA42により時短中大当り指定コマンドであると判断された場合は、SA42により、前述した時短中大当りフラグがオン状態にされ、その後、SA21に戻る。また、前述したSA41により時短中大当り指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA43に進む。
【0171】
SA43では、受信した表示制御コマンドが前述した保留記憶コマンドであるか否かが判断される。SA43により保留記憶コマンドであると判断された場合は、SA44により、受信した保留記憶コマンドのデータに基づいて、現在の始動入賞記憶数をRAMに格納させる処理が行なわれるとともに、何個目の始動入賞記憶データが大当りとなるかが示されている場合には、現在の始動入賞記憶データのうちの大当りとなる始動入賞記憶データの番号(変動表示が実行される順序で何個目のデータかを示す番号)をRAMに格納させ、いずれの始動入賞記憶データも大当りとならないことが示されている場合は、大当りとなる始動入賞記憶データの番号を「0」としてRAMに記憶させる処理が行なわれる。
【0172】
このように格納された始動入賞記憶数のデータは、始動入賞記憶数の表示のために用いられるとともに、後述するように、連続予告に関連する制御のために用いられる。たとえば、始動入賞記憶数の表示は、このように格納された始動入賞記憶数のデータに基づいて、その数に対応するLED画像を画面上で表示させる制御が所定のプログラムにより実行されることにより実現される。SA44の後、SA21に戻る。一方、SA43により保留記憶コマンドではないと判断された場合は、そのままSA21に戻る。
【0173】
次に、飾り図柄演出設定処理を説明する。飾り図柄演出設定処理においては、前述したコマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、飾り図柄変動表示装置9で変動表示される飾り図柄の演出が設定される。図11は、飾り図柄演出設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0174】
まず、SA51により、前述した非時短中フラグがオン状態になっているか否かが判断される。SA51によりオン状態になっていると判断された場合は、SA52に進み、前述した左,中,右の停止図柄コマンドにより指定された左,中,右の特別図柄の停止図柄に対応する図柄が、左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定され、その後、後述するSA64に進む。このようなSA52で決定された飾り図柄の停止図柄が非時短状態での変動表示での飾り図柄の表示結果として表示される。一方、SA51によりオン状態になっていないと判断された場合は、SA53に進む。
【0175】
SA53では、前述した時短中はずれフラグがオン状態になっているか否かが判断される。SA53によりオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSA61に進む。一方、SA53によりオン状態になっていると判断された場合は、SA54に進み、現在が連続予告の実行中の状態であるか否かが判断される。
【0176】
SA54により連続予告の実行中であると判断された場合には、後述するSA58に進む。一方、SA54により連続予告の実行中ではないと判断された場合には、SA55に進み、現在の始動入賞記憶数が所定数(たとえば、3つ)以上であるか否かが判断される。具体的に、SA55では、前述したように受信された保留記憶コマンドに応じて格納された始動入賞記憶数に基づいて、前述した判断が行なわれる。このようなSA54およびSA55では、連続予告判定実行条件が成立しているか否かが判断されるのである。
【0177】
SA55により始動入賞記憶数が所定数以上ではないと判断された場合は、連続予告判定実行条件が成立していないと判断された場合であり、SA60に進み、前述した時短中変動回数カウンタの計数値以外の数値を示す図柄が左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定される。これにより、時短状態中において、時短時大当り予告としての連続予告が行なわれないときには、飾り図柄の変動表示において導出される表示結果が時短中変動回数カウンタの計数値以外の数値の図柄の組合せとなる。
【0178】
具体的に、SA60では、飾り図柄決定用ランダムカウンタの値を抽出し、その抽出値に基づいて、はずれの表示結果となる左,中,右の飾り図柄をランダムに決定する。この場合の飾り図柄の決定方法は、前述した特別図柄の停止図柄の決定方法と同様である。つまり、左,中,右の飾り図柄のそれぞれに対応する図柄決定用のランダムカウンタ(たとえば、前述した特別図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタと同様の機能を有するランダムカウンタ)を設けておき、SA60に処理が進んだタイミングで各ランダムカウンタからカウント値を抽出し、それら各抽出値に対応する図柄を左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定する。これにより、飾り図柄の停止図柄がランダムに決定される。ただし、特別図柄の停止図柄の場合と同様に、各ランダムカウンタから抽出したカウント値に対応する飾り図柄の組合せが偶然大当り図柄の組合せになってしまうときには、前述した特別図柄の停止図柄を決定する場合と同様の図柄補正が行なわれ、はずれの図柄の組合せとされる。また、例外的に、ランダムカウンタのカウント値に対応する飾り図柄の組合せがその時点での時短中変動回数カウンタの計数値(たとえば、「050」)と一致してしまう場合には、その計数値および大当り図柄の組合せにならない図柄の組合せに補正される(たとえば、「550」というように、左図柄を計数値が取り得ない数値に補正する等)。SA60の後、後述するSA64に進む。このようなSA60で決定された飾り図柄の停止図柄がたとえば、図4の(c)に示されるような連続予告に該当しない変動表示の表示結果として表示される。
【0179】
一方、SA55により始動入賞記憶数が所定数以上であると判断された場合は、連続予告判定実行条件が成立していると判断された場合であり、SA56に進み、時短時大当り予告としての連続予告を実行するか否かが判定される。具体的に、SA56では、前述した予告判定用のランダムカウンタのカウント値を抽出するとともに、前述したように受信した保留記憶コマンドに基づいてRAMに格納された始動入賞記憶データの番号のデータに基づいて判断される大当りとなる始動入賞記憶データが存在するかに応じて予告判定値を読出し、これらが一致するか否かが判定される。その判定において、抽出されたカウント値が予告判定値と一致する場合には、連続予告を実行することが決定され、逆に、それらの値が一致しない場合には、連続予告を実行しないことが決定される。
【0180】
連続予告を実行することが決定された場合に連続予告の演出態様での変動表示が行なわれる変動表示の回数は、連続予告の判定時点で大当りの始動入賞記憶データが含まれている場合にはその大当りの始動入賞記憶データに基づく変動表示が実行される1回前の変動表示までの回数である。この場合は、大当りの始動入賞記憶データに基づく変動表示の回を予告のターゲットして連続予告が行なわれることとなる。また、連続予告の判定時点で大当りの始動入賞記憶データが含まれていない場合において、連続予告を実行することが決定された場合に連続予告の演出態様での変動表示が行なわれる変動表示の回数は、その時点でのすべての始動記憶データに基づく変動表示が実行されるまでの回数である。この場合は、連続予告の判定時点において存在していた始動記憶データに基づいて行なわれる変動表示のうちの最後に変動表示が行なわれる変動表示の回を予告のターゲットして連続予告が行なわれることとなる。なお、連続予告の判定時点で大当りの始動入賞記憶データが含まれていない場合において連続予告を実行することが決定された場合の連続予告のターゲットは、連続予告の判定時点で存在している大当りの始動入賞記憶データのうちから適宜選択(たとえば、ランダムに選択)してもよい。
【0181】
図示を省略するが、SA56によって連続予告を実行する決定がされた場合には、時短時大当り予告としての連続予告を実行することを示すデータおよび連続予告が実行される回数を示すデータがRAMに記憶されるとともに、その連続予告を実行する決定がされてから実行された変動表示の回数に基づいて現在が連続予告中であるか否か管理するサブルーチンが実行されることにより、現在が連続予告中であるか否かが表示制御用マイクロコンピュータ81において管理される。これにより、前述したSA54では現在が連続予告中であるか否かが認識できるのである。また、このような管理が行なわれることにより、表示制御用マイクロコンピュータ81によって、連続予告が実行される対象となる各変動表示において、前述した表示態様で時短残り変動回数を変動表示結果として導出表示させる制御が行なわれる。
【0182】
SA56の後、SA57に進み、SA56の判定により連続予告を実行することが決定されたか否かが判断される。SA57により連続予告を実行しないことが決定されたと判断された場合には、前述したSA60に進み、時短中変動回数値以外の図柄が飾り図柄の停止図柄として決定される。一方、SA57により連続予告を実行することが決定されたと判断された場合には、SA58に進み、現在の時短中変動回数カウンタの計数値が、大当り図柄の組合せ(111のゾロ目の図柄の組合せ)の数値と一致しているか否かが判断される。SA58により一致していないと判断された場合には、SA59に進み、時短中変動回数カウンタの計数値が左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定される。SA59の後、SA64のステップに進む。このようなSA59で決定された飾り図柄の停止図柄がたとえば、図4の(e),(g)に示されるような連続予告に該当する変動表示の表示結果として表示される。
【0183】
一方、SA58により一致していると判断された場合には、SA60に進み、時短中変動回数値以外の図柄が飾り図柄の停止図柄として決定される。つまり、現在の時短中変動回数カウンタの計数値が、大当り図柄の組合せの数値と一致している場合には、そのまま時短中変動回数カウンタの計数値を表示結果として導出表示すると、大当り遊技状態とならないにも関わらず大当り図柄の組合せが導出表示されてしまうことになるので、そのような表示結果と遊技状態との不一致を避けるために、表示結果として導出表示する飾り図柄が、大当り図柄の組合せにならない図柄の組合せに補正されるのである。このような場合にSA60で決定された飾り図柄の停止図柄がたとえば、前述したような連続予告中において大当り図柄の表示結果の導出表示を避けるために補正された変動表示の表示結果として表示される。
【0184】
また、前述したSA53により時短中はずれフラグがオン状態になっていないと判断されてSA61に進んだ場合は、前述した時短中大当りフラグがオン状態になっているか否かが判断される。SA61によりオン状態になっていないと判断された場合は、この飾り図柄演出設定処理が終了する。一方、SA61によりオン状態になっていると判断された場合は、SA62に進む。
【0185】
SA62では、前述した時短中変動回数カウンタの計数値を示す図柄が左,中,右の飾り図柄の一旦停止図柄として決定される。これにより、時短状態中において、再変動後に大当りとなる大当りの変動表示が行なわれるときには、一旦停止表示される飾り図柄の組合せである一旦停止図柄が時短中変動回数カウンタの計数値の図柄の組合せとなる。言い換えると、時短状態中において大当りとなる変動表示が行なわれるときにのみ、飾り図柄の一旦停止表示および再変動表示を実行する今回大当り予告が行なわれることとなる。
【0186】
次に、SA63により、前述した停止図柄コマンドにより指定された左,中,右の特別図柄の停止図柄に対応する図柄が、左,中,右の飾り図柄の大当り停止図柄として決定され、その後、後述するSA64に進む。これにより、時短状態中において、飾り図柄の変動表示において表示結果として導出される大当り図柄の組合せは、特別図柄の停止図柄と一致した図柄の組合せとなる。
【0187】
SA64では、SA52、SA59、SA60およびSA63により決定された飾り図柄の停止図柄を導出表示するための変動表示について、予め定められた複数種類の変動パターンのうちから、実行する変動パターンが決定される。
【0188】
具体的に、表示制御用マイクロコンピュータ81のROMには、非時短状態において大当りまたははずれとなる変動表示に対応する変動パターン、時短状態において連続予告をしないはずれとなる変動表示に対応する変動パターン、時短状態において連続予告をするはずれとなる変動表示に対応する変動パターン、および、時短状態において大当りとなる変動表示に対応する変動パターン等の複数種類の変動パターンよりなる複数種類の飾り図柄変動パターンが記憶されている。SA64では、このように記憶された飾り図柄変動パターンのうちから、SA52、SA59、SA60またはSA63での決定状況に基づいて、これから実行しようとする変動表示に対応する変動パターンを選択決定する処理が行なわれる。このように変動パターンが決定されることにより、飾り図柄は、遊技状態に応じた変動パターンで変動表示されることとなる。
【0189】
SA64の後、SA65に進み、実行するサブルーチンを、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示を開始させる処理である図柄変動開始処理に移行させるための処理が行なわれる。
【0190】
このように飾り図柄演出設定処理において左,中,右の飾り図柄についての停止図柄および変動パターンが決定されると、決定された左,中,右の飾り図柄についての停止図柄および変動パターンがこれから実行しようとする変動表示における飾り図柄についての停止図柄および変動パターンとして設定され、その設定に基づいて、飾り図柄の変動表示が実行されることとなる。
【0191】
次に、図柄変動開始処理を説明する。図柄変動開始処理においては、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示が開始させられる。図12は、図柄変動開始処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0192】
まず、SA71において、特別図柄および飾り図柄の変動表示に使用するプロセスデータが選択される。ここで、プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データ、および、飾り図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとの組合せよりなる組合せデータが複数組設定されたデータよりなる。
【0193】
飾り図柄の変動表示に使用するプロセスデータは、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せのそれぞれに対応して複数種類用意されており、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せに応じて選択的に使用される。このようなプロセスデータは、表示制御用マイクロコンピュータ81のROMに格納されている。
【0194】
プロセスタイマ設定値には、組合せにより対応する変動態様(特別図柄制御実行データおよび飾り図柄制御実行データが示す変動態様)での変動時間が設定されている。表示制御用マイクロコンピュータ81では、選択したプロセスデータを参照し、各プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ、対応する特別図柄制御実行データおよび飾り図柄制御実行データに設定されている変動態様で特別図柄および飾り図柄のそれぞれを変動表示させる制御を複数の組合せデータについて順次実行していくことにより、1回分の変動表示を実行させる。
【0195】
ここで、特別図柄の変動パターンおよび飾り図柄の変動パターンは、それぞれ非時短状態と時短状態との状態別に複数ずつ設けられている。特別図柄の各変動パターンに対応する変動時間と、飾り図柄の各変動パターンに対応する変動時間とは、非時短状態および時短状態の各別に、同じ長さの時間になるように設定されている。これにより、非時短状態および時短状態のそれぞれにおいて、特別図柄の変動パターンと、飾り図柄の変動パターンとがどのような組合せになっても、特別図柄の変動表示と、飾り図柄の変動表示とは、同期して行なわれる(変動停止タイミングが一致する)ように制御されることとなる。
【0196】
次に、SA72により、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマ設定値に基づいてプロセスタイマがスタートさせられる。そして、SA73により、プロセスデータの最初の特別図柄制御実行データの内容に従って特別図柄の変動表示を行なわせ、SA74により、プロセスデータの最初の飾り図柄制御実行データの内容に従って飾り図柄の変動表示を行なわせる。これにより、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示が開始される。
【0197】
次に、SA75により、変動表示の変動時間を管理するために用いられる変動時間タイマがスタートされる。そして、SA76に進み、実行するサブルーチンを図柄変動中処理に移行させる処理が行なわれる。
【0198】
次に、図柄変動中処理を説明する。図柄変動中処理においては、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングが制御されるとともに、変動表示の終了時間が監視される。図13は、図柄変動中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0199】
図柄変動中処理においては、前述した図柄変動開始処理から引続き、特別図柄制御実行データの内容に従って特別図柄の変動表示が実行されており、飾り図柄制御実行データの内容に従って飾り図柄の変動表示が実行されている。
【0200】
図柄変動中処理では、SA81により、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かが判断される。SA81によりタイムアウトしていないと判断された場合には、後述するSA83に進む。一方、SA81によりタイムアウトしたと判断された場合には、SA82に進み、表示制御実行データの切替が行なわれ、その後、SA83に進む。具体的に、SA82では、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマ設定値に基づいてプロセスタイマがスタートさせられるとともに、次に設定されている表示制御実行データの内容にしたがった特別図柄および飾り図柄の表示態様に切替えられる。
【0201】
SA83では、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かが判断される。SA83によりタイムアウトしていないと判断された場合には、この図柄変動中処理が終了し、リターンする。一方、SA83によりタイムアウトしていると判断された場合には、SA84に進み、全図柄停止コマンドの受信を監視するための監視タイマがスタートさせられる。そして、SA85により、実行するサブルーチンを全図柄停止待ち処理に移行させる処理が行なわれる。SA85の後、この図柄変動中処理が終了し、リターンする。
【0202】
このような図柄変動中処理の実行中においては、前述したように飾り図柄制御実行データの内容に従って飾り図柄の変動表示が実行されており、その飾り図柄制御実行データの内容に従って、左図柄および右図柄が順次停止されていく表示が行なわれる。また、前述した連続予告が行なわれる変動表示においては、飾り図柄制御実行データの内容に従って、前述したような飾り図柄の表示態様の変化および前述した背景画像の変化による連続予告であることを報知するための表示が行なわれる。また、前述したような大当りとなる変動表示においては、飾り図柄制御実行データの内容に従って、前述したような飾り図柄の一旦停止および再変動が表示される。
【0203】
次に、全図柄停止待ち処理を説明する。全図柄停止待ち処理においては、変動表示の終了時に、全図柄停止コマンドを受信していたら、特別図柄および飾り図柄の変動表示を終了させ、表示結果となる停止図柄を導出表示する制御が行なわれる。図14は、全図柄停止待ち処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0204】
まず、SA91により、全図柄停止コマンドを受信しているか否かが判断される。SA91により受信していると判断された場合には、後述するSA92に進む。一方、SA91により受信していないと判断されてSA93に進んだ場合には、前述した監視タイマがタイムアウトしているか否かが判断される。SA93によりタイムアウトしていないと判断された場合には、この全図柄停止待ち処理が終了し、リターンする。一方、SA93によりタイムアウトしていると判断された場合には、SA94に進み、何らかの異常が発生したと判断して、飾り図柄変動表示装置9において、異常が発生したことを示すエラー画面を表示する制御が行なわれる。SA94の後、後述するSA95に移行する。
【0205】
また、前述したSA91により全図柄停止コマンドを受信していると判断されてSA92に進んだ場合は、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの停止図柄を導出表示させる制御が行なわれる。具体的に、SA92において、特別図柄については、前述した左,中,右の停止図柄コマンドにより指定された停止図柄が導出表示させられ、飾り図柄については、前述したように決定された左,中,右の飾り図柄の停止図柄が導出表示させられる。
【0206】
次に、SA95により、停止図柄として導出表示させた特別図柄が大当り図柄の組合せであるか否かが判断される。SA95により大当り図柄の組合せであると判断された場合には、SA96に進み、実行するサブルーチンを大当り遊技状態での表示を実行するための大当り表示処理に移行させる処理が行なわれ、その後、この全図柄停止待ち処理が終了し、リターンする。これにより、大当り遊技状態での表示の実行が開始される。一方、SA95により大当り図柄の組合せではないと判断された場合には、SA97に進み、実行するサブルーチンをコマンド受信待ち処理に移行させる処理が行なわれる。これにより、新たな変動表示についての表示制御コマンドの受信を待つ状態に制御される。SA97の後、この全図柄停止待ち処理が終了し、リターンする。
【0207】
次に、この第1実施形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図3の表およびSA56での連続予告判定に示されるように、特別遊技状態としての時短状態に制御されているときの変動表示において、すべての始動入賞記憶データを対象とした始動入賞記憶データに対応する変動表示の表示結果が大当りとなるか否かの判定に基づいて、変動表示の表示結果が特定の表示態様となることを予告する連続予告を行なうか否かが判定される。そして、連続予告の演出としては、図4の(d)〜(g)に示されるように、図5の(k)に示されるような大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において時短状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数を示す時短残り変動回数が飾り図柄の変動表示結果として導出表示させられる。このように、時短状態に制御されているときの大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、時短残り変動回数が飾り図柄の表示結果として導出表示される連続予告の演出がされるので、時短残り変動回数と表示結果が大当りの表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる時短残り変動回数の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら時短状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数を知らせることができる。しかも、そのように連続予告の演出に用いられる時短残り変動回数は、特別遊技状態に制御されているときにおいて変動表示が実行されるごとに変化するので、連続予告の演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、時短状態に制御されているときの変動表示の表示結果により大当りの表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0208】
また、図5の(i)に示されるように、特別遊技状態としての時短状態中における大当りとなる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される飾り図柄の変動表示において、大当り図柄の組合せとなる表示結果が導出表示される前に、時短残り変動回数以外の図柄が一旦導出表示させられるので、特別遊技状態としての時短状態中における表示について、演出を多彩化することができ、面白みを向上させることができる。
【0209】
また、図6〜図8での遊技制御用マイクロコンピュータ53の処理および図9〜図14での表示制御用マイクロコンピュータ81の処理に示されるように、遊技制御用マイクロコンピュータ53が保留記憶コマンドおよび変動パターンコマンドのようなコマンドを表示制御マイクロコンピュータに送ると、そのコマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ81が、前述したような連続予告における時短残り変動回数を表示をするための変動回数の計数と、連続予告を行なうか否かの判定とを行なうことともに、それら計数結果と判定結果とに基づいて連続予告が実行されるので、特別遊技状態としての時短状態中での予告の表示に関する遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御の負担を軽減することができる。
【0210】
また、SA54でYESのときにSA56での連続予告判定をせずに直接SA58に進むことを説明したように、連続予告を行なっていると判定されたときに、連続予告を行なうか否かが判定されないので、予告演出が重複して実行されることを防ぐことができ、パチンコ遊技機1の制御負担を軽減することができる。
【0211】
また、SA55およびSA56に示されるように、始動入賞記憶データがたとえば、3つ以上のような所定数以上であるときに連続予告を行なうか否かの判定がされるので、連続予告を行なうという判定がされたときに、時短残り変動回数を連続する複数回の変動表示において導出表示できる可能性を高めることができる。
【0212】
また、図4の(e),(g)に示されるように、連続予告が実行されているときに、連続予告が行なわれていることが報知されるので、連続予告が行なわれていることを遊技者が認識しやすいようにすることができる。
【0213】
また、図4の(e),(g)に示されるような連続予告が行なわれていることの報知として、飾り図柄に模様が付加されるというように、表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様が、予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様と異なるように変化させられるので、連続予告が行なわれていることを遊技者がより一層認識しやすいようにすることができる。
【0214】
また、SA56での連続予告判定および図4により示したように、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになるときのみならず、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せにならないと判定されたときにも、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになるときと同じ演出態様での偽の連続予告を行なうことが所定の割合で判定され、その判定に基づいて偽の連続予告が行なわれるので、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになると判定されたときにのみ連続予告がされる場合と比べて、連続予告の演出がされる機会が多くなり、連続予告の演出に基づく遊技者の期待感をより一層盛上げることができる。
【0215】
また、SA58,SA60に示されるように、連続予告を行なうという判定がされているときの変動表示であっても、表示結果をはずれとする変動表示について、変動回数情報が特定の表示態様と一致するときに、時短残り変動回数に代えて時短残り変動回数以外の数値が表示結果として導出表示させられるので、大当り図柄の組合せと一致する時短残り変動回数が表示結果として表示されても大当り遊技状態に制御されないというような表示結果と遊技制御状態との不整合の発生を防ぐことができる。
【0216】
また、連続予告として複数回の変動表示のそれぞれにおいて、時短残り変動回数を示す図柄が導出表示されることにより、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げることができる。
【0217】
また、前述したように、時短残り変動回数を示す表示結果の導出表示による大当り予告が行なわれる特別遊技状態が、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間がそれ以外の通常状態よりも短縮される制御が行なわれる時短状態であるため、特別図柄および飾り図柄の変動時間の短縮による大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感をより一層盛り上げることができる。
【0218】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態においては始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれているときにのみ時短時大当り予告としての連続予告を行なう例を説明する。この第2実施形態においては、前述した第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0219】
この第2実施形態では、図11の飾り図柄演出設定処理におけるSA54〜SA56の処理を実行せずに、次のような処理を実行する。たとえば、SA53により時短中はずれフラグがオン状態となっていると判断された場合に、受信している保留記憶コマンドが示すデータに基づいて、現在における始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれているか否かを判断する。そして、大当りとなるデータが含まれていると判断された場合には、前述したSA57に進み、一方、大当りとなるデータが含まれていないと判断された場合には、前述したSA60に進むように処理ステップを設けて処理を実行する。このようにすれば、現在における始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれている場合にのみ、前述したような連続予告が実行されることとなる。
【0220】
このような第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。
【0221】
現在における始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれている場合にのみ、前述したような連続予告が実行されるため、連続予告が実行された場合には確実に変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることが生じるので、連続予告における時短残り変動回数の図柄の導出表示により、遊技者に多大な期待感を与えることができる。
【0222】
第3実施形態
次に、第3実施形態を説明する。前述した第1実施形態および第2実施形態では、時短状態において、飾り図柄の変動表示の表示結果として時短残り変動回数を表示する例を示した。これに対し、この第3実施形態では、実行中の時短状態において変動表示が実行された回数(以下、時短実行変動回数という)、言い換えると、時短状態に制御されているとき実行された変動表示の回数を表示する例を説明する。この第3実施形態では、前述した第1実施形態および第2実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0223】
この第3実施形態の場合においては、図9のSA32に示される、変動パターンコマンドの受信に基づいて時短中変動回数カウンタの計数値を減算更新させる処理に代えて、変動パターンコマンドの受信に基づいて時短中変動回数カウンタの計数値を加算更新させる処理を実行させる。この場合、時短中変動回数カウンタは、実行中の時短状態において変動表示が実行された回数を計数するための計数手段として用いられる。
【0224】
そして、このような実行中の時短状態において変動表示が実行された回数を計数するための時短中変動回数カウンタを用いて行なう処理が、図10のSA34,SA37、図11のSA59,SA60,SA62等の処理により実行される。これにより、第1実施形態および第2実施形態のそれぞれにおいて、時短状態で、飾り図柄の変動表示の表示結果として、実行中の時短状態において変動表示が実行された回数としての時短実行変動回数が変動表示が実行されるごとにカウントアップされる態様で導出表示される。
【0225】
このような第3実施形態については、前述した第1実施形態および第2実施形態のそれぞれと共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態および第2実施形態のそれぞれと同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。
【0226】
連続予告の演出としては、大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において時短状態に制御されているときにおける変動表示が実行された回数としての時短実行変動回数が飾り図柄の変動表示結果として導出表示させられる。このように、時短状態に制御されているときの大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、時短実行変動回数が飾り図柄の表示結果として導出表示される連続予告の演出がされるので、時短実行変動回数と表示結果が大当りの表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる時短実行変動回数の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら時短状態に制御されているとき実行された変動表示の回数を知らせることができる。しかも、そのように連続予告の演出に用いられる時短実行変動回数は、特別遊技状態に制御されているとき変動表示が実行されるごとに変化するので、連続予告の演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、時短状態に制御されているときの変動表示の表示結果により大当りの表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0227】
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、大当り図柄の組合せが非確変図柄の組合せとなったときに、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1が時短状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、時短状態は、次のように発生させるようにしてもよい。▲1▼時短状態は、大当り図柄の組合せが確変図柄の組合せとなったときにおいて、確率変動状態が終了した後に実行されるようにしてもよい。▲2▼時短状態は、大当り図柄の組合せが確変図柄の組合せとなったときにおいて、確率変動状態が終了した後に実行されるとともに、大当り図柄の組合せが非確変図柄の組合せとなったときに、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1が時短状態に制御されるようにしてもよい。▲3▼時短状態は、確率変動状態の制御が行なわれないパチンコ遊技機において、大当り図柄の組合せが特別な図柄の組合せとなったときにおいて、大当り遊技状態の終了後に実行されるようにしてもよい。▲4▼時短状態は、確率変動状態の制御が行なわれないパチンコ遊技機において、大当り図柄の組合せの種別によらず、大当り遊技状態の終了後に常に実行されるようにしてもよい。
【0228】
(2) 前述した実施の形態においては、特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数(時短残り変動回数)または特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数(時短実行変動回数)を変動表示の表示結果として表示すること、および、これらの回数以外の表示結果を表示することによる大当り予告を表示することを実行する対象となる特別遊技状態として、特別図柄の時短状態を一例として説明した。しかし、これに限らず、そのような制御が実行される対象となる特別遊技状態としては、▲1▼特別図柄の確率変動状態、▲2▼普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、▲3▼普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、▲4▼普通図柄が当りとなったときに始動口14に設けられた一対の可動片が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、▲5▼始動口14に設けられた一対の可動片の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御が行なわれる状態も含まれる。これらの特別遊技状態は、前述した時短状態のように継続期間が特別図柄の変動回数により規定されているものであってもよく、そのような規定がされていないものであってもよい。具体的に、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、特別図柄の時短状態および前記▲1▼〜前記▲5▼のうちのいずれかの単独制御または特別図柄の時短状態および前記▲1▼〜前記▲5▼が2つ〜5つ適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
【0229】
(3) 前述した実施の形態においては、大当り予告として、連続予告の予告パターンで複数回の変動表示にわたって行なわれる予告(連続予告)と、大当り図柄の組合せが表示結果として導出される変動表示の回において変動表示の途中で行なわれる予告(今回予告)とを実行する例を示した。しかし、大当り予告としては、大当り図柄の組合せが表示結果として導出される変動表示の回において変動表示の途中で行なわれる予告(今回予告)のみを実行するようにしてもよい。
【0230】
(4) 前述した実施の形態においては、始動入賞記憶数が所定数(たとえば、3つ以上)あることを条件に連続予告をさせるか否かを判断する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞記憶数がいくつあるかを条件とせずに、連続予告をさせるか否かを判断するようにしてもよい。
【0231】
(5) 前述した第1実施形態においては、連続予告を実行する際の時短中変動回数カウンタの計数値が大当り図柄と一致する場合に、図11のSA60において、飾り図柄の停止図柄として、時短中変動回数カウンタの計数値と一致せず、かつ、大当り図柄と一致しない図柄(補正図柄)をランダムに決定する例を示した。しかし、これに限らず、そのような補正図柄は、時短中変動回数カウンタの計数値と一致せず、かつ、大当り図柄と一致しないという条件を満たす停止図柄の組合せを予め定めておき、その予め定められた停止図柄を飾り図柄の停止図柄(補正図柄)として決定するようにしてもよい。
【0232】
(6) 前述した第2実施形態においては、時短状態の継続期間が特別図柄の変動回数により規定されているものを一例として示した。しかし、これに限らず、時短状態は、継続期間が特別図柄の変動回数により規定されていないものであってもよい。
【0233】
(7) 前述した実施の形態においては、大当り遊技状態の終了後において確率変動状態に制御され、同様に、大当り遊技状態の終了後において時短状態に制御されることを説明したが、確率変動状態と時短状態とのそれぞれが実行される時期は、大当り遊技状態の終了後でなくてもよい。
【0234】
(8) 前述した実施の形態においては、特別図柄の変動表示結果が所定の図柄の組合せとなったときに特別遊技条件が成立して、時短状態のような特別遊技状態に制御される例を説明した。しかし、これに限らず、前述した各種制御が実行される時短状態のような特別遊技状態は、次のような場合に実行されるようにしてもよい。特別図柄の変動表示結果が導出表示された後、特別図柄の変動表示とは別の変動表示が実行され、その別の変動表示の表示結果が所定の表示結果となったときに特別遊技条件が成立して、時短状態のような特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、表示結果がはずれ図柄の組合せとなる変動表示が連続して所定回数(たとえば、1000回等)実行されたときのように大当りが発生しにくくなったとき(所謂はまり状態のとき)に特別遊技条件が成立して、時短状態のような特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、遊技者が遊技を行なっているが、大当り遊技状態が発生しない状態が所定時間(たとえば、2時間等)続いたときのように大当りが発生しにくくなったとき(所謂はまり状態のとき)に、時短状態のような特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。つまり、特別遊技状態は、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて制御されるものであればよい。
【0235】
(9) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】予告判定用のランダムカウンタのカウント値と、連続予告判定値との関係を表形式で示す図である。
【図4】時短状態における飾り図柄変動表示装置での表示の一例を示す表示画面図である。
【図5】時短状態における飾り図柄変動表示装置での表示の一例を示す表示画面図である。
【図6】特別図柄通常処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】停止図柄・変動パターン設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】変動表示時コマンド送信関連処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】コマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】コマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】飾り図柄演出設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】図柄変動開始処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】図柄変動中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】全図柄停止待ち処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 飾り図柄変動表示装置、9a 特別図柄変動表示装置、1 パチンコ遊技機、55 RAM、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、81 表示制御用マイクロコンピュータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、または、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、有効な始動入賞の発生等の所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の図柄等の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有するパチンコ遊技機等の遊技機があった。
【0003】
このような遊技機においては、変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したこと(たとえば、表示結果が特別の大当り図柄の組合せになったこと)に特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動時間短縮制御状態、確率変動状態等)に制御されるように構成されたものがあった。
【0004】
このような遊技機としては、導出表示される識別情報により、特定遊技状態に制御されるか否かということ以外の別の事項を報知するようにした以下のようなものがあった。
【0005】
このような遊技機の第1の例としては、特別遊技状態中における変動表示の実行状況を示すために、特別遊技状態における変動表示回数を変動表示に用いられる識別情報を用いて表示するものがあった(特許文献1)。具体的に、この遊技機では、たとえば、大当り終了後の確率変動状態のような有利状態において、変動表示において一時的に導出表示される図柄の表示結果が示す数値により、有利状態が継続する残りの変動表示回数を図柄変動表示器に示す制御が行なわれる。
【0006】
また、このような遊技機の第2の例としては、特別遊技状態中における変動表示には限られるものではないが、連続する複数回の変動表示のそれぞれにおいて、大当り予告用の識別情報(たとえば、7,7,FEVER)を表示結果として導出表示するものもあった(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−143469号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−103555号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した第1の例の遊技機では、特別遊技状態中における変動表示の実行状況を示すために導出表示される変動表示回数の表示結果が、特定の表示態様の成立を目的として行なわれる識別情報の変動表示の表示結果との関連性を有していなかった。このため、特別遊技状態中における変動表示回数を導出表示することに遊技性という観点からの面白みがなく遊技者があまり興味を持たなかった。
【0010】
また、前述した第2の例の遊技機では、連続する複数回の変動表示のそれぞれにおいて導出表示される大当り予告用の識別情報が一定のものしか選択されない構成となっていたため、大当り予告用の識別情報を表示することが単調なものとなり、大当り予告用の識別情報の連続的な表示が回数を重ねるごとに遊技者に飽きられる傾向があった。
【0011】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特別遊技状態中での変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告演出の面白みを向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 所定の変動表示の実行条件(有効な始動入賞があったこと)が成立した後に変動表示の開始条件(始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもないこと)が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄、特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置(飾り図柄変動表示装置9、特別図柄変動表示装置9a)を有し、変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したこと(たとえば、表示結果が所定の大当り図柄の組合せとなったこと)に基づいて前記変動表示が所定回数(たとえば、200回)実行されるまでの期間前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動時間短縮制御状態、確率変動状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記実行条件が成立した変動表示の表示結果を前記特定の表示態様にするか否かを示すデータを保留データ(始動入賞記憶データ)として前記開始条件が成立するときまで記憶する手段であって、保留データを所定の上限個数まで記憶可能な保留記憶手段(RAM55)と、
該保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを当該保留データに対応する変動表示の開始条件の成立以前に判定する事前判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S4,S8)と、
前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数(時短残り変動回数)を計数する回数計数手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、第1実施形態の時短中変動回数カウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ53,SA32)と、
前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様になると判定されたときに、変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かを判定する予告判定手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA56)と、該予告判定手段により前記予告演出を行なうと判定されたときに、前記予告演出を実行する制御を行なう予告実行手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA59、SA71〜SA97)とを含み、
該予告実行手段は、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記予告演出として、前記特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において前記回数計数手段により計数された残変動表示回数を示す変動回数情報を前記識別情報の表示結果として導出表示させる制御を行なう(SA59,SA71〜SA97、図4参照)。
【0013】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されているときの変動表示において、保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が特定の表示態様となるか否かの判定に基づいて、変動表示の表示結果が特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かが判定され、予告演出として、特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数を示す変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示させられる。このように、特別遊技状態に制御されているときの特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示される予告演出がされるので、変動回数情報と表示結果が特定の表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる変動回数情報の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数を知らせることができる。しかも、そのように予告演出に用いられる変動回数情報は、特別遊技状態に制御されているとき変動表示が実行されるごとに変化するので、予告演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、特別遊技状態に制御されているときの変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0014】
(2) 所定の変動表示の実行条件(有効な始動入賞があったこと)が成立した後に変動表示の開始条件(始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもないこと)が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄、特別図柄)を変動表示可能な変動表示装置を有し、前記変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したこと(たとえば、表示結果が所定の大当り図柄の組合せとなったこと)に基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動時間短縮制御状態、確率変動状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記実行条件が成立した変動表示の表示結果を前記特定の表示態様にするか否かを示すデータを保留データ(始動入賞記憶データ)として前記開始条件が成立するときまで記憶する手段であって、保留データを所定の上限個数まで記憶可能な保留記憶手段(RAM55)と、
該保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを前記保留データに対応する変動表示の開始条件の成立以前に判定する事前判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S4,S8)と、
前記特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数である実行変動表示回数(時短実行変動回数)を計数する回数計数手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、第3実施形態の時短中変動回数カウンタ、SA32に代わる第3実施形態の時短中変動回数カウンタを加算更新するステップ)と、
前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様になると判定されたときに、変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かを判定する予告判定手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA56)と、該予告判定手段により前記予告演出を行なうと判定されたときに、前記予告演出を実行する制御を行なう予告実行手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA59に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として決定するステップ,SA71〜SA97に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として導出表示するステップ)とを含み、
該予告実行手段は、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記予告演出として、前記特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において前記回数計数手段により計数された実行変動表示回数を示す変動回数情報を前記識別情報の表示結果として導出表示させる制御を行なう(SA59に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として決定するステップ,SA71〜SA97に代わる第3実施形態の時短実行変動回数を飾り図柄の停止図柄として導出表示するステップ)。
【0015】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されているときの変動表示において、保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が特定の表示態様となるか否かの判定に基づいて、変動表示の表示結果が特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かが判定され、予告演出として、特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数である実行変動表示回数を示す変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示させられる。このように、特別遊技状態に制御されているときの特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、変動回数情報が識別情報の表示結果として導出表示される予告演出がされるので、変動回数情報と表示結果が特定の表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる変動回数情報の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数を知らせることができる。しかも、そのように予告演出に用いられる変動回数情報は、特別遊技状態に制御されているとき変動表示が実行されるごとに変化するので、予告演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、特別遊技状態に制御されているときの変動表示の表示結果により特定の表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0016】
(3) 前記予告実行手段は、前記特別遊技状態中における表示結果が前記特定の表示態様となる変動表示において、前記特定の表示態様となる表示結果が導出表示される前に、前記変動回数情報を一旦導出表示させる(図5の(i)参照)一旦導出表示手段(SA62,SA71〜SA97)を含む。
【0017】
このような構成によれば、特別遊技状態中で表示結果が特定の表示態様となる変動表示において、特定の表示態様となる表示結果が導出表示される前に、非変動回数情報が一旦導出表示させられるので、特別遊技状態中における表示について、演出を多彩化することができ、面白みを向上させることができる。
【0018】
(4) 前記遊技機の遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータ(遊技制御用マイクロコンピュータ53)と、
該遊技制御マイクロコンピュータとは別に設けられ、当該遊技制御マイクロコンピュータからのコマンド(表示制御コマンド)に基づいて前記変動表示装置における変動表示を制御する表示制御マイクロコンピュータ(表示制御用マイクロコンピュータ81)とをさらに含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記保留記憶手段と、
前記事前判定手段と、
前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となると判定されたときに、当該表示結果が前記特定の表示態様になることを示す特定表示コマンド(保留記憶コマンド)を送信する特定表示コマンド送信手段(S45)と、
前記変動表示を行なうときに、前記事前判定手段による判定に基づいて決定された変動表示における変動パターンを示す変動パターンコマンドを送信する変動パターンコマンド送信手段(S47)とを含み、
前記表示制御マイクロコンピュータは、
前記回数計数手段と、
前記予告判定手段と、
前記予告実行手段とを含み、
前記回数計数手段は、前記変動パターンコマンドの受信に基づいて、前記計数をし(SA29〜SA32)、
前記予告判定手段は、前記特定表示コマンドの受信に基づいて、前記予告演出を行なうか否かの判定をする(SA53〜SA56)。
【0019】
このような構成によれば、遊技制御マイクロコンピュータが特定表示コマンド、および、変動パターンコマンドのようなコマンドを表示制御マイクロコンピュータに送ると、そのコマンドに基づいて、表示制御マイクロコンピュータが、回数計数手段による計数と、予告判定手段による予告演出を行なうか否かの判定とを行なうことともに、それら計数結果と判定結果とに基づいて予告実行手段が予告演出を実行するので、特別遊技状態での予告演出の表示に関する遊技制御マイクロコンピュータの制御の負担を激減することができる。
【0020】
(5) 前記予告実行手段により予告演出を行なっているか否かを判定する予告実行判定手段(SA54)をさらに含み、
前記予告判定手段は、前記予告実行判定手段により予告演出を行なっていると判定されたときに、前記予告演出を行なうか否かを判定しない(SA54でYESのときにSA56での連続予告判定をせずに直接SA58に進む)。
【0021】
このような構成によれば、予告演出を行なっているか否かが判定され、予告演出を行なっていると判定されたときに、予告演出を行なうか否かが判定されないので、予告演出が重複して実行されることを防ぐことができ、遊技機の制御負担を軽減することができる。
【0022】
(6) 前記予告判定手段は、前記保留記憶手段に記憶されている前記保留データが所定数以上であるときに、前記予告演出を行なうか否かを判定する(SA55でYESのときにのみSA56での連続予告判定をする)。
【0023】
このような構成によれば、保留データが所定数以上であるときに予告演出を行なうか否かの判定がされるので、予告演出を行なう判定がされたときに、変動回数情報を連続する複数回の変動表示において導出表示できる可能性を高めることができる。
【0024】
(7) 前記予告演出実行手段により前記予告演出が実行されているときに、当該予告演出が行なわれていることを報知する報知手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、飾り図柄変動表示装置9、SA71〜SA97、図4の(e),(g))をさらに含む。
【0025】
このような構成によれば、予告演出が実行されているときに予告演出が行なわれていることが報知されるので、予告演出が行なわれていることを遊技者が認識しやすいようにすることができる。
【0026】
(8) 前記報知手段は、前記予告演出が行なわれているときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様を、前記予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様と異なるように変化させる表示態様変化手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、SA83、図4の(e),(g))を含む。
【0027】
このような構成によれば、予告演出が行なわれているときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様が、予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様と異なるように変化させられるので、より予告演出が行なわれていることを遊技者がより一層認識しやすいようにすることができる。
【0028】
(9) 前記予告判定手段は、前記特別遊技状態中の変動表示において、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様にならないと判定されたとき(図3の大当りデータなしの場合)に、前記予告演出と同じ態様で実行される偽の予告演出を行なうか否かを判定し(SA56)、
前記予告実行手段は、前記予告判定手段により前記偽の予告演出を行なうと判定されたときに、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記特定の表示態様にならない判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前に、前記予告演出と同じ態様で前記偽の予告演出を行なう(SA71〜SA97)。
【0029】
このような構成によれば、変動表示の表示結果が特定の表示態様になるときのみならず、変動表示の表示結果が特定の表示態様にならないと判定されたときにも予告演出と同じ態様での偽の予告演出を実行することが判定され、その判定に基づいて偽の予告演出が行なわれるので、変動表示の表示結果が特定の表示態様になると判定されたときにのみ予告演出がされる場合と比べて、予告演出がされる機会が多くなり、予告演出に基づく遊技者の期待感をより一層盛上げることができる。
【0030】
(10) 前記予告実行手段は、前記予告判定手段により前記予告演出を行なう判定がされているときの変動表示であっても、前記表示結果を前記特定の表示態様としない変動表示について、前記変動回数情報が前記特定の表示態様と一致するときに、前記変動回数情報に代えて、前記変動回数情報以外の非変動回数情報を導出表示させる表示結果変更手段(SA58,SA60)を含む。
【0031】
このような構成によれば、予告演出を行なう判定がされているときの変動表示であっても、表示結果を特定の表示態様としない変動表示について、変動回数情報が特定の表示態様と一致するときに、変動回数情報に代えて変動回数情報以外の非変動回数情報が導出表示させられるので、特定の表示態様と一致する変動回数情報が表示結果として表示されても特定遊技状態に制御されないというような表示結果と遊技制御状態との不整合の発生を防ぐことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、前記変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0033】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。
【0034】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。
【0035】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
【0036】
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生したときのエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0037】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打玉供給皿3がある。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
【0038】
操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止される。
【0039】
遊技領域7においては、図柄等の各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示(可変表示、更新表示ともいう)させる変動表示装置として、識別情報としての特別図柄を変動表示させるための第1の変動表示装置である特別図柄変動表示装置9aと、識別情報としての飾り図柄を変動表示させるための第2の変動表示装置である飾り図柄変動表示装置9とが設けられている。
【0040】
特別図柄変動表示装置9aは、遊技領域7の右側下部に設けられた入賞口24の下部に設けられている。この特別図柄変動表示装置9aは、複数(3つ)の7セグメントLEDが左右方向に並べて配置された態様の表示装置であり、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の3つの変動表示部が設けられている。左変動表示部、中変動表示部、および、右変動表示部のそれぞれで変動表示される特別図柄は、それぞれ、左図柄、中図柄、および、右図柄と呼ばれる。特別図柄変動表示装置9aの各変動表示部においては、特別図柄がその場で次々と切替えられて更新されていく切替表示等の所定の変動表示パターンで個別に変動表示可能である。この実施の形態では、特別図柄変動表示装置9aにおいて表示される特別図柄は、0〜9の10種類の図柄を数字で表したものである。
【0041】
また、飾り図柄変動表示装置9は、遊技領域7の中央に設けられた変動表示用構造体8の中央部に配置されている。この飾り図柄変動表示装置9は、画像を表示する液晶表示器(LCD表示器)で構成された表示装置であり、左変動表示部、中変動表示部および右変動表示部の3つの変動表示部が画像上で設けられる。左変動表示部、中変動表示部、および、右変動表示部のそれぞれで変動表示される飾り図柄は、それぞれ、左図柄、中図柄、および、右図柄と呼ばれる。飾り図柄変動表示装置9の各変動表示部においては、飾り図柄がスクロール等の所定の変動表示パターンで個別に変動表示(変動表示)可能である。
【0042】
この実施の形態では、飾り図柄変動表示装置9において表示される飾り図柄は、0〜9の10種類の図柄を数字で表したものである。なお、飾り図柄変動表示装置9により変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0043】
なお、飾り図柄変動表示装置9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0044】
飾り図柄変動表示装置9で表示される飾り図柄は、特別図柄変動表示装置9aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいい、7セグメントLEDにより行なわれる比較的単調な特別図柄変動表示装置9aの変動表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための図柄である。
【0045】
前述した特別図柄変動表示装置9aでの特別図柄と、飾り図柄変動表示装置9での飾り図柄とは、次のような関係で対応して変動表示される。特別図柄の変動表示が開始されるときには、同時に飾り図柄の変動表示が開始され、特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されるときには、同時に飾り図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示される。また、特別図柄は、変動表示の開始後、左,右,中図柄の順に順次停止表示されていくが、飾り図柄も同様に、変動表示の開始後、左,右,中図柄の順に順次停止表示されていく。このように、特別図柄と飾り図柄とは、同期した態様で変動表示される。また、飾り図柄変動表示装置9の表示結果は、特別図柄変動表示装置9aの表示結果に対応するように表示される。たとえば特別図柄変動表示装置9aの表示結果が大当り図柄の組合せを示す特定の表示態様の表示結果になる場合には、飾り図柄変動表示装置9の表示結果も大当り図柄の組合せを示す特定の表示態様の表示結果になる。また、特別図柄変動表示装置9aの表示結果が大当り図柄の組合せ以外のはずれ図柄の組合せを示す場合には、飾り図柄変動表示装置9の表示結果もはずれ図柄の組合せを示す結果となる。
【0046】
このような特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9が設けられたパチンコ遊技機1では、飾り図柄変動表示装置9により表示される飾り図柄によって、特別図柄変動表示装置9aにより表示される特別図柄よりも派手な演出で変動表示が行なわれる。このため、一般的に、遊技者は、特別図柄変動表示装置9aでの変動表示よりもよりも飾り図柄変動表示装置9での変動表示の方に注目することとなる。
【0047】
変動表示用構造体8には、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置10がさらに設けられている。普通図柄表示装置10は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器10aと、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器10bとを含む。当り表示器10aおよびはずれ表示器10bは、LED(発光ダイオード)により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような普通図柄表示装置10では、当り表示器10aおよびはずれ表示器10bを交互に点灯するよう点滅させる(交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる)ことにより普通図柄としての○印と×印とが所定時間間隔で変動表示(可変表示,更新表示ともいう)される。
【0048】
また、飾り図柄変動表示装置9においては、4個のLEDを模した始動記憶表示部が画像により表示される。この始動記憶表示部のLED画像の点灯している数により、特別図柄の変動表示を始動させるための始動口14に打玉が入賞(以下、始動入賞ともいう)して、まだ変動表示に用いられていない始動入賞が記憶されている(始動入賞記憶という)数が表示される。このような始動入賞記憶は、保留記憶とも呼ばれる。この始動入賞記憶の数には、所定数の上限値(4つ)が設けられている。したがって、始動入賞は、始動入賞記憶数が上限値になるまでに発生した場合は有効なもの(変動表示に用いられる)となり、始動入賞記憶数が上限値になった状態で発生した場合は無効なもの(変動表示に用いられない)となる。
【0049】
また、変動表示用構造体8には、遊技領域7の所定箇所には、4個のLEDからなる通過記憶表示器15が設けられている。この通過記憶表示器15のLEDの点灯している数により、普通図柄の変動表示を始動させるための通過ゲート11に打玉が通過(以下、始動通過ともいう)した数が記憶されていること(始動通過記憶という)が表示される。この始動通過記憶の数には、所定数の上限値(4つ)が設けられている。したがって、始動通過は、始動通過記憶数が上限値になるまでに発生した場合は有効なもの(変動表示に用いられる)となり、始動通過記憶数が上限値になった状態で発生した場合は無効なもの(変動表示に用いられない)となる。
【0050】
遊技領域7において、変動表示用構造体8の下方には、始動口(始動入賞口)14が設けられた始動用電動役物14aと、大入賞口(図示省略)が設けられた可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物14aには、始動口14への打玉の入賞がしやすい状態、または、始動口14への打玉の入賞がしにくい状態のいずれかにするために開閉される左右一対可動片が設けられている。可変入賞球装置19には、大入賞口への打玉の入賞が可能な状態または大入賞口への打玉の入賞が不可能な状態のいずれかにするために開閉される開閉板20が設けられている。
【0051】
また、遊技領域7においては、一般入賞口として、変動表示用構造体8の左右下方、遊技領域7の下方左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、遊技領域7の左右両端部のそれぞれには、装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下端部には、打込まれた打玉が始動口14やいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口26が設けられている。
【0052】
遊技領域7の外周には遊技効果LED42と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ43と、玉切れ中に点灯する玉切れランプ44とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ41,41が設けられている。
【0053】
また、遊技領域7においては、始動用電動役物14aの左右両側に、打玉が進入可能な通過口11が設けられている。通過口11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。
【0054】
打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限値に達していなければ、所定の乱数値(普通図柄の表示結果決定用のランダムカウンタのカウント値)が抽出されてメモリ(後述するRAM55)に記憶される。そして、普通図柄表示装置10の変動表示を開始させることができる状態であれば、記憶された乱数値に基づき、普通図柄表示装置10において、普通図柄の変動表示が開始される。なお、普通図柄表示装置10が変動表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示装置10の変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として通過玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。通過記憶表示器15におけるLEDの点灯数は、変動表示が開始される毎に1つ減らされる。
【0055】
前述したように抽出された乱数値が所定の普通図柄当り決定値と一致するときには、普通図柄表示装置10における変動表示の表示結果が当りであると判断され、変動表示の表示結果として、「〇」が付されている当り表示器10aが点灯させられる。一方、抽出された乱数値が所定の当り決定値と一致しないときは、普通図柄表示装置10における変動表示の表示結果がはずれであると判断され、変動表示の表示結果として、「×」が付されているはずれ表示器10bが点灯させられる。
【0056】
このような普通図柄の変動表示において当りとなった場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物14aが開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物14aが開成状態にあるときに打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aが開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
【0057】
始動口14に入賞した始動入賞玉は、遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると、入賞記憶数が上限に達していないことを条件として特別図柄の変動表示の実行条件が成立し、所定の乱数値(大当り判定用のランダムカウンタのカウント値であり、始動入賞記憶データ、または、保留記憶データともいう)が抽出されてメモリ(後述するRAM55)に記憶される。このように記憶された始動入賞記憶データの数が始動記憶表示部において点灯状態で表示されたLED画像の数により表示される。また、始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると、5個の賞球が払出される。
【0058】
始動入賞記憶がある状態で、特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合には、特別図柄の変動表示の開始条件が成立し、始動入賞記憶のデータに基づき、特別図柄の3つの変動表示部において変動表示が一斉に開始される。そして、特別図柄変動表示装置9aが可変開始される毎に、点灯している始動記憶表示部のLED画像が1つ減らされる。
【0059】
特別図柄変動表示装置9aにおける特別図柄の変動表示においては、変動表示の開始時から所定時間が経過したときに変動表示が停止され、表示結果が導出表示される。表示結果として導出表示された特別図柄の停止図柄の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下大当り図柄の組合せともいう。)となれば、大当りとなり、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0060】
大当り遊技状態においては、可変入賞球装置19の開閉板20を開成させて大入賞口を開口させる制御が行なわれる。これにより、大当り遊技状態では、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20の駆動は、ソレノイド21によって行なわれる。
【0061】
可変入賞球装置19における大入賞口の内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されている。特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉は、Vカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。また、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。そして、可変入賞球装置19に打玉が入賞した場合は、入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0062】
パチンコ遊技機1の背面側には、各入賞口および可変入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー(図示省略)が設けられており、この入賞玉集合カバーにより導かれた入賞玉は、入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示省略)に供給される。入賞玉処理装置には入賞玉検出スイッチ(図示省略)が設けられており、これにより、入賞玉処理装置による景品玉の払出しの対象となる入賞玉が検出される。
【0063】
大当り遊技状態において、大入賞口が開口した第1の状態で、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときには、可変入賞球装置19の第1の状態が一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。
【0064】
大当り遊技状態においては、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0065】
また、特別図柄変動表示装置9aでの変動表示において導出表示された特別図柄の表示結果が特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうちの予め定められた特別の表示態様(たとえば、奇数のゾロ目。以下確変大当り図柄、または、確変図柄ともいう)となると、特別遊技条件が成立し、特定遊技状態としての大当り遊技状態の終了後において、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確率変動状態に制御される。
【0066】
確率変動状態は、確率向上状態ともいい、次に大当りとなる確率が通常遊技状態(特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態)よりも高くなった状態である。このような確率変動状態は、次回の大当りが発生するまでの期間継続される。
【0067】
また、特別図柄の変動表示において導出表示された表示結果が、前述した特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)のうち、特別の表示態様以外の所定の表示態様(たとえば、偶数のゾロ目。以下非確変大当り図柄の組合せ、または、非確変図柄の組合せともいう)となると、特別遊技条件が成立し、特定遊技状態としての大当り遊技状態の終了後において、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としての変動時間短縮制御状態(以下、時短状態という)に制御される。このような時短状態に制御されることとなる所定の表示態様(非確変大当り図柄の組合せ)は、確変大当り図柄の組合せを特別の表示態様と定義した場合における特別の表示態様以外の表示態様であるが、時短状態が特別遊技状態であるという観点からは、時短状態としての特別遊技状態に制御されるための特別の表示態様であるとも言え、確変大当り図柄の組合せ以外のその他の特別の表示態様であるとも言える。このような時短状態に制御されると、1回の変動表示が通常状態よりも短時間で終了するため、始動入賞記憶数の上限を超えた数の始動入賞の発生により始動口14の打玉の入賞が無効な始動入賞となることが低減でき、短時間により多くの変動表示を実行させることが可能となるので、遊技者にとって有利な状態となる。
【0068】
時短状態は、特別図柄の1回の変動表示の開始から終了までに要する変動時間が通常遊技状態(特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態)よりも短縮される状態である。このような時短状態は、時短状態の開始後において、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、200回であり、以下、時短設定変動回数ともいう)実行されるまでの期間にわたり継続される。ただし、時短状態は、時短状態の開始後において所定回数の特別図柄の変動表示が実行される前に次回の大当りが発生すると、その時点で終了する。
【0069】
特別図柄変動表示装置9aで変動表示された特別図柄の表示結果が大当り図柄の組合せとならない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常状態のままとなる。
【0070】
また、特別図柄の動表示中においては、リーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。
【0071】
ここで、リーチとは、複数の表示領域(変動表示領域、変動表示部)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組み合わせ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組み合わせを保持した状態で変動表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0072】
図2は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図2には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0073】
遊技制御基板31、表示制御基板80、賞球制御基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、および、発射制御基板91のそれぞれには、制御用のマイクロコンピュータ等が搭載されている。具体的に、遊技制御基板31には遊技制御用マイクロコンピュータ53が設けられている。表示制御基板80には表示制御用マイクロコンピュータ81が設けられている。賞球制御基板37には賞球制御用マイクロコンピュータ370が設けられている。音制御基板70には音制御用マイクロコンピュータ700が設けられている。ランプ制御基板35にはランプ制御用マイクロコンピュータ350が設けられている。発射制御基板91には発射制御用マイクロコンピュータ910が設けられている。
【0074】
各制御基板に設けられた制御用のマイクロコンピュータには、たとえば、制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM、制御用プログラムに従って制御動作を行なう演算制御手段としてのCPUおよび入出力手段としてのI/Oポート等の構成要素が含まれている。これらROM、RAM、CPU、および、I/Oポートは、一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ53について図示する。
【0075】
賞球制御基板37では、球払出装置97およびカードユニット50が接続され、これらが賞球制御用マイクロコンピュータ370により制御される。音制御基板70では、スピーカ41が接続され、スピーカ41から出力される音が音制御用マイクロコンピュータ700により制御される。ランプ制御基板35では、遊技効果LED42、賞球ランプ43、玉切れランプ44、普通図柄表示装置10(10a,10b)、および、通過記憶表示器15が接続され、これらがランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御される。発射制御基板91では、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続され、これらが発射制御用マイクロコンピュータ910により制御される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80では、特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9が接続され、これらが表示制御用マイクロコンピュータ81により制御される。
【0076】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53、スイッチ回路58、ソレノイド回路59、ランプ・LED回路60、情報出力回路64、初期リセット回路65、および、アドレスデコード回路67が設けられている。
【0077】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56が、記憶されている遊技用制御プログラムを読出し、タイマ割込みにしたがって、ROM54に記憶されている遊技用制御プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行することにより、前述したような遊技制御を含む各種の遊技制御を実行する。
【0078】
スイッチ回路58は、接続されている各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および、入賞球検出スイッチ99等が接続される。
【0079】
ソレノイド回路59は、始動用電動役物14aの左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0080】
ランプ・LED回路60は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って、装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
【0081】
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率向上状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄変動表示装置9aの変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
【0082】
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1の状態を初期化する。
【0083】
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0084】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御基板31に接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、前述したような遊技が行なえるように、接続された制御対象の各種機器を駆動する制御を行なう。
【0085】
また、前述したような遊技を行なうために、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81、賞球制御用マイクロコンピュータ370、音制御用マイクロコンピュータ700、および、ランプ制御用マイクロコンピュータ350のそれぞれには、各制御用マイクロコンピュータが実行する制御内容を指令(指示、指定)する制御指令情報の一例となるコマンド(制御コマンド)がそれぞれ送信される。
【0086】
具体的に、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81には、表示制御用マイクロコンピュータ81により制御が行なわれる表示制御基板80に接続された機器を制御するための指令情報である表示制御コマンド等の情報が送信される。表示制御用マイクロコンピュータ81は、受信した表示制御コマンドに基づいて、特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9のそれぞれを動作させて特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示をさせる制御を行なう。また、表示制御用マイクロコンピュータ81は、受信した表示制御コマンドに基づいて、始動入賞記憶数を飾り図柄変動表示装置9に表示させる制御を行なう。
【0087】
表示制御コマンドの送信は、たとえば、次のように行なわれる。まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の実行にあたり、時短状態であるか否か、および、変動表示結果を大当りとするか否かを指定する当りはずれ指定コマンドを送信する。当りはずれ指定コマンドには、たとえば、時短状態中ではずれにすることを指定する時短中はずれ指定コマンド、時短状態中で大当りにすることを指定する時短中大当り指定コマンド、非時短状態中ではずれにすることを指定する非時短中はずれ指定コマンド、および、非時短状態中で大当りにすることを指定する非時短中大当り指定コマンドの4つのコマンドが含まれる。当りはずれ指定コマンドは、前述した4つのコマンドのうちの何れかのコマンドが選択されて出力される。
【0088】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動表示の実行にあたり、現在の始動入賞記憶数を示すとともに、その時点で始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれている場合には記憶された順序(変動表示が実行される順序)で何個目の始動入賞記憶データが大当りとなるかを示し、一方、その時点で始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれていない場合にはどのデータも大当りとならないことを示す保留記憶コマンドが送信される。
【0089】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(変動表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する3つの停止図柄コマンドを送信する。その後、特別図柄の変動表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した変動表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示の停止を指示するための全図柄停止コマンドを送信する。
【0090】
このような変動表示に関する表示制御コマンドのうち、当りはずれ指定コマンドおよび保留記憶コマンドは特別図柄の変動表示が開始される前に送信され、変動パターンコマンドは特別図柄の変動表示の開始時に送信され、3つの停止図柄コマンドは特別図柄の変動表示の開始後に送信され、全図柄停止コマンドは特別図柄の変動表示の終了時に送信される。
【0091】
そして、特別図柄の変動表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。表示制御用マイクロコンピュータ81では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0092】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から音制御用マイクロコンピュータ700には、スピーカ41から出力させる効果音等の音を制御するための指令情報である音制御コマンド等の情報が送信される。音制御用マイクロコンピュータ700では、受信した音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41から出力させる制御が行なわれる。
【0093】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、ランプ制御用マイクロコンピュータ350により制御が行なわれるランプ制御基板35に接続された機器を制御するための指令情報であるランプ制御コマンド等の情報が送信される。ランプ制御用マイクロコンピュータ350では、受信したランプ制御コマンドに基づいて、ランプおよびLED等の各種発光体の発光制御が行なわれる。
【0094】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信される情報には、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、受信したコマンドに基づいて球払出装置97を制御して、所定個数の賞球または貸玉を払出すための制御が行なわれる。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球コマンド(賞球信号ともいう)を賞球制御用マイクロコンピュータ370に送信する。賞球制御用マイクロコンピュータ370では、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置97を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。
【0095】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、前述したような制御の指令内容を示すコマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、INT信号により取込みタイミングを示しつつ指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0096】
なお、図2においては、変動表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ別のマイクロコンピュータに含ませる例を示した。しかし、これに限らず、変動表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータの機能に含ませ、その1つのマイクロコンピュータが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を統括的に行なうようにしてもよい。
【0097】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の変動表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。
【0098】
大当りとするかはずれとするかの判定は、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント値は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出されて始動入賞記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り遊技状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0099】
次に、変動表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの判定(リーチ判定ともいう)は、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする判定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ判定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ判定用のランダムカウンタを用いた判定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0100】
また、特別図柄の変動表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)の場合においては、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0101】
また、特別図柄の変動表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左,中,右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左,中,右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って可変(更新)表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。なお、はずれとする決定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(修正)して各停止図柄が決定される。
【0102】
また、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。
【0103】
また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値のうち、左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,右の各停止図柄として決定されるとともに、中特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。なお、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合において、中特別図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然左,右図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように中図柄の停止図柄が別の図柄に補正(修正)されて決定される。これにより、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の停止図柄が一致したはずれ図柄となるように停止図柄が決定される。
【0104】
以上に示したような大当り判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能および、停止図柄決定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0105】
また、表示制御用マイクロコンピュータ81では、所定の大当り予告条件が成立した場合に、飾り図柄表示装置9において、大当りとなることを予告報知する予告演出としての大当り予告を表示させるための表示制御が行なわれる。時短状態において行なわれる大当り予告は、時短時大当り予告と呼ばれ、連続予告をする予告演出と、今回予告とをする予告演出とを含む。ここで、連続予告とは、予告対象となる変動表示の表示結果が導出表示される前における連続する複数回の変動表示のそれぞれにおいて画像等により予告に関する所定の報知を行なう予告である。また、今回予告とは、予告対象となる変動表示の表示結果が導出表示される変動表示の回において画像等により予告に関する所定の報知を行なう予告である。連続予告と今回予告とは、大当り予告条件が異なる。
【0106】
表示制御用マイクロコンピュータ81では、時短状態となったときにおいて連続予告が行なわれる場合に、大当り予告の表示態様として、飾り図柄の変動表示が行なわれるごとに、飾り図柄の表示結果として、前述した時短設定変動回数分の変動表示回数についての残り回数(以下、時短残り変動回数という)、言い換えると、特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数を表示させることにより、時短時残り変動回数をカウントダウン表示させる制御が行なわれる。また、表示制御用マイクロコンピュータ81では、時短状態となったときにおいて今回予告が行なわれる場合に、大当り予告の表示態様として、飾り図柄を時短残り変動回数で一旦停止させた後に、飾り図柄を再変動表示させる制御が行なわれる。
【0107】
次に、表示制御用マイクロコンピュータ81において行なわれる連続予告をするか否かの判定について説明する。表示制御用マイクロコンピュータ81においては、前述した時短時大当り予告としての連続予告をするか否かの判定が行なわれる。このような判定は、予告判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。
【0108】
図3は、予告判定用のランダムカウンタのカウント値と、連続予告判定値との関係を表形式で示す図である。図3に示されるように、予告判定用のランダムカウンタは、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段であり、カウントアップは、所定周期(2msecごと)で1ずつ行なわれる。
【0109】
予告判定用のランダムカウンタのカウント値は、後述するように、変動表示の実行前において所定の連続予告判定実行条件(連続予告の実行中ではなく、現在の始動入賞記憶数が所定数以上であるとき)が成立したときに抽出され、連続予告判定値と一致するか否かが判定される。ここで、連続予告判定値は、予告判定用のランダムカウンタのカウント値がその値になったときに連続予告を行なうことを決定するための判定値である。
【0110】
連続予告判定値は、前述した連続予告判定実行条件が成立した時点で大当りとなる始動入賞記憶データが存在している場合について「0」〜「7」の数値範囲内の8つの数値が設定され、一方、前述した予告判定実行条件が成立した時点で大当りとなる始動入賞記憶データが存在していない場合について「8」という1つの数値が設定される。連続予告判定実行条件が成立した時点で大当りとなる始動入賞記憶データが存在しているか否かは、その時点で受信している最新の保留記憶コマンドが示す当りデータのあるなしの情報に基づいて判断される。
【0111】
このように、大当りとなる始動入賞記憶データが存在している場合の方が、そのような大当りとなる始動入賞記憶データが存在していない場合よりも高い割合(8/10)で連続予告を行なうことが決定される。また、そのような大当りとなる始動入賞記憶データが存在していない場合であっても、所定の割合(1/10)で連続予告を行なうことが決定される。また、そのような大当りとなる始動入賞記憶データが存在している場合であっても、所定の割合(2/10)で連続予告を行なわないことが決定される。
【0112】
図3に示されたような連続予告判定値は、表示制御用マイクロコンピュータ81のRAMに記憶されており、連続予告判定条件が成立したときに大当りとなる始動入賞記憶データが存在しているか否かに応じて選択的に使用される。
【0113】
次に、飾り図柄変動表示装置9で表示される時短時大当り予告の表示例を説明する。図4および図5は、時短状態における飾り図柄変動表示装置9での表示の一例を示す表示画面図である。図4および図5においては、表示画面の変化の状態が時間経過にしたがって(a)〜(k)の順に示されている。
【0114】
図4および図5を参照して、飾り図柄変動表示装置9の表示領域においては、基本的に、(b)等に示されるように、飾り図柄として、左図柄91、中図柄92、右図柄93が変動表示される(図中の下向き矢印は、変動中であることおよびスクロール方向を示している)とともに、始動記憶表示部18が表示される。
始動記憶表示部18は、4つのLEDを模した画像であるLED画像により構成され、そのLED画像が点灯状態で表わされた数により、始動入賞記憶数を表示する。
【0115】
時短状態が発生すると、まず、(a)に示されるように、「時短200回開始!」というような時短状態が開始したことを報知する表示が行なわれる。この表示における「200回」は、前述した時短設定変動回数である。
【0116】
そして、始動入賞が発生すると、(b)に示されるように飾り図柄が変動表示を行なった後、(c)に示されるように飾り図柄が停止表示されて表示結果が導出表示される。飾り図柄の停止図柄の導出表示は、左,右,中図柄の順に停止表示される特別図柄の変動表示に対応して、左図柄91,右図柄93,中図柄92の順に行なわれる。また、時短状態においては、飾り図柄変動表示装置9の表示画面の所定位置(たとえば、画面右上の位置)に時短残り変動回数を示す時短残り変動回数情報96が表示される。たとえば、(b),(c)の場合は、時短状態開始後の1回目の変動表示であるため、「200」が時短残り変動回数を示す時短残り変動回数情報96として表示される。つまり、この実施の形態での一連の時短状態は、最大限200回の変動表示が行なわれるまでと規定されているため、時短状態での1回目の変動表示の実行時点での時短残り変動回数は、「200回」となる。
【0117】
時短状態において導出表示される飾り図柄の表示結果は、時短時大当り予告が行なわれる場合を除き、(c)に示されるように、基本的に、ランダムに決定される。
【0118】
次に、時短時大当り予告としての連続予告が行なわれる場合を説明する。時短時大当り予告としての連続予告が行なわれる場合において導出表示される飾り図柄は、基本的に、表示結果が時短残り変動回数を示す図柄の組合せとなるように表示される。たとえば、(e)の場合は、時短状態開始後の102回目の変動表示において連続予告が行なわれる例である。(e)の場合は、時短状態開始後の102回目の変動表示であり、その変動表示に対応する時短残り変動回数が99回であるため、「099」という飾り図柄の組合せが時短残り変動回数を示す表示結果として導出表示される。そして、連続予告が行なわれる場合には、(d)〜(g)に示されるように、時短状態において連続予告中に変動表示が行なわれるごとに、飾り図柄の表示結果により時短残り変動回数がカウントダウン表示されていく。
【0119】
このように、時短状態においては、飾り図柄の表示結果として時短残り変動回数を表示していくことにより、連続予告が行なわれる。このような連続予告が行なわれる場合において、飾り図柄の表示結果が時短残り変動回数となっているか否かは、導出表示された飾り図柄の表示結果が示す数値と、表示中の時短残り変動回数情報96の数値とが一致するか否かに基づいて、遊技者が確認することができる(これらの数値が一致した変動表示が連続して発生している場合には、連続予告が行なわれているものと判断できる。)。
【0120】
このような時短残り変動回数がカウントダウン表示される連続予告中においては、変動表示の表示結果が、はずれとなることが決定されている場合であっても、たとえば、時短残り変動回数に応じて「111」というような大当り図柄の組合せになってしまう場合が生じる可能性がある。このような場合には、たとえば、導出表示する表示結果が「911」というような大当り図柄の組合せにならない図柄の組合せに補正して表示される。
【0121】
また、このような連続予告が行なわれているときには、連続予告が行なわれていることを報知するために、(e),(g)に示されるように、表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様が、連続予告が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様と異なるように変化させられる。具体的に、(e),(g)では、連続予告が行なわれているときの表示結果となる飾り図柄の色および模様が、連続予告が行なわれていないときの表示結果となる飾り図柄(色はあるが模様はなし)と異なるように変化させられる(色が変化し模様が付加される)。さらに、このような連続予告が行なわれているときには、(e),(g)に示されるように、飾り図柄の表示結果が導出表示されるときに、飾り図柄の背景画像が通常時の背景画像95とは表示態様が異なる連続予告時背景画像99(たとえば、通常時の所定色で模様がない背景画像に対して、何かが発光したような形状が中央部に表示された背景画像)に変化させられる。
【0122】
また、大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示の回には、最終的な表示結果が導出表示される前の変動表示中の所定のタイミングにおいて、前述した今回予告をするために、(i)に示されるように飾り図柄が一旦停止する一旦停止表示(仮停止表示ともいう)が行なわれる。
【0123】
一旦停止表示において導出表示される飾り図柄は、たとえば、(i)に示す「097」というような時短残り変動回数にされる。一旦停止状態では、たとえば、(i)に示されるように、飾り図柄が上下方向に揺れて表示される揺れ動作表示が行なわれるとともに、今回予告が行なわれていることを報知するために、一旦停止が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様と異なるように変化させられる。具体的に、(i)では、一旦停止が行なわれているときの表示結果となる飾り図柄の色および模様が、一旦停止が行なわれていないときの表示結果となる飾り図柄(色はあるが模様はなし)と異なるように変化させられる(色が変化し模様が付加される)。そして、一旦停止表示がされた後、(j)に示されるように飾り図柄の再度変動表示が開始され、その後、(k)に示されるように大当り図柄の組合せ(たとえば、「777」)が表示結果として導出表示される。このような一旦停止表示および再変動表示は、大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示の回に実行されるため、今回予告を示す表示である。また、このような大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示の回における大当り予告は、前述した連続予告の概念の一部に含めてもよい。
【0124】
一方、時短状態において時短時大当り予告の実行がされず、かつ、大当りが発生しない場合には、200回の変動表示が行なわれるまで、飾り図柄の変動表示の表示結果として、時短残り変動回数以外の値がランダムに表示される態様で表示されていく。
【0125】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0126】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行されるサブルーチンプログラムのうち一部のプログラムについて説明する。以下においては、特別図柄通常処理、停止図柄・変動パターン設定処理、および、変動表示時コマンド送信関連処理について説明する。
【0127】
まず、特別図柄通常処理を説明する。特別図柄通常処理においては、始動入賞記憶に基づいて大当り判定がされるとともに、その判定結果に基づいて、当りはずれ指定コマンドおよび保留記憶コマンドのそれぞれについて送信をするための設定がされる。
【0128】
図6は、特別図柄通常処理の処理内容を示すフローチャートである。ステップS(以下、単にSという)1により、特別図柄の変動表示を開始することができる状態であるか否かが判断される。具体的に、S1では、現在において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ大当り遊技状態中でもない場合に、特別図柄の変動表示を開始することができる状態であると判断する。
【0129】
S1により特別図柄の変動表示を開始することができない状態であると判断された場合は、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。一方、S1により特別図柄の変動表示を開始することができる状態であると判断された場合には、S2に進み、始動入賞記憶のデータがあるか否かが判断される。S2により始動入賞記憶のデータがないと判断された場合は、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。一方、S2により始動入賞記憶のデータがあると判断された場合は、S3に進み、次の変動表示に用いる始動入賞記憶データ(始動入賞記憶データのうち、最先に記憶されたデータ)が、大当り判定をするために読出される処理が行なわれる。このような大当り判定をするために読出された始動入賞記憶データは、その後、不用になるので、消去される。
【0130】
次に、S4により、大当りを発生させるか否かを決定するための大当り判定が行なわれる。具体的に、S4では、S3により読出された始動入賞記憶データ(大当り判定用のランダムカウンタの抽出値)と前述した大当り判定値とが一致するか否かが確認され、これらが一致する場合に大当りとし、不一致の場合にはずれとする前述したような大当り判定が行なわれる。
【0131】
次に、S5に進み、S4での大当り判定により大当りとする決定がされたか否かが判断される。S5により大当りとする決定がされたと判断された場合は、後述するS12に進む。一方、S5により大当りとする決定がされていない、すなわち、はずれとする決定がされたと判断された場合は、S6に進み、現在が時短状態中であるか否かが判断される。現在が時短状態中であるか否かは、時短状態中であるときにフラグがオン状態にされ、時短状態が終了するとフラグがオフ状態となる時短フラグの状態を確認することに基づいて判断される。
【0132】
S6により時短状態中ではないと判断された場合は、S10に進み、非時短中はずれ指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。S10でデータの設定が行なわれることにより、非時短中はずれ指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に非時短中はずれ指定コマンドが送信されることとなる。S10の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0133】
一方、S6により時短状態中であると判断された場合は、S7に進み、時短中はずれ指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、時短中はずれ指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に時短中はずれ指定コマンドが送信されることとなる。
【0134】
次に、S8に進み、現在RAM55に記憶されているすべての始動入賞記憶データを対象として大当りとなる始動入賞記憶データが存在しているか否かを判断するために、すべての始動入賞記憶データを対象としたデータのスキャン(検査)が行なわれる。
【0135】
次に、S9に進み、S8でのスキャンの結果、始動入賞記憶データのうちに大当りと判定されるデータがあるか否かが判断される。S9により大当りと判定されるデータがないと判断された場合は、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0136】
S9では、保留記憶コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。具体的に、S9では、S8でのスキャンにより大当りと判定されるデータがあると判断された場合は、現在の始動入賞記憶数の情報と、現在の始動入賞記憶の順序(変動表示が実行される順序)で何個目の始動入賞記憶データが大当りとなるかを特定する保留記憶コマンドを送信するためのデータの設定が行なわれる。また、S9では、S8でのスキャンにより大当りと判定されるデータがないと判断された場合は、現在のどの始動入賞記憶データも大当りとならないことを特定する保留記憶コマンドを送信するためのデータの設定が行なわれる。このようなデータの設定がされることにより、保留記憶コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に保留記憶コマンドが送信されることとなる。S10の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0137】
また、前述したS5により大当りとする決定がされたと判断されてS11に進んだ場合は、大当りフラグをオン状態にするための処理が行なわれる。ここで、大当りフラグとは、大当りとする決定がされたことを示すためのフラグであり、大当りとする決定がされた場合にオン状態にされる。この大当りフラグは、大当り遊技状態が終了すると、オフ状態にされる。
【0138】
次に、S12に進み、現在が時短状態中であるか否かが判断される。S12により時短状態中ではないと判断された場合は、S14に進み、非時短中大当り指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。S14でデータの設定が行なわれることにより、非時短中大当り指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に非時短中大当り指定コマンドが送信されることとなる。S14の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0139】
一方、S12により時短状態中であると判断された場合は、S13に進み、時短中大当り指定コマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、時短中大当り指定コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に時短中大当り指定コマンドが送信されることとなる。S13の後、この特別図柄通常処理が終了し、リターンする。
【0140】
次に、停止図柄・変動パターン設定処理について説明する。停止図柄・変動パターン設定処理においては、大当り判定での判定結果に対応して、特別図柄の変動表示における停止図柄および変動パターンが設定される。
【0141】
図7は、停止図柄・変動パターン設定処理の処理内容を示すフローチャートである。S21により、前述した大当りフラグがオン状態であるか否かが判断される。S21により大当りフラグがオン状態であると判断された場合、すなわち、表示結果が大当りとなる場合は、後述するS22に進む。一方、S21により大当りフラグがオン状態ではないと判断された場合、すなわち、表示結果がはずれとなる場合は、S23に進む。
【0142】
S23では、前述したリーチ判定用の乱数(ランダムカウンタの値)が抽出される。そして、S24により、前述したようなリーチ状態を発生させるか否かを決定するためのリーチ判定が行なわれる。具体的に、S24では、S23により抽出されたリーチ判定用の乱数値と前述したリーチ判定値とが一致するか否かが確認され、これらが一致する場合にリーチ状態(最終的にはずれとなるリーチ状態)を発生させるという決定がされ、不一致の場合にリーチ状態を発生させないという決定がされる。
【0143】
次に、S25に進み、S24でのリーチ判定によりリーチ状態を発生させる決定がされたか否かが判断される。S25によりリーチ状態を発生させる決定がされたと判断された場合は、S26に進み、リーチ状態となるはずれ停止図柄を特別図柄の表示結果となる停止図柄として決定する処理が行なわれる。具体的に、S26では、前述したようなリーチ状態となるはずれ停止図柄の決定の仕方で、停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて、リーチ状態となるはずれ停止図柄が決定される。S26の後、後述するS28に進む。
【0144】
S25によりリーチ状態を発生させる決定がされていないと判断された場合は、S27に進み、リーチ状態とならないはずれ停止図柄を特別図柄の表示結果となる停止図柄として決定する処理が行なわれる。具体的に、S27では、前述したようなリーチ状態とならないはずれ停止図柄の決定の仕方で、停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて、リーチ状態とならないはずれ停止図柄が決定される。S27の後、S28に進む。
【0145】
S28では、S22,S26,S27のうちのいずれかにより決定された停止図柄に基づいて、左,中,右の特別図柄のそれぞれの停止図柄を指定する3つの停止図柄コマンド(左停止図柄コマンド,中停止図柄コマンド,右停止図柄コマンド)を送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、特別図柄の停止図柄コマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に特別図柄の停止図柄を指定する左停止図柄コマンド、中停止図柄コマンド、および、右停止図柄コマンドコマンドの3つの停止図柄コマンド)が送信されることとなる。
【0146】
次に、S29に進み、前述した大当り判定での判定結果およびリーチ判定での判定結果に基づいて、変動パターンを決定する処理が行なわれる。具体的に、S29では、前述したような変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を抽出し、その抽出に基づいて、前述したような決定の仕方で変動パターンが決定される。特別図柄の変動パターンには、非時短状態での通常の変動時間での変動パターンと、時短状態での短縮された変動時間での変動パターンとが含まれている。このため、S29において、非時短状態では、非時短状態に対応する変動パターンが選択決定され、時短状態では、時短状態に対応する変動パターンが選択決定される。
【0147】
次に、S30に進み、S29により決定された変動パターンに基づいて、変動パターンコマンドを送信するためのデータの設定をする処理が行なわれる。これにより、変動パターンコマンドの送信タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81に変動パターンコマンドが送信されることとなる。S30の後、停止図柄・変動パターン設定処理が終了し、リターンする。
【0148】
次に、変動表示時コマンド送信関連処理について説明する。変動表示時コマンド送信関連処理においては、特別図柄の変動表示に用いられる表示制御コマンドが送信される。特別図柄の変動表示に用いられる表示制御コマンド以外の表示制御コマンドは、その他のコマンド送信処理の実行に基づいて送信されることとなる。
【0149】
図8は、変動表示時コマンド送信関連処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S41により、現在が、当りはずれコマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S41により送信タイミングであると判断された場合は、S42に進み、時短中はずれ指定コマンド、時短中大当り指定コマンド、非短中はずれ指定コマンド、および、非時短中大当り指定コマンドのうち、前述したS7,S11,S14,S15のいずれかによって、今回行なう変動表示のために設定されたコマンドが当りはずれコマンドとして送信される。S42の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、S41により送信タイミングではないと判断された場合は、S43に進む。
【0150】
S43では、現在が、保留記憶コマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S43により送信タイミングであると判断された場合は、S44に進み、今回行なう変動表示のために保留記憶コマンドが設定されているか否かが判断される。S44により設定されていないと判断された場合は、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、S44により設定されていると判断された場合は、S45に進み、S10により設定された保留記憶コマンドが送信される。S45の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。また、前述したS43により送信タイミングではないと判断された場合は、S46に進む。
【0151】
S46では、現在が、変動パターンコマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S46により送信タイミングであると判断された場合は、S47に進み、S29により設定された変動パターンコマンドが送信される。S47の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、前述したS46により送信タイミングではないと判断された場合は、S48に進む。
【0152】
S48では、現在が、特別図柄の停止図柄コマンド(左,中,右の停止図柄コマンド)についての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S48により送信タイミングであると判断された場合は、S49に進み、S28により設定された左,中,右の3つの停止図柄コマンドが順次送信される。S49の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、前述したS48により送信タイミングではないと判断された場合は、S50に進む。
【0153】
S50では、現在が、全図柄停止コマンドについての予め定められた送信タイミングであるか否かが判断される。S50により送信タイミングであると判断された場合は、S51に進み、全図柄停止コマンドが送信される。S51の後、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。一方、前述したS50により送信タイミングではないと判断された場合は、この変動表示時コマンド送信関連処理が終了する。
【0154】
以上に示したように、特別図柄の変動表示に用いられる表示制御コマンドは、各コマンドについて予め定められた送信タイミングになると、変動表示を実行させるために送信される。
【0155】
次に、表示制御用マイクロコンピュータ81のCPUにより実行される制御を説明する。表示制御用マイクロコンピュータ81では、特別図柄変動表示装置9aおよび飾り図柄変動表示装置9のそれぞれにおける変動表示の進行を制御するための処理である表示制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理によって各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0156】
次に、表示制御用マイクロコンピュータ81により実行されるサブルーチンプログラムのうちの一部のプログラムについて説明する。以下においては、コマンド解析処理、飾り図柄演出設定処理、図柄変動開始処理、図柄変動中処理、および、全図柄停止待ち処理について説明する。
【0157】
まず、コマンド解析処理を説明する。コマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信される表示制御コマンドを受信したときに、受信したコマンドが示す情報が解析される。図9および図10は、コマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0158】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは、予め定められた受信コマンドバッファ(図示省略)に格納される。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0159】
まず、SA21により、コマンド受信バッファに受信した表示制御コマンドが格納されているか否かが確認される。具体的に、コマンドが格納されているか否かは、表示制御コマンドを受信するごとにカウントアップされるコマンド受信個数カウンタの値と、受信した表示制御コマンドが読出されるごとに加算される読出ポインタとを比較することによって判断される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。
【0160】
SA21により格納されていないと判断された場合は、このコマンド解析処理が終了する。一方、SA21により格納されていると判断された場合は、SA22に進み、コマンド受信バッファから受信コマンドが読出される。なお、このような読出しに応じて読出ポインタの値が「1」加算されるのである。
【0161】
次に、SA23により、受信した表示制御コマンドが前述した左停止図柄コマンドであるか否かが判断される。SA23により左停止図柄コマンドであると判断された場合は、SA24において、左停止図柄コマンドが指定する左特別図柄を示すデータがRAMにおける左特別図柄格納領域に格納され、その後、SA21に戻る。一方、SA23により左停止図柄コマンドではないと判断された場合は、SA25に進む。
【0162】
SA25では、受信した表示制御コマンドが前述した中停止図柄コマンドであるか否かが判断される。SA25により中停止図柄コマンドであると判断された場合は、SA26において、中停止図柄コマンドが指定する中特別図柄を示すデータがRAMにおける中特別図柄格納領域に格納され、その後、SA21に戻る。一方、SA25により中停止図柄コマンドではないと判断された場合は、SA27に進む。
【0163】
SA27では、受信した表示制御コマンドが前述した右停止図柄コマンドであるか否かが判断される。SA27により右停止図柄コマンドであると判断された場合は、SA28において、右停止図柄コマンドが指定する右特別図柄を示すデータがRAMにおける右特別図柄格納領域に格納され、その後、SA21に戻る。一方、SA27により右停止図柄コマンドではないと判断された場合は、SA29に進む。
【0164】
SA29では、受信した表示制御コマンドが前述した変動パターンコマンドであるか否かが判断される。SA29により変動パターンコマンドであると判断された場合は、SA30により、変動パターンコマンドが指定する変動パターンを示すデータがRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納される。そして、SA31により、現在が時短状態中であるか否かが判断される。
【0165】
具体的に、SA31では、表示制御コマンドに応じて実行しようとする変動表示に関連して先に受信された当りはずれコマンドにより時短中はずれフラグまたは時短中大当りフラグがオン状態になっているか否かに基づいて判断される。ここで、時短中はずれフラグとは、時短状態中でのはずれとなる状態であることを示すためのフラグである。時短中はずれフラグは、当りはずれコマンドにより時短中でのはずれとなる状態であることが示された場合にオン状態にされ、該当する変動表示が終了するごとにオフ状態にされる。また、時短中大当りフラグとは、時短状態中での大当りとなる状態であることを示すためのフラグである。時短中大当りフラグは、当りはずれコマンドにより時短中での大当りとなる状態であることが示された場合にオン状態にされ、該当する変動表示が終了するとオフ状態にされる。
【0166】
SA31により時短状態中であると判断された場合は、SA32により、時短中変動回数カウンタの計数値が「1」だけ減算更新され、その後、SA21に戻る。ここで、時短中変動回数カウンタは、1回の時短状態中における特別図柄の変動表示に関する実行回数を計数するための計数手段であって、この実施の形態の場合は、前述した時短残り変動回数を計数するために、時短設定変動回数(200回)+1を初期値として、変動表示が実行されるごとに減算更新される。ここで、時短中変動回数カウンタの初期値を200+1回としたのは、時短残り変動回数の表示が各変動表示中は実行中の変動表示を含めた回数として表示されるために、時短中変動回数カウンタの計数値と初期値を時短残り変動回数の表示値とを整合させるためである。
【0167】
また、前述したSA29により変動パターンコマンドではないと判断された場合は、SA33(図10参照)に進み、受信した表示制御コマンドが前述した非時短中はずれ指定コマンドであるか否かが判断される。SA33により非時短中はずれ指定コマンドであると判断された場合は、SA34により、前述した時短中変動回数カウンタの計数値が初期値(「200+1」)に初期化される。そして、SA35により、非時短中フラグがオン状態にされ、その後、SA36に進む。ここで、非時短中フラグとは、非時短状態中であることを示すためのフラグである。非時短中フラグは、当りはずれコマンドにより非時短中であることが示された場合にオン状態にされ、該当する変動表示が終了するごとにオフ状態にされる。また、前述したSA33により非時短中はずれ指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA36に進む。
【0168】
SA36では、受信した表示制御コマンドが前述した非時短中大当り指定コマンドであるか否かが判断される。SA36により非時短中大当り指定コマンドであると判断された場合は、SA37により、前述した時短中変動回数カウンタの計数値が初期値(「200+1」)に初期化される。そして、SA38により、非時短中フラグがオン状態にされ、その後、SA39に進む。また、前述したSA36により非時短中大当り指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA39に進む。
【0169】
SA39では、受信した表示制御コマンドが前述した時短中はずれ指定コマンドであるか否かが判断される。SA39により時短中はずれ指定コマンドであると判断された場合は、SA40により、前述した時短中はずれフラグがオン状態にされ、その後、SA41に進む。また、前述したSA39により時短中はずれ指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA41に進む。
【0170】
SA41では、受信した表示制御コマンドが前述した時短中大当り指定コマンドであるか否かが判断される。SA42により時短中大当り指定コマンドであると判断された場合は、SA42により、前述した時短中大当りフラグがオン状態にされ、その後、SA21に戻る。また、前述したSA41により時短中大当り指定コマンドではないと判断された場合は、そのままSA43に進む。
【0171】
SA43では、受信した表示制御コマンドが前述した保留記憶コマンドであるか否かが判断される。SA43により保留記憶コマンドであると判断された場合は、SA44により、受信した保留記憶コマンドのデータに基づいて、現在の始動入賞記憶数をRAMに格納させる処理が行なわれるとともに、何個目の始動入賞記憶データが大当りとなるかが示されている場合には、現在の始動入賞記憶データのうちの大当りとなる始動入賞記憶データの番号(変動表示が実行される順序で何個目のデータかを示す番号)をRAMに格納させ、いずれの始動入賞記憶データも大当りとならないことが示されている場合は、大当りとなる始動入賞記憶データの番号を「0」としてRAMに記憶させる処理が行なわれる。
【0172】
このように格納された始動入賞記憶数のデータは、始動入賞記憶数の表示のために用いられるとともに、後述するように、連続予告に関連する制御のために用いられる。たとえば、始動入賞記憶数の表示は、このように格納された始動入賞記憶数のデータに基づいて、その数に対応するLED画像を画面上で表示させる制御が所定のプログラムにより実行されることにより実現される。SA44の後、SA21に戻る。一方、SA43により保留記憶コマンドではないと判断された場合は、そのままSA21に戻る。
【0173】
次に、飾り図柄演出設定処理を説明する。飾り図柄演出設定処理においては、前述したコマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、飾り図柄変動表示装置9で変動表示される飾り図柄の演出が設定される。図11は、飾り図柄演出設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0174】
まず、SA51により、前述した非時短中フラグがオン状態になっているか否かが判断される。SA51によりオン状態になっていると判断された場合は、SA52に進み、前述した左,中,右の停止図柄コマンドにより指定された左,中,右の特別図柄の停止図柄に対応する図柄が、左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定され、その後、後述するSA64に進む。このようなSA52で決定された飾り図柄の停止図柄が非時短状態での変動表示での飾り図柄の表示結果として表示される。一方、SA51によりオン状態になっていないと判断された場合は、SA53に進む。
【0175】
SA53では、前述した時短中はずれフラグがオン状態になっているか否かが判断される。SA53によりオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSA61に進む。一方、SA53によりオン状態になっていると判断された場合は、SA54に進み、現在が連続予告の実行中の状態であるか否かが判断される。
【0176】
SA54により連続予告の実行中であると判断された場合には、後述するSA58に進む。一方、SA54により連続予告の実行中ではないと判断された場合には、SA55に進み、現在の始動入賞記憶数が所定数(たとえば、3つ)以上であるか否かが判断される。具体的に、SA55では、前述したように受信された保留記憶コマンドに応じて格納された始動入賞記憶数に基づいて、前述した判断が行なわれる。このようなSA54およびSA55では、連続予告判定実行条件が成立しているか否かが判断されるのである。
【0177】
SA55により始動入賞記憶数が所定数以上ではないと判断された場合は、連続予告判定実行条件が成立していないと判断された場合であり、SA60に進み、前述した時短中変動回数カウンタの計数値以外の数値を示す図柄が左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定される。これにより、時短状態中において、時短時大当り予告としての連続予告が行なわれないときには、飾り図柄の変動表示において導出される表示結果が時短中変動回数カウンタの計数値以外の数値の図柄の組合せとなる。
【0178】
具体的に、SA60では、飾り図柄決定用ランダムカウンタの値を抽出し、その抽出値に基づいて、はずれの表示結果となる左,中,右の飾り図柄をランダムに決定する。この場合の飾り図柄の決定方法は、前述した特別図柄の停止図柄の決定方法と同様である。つまり、左,中,右の飾り図柄のそれぞれに対応する図柄決定用のランダムカウンタ(たとえば、前述した特別図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタと同様の機能を有するランダムカウンタ)を設けておき、SA60に処理が進んだタイミングで各ランダムカウンタからカウント値を抽出し、それら各抽出値に対応する図柄を左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定する。これにより、飾り図柄の停止図柄がランダムに決定される。ただし、特別図柄の停止図柄の場合と同様に、各ランダムカウンタから抽出したカウント値に対応する飾り図柄の組合せが偶然大当り図柄の組合せになってしまうときには、前述した特別図柄の停止図柄を決定する場合と同様の図柄補正が行なわれ、はずれの図柄の組合せとされる。また、例外的に、ランダムカウンタのカウント値に対応する飾り図柄の組合せがその時点での時短中変動回数カウンタの計数値(たとえば、「050」)と一致してしまう場合には、その計数値および大当り図柄の組合せにならない図柄の組合せに補正される(たとえば、「550」というように、左図柄を計数値が取り得ない数値に補正する等)。SA60の後、後述するSA64に進む。このようなSA60で決定された飾り図柄の停止図柄がたとえば、図4の(c)に示されるような連続予告に該当しない変動表示の表示結果として表示される。
【0179】
一方、SA55により始動入賞記憶数が所定数以上であると判断された場合は、連続予告判定実行条件が成立していると判断された場合であり、SA56に進み、時短時大当り予告としての連続予告を実行するか否かが判定される。具体的に、SA56では、前述した予告判定用のランダムカウンタのカウント値を抽出するとともに、前述したように受信した保留記憶コマンドに基づいてRAMに格納された始動入賞記憶データの番号のデータに基づいて判断される大当りとなる始動入賞記憶データが存在するかに応じて予告判定値を読出し、これらが一致するか否かが判定される。その判定において、抽出されたカウント値が予告判定値と一致する場合には、連続予告を実行することが決定され、逆に、それらの値が一致しない場合には、連続予告を実行しないことが決定される。
【0180】
連続予告を実行することが決定された場合に連続予告の演出態様での変動表示が行なわれる変動表示の回数は、連続予告の判定時点で大当りの始動入賞記憶データが含まれている場合にはその大当りの始動入賞記憶データに基づく変動表示が実行される1回前の変動表示までの回数である。この場合は、大当りの始動入賞記憶データに基づく変動表示の回を予告のターゲットして連続予告が行なわれることとなる。また、連続予告の判定時点で大当りの始動入賞記憶データが含まれていない場合において、連続予告を実行することが決定された場合に連続予告の演出態様での変動表示が行なわれる変動表示の回数は、その時点でのすべての始動記憶データに基づく変動表示が実行されるまでの回数である。この場合は、連続予告の判定時点において存在していた始動記憶データに基づいて行なわれる変動表示のうちの最後に変動表示が行なわれる変動表示の回を予告のターゲットして連続予告が行なわれることとなる。なお、連続予告の判定時点で大当りの始動入賞記憶データが含まれていない場合において連続予告を実行することが決定された場合の連続予告のターゲットは、連続予告の判定時点で存在している大当りの始動入賞記憶データのうちから適宜選択(たとえば、ランダムに選択)してもよい。
【0181】
図示を省略するが、SA56によって連続予告を実行する決定がされた場合には、時短時大当り予告としての連続予告を実行することを示すデータおよび連続予告が実行される回数を示すデータがRAMに記憶されるとともに、その連続予告を実行する決定がされてから実行された変動表示の回数に基づいて現在が連続予告中であるか否か管理するサブルーチンが実行されることにより、現在が連続予告中であるか否かが表示制御用マイクロコンピュータ81において管理される。これにより、前述したSA54では現在が連続予告中であるか否かが認識できるのである。また、このような管理が行なわれることにより、表示制御用マイクロコンピュータ81によって、連続予告が実行される対象となる各変動表示において、前述した表示態様で時短残り変動回数を変動表示結果として導出表示させる制御が行なわれる。
【0182】
SA56の後、SA57に進み、SA56の判定により連続予告を実行することが決定されたか否かが判断される。SA57により連続予告を実行しないことが決定されたと判断された場合には、前述したSA60に進み、時短中変動回数値以外の図柄が飾り図柄の停止図柄として決定される。一方、SA57により連続予告を実行することが決定されたと判断された場合には、SA58に進み、現在の時短中変動回数カウンタの計数値が、大当り図柄の組合せ(111のゾロ目の図柄の組合せ)の数値と一致しているか否かが判断される。SA58により一致していないと判断された場合には、SA59に進み、時短中変動回数カウンタの計数値が左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定される。SA59の後、SA64のステップに進む。このようなSA59で決定された飾り図柄の停止図柄がたとえば、図4の(e),(g)に示されるような連続予告に該当する変動表示の表示結果として表示される。
【0183】
一方、SA58により一致していると判断された場合には、SA60に進み、時短中変動回数値以外の図柄が飾り図柄の停止図柄として決定される。つまり、現在の時短中変動回数カウンタの計数値が、大当り図柄の組合せの数値と一致している場合には、そのまま時短中変動回数カウンタの計数値を表示結果として導出表示すると、大当り遊技状態とならないにも関わらず大当り図柄の組合せが導出表示されてしまうことになるので、そのような表示結果と遊技状態との不一致を避けるために、表示結果として導出表示する飾り図柄が、大当り図柄の組合せにならない図柄の組合せに補正されるのである。このような場合にSA60で決定された飾り図柄の停止図柄がたとえば、前述したような連続予告中において大当り図柄の表示結果の導出表示を避けるために補正された変動表示の表示結果として表示される。
【0184】
また、前述したSA53により時短中はずれフラグがオン状態になっていないと判断されてSA61に進んだ場合は、前述した時短中大当りフラグがオン状態になっているか否かが判断される。SA61によりオン状態になっていないと判断された場合は、この飾り図柄演出設定処理が終了する。一方、SA61によりオン状態になっていると判断された場合は、SA62に進む。
【0185】
SA62では、前述した時短中変動回数カウンタの計数値を示す図柄が左,中,右の飾り図柄の一旦停止図柄として決定される。これにより、時短状態中において、再変動後に大当りとなる大当りの変動表示が行なわれるときには、一旦停止表示される飾り図柄の組合せである一旦停止図柄が時短中変動回数カウンタの計数値の図柄の組合せとなる。言い換えると、時短状態中において大当りとなる変動表示が行なわれるときにのみ、飾り図柄の一旦停止表示および再変動表示を実行する今回大当り予告が行なわれることとなる。
【0186】
次に、SA63により、前述した停止図柄コマンドにより指定された左,中,右の特別図柄の停止図柄に対応する図柄が、左,中,右の飾り図柄の大当り停止図柄として決定され、その後、後述するSA64に進む。これにより、時短状態中において、飾り図柄の変動表示において表示結果として導出される大当り図柄の組合せは、特別図柄の停止図柄と一致した図柄の組合せとなる。
【0187】
SA64では、SA52、SA59、SA60およびSA63により決定された飾り図柄の停止図柄を導出表示するための変動表示について、予め定められた複数種類の変動パターンのうちから、実行する変動パターンが決定される。
【0188】
具体的に、表示制御用マイクロコンピュータ81のROMには、非時短状態において大当りまたははずれとなる変動表示に対応する変動パターン、時短状態において連続予告をしないはずれとなる変動表示に対応する変動パターン、時短状態において連続予告をするはずれとなる変動表示に対応する変動パターン、および、時短状態において大当りとなる変動表示に対応する変動パターン等の複数種類の変動パターンよりなる複数種類の飾り図柄変動パターンが記憶されている。SA64では、このように記憶された飾り図柄変動パターンのうちから、SA52、SA59、SA60またはSA63での決定状況に基づいて、これから実行しようとする変動表示に対応する変動パターンを選択決定する処理が行なわれる。このように変動パターンが決定されることにより、飾り図柄は、遊技状態に応じた変動パターンで変動表示されることとなる。
【0189】
SA64の後、SA65に進み、実行するサブルーチンを、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示を開始させる処理である図柄変動開始処理に移行させるための処理が行なわれる。
【0190】
このように飾り図柄演出設定処理において左,中,右の飾り図柄についての停止図柄および変動パターンが決定されると、決定された左,中,右の飾り図柄についての停止図柄および変動パターンがこれから実行しようとする変動表示における飾り図柄についての停止図柄および変動パターンとして設定され、その設定に基づいて、飾り図柄の変動表示が実行されることとなる。
【0191】
次に、図柄変動開始処理を説明する。図柄変動開始処理においては、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示が開始させられる。図12は、図柄変動開始処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0192】
まず、SA71において、特別図柄および飾り図柄の変動表示に使用するプロセスデータが選択される。ここで、プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データ、および、飾り図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとの組合せよりなる組合せデータが複数組設定されたデータよりなる。
【0193】
飾り図柄の変動表示に使用するプロセスデータは、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せのそれぞれに対応して複数種類用意されており、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せに応じて選択的に使用される。このようなプロセスデータは、表示制御用マイクロコンピュータ81のROMに格納されている。
【0194】
プロセスタイマ設定値には、組合せにより対応する変動態様(特別図柄制御実行データおよび飾り図柄制御実行データが示す変動態様)での変動時間が設定されている。表示制御用マイクロコンピュータ81では、選択したプロセスデータを参照し、各プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ、対応する特別図柄制御実行データおよび飾り図柄制御実行データに設定されている変動態様で特別図柄および飾り図柄のそれぞれを変動表示させる制御を複数の組合せデータについて順次実行していくことにより、1回分の変動表示を実行させる。
【0195】
ここで、特別図柄の変動パターンおよび飾り図柄の変動パターンは、それぞれ非時短状態と時短状態との状態別に複数ずつ設けられている。特別図柄の各変動パターンに対応する変動時間と、飾り図柄の各変動パターンに対応する変動時間とは、非時短状態および時短状態の各別に、同じ長さの時間になるように設定されている。これにより、非時短状態および時短状態のそれぞれにおいて、特別図柄の変動パターンと、飾り図柄の変動パターンとがどのような組合せになっても、特別図柄の変動表示と、飾り図柄の変動表示とは、同期して行なわれる(変動停止タイミングが一致する)ように制御されることとなる。
【0196】
次に、SA72により、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマ設定値に基づいてプロセスタイマがスタートさせられる。そして、SA73により、プロセスデータの最初の特別図柄制御実行データの内容に従って特別図柄の変動表示を行なわせ、SA74により、プロセスデータの最初の飾り図柄制御実行データの内容に従って飾り図柄の変動表示を行なわせる。これにより、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの変動表示が開始される。
【0197】
次に、SA75により、変動表示の変動時間を管理するために用いられる変動時間タイマがスタートされる。そして、SA76に進み、実行するサブルーチンを図柄変動中処理に移行させる処理が行なわれる。
【0198】
次に、図柄変動中処理を説明する。図柄変動中処理においては、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングが制御されるとともに、変動表示の終了時間が監視される。図13は、図柄変動中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0199】
図柄変動中処理においては、前述した図柄変動開始処理から引続き、特別図柄制御実行データの内容に従って特別図柄の変動表示が実行されており、飾り図柄制御実行データの内容に従って飾り図柄の変動表示が実行されている。
【0200】
図柄変動中処理では、SA81により、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かが判断される。SA81によりタイムアウトしていないと判断された場合には、後述するSA83に進む。一方、SA81によりタイムアウトしたと判断された場合には、SA82に進み、表示制御実行データの切替が行なわれ、その後、SA83に進む。具体的に、SA82では、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマ設定値に基づいてプロセスタイマがスタートさせられるとともに、次に設定されている表示制御実行データの内容にしたがった特別図柄および飾り図柄の表示態様に切替えられる。
【0201】
SA83では、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かが判断される。SA83によりタイムアウトしていないと判断された場合には、この図柄変動中処理が終了し、リターンする。一方、SA83によりタイムアウトしていると判断された場合には、SA84に進み、全図柄停止コマンドの受信を監視するための監視タイマがスタートさせられる。そして、SA85により、実行するサブルーチンを全図柄停止待ち処理に移行させる処理が行なわれる。SA85の後、この図柄変動中処理が終了し、リターンする。
【0202】
このような図柄変動中処理の実行中においては、前述したように飾り図柄制御実行データの内容に従って飾り図柄の変動表示が実行されており、その飾り図柄制御実行データの内容に従って、左図柄および右図柄が順次停止されていく表示が行なわれる。また、前述した連続予告が行なわれる変動表示においては、飾り図柄制御実行データの内容に従って、前述したような飾り図柄の表示態様の変化および前述した背景画像の変化による連続予告であることを報知するための表示が行なわれる。また、前述したような大当りとなる変動表示においては、飾り図柄制御実行データの内容に従って、前述したような飾り図柄の一旦停止および再変動が表示される。
【0203】
次に、全図柄停止待ち処理を説明する。全図柄停止待ち処理においては、変動表示の終了時に、全図柄停止コマンドを受信していたら、特別図柄および飾り図柄の変動表示を終了させ、表示結果となる停止図柄を導出表示する制御が行なわれる。図14は、全図柄停止待ち処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0204】
まず、SA91により、全図柄停止コマンドを受信しているか否かが判断される。SA91により受信していると判断された場合には、後述するSA92に進む。一方、SA91により受信していないと判断されてSA93に進んだ場合には、前述した監視タイマがタイムアウトしているか否かが判断される。SA93によりタイムアウトしていないと判断された場合には、この全図柄停止待ち処理が終了し、リターンする。一方、SA93によりタイムアウトしていると判断された場合には、SA94に進み、何らかの異常が発生したと判断して、飾り図柄変動表示装置9において、異常が発生したことを示すエラー画面を表示する制御が行なわれる。SA94の後、後述するSA95に移行する。
【0205】
また、前述したSA91により全図柄停止コマンドを受信していると判断されてSA92に進んだ場合は、特別図柄および飾り図柄のそれぞれの停止図柄を導出表示させる制御が行なわれる。具体的に、SA92において、特別図柄については、前述した左,中,右の停止図柄コマンドにより指定された停止図柄が導出表示させられ、飾り図柄については、前述したように決定された左,中,右の飾り図柄の停止図柄が導出表示させられる。
【0206】
次に、SA95により、停止図柄として導出表示させた特別図柄が大当り図柄の組合せであるか否かが判断される。SA95により大当り図柄の組合せであると判断された場合には、SA96に進み、実行するサブルーチンを大当り遊技状態での表示を実行するための大当り表示処理に移行させる処理が行なわれ、その後、この全図柄停止待ち処理が終了し、リターンする。これにより、大当り遊技状態での表示の実行が開始される。一方、SA95により大当り図柄の組合せではないと判断された場合には、SA97に進み、実行するサブルーチンをコマンド受信待ち処理に移行させる処理が行なわれる。これにより、新たな変動表示についての表示制御コマンドの受信を待つ状態に制御される。SA97の後、この全図柄停止待ち処理が終了し、リターンする。
【0207】
次に、この第1実施形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図3の表およびSA56での連続予告判定に示されるように、特別遊技状態としての時短状態に制御されているときの変動表示において、すべての始動入賞記憶データを対象とした始動入賞記憶データに対応する変動表示の表示結果が大当りとなるか否かの判定に基づいて、変動表示の表示結果が特定の表示態様となることを予告する連続予告を行なうか否かが判定される。そして、連続予告の演出としては、図4の(d)〜(g)に示されるように、図5の(k)に示されるような大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において時短状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数を示す時短残り変動回数が飾り図柄の変動表示結果として導出表示させられる。このように、時短状態に制御されているときの大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、時短残り変動回数が飾り図柄の表示結果として導出表示される連続予告の演出がされるので、時短残り変動回数と表示結果が大当りの表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる時短残り変動回数の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら時短状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数を知らせることができる。しかも、そのように連続予告の演出に用いられる時短残り変動回数は、特別遊技状態に制御されているときにおいて変動表示が実行されるごとに変化するので、連続予告の演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、時短状態に制御されているときの変動表示の表示結果により大当りの表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0208】
また、図5の(i)に示されるように、特別遊技状態としての時短状態中における大当りとなる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される飾り図柄の変動表示において、大当り図柄の組合せとなる表示結果が導出表示される前に、時短残り変動回数以外の図柄が一旦導出表示させられるので、特別遊技状態としての時短状態中における表示について、演出を多彩化することができ、面白みを向上させることができる。
【0209】
また、図6〜図8での遊技制御用マイクロコンピュータ53の処理および図9〜図14での表示制御用マイクロコンピュータ81の処理に示されるように、遊技制御用マイクロコンピュータ53が保留記憶コマンドおよび変動パターンコマンドのようなコマンドを表示制御マイクロコンピュータに送ると、そのコマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ81が、前述したような連続予告における時短残り変動回数を表示をするための変動回数の計数と、連続予告を行なうか否かの判定とを行なうことともに、それら計数結果と判定結果とに基づいて連続予告が実行されるので、特別遊技状態としての時短状態中での予告の表示に関する遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御の負担を軽減することができる。
【0210】
また、SA54でYESのときにSA56での連続予告判定をせずに直接SA58に進むことを説明したように、連続予告を行なっていると判定されたときに、連続予告を行なうか否かが判定されないので、予告演出が重複して実行されることを防ぐことができ、パチンコ遊技機1の制御負担を軽減することができる。
【0211】
また、SA55およびSA56に示されるように、始動入賞記憶データがたとえば、3つ以上のような所定数以上であるときに連続予告を行なうか否かの判定がされるので、連続予告を行なうという判定がされたときに、時短残り変動回数を連続する複数回の変動表示において導出表示できる可能性を高めることができる。
【0212】
また、図4の(e),(g)に示されるように、連続予告が実行されているときに、連続予告が行なわれていることが報知されるので、連続予告が行なわれていることを遊技者が認識しやすいようにすることができる。
【0213】
また、図4の(e),(g)に示されるような連続予告が行なわれていることの報知として、飾り図柄に模様が付加されるというように、表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様が、予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される飾り図柄の表示態様と異なるように変化させられるので、連続予告が行なわれていることを遊技者がより一層認識しやすいようにすることができる。
【0214】
また、SA56での連続予告判定および図4により示したように、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになるときのみならず、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せにならないと判定されたときにも、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになるときと同じ演出態様での偽の連続予告を行なうことが所定の割合で判定され、その判定に基づいて偽の連続予告が行なわれるので、変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになると判定されたときにのみ連続予告がされる場合と比べて、連続予告の演出がされる機会が多くなり、連続予告の演出に基づく遊技者の期待感をより一層盛上げることができる。
【0215】
また、SA58,SA60に示されるように、連続予告を行なうという判定がされているときの変動表示であっても、表示結果をはずれとする変動表示について、変動回数情報が特定の表示態様と一致するときに、時短残り変動回数に代えて時短残り変動回数以外の数値が表示結果として導出表示させられるので、大当り図柄の組合せと一致する時短残り変動回数が表示結果として表示されても大当り遊技状態に制御されないというような表示結果と遊技制御状態との不整合の発生を防ぐことができる。
【0216】
また、連続予告として複数回の変動表示のそれぞれにおいて、時短残り変動回数を示す図柄が導出表示されることにより、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げることができる。
【0217】
また、前述したように、時短残り変動回数を示す表示結果の導出表示による大当り予告が行なわれる特別遊技状態が、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間がそれ以外の通常状態よりも短縮される制御が行なわれる時短状態であるため、特別図柄および飾り図柄の変動時間の短縮による大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感をより一層盛り上げることができる。
【0218】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態においては始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれているときにのみ時短時大当り予告としての連続予告を行なう例を説明する。この第2実施形態においては、前述した第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0219】
この第2実施形態では、図11の飾り図柄演出設定処理におけるSA54〜SA56の処理を実行せずに、次のような処理を実行する。たとえば、SA53により時短中はずれフラグがオン状態となっていると判断された場合に、受信している保留記憶コマンドが示すデータに基づいて、現在における始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれているか否かを判断する。そして、大当りとなるデータが含まれていると判断された場合には、前述したSA57に進み、一方、大当りとなるデータが含まれていないと判断された場合には、前述したSA60に進むように処理ステップを設けて処理を実行する。このようにすれば、現在における始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれている場合にのみ、前述したような連続予告が実行されることとなる。
【0220】
このような第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。
【0221】
現在における始動入賞記憶データのうちに大当りとなるデータが含まれている場合にのみ、前述したような連続予告が実行されるため、連続予告が実行された場合には確実に変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなることが生じるので、連続予告における時短残り変動回数の図柄の導出表示により、遊技者に多大な期待感を与えることができる。
【0222】
第3実施形態
次に、第3実施形態を説明する。前述した第1実施形態および第2実施形態では、時短状態において、飾り図柄の変動表示の表示結果として時短残り変動回数を表示する例を示した。これに対し、この第3実施形態では、実行中の時短状態において変動表示が実行された回数(以下、時短実行変動回数という)、言い換えると、時短状態に制御されているとき実行された変動表示の回数を表示する例を説明する。この第3実施形態では、前述した第1実施形態および第2実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0223】
この第3実施形態の場合においては、図9のSA32に示される、変動パターンコマンドの受信に基づいて時短中変動回数カウンタの計数値を減算更新させる処理に代えて、変動パターンコマンドの受信に基づいて時短中変動回数カウンタの計数値を加算更新させる処理を実行させる。この場合、時短中変動回数カウンタは、実行中の時短状態において変動表示が実行された回数を計数するための計数手段として用いられる。
【0224】
そして、このような実行中の時短状態において変動表示が実行された回数を計数するための時短中変動回数カウンタを用いて行なう処理が、図10のSA34,SA37、図11のSA59,SA60,SA62等の処理により実行される。これにより、第1実施形態および第2実施形態のそれぞれにおいて、時短状態で、飾り図柄の変動表示の表示結果として、実行中の時短状態において変動表示が実行された回数としての時短実行変動回数が変動表示が実行されるごとにカウントアップされる態様で導出表示される。
【0225】
このような第3実施形態については、前述した第1実施形態および第2実施形態のそれぞれと共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態および第2実施形態のそれぞれと同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。
【0226】
連続予告の演出としては、大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において時短状態に制御されているときにおける変動表示が実行された回数としての時短実行変動回数が飾り図柄の変動表示結果として導出表示させられる。このように、時短状態に制御されているときの大当りになる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において、時短実行変動回数が飾り図柄の表示結果として導出表示される連続予告の演出がされるので、時短実行変動回数と表示結果が大当りの表示態様になることとの間に関連性が生じるため、複数回の変動表示にわたる時短実行変動回数の表示により、複数回の変動表示にわたって遊技者の期待感を盛上げながら時短状態に制御されているとき実行された変動表示の回数を知らせることができる。しかも、そのように連続予告の演出に用いられる時短実行変動回数は、特別遊技状態に制御されているとき変動表示が実行されるごとに変化するので、連続予告の演出がされる複数回の変動表示ごとに表示結果が異なるようになるため、時短状態に制御されているときの変動表示の表示結果により大当りの表示態様となることを予告する場合における予告態様用に選択の幅を持たせて予告演出の面白みを向上させることができる。
【0227】
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、大当り図柄の組合せが非確変図柄の組合せとなったときに、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1が時短状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、時短状態は、次のように発生させるようにしてもよい。▲1▼時短状態は、大当り図柄の組合せが確変図柄の組合せとなったときにおいて、確率変動状態が終了した後に実行されるようにしてもよい。▲2▼時短状態は、大当り図柄の組合せが確変図柄の組合せとなったときにおいて、確率変動状態が終了した後に実行されるとともに、大当り図柄の組合せが非確変図柄の組合せとなったときに、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1が時短状態に制御されるようにしてもよい。▲3▼時短状態は、確率変動状態の制御が行なわれないパチンコ遊技機において、大当り図柄の組合せが特別な図柄の組合せとなったときにおいて、大当り遊技状態の終了後に実行されるようにしてもよい。▲4▼時短状態は、確率変動状態の制御が行なわれないパチンコ遊技機において、大当り図柄の組合せの種別によらず、大当り遊技状態の終了後に常に実行されるようにしてもよい。
【0228】
(2) 前述した実施の形態においては、特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数(時短残り変動回数)または特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数(時短実行変動回数)を変動表示の表示結果として表示すること、および、これらの回数以外の表示結果を表示することによる大当り予告を表示することを実行する対象となる特別遊技状態として、特別図柄の時短状態を一例として説明した。しかし、これに限らず、そのような制御が実行される対象となる特別遊技状態としては、▲1▼特別図柄の確率変動状態、▲2▼普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、▲3▼普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、▲4▼普通図柄が当りとなったときに始動口14に設けられた一対の可動片が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、▲5▼始動口14に設けられた一対の可動片の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御が行なわれる状態も含まれる。これらの特別遊技状態は、前述した時短状態のように継続期間が特別図柄の変動回数により規定されているものであってもよく、そのような規定がされていないものであってもよい。具体的に、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、特別図柄の時短状態および前記▲1▼〜前記▲5▼のうちのいずれかの単独制御または特別図柄の時短状態および前記▲1▼〜前記▲5▼が2つ〜5つ適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
【0229】
(3) 前述した実施の形態においては、大当り予告として、連続予告の予告パターンで複数回の変動表示にわたって行なわれる予告(連続予告)と、大当り図柄の組合せが表示結果として導出される変動表示の回において変動表示の途中で行なわれる予告(今回予告)とを実行する例を示した。しかし、大当り予告としては、大当り図柄の組合せが表示結果として導出される変動表示の回において変動表示の途中で行なわれる予告(今回予告)のみを実行するようにしてもよい。
【0230】
(4) 前述した実施の形態においては、始動入賞記憶数が所定数(たとえば、3つ以上)あることを条件に連続予告をさせるか否かを判断する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞記憶数がいくつあるかを条件とせずに、連続予告をさせるか否かを判断するようにしてもよい。
【0231】
(5) 前述した第1実施形態においては、連続予告を実行する際の時短中変動回数カウンタの計数値が大当り図柄と一致する場合に、図11のSA60において、飾り図柄の停止図柄として、時短中変動回数カウンタの計数値と一致せず、かつ、大当り図柄と一致しない図柄(補正図柄)をランダムに決定する例を示した。しかし、これに限らず、そのような補正図柄は、時短中変動回数カウンタの計数値と一致せず、かつ、大当り図柄と一致しないという条件を満たす停止図柄の組合せを予め定めておき、その予め定められた停止図柄を飾り図柄の停止図柄(補正図柄)として決定するようにしてもよい。
【0232】
(6) 前述した第2実施形態においては、時短状態の継続期間が特別図柄の変動回数により規定されているものを一例として示した。しかし、これに限らず、時短状態は、継続期間が特別図柄の変動回数により規定されていないものであってもよい。
【0233】
(7) 前述した実施の形態においては、大当り遊技状態の終了後において確率変動状態に制御され、同様に、大当り遊技状態の終了後において時短状態に制御されることを説明したが、確率変動状態と時短状態とのそれぞれが実行される時期は、大当り遊技状態の終了後でなくてもよい。
【0234】
(8) 前述した実施の形態においては、特別図柄の変動表示結果が所定の図柄の組合せとなったときに特別遊技条件が成立して、時短状態のような特別遊技状態に制御される例を説明した。しかし、これに限らず、前述した各種制御が実行される時短状態のような特別遊技状態は、次のような場合に実行されるようにしてもよい。特別図柄の変動表示結果が導出表示された後、特別図柄の変動表示とは別の変動表示が実行され、その別の変動表示の表示結果が所定の表示結果となったときに特別遊技条件が成立して、時短状態のような特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、表示結果がはずれ図柄の組合せとなる変動表示が連続して所定回数(たとえば、1000回等)実行されたときのように大当りが発生しにくくなったとき(所謂はまり状態のとき)に特別遊技条件が成立して、時短状態のような特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、遊技者が遊技を行なっているが、大当り遊技状態が発生しない状態が所定時間(たとえば、2時間等)続いたときのように大当りが発生しにくくなったとき(所謂はまり状態のとき)に、時短状態のような特別遊技状態に制御されるようにしてもよい。つまり、特別遊技状態は、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて制御されるものであればよい。
【0235】
(9) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】予告判定用のランダムカウンタのカウント値と、連続予告判定値との関係を表形式で示す図である。
【図4】時短状態における飾り図柄変動表示装置での表示の一例を示す表示画面図である。
【図5】時短状態における飾り図柄変動表示装置での表示の一例を示す表示画面図である。
【図6】特別図柄通常処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】停止図柄・変動パターン設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】変動表示時コマンド送信関連処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】コマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】コマンド解析処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】飾り図柄演出設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】図柄変動開始処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】図柄変動中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】全図柄停止待ち処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 飾り図柄変動表示装置、9a 特別図柄変動表示装置、1 パチンコ遊技機、55 RAM、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、81 表示制御用マイクロコンピュータ。
Claims (10)
- 所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、前記変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて前記変動表示が所定回数実行されるまでの期間前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される遊技機であって、
前記実行条件が成立した変動表示の表示結果を前記特定の表示態様にするか否かを示すデータを保留データとして前記開始条件が成立するときまで記憶する手段であって、保留データを所定の上限個数まで記憶可能な保留記憶手段と、
該保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを当該保留データに対応する変動表示の開始条件の成立以前に判定する事前判定手段と、
前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示の残りの回数である残変動表示回数を計数する回数計数手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様になると判定されたときに、変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かを判定する予告判定手段と、
該予告判定手段により前記予告演出を行なうと判定されたときに、前記予告演出を実行する制御を行なう予告実行手段とを含み、
該予告実行手段は、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記予告演出として、前記特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において前記回数計数手段により計数された残変動表示回数を示す変動回数情報を前記識別情報の表示結果として導出表示させる制御を行なうことを特徴とする、遊技機。 - 所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、前記変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技条件が成立したことに基づいて前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される遊技機であって、
前記実行条件が成立した変動表示の表示結果を前記特定の表示態様にするか否かを示すデータを保留データとして前記開始条件が成立するときまで記憶する手段であって、保留データを所定の上限個数まで記憶可能な保留記憶手段と、
該保留記憶手段に記憶された保留データに対応する変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを前記保留データに対応する変動表示の開始条件の成立以前に判定する事前判定手段と、
前記特別遊技状態に制御されているとき実行された変動表示の回数である実行変動表示回数を計数する回数計数手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときであって、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様になると判定されたときに、変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となることを予告する予告演出を行なうか否かを判定する予告判定手段と、
該予告判定手段により前記予告演出を行なうと判定されたときに、前記予告演出を実行する制御を行なう予告実行手段とを含み、
該予告実行手段は、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記予告演出として、前記特定の表示態様になる判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前の連続する複数回の変動表示において前記回数計数手段により計数された実行変動表示回数を示す変動回数情報を前記識別情報の表示結果として導出表示させる制御を行なうことを特徴とする、遊技機。 - 前記予告実行手段は、前記特別遊技状態中における表示結果が前記特定の表示態様となる変動表示において、前記特定の表示態様となる表示結果が導出表示される前に、前記変動回数情報を一旦導出表示させる一旦導出表示手段を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機。
- 前記遊技機の遊技の進行を制御する遊技制御マイクロコンピュータと、
該遊技制御マイクロコンピュータとは別に設けられ、当該遊技制御マイクロコンピュータからのコマンドに基づいて前記変動表示装置における変動表示を制御する表示制御マイクロコンピュータとをさらに含み、
前記遊技制御マイクロコンピュータは、
前記保留記憶手段と、
前記事前判定手段と、
前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様となると判定されたときに、当該表示結果が前記特定の表示態様になることを示す特定表示コマンドを送信する特定表示コマンド送信手段と、
前記変動表示を行なうときに、前記判定手段による判定に基づいて決定された変動表示における変動パターンを示す変動パターンコマンドを送信する変動パターンコマンド送信手段とを含み、
前記表示制御マイクロコンピュータは、
前記回数計数手段と、
前記予告判定手段と、
前記予告実行手段とを含み、
前記回数計数手段は、前記変動パターンコマンドの受信に基づいて、前記計数をし、
前記予告判定手段は、前記特定表示コマンドの受信に基づいて、前記予告演出を行なうか否かの判定をすることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。 - 前記予告実行手段により予告演出を行なっているか否かを判定する予告実行判定手段をさらに含み、
前記予告判定手段は、前記予告実行判定手段により予告演出を行なっていると判定されたときに、前記予告演出を行なうか否かを判定しないことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。 - 前記予告判定手段は、前記保留記憶手段に記憶されている前記保留データが所定数以上であるときに、前記予告演出を行なうか否かを判定することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
- 前記予告演出実行手段により前記予告演出が実行されているときに、当該予告演出が行なわれていることを報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の遊技機。
- 前記報知手段は、前記予告演出が行なわれているときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様を、前記予告演出が行なわれていないときの変動表示において表示結果として導出表示される識別情報の表示態様と異なるように変化させる表示態様変化手段を含むことを特徴とする、請求項7に記載の遊技機。
- 前記予告判定手段は、前記特別遊技状態中の変動表示において、前記事前判定手段により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様にならないと判定されたときに、前記予告演出と同じ態様で実行される偽の予告演出を行なうか否かを判定し、
前記予告実行手段は、前記予告判定手段により前記偽の予告演出を行なうと判定されたときに、前記特別遊技状態に制御されているとき実行される変動表示において、前記特定の表示態様にならない判定がされた変動表示の表示結果が導出表示される前に、前記予告演出と同じ態様で前記偽の予告演出を行なうことを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の遊技機。 - 前記予告実行手段は、前記予告判定手段により前記予告演出を行なう判定がされているときの変動表示であっても、前記表示結果を前記特定の表示態様としない変動表示について、前記変動回数情報が前記特定の表示態様と一致するときに、前記変動回数情報に代えて、前記変動回数情報以外の非変動回数情報を導出表示させる表示結果変更手段を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の遊技機。
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