JP2004239169A - Direct injection type fuel injection device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの燃焼室へ燃料を直接噴射する直接噴射式燃料噴射装置に関する。詳しくは、燃料噴射弁から噴射される燃料と、気体噴射弁から噴射される気体とを衝突させるように構成した直接噴射式燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、下記の特許文献1及び2には、燃料噴射弁から噴射される燃料と、空気噴射弁から噴射される空気とを衝突させるように構成した燃料噴射装置が開示される。
【0003】
特許文献1には、筒内噴射式(直接噴射式)火花点火機関において、空気噴射弁と燃料噴射弁の取付角度が、両噴射軸線が上下方向及び水平方向で交差し、かつ、噴射方向が共にキャビティ燃焼室に指向する角度に設定されることが記載される。上記構成により、空気噴射軸線と燃料噴射軸線とが交差しているため、燃料の吸気行程噴射時に燃料の微粒化を行えること、噴射空気がキャビティ燃焼室に指向するため、キャビティ燃焼室に燃料が付着するのを抑制できてスモーク及び未燃HCの発生を低下できることが、それぞれ特許文献1に記載される。
【0004】
一方、特許文献2には、直接噴射式ではないが、燃料噴射式内燃機関において、燃料噴口をほぼ含む平面上で燃料噴口を両側から挟む位置に、噴射方向を相互に交差させるようにした一対のエアアシスト噴口が配置されることが記載されている。上記構成により、燃料噴口からの燃料流が両側からの空気流により狭められて全体として扁平になることが、特許文献2に記載される。
【0005】
ここで、直接噴射式のエンジンで最適な燃焼性能を得るためには、エンジン運転条件の全域を通じて、燃焼性向上のために、燃料微粒化を促進する必要がある。また、直接噴射式のエンジンでは、冷間始動や部分負荷運転に合わせた燃焼性能を得るために、噴霧貫徹距離(燃料噴射弁の噴孔から噴霧先端までの距離)や噴霧形状を調節する必要がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−97032号公報(第5−6頁,図10,図11)
【特許文献2】
特開平4−50469号公報(第2−6頁,図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の特許文献1に記載の機関では、成層燃焼時(主に部分負荷運転時)に、吸入空気量に相当する大量の空気を噴射して燃料に衝突させると、混合気が分散することになり、成層燃焼に必要な混合気の成層化が不可能になる。このため、成層燃焼時には、空気衝突による燃料の微粒化を行えず、結果として直接噴射式の機関で、最適な燃焼性能を得るための運転条件の全域で燃料微粒化を達成することができなかった。
【0008】
また、上記の特許文献1及び2には、噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる構成が何も記載されていない。このため、エンジンの冷間始動や部分負荷運転に合わせた燃焼性能を得るために、噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節することができず、燃焼性能の向上を図ることができなかった。
【0009】
さらに、上記の特許文献1及び2には、単に燃料噴霧に空気を衝突させるだけの構成が記載されているだけで、噴射された燃料全体の分布に合わせて空気を均一に衝突させる構成やその示唆が何も記載されていない。このため、噴射燃料全体として均一でより微細に燃料を微粒化することができず、燃焼性能の向上を図ることができなかった。
【0010】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、運転条件の全域で燃料微粒化を図ることを可能とした直接噴射式燃料噴射装置を提供することにある。また、この発明の第2の目的は、第1の目的に加え、噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節することを可能とした直接噴射式燃料噴射装置を提供することにある。この発明の第3の目的は、第1又は第2の目的に加え、燃料噴霧の大きさと同程度の気体噴流を衝突させることにより、燃料噴霧全体でより微細な燃料微粒化を図ることを可能とした直接噴射式燃料噴射装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブを含む内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するための燃料噴射弁と、同じく燃焼室に気体を噴射するための気体噴射弁とを備えた直接噴射式燃料噴射装置であって、燃料噴射弁を一つ含み、その燃料噴射弁に対応して燃焼室に開口される一つ以上の燃料噴孔が設けられることと、気体噴射弁を少なくとも一つ含み、その気体噴射弁に対応して燃焼室に開口される一つ以上の気体噴孔が設けられることと、燃料噴孔の形状、大きさ、向き及び配置が特定されることと、気体噴孔の数、形状、大きさ、向き及び燃料噴孔に対する配置が特定されることとを備え、燃料噴射弁から噴射される燃料と、気体噴射弁から噴射される気体とを衝突させるように構成したことを趣旨とする。
【0012】
上記発明の構成によれば、一つの燃料噴射弁から噴射される燃料が対応する一つ以上の燃料噴孔から燃焼室に噴射されることにより、燃焼室の中に燃料噴霧が形成される。この燃料噴霧の形態は、燃料噴孔の形状、大きさ、向き及び配置が特定されることにより決定される。一方、少なくとも一つの気体噴射弁から噴射される気体が対応する一つ以上の気体噴孔から燃焼室に噴射されることにより、燃焼室の中に気体噴流が形成される。この気体噴流の形態及び燃料噴霧に与える影響は、気体噴孔の数、形状、大きさ、向き及び燃料噴孔に対する配置が特定されることにより決定される。ここで、燃料噴射弁から噴射される燃料と、気体噴射弁から噴射される気体とを衝突させるので、気体噴流と燃料噴霧が衝突して燃料噴霧の微粒化がなされる。
【0013】
上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、気体噴孔が燃料噴孔の近傍に配置されることを趣旨とする。
ここで、上記「近傍」とは、下記の噴射条件が変化した場合でも、燃料噴霧の微粒化効果や燃料噴霧長さの可変効果を得ることができるような気体噴孔と燃料噴孔との間の距離を意味する。具体的には、一例として、図45に示すように、燃料噴孔から気体噴孔までの距離を「X」とすると、以下の(式1)〜(式3)の条件を満たす「X]を上記「近傍」と定義することができる。
気体噴射に関する一般的な運動理論から気体噴流の到達距離「L(m)」と噴流角度「α(°)」は以下のように表される。
L=(ρa/ρo)0.25*(d*u*t/tanα)0.5 …(式1)
tanα=0.427*(ρo/ρa)0.35 …(式2)
ここで、「ρa」は噴射気体の絶対圧力での気体密度(kg/m3)、「ρo」は筒内(噴射場)の気体密度(kg/m3)、「d]は気体噴孔の直径(又は最短幅(m))、「u」は初期気体噴射速度(m/s)、「t]は噴射後の時間(s)及び「α}は仮の噴流半角値(°)である。
上記式より衝突点における噴流速度を算出し、所定の実験値や計算値より求められた燃料噴霧微粒化や噴霧長可変が可能となる限定条件を付加すると、距離「X]は、
X≦a*d*Pa 0.5*ρa 0.35*ρo −0.85 …(式3)
と表される。ここで、「X]は近傍となる最大距離(m)、「Pa」は噴射気体の絶対圧力(Pa)である。「a」には「0.03」をあてはめることができる。
一例として、噴射気体をエアとしてエア噴射径、噴射圧力、噴射気体の絶対圧力での気体密度、筒内(噴射場)の気体密度をd≦0.0005(m)、Pa≦600000(Pa)、ρa≦7.23(kg/m3)、ρo≧1.205(kg/m3)とすると、X≦0.0199(m)=19.9(mm)となる。従って、燃料噴孔から[19.9mm」以内に気体噴孔を配置しないと、この噴射条件下では、燃料噴霧の微粒化効果や噴霧長可変効果が得られないことになる。
【0014】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、気体噴射弁から噴射される気体によって噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節するには、燃料噴霧と気体噴流との衝突点において、気体噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保持されていなければならない。ここで、気体噴流の持つエネルギーは、気体噴孔から遠ざかるほど小さくなる。従って、燃料噴孔の近傍に気体噴孔が配置されることにより、気体噴流と燃料噴霧との衝突点が燃料噴孔付近に設定され、燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状の調節が可能となる。
【0015】
上記第3の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、気体噴孔から噴射される気体噴流の大きさが前記燃料噴孔から噴射される燃料噴霧の大きさと同程度になるように設定されることを趣旨とする。
ここで、「気体噴流の大きさ」は以下の(式4)〜(式6)ように定義することができる。
tanα=0.427*(ρo/ρa)0.35 …(式4)
2α−6≦β≦2α+6 …(式5)
図45,46に示すように、「β」は気体噴流の噴流角(°)、「b」は気体噴流と燃料噴霧との衝突点での気体噴流外径又は気体噴流幅(m)、「c」は気体噴孔から衝突点までの距離(m)とすると、
b=2*c*tan(β/2) …(式6)
となる。
【0016】
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、衝突点において気体噴流の大きさが燃料噴霧の大きさと同程度になるように設定されるので、燃料噴霧の形態に応じ、その全体に気体が衝突することになり、燃料噴霧全体で燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状の調節が可能となる。
【0017】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明において、気体噴孔が矩形をなすことを趣旨とする。
【0018】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、気体噴孔が矩形をなすことから、気体噴流がその矩形に応じた錐形に広がることになる。
【0019】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の発明において、気体噴孔が噴射方向へ末広がりにテーパをなす内面を含むことを趣旨とする。
【0020】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至4の何れか一つに記載の発明の作用に加え、気体噴孔が噴射方向へ末広がりにテーパをなす内面を含むので、気体噴流の広がり角が大きくなり、気体噴流の広がり方向の強度分布がより平坦になることから、気体噴流を燃料噴霧に対し、より均一に衝突させることが可能となる。
【0021】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明において、燃料噴孔が円形をなし、燃料噴孔を中心とする円周上に複数の気体噴孔が等角度間隔に配置されることを趣旨とする。
【0022】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、燃料噴孔が円形をなすことから、燃料噴霧が円錐形に広がる。また、燃料噴孔を中心とする円周上に複数の気体噴孔が等角度間隔に配置されるので、円錐形の燃料噴霧の幅方向全体に対し、その周囲から複数の気体噴流が衝突する。
【0023】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明において、燃料噴孔が矩形をなし、燃料噴孔の両側にて燃料噴孔の長手方向に沿って複数の気体噴孔が等間隔に配置されることを趣旨とする。
【0024】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、燃料噴孔が矩形をなすことから、燃料噴霧がその矩形に応じた錐形に広がる。また、矩形をなす燃料噴孔の両側にて燃料噴孔の長手方向に沿って複数の気体噴孔が等間隔に配置されるので、その燃料噴霧の長手方向に沿って、その両側から複数の気体噴流が燃料噴霧の幅方向全体に衝突することになる。
【0025】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、燃料噴孔が矩形をなし、燃料噴孔の両側にて燃料噴孔と平行に一対をなす気体噴孔が配置されることを趣旨とする。
【0026】
上記発明の構成によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、燃料噴孔が矩形をなすことから、燃料噴霧がその矩形に応じた錐形に広がる。また、矩形をなす燃料噴孔の両側にてそれと平行に一対の気体噴孔が平行に配置されるので、その燃料噴霧の長手方向に沿って、その両側から一対の気体噴流が燃料噴霧の幅方向全体に衝突することになる。
【0027】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明において、燃料噴孔が矩形をなし、燃料噴孔の片側にて燃料噴孔の長手方向に沿って複数の気体噴孔が等間隔に配置されることを趣旨とする。
【0028】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、燃料噴孔が矩形をなすことから、燃料噴霧がその矩形に応じた錐形に広がる。また、矩形をなす燃料噴孔の片側にてその燃料噴孔の長手方向に沿って複数の気体噴孔が等間隔に配置されるので、その燃料噴霧の長手方向に沿って、その片側から複数の気体噴流が燃料噴霧の幅方向全体に衝突することになる。更に、燃料噴霧の片側から気体噴流が衝突するので、燃料噴霧の向きが変えられる。
【0029】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、燃料噴孔が矩形をなし、燃料噴孔の片側にて燃料噴孔と平行に一つの気体噴孔が配置されることを趣旨とする。
【0030】
上記発明の構成によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、燃料噴孔が矩形をなすことから、燃料噴霧がその矩形に応じた錐形に広がる。また、矩形をなす燃料噴孔の片側にてその燃料噴孔と平行に一つの気体噴孔が配置されるので、その燃料噴霧の長手方向に沿って、その片側から一つの気体噴流が燃料噴霧に均一に衝突することになる。更に、燃料噴霧の片側から気体噴流が衝突するので、燃料噴霧の向きが変えられる。
【0031】
上記第1乃至3の目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか一つに記載の発明において、燃料噴射弁及び気体噴射弁が燃焼室に対応して取付部材により一体的に取り付けられることを趣旨とする。
【0032】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至10の何れか一つに記載の発明の作用に加え、燃料噴射弁及び気体噴射弁が燃焼室に対応して取付部材により一体的に取り付けられるので、気体噴孔と燃料噴孔の配置の位置精度が高くなり、取り付けのための加工や作業が少なくなる。
【0033】
上記第2の目的を達成するために、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11の何れか一つに記載の発明において、気体噴射弁は複数であり、各気体噴射弁に対応して少なくとも一つの気体噴孔が設けられ、各気体噴孔からの気体の噴射を選択的に切り替えるために、各気体噴射弁の使用を切り替えることを趣旨とする。
【0034】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至11の何れか一つに記載の発明の作用に加え、複数の気体噴射弁の使用を切り替えることにより、各気体噴孔からの気体の噴射が選択的に切り替えられる。従って、この切り替えにより、燃料噴霧に対する気体噴流の衝突の形態が変えられ、燃料噴霧の形状が変えられる。
【0035】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の直接噴射式燃料噴射装置(以下単に「燃料噴射装置」と言う。)を具体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1に燃料噴射装置の内燃機関(エンジン)に対する取付状態を断面図に示す。この燃料噴射装置は、エンジン1の燃焼室2に燃料を噴射するための燃料噴射弁3と、同じく燃焼室2に気体としてのエア(空気)を噴射するための気体噴射弁としてのエア噴射弁4とを備える。エンジン1はシリンダブロック5及びシリンダヘッド6を含む。シリンダブロック5に設けられたシリンダボア7には、ピストン8が往復動可能に設けられる。燃焼室2は、シリンダボア7と、ピストン8と、シリンダヘッド6とで囲まれた空間として構成される。シリンダヘッド6には、燃焼室2に通じる吸気ポート及び排気ポート(ともに図示略)が設けられ、吸気ポートには周知の吸気バルブ(図示略)が、排気ポートには周知の排気バルブ(図示略)が設けられる。燃料噴射弁3及びエア噴射弁4は、燃焼室2に対応して取付部材9によりシリンダヘッド6に一体的に取り付けられる。燃料噴射弁3及びエア噴射弁4は、両方の中心軸線L1,L2が互いに斜めに交差するように取付部材9に組み付けられる。
【0037】
燃料噴射弁3は、周知の電磁弁である。燃料噴射弁3は、ハウジング11と、ハウジング11に組み付けられたコア12と、コア12の内部に設けられた調整パイプ13と、ハウジング11とコア12との間に設けられたソレノイド14と、ハウジング11の先端側に設けられたロワボディ15と、ロワボディ15の内部に設けられたノズルボディ16と、ノズルボディ16とコア12との間に設けられた弁体部材17とを備える。弁体部材17は、先端に弁部18aを有する弁軸18と、弁軸18の基端に組み付けられたアーマチュア19とを備える。アーマチュア19と調整パイプ13との間には、圧縮スプリング20が設けられる。コア12の基端部は、燃料配管(図示略)に接続される配管コネクタ21となっている。配管コネクタ21の外周には、Oリング22が設けられる。配管コネクタ21の内部には、異物を除去するストレーナ23が設けられる。ハウジング11には、電気配線に接続される配線コネクタ24が設けられる。ここで、燃料噴射弁3とエア噴射弁4の基本構成はほぼ同じであることから、以下には、エア噴射弁4の構成につき、燃料噴射弁3の構成部材と同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図2に燃料噴射弁3及びエア噴射弁4に係る電気配線、燃料配管及びエア配管に関する構成概念図を示す。図2に示すように、燃料噴射弁3の配管コネクタ21には、燃料配管31が接続される。エア噴射弁4の配管コネクタ21には、エア配管32が接続される。燃料配管31には、プレッシャレギュレータ33及び燃料ポンプ34が設けられる。エア配管32には、プレッシャレギュレータ35及びエアポンプ36が設けられる。各ポンプ34,36は、それぞれ対応するモータ37,38により駆動される。燃料ポンプ34が駆動されることにより、燃料タンク(図示略)の燃料が同ポンプ34から吐出され、プレッシャレギュレータ33を介して高圧燃料として燃料噴射弁3へ供給される。エアポンプ36が駆動されることにより、同ポンプ36からエアが吐出され、プレッシャレギュレータ35を介して加圧エアとしてエア噴射弁4へ供給される。
【0039】
図2に示すように、燃料噴射弁3の配線コネクタ24及びエア噴射弁4の配線コネクタ24は、それぞれ電子制御装置(ECU)39に接続される。燃料噴射弁3及びエア噴射弁4は、それぞれECU39から送られる噴射信号に基づいて動作する。ECU39からの噴射信号に基づき燃料噴射弁3が動作することにより、同噴射弁3から高圧燃料が噴射される。また、ECU39からの噴射信号に基づきエア噴射弁4が動作することにより、同噴射弁4から加圧エアが噴射される。
【0040】
図3に取付部材9の先端部の拡大断面図を示す。図1〜3に示すように、ブロック状の取付部材9は、燃焼室2に向けられる筒部9aと、燃料噴射弁3のロワボディ15が組み付けられる第1組付穴9bと、エア噴射弁4のノズルボディ16が組み付けられる第2組付穴9cとを含む。筒部9aと第1組付穴9bは同一軸線上に配置され、隔壁9dにより仕切られる。隔壁9dの中心には、孔9eが形成される。筒部9aの中心には、孔26aを有するチューブ26が設けられる。第1組付穴9bに組み付けられたノズルボディ16には、弁部18aに対応する弁座16aが形成される。この弁座16aの弁孔16bが、上記二つの孔9e,26aに整合して一本の燃料通路27が構成される。取付部材9には、第2組付穴9cの中心から筒部9aの内側へ向かって伸びる孔9fが形成される。この孔9fは、筒部9aの中心に対して斜めに交差するよう配置される。第2組付穴9cに組み付けられたノズルボディ16には、弁部18aに対応する弁座16aが形成される。この弁座16aの弁孔16bが、上記斜めの孔9fに整合して一本のエア通路28が構成される。筒部9aの開口端には、オリフィスプレート29が固定される。このオリフィスプレート29の中心には、一つの燃料噴孔29aが燃料噴射弁3に対応して設けられる。この燃料噴孔29aは、燃焼室2に開口されると共に、燃料通路27に整合する。また、このオリフィスプレート29には、気体噴孔としての複数のエア噴孔29bがエア噴射弁4に対応して設けられる。これらエア噴孔29bは、燃焼室2に開口され、筒部9aの内側に連通する。従って、燃料噴射弁3から噴射される高圧燃料は、燃料通路27を通ってオリフィスプレート29の燃料噴孔29aから燃焼室2の中へ噴射される。また、エア噴射弁4から噴射される加圧エアは、燃料通路28を通って筒部9aの中に一旦噴射され、更にオリフィスプレート29の各エア噴孔29bから燃焼室2の中に噴射される。上記した各エア噴孔29bは、燃料噴孔29aの近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、前述した燃料噴孔から気体噴孔までの距離Xで定義されるものである。
【0041】
図4にオリフィスプレート29の平面図を示す。図5に図4のA−A線断面図を示す。図4,5に示すように、燃料噴孔29aは断面円形をなし、オリフィスプレート29の端面に対して垂直に貫通する。複数のエア噴孔29bは、同じく断面円形(開口端は楕円)をなし、オリフィスプレート29の端面に対して斜めに貫通する。図4に示すように、複数(この場合8個)のエア噴孔29bは、燃料噴孔29aを中心とする円周上に等角度間隔に配置される。この実施の形態で、燃料噴孔29aの内径は「0.6mm」に設定され、各エア噴孔29bの内径は「1.0mm」に設定される。
【0042】
図5に示すように、燃料噴孔29aの中心線と、各エア噴孔29bの中心線は、互いに一点(以下「衝突点」と言う。)HPで交差するように設定される。即ち、燃料噴孔29aから、この衝突点HPへ向かって燃料が噴射されることにより、燃料噴霧が形成される。また、各エア噴孔29bから、この衝突点HPへ向かってエアが噴射されることにより、エア噴流が形成される。従って、燃料噴霧と各エア噴流は、この衝突点HPを中心にして互いに衝突する。
【0043】
図6(a)〜(c)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図6(a)に示すように、燃料噴霧は正面及び側面ともほぼ同形な略円錐形をなす。この噴霧の広がり角度(噴霧角度)θ1は、オリフィスプレート29における燃料噴孔29aの内径の大きさにより決定される。図6(b)に示すように、1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面ともほぼ同形な円錐形をなす。この噴流の広がり角度(噴流角度)θ2は、オリフィスプレート29におけるエア噴孔29bの内径の大きさ及び前述した(式2)における「α」で表される「2α」により決定される。図6(c)に示すように、複数のエア噴孔29bから噴射される周囲からのエア噴流(多孔噴流)は正面及び側面ともほぼ同形な王冠形をなす。ここで、一般に、気体噴流の持つエネルギーは気体噴孔から遠ざかるほど小さくなることから、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔29bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔29bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔29aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0044】
図7(a)〜(c)に上記衝突点HPにおける燃料噴霧の強度(噴霧強度)及びエア噴流の強度(噴流強度)の違いを概念図に示す。図7(a)に示すように、燃料噴霧は正面及び側面とも同じ分布幅を有する噴霧強度を示す。図7(b)に示すように、1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面とも同じ分布幅を有する噴流強度を示す。この噴流強度は、上記噴霧強度よりも若干低い。図7(c)に示すように、複数のエア噴流(多孔噴流)による噴流強度は、正面及び側面とも同じ分布幅を有する。この多孔噴流の噴流強度は、上記1つのエア噴流の噴流強度よりも高い。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等に重なるように設定される。ここで、噴霧強度及び噴流強度は、流速と密度との積により計算することができる。
【0045】
以上説明したこの実施の形態の燃料噴射装置によれば、一つの燃料噴射弁3から噴射される燃料が対応する一つの燃料噴孔29aから燃焼室2に噴射されることにより、燃焼室2の中に燃料噴霧が形成される。この燃料噴霧の形態は、燃料噴孔29aの形状、大きさ及び向きが特定されることにより決定される。一方、一つのエア噴射弁4から噴射されるエアが対応する複数のエア噴孔29bから燃焼室2に噴射されることにより、燃焼室2の中にエア噴流が形成される。このエア噴流の形態及び燃料噴霧に与える影響は、各エア噴孔29bの数、形状、大きさ、向き及び燃料噴孔に対する配置が特定されることにより決定される。
【0046】
ここで、各エア噴孔29bからのエアの噴流軸線AL(図3参照)は、燃料噴孔29aからの燃料噴霧における最大径D1(図6(a)参照)の中央にて交差するように設定される。従って、燃料噴霧の形態に応じ、その全体に対して各エア噴流が衝突点HPを中心に衝突することになり、燃料噴霧に対するエア噴流の強度分布が同等となる。この結果、燃料噴霧につき、噴霧全体で同等でより微細な燃料微粒化を図ることができ、燃料の微粒化を促進することができる。これにより、直接噴射式のエンジン1について燃焼性能を向上させることができる。
【0047】
特に、この実施の形態では、オリフィスプレート29の燃料噴孔29aが円形をなすことから、燃料噴霧が円錐形となり、その燃料噴霧の噴霧角度θ1は、燃料噴孔29aの内径の大きさにより決定される。また、同プレート29の各エア噴孔29bが円形をなすことから、各エア噴流が円錐形となり、それらエア噴流の噴流角度θ2は、各エア噴孔29bの内径の大きさ及び前述した(式5)における「2α」により決定される。ここで、燃料噴孔29aを中心とする円周上に複数のエア噴孔29bが等角度間隔に配置され、図6(c)に示すように、各エア噴孔29bからの複数のエア噴流が一つの衝突点HPへ向かって傾けられる。従って、円錐形の燃料噴霧に対し、その周囲に複数のエア噴流が衝突し、燃料噴霧に対するエア噴流の強度分布が同等となる。これにより、燃料噴霧の形状に応じて噴霧の幅方向全体に同等にエア噴霧を衝突させることができ、特に円錐形の燃料噴霧につき、その噴霧形状を大きく変えることなく、噴霧全体に同等でより微細な燃料微粒化を図ることができ、燃料の微粒化を促進することができる。
【0048】
この実施の形態では、この実施の形態では、各エア噴孔29bが燃料噴孔29aの近傍に配置される。ここで、エア噴流により燃料噴霧の噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節するには、燃料噴霧とエア噴流との衝突点HPにおいて、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれる必要がある。このエア噴流の持つエネルギーは、各エア噴孔29bから遠ざかるほど小さくなる。従って、各エア噴孔29bが燃料噴孔29aの近傍に配置されることにより、エア噴流と燃料噴霧との衝突点HPが燃料噴孔29aの付近に設定される。このため、燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節することができるようになる。
【0049】
この実施の形態では、各エア噴孔29bから噴射されるエア噴流の大きさが燃料噴孔29aから噴射される燃料噴霧の大きさと同程度になるように設定される。従って、燃料噴霧の形態に応じ、その全体にエア噴流が衝突することになり、燃料噴霧全体で燃料微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状の調節が可能となる。このため、燃料噴霧にそれと同程度の大きさのエア噴流を衝突させることにより、燃料噴霧全体でより微細な燃料微粒化を図ることができる。
【0050】
この実施の形態では、燃料噴孔29a及び各エア噴孔29bが共に断面円形をなすことから、それら噴孔29a,29bの加工が比較的容易となる。このため、オリフィスプレート29を比較的容易に製造することができる。また、圧力や各エア噴孔29bの形状(例えば「テーパ」)を変えるだけで、エア噴流の広がり角度(噴流角度)θ2が変えられ、エア噴流の強度分布が調整される。更に、円形の燃料噴孔29aの内径を変えるだけで、燃料噴霧の広がり角度(噴霧角度)θ1が変えられ、燃料噴霧の強度分布が調整される。これにより、微粒化される粒径レベルを比較的容易に任意に設定することができる。併せて、噴霧角度θ1及び噴流角度θ2の調整、燃料噴霧及びエア噴霧の向きをそれぞれ調整することにより、噴霧貫徹距離や噴霧形状を比較的容易に任意に設定することができる。
【0051】
図8に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図6(a)〜(c)に示すように、一つの衝突点HPで同じ大きさと強度分布を有する複数のエア噴流を一つの燃料噴霧に衝突させるので、燃料噴霧自体の強度分布が不均一であっても、その噴霧全体に対して均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を好適に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を好適に設定できることが分かる。
【0052】
この実施の形態では、燃料噴射弁3及びエア噴射弁4が燃焼室2に対応して取付部材9により一体的にシリンダヘッド6に取り付けられる。従って、各噴射弁3,4を個別に取り付ける場合に比べ、燃料噴孔29aに対するエア噴孔29bの位置精度が高くなり、取り付けのためのシリンダヘッド6の加工や作業が少なくなる。また、予め取付部材9に燃料噴射弁3とエア噴射弁4を組み付けてアッセンブリ化しておけば、シリンダヘッド6に取付部材9を取り付けるだけで、両噴射弁3,4が同時にシリンダヘッド6に取り付けられる。このため、燃料噴射装置の製造を簡略化することができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0054】
この実施の形態は、オリフィスプレートの点で前記実施の形態と構成が異なる。図9(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図9(a)はオリフィスプレート42の平面図である。図9(b)は図9(a)のC1−C1線断面図である。図9(c)は図9(a)のC2−C2線断面図である。図9(d)は図9(a)のオリフィスプレート42を矢印C3の方向から見たときの燃料噴孔42aとエア噴孔42bとの位置関係概念図である。
【0055】
図9(a)〜(d)に示すように、オリフィスプレート42は、一つの燃料噴孔42aがスリット状の矩形をなし、その燃料噴孔42aの両側にて燃料噴孔42aの長手方向に沿って複数(この場合5個)のエア噴孔42bが等間隔に配置される。各エア噴孔42bは、燃料噴孔42aの近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、前述した燃料噴孔から気体噴孔までの距離Xで定義されるものである。図9(c),(d)に示すように、燃料噴孔42aは、噴射方向(図左方向)へ末広がりにテーパをなす内面を含み、反噴射側(図右側)には湾曲した凹部42cを含む。この凹部42cは、筒部26の孔26aの開口に整合する。各エア噴孔42bは、断面円形(開口端は楕円)をなし、オリフィスプレート42の端面に対して斜めに貫通する。この実施の形態で、燃料噴孔42aの最大幅は「2.0mm」であるのに対し、各エア噴孔42bの内径は「1.0mm」に設定される。また、各列のエア噴孔42bの間隔は「1.5mm」に設定される。
【0056】
図10(a)〜(c)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図10(a)に示すように、燃料噴霧は扁平な略円錐形をなす。この噴霧の正面の噴霧角度θ1は、側面の噴霧角度θ11より大きい。これら噴霧角度θ1,θ11は、オリフィスプレート42の燃料噴孔42aの最大幅、最小幅形状(テーパ角度)により決定される。図10(b)に示すように、1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面ともほぼ同形な円錐形をなす。この噴流の広がり角度(噴流角度)θ2は、オリフィスプレート42におけるエア噴孔42bの内径の大きさにより決定される。図10(c)に示すように、複数のエア噴孔42bから噴射される多孔噴流は正面に幅広く、側面に幅狭い鋸歯形をなす。ここで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔42bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔42bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔42aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0057】
図11(a)〜(c)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。図11(a)に示すように、燃料噴霧は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴霧強度を示す。図11(b)に示すように、1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面とも同じ分布幅の噴流強度を示す。図11(c)に示すように、多孔噴流は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴流強度を示す。この正面の噴流強度の幅は、複数のエア噴流が重ね合わされることにより得られる。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等に重なるように設定される。
【0058】
図12(a),(b)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図10(a)〜(c)に示すように、同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるので、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を有効的に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を効果的に調節できることが分かる。
【0059】
特にこの実施の形態では、燃料噴孔42aがスリット状の矩形をなすことから、燃料噴霧が扁平な錐形に広がる。また、矩形をなす燃料噴孔42aの両側にて燃料噴孔42aの長手方向に沿って複数のエア噴孔42bが等間隔に配置される。従って、その燃料噴霧の長手方向に沿って、その両側から複数のエア噴流が燃料噴霧に均一に衝突することになる。これにより、特に扁平な錐形に広がる燃料噴霧につき、その噴霧形状を大きく変えることなく、均一でより微細な燃料微粒化を図ることができる。
【0060】
この実施の形態のその他の作用効果は、基本的には、第1の実施の形態の燃料噴射装置のそれと同じである。
【0061】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0062】
この実施の形態は、オリフィスプレートにおけるエア噴孔の配置及び向きの点で第2の実施の形態と構成が異なる。図13(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図13(a)はオリフィスプレート43の平面図である。図13(b)は図13(a)のE1−E1線断面図である。図13(c)は図13(a)のE2−E2線断面図である。図13(d)は図13(a)のオリフィスプレート43を矢印E3の方向から見たときの燃料噴孔43aとエア噴孔43bとの位置関係概念図である。
【0063】
図13(a)〜(d)に示すように、オリフィスプレート43の一つの燃料噴孔43aはスリット状の矩形をなし、その燃料噴孔43aの両側にて同噴孔43aの長手方向に沿って複数(この場合5個)のエア噴孔43bが等間隔に配置される。各エア噴孔43bは、燃料噴孔43aの近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、前述した燃料噴孔から気体噴孔までの距離Xで定義されるものである。図13(c),(d)に示すように、燃料噴孔43aの形状及び寸法は、上記燃料噴孔42aのそれと同じであり、湾曲した凹部43cを含む。この凹部43cは、筒部26の孔26aの開口に整合する。各エア噴孔43bは、断面円形(開口端は楕円)をなし、オリフィスプレート43の端面に対して斜めに貫通する。この実施の形態では、各列のエア噴孔43bの間隔が、上記オリフィスプレート42のエア噴孔42bの間隔よりも狭く設定される。また、図13(d)に示すように、各列のエア噴孔43bは、その列方向にも若干傾いて配置される。この実施の形態における各エア噴孔43bの大きさは、上記各エア噴孔42bのそれと同じである。
【0064】
図14(a),(b)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図14(a)に示すように、燃料噴霧は扁平な略円錐形をなす。この噴霧の正面の噴霧角度θ1は、側面の噴霧角度θ11より大きい。これら噴霧角度θ1,θ11は、オリフィスプレート43の燃料噴孔43aの最大幅、最小幅により決定される。図14(b)に示すように、複数のエア噴孔43bから噴射される多孔噴流は正面に幅広く、側面に幅狭い鋸歯形をなす。ここで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔43bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔43bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔43aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0065】
図15(a),(b)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。図15(a)に示すように、燃料噴霧は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴霧強度を示す。図15(b)に示すように、多孔噴流の噴流強度も正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴流強度を示す。この正面の噴流強度の幅は、複数のエア噴流が重ね合わされることにより得られる。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等に重なるように設定される。
【0066】
図16(a),(b)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図14(a),(b)に示すように、同じ大きさと強度分布を有する複数のエア噴流を一つの燃料噴霧に、その噴霧角度θ1に沿うように、かつ、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるので、衝突後の燃料噴霧の広がり角度θ1を変えることなく、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を有効的に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を効果的に調節できることが分かる。
【0067】
この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、第2の実施の形態における燃料噴射装置のそれと同じである。
【0068】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第4の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0069】
この実施の形態は、オリフィスプレートエア噴孔の大きさ、配置及び形状の点で第2及び第3の実施の形態と構成が異なる。図17(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図17(a)はオリフィスプレート44の平面図である。図17(b)は図17(a)のF1−F1線断面図である。図17(c)は図17(a)のF2−F2線断面図である。図17(d)は図17(a)のオリフィスプレート44を矢印F3の方向から見たときの燃料噴孔44aとエア噴孔44bとの位置関係概念図である。
【0070】
図17(a)〜(d)に示すように、オリフィスプレート44は、一つの燃料噴孔44aがスリット状の矩形をなし、その燃料噴孔44aの両側にて燃料噴孔44aの長手方向に沿って複数(この場合3個)のエア噴孔44bが等間隔に配置される。各エア噴孔44bは、燃料噴孔44aの近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、前述した燃料噴孔から気体噴孔までの距離Xで定義されるものである。図17(c),(d)に示すように、燃料噴孔44aの形状及び寸法は、上記燃料噴孔42a,43aのそれと同じであり、反噴射側(図右側)に湾曲した凹部44cを含む。この凹部44cは、筒部26の孔26aの開口に整合する。各エア噴孔44bは、断面円形(開口端は楕円)をなし、噴射方向へ末広がりにテーパをなす内面を含む。この実施の形態では、各列のエア噴孔44bの間隔が、上記エア噴孔42b,43bの間隔よりも広く設定される。また、各エア噴孔44bの内径は「1.3mm」に設定される。更に、各列のエア噴孔44bの間隔は「2.0mm」に設定される。
【0071】
図18(a)〜(d)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図18(a)に示すように、燃料噴霧は扁平な略円錐形をなす。この噴霧の正面の噴霧角度θ1は、側面の噴霧角度θ11より大きい。これら噴霧角度θ1,θ11の形状(テーパ角度)は、オリフィスプレート44の燃料噴孔44aの最大幅、最小幅により決定される。図18(b)に示すように、例えば、上記オリフィスプレート42のようにエア噴孔42bの内面形状を末広がりとしない場合の1つのエア噴流(自由噴流)は、正面及び側面ともほぼ同形な円錐形をなす。これに対し図18(c)に示すように、エア噴孔44bの内径を拡大し、その内面形状を末広がりとした場合の1つのエア噴流(自由噴流)は正面及び側面とも噴流角度θ21を広くした同形の円錐形をなす。図18(d)に示すように、複数のエア噴孔44bから噴射される複数のエア噴流(多孔噴流)は正面に幅広く、側面に幅狭い鋸歯形をなす。ここで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔44bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔44bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔44aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0072】
図19(a)〜(d)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。図19(a)に示すように、燃料噴霧は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴霧強度を示す。図19(b)には、上記オリフィスプレート42のようにエア噴孔42bの内面形状を末広がりとしない場合の1つのエア噴流(自由噴流)の噴流強度を示す。図19(c)には、エア噴孔44bの内径を拡大し、その内面形状を末広がりとした場合の1つのエア噴流(自由噴流)の噴流強度を示す。図19(c)に示すように、末広がりとした分だけ、噴流強度の分布幅が広くなることが分かる。図19(d)に示すように、複数のエア噴流(多孔噴流)は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴流強度を示す。この正面の噴流強度の分布幅は、複数のエア噴流が重ね合わされることにより得られる。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等かつ余裕をもって重なるように設定される。
【0073】
図20(a),(b)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図18(a),(d)に示すように、同じ大きさと強度分布を有する複数のエア噴流を一つの燃料噴霧に、その噴霧角度θ1に沿うように、かつ、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるので、衝突後の燃料噴霧の広がり角度θ1を変えることなく、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。また、1つのエア噴流を末広がりとすることでエアの噴流角θ21が噴流角θ2よりも増大し、噴流の分布強度が平坦となる。このため、エア噴流を比較的広い範囲で余裕をもって燃料噴霧に衝突させることができ、燃料噴霧の分布が変動しても燃料の微粒化を確実に行うことができる。更に、孔径を大きくしてエアの噴流強度を増やすことにより、末広がりとしない場合に比べ、孔数を少なくしても同等の性能を発揮することができる。これにより、燃料を有効的に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を効果的に調節できることが分かる。
【0074】
この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、第2及び第3の実施の形態における燃料噴射装置のそれと同じである。
【0075】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第5の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0076】
この実施の形態は、オリフィスプレートのエア噴孔の点で前記各実施の形態と構成が異なる。図21(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図21(a)はオリフィスプレート45の平面図である。図21(b)は図21(a)のG1−G1線断面図である。図21(c)は図21(a)のG2−G2線断面図である。図21(d)は図21(a)のオリフィスプレート45を矢印G3の方向から見たときの燃料噴孔45aとエア噴孔45bとの位置関係概念図である。
【0077】
図21(a)〜(d)に示すように、オリフィスプレート45は、一つの燃料噴孔45aがスリット状の矩形をなし、その燃料噴孔45aの両側にて燃料噴孔45aと平行に一対をなすエア噴孔45bが配置される。各エア噴孔45bは、燃料噴孔45aの近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、前述した燃料噴孔から気体噴孔までの距離Xで定義されるものである。これらエア噴孔45bは、断面細長な矩形をなしている。図21(c),(d)に示すように、燃料噴孔45aの形状及び寸法は、上記燃料噴孔42a,43a,44aのそれと同じであり、反噴射側(図右側)には湾曲した凹部45cを含む。この凹部45cは、筒部26の孔26aの開口に整合する。また、各エア噴孔45bの最大幅W1は「6.0mm」に、最小幅W2は「0.65mm」に設定される。
【0078】
図22(a),(b)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図22(a)に示すように、燃料噴霧は扁平な略円錐形をなす。この噴霧の正面の噴霧角度θ1は、側面の噴霧角度θ11より大きい。これら噴霧角度θ1,θ11は、オリフィスプレート45の燃料噴孔45aの最大長さ、最小幅により決定される。図22(b)に示すように、各エア噴孔45bから噴射されるエア噴流は正面に幅広く、側面に幅狭い楔形をなす。ここで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔45bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔45bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔45aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0079】
図23(a),(b)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。図23(a)に示すように、燃料噴霧は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴霧強度を示す。図23(b)に示すように、各エア噴流は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴流強度を示す。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等に重なるように設定される。
【0080】
図24(a),(b)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図22(a),(b)に示すように、同じ大きさと強度分布を有する一対のエア噴流を一つの燃料噴霧に、その噴霧角度θ1に沿うように、かつ、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるので、衝突後の燃料噴霧の広がり角度θ1を変えることなく、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を有効的に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を効果的に調節できることが分かる。
【0081】
この実施の形態では、各エア噴孔45aが矩形をなすことから、エア噴流が扁平な錐形に広がる。このため、特に扁平に広がる燃料噴霧全体にエア噴流を均等に衝突させることができ、均一でより微細な燃料微粒化を図ることができる。
【0082】
この実施の形態では、燃料噴孔45aが矩形をなすことから、燃料噴霧が扁平な錐形に広がる。また、矩形をなす燃料噴孔45aの両側にてそれと平行に一対の矩形をなすエア噴孔45bが平行に配置されるので、その燃料噴霧の長手方向に沿って、その両側から一対のエア噴流が燃料噴霧に均一に衝突することになる。このため、特に扁平に広がる燃料噴霧全体に気体噴流を均等に衝突させることができ、その噴霧形状を大きく変えることなく、均一でより微細な燃料微粒化を図ることができる。
【0083】
この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、第1の実施の形態における燃料噴射装置のそれと同じである。
【0084】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第6の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0085】
この実施の形態は、オリフィスプレートのエア噴孔の点で第5の実施の形態と構成が異なる。図25(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図25(a)はオリフィスプレート46の平面図である。図25(b)は図25(a)のH1−H1線断面図である。図25(c)は図25(a)のH2−H2線断面図である。図25(d)は図25(a)のオリフィスプレート46を矢印H3の方向から見たときの燃料噴孔46aとエア噴孔46bとの位置関係概念図である。
【0086】
図25(a)〜(d)に示すように、オリフィスプレート46は、一つの燃料噴孔46aがスリット状の矩形をなし、その燃料噴孔46aの両側にて燃料噴孔46aと平行に一対をなすエア噴孔46bが配置される。これらエア噴孔46bは、断面細長な矩形をなしている。各エア噴孔46bは、燃料噴孔46aの近傍に配置される。ここで、「近傍」とは、前述した燃料噴孔から気体噴孔までの距離Xで定義されるものである。図25(c),(d)に示すように、燃料噴孔46aの形状及び寸法は、上記燃料噴孔42a,43a,44a,45aのそれと同じであり、反噴射側(図右側)には湾曲した凹部46cを含む。この凹部46cは、筒部26の孔26aの開口に整合する。また、この実施の形態では、エア噴孔46bの最大幅W1が、前記第5の実施の形態におけるエア噴孔45bの最大幅W1よりも狭く設定される。その代わりに、この実施の形態のエア噴孔46bは、図25(d)に示すように、噴射方向へ末広がりにテーパをなす内面を含む形状をなしている。この実施の形態で、各エア噴孔46bの最大幅W1は「4.0mm」に、最小幅W2は「1.3mm」に設定される。
【0087】
図26(a),(b)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。図26(a)に示すように、燃料噴霧は扁平な略円錐形をなす。この噴霧の正面の噴霧角度θ1は、側面の噴霧角度θ11より大きい。これら噴霧角度θ1,θ11は、オリフィスプレート46の燃料噴孔46aの最大幅、最小幅により決定される。図26(b)に示すように、各エア噴孔46bから噴射されるエア噴流は正面に幅広く、側面に幅狭い楔形をなす。ここで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔46bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔46bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔46aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0088】
図27(a),(b)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。図27(a)に示すように、燃料噴霧は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴霧強度を示す。図27(b)に示すように、各エア噴流は正面に広く側面に狭い分布幅を有する噴流強度を示す。このように、燃料噴霧の強度分布に対してエア噴流の強度分布が均等に重なるように設定される。
【0089】
図28(a),(b)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図26(a),(b)に示すように、同じ大きさと強度分布を有する一対のエア噴流を一つの燃料噴霧に、その噴霧角度θ1に沿うように、かつ、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるので、衝突後の燃料噴霧の広がり角度θ1を変えることなく、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。
【0090】
特にこの実施の形態では、各エア噴孔46bが矩形をなすことから、エア噴流がその矩形に応じた扁平な錐形に広がる。また、各エア噴孔46bがその噴射方向へ末広がりにテーパをなす内面を含むので、エア噴流の広がり方向の強度分布がより平坦なものとなり、各エア噴流が燃料噴霧に対してより均一に衝突することになる。これにより、衝突後の燃料噴霧の噴霧角度θ1を変えることなく燃料噴霧全体に各エア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を好適に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を好適に設定できることが分かる。
【0091】
この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、第5の実施の形態における燃料噴射装置のそれと同じである。
【0092】
[第7の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第7の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0093】
この実施の形態は、オリフィスプレートの点で前記各実施の形態と構成が異なる。図29(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図29(a)はオリフィスプレート47の平面図である。図29(b)は図29(a)のJ1−J1線断面図である。図29(c)は図29(a)のJ2−J2線断面図である。図29(d)は図29(a)のオリフィスプレート47を矢印J3の方向から見たときの燃料噴孔47aとエア噴孔47bとの位置関係概念図である。
【0094】
図29(a)〜(d)に示すように、この実施の形態のオリフィスプレート47は、スリット状の矩形をなす燃料噴孔47aの片側にて同噴孔47aの長手方向に沿って複数のエア噴孔47bが等間隔に配置される点で、前記第2の実施の形態におけるオリフィスプレート42と構成が異なる。即ち、第2の実施の形態では、燃料噴孔42aの両側にて複数のエア噴孔42bが一列に配置されたが、この実施の形態では、燃料噴孔47aの片側にて複数のエア噴孔47bが一列に配置される点で構成が異なる。その他の点で、オリフィスプレート47の構成は、第2の実施の形態におけるオリフィスプレート42のそれに準ずる。
【0095】
図30(a),(b)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。この実施の形態における燃料噴霧及びエア噴流の形状等は、図10(a),(c)に示すものに準ずる。
【0096】
図31(a),(b)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。この実施の形態における噴霧強度及び噴流強度の状態は、図11(a),(c)に示すものに準ずる。
【0097】
図32(a)〜(c)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。ここで、この燃料噴霧における衝突点HPは、エア噴流の持つエネルギーが燃料噴霧に干渉し、燃料噴霧の微粒化及び噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節できる程度に保たれたエア噴孔47bからの距離に位置するように設定される。また、各エア噴孔47bから噴射されるエア噴流の衝突点HPにおける大きさ(外径(幅))は、燃料噴孔47aから噴射される燃料噴霧の衝突点HPにおける外径D1と同程度になるように設定される。ここで、燃料噴霧の外径D1と同程度になる「エア噴流の大きさ」とは、図45,46に示す「噴流角β」、「気体噴流外径b」及び「距離c」と、前述した式「b=2*c*tan(β/2)」より定義されるものである。このため、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を有効的に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を効果的に調節できることが分かる。
【0098】
また、この実施の形態では、燃料噴孔47aの片側のみに複数のエア噴孔47bを一列に配置してエア噴流を発生させていることから、図32(c)に示すように、エア噴流の衝突により燃料噴霧の向きを水平方向へ斜めに変えることができる。このため、燃焼室2の形状に合わせて燃料を微粒化させることができる。
【0099】
この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、第1の実施の形態における燃料噴射装置におけるそれと同じである。
【0100】
[第8の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第8の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0101】
この実施の形態は、オリフィスプレートのエア噴孔の点で前記第7の実施の形態と構成が異なる。図33(a)〜(d)にオリフィスプレートの特徴図を示す。図33(a)はオリフィスプレート48の平面図である。図33(b)は図33(a)のK1−K1線断面図である。図33(c)は図33(a)のK2−K2線断面図である。図33(d)は図33(a)のオリフィスプレート48を矢印K3の方向から見たときの燃料噴孔48aとエア噴孔48bとの位置関係概念図である。
【0102】
図33(a)〜(d)に示すように、この実施の形態のオリフィスプレート48は、スリット状の矩形をなす燃料噴孔48aの片側にて同噴孔48aの長手方向に沿って平行に一つの矩形をなすエア噴孔48bが配置される点で、前記第5の実施の形態におけるオリフィスプレート45と構成が異なる。即ち、第5の実施の形態では、燃料噴孔45aの両側に一対をなすエア噴孔45bが平行に配置されたが、この実施の形態では、燃料噴孔48aの片側のみにエア噴孔45bが平行に配置される点で構成が異なる。その他の点では、オリフィスプレート48の構成は、第5の実施の形態におけるオリフィスプレート45のそれに準ずる。
【0103】
図34(a),(b)に燃料噴霧及びエア噴流の概念図を示す。この実施の形態における燃料噴霧及びエア噴流の形状等は、図22(a),(b)に示すものに準ずる。
【0104】
図35(a),(b)に上記衝突点HPにおける噴霧強度及び噴流強度の違いを示す。この実施の形態における噴霧強度及び噴流強度の状態は、図23(a),(b)に示すものに準ずる。
【0105】
図36(a)〜(c)に燃料噴霧に複数のエア噴流が衝突したときの概念図を示す。図34(a),(b)に示すように、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるので、燃料噴霧全体に均一にエア噴流の影響を及ぼすことができる。これにより、燃料を有効的に微粒化することができ、噴霧貫徹距離等を効果的に調節できることが分かる。
【0106】
また、この実施の形態では、燃料噴孔48aの片側のみに一つのエア噴孔48bを平行に配置してエア噴流を発生させていることから、図36(c)に示すように、エア噴流の衝突により燃料噴霧の向きを水平方向へ斜めに変えることができる。このため、燃焼室2の形状に合わせて燃料を微粒化させることができる。
【0107】
この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、第7の実施の形態における燃料噴射装置のそれと同じである。
【0108】
[第9の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第9の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0109】
この実施の形態は、エア噴射弁の機能を燃料噴射弁に一体に設けた点で前記各実施の形態と構成が異なる。図37にエア噴射弁一体型燃料噴射弁51の断面図を示す。この実施の形態の一体型燃料噴射弁51は、そのロワボディ15の先端に筒部15aが一体的に設けられる。この筒部15aの先端にオリフスプレート45が固定される。ロワボディ15には、筒部15aに開口するエア通路52が設けられる。エア通路52には、エア配管(図示略)を通じて加圧エアが供給される。ロワボディ15の基端部には、別のソレノイド53が設けられる。ロワボディ15には、エア通路52を開閉する弁体54が設けられる。この弁体54が、ソレノイド53の励磁・消磁に基づいて動作することにより、エア通路52が開閉され、筒部15aの中に加圧エアが供給され、オリフィスプレート45のエア噴孔45bから加圧エアが噴射され、エア噴流が形成されるようになっている。また、筒部15aの中心に一体的に設けられたチューブ26の孔26aを通じて噴射される燃料が、オリフィスプレート45の燃料噴孔45aから噴射され、燃料噴霧が形成されるようになっている。
【0110】
従って、この実施の形態では、エア噴射弁一体型燃料噴射弁51を使用することから、燃料噴射弁3とエア噴射弁4を別々に設けた前記各実施の形態よりも、燃料噴射装置をコンパクトに構成することができる。この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、前記各実施の形態におけるそれと同じである。
【0111】
[第10の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第10の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0112】
この実施の形態は、エア噴射弁の噴射機能を燃料噴射弁に設けた点で前記各実施の形態と構成が異なる。図38に燃料噴射弁55の断面図を示す。この実施の形態の燃料噴射弁55は、ロワボディがハウジング11と一体的に設けられる。このハウジング11の先端にオリフィスプレート45が直接固定される。ハウジング11の先端部には、オリフィスプレート45の燃料噴孔45aとノズルボディ16の弁孔16bとの間を連通する燃料通路56が設けられる。同じく、ハウジング11の先端部には、燃料通路56の周囲にエア通路57が設けられる。このエア通路57には、別途のエア制御弁(図示略)を通じて加圧エアが供給される。エア制御弁が制御されることにより、エア通路57を通じてオリフィスプレート45のエア噴孔45bから加圧エアが噴射され、エア噴流が形成されるようになっている。また、弁座16aに対して弁部18aが開閉することにより、燃料通路56及びオリフィスプレート45の燃料噴孔45aを通じて燃料が噴射され、燃料噴霧が形成されるようになっている。
【0113】
従って、この実施の形態では、エア噴射弁の機能を燃料噴射弁55に設けていることから、燃料噴射弁3とエア噴射弁4を別々に設けた前記各実施の形態に比べ、燃料噴射装置に関するエンジン周りの構成をコンパクトにすることができる。この実施の形態におけるその他の作用効果は、基本的には、前記各実施の形態におけるそれと同じである。
【0114】
[第11の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第11の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0115】
この実施の形態の燃料噴射装置は、一つの燃料噴霧を形成するための燃料噴射弁と、複数のエア噴流のそれぞれを個別に形成するための複数のエア噴射弁とを備える点で、前記各実施の形態の燃料噴射弁と構成が異なる。
【0116】
図39に燃料噴射装置の概略構成に関する断面図を示す。燃料噴射弁3と二つのエア噴射弁4は、互いに基本構成を同じくしている。これら噴射弁3,4の詳しい構成は、図1に示す燃料噴射弁3のそれと同じである。この実施の形態で、燃料噴射弁3に対応して設けられ燃焼室2に開口する燃料噴孔61の構成は、例えば、円形であってもよく、スリット状の矩形であってもよい。これに対し、各エア噴射弁4のに対応して設けられ燃焼室2に開口するエア噴孔62は、円形をなす複数のエア噴孔を一列に配置したものであってもよく、矩形をなすエア噴孔であってもよい。この実施の形態でも、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるように設定される。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、各エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0117】
従って、この実施の形態の燃料噴射装置においても、機能的には、前記各実施の形態の燃料噴射装置と同等の作用効果を得ることができる。
【0118】
[第12の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第12の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0119】
この実施の形態の燃料噴射装置は、第9の実施の形態を変形したものである。図40にこの燃料噴射装置の概略構成を断面図に示す。図37との対比から分かるように、この一体型燃料噴射弁58は、燃料噴霧に対して片側からのみエア噴流を衝突させるように構成される。一体型燃料噴射弁58は、基本的には第9の実施の形態における一体型燃料噴射弁51と同じ構成を備える。従って、この噴射弁58の詳しい構成の説明は省略する。この実施の形態では、燃料噴孔45aがスリット状の矩形をなし、エア噴孔45bが矩形をなす。そして、燃料噴孔45aの片側に位置するエア噴孔45bからエア噴流が発生する。また、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有するエア噴流を燃料噴霧に衝突させるように設定される。上記のようにして、この燃料噴射装置では、一体型燃料噴射弁58から噴射される燃料と、エア噴孔45bから噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0120】
従って、この実施の形態の燃料噴射装置においても、機能的には、前記各実施の形態の燃料噴射装置と同等の作用効果を得ることができる。加えて、この実施の形態では、燃料噴孔45aの片側のみにエア噴孔45bを配置してエア噴流を発生させていることから、図40に示すように、エア噴流の衝突により燃料噴霧の向きを水平方向へ斜めに変えることができる。このため、燃焼室2の形状に合わせて燃料を微粒化することができる。
【0121】
[第13の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第13の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0122】
この実施の形態の燃料噴射装置は、前記第13の実施の形態における燃料噴射装置の機能を、一体型燃料噴射弁58でなく、別々に設けられた燃料噴射弁3とエア噴射弁4により達成しようとするものである。図41にこの燃料噴射装置の概略構成を断面図に示す。図40との対比から分かるように、この実施の形態では、一つの燃料噴射弁3と少なくとも一つのエア噴射弁4がシリンダヘッド6に組み付けられる。この実施の形態で、燃料噴射弁3に対応して設けられ燃焼室2に開口する燃料噴孔61の構成は、例えば、円形であってもよく、スリット状の矩形であってもよい。これに対し、各エア噴射弁4のに対応して設けられ燃焼室2に開口するエア噴孔62は、円形をなす複数のエア噴孔を一列に配置したものであってもよく、矩形をなすエア噴孔であってもよい。そして、一つの燃料噴射弁3からの燃料噴霧に対して片側からのみエア噴流を衝突させるようにエア噴射弁4が配置される。即ち、エア噴孔62からのエア噴流の噴流軸線ALが、燃料噴射弁3からの燃料噴霧の最大径における衝突点HPで交差するように設定される。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、エア噴射弁4から噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0123】
従って、この実施の形態の燃料噴射装置においても、機能的には、前記各実施の形態の燃料噴射装置と同等の作用効果を得ることができる。加えて、この実施の形態では、燃料噴射弁3の片側のみにエア噴射弁4を配置してエア噴流を発生させていることから、図41に示すように、エア噴流の衝突により燃料噴霧の向きを水平方向へ斜めに変えることができる。このため、燃焼室2の形状に合わせて燃料を微粒化することができる。
【0124】
[第14の実施の形態]
次に、本発明の直接噴射式燃料噴射装置を具体化した第14の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0125】
図42〜44にこの実施の形態における燃料噴射装置の概略構成を断面図に示す。この実施の形態の燃料噴射装置は、一つの燃料噴孔61を含む一つの燃料噴射弁3に対して少なくとも第1及び第2の二つのエア噴射弁4A,4Bが設けられる。各エア噴射弁4A,4Bに対応してエア噴孔62がそれぞれ設けられ、各エア噴孔62からのエアの噴射を選択的に切り替えるために、各エア噴射弁4A,4Bの使用を切り替えるように構成される。
【0126】
また、この実施の形態では、一つの燃料噴射弁3により形成される燃料噴霧に対し、その片側からのみエア噴流を衝突させるように第1及び第2のエア噴射弁4A,4Bが配置される。即ち、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有する第1のエア噴射弁4Aのエア噴孔62から噴射されるエア噴流を燃料噴霧に衝突させるよう設定される。同じく、衝突点HPにおいて燃料噴霧と同じ大きさと強度分布を有する第2のエア噴射弁4Bのエア噴孔62から噴射されるエア噴流を燃料噴霧に衝突させるように設定される。上記のようにして、この燃料噴射装置では、燃料噴射弁3から噴射される燃料と、各エア噴射弁4A,4Bから噴射されるエアとを燃焼室2の中で衝突させるように構成される。
【0127】
従って、この実施の形態の燃料噴射装置によれば、二つのエア噴射弁4A,4Bの使用を切り替えることにより、各エア噴孔4aからのエアの噴射が選択的に切り替えられる。従って、この切り替えにより、燃料噴霧に対するエア噴流の衝突の形態が変えられ、燃料噴霧の形状が変えられる。即ち、図43に示すように、燃料噴射弁3に対して第1のエア噴射弁4Aのみを選択的に使用する場合には、燃料噴霧にエア噴流を衝突させたときに、相対的に狭い範囲で衝突を生じさせることができる。一方、図44に示すように、燃料噴射弁3に対して第2のエア噴射弁4Bのみを選択的に使用する場合には、燃料噴霧にエア噴流を衝突させたときに、相対的に広い範囲で衝突を生じさせることができる。このように、燃料噴霧とエア噴流との衝突範囲の大きさを2種類に切り替えることができる。この結果、噴霧貫徹距離及び噴霧形状を選択的に切り替えて使用することができ、エンジン1の運転条件に合わせて燃料の微粒化を調節することができる。
【0128】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
【0129】
例えば、前記各実施の形態では、燃料に衝突させる気体としてエア(空気)を使用したが、空気以外の特定の気体を使用してもよい。
【0130】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、燃料噴霧に対して気体噴流が衝突するように設定されるので、内燃機関の運転条件の全域で燃料微粒化を図ることができる。
【0131】
請求項2に記載の発明によれば、気体噴孔が燃料噴孔の近傍に配置されるので、請求項1に記載の発明の効果に加え、衝突点において気体噴流の持つエネルギーが保持され、衝突により噴霧貫徹距離や噴霧形状を調節することができる。
【0132】
請求項3に記載の発明によれば、衝突点において気体噴流の大きさが燃料噴霧の大きさと同程度になるように設定されるので、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、燃料噴霧全体でより微細な燃料微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節を図ることができる。
【0133】
請求項4に記載の発明によれば、気体噴流がその矩形に応じた錐形に広がることになる。このため、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の効果に加え、特に扁平に広がる燃料噴霧幅方向に均一に気体噴流を衝突させることができ、より微細な燃料微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節を図ることができる。
【0134】
請求項5に記載の発明によれば、気体噴流の広がり方向の強度分布がより平坦になり、各気体噴流が燃料噴霧に対し均一に衝突することになる。このため、請求項1乃至4の何れか一つに記載の発明の効果に加え、気体噴流を比較的広範囲で燃料噴霧に衝突させることができ、燃料噴霧の分布が変動しても燃料微粒等を確実に行うことができる。
【0135】
請求項6に記載の発明によれば、円錐形の燃料噴霧に対し、その周囲に複数の気体噴流が均一に衝突し、燃料噴霧に対する気体噴流の強度分布が均一化される。このため、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の効果に加え、特に円錐形の燃料噴霧につき、その噴霧形状を大きく変えることなく、噴霧全体でより微細な燃料微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節を図ることができる。
【0136】
請求項7に記載の発明によれば、矩形に応じた錐形に広がる燃料噴霧の長手方向に沿って、その両側から複数の気体噴流が燃料噴霧の幅方向全体に衝突することになる。このため、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の効果に加え、特に扁平に広がる燃料噴霧につき、その噴霧形状を大きく変えることなく、噴霧全体でより微細な燃料微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節を図ることができる。
【0137】
請求項8に記載の発明によれば、矩形に応じた錐形に広がる燃料噴霧の長手方向に沿って、その両側から一対の気体噴流が燃料噴霧の幅方向全体に衝突することになる。このため、請求項4に記載の発明の効果に加え、特に扁平に広がる燃料噴霧全体に気体噴流を均等に衝突させることができ、その噴霧形状を大きく変えることなく、燃料噴霧全体でより微細な燃料微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節を図ることができる。
【0138】
請求項9に記載の発明によれば、矩形に応じた錐形に広がる燃料噴霧の長手方向に沿って、その片側から複数の気体噴流が燃料噴霧の幅方向全体に衝突し、燃料噴霧の向きが変えられる。このため、請求項1乃至3の何れか一つに記載の発明の効果に加え、各気体噴流の衝突により燃料噴霧の向きを変えることができ、燃焼室の形状に合わせて燃料を微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節をすることができる。
【0139】
請求項10に記載の発明によれば、矩形に応じた錐形に広がる燃料噴霧の長手方向に沿って、その片側から一つの気体噴流が燃料噴霧に均一に衝突し、燃料噴霧の向きが変えられる。このため、請求項4に記載の発明の効果に加え、気体噴流の衝突により燃料噴霧の向きを変えることができ、燃焼室の形状に合わせて燃料を微粒化や噴霧貫徹距離及び噴霧形状の調節することができる。
【0140】
請求項11に記載の発明によれば、気体噴孔と燃料噴孔の配置の位置精度が高くなり、燃料噴射弁及び気体噴射弁を取り付けのための加工や作業が少なくなる。このため、請求項1乃至10の何れか一つに記載の発明の効果に加え、直接噴射式燃料噴射装置の製造を簡略化することができる。
【0141】
請求項12に記載の発明によれば、燃料噴霧に対する気体噴流の衝突の形態が変えられ、燃料噴霧の形状が変えられる。このため、請求項1乃至11の何れか一つに記載の発明の効果に加え、噴霧貫徹距離及び噴霧形状を選択的に切り替えて使用することができ、内燃機関の運転条件に合わせて燃料微粒化を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、燃料噴射装置のエンジン取付状態を示す断面図。
【図2】同じく、燃料噴射弁とエア噴射弁に係る電気配線等を示す構成概念図。
【図3】同じく、取付部材の先端部を示す拡大断面図。
【図4】同じく、オリフィスプレートを示す平面図。
【図5】同じく、図4のA−A線断面図。
【図6】同じく、(a)〜(c)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図7】同じく、(a)〜(c)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図8】同じく、燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図9】第2の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図10】同じく、(a)〜(c)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図11】同じく、(a)〜(c)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図12】同じく、(a),(b)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図13】第3の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図14】同じく、(a),(b)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図15】同じく、(a),(b)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図16】同じく、(a),(b)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図17】第4の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図18】同じく、(a)〜(d)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図19】同じく、(a)〜(d)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図20】同じく、(a),(b)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図21】第5の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図22】同じく、(a),(b)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図23】同じく、(a),(b)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図24】同じく、(a),(b)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図25】第6の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図26】同じく、(a),(b)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図27】同じく、(a),(b)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図28】同じく、(a),(b)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図29】第7の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図30】同じく、(a),(b)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図31】同じく、(a),(b)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図32】同じく、(a)〜(c)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図33】第8の実施の形態に係り、(a)〜(d)はオリフィスプレートの特徴図。
【図34】同じく、(a),(b)は燃料噴霧及びエア噴流を示す概念図。
【図35】同じく、(a),(b)は衝突点での噴霧強度と噴流強度の違いを示す概念図。
【図36】同じく、(a)〜(c)は燃料噴霧にエア噴流が衝突したときの概念図。
【図37】第9の実施の形態に係り、一体型燃料噴射弁を示す断面図。
【図38】第10の実施の形態に係り、燃料噴射弁を示す断面図。
【図39】第11の実施の形態に係り、燃料噴射装置の概略構成を示す断面図。
【図40】第12の実施の形態に係り、燃料噴射装置の概略構成を示す断面図。
【図41】第13の実施の形態に係り、燃料噴射装置の概略構成を示す断面図。
【図42】第14の実施の形態に係り、燃料噴射装置の概略構成を示す断面図。
【図43】同じく、燃料噴射装置の概略構成を示す断面図。
【図44】同じく、燃料噴射装置の概略構成を示す断面図。
【図45】衝突点での燃料噴霧と気体噴流との衝突を示す概念図。
【図46】気体噴流を示す概念図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
4 エア噴射弁
9 取付部材
29 オリフィスプレート
29a 燃料噴孔
29b エア噴孔
41 オリフィスプレート
41a 燃料噴孔
41b エア噴孔
42 オリフィスプレート
42a 燃料噴孔
42b エア噴孔
43 オリフィスプレート
43a 燃料噴孔
43b エア噴孔
44 オリフィスプレート
44a 燃料噴孔
44b エア噴孔
45 オリフィスプレート
45a 燃料噴孔
45b エア噴孔
46 オリフィスプレート
46a 燃料噴孔
46b エア噴孔
47 オリフィスプレート
47a 燃料噴孔
47b エア噴孔
48 オリフィスプレート
48a 燃料噴孔
48b エア噴孔
49 オリフィスプレート
49a 燃料噴孔
49b エア噴孔
51 燃料噴射弁
55 燃料噴射弁
58 燃料噴射弁
61 燃料噴孔
62 エア噴孔
HP 衝突点
AL 噴流軸線
D1 衝突点における噴霧の外径または幅[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a direct injection type fuel injection device for directly injecting fuel into a combustion chamber of an engine. More specifically, the present invention relates to a direct injection fuel injection device configured to collide fuel injected from a fuel injection valve with gas injected from a gas injection valve.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example,
[0003]
[0004]
On the other hand,
[0005]
Here, in order to obtain optimum combustion performance in a direct injection engine, it is necessary to promote atomization of fuel to improve combustibility over the entire range of engine operating conditions. In addition, in direct injection engines, it is necessary to adjust the spray penetration distance (the distance from the injection hole of the fuel injection valve to the spray tip) and the spray shape in order to obtain combustion performance suitable for cold start and partial load operation. There is.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-2000-97032 (
[Patent Document 2]
JP-A-4-50469 (page 2-6, FIG. 2)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the engine described in
[0008]
Further,
[0009]
Further,
[0010]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and a first object of the present invention is to provide a direct injection type fuel injection device capable of achieving atomization of fuel in all operating conditions. Further, a second object of the present invention is to provide a direct injection fuel injection device capable of adjusting a spray penetration distance and a spray shape, in addition to the first object. A third object of the present invention, in addition to the first or second object, is to make it possible to achieve finer fuel atomization over the entire fuel spray by colliding a gas jet of the same size as the fuel spray. To provide a direct injection type fuel injection device.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the first object, the invention according to
[0012]
According to the configuration of the invention described above, fuel injected from one fuel injection valve is injected into the combustion chamber from one or more corresponding fuel injection holes, whereby fuel spray is formed in the combustion chamber. The form of the fuel spray is determined by specifying the shape, size, direction and arrangement of the fuel injection holes. On the other hand, gas injected from at least one gas injection valve is injected into the combustion chamber from one or more gas injection holes, whereby a gas jet is formed in the combustion chamber. The shape of the gas jet and the effect on the fuel spray are determined by specifying the number, shape, size, direction, and arrangement of the gas jets with respect to the fuel jets. Here, the fuel injected from the fuel injection valve collides with the gas injected from the gas injection valve, so that the gas jet collides with the fuel spray to atomize the fuel spray.
[0013]
In order to achieve the second object, a second aspect of the present invention is characterized in that, in the first aspect of the present invention, the gas injection holes are arranged near the fuel injection holes.
Here, the above-mentioned "near" means that the gas injection hole and the fuel injection hole can obtain the atomization effect of the fuel spray and the variable effect of the fuel spray length even when the following injection conditions change. Means the distance between them. Specifically, as an example, as shown in FIG. 45, assuming that the distance from the fuel injection hole to the gas injection hole is “X”, “X” that satisfies the following
From the general kinetic theory of gas injection, the reach distance “L (m)” and the jet angle “α (°)” of the gas jet are expressed as follows.
L = (ρa/ Ρo)0.25* (D * u * t / tanα)0.5 ... (Equation 1)
tan α = 0.427 * (ρo/ Ρa)0.35 ... (Equation 2)
Here, "ρa] Is the gas density at the absolute pressure of the injected gas (kg / m3), "ΡoIs the gas density in the cylinder (injection field) (kg / m3), “D” is the diameter (or shortest width (m)) of the gas injection hole, “u” is the initial gas injection velocity (m / s), “t” is the time after injection (s) and “α} is This is a temporary jet half angle value (°).
By calculating the jet velocity at the collision point from the above equation and adding a limiting condition that enables atomization of fuel spray and variable spray length obtained from predetermined experimental and calculated values, the distance “X” becomes
X ≦ a * d * Pa 0.5* Ρa 0.35* Ρo -0.85 … (Equation 3)
It is expressed as Here, “X” is the maximum distance (m) in the vicinity, and “P”a"Is the absolute pressure (Pa) of the injected gas. "0.03" can be applied to "a".
As an example, when the injection gas is air, the air injection diameter, the injection pressure, the gas density at the absolute pressure of the injection gas, and the gas density in the cylinder (injection field) are d ≦ 0.0005 (m), Pa≤ 600,000 (Pa), ρa≤7.23 (kg / m3), Ρo≧ 1.205 (kg / m3), X ≦ 0.0199 (m) = 19.9 (mm). Therefore, unless the gas injection holes are arranged within [19.9 mm] from the fuel injection holes, the atomization effect of the fuel spray and the spray length variable effect cannot be obtained under these injection conditions.
[0014]
According to the configuration of the present invention, in addition to the operation of the invention described in
[0015]
In order to achieve the third object, a third aspect of the present invention is the invention according to the first or second aspect, wherein the size of the gas jet injected from the gas injection hole is increased from the fuel injection hole. It is intended to be set to be approximately equal to the size of the fuel spray to be performed.
Here, “the size of the gas jet” can be defined as the following (Equation 4) to (Equation 6).
tan α = 0.427 * (ρo/ Ρa)0.35 … (Equation 4)
2α−6 ≦ β ≦ 2α + 6 (Equation 5)
As shown in FIGS. 45 and 46, “β” is the jet angle of the gas jet (°), “b” is the gas jet outer diameter or the gas jet width (m) at the collision point between the gas jet and the fuel spray, c ”is the distance (m) from the gas nozzle to the collision point,
b = 2 * c * tan (β / 2) (Equation 6)
Becomes
[0016]
According to the configuration of the present invention, in addition to the effect of the invention described in
[0017]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to
[0018]
According to the configuration of the present invention, in addition to the effect of the invention according to any one of
[0019]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to
[0020]
According to the configuration of the present invention, in addition to the effect of the invention according to any one of
[0021]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to
[0022]
According to the configuration of the invention described above, in addition to the effect of the invention described in any one of the first to third aspects, the fuel spray is spread conically because the fuel injection hole is circular. Further, since a plurality of gas injection holes are arranged at equal angular intervals on a circumference around the fuel injection hole, a plurality of gas jets collide with the entire width of the conical fuel spray from the periphery thereof. .
[0023]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to
[0024]
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention described in any one of the first to third aspects, since the fuel injection hole has a rectangular shape, the fuel spray spreads in a conical shape corresponding to the rectangle. Further, since a plurality of gas injection holes are arranged at equal intervals along the longitudinal direction of the fuel injection holes on both sides of the rectangular fuel injection holes, a plurality of gas injection holes are arranged from both sides along the longitudinal direction of the fuel spray. The gas jet impinges on the entire width direction of the fuel spray.
[0025]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to claim 8 is the invention according to
[0026]
According to the configuration of the above invention, in addition to the effect of the invention described in
[0027]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to claim 9 is the invention according to any one of
[0028]
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention described in any one of the first to third aspects, since the fuel injection hole has a rectangular shape, the fuel spray spreads in a conical shape corresponding to the rectangle. In addition, since a plurality of gas injection holes are arranged at equal intervals along one side of the fuel injection holes in a rectangular shape along the longitudinal direction of the fuel injection holes, a plurality of gas injection holes are arranged from one side along the longitudinal direction of the fuel spray. The gas jet impinges on the entire fuel spray in the width direction. Furthermore, since the gas jet collides from one side of the fuel spray, the direction of the fuel spray is changed.
[0029]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to claim 10 is the invention according to
[0030]
According to the configuration of the above invention, in addition to the effect of the invention described in
[0031]
In order to achieve the first to third objects, the invention according to
[0032]
According to the configuration of the invention described above, in addition to the operation of the invention described in any one of
[0033]
In order to achieve the second object, the invention according to
[0034]
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention according to any one of
[0035]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[First Embodiment]
Hereinafter, a first embodiment embodying a direct injection fuel injection device (hereinafter, simply referred to as "fuel injection device") of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0036]
FIG. 1 is a sectional view showing a state in which the fuel injection device is attached to an internal combustion engine (engine). This fuel injection device includes a
[0037]
The
[0038]
FIG. 2 is a conceptual diagram showing the configuration of electric wiring, fuel piping, and air piping related to the
[0039]
As shown in FIG. 2, the
[0040]
FIG. 3 shows an enlarged cross-sectional view of the distal end portion of the mounting member 9. As shown in FIGS. 1 to 3, the block-shaped mounting member 9 includes a
[0041]
FIG. 4 is a plan view of the
[0042]
As shown in FIG. 5, the center line of the
[0043]
FIGS. 6A to 6C are conceptual diagrams of the fuel spray and the air jet. As shown in FIG. 6A, the fuel spray has a substantially conical shape with substantially the same front and side surfaces. The spray angle (spray angle) θ1 is determined by the inner diameter of the
[0044]
FIGS. 7A to 7C are conceptual diagrams showing the difference between the fuel spray strength (spray strength) and the air jet strength (jet strength) at the collision point HP. As shown in FIG. 7A, the fuel spray has a spray intensity having the same distribution width on both the front and side surfaces. As shown in FIG. 7B, one air jet (free jet) has a jet intensity having the same distribution width on both the front and side surfaces. The jet strength is slightly lower than the spray strength. As shown in FIG. 7C, the jet strengths of the plurality of air jets (multi-hole jets) have the same distribution width on both the front and side surfaces. The jet strength of the porous jet is higher than the jet strength of the one air jet. Thus, the intensity distribution of the air jet is set to be evenly overlapped with the intensity distribution of the fuel spray. Here, the spray strength and the jet strength can be calculated by the product of the flow velocity and the density.
[0045]
According to the fuel injection device of this embodiment described above, the fuel injected from one
[0046]
Here, the jet axis AL of the air from each of the air injection holes 29b (see FIG. 3) intersects at the center of the maximum diameter D1 (see FIG. 6A) in the fuel spray from the
[0047]
In particular, in this embodiment, since the
[0048]
In this embodiment, in this embodiment, each
[0049]
In this embodiment, the size of the air jet injected from each
[0050]
In this embodiment, since the
[0051]
FIG. 8 shows a conceptual diagram when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 6A to 6C, a plurality of air jets having the same size and the same intensity distribution collide with one fuel spray at one collision point HP, so that the intensity distribution of the fuel spray itself is not uniform. However, the air jet can uniformly affect the entire spray. This shows that the fuel can be suitably atomized, and the spray penetration distance and the like can be suitably set.
[0052]
In this embodiment, the
[0053]
[Second embodiment]
Next, a second embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0054]
This embodiment is different from the above embodiment in the point of the orifice plate. FIGS. 9A to 9D show characteristic views of the orifice plate. FIG. 9A is a plan view of the
[0055]
As shown in FIGS. 9A to 9D, the
[0056]
FIGS. 10A to 10C show conceptual diagrams of the fuel spray and the air jet. As shown in FIG. 10A, the fuel spray has a flat and substantially conical shape. The spray angle θ1 at the front of the spray is larger than the spray angle θ11 at the side. These spray angles θ1 and θ11 are determined by the maximum width and the minimum width shape (taper angle) of the
[0057]
FIGS. 11A to 11C show the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point HP. As shown in FIG. 11A, the fuel spray has a spray intensity having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. As shown in FIG. 11 (b), one air jet (free jet) shows jet intensity with the same distribution width on both the front and side surfaces. As shown in FIG. 11 (c), the multi-aperture jet shows a jet strength having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. This width of the front jet strength is obtained by overlapping a plurality of air jets. Thus, the intensity distribution of the air jet is set to be evenly overlapped with the intensity distribution of the fuel spray.
[0058]
FIGS. 12A and 12B are conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 10A to 10C, since the air jet having the same size and intensity distribution collides with the fuel spray, the air jet can uniformly influence the entire fuel spray. This shows that the fuel can be effectively atomized and the spray penetration distance and the like can be effectively adjusted.
[0059]
In particular, in this embodiment, since the
[0060]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection device of the first embodiment.
[0061]
[Third Embodiment]
Next, a third embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0062]
This embodiment differs from the second embodiment in the arrangement and direction of the air injection holes in the orifice plate. FIGS. 13A to 13D show characteristic diagrams of the orifice plate. FIG. 13A is a plan view of the
[0063]
As shown in FIGS. 13 (a) to 13 (d), one
[0064]
FIGS. 14A and 14B are conceptual diagrams of fuel spray and air jet. As shown in FIG. 14A, the fuel spray has a flat and substantially conical shape. The spray angle θ1 at the front of the spray is larger than the spray angle θ11 at the side. These spray angles θ1 and θ11 are determined by the maximum width and the minimum width of the
[0065]
FIGS. 15A and 15B show the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point HP. As shown in FIG. 15A, the fuel spray has a spray intensity having a wide distribution in the front and a narrow distribution width in the side. As shown in FIG. 15 (b), the jet strength of the multi-hole jet also shows a jet strength having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. This width of the front jet strength is obtained by overlapping a plurality of air jets. Thus, the intensity distribution of the air jet is set to be evenly overlapped with the intensity distribution of the fuel spray.
[0066]
FIGS. 16A and 16B are conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 14A and 14B, a plurality of air jets having the same size and intensity distribution are combined into one fuel spray along the spray angle θ1 and at the collision point HP. Since the air jet having the same size and intensity distribution collides with the fuel spray, the air jet can uniformly affect the entire fuel spray without changing the spread angle θ1 of the fuel spray after the collision. This shows that the fuel can be effectively atomized and the spray penetration distance and the like can be effectively adjusted.
[0067]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection device of the second embodiment.
[0068]
[Fourth Embodiment]
Next, a fourth embodiment embodying the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0069]
This embodiment differs from the second and third embodiments in the size, arrangement, and shape of the orifice plate air injection holes. FIGS. 17A to 17D show characteristic views of the orifice plate. FIG. 17A is a plan view of the
[0070]
As shown in FIGS. 17 (a) to 17 (d), the
[0071]
FIGS. 18A to 18D are conceptual diagrams of the fuel spray and the air jet. As shown in FIG. 18A, the fuel spray has a flat and substantially conical shape. The spray angle θ1 at the front of the spray is larger than the spray angle θ11 at the side. The shapes (taper angles) of the spray angles θ1 and θ11 are determined by the maximum width and the minimum width of the
[0072]
FIGS. 19A to 19D show the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point HP. As shown in FIG. 19A, the fuel spray has a spray intensity having a wide distribution in the front and a narrow distribution width in the side. FIG. 19B shows the jet strength of one air jet (free jet) when the inner surface shape of the
[0073]
FIGS. 20A and 20B are conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 18A and 18D, a plurality of air jets having the same size and intensity distribution are combined into one fuel spray along the spray angle θ1 and at the collision point HP. Since the air jet having the same size and intensity distribution collides with the fuel spray, the air jet can uniformly affect the entire fuel spray without changing the spread angle θ1 of the fuel spray after the collision. Further, by making one air jet divergent, the jet angle θ21 of the air becomes larger than the jet angle θ2, and the distribution intensity of the jet becomes flat. For this reason, the air jet can collide with the fuel spray in a relatively wide range with a sufficient margin, and the atomization of the fuel can be reliably performed even if the distribution of the fuel spray fluctuates. Furthermore, by increasing the hole diameter to increase the jet strength of the air, the same performance can be exhibited even if the number of holes is reduced, as compared with the case where the air does not expand. This shows that the fuel can be effectively atomized and the spray penetration distance and the like can be effectively adjusted.
[0074]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection devices of the second and third embodiments.
[0075]
[Fifth Embodiment]
Next, a fifth embodiment embodying the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0076]
This embodiment differs from the above embodiments in the point of the air injection holes in the orifice plate. FIGS. 21A to 21D show characteristic diagrams of the orifice plate. FIG. 21A is a plan view of the
[0077]
As shown in FIGS. 21 (a) to 21 (d), the
[0078]
FIGS. 22A and 22B are conceptual diagrams of the fuel spray and the air jet. As shown in FIG. 22A, the fuel spray has a flat and substantially conical shape. The spray angle θ1 at the front of the spray is larger than the spray angle θ11 at the side. These spray angles θ1 and θ11 are determined by the maximum length and the minimum width of the
[0079]
FIGS. 23A and 23B show the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point HP. As shown in FIG. 23 (a), the fuel spray has a spray intensity having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. As shown in FIG. 23 (b), each air jet shows a jet intensity having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. Thus, the intensity distribution of the air jet is set to be evenly overlapped with the intensity distribution of the fuel spray.
[0080]
FIGS. 24A and 24B are conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 22A and 22B, a pair of air jets having the same size and intensity distribution are combined into one fuel spray along the spray angle θ1 and at the collision point HP. Since the air jet having the same size and intensity distribution collides with the fuel spray, the air jet can uniformly affect the entire fuel spray without changing the spread angle θ1 of the fuel spray after the collision. This shows that the fuel can be effectively atomized and the spray penetration distance and the like can be effectively adjusted.
[0081]
In this embodiment, since each
[0082]
In this embodiment, since the
[0083]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection device of the first embodiment.
[0084]
[Sixth Embodiment]
Next, a sixth embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0085]
This embodiment differs from the fifth embodiment in the point of the air injection holes in the orifice plate. FIGS. 25A to 25D show characteristic diagrams of the orifice plate. FIG. 25A is a plan view of the
[0086]
As shown in FIGS. 25A to 25D, the
[0087]
FIGS. 26A and 26B are conceptual diagrams of fuel spray and air jet. As shown in FIG. 26A, the fuel spray has a flat and substantially conical shape. The spray angle θ1 at the front of the spray is larger than the spray angle θ11 at the side. These spray angles θ1 and θ11 are determined by the maximum width and the minimum width of the
[0088]
FIGS. 27A and 27B show the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point HP. As shown in FIG. 27A, the fuel spray has a spray intensity having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. As shown in FIG. 27 (b), each air jet has a jet intensity having a wide distribution on the front and a narrow distribution width on the side. Thus, the intensity distribution of the air jet is set to be evenly overlapped with the intensity distribution of the fuel spray.
[0089]
FIGS. 28A and 28B are conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 26A and 26B, a pair of air jets having the same size and intensity distribution are combined into one fuel spray along the spray angle θ1 and at the collision point HP. Since the air jet having the same size and intensity distribution collides with the fuel spray, the air jet can uniformly affect the entire fuel spray without changing the spread angle θ1 of the fuel spray after the collision.
[0090]
In particular, in this embodiment, since each
[0091]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection device of the fifth embodiment.
[0092]
[Seventh Embodiment]
Next, a seventh embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0093]
This embodiment differs from the above embodiments in the configuration of the orifice plate. FIGS. 29A to 29D show characteristic views of the orifice plate. FIG. 29A is a plan view of the
[0094]
As shown in FIGS. 29A to 29D, the
[0095]
FIGS. 30A and 30B are conceptual diagrams of the fuel spray and the air jet. The shapes of the fuel spray and the air jet in this embodiment conform to those shown in FIGS. 10 (a) and 10 (c).
[0096]
FIGS. 31A and 31B show the difference between the spray intensity and the jet intensity at the collision point HP. The states of the spray strength and the jet strength in this embodiment conform to those shown in FIGS. 11 (a) and 11 (c).
[0097]
FIGS. 32A to 32C show conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. Here, the collision point HP in the fuel spray is from the
[0098]
Further, in this embodiment, since a plurality of air injection holes 47b are arranged in a line only on one side of the fuel injection holes 47a to generate an air jet, as shown in FIG. The collision of the fuel can change the direction of the fuel spray obliquely to the horizontal direction. Therefore, the fuel can be atomized according to the shape of the
[0099]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection device of the first embodiment.
[0100]
[Eighth Embodiment]
Next, an eighth embodiment which embodies a direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0101]
This embodiment is different from the seventh embodiment in the point of the air injection holes of the orifice plate. FIGS. 33A to 33D show characteristic views of the orifice plate. FIG. 33A is a plan view of the
[0102]
As shown in FIGS. 33 (a) to 33 (d), the
[0103]
FIGS. 34A and 34B are conceptual diagrams of fuel spray and air jet. The shapes of the fuel spray and the air jet in this embodiment conform to those shown in FIGS. 22 (a) and 22 (b).
[0104]
FIGS. 35A and 35B show the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point HP. The state of the spray strength and the jet strength in this embodiment conforms to those shown in FIGS. 23 (a) and 23 (b).
[0105]
FIGS. 36A to 36C are conceptual diagrams when a plurality of air jets collide with the fuel spray. As shown in FIGS. 34 (a) and (b), the air jet having the same size and intensity distribution as the fuel spray collides with the fuel spray at the collision point HP, so that the air jet uniformly affects the entire fuel spray. be able to. This shows that the fuel can be effectively atomized and the spray penetration distance and the like can be effectively adjusted.
[0106]
In this embodiment, since one
[0107]
Other functions and effects of this embodiment are basically the same as those of the fuel injection device of the seventh embodiment.
[0108]
[Ninth embodiment]
Next, a ninth embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0109]
This embodiment differs from the above embodiments in that the function of the air injection valve is provided integrally with the fuel injection valve. FIG. 37 shows a cross-sectional view of the air injection valve-integrated
[0110]
Therefore, in this embodiment, since the air injection valve-integrated
[0111]
[Tenth embodiment]
Next, a tenth embodiment of a direct injection fuel injection device according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0112]
This embodiment differs from the above embodiments in that the injection function of the air injection valve is provided in the fuel injection valve. FIG. 38 shows a cross-sectional view of the
[0113]
Therefore, in this embodiment, since the function of the air injection valve is provided in the
[0114]
[Eleventh embodiment]
Next, an eleventh embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0115]
The fuel injection device of this embodiment includes a fuel injection valve for forming one fuel spray and a plurality of air injection valves for individually forming each of a plurality of air jets. The configuration is different from the fuel injection valve of the embodiment.
[0116]
FIG. 39 is a sectional view showing a schematic configuration of the fuel injection device. The
[0117]
Therefore, also in the fuel injection device of this embodiment, functionally the same effects as those of the fuel injection device of each of the above embodiments can be obtained.
[0118]
[Twelfth embodiment]
Next, a twelfth embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0119]
The fuel injection device of this embodiment is a modification of the ninth embodiment. FIG. 40 is a sectional view showing a schematic configuration of the fuel injection device. As can be seen from a comparison with FIG. 37, the integrated
[0120]
Therefore, also in the fuel injection device of this embodiment, functionally the same effects as those of the fuel injection device of each of the above embodiments can be obtained. In addition, in this embodiment, since the air jet is generated by arranging the
[0121]
[Thirteenth embodiment]
Next, a thirteenth embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0122]
In the fuel injection device of this embodiment, the function of the fuel injection device of the thirteenth embodiment is achieved not by the integrated
[0123]
Therefore, also in the fuel injection device of this embodiment, functionally the same effects as those of the fuel injection device of each of the above embodiments can be obtained. In addition, in this embodiment, since the air jet is generated by arranging the
[0124]
[Fourteenth embodiment]
Next, a fourteenth embodiment of the direct injection fuel injection device of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0125]
42 to 44 show sectional views of the schematic configuration of the fuel injection device according to this embodiment. In the fuel injection device according to the present embodiment, at least first and second two
[0126]
Further, in this embodiment, the first and second
[0127]
Therefore, according to the fuel injection device of this embodiment, by switching the use of the two
[0128]
It should be noted that the present invention is not limited to each of the above-described embodiments, and may be implemented by appropriately changing a part of the configuration without departing from the spirit of the invention.
[0129]
For example, in each of the above embodiments, air (air) is used as the gas to collide with the fuel, but a specific gas other than air may be used.
[0130]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, since the gas jet is set so as to collide with the fuel spray, the fuel atomization can be achieved over the entire operating condition of the internal combustion engine.
[0131]
According to the second aspect of the present invention, since the gas injection holes are arranged near the fuel injection holes, in addition to the effects of the first aspect, the energy of the gas jet at the collision point is retained, The collision can adjust the spray penetration distance and the spray shape.
[0132]
According to the third aspect of the present invention, the size of the gas jet at the collision point is set to be substantially the same as the size of the fuel spray, so that in addition to the effects of the first or second aspect, Finer fuel atomization, finer spray penetration distance and spray shape can be adjusted in the entire fuel spray.
[0133]
According to the fourth aspect of the invention, the gas jet spreads in a conical shape corresponding to the rectangle. For this reason, in addition to the effect of the invention according to any one of
[0134]
According to the fifth aspect of the invention, the intensity distribution of the gas jet in the spreading direction becomes flatter, and each gas jet collides uniformly with the fuel spray. For this reason, in addition to the effect of the invention according to any one of
[0135]
According to the sixth aspect of the present invention, a plurality of gas jets uniformly collide with the conical fuel spray, and the intensity distribution of the gas jet with respect to the fuel spray is made uniform. For this reason, in addition to the effect of the invention according to any one of
[0136]
According to the seventh aspect of the present invention, a plurality of gas jets from both sides of the fuel spray collides with the entire fuel spray in the width direction along the longitudinal direction of the fuel spray spreading in a conical shape corresponding to the rectangle. For this reason, in addition to the effects of the invention according to any one of
[0137]
According to the eighth aspect of the present invention, a pair of gas jets from both sides of the fuel spray collide with the entire fuel spray in the width direction along the longitudinal direction of the fuel spray spreading in a conical shape corresponding to a rectangle. Therefore, in addition to the effect of the invention described in
[0138]
According to the ninth aspect of the present invention, a plurality of gas jets collide with the entire width direction of the fuel spray from one side along the longitudinal direction of the fuel spray spreading in a conical shape corresponding to the rectangle, and the direction of the fuel spray is changed. Can be changed. For this reason, in addition to the effect of the invention according to any one of
[0139]
According to the tenth aspect of the present invention, one gas jet uniformly collides with the fuel spray from one side along the longitudinal direction of the fuel spray spreading in a conical shape corresponding to the rectangle, and the direction of the fuel spray changes. Can be For this reason, in addition to the effect of the invention described in
[0140]
According to the eleventh aspect of the invention, the positional accuracy of the arrangement of the gas injection holes and the fuel injection holes is increased, and the processing and work for mounting the fuel injection valve and the gas injection valve are reduced. For this reason, in addition to the effect of the invention described in any one of the first to tenth aspects, the manufacture of the direct injection fuel injection device can be simplified.
[0141]
According to the twelfth aspect, the form of collision of the gas jet with the fuel spray is changed, and the shape of the fuel spray is changed. For this reason, in addition to the effect of the invention according to any one of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a state in which an engine is mounted on a fuel injection device according to a first embodiment.
FIG. 2 is a configuration conceptual diagram showing electric wiring and the like related to a fuel injection valve and an air injection valve.
FIG. 3 is an enlarged sectional view showing a tip end of the mounting member.
FIG. 4 is a plan view showing an orifice plate.
FIG. 5 is a sectional view taken along line AA of FIG. 4;
6A to 6C are conceptual diagrams showing fuel spray and air jet.
7A to 7C are conceptual diagrams showing the difference between the spray intensity and the jet intensity at the collision point.
FIG. 8 is a conceptual diagram when an air jet collides with fuel spray.
9A to 9D are characteristic views of an orifice plate according to the second embodiment.
FIGS. 10A to 10C are conceptual diagrams showing fuel spray and air jet.
FIGS. 11A to 11C are conceptual diagrams showing a difference between a spray intensity and a jet intensity at a collision point.
12 (a) and (b) are conceptual diagrams when an air jet collides with fuel spray.
FIGS. 13A to 13D are characteristic views of an orifice plate according to the third embodiment.
FIGS. 14A and 14B are conceptual diagrams showing a fuel spray and an air jet.
15A and 15B are conceptual diagrams showing the difference between the spray intensity and the jet intensity at the collision point.
16 (a) and (b) are conceptual diagrams when an air jet collides with a fuel spray.
17A to 17D are characteristic diagrams of an orifice plate according to the fourth embodiment.
18A to 18D are conceptual diagrams showing fuel spray and air jet.
FIGS. 19A to 19D are conceptual diagrams showing a difference between a spray intensity and a jet intensity at a collision point.
20 (a) and (b) are conceptual diagrams when an air jet collides with fuel spray.
FIGS. 21A to 21D are characteristic diagrams of an orifice plate according to the fifth embodiment.
FIGS. 22A and 22B are conceptual diagrams showing a fuel spray and an air jet.
23 (a) and (b) are conceptual diagrams showing the difference between the spray intensity and the jet intensity at the collision point.
24 (a) and (b) are conceptual diagrams when an air jet collides with fuel spray.
FIGS. 25A to 25D are characteristic views of an orifice plate according to the sixth embodiment.
26A and 26B are conceptual diagrams showing fuel spray and air jet.
FIGS. 27A and 27B are conceptual diagrams showing the difference between the spray intensity and the jet intensity at the collision point.
28 (a) and (b) are conceptual diagrams when an air jet collides with fuel spray.
FIGS. 29A to 29D are characteristic views of an orifice plate according to the seventh embodiment.
FIGS. 30 (a) and (b) are conceptual diagrams showing fuel spray and air jet.
FIGS. 31A and 31B are conceptual diagrams showing the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point.
FIGS. 32A to 32C are conceptual diagrams when an air jet collides with fuel spray.
33 (a) to (d) are characteristic views of an orifice plate according to the eighth embodiment.
34A and 34B are conceptual diagrams showing fuel spray and air jet.
35 (a) and (b) are conceptual diagrams showing the difference between the spray strength and the jet strength at the collision point.
36 (a) to (c) are conceptual diagrams when an air jet collides with fuel spray.
FIG. 37 is a sectional view showing an integrated fuel injection valve according to a ninth embodiment;
FIG. 38 is a sectional view showing a fuel injection valve according to a tenth embodiment.
FIG. 39 is a sectional view showing a schematic configuration of a fuel injection device according to an eleventh embodiment.
FIG. 40 is a sectional view showing a schematic configuration of a fuel injection device according to a twelfth embodiment.
FIG. 41 is a sectional view showing a schematic configuration of a fuel injection device according to a thirteenth embodiment.
FIG. 42 is a sectional view showing a schematic configuration of a fuel injection device according to a fourteenth embodiment.
FIG. 43 is a sectional view showing a schematic configuration of the fuel injection device.
FIG. 44 is a sectional view showing a schematic configuration of the fuel injection device.
FIG. 45 is a conceptual diagram showing a collision between a fuel spray and a gas jet at a collision point.
FIG. 46 is a conceptual diagram showing a gas jet.
[Explanation of symbols]
1 engine
2 Combustion chamber
3 Fuel injection valve
4 Air injection valve
9 Mounting members
29 orifice plate
29a Fuel injection hole
29b Air injection hole
41 Orifice plate
41a Fuel injection hole
41b Air injection hole
42 orifice plate
42a Fuel injection hole
42b Air injection hole
43 orifice plate
43a Fuel injection hole
43b Air injection hole
44 Orifice plate
44a Fuel injection hole
44b Air injection hole
45 orifice plate
45a Fuel injection hole
45b Air injection hole
46 Orifice plate
46a Fuel injection hole
46b Air injection hole
47 Orifice plate
47a Fuel injection hole
47b Air injection hole
48 orifice plate
48a Fuel injection hole
48b Air injection hole
49 Orifice plate
49a Fuel injection hole
49b Air injection hole
51 Fuel injection valve
55 fuel injection valve
58 Fuel injection valve
61 Fuel injection hole
62 Air injection hole
HP collision point
AL jet axis
D1 Outer diameter or width of spray at impact point
Claims (12)
前記燃料噴射弁を一つ含み、その燃料噴射弁に対応して前記燃焼室に開口される一つ以上の燃料噴孔が設けられることと、
前記気体噴射弁を少なくとも一つ含み、その気体噴射弁に対応して前記燃焼室に開口される一つ以上の気体噴孔が設けられることと、
前記燃料噴孔の形状、大きさ、向き及び配置が特定されることと、
前記気体噴孔の数、形状、大きさ、向き及び前記燃料噴孔に対する配置が特定されることと
を備え、前記燃料噴射弁から噴射される燃料と、前記気体噴射弁から噴射される気体とを衝突させるように構成したことを特徴とする直接噴射式燃料噴射装置。A direct injection fuel injection device including a fuel injection valve for injecting fuel into a combustion chamber of an internal combustion engine including an intake valve and an exhaust valve, and a gas injection valve also for injecting gas into the combustion chamber. ,
Including one fuel injection valve, one or more fuel injection holes opened to the combustion chamber corresponding to the fuel injection valve is provided,
Including at least one gas injection valve, one or more gas injection holes that are opened to the combustion chamber corresponding to the gas injection valve is provided,
The shape, size, orientation and arrangement of the fuel injection holes are specified,
The number, shape, size, orientation and arrangement with respect to the fuel injection holes of the gas injection holes are specified, and the fuel injected from the fuel injection valve and the gas injected from the gas injection valve Direct injection type fuel injection device, characterized in that they are configured to collide.
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