【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐焼成チョコレート類及びそれを使用した焼成食品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼成食品用チョコレート類、例えば、ホワイトチョコレートをパン生地或いは焼き菓子生地の表面に載置、又は生地中に練り込み分散させるなどした状態で生地と共に焼成した場合、生地表面にあるホワイトチョコレートが熱で焦げて褐変したり、形が崩れたり、表面がべたついたり、ホワイトチョコレートと焼き菓子生地が接着することなく剥がれたりする等、商品価値を失ってしまうという問題がある。
【0003】
上記の問題を解決する手段として、例えば、特開昭62−122557号公報では、澱粉をチョコレート中の成分として使用しており、チョコレート塊をベーキング前のドウまたは生地中に分散させた後、これを焼成しても、焼成生地中に組織及び原型を保持するようなチョコレート塊が得られることを示している。また、特開2000−189057号公報では、チョコレート中の成分としてトレハロースとデキストリンを使用しており、焼成後も焼き菓子生地に接着して剥がれ難く、形状も崩れず耐熱性のあるものが得られることを提案しているが、焼成後のチョコレート、特にホワイトチョコレートの熱による褐変を防止するものではない。
【0004】
また、特開2001−314156号公報では、乳糖を50〜70重量%含有することにより、焼成前の白色が焼成後も変色を起こさない白色食品素材を得られることを示しているが。ホワイトチョコレートなどの白色油性菓子にした場合、ホワイトチョコレートとしての風味が損なわれたり、プレート成型して焼き菓子の表面に載置した場合、焼成後に白色油性菓子に割れが発生する問題がある。
【特許文献1】特開昭62−122557号
【特許文献2】特開2000−189057号
【特許文献3】特開2001−314156号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、焼成食品用チョコレート類の熱による褐変を解決することを課題とするものであり、焼成食品用チョコレート類をパン生地或いは焼き菓子の表面に載置、又は生地中に練り込み分散させるなどした状態で生地と共に焼成すると、焼成食品用チョコレート類の熱による褐変、形崩れを抑制した良好な焼成食品用チョコレート類及び焼成食品を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために、鋭意研究を行い、無脂乳固形分中のタンパク質、及び灰分の合計量、澱粉を一定範囲内に調整することにより、焼き菓子と一緒に焼成しても変色しない焼成食品用チョコレート類を得られることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、無脂乳固形分中のタンパク質、及び灰分の合計量を4.5重量%以下に抑制し、澱粉を2〜20重量%含有する焼成食品用チョコレート類であって、好ましくは、チョコレート類中の油脂分が27〜40重量%、糖分が20〜70重量%であり、その他澱粉と無脂乳固形分を除く固形分を15重量%以下であり、より好ましくは無脂カカオ固形分が5重量%以下に抑制するのがよい。この焼成食品用チョコレート類、または、成型した焼成食品用チョコレート類をパン生地或いは焼き菓子生地に載置又は練り込みして焼成することを特徴とする焼成食品の製造法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
無脂乳固形分は、全粉乳、脱脂粉乳、ホエーパウダー等、チョコレートを製造する際に使用する公知の原料由来のものが挙げられ、それら一種を単独配合しても良いし、2種以上を組み合わせて配合しても良い。
【0009】
無脂乳固形分とは、牛乳中の全固形分から脂肪分を除いたもので、無脂乳固形分中には、水分、タンパク質、糖質、及び灰分が含まれている(五訂食品成分表記載)。例えば、全粉乳中には、水分3.0%、タンパク質25.5%、脂質26.2%、糖質39.3%、灰分6.0%が含まれている。無脂乳固形分中のタンパク質、及び灰分の合計量を焼成用チョコレート類に対して4.5重量%以下に抑制することで焼き菓子と一緒に焼成した場合の焼成食品用チョコレート類の変色を抑えることができる。4.5重量%を超えると焼成による変色抑制効果が弱くなってしまう。より好ましくは、焼成食品用チョコレート類に対して無脂乳固形分を含有しないものが焼成による変色抑制効果は強くなる傾向がある。
【0010】
澱粉は、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等の天然澱粉をはじめ、その原料である小麦粉等であってもよく、またα化澱粉、エーテル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉等で例示される加工澱粉であってもよい。本発明においてはこれらの何れの澱粉を用いても良いが、特に小麦粉よりは天然澱粉、天然澱粉よりは加工澱粉、加工澱粉の中ではα化澱粉がより好ましい。
【0011】
澱粉の使用は、焼成後の油性菓子の型崩れ防止効果を発揮し、澱粉の使用量は、焼成食品用チョコレート類全量に対して2〜20重量%の使用が適当である。2重量%未満では、型崩れの防止効果が発揮され難く、20重量%を超えると、型崩れの防止効果は充分であるが、油脂成分との纏まりがなくなりチョコレート類とはなり難く、また、焼成後の油性菓子に澱粉の風味が残りチョコレート類の品質を悪くする影響が出てしまう。
【0012】
チョコレート類中に使用する油脂としては、所謂ハードバターが好適であり、エライジン酸を構成脂肪酸とするトランス型ハードバターやラウリン系ハードバター等のノーテンパリング型油脂、カカオ脂、カカオ脂代用脂等のテンパリング型油脂が利用できる。その他油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が利用できる。原料として例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア油、サル油、カカオ脂、ヤシ脂、パーム核油等の植物性油脂、並びに、それらの油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。
【0013】
チョコレート類中の油脂含量は、27〜40重量%が好適である。油脂含量が27重量%未満の場合、チョコレート類中の油脂含量が少なくなり、チョコレート類として製造しづらく、また、40重量%を超えると、油脂含量が多くなり、モールド成型等、成型しづらくなる傾向がある。
【0014】
糖分は、20〜70重量%が好適である。糖分が20%未満の場合、チョコレート類としての甘味度が充分に発揮されずチョコレート類としての美味しさが満足されなく、また、70重量%を超えると、チョコレート類中の糖含有量が高くなり、チョコレート類としての製造が困難になってしまう。
また、糖分の使用に関して、結晶性糖質として融点の高い糖を使用すると、焼き菓子と一緒に焼成した焼成用チョコレート類の焼成後のベタツキを抑制する効果を強くすることができる。特に、結晶性糖質として融点の高い糖としては乳糖が挙げられる。乳糖の使用量としては、糖質20〜70重量%中、5〜40重量%の使用量が適している。このベタツキ防止効果は、焼成後の製品を包装する場合に袋へのチョコレート類の接着を抑えることができる。
【0015】
本発明の焼成食品用チョコレート類は、トランス型ハードバターを用いノーテンパリング型の特性を持つチョコレートにすることが好ましい。テンパリング型の特性を持つチョコレートの場合、焼き菓子と一緒に焼成し、冷却すると、テンパリング操作を行うことができず、チョコレートにブルームが発生しやすい。また、ラウリン系ハードバターを使用したチョコレートの場合は、焼き菓子生地の水分の影響により、加水分解して石鹸臭を生じる原因となりやすくなる。
【0016】
本発明の焼成食品用チョコレート類に、着色料や香料などを添加して種々の色彩を呈してもよい。使用する着色料は天然着色料でも合成着色料でもよく、本発明の油性菓子は、焼き菓子生地と組み合わせて焼成した場合、現行の油性菓子に着色料等を添加して焼き菓子生地と組み合わせて焼成したものと比べて色彩が優れて良好で、美観を呈した焼成食品を製造することができる。
【0017】
本発明の焼成食品用チョコレート類を製造するには、チョコレート類の原料(油脂、糖、澱粉、乳糖、など)をミキシング、リファイニング、コンチング等のチョコレート製造工程を経てチョコレート類を製造することができる。得られたチョコレート類を焼き菓子生地の形に合った形状に成型し、焼成前の焼き菓子生地に載置、練り込み分散させて焼成することができる。チョコレート類の形状は任意であり、モールド成型(テンパリングする必要はないが、急冷して型抜きするのがよい)、棒状成型、シート成型、デポジッタ−によるチップ、ペレット成型のいずれでもよい。
【0018】
このような焼成食品用チョコレート類を組み合わせたパン又は焼き菓子を製造するには、常法の原材料配合によって得られるパン又は焼き菓子のベーキング前の生地上に成型した該油性菓子を載置、又は練り込み分散させ、常法に従って焼成して製造することができる。
【0019】
無脂カカオ固形分は、ココアパウダーやカカオマス等を含有されているが、これはカカオの茶系の色素を有しており、特にホワイトチョコレートなどの白色油性菓子の色彩に大きな影響を及ぼしてしまう。よって、ホワイトチョコレート製造の目的のためには無脂カカオ固形分は5重量%以下に抑制することが好ましい。
【0020】
乳糖の使用は、焼成後のチョコレートの変色、表面のベタツキ抑制効果を発揮し、良好な色彩を持った焼成食品用チョコレート類を得ることができる。乳糖の使用量は、焼成食品用チョコレート類に対して5〜40重量%配合することが好ましい。5重量%未満であると、焼成後の変色、表面のベタツキ抑制効果が弱く、40重量%を超えると、焼成後の油性菓子に割れが生じやすく、ガリガリした硬い食感になりやすい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施例はこれらに限られるものではない。なお、以後使用する%表示は、重量%を意味する。
【0022】
<無脂乳固形分中のタンパク質、灰分含量確認テスト(テスト1〜3)>
表2に示すテスト1〜3(無脂乳固形分固形分中のタンパク質、灰分含量、テスト1:0%、テスト2:4.4%、テスト3:4.6%)のチョコレート配合で、公知の方法によってホワイトチョコレートを製造し、モールド成型により縦2cm、横2cm、厚さ5mmの形状に成型した。
【0023】
表1に示すクッキー配合で、公知の方法によって調製したクッキー生地の上に、先に調整したチョコレート成型品を載置し、上火180℃、下火180℃にて15分間焼成を行った。焼成後、室温に1時間放置した後、ホワイトチョコレートの着色度合、型崩れを目視にて、焼成後、室温に5分間放置した後、指でホワイトチョコレートの表面を触れてベタツキ度合いを評価した。また、室温に1時間放置後の食感、風味の評価も行った。
【0024】
【表1】
【0025】
表3のテスト1〜3に示すように、無脂乳固形分中のタンパク質、灰分含量が4.2%以下のものは、無脂乳固形分中のタンパク質、灰分含量が4.2%を超えるものに比べ、焼成後の変色度合いは小さく、色彩が良好であった。
【0026】
<澱粉の使用量確認テスト(テスト4〜7)>
表2のテスト4〜7の配合からなる原材料を用い、テスト1〜3、表1と同様に公知の方法によってホワイトチョコレート、クッキー生地を調製し、焼成を行った。焼成は、上火180℃、下火180℃にて15分行った。焼成後、テスト1〜3と同様に着色度合、型崩れと食感、風味を評価した。結果を表3に示す。
【0027】
表3のテスト4〜7の結果から明らかなように、テスト4、5、7は、焼成後ホワイトチョコレートが形崩れすることなく、焼成耐性が良好であったが、テスト6は若干形崩れを生じ、焼成耐性が悪い状態であった。また、テスト7は、焼成耐性は良好であったが、ネトツキのある触感や、澱粉の風味が目立ち、品質に悪影響が生じていた。よって、澱粉は2〜10%が適している。
【0028】
<乳糖の使用量確認テスト(テスト8〜11)>
表2のテスト8〜11の配合からなる原材料を用い、テスト1〜7、表1と同様に公知の方法によってホワイトチョコレート、クッキー生地を調製し、焼成を行った。焼成は、上火180℃、下火180℃にて15分行った。焼成後、ベタツキ度合い、食感、風味を評価した。結果を表4に示す。
【0029】
表4のテスト8〜11の結果から明らかなように、テスト8、9、11は、焼成後ホワイトチョコレートの表面にベタツキはみられなかったが、テスト10は、ベタツキがみられ、容易に形崩れをする物性であった。また、テスト11は、焼成後のベタツキはみられなかったが、割れが生じ、商品価値が失われた状態であった。よって、乳糖は4〜40%が適している。
【0030】
<無脂カカオ固形分の使用量確認テスト>
表2のテスト12、13の配合からなる原材料を用い、テスト1〜11、表1と同様に公知の方法によってホワイトチョコレート、クッキーを調製し、焼成を行った。焼成は、上火180℃、下火180℃にて15分行った。焼成後、ベタツキ度合い、食感、風味、及びホワイトチョコレートの白さを評価した。結果を表4に示す。
【0031】
表4のテスト12、13の結果から明らかなように、テスト12は無脂カカオ固形分の影響により茶色がかっており、ホワイトチョコレートとしての色彩は損われていたが、テスト13は若干茶色がかっているが、商品価値は失われていない状態であった。よって、無脂カカオ固形分は5%以下が適している。
【0032】
【表2】
* 無脂乳固形分中のタンパク質、灰分含量:テスト2(4.4%)、テスト3(4.6%)
* 無脂カカオ固形分含量:テスト12(5.2%)、テスト13(4.8%)
* レシチン、香料はチョコレートに対する添加量を示す。
* 植物性油脂:パーム硬化油(商品名「メラノH1000」(不二製油(株)製))
* 澱粉:α化澱粉
【0033】
【表3】
【0034】
・着色度合評価
◎:褐変がなし
○:若干褐変するが問題ないレベル
×:明確に褐変(焼成後、クッキー生地の表面より変色度合いが大きい)
・形崩れ評価
◎:形崩れなし
△:若干形崩れ
×:形崩れ
【0035】
【表4】
【0036】
・べたつき評価
◎:べたつきなし
△:若干べたつきあり
×:べたつきあり(指にチョコレートが付着)
・食感、風味評価
◎:食感、風味良好
△:食感、風味若干悪い
×:食感、風味悪い
・チョコ生地の白さ
◎:色彩変化なし
○:若干茶色がかっている(商品価値あり)
×:ホワイトチョコレートとしての色彩なし
【0037】
【発明の効果】
以上のように、無脂乳固形分、澱粉を一定範囲内に調製した焼成食品用チョコレート類は、パン生地或いは焼き菓子生地と一緒に焼成しても変色しない良好な耐焼成の特性を有する。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to baked chocolates and a method for producing baked foods using the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when chocolates for baked foods, for example, white chocolate are placed on the surface of bread dough or baked confectionery dough, or baked together with the dough in a state of being kneaded and dispersed in the dough, the white chocolate on the dough surface becomes hot. There is a problem that the commercial value is lost, such as browning, browning, losing shape, sticky surfaces, and peeling of white chocolate and baked confectionery dough without bonding.
[0003]
As means for solving the above problems, for example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-122557, starch is used as a component in chocolate, and after dispersing a chocolate mass in a dough or dough before baking, This shows that even if baking is performed, a chocolate mass that retains the structure and the original pattern in the baking dough can be obtained. Moreover, in JP-A-2000-189057, trehalose and dextrin are used as components in chocolate, so that even after baking, they adhere to baked confectionery dough, are hardly peeled off, and have heat resistance without deforming their shape. However, it does not prevent browning of chocolate after baking, particularly white chocolate, due to heat.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-314156 discloses that by containing lactose in an amount of 50 to 70% by weight, it is possible to obtain a white food material in which the white color before firing does not change color after firing. When made into white oily confectionery such as white chocolate, there is a problem that the flavor as white chocolate is impaired, or when it is molded on a plate and placed on the surface of baked confectionery, cracks occur in the white oily confectionery after baking.
[Patent Document 1] JP-A-62-122557 [Patent Document 2] JP-A-2000-189057 [Patent Document 3] JP-A-2001-314156
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve browning of chocolate for baked food due to heat, and the chocolate for baked food is placed on the surface of bread dough or baked confectionery, or kneaded and dispersed in the dough. It is an object of the present invention to obtain good baked food chocolates and baked foods in which, when baked together with the dough in a state where the baked foods are baked, browning and shape collapse of the baked food chocolates due to heat are suppressed.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present inventors have conducted intensive studies, and by adjusting the total amount of protein and ash in non-fat milk solids and starch within a certain range, baking together with baked confectionery The present inventors have found that chocolates for baked foods which do not discolor even if they are obtained can be obtained, and have reached the present invention.
[0007]
That is, the present invention is a chocolate for baked foods containing 2 to 20% by weight of starch, wherein the total amount of protein and ash in non-fat milk solids is suppressed to 4.5% by weight or less, The fats and oils in the chocolates are 27 to 40% by weight, the sugars are 20 to 70% by weight, and the solids other than starch and non-fat milk solids are 15% by weight or less, more preferably non-fat cocoa. The solid content is preferably controlled to 5% by weight or less. It is intended to provide a method for producing a baked food, characterized in that the baked food chocolate or the molded baked food chocolate is placed or kneaded on bread dough or baked confectionery dough and baked.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Non-fat milk solids include those derived from known raw materials used in producing chocolate, such as whole milk powder, skim milk powder, whey powder, and the like, and may be used alone or in combination of two or more. You may mix and combine.
[0009]
Non-fat milk solids are the total solids in milk minus fat, and non-fat milk solids contain water, protein, carbohydrates, and ash. Table)). For example, whole milk powder contains 3.0% of water, 25.5% of protein, 26.2% of fat, 39.3% of sugar, and 6.0% of ash. By suppressing the total amount of protein and ash in non-fat milk solids to 4.5% by weight or less based on the chocolate for baking, discoloration of the chocolate for baking food when baking together with baked confectionery can be prevented. Can be suppressed. If the amount exceeds 4.5% by weight, the effect of suppressing discoloration due to firing will be weakened. More preferably, those containing no non-fat milk solids for baked food chocolate tend to have a stronger effect of suppressing discoloration by baking.
[0010]
The starch may be natural starch such as corn starch, potato starch, wheat starch, tapioca starch and the like, and may be wheat flour as a raw material thereof, and may be exemplified by pregelatinized starch, ether-crosslinked starch, phosphate-crosslinked starch and the like. It may be a modified starch. In the present invention, any of these starches may be used. In particular, natural starch is more preferable than wheat flour, processed starch is more preferable than natural starch, and pregelatinized starch is more preferable among processed starches.
[0011]
The use of starch exerts an effect of preventing the shape of the oily confectionery after baking, and the use amount of starch is suitably 2 to 20% by weight based on the total amount of chocolate for baked food. If it is less than 2% by weight, the effect of preventing shape loss is hardly exerted, and if it exceeds 20% by weight, the effect of preventing shape loss is sufficient, but it is difficult to form chocolates due to lack of cohesion with oil and fat components. The flavor of starch remains in the oil-based confectionery after baking, which has the effect of deteriorating the quality of chocolates.
[0012]
As fats and oils used in chocolates, so-called hard butters are suitable, and non-tempering type fats and oils such as trans-type hard butter and lauric hard butter having elaidic acid as a constituent fatty acid, cocoa butter, cocoa butter fat and the like. Tempering fats and oils can be used. In addition, processed fats and oils subjected to hardening, sorting, transesterification, etc. of fats and oils can be used. Raw materials, for example, rapeseed oil, soybean oil, sunflower seed oil, cottonseed oil, peanut oil, rice bran oil, corn oil, safflower oil, olive oil, kapok oil, sesame oil, evening primrose oil, palm oil, shea oil, monkey oil, cocoa butter, Vegetable oils and fats such as coconut oil and palm kernel oil, and processed oils and fats obtained by subjecting these oils to hardening, fractionation, and transesterification are exemplified.
[0013]
The fat content in chocolates is preferably from 27 to 40% by weight. When the fat content is less than 27% by weight, the fat content in the chocolates decreases, and it is difficult to produce chocolates. When the fat content exceeds 40% by weight, the fat content increases, and molding such as molding becomes difficult. Tend.
[0014]
The sugar content is preferably from 20 to 70% by weight. When the sugar content is less than 20%, the sweetness as chocolates is not sufficiently exhibited and the taste as chocolates is not satisfied, and when it exceeds 70% by weight, the sugar content in the chocolates becomes high. However, production as chocolates becomes difficult.
In addition, regarding the use of sugar, when a sugar having a high melting point is used as the crystalline sugar, the effect of suppressing stickiness after firing of the firing chocolates fired together with the baked confectionery can be enhanced. In particular, lactose is a sugar having a high melting point as a crystalline sugar. A suitable amount of lactose is 5 to 40% by weight based on 20 to 70% by weight of saccharide. This stickiness-preventing effect can suppress the adhesion of chocolates to bags when packaging products after firing.
[0015]
The chocolate for baked foods of the present invention is preferably made into chocolate having a non-tempering type characteristic using a trans-type hard butter. In the case of chocolate having tempering characteristics, when baked together with baked confectionery and cooled, the tempering operation cannot be performed, and bloom tends to occur in the chocolate. In the case of chocolate using a lauric hard butter, it is likely to be hydrolyzed to cause a soapy smell due to the moisture of the baked confectionery dough.
[0016]
The chocolates for baked foods of the present invention may exhibit various colors by adding coloring agents, flavors, and the like. The coloring agent used may be a natural coloring agent or a synthetic coloring agent, and the oil-based confectionery of the present invention, when baked in combination with baked confectionery dough, adds a coloring agent or the like to the current oil-based confectionery and combines it with the baked confectionery dough. It is possible to produce a baked food which is excellent in color and good in appearance as compared with baked food, and which has an aesthetic appearance.
[0017]
In order to produce the chocolates for baked foods of the present invention, it is necessary to produce the chocolates through a chocolate production process such as mixing, refining, conching and the like of the raw materials of the chocolates (oil, fat, sugar, starch, lactose, etc.). it can. The obtained chocolates can be molded into a shape conforming to the shape of the baked confectionery dough, placed on the baked confectionery dough before firing, kneaded, dispersed, and fired. The shape of the chocolates is arbitrary, and may be any of mold molding (there is no need to be tempered, but it is preferable to quench the mold after quenching), rod-shaped molding, sheet molding, chip by pellet jitter, or pellet molding.
[0018]
In order to manufacture bread or baked confectionery combining such chocolates for baked foods, the oil-based confectionery molded on the dough before baking of bread or baked confectionery obtained by blending raw materials in a conventional manner is placed, or It can be manufactured by kneading and dispersing and baking according to a conventional method.
[0019]
Non-fat cocoa solids contain cocoa powder, cocoa mass, etc., which have cacao tea-based pigments, which has a significant effect on the color of white oily confections, especially white chocolate. . Therefore, for the purpose of producing white chocolate, it is preferable that the non-fat cocoa solid content be suppressed to 5% by weight or less.
[0020]
The use of lactose exerts an effect of suppressing discoloration of chocolate after baking and stickiness on the surface, and it is possible to obtain chocolates for baking foods having good colors. Lactose is preferably used in an amount of 5 to 40% by weight based on chocolate for baked food. If it is less than 5% by weight, the effect of suppressing discoloration and stickiness on the surface after baking is weak, and if it exceeds 40% by weight, the oily confectionery after baking tends to be cracked and tend to have a gritty hard texture.
[0021]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but Examples of the present invention are not limited thereto. In addition,% display used hereinafter means weight%.
[0022]
<Test for confirming protein and ash content in non-fat milk solids (Tests 1 to 3)>
Test 1 to 3 shown in Table 2 (protein in non-fat milk solids, ash content, test 1: 0%, test 2: 4.4%, test 3: 4.6%) chocolate formulation, White chocolate was produced by a known method, and molded into a shape of 2 cm long, 2 cm wide and 5 mm thick by mold molding.
[0023]
The chocolate molded product prepared above was placed on a cookie dough prepared by a known method with a cookie composition shown in Table 1, and baked at 180 ° C on the upper heat and 180 ° C on the lower heat for 15 minutes. After baking, the mixture was allowed to stand at room temperature for 1 hour, and then visually observed for the degree of coloring and shape loss of the white chocolate. After baking, the mixture was allowed to stand at room temperature for 5 minutes, and then the surface of the white chocolate was touched with a finger to evaluate the degree of stickiness. In addition, the texture and the flavor after leaving at room temperature for 1 hour were also evaluated.
[0024]
[Table 1]
[0025]
As shown in Tests 1 to 3 in Table 3, the protein and ash content of non-fat milk solid content is 4.2% or less, and the protein and ash content of non-fat milk solid content is 4.2%. The degree of discoloration after baking was small and the color was good as compared with those exceeding.
[0026]
<Test for confirming the amount of starch used (Tests 4 to 7)>
Using the raw materials having the compositions of Tests 4 to 7 in Table 2, white chocolate and cookie dough were prepared by a known method in the same manner as in Tests 1 to 3 and Table 1, and baked. The firing was performed at 180 ° C. on the upper heat and 180 ° C. on the lower heat for 15 minutes. After firing, the degree of coloring, out of shape, texture, and flavor were evaluated in the same manner as in Tests 1 to 3. Table 3 shows the results.
[0027]
As is clear from the results of Tests 4 to 7 in Table 3, Tests 4, 5, and 7 did not lose their shape after baking, and had good baking resistance. However, Test 6 showed a slight deformation. Occurred and the firing resistance was poor. In Test 7, although the baking resistance was good, the net feeling and the taste of starch were conspicuous, and the quality was adversely affected. Therefore, 2 to 10% of starch is suitable.
[0028]
<Lactose consumption confirmation test (Tests 8-11)>
Using raw materials consisting of the blends of Tests 8 to 11 in Table 2, white chocolate and cookie dough were prepared and baked by a known method in the same manner as in Tests 1 to 7 and Table 1. The firing was performed at 180 ° C. on the upper heat and 180 ° C. on the lower heat for 15 minutes. After firing, the degree of stickiness, texture, and flavor were evaluated. Table 4 shows the results.
[0029]
As is clear from the results of Tests 8 to 11 in Table 4, Tests 8, 9, and 11 showed no stickiness on the surface of the white chocolate after baking, but Test 10 showed stickiness and easily formed. It was a property that collapsed. In Test 11, although no stickiness was observed after firing, cracking occurred and the commercial value was lost. Therefore, lactose is preferably 4 to 40%.
[0030]
<Test for confirming the usage of non-fat cocoa solids>
Using raw materials having the composition of Tests 12 and 13 in Table 2, white chocolate and cookies were prepared and baked in the same manner as in Tests 1 to 11 and Table 1 by a known method. The firing was performed at 180 ° C. on the upper heat and 180 ° C. on the lower heat for 15 minutes. After firing, the degree of stickiness, texture, flavor, and whiteness of white chocolate were evaluated. Table 4 shows the results.
[0031]
As is clear from the results of Tests 12 and 13 in Table 4, Test 12 was brownish due to the effect of non-fat cocoa solids, and the color of white chocolate was impaired, but Test 13 was slightly brownish. However, the commercial value has not been lost. Therefore, a non-fat cocoa solid content of 5% or less is suitable.
[0032]
[Table 2]
* Protein and ash content in non-fat milk solids: Test 2 (4.4%), Test 3 (4.6%)
* Non-fat cocoa solids content: Test 12 (5.2%), Test 13 (4.8%)
* Lecithin and spice indicate the amount added to chocolate.
* Vegetable oils and fats: Hardened palm oil (trade name "Melano H1000" (manufactured by Fuji Oil Co., Ltd.))
* Starch: pregelatinized starch [0033]
[Table 3]
[0034]
-Evaluation of coloring degree ◎: no browning ○: slight browning but no problem ×: clear browning (after firing, the degree of discoloration is greater than the surface of the cookie dough)
-Shape collapse evaluation ◎: No shape collapse △: Slight shape collapse ×: Shape collapse [0035]
[Table 4]
[0036]
-Stickiness evaluation ◎: non-sticky △: slightly sticky x: sticky (chocolate adheres to fingers)
-Texture and flavor evaluation ◎: Good texture and flavor △: Texture and flavor are slightly poor ×: Texture and flavor are poor ・ Whiteness of chocolate dough ◎: No change in color ○: Slightly brownish (with commercial value) )
×: No color as white chocolate [0037]
【The invention's effect】
As described above, baked food chocolates in which the non-fat milk solid content and starch are prepared within a certain range have good baking resistance characteristics that do not change color even when baked with bread dough or baked confectionery dough.