JP2004222406A - ワイヤハーネスのパネル取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランプを用いずにインパネハーネスをインパネに取り付ける。
【解決手段】ワイヤハーネスの配索位置にあたる上記パネルよりワイヤハーネス用の保持突起を間隔をあけて突設し、該保持突起は上記パネルの表面から突出させた支持板の先端に抜け止め頭部を備えた形状としている一方、該保持突起を設けた位置のワイヤハーネスの電線群は、長さ方向両側をテープ巻き結束すると共に、該両側テープ巻き結束部の間の電線群を第1群と第2群とに分割し、一方の電線群をテープ巻き結束した被保持部を設けておき、ワイヤハーネスの被保持部の第1群と第2群の隙間に上記保持突起を差し込み、該保持突起の支持板の上下面上で、上記第1群と第2群とを上記抜け止め頭部と上記パネル表面の隙間に保持する構成としている。
【選択図】 図4
【解決手段】ワイヤハーネスの配索位置にあたる上記パネルよりワイヤハーネス用の保持突起を間隔をあけて突設し、該保持突起は上記パネルの表面から突出させた支持板の先端に抜け止め頭部を備えた形状としている一方、該保持突起を設けた位置のワイヤハーネスの電線群は、長さ方向両側をテープ巻き結束すると共に、該両側テープ巻き結束部の間の電線群を第1群と第2群とに分割し、一方の電線群をテープ巻き結束した被保持部を設けておき、ワイヤハーネスの被保持部の第1群と第2群の隙間に上記保持突起を差し込み、該保持突起の支持板の上下面上で、上記第1群と第2群とを上記抜け止め頭部と上記パネル表面の隙間に保持する構成としている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスのパネル取付構造に関し、特に、インストルメントパネルにワイヤハーネスをクランプを用いずに取り付けるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車体パネルに沿って配索するワイヤハーネスはクランプを用いて車体パネルに固定している。この種のクランプとして、本出願人は特開平8−178131号において、図8に示すクランプ1を提供している。該クランプ1は平板状の基板部2から軸部3が突出し、該軸部3の先端部から両側に係止羽根部4を突設している。クランプ1の基板部2をインストルメントハーネスW/H等のワイヤハーネスにテープ巻き固定し、上記係止羽根部4を車体パネル5の貫通穴5aに挿入係止して、ワイヤハーネスを車体に固定している。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−178131号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インストルメントパネル(以下、インパネと略す)の内部に配索されるインパネハーネスには多数の支線が分岐され、狭いスペースのインパネ内に装着される多数の電装品と接続されるために、ワイヤハーネスは屈曲して配索され、クランプ取付箇所が非常に多数となる。このように、必要とするクランプが多数になると共に、ワイヤハーネスにクランプを取り付ける手数がかかり、コスト高いものになる問題がある。しかも、廃車時には、インパネからワイヤハーネスを取り除いて分別回収する必要があるが、クランプを介してパネルに強固に固定されているため、パネルからワイヤハーネスをを取り取り外しにくい等の問題がある。上記した問題は特にインパネ内部に配索するワイヤハーネスに発生する問題であるが、インパネに限らず、他のパネルに沿ってワイヤハーネスを配索する場合にも生じる問題である。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、クランプを用いること無く、ワイヤハーネスをインパネ等のパネルに沿って配索保持できるようにすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車に配索するワイヤハーネスをインストルメントパネルを含む樹脂製のパネルへ取り付ける構造であって、
上記ワイヤハーネスの配索位置にあたる上記パネルよりワイヤハーネス用の保持突起を間隔をあけて突設し、該保持突起は上記パネルの表面から突出させた支持板の先端に抜け止め頭部を備えた形状としている一方、
上記保持突起を設けた位置のワイヤハーネスの電線群は、長さ方向両側をテープ巻き結束すると共に、該両側テープ巻き結束部の間の電線群を第1群と第2群とに分割し、一方の電線群をテープ巻き結束した被保持部を設けておき、
上記ワイヤハーネスの被保持部の第1群と第2群の隙間に上記保持突起を差し込み、該保持突起の支持板の上下面上で、上記第1群と第2群とを上記抜け止め頭部と上記パネル表面の隙間に保持する構成としているワイヤハーネスのパネル取付構造を提供している。
【0007】
なお、上記保持突起によるワイヤハーネスのパネルへの取付は、従来用いられているクランプによるパネルヘの固定と並設しても良いし、インパネ内部に配索するインパネハーネスでは、クランプを併用せず、上記保持突起のみによりワイヤハーネスをインパネに取り付けることが好ましい。
【0008】
上記構成とすると、インパネ等の樹脂成形品からなるパネルに、予めワイヤハーネス取付用の上記保持突起を予め一体成形で突設しているため、ワイヤハーネスをパネルに取り付けるためのクランプ等の別部品を不要とすることができ、しかも、ワイヤハーネスをテープ巻きするだで被保持部を形成できるため、部品点数の削減とクランプをワイヤハーネスに取り付ける作業を省くことができ、大幅なコストダウンを図る事が出来る。また、被保持部の第1群と第2群の間に保持突起を差し込んでいくだけであるため、クランプをパネルの貫通穴に押し込む作業が必要であった従来と比較して、作業負担を軽くできる。しかも、廃車時にはワイヤハーネスをパネルより簡単に取り外すこともできる。
【0009】
上記保持突起によりパネルに取り付けるワイヤハーネスは水平方向に配索し、上記第1群と第2群とは上下に分離し、保持突起の支持板の上部側に配置する第1群を上記保持突起で支持することにより、ワイヤハーネスをパネルに取り付けることができる。
このように、ワイヤハーネスをパネルに沿って水平方向に配索する場合に好適に用いることができるが、ワイヤハーネスをパネルに沿って垂直方向あるいは斜め方向に配索する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0010】
上記パネルより突設する保持突起の抜け止め頭部は、先端側を縮径することが好ましく、該形状とすると、ワイヤハーネスの被保持部の第1群および第2群の隙間に保持突起を差し込み易くなる。
【0011】
上記パネルに突設する上記保持突起の間隔L1は、ワイヤハーネスに設ける被保持部の間隔L2よりも長い寸法とし、ワイヤハーネスを引っ張って被保持部を保持突起に合わせ、あるいは被保持部に挟まれたワイヤハーネスを回転させて捩りながら引っ張って、上記第1群と第2群との隙間に上記保持突起を差し込んで取り付けていることが好ましい。
上記のように、ワイヤハーネスを弛ませずに引っ張ると、被保持部の第1群及び第2群が上下方向より保持突起の支持板へ締まる方向に力がかかり、ワイヤハーネスが外れにくくなる。さらに、保持突起に取り付けられる被保持部に挟まれた部分のワイヤハーネスを回転させてワイヤハーネスを捩っておいても保持突起に対して上下より締まる力が働き、外れにくくすることが出来る。特に、捩りながら引っ張るとワイヤハーネスを保持突起より最も外れにくくすることができる。
【0012】
上記パネルに間隔をあけて突設する上記保持突起は、上方位置の保持突起と下方位置の保持突起とを交互に設けてもよい。
このように保持突起の高さ位置を異ならせると、上方位置の保持突起では下向きの力が作用し、下方位置の保持突起では上向きの力が作用して、ワイヤハーネスは保持突起に強固に保持することができる。
【0013】
さらに、上記保持突起をワイヤハーネスの配索経路に対して傾斜させて突設してもよい。
このように傾斜させると、配索経路から外れる保持突起の先端に第1群および第2群を引っ掛けることができ、ワイヤハーネスの被保持部を保持突起から外れにくくできる。
【0014】
本発明のワイヤハーネスのパネル取付構造は、パネルヘの取付箇所が多いインパネハーネスに最も好適に適用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態を示し、自動車のインパネ内面に沿って配索するインパネハーネスW/Hに適用している。
【0016】
インパネハーネスW/Hは、図2に示す第1サブハーネス10と第2サブハーネス11をテープ巻き結束してなるもので、第1サブハーネス10、第2サブハーネス11にそれぞれの電線群wの所要箇所にテープTを巻き付けて結束している。第1サブハーネス10には所要箇所の電線群wを若干屈曲させて屈曲部12を設け、該屈曲部12の長さ方向の略中央にテープT1を巻きしている。また、一方の屈曲部12aと他方の屈曲部12bとは反対方向に屈曲させている。
【0017】
インパネハーネスW/Hは上記第1サブハーネス10と第2サブハーネス11とを重ね、第1サブハーネス10の屈曲部12の両側にテープT2を巻き付けて結束している。この両側をテープT2で結束した部分を被保持部13としている。この被保持部13では、第1サブハーネス10の屈曲部12により形成される隙間Cを挟んで、第1サブハーネス10からなる第1群Aの電線群と第2サブハーネス11からなる第2群Bの電線群とに分離されている。
【0018】
上記インパネハーネスW/Hを取り付けるインパネ20の内面には、図3に示すワイヤハーネス取付用の保持突起21を所定間隔をあけて予め一体成形で突設している。これら保持突起21は支持板21aの先端に抜け止め頭部21bを設け、抜け止め頭部21bは先端に向かって縮径する台形状としている。
上記保持突起21は、所要間隔L1をあけて略同じ高さ位置に設け、図4(A)に示すように、インパネハーネスW/Hに設ける被保持部13の間隔L2よりも上記L1を長くしている。
【0019】
次に、上記インパネハーネスW/Hのインパネ20へ取り付ける方法について説明する。
まず、インパネハーネスW/Hの1つの被保持部13の隙間Cをインパネ20より突設した保持突起21を挿入し、支持板21aの上面に第1群Aを配置し、下面に第2群Bを配置し、それぞれ抜き止め頭部21bとインパネ20の表面の間で挟持する。
ついで、図4(B)に示すように、インパネハーネスW/Hを長さ方向に引っ張ると、図3(B)に示すように、隙間Cが締まり、保持突起21の支持板21aに対して上下両側より第1群Aと第2群Bが締まる方向に力が働く。
次いで、図4(C)に示すように、他の被保持部13の隙間Cにも保持突起21を差し込んで取り付けていく。このとき、保持突起21の間隔L1を被保持部13のL2よりも若干大きくしているので、インパネW/Hを長さ方向に引っ張りながら保持突起21に取り付けるため、いずれの保持突起21においても上下の第1群Aと第2群Bが支持板21aに対して上下より締め付けられ、インパネW/Hに保持突起12より抜け落ちることなく強固に取り付けられる。
【0020】
上記構成とすると、インパネハーネスW/Hをインパネ20に固定するために、クランプを不要とできるため低コストとなり、かつ、クランプをインパネハーネスに取り付ける作業も不要とできる。
【0021】
図5は第1実施形態の変形例を示し、インパネハーネスW/Hとインパネ20に突設する保持突起21は第1実施形態と同様としている。
図5(B)に示すように、インパネハーネスW/Hの1つの被保持部13に保持突起21を差し込んだ後、インパネハーネスW/Hを長さ方向に引っ張ると共に、180°ねじって、次の被保持部13を次ぎの保持突起21に取り付けている。
【0022】
上記構成とすると、インパネハーネスW/Hをねじることにより、インパネハーネスW/Hの被保持部13が締まる方向に力がかかるため、インパネハーネスW/Hをより確実にインパネ20に固定することができる。
なお、他の構成は上記第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0023】
図6は、本発明の第2実施形態を示し、インパネハーネスW/Hとインパネル20の保持突起21の形状は第1実施形態と同様としているが、保持突起21の高さを交互に変えて、上方に位置する保持突起21Aと下方に位置する保持突起21Bを設けている。
【0024】
第1実施形態と同様の方法でインパネハーネスW/Hを保持突起21A及び21Bに固定すると、保持突起21Aには被保持部13の上側の第1群Aが下方に引っ張られる一方、保持突起21Bは捩っているため、被保持部13の下側となる第1群Aが上方に引っ張られ、確実にインパネハーネスW/Hをインパネ20に取り付けることができる。
なお、他の構成は上記第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0025】
図7は、本発明の第3実施形態を示し、インパネハーネスW/Hとインパネル20の保持突起21’の形状は、第1実施形態と同様としているが、保持突起21’を、水平方向に配索するワイヤハーネスW/Hの配索経路に対して傾斜させている。
インパネハーネスW/Hを方向突起21’に固定する際には、インパネハーネスW/Hの被保持部13を保持突起21’に合わせて傾斜させて、保持突起21’を被保持部13に差し込み、差し込み後、被保持部13を水平方向に戻している。
【0026】
上記構成とすると、図7(C)に示すように、インパネハーネスW/Hを水平方向に戻す際に保持突起21’のエッジに引っ掛かけることができ、インパネハーネスW/Hをインパネ20より外れにくく出来る。
なお、他の構成は上記第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0027】
上記いずれの実施形態ともインパネハーネスに適用しているが、ドア内部に配索するドアハーネスを樹脂製のドアインーパネルに沿って配索する場合等にも適用することが出来る。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスを樹脂製のパネルに沿って配索する際、クランプを使用する必要がないため、低コスト化を図ることができる。かつ、ワイヤハーネスにテープ巻で形成している被保持部の隙間にパネルより突設した保持突起を差し込んでいくだけであるため、ワイヤハーネスのパネル取付作業を容易とでき、廃車時におけるワイヤハーネスの取り外し作業も簡単に行うことが出来る。
【0029】
また、ワイヤハーネスを引っ張ったり、ねじったりすることにより、さらに、車体パネルに突設する突起の高さ位置を相互に変えたり、突起を傾斜させたりすることによりワイヤハーネスをパネルに確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のインパネハーネスを示す図面である。
【図2】上記インパネハーネスの形成方法を示す図面である。
【図3】(A)(B)はインパネハーネスをインパネの保持突起に固定する方法を示す断面図である。
【図4】(A)〜(C)はインパネハーネスをインパネの保持突起に固定する過程を示す図面である。
【図5】(A)〜(C)は第1実施形態の変形例を示す図面である。
【図6】(A)(B)は本発明の第2実施形態を示す図面である。
【図7】(A)〜(C)は本発明の第3実施形態を示す図面である。
【図8】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 第1サブハーネス
11 第2サブハーネス
12 屈曲部
13 被保持部
20 インストルメントパネル(インパネ)
21 保持突起
W/H インストルメントハーネス(インパネハーネス)
A 第1群
B 第2群
C 隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスのパネル取付構造に関し、特に、インストルメントパネルにワイヤハーネスをクランプを用いずに取り付けるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車体パネルに沿って配索するワイヤハーネスはクランプを用いて車体パネルに固定している。この種のクランプとして、本出願人は特開平8−178131号において、図8に示すクランプ1を提供している。該クランプ1は平板状の基板部2から軸部3が突出し、該軸部3の先端部から両側に係止羽根部4を突設している。クランプ1の基板部2をインストルメントハーネスW/H等のワイヤハーネスにテープ巻き固定し、上記係止羽根部4を車体パネル5の貫通穴5aに挿入係止して、ワイヤハーネスを車体に固定している。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−178131号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インストルメントパネル(以下、インパネと略す)の内部に配索されるインパネハーネスには多数の支線が分岐され、狭いスペースのインパネ内に装着される多数の電装品と接続されるために、ワイヤハーネスは屈曲して配索され、クランプ取付箇所が非常に多数となる。このように、必要とするクランプが多数になると共に、ワイヤハーネスにクランプを取り付ける手数がかかり、コスト高いものになる問題がある。しかも、廃車時には、インパネからワイヤハーネスを取り除いて分別回収する必要があるが、クランプを介してパネルに強固に固定されているため、パネルからワイヤハーネスをを取り取り外しにくい等の問題がある。上記した問題は特にインパネ内部に配索するワイヤハーネスに発生する問題であるが、インパネに限らず、他のパネルに沿ってワイヤハーネスを配索する場合にも生じる問題である。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、クランプを用いること無く、ワイヤハーネスをインパネ等のパネルに沿って配索保持できるようにすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車に配索するワイヤハーネスをインストルメントパネルを含む樹脂製のパネルへ取り付ける構造であって、
上記ワイヤハーネスの配索位置にあたる上記パネルよりワイヤハーネス用の保持突起を間隔をあけて突設し、該保持突起は上記パネルの表面から突出させた支持板の先端に抜け止め頭部を備えた形状としている一方、
上記保持突起を設けた位置のワイヤハーネスの電線群は、長さ方向両側をテープ巻き結束すると共に、該両側テープ巻き結束部の間の電線群を第1群と第2群とに分割し、一方の電線群をテープ巻き結束した被保持部を設けておき、
上記ワイヤハーネスの被保持部の第1群と第2群の隙間に上記保持突起を差し込み、該保持突起の支持板の上下面上で、上記第1群と第2群とを上記抜け止め頭部と上記パネル表面の隙間に保持する構成としているワイヤハーネスのパネル取付構造を提供している。
【0007】
なお、上記保持突起によるワイヤハーネスのパネルへの取付は、従来用いられているクランプによるパネルヘの固定と並設しても良いし、インパネ内部に配索するインパネハーネスでは、クランプを併用せず、上記保持突起のみによりワイヤハーネスをインパネに取り付けることが好ましい。
【0008】
上記構成とすると、インパネ等の樹脂成形品からなるパネルに、予めワイヤハーネス取付用の上記保持突起を予め一体成形で突設しているため、ワイヤハーネスをパネルに取り付けるためのクランプ等の別部品を不要とすることができ、しかも、ワイヤハーネスをテープ巻きするだで被保持部を形成できるため、部品点数の削減とクランプをワイヤハーネスに取り付ける作業を省くことができ、大幅なコストダウンを図る事が出来る。また、被保持部の第1群と第2群の間に保持突起を差し込んでいくだけであるため、クランプをパネルの貫通穴に押し込む作業が必要であった従来と比較して、作業負担を軽くできる。しかも、廃車時にはワイヤハーネスをパネルより簡単に取り外すこともできる。
【0009】
上記保持突起によりパネルに取り付けるワイヤハーネスは水平方向に配索し、上記第1群と第2群とは上下に分離し、保持突起の支持板の上部側に配置する第1群を上記保持突起で支持することにより、ワイヤハーネスをパネルに取り付けることができる。
このように、ワイヤハーネスをパネルに沿って水平方向に配索する場合に好適に用いることができるが、ワイヤハーネスをパネルに沿って垂直方向あるいは斜め方向に配索する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0010】
上記パネルより突設する保持突起の抜け止め頭部は、先端側を縮径することが好ましく、該形状とすると、ワイヤハーネスの被保持部の第1群および第2群の隙間に保持突起を差し込み易くなる。
【0011】
上記パネルに突設する上記保持突起の間隔L1は、ワイヤハーネスに設ける被保持部の間隔L2よりも長い寸法とし、ワイヤハーネスを引っ張って被保持部を保持突起に合わせ、あるいは被保持部に挟まれたワイヤハーネスを回転させて捩りながら引っ張って、上記第1群と第2群との隙間に上記保持突起を差し込んで取り付けていることが好ましい。
上記のように、ワイヤハーネスを弛ませずに引っ張ると、被保持部の第1群及び第2群が上下方向より保持突起の支持板へ締まる方向に力がかかり、ワイヤハーネスが外れにくくなる。さらに、保持突起に取り付けられる被保持部に挟まれた部分のワイヤハーネスを回転させてワイヤハーネスを捩っておいても保持突起に対して上下より締まる力が働き、外れにくくすることが出来る。特に、捩りながら引っ張るとワイヤハーネスを保持突起より最も外れにくくすることができる。
【0012】
上記パネルに間隔をあけて突設する上記保持突起は、上方位置の保持突起と下方位置の保持突起とを交互に設けてもよい。
このように保持突起の高さ位置を異ならせると、上方位置の保持突起では下向きの力が作用し、下方位置の保持突起では上向きの力が作用して、ワイヤハーネスは保持突起に強固に保持することができる。
【0013】
さらに、上記保持突起をワイヤハーネスの配索経路に対して傾斜させて突設してもよい。
このように傾斜させると、配索経路から外れる保持突起の先端に第1群および第2群を引っ掛けることができ、ワイヤハーネスの被保持部を保持突起から外れにくくできる。
【0014】
本発明のワイヤハーネスのパネル取付構造は、パネルヘの取付箇所が多いインパネハーネスに最も好適に適用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態を示し、自動車のインパネ内面に沿って配索するインパネハーネスW/Hに適用している。
【0016】
インパネハーネスW/Hは、図2に示す第1サブハーネス10と第2サブハーネス11をテープ巻き結束してなるもので、第1サブハーネス10、第2サブハーネス11にそれぞれの電線群wの所要箇所にテープTを巻き付けて結束している。第1サブハーネス10には所要箇所の電線群wを若干屈曲させて屈曲部12を設け、該屈曲部12の長さ方向の略中央にテープT1を巻きしている。また、一方の屈曲部12aと他方の屈曲部12bとは反対方向に屈曲させている。
【0017】
インパネハーネスW/Hは上記第1サブハーネス10と第2サブハーネス11とを重ね、第1サブハーネス10の屈曲部12の両側にテープT2を巻き付けて結束している。この両側をテープT2で結束した部分を被保持部13としている。この被保持部13では、第1サブハーネス10の屈曲部12により形成される隙間Cを挟んで、第1サブハーネス10からなる第1群Aの電線群と第2サブハーネス11からなる第2群Bの電線群とに分離されている。
【0018】
上記インパネハーネスW/Hを取り付けるインパネ20の内面には、図3に示すワイヤハーネス取付用の保持突起21を所定間隔をあけて予め一体成形で突設している。これら保持突起21は支持板21aの先端に抜け止め頭部21bを設け、抜け止め頭部21bは先端に向かって縮径する台形状としている。
上記保持突起21は、所要間隔L1をあけて略同じ高さ位置に設け、図4(A)に示すように、インパネハーネスW/Hに設ける被保持部13の間隔L2よりも上記L1を長くしている。
【0019】
次に、上記インパネハーネスW/Hのインパネ20へ取り付ける方法について説明する。
まず、インパネハーネスW/Hの1つの被保持部13の隙間Cをインパネ20より突設した保持突起21を挿入し、支持板21aの上面に第1群Aを配置し、下面に第2群Bを配置し、それぞれ抜き止め頭部21bとインパネ20の表面の間で挟持する。
ついで、図4(B)に示すように、インパネハーネスW/Hを長さ方向に引っ張ると、図3(B)に示すように、隙間Cが締まり、保持突起21の支持板21aに対して上下両側より第1群Aと第2群Bが締まる方向に力が働く。
次いで、図4(C)に示すように、他の被保持部13の隙間Cにも保持突起21を差し込んで取り付けていく。このとき、保持突起21の間隔L1を被保持部13のL2よりも若干大きくしているので、インパネW/Hを長さ方向に引っ張りながら保持突起21に取り付けるため、いずれの保持突起21においても上下の第1群Aと第2群Bが支持板21aに対して上下より締め付けられ、インパネW/Hに保持突起12より抜け落ちることなく強固に取り付けられる。
【0020】
上記構成とすると、インパネハーネスW/Hをインパネ20に固定するために、クランプを不要とできるため低コストとなり、かつ、クランプをインパネハーネスに取り付ける作業も不要とできる。
【0021】
図5は第1実施形態の変形例を示し、インパネハーネスW/Hとインパネ20に突設する保持突起21は第1実施形態と同様としている。
図5(B)に示すように、インパネハーネスW/Hの1つの被保持部13に保持突起21を差し込んだ後、インパネハーネスW/Hを長さ方向に引っ張ると共に、180°ねじって、次の被保持部13を次ぎの保持突起21に取り付けている。
【0022】
上記構成とすると、インパネハーネスW/Hをねじることにより、インパネハーネスW/Hの被保持部13が締まる方向に力がかかるため、インパネハーネスW/Hをより確実にインパネ20に固定することができる。
なお、他の構成は上記第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0023】
図6は、本発明の第2実施形態を示し、インパネハーネスW/Hとインパネル20の保持突起21の形状は第1実施形態と同様としているが、保持突起21の高さを交互に変えて、上方に位置する保持突起21Aと下方に位置する保持突起21Bを設けている。
【0024】
第1実施形態と同様の方法でインパネハーネスW/Hを保持突起21A及び21Bに固定すると、保持突起21Aには被保持部13の上側の第1群Aが下方に引っ張られる一方、保持突起21Bは捩っているため、被保持部13の下側となる第1群Aが上方に引っ張られ、確実にインパネハーネスW/Hをインパネ20に取り付けることができる。
なお、他の構成は上記第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0025】
図7は、本発明の第3実施形態を示し、インパネハーネスW/Hとインパネル20の保持突起21’の形状は、第1実施形態と同様としているが、保持突起21’を、水平方向に配索するワイヤハーネスW/Hの配索経路に対して傾斜させている。
インパネハーネスW/Hを方向突起21’に固定する際には、インパネハーネスW/Hの被保持部13を保持突起21’に合わせて傾斜させて、保持突起21’を被保持部13に差し込み、差し込み後、被保持部13を水平方向に戻している。
【0026】
上記構成とすると、図7(C)に示すように、インパネハーネスW/Hを水平方向に戻す際に保持突起21’のエッジに引っ掛かけることができ、インパネハーネスW/Hをインパネ20より外れにくく出来る。
なお、他の構成は上記第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0027】
上記いずれの実施形態ともインパネハーネスに適用しているが、ドア内部に配索するドアハーネスを樹脂製のドアインーパネルに沿って配索する場合等にも適用することが出来る。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスを樹脂製のパネルに沿って配索する際、クランプを使用する必要がないため、低コスト化を図ることができる。かつ、ワイヤハーネスにテープ巻で形成している被保持部の隙間にパネルより突設した保持突起を差し込んでいくだけであるため、ワイヤハーネスのパネル取付作業を容易とでき、廃車時におけるワイヤハーネスの取り外し作業も簡単に行うことが出来る。
【0029】
また、ワイヤハーネスを引っ張ったり、ねじったりすることにより、さらに、車体パネルに突設する突起の高さ位置を相互に変えたり、突起を傾斜させたりすることによりワイヤハーネスをパネルに確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のインパネハーネスを示す図面である。
【図2】上記インパネハーネスの形成方法を示す図面である。
【図3】(A)(B)はインパネハーネスをインパネの保持突起に固定する方法を示す断面図である。
【図4】(A)〜(C)はインパネハーネスをインパネの保持突起に固定する過程を示す図面である。
【図5】(A)〜(C)は第1実施形態の変形例を示す図面である。
【図6】(A)(B)は本発明の第2実施形態を示す図面である。
【図7】(A)〜(C)は本発明の第3実施形態を示す図面である。
【図8】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 第1サブハーネス
11 第2サブハーネス
12 屈曲部
13 被保持部
20 インストルメントパネル(インパネ)
21 保持突起
W/H インストルメントハーネス(インパネハーネス)
A 第1群
B 第2群
C 隙間
Claims (4)
- 自動車に配索するワイヤハーネスをインストルメントパネルを含む樹脂製のパネルへ取り付ける構造であって、
上記ワイヤハーネスの配索位置にあたる上記パネルよりワイヤハーネス用の保持突起を間隔をあけて突設し、該保持突起は上記パネルの表面から突出させた支持板の先端に抜け止め頭部を備えた形状としている一方、
上記保持突起を設けた位置のワイヤハーネスの電線群は、長さ方向両側をテープ巻き結束すると共に、該両側テープ巻き結束部の間の電線群を第1群と第2群とに分割し、一方の電線群をテープ巻き結束した被保持部を設けておき、
上記ワイヤハーネスの被保持部の第1群と第2群の隙間に上記保持突起を差し込み、該保持突起の支持板の上下面上で、上記第1群と第2群とを上記抜け止め頭部と上記パネル表面の隙間に保持する構成としているワイヤハーネスのパネル取付構造。 - 上記保持突起によりパネルに取り付けるワイヤハーネスは水平方向に配索し、上記第1群と第2群とは上下に分離し、保持突起の支持板の上面側に配置する第1群を上記保持突起で支持することにより、ワイヤハーネスをパネルに取り付けている請求項1に記載のワイヤハーネスのパネル取付構造。
- 上記パネルに突設する上記保持突起の間隔L1は、ワイヤハーネスに設ける被保持部の間隔L2よりも長い寸法とし、ワイヤハーネスを引っ張って被保持部を保持突起に合わせ、あるいは被保持部に挟まれたワイヤハーネスを回転させて捩りながら引っ張って、上記第1群と第2群との隙間に上記保持突起を差し込んで取り付けている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスのパネル取付構造。
- 上記パネルに間隔をあけて突設する上記保持突起は、隣接する保持突起の上下高さ位置を異ならせて上記パネルより突設し、あるいは/および、ワイヤハーネスの配索経路に対して傾斜させて突設している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスのパネル取付構造。
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JP2011015466A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Yazaki Corp | 電気接続箱 |
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- 2003-01-14 JP JP2003006266A patent/JP2004222406A/ja not_active Withdrawn
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