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JP2004221263A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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JP2004221263A
JP2004221263A JP2003006078A JP2003006078A JP2004221263A JP 2004221263 A JP2004221263 A JP 2004221263A JP 2003006078 A JP2003006078 A JP 2003006078A JP 2003006078 A JP2003006078 A JP 2003006078A JP 2004221263 A JP2004221263 A JP 2004221263A
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silicon carbide
carbide layer
layer
contact hole
region
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Application number
JP2003006078A
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English (en)
Inventor
Kunimasa Takahashi
邦方 高橋
Osamu Kusumoto
修 楠本
Makoto Kitahata
真 北畠
Masao Uchida
正雄 内田
Masaya Yamashita
賢哉 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】電力損失が少なく、信頼性の高い半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板10の上に、p型のpウェル領域12およびn型のドリフト領域13を有する第1炭化珪素層11と、コンタクトホール15を有する第2炭化珪素層14とが設けられている。第2炭化珪素層14の端部と第1炭化珪素層11のうちその下に位置する部分とにはn型のコンタクト領域17が設けられている。蓄積型チャネル層16の上にはゲート絶縁膜19およびゲート電極20が設けられており、炭化珪素基板10の下面上にはドレイン電極21が設けられている。本発明では、コンタクトホール15がテーパー状になっており、その側面および下面の上にソース電極18が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素を用いた半導体装置に関し、特に、炭化珪素を用いた蓄積型MISFETに関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素(シリコンカーバイド、以下ではSiCと示す。)は、珪素(Si)と比較して、硬度が高く、バンドギャップが大きく、薬品にも犯されにくいという性質を有している。そのため、SiCは、次世代のパワーデバイスや高温動作デバイスなどへ応用できる半導体材料として期待されている。
【0003】
SiCは、立方晶系の3C−SiC、六方晶系の6H−SiCあるいは4H−SiCなど、多くのポリタイプに分類される。これらのポリタイプのうち、実用的なSiC半導体装置を作製するために一般的に使用されているのは、6H−SiCおよび4H−SiCである。6H−SiCおよび4H−SiCの基板としては、c軸の結晶軸に対して垂直な( 0 0 0 1 )面とほぼ一致する面を主面とするものが広く用いられている。
【0004】
SiCを用いた半導体装置では、SiC基板上に、活性領域として機能するエピタキシャル成長層が設けられている。このエピタキシャル成長層内には、素子の種類に応じて必要な領域が設けられている。例えば、FETであれば、エピタキシャル成長層内にソース・ドレイン領域やチャネル領域を設けることになる。
【0005】
ところで、MIS(金属/絶縁膜/半導体)型のFETのなかでは、熱酸化膜をゲート絶縁膜として用いるMOS(金属/酸化膜/半導体)型のFETが広く知られている。Si層を用いてMOSFETを形成する場合には、Si層の上部を熱酸化することによって、良好なゲート絶縁膜を得ることができる。
【0006】
それに対し、SiC層を用いてMOSFETを形成する場合には、SiC層の上部を熱酸化することによって良好なゲート絶縁膜を得ることは難しい。それは、SiC層の上に熱酸化膜を形成した場合には、熱酸化膜中に含まれるCが原因となって、SiC層と熱酸化膜との界面付近に界面準位が形成されてしまうからである。界面準位が形成されると、酸化膜の固定電荷によって電子がトラップされやすくなるため、チャネル層(反転層)における電子のチャネル移動度が非常に低い値となってしまう。
【0007】
以上のような問題を解決するために、SiC層を用いたパワーFETでは、蓄積型(アキミュレーション型)のMOSFET(ACCUFET)が広く採用されている。蓄積型のMOSFETでは、SiC層内に設けられたp型不純物ドープ層(p型ウェル領域)と、SiC層の上に設けられたゲート絶縁膜との間に、蓄積型チャネル層が形成されている。
【0008】
一般的に、蓄積型チャネル層を形成する方法としては、SiC層の上部に不純物イオンを注入することにより形成する第1の方法と、不純物およびSiCの原料を供給しながらエピタキシャル成長させることにより形成する第2の方法とがある。
【0009】
第1の方法では、SiC層内に、局所的に蓄積型チャネル層となる領域を形成することが可能である。しかしながら、蓄積型チャネル層では、イオン注入の際に結晶性が悪化するため電子の移動度が低くなってしまう。そのため、この方法で形成された半導体装置には大電流を流しにくい。
【0010】
一方、第2の方法では、結晶性の良好な蓄積型チャネル層を形成することが可能である。そのため、蓄積型チャネル層内における電子の移動度は非常に高く、この方法で形成された半導体装置には比較的容易に大電流を流すことができる。さらに、デルタドープ構造のような新規構造を採用することも可能である。
【0011】
以下に、第2の方法により形成した蓄積型MISFETの構造について、図7を参照しながら説明する。図7は、従来におけるSiCを用いた蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。
【0012】
図7に示すように、一般的なSiCの蓄積型MISFETでは、炭化珪素基板100の上に、第1炭化珪素層101が形成されている。
【0013】
そして、第1炭化珪素層101の上部の一部には、第2導電型(p型)の不純物を含むpウェル領域102が設けられており、第1炭化珪素層101のうちpウェル領域102を囲む領域には、第1導電型(n型)の不純物を含むドリフト層103が設けられている。
【0014】
第1炭化珪素層101のうち、ドリフト領域103の上から、互いに離間する2つのpウェル領域102の上には、コンタクトホール(溝)105を有する第2炭化珪素層104が設けられている。そして、第2炭化珪素層104のうち両端部を除く部分には、第1導電型の不純物を含む蓄積型チャネル層106が設けられている。そして、第2炭化珪素層104のうちの両端部から、第1炭化珪素層101のうち上記両端部の下に位置する部分に亘って、第1導電型の不純物を含むコンタクト領域107が設けられている。
【0015】
コンタクト領域107の上から、コンタクトホール105の下面に露出するpウェル領域102の上に亘って、第1のオーミック電極(ソース電極)108が設けられている。一般的に、パワーFETでは、p型ウェル領域102の電位を定めるために、ソース電極108を、コンタクト領域107およびp型ウェル領域102に接触させている。
【0016】
第2炭化珪素層104のうち蓄積型チャネル層106の上から、コンタクト領域107のうち蓄積型チャネル層106との境界に位置する部分の上に亘って、ゲート絶縁膜109が設けられている。ゲート絶縁膜109の上にはゲート電極110が設けられている。
【0017】
そして、炭化珪素基板100の主面と対向する面(下面)上には、第2オーミック電極(ドレイン電極)111が設けられている。
【0018】
第1炭化珪素層101の上に、局所的に蓄積型チャネル層106を形成するのは困難である。そのため、まず、ドリフト領域103およびp型ウェル領域102が形成されている第1炭化珪素層101の全上面を覆うように、第2炭化珪素層104を形成する。
【0019】
そして、第2炭化珪素層104のうちの一部と、pウェル領域102のうち上記一部の下に位置する部分とにイオン注入を行なうことにより、コンタクト領域107を形成する。その後、第2炭化珪素層104のうちソース領域Rsに位置する部分を除去することにより、コンタクト領域107を側面に露出して、p型ウェル領域102を下面に露出するコンタクトホール105を形成する。なお、第2炭化珪素層104のうち両端部を除く部分は蓄積型チャネル層106となる。その後、コンタクト領域107とp型ウェル領域102とに接するようにソース電極108を形成する。
【0020】
【特許文献】
特開2002−270839号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示すような従来の半導体装置においては、ソース電極108のオーミック特性が劣化してしまい、電力損失は無視できないほど大きくなってしまう。
【0022】
また、ソース電極108が剥がれたり、場合によっては断線するおそれも生じてしまう。
【0023】
これらの問題によって、素子の歩留まりが悪くなって生産性が低下したり、素子の信頼性が低下することが大きな問題となっていた。
【0024】
本発明では、上述のような不具合を解決する手段を講ずることにより、電力損失が少なく、信頼性の高い半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、半導体基板と、第1炭化珪素層と、上記第1炭化珪素層の上に設けられた第2炭化珪素層と、上記第2炭化珪素層の上に設けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、上記第1炭化珪素層のうち上記ゲート電極の側方の領域に設けられた第1導電型のウェル領域と、上記第1炭化珪素層のうち上記ウェル領域の側方および下方を囲む領域に設けられた第2導電型のドリフト領域と、上記第2炭化珪素層の少なくとも一部に設けられた第2導電型のチャネル領域と、上記第2炭化珪素層を貫通して上記ウェル領域に到達し、下方に向かって順テーパー状の側面を有するコンタクトホールと、上記コンタクトホールの側面から、上記コンタクトホールの底面に露出する上記ウェル領域の上に亘って設けられた第1オーミック電極と、上記半導体基板の下面上に設けられた第2オーミック電極とを備える。
【0026】
これにより、第1オーミック電極とコンタクトホールの側面の第2炭化珪素層との密着性が向上し、第1オーミック電極のオーミック特性が向上する。これにより、オン電流が向上する。、また、第1オーミック電極が良好なステップカバレッジで形成されることから、剥がれや断線等の問題が発生しにくくなり、歩留まりが向上する。
【0027】
上記コンタクトホールの側面のうちの少なくとも一部は、水平方向から10°以上75°以下の範囲内で傾いていることが好ましい。
【0028】
上記コンタクトホールは、プラズマを用いたエッチングにより形成されたことにより、テーパー状に成形されやすい。
【0029】
上記第2炭化珪素層は、チャネル層と、上記チャネル層と隣接し、上記チャネル層よりも高い第2不純物濃度を有するコンタクト領域の少なくとも一部とを有しており、上記コンタクトホールの上記側面には、上記コンタクト領域が露出していることにより、第1オーミック電極は、コンタクト領域の上層部よりも不純物濃度の高い中層部と接することができるので、より大きな値のオン電流を得ることができる。
【0030】
上記コンタクト層は、上記第2炭化珪素層および上記第1炭化珪素層に設けられており、上記コンタクトホールは、上記第1炭化珪素層の上面の位置よりも深いことにより、コンタクト領域と第1オーミック電極との接触面積が大きくなり、また、第1オーミック電極は、コンタクト領域のうちより高い不純物濃度を有する領域と接することができる。これにより、より大きな値のオン電流を得ることができる。
【0031】
上記コンタクト層は、上記第2炭化珪素層および上記第1炭化珪素層に設けられており、上記コンタクトホールは、上記コンタクト領域の底面の位置よりも深くてもよい。
【0032】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に、第2導電型の第1炭化珪素層を形成する工程(a)と、上記第1炭化珪素層の一部に第1導電型の不純物を注入することによりウェル領域を形成する工程(b)と、上記第1炭化珪素層の上に、第2導電型のチャネル層を有する第2炭化珪素層を形成する工程(c)と、上記第2炭化珪素層の上に、テーパー状の開口部を有するマスクパターンを形成する工程(d)と、上記マスクパターンをマスクとして、上記第2炭化珪素層を貫通して上記ウェル領域に到達するコンタクトホールを形成する工程(e)と、上記コンタクトホールの側面上から底面上に亘って第1オーミック電極を形成する工程(f)と、上記第2炭化珪素層の上記チャネル層の上に、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極を形成する工程(g)と、上記半導体基板の下面上に第2オーミック電極を形成する工程(h)とを含む。
【0033】
これにより、第1オーミック電極とコンタクトホールの側面の第2炭化珪素層との密着性が向上し、第1オーミック電極のオーミック特性を向上させることができる。また、第1オーミック電極が良好なステップカバレッジで形成されることから、剥がれや断線等の問題が発生しにくくなる。以上のことから、高い歩留まりで、高い値のオン電流を有する半導体装置を得ることができる。
【0034】
上記工程(d)では、プロキシミティ露光処理を行い、現像を行なうことにより上記マスクパターンを形成することにより、テーパー状のコンタクトホールを容易に形成することができる。
【0035】
上記工程(e)では、プラズマエッチングを行なうことにより、テーパー状のコンタクトホールを容易に形成することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、SiCを用いた蓄積型MISFETにおいて、ソース電極の下に位置するコンタクトホールの側面がテーパー角を有している場合について説明する。
【0037】
図1は、第1の実施形態におけるSiCの蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の蓄積型MISFETでは、炭化珪素基板10上に、第1炭化珪素層11と、第2炭化珪素層14とが設けられている。
【0038】
第2炭化珪素層14の上には、ゲート絶縁膜19を介してゲート電極20が設けられている。
【0039】
第1炭化珪素層11のうちゲート電極20の側方に位置する領域には、第1導電型(p型)の不純物を含むpウェル領域12が設けられており、第1炭化珪素層11のうちpウェル領域12の側方および下方を囲む領域には、第2導電型(n型)の不純物を含むドリフト領域13が設けられている。
【0040】
第2炭化珪素層14にはコンタクトホール15が設けられており、コンタクトホール15の下面上には、ウェル領域12が露出している。コンタクトホール15は、その側面がテーパー状になるように形成されており、下(深さ方向)に向かうにしたがって小さくなっている。コンタクトホール15の側面は、特に、水平方向から10度以上75度以下の範囲で傾いていることにより、本実施形態の効果を得ることができる。より好ましくは、コンタクトホール15の側面は水平方向から10度以上45度以下の範囲で傾いていることによって、より良好なステップカバレッジのオーミック電極を形成することが可能となる。
【0041】
第2炭化珪素層14のうちゲート絶縁膜19の下に位置する領域には、第2導電型の不純物を含む蓄積型チャネル層16が設けられている。第2炭化珪素層14の端部から、第1半導体層11のうち上記端部の下に位置する領域には、蓄積型チャネル層16よりも高い濃度の第2導電型の不純物を含むコンタクト領域17が設けられている。
【0042】
コンタクトホール15の側面に露出するコンタクト領域17の上からコンタクトホール15の底面に露出するpウェル領域12の上に亘って、第1のオーミック電極(ソース電極)18が設けられている。
【0043】
炭化珪素基板10の主面と対向する面(下面)上には、第2オーミック電極(ドレイン電極)21が設けられている。
【0044】
次に、本実施形態の蓄積型MISFETの製造方法について、図2(a)〜(e)を参照しながら説明する。図2(a)〜(e)は、第1の実施形態における蓄積型MISFETの製造工程を示す断面図である。
【0045】
まず、図2(a)に示す工程で、炭化珪素基板10を準備する。炭化珪素基板10としては、例えば、( 0 0 0 1 )面から[ 1 1 −2 0 ]( 1 1 2バー 0 )方向へ8度傾いてオフカットされた主面を有する、直径50mmの4H−炭化珪素基板を用いる。炭化珪素基板10には、キャリア濃度1×1018cm−3のn型不純物が含まれている。
【0046】
次に、CVD法によって、炭化珪素基板10の上に厚さ10μmの第1炭化珪素層11をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長は、n型不純物を供給しながら行なうため、第1炭化珪素層11は約5×1015cm−3のn型キャリア濃度を有している。
【0047】
続いて、第1炭化珪素層11の上にニッケル(Ni)からなる注入マスク23を形成する。この注入マスク23は、第1炭化珪素層11のうちpウェル領域12となる部分の上に開口部24を有している。そして、注入マスク23の上方から、第1炭化珪素層11に多段階のAlイオンの注入を行なう。その後、活性化アニールを行なうことにより、第1炭化珪素層11の上方の一部に、深さ2μmで1×1017cm−3のp型キャリア濃度を有するpウェル領域12を形成する。
【0048】
このとき、第1炭化珪素層11のうちpウェル領域12の側方および下方を囲む領域にはp型不純物が注入されないので、この工程の注入前の不純物濃度が保たれたドリフト領域13となる。その後、注入マスク23を除去する。
【0049】
次に、図2(b)に示す工程で、CVD法によって、第1炭化珪素層11の上に、厚さ300nmの第2炭化珪素層14をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長はn型不純物を供給しながら行なうため、第2炭化珪素層14は約5×1017cm−3のn型キャリア濃度を有している。
【0050】
続いて、第2炭化珪素層14の上に開口部25を有する注入マスク26を形成する。そして、注入マスク26の上方から、第2炭化珪素層14に窒素(N)のイオン注入を行なう。その後、活性化アニールを行なうことにより、第2炭化珪素層14の一部と、pウェル領域12のうち上記一部の下に位置する部分とに、深さ0.4μmでn型キャリア濃度が1×1018cm−3のコンタクト領域17を形成する。ここで、第2炭化珪素層14のうち2つのコンタクト領域17に挟まれる部分は、n型不純物濃度が保たれて蓄積型チャネル層16となる。その後、注入マスク26を除去する。
【0051】
なお、以上の処理工程では、注入マスク26の寸法を調整することによって、p型ウェル領域12の上に形成される蓄積型チャネル層16の幅を約10μmとする。
【0052】
次に、図2(c)に示す工程で、第2炭化珪素層14の上にフォトレジスト層(図示せず)を形成した後、プロキシミティー露光処理および現像を施すことにより、開口部28を有するマスクパターン27が形成される。この露光処理および現像を行なうと、開口部28の側面はテーパー状に形成され、開口部28は、下に向かって小さく形成される。
【0053】
次に、図2(d)に示す工程で、マスクパターン27(図2(c)に示す)をエッチングマスクとしてプラズマエッチングを行なう。これにより、第2炭化珪素層14のうちソース領域Rsに位置する部分を除去することにより、コンタクトホール15を形成する。コンタクトホール15の側面はテーパー状になる。コンタクトホール15は、第2炭化珪素層14を貫通して、第1炭化珪素層11におけるpウェル領域12の一部を露出させている。
【0054】
プラズマエッチングは、平行平板型のリアクティブイオンエッチング(RIE)装置を用いて、エッチングガスとしてCF を用い、ガス流量を10mL/minとし、RF電力を300Wとして、10分間のエッチング時間で行なった。この条件下では、SiC(第2炭化珪素層14)のエッチングレートは30nm/min.であり、フォトレジスト(マスクパターン27)のエッチングレートは80nm/min.であった。
【0055】
このように、マスクパターン27の深さ方向と横方向とのエッチング速度の相違を考慮した上で、開口部28の側面の傾斜を調整することにより、横方向(水平方向)からの傾きが約15°のコンタクトホール15がソース領域Rsに形成される。
【0056】
次に、図2(e)に示す工程で、温度1100℃で第2炭化珪素層14の上部を熱酸化することにより、第2炭化珪素層14のうち蓄積型チャネル層16の上からコンタクト領域17のうち蓄積型チャネル層16との境界に位置する部分の上に亘って、厚さ30nmのゲート絶縁膜19を形成する。
【0057】
続いて、電子ビーム(EB)蒸着装置を用いて、ソース領域Rsに位置するコンタクト領域17およびpウェル領域12の上に、厚さ200nmのAl/Niを蒸着する。続いて、炭化珪素基板10の裏面上に、厚さ200nmのNiを蒸着する。その後、加熱炉内で、基板を温度1000℃まで加熱することにより、ソース領域Rsに位置するコンタクト領域17およびpウェル領域12の上には、オーミック電極となるソース電極18を形成し、炭化珪素基板10の裏面上には、オーミック電極となるドレイン電極21を形成する。
【0058】
続いて、ゲート絶縁膜19の上に厚さ200nmのAlを蒸着して、ゲート電極20を形成する。以上の工程により、図1に示すような蓄積型MISFETが形成される。
【0059】
次に、本実施形態に係る蓄積型MISFETの電流電圧特性の測定結果について説明する。この測定では、本実施形態の蓄積型MISFETの性能を、従来の蓄積型MISFETの性能と比較して評価した。具体的には、これら2種類の蓄積型MISFETに、同じ値のゲート電極を印加したオン状態において、ドレイン電流(オン電流)を測定した。
【0060】
従来の蓄積型MISFETとしては、図7に示すような、ソース領域におけるコンタクトホールがテーパー角を有していないものを準備した。コンタクトホールの構造以外は、本実施形態の蓄積型MISFETと同一の条件とした。
【0061】
測定結果から、本実施形態の蓄積型MISFETでは、従来の蓄積型MISFETと比較してオン電流が約2倍以上増加することが判明した。さらに、素子の歩留まりも2倍以上向上することが確認された。その理由の考察について、以下に述べる。
【0062】
まず、従来の蓄積型MISFETでは、図7に示すように、ソース電極108がコンタクトホール105の側壁を構成する段差部を覆うように形成されている。すると、段差部の角におけるステップカバレッジが良好でないため、ソース電極108とコンタクトホール105の壁との密着性は部分的に悪化してしまう。密着性が悪化すると、ソース電極108のオーミック特性が劣化するために、ソース電極108とコンタクトホール105の壁との間に抵抗成分が生じてしまう。
【0063】
そして、コンタクト領域107では、イオン注入によって形成されているため、上部におけるドーパントの濃度は低くなっている。そのため、ソース電極108をコンタクト領域107の上面上および側面上に形成しても、良好なオーミック接触を得ることは困難であり、接触抵抗が大きくなってしまう。
【0064】
以上のように、従来の蓄積型MISFETでは、抵抗成分による電力損失は無視できないほど大きくなってしまい、オン電流が抑圧されてしまうと考えられる。
【0065】
これに対し、本実施形態の蓄積型MISFETでは、図1に示すように、コンタクトホール15の側面がテーパー角を有している。そのため、コンタクトホール15の段差部の角において、ソース電極18は良好なステップカバレッジで形成される。その結果、ソース電極18とコンタクトホール15の壁との密着性は向上し、ソース電極のオーミック特性も向上する。
【0066】
さらに、コンタクトホール15の側壁が、コンタクト領域17の上部から内部にかけて斜めに形成されている。そのため、コンタクトホール15の側壁上にソース電極18を形成すると、ソース電極18がコンタクト領域17の内部にも接するようになる。コンタクト領域17の内部では、上部と比較してドーパント濃度が高いことから、コンタクト領域17とソース電極18との界面での接触抵抗が低減される。
【0067】
これらの理由によって、本実施形態の蓄積型MISFETでは、高い電流密度のオン電流を流すことが可能となると考えられる。
【0068】
また、ソース電極18が良好なステップカバレッジで形成されることから、電極の剥がれや断線等の問題も発生しにくくなり、歩留まりが向上し、素子の信頼性も向上する。
【0069】
なお、本実施形態においては、蓄積型チャネル層16として、ドーパントがほぼ一様に分布するような層を形成した。しかし、本発明では、デルタドープ構造のドープ層を用いても効果が得られることを確認した。
【0070】
また、本実施形態においては、第2炭化珪素層14の両端部から第1炭化珪素層11のうち上記両端部の下に位置する領域にかけて、コンタクト領域17を形成した。しかし、本発明では、コンタクト領域17を形成しなくてもよい。図3は、第1の実施形態における半導体装置の変形例の構造を示す断面図である。図3に示すように、第2炭化珪素層14の両端部まで蓄積型チャネル層16が延びており、蓄積型チャネル層16を側壁とするコンタクトホール15が形成されることになる。この場合でも、コンタクトホール15の側面がテーパー角を有していると効果が得られることを確認した。また、蓄積型チャネル層16がデルタドープ構造である場合には、コンタクトホール15の側面にテーパー角を持たせることによって、ソース電極18とデルタドープ層における積層構造とが直接接するようになり、ソース電極18とコンタクトホール15との接触抵抗が低減されて、より電力損失が抑制されることを確認した。
【0071】
また、本実施形態においては、蓄積型MISFETのソース領域Rsにおけるコンタクトホール15の側面にテーパー角を持たせた。しかし、SiCを用いた蓄積型IGBTのソース領域におけるコンタクトホールの側面にテーパー角を持たせてもステップカバレッジを向上させることができる。
【0072】
また、本実施の形態においては、4H−SiCを炭化珪素基板10として用いたが、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いても、本発明の効果が発揮されることを確認した。
【0073】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、SiCを用いた蓄積型MISFETにおいて、ソース電極の下に位置するコンタクトホールがテーパー角を有しており、コンタクトホールの底面が第1炭化珪素層の表面より下に位置する場合について説明する。
【0074】
図4は、第2の実施形態におけるSiCの蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。図4に示すように、本実施形態の蓄積型MISFETでは、炭化珪素基板30上に、第1炭化珪素層31と、第2炭化珪素層34とが設けられている。
【0075】
第2炭化珪素層34の上には、ゲート絶縁膜39を介してゲート電極40が設けられている。
【0076】
第1炭化珪素層31のうちゲート電極40の側方に位置する領域には、第1導電型(p型)の不純物を含むpウェル領域32が設けられており、第1炭化珪素層31のうちpウェル領域32の側方および下方を囲む領域には、第2導電型(n型)の不純物を含むドリフト領域33が設けられている。
【0077】
本実施形態のうちで第1の実施形態と異なのは、コンタクトホール35が、第2炭化珪素層34を貫通して、さらに第1炭化珪素層33のうちのpウェル領域32の上部を除去することにより設けられている点である。コンタクトホール35は、その側面がテーパー状になるように形成されており、下に向かうにしたがって小さくなっている。コンタクトホール35の側面は、特に、水平方向から10度〜75度の範囲で傾いていることにより、本実施形態の効果を得ることができる。
【0078】
第2炭化珪素層34のうちゲート絶縁膜39の下に位置する領域には、第2導電型の不純物を含む蓄積型チャネル層36が設けられている。第2炭化珪素層34のうちの端部から、第1炭化珪素層31のうち上記両端部の下に位置する領域には、蓄積型チャネル層36よりも高い濃度の第2導電型の不純物を含むコンタクト領域37が設けられている。
【0079】
コンタクトホール35の側面に露出するコンタクト領域37の上からコンタクトホール35の底面に露出するpウェル領域32の上に亘って、第1のオーミック電極(ソース電極)38が設けられている。
【0080】
炭化珪素基板30の主面と対向する面(下面)上には、第2オーミック電極(ドレイン電極)41が設けられている。
【0081】
次に、本実施形態の蓄積型MISFETの製造方法について、図5(a)〜(f)を参照しながら説明する。図5(a)〜(f)は、第2の実施形態における蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。
【0082】
まず、図5(a)に示す工程で、炭化珪素基板30を準備する。炭化珪素基板30としては、例えば、( 0 0 0 1 )面から[ 1 1 −2 0 ]( 1 1 2バー 0 )方向へ8度傾いてオフカットされた主面を有する、直径50mmの4H−炭化珪素基板を用いる。炭化珪素基板30の導電型はn型であり、炭化珪素基板30にはキャリア濃度1×1018cm−3のn型不純物が含まれている。
【0083】
次に、CVD法によって、炭化珪素基板30の上に厚さ10μmの第1炭化珪素層31をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長はn型不純物を供給しながら行なうため、第1炭化珪素層31は約5×1015cm−3のn型キャリア濃度を有している。
【0084】
続いて、第1炭化珪素層31の上に、ニッケル(Ni)からなる注入マスク43を形成する。この注入マスク43は、第1炭化珪素層31のうちpウェル領域32となる部分の上に開口部44を有している。そして、注入マスク43の上方から、第1炭化珪素層31に多段階のAlイオンの注入を行なう。その後、活性化アニールを行なうことにより、第1炭化珪素層の上方の一部に、深さ2μmで1×1017cm−3のp型キャリア濃度を有するpウェル領域32を形成する。
【0085】
このとき、第1炭化珪素層31のうちpウェル領域32を囲む領域にはp型不純物が注入されないので、この工程の注入前の不純物濃度が保たれたドリフト領域33となる。その後、注入マスク43を除去する。
【0086】
次に、図5(b)に示す工程で、CVD法によって、第1炭化珪素層31の上に厚さ300nmの第2炭化珪素層34をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長はn型不純物を供給しながら行なうため、第2炭化珪素層34は約5×1017cm−3のn型キャリア濃度を有している。
【0087】
続いて、第2炭化珪素層34の上に、開口部45を有する注入マスク46を形成する。そして、注入マスク46の上方から第2炭化珪素層34に窒素(N)のイオン注入を行なう。その後、活性化アニールを行なうことにより、第2炭化珪素層34の一部と、pウェル領域32のうち上記一部の下に位置する部分とに、深さ0.4μmでn型キャリア濃度が1×1018cm−3のコンタクト領域37を形成する。ここで、第2炭化珪素層34のうち2つのコンタクト領域37に挟まれる部分は、n型不純物濃度が保たれて蓄積型チャネル層36となる。その後、注入マスク46を除去する。
【0088】
なお、以上の処理工程では、注入マスク46の寸法を調整することによって、p型ウェル領域32の上に形成される蓄積型チャネル層36の幅を約10μmとする。
【0089】
次に、図5(c)に示す工程で、第2炭化珪素層34の上にフォトレジスト層(図示せず)を形成し、露光および現像を施すことにより、開口部48を有するマスクパターン47を形成する。本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、マスクパターン47に故意にはテーパー角を設けないが、形成されるコンタクトホール35の側面はテーパー角を有するようになる。それについて、以下に説明する。
【0090】
図5(d)に示すように、プラズマエッチングを進めると、第2炭化珪素層34のうち開口部48に露出する部分がエッチングされていくのと並行して、マスクパターン47も除去されていく。プラズマエッチングは等方的に進行するため、マスクパターン47の端部49が除去されていき、第2炭化珪素層34のうち端部49の下に位置する部分が露出していく。このとき、第2炭化珪素層34のうちエッチング途中で露出した領域では、第2炭化珪素層34のうちエッチング開始時から露出していた領域と比較してエッチング時間が短いため、深さが浅くなる。その結果、エッチングの進行する面はテーパー角を有するようになる。
【0091】
プラズマエッチングは、第2炭化珪素層34を貫通して第1炭化珪素層31のうち深さ100nmまでの領域を除去するまで行なうことにより、図5(e)に示すようなコンタクトホール35を形成する。ここで、コンタクトホール35の底面の高さと、コンタクト領域37の下面の高さとをほぼ一致させる。コンタクトホール37の側面は、水平方向から30度の角度を有している。
【0092】
プラズマエッチングは、平行平板型のリアクティブイオンエッチング(RIE)装置を用いて、エッチングガスとしてCF を用い、ガス流量を10mL/minとし、RF電力を150Wとして、45分間のエッチング時間で行った。この条件下では、SiC(第2炭化珪素層34)のエッチングレートは10nm/min.であり、フォトレジスト(マスクパターン37)のエッチングレートは40nm/min.であった。
【0093】
プラズマエッチングを行なう際には、RF電力を、第1の実施形態の場合の300Wと比較して小さな値に設定した。それは、RF電力を小さくすると、フォトレジスト(マスクパターン37)のエッチングレートよりもSiC(第2炭化珪素層34)のエッチングレートの方が大きく減少し、マスクパターン37と第2炭化珪素層34とのエッチングレートの比(エッチング選択比)が大きくなり、コンタクトホール35がテーパー形状に形成されやすくなるためである。
【0094】
次に、図5(f)に示す工程で、温度1100℃で第2炭化珪素層34の上部を熱酸化することにより、第2炭化珪素層34のうち蓄積型チャネル層36の上からコンタクト領域37のうち蓄積型チャネル層36との境界に位置する部分の上に亘って、厚さ30nmのゲート絶縁膜39を形成する。
【0095】
続いて、電子ビーム(EB)蒸着装置を用いて、ソース領域Rsに位置するコンタクト領域37およびpウェル領域32の上に、厚さ200nmのAl/Niを蒸着する。続いて、炭化珪素基板30の裏面上に、厚さ200nmのNiを蒸着する。その後、加熱炉内で、基板を温度1000℃まで加熱することにより、ソース領域Rsに位置するコンタクト領域37およびpウェル領域32の上には、オーミック電極となるソース電極38を形成し、炭化珪素基板30の裏面上には、オーミック電極となるドレイン電極41を形成する。
【0096】
続いて、ゲート絶縁膜39の上に、厚さ200nmのAlを蒸着してゲート電極40を形成する。以上の工程により蓄積型MISFETが形成される。
【0097】
次に、本実施形態に係る蓄積型MISFETの電流電圧特性の測定結果について説明する。この測定では、本実施形態の蓄積型MISFETの性能を、従来の蓄積型MISFETの性能と比較して評価した。具体的には、これら2種類の蓄積型MISFETに、同じ値のゲート電極を印加したオン状態において、ドレイン電流(オン電流)を測定した。
【0098】
従来の蓄積型MISFETとしては、図7に示すような、ソース領域におけるコンタクトホールがテーパー角を有していないものを準備した。なお、本実施形態のコンタクトホール35が第1炭化珪素層31の上部を除去して形成されているのに対し、従来のコンタクトホールは第1炭化珪素層の上部を除去せずに第2炭化珪素層を除去することにより形成されている。コンタクトホールの構造以外は、本実施形態の蓄積型MISFETと同一の条件とした。
【0099】
測定結果から、本実施形態の蓄積型MISFETでは、従来の蓄積型MISFETと比較してオン電流が約3倍以上増加することが判明した。さらに、素子の歩留まりも約2倍程度向上することが確認された。その理由の考察について、以下に述べる。
【0100】
まず、従来の蓄積型MISFETでは、図7に示すように、ソース電極108は、コンタクトホール105の側壁を構成する段差部を覆うように形成されている。すると、段差部の角におけるステップカバレッジが良好でないため、ソース電極108とコンタクトホール105の壁との密着性は部分的に悪化してしまう。密着性が悪化すると、ソース電極108のオーミック特性が劣化するために、ソース電極108とコンタクトホール105の壁との間に抵抗成分が生じてしまう。
【0101】
そして、コンタクト領域107では、イオン注入によって形成されているため、上部におけるドーパントの濃度は低くなっている。そのため、ソース電極108を、コンタクト領域107の上面上および鉛直方向に形成された側面上に形成しても、良好なオーミック接触を得ることは困難であり、接触抵抗が大きくなってしまう。
【0102】
以上のように、従来の蓄積型MISFETでは、抵抗成分による電力損失は無視できないほど大きくなってしまい、オン電流が抑圧されてしまうと考えられる。
【0103】
これに対し、本実施形態の蓄積型MISFETでは、図4に示すように、コンタクトホール35の側面がテーパー角を有している。そのため、コンタクトホール35の段差部の角において、ソース電極38は良好なステップカバレッジで形成される。その結果、ソース電極38とコンタクトホール35の壁との密着性は向上し、ソース電極のオーミック特性も向上する。
【0104】
さらに、コンタクトホール35の側壁が、コンタクト領域37の上部から内部にかけて斜めに形成されている。そのため、コンタクトホール35の側壁上にソース電極38を形成すると、ソース電極38がコンタクト領域37の内部にも接するようになる。コンタクト領域37の内部では、上部と比較してドーパント濃度が高いことから、コンタクト領域37とソース電極38との界面での接触抵抗が低減される。
【0105】
また、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、コンタクト領域37とソース電極38との接触面積が大きくなる。そして、コンタクトホール35の深さもより深くなるので、ソース電極38は、コンタクト領域37のうちより高い不純物濃度を有する領域と接することができる。これらのことから、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、より大きな値のオン電流を得ることができると考えられる。
【0106】
また、本実施形態の蓄積型MISFETでは、ソース電極38は、良好なステップカバレッジでコンタクトホール35の壁の上に形成される。そのため、電極の剥がれや断線等の問題も発生しにくくなり、歩留まりが向上し、素子の信頼性も向上する。
【0107】
なお、本実施形態においては、蓄積型チャネル層36として、ドーパントがほぼ一様に分布するような層を形成した。しかし、本発明では、デルタドープ構造のドープ層を用いても効果が得られることを確認した。
【0108】
また、本実施形態においては、第2炭化珪素層34の両端部にイオン注入を行なうことによりコンタクト領域37を形成した。しかし、本発明では、コンタクト領域37を形成しなくてもよい。具体的にいうと、第2炭化珪素層34の両端部まで蓄積型チャネル層36が延びており、蓄積型チャネル層36を側壁とするコンタクトホール35が形成されることになる。この場合でも、コンタクトホール35の側面がテーパー角を有していると、効果が得られることを確認した。また、蓄積型チャネル層36がデルタドープ構造である場合には、コンタクトホール35の側面にテーパー角を持たせることによって、ソース電極38とデルタドープ層における積層構造とが直接接するようになり、ソース電極38とコンタクトホール35の側面との接触抵抗が低減されて電力損失がより抑制されることを確認した。
【0109】
また、本実施形態においては、蓄積型MISFETのソース領域Rsにおけるコンタクトホール35の側面にテーパー角を持たせた。しかし、SiCを用いた蓄積型IGBTのソース領域におけるコンタクトホールの側面にテーパー角を持たせてもステップカバレッジを向上させることができる
また、本実施の形態においては、4H−SiCを炭化珪素基板30として用いたが、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いても、本発明の効果が発揮されることを確認した。
【0110】
また、本実施形態においては、コンタクトホール35の底面の高さをコンタクト領域37の底面の高さと一致させた。しかしながら、本発明では、図6に示すように、コンタクトホール51の底面の高さがコンタクト領域34の底面の高さよりも下に形成されていてもよい。図6は、第2の実施形態におけるSiCの蓄積型MISFETの変形例の構造を示す断面図である。なお、図6に示す構造のうちコンタクトホール51の深さ以外は図4に示した構造と同様であるので、説明を省略する。この場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0111】
【発明の効果】
本発明では、コンタクトホールの側面をテーパー状にすることにより、ソース電極と炭化珪素層との間に良好なオーミック特性を実現することができ、高い電流密度のドレイン電流を流すことができる炭化珪素の蓄積型MISFETを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるSiCの蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、第1の実施形態の蓄積型MISFETの製造工程を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態における半導体装置の変形例の構造を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態におけるSiCの蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。
【図5】(a)〜(f)は、第2の実施形態における蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。
【図6】第2の実施形態におけるSiCの蓄積型MISFETの変形例の構造を示す断面図である。
【図7】従来におけるSiCを用いた蓄積型MISFETの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 炭化珪素基板
11 第1炭化珪素層
12 pウェル領域
13 ドリフト領域
14 第2炭化珪素層
15 コンタクトホール
16 蓄積型チャネル層
17 コンタクト領域
18 ソース電極
19 ゲート絶縁膜
20 ゲート電極
21 ドレイン電極
23 注入マスク
24 開口部
25 開口部
26 注入マスク
27 マスクパターン
28 開口部
30 炭化珪素基板
31 第1炭化珪素層
32 pウェル
33 ドリフト領域
34 第2炭化珪素層
35 コンタクトホール
36 蓄積型チャネル層
37 コンタクト領域
38 ソース電極
39 ゲート絶縁膜
40 ゲート電極
41 ドレイン電極
43 注入マスク
44 開口部
45 開口部
46 注入マスク
47 マスクパターン
48 開口部
49 端部
51 コンタクトホール

Claims (9)

  1. 半導体基板と、
    第1炭化珪素層と、
    上記第1炭化珪素層の上に設けられた第2炭化珪素層と、
    上記第2炭化珪素層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    上記第1炭化珪素層のうち上記ゲート電極の側方の領域に設けられた第1導電型のウェル領域と、
    上記第1炭化珪素層のうち上記ウェル領域の側方および下方を囲む領域に設けられた第2導電型のドリフト領域と、
    上記第2炭化珪素層の少なくとも一部に設けられた第2導電型のチャネル領域と
    上記第2炭化珪素層を貫通して上記ウェル領域に到達し、下方に向かって順テーパー状の側面を有するコンタクトホールと、
    上記コンタクトホールの側面から、上記コンタクトホールの底面に露出する上記ウェル領域の上に亘って設けられた第1オーミック電極と、
    上記半導体基板の下面上に設けられた第2オーミック電極と
    を備える半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記コンタクトホールの側面のうちの少なくとも一部は、水平方向から10°以上75°以下の範囲内で傾いていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置において、
    上記コンタクトホールは、プラズマを用いたエッチングにより形成されたことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記第2炭化珪素層は、チャネル層と、上記チャネル層と隣接し、上記チャネル層よりも高い第2不純物濃度を有するコンタクト領域の少なくとも一部とを有しており、
    上記コンタクトホールの上記側面には、上記コンタクト領域が露出していることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置において、
    上記コンタクト層は、上記第2炭化珪素層および上記第1炭化珪素層に設けられており、
    上記コンタクトホールは、上記第1炭化珪素層の上面の位置よりも深いことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置において、
    上記コンタクト層は、上記第2炭化珪素層および上記第1炭化珪素層に設けられており、
    上記コンタクトホールは、上記コンタクト領域の底面の位置よりも深いことを特徴とする半導体装置。
  7. 半導体基板の上に、第2導電型の第1炭化珪素層を形成する工程(a)と、
    上記第1炭化珪素層の一部に第1導電型の不純物を注入することによりウェル領域を形成する工程(b)と、
    上記第1炭化珪素層の上に、第2導電型のチャネル層を有する第2炭化珪素層を形成する工程(c)と、
    上記第2炭化珪素層の上に、テーパー状の開口部を有するマスクパターンを形成する工程(d)と、
    上記マスクパターンをマスクとして、上記第2炭化珪素層を貫通して上記ウェル領域に到達するコンタクトホールを形成する工程(e)と、
    上記コンタクトホールの側面上から底面上に亘って第1オーミック電極を形成する工程(f)と、
    上記第2炭化珪素層の上記チャネル層の上に、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極を形成する工程(g)と、
    上記半導体基板の下面上に第2オーミック電極を形成する工程(h)と
    を含む半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(d)では、プロキシミティ露光処理を行い、現像を行なうことにより上記マスクパターンを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(e)では、プラズマエッチングを行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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