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JP2004218208A - スライム処理方法およびスライム処理装置 - Google Patents

スライム処理方法およびスライム処理装置 Download PDF

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JP2004218208A
JP2004218208A JP2003003931A JP2003003931A JP2004218208A JP 2004218208 A JP2004218208 A JP 2004218208A JP 2003003931 A JP2003003931 A JP 2003003931A JP 2003003931 A JP2003003931 A JP 2003003931A JP 2004218208 A JP2004218208 A JP 2004218208A
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Abstract

【課題】水中サンドポンプ周回域での撹拌水流を強化することにより、スライム処理作業の効率向上をはかる。
【解決手段】縦軸型の水中サンドポンプ12を基体とするスライム処理装置10を、安定液38の注入、充填された削孔40の孔底40a付近に、その懸吊のもとで挿入、配置し、下部域撹拌手段14による下部域撹拌水流を、水中サンドポンプの下部域に発生させるとともに、水中サンドポンプとは別駆動のプロペラ式水中撹拌機16による略指向性の斜動下降流を、周回域撹拌水流として水中サンドポンプ周回域に発生させる。そして、孔底40aに沈積するスライムを、この下部域、および周回域の各撹拌水流に乗せて安定液中で浮遊させるとともに、この浮遊したスライムを、安定液38と共に水中サンドポンプ12で吸い上げることによって削孔外に排出、除去する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、削孔の孔底に沈積したスライムを、水中サンドポンプによって除去するスライム処理方法およびスライム処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アースドリル工法等の場所打ち杭工法における、安定液を使用する削孔に当たっては、削孔の際に発生するスライムが孔底に沈殿し堆積することが避けられない。そして、孔底に沈積したスライムは、場所打ち杭、あるいは孔壁の支持力自体を低下させる原因となるため、通常は、水中サンドポンプ等を使用して、このスライムを削孔外に排出、除去することが行われている。
【0003】
このような、スライムの除去処理を目的とした装置としては、たとえば、特許第3323988号公報に開示の構成等がよく知られている。
【0004】
一般的な水中サンドポンプを利用した、この、いわゆるスライム処理用サンドポンプにおいては、水中サンドポンプの駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に、下向きの水流を発生させるプロペラスクリューが設けられている。そして、その下部に位置する下部水流方向ガイド板により振り分けられた水平放射方向、および垂直下方向の水流での、水中サンドポンプの下部域、およびその周回域双方の撹拌による孔底のスライムの浮遊強制により、水中サンドポンプでのスライムの吸い込み、吸い上げを容易にするものとして、このスライム処理用サンドポンプは構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この前出の特許第3323988号公報にも開示されているプロペラスクリューは、市販の水中サンドポンプにも採用されている一般的なものであり、このプロペラスクリューによる水流が、平面下で見た水中サンドポンプ下部域において孔底のスライムに直接的に当たることから、このプロペラスクリューによる安定液の撹拌が、スライムの浮遊強制に十分な効果を発揮するものとして知られている。
【0006】
しかしながら、このプロペラスクリューによる水流は、水中サンドポンプ下部域のスライムを、局部的に粉砕、浮遊させるにすぎないため、スライムの除去処理を目的とするその使用においては、処理対象範囲の狭いことに起因する作業効率の低下が避けられないものとなる。そこで、前出の特許第3323988号公報に開示の構成は、このプロペラスクリューによる下向きの水流を下部水流方向ガイド板によって水平放射方向と垂直下方向とに振り分け、これによって、水中サンドポンプの下部域に加え、その周回域をも同時に撹拌するものとして具体化されている。
【0007】
ここで、孔底のスライムを除去するに当たっては、そのスライムに撹拌水流を直接的に当てることでまずそれを粉砕し、この粉砕されたスライムをその撹拌水流に乗せて強制的に浮遊させることが効果的であるといわれている。しかしながら、この公知の構成における、水中サンドポンプ周回域での撹拌水流は、下部水流方向ガイド板によって振り分けられた水平放射方向に向かう分岐水流にすぎないため、その周回域の孔底に沈積するスライムを粉砕することは困難であるといわざるを得ない。
【0008】
そして、この水流の発生源となるプロペラスクリューは、水中サンドポンプの回転駆動軸を利用したものであり、それにより発生される水流は比較的弱いものであるため、広範囲となる水中サンドポンプ周回域を撹拌する水流としても十分であるとはいい難い。
【0009】
特に、この種の、水中サンドポンプを使用した装置によるスライム処理作業は、その装置の設置箇所を、削孔内で順次変えながら行うため、対象とできる処理範囲が狭いと、その設置箇所の増加に起因する作業効率の低下が避けられない。そして、これが、孔底径の拡大された拡底孔であった場合、その作業効率の低下は顕著であり、また、拡底孔においては、孔底周縁部に撹拌水流を届かせることが容易でないため、拡底孔への適応性にも劣るといわざるを得ない。
【0010】
また、この公知の構成においては、プロペラスクリューによる下向きの水流を水平放射方向と垂直下方向とに振り分けているため、水中サンドポンプの周回域に撹拌水流を分岐できる半面、その下部域における撹拌水流の弱化を伴うことも否定できない。
【0011】
この発明は、水中サンドポンプ周回域での撹拌水流を強化することにより、スライム処理作業の効率向上をはかるスライム処理方法およびスライム処理装置の提供を目的としている。
【0012】
また、水中サンドポンプ周回域での撹拌水流の強化に加えて、その下部域における撹拌水流の弱化を防止可能とするスライム処理方法およびスライム処理装置の提供を、この発明の別の目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、この発明の請求項1に係るスライム処理方法によれば、縦軸型の水中サンドポンプを基体とするスライム処理装置を、安定液の注入、充填された削孔の孔底付近に、その懸吊のもとで挿入、配置し、下部域撹拌手段による所定の下部域撹拌水流を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に発生させるとともに、水中サンドポンプとは別駆動の、周回域撹拌手段となるプロペラ式水中撹拌機による、少なくとも孔底方向に向かう略指向性の斜動下降流を、周回域撹拌水流として、平面下で見た水中サンドポンプの周回域に、下部域撹拌水流とは別に発生させる。そして、孔底に沈積するスライムを、この下部域、および周回域の各撹拌水流に乗せて安定液中で浮遊させるとともに、この浮遊したスライムを、安定液と共に水中サンドポンプで吸い上げることによってそれを削孔外に排出、除去するものとしている。
【0014】
また、この発明の請求項2においては、下部域撹拌水流が下向きの略指向性下降流として具体化されているとともに、この発明の請求項3においては、下部域撹拌水流が特定方向での渦巻き流として具体化されている。
【0015】
さらに、この発明の請求項4においては、プロペラ式水中撹拌機により発生された水流を分岐水路によって分岐し、この分岐された水流を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に引き込むことにより、この、プロペラ式水中撹拌機からの分岐水流を、水中サンドポンプの下部域撹拌水流とするものとして具体化されている。
【0016】
そして、この発明の請求項5においては、下部域撹拌水流となる下向きの略指向性下降流を、その下方に配置した整流手段の底部整流板により垂下流と内部循環流とに振り分け、その直下のスライムを、底部整流板の通過孔を介して底部整流板の下方に流動した垂下流により粉砕するとともに、底部整流板に衝突して反射された内部循環流に乗せて、この底部整流板下方に浮遊するスライムを底部整流板周縁の隙間から底部整流板上方に吸い上げることにより、この、水中ポンプ下部域のスライムを、水中サンドポンプの下面吸込口から吸い込み、吸い上げるものとして、このスライム処理方法が具体化されている。
【0017】
また、この発明の請求項6に係るスライム処理装置は、その基体となる縦軸型の水中サンドポンプと、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に、所定の下部域撹拌水流を発生させる下部域撹拌手段と、平面下で見た水中サンドポンプの周回域での、少なくとも孔底方向に向かう略指向性の斜動下降流を、周回域撹拌水流として、この水中サンドポンプの周回域に下部域撹拌水流とは別に発生させる、水中サンドポンプとは別駆動のプロペラ式水中撹拌機とを具備している。そして、下部域撹拌手段、およびプロペラ式水中撹拌機により発生された各域の撹拌水流に乗せて、孔底付近に沈積したスライムを安定液中で浮遊させ、この浮遊したスライムを、安定液と共に水中サンドポンプで吸い上げることによって削孔外に排出、除去可能とするものとして、この発明のスライム処理装置は構成されている。
【0018】
さらに、この発明の請求項7においては、プロペラ式水中撹拌機が、平面下で見た水中サンドポンプの軸心周りで、垂直方向と水平方向との間での上下角度調整を可能に配設、支持されたものとして具体化されるとともに、この発明の請求項8においては、このプロペラ式水中撹拌機が、水流の送出される送出側に、略筒状の水流ガイドを一体的に有するものとして具体化されている。
【0019】
そして、この発明の請求項9においては、水中サンドポンプが、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に取り付けられたプロペラスクリューを、その下面吸込口の下部に有してなり、このプロペラスクリューにより発生される下向きの略指向性下降流を、下部域撹拌水流として水中サンドポンプの下部域に発生させるものとして具体化されている。
【0020】
さらに、この発明の請求項10においては、水中サンドポンプが、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に取り付けられた、渦巻き流の発生される撹拌翼を、少なくともその下面吸込口の下部に有してなり、この撹拌翼により発生される所定方向の渦巻き流を、下部域撹拌水流として水中サンドポンプの下部域に発生させるものとして具体化されている。
【0021】
また、この発明の請求項11においては、プロペラ式水中撹拌機により発生された水流を分岐可能とする分岐水路の入口端が、プロペラ式水中撹拌機の送出側に配設され、この分岐水路の出口端を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に配置することにより、このプロペラ式水中撹拌機を下部域撹拌手段として兼用可能としている。
【0022】
さらに、この発明の請求項12においては、水中サンドポンプが、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に取り付けられたプロペラスクリューを、その下面吸込口の下部に有してなり、このプロペラスクリューにより発生される下向きの略指向性下降流を、下部域撹拌水流として水中サンドポンプの下部域に発生させるものとして具体化されている。そして、このプロペラスクリューを概略的に包囲する位置からその下方に延びて配設された、中空の円錐体としてなるスカート状本体と、プロペラスクリューによる略指向性下降流の一部を垂下流として取り出す通過孔を有することで、この略指向性下降流を垂下流、および内部循環流に振り分け可能に形成されるとともに、その周囲に適当な隙間を設けた状態で、スカート状本体の下部位置に配設、固定された底部整流板と、スカート状本体の周縁端から底部整流板の下方に、適当な間隔を持って一体的に垂下された複数の離間周縁爪とを備えてなる整流手段により、プロペラスクリューからの略指向性下降流を適宜整流可能とするものとして、この発明の請求項12に係るスライム処理装置はさらに具体化されている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1、図2に示すように、この発明に係るスライム処理装置10においては、縦軸型の水中サンドポンプ12がその基体として使用され、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に所定の下部域撹拌水流を発生させる下部域撹拌手段14と、平面下で見た水中サンドポンプの周回域に所定の周回域撹拌水流を発生させるプロペラ式水中撹拌機16とをこの水中サンドポンプの特定箇所に組み合わせたものとして、この発明のスライム処理装置は構成されている。
【0025】
基体となる水中サンドポンプ12としては、市販の、いわゆる縦軸型の電動水中サンドポンプ、たとえば「株式会社桜川ポンプ製作所製のHS形水中ポンプ」、詳細には「形式 HS−430B」等が利用できる。
【0026】
図1を見るとわかるように、この機種の特徴としては、たとえば、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に、安定液の撹拌を目的とした撹拌羽根18を設けた点が挙げられる。そして、この実施の形態においては、この撹拌羽根18を、たとえば、略指向性水流を下方に向けて発生可能とするプロペラスクリューとすることで、このプロペラスクリュー、つまりは撹拌羽根を、水中サンドポンプ下部域に所定撹拌水流を発生させる、この発明における下部域撹拌手段14として利用するものとしている。
【0027】
なお、この種の水中サンドポンプ12におけるプロペラスクリュー(撹拌羽根)18は、下面吸込口20と周面吸込口22とを有する吸込部24の下方に延出して配設され、その周りは、たとえば格子状の保護枠26により保護されている。
【0028】
そして、この発明において使用する水中サンドポンプ12としては、上述した市販のものがそれに何等手を加えることなく利用できるため、この水中サンドポンプ自体に対する詳細な説明は、ここでは省略するものとする。
【0029】
図1、図2に示すように、この発明においては、この下部域撹拌手段14となるプロペラスクリュー18に加えて、略指向性水流を発生可能とする、少なくとも単数、たとえば2機のプロペラ式水中撹拌機16が、水中サンドポンプ12の平面下で見た軸線周り、たとえばその外形周りに、周回域撹拌手段として配設されている。
【0030】
このプロペラ式水中撹拌機16としては市販品、たとえば「株式会社桜川ポンプ製作所製の水中撹拌機」、詳しくは「形式 SA−250」等が利用できる。
【0031】
このプロペラ式水中撹拌機16は、水流の送出方向を略相対方向として、水中サンドポンプ12の、平面下での略点対称位置にそれぞれ配設され、それによる水流の向きは、垂直方向と水平方向との間の下方角度、つまり、孔底方向への水流の確保可能な斜め下方として設定されている。
【0032】
そして、この発明の実施の形態においては、このプロペラ式水中撹拌機16が、たとえばアジャストブラケット28により、この垂直方向と水平方向との間での上下角度調整を可能に支持されている。
【0033】
アジャストブラケット28は、たとえば、上面の開口された略コ字形状部を有して形成され、水中サンドポンプ12に対して一体的に固定されている。そして、このアジャストブラケット28の対向側壁28a間にプロペラ式水中撹拌機16が配置され、これを、図1に示すように、回動支点となる枢支ピン30により回動自在に支持するとともに、その後部に位置する固定用連結ピン、たとえばボルト32を、対向側壁の円弧状ガイド孔34に挿通配置することにより、このプロペラ式水中撹拌機はアジャストブラケットに対して取り付けられている。
【0034】
この構成においては、円弧状ガイド孔34に対するボルト(固定用連結ピン)32の締結解除により、枢支ピン30を支点としたプロペラ式水中撹拌機16の上下回動、つまりは角度調整が得られるとともに、円弧状ガイド孔に対するボルトの締結により、その角度設定が任意に可能となる。
【0035】
なお、ここで示したアジャストブラケット28、およびこれに対する枢支ピン30、ボルト32の組み合わせは、プロペラ式水中撹拌機16を上下角度調整可能に支持するための手段の一例にすぎず、これに限定されるものではない。
【0036】
また、このプロペラ式水中撹拌機16は、水中サンドポンプ12とは別の自己の駆動源(モータ)を有した、いわゆる別駆動のものであるため、水中サンドポンプ12の持つ能力(出力)に捉われることのない出力選択が可能となる。つまり、その状況等に応じた能力のものを、プロペラ式水中撹拌機16として任意に選択することが容易に可能となる。
【0037】
なお、このプロペラ式水中撹拌機16を、水中サンドポンプ12の作動に連動する同期作動式とすることが、その操作性の点から好ましい。
【0038】
そして、この実施の形態においては、このプロペラ式水中撹拌機16が、これにより発生、送出される水流の向きを安定化させるための水流ガイド36を有している。この水流ガイド36は、たとえば略筒状に形成され、プロペラ式水中撹拌機16の水流の送出される送出側に一体的に固定されている。
【0039】
上述したスライム処理装置10を用いた、この発明におけるスライム処理方法を、ここで以下に説明する。
【0040】
このスライム処理装置10は、安定液38の注入、充填された削孔40の底部付近に、たとえばクレーン等によるその懸吊のもとで挿入、配置される。そして、水中サンドポンプ12の作動に伴って、プロペラスクリュー18を回転駆動させるとともに、この作動に、たとえば同期させて、プロペラ式水中撹拌機16を駆動させる。
【0041】
プロペラスクリュー18の回転駆動のもとでは、図1中に実線で示すような略指向性下降流が、水中サンドポンプ12の、平面下で見たその下部域(A部)に発生される。この略指向性下降流は、底孔40aの対応箇所に直接的に当てられる。そして、その略指向性下降流の衝突により粉砕されたスライムは、その後、この略指向性下降流を主とした安定液38の流動に乗りながら浮遊し、その流れは、水中サンドポンプの下面吸込口20、あるいは周面吸込口22に自ずと導かれるため、この水中サンドポンプ12による安定液の吸い込み、吸い上げにより、この浮遊したスライムは、安定液38と共に配水管42を介して削孔40外に排出、除去される。
【0042】
また、プロペラ式水中撹拌機16の駆動のもとでは、図1、および図2中に破線で示すような斜動下降流が、平面下で見た水中サンドポンプ12の周回域(B部)に発生される。この周回域での斜動下降流は、孔底40a、および周壁40b方向に向かって流動しており、この実施の形態における配置向きのもとでは、この斜動下降流が、一方では孔底から周壁を経て上下方向で旋回するように(図1参照)、また他方では周壁に沿ってその周方向に旋回するように(図2参照)、それぞれ流動するため、斜動下降流の衝突により粉砕されたスライムは、この斜動下降流を主とした安定液38の流動に乗りながら浮遊される。そして、上述した略指向性下降流での場合と同様に、この浮遊したスライムを、安定液38と共に水中サンドポンプの下面吸込口20、あるいは側面吸込口22から吸い込み、吸い上げることによって、周回域におけるスライムの排出、除去が行われる(図1参照)。
【0043】
上記のように、この発明のスライム処理方法においては、水中サンドポンプ12周りに配した、水中サンドポンプとは別駆動のプロペラ式水中撹拌機16による斜動下降流を、平面下で見た、少なくとも水中サンドポンプ周回域(図中B部)に、その下部域に発生される下部域撹拌水流とは別の周回域撹拌水流として別途発生させている。そして、この周回域撹拌水流を、孔底40a、および周壁40bの方向に向けた略指向性の斜動下降流としているため、水中サンドポンプ周回域での孔底における水流の直接的な衝突により、この水中サンドポンプ周回域での沈積スライムの粉砕、浮遊が効率よく、かつ確実に可能となる。
【0044】
つまり、水中サンドポンプ12の回転駆動軸を利用したプロペラスクリューのみでの撹拌と異なり、この発明の方法によれば、より強力な周回域撹拌水流を水中サンドポンプ12の周回域に発生させることが容易に可能となるため、その処理効率、および処理の確実性の向上が十分にはかられる。
【0045】
そして、この発明においては、プロペラ式水中撹拌機16による斜動下降流を周回域撹拌水流としているため、より遠方への撹拌水流の到達が容易、かつ確実に見込まれる。従って、その処理対象範囲が確実に拡大される。
【0046】
さらに、この発明においては、プロペラスクリュー18による略指向性下降流のもとで、水中サンドポンプ12の下部域を撹拌するため、この水中サンドポンプ下部域における沈積スライムの粉砕、浮遊が適切に確保できるばかりでなく、このプロペラスクリューによる略指向性下降流の弱化が伴われないことから、周回域ばかりでなく、この下部域における処理効率、および処理の確実性も向上される。
【0047】
従って、この発明によれば、処理効率、および処理の確実性の向上、ならびにスライムの処理対象範囲の拡大化が十分、かつ容易に確保可能となる。そして、確実性の高いこの処理対象範囲の拡大化により、削孔40内での水中サンドポンプ12、つまりスライム処理装置10の設置箇所の削減がはかられるため、その作業効率も確実に向上され、これによる作業時間の短縮も容易に確保可能となる。
【0048】
また、上述したように、この発明においては、プロペラ式水中撹拌機16による斜動下降流を周回域撹拌水流とすることで、より遠方への撹拌水流の到達を得ているため、孔底径の拡大された拡底孔の周縁に対する撹拌も十分に可能となることから、拡底孔への適応性が確実に向上される。
【0049】
そして、この発明のスライム処理装置10によれば、基体となる縦軸形の水中サンドポンプ12周りに、プロペラ式水中撹拌機16を配設すれば足りるため、上記スライム処理方法が適切に遂行可能となる装置が、その構成の複雑化等を伴うことなく容易に確保可能となる。
【0050】
さらに、プロペラ式水中撹拌機16は、水中サンドポンプ12との別駆動であるため、水中サンドポンプの持つ能力(出力)に捉われることのない出力選択が可能となる。つまり、その状況等に応じた能力のものを、プロペラ式水中撹拌機16として任意に選択することが容易に可能となるため、その汎用性が確実に向上される。
【0051】
ここで、この発明の実施の形態においては、プロペラ式水中撹拌機16が、2機として具体化されている。しかし、水中サンドポンプ12の周回域に斜動下降流を発生可能とすれば足りるため、これに限定されず、たとえば単数、あるいは3機以上の複数を、プロペラ式水中撹拌機16の搭載数として採用してよい。
【0052】
また、この実施の形態においては、プロペラ式水中撹拌機16を水中サンドポンプ12の外形周りに配設しているが、このプロペラ式水中撹拌機の配設位置は、平面下で見た水中サンドポンプの軸線周りであれば足りるため、この外形周りに限定されず、たとえば、図3に示すような、水中サンドポンプの上部に位置する配水管42周り等に、プロペラ式水中撹拌機を配設する構成としてもよい。
【0053】
このような、水中サンドポンプ12上部の配水管42周りにプロペラ式水中撹拌機16を配設すれば、スライム処理装置10としての総外径が抑制できるため、このスライム処理装置の小径化、つまりは小型化が十分にはかられる。
【0054】
また、この実施の形態においては、プロペラ式水中撹拌機16がアジャストブラケット28によってその上下方向での角度調整を可能に支持されているが、垂直方向と水平方向との間の斜動下降流を発生可能とすれば足りるため、これに限定されず、たとえば、角度調整の不能な固定式として、このプロペラ式水中撹拌機を設けてもよい。
【0055】
しかしながら、この実施の形態のように、その上下角度を調整可能とすれば、周回域撹拌水流の向きが、削孔径や拡底孔か否か等の作業条件に応じて適宜調整、設定できるため、その適応性が一層向上される。
【0056】
なお、この実施の形態においては、プロペラ式水中撹拌機16が、その上下方向のみでの回動の可能な構成として具体化されている。しかし、これに加えて、その左右方向(水平方向)での角度調整を可能に、このプロペラ式水中撹拌機を構成してもよい。
【0057】
また、この実施の形態においては、このプロペラ式水中撹拌機16に水流ガイド36が設けられているが、これに限定されず、この水流ガイドの省略された形態として、プロペラ式水中撹拌機を形成してもよい。
【0058】
しかしながら、このような水流ガイド36を設けることにより、このプロペラ式水中撹拌機16により発生、送出される水流の方向性は安定化され、また、この水流の安定化により、その到達距離を伸ばすことが十分に可能となるため、この水流ガイドを設けることにより、プロペラ式水中撹拌機16の機能性を十分に高く維持することが可能となる。
【0059】
さらに、この発明の実施の形態においては、略指向性下降流を発生可能とするプロペラスクリュー18を、下部域撹拌手段14となる攪拌羽根として具体化している。しかし、平面下で見た水中サンドポンプ12の下部域に下部域撹拌水流を発生させれば足りるため、このプロペラスクリュー18に代えて、たとえば、渦巻き流の発生される撹拌翼を、攪拌羽根として水中サンドポンプの回転駆動軸に設ける構成としてもよい。
【0060】
このような構成においては、攪拌翼による渦巻き流が、下部域撹拌水流として水中サンドポンプ12の下部域に発生される。そして、この渦巻き流が水中サンドポンプ12の下部域全域を円滑に撹拌するため、プロペラスクリュー18とはまた違った撹拌効果を得ることが、この構成においては十分に可能となる。
【0061】
なお、前出のプロペラスクリュー18とこの攪拌翼とでは、その羽根形状が異なるのみであり、スライム処理装置10として全体的な構成は図1等に示すものとほぼ変わりないため、この攪拌翼の設けられたスライム処理装置の詳細な図示は省略するものとする。
【0062】
また、この実施の形態においては、水中サンドポンプ12を攪拌羽根付きの構成として具体化している。しかし、この攪拌羽根付きのものに限定されず、このような攪拌羽根を持たないタイプの水中サンドポンプを基体としても、この発明のスライム処理装置10は構成できる。
【0063】
この場合、水中サンドポンプ12の下部域に下部域撹拌水流を発生させる下部域撹拌手段14をこの水中サンドポンプからの別駆動部材として設ける必要があるが、この別駆動の下部域撹拌手段として、たとえばプロペラ式水中撹拌機16を利用することも可能である。
【0064】
図4を見るとわかるように、この構成においては、プロペラ式水中撹拌機16により発生された水流を、ホース等の分岐水路44によって水中サンドポンプ12の下部域に引き込むことで、この下部域における水流、つまり下部域撹拌水流を確保することが可能となる。たとえば、ホース等の分岐水路44の入口端44aが、プロペラ式水中撹拌機16の送出側に、その水流を受動可能とする位置に開口を向けて配置される。そして、この分岐水路の出口端44bを、平面下で見た水中サンドポンプ12の下部域、たとえば保護枠26の内部に配置することにより、プロペラ式水中撹拌機16からの水流を水中サンドポンプの下部域に引き込み可能とする分岐水路44が形成されている。
【0065】
この構成によれば、水中サンドポンプ12自身が撹拌羽根を持たなくとも、水中サンドポンプ12の下部域における水流、つまり下部域撹拌水流を確保することが可能となる。つまり、水中サンドポンプ12における攪拌羽根の有無を問うことなく、この発明のスライム処理装置10は確保できる。
【0066】
そして、この分岐水路44での引き込みによる下部撹拌水流の向きは、分岐水路の出口端44bの開口向きによって種々変えられる。つまり、出口端44bの開口向きによって下降流、渦巻き流のいずれもが容易に確保可能となる。
【0067】
なお、ここで図示した分岐水路44は、プロペラ式水中撹拌機16を下部域撹拌手段14として利用する構成の一例にすぎず、これに限定されるものではない。
【0068】
また、水中サンドポンプ12の下部域に下部域撹拌水流を発生させれば足りるため、このプロペラ式水中撹拌機16に限定されず、たとえば他の攪拌機等を下部域撹拌手段14として利用することによって、この水中サンドポンプの下部域に下部域撹拌水流を発生させる構成としてもよい。しかしながら、この実施の形態のように、プロペラ式水中撹拌機16からの水流を分岐水路44によって水中サンドポンプ12の下部域に引き込めば、個別の攪拌機等を要することなく下部域撹拌水流が得られるため、攪拌羽根を持たないタイプの水中サンドポンプを基体とする場合の構成の簡素化が確実にはかられる。
【0069】
ところで、図1に示すように、略指向性下降流を発生可能とするプロペラスクリュー18を、下部域撹拌手段14となる撹拌羽根として使用する場合においては、図5ないし図7に示すような整流手段46によってその水流を整流してもよい。
【0070】
図5を見るとわかるように、この整流手段46は、たとえば、固定リング48による保護枠26への上端の固定のもとで、プロペラスクリュー18を概略的に包囲する位置からその下方に延びて配設された、中空の円錐体としてなるスカート状本体50をベースとしてなり、このスカート状本体の下部位置に、底部整流板52が配設されている。
【0071】
図5ないし図7を見るとわかるように、この底部整流板52は、プロペラスクリュー18による略指向性下降流の一部を垂下流として取り出す通過孔54を、たとえばその中央部に有して形成され、その周囲に適当な隙間56を設けた状態で、スカート状本体50の下部位置に、たとえば支持プレート58の架設、固定のもとで配設、支持されている。
【0072】
そして、この整流手段46においては、スカート状本体50の周縁端50aから底部整流板52の下方に、適当な間隔を持って一体的に垂下された複数の離間周縁爪60が設けられている。
【0073】
図5に示すように、このような構成の整流手段46においては、プロペラスクリュー18による下向きの略指向性下降流が、その下方に配置した底部整流板52により、通過孔54を通過した垂下流と、この通過孔以外の部分において反射した内部循環流とに振り分けられる。
【0074】
この通過孔54を通過した垂下流は、その直下のスライムに当たり、これを粉砕する。そして、その垂下流は、孔底40aへの衝突後、略放射方向に分散しながら、底部整流板52の下方位置を撹拌する。
【0075】
また、この通過孔54を通過しなかった略指向性下降流の残りは、底部整流板52での反射により、内部循環流としてスカート状本体50内を循環する。この内部循環流は、その循環の際に、底部整流板下方の水流を、底部整流板周縁の隙間56から吸い上げてこの循環に巻き込む特性を有することから、底部整流板52の下方において浮遊するスライムは、この内部循環流により底部整流板周縁の隙間からその上部に吸い上げられる。また、この内部循環流に巻き込まれる水流は、底部整流板52の下方のみに限定されず、離間周縁爪60間の隙間62を介して、その離間周縁爪外方からの水流をも吸い込むものとなっている。
【0076】
このように、整流手段46によって整流された下部域撹拌水流であれば、下部域の撹拌のみならず、その水流に乗せたスライムの浮遊、吸い込みが円滑、かつ確実に可能となる。つまり、水中サンドポンプ12の下部域におけるスライムの吸い込み性能が、この構成によれば確実に向上され、従って、下部域における処理の確実性が一層向上される。
【0077】
ここで、この構成においては、スカート状本体50の下端周縁端50aから底部整流板52の下方に、適当な間隔を持って一体的に垂下された複数の離間周縁爪60が設けられている。この離間周縁爪60を設けることによって、この間の隙間62から、その外周部のスライムを、その内部のスライムと共にスカート状本体50内に引き込むことが可能となるため、下部域撹拌水流による水中サンドポンプ下部域の処理対象範囲が確実に拡張可能となる。
【0078】
そして、この離間周縁爪60は、底部整流板52の下方に延びているため、この離間周縁爪が、孔底40aからの特定高さで底部整流板を保持するための、いわゆるスペーサとしても機能することから、この離間周縁爪を設けることによって、その整流作用の確保も容易となる。
【0079】
なお、この実施の形態においては、底部整流板52の下部に配した支持プレート58によって、この底部整流板をスカート状本体50に対して連結、支持可能としているが、これに限定されず、たとえば、スカート状本体の上部付近から吊るような形態として、この底部整流板を支持してもよい。しかしながら、この実施の形態のように、支持プレート58を利用すれば、底部整流板52の上部、つまりスカート状本体50内に水流の障害物となる突起等を存在させることなく、この底部整流板の支持、固定が可能となることから、その機能性が確実に向上される。そして、この支持プレート58であれば、離間周縁爪60と共に、整流手段46、つまりはスライム処理装置10の脚部としても機能するため、孔底40aへのスライム処理装置の際に、高い安定性を確保することも可能となる。
【0080】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0081】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係るスライム処理方法によれば、水中サンドポンプとは別駆動のプロペラ式水中撹拌機による斜動下降流を、平面下で見た、少なくとも水中サンドポンプ周回域に、その下部域に発生される下部域撹拌水流とは別の周回域撹拌水流として別途発生させているため、水中サンドポンプ周回域での孔底における水流の直接的な衝突により、この水中サンドポンプ周回域での沈積スライムの粉砕、浮遊が効率よく、かつ確実に可能となる。そのため、より強力な周回域撹拌水流を水中サンドポンプの周回域に発生させることが容易に可能となることから、その処理効率、および処理の確実性の向上が十分にはかられる。
【0082】
そして、この発明においては、プロペラ式水中撹拌機による斜動下降流を周回域撹拌水流としているため、より遠方への撹拌水流の到達が容易、かつ確実に見込まれる。従って、その処理対象範囲が確実に拡大される。
【0083】
さらに、この発明においては、下部域撹拌手段による下部域撹拌水流のもとで、水中サンドポンプの下部域を撹拌するため、この水中サンドポンプ下部域における沈積スライムの粉砕、浮遊が適切に確保できるばかりでなく、このプロペラスクリューによる略指向性下降流の弱化が伴われないことから、周回域ばかりでなく、この下部域における処理効率、および処理の確実性も向上される。
【0084】
従って、この発明によれば、処理効率、および処理の確実性の向上、ならびにスライムの処理対象範囲の拡大化が十分、かつ容易に確保可能となる。そして、確実性の高いこの処理対象範囲の拡大化により、削孔内での水中サンドポンプ、つまりスライム処理装置の設置箇所の削減がはかられるため、その作業効率も確実に向上され、これによる作業時間の短縮も容易に確保可能となる。
【0085】
また、この発明においては、プロペラ式水中撹拌機による斜動下降流を周回域撹拌水流とすることで、より遠方への撹拌水流の到達を得ているため、孔底径の拡大された拡底孔の周縁に対する撹拌も十分に可能となることから、拡底孔への適応性が確実に向上される。
【0086】
そして、この発明のスライム処理装置によれば、基体となる縦軸形の水中サンドポンプ周りに、プロペラ式水中撹拌機を配設すれば足りるため、上記スライム処理方法が適切に遂行可能となる装置が、その構成の複雑化等を伴うことなく容易に確保可能となる。
【0087】
さらに、プロペラ式水中撹拌機は、水中サンドポンプとの別駆動であるため、水中サンドポンプの持つ能力に捉われることのない出力選択が可能となる。つまり、その状況等に応じた能力のものを、プロペラ式水中撹拌機として任意に選択することが容易に可能となるため、その汎用性が確実に向上される。
【0088】
そして、下部域撹拌水流を下向きの略指向性下降流とすれば、下部域におけるスライムの粉砕が確実に可能となることから、この下部域における処理の確実性が向上される。
【0089】
また、下部域撹拌水流を特定方向での渦巻き流とすれば、この渦巻き流が水中サンドポンプの下部域全域を円滑に撹拌するため、略指向性下降流とはまた異なる撹拌効果を得ることができる。つまり、この構成によれば、下部域攪拌水流を適宜選択的に得ることが十分に可能となる。
【0090】
さらに、プロペラ式水中撹拌機により発生された水流を分岐水路によって分岐し、この分岐された水流を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に引き込むことにより、この、プロペラ式水中撹拌機からの分岐水流を、水中サンドポンプの下部域撹拌水流とすれば、水中サンドポンプ自身が撹拌羽根を持たなくとも、水中サンドポンプの下部域における下部域撹拌水流を確保することが可能となる。つまり、水中サンドポンプにおける攪拌羽根の有無を問うことなく、この発明のスライム処理方法を遂行可能とするスライム処理装置が容易に確保可能となる。
【0091】
そして、この分岐水路での引き込みによる下部撹拌水流の向きは、分岐水路の出口端の開口向きによって種々変えられるため、出口端の開口向きによって下降流、渦巻き流のいずれもが容易に確保可能となる。
【0092】
さらに、個別の攪拌機等を要することなく下部域撹拌水流が得られるため、攪拌羽根を持たないタイプの水中サンドポンプを基体とする場合の構成の簡素化が確実にはかられる。
【0093】
また、プロペラ式水中撹拌機を、垂直方向と水平方向との間で上下角度調整可能とすれば、周回域撹拌水流の向きが、削孔径や拡底孔か否か等の作業条件に応じて適宜調整、設定できるため、その適応性が一層向上される。
【0094】
そして、プロペラ式水中撹拌機の、水流の送出される送出側に、略筒状の水流ガイドを一体的に設ければ、このプロペラ式水中撹拌機により発生、送出される水流の方向性は安定化され、また、この水流の安定化により、その到達距離を伸ばすことが十分に可能となるため、この水流ガイドを設けることにより、プロペラ式水中撹拌機の機能性を十分に高く維持することが可能となる。
【0095】
さらに、整流手段による下部域撹拌水流の整流を行えば、下部域の撹拌のみならず、その水流に乗せたスライムの浮遊、吸い込みが円滑、かつ確実に可能となる。つまり、水中サンドポンプの下部域におけるスライムの吸い込み性能が、この構成によれば確実に向上され、従って、下部域における処理の確実性が一層向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスライム処理装置の、一部破断の概略正面図である。
【図2】スライム処理装置の概略平面図である。
【図3】第1の変形例を示す、この発明に係るスライム処理装置の一部破断の概略正面図である。
【図4】第2の変形例を示す、この発明に係るスライム処理装置の一部破断の概略正面図である。
【図5】第3の変形例を示す、この発明に係るスライム処理装置の一部破断の概略正面図である。
【図6】図4に示す第3の変形例における、整流手段の、下方から見た概略斜視図である。
【図7】図4に示す第3の変形例における、整流手段の、一部破断の概略平面図である。
【符号の説明】
10 スライム処理装置
12 水中サンドポンプ
14 下部域撹拌手段
16 プロペラ式水中攪拌機(周回域撹拌手段)
18 プロペラスクリュー(撹拌羽根)
36 水流ガイド
40 削孔
44 分岐水路
46 整流手段
50 スカート状本体
52 底部整流板
60 離間周縁爪

Claims (12)

  1. 削孔の孔底に沈積したスライムを、その削孔内に注入、充填された安定液と共に、縦軸型の水中サンドポンプによる吸い上げのもとで削孔外に排出、除去するスライム処理方法において、
    縦軸型の水中サンドポンプを基体とするスライム処理装置を、安定液の注入、充填された削孔の孔底付近に、その懸吊のもとで挿入、配置し、
    下部域撹拌手段による所定の下部域撹拌水流を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に発生させるとともに、水中サンドポンプとは別駆動の、周回域撹拌手段となるプロペラ式水中撹拌機による、少なくとも孔底方向に向かう略指向性の斜動下降流を、周回域撹拌水流として、平面下で見た水中サンドポンプの周回域に、下部域撹拌水流とは別に発生させ、
    孔底に沈積するスライムを、この下部域、および周回域の各撹拌水流に乗せて安定液中で浮遊させ、この浮遊したスライムを、安定液と共に水中サンドポンプで吸い上げることによって削孔外に排出、除去することを特徴としたスライム処理方法。
  2. 下部域撹拌水流が下向きの略指向性下降流である請求項1記載のスライム処理方法。
  3. 下部域撹拌水流が特定方向での渦巻き流である請求項1記載のスライム処理方法。
  4. プロペラ式水中撹拌機により発生された水流を分岐水路によって分岐し、この分岐された水流を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に引き込むことにより、この、プロペラ式水中撹拌機からの分岐水流を、水中サンドポンプの下部域撹拌水流とする請求項1ないし3のいずれか記載のスライム処理装置。
  5. 下部域撹拌水流が下向きの略指向性下降流であり、
    この略指向性下降流を、その下方に配置した整流手段の底部整流板により垂下流と内部循環流とに振り分け、その直下のスライムを、底部整流板の通過孔を介して底部整流板の下方に流動した垂下流により粉砕するとともに、底部整流板に衝突して反射された内部循環流に乗せて、この底部整流板下方に浮遊するスライムを底部整流板周縁の隙間から底部整流板上方に吸い上げることにより、この、水中サンドポンプ下部域のスライムを、水中サンドポンプの下面吸込口から吸い込み、吸い上げる請求項1記載のスライム処理方法。
  6. その基体となる縦軸型の水中サンドポンプと;
    平面下で見た水中サンドポンプの下部域に、所定の下部域撹拌水流を発生させる下部域撹拌手段と;
    平面下で見た水中サンドポンプの周回域での、少なくとも孔底方向に向かう略指向性の斜動下降流を、周回域撹拌水流として、この水中サンドポンプの周回域に下部域撹拌水流とは別に発生させる、水中サンドポンプとは別駆動のプロペラ式水中撹拌機と;
    を具備し、下部域撹拌手段、およびプロペラ式水中撹拌機により発生された各域の撹拌水流に乗せて、孔底付近に沈積したスライムを安定液中で浮遊させ、この浮遊したスライムを、安定液と共に水中サンドポンプで吸い上げることによって削孔外に排出、除去可能としたスライム処理装置。
  7. プロペラ式水中撹拌機が、平面下で見た水中サンドポンプの軸心周りで、垂直方向と水平方向との間での上下角度調整を可能に配設、支持された請求項6記載のスライム処理装置。
  8. プロペラ式水中撹拌機が、水流の送出される送出側に、略筒状の水流ガイドを一体的に有して形成された請求項6または7記載のスライム処理装置。
  9. 水中サンドポンプが、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に取り付けられたプロペラスクリューを、その下面吸込口の下部に有してなり、このプロペラスクリューにより発生される下向きの略指向性下降流を、下部域撹拌水流として水中サンドポンプの下部域に発生させる請求項6ないし8のいずれか記載のスライム処理装置。
  10. 水中サンドポンプが、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に取り付けられた、渦巻き流の発生される撹拌翼を、少なくともその下面吸込口の下部に有してなり、この撹拌翼により発生される所定方向の渦巻き流を、下部域撹拌水流として水中サンドポンプの下部域に発生させる請求項6ないし8のいずれか記載のスライム処理装置。
  11. プロペラ式水中撹拌機により発生された水流を分岐可能とする分岐水路の入口端が、プロペラ式水中撹拌機の送出側に配設され、この分岐水路の出口端を、平面下で見た水中サンドポンプの下部域に配置することにより、このプロペラ式水中撹拌機を下部域撹拌手段として兼用可能とした請求項6ないし8のいずれか記載のスライム処理装置。
  12. 水中サンドポンプが、その駆動モータの出力軸である回転駆動軸の下端に取り付けられたプロペラスクリューを、その下面吸込口の下部に有してなり、このプロペラスクリューにより発生される下向きの略指向性下降流を、下部域撹拌水流として水中サンドポンプの下部域に発生させるとともに、
    このプロペラスクリューを概略的に包囲する位置からその下方に延びて配設された、中空の円錐体としてなるスカート状本体と;プロペラスクリューによる略指向性下降流の一部を垂下流として取り出す通過孔を有することで、この略指向性下降流を垂下流、および内部循環流に振り分け可能に形成されるとともに、その周囲に適当な隙間を設けた状態で、スカート状本体の下部位置に配設、固定された底部整流板と;スカート状本体の周縁端から底部整流板の下方に、適当な間隔を持って一体的に垂下された複数の離間周縁爪と;を備えてなる整流手段により、プロペラスクリューからの略指向性下降流を適宜整流可能とした請求項6ないし8のいずれか記載のスライム処理装置。
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