JP2004210882A - Fire-retardant resin composition - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベース樹脂と、シアノ基を有する複素環式化合物と、特定の難燃助剤(リン含有化合物、芳香族樹脂、窒素含有化合物、無機金属系化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物)とで構成された難燃性樹脂組成物及びその製造方法並びにこの難燃性樹脂組成物で形成された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂のうち、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂やスチレン系樹脂等は、優れた機械的特性、電気的特性、耐候性、耐水性、耐薬品性や耐溶剤性を有するため、電気・電子部品、自動車部品など種々の用途に利用されている。一方、利用分野が拡大するにつれ、難燃特性の向上が検討されている。
【0003】
特開昭61−287960号公報には、キシリレンアジパミド単位を有するポリアミド樹脂に、ブチレンナフタレート単位を有するポリエステル樹脂を添加することにより、ポリアミド樹脂の成形性を向上させて射出成形する方法が開示されている。特開昭62−201963号公報には、熱可塑性ポリエステル樹脂に、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂と相溶化剤とを添加して、ガスバリア性および透明性を向上させたポリエステル樹脂組成物が開示されている。さらに、特開昭63−92667号公報には、エチレンテレフタレート単位を有するポリエステル樹脂に、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂および特定の熱可塑性樹脂、さらには雲母粉末を添加してなる延伸ブロー成形用樹脂組成物が開示されている。これらの文献においては、樹脂の成形性、ガスバリア性や透明性は向上するものの、その難燃性は充分でない。
【0004】
そこで、ハロゲン化合物やアンチモン化合物を用いた難燃剤を添加することにより、熱可塑性樹脂を難燃化する方法が提案されている。例えば、特開昭63−150349号公報には、ポリアミド樹脂とナイロン66からなる混合樹脂に、ガラス繊維、有機ハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン、及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を配合して難燃化された樹脂組成物が開示されている。しかし、ハロゲン系難燃剤においては、燃焼分解時にダイオキシン系化合物を発生する場合があり、環境問題上好ましくない。そこで、非ハロゲン系難燃剤として、窒素含有化合物やリン系化合物等を使用して、難燃化する方法が提案されている。
【0005】
特公昭63−56900号公報及び特公昭63−56901号公報には、ポリアミドにモノ乃至トリ(β−シアノエチル)イソシアヌレートを配合した難燃性樹脂組成物が開示されている。また、特開平11−152402号公報には、ポリブチレンテレフタレートと、補強成分と、メラミンピロホスフェート及び芳香族ホスフェートオリゴマーで構成された難燃剤とを含む難燃化ポリエステル組成物が開示されている。さらに、WO98/45363号公報やWO98/45364号公報には、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、メラミンピロ又はポリホスフェート及びホウ酸亜鉛等を含む難燃性樹脂組成物が開示されている。
【0006】
しかし、非ハロゲン系難燃剤は、有害なハロゲンを含まないものの、ハロゲン系難燃剤と比較して、難燃効果が劣るため、多量の難燃剤を必要とする。多量の難燃剤の添加は、ブリードアウトや樹脂の機械的特性の低下を引き起こす。そのため、難燃性とともに、機械的特性を向上させることができない。
【0007】
このように、従来の方法では、樹脂の特性を低下させることなく、高い難燃性を付与することは困難である。また、上記の難燃剤においては、特定の樹脂に対して難燃化可能であるものの、幅広い熱可塑性樹脂に対しては、高い難燃性を付与できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、少量の難燃剤であっても、高いレベルで難燃化された非ハロゲン系難燃性樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、樹脂の特性を低下させることなく、難燃剤のモールドデポジット及びブリードアウト(又はブルーミング)を有効に抑制でき、高度に難燃化された難燃性樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、難燃性が改善された成形体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討の結果、ベース樹脂に、シアノ基を有する複素環式化合物と難燃助剤とを組み合わせて添加することにより、高いレベルで難燃化できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、ベース樹脂(A)と、シアノ基を有する複素環式化合物(B)と、リン含有化合物(C1)、芳香族樹脂(C2)、窒素含有化合物(C3)、無機金属系化合物(C4)、硫黄含有化合物(C5)及びケイ素含有化合物(C6)から選択された少なくとも一種の難燃助剤(C)とで構成されている。ベース樹脂(A)には、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などが含まれる。シアノ基を有する複素環式化合物(B)は、シアノ基を有するトリアジン化合物(特にシアノアルキル基を有するトリアジン化合物)、シアノ基を末端に有するとともにヘテロ原子として酸素原子を含むスピロ環化合物(特に両末端にシアノアルキル基を有するテトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)等で構成されていてもよい。前記リン含有化合物(C1)には、無機リン化合物、リン酸エステル、リン酸エステルアミド、ホスホニトリル化合物、有機ホスホン酸化合物、有機ホスフィン酸化合物等が含まれる。なお、リン含有化合物(C1)の無機リン化合物には、リン酸金属塩は含まれない。芳香族樹脂(C2)には、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、芳香族ナイロン、ポリアリレート系樹脂、芳香族エポキシ樹脂、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基を有する芳香族環を主鎖又は側鎖に有する樹脂等が含まれる。なお、ベース樹脂(A)が芳香族ポリアミド系樹脂である場合は、芳香族樹脂(C2)は、芳香族ナイロンではない。窒素含有化合物(C3)は、アミノ基を有する窒素含有環状化合物、アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩、アミノ基を有する窒素含有環状化合物と酸素酸との塩、アミノ基を有する窒素含有環状化合物と有機リン酸との塩、(ポリ)リン酸アミド(例えば、シアノ基を有していない(ポリ)リン酸アミド)、尿素化合物(例えば、シアノ基を有していない尿素化合物)、アミジン化合物(例えば、シアノ基を有していないアミジン化合物)、テトラゾール化合物(例えば、シアノ基を有していないテトラゾール化合物)等であってもよい。無機金属系化合物(C4)は、リン酸、ホウ酸、スズ酸等の酸素酸と多価金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物との塩であってもよい。なお、無機金属系化合物(C4)の金属には、ケイ素は含まれない。硫黄含有化合物(C5)には、有機スルホン酸金属塩などが含まれる。ケイ素含有化合物(C6)には、(分岐)オルガノシロキサンなどが含まれる。
【0013】
前記難燃性樹脂組成物は、さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系安定剤、フッ素系樹脂、充填剤等を含んでいてもよい。
【0014】
また、本発明には、ベース樹脂と前記シアノ基を有する複素環式化合物及び前記難燃助剤とを混合して難燃性樹脂組成物を製造する方法、及び前記難燃性樹脂組成物で形成された成形体も含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[ベース樹脂(A)]
ベース樹脂としては、成形用として利用される種々の樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
【0016】
(1)ポリエステル系樹脂
ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合、オキシカルボン酸又はラクトンの重縮合、またはこれらの成分の重縮合などにより得られるホモポリエステル又はコポリエステルである。好ましいポリエステル系樹脂は、通常、飽和ポリエステル系樹脂、特に芳香族飽和ポリエステル系樹脂が含まれる。
【0017】
ジカルボン酸成分としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの炭素数4〜40程度のジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜14程度のジカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸(例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などの炭素数8〜12程度のジカルボン酸)、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルケトンジカルボン酸などの炭素数8〜16程度のジカルボン酸)、又はこれらの誘導体(例えば、低級アルキルエステル、アリールエステル、酸無水物などのエステル形成可能な誘導体)などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸などを併用してもよい。
【0018】
好ましいジカルボン酸成分には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が含まれる。
【0019】
ジオール成分には、例えば、脂肪族アルキレンジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどの炭素数2〜12程度の脂肪族グリコール、好ましくは炭素数2〜10程度の脂肪族グリコール)、ポリオキシアルキレングリコール[アルキレン基の炭素数が2〜4程度であり、複数のオキシアルキレン単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど]、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)などが挙げられる。また、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシリレングリコールなどの芳香族ジオールを併用してもよい。これらのジオール成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用してもよい。
【0020】
好ましいジオール成分には、C2-6アルキレングリコール(エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状アルキレングリコール)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール[ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシ−C2-4アルキレン)単位を含むグリコール]、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。
【0021】
オキシカルボン酸には、例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ヒドロキシフェニル酢酸、グリコール酸、オキシカプロン酸などのオキシカルボン酸又はこれらの誘導体などが含まれる。
【0022】
ラクトンには、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトンなど)などのC3-12ラクトンなどが含まれる。
【0023】
好ましいポリエステル系樹脂には、アルキレンテレフタレート、アルキレンナフタレートなどのアルキレンアリレートを主成分(例えば、50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%程度)とするホモポリエステル又はコポリエステル[例えば、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレート)、ポリアルキレンナフタレート(例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレート)などのホモポリエステル;アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含有するコポリエステル]が含まれる。特に好ましいポリエステル系樹脂には、ブチレンテレフタレート単位を主成分として含有するポリブチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)やエチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリエステル)が含まれる。なお、これらのポリエステル系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0024】
また、コポリエステルにおいて、共重合可能な単量体としては、C2-6アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状アルキレングリコールなど)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール(ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシ−C2-4アルキレン)単位を含むグリコールなど)、脂環族ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)、芳香族ジオール[2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンなど]、C6-12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸など)、オキシカルボン酸(オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸など)などが挙げられる。なお、ポリエステル系樹脂は、溶融成形性などを損なわない限り、直鎖状のみならず分岐鎖構造を有していてもよく、架橋されていてもよい。また、液晶ポリエステルであってもよい。
【0025】
ポリエステル系樹脂は、慣用の方法、例えば、エステル交換、直接エステル化法などにより製造できる。
【0026】
(2)ポリアセタール系樹脂
ポリアセタール系樹脂には、オキシメチレン基(−CH2O−)を構成単位とするポリアセタールホモポリマー、及びオキシメチレン基以外に他のコモノマー単位を含有するポリアセタールコポリマーが含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、オキシC2-6アルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基などのオキシC2-4アルキレン単位)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、ポリアセタール系樹脂全体に対して、例えば、0.01〜30モル%、好ましくは0.03〜20モル%、さらに好ましくは0.03〜15モル%程度の範囲から選択できる。
【0027】
ポリアセタールコポリマーは、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマーなどであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール系樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール系樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化などにより安定化してもよい。
【0028】
前記ポリアセタール系樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、トリオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールなどの環状エーテルや環状ホルマールを重合することにより製造できる。
【0029】
(3)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなど)の単独又は共重合体;スチレン系単量体とビニル単量体(例えば、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などのα,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物あるいはそのエステルなど)との共重合体;スチレン系グラフト共重合体、スチレン系ブロック共重合体などが挙げられる。
【0030】
好ましいスチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム成分にスチレン系単量体が重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリスチレン系グラフト又はブロック共重合体などが含まれる。ポリスチレン系グラフト共重合体としては、ゴム成分に少なくともスチレン系単量体および共重合性単量体がグラフト重合した共重合体(例えば、ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したABS樹脂、アクリルゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したAAS樹脂、塩素化ポリエチレンにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したACS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、エチレン−プロピレンゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、ポリブタジエンにスチレンとメタクリル酸メチルをグラフト重合したMBS樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムにスチレン及びアクリロニトリルがグラフト重合した樹脂などが挙げられる。ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックとジエン又はオレフィンブロックとで構成された共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体)などが挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0031】
(4)ポリアミド系樹脂
ポリアミドには、ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリアミド;アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミド;ラクタム、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸との併用により誘導されたポリアミドが含まれる。ポリアミドには、少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分により形成されるコポリアミドも含まれる。
【0032】
ジアミンとしては、例えば、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ジアミンが挙げられる。また、フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンを併用してもよい。これらのジアミンは1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0033】
ジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸などのC4-20脂肪族ジカルボン酸;二量体化脂肪酸(ダイマー酸);シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸やシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸やテレフタル酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0034】
アミノカルボン酸としては、例えば、アミノヘプタン酸、アミノノナン酸、アミノウンデカン酸などのC4-20アミノカルボン酸が例示される。アミノカルボン酸も一種で又は二種以上使用できる
ラクタムとしては、例えば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタムなどのC4-20ラクタムが挙げられる。これらのラクタムも1種で又は2種以上組み合せて使用できる。
【0035】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸および/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなど)とから得られるポリアミド、芳香族および脂肪族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミドなどが挙げられる。これらのポリアミドは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいポリアミドには、非芳香族及び脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12など)、半芳香族ポリアミド(ナイロンMXD6、ナイロン9Tなど)、半芳香族共重合ポリアミド(ナイロン6T/6、ナイロン6T/66、ナイロン6T/12、ナイロン6I/6、ナイロン6I/66、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/6I/6、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/M5Tなど)などが含まれる。ポリアミド系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0036】
(5)ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂には、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる重合体が含まれる。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物などであってもよいが、好ましくはビスフェノール化合物である。
【0037】
ビスフェノール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタンなどのビス(ヒドロキシアリール)C1-6アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)C4-10シクロアルカン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトンなどが挙げられる。
【0038】
好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。ポリカーボネート系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0039】
(6)ポリフェニレンオキシド系樹脂
ポリフェニレンオキシド系樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂)には、単独重合体および共重合体が含まれる。単独重合体としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジエチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−メトキシ−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)オキシド等のポリ(モノ、ジ又はトリC1-6アルキル−フェニレン)オキシド、ポリ(モノ又はジC6-20アリール−フェニレン)オキシド、ポリ(モノC1-6アルキル−モノC6-20アリール−フェニレン)オキシドなどが挙げられる。
【0040】
ポリフェニレンオキシドの共重合体としては、前記単独重合体のモノマーユニットを2つ以上有する共重合体(例えば、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド単位と、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンオキシド単位とを有するランダム共重合体など)、ベンゼンホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂などのベンゼン環含有化合物のホルムアルデヒド縮合物)やアルキルベンゼンホルムアルデヒド樹脂に、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノールを反応させて得られるアルキルフェノール変性ベンゼンホルムアルデヒド樹脂ブロックと、主体構造としてのポリフェニレンオキシドブロックとで構成された変性ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリフェニレンオキシド又はその共重合体にスチレン系モノマー及び/又は不飽和酸無水物がグラフトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。ポリフェニレンオキシド系樹脂は1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0041】
(7)ビニル系樹脂
ビニル系樹脂としては、ビニル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル;塩素含有ビニル単量体(例えば、塩化ビニル、クロロプレンなど);フッ素含有ビニル単量体(例えば、フルオロエチレンなど);メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのビニルアミン類など)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能なモノマーとの共重合体などが含まれる。
【0042】
前記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)も使用できる。これらのビニル系樹脂は1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0043】
(8)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのα−C2-10オレフィンや環状オレフィン[例えば、シクロプロピレン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロプロピン、シクロブチン、シクロペンチン、シクロヘキシン、シクロオクチン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジシクロヘプタジエン、テトラジシクロドデセン、ヘキサシクロヘプタデセン又はこれらの誘導体(アルキル置換体、アルキリデン置換体、アルコキシ置換体、アシル置換体、カルボキシ置換体など)など]の単独又は共重合体、特に、α−C2-3オレフィン系樹脂[例えば、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸金属塩共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(エチレン−エチルアクリレート共重合体など)、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体など]、環状オレフィン系樹脂(例えば、環状オレフィンの単独重合体、α−C2-10オレフィン−環状オレフィン共重合体など)などが挙げられる。
【0044】
(9)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂には、例えば、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸又はそのエステルなど)の単独又は共重合体の他、 (メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体などが含まれる。
【0045】
(10)その他の樹脂
その他の樹脂としては、脂肪族ポリケトン系樹脂(ケトン樹脂);ポリスルホン(例えば、熱可塑性ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビスフェノールエーテルスルホン)など);ポリエーテルケトン;ポリ(エーテルエーテルケトン);ポリエーテルイミド;熱可塑性ポリウレタン系樹脂(例えば、トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、前記グリコール及び/又は前記ジアミンとの反応により得られる重合体、ポリテトラメチレングリコールなどのセグメントを有していてもよいポリウレタンエラストマーなど);熱可塑性ポリイミド;ポリオキシベンジレン;熱可塑性エラストマーなどが例示できる。
【0046】
これらの高分子化合物を、単独でまたは二種以上組合わせて使用してもよい。
【0047】
好ましいベース樹脂としては、液晶ポリエステルであってもよいポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂などが挙げられ、さらに好ましくは、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂が挙げられ、特にポリエステル系樹脂(PBT系樹脂、PET系樹脂など)が好ましい。ポリエステル系樹脂とスチレン系樹脂とを併用してもよい。
【0048】
前記ベース樹脂の数平均分子量は、特に制限されず、樹脂の種類や用途に応じて適宜選択され、例えば、5×103〜200×104、好ましくは1×104〜150×104、さらに好ましくは1×104〜100×104程度の範囲から選択できる。また、ベース樹脂がポリエステル系樹脂の場合、数平均分子量は、例えば、5×103〜100×104、好ましくは1×104〜70×104、さらに好ましくは1.2×104〜30×104程度であってもよい。
【0049】
[シアノ基を有する複素環式化合物(B)]
シアノ基を有する複素環式化合物(シアノ基含有複素環式化合物)において、複素環式化合物には、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原子を環の構成原子として有するヘテロ環状化合物が含まれる。これらのヘテロ環状化合物のうち、ヘテロ原子として窒素含有ヘテロ環状化合物又は酸素含有ヘテロ環状化合物が好ましい。
【0050】
窒素含有ヘテロ環には、窒素原子を環の構成原子として有する5又は6員飽和又は不飽和窒素含有ヘテロ環や、これらの5又は6員窒素含有ヘテロ環同士の縮合複素環又はこれらの5又は6員窒素含有ヘテロ環とベンゼン環との縮合複素環等が含まれる。このような窒素含有ヘテロ環としては、例えば、窒素含有5員環(ピロール、ピラゾリン、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾリジン等)、窒素及び硫黄含有5員環(チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアゾリジン、チアジアゾリジン等)、窒素及び酸素含有5員環(オキサゾリン、フラザン等)、窒素含有6員環(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピペリジン、ピペラジン等)、窒素及び酸素含有6員環(オキサジンなど)、窒素及び硫黄含有6員環(チアジン、チアジアジン等)、縮合複素環(インドール、インダゾール、キノリン、プリン、フェナントリジン等)などが挙げられる。これらの窒素含有環のうち、複数の窒素原子を環の構成原子として有する5又は6員不飽和窒素含有環が好ましく、特に、トリアゾール及びトリアジンが好ましい。
【0051】
トリアゾール化合物としては、1,2,3−トリアゾール類(1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール類、2H−1,2,3−トリアゾール類等)、及び1,2,4−トリアゾール類(1,2,4−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール類、4H−1,2,4−トリアゾール類等)が例示できる。シアノ基はトリアゾール環の適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。シアノ基の個数は、特に制限されず、1〜3個、特に1〜2個程度である。
【0052】
トリアジン化合物としては、1,3,5−トリアジン類[1,3,5−トリアジン;シアヌール酸又はイソシアヌール酸;アンメリン、アンメリドなどのシアヌール酸アミド類;メラミン、置換メラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミンなど)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂など)などのメラミン又はその誘導体;グアナミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、CTU−グアナミンなどのグアナミン又はその誘導体など]、1,2,3−トリアジン類(1,2,3−トリアジン;5−位、4,5−位等にアミノ基が置換した1,2,3−トリアジン、4−アミノ−ベンゾ−1,2,3−トリアジンなど)、1,2,4−トリアジン類(1,2,4−トリアジン;3−位、5−位、3,5−位等にアミノ基が置換した1,2,4−トリアジンなど)などの各種トリアジン類が挙げられる。シアノ基は、トリアジン環の適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。シアノ基の個数は特に制限されず、1〜4個、特に1〜3個程度である。
【0053】
これらの窒素含有ヘテロ環のうち、トリアジン化合物、特に1,3,5−トリアジン類が好ましい。
【0054】
シアノ基を有する窒素含有ヘテロ環状化合物としては、例えば、(シアノアルキル)イソシアヌレート[例えば、モノ乃至トリ(2−シアノエチル)イソシアヌレートなどの(シアノC1-6アルキル)イソシアヌレート、モノ乃至トリ(2−シアノ−1,1−ジメチルエチル)イソシアヌレート、モノ乃至トリ(3−シアノ−1,1−ジメチルプロピル)イソシアヌレート、モノ乃至トリ(3−シアノ−2,2−ジメチルプロピル)イソシアヌレート等の(シアノC1-6アルキル)イソシアヌレートなど]、(シアノアリール)イソシアヌレート[例えば、モノ乃至トリ(4−シアノフェニル)イソシアヌレートなどの(シアノC6-10アリール)イソシアヌレートなど]、(シアノアラルキル)イソシアヌレート[例えば、モノ乃至トリ(4−シアノベンジル)イソシアヌレート、モノ乃至トリ(4−シアノフェネチル)イソシアヌレートなどの(シアノC7-15アラルキル)イソシアヌレートなど]などが例示できる。
【0055】
酸素含有ヘテロ環としては、5又は6員複素環(フラン、ヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキシン、ジオキセン、ピラン、ヒドロピラン等)、これらの複素環がベンゼン環と縮合した縮合複素環、ヘテロ原子として酸素を含むスピロ環等のヘテロ環が例示できる。これらの酸素含有ヘテロ環のうち、酸素含有ヘテロ環式スピロ環が特に好ましい。
【0056】
酸素含有ヘテロ環式スピロ環としては、オキサスピロジシクロペンタン類(例えば、1−オキサスピロ[4.4]ウンデカン、1,4,6,9−テトラオキサスピロ[4.4]ウンデカン等)、オキサシクロペンタンスピロシクロヘキサン類(例えば、1−オキサスピロ[4.5]デカン、1,4,6,10−テトラオキサスピロ[4.5]デカン等)、オキサスピロジシクロヘキサン類(例えば、1−オキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等)などが例示できる。
【0057】
これらのスピロ環のうち、オキサスピロジシクロヘキサン類が好ましく、複数の酸素原子をヘテロ原子として含有する2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが特に好ましい。
【0058】
スピロ環化合物としては、例えば、ビス(シアノアルキル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン{例えば、3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[2−シアノ−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[3−シアノ−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[3−シアノ−2,2−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等の3,9−ビス(シアノC1-6アルキル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなど}、ビス(シアノアリール)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン{例えば、3,9−ビス(4−シアノフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの3,9−ビス(4−シアノC6-10アリール)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなど}、ビス(シアノアラルキル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン{例えば、3,9−ビス(4−シアノベンジル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(4−シアノフェネチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの3,9−ビス(4−シアノC7-15アラルキル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなど}などを好ましく使用できる。
【0059】
これらのシアノ基含有複素環式化合物(B)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0060】
[シアノ基含有複素環式化合物(B)の使用割合]
本発明では、難燃剤としてシアノ基含有複素環式化合物(B)を用いることにより、幅広いベース樹脂に対して、少量の添加であっても高い難燃性を付与できる。複素環式化合物(B)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは5〜70重量部程度である。ベース樹脂(A)に対して複素環式化合物(B)の割合が多すぎると、樹脂組成物の機械的特性が低下する。
【0061】
[難燃助剤(C)]
本発明では、難燃助剤(C)は、リン含有化合物(C1)、芳香族樹脂(C2)、窒素含有化合物(C3)、無機金属系化合物(C4)、硫黄含有化合物(C5)及びケイ素含有化合物(C6)などで構成されている。これらの難燃助剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0062】
(C1)リン含有化合物
リン含有化合物としては、無機リン化合物、有機リン化合物(モノマー型有機リン化合物、ポリマー型有機リン化合物など)等が挙げられる。
【0063】
(無機リン化合物)
無機リン化合物には、例えば、赤リン、(ポリ)リン酸塩[オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸(メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等)、ポリ亜リン酸(メタ亜リン酸、ピロ亜リン酸等)などの非縮合又は縮合(亜)リン酸のアンモニウム塩等]などが含まれる。
【0064】
赤リンは、難燃効果が高く、少量であっても樹脂に難燃性を付与できる。また、少量で効果が得られるため、樹脂の特性(例えば、機械的特性や電気的特性)を損なうことなく難燃化できる。赤リンとしては、通常、安定化処理を施した赤リン(安定化赤リン)が好ましく用いられる。特に、赤リンの粉砕を行わず、赤リン表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させずに微粒子化する方法で得られた赤リン、さらには、赤リンの表面が、樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)、金属、金属化合物(例えば、金属水酸化物、金属酸化物等)等により単独で又は2種以上組み合わせて被覆された赤リンなどが使用できる。
【0065】
赤リンの表面を被覆する熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、アルキッド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等が挙げられ、金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化スズ等が挙げられる。
【0066】
さらに、赤リンの表面を金属で被覆し安定化する方法としては、例えば、無電解メッキ法により、金属(鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、亜鉛、マンガン、スズ、チタン、ジルコニウムなど)又はこれらの合金で被覆する方法が挙げられる。その他の赤リン表面の被覆方法としては、金属塩(アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、銅、銀、鉄、ニッケルなどの塩)の溶液で赤リンを処理し、赤リンの表面に金属リン化合物を形成させて安定化する方法なども含まれる。
【0067】
特に、赤リン表面に破砕面を形成させないで赤リンを微粒子化する方法を用い、金属成分(金属水酸化物や金属酸化物)の被膜と樹脂の被膜とを組み合わせて複数層で被覆処理、特に金属成分の被膜で被覆した上に樹脂被覆で多重に被覆処理してもよい。これらの安定化赤リンは、耐熱安定性、耐加水分解性に優れており、水分の存在下や高温下での分解反応によりホスフィンの生成が著しく少なく、本発明の樹脂組成物を製造する際、および成形品を製造する際の安全上の観点から好ましい。
【0068】
赤リンとしては、通常、安定化赤リンを粉粒状で使用できる。安定化赤リンの粒子径としては、例えば、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜70μm、さらに好ましくは0.1〜50μm程度である。
【0069】
(有機リン化合物)
前記有機リン化合物のうち、モノマー型有機リン化合物には、リン酸エステル、リン酸エステルアミド、ホスホニトリル化合物、ポリリン酸塩、有機ホスホン酸化合物(ホスホン酸エステル、金属塩など)、有機ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド(トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフィンオキシドなど)などが含まれる。
【0070】
(1)リン酸エステル
リン酸エステルとしては、脂肪族リン酸エステル[リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、リン酸ペンタエリスリトール(例えば、Great Lakes Chemical社のNH−1197、特開2001−106889号公報に記載のビシクロリン酸エステルなど)などのリン酸トリC1-10アルキルエステル;前記リン酸トリエステルに対応するリン酸ジC1-10アルキルエステル及びリン酸モノC1-10アルキルエステルなど]、芳香族リン酸エステル[リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸トリ(イソプロピルフェニル)などのリン酸トリC6-20アリールエステルなど]、脂肪族−芳香族リン酸エステル[リン酸メチルジフェニル、リン酸フェニルジエチル、スピロ環状芳香族リン酸エステル(米国特許第3090799号明細書、特開平5−92986号公報記載のジフェニルペンタエリスリトールジホスフェート、ジクレジルペンタエリスリトールジホスフェート、ジキシリルペンタエリスリトールジホスフェート等)など]などが挙げられる。
【0071】
(2)リン酸エステルアミド
リン酸エステルアミドとしては、リン酸エステル及びリン酸アミドの結合様式を含み、特開2001−139823号公報、特開2000−154277号公報、特開平10−175985号公報、特開平8−59888号公報、特開昭63−235363号公報に記載のリン酸エステルアミドなどが使用できる。
【0072】
好ましいリン酸エステルアミドとして、縮合リン酸エステルアミド類が挙げられる。このようなリン酸エステルアミドとしては、例えば、N−(ジアリールオキシホスフィニル)置換アルキレンアミン類[例えば、N,N′−ビス(ジフェノキシホスフィニル)ピペラジン、N,N′−ビス(ジトルイルオキシホスフィニル)ピペラジン、N,N′−ビス(ジキシリルオキシホスフィニル)ピペラジン、N,N′−ビス(ジ又はトリメチルフェニルオキシホスフィニル)ピペラジンなど]、ビス乃至テトラキス[(ジアリールオキシホスフィニル)アミノ]置換芳香族化合物類{例えば、1,3−又は1,4−ビス[(ジフェノキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジトルイルオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジキシリルオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジ又はトリメチルフェニルオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジフェノキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジトルイルオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジキシリルオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ジ−トリメチルフェニルオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼンなど}、N−(環状アルキレンジオキシホスフィニル)置換アルキレンアミン類[例えば、N,N′−ビス(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)ピペラジンなど]、ビス乃至テトラキス[(環状アルキレンジオキシホスフィニル)アミノ]置換芳香族化合物類{例えば、1,3−又は1,4−ビス[(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼンなど}、N−(環状アリーレンジオキシホスフィニル)置換アルキレンアミン類[例えば、N,N′−ビス(フェニレン−1,2−ジオキシホスフィニル)ピペラジン、1,3−又は1,4−ビス[(ビフェニレン−2,2′−ジオキシホスフィニル)アミノメチル]ピペラジンなど]、ビス乃至テトラキス[(環状アリーレンジオキシホスフィニル)アミノ]置換芳香族化合物類{例えば、1,3−又は1,4−ビス[(フェニレン−1,2−ジオキシホスフィニル)アミノ]ベンゼン、1,3−又は1,4−ビス[(ビフェニレン−2,2′−ジオキシホスフィニル)アミノメチル]ベンゼンなど}、3,9−ビス(N−置換アミノ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]−ウンデカン−3,9−ジオキシド類[例えば、N−置換アミノ基が、ジアルキルアミノ基(ジエチルアミノ基など)、環状アミノ基(ピペリジノ基、ピペコリノ基、ジメチルピペリジノ基、モルホリノ基など)、アリールアミノ基(フェニルアミノ基など)、アルキルアリールアミノ基(メチルフェニルアミノ基など)などであるスピロ環状リン酸エステルアミド]などが含まれる。
【0073】
リン酸エステルアミドは、商品名「リン酸エステルアミド系難燃剤SPシリーズ(例えば、SP−601、SP−670、SP−703、SP−720など)」(四国化成工業(株)製)として入手できる。
【0074】
(3)ホスホニトリル化合物
ホスホニトリル化合物としては、例えば、(ポリ)フェノキシホスファゼン、(ポリ)トリルオキシホスファゼン、(ポリ)キシレニルオキシホスファゼン、(ポリ)メチルナフチルオキシホスファゼン等の環状又は鎖状アリールオキシホスファゼン、(ポリ)メトキシフェノキシホスファゼン、(ポリ)メトキシトリルオキシホスファゼン、(ポリ)メトキシナフチルオキシホスファゼン等の環状又は鎖状アルコキシアリールオキシホスファゼン、(ポリ)メトキシホスファゼンなどの環状又は鎖状アルコキシホスファゼン等が例示できる。
【0075】
(4)有機ホスホン酸化合物
有機ホスホン酸(亜リン酸)化合物としては、例えば、芳香族亜リン酸エステル(アリールがフェニル、クレジル、キシリル等である亜リン酸トリC6-20アリールエステルなど)、脂肪族亜リン酸エステル(アルキルがメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル等である亜リン酸トリC1-10アルキルエステル;前記亜リン酸トリアルキルエステルに対応する亜リン酸ジ又はモノC1-10アルキルエステルなど)、有機亜リン酸エステル[例えば、アルキルが前記例示のアルキルであり、アリールがフェニル、クレジル、キシリルなどであるC1-6アルキルホスホン酸ジC1-6アルキル、C1-6アルキルホスホン酸ジC6-10アリール、C1-6アルキルホスホン酸C1-6アルキルC6-10アリールなどのアルキルホスホン酸ジエステル;前記アルキルホスホン酸ジエステルに対応するC6-10アリール−ホスホン酸ジエステル;環状有機ホスホン酸ジエステル{例えば、4−メチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−オキシドなどの4−C1-6アルキル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−オキシド、ペンタエリスリトールビス(メチルホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(エチルホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(プロピルホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(ブチルホスホネート)などのスピロ環状アルキルホスホン酸エステル、ペンタエリスリトールビス(シクロヘキシルホスホネート)などのスピロ環状シクロアルキルホスホン酸エステル、ペンタエリスリトールビス(ベンジルホスホネート)などのスピロ環状アラルキルホスホン酸エステル、ペンタエリスリトールビス(フェニルホスホネート)、ペンタエリスリトールビス(トリルホスホネート)などのスピロ環状アリールホスホン酸エステルなど};C6-15アリールホスホン酸モノエステル(例えば、10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなど);ホスホノカルボン酸エステル(メトキシカルボニルメチルホスホン酸ジメチルなどの前記アルキルホスホン酸ジエステルに対応するC1-4アルコキシカルボニルオキシC1-4アルキルホスホン酸ジエステル)などのホスホノカルボン酸トリエステル]などの各種ホスホン酸エステルが含まれる。また、アルキル又はアリール基で置換されていてもよい亜リン酸、(環状)亜リン酸モノエステル、又はホスホノカルボン酸(例えば、アルキルホスホン酸、アルキルホスホン酸モノアルキルエステル、アルキルホスホン酸モノアリールエステル、アリールホスホン酸、アリールホスホン酸モノアルキルエステル、アリールホスホン酸モノアリールエステルなど)の金属塩(Ca,Mg,Zn,Ba,Al塩など)なども含まれる。このような有機ホスホン酸化合物の代表的な化合物に関しては、例えば、米国特許第3789091号明細書、米国特許第3849368号明細書、米国特許第4162278号明細書、特開昭47−43144号公報、特開昭52−12329号公報、特開昭63−22866号公報、特開平1−226891号公報、特開平4−234893号公報、特開平8−245659号公報、特開平9−272759号公報などを参照できる。
【0076】
(5)有機ホスフィン酸化合物
有機ホスフィン酸化合物には、アルキル基(C1-4アルキル基など)又はアリール基(C6-10アリール基など)が置換(一置換又は二置換)していてもよいホスフィン酸エステル(ホスフィン酸メチルなどのホスフィン酸C1-6アルキル、ホスフィン酸フェニルなどのホスフィン酸C6-10アリール、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−C1-30アルキル又はC6-20アリール置換−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどの環状ホスフィン酸エステルなど)などが含まれる。また、アルキル基又はアリール基が置換していてもよいホスフィン酸(例えば、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸など)の金属塩(Ca、Mg、Zn、Ba、Al塩など)、ホスフィニコカルボン酸エステル(例えば、3−メチルホスフィニコプロピオン酸エステル、3−フェニルホスフィニコプロピオン酸エステルなど)、及びその単独重合体や共重合体なども含まれる。これらの有機ホスフィン酸金属塩の代表的な化合物としては、例えば、特開昭55−5979号公報、特開平11−60924号公報、特開平11−140228号公報、特開平11−236392号公報、特開2001−2686号公報、特表2001−513784号公報、特表2001−513786号公報、米国特許第5973194号明細書、米国特許第6011172号明細書、米国特許第6248921号明細書等を参照できる。
【0077】
(6)ポリマー型有機リン化合物
前記ポリマー型有機リン化合物としては、モノマー型有機リン化合物の縮合物を用いることができる。前記縮合物には、ポリマー型リン酸エステルが含まれ、例えば、レゾルシノールホスフェート類(レゾルシノールとフェニルホスフェートとの縮合物、レゾルシノールとクレジルホスフェートとの縮合物、レゾルシノールとキシリルホスフェートとの縮合物等)、ハイドロキノンホスフェート類(ハイドロキノンとフェニルホスフェートとの縮合物、ハイドロキノンとクレジルホスフェートとの縮合物、ハイドロキノンとキシレニルホスフェートとの縮合物等)、ビフェノールホスフェート類(ビフェノールとフェニルホスフェートとの縮合物、ビフェノールとクレジルホスフェートとの縮合物、ビフェノールとキシレニルホスフェートとの縮合物等)、ビスフェノールホスフェート類(ビスフェノールAとフェニルホスフェートとの縮合物、ビスフェノールAとクレジルホスフェートとの縮合物、ビスフェノールAとキシレニルホスフェートとの縮合物等)などが挙げられる。このようなポリマー型リン酸エステルの代表的な製造方法として、米国特許第261687号明細書、米国特許第2636876号明細書、米国特許第4482693号明細書、特開昭48−91147号公報、特開平9−255786号公報、Polymer,Vol29,p756(1988)などを参照できる。
【0078】
また、前記ポリマー型有機リン化合物は、ヒドロキシル基を有するポリマー(フェノール樹脂など)のリン酸エステルであってもよい。さらに、前記ポリマー型有機リン化合物には、ポリホスフィニコカルボン酸エステル、ポリホスホン酸アミドも含まれる。
【0079】
好ましいリン含有化合物としては、無機リン化合物(例えば、赤リン、(ポリ)リン酸アンモニウム等)、リン酸エステル(例えば、脂肪族リン酸エステル、芳香族リン酸エステル及び縮合リン酸エステル、特に縮合リン酸エステルなど)、リン酸エステルアミド、ホスホニトリル化合物、有機ホスホン酸化合物(例えば、ホスファフェナントレン類など)、有機ホスフィン酸化合物(例えば、ジアルキルホスフィン酸金属塩など)等が挙げられる。
【0080】
(C2)芳香族樹脂
芳香族樹脂には、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、芳香族ナイロン、芳香族エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、アラルキル樹脂、芳香族ビニル樹脂等の炭化性又はチャー形成性芳香族樹脂が含まれる。ポリフェニレンオキシド系樹脂及びポリカーボネート系樹脂としては、前記ベース樹脂の項で例示した樹脂と同様の樹脂を使用することができ、ベース樹脂と芳香族樹脂とは、通常、異種の樹脂が使用される。
【0081】
(ポリフェニレンスルフィド系樹脂)
ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンチオエーテル系樹脂)としては、ポリフェニレンスルフィド骨格−(Ar−S−)−[式中、Arはフェニレン基を示す]を有する単独重合体及び共重合体が含まれる。フェニレン基(−Ar−)としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基(例えば、C1-5アルキル基などの置換基を有するアルキルフェニレン基や、フェニル基などの置換基を有するアリールフェニル基)、p,p′−ジフェニレンスルホン基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′ジフェニレンエーテル基、p,p′−ジフェニレンカルボニル基等が例示できる。ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、このようなフェニレン基で構成されるフェニレンスルフィド基のうち、同一の繰返し単位を用いたホモポリマーであってもよく、組成物の加工性の点から、異種繰返し単位を含むコポリマーであってもよい。
【0082】
ホモポリマーとしては、p−フェニレンスルフィド基を繰返し単位とする実質上線状のものが好ましく用いられる。コポリマーは、前記フェニレンスルフィド基の中で相異なる2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、コポリマーとしては、p′−フェニレンスルフィド基を主繰返し単位とし、m−フェニレンスルフィド基を含む組み合わせが好ましく、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から、p−フェニレンスルフィド基を60モル%(好ましくは70モル%)以上含む実質上線状のコポリマーが特に好ましい。
【0083】
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、比較的低分子量の線状ポリマーを酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーであってもよく、2官能性モノマーを主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に線状構造の高分子量ポリマーであってもよい。得られる成形物の物性の点からは、縮重合によって得られる実質的に線状構造ポリマーの方が好ましい。又、ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、前記のポリマーの他に、3個以上の官能基を有するモノマーを組み合わせて重合した分岐又は架橋ポリフェニレンスルフィド樹脂や、この樹脂を前記の線状ポリマーにブレンドした樹脂組成物も用いることができる。
【0084】
ポリフェニレンスルフィド系樹脂としては、ポリフェニレンスルフィドやポリビフェニレンスルフィド(PBPS)の他、ポリフェニレンスルフィドケトン(PPSK)、ポリビフェニレンスルフィドスルホン(PPSS)等も使用できる。ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0085】
ポリフェニレンスルフィド系樹脂の数平均分子量は、例えば、300〜30×104、好ましくは400〜10×104程度である。
【0086】
(芳香族ナイロン)
難燃剤を構成する芳香族ナイロンとしては、前記ベース樹脂のポリアミド樹脂とは異種の樹脂が使用される。このような樹脂としては、下記式(1)で表される単位を有する化合物などが使用できる。
【0087】
【化1】
【0088】
(式中、Z1およびZ2は、同一又は異なって、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択され、かつ少なくとも一方が芳香族炭化水素基であり、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基及びアリール基から選択され、また、R1及びR2は、直結して環を形成してもよい)。
【0089】
このような芳香族ナイロンには、ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリアミドであって、ジアミン成分およびジカルボン酸成分のうち、少なくとも一方の成分が芳香族化合物であるポリアミド;芳香族アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミドが含まれる。芳香族ナイロンには、少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分により形成されるコポリアミドも含まれる。
【0090】
ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、2,4−ジアミノメシチレン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、キシリレンジアミン(特に、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン)、ビス(2−アミノエチル)ベンゼン、ビフェニレンジアミン、ビフェニル骨格を有するジアミン(例えば、4,4−ジアミノ−3,3′−エチルビフェニル)、ジフェニルアルカン骨格を有するジアミン[例えば、ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3−エチル)ジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパンなど]、ビス(4−アミノフェニル)ケトン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、1,4−ナフタレンジアミンなどの芳香族ジアミンおよびそれらのN−置換芳香族ジアミンが挙げられる。また、1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン;トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどの脂肪族アミンおよびそれらのN−置換脂肪族ジアミンなどを併用してもよい。これらのジアミンは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジアミンとしては、芳香族ジアミン(特に、キシリレンジアミン、N,N′−ジアルキル置換キシリレンジアミン)を使用するのが好ましい。
【0091】
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸などのC2-20脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸やシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;二量体化脂肪酸(例えば、ダイマー酸)などが挙げられる。これらのジカルボン酸は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(特に、アジピン酸などのC6-20脂肪族ジカルボン酸)を使用するのが好ましい。
【0092】
芳香族又は脂環族アミノカルボン酸としては、例えば、フェニルアラニン、チロシン、アントラニル酸、アミノ安息香酸などが例示される。アミノカルボン酸も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0093】
また、芳香族ナイロンとして、難燃剤としての特性を損わない範囲で、ラクタム及び/又はα,ω−アミノカルボン酸との縮合体を使用してもよい。ラクタムとしては、プロピオラクタム、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタム(ε−カプロラクタムなど)などのC3-12ラクタムなど、α,ω−アミノカルボン酸としては、7−アミノヘプタン酸、10−アミノデカン酸などが挙げられる。
【0094】
その他の芳香族ナイロンの副成分として、一塩基酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、ニコチン酸など)、モノアミン類(例えば、エチルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミンなど)、二塩基酸類(例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シンコメロン酸など)、ジアミン類(例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ラクタム類等から選択された少なくとも1種を粘度調整剤として使用できる。
【0095】
芳香族ナイロンとしては、ジアミン成分が芳香族化合物であるポリアミド(例えば、ジアミン成分としてキシリレンジアミンを含むポリアミド又はコポリアミド)、好ましくは芳香族ジアミンとα,ω−C2-12ジカルボン酸とから得られるポリアミド[例えば、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド(MXD6)、スベリン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とパラキシリレンジアミンとから得られるポリアミド(PMD6)、スベリン酸とパラキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とN,N′−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、スベリン酸とN,N′−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸と1,3−フェニレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸と4,4′−ジアミノジフェニルメタンとから得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンとから得られるコポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジアミン及びN,N′−ジメチルメタキシリレンジアミンとから得られるコポリアミドなど]などが挙げられる。特に好ましい芳香族ナイロンとしては、芳香族ジアミン(特に、キシリレンジアミン)とα,ω−C2-12脂肪族ジカルボン酸から得られるポリアミド(特に、MXD6)が挙げられる。これらのポリアミドは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0096】
これらの芳香族ナイロンは、例えば、特公昭44−22510号公報、特公昭47−51480号公報、特開昭57−200420号公報、特開昭58−111829号公報、特開昭62−283179号公報、工業化学雑誌74巻4号p.786(1971)、工業化学雑誌74巻10号p.2185(1971)、エンジニアリングプラスチック辞典p.74(技報堂出版、1998年)及びそれらに記載の参考文献を基に常圧直接法あるいは溶融重合法などにより調製される。
【0097】
芳香族ナイロンの数平均分子量は、特に制限されず、例えば、300〜10×104、好ましくは500〜5×104程度の範囲から選択できる。
【0098】
(ポリアリレート系樹脂)
ポリアリレート系樹脂には、下記式(2)
[−O−Ar−OC(O)−A1−C(O)−] (2)
(式中、Arは芳香族基を示し、A1は芳香族、脂環族、又は脂肪族基を示す)で表される構造単位を有する化合物が使用できる。
【0099】
このようなポリアリレート系樹脂は、ポリエステル化反応としてエステル交換法(例えば、アセテート法、フェニルエステル法など)、酸クロリド法、直接法、または重付加法などにより、溶融重合法、溶液重合法、または界面重合法などを使用して製造できる。
【0100】
ポリアリレート系樹脂は、芳香族ポリオール成分とポリカルボン酸成分(芳香族ポリカルボン酸成分、脂肪族ポリカルボン酸成分、脂環式ポリカルボン酸成分など)との反応により得ることができる。ポリカルボン酸成分は、通常、少なくとも芳香族ポリカルボン酸成分を含む。
【0101】
芳香族ポリオール(モノマー)としては、通常、単環式芳香族ジオール、多環式芳香族ジオールなどのジオール、又はそれらの反応性誘導体[例えば、芳香族ポリオールの塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、芳香族ポリオールのエステル(酢酸エステルなど)、シリル保護された芳香族ポリオール(トリメチルシリル化体など)など]が用いられる。
【0102】
単環式芳香族ジオールとしては、例えば、ベンゼンジオール(レゾルシノール、ハイドロキノン、m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコールなど)、ナフタレンジオールなどの炭素数6〜20程度の芳香族環ジオールが挙げられる。
【0103】
多環式芳香族ジオールとしては、ビス(ヒドロキシアリール)類(ビスフェノール類)、例えば、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−ビフェノール、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、前記Z1及びZ2の項で例示のジヒドロキシジアリールアルカン類の他、ビスフェノールFなどのビス(ヒドロキシアリール)C1-6アルカンなど;ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン[例えば、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)C3-12シクロアルカンなど];ビス(ヒドロキシアリール)カルボン酸[例えば、ビス−4,4−(ヒドロキシフェニル)ブタン酸などのビス(ヒドロキシアリール)C2-6カルボン酸など]などが挙げられる。また、その他の多環式芳香族ジオールには、ビス(ヒドロキシアリール)骨格を有する化合物、例えば、前記Z1及びZ2の項で例示のジ(ヒドロキシフェニル)エーテル、ジ(ヒドロキシフェニル)ケトン、ジ(ヒドロキシフェニル)スルホキシドの他、ジ(ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(C1-4アルキル置換ヒドロキシフェニル)アルカン[例えば、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど]、テルペンジフェノール類(例えば、1,4−ジ(C1-4アルキル置換ヒドロキシフェニル)−p−メンタンなど)なども含まれる。
【0104】
これら芳香族ポリオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0105】
好ましい芳香族ポリオールには、ベンゼンジオール類、ビスフェノール類、例えば、ビス(ヒドロキシアリール)C1-6アルカン(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなど)などが含まれる。
【0106】
なお、前記芳香族ポリオールは、脂肪族又は脂環式ポリオールと併用してもよい。脂肪族ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC1-10脂肪族ポリオールが挙げられる。また、前記脂肪族ポリオールには、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC3-10脂肪族環を有する脂肪族ポリオールも含まれる。脂環式ポリオールとしてはシクロヘキサンジオールなどのC3-10脂環式ポリオールが挙げられる。
【0107】
芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、単環式芳香族ジカルボン酸、多環式芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、又はそれらの反応性誘導体[例えば、芳香族ポリカルボン酸ハライド(芳香族ポリカルボン酸クロライドなど)、芳香族ポリカルボン酸エステル(アルキルエステル、アリールエステルなど)、芳香族ポリカルボン酸無水物など]が挙げられる。
【0108】
単環式芳香族環ジカルボン酸には、例えば、前記芳香族ナイロンの項で例示の芳香族カルボン酸(ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの炭素数8〜20程度のアリールジカルボン酸)が挙げられる。なお、前記ベンゼンジカルボン酸及びナフタレンジカルボン酸(特に、ベンゼンジカルボン酸)には、1又は2個のC1-4アルキル基が置換していてもよい。
【0109】
多環式芳香族ジカルボン酸としては、ビス(アリールカルボン酸)類、例えば、ビフェニルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)メタンなどのビス(カルボキシアリール)C1-6アルカン;ビス(カルボキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(カルボキシアリール)C3-12シクロアルカン;ビス(カルボキシフェニル)ケトンなどのビス(カルボキシアリール)ケトン;ビス(カルボキシフェニル)スルホキシドなどのビス(カルボキシアリール)スルホキシド;ビス(カルボキシフェニル)エーテルなどのビス(カルボキシアリール)エーテル;ビス(カルボキシフェニル)チオエーテルなどのビス(カルボキシアリール)チオエーテルなどが挙げられる。
【0110】
好ましい芳香族ポリカルボン酸成分には、単環式芳香族ジカルボン酸(特に、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのベンゼンジカルボン酸)、ビス(カルボキシアリール)C1-6アルカンなどが含まれる。
【0111】
脂肪族ポリカルボン酸(モノマー)としては、前記芳香族ナイロンの項で例示した脂肪族ジカルボン酸(特にC2-20脂肪族ジカルボン酸)が挙げられ、ジカルボキシメチルシクロヘキサンなどのC3-10脂肪族環を有するジカルボン酸であってもよい。脂環式ポリカルボン酸としては、前記芳香族ナイロンの項で例示した脂環式ジカルボン酸(特にC3-20脂環式ジカルボン酸)が含まれる。
【0112】
好ましいポリアリレート系樹脂には、芳香族ポリオールがベンゼンジオール類及び/又はビスフェノール類であるポリアリレート樹脂、例えば、ベンゼンジオール類(ハイドロキノン、レゾルシノールなど)及び/又はビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールF、ビフェノール、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルなど)とベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸など)とのポリエステル、ベンゼンジオール類及び/又はビスフェノール類とビス(アリールカルボン酸)類[例えば、ビス(カルボキシフェニル)メタン、ビス(カルボキシフェニル)エタン、ビス(カルボキシフェニル)プロパンなどのビス(カルボキシアリール)C1-4アルカン]とのポリエステルなどが挙げられる。これらポリアリレート系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0113】
また、ポリアリレート系樹脂は、芳香族ジオール及び芳香族ジカルボン酸に加えて、必要に応じて、オキシカルボン酸(オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸など)、芳香族トリオール、芳香族テトラオール[例えば、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンなど]、芳香族トリカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸、オキシカルボン酸(例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸など)などを併用してもよい。
【0114】
また、ポリアリレート系樹脂の末端は、アルコール類、カルボン酸類など(特に、一価のアルコール類、一価のカルボン酸類など)で封鎖(結合)してもよい。ポリアリレート系樹脂の末端を封鎖する一価のアルコール類としては、例えば、一価のアリールアルコール類(C1-10アルキル基及び/又はC6-10アリール基が置換していてもよい一価のフェノール類、例えば、フェノール、o,m,又はp位に1〜2個のメチル基などのC1-4アルキル基を有するアルキルフェノール;o,m,又はp位にフェニル、ベンジル、クミル基などを有するアリールフェノールなど)、一価のアルキルアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ステアリルアルコールなどのC1-20アルキルモノアルコール類)、一価のアラルキルアルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどのC7-20アラルキルモノアルコール類)などが含まれる。
【0115】
ポリアリレート系樹脂の末端を封鎖(結合)する一価のカルボン酸類としては、一価の脂肪族カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、オクタン酸などのC1-20脂肪族モノカルボン酸)、一価の脂環式カルボン酸(シクロヘキサンカルボン酸などのC4-20脂環式モノカルボン酸)、一価の芳香族カルボン酸(安息香酸、トルイル酸、o,m,p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸等のC7-20芳香族モノカルボン酸)などが含まれる。また、前記カルボン酸類は、フェニル酢酸などの芳香族基が置換した一価の脂肪族カルボン酸(特に、C6-20芳香族基が置換したC1-10脂肪族モノカルボン酸)であってもよい。
【0116】
また、ポリアリレート系樹脂は、ポリアリレート系樹脂以外の樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどとポリマーアロイを構成してもよい。前記ポリマーアロイは、単純混合物のみならずエステル交換反応させたポリマーアロイあるいは相溶化剤を含んだポリマーアロイも含まれる。
【0117】
ポリアリレート系樹脂の数平均分子量は、例えば、300〜30×104、好ましくは500〜10×104程度である。
【0118】
(芳香族エポキシ樹脂)
芳香族エポキシ樹脂には、エーテル系エポキシ樹脂[例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂(例えば、3,3′,5,5′−テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂など)、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、不飽和環状炭化水素化合物変性エポキシ樹脂(例えば、(ジ)シクロペンタジエン型エポキシ樹脂など)、スチルベン型エポキシ樹脂など]、芳香族アミン成分を用いたアミン系エポキシ樹脂などが含まれる。
【0119】
ビスフェノール型エポキシ樹脂を構成するビスフェノールは、前記ビス(ヒドロキシアリール)類に同じである。好ましいビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビス(ヒドロキシアリール)C1-6アルカン、特にビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールFなどのグリシジルエーテルが挙げられる。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂には、分子量の大きな前記ビスフェノールグリシジルエーテル(すなわち、フェノキシ樹脂)も含まれる。
【0120】
ノボラック型エポキシ樹脂を構成するノボラック樹脂としては、芳香族環にアルキル基(例えば、C1-20アルキル基、好ましくはメチル基、エチル基などのC1-4アルキル基)が置換していてもよいノボラック樹脂(例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など)を挙げることができる。好ましいノボラック型エポキシ樹脂には、C1-2アルキル基が置換していてもよいノボラック樹脂のグリシジルエーテルが含まれる。
【0121】
アミン系エポキシ樹脂を構成する芳香族アミン成分には、単環式芳香族アミン(アニリン、トルイジンなど)、単環式芳香族ジアミン(ジアミノベンゼン、キシリレンジアミンなど)、単環式芳香族アミノアルコール(アミノヒドロキシベンゼンなど)、多環式芳香族性ジアミン(ジアミノジフェニルメタンなど)、多環式芳香族性アミンなどが挙げられる。
【0122】
芳香族エポキシ樹脂の数平均分子量は、例えば、200〜5×104、好ましくは300〜1×104、さらに好ましくは400〜6,000程度である。また、フェノキシ樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜5×104、好ましくは1,000〜4×104程度である。
【0123】
芳香族エポキシ樹脂は、アミン系硬化剤(例えば、エチレンジアミンなどの脂肪族アミン、メタフェニレンジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族アミンなど)、ポリアミノアミド系硬化剤、酸および酸無水物系硬化剤などの硬化剤により硬化して用いてもよい。
【0124】
これらの樹脂成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0125】
(ヒドロキシル基及び/又はアミノ基含有芳香族環を有する樹脂)
ヒドロキシル基及び/又はアミノ基を有する芳香族環を有する樹脂としては、前記芳香族環を主鎖又は側鎖に有する樹脂が挙げられる。こられの樹脂のうち、芳香族環を主鎖に有する樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、アラルキル樹脂、変性フェノール樹脂[例えば、テルペンフェノール樹脂(例えば、特開平7−292214号公報に記載の樹脂、ヤスハラケミカル(株)製,商品名「YSポリスターシリーズ」「マイティーシリーズ」、荒川化学工業(株)製,商品名「タマノル」など)、ロジン変性フェノール樹脂(多価アルコールとの反応生成物も含む)、不飽和炭化水素化合物変性フェノール樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン−フェノール重合体(例えば、特開昭61−291616号公報、特開昭62−201922号公報、特開平6−49181号公報に記載のフェノール樹脂など)、シクロペンタジエン−フェノール重合体(日本石油化学(株)製,商品名「DPP−600M」など))]が例示でき、芳香族環を側鎖に有する樹脂としては、芳香族ビニル樹脂が例示できる。
【0126】
(1)ノボラック樹脂
ノボラック樹脂は、下記式(3)で表される繰り返し単位を有している。
【0127】
【化2】
【0128】
(式中、R3〜R5は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、mは1以上の整数を示す)。
【0129】
アルキル基としては、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル等のC1-20アルキル基、好ましくはC1-12アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル、ナフチルなどのC6-20アリール基、置換アリール基(メチルフェニル、エチルフェニル基等のC1-4アルキル置換アリール基、ヒドロキシフェニル基など)が挙げられる。
【0130】
ノボラック樹脂(特に、ランダムノボラック樹脂)は、一般に、フェノール類と、アルデヒド類との反応により得られる。フェノール類としては、例えば、フェノール、p−又はm−クレゾール、3,5−キシレノール、アルキルフェノール(例えば、t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのC1-20アルキルフェノール)、アリールフェノール(例えば、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クミルフェノール)などが挙げられる。これらのフェノール類は、1種で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0131】
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどの芳香族アルデヒドなどが挙げられる。好ましいアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドなどが挙げられる。また、トリオキサン、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒドの縮合体も使用できる。フェノール類とアルデヒド類との割合は、前者/後者=1/0.5〜1/1(モル比)程度である。
【0132】
フェノール類とアルデヒド類との縮合反応は、通常、酸触媒の存在下で行われる。酸触媒としては、例えば、無機触媒(例えば、塩酸、硫酸、リン酸など)、有機触媒(p−トルエンスルホン酸、シュウ酸など)などが挙げられる。
【0133】
特に、1〜2核体が低減されたフェノールノボラック樹脂が好ましく用いられる。このようなフェノールノボラック樹脂としては、例えば、商品名「スミライトレジンPR−53647」、「スミライトレジンPR−NMD−100シリーズ」、「スミライトレジンPR−NMD−200シリーズ」として住友デュレズ(株)から入手できる。
【0134】
また、ノボラック樹脂として、オルソ/パラ比が1以上のハイオルソノボラック樹脂を使用してもよい。
【0135】
特に、ノボラック樹脂としては、オルソ/パラ比が、1以上、例えば、1〜20(特に1〜15)程度であるノボラック樹脂、すなわち、いわゆるハイオルソノボラック樹脂が好ましく用いられる。このようなハイオルソノボラック樹脂としては、例えば、商品名「スミライトレジンHPNシリーズ」として住友デュレズ(株)から入手できる。
【0136】
これらのノボラック樹脂の製造方法としては、特開2001−172348号公報、特開2000−273133号公報、特開2000−273132号公報、特開2000−226423号公報、特開平11−246643号公報、特開平10−204139号公報、特開平10−195158号公報等を参照できる。
【0137】
なお、前述のフェノール類と、ジオキシベンゼン類、ナフトール類、ビスフェノール類(例えば、前記Z1及びZ2の項で例示のビスフェノール類)、アルキルベンゼン類(例えば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレンなど)、アニリン類、フルフラール類、尿素類やトリアジン類(例えば、尿素、シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなど)、テルペン類、カシューナット類、ロジン類などの共縮合成分との共縮合体も使用できる。特に、トリアジン類で変性されたアミノトリアジンノボラックは好ましい共縮合体である。このようなアミノトリアジンノボラックはフェノール類、トリアジン類、及びホルアルデヒド類を、塩基性触媒(アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなど)及び/又は酸性触媒(シュウ酸など)の存在下又は非存在下で共縮合する方法[例えば、DIC Technical Review No.3、p47(1997)、特開平8−253557号公報、特開平10−279657号公報など]により得られる。アミノトリアジンノボラックは、商品名「フェノライト」として大日本インキ化学工業(株)から入手できる。
【0138】
また、ノボラック樹脂(ランダムノボラック樹脂及びハイオルソノボラック樹脂)のフェノール性水酸基の一部又は全部が、リン化合物(例えば、リン酸、亜リン酸、有機ホスホン酸、有機ホスフィン酸などのリン酸類、及びこれらの無水物、ハロゲン化物、塩、又はエステル(特に、脂肪族エステル)など)、及びホウ素化合物(例えば、ホウ酸、有機ボロン酸、有機ボリン酸などのホウ酸類、及びこれらの無水物、ハロゲン化物、塩、又はエステルなど)から選択された少なくとも1種を用いて変性された変性ノボラック樹脂(例えば、リン酸変性ノボラック樹脂、ホウ酸変性ノボラック樹脂など)も使用できる。ノボラック樹脂の水酸基は、通常、リン酸エステル又はホウ酸エステルとして変性されている。
【0139】
さらに、ノボラック樹脂(ランダムノボラック樹脂及びハイオルソノボラック樹脂)のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部が、金属イオン、シリル基もしくは有機基(アルキル基、アルカノイル基、ベンゾイル基など)で変性(又は置換)された変性ノボラック樹脂も使用できる。
【0140】
好ましいノボラック樹脂としては、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(例えば、t−ブチルフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、p−オクチルフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂)、およびこれらの共縮合体(アミノトリアジンノボラック樹脂)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0141】
ノボラック樹脂(ランダムノボラック樹脂及びハイオルソノボラック樹脂)の数平均分子量は、特に制限されず、例えば、300〜5×104、好ましくは300〜1×104程度の範囲から選択できる。
【0142】
(2)アラルキル樹脂
アラルキル樹脂は、下記式(4)で表される構造単位を有している。
【0143】
【化3】
【0144】
(式中、Arは芳香族基を示し、Z3及びZ4は同一又は異なってアルキレン基を示し、R6は水素原子又はアルキル基を示す。Xはヒドロキシル基、アミノ基、又はN−置換アミノ基を示す)。
【0145】
Arで示される芳香族基としては、炭素数6〜20の芳香族基、例えば、フェニレン基(o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基など)、ナフチレン基など、好ましくはフェニレン基(特に、p−フェニレン基)を挙げることができる。
【0146】
Z3及びZ4で示されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ヘキサメチレンなどのC1-6アルキレン基、好ましくはC1-4アルキレン基(特にC1-2アルキレン基)が挙げられる。R6で示されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル等のC1-20アルキル基(特にC1-4アルキル基)が挙げられる。
【0147】
Xで示されるN−置換アミノ基には、モノ又はジC1-4アルキルアミノ基、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が含まれる。
【0148】
アラルキル樹脂としては、Xがヒドロキシル基であるフェノールアラルキル樹脂を用いる場合が多い。好ましいフェノールアラルキル樹脂には、Z7及びZ8がメチレン基、Arがフェニレン基、R6が水素原子であり、下記式(5)で表されるp−キシレン置換フェノールを繰り返し単位として有する樹脂が含まれる。
【0149】
【化4】
【0150】
アラルキル樹脂は、一般に、下記式(6)で表される化合物とフェノール類又はアニリン類との反応により得ることができる。フェノール類を用いるとフェノールアラルキル樹脂が、アニリン類を用いるとアニリンアラルキル樹脂を得ることができる。
【0151】
Y−Z5−Ar−Z6−Y (6)
(式中、Yはアルコキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を示す。Ar、Z5及びZ6は前記に同じ)。
【0152】
式(6)において、Yで示されるアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基が含まれる。アシルオキシ基にはアセトキシ基などの炭素数が2〜5程度のアシルオキシ基が含まれる。また、ハロゲン原子には、塩素、臭素、ヨウ素などが含まれる。
【0153】
前記式(6)で表される化合物としては、例えば、キシリレングリコールC1-4アルキルエーテル(p−キシリレングリコールジメチルエーテル、p−キシリレングリコールジエチルエーテルなど)などのアラルキルエーテル類、p−キシリレン−α,α′−ジアセテートなどのアシルオキシアラルキル類、p−キシリレン−α,α′−ジオールなどのアラルキルジオール類、p−キシリレン−α,α′−ジクロライド、p−キシリレン−α,α′−ジブロマイドなどのアラルキルハライド類が挙げられる。
【0154】
フェノール類としては、例えば、前記ノボラック樹脂の項で例示のフェノール又はアルキルフェノールが挙げられる。これらフェノール類は、1種で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0155】
アニリン類としては、例えば、アニリン、アルキルアニリン(例えば、トルイジン、キシリジン、オクチルアニリン、ノニルアニリンなどのC1-20アルキルアニリン)、及びN−アルキルアニリン(例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどのN−C1-4アルキルアニリン)が挙げられる。これらアニリン類は、1種で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0156】
前記式(6)で表される化合物と、フェノール類又はアニリン類との割合は、例えば、前者/後者=1/1〜1/3(モル比)程度、好ましくは1/1〜1/2.5(モル比)程度である。
【0157】
このようにして得られたアラルキル樹脂の軟化点は、例えば、40〜160℃程度、好ましくは50〜150℃程度、さらに好ましくは55〜140℃程度である。尚、他のアラルキル樹脂として、特開2000−351822号公報記載のアラルキル樹脂も使用できる。
【0158】
また、アラルキル樹脂は必要に応じて硬化又は変性してもよい。硬化又は変性は、通常、ポリアミン(ヘキサメチレンテトラミンなど)によるメチレン架橋、エポキシ化合物(エピクロルヒドリンなど)によるエポキシ変性などの慣用の方法により行うことができる。
【0159】
(3)芳香族ビニル樹脂
芳香族ビニル樹脂としては、例えば、下記式(7)で表される構造単位を有する樹脂が使用できる。
【0160】
【化5】
【0161】
(式中、R7は水素原子又はC1-3アルキル基、R8は芳香族環を示し、nは1〜3の整数である)。
【0162】
式(7)において、好ましいC1-3アルキル基としては、メチル基が挙げられる。また、芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン環などのC6-20芳香族環が挙げられる。なお、芳香族環は、置換基(例えば、ヒドロキシル基;前記R3〜R5の項で例示のアルキル基;前記Yの項で例示のアルコキシ基など)を有していてもよい。
【0163】
式(7)において、ヒドロキシル基の水素原子は、金属イオン、シリル基もしくはアルキル基、アルカノイル基、ベンゾイル基などの有機基(保護基)で保護されていてもよい。
【0164】
このような誘導体から得られる樹脂は、例えば、下記式(8)に示される構造単位を有する。
【0165】
【化6】
【0166】
[式中、R7は前記に同じ。R9は−OH, −OSi(R10)3及び−OM(Mは金属カチオン、OR10及びOCOR10であり、R10は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基又はアリール基である)からなる群より選ばれる基である。また、pは1〜3の整数である]。
【0167】
前記式において、Mは一価のアルカリ金属カチオン(ナトリウム、リチウム、カリウムなど)、又は二価のアルカリ土類金属カチオン(マグネシウム、カルシウムなど)もしくは遷移金属カチオンのいずれかであってもよい。
【0168】
前記式の置換基R9は、オルト位、メタ位又はパラ位のいずれか一つに位置していればよい。さらに、置換基R9に加えて、ペンダント芳香族環はC1-4のアルキル基で置換されていてもよい。
【0169】
芳香族ビニル系樹脂には、前記構造単位(7)に対応するヒドロキシル基を有する芳香族ビニルモノマーの単独又は共重合体、または他の共重合性モノマーとの共重合体などが含まれる。
【0170】
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルフェノール、ジヒドロキシスチレン、ビニルナフトールなどのヒドロキシル基含有芳香族ビニルモノマーなどが含まれる。これらの芳香族ビニルモノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0171】
他の共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系モノマー[(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなどの(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸グリシジルなど)、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなど]、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタリン、ビニルシクロヘキサンなど)、重合性多価カルボン酸(フマル酸、マレイン酸など)、マレイミド系モノマー(マレイミド、N−アルキルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど)、ジエン系モノマー(イソプレン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなど)、ビニル系モノマー(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾールなどの窒素含有ビニルモノマーなど)などが挙げられる。これらの共重合性モノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0172】
ビニルモノマーと共重合性モノマーとの割合は、例えば、10/90〜100/0(重量%)、好ましくは30/70〜100/0(重量%)、さらに好ましくは40/60〜100/0(重量%)程度である。
【0173】
好ましい芳香族ビニル樹脂は、ビニルフェノール単独重合体(ポリヒドロキシスチレン)、特にp−ビニルフェノール単独重合体である。
【0174】
芳香族ビニル樹脂の数平均分子量は、特に制限されず、例えば、300〜50×104、好ましくは400〜30×104程度の範囲から選択できる。
【0175】
これらの芳香族樹脂のうち、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ノボラック樹脂、アラルキル樹脂、芳香族ビニル樹脂、特にポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ノボラック樹脂が好ましい。
【0176】
(C3)窒素含有化合物
難燃助剤として用いられる窒素含有化合物としては、(a)アミノ基を有する窒素含有環状化合物、(b)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩、(c)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と酸素酸との塩、(d)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と有機リン酸との塩、(e)ポリリン酸アミド、(f)尿素化合物、(g)アミジン化合物、(h)テトラゾール化合物等が挙げられる。
【0177】
(a)アミノ基を有する窒素含有環状化合物
アミノ基を有する窒素含有環状化合物には、少なくとも1つのアミノ基と、少なくとも1つの窒素原子を環のヘテロ原子として有するヘテロ環状化合物が含まれ、ヘテロ環は、窒素以外にイオウ、酸素などの他のヘテロ原子を有していてもよい。このような窒素含有ヘテロ環には、窒素含有5員環(ピロール、ピラゾリン、イミダゾール、トリアゾール等)、窒素及び硫黄含有5員環(チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン等)、窒素及び酸素含有5員環(オキサゾリン、フラザン等)、窒素含有6員環(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン等)、窒素及び酸素含有6員環(オキサジンなど)、窒素及び硫黄含有6員環(チアジン、チアジアジン等)、縮合複素環(インドール、インダゾール、キノリン、プリン等)などの複数の窒素原子を環の構成原子として有する5又は6員不飽和窒素含有ヘテロ環などが含まれる。このような窒素含有環のうち、複数の窒素原子を環の構成原子として有する5又は6員不飽和窒素含有環が好ましく、特に、トリアゾール及びトリアジンが好ましい。
【0178】
トリアゾール化合物としては、1,2,3−トリアゾール類(1H−1,2,3−トリアゾール類;2H−1,2,3−トリアゾール類など)、及び1,2,4−トリアゾール類(グアナゾールなどの1H−1,2,4−トリアゾール類;グアナジンなどの4H−1,2,4−トリアゾール類など)が例示でき、アミノ基はトリアゾール環の適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。アミノ基の個数は、特に制限されず、1〜3個、特に1〜2個程度である。
【0179】
トリアジン化合物としては、1,3,5−トリアジン類[メラミン、置換メラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミンなど)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂など)などのメラミン又はその誘導体;アンメリン、アンメリドなどのシアヌール酸アミド類;グアナミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、CTU−グアナミンなどのグアナミン又はその誘導体など]、アミノ基含有1,2,3−トリアジン類(5−位、4,5−位、4,5,6−位などにアミノ基が置換した1,2,3−トリアジン、4−アミノ−ベンゾ−1,2,3−トリアジンなど)、アミノ基含有1,2,4−トリアジン類(3−位、5−位、3,5−位などにアミノ基が置換した1,2,4−トリアジンなど)などの各種アミノトリアジン類が挙げられる。アミノ基は、トリアジン環の適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に炭素原子)に置換していてもよい。アミノ基の個数は特に制限されず、1〜4個、特に1〜3個(例えば、1〜2個)程度である。
【0180】
これらのうち、アミノ基含有トリアジン化合物、特にアミノ基含有1,3,5−トリアジン類が好ましい。
【0181】
(b)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩
アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩は、メラミン化合物と、シアヌール酸やイソシアヌール酸又はその誘導体との付加物(メラミン化合物と、シアヌール酸、イソシアヌール酸、又はその誘導体との塩)であり、前者と後者との割合(モル比)は、特に制限されないが、例えば、前者/後者=3/1〜1/2、好ましくは1/1〜2/1程度である。
【0182】
メラミン化合物には、メラミン又は置換メラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミン等)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂など)、グアナミン又はその誘導体(グアナミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、CTU−グアナミン等)などが含まれる。シアヌール酸又はその誘導体には、シアヌール酸、イソシアヌール酸、アンメリン、アンメリド等が含まれる。
【0183】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩としては、例えば、メラミンシアヌレートなどのシアヌール酸のメラミン塩や、メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩等が例示できる。メラミンシアヌール酸類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、メラミンシアヌレートが好ましい。
【0184】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩の製造方法は、特に制限されないが、メラミン化合物とシアヌール酸又はその誘導体との混合物を水スラリーとして調製し、充分に混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥する方法が好ましい。このようにして得られる粉末状化合物には、多少の未反応物として、メラミン化合物やシアヌール酸、イソシアヌール酸等が残存していてもよい。
【0185】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物と(イソ)シアヌール酸との塩の平均粒径は0.01〜100μm、好ましくは0.1〜70μm、さらに好ましくは1〜50μm程度である。平均粒径が小さすぎると2次凝集し易く、樹脂に対する分散性が低下し、大きすぎると、難燃性が低下する。
【0186】
(c)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と酸素酸との塩
アミノ基を有する窒素含有環状化合物としては、前記(a)と同様の窒素含有環状化合物が使用できる。
【0187】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物は、環を構成する窒素原子部位(イミノ基)で酸素酸と塩を形成してもよいが、通常、環に置換した少なくとも1つのアミノ基と酸素酸とで塩を形成するのが好ましい。複数のアミノ基を有する場合、全てのアミノ基が酸素酸と塩を形成していてもよい。また、複数の同種又は異種の窒素含有化合物(前記窒素含有環状化合物や他のアミノ基含有窒素含有化合物)が1つのポリ酸と塩を形成して、ポリ酸の複塩を形成してもよい。
【0188】
(酸素酸)
酸素酸には、硝酸、塩素酸(過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸など)、リン酸、硫酸、スルホン酸、ホウ酸、クロム酸、アンチモン酸、モリブデン酸、タングステン酸、スズ酸、ケイ酸などが含まれる。好ましい酸素酸には、リン酸(ポリリン酸)、硫酸、スルホン酸、ホウ酸が含まれる。
【0189】
(1)アミノ基を有する窒素含有環状化合物のリン酸塩
リン酸には、ペルオクソリン酸、オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸(ホスホン酸)、次亜リン酸(ホスフィン酸)などの非縮合リン酸;ポリメタリン酸(HPO3)s(式中、sは、2以上の整数を示す)、次リン酸、無水リン酸(五酸化二リン)などの縮合リン酸(ポリリン酸)などが含まれる。また、前記ポリリン酸には下記式(9)で表される縮合リン酸類も含まれる。
【0190】
【化7】
【0191】
(式中、qは2以上の整数を示す)。
【0192】
前記式において、qは、好ましくは2〜200の整数、さらに好ましくは3〜100の整数である。
【0193】
また、前記ポリリン酸には、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸なども含まれる。
【0194】
複数の塩形成可能な部位を有するリン酸は、少なくとも一部の部位がアミンや尿素などの他のアミノ基含有化合物と部分塩(ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸尿素などの縮合酸の部分塩;オルトリン酸尿素などの非縮合酸の部分塩など)を形成してもよい。
【0195】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物のリン酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物のリン酸塩、例えば、非縮合リン酸塩(オルトリン酸メラミン、ホスホン酸メラミンなどの非縮合リン酸のメラミン塩;前記メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩など)、ポリリン酸塩[ピロリン酸メラミン塩(ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ジメラミン)、これらのピロリン酸メラミン塩に対応する三リン酸塩、四リン酸塩などのポリリン酸メラミン類;前記ポリリン酸メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩など]などが例示できる。また、ポリリン酸塩は、硫酸に由来する硫黄原子を含んでいてもよい。前記トリアジン塩に対応するトリアゾール塩なども使用できる。
【0196】
ポリリン酸塩には、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩、メタリン酸メラミン・メラム・メレム複塩や、前記イオウ原子を含むポリ酸(リン原子の他に、イオウ原子、酸素原子などを含むポリ酸)のメラミン・メラム・メレム複塩なども含まれる。これらの複塩の詳細は特開平10−306081号公報、特開平10−306082号公報を参照できる。
【0197】
(2)アミノ基を有する窒素含有化合物の硫酸塩
硫酸としては、ペルオクソ一硫酸、硫酸、亜硫酸等の非縮合硫酸、ペルオクソ二硫酸やピロ硫酸等の縮合硫酸などが挙げられる。
【0198】
アミノ基を有する窒素含有化合物の硫酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩、例えば、縮合硫酸塩[硫酸メラミン類(硫酸メラミン、硫酸ジメラミン、硫酸グアニルメラミンなど)、硫酸メラミンに対応する亜硫酸メラミンなどの非縮合硫酸メラミン類;前記非縮合硫酸メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩など)]、縮合硫酸塩[ピロ硫酸メラミン類(ピロ硫酸メラミン、ピロ硫酸ジメラミンなど)、ピロ硫酸メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩など]などが例示できる。また、前記トリアジン塩に対応するトリアゾール塩も使用できる。
【0199】
なお、硫酸メラミンは、例えば、特開平8−231517号公報に記載の方法などにより得ることができる。ピロ硫酸ジメラムは、例えば、A.C.S. SymposiumSeries No. 425 "Fire and Polymers"、第15章、211〜238頁(American Chemical Society, Washington D.C., 1990)、特開平10−306082号公報に記載の方法などにより得ることができる。このような窒素含有環状化合物(トリアジン化合物)の硫酸塩としては、例えば、(株)三和ケミカルから「アピノン901」などとして入手可能である。
【0200】
(3)アミノ基を有する窒素含有環状化合物のスルホン酸塩
スルホン酸としては、C1-10アルカンスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸など)、C6-20アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)等の有機スルホン酸が挙げられる。
【0201】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物のスルホン酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物(例えば、メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなど)のスルホン酸塩[スルホン酸メラミン類(メタンスルホン酸メラミン、メタンスルホン酸メラム、メタンスルホン酸メレム、メタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複塩、メタンスルホン酸グアナミンなど)]が例示できる。このような窒素含有環状化合物(トリアジン化合物)の有機スルホン酸塩としては、例えば、日産化学工業(株)から「メタンスルホン酸メラム MMS−200」などとして入手可能である。
【0202】
(4)アミノ基を有する窒素含有環状化合物のホウ酸塩
ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸などの非縮合ホウ酸;四ホウ酸、無水ホウ酸などの縮合ホウ酸などが挙げられる。
【0203】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物のホウ酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物のホウ酸塩、例えば、非縮合ホウ酸塩[オルトホウ酸メラミン塩(オルトホウ酸モノ乃至トリメラミンなどのオルトホウ酸メラミン塩)、前記メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩などのオルトホウ酸塩;前記オルトホウ酸塩に対応するメタホウ酸塩]、ポリホウ酸塩[縮合ホウ酸メラミン塩(無水ホウ酸メラミン、四ホウ酸メラミンなど)、前記メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩]などが例示できる。
【0204】
このような窒素含有環状化合物(トリアジン化合物)のホウ酸塩としては、例えば、DMS社から「melapur」、Joseph Storey & Co LTD社から「STORFLAM MLB」、Budenheim Iberica Comercial社から「BUDIT 313」などとして入手可能である。
【0205】
前記酸素酸塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0206】
アミノ基を有する窒素含有環状化合物と酸素酸との割合は、特に制限されないが、例えば、前者/後者(モル比)=1/20〜20/1、好ましくは1/10〜10/1(例えば1/5〜10/1)、特に1/2〜8/1程度である。窒素含有環状化合物が有するアミノ基と酸素酸の塩形成可能部位との当量比も特に制限されず、例えば、10/1〜1/2、好ましくは5/1〜1/1、特に4/1〜1/1程度である。
【0207】
(d)アミノ基を有する窒素含有環状化合物と有機リン酸との塩
アミノ基を有する窒素含有環状化合物としては、前記(a)と同様のアミノ基を有する窒素含有環状化合物が例示できる。
【0208】
有機リン酸としては、例えば、前記(b)の項で例示した非縮合リン酸[リン酸(オルトリン酸など)、ホスホン酸など]の部分エステル、及び有機基で置換されたホスホン酸又はホスフィン酸などが例示できる。有機リン酸は、アミノ基を有する窒素含有環状化合物と塩を形成可能な部位を少なくとも1つ有していればよい。
【0209】
リン酸エステル(有機オルトリン酸)には、アルコール類(一価又は多価アルコール、一価又は多価のフェノール類)のリン酸モノ又はジエステルが含まれる。前記アルコール類には、前記ポリアリレート系樹脂の項で例示した一価のアルコール(特にC1-10脂肪族モノオール)及び脂肪族ポリオールの他、グリセロール、ペンタエリスリトールなどのC1-10脂肪族ポリオール;ニトリロトリメタノールなどのヘテロ原子を有するC2-10脂肪族ポリオール;シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどのC5-8脂環族モノオール(好ましくはC5-6シクロアルカノール);シクロヘキサンジオールなどのC5-8脂環族ジオール(好ましくはC5-6シクロアルカンジオール);フェノール、アルキルフェノール(例えば、p−又はm−クレゾール、3,5−キシレノール、トリメチルフェノール、t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのモノ乃至トリC1-20アルキルフェノール)、アリールフェノール(例えば、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クミルフェノール)、ナフトール、ヒドロキシビフェニルなどの一価フェノール類;前記ポリアリレート系樹脂の項で例示した一価のアラルキルアルコール及び芳香族環ジオールなどが含まれる。
【0210】
このようなリン酸エステルとしては、メチルホスフェート、ジブチルホスフェートなどのモノ又はジC1-10アルキルホスフェート;エチレングリコールモノホスフェート、ペンタエリスリトールビスホスフェートなどのC2-10脂肪族多価アルコールのモノ乃至テトラホスフェート;モノフェニルホスフェート、モノクレジルホスフェート、モノキシリルホスフェート、モノトリメチルフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジクレジルホスフェート、ジキシリルホスフェート、ジトリメチルフェニルホスフェートなどの置換基(C1-4アルキル基など)を有していてもよい一価フェノール類のリン酸エステル(例えば、C1-4アルキル基を有していてもよいモノ又はジC6-14アリールホスフェート);フェニレンビスホスフェートなどの置換基(C1-4アルキル基など)を有していてもよい多価フェノール類のモノ又はジホスフェート(例えば、C1-4アルキル基を有していてもよいC6-14アリーレンモノ又はジホスフェート)など]、アルキル−アリールリン酸エステル[メチルフェニルホスフェートなどのC1-10アルキルC6-14アリールホスフェート(好ましくはC1-6アルキルC6-10アリールホスフェート)など]などが含まれる。
【0211】
有機ホスホン酸には、前記リン酸エステルに対応するホスホン酸モノエステル、ホスホン酸のリン原子に直接結合した水素原子が有機基(脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基などの有機基)で置換された有機ホスホン酸、前記アルコール類の有機ホスホン酸モノエステルなどが含まれる。
【0212】
前記有機ホスホン酸には、脂肪族ホスホン酸[メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸などのアルキルホスホン酸;1−ヒドロキシエチリデン−1−ホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などの脂肪族ポリオールのモノ又はジホスホン酸エステル;ホスホノ酢酸、3−ホスホノプロピオン酸などのホスホノC1-10脂肪族カルボン酸又はそのカルボン酸エステル(ホスホノ酢酸エチル、3−ホスホノプロピオン酸エチルなどのホスホノカルボン酸のカルボン酸エステル類など)などのホスホノカルボン酸類などの置換基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基など)を有していてもよいC1-10アルキル基で置換されたホスホン酸(好ましくはC1-6アルキル置換ホスホン酸);エチレンビスホスホン酸などのC1-10アルキレンジホスホン酸;ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)などのヘテロ原子を有する脂肪族多価基で置換されたホスホン酸など]、芳香族ホスホン酸[フェニルホスホン酸、トリルホスホン酸などのC6-10アリールホスホン酸;ホスホノ安息香酸などのホスホノC7-15芳香族カルボン酸又はそのカルボン酸エステル(ホスホノ安息香酸エチルなどのホスホノ芳香族カルボン酸のカルボン酸エステル類など)などのホスホノカルボン酸;フェニレンビスホスホン酸などの置換基(C1-4アルキル基など)を有していてもよい芳香族多価基で置換されたホスホン酸など]などが含まれる。また、前記有機ホスホン酸はポリマーと結合したホスホン酸(ポリビニルホスホン酸など)であってもよい。
【0213】
有機ホスホン酸モノエステルには、前記有機ホスホン酸と前記リン酸エステルの項で例示のアルコール類とのモノエステル、例えば、メチルホスホン酸モノメチルエステルなどのC1-10アルキルホスホン酸モノC1-6アルキルエステル;ホスホノカルボン酸のジエステル(エトキシカルボニルメチルホスホン酸モノエチル、エトキシカルボニルエチルホスホン酸モノエチルなどのC2-6アルコキシカルボニルC1-6アルキルホスホン酸モノC1-6アルキルエステルなど);メチルホスホン酸モノフェニルエステルなどのC1-10アルキルホスホン酸モノC6-10アリールエステル;フェニルホスホン酸モノメチルエステルなどのC6-10アリールホスホン酸C1-6アルキルエステル;フェニルホスホン酸モノフェニルエステルなどのC6-10アリールホスホン酸モノC6-10アリールエステルなどが含まれる。なお、前記ホスホン酸エステルは、環状ホスホン酸エステル(9,10−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−10−オキソ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなど)であってもよい。
【0214】
有機ホスフィン酸には、ホスフィン酸のリン原子に有機基(脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基などの炭化水素基)が結合した有機ホスフィン酸が含まれる。このような有機ホスフィン酸としては、前記置換ホスホン酸に対応する置換ホスフィン酸、例えば、メチルエチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸などのモノ又はジC1-10アルキルホスフィン酸;メチルフェニルホスフィン酸などのC1-10アルキルC6-10アリールホスフィン酸;フェニルホスフィン酸などのC6-10アリールホスフィン酸;ホスフィニコカルボン酸[ホスフィニコジ酢酸などのホスフィニコジC1-6脂肪族カルボン酸;3−(メチルホスフィニコ)プロピオン酸などのC1-6アルキルホスフィニコ−モノC1-6脂肪族カルボン酸、3−(フェニルホスフィニコ)プロピオン酸などのC6-10アリールホスフィニコ−モノC1-6脂肪族カルボン酸、これらのホスフィニコカルボン酸のカルボン酸エステルなど;ホスフィニコモノ又はジC6-10アリールカルボン酸又はそのカルボン酸エステル];ヒドロキシホスフィンオキシド(1−ヒドロキシジヒドロホスホニルオキシド、1−ヒドロキシホスホランオキシドなど)などが挙げられる。
【0215】
前記有機リン酸塩は、塩形成可能な部位の一部又は全部でアミノ基を有する窒素含有環状化合物と塩を形成でき、いずれの塩も使用できる。このような有機リン酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物の塩、例えば、有機リン酸エステルのメラミン塩(ペンタエリスリトールビスホスフェート・メラミン、ペンタエリスリトールビスホスフェート・ジメラミンなど)、C1-6アルキル置換ホスホン酸のメラミン塩、C1-6脂肪族ジオールのモノ又はジホスホン酸エステルのメラミン塩(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸・ジメラミン、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸・テトラメラミンなど)、ヘテロ原子を有する脂肪族多価基で置換されたホスホン酸のメラミン塩[ニトリロトリス(メチルホスホン酸)・テトラメラミン塩、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)・ヘキサメラミン塩など]、及びC6-10アリールホスホン酸・メラミン(フェニルホスホン酸・メラミン、フェニルホスホン酸・ジメラミンなど)、ホスフィニコカルボン酸・メラミン塩[3−(フェニルホスフィニコ)プロピオン酸・メラミン、3−(フェニルホスフィニコ)プロピオン酸・ジメラミンなどのアリールホスフィニコカルボン酸・メラミン塩];前記メラミン塩に対応するメレム塩、メラム塩、メロン塩、グアナミン塩;並びにペンタエリスリトールビスホスフェート・メラミン・メレムなどの前記メラミン塩に対応する複塩などが挙げられる。また、前記トリアジン化合物塩に対応するトリアゾール塩も使用できる。このような有機リン酸塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0216】
このようなアミノ基を有する窒素含有化合物(特に、アミノ基含有トリアジン化合物)の有機リン酸塩の製造方法は、特に制限されないが、例えば、前記窒素含有化合物と有機リン酸と含む溶液又は分散液(水−アセトン混合系、水−アルコール混合系などの水溶液又は懸濁液など)を、適当な温度(例えば50〜100℃程度)で攪拌、混合し、生成する沈殿物を分離、乾燥する方法などにより製造できる。
【0217】
(e)(ポリ)リン酸アミド
ポリリン酸アミドとしては、前記酸素酸の項で例示したリン酸類と、−N=C=N−又は−N=C(−N<)2で表されるユニットを有する化合物(シアナミド誘導体など)との縮合物であり、アミド態の窒素を含有する高分子化合物である。このようなポリリン酸アミドは、通常、前記リン酸と前記シアナミド誘導体とを、尿素及びリン酸尿素から選択された少なくとも一種(結合剤)の存在下で加熱(焼成など)することにより得られる。
【0218】
前記リン酸類としては、非縮合リン酸(オルトリン酸、メタリン酸など)、ポリリン酸、リン酸の部分エステル(ポリリン酸アンモニウム、リン酸尿素など)などが好ましく使用できる。リン酸類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0219】
前記シアナミド誘導体としては、アミノ基含有トリアジン類(メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのアミノ基含有1,3,5−トリアジン類、3−アミノ−1,2,4−トリアジンなどのアミノ基含有1,2,4−トリアジン類など)、アミノ基含有トリアゾール類(2,5−ジアミノ−1,3,4−トリアゾールなどのアミノ基含有1,3,4−トリアゾール類など)などの環状シアナミド誘導体;グアニジン類[グアニジン、グアニジン誘導体(ジシアンジアミド、グアニル尿素など)など]などの非環状シアナミド誘導体などが挙げられる。好ましいシアナミド誘導体は、アミノ基含有1,3,5−トリアジン類、グアニジン又はその誘導体、特にメラミンなどである。このようなシアナミド誘導体は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0220】
(ポリ)リン酸アミドは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリリン酸アミドについては、例えば、特開平7−138463号公報を参照できる。このようなポリリン酸アミドは、特公昭53−2170号公報、特公昭53−15478号公報、特公昭55−49004号公報、特開昭61−126091号公報、特開平10−81691号公報、米国特許第4043987号明細書などに記載の方法などにより製造できる。ポリリン酸アミドは、「スミセーフPM」[住友化学工業(株)製]、「タイエンS」[太平化学産業(株)製]、「アピノンMPP」[(株)三和ケミカル製]、「Melapur」[DSM社製]、「Exolit」[クラリアント社製]、「AMGARD」[Albright&Wilson社製]として市販されている。
【0221】
(f)尿素化合物
尿素化合物には、非環状尿素化合物及び環状尿素化合物が含まれる。
【0222】
(非環状尿素化合物)
非環状尿素化合物には、尿素、アルキル基などの置換基が置換したN−置換尿素[例えば、N−メチル体、N−エチル体などのN−C1-6アルキル体、アルキレンジウレア(例えば、メチレンジウレアなどのC1-6アルキレンジウレアなど)など]、非環状ウレイド化合物[オキサルル酸などのC2-6ジカルボン酸のウレイド酸、ウレイド酢酸などのウレイド基含有C1-6モノカルボン酸、ウレイドコハク酸などのカルバミド基含有C2-6ジカルボン酸、又はそれらの誘導体(アミド、エステルなど)などのモノウレイド;アラントイン酸などのC2-6ジカルボン酸のジウレイドなど]、非環状の尿素縮合体[尿素の二量体(例えば、ビウレット、ビウレアなど)、尿素の多量体、尿素とアルデヒド化合物との縮合体など]などが含まれる。
【0223】
(環状尿素化合物)
環状尿素化合物は、少なくとも1つの尿素ユニット−NHCONH−を環の構成ユニットとして有する限り、特に制限されず、単環化合物、芳香族炭化水素環との縮合環、架橋環などのいずれであってもよい。このような環状尿素化合物には、環状モノウレイド、環状ジウレイド等が挙げられる。これらの環状尿素化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0224】
環状モノウレイドとしては、例えば、アルキレン尿素[メチレン尿素、エチレン尿素、クロトニリデン尿素(CDU)などのC1-10アルキレン尿素(好ましくはC1-6アルキレン尿素)など]、アルケニレン尿素(ビニレン尿素、シトシン等のC2-10アルケニレン尿素など)、アルキニレン尿素[C2-10アルキニレン尿素(好ましくはC2-6アルキニレン尿素)など]、アリーレン尿素(イメサチンなど)、ジカルボン酸のウレイド(パラバン酸、ジメチルパラバン酸、バルビツル酸、5,5−ジエチルバルビツル酸、ジリツル酸、ジアルル酸、アロキサン、アロキサン酸、イソシアヌール酸、ウラミル等)、β−アルデヒド酸のウレイド[ウラシル、5−メチルウラシル(チミン)、ジヒドロウラシル、ウラゾール、ベンゾイレン尿素等]、α−オキシ酸のウレイド[ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、1,1−メチレンビス(5,5−ジメチルヒダントイン)、アラントイン等のヒダントイン類など]、又はその誘導体などが例示できる。
【0225】
環状ジウレイドとしては、例えば、尿酸、3−メチル尿酸、プソイド尿酸、アセチレン尿素(グリコールウリル)、α−オキシ酸のジウレイド[1,1−メチレンビス(5,5−ジメチルヒダントイン)、アラントインなど]、p−ウラジンなどのジウレア、ジカルボン酸のジウレイド(アロキサンチン、プルプル酸等)、又はその誘導体などが例示できる。
【0226】
これらの環状尿素化合物のうち、2つの尿素ユニットを環の構成ユニットとして有する環状ジウレイド、特にアセチレン尿素、尿酸、それらの誘導体が好ましい。
【0227】
(g)アミジン化合物
アミジン化合物には、RC(=NH)NH2(Rは、水素原子、アルキル基、アシル基を示す)で表される構成単位を含むアミジン及びその誘導体が含まれる。アミジン類の構造は、非環状であっても、環状であってもよい。さらに、アミジン類には、前記Rがアミノ基であるグアニジン類(グアニジン又はその誘導体)も含まれ、その構造は、非環状であっても、環状であってもよい。非環状アミジンには、例えば、アミジン、ジシアンジアミド又はこれらの誘導体などが含まれる。好ましいアミジン類には、例えば、アミジン、ジシアンジアミド、グリコシアミン、グアノリン、クレアチン、クレアチニン、又はそれらの誘導体などが含まれる。
【0228】
(h)テトラゾール化合物
テトラゾール化合物には、モノテトラゾール及びテトラゾールのアミン塩又は金属塩が含まれる。例えば、5−フェニルテトラゾール、5,5′−ビテトラゾールのアミン塩(例えば、2アンモニウム塩、2グアニジン塩、ピペラジン塩、メラミン塩、グアナミン塩、キシリレンジアミン塩など)、5,5′−ビテトラゾールの金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など)などが挙げられる。
【0229】
これらのテトラゾール化合物としては、特開平5−51476号公報、特開平6−166678号公報、特開2001−294497号公報などを参照できる。
【0230】
これらの窒素含有化合物のうち、トリアジン骨格を有するアミノ基含有化合物と、硫酸、(ポリ)リン酸、スルホン酸、有機ホスホン酸及び有機ホスフィン酸から選択された成分との反応生成物(塩)(例えば、ポリリン酸メラミン塩、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩、硫酸メラミン、メタンスルホン酸メラム、有機ホスホン酸メラミン、有機ホスフィン酸メラミン等)、(ポリ)リン酸とシアナミド類又は誘導体との反応生成物(塩)(例えば、リン酸アミド、ポリリン酸アミド等)、ビウレア、環状ジウレイド(例えば、尿酸、アセチレン尿素等)、又はジシアンジアミドなどが好ましい。
【0231】
これらの窒素含有化合物(C3)は、エポキシ系化合物、カップリング剤(シラン系化合物、チタネート系化合物、アルミニウム系化合物など)、クロム系化合物などの表面改質剤により処理してもよい。また、窒素含有化合物(C3)は、金属、ガラス、トリアジン誘導体のシアヌール酸塩、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂又はこれらの共縮合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミドなど)、熱可塑性樹脂などで被覆処理してもよい。これらの処理のうち、通常、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂など)で被覆処理する。例えば、窒素含有化合物(C2)の被覆処理方法として、特開昭52−125489号公報、特開昭62−21704号公報、特開昭63−110254号公報、特開平8−53569号公報、特開平8−53574号公報、特開2000−169120号公報、特開2001−131293号公報などを参照することができる。窒素含有化合物(C2)と被覆成分との割合は、特に制限されないが、例えば、被覆成分が被覆難燃剤の0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%(例えば、0.1〜8重量%)程度である。
【0232】
(C4)無機金属系化合物
無機金属系化合物には、無機酸の金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物等が含まれる。
【0233】
(1)無機酸の金属塩
塩を構成する無機酸としては、リン酸、ホウ酸、スズ酸、モリブデン酸、タングステン酸などの各種無機酸が使用できる。
【0234】
無機酸と塩を形成する金属には、アルカリ金属(カリウム、ナトリウムなど);アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど);遷移金属(スカンジウムなどの第3A族金属;チタンなどの第4A族金属;バナジウムなどの第5A族金属;クロム、モリブデンなどの第6A族金属;マンガンなどの第7A族金属;鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの第8族金属;及び銅、銀などの第1B族金属)、第2B族金属(亜鉛など)、第3B族金属(アルミニウムなど)、第4B族金属(スズ、鉛など)、第5B族金属(アンチモン、ビスマスなど)などが含まれる。これらの金属は一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0235】
(リン酸の金属塩)
リン酸としては、非縮合リン酸[オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸等]、縮合リン酸[次リン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸(三リン酸、四リン酸等)、ポリメタリン酸、無水リン酸塩類等]が例示でき、特に非縮合リン酸が好ましい。金属は、多価金属、例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、周期表2B〜3B族金属、特に、アルカリ土類金属が好ましい。
【0236】
リン酸の金属塩としては、前記リン酸と多価金属との塩の他、この多価金属リン酸塩に対応するリン酸水素塩が挙げられ、前記金属塩には、配位子(例えば、ヒドロキソ、ハロゲンなど)が配位していてもよい。
【0237】
リン酸の金属塩としては、例えば、ピロリン酸塩(Ca2P2O7など)、ポリメタリン酸塩[Ca3(P3O9)2など]、無水リン酸塩類(Ca2(P4O12)、Ca5(P3O10)2など)の他、Ca5(PO4)3(OH)、Ca5(PO4)3(F,Cl)などの縮合リン酸塩を使用してもよいが、リン酸水素塩を用いるのが好ましい。
【0238】
このようなリン酸水素塩としては、例えば、オルトリン酸水素マグネシウム(リン酸水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウムなど)、オルトリン酸水素カルシウム(リン酸二水素カルシウム、第二リン酸カルシウムなど)などのアルカリ土類金属リン酸水素塩;リン酸水素マンガン(リン酸水素マンガン(III)など)、リン酸水素鉄[Fe(H2PO4)3など]等の遷移金属リン酸水素塩;リン酸水素亜鉛、リン酸水素カドミウムなどの周期表第2B族金属のリン酸水素塩;リン酸水素アルミニウムなどの周期表第3B族金属のリン酸水素塩;リン酸水素スズなどの周期表第4B族金属のリン酸水素塩などの非縮合リン酸水素塩などである。これらのうち、実質的に無水のリン酸水素金属塩、特にアルカリ土類金属リン酸水素塩[リン酸二水素マグネシウム、リン酸二水素カルシウム、第二リン酸カルシウム(CaHPO4)など]が好ましい。
【0239】
(ホウ酸の金属塩)
ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸などの非縮合ホウ酸;ピロホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸などの縮合ホウ酸、並びに塩基性ホウ酸などが好ましい。
【0240】
金属としては、アルカリ金属などを用いてもよいが、アルカリ土類金属、遷移金属、周期表2B族金属の多価金属が好ましい。
【0241】
ホウ酸金属塩は、通常、含水塩であり、例えば、非縮合ホウ酸塩[オルトホウ酸カルシウム、メタホウ酸カルシウムなどのアルカリ土類金属非縮合ホウ酸塩;オルトホウ酸マンガン、メタホウ酸銅などの遷移金属非縮合ホウ酸塩;メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸カドミウムなどの周期表第2B族金属の非縮合ホウ酸塩(特にメタホウ酸塩)など]、縮合ホウ酸塩(四ホウ酸三マグネシウム、ピロホウ酸カルシウムなどのアルカリ土類金属縮合ホウ酸塩;四ホウ酸マンガン、二ホウ酸ニッケルなどの遷移金属縮合酸塩;四ホウ酸亜鉛、四ホウ酸カドミウムなどの周期表第2B族金属の縮合ホウ酸塩など);塩基性ホウ酸塩(塩基性ホウ酸亜鉛、塩基性ホウ酸カドミウムなどの周期表第2B族金属の塩基性ホウ酸塩など)などが挙げられる。また、これらのホウ酸塩に対応するホウ酸水素塩(例えば、オルトホウ酸水素マンガンなど)なども使用できる。特に、アルカリ土類金属又は周期表第2B族金属ホウ酸塩(非縮合又は縮合ホウ酸塩)、特に、(含水)ホウ酸亜鉛類、(含水)ホウ酸カルシウム類が好ましい。
【0242】
(スズ酸の金属塩)
スズ酸としては、スズ酸、メタスズ酸、オルトスズ酸、ヘキサヒドロオクソスズ酸等が例示できる。金属としては、アルカリ金属や、アルカリ土類金属、遷移金属、周期表2B族金属等の多価金属が例示できる。スズ酸の金属塩は、通常、含水塩であり、例えば、スズ酸のアルカリ金属塩(例えば、スズ酸ナトリウムやスズ酸カリウム等)、スズ酸のアルカリ土類金属塩(例えば、スズ酸マグネシウムなど)、スズ酸の遷移金属塩(例えば、スズ酸コバルトなど)、スズ酸の周期表2B族金属塩(例えば、スズ酸亜鉛など)が例示できる。これらのスズ酸の金属塩のうち、スズ酸の周期表2B族金属塩、特に(含水)スズ酸亜鉛類が好ましい。
【0243】
(モリブデン酸の金属塩)
モリブデン酸の金属塩としては、前記リン酸金属塩及びホウ酸金属塩に対応する各種金属塩が使用できる。例えば、(含水)モリブデン酸亜鉛[例えば、キクチカラー(株)製の商品名「ボーコンSK−26,SKN−301,SKN−545,SKR−803,KSR−850」など]などが挙げられる。
【0244】
(タングステン酸の金属塩)
タングステン酸の金属塩としては、前記リン酸金属塩及びホウ酸金属塩に対応する各種金属塩が使用できる。例えば、(含水)タングステン酸亜鉛などが挙げられる。
【0245】
リン酸、ホウ酸、スズ酸、モリブデン酸及びタングステン酸以外の無機酸(酸素酸)の金属塩としては、前記リン酸金属塩及びホウ酸金属塩に対応する各種金属塩が使用できる。
【0246】
(2)金属酸化物
金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化マンガン、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
【0247】
(3)金属水酸化物
金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化スズ、水酸化ジルコニウムが挙げられる。
【0248】
(4)金属硫化物
金属硫化物としては、例えば、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化亜鉛などが挙げられる。
【0249】
これらの無機金属系化合物(C4)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0250】
(C5)硫黄含有化合物
硫黄含有化合物としては、有機スルホン酸[アルカンスルホン酸、パーフルオロアルカンスルホン酸(パーフルオロブタンスルホン酸など)、アリールスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホフタル酸、スルホナフトエ酸、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸、3−フェニルスルホニルベンゼンスルホン酸など)、スルホン化ポリマー(スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシドなど)]、スルファミン酸、有機スルファミン酸、有機スルホン酸アミドの塩(アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)などが挙げられる。
【0251】
(C6)ケイ素含有化合物
ケイ素含有化合物には、(ポリ)オルガノシロキサンやゼオライトなどが含まれる。(ポリ)オルガノシロキサンとしては、ジアルキルシロキサン(例えば、ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(フェニルメチルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン、モノオルガノシロキサンなどの単独重合体(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサンなど)、又は共重合体などが含まれる。また、(ポリ)オルガノシロキサンとしては、分岐オルガノシロキサン(ポリメチルシルセスキオキサン、ポリメチルフェニルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン、ポリオルガノシルセスキオキサンなど)[例えば、東芝シリコーン(株)の商品名「XC99−B5664」、信越化学工業(株)の商品名「X−40−9243」、「X−40−9244」、「X−40−9805」、特開2001−40219号公報、特開2000−159995号公報、特開平11−158363号公報、特開平10−182832号公報、特開平10−139964号公報記載の化合物など]、分子末端や主鎖に、エポキシ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エーテル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などの置換基を有する変性(ポリ)オルガノシロキサン(例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の商品名「SiパウダーDC4−7051,DC4−7081,DC4−7105,DC1−9641など」など)なども使用できる。
【0252】
ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、β型、L型、モルデナイト型、ZSM型(ZSM−5型など)ゼオライトなどのNa型、H型、NH4型、又は遷移金属置換ゼオライトなどが挙げられる。
【0253】
これらの難燃助剤(C)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0254】
[難燃助剤(C)の使用割合]
難燃助剤(C)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜500重量部、好ましくは1〜300重量部、さらに好ましくは5〜200重量部程度である。
【0255】
リン含有化合物(C1)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量部程度である。
【0256】
ベース樹脂(A)と芳香族樹脂(C2)とは、通常、互いに異種の樹脂を使用し、その場合、ベース樹脂と芳香族樹脂との割合(重量比)は、ベース樹脂/芳香族樹脂=50/50〜100/0、好ましくは55/45〜100/0、さらに好ましくは60/40〜100/0程度である。
【0257】
ベース樹脂(A)及び芳香族樹脂(C2)で構成された樹脂成分に対する窒素含有化合物(C3)及び無機金属系化合物(C4)の割合は、合計で又はそれぞれ、樹脂成分100重量部に対して0〜300重量部(例えば、0.1〜300重量部)の範囲から選択できるが、通常、樹脂成分100重量部に対して、例えば、0〜200重量部(例えば、1〜200重量部程度)、好ましくは0〜150重量部(例えば、3〜150重量部)、さらに好ましくは0〜100重量部(例えば、5〜100重量部)程度である。
【0258】
硫黄含有化合物(C5)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0〜10重量部(例えば、0.01〜10重量部)、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部程度である。
【0259】
ケイ素含有化合物(C6)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0〜50重量部(例えば、0.05〜50重量部)、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部程度である。
【0260】
シアノ基含有複素環式化合物(B)と難燃助剤(C)との割合(重量比)は、シアノ基含有複素環式化合物/難燃助剤=99/1〜1/99、好ましくは98/2〜2/98、さらに好ましくは97/3〜3/97程度である。
【0261】
[添加剤]
本発明の難燃性樹脂組成物は、必要に応じて種々の添加剤(例えば、他の難燃剤、ドリッピング防止剤、酸化防止剤、安定剤など)を含んでいてもよい。添加剤の全体の含有量は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは、0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
【0262】
(他の難燃剤)
なお、本発明の難燃性樹脂組成物は、さらに難燃性を付与するため、他の難燃剤、例えば、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤、ラジカル発生有機系難燃剤などを含んでいてもよい。
【0263】
アルコール系難燃剤としては、多価アルコール(ペンタエリスリトールなど)、オリゴマーの多価アルコール(ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなど)、エステル化された多価アルコール、置換されたアルコール、セルロース類(セルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、ペクトセルロース、アジポセルロースなど)、糖類(単糖類、多糖類など)、含窒素多価アルコール類[トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートなど]などが挙げられる。
【0264】
無機系難燃剤には、膨張性黒鉛などが含まれる。
【0265】
ラジカル発生有機系難燃剤としては、例えば、ベンジルラジカル発生化合物[C6-20アリール多置換エタン誘導体(例えば、2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタンなど)、ポリ(α,α,α′,α′−テトラメチル−1,3−キシリレン)、ポリ(α,α,α′,α′−テトラメチル−1,4−キシリレン)など]、ニトロキシド発生化合物[2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ジヒドロキシ−ピペリジン、1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン又はそれらのカルボン酸エステル又はエーテル誘導体(特表2002−507238号公報記載のアミン化合物)など]などが挙げられる。
【0266】
これら他の難燃剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0267】
他の難燃剤の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜50重量部程度、好ましくは0.05〜30重量部程度、特に0.1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0268】
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、長期間安定に耐熱性を維持するために酸化防止剤又は安定剤を含んでいてもよい。酸化防止剤又は安定剤には、例えば、フェノール系(ヒンダードフェノール類など)、アミン系(ヒンダードアミン類など)、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤(又は安定剤)、ハイドロタルサイト類などが含まれる。
【0269】
フェノール系酸化防止剤には、ヒンダードフェノール類、例えば、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC2-10アルキレンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのジ又はトリオキシC2-4アルキレンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、グリセリントリス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC3-8アルキレントリオール−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC4-8アルキレンテトラオールテトラキス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが好ましい。
【0270】
アミン系酸化防止剤には、ヒンダードアミン類、例えば、トリ又はテトラC1-3アルキルピペリジン又はその誘導体(4−位にメトキシ、ベンゾイルオキシ、フェノキシなどが置換していてもよい2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど)、ビス(トリ、テトラ又はペンタC1-3アルキルピペリジン)C2-20アルキレンジカルボン酸エステル[例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、オギザレートに対応するマロネート、アジペート、セバケート、テレフタレートなど;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート]、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、フェニルナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−シクロヘキシル−1,4−フェニレンジアミン、4,4′−ジ(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどが含まれる。
【0271】
リン系安定剤(又は酸化防止剤)には、例えば、トリイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジトリデシルホスファイト、トリス(分岐C3-6アルキルフェニル)ホスファイト[例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)ホスファイトなど]、(分岐C3-6アルキルフェニル)フェニルホスファイト[例えば、ビス(2−t−ブチルフェニル)フェニルホスファイト、2−t−ブチルフェニルジフェニルホスファイトなど]、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、ビス(C1-9アルキルアリール)ペンタエリスリトールジホスファイト[例えば、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなど]、トリフェニルホスフェート系安定剤(例えば、4−フェノキシ−9−α−(4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルオキシ−3,5,8,10−テトラオキサ−4,9−ジホスファピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートなど)、ジホスフォナイト系安定剤(例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル)−4,4′−ビフェニレンジホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル)−4,4′−ビフェニレンジホスフォナイトなど)などが含まれる。リン系安定剤は、通常、分岐C3-6アルキルフェニル基(特に、t−ブチルフェニル基)を有している。
【0272】
ヒドロキノン系酸化防止剤には、例えば、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどが含まれ、キノリン系酸化防止剤には、例えば、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが含まれ、イオウ系酸化防止剤には、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどが含まれる。
【0273】
これらの酸化防止剤は単独で又は二種以上使用できる。酸化防止剤の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、特に0.1〜2重量部程度の範囲から選択できる。
【0274】
さらに、本発明の難燃性樹脂組成物は、フッ素系樹脂などのドリッピング防止剤を添加してもよい。ドリッピング防止剤により、燃焼時の火種及び融液の滴下(ドリップ)を抑制できる。フッ素系樹脂には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのフッ素含有モノマーの単独又は共重合体;前記フッ素含有モノマーと、エチレン、プロピレン、アクリレートなどの共重合性モノマーとの共重合体が含まれる。このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなどの単独重合体;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などの共重合体が例示される。これらのフッ素系樹脂は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0275】
前記フッ素系樹脂は、粒子状で使用してもよく、平均粒径は、例えば、10〜5000μm程度、好ましくは100〜1000μm程度、さらに好ましくは100〜700μm程度であってもよい。
【0276】
フッ素系樹脂の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部程度、好ましくは0.1〜10重量部程度、さらに好ましくは0.1〜5重量部程度である。
【0277】
さらに、本発明の難燃性樹脂組成物は、目的に応じて他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、安定剤(紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤など)、滑剤、離型剤、着色剤、可塑剤、核剤、衝撃改良剤、摺動剤、発泡剤などが挙げられる。
【0278】
[充填剤]
本発明の難燃性樹脂組成物は、機械的強度、剛性、耐熱性及び電気的性質などをさらに向上させるため、充填剤により改質されていてもよい。充填剤には、繊維状充填剤、非繊維充填剤(板状充填剤、粉粒状充填剤など)が含まれる。
【0279】
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、繊維状ウォラストナイト、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、高融点有機質繊維(例えば、脂肪族又は芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂など)などが例示できる。
【0280】
非繊維状充填剤のうち、板状(層状)充填剤には、例えば、カオリン、タルク、ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、各種金属箔、層状リン酸塩(リン酸ジルコニウム、リン酸チタン等)などが例示できる。
【0281】
粉粒状又は無定形状充填剤には、カーボンブラック、ホワイトカーボン、炭化ケイ素、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドファイバー(ミルドガラスファイバーなど)、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、クレー、ケイ藻土等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)、金属の炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、金属の硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)、金属粉末が含まれる。
【0282】
好ましい繊維状充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維が挙げられ、好ましい非繊維状充填剤としては、粉粒状又は板状充填剤、特に、ガラスビーズ、ミルドファイバー、カオリン、タルク、マイカ、及びガラスフレークが挙げられる。
【0283】
また、特に好ましい充填剤には、ガラス繊維、例えば、高い強度・剛性を有するガラス繊維(チョップドストランドなど)が含まれる。
【0284】
充填剤を用いる場合、難燃性樹脂組成物中の充填剤の割合は、例えば、1〜60重量%程度、好ましくは1〜50重量%程度、さらに好ましくは1〜45重量%程度である。
【0285】
これらの充填剤の使用に当たっては、必要ならば、収束剤又は表面処理剤を使用することが望ましい。このような収束剤又は表面処理剤としては、官能性化合物が含まれる。前記官能性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、好ましくはエポキシ系化合物、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0286】
充填剤は、前記収束剤又は表面処理剤により、収束処理又は表面処理されていてもよい。処理の時期については、充填剤の添加と同時に処理してもよく、添加前に予め処理してもよい。
【0287】
また、併用される官能性表面処理剤又は収束剤の使用量は、充填剤に対して5重量%以下、好ましくは0.05〜2重量%程度である。
【0288】
本発明の難燃剤は、燃焼時に樹脂表面の炭化を促進するためか、樹脂を高度に難燃化できる。また、シアノ基含有複素環式化合物と、特定の難燃助剤とを組み合わせることにより、少量であってもベース樹脂を効果的に難燃化でき、ブリードアウトや耐熱性を低下させることもない。
【0289】
[難燃性樹脂組成物の製造方法]
本発明の難燃性樹脂組成物は、粉粒体混合物や溶融混合物であってもよく、ベース樹脂と、難燃剤と、難燃助剤と、必要によりドリッピング防止剤や他の添加剤などとを慣用の方法で混合することにより調製できる。例えば、(1)各成分を混合して、一軸又は二軸の押出機により混練し押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)一旦、組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供し、所定の組成の成形品を得る方法、(3)成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法などが採用できる。さらに、押出機によるペレットの製造方法としては、(1)脆性充填剤(ガラス系充填剤など)を除く成分を先に溶融混合した後に、脆性充填剤成分を混合する製造方法、(2)リン系化合物及び脆性充填剤を除く成分を先に溶融混合した後に、脆性充填剤及びリン系化合物を(同じフィード位置で)同時混合する製造方法、(3)リン系化合物及び脆性充填剤を除く成分を先に溶融混合した後に、脆性充填剤及びリン系化合物を(別々のフィード位置で)順次混合する製造方法等が採用できる。この押出機によるペレット製造において、少量の芳香族化合物やハロゲン化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレンなど)を分散助剤として押出時に配合してもよい。この分散助剤は押出機のベント口から混練樹脂より除去される。また、成形品に用いられる組成物の調製において、ベース樹脂の粉粒体(例えば、ポリエステル系樹脂の一部又は全部を粉砕した粉粒体)と、他の成分(難燃剤など)とを混合して溶融混練すると、他の成分の分散を向上させるのに有利である。
【0290】
なお、ハンドリングの観点から、非樹脂状成分(シアノ基含有複素環式化合物、リン系化合物、窒素含有化合物、無機金属系化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物など)と、樹脂状成分(ベース樹脂、芳香族樹脂など)とを一旦溶融混合することにより、マスターバッチを調製すると便利である。特に、赤リンを併用する場合、マスターバッチを調製する場合が多い。また、樹脂状成分でマスターバッチを構成する場合、ベース樹脂の一部をマスターバッチに用いることが多い。
【0291】
マスターバッチには、例えば、(a)ベース樹脂の一部と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、(b)芳香族樹脂と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、(c)芳香族樹脂と樹脂状難燃剤と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、(d)ベース樹脂の一部と芳香族樹脂と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、(e)ベース樹脂の一部と樹脂状成分と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチ、(f)ベース樹脂の一部と芳香族樹脂と樹脂状成分と非樹脂状成分とで構成されたマスターバッチなどが挙げられる。
【0292】
なお、前記マスターバッチは、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、フッ素系樹脂、酸化防止剤、リン系安定剤、充填剤などを含有していてもよい。
【0293】
このようにして得られたマスターバッチと、ベース樹脂と、必要に応じて、残りの成分とを溶融混合することにより、難燃性樹脂組成物を製造できる。
【0294】
また、本発明の難燃性樹脂組成物を溶融混練し、押出成形、射出成形、圧縮成形などの慣用の方法で成形でき、形成された成形品は、難燃性および成形加工性に優れているため、種々の用途に使用できる。例えば、電気・電子部品、機械機構部品、オフィスオートメーション(OA)機器部品、家電機器部品、自動車部品、包装材料やケースなどに好適に用いることができる。
【0295】
【発明の効果】
本発明では、ベース樹脂と、シアノ基含有複素環式化合物及び難燃助剤とを組み合わせるので、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、少量であっても難燃化でき、高いレベルで難燃化できる。また、樹脂の特性が低下させることなく、難燃剤のモールドデポジット及びブリードアウト(又はブルーミング)を有効に抑制でき、高度に難燃化できる。さらに、このような樹脂組成物により、難燃性が改善された成形体を得ることができる。
【0296】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0297】
尚、下記の試験により樹脂組成物の難燃性、ブルーミング性を評価した。
【0298】
(燃焼性試験)
UL94に準拠して、試験片の厚み1.6mmで燃焼性を評価した。
【0299】
(ブルーミング性の評価)
1.6mmの燃焼試験片を150℃で5時間加熱し、試験片表面の染み出し状態を目視観察し、以下の判断基準によりブルーミング性を評価した。
【0300】
〇:染み出しが全く見られない
△:若干の染み出しが見られる
×:著しい染み出しが見られる。
【0301】
[ベース樹脂 A]
A−1:ポリブチレンテレフタレート[ジュラネックス、固有粘度=0.83、ポリプラスチックス(株)製]
A−2:ポリスチレン[トーヨースチロールG19、東洋スチレン(株)製]
A−3:アクリロニトリル−スチレン共重合体[セビアンJD、ダイセル化学工業(株)製]
A−4:ポリエチレンテレフタレート[ベルペットEFG10、カネボウ合繊(株)製]
A−5:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体[セビアンDP611、ダイセル化学工業(株)製]
A−6:12.5mol%イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートコポリマー[固有粘度=1.0]
A−7:ポリカーボネート[パンライトL1225、帝人化成(株)製]
A−8:液晶性ポリエステル[ロッドランLC3000、ユニチカ(株)製]
A−9:液晶性ポリエステル[ベクトラA950、ポリプラスチックス(株)製]
A−10:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド[PPEポリマーYPX−100F、三菱ガス化学(株)製]
A−11:ナイロン−6[UBEナイロン6、宇部興産(株)製]
A−12:ポリアセタールコポリマー[ジュラコンM90−44、ポリプラスチックス(株)製]。
【0302】
[難燃剤 B]
B−1:トリ(2−シアノエチル)イソシアヌレート
B−2:ビス(2−シアノエチル)イソシアヌレート
B−3:3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
[難燃剤 B(比較例で用いた有機リン化合物)]
B−4:イソシアヌル酸。
【0303】
[難燃助剤 C]
[リン含有化合物 C1]
C1−1:赤燐[ノーバエクセル140、燐化学工業(株)製]
C1−2:エチルメチルホスフィン酸アルミニウム[特開平11−60924号公報の実施例に準じて調製した]
C1−3:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)
C1−4:ビフェノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)
C1−5:1,4−ピペラジンジイルビス(ジフェニルホスフェート)[N,N′−ビス(ジフェノキシホスフィニル)ピペラジン]
C1−6:4−メチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−オキシド
C1−7:10−ヒドロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド
C1−8:フェノキシホスファゼン[環状3,4量体]
C1−9:ハイドロキノンビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)
C1−10:ビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)
C1−11:赤燐[ノーバエクセルF5、燐化学工業(株)製]
[芳香族樹脂 C2]
C2−1:ポリカーボネート[ユーピロンS3000、三菱ガス化学(株)製]
C2−2:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド[PPEポリマーYPX−100F、三菱ガス化学(株)製]
C2−3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂[エピコート1004K、油化シェルエポキシ(株)製]
C2−4:ポリアリレート[ポリアリレートU100、ユニチカ(株)製]
C2−5:ポリ(1,4−フェニレン)スルフィド
C2−6:ナイロンMXD6[レニー6002、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製]
C2−7:ノボラック型フェノール樹脂[PR−53647、住友デュレズ(株)製]
C2−8:ポリp−ビニルフェノール[マルカリンカーMS−1P、丸善石油化学(株)製]
C2−9:フェノールアラルキル樹脂[ミレックスXL−225、三井化学(株)製]。
【0304】
[窒素含有化合物 C3]
C3−1:ポリリン酸メラム[PMP200、日産化学工業(株)製]
C3−2:メラミンシヌレート[MC610、日産化学工業(株)製]
C3−3:ジシアンジアミド
C3−4:ビウレア
C3−5:CTU−グアナミン[味の素ファインテクノ(株)製]
[無機金属系化合物 C4]
C4−1:硼酸亜鉛[FireBrake ZB、ボラックス・ジャパン(株)製]
C4−2:水酸化マグネシウム[キスマ5E、協和化学工業(株)製]
C4−3:無水リン酸一水素カルシウム:平均粒子径=約30μm[太平化学産業(株)製]
[硫黄含有化合物 C5]
C5−1:スルホン化ポリスチレンのナトリウム塩[ライオン(株)製]。
【0305】
[ケイ素含有化合物 C6]
C6−1:シリコーン樹脂[SiパウダーDC4−7015、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製]
C6−2:ゼオライト[ゼオラムA−3、東ソー(株)製]。
【0306】
[酸化防止剤 D]
D−1:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][イルガノックス1010、チバガイギー(株)製]。
【0307】
[リン系安定剤 E]
E−1:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[アデカスタブPEP36、アデカアーガス(株)製]
E−2:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト[サンドスタブP−EPQ、サンド(株)製]
E−3:ハイドロタルサイト[DHT−4A、協和化学工業(株)製]。
【0308】
[ドリッピング防止剤 F]
F−1:ポリテトラフルオロエチレン。
【0309】
[充填剤 G]
G−1:直径10μm、長さ3mmのガラスチョップドストランド
G−2:タルク[タルク3A、日本タルク(株)製]。
【0310】
実施例1〜34及び比較例1〜18
上記成分を表1〜表5の割合(重量部)で混合し、小型混練機により樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物をプレス成形により試験用成形品を作製し、特性を評価した。結果を表1〜表5に示す。
【0311】
【表1】
【0312】
【表2】
【0313】
【表3】
【0314】
【表4】
【0315】
【表5】
【0316】
表から明らかなように、シアノ基を有する複素環式化合物(B)と、特定の難燃助剤(C)とを用いた実施例はいずれも、これらの成分のいずれかを欠く比較例に比べ、難燃性、ブルーミング性及び成形加工性に優れていた。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a base resin, a heterocyclic compound having a cyano group, and a specific flame retardant aid (phosphorus-containing compound, aromatic resin, nitrogen-containing compound, inorganic metal-based compound, sulfur-containing compound, silicon-containing compound). And a method for producing the same, and a molded article formed from the flame-retardant resin composition.
[0002]
[Prior art]
Among thermoplastic resins, polyester resins such as polybutylene terephthalate and styrene resins have excellent mechanical properties, electrical properties, weather resistance, water resistance, chemical resistance and solvent resistance. It is used for various purposes such as electronic parts and automobile parts. On the other hand, as the field of use expands, improvement in flame retardancy is being studied.
[0003]
JP-A-61-287960 discloses a method of injection molding a polyamide resin having a xylylene adipamide unit by adding a polyester resin having a butylene naphthalate unit to improve the moldability of the polyamide resin. Is disclosed. JP-A-62-201963 discloses a polyester resin composition having improved gas barrier properties and transparency by adding a metaxylylene group-containing polyamide resin and a compatibilizer to a thermoplastic polyester resin. . Further, JP-A-63-92667 discloses a stretch blow molding resin composition obtained by adding a metaxylylene group-containing polyamide resin and a specific thermoplastic resin to a polyester resin having an ethylene terephthalate unit, and further adding mica powder. Is disclosed. In these documents, the moldability, gas barrier properties and transparency of the resin are improved, but the flame retardancy is not sufficient.
[0004]
Therefore, a method of making a thermoplastic resin flame-retardant by adding a flame retardant using a halogen compound or an antimony compound has been proposed. For example, JP-A-63-150349 discloses that a mixed resin composed of polyamide resin and nylon 66 is mixed with glass fiber, an organic halogen-based flame retardant, antimony trioxide, and an alkali metal or alkaline earth metal hydroxide. Disclosed is a flame-retardant resin composition. However, a halogen-based flame retardant may generate a dioxin-based compound at the time of combustion decomposition, which is not preferable on environmental issues. Therefore, a method of using a nitrogen-containing compound, a phosphorus-based compound, or the like as a non-halogen-based flame retardant to achieve flame retardation has been proposed.
[0005]
JP-B-63-56900 and JP-B-63-56901 disclose flame-retardant resin compositions in which a polyamide is mixed with mono- or tri (β-cyanoethyl) isocyanurate. JP-A-11-152402 discloses a flame-retardant polyester composition containing polybutylene terephthalate, a reinforcing component, and a flame retardant composed of melamine pyrophosphate and an aromatic phosphate oligomer. Further, WO98 / 45363 and WO98 / 45364 disclose flame-retardant resin compositions containing a polyester resin, a polyphenylene oxide resin, melamine pyro or polyphosphate, zinc borate, and the like.
[0006]
However, although non-halogen flame retardants do not contain harmful halogens, they have a low flame retarding effect as compared with halogen flame retardants, and thus require a large amount of flame retardants. Addition of a large amount of a flame retardant causes bleed out and deterioration of the mechanical properties of the resin. Therefore, mechanical properties cannot be improved together with flame retardancy.
[0007]
As described above, it is difficult for the conventional method to impart high flame retardancy without lowering the properties of the resin. Further, the above-described flame retardant can make a specific resin flame-retardant, but cannot impart high flame retardancy to a wide range of thermoplastic resins.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, it is an object of the present invention to provide a non-halogen flame-retardant resin composition having a high level of flame retardancy even with a small amount of a flame retardant, and a method for producing the same.
[0009]
Another object of the present invention is to provide a highly flame-retardant flame-retardant resin composition which can effectively suppress mold deposit and bleed-out (or blooming) of a flame retardant without deteriorating the properties of the resin, and a highly flame-retardant resin composition and the same. It is to provide a manufacturing method.
[0010]
Still another object of the present invention is to provide a molded article having improved flame retardancy.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, have found that by adding a combination of a heterocyclic compound having a cyano group and a flame retardant aid to a base resin, flame retardancy can be achieved at a high level. We have found and completed the present invention.
[0012]
That is, the flame-retardant resin composition of the present invention comprises a base resin (A), a heterocyclic compound having a cyano group (B), a phosphorus-containing compound (C1), an aromatic resin (C2), and a nitrogen-containing compound. (C3), at least one flame retardant auxiliary (C) selected from an inorganic metal compound (C4), a sulfur-containing compound (C5) and a silicon-containing compound (C6). The base resin (A) includes a polyester resin, a polyacetal resin, a styrene resin, a polyamide resin, a polycarbonate resin, a polyphenylene oxide resin, a vinyl resin, an olefin resin, an acrylic resin, and the like. The heterocyclic compound having a cyano group (B) is a triazine compound having a cyano group (particularly, a triazine compound having a cyanoalkyl group), a spiro ring compound having a cyano group at a terminal and containing an oxygen atom as a hetero atom (particularly, both compounds). And tetraoxaspiro [5.5] undecane having a cyanoalkyl group at the terminal. The phosphorus-containing compound (C1) includes an inorganic phosphorus compound, a phosphoric acid ester, a phosphoric acid ester amide, a phosphonitrile compound, an organic phosphonic acid compound, an organic phosphinic acid compound, and the like. The inorganic phosphorus compound of the phosphorus-containing compound (C1) does not include a metal phosphate. The aromatic resin (C2) includes a polyphenylene sulfide resin, a polyphenylene oxide resin, a polycarbonate resin, an aromatic nylon, a polyarylate resin, an aromatic epoxy resin, an aromatic ring having a hydroxyl group and / or an amino group. Resins in the main chain or side chains are included. When the base resin (A) is an aromatic polyamide resin, the aromatic resin (C2) is not an aromatic nylon. The nitrogen-containing compound (C3) is a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group, a salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group with (iso) cyanuric acid, a salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and an oxyacid, Salts of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and an organic phosphoric acid, (poly) phosphoramide (for example, (poly) phosphoramide having no cyano group), urea compound (for example, having a cyano group Urea compound not having a cyano group), an amidine compound (for example, an amidine compound having no cyano group), a tetrazole compound (for example, a tetrazole compound having no cyano group), or the like. The inorganic metal compound (C4) may be a salt of an oxygen acid such as phosphoric acid, boric acid, stannic acid and a polyvalent metal, a metal oxide, a metal hydroxide, or a metal sulfide. The metal of the inorganic metal compound (C4) does not include silicon. The sulfur-containing compound (C5) includes a metal salt of an organic sulfonic acid and the like. The silicon-containing compound (C6) includes (branched) organosiloxane and the like.
[0013]
The flame-retardant resin composition may further contain a hindered phenol-based antioxidant, a phosphorus-based stabilizer, a fluorine-based resin, a filler, and the like.
[0014]
Also, the present invention provides a method for producing a flame-retardant resin composition by mixing a base resin, the heterocyclic compound having a cyano group and the flame-retardant auxiliary, and the flame-retardant resin composition. The formed article is also included.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[Base resin (A)]
As the base resin, various resins used for molding, for example, polyester resin, polyacetal resin, styrene resin, polyamide resin, polycarbonate resin, polyphenylene oxide resin, vinyl resin, olefin resin, Acrylic resin and the like can be mentioned.
[0016]
(1) Polyester resin
The polyester resin is a homopolyester or copolyester obtained by polycondensation of a dicarboxylic acid component and a diol component, polycondensation of oxycarboxylic acid or lactone, or polycondensation of these components. Preferred polyester resins generally include saturated polyester resins, especially aromatic saturated polyester resins.
[0017]
Examples of the dicarboxylic acid component include aliphatic dicarboxylic acids (eg, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, undecanedicarboxylic acid, dodecanedicarboxylic acid, hexadecanedicarboxylic acid, dimer acid) Dicarboxylic acids having about 4 to 40 carbon atoms, preferably dicarboxylic acids having about 4 to 14 carbon atoms), alicyclic dicarboxylic acids (for example, hexahydrophthalic acid, hexahydroisophthalic acid, hexahydroterephthalic acid, hymic acid) Dicarboxylic acids having about 8 to 12 carbon atoms, such as naphthalene dicarboxylic acids such as phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid; and 4,4'-diphenyldicarboxylic acid , Diphenyl ether-4,4'-dical Acid, 4,4'-diphenylmethane dicarboxylic acid, dicarboxylic acid having about 8 to 16 carbon atoms such as 4,4'-diphenyl ketone dicarboxylic acid) or a derivative thereof (for example, lower alkyl ester, aryl ester, acid anhydride) Derivatives capable of forming an ester). These dicarboxylic acid components may be used alone or in combination of two or more. Further, if necessary, a polycarboxylic acid such as trimellitic acid or pyromellitic acid may be used in combination.
[0018]
Preferred dicarboxylic acid components include aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, and naphthalenedicarboxylic acid.
[0019]
Examples of the diol component include aliphatic alkylene diols (eg, ethylene glycol, trimethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,3-butanediol, neopentyl glycol, hexanediol, octanediol, decanediol). An aliphatic glycol having about 2 to 12 carbon atoms, preferably an aliphatic glycol having about 2 to 10 carbon atoms), a polyoxyalkylene glycol [the alkylene group has about 2 to 4 carbon atoms, and a plurality of oxyalkylene units. Glycols such as diethylene glycol, dipropylene glycol, ditetramethylene glycol, triethylene glycol, tripropylene glycol, polytetramethylene glycol, etc.], alicyclic diols (eg, 1,4-cyclo Hexanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, and hydrogenated bisphenol A), and the like. Also, aromatic diols such as hydroquinone, resorcinol, biphenol, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis- (4- (2-hydroxyethoxy) phenyl) propane, and xylylene glycol are used in combination. May be. These diol components may be used alone or in combination of two or more. Further, if necessary, a polyol such as glycerin, trimethylolpropane, trimethylolethane or pentaerythritol may be used in combination.
[0020]
Preferred diol components include C 2-6 Alkylene glycols (linear alkylene glycols such as ethylene glycol, trimethylene glycol, propylene glycol, and 1,4-butanediol), polyoxyalkylene glycols having oxyalkylene units having about 2 to 4 repeats [diethylene glycol, polytetraalkylene glycol] Poly (oxy-C) such as methylene glycol 2-4 Glycol containing an alkylene) unit], 1,4-cyclohexanedimethanol and the like.
[0021]
Examples of the oxycarboxylic acid include oxycarboxylic acids such as oxybenzoic acid, oxynaphthoic acid, hydroxyphenylacetic acid, glycolic acid, and oxycaproic acid, and derivatives thereof.
[0022]
Lactones include C, such as propiolactone, butyrolactone, valerolactone, and caprolactone (eg, ε-caprolactone). 3-12 Lactone and the like.
[0023]
Preferred polyester resins include homopolyesters or copolyesters containing alkylene acrylates such as alkylene terephthalate and alkylene naphthalate as main components (for example, about 50 to 100% by weight, preferably about 75 to 100% by weight) [for example, polyalkylenes. Terephthalate (for example, poly C such as poly 1,4-cyclohexane dimethylene terephthalate (PCT), polyethylene terephthalate (PET), polypropylene terephthalate (PPT), polybutylene terephthalate (PBT), etc. 2-4 Polyalkylene terephthalate), polyalkylene naphthalate (eg, poly C such as polyethylene naphthalate, polypropylene naphthalate, polybutylene naphthalate) 2-4 A copolyester containing an alkylene terephthalate and / or alkylene naphthalate unit as a main component (for example, 50% by weight or more)]. Particularly preferred polyester resins include a polybutylene terephthalate resin containing a butylene terephthalate unit as a main component (for example, polybutylene terephthalate, polybutylene terephthalate copolyester) and a polyethylene terephthalate resin containing an ethylene terephthalate unit as a main component (for example, , Polyethylene terephthalate, polyethylene terephthalate copolyester). These polyester resins can be used alone or in combination of two or more.
[0024]
In the copolyester, the copolymerizable monomer may be C 2-6 Alkylene glycols (such as linear alkylene glycols such as ethylene glycol, propylene glycol and 1,4-butanediol), and polyoxyalkylene glycols having an oxyalkylene unit having a repeat number of about 2 to 4 (such as diethylene glycol and polytetramethylene glycol) Of poly (oxy-C 2-4 An alkylene) glycol, an alicyclic diol (1,4-cyclohexanedimethanol, etc.), an aromatic diol [2,2-bis (4- (2-hydroxyethoxy) phenyl) propane, etc.), C 6-12 Aliphatic dicarboxylic acids (adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, etc.), aromatic dicarboxylic acids (phthalic acid, isophthalic acid, diphenyldicarboxylic acid, etc.), oxycarboxylic acids (oxybenzoic acid, oxynaphthoic acid) Etc.). Note that the polyester resin may have not only a straight chain but also a branched chain structure, or may be crosslinked, as long as the melt moldability and the like are not impaired. Further, it may be a liquid crystal polyester.
[0025]
The polyester resin can be produced by a conventional method, for example, transesterification, direct esterification and the like.
[0026]
(2) Polyacetal resin
Oxymethylene groups (—CH Two A polyacetal homopolymer having O-) as a constitutional unit and a polyacetal copolymer containing another comonomer unit in addition to the oxymethylene group are included. In the copolymer, the comonomer unit contains oxy C 2-6 An alkylene unit (for example, an oxyethylene group (—CH Two CH Two Oxy C such as O-), oxypropylene group and oxytetramethylene group 2-4 Alkylene units). The content of the comonomer unit is, for example, selected from the range of about 0.01 to 30 mol%, preferably about 0.03 to 20 mol%, more preferably about 0.03 to 15 mol%, based on the entire polyacetal resin. it can.
[0027]
The polyacetal copolymer may be a two-component copolymer, a three-component terpolymer, or the like. The polyacetal copolymer may be a random copolymer, a block copolymer, a graft copolymer, or the like. Further, the polyacetal-based resin may have a branched structure as well as a linear structure, and may have a crosslinked structure. Furthermore, the terminal of the polyacetal resin may be stabilized by, for example, esterification with a carboxylic acid such as acetic acid or propionic acid or an anhydride thereof.
[0028]
Examples of the polyacetal resin include aldehydes such as formaldehyde, paraformaldehyde, and acetaldehyde, trioxane, ethylene oxide, propylene oxide, 1,3-dioxolan, 1,3-dioxane, diethylene glycol formal, and 1,4-butanediol formal. Can be produced by polymerizing a cyclic ether or cyclic formal.
[0029]
(3) Styrene resin
Examples of the styrene-based resin include, for example, a homopolymer or a copolymer of a styrene-based monomer (for example, styrene, vinyltoluene, α-methylstyrene, and chlorostyrene); a styrene-based monomer and a vinyl monomer (for example, Copolymers with unsaturated nitriles such as acrylonitrile, α, β-monoolefinically unsaturated carboxylic acids such as (meth) acrylic acid ester, (meth) acrylic acid and maleic anhydride, or acid anhydrides or esters thereof) A styrene-based graft copolymer and a styrene-based block copolymer.
[0030]
Preferred styrene resins include polystyrene (GPPS), styrene-methyl methacrylate copolymer, styrene- (meth) acrylic acid copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, styrene-acrylonitrile copolymer (AS resin). ), Impact-resistant polystyrene (HIPS) in which a styrene-based monomer is polymerized in a rubber component, a polystyrene-based graft or block copolymer, and the like. Examples of the polystyrene-based graft copolymer include copolymers obtained by graft-polymerizing at least a styrene-based monomer and a copolymerizable monomer onto a rubber component (for example, ABS resin obtained by graft-polymerizing styrene and acrylonitrile to polybutadiene, acrylic rubber). AAS resin obtained by graft polymerization of styrene and acrylonitrile; ACS resin obtained by graft polymerization of styrene and acrylonitrile on chlorinated polyethylene; polymer obtained by graft polymerization of styrene and acrylonitrile on ethylene-vinyl acetate copolymer; styrene and acrylonitrile on ethylene-propylene rubber MBS resin obtained by graft polymerization of styrene and methyl methacrylate onto polybutadiene, and styrene and acrylonitrile grafted onto styrene-butadiene copolymer rubber Examples of the block copolymer include copolymers composed of a polystyrene block and a diene or olefin block (for example, a styrene-butadiene-styrene (SBS) block copolymer, a styrene-isoprene block). Copolymer, styrene-isoprene-styrene (SIS) block copolymer, hydrogenated styrene-butadiene-styrene (SEBS) block copolymer, hydrogenated styrene-isoprene-styrene (SEPS) block copolymer) and the like. These styrene resins can be used alone or in combination of two or more.
[0031]
(4) Polyamide resin
Polyamides include polyamides derived from diamines and dicarboxylic acids; aminocarboxylic acids, polyamides obtained by using diamines and / or dicarboxylic acids as needed; lactams, and diamines and / or dicarboxylic acids as needed. And polyamides derived from the combination of the above. Polyamides also include copolyamides formed by at least two different polyamide-forming components.
[0032]
Examples of the diamine include trimethylene diamine, tetramethylene diamine, pentamethylene diamine, hexamethylene diamine, 2,2,4-trimethyl hexamethylene diamine, 2,4,4-trimethyl hexamethylene diamine, octamethylene diamine, and nonamethylene Aliphatic diamines such as diamine; alicyclic diamines such as bis (4-aminocyclohexyl) methane and bis (4-amino-3-methylcyclohexyl) methane; Further, an aromatic diamine such as phenylenediamine and metaxylylenediamine may be used in combination. These diamines can be used alone or in combination of two or more.
[0033]
Examples of the dicarboxylic acid include C, such as glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, and octadecandioic acid. 4-20 Aliphatic dicarboxylic acids; dimerized fatty acids (dimer acids); alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexane-1,4-dicarboxylic acid and cyclohexane-1,3-dicarboxylic acid; phthalic acid, phthalic anhydride, isophthalic acid, And aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid and naphthalene carboxylic acid.
[0034]
Examples of the aminocarboxylic acid include C, such as aminoheptanoic acid, aminononanoic acid, and aminoundecanoic acid. 4-20 Examples are aminocarboxylic acids. Aminocarboxylic acid can be used alone or in combination of two or more
Examples of the lactam include C, such as butyrolactam, pivalolactam, caprolactam, caprylactam, enantholactam, undecanolactam, and dodecanolactam. 4-20 Lactam. These lactams can be used alone or in combination of two or more.
[0035]
Examples of the polyamide resin include aliphatic polyamides such as nylon 46, nylon 6, nylon 66, nylon 610, nylon 612, nylon 11, and nylon 12, aromatic dicarboxylic acids (for example, terephthalic acid and / or isophthalic acid) and aliphatic Polyamides obtained from diamines (eg, hexamethylenediamine, nonamethylenediamine, etc.), aromatic and aliphatic dicarboxylic acids (eg, terephthalic acid and adipic acid) and aliphatic diamines (eg, hexamethylenediamine) Polyamide and the like can be mentioned. These polyamides can be used alone or in combination of two or more. Preferred polyamides include non-aromatic and aliphatic polyamides (nylon 6, nylon 66, nylon 610, nylon 612, nylon 11, nylon 12, etc.), semi-aromatic polyamides (nylon MXD6, nylon 9T, etc.), semi-aromatic Polymerized polyamide (nylon 6T / 6, nylon 6T / 66, nylon 6T / 12, nylon 6I / 6, nylon 6I / 66, nylon 6T / 6I, nylon 6T / 6I / 6, nylon 6T / 6I / 66, nylon 6T / M5T). The polyamide resin can be used alone or in combination of two or more.
[0036]
(5) Polycarbonate resin
The polycarbonate resin includes a polymer obtained by reacting a dihydroxy compound with a carbonate such as phosgene or diphenyl carbonate. The dihydroxy compound may be an alicyclic compound or the like, but is preferably a bisphenol compound.
[0037]
As bisphenol compounds, bis (4-hydroxyphenyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (bisphenol A), 2,2-bis ( 4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3-methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl ) Bis (hydroxyaryl) C such as hexane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -4-methylpentane 1-6 Alkane; bis (hydroxyaryl) C such as 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclopentane and 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane 4-10 Cycloalkane; 4,4'-dihydroxydiphenyl ether; 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfone; 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfide; 4,4'-dihydroxydiphenyl ketone.
[0038]
Preferred polycarbonate resins include bisphenol A type polycarbonate. The polycarbonate resins can be used alone or in combination of two or more.
[0039]
(6) Polyphenylene oxide resin
The polyphenylene oxide-based resin (polyphenylene ether-based resin) includes a homopolymer and a copolymer. Homopolymers include poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2,5-dimethyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2,5-diethyl-1,4-phenylene) Phenylene) oxide, poly (2-methyl-6-ethyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2,6-di-n-propyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2-ethyl-6- Isopropyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2-methyl-6-methoxy-1,4-phenylene) oxide, poly (2-methyl-6-hydroxyethyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2 , 3,6-trimethyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2,6-diphenyl-1,4-phenylene) oxide, poly (2-methyl-6-phenyl-1,4-phenylene) ) Oxide or the like of the poly (mono, di or tri C 1-6 Alkyl-phenylene) oxide, poly (mono- or di-C) 6-20 Aryl-phenylene) oxide, poly (mono C) 1-6 Alkyl-mono C 6-20 Aryl-phenylene) oxide and the like.
[0040]
Examples of the polyphenylene oxide copolymer include a copolymer having two or more monomer units of the homopolymer (for example, a 2,6-dimethyl-1,4-phenylene oxide unit and a 2,3,6-trimethyl- A random copolymer having a 1,4-phenylene oxide unit), a benzene formaldehyde resin (a formaldehyde condensate of a benzene ring-containing compound such as a phenol resin) or an alkylbenzene formaldehyde resin, and an alkylphenol such as cresol and p-tert-butylphenol. To a modified polyphenylene oxide copolymer, polyphenylene oxide or a copolymer thereof composed of an alkylphenol-modified benzene formaldehyde resin block obtained by reacting Modified graft copolymers on which a tylene-based monomer and / or an unsaturated acid anhydride are grafted are exemplified. The polyphenylene oxide resins can be used alone or in combination of two or more.
[0041]
(7) Vinyl resin
Examples of the vinyl resin include vinyl monomers (eg, vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl crotonate, and vinyl benzoate); chlorine-containing vinyl monomers (eg, vinyl chloride, chloroprene, etc.); fluorine Vinyl monomers (eg, fluoroethylene); vinyl ketones such as methyl vinyl ketone and methyl isopropenyl ketone; vinyl ethers such as vinyl methyl ether and vinyl isobutyl ether; vinyl amines such as N-vinyl carbazole and N-vinyl pyrrolidone Or the like, or a copolymer with another copolymerizable monomer.
[0042]
Derivatives of the vinyl resin (for example, polyvinyl acetal such as polyvinyl alcohol, polyvinyl formal, and polyvinyl butyral, an ethylene-vinyl acetate copolymer, an ethylene-vinyl alcohol copolymer, and the like) can also be used. These vinyl resins can be used alone or in combination of two or more.
[0043]
(8) Olefin resin
Examples of the olefin resin include α-C such as ethylene and propylene. 2-10 Olefins and cyclic olefins [e.g., cyclopropylene, cyclobutene, cyclopentene, cyclohexene, cyclooctene, cyclopropyne, cyclobutyne, cyclopentin, cyclohexine, cyclooctyne, norbornene, dicyclopentadiene, dicycloheptadiene, tetradicyclododecene, hexacyclo Heptadecene or a derivative thereof (alkyl-substituted, alkylidene-substituted, alkoxy-substituted, acyl-substituted, carboxy-substituted, etc.), etc.], or α-C 2-3 Olefin-based resins [for example, propylene-ethylene copolymer, ethylene- (meth) acrylic acid copolymer, ethylene- (meth) acrylate metal salt copolymer, ethylene- (meth) acrylate copolymer (ethylene -Ethyl acrylate copolymer), propylene- (meth) acrylic acid copolymer, etc.], cyclic olefin-based resin (for example, cyclic olefin homopolymer, α-C 2-10 Olefin-cyclic olefin copolymer).
[0044]
(9) Acrylic resin
Acrylic resins include, for example, homo- or copolymers of (meth) acrylic monomers (such as (meth) acrylic acid or esters thereof), (meth) acrylic acid-styrene copolymers, Methyl acrylate-styrene copolymer is included.
[0045]
(10) Other resins
Other resins include aliphatic polyketone resin (ketone resin); polysulfone (for example, thermoplastic polysulfone, poly (ether sulfone), poly (4,4'-bisphenol ether sulfone), etc.); polyether ketone; poly ( Ether ether ketone); polyether imide; thermoplastic polyurethane resin (for example, a polymer obtained by reacting a diisocyanate compound such as tolylene diisocyanate with the glycol and / or the diamine, and a segment such as polytetramethylene glycol) A thermoplastic elastomer; a polyoxybenzylene; a thermoplastic elastomer, and the like.
[0046]
These polymer compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0047]
Preferred base resins include a polyester resin which may be a liquid crystal polyester, a polyacetal resin, a styrene resin, a polyamide resin, a polycarbonate resin, a polyphenylene oxide resin, a vinyl resin, and more preferably. Examples include polyester-based resins, polyacetal-based resins, polycarbonate-based resins, and styrene-based resins, and particularly preferred are polyester-based resins (such as PBT-based resins and PET-based resins). A polyester resin and a styrene resin may be used in combination.
[0048]
The number average molecular weight of the base resin is not particularly limited, and is appropriately selected depending on the type and use of the resin. Three ~ 200 × 10 Four , Preferably 1 × 10 Four ~ 150 × 10 Four , More preferably 1 × 10 Four ~ 100 × 10 Four You can choose from a range of degrees. When the base resin is a polyester resin, the number average molecular weight is, for example, 5 × 10 Three ~ 100 × 10 Four , Preferably 1 × 10 Four ~ 70 × 10 Four , More preferably 1.2 × 10 Four ~ 30 × 10 Four Degree.
[0049]
[Heterocyclic compound having cyano group (B)]
In the heterocyclic compound having a cyano group (a cyano group-containing heterocyclic compound), the heterocyclic compound has at least one heteroatom selected from a nitrogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom as a constituent atom of a ring. Heterocyclic compounds are included. Among these heterocyclic compounds, a nitrogen-containing heterocyclic compound or an oxygen-containing heterocyclic compound as a hetero atom is preferable.
[0050]
The nitrogen-containing heterocycle includes a 5- or 6-membered saturated or unsaturated nitrogen-containing heterocycle having a nitrogen atom as a ring constituent atom, a fused heterocycle of these 5- or 6-membered nitrogen-containing heterocycles, or a 5- or 6-membered heterocycle. Includes condensed heterocycles of a 6-membered nitrogen-containing heterocycle and a benzene ring. Examples of such a nitrogen-containing hetero ring include a nitrogen-containing five-membered ring (pyrrole, pyrazoline, imidazole, triazole, pyrazolidine, etc.) and a nitrogen- and sulfur-containing five-membered ring (thiazoline, thiazole, thiadiazole, thiadiazoline, thiazolidine, thiadiazoline). Lysine, etc.), nitrogen and oxygen-containing 5-membered ring (oxazoline, furazane, etc.), nitrogen-containing 6-membered ring (pyridine, pyrazine, pyrimidine, pyridazine, triazine, piperidine, piperazine, etc.), nitrogen and oxygen-containing 6-membered ring (oxazine, etc.) ), A nitrogen- and sulfur-containing 6-membered ring (such as thiazine and thiadiazine), a fused heterocyclic ring (such as indole, indazole, quinoline, purine, and phenanthridine). Among these nitrogen-containing rings, a 5- or 6-membered unsaturated nitrogen-containing ring having a plurality of nitrogen atoms as ring constituent atoms is preferable, and triazole and triazine are particularly preferable.
[0051]
Examples of the triazole compound include 1,2,3-triazoles (1,2,3-triazole, 1H-1,2,3-triazole, 2H-1,2,3-triazole and the like), and 1,2,3-triazole. , 4-triazoles (1,2,4-triazole, 1H-1,2,4-triazoles, 4H-1,2,4-triazoles and the like). The cyano group may be substituted on a suitable site (nitrogen atom and carbon atom, particularly carbon atom) of the triazole ring. The number of cyano groups is not particularly limited, and is about 1 to 3, especially about 1 to 2.
[0052]
Examples of the triazine compound include 1,3,5-triazines [1,3,5-triazine; cyanuric acid or isocyanuric acid; cyanuric acid amides such as ammeline and ammelide; melamine, substituted melamine (such as 2-methylmelamine and the like) Alkyl melamine, guanyl melamine, etc., melamine condensates (eg, melam, melem, melon), melamine co-condensation resins (eg, melamine-formaldehyde resin, phenol-melamine resin, benzoguanamine-melamine resin, aromatic polyamine-melamine resin), etc. Or a derivative thereof; guanamine, methylguanamine, acetoguanamine, benzoguanamine, succinoguanamine, guanamine such as CTU-guanamine or a derivative thereof, etc.], 1,2,3-triazines (1,2,3-triazine; 1,2,3-triazine, 4-amino-benzo-1,2,3-triazine and the like in which an amino group is substituted at -position, 4,5-position and the like, 1,2,4-triazines (1, 2,4-triazine; 1,2,4-triazine having an amino group substituted at the 3-, 5-, 3,5-position, etc.). The cyano group may be substituted at a suitable site (nitrogen atom and carbon atom, especially carbon atom) of the triazine ring. The number of cyano groups is not particularly limited, and is about 1 to 4, especially about 1 to 3.
[0053]
Of these nitrogen-containing heterocycles, triazine compounds, particularly 1,3,5-triazines, are preferred.
[0054]
Examples of the nitrogen-containing heterocyclic compound having a cyano group include, for example, (cyanoalkyl) isocyanurate [for example, (cyano C such as mono to tri (2-cyanoethyl) isocyanurate); 1-6 Alkyl) isocyanurate, mono to tri (2-cyano-1,1-dimethylethyl) isocyanurate, mono to tri (3-cyano-1,1-dimethylpropyl) isocyanurate, mono to tri (3-cyano-2) (Cyano C) such as 2,2-dimethylpropyl) isocyanurate 1-6 Alkyl) isocyanurate], (cyanoaryl) isocyanurate [for example, (cyano C such as mono to tri (4-cyanophenyl) isocyanurate) 6-10 Aryl) isocyanurate, etc.], (cyanoaralkyl) isocyanurate [for example, mono-tri (4-cyanobenzyl) isocyanurate, mono-tri (4-cyanophenethyl) isocyanurate, etc. 7-15 Aralkyl) isocyanurate and the like].
[0055]
Examples of the oxygen-containing hetero ring include a 5- or 6-membered hetero ring (furan, hydrofuran, dioxolan, dioxane, dioxin, dioxene, pyran, hydropyran, etc.), a condensed hetero ring obtained by condensing these hetero rings with a benzene ring, and oxygen as a hetero atom. And a hetero ring such as a spiro ring. Of these oxygen-containing heterocycles, oxygen-containing heterocyclic spiro rings are particularly preferred.
[0056]
Examples of the oxygen-containing heterocyclic spiro ring include oxaspirodicyclopentanes (eg, 1-oxaspiro [4.4] undecane, 1,4,6,9-tetraoxaspiro [4.4] undecane, etc.), Cyclopentanspirocyclohexanes (eg, 1-oxaspiro [4.5] decane, 1,4,6,10-tetraoxaspiro [4.5] decane, etc.), oxaspirodicyclohexanes (eg, 1-oxaspiro [ 5.5] undecane, 2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, etc.).
[0057]
Among these spiro rings, oxaspirodicyclohexanes are preferable, and 2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane containing a plurality of oxygen atoms as hetero atoms is particularly preferable.
[0058]
Examples of the spirocyclic compound include bis (cyanoalkyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane {eg, 3,9-bis (2-cyanoethyl) -2,4,8 , 10-Tetraoxaspiro [5.5] undecane, 3,9-bis [2-cyano-1,1-dimethylethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, 3 , 9-Bis [3-cyano-1,1-dimethylpropyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, 3,9-bis [3-cyano-2,2-dimethyl Propyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane and the like. 1-6 Alkyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, and bis (cyanoaryl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane {for example, 3 3,9-bis (4-cyanophenyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane 6-10 Aryl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane; bis (cyanoaralkyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane; , 9-Bis (4-cyanobenzyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, 3,9-bis (4-cyanophenethyl) -2,4,8,10-tetra 3,9-bis (4-cyano C, such as oxaspiro [5.5] undecane 7-15 Aralkyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane and the like can be preferably used.
[0059]
These cyano group-containing heterocyclic compounds (B) can be used alone or in combination of two or more.
[0060]
[Use rate of cyano group-containing heterocyclic compound (B)]
In the present invention, by using a cyano group-containing heterocyclic compound (B) as a flame retardant, high flame retardancy can be imparted to a wide range of base resins even with a small amount of addition. The proportion of the heterocyclic compound (B) is 0.1 to 100 parts by weight, preferably 1 to 80 parts by weight, more preferably about 5 to 70 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin (A). . If the proportion of the heterocyclic compound (B) is too large relative to the base resin (A), the mechanical properties of the resin composition deteriorate.
[0061]
[Flame retardant aid (C)]
In the present invention, the flame retardant aid (C) comprises a phosphorus-containing compound (C1), an aromatic resin (C2), a nitrogen-containing compound (C3), an inorganic metal-based compound (C4), a sulfur-containing compound (C5), and silicon. It is composed of the contained compound (C6) and the like. These flame retardant aids can be used alone or in combination of two or more.
[0062]
(C1) Phosphorus-containing compound
Examples of the phosphorus-containing compound include an inorganic phosphorus compound and an organic phosphorus compound (such as a monomer-type organic phosphorus compound and a polymer-type organic phosphorus compound).
[0063]
(Inorganic phosphorus compound)
Examples of the inorganic phosphorus compound include red phosphorus, (poly) phosphate [orthophosphoric acid, phosphorous acid, hypophosphorous acid, polyphosphoric acid (metaphosphoric acid, pyrophosphoric acid, triphosphoric acid, tetraphosphoric acid, etc.), polyphosphoric acid, and the like. Non-condensed or condensed (phosphorous) ammonium salts of phosphorous acid (eg, metaphosphorous acid, pyrophosphorous acid, etc.)].
[0064]
Red phosphorus has a high flame retardant effect, and can impart flame retardancy to a resin even in a small amount. Further, since the effect can be obtained with a small amount, flame retardancy can be achieved without impairing the properties (for example, mechanical properties and electrical properties) of the resin. As the red phosphorus, red phosphorus that has been subjected to a stabilization treatment (stabilized red phosphorus) is preferably used. In particular, red phosphorus obtained by a method of pulverizing red phosphorus without pulverizing it and forming fine particles without forming a highly crushed surface having high reactivity with water or oxygen on the surface of red phosphorus, furthermore, the surface of red phosphorus, Red phosphorus or the like coated alone or in combination of two or more with a resin (eg, a thermosetting resin, a thermoplastic resin), a metal, a metal compound (eg, a metal hydroxide, a metal oxide, etc.) can be used. .
[0065]
Examples of the thermosetting resin that coats the surface of red phosphorus include, for example, phenolic resins, melamine resins, urea resins, alkyd resins, unsaturated polyester resins, epoxy resins, silicone resins, and the like. Examples of the thermoplastic resin include a polyester resin, a polyamide resin, an acrylic resin, and an olefin resin. Examples of the metal hydroxide include aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, calcium hydroxide, zinc hydroxide, titanium hydroxide, and the like.Examples of the metal oxide include aluminum oxide, magnesium oxide, zinc oxide, Examples include titanium oxide, zirconium oxide, copper oxide, iron oxide, molybdenum oxide, tungsten oxide, manganese oxide, and tin oxide.
[0066]
Further, as a method of coating and stabilizing the surface of red phosphorus with a metal, for example, a metal (iron, nickel, copper, aluminum, zinc, manganese, tin, titanium, zirconium, etc.) There is a method of coating with an alloy. Other methods for coating the surface of red phosphorus include treating the red phosphorus with a solution of a metal salt (a salt of aluminum, magnesium, zinc, titanium, copper, silver, iron, nickel, etc.), and coating the surface of the red phosphorus with a metal phosphorus compound. And a method of stabilizing the compound by forming the compound.
[0067]
In particular, using a method of forming fine particles of red phosphorus without forming a crushed surface on the surface of red phosphorus, a coating process of a metal component (metal hydroxide or metal oxide) and a coating of a resin are combined to form a coating process in a plurality of layers, In particular, after coating with a metal component coating, multiple coating treatments with a resin coating may be performed. These stabilized red phosphorus are excellent in heat stability and hydrolysis resistance, and significantly reduce the production of phosphine due to a decomposition reaction in the presence of moisture or at a high temperature. , And from the viewpoint of safety when producing a molded article.
[0068]
As the red phosphorus, stabilized red phosphorus can usually be used in the form of powder. The particle diameter of the stabilized red phosphorus is, for example, about 0.01 to 100 μm, preferably about 0.1 to 70 μm, and more preferably about 0.1 to 50 μm.
[0069]
(Organic phosphorus compound)
Among the organic phosphorus compounds, monomer-type organic phosphorus compounds include phosphoric acid esters, phosphoric acid ester amides, phosphonitrile compounds, polyphosphates, organic phosphonic acid compounds (phosphonate esters, metal salts, etc.), organic phosphinic acid compounds And phosphine oxides (such as triphenylphosphine oxide and tricresylphosphine oxide).
[0070]
(1) phosphate ester
Examples of the phosphate include aliphatic phosphates [trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tripropyl phosphate, triisopropyl phosphate, tributyl phosphate, triisobutyl phosphate, pentaerythritol phosphate (for example, Great Lakes Chemical Co., Ltd.). NH-1197, bicyclophosphate described in JP-A-2001-106889, etc.) 1-10 Alkyl ester; phosphoric acid di-C corresponding to the phosphoric acid triester 1-10 Alkyl ester and phosphoric acid mono-C 1-10 Alkyl esters, etc.], aromatic phosphate esters [triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, trixylyl phosphate, diphenylcresyl phosphate, tri (isopropylphenyl) phosphate, etc. 6-20 Aryl esters and the like], aliphatic-aromatic phosphates [methyldiphenyl phosphate, phenyldiethyl phosphate, spirocyclic aromatic phosphates (US Pat. No. 3,090,799, diphenyl described in JP-A-5-92986). Pentaerythritol diphosphate, dicresyl pentaerythritol diphosphate, dixylyl pentaerythritol diphosphate, etc.).
[0071]
(2) Phosphate amide
Examples of the phosphoric ester amide include a binding mode of a phosphoric ester and a phosphoric amide, and include JP-A-2001-139823, JP-A-2000-154277, JP-A-10-175885, and JP-A-8-59888. And phosphoric acid ester amides described in JP-A-63-235363 can be used.
[0072]
Preferred phosphoric ester amides include condensed phosphoric ester amides. Examples of such a phosphoric acid ester amide include N- (diaryloxyphosphinyl) -substituted alkyleneamines [eg, N, N′-bis (diphenoxyphosphinyl) piperazine, N, N′-bis ( Ditolyloxyphosphinyl) piperazine, N, N'-bis (dixylyloxyphosphinyl) piperazine, N, N'-bis (di- or trimethylphenyloxyphosphinyl) piperazine, etc.], bis to tetrakis [( Diaryloxyphosphinyl) amino] -substituted aromatic compounds {eg, 1,3- or 1,4-bis [(diphenoxyphosphinyl) amino] benzene, 1,3- or 1,4-bis [( Ditolyloxyphosphinyl) amino] benzene, 1,3- or 1,4-bis [(dixylyloxyphosphinyl) amino] Benzene, 1,3- or 1,4-bis [(di- or trimethylphenyloxyphosphinyl) amino] benzene, 1,3- or 1,4-bis [(diphenoxyphosphinyl) aminomethyl] benzene, 1,3- or 1,4-bis [(ditolyloxyphosphinyl) aminomethyl] benzene, 1,3- or 1,4-bis [(dixylyloxyphosphinyl) aminomethyl] benzene, 1, 3- or 1,4-bis [(di-trimethylphenyloxyphosphinyl) aminomethyl] benzene and the like, N- (cyclic alkylenedioxyphosphinyl) -substituted alkyleneamines [eg, N, N'-bis (Neopentylenedioxyphosphinyl) piperazine, etc.), bis-tetrakis [(cyclic alkylenedioxyphosphinyl) amino] -substituted aromatic compounds Classes, for example, 1,3- or 1,4-bis [(neopentylenedioxyphosphinyl) amino] benzene, 1,3- or 1,4-bis [(neopentylenedioxyphosphinyl) aminomethyl Benzene, etc., N- (cyclic arylenedioxyphosphinyl) -substituted alkyleneamines [eg, N, N'-bis (phenylene-1,2-dioxyphosphinyl) piperazine, 1,3- or 1 , 4-bis [(biphenylene-2,2'-dioxyphosphinyl) aminomethyl] piperazine, etc.] and bis-tetrakis [(cyclic arylenedioxyphosphinyl) amino] -substituted aromatic compounds {eg, 1 , 3- or 1,4-bis [(phenylene-1,2-dioxyphosphinyl) amino] benzene, 1,3- or 1,4-bis [(biphenylene-2, 2'-dioxyphosphinyl) aminomethyl] benzene and the like {, 3,9-bis (N-substituted amino) -2,4,8,10-tetraoxa-3,9-diphosphaspiro [5.5] -undecane -3,9-dioxides [for example, when the N-substituted amino group is a dialkylamino group (such as a diethylamino group), a cyclic amino group (such as a piperidino group, a pipecolino group, a dimethylpiperidino group, a morpholino group), or an arylamino group (Phenylamino group, etc.), spirocyclic phosphoric acid ester amides such as alkylarylamino groups (methylphenylamino group, etc.), and the like.
[0073]
Phosphate ester amide is available under the trade name "Phosphate ester amide flame retardant SP series (for example, SP-601, SP-670, SP-703, SP-720, etc.)" (manufactured by Shikoku Chemical Industry Co., Ltd.). it can.
[0074]
(3) phosphonitrile compound
Examples of the phosphonitrile compound include cyclic or linear aryloxyphosphazenes such as (poly) phenoxyphosphazene, (poly) tolyloxyphosphazene, (poly) xylenyloxyphosphazene, (poly) methylnaphthyloxyphosphazene, and (poly) Examples thereof include cyclic or linear alkoxyaryloxyphosphazenes such as methoxyphenoxyphosphazene, (poly) methoxytolyloxyphosphazene, (poly) methoxynaphthyloxyphosphazene, and cyclic or linear alkoxyphosphazenes such as (poly) methoxyphosphazene.
[0075]
(4) Organic phosphonic acid compound
Examples of the organic phosphonic acid (phosphorous acid) compound include, for example, aromatic phosphites (triphosphorous acid whose aryl is phenyl, cresyl, xylyl, etc.). 6-20 Aryl phosphites (trialkyl phosphites in which alkyl is methyl, ethyl, propyl, butyl, t-butyl, hexyl, etc.) 1-10 Alkyl ester; di- or mono-C phosphorous acid corresponding to the trialkyl phosphite 1-10 Alkyl esters), organic phosphites [eg, alkyl is alkyl as exemplified above, and aryl is phenyl, cresyl, xylyl, etc. 1-6 Alkyl phosphonic acid di-C 1-6 Alkyl, C 1-6 Alkyl phosphonic acid di-C 6-10 Aryl, C 1-6 Alkylphosphonic acid C 1-6 Alkyl C 6-10 Alkyl phosphonic acid diesters such as aryl; C corresponding to the above alkyl phosphonic acid diesters 6-10 Aryl-phosphonic acid diesters; cyclic organic phosphonic acid diesters {e.g., 4-C-1 such as 4-methyl-1-phospha-2,6,7-trioxabicyclo [2.2.2] -octane-1-oxide; 1-6 Alkyl-1-phospha-2,6,7-trioxabicyclo [2.2.2] -octane-1-oxide, pentaerythritol bis (methylphosphonate), pentaerythritol bis (ethylphosphonate), pentaerythritol bis (propyl) Spirocyclic alkyl phosphonates such as phosphonates and pentaerythritol bis (butylphosphonate), spirocyclic cycloalkylphosphonates such as pentaerythritol bis (cyclohexylphosphonate), and spirocyclic aralkylphosphonic acids such as pentaerythritol bis (benzylphosphonate) Spirocyclic aryl phosphonates such as esters, pentaerythritol bis (phenylphosphonate) and pentaerythritol bis (tolylphosphonate) Etc.}; C 6-15 Aryl phosphonic acid monoesters (for example, 10-hydroxy-9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide and the like); phosphonocarboxylic acid esters (the above-mentioned alkylphosphones such as dimethyl methoxycarbonylmethylphosphonate) C corresponding to acid diester 1-4 Alkoxycarbonyloxy C 1-4 Phosphonocarboxylic acid triesters such as alkyl phosphonic acid diesters). Further, phosphorous acid, (cyclic) phosphite monoester, or phosphonocarboxylic acid (for example, alkylphosphonic acid, alkylphosphonic monoalkyl ester, alkylphosphonic monoaryl) which may be substituted with an alkyl or aryl group Metal salts (Ca, Mg, Zn, Ba, Al salts, etc.) of esters, arylphosphonic acids, monoalkyl esters of arylphosphonic acids, etc.) are also included. With respect to typical compounds of such organic phosphonic acid compounds, for example, US Pat. No. 3,789,091; US Pat. No. 3,849,368; US Pat. No. 4,162,278; JP-A-47-43144; JP-A-52-12329, JP-A-63-22866, JP-A-1-226891, JP-A-4-234893, JP-A-8-245659, JP-A-9-272759 and the like. Can be referred to.
[0076]
(5) Organic phosphinic acid compound
Organic phosphinic acid compounds include an alkyl group (C 1-4 An alkyl group) or an aryl group (C 6-10 A phosphinic acid ester which may be substituted (monosubstituted or disubstituted) (for example, a phosphinic acid C such as methyl phosphinate) 1-6 C, phosphinic acids such as alkyl and phenyl phosphinate 6-10 Aryl, 9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide, 10-C 1-30 Alkyl or C 6-20 Aryl-substituted -9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide and the like) and the like. A metal salt (Ca, Mg, Zn, Ba, Al salt, or the like) of a phosphinic acid (for example, dimethylphosphinic acid, diethylphosphinic acid, methylethylphosphinic acid, or the like) which may be substituted with an alkyl group or an aryl group; Phosphinicocarboxylic acid esters (for example, 3-methylphosphinicopropionate, 3-phenylphosphinicopropionate, etc.), and homopolymers and copolymers thereof are also included. Representative compounds of these metal organic phosphinates include, for example, JP-A-55-5979, JP-A-11-60924, JP-A-11-140228, JP-A-11-236392, JP-A-2001-2686, JP-T-2001-513784, JP-T-2001-513786, U.S. Pat.No. 5,973,194, U.S. Pat. No. 6,011,172, U.S. Pat.No. 6,248,921, etc. it can.
[0077]
(6) Polymer type organic phosphorus compound
As the polymer type organic phosphorus compound, a condensate of a monomer type organic phosphorus compound can be used. The condensate includes a polymer type phosphoric acid ester, for example, resorcinol phosphates (condensate of resorcinol and phenyl phosphate, condensate of resorcinol and cresyl phosphate, condensate of resorcinol and xylyl phosphate, etc.) ), Hydroquinone phosphates (condensates of hydroquinone and phenyl phosphate, condensates of hydroquinone and cresyl phosphate, condensates of hydroquinone and xylenyl phosphate, etc.), biphenol phosphates (condensates of biphenol and phenyl phosphate) , Condensates of biphenol and cresyl phosphate, condensates of biphenol and xyenyl phosphate), bisphenol phosphates (condensates of bisphenol A and phenyl phosphate) A condensate of bisphenol A and cresyl phosphate, a condensate of bisphenol A and xylene les sulfonyl phosphate, etc.) and the like. Representative methods for producing such polymer type phosphoric acid esters include U.S. Pat. No. 2,661,687, U.S. Pat. No. 2,636,876, U.S. Pat. No. 4,482,693, JP-A-48-91147, and JP-A-48-91147. Reference can be made to JP-A-9-255786, Polymer, Vol 29, p756 (1988).
[0078]
Further, the polymer type organic phosphorus compound may be a phosphoric acid ester of a polymer having a hydroxyl group (such as a phenol resin). Further, the polymer type organic phosphorus compound also includes polyphosphinicocarboxylic acid esters and polyphosphonamides.
[0079]
Preferred phosphorus-containing compounds include inorganic phosphorus compounds (eg, red phosphorus, ammonium (poly) ammonium phosphate, etc.), phosphate esters (eg, aliphatic phosphate esters, aromatic phosphate esters, and condensed phosphate esters, particularly condensed phosphate esters). Phosphoric acid ester amides, phosphonitrile compounds, organic phosphonic acid compounds (eg, phosphaphenanthrenes), organic phosphinic acid compounds (eg, dialkyl phosphinic acid metal salts) and the like.
[0080]
(C2) Aromatic resin
Aromatic resins include polyphenylene sulfide resins, polyphenylene oxide resins, polycarbonate resins, polyarylate resins, aromatic nylons, aromatic epoxy resins, novolak resins, aralkyl resins, and aromatic vinyl resins. Formable aromatic resins are included. As the polyphenylene oxide resin and the polycarbonate resin, the same resins as those exemplified in the section of the base resin can be used, and different resins are generally used as the base resin and the aromatic resin.
[0081]
(Polyphenylene sulfide resin)
The polyphenylene sulfide-based resin (polyphenylene thioether-based resin) includes a homopolymer and a copolymer having a polyphenylene sulfide skeleton-(Ar-S-)-, wherein Ar represents a phenylene group. Examples of the phenylene group (—Ar—) include, for example, p-phenylene group, m-phenylene group, o-phenylene group, and substituted phenylene group (for example, C-phenylene group). 1-5 An alkylphenylene group having a substituent such as an alkyl group or an arylphenyl group having a substituent such as a phenyl group), a p, p'-diphenylenesulfone group, a p, p'-biphenylene group, a p, p'diphenylene Examples thereof include an ether group and a p, p'-diphenylenecarbonyl group. The polyphenylene sulfide-based resin may be a homopolymer using the same repeating unit among the phenylene sulfide groups composed of such a phenylene group, and contains a heterogeneous repeating unit from the viewpoint of processability of the composition. It may be a copolymer.
[0082]
As the homopolymer, a substantially linear one having a p-phenylene sulfide group as a repeating unit is preferably used. The copolymer may be used in combination of two or more different phenylene sulfide groups. Among these, as the copolymer, a combination containing a p'-phenylene sulfide group as a main repeating unit and containing an m-phenylene sulfide group is preferable. From the viewpoint of physical properties such as heat resistance, moldability, and mechanical properties, p- Particularly preferred are substantially linear copolymers containing at least 60 mol% (preferably 70 mol%) of phenylene sulfide groups.
[0083]
The polyphenylene sulfide resin may be a polymer obtained by increasing the melt viscosity of a relatively low-molecular-weight linear polymer by oxidative crosslinking or thermal crosslinking to improve moldability, and may be a polymer having a bifunctional monomer as a main component. It may be a high molecular weight polymer having a substantially linear structure obtained by polymerization. From the viewpoint of the physical properties of the obtained molded product, a polymer having a substantially linear structure obtained by condensation polymerization is preferred. Further, as the polyphenylene sulfide resin, in addition to the above-mentioned polymer, a branched or cross-linked polyphenylene sulfide resin polymerized by combining a monomer having three or more functional groups, or a resin composition obtained by blending this resin with the linear polymer Things can also be used.
[0084]
As the polyphenylene sulfide-based resin, besides polyphenylene sulfide and polybiphenylene sulfide (PBPS), polyphenylene sulfide ketone (PPSK), polybiphenylene sulfide sulfone (PPSS) and the like can be used. The polyphenylene sulfide resin can be used alone or in combination of two or more.
[0085]
The number average molecular weight of the polyphenylene sulfide resin is, for example, 300 to 30 × 10 Four , Preferably 400 to 10 × 10 Four It is about.
[0086]
(Aromatic nylon)
As the aromatic nylon constituting the flame retardant, a resin different from the polyamide resin as the base resin is used. As such a resin, a compound having a unit represented by the following formula (1) can be used.
[0087]
Embedded image
[0088]
(Where Z 1 And Z Two Are the same or different and are selected from an aliphatic hydrocarbon group, an alicyclic hydrocarbon group and an aromatic hydrocarbon group, and at least one is an aromatic hydrocarbon group; 1 And R Two Are the same or different and are selected from a hydrogen atom, an alkyl group and an aryl group; 1 And R Two May be directly connected to form a ring).
[0089]
Such aromatic nylon is a polyamide derived from a diamine and a dicarboxylic acid, wherein at least one of the diamine component and the dicarboxylic acid component is an aromatic compound; an aromatic aminocarboxylic acid; If necessary, a polyamide obtained by using a diamine and / or a dicarboxylic acid in combination is included. Aromatic nylons also include copolyamides formed by at least two different polyamide-forming components.
[0090]
Examples of the diamine include phenylenediamine, diaminotoluene, 2,4-diaminomesitylene, 3,5-diethyl-2,6-diaminotoluene, xylylenediamine (particularly meta-xylylenediamine, para-xylylenediamine), bis (2-aminoethyl) benzene, biphenylenediamine, diamine having a biphenyl skeleton (for example, 4,4-diamino-3,3'-ethylbiphenyl), diamine having a diphenylalkane skeleton [for example, diaminodiphenylmethane, bis (4- Amino-3-ethyl) diphenylmethane, bis (4-amino-3-methylphenyl) methane, 3,3'-dichloro-4,4'-diaminodiphenylmethane, 2,2'-bis (4-aminophenyl) propane, etc. ], Bis (4-aminophenyl) ketone, Scan (4-aminophenyl) sulfone, aromatic diamines and their N- substituted aromatic diamines such as 1,4-naphthalene diamine. Alicyclic diamines such as 1,3-cyclopentanediamine, 1,4-cyclohexanediamine, bis (4-amino-3-methylcyclohexyl) methane; trimethylenediamine, tetramethylenediamine, pentamethylenediamine, hexamethylene Aliphatic amines such as diamine, 2,2,4-trimethylhexamethylenediamine, 2,4,4-trimethylhexamethylenediamine, octamethylenediamine, and N-substituted aliphatic diamines thereof may be used in combination. These diamines can be used alone or in combination of two or more. As the diamine, it is preferable to use an aromatic diamine (particularly, xylylenediamine, N, N'-dialkyl-substituted xylylenediamine).
[0091]
Examples of dicarboxylic acids include oxalic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, undecandioic acid, dodecandioic acid, hexadecandioic acid, octadecandioic acid, and the like. C 2-20 Aliphatic dicarboxylic acids; aromatic dicarboxylic acids such as phthalic acid, phthalic anhydride, isophthalic acid, terephthalic acid, and naphthalenedicarboxylic acid; alicyclics such as cyclohexane-1,4-dicarboxylic acid and cyclohexane-1,3-dicarboxylic acid Dicarboxylic acids; dimerized fatty acids (eg, dimer acid) and the like. These dicarboxylic acids can be used alone or in combination of two or more. Examples of the dicarboxylic acid include aliphatic dicarboxylic acids (particularly, C such as adipic acid). 6-20 It is preferred to use (aliphatic dicarboxylic acids).
[0092]
Examples of the aromatic or alicyclic aminocarboxylic acid include phenylalanine, tyrosine, anthranilic acid, aminobenzoic acid, and the like. Aminocarboxylic acids can be used alone or in combination of two or more.
[0093]
As the aromatic nylon, a condensate with lactam and / or α, ω-aminocarboxylic acid may be used as long as the properties of the flame retardant are not impaired. Examples of the lactam include C, such as propiolactam, butyrolactam, valerolactam, and caprolactam (such as ε-caprolactam). 3-12 Examples of the α, ω-aminocarboxylic acid such as lactam include 7-aminoheptanoic acid and 10-aminodecanoic acid.
[0094]
Other secondary components of the aromatic nylon include monobasic acids (eg, acetic acid, propionic acid, caproic acid, nicotinic acid, etc.), monoamines (eg, ethylamine, butylamine, benzylamine, etc.), and dibasic acids (eg, adipine At least one selected from acids, sebacic acid, terephthalic acid, isophthalic acid, cinchomeronic acid, etc., diamines (eg, tetramethylene diamine, hexamethylene diamine, etc.), lactams and the like can be used as the viscosity modifier.
[0095]
As the aromatic nylon, a polyamide in which the diamine component is an aromatic compound (for example, a polyamide or a copolyamide containing xylylenediamine as the diamine component), preferably an aromatic diamine and α, ω-C 2-12 Polyamide obtained from dicarboxylic acid [for example, polyamide (MXD6) obtained from adipic acid and meta-xylylenediamine, polyamide obtained from suberic acid and meta-xylylenediamine, obtained from adipic acid and para-xylylenediamine Polyamide (PMD6), polyamide obtained from suberic acid and paraxylylenediamine, polyamide obtained from adipic acid and N, N'-dimethylmetaxylylenediamine, suberic acid and N, N'-dimethylmetaxylylenediamine Polyamide obtained from adipic acid and 1,3-phenylenediamine, polyamide obtained from adipic acid and 4,4'-diaminodiphenylmethane, adipic acid and meta-xylylenediamine and para-xylylenediamine. Resulting copolyamide of adipic acid and m-xylylenediamine and N, N'-dimethyl-meta-xylylenediamine and the like copolyamides resulting from] the like. Particularly preferred aromatic nylons include aromatic diamines (particularly xylylenediamine) and α, ω-C 2-12 Polyamides obtained from aliphatic dicarboxylic acids (especially MXD6) are mentioned. These polyamides can be used alone or in combination of two or more.
[0096]
These aromatic nylons are described, for example, in JP-B-44-22510, JP-B-47-51480, JP-A-57-200420, JP-A-58-111829, and JP-A-62-283179. Gazette, Journal of Industrial Chemistry, Vol. 74, No. 4, p. 786 (1971), Journal of Industrial Chemistry, Vol. 74, No. 10, p. 2185 (1971), Dictionary of Engineering Plastics, p. 74 (Gihodo Publishing, 1998) It is prepared by a normal pressure direct method or a melt polymerization method based on the above.
[0097]
The number average molecular weight of the aromatic nylon is not particularly limited, for example, 300 to 10 × 10 Four , Preferably 500-5 × 10 Four You can choose from a range of degrees.
[0098]
(Polyarylate resin)
The following formula (2) is used for the polyarylate resin.
[-O-Ar-OC (O) -A 1 -C (O)-] (2)
(Wherein, Ar represents an aromatic group; 1 Represents an aromatic, alicyclic, or aliphatic group).
[0099]
Such a polyarylate-based resin is prepared by a transesterification method (eg, an acetate method, a phenyl ester method, etc.), an acid chloride method, a direct method, a polyaddition method, or the like, as a polyesterification reaction, a melt polymerization method, a solution polymerization method, Alternatively, it can be produced using an interfacial polymerization method or the like.
[0100]
The polyarylate resin can be obtained by reacting an aromatic polyol component with a polycarboxylic acid component (such as an aromatic polycarboxylic acid component, an aliphatic polycarboxylic acid component, or an alicyclic polycarboxylic acid component). The polycarboxylic acid component usually contains at least an aromatic polycarboxylic acid component.
[0101]
As the aromatic polyol (monomer), usually, a diol such as a monocyclic aromatic diol or a polycyclic aromatic diol, or a reactive derivative thereof [eg, a salt of an aromatic polyol (a sodium salt, a potassium salt, etc.)] , An aromatic polyol ester (eg, an acetate ester), a silyl-protected aromatic polyol (eg, a trimethylsilylated product), etc.].
[0102]
Examples of the monocyclic aromatic diol include aromatic ring diols having about 6 to 20 carbon atoms such as benzenediol (resorcinol, hydroquinone, m-xylylene glycol, p-xylylene glycol, etc.), naphthalene diol and the like. .
[0103]
Examples of the polycyclic aromatic diol include bis (hydroxyaryl) s (bisphenols), for example, 4,4'-dihydroxybiphenyl, 2,2'-biphenol, 3,3 ', 5,5'-tetramethyl- 4,4'-dihydroxybiphenyl, Z 1 And Z Two In addition to the dihydroxydiarylalkanes exemplified in the section, bis (hydroxyaryl) C such as bisphenol F 1-6 Alkanes and the like; bis (hydroxyaryl) cycloalkanes [for example, bis (hydroxyaryl) C such as bis (hydroxyphenyl) cyclohexane 3-12 Bis (hydroxyaryl) carboxylic acid [for example, bis (hydroxyaryl) C such as bis-4,4- (hydroxyphenyl) butanoic acid 2-6 Carboxylic acid, etc.]. Further, other polycyclic aromatic diols include compounds having a bis (hydroxyaryl) skeleton, for example, Z 1 And Z Two In addition to di (hydroxyphenyl) ether, di (hydroxyphenyl) ketone, di (hydroxyphenyl) sulfoxide and di (hydroxyphenyl) thioether, bis (C 1-4 Alkyl-substituted hydroxyphenyl) alkanes [for example, bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) methane, bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) propane, bis (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) methane, Bis (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) propane, etc.), terpene diphenols (for example, 1,4-di (C 1-4 Alkyl-substituted hydroxyphenyl) -p-menthane and the like.
[0104]
These aromatic polyols can be used alone or in combination of two or more.
[0105]
Preferred aromatic polyols include benzenediols, bisphenols such as bis (hydroxyaryl) C 1-6 Alkanes (for example, bisphenol A, bisphenol F, bisphenol AD, etc.) are included.
[0106]
The aromatic polyol may be used in combination with an aliphatic or alicyclic polyol. Aliphatic polyols include C, such as ethylene glycol, propylene glycol, butanediol, pentanediol, hexanediol and neopentyl glycol. 1-10 And aliphatic polyols. In addition, the aliphatic polyol includes C such as 1,4-cyclohexanedimethanol. 3-10 An aliphatic polyol having an aliphatic ring is also included. Examples of alicyclic polyols include C, such as cyclohexanediol. 3-10 Alicyclic polyols;
[0107]
Examples of the aromatic polycarboxylic acid include dicarboxylic acids such as monocyclic aromatic dicarboxylic acids and polycyclic aromatic dicarboxylic acids, and reactive derivatives thereof [for example, aromatic polycarboxylic acid halides (aromatic polycarboxylic acids). Acid chloride), aromatic polycarboxylic acid esters (such as alkyl esters and aryl esters), aromatic polycarboxylic anhydrides and the like].
[0108]
The monocyclic aromatic ring dicarboxylic acid includes, for example, the aromatic carboxylic acids (aryldicarboxylic acids having about 8 to 20 carbon atoms such as benzenedicarboxylic acid and naphthalenedicarboxylic acid) exemplified in the section of the aromatic nylon. . The benzenedicarboxylic acid and naphthalenedicarboxylic acid (particularly, benzenedicarboxylic acid) include one or two C atoms. 1-4 The alkyl group may be substituted.
[0109]
Polycyclic aromatic dicarboxylic acids include bis (arylcarboxylic acids) such as bis (carboxyaryl) C such as biphenyldicarboxylic acid and bis (carboxyphenyl) methane. 1-6 Alkane; bis (carboxyaryl) C such as bis (carboxyphenyl) cyclohexane 3-12 Bis (carboxyaryl) ketones such as bis (carboxyphenyl) ketone; bis (carboxyaryl) sulfoxides such as bis (carboxyphenyl) sulfoxide; bis (carboxyaryl) ethers such as bis (carboxyphenyl) ether; bis ( And bis (carboxyaryl) thioethers such as carboxyphenyl) thioether.
[0110]
Preferred aromatic polycarboxylic acid components include monocyclic aromatic dicarboxylic acids (particularly benzenedicarboxylic acids such as phthalic acid, isophthalic acid and terephthalic acid), bis (carboxyaryl) C 1-6 Alkanes and the like are included.
[0111]
As the aliphatic polycarboxylic acid (monomer), the aliphatic dicarboxylic acids exemplified in the section of the aromatic nylon (especially C 2-20 Aliphatic dicarboxylic acids), and C2 such as dicarboxymethylcyclohexane. 3-10 It may be a dicarboxylic acid having an aliphatic ring. Examples of the alicyclic polycarboxylic acid include the alicyclic dicarboxylic acids (especially C) 3-20 Alicyclic dicarboxylic acid).
[0112]
Preferred polyarylate resins include polyarylate resins in which the aromatic polyol is benzenediols and / or bisphenols, for example, benzenediols (hydroquinone, resorcinol, etc.) and / or bisphenols (bisphenol A, bisphenol AD, bisphenol Polyester of F, biphenol, 3,3 ', 5,5'-tetramethyl-4,4'-dihydroxybiphenyl, etc. and benzenedicarboxylic acid (isophthalic acid, terephthalic acid, etc.), benzenediols and / or bisphenols And bis (arylcarboxylic acid) s [for example, bis (carboxyaryl) C such as bis (carboxyphenyl) methane, bis (carboxyphenyl) ethane, and bis (carboxyphenyl) propane 1-4 Alkane] and the like. These polyarylate resins can be used alone or in combination of two or more.
[0113]
Further, in addition to the aromatic diol and the aromatic dicarboxylic acid, the polyarylate-based resin may further include, if necessary, an oxycarboxylic acid (oxybenzoic acid, oxynaphthoic acid, etc.), an aromatic triol, an aromatic tetraol [for example, 1,1,2,2-tetrakis (hydroxyphenyl) ethane], aromatic tricarboxylic acid, aromatic tetracarboxylic acid, oxycarboxylic acid (eg, oxybenzoic acid, oxynaphthoic acid, etc.) may be used in combination. .
[0114]
Further, the terminal of the polyarylate resin may be blocked (bonded) with an alcohol, a carboxylic acid, or the like (particularly, a monohydric alcohol, a monovalent carboxylic acid, or the like). Examples of the monohydric alcohol that blocks the terminal of the polyarylate resin include monovalent aryl alcohols (C 1-10 Alkyl group and / or C 6-10 Monovalent phenols which may be substituted by an aryl group, for example, phenol, C, such as 1-2 methyl groups at the o, m, or p positions 1-4 Alkylphenols having an alkyl group; arylphenols having a phenyl, benzyl, cumyl group or the like at the o, m, or p-position; monohydric alkyl alcohols (C such as methanol, ethanol, propanol, butanol, hexanol, stearyl alcohol, etc.) 1-20 Alkyl monoalcohols), monohydric aralkyl alcohols (benzyl alcohol, phenethyl alcohol, etc. 7-20 Aralkyl monoalcohols).
[0115]
Examples of the monovalent carboxylic acids that block (bond) the terminal of the polyarylate resin include monovalent aliphatic carboxylic acids (C, such as acetic acid, propionic acid, and octanoic acid). 1-20 Aliphatic monocarboxylic acids), monovalent alicyclic carboxylic acids (C such as cyclohexanecarboxylic acid) 4-20 Alicyclic monocarboxylic acids), monovalent aromatic carboxylic acids (benzoic acid, toluic acid, o, m, p-tert-butylbenzoic acid, p-methoxyphenylacetic acid, etc. 7-20 Aromatic monocarboxylic acid) and the like. Further, the carboxylic acids are monovalent aliphatic carboxylic acids substituted with an aromatic group such as phenylacetic acid (particularly, C 6-20 C substituted with an aromatic group 1-10 (Aliphatic monocarboxylic acid).
[0116]
Further, the polyarylate-based resin may constitute a polymer alloy with a resin other than the polyarylate-based resin, for example, polycarbonate, polyethylene terephthalate, polyamide and the like. The polymer alloy includes not only a simple mixture but also a polymer alloy subjected to a transesterification reaction or a polymer alloy containing a compatibilizer.
[0117]
The number average molecular weight of the polyarylate resin is, for example, 300 to 30 × 10 Four , Preferably 500 to 10 × 10 Four It is about.
[0118]
(Aromatic epoxy resin)
Examples of the aromatic epoxy resin include ether-based epoxy resins [for example, biphenyl type epoxy resin (eg, 3,3 ′, 5,5′-tetramethylbiphenol type epoxy resin), bisphenol type epoxy resin, novolak type epoxy resin, Unsaturated cyclic hydrocarbon compound-modified epoxy resin (for example, (di) cyclopentadiene-type epoxy resin, etc.), stilbene-type epoxy resin, etc.], and amine-based epoxy resin using an aromatic amine component.
[0119]
The bisphenol constituting the bisphenol type epoxy resin is the same as the above bis (hydroxyaryl) s. Preferred bisphenol type epoxy resins include bis (hydroxyaryl) C 1-6 Alkanes, especially glycidyl ethers such as bisphenol A, bisphenol AD, bisphenol F, are mentioned. Further, the bisphenol-type epoxy resin also includes the bisphenol glycidyl ether having a large molecular weight (that is, a phenoxy resin).
[0120]
As the novolak resin constituting the novolak type epoxy resin, an alkyl group (for example, C 1-20 Alkyl group, preferably methyl group, ethyl group, etc. 1-4 Novolak resins (for example, phenol novolak resins and cresol novolak resins) which may be substituted by an alkyl group) can be exemplified. Preferred novolak epoxy resins include C 1-2 The glycidyl ether of a novolak resin optionally substituted with an alkyl group is included.
[0121]
The aromatic amine component constituting the amine-based epoxy resin includes monocyclic aromatic amines (aniline, toluidine, etc.), monocyclic aromatic diamines (diaminobenzene, xylylenediamine, etc.), monocyclic aromatic amino alcohols (Such as aminohydroxybenzene), polycyclic aromatic diamine (such as diaminodiphenylmethane), and polycyclic aromatic amine.
[0122]
The number average molecular weight of the aromatic epoxy resin is, for example, 200 to 5 × 10 Four , Preferably 300 to 1 × 10 Four And more preferably about 400 to 6,000. The number average molecular weight of the phenoxy resin is, for example, 500 to 5 × 10 Four , Preferably 1,000-4 × 10 Four It is about.
[0123]
Aromatic epoxy resins include amine-based curing agents (for example, aliphatic amines such as ethylenediamine, aromatic amines such as metaphenylenediamine and xylylenediamine), polyaminoamide-based curing agents, and acid and acid anhydride-based curing agents. May be used after being cured with a curing agent.
[0124]
These resin components can be used alone or in combination of two or more.
[0125]
(Resin having a hydroxyl group and / or amino group-containing aromatic ring)
Examples of the resin having an aromatic ring having a hydroxyl group and / or an amino group include a resin having the aromatic ring in a main chain or a side chain. Among these resins, resins having an aromatic ring in the main chain include, for example, novolak resins, aralkyl resins, modified phenol resins [for example, terpene phenol resins (for example, resins described in JP-A-7-292214). , Manufactured by Yashara Chemical Co., Ltd., trade names "YS Polystar Series" and "Mighty Series", manufactured by Arakawa Chemical Industries, Ltd., trade name "Tamanol", etc., and rosin-modified phenolic resins (including reaction products with polyhydric alcohols) ), Unsaturated hydrocarbon compound-modified phenol resins (for example, dicyclopentadiene-phenol polymers (for example, described in JP-A-61-291616, JP-A-62-201922, and JP-A-6-49181). Phenolic resin), cyclopentadiene-phenol polymer (Nippon Petrochemical Co., Ltd.) Trade name "DPP-600M", etc.))]. Examples of the aromatic ring as the resin having a side chain, an aromatic vinyl resin can be exemplified.
[0126]
(1) Novolak resin
The novolak resin has a repeating unit represented by the following formula (3).
[0127]
Embedded image
[0128]
(Where R Three ~ R Five Represents the same or different and represents a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group, and m represents an integer of 1 or more).
[0129]
Examples of the alkyl group include C, such as methyl, ethyl, butyl, t-butyl, hexyl, octyl, nonyl, and dodecyl. 1-20 An alkyl group, preferably C 1-12 Alkyl group, more preferably C 1-6 And an alkyl group. Examples of the aryl group include phenyl, naphthyl and the like. 6-20 Aryl group, substituted aryl group (C such as methylphenyl, ethylphenyl group, etc.) 1-4 Alkyl-substituted aryl group, hydroxyphenyl group, etc.).
[0130]
Novolak resins (in particular, random novolak resins) are generally obtained by reacting phenols with aldehydes. Examples of the phenols include phenol, p- or m-cresol, 3,5-xylenol, and alkylphenol (for example, phenol such as t-butylphenol, p-octylphenol, and nonylphenol). 1-20 Alkylphenol), arylphenol (eg, phenylphenol, benzylphenol, cumylphenol) and the like. These phenols may be used alone or in combination of two or more.
[0131]
Examples of the aldehydes include aliphatic aldehydes such as formaldehyde, acetaldehyde, and propionaldehyde, and aromatic aldehydes such as phenylacetaldehyde. Preferred aldehydes include formaldehyde. Also, condensates of formaldehyde such as trioxane and paraformaldehyde can be used. The ratio of phenols to aldehydes is about the former / the latter = 1 / 0.5 to 1/1 (molar ratio).
[0132]
The condensation reaction between phenols and aldehydes is usually performed in the presence of an acid catalyst. Examples of the acid catalyst include an inorganic catalyst (for example, hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, etc.) and an organic catalyst (p-toluenesulfonic acid, oxalic acid, etc.).
[0133]
In particular, a phenol novolak resin in which 1 to 2 nuclei are reduced is preferably used. As such a phenol novolak resin, for example, Sumitomo Durez Co., Ltd. has trade names “Sumilite Resin PR-53647”, “Sumilite Resin PR-NMD-100 Series”, and “Sumilite Resin PR-NMD-200 Series”. ).
[0134]
Further, as the novolak resin, a high ortho-novolak resin having an ortho / para ratio of 1 or more may be used.
[0135]
In particular, as the novolak resin, a novolak resin having an ortho / para ratio of 1 or more, for example, about 1 to 20 (particularly 1 to 15), that is, a so-called high ortho novolak resin is preferably used. Such a high-ortho novolak resin can be obtained, for example, from Sumitomo Durez Co., Ltd. under the trade name “Sumilite Resin HPN Series”.
[0136]
As methods for producing these novolak resins, JP-A-2001-172348, JP-A-2000-273133, JP-A-2000-273132, JP-A-2000-226423, JP-A-11-246463, JP-A-10-204139, JP-A-10-195158 and the like can be referred to.
[0137]
In addition, the above-mentioned phenols, dioxybenzenes, naphthols, and bisphenols (for example, Z 1 And Z Two Bisphenols), alkylbenzenes (eg, toluene, ethylbenzene, xylene, mesitylene, etc.), anilines, furfurals, ureas and triazines (eg, urea, cyanuric acid, isocyanuric acid, melamine, guanamine, Co-condensates with co-condensation components such as acetoguanamine and benzoguanamine), terpenes, cashew nuts and rosins can also be used. In particular, aminotriazine novolaks modified with triazines are preferred co-condensates. Such aminotriazine novolaks convert phenols, triazines, and formaldehydes in the presence or absence of a basic catalyst (such as ammonia, triethylamine, triethanolamine) and / or an acidic catalyst (such as oxalic acid). Co-condensation method [for example, DIC Technical Review No. 3, p47 (1997), JP-A-8-253557 and JP-A-10-279657]. Aminotriazine novolak is available from Dainippon Ink and Chemicals, Inc. under the trade name "Phenolite".
[0138]
In addition, a part or all of the phenolic hydroxyl groups of the novolak resin (random novolak resin and high ortho novolak resin) are phosphoric compounds such as phosphoric acid, phosphorous acid, organic phosphonic acid, and organic phosphinic acid, and These anhydrides, halides, salts, or esters (particularly, aliphatic esters), and boron compounds (for example, boric acids such as boric acid, organic boronic acids, and organic borinic acids, and anhydrides, halogens, and the like) A modified novolak resin (for example, a phosphate-modified novolak resin, a boric acid-modified novolak resin, or the like) modified with at least one selected from a compound, a salt, and an ester) can also be used. The hydroxyl group of the novolak resin is usually modified as a phosphate or a borate.
[0139]
Furthermore, part or all of the hydrogen atoms of the phenolic hydroxyl groups of the novolak resins (random novolak resins and high ortho novolak resins) are modified with metal ions, silyl groups, or organic groups (such as alkyl groups, alkanoyl groups, and benzoyl groups) ( Or substituted) modified novolak resin.
[0140]
Preferred novolak resins include phenol formaldehyde novolak resin, alkylphenol formaldehyde novolak resin (for example, t-butylphenol formaldehyde novolak resin, p-octylphenol formaldehyde novolak resin), and co-condensates thereof (aminotriazine novolak resin), and mixtures thereof. Is mentioned.
[0141]
The number average molecular weight of the novolak resin (random novolak resin and high ortho novolak resin) is not particularly limited, and is, for example, 300 to 5 × 10 Four , Preferably 300 to 1 × 10 Four You can choose from a range of degrees.
[0142]
(2) aralkyl resin
The aralkyl resin has a structural unit represented by the following formula (4).
[0143]
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[0144]
(In the formula, Ar represents an aromatic group; Three And Z Four Represents the same or different alkylene groups; 6 Represents a hydrogen atom or an alkyl group. X represents a hydroxyl group, an amino group, or an N-substituted amino group).
[0145]
As the aromatic group represented by Ar, an aromatic group having 6 to 20 carbon atoms, for example, a phenylene group (such as an o-phenylene group, an m-phenylene group, a p-phenylene group) and a naphthylene group, preferably a phenylene group (Particularly, p-phenylene group).
[0146]
Z Three And Z Four Examples of the alkylene group represented by are C.sub.2 such as methylene, ethylene, propylene, tetramethylene and hexamethylene. 1-6 An alkylene group, preferably C 1-4 Alkylene group (especially C 1-2 Alkylene group). R 6 Examples of the alkyl group represented by are methyl, ethyl, propyl, butyl, t-butyl, hexyl, octyl, nonyl, dodecyl and the like. 1-20 Alkyl groups (especially C 1-4 Alkyl group).
[0147]
The N-substituted amino group represented by X includes a mono- or di-C 1-4 An alkylamino group, for example, a dimethylamino group and a diethylamino group are included.
[0148]
As the aralkyl resin, a phenol aralkyl resin in which X is a hydroxyl group is often used. Preferred phenol aralkyl resins include Z 7 And Z 8 Is a methylene group, Ar is a phenylene group, R 6 Is a hydrogen atom, and a resin having a p-xylene-substituted phenol represented by the following formula (5) as a repeating unit is included.
[0149]
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[0150]
The aralkyl resin can be generally obtained by reacting a compound represented by the following formula (6) with a phenol or aniline. When phenols are used, phenol aralkyl resins can be obtained, and when anilines are used, aniline aralkyl resins can be obtained.
[0151]
YZ Five -Ar-Z 6 -Y (6)
(In the formula, Y represents an alkoxy group, an acyloxy group, a hydroxyl group or a halogen atom. Ar, Z Five And Z 6 Is the same as above).
[0152]
In the formula (6), the alkoxy group represented by Y includes a methoxy, ethoxy, propoxy, butoxy group or the like. 1-4 Includes alkoxy groups. The acyloxy group includes an acyloxy group having about 2 to 5 carbon atoms, such as an acetoxy group. The halogen atom includes chlorine, bromine, iodine and the like.
[0153]
As the compound represented by the formula (6), for example, xylylene glycol C 1-4 Aralkyl ethers such as alkyl ethers (p-xylylene glycol dimethyl ether, p-xylylene glycol diethyl ether, etc.), acyloxyaralkyls such as p-xylylene-α, α′-diacetate, p-xylylene-α, α ′ Aralkyl diols such as -diol, and aralkyl halides such as p-xylylene-α, α'-dichloride and p-xylylene-α, α'-dibromide.
[0154]
Examples of the phenols include the phenols and alkylphenols exemplified in the section of the novolak resin. These phenols may be used alone or in combination of two or more.
[0155]
Examples of the anilines include aniline and alkyl anilines (for example, C such as toluidine, xylidine, octylaniline, nonylaniline and the like). 1-20 Alkylaniline) and N-alkylaniline (for example, N-C such as N, N-dimethylaniline, N, N-diethylaniline) 1-4 Alkylaniline). These anilines may be used alone or in combination of two or more.
[0156]
The ratio between the compound represented by the formula (6) and the phenols or anilines is, for example, about the former / the latter = 1/1 to 1/3 (molar ratio), preferably 1/1 to 1/2. 0.5 (molar ratio).
[0157]
The softening point of the aralkyl resin thus obtained is, for example, about 40 to 160 ° C, preferably about 50 to 150 ° C, and more preferably about 55 to 140 ° C. In addition, as other aralkyl resins, aralkyl resins described in JP-A-2000-351822 can be used.
[0158]
The aralkyl resin may be cured or modified as needed. Curing or modification can be usually performed by a conventional method such as methylene crosslinking with a polyamine (such as hexamethylenetetramine) or epoxy modification with an epoxy compound (such as epichlorohydrin).
[0159]
(3) Aromatic vinyl resin
As the aromatic vinyl resin, for example, a resin having a structural unit represented by the following formula (7) can be used.
[0160]
Embedded image
[0161]
(Where R 7 Is a hydrogen atom or C 1-3 Alkyl group, R 8 Represents an aromatic ring, and n is an integer of 1 to 3).
[0162]
In the formula (7), preferred C 1-3 Examples of the alkyl group include a methyl group. As the aromatic ring, for example, a benzene or naphthalene ring such as 6-20 And aromatic rings. The aromatic ring may have a substituent (for example, a hydroxyl group; Three ~ R Five And the alkoxy group exemplified in the above-mentioned Y).
[0163]
In the formula (7), the hydrogen atom of the hydroxyl group may be protected by an organic group (protecting group) such as a metal ion, a silyl group or an alkyl group, an alkanoyl group, and a benzoyl group.
[0164]
The resin obtained from such a derivative has, for example, a structural unit represented by the following formula (8).
[0165]
Embedded image
[0166]
[Wherein, R 7 Is the same as above. R 9 Is -OH, -OSi (R Ten ) Three And -OM (M is a metal cation, OR Ten And OCOR Ten And R Ten Is an alkyl group or an aryl group having 1 to 5 carbon atoms). P is an integer of 1 to 3].
[0167]
In the above formula, M may be either a monovalent alkali metal cation (such as sodium, lithium, or potassium), or a divalent alkaline earth metal cation (such as magnesium or calcium) or a transition metal cation.
[0168]
A substituent R of the above formula 9 May be located at any one of the ortho, meta and para positions. Further, the substituent R 9 In addition to the pendant aromatic ring is C 1-4 May be substituted with an alkyl group.
[0169]
The aromatic vinyl resin includes a homopolymer or copolymer of an aromatic vinyl monomer having a hydroxyl group corresponding to the structural unit (7), a copolymer with another copolymerizable monomer, and the like.
[0170]
Examples of the aromatic vinyl monomer include hydroxyl group-containing aromatic vinyl monomers such as vinyl phenol, dihydroxystyrene, and vinyl naphthol. These aromatic vinyl monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0171]
Other copolymerizable monomers include, for example, (meth) acrylic monomers [(meth) acrylic acid, (meth) acrylate (eg, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, (meth) (Meth) acrylic acid C such as butyl acrylate and 2-ethylhexyl (meth) acrylate 1-18 Alkyl esters, hydroxyl group-containing monomers such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate), (meth) acrylamide, (meth) acrylonitrile and the like], styrene monomers (for example, styrene, Vinyltoluene, α-methylstyrene, chlorostyrene, vinylnaphthalene, vinylcyclohexane, etc., polymerizable polycarboxylic acids (fumaric acid, maleic acid, etc.), maleimide monomers (maleimide, N-alkylmaleimide, N-phenylmaleimide, etc.) ), Diene monomers (eg, isoprene, 1,3-butadiene, 1,4-hexadiene, dicyclopentadiene, etc.), vinyl monomers (eg, vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate, etc .; methyl vinyl ketone, methyl isopro Vinyl ketones such as Niruketon; vinyl isobutyl ether, vinyl ethers such as vinyl methyl ether; N- vinylcarbazole, N- vinylpyrrolidone, such as nitrogen-containing vinyl monomers such as N- vinyl imidazole) and the like. These copolymerizable monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0172]
The ratio between the vinyl monomer and the copolymerizable monomer is, for example, 10/90 to 100/0 (% by weight), preferably 30/70 to 100/0 (% by weight), and more preferably 40/60 to 100/0. (% By weight).
[0173]
Preferred aromatic vinyl resins are vinylphenol homopolymers (polyhydroxystyrene), especially p-vinylphenol homopolymer.
[0174]
The number average molecular weight of the aromatic vinyl resin is not particularly limited, for example, 300 to 50 × 10 Four , Preferably 400 to 30 × 10 Four You can choose from a range of degrees.
[0175]
Among these aromatic resins, polyphenylene oxide resin, polyphenylene sulfide resin, polycarbonate resin, polyarylate resin, novolak resin, aralkyl resin, aromatic vinyl resin, particularly polyphenylene oxide resin, polyphenylene sulfide resin, novolak Resins are preferred.
[0176]
(C3) Nitrogen-containing compound
Examples of the nitrogen-containing compound used as a flame-retardant aid include (a) a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group, (b) a salt of the nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and (iso) cyanuric acid, and (c) amino. Salt of a nitrogen-containing cyclic compound having a group and an oxygen acid, (d) salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and an organic phosphoric acid, (e) polyphosphoramide, (f) urea compound, (g) amidine And (h) a tetrazole compound.
[0177]
(A) Nitrogen-containing cyclic compound having amino group
The nitrogen-containing cyclic compound having an amino group includes a heterocyclic compound having at least one amino group and at least one nitrogen atom as a heteroatom in the ring. May have a hetero atom. Such nitrogen-containing heterocycles include nitrogen-containing five-membered rings (pyrrole, pyrazoline, imidazole, triazole, etc.), nitrogen and sulfur-containing five-membered rings (thiazoline, thiazole, thiadiazole, thiadiazoline, etc.), nitrogen and oxygen-containing five-membered rings Ring (oxazoline, furazane, etc.), nitrogen-containing 6-membered ring (pyridine, pyrazine, pyrimidine, pyridazine, triazine, etc.), nitrogen- and oxygen-containing 6-membered ring (oxazine, etc.), nitrogen- and sulfur-containing 6-membered ring (thiazine, thiadiazine, etc.) ), Condensed heterocycles (such as indole, indazole, quinoline, and purine), and a 5- or 6-membered unsaturated nitrogen-containing heterocycle having a plurality of nitrogen atoms as ring constituent atoms. Among such nitrogen-containing rings, a 5- or 6-membered unsaturated nitrogen-containing ring having a plurality of nitrogen atoms as ring constituent atoms is preferable, and triazole and triazine are particularly preferable.
[0178]
Examples of the triazole compound include 1,2,3-triazoles (1H-1,2,3-triazoles; 2H-1,2,3-triazoles and the like) and 1,2,4-triazoles (guanazole and the like) 1H-1,2,4-triazoles; 4H-1,2,4-triazoles such as guanazine, etc.), and the amino group is a suitable site (nitrogen atom and carbon atom, especially carbon atom) on the triazole ring. ) May be substituted. The number of amino groups is not particularly limited, but is about 1 to 3, especially about 1 to 2.
[0179]
Examples of the triazine compound include 1,3,5-triazines [melamine, substituted melamine (alkyl melamine such as 2-methyl melamine, guanyl melamine, etc.), melamine condensate (melam, melem, melon, etc.), co-condensation resin of melamine (Melamine-formaldehyde resin, phenol-melamine resin, benzoguanamine-melamine resin, aromatic polyamine-melamine resin, etc.) and the like; cyanuric amides such as ammeline and ammelide; guanamine, methylguanamine, acetoguanamine, benzoguanamine. Guanamine such as succinoguanamine and CTU-guanamine or derivatives thereof], amino group-containing 1,2,3-triazines (amino group at 5-position, 4,5-position, 4,5,6-position, etc. 1,2,3- Liazine, 4-amino-benzo-1,2,3-triazine, etc., and amino group-containing 1,2,4-triazines (3-, 5-, 3,5-positions, etc. with amino groups substituted) And various aminotriazines such as 1,2,4-triazine. The amino group may be substituted at a suitable site (nitrogen atom and carbon atom, especially carbon atom) of the triazine ring. The number of amino groups is not particularly limited, but is about 1 to 4, particularly about 1 to 3 (for example, 1 to 2).
[0180]
Of these, amino group-containing triazine compounds, particularly amino group-containing 1,3,5-triazines, are preferred.
[0181]
(B) Salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group with (iso) cyanuric acid
A salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and a (iso) cyanuric acid is a melamine compound, an adduct of cyanuric acid or isocyanuric acid or a derivative thereof (a melamine compound, cyanuric acid, isocyanuric acid, or a salt thereof). And the ratio (molar ratio) of the former and the latter is not particularly limited. For example, the former / latter = 3/1 to 1/2, preferably about 1/1 to 2/1. is there.
[0182]
Examples of the melamine compound include melamine or substituted melamine (alkyl melamine such as 2-methyl melamine, guanyl melamine, etc.), melamine condensate (eg, melam, melem, melon), and co-condensation resin of melamine (melamine-formaldehyde resin, phenol-melamine). Resin, benzoguanamine-melamine resin, aromatic polyamine-melamine resin, etc.), guanamine or a derivative thereof (guanamine, methylguanamine, acetoguanamine, benzoguanamine, succinoguanamine, CTU-guanamine, etc.) and the like. The cyanuric acid or a derivative thereof includes cyanuric acid, isocyanuric acid, ammeline, ammelide and the like.
[0183]
Examples of the salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group with (iso) cyanuric acid include melamine salts of cyanuric acid such as melamine cyanurate, and melem salts, melam salts, melon salts, and guanamine salts corresponding to the melamine salts. Etc. can be exemplified. Melamine cyanuric acids can be used alone or in combination of two or more. Of these, melamine cyanurate is preferred.
[0184]
The method for producing a salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and (iso) cyanuric acid is not particularly limited, but a mixture of a melamine compound and cyanuric acid or a derivative thereof is prepared as a water slurry, and thoroughly mixed. After forming both salts into fine particles, a method of filtering and drying this slurry is preferable. In the powdery compound thus obtained, a melamine compound, cyanuric acid, isocyanuric acid and the like may remain as some unreacted substances.
[0185]
The average particle size of the salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and (iso) cyanuric acid is about 0.01 to 100 μm, preferably about 0.1 to 70 μm, and more preferably about 1 to 50 μm. If the average particle size is too small, secondary agglomeration is likely to occur, and the dispersibility in the resin will be reduced. If the average particle size is too large, the flame retardancy will be reduced.
[0186]
(C) A salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group with an oxygen acid
As the nitrogen-containing cyclic compound having an amino group, the same nitrogen-containing cyclic compound as in the above (a) can be used.
[0187]
The nitrogen-containing cyclic compound having an amino group may form a salt with an oxyacid at the nitrogen atom site (imino group) constituting the ring, but usually, at least one amino group substituted on the ring and the oxyacid are formed by the oxyacid. Preferably, a salt is formed. When it has a plurality of amino groups, all of the amino groups may form a salt with the oxyacid. Further, a plurality of the same or different nitrogen-containing compounds (the nitrogen-containing cyclic compound and other amino group-containing nitrogen-containing compounds) may form a salt with one polyacid to form a double salt of the polyacid. .
[0188]
(Oxygen acid)
Oxygen acids include nitric acid, chloric acid (perchloric acid, chloric acid, chlorous acid, hypochlorous acid, etc.), phosphoric acid, sulfuric acid, sulfonic acid, boric acid, chromic acid, antimonic acid, molybdic acid, tungstic acid , Stannic acid, silicic acid and the like. Preferred oxyacids include phosphoric acid (polyphosphoric acid), sulfuric acid, sulfonic acid, boric acid.
[0189]
(1) Phosphate of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group
Phosphoric acid includes non-condensed phosphoric acid such as peroxophosphoric acid, orthophosphoric acid, metaphosphoric acid, phosphorous acid (phosphonic acid) and hypophosphorous acid (phosphinic acid); polymetaphosphoric acid (HPO Three ) s (where s represents an integer of 2 or more), hypophosphoric acid, condensed phosphoric acid (polyphosphoric acid) such as phosphoric anhydride (diphosphorus pentoxide), and the like. The polyphosphoric acid also includes condensed phosphoric acids represented by the following formula (9).
[0190]
Embedded image
[0191]
(Wherein, q represents an integer of 2 or more).
[0192]
In the above formula, q is preferably an integer of 2 to 200, more preferably an integer of 3 to 100.
[0193]
The polyphosphoric acid also includes pyrophosphoric acid, triphosphoric acid, tetraphosphoric acid, and the like.
[0194]
Phosphoric acid having a plurality of sites capable of forming a salt has at least a portion of which is partially salted with another amino group-containing compound such as an amine or urea (partial salt of a condensed acid such as ammonium polyphosphate or urea polyphosphate; (Eg, partial salts of non-condensed acids such as acid urea).
[0195]
As the phosphate of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group, a phosphate of an amino-containing triazine compound, for example, a non-condensed phosphate (a melamine salt of non-condensed phosphoric acid such as melamine orthophosphate and melamine phosphonate; Melem salts, melam salts, melon salts, guanamine salts and the like corresponding to the above-mentioned melamine salts), polyphosphates [melamine pyrophosphate salts (melamine pyrophosphate, dimelamine pyrophosphate), and triphosphates corresponding to these melamine pyrophosphate salts Melamine polyphosphates such as salts and tetraphosphates; melem salts, melam salts, melon salts, guanamine salts and the like corresponding to the above-mentioned melamine polyphosphate salts]. The polyphosphate may contain a sulfur atom derived from sulfuric acid. A triazole salt corresponding to the above-mentioned triazine salt can also be used.
[0196]
Examples of the polyphosphate include melamine / melam / melem double salt of polyphosphate, melamine / melam / melem double salt of metaphosphate, and polyacids containing the sulfur atom (polyacids containing a sulfur atom, an oxygen atom, etc. in addition to the phosphorus atom). Melamine, melam, melem double salt of acid). For details of these double salts, reference can be made to JP-A-10-306081 and JP-A-10-306082.
[0197]
(2) Sulfates of nitrogen-containing compounds having an amino group
Examples of the sulfuric acid include non-condensed sulfuric acid such as peroxomonosulfuric acid, sulfuric acid and sulfurous acid, and condensed sulfuric acid such as peroxodisulfuric acid and pyrosulfuric acid.
[0198]
Examples of the sulfate of a nitrogen-containing compound having an amino group include sulfates of an amino-containing triazine compound, for example, condensed sulfates (melamine sulfates (melamine sulfate, dimelamine sulfate, guanylmelamine sulfate, etc.), and sulfite corresponding to melamine sulfate) Non-condensed melamine sulfates such as melamine; melem salts, melam salts, melon salts, guanamine salts and the like corresponding to the above-mentioned non-condensed melamine sulfates)], condensed sulfates [melamine pyrosulfates (melamine pyrosulfate, dimelamine pyrosulfate, etc.) ), Melem salt, melam salt, melon salt, guanamine salt and the like corresponding to melamine pyrosulfate]. Further, a triazole salt corresponding to the triazine salt can also be used.
[0199]
Note that melamine sulfate can be obtained, for example, by the method described in JP-A-8-231517. Dimelam pyrosulfate can be prepared, for example, by the method described in ACS Symposium Series No. 425 "Fire and Polymers", Chapter 15, pages 211 to 238 (American Chemical Society, Washington DC, 1990), and JP-A-10-306082. Obtainable. Such a sulfate of a nitrogen-containing cyclic compound (triazine compound) is available, for example, from Sanwa Chemical Co., Ltd. as “Apinone 901”.
[0200]
(3) Sulfonate of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group
As the sulfonic acid, C 1-10 Alkanesulfonic acids (eg, methanesulfonic acid, ethanesulfonic acid, ethanedisulfonic acid, etc.), C 6-20 Organic sulfonic acids such as arylsulfonic acids (for example, benzenesulfonic acid, toluenesulfonic acid, etc.) are exemplified.
[0201]
As a sulfonate of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group, a sulfonate of an amino group-containing triazine compound (for example, melamine, melam, melem, melon, guanamine, acetoguanamine, benzoguanamine, etc.) [melamine sulfonates (methane Melamine sulfonate, melam methane sulfonate, melem methane sulfonate, melamine methane sulfonate / melam / melem double salt, guanamine methane sulfonate, etc.)]. Such an organic sulfonate of a nitrogen-containing cyclic compound (triazine compound) is available, for example, from Nissan Chemical Industries, Ltd. as “Melam methanesulfonic acid MMS-200”.
[0202]
(4) Borates of nitrogen-containing cyclic compounds having an amino group
Examples of boric acid include non-condensed boric acid such as orthoboric acid and metaboric acid; condensed boric acid such as tetraboric acid and boric anhydride.
[0203]
Examples of the borate of the nitrogen-containing cyclic compound having an amino group include borates of an amino group-containing triazine compound, for example, non-condensed borates [melamine orthoborates (melamine orthoborates such as mono to trimeramine orthoborates). ), Orthoborates such as melem salts, melam salts, melon salts, guanamine salts and the like corresponding to the melamine salts; metaborates corresponding to the orthoborates], polyborates [melamine condensed borate (boric anhydride) Melamine, melamine tetraborate, and the like), and melem salts, melam salts, melon salts, and guanamine salts corresponding to the melamine salts].
[0204]
Examples of the borate of such a nitrogen-containing cyclic compound (triazine compound) include "melapur" from DMS, "STORFLAM MLB" from Joseph Storey & Co LTD, and "BUDIT 313" from Budenheim Iberica Conercial. Available.
[0205]
The oxyacid salts can be used alone or in combination of two or more.
[0206]
The ratio between the nitrogen-containing cyclic compound having an amino group and the oxyacid is not particularly limited. For example, the former / the latter (molar ratio) = 1/20 to 20/1, preferably 1/10 to 10/1 (for example, 1/5 to 10/1), especially about 1/2 to 8/1. The equivalent ratio between the amino group of the nitrogen-containing cyclic compound and the site capable of forming a salt of an oxyacid is not particularly limited, and is, for example, 10/1 to 1/2, preferably 5/1 to 1/1, particularly 4/1. It is about 1/1.
[0207]
(D) Salt of a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group with an organic phosphoric acid
Examples of the nitrogen-containing cyclic compound having an amino group include the same nitrogen-containing cyclic compound having an amino group as in the above (a).
[0208]
Examples of the organic phosphoric acid include partial esters of the non-condensed phosphoric acid [phosphoric acid (such as orthophosphoric acid) and phosphonic acid] exemplified in the above section (b), and phosphonic acid or phosphinic acid substituted with an organic group And the like. The organic phosphoric acid may have at least one site capable of forming a salt with a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group.
[0209]
Phosphoric acid esters (organic orthophosphoric acids) include phosphoric acid mono- or diesters of alcohols (monohydric or polyhydric alcohols, monohydric or polyhydric phenols). Examples of the alcohols include the monohydric alcohols (particularly, C 1-10 Aliphatic monools) and aliphatic polyols as well as C such as glycerol and pentaerythritol 1-10 Aliphatic polyol; C having a hetero atom such as nitrilotrimethanol 2-10 Aliphatic polyols; C such as cyclopentanol and cyclohexanol 5-8 Alicyclic monol (preferably C 5-6 Cycloalkanol); C such as cyclohexanediol 5-8 Alicyclic diol (preferably C 5-6 Cycloalkanediol); mono- to tri-C such as phenol, alkylphenol (for example, p- or m-cresol, 3,5-xylenol, trimethylphenol, t-butylphenol, p-octylphenol, nonylphenol) 1-20 Alkylphenols), arylphenols (eg, phenylphenol, benzylphenol, cumylphenol), monohydric phenols such as naphthol and hydroxybiphenyl; monovalent aralkyl alcohols and aromatic ring diols exemplified in the section of the polyarylate resin And so on.
[0210]
Examples of such a phosphoric acid ester include mono- or di-C such as methyl phosphate and dibutyl phosphate. 1-10 Alkyl phosphates; C such as ethylene glycol monophosphate and pentaerythritol bisphosphate 2-10 Mono- to tetraphosphates of aliphatic polyhydric alcohols; substituents such as monophenyl phosphate, monocresyl phosphate, monoxylyl phosphate, monotrimethylphenyl phosphate, diphenyl phosphate, dicresyl phosphate, dixylyl phosphate, and ditrimethylphenyl phosphate; C 1-4 A phosphoric acid ester of a monohydric phenol optionally having an alkyl group or the like (for example, C 1-4 Mono- or di-C which may have an alkyl group 6-14 Aryl phosphate); substituents such as phenylene bisphosphate (C 1-4 Mono or diphosphates of polyhydric phenols which may have an alkyl group or the like (for example, C 1-4 C which may have an alkyl group 6-14 Arylene mono- or diphosphates), alkyl-aryl phosphates [C such as methylphenyl phosphate 1-10 Alkyl C 6-14 Aryl phosphate (preferably C 1-6 Alkyl C 6-10 Arylphosphate) and the like].
[0211]
The organic phosphonic acid includes a phosphonic acid monoester corresponding to the phosphoric acid ester, a hydrogen atom directly bonded to a phosphorus atom of the phosphonic acid, and an organic group (aliphatic hydrocarbon group, alicyclic hydrocarbon group, aromatic hydrocarbon). Organic phosphonic acid substituted with an organic group such as a group, organic phosphonic acid monoesters of the alcohols, and the like.
[0212]
The organic phosphonic acids include aliphatic phosphonic acids [alkylphosphonic acids such as methylphosphonic acid, ethylphosphonic acid, propylphosphonic acid, and butylphosphonic acid; 1-hydroxyethylidene-1-phosphonic acid, 1-hydroxyethylidene-1,1 Mono- or diphosphonic esters of aliphatic polyols such as diphosphonic acid; phosphono C such as phosphonoacetic acid, 3-phosphonopropionic acid 1-10 Substituents (hydroxyl group, carboxyl group) such as aliphatic carboxylic acid or phosphonocarboxylic acid such as carboxylic acid ester thereof (carboxylic acid ester of phosphonocarboxylic acid such as ethyl phosphonoacetate and ethyl 3-phosphonopropionate). , An ester group, etc.) 1-10 A phosphonic acid substituted with an alkyl group (preferably C 1-6 Alkyl-substituted phosphonic acids); C such as ethylenebisphosphonic acid 1-10 Alkylenediphosphonic acid; phosphonic acid substituted with an aliphatic polyvalent group having a hetero atom such as nitrilotris (methylene phosphonic acid)], aromatic phosphonic acid [C such as phenylphosphonic acid and tolylphosphonic acid] 6-10 Arylphosphonic acid; phosphono C such as phosphonobenzoic acid 7-15 Phosphonocarboxylic acids such as aromatic carboxylic acids or carboxylic acid esters thereof (such as carboxylic acid esters of phosphonoaromatic carboxylic acids such as ethyl phosphonobenzoate); substituents such as phenylenebisphosphonic acid (C 1-4 Such as an alkyl group), and a phosphonic acid substituted with an aromatic polyvalent group which may have an alkyl group. Further, the organic phosphonic acid may be a phosphonic acid (eg, polyvinylphosphonic acid) bonded to a polymer.
[0213]
Examples of the organic phosphonic acid monoester include monoesters of the organic phosphonic acid and the alcohols exemplified in the section of the phosphoric acid ester, for example, C such as methylphosphonic acid monomethyl ester. 1-10 Alkyl phosphonic acid mono-C 1-6 Alkyl esters; diesters of phosphonocarboxylic acids (C such as monoethyl ethoxycarbonylmethylphosphonate, monoethyl ethoxycarbonylethylphosphonate, etc.) 2-6 Alkoxycarbonyl C 1-6 Alkyl phosphonic acid mono-C 1-6 Alkyl esters); C such as methylphosphonic acid monophenyl ester 1-10 Alkyl phosphonic acid mono-C 6-10 Aryl ester; C such as phenylphosphonic acid monomethyl ester 6-10 Arylphosphonic acid C 1-6 Alkyl ester; C such as phenylphosphonic acid monophenyl ester 6-10 Arylphosphonic acid mono-C 6-10 Aryl esters and the like. The phosphonic acid ester may be a cyclic phosphonic acid ester (e.g., 9,10-dihydro-10-hydroxy-10-oxo-9-oxa-10-phosphaphenanthrene).
[0214]
The organic phosphinic acid includes an organic phosphinic acid in which an organic group (a hydrocarbon group such as an aliphatic hydrocarbon group, an alicyclic hydrocarbon group, or an aromatic hydrocarbon group) is bonded to a phosphorus atom of the phosphinic acid. Such organic phosphinic acids include substituted phosphinic acids corresponding to the above-mentioned substituted phosphonic acids, for example, mono- or di-C such as methyl ethyl phosphinic acid, diethyl phosphinic acid and the like. 1-10 Alkylphosphinic acid; C such as methylphenylphosphinic acid 1-10 Alkyl C 6-10 Aryl phosphinic acid; C such as phenyl phosphinic acid 6-10 Arylphosphinic acid; phosphinic carboxylic acid [phosphinicodi C such as phosphinicodiacetic acid 1-6 Aliphatic carboxylic acids; C such as 3- (methylphosphinico) propionic acid 1-6 Alkylphosphinico-mono C 1-6 C such as aliphatic carboxylic acid and 3- (phenylphosphinico) propionic acid 6-10 Arylphosphinico-mono C 1-6 Aliphatic carboxylic acids, carboxylic acid esters of these phosphinicocarboxylic acids and the like; phosphinicomono or di-C 6-10 Aryl carboxylic acid or its carboxylic acid ester]; hydroxyphosphine oxide (such as 1-hydroxydihydrophosphonyl oxide and 1-hydroxyphosphorane oxide).
[0215]
The organic phosphate can form a salt with a nitrogen-containing cyclic compound having an amino group at a part or the whole of a site where a salt can be formed, and any salt can be used. Examples of such organic phosphates include salts of amino group-containing triazine compounds, such as melamine salts of organophosphates (such as pentaerythritol bisphosphate melamine and pentaerythritol bisphosphate dimelamine), C 1-6 Melamine salts of alkyl-substituted phosphonic acids, C 1-6 Melamine salts of mono- or diphosphonic acid esters of aliphatic diols (eg, 1-hydroxyethylidene-1,1-diphosphonic acid / dimeramine, 1-hydroxyethylidene-1,1-diphosphonic acid / tetramelamine), aliphatic having a hetero atom Melamine salts of phosphonic acids substituted with a polyvalent group [such as nitrilotris (methylphosphonic acid) / tetramelamine salts, nitrilotris (methylphosphonic acid) / hexamelamine salts], and C 6-10 Arylphosphonic acid / melamine (phenylphosphonic acid / melamine, phenylphosphonic acid / dimeramine, etc.), phosphinicocarboxylic acid / melamine salt [3- (phenylphosphinico) propionic acid / melamine, 3- (phenylphosphinico) Arylphosphinic carboxylic acids and melamine salts such as propionic acid and dimelamine]; melem salts, melam salts, melon salts and guanamine salts corresponding to the melamine salts; and melamine salts such as pentaerythritol bisphosphate melamine and melem. And the corresponding double salts. Further, a triazole salt corresponding to the triazine compound salt can also be used. Such organic phosphates can be used alone or in combination of two or more.
[0216]
The method for producing an organic phosphate of such a nitrogen-containing compound having an amino group (particularly, an amino-containing triazine compound) is not particularly limited. For example, a solution or dispersion containing the nitrogen-containing compound and an organic phosphoric acid (Aqueous solution or suspension of water-acetone mixed system, water-alcohol mixed system, etc.) is stirred and mixed at an appropriate temperature (for example, about 50 to 100 ° C.), and the resulting precipitate is separated and dried. It can be manufactured by such as.
[0219]
(E) (poly) phosphoramide
Examples of the polyphosphoric amide include phosphoric acids exemplified in the section of the above oxyacid and -N = C = N- or -N = C (-N <). Two Is a condensate with a compound having a unit represented by the formula (e.g., a cyanamide derivative), and is a polymer compound containing amide nitrogen. Such a polyphosphoramide is usually obtained by heating (calcining, etc.) the phosphoric acid and the cyanamide derivative in the presence of at least one (binder) selected from urea and urea phosphate.
[0218]
As the phosphoric acids, non-condensed phosphoric acid (such as orthophosphoric acid and metaphosphoric acid), polyphosphoric acid, and partial esters of phosphoric acid (such as ammonium polyphosphate and urea phosphate) can be preferably used. Phosphoric acids can be used alone or in combination of two or more.
[0219]
Examples of the cyanamide derivative include amino group-containing triazines (amino-containing 1,3,5-triazines such as melamine, melam, melem, melon, guanamine, acetoguanamine, benzoguanamine, and the like, 3-amino-1,2,4- Amino group-containing 1,2,4-triazines such as triazine, etc., and amino group-containing triazoles (amino group-containing 1,3,4-triazoles such as 2,5-diamino-1,3,4-triazole, etc.) ); Acyclic cyanamide derivatives such as guanidines [guanidine, guanidine derivatives (dicyandiamide, guanylurea, etc.)] and the like. Preferred cyanamide derivatives are amino group-containing 1,3,5-triazines, guanidine or derivatives thereof, especially melamine. Such cyanamide derivatives can be used alone or in combination of two or more.
[0220]
The (poly) phosphoric amides can be used alone or in combination of two or more. As for polyphosphoramide, for example, JP-A-7-138463 can be referred to. Such polyphosphoramides are disclosed in JP-B-53-2170, JP-B-53-15478, JP-B-55-49004, JP-A-61-126091, JP-A-10-81691, and US Pat. It can be manufactured by the method described in Japanese Patent No. 4043987 and the like. Polyphosphoramides are “Sumisafe PM” (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.), “Tien S” (manufactured by Taihei Chemical Industry Co., Ltd.), “Apinon MPP” (manufactured by Sanwa Chemical Co., Ltd.), “Melapur” It is commercially available as [DSM], “Exolit” [Clariant], and “AMGARD” [Albright & Wilson].
[0221]
(F) Urea compound
Urea compounds include non-cyclic urea compounds and cyclic urea compounds.
[0222]
(Acyclic urea compound)
Non-cyclic urea compounds include N-substituted ureas substituted with substituents such as urea and alkyl groups [for example, N-C-forms such as N-methyl and N-ethyl] 1-6 Alkyl form, alkylene diurea (for example, C 1-6 A non-cyclic ureido compound [C such as oxalic acid 2-6 C-containing ureido group such as ureido acid and ureidoacetic acid of dicarboxylic acid 1-6 Carbamide group-containing C such as monocarboxylic acid and ureidosuccinic acid 2-6 Monoureides such as dicarboxylic acids or their derivatives (amides, esters, etc.); C such as allantoic acid 2-6 Diureide of dicarboxylic acid, etc.], acyclic urea condensate [dimer of urea (eg, biuret, biurea, etc.), multimer of urea, condensate of urea and aldehyde compound, etc.] and the like.
[0223]
(Cyclic urea compound)
The cyclic urea compound is not particularly limited as long as it has at least one urea unit -NHCONH- as a constituent unit of the ring, and may be any of a monocyclic compound, a condensed ring with an aromatic hydrocarbon ring, a bridged ring, and the like. Good. Examples of such a cyclic urea compound include a cyclic monoureide and a cyclic diureide. These cyclic urea compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0224]
Examples of the cyclic monoureide include alkylene urea [methylene urea, ethylene urea, crotonylidene urea (CDU) and the like; 1-10 Alkylene urea (preferably C 1-6 Alkylene urea), alkenylene urea (vinylene urea, cytosine, etc.) 2-10 Alkenylene urea), alkynylene urea [C 2-10 Alkynylene urea (preferably C 2-6 Alkynylene urea)], arylene urea (such as imesatin), ureide of dicarboxylic acid (parabanic acid, dimethylparabanic acid, barbituric acid, 5,5-diethylbarbituric acid, dilituric acid, dialluic acid, alloxan, alloxanic acid, isocyanate Ureides of β-aldehyde acid [uracil, 5-methyluracil (thymine), dihydrouracil, urazole, benzylene urea, etc.], ureide of α-oxy acid [hydantoin, 5,5-dimethylhydantoin, Hydantoins such as 1,1-methylenebis (5,5-dimethylhydantoin) and allantoin], and derivatives thereof.
[0225]
Examples of the cyclic diureide include uric acid, 3-methyluric acid, pseudouric acid, acetylene urea (glycoluril), diureide of α-oxy acid [1,1-methylenebis (5,5-dimethylhydantoin), allantoin, etc.], p -Diurea such as urazine, diureide of dicarboxylic acid (alloxanthin, purpuric acid and the like), and derivatives thereof.
[0226]
Among these cyclic urea compounds, cyclic diureides having two urea units as ring constituent units, particularly acetylene urea, uric acid, and derivatives thereof are preferable.
[0227]
(G) Amidine compound
Amidine compounds include RC (= NH) NH Two (R represents a hydrogen atom, an alkyl group, or an acyl group). The structure of amidines may be acyclic or cyclic. Further, the amidines also include guanidines in which R is an amino group (guanidine or a derivative thereof), and the structure thereof may be acyclic or cyclic. Acyclic amidines include, for example, amidine, dicyandiamide or derivatives thereof. Preferred amidines include, for example, amidine, dicyandiamide, glycosiamine, guanoline, creatine, creatinine, or derivatives thereof.
[0228]
(H) tetrazole compound
The tetrazole compound includes monotetrazole and amine salts or metal salts of tetrazole. For example, amine salts of 5-phenyltetrazole and 5,5'-bitetrazole (for example, diammonium salt, 2 guanidine salt, piperazine salt, melamine salt, guanamine salt, xylylenediamine salt, etc.), 5,5'-biamine Metal salts of tetrazole (for example, sodium salt, potassium salt, calcium salt, magnesium salt, barium salt, zinc salt, aluminum salt and the like) and the like.
[0229]
As these tetrazole compounds, JP-A-5-51476, JP-A-6-166678, JP-A-2001-294497 and the like can be referred to.
[0230]
Among these nitrogen-containing compounds, a reaction product (salt) of an amino group-containing compound having a triazine skeleton and a component selected from sulfuric acid, (poly) phosphoric acid, sulfonic acid, organic phosphonic acid, and organic phosphinic acid ( For example, melamine polyphosphate, double melamine / melamine / melem polyphosphate, melamine sulfate, melam methanesulfonate, melamine organic phosphonate, melamine organic phosphinate, etc.), reaction of (poly) phosphoric acid with cyanamides or derivatives A product (salt) (eg, phosphoric amide, polyphosphoric amide, etc.), biurea, cyclic diureide (eg, uric acid, acetylene urea, etc.), or dicyandiamide is preferred.
[0231]
These nitrogen-containing compounds (C3) may be treated with a surface modifier such as an epoxy compound, a coupling agent (such as a silane compound, a titanate compound, or an aluminum compound), or a chromium compound. The nitrogen-containing compound (C3) may be a metal, glass, a cyanuric acid salt of a triazine derivative, a thermosetting resin (for example, a phenol resin, a urea resin, a melamine resin, an aniline resin, a furan resin, a xylene resin, or a co-condensation thereof). Resin, unsaturated polyester resin, alkyd resin, vinyl ester resin, diallyl phthalate resin, epoxy resin, polyurethane resin, silicon resin, polyimide, etc.), and thermoplastic resin. Of these treatments, a coating treatment with a thermosetting resin (for example, a phenol resin or an epoxy resin) is usually performed. For example, as a coating treatment method of a nitrogen-containing compound (C2), JP-A-52-125489, JP-A-62-17044, JP-A-63-110254, JP-A-8-53569, Reference can be made to JP-A-8-53574, JP-A-2000-169120, JP-A-2001-131293, and the like. Although the ratio of the nitrogen-containing compound (C2) to the coating component is not particularly limited, for example, the coating component is 0.1 to 20% by weight, preferably 0.1 to 10% by weight (for example, 0.1 to 10% by weight) of the coated flame retardant. 1 to 8% by weight).
[0232]
(C4) Inorganic metal compound
Inorganic metal compounds include metal salts of inorganic acids, metal oxides, metal hydroxides, metal sulfides and the like.
[0233]
(1) Metal salts of inorganic acids
Various inorganic acids such as phosphoric acid, boric acid, stannic acid, molybdic acid, and tungstic acid can be used as the inorganic acid constituting the salt.
[0234]
Metals that form salts with inorganic acids include alkali metals (eg, potassium, sodium); alkaline earth metals (eg, magnesium, calcium, barium); transition metals (eg, Group 3A metals such as scandium); Metals; Group 5A metals such as vanadium; Group 6A metals such as chromium and molybdenum; Group 7A metals such as manganese; Group 8 metals such as iron, cobalt, nickel and palladium; and 1B such as copper and silver. Group B metals (such as zinc), Group 3B metals (such as aluminum), Group 4B metals (such as tin and lead), and Group 5B metals (such as antimony and bismuth). These metals can be used alone or in combination of two or more.
[0235]
(Metal salt of phosphoric acid)
Examples of the phosphoric acid include non-condensed phosphoric acid [orthophosphoric acid, metaphosphoric acid, phosphorous acid, hypophosphorous acid, etc.], condensed phosphoric acid [hypophosphate, pyrophosphate, polyphosphoric acid (triphosphate, tetraphosphate, etc.) Etc.), polymetaphosphoric acid, phosphate anhydrides, etc.], and non-condensed phosphoric acid is particularly preferred. The metal is preferably a polyvalent metal, for example, an alkaline earth metal, a transition metal, a metal of Groups 2B to 3B of the periodic table, particularly an alkaline earth metal.
[0236]
Examples of the metal salt of phosphoric acid include, in addition to the salt of phosphoric acid and a polyvalent metal, a hydrogen phosphate corresponding to the polyvalent metal phosphate, and the metal salt includes a ligand (eg, , Hydroxo, halogen, etc.) may be coordinated.
[0237]
As the metal salt of phosphoric acid, for example, pyrophosphate (Ca Two P Two O 7 ), Polymetaphosphate [Ca Three (P Three O 9 ) Two Etc.), anhydrous phosphates (Ca Two (P Four O 12 ), Ca Five (P Three O Ten ) Two Etc.) and Ca Five (PO Four ) Three (OH), Ca Five (PO Four ) Three A condensed phosphate such as (F, Cl) may be used, but a hydrogen phosphate is preferably used.
[0238]
Examples of such a hydrogen phosphate include alkaline earth metals such as magnesium hydrogen orthophosphate (magnesium hydrogen phosphate, magnesium dihydrogen phosphate, etc.) and calcium hydrogen orthophosphate (calcium dihydrogen phosphate, dibasic calcium phosphate, etc.). Kind of metal hydrogen phosphate; manganese hydrogen phosphate (manganese (III) hydrogen phosphate, etc.), iron hydrogen phosphate [Fe (H Two PO Four ) Three Metal phosphate such as zinc hydrogen phosphate and cadmium hydrogen phosphate; and hydrogen phosphate of group 3B metal such as aluminum hydrogen phosphate. Salts; non-condensed hydrogen phosphates such as hydrogen phosphate of Group 4B metal of the periodic table such as tin hydrogen phosphate; Of these, substantially anhydrous metal hydrogen phosphates, particularly alkaline earth metal hydrogen phosphates [magnesium dihydrogen phosphate, calcium dihydrogen phosphate, dibasic calcium phosphate (CaHPO Four ) Is preferred.
[0239]
(Metal salt of boric acid)
As the boric acid, non-condensed boric acid such as orthoboric acid and metaboric acid; condensed boric acid such as pyroboric acid, tetraboric acid, pentaboric acid and octoboric acid, and basic boric acid are preferable.
[0240]
As the metal, an alkali metal or the like may be used, but an alkaline earth metal, a transition metal, and a polyvalent metal of Group 2B metal of the periodic table are preferable.
[0241]
The metal borate is usually a hydrated salt, for example, a non-condensed borate [alkali earth metal non-condensed borate such as calcium orthoborate and calcium metaborate; transition such as manganese orthoborate and copper metaborate; Metal non-condensed borates; non-condensed borates (particularly meta borates) of Group 2B metals such as zinc metaborate and cadmium metaborate; condensed borates (trimagnesium tetraborate, pyroborate) Alkaline earth metal condensed borates such as calcium; transition metal condensed salts such as manganese tetraborate and nickel diborate; condensed boric acid of Group 2B metals of the periodic table such as zinc tetraborate and cadmium tetraborate Salts); basic borates (eg, basic zinc borates, basic cadmium borates, and other basic borates of metals of Group 2B of the periodic table); and the like. Further, a hydrogen borate corresponding to these borates (for example, manganese hydrogen orthoborate, etc.) can also be used. In particular, alkaline earth metals or Group 2B metal borates of the periodic table (non-condensed or condensed borates), particularly zinc hydrates (hydrated) and calcium borates (hydrated) are preferred.
[0242]
(Metal salt of stannic acid)
Examples of stannic acid include stannic acid, metastannic acid, orthostannic acid, hexahydrooxostannic acid and the like. Examples of the metal include alkali metals, alkaline earth metals, transition metals, and polyvalent metals such as Group 2B metals of the periodic table. The metal salt of stannic acid is usually a hydrate salt, for example, an alkali metal salt of stannic acid (eg, sodium stannate or potassium stannate), an alkaline earth metal salt of stannic acid (eg, magnesium stannate, etc.) ), Transition metal salts of stannic acid (eg, cobalt stannate), and metal salts of Group 2B of the stannic acid (eg, zinc stannate). Among these stannic acid metal salts, stannic acid group 2B metal salts of stannic acid, particularly (hydrated) zinc stannates are preferable.
[0243]
(Metal salt of molybdic acid)
As the metal salt of molybdic acid, various metal salts corresponding to the above-mentioned metal phosphate and metal borate can be used. Examples include (moisture-containing) zinc molybdate [for example, trade names “Beaucon SK-26, SKN-301, SKN-545, SKR-803, KSR-850” manufactured by Kikuchi Color Co., Ltd.].
[0244]
(Metal salt of tungstic acid)
As the metal salt of tungstic acid, various metal salts corresponding to the above-mentioned metal phosphate and metal borate can be used. For example, (hydrated) zinc tungstate may be used.
[0245]
As a metal salt of an inorganic acid (oxygen acid) other than phosphoric acid, boric acid, stannic acid, molybdic acid and tungstic acid, various metal salts corresponding to the above-mentioned metal phosphate and metal borate can be used.
[0246]
(2) Metal oxide
Examples of the metal oxide include molybdenum oxide, tungsten oxide, titanium oxide, zirconium oxide, tin oxide, copper oxide, zinc oxide, aluminum oxide, nickel oxide, iron oxide, manganese oxide, antimony trioxide, antimony tetroxide, and pentaoxide. And antimony oxide.
[0247]
(3) Metal hydroxide
Examples of the metal hydroxide include aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, tin hydroxide, and zirconium hydroxide.
[0248]
(4) Metal sulfide
Examples of the metal sulfide include molybdenum sulfide, tungsten sulfide, and zinc sulfide.
[0249]
These inorganic metal compounds (C4) can be used alone or in combination of two or more.
[0250]
(C5) Sulfur-containing compound
Examples of the sulfur-containing compound include organic sulfonic acids [alkanesulfonic acid, perfluoroalkanesulfonic acid (such as perfluorobutanesulfonic acid), and arylsulfonic acids (benzenesulfonic acid, toluenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, sulfobenzoic acid, and sulfophthalic acid. , Sulfonaphthoic acid, phenolsulfonic acid, naphtholsulfonic acid, 3-phenylsulfonylbenzenesulfonic acid, etc.), sulfonated polymers (sulfonated polystyrene, sulfonated polysulfone, sulfonated polyethersulfone, sulfonated polyphenylene oxide, etc.)], sulfamic acid , Organic sulfamic acid, salts of organic sulfonic acid amides (ammonium salts, alkali metal salts, alkaline earth metal salts, etc.).
[0251]
(C6) Silicon-containing compound
Silicon-containing compounds include (poly) organosiloxanes and zeolites. Examples of the (poly) organosiloxane include homopolymers such as dialkylsiloxane (eg, dimethylsiloxane), alkylarylsiloxane (phenylmethylsiloxane), diarylsiloxane, monoorganosiloxane (eg, polydimethylsiloxane, polyphenylmethylsiloxane) ) Or a copolymer. Examples of the (poly) organosiloxane include branched organosiloxanes such as polymethylsilsesquioxane, polymethylphenylsilsesquioxane, polyphenylsilsesquioxane, and polyorganosilsesquioxane. XC99-B5664, Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., X-40-9243, X-40-9244, X-40-9805, JP-A-2001-40219. JP, JP-A-2000-159995, JP-A-11-158363, JP-A-10-182832, JP-A-10-139964, etc.], an epoxy group, a hydroxyl group at a molecular terminal or a main chain. , Alkoxy group, carboxyl group, amino group, ether group, vinyl group, (meth) acryloyl group Modified (poly) organosiloxanes having any substituents (for example, trade names “Si powder DC4-7051, DC4-7081, DC4-7105, DC1-9641, etc.” of Dow Corning Silicone Toray Co., Ltd.), etc. Can be used.
[0252]
Examples of the zeolite include A type, X type, Y type, β type, L type, mordenite type, Na type such as ZSM type (such as ZSM-5 type) zeolite, H type, NH 4 type, and transition metal substituted zeolite. No.
[0253]
These flame retardant aids (C) can be used alone or in combination of two or more.
[0254]
[Use rate of flame retardant aid (C)]
The proportion of the flame retardant aid (C) is about 0.1 to 500 parts by weight, preferably about 1 to 300 parts by weight, and more preferably about 5 to 200 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin (A). .
[0255]
The ratio of the phosphorus-containing compound (C1) is 0.1 to 100 parts by weight, preferably 1 to 50 parts by weight, more preferably about 5 to 30 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin (A).
[0256]
The base resin (A) and the aromatic resin (C2) generally use different resins, and in this case, the ratio (weight ratio) between the base resin and the aromatic resin is as follows: base resin / aromatic resin = It is about 50/50 to 100/0, preferably about 55/45 to 100/0, and more preferably about 60/40 to 100/0.
[0257]
The ratio of the nitrogen-containing compound (C3) and the inorganic metal compound (C4) to the resin component composed of the base resin (A) and the aromatic resin (C2) is a total or each based on 100 parts by weight of the resin component. Although it can be selected from a range of 0 to 300 parts by weight (for example, 0.1 to 300 parts by weight), usually, for example, 0 to 200 parts by weight (for example, about 1 to 200 parts by weight) with respect to 100 parts by weight of the resin component. ), Preferably about 0 to 150 parts by weight (for example, 3 to 150 parts by weight), and more preferably about 0 to 100 parts by weight (for example, 5 to 100 parts by weight).
[0258]
The ratio of the sulfur-containing compound (C5) is 0 to 10 parts by weight (for example, 0.01 to 10 parts by weight), preferably 0.05 to 5 parts by weight, and more preferably 100 to 100 parts by weight of the base resin (A). Preferably it is about 0.1 to 1 part by weight.
[0259]
The proportion of the silicon-containing compound (C6) is 0 to 50 parts by weight (for example, 0.05 to 50 parts by weight), preferably 0.1 to 20 parts by weight, and more preferably 100 to 100 parts by weight of the base resin (A). Preferably it is about 0.5 to 10 parts by weight.
[0260]
The ratio (weight ratio) of the cyano group-containing heterocyclic compound (B) and the flame retardant auxiliary (C) is as follows: cyano group-containing heterocyclic compound / flame retardant = 99/1 to 1/99, preferably 98/2 to 2/98, and more preferably about 97/3 to 3/97.
[0261]
[Additive]
The flame retardant resin composition of the present invention may contain various additives (for example, other flame retardants, anti-dripping agents, antioxidants, stabilizers, etc.) as necessary. The total content of the additives is 0.01 to 50 parts by weight, preferably 0.1 to 30 parts by weight, and more preferably about 1 to 20 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin (A). is there.
[0262]
(Other flame retardants)
The flame-retardant resin composition of the present invention further contains other flame retardants, for example, an alcohol-based flame retardant, an inorganic-based flame retardant, a radical-generating organic-based flame retardant, and the like, for imparting flame retardancy. Is also good.
[0263]
Examples of the alcohol-based flame retardant include polyhydric alcohols (such as pentaerythritol), oligomeric polyhydric alcohols (such as dipentaerythritol and tripentaerythritol), esterified polyhydric alcohols, substituted alcohols, celluloses (cellulose, Hemicellulose, lignocellulose, pectocellulose, adipocellulose, etc.), saccharides (monosaccharides, polysaccharides, etc.), nitrogen-containing polyhydric alcohols [tris (2-hydroxyethyl) isocyanurate, tris (3-hydroxypropyl) isocyanurate Etc.].
[0264]
Inorganic flame retardants include expandable graphite and the like.
[0265]
Examples of the radical-generating organic flame retardant include a benzyl radical-generating compound [C 6-20 Aryl polysubstituted ethane derivatives (for example, 2,3-diphenyl-2,3-dimethylbutane and the like), poly (α, α, α ′, α′-tetramethyl-1,3-xylylene), poly (α, α , Α ', α'-tetramethyl-1,4-xylylene)], nitroxide-generating compounds [2,2,6,6-tetramethyl-1,4-dihydroxy-piperidine, 1-methoxy-2,2, 6,6-tetramethyl-4-hydroxy-piperidine or a carboxylic acid ester or ether derivative thereof (amine compound described in JP-T-2002-507238).
[0266]
These other flame retardants can be used alone or in combination of two or more.
[0267]
The content of the other flame retardant is, for example, about 0.01 to 50 parts by weight, preferably about 0.05 to 30 parts by weight, particularly 0.1 to 20 parts by weight based on 100 parts by weight of the base resin (A). You can select from a range of about parts.
[0268]
Further, the flame retardant resin composition of the present invention may contain an antioxidant or a stabilizer in order to stably maintain heat resistance for a long period of time. Antioxidants or stabilizers include, for example, phenol (such as hindered phenols), amine (such as hindered amines), phosphorus, sulfur, hydroquinone, quinoline antioxidants (or stabilizers), Includes talcite and the like.
[0269]
Phenolic antioxidants include hindered phenols, for example, C-atoms such as 1,6-hexanediol-bis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate]. 2-10 Alkylenediol-bis [3- (3,5-di-branched C 3-6 Alkyl or 4-hydroxyphenyl) propionate]; for example, di or trioxy C such as triethylene glycol-bis [3- (3-t-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate] 2-4 Alkylenediol-bis [3- (3,5-di-branched C 3-6 Alkyl-4-hydroxyphenyl) propionate]; for example, C such as glycerin tris [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] 3-8 Alkylenetriol-bis [3- (3,5-di-branched C 3-6 Alkyl-4-hydroxyphenyl) propionate]; for example, C such as pentaerythritol tetrakis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] 4-8 Alkylenetetraoltetrakis [3- (3,5-di-branched C 3-6 Alkyl-4-hydroxyphenyl) propionate] and the like.
[0270]
Amine-based antioxidants include hindered amines such as tri- or tetra-C. 1-3 Alkylpiperidine or a derivative thereof (such as 2,2,6,6-tetramethylpiperidine which may be substituted at the 4-position with methoxy, benzoyloxy, phenoxy, etc.), bis (tri, tetra or penta C 1-3 Alkylpiperidine) C 2-20 Alkylenedicarboxylic acid esters [for example, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) oxalate, malonate corresponding to oxalate, adipate, sebacate, terephthalate, etc .; bis (1,2,2,6,6 -Pentamethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1-octyloxy-2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate], 1,2-bis (2,2,6,6-tetramethyl) -4-piperidyloxy) ethane, phenylnaphthylamine, N, N'-diphenyl-1,4-phenylenediamine, N-phenyl-N'-cyclohexyl-1,4-phenylenediamine, 4,4'-di (α, α-dimethylbenzyl) diphenylamine and the like.
[0271]
Examples of the phosphorus-based stabilizer (or antioxidant) include, for example, triisodecyl phosphite, tris (nonylphenyl) phosphite, diphenyl isodecyl phosphite, phenyl diisodecyl phosphite, 2,2-methylenebis (4,6- Di-t-butylphenyl) octyl phosphite, 4,4'-butylidenebis (3-methyl-6-t-butylphenyl) ditridecyl phosphite, tris (branched C 3-6 Alkylphenyl) phosphite [for example, tris (2,4-di-tert-butylphenyl) phosphite, tris (2-tert-butyl-4-methylphenyl) phosphite, tris (2,4-di-tert-butyl) Amylphenyl) phosphite etc.], (branched C 3-6 Alkylphenyl) phenyl phosphite [eg, bis (2-t-butylphenyl) phenyl phosphite, 2-t-butylphenyldiphenyl phosphite, etc.], tris (2-cyclohexylphenyl) phosphite, bis (C 1-9 Alkylaryl) pentaerythritol diphosphite [eg, bis (2,4-di-t-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite, bis (2,4-di-t-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite Phosphite, bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite, bis (nonylphenyl) pentaerythritol diphosphite, etc.], triphenyl phosphate stabilizer (for example, Phenoxy-9-α- (4-hydroxyphenyl) -p-cumenyloxy-3,5,8,10-tetraoxa-4,9-diphosphapyro [5.5] undecane, tris (2,4-di-t-butyl) Phenyl) phosphate), diphosphonite-based stabilizers (for example, tetrakis (2 , 4-di-t-butyl) -4,4'-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-t-butyl-5-methyl) -4,4'-biphenylenediphosphonite, etc. And so on. Phosphorus stabilizers are usually branched C 3-6 It has an alkylphenyl group (particularly a t-butylphenyl group).
[0272]
The hydroquinone-based antioxidants include, for example, 2,5-di-t-butylhydroquinone, and the quinoline-based antioxidants include, for example, 6-ethoxy-2,2,4-trimethyl-1,2. -Dihydroquinoline and the like, and the sulfur-based antioxidants include, for example, dilaurylthiodipropionate, distearylthiodipropionate and the like.
[0273]
These antioxidants can be used alone or in combination of two or more. The content of the antioxidant is, for example, about 0.01 to 5 parts by weight, preferably about 0.05 to 3 parts by weight, particularly about 0.1 to 2 parts by weight based on 100 parts by weight of the base resin (A). You can choose from a range.
[0274]
Further, the flame-retardant resin composition of the present invention may contain an anti-dripping agent such as a fluorine-based resin. With the anti-dripping agent, it is possible to suppress dripping of the fire and the melt during combustion. The fluororesin includes homo- or copolymers of fluorine-containing monomers such as tetrafluoroethylene, chlorotrifluoroethylene, vinylidene fluoride, hexafluoropropylene, and perfluoroalkylvinyl ether; the fluorine-containing monomers, ethylene, propylene, and acrylate. And other copolymerizable monomers. Examples of such a fluorine-based resin include homopolymers such as polytetrafluoroethylene, polychlorotrifluoroethylene, and polyvinylidene fluoride; tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer, and tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl Copolymers such as a vinyl ether copolymer, an ethylene-tetrafluoroethylene copolymer, and an ethylene-chlorotrifluoroethylene copolymer are exemplified. These fluororesins can be used alone or in combination of two or more.
[0275]
The fluorine-based resin may be used in the form of particles, and the average particle size may be, for example, about 10 to 5000 μm, preferably about 100 to 1000 μm, and more preferably about 100 to 700 μm.
[0276]
The content of the fluororesin is, for example, about 0.01 to 20 parts by weight, preferably about 0.1 to 10 parts by weight, more preferably 0.1 to 5 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin (A). It is about parts by weight.
[0277]
Furthermore, the flame-retardant resin composition of the present invention may contain other additives according to the purpose. Other additives include stabilizers (UV absorbers, heat stabilizers, weather stabilizers, etc.), lubricants, release agents, coloring agents, plasticizers, nucleating agents, impact modifiers, sliding agents, foaming agents, etc. Is mentioned.
[0278]
[filler]
The flame-retardant resin composition of the present invention may be modified with a filler in order to further improve mechanical strength, rigidity, heat resistance, electrical properties and the like. The fillers include fibrous fillers and non-fibrous fillers (plate-like fillers, granular fillers, etc.).
[0279]
Examples of the fibrous filler include glass fiber, asbestos fiber, carbon fiber, silica fiber, fibrous wollastonite, silica / alumina fiber, zirconia fiber, potassium titanate fiber, metal fiber, and high melting point organic fiber (for example, aliphatic Or an aromatic polyamide, an aromatic polyester, a fluororesin, an acrylic resin such as polyacrylonitrile, and the like.
[0280]
Among non-fibrous fillers, plate-like (layer-like) fillers include, for example, kaolin, talc, glass flakes, mica, graphite, various metal foils, and layered phosphates (zirconium phosphate, titanium phosphate, etc.). Can be exemplified.
[0281]
Powdered or amorphous fillers include carbon black, white carbon, silicon carbide, silica, quartz powder, glass beads, glass powder, milled fiber (milled glass fiber, etc.), silicates (calcium silicate, silicate Aluminum, clay, diatomaceous earth, etc.), metal oxides (iron oxide, titanium oxide, zinc oxide, alumina, etc.), metal carbonates (calcium carbonate, magnesium carbonate, etc.), metal sulfates (calcium sulfate, barium sulfate) Etc.) and metal powder.
[0282]
Preferred fibrous fillers include glass fibers, carbon fibers, and preferred non-fibrous fillers include powdered or plate-like fillers, especially glass beads, milled fibers, kaolin, talc, mica, and glass. Flakes.
[0283]
Particularly preferred fillers include glass fibers, for example, glass fibers having high strength and rigidity (such as chopped strands).
[0284]
When a filler is used, the proportion of the filler in the flame-retardant resin composition is, for example, about 1 to 60% by weight, preferably about 1 to 50% by weight, and more preferably about 1 to 45% by weight.
[0285]
When using these fillers, if necessary, it is desirable to use a sizing agent or a surface treatment agent. Such sizing agents or surface treatment agents include functional compounds. Examples of the functional compound include an epoxy-based compound, a silane-based compound, a titanate-based compound, preferably an epoxy-based compound, particularly a bisphenol A-type epoxy resin and a novolak-type epoxy resin.
[0286]
The filler may have been subjected to convergence treatment or surface treatment with the sizing agent or surface treatment agent. Regarding the timing of the treatment, the treatment may be performed simultaneously with the addition of the filler, or may be performed before the addition.
[0287]
The amount of the functional surface treating agent or sizing agent used in combination is 5% by weight or less, preferably about 0.05 to 2% by weight, based on the filler.
[0288]
The flame retardant of the present invention can make the resin highly flame retardant, probably because it promotes carbonization of the resin surface during combustion. Further, by combining a cyano group-containing heterocyclic compound and a specific flame retardant auxiliary, even a small amount can effectively make the base resin flame retardant, and does not reduce bleed-out or heat resistance. .
[0289]
[Method for producing flame-retardant resin composition]
The flame-retardant resin composition of the present invention may be a powder mixture or a melt mixture, and may include a base resin, a flame retardant, a flame retardant auxiliary, and, if necessary, an anti-dripping agent and other additives. Can be prepared by mixing with a conventional method. For example, (1) a method in which the components are mixed, kneaded and extruded with a single-screw or twin-screw extruder to prepare pellets, and then molded, (2) a pellet (master batch) having a different composition is once prepared. A method in which the pellets are mixed (diluted) in a predetermined amount and subjected to molding to obtain a molded product having a predetermined composition, (3) a method in which one or more of each component is directly charged into a molding machine, or the like can be adopted. Further, as a method for producing pellets by an extruder, (1) a production method in which components other than a brittle filler (such as a glass-based filler) are first melt-mixed, and then a brittle filler component is mixed; A method for simultaneously mixing the brittle filler and the phosphorus compound (at the same feed position) after melt-mixing the components excluding the brittle filler and the brittle filler, (3) the components excluding the phosphorus compound and the brittle filler And then mixing the brittle filler and the phosphorus compound sequentially (at separate feed positions). In the production of pellets by this extruder, a small amount of an aromatic compound or a halogen compound (benzene, toluene, xylene, chlorobenzene, trichlorobenzene, chloroform, trichloroethylene, etc.) may be blended at the time of extrusion as a dispersion aid. This dispersing aid is removed from the kneaded resin through the vent of the extruder. In addition, in the preparation of a composition used for a molded article, a powder of a base resin (for example, a powder obtained by crushing a part or all of a polyester resin) is mixed with another component (a flame retardant or the like). Melting and kneading are advantageous in improving the dispersion of other components.
[0290]
From the viewpoint of handling, a non-resinous component (a cyano group-containing heterocyclic compound, a phosphorus compound, a nitrogen-containing compound, an inorganic metal compound, a sulfur-containing compound, a silicon-containing compound, etc.) and a resinous component (base resin) , An aromatic resin, etc.) to prepare a master batch. In particular, when red phosphorus is used in combination, a master batch is often prepared. When a masterbatch is composed of resinous components, a part of the base resin is often used for the masterbatch.
[0291]
The master batch includes, for example, (a) a master batch composed of a part of a base resin and a non-resinous component, (b) a master batch composed of an aromatic resin and a non-resinous component, and (c) A masterbatch composed of an aromatic resin, a resinous flame retardant and a non-resinous component, (d) a masterbatch composed of a part of a base resin, an aromatic resin and a non-resinous component, and (e) a base Masterbatch composed of a part of resin, resinous component and non-resinous component, (f) Masterbatch composed of part of base resin, aromatic resin, resinous component and nonresinous component, etc. Is mentioned.
[0292]
In addition, the said masterbatch may contain various additives, for example, a fluorine resin, an antioxidant, a phosphorus stabilizer, a filler, etc. as needed.
[0293]
The flame retardant resin composition can be manufactured by melt-mixing the master batch thus obtained, the base resin, and, if necessary, the remaining components.
[0294]
Further, the flame-retardant resin composition of the present invention can be melt-kneaded and molded by a conventional method such as extrusion molding, injection molding, compression molding, etc., and the formed molded product has excellent flame retardancy and moldability. Therefore, it can be used for various purposes. For example, it can be suitably used for electric / electronic parts, mechanical mechanism parts, office automation (OA) equipment parts, home electric appliance parts, automobile parts, packaging materials and cases, and the like.
[0295]
【The invention's effect】
In the present invention, since the base resin is combined with the cyano group-containing heterocyclic compound and the flame retardant auxiliary, the flame retardant can be performed even in a small amount without using a halogen-based flame retardant, and the flame retardant is at a high level. Can be Further, the mold deposit and bleed-out (or blooming) of the flame retardant can be effectively suppressed without lowering the properties of the resin, and the flame retardant can be highly advanced. Further, such a resin composition can provide a molded article having improved flame retardancy.
[0296]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0297]
In addition, the flame retardancy and blooming property of the resin composition were evaluated by the following tests.
[0298]
(Flammability test)
In accordance with UL94, the flammability was evaluated at the thickness of the test piece of 1.6 mm.
[0299]
(Evaluation of blooming properties)
A 1.6 mm combustion test piece was heated at 150 ° C. for 5 hours, and the state of seepage on the test piece surface was visually observed, and the blooming property was evaluated according to the following criteria.
[0300]
〇: No seepage is seen
Δ: slight seepage is observed
X: Remarkable seepage is observed.
[0301]
[Base resin A]
A-1: Polybutylene terephthalate [Duranex, intrinsic viscosity = 0.83, manufactured by Polyplastics Co., Ltd.]
A-2: Polystyrene [Toyostyrol G19, manufactured by Toyo Styrene Co., Ltd.]
A-3: Acrylonitrile-styrene copolymer [Sebian JD, manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.]
A-4: Polyethylene terephthalate [Belpet EFG10, manufactured by Kanebo Gosen Co., Ltd.]
A-5: Acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer [Sebian DP611, manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.]
A-6: 12.5 mol% isophthalic acid-modified polybutylene terephthalate copolymer [intrinsic viscosity = 1.0]
A-7: Polycarbonate [Panlite L1225, manufactured by Teijin Chemicals Ltd.]
A-8: Liquid crystalline polyester [Rodrun LC3000, manufactured by Unitika Ltd.]
A-9: Liquid crystalline polyester [VECTRA A950, manufactured by Polyplastics Co., Ltd.]
A-10: Poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) oxide [PPE polymer YPX-100F, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd.]
A-11: Nylon-6 [UBE nylon 6, Ube Industries, Ltd.]
A-12: Polyacetal copolymer [Duracon M90-44, manufactured by Polyplastics Co., Ltd.].
[0302]
[Flame retardant B]
B-1: tri (2-cyanoethyl) isocyanurate
B-2: Bis (2-cyanoethyl) isocyanurate
B-3: 3,9-bis (2-cyanoethyl) -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane
[Flame Retardant B (Organic Phosphorus Compound Used in Comparative Example)]
B-4: isocyanuric acid.
[0303]
[Flame retardant C]
[Phosphorus-containing compound C1]
C1-1: Red phosphorus [Nova Excel 140, manufactured by Rin Kagaku Kogyo KK]
C1-2: Aluminum ethyl methyl phosphinate [prepared according to Examples in JP-A-11-60924]
C1-3: resorcinol bis (di-2,6-xylyl phosphate)
C1-4: Biphenol bis (di-2,6-xylyl phosphate)
C1-5: 1,4-piperazinediylbis (diphenylphosphate) [N, N'-bis (diphenoxyphosphinyl) piperazine]
C1-6: 4-methyl-1-phospha-2,6,7-trioxabicyclo [2.2.2] -octane-1-oxide
C1-7: 10-hydroxy-9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide
C1-8: Phenoxyphosphazene [cyclic 3, tetramer]
C1-9: hydroquinone bis (di-2,6-xylyl phosphate)
C1-10: bisphenol-A bis (diphenyl phosphate)
C1-11: Red phosphorus [Nova Excel F5, manufactured by Rin Kagaku Kogyo KK]
[Aromatic resin C2]
C2-1: Polycarbonate [Iupilon S3000, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd.]
C2-2: poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) oxide [PPE polymer YPX-100F, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd.]
C2-3: Bisphenol A type epoxy resin [Epicoat 1004K, manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.]
C2-4: Polyarylate [Polyarylate U100, manufactured by Unitika Ltd.]
C2-5: Poly (1,4-phenylene) sulfide
C2-6: Nylon MXD6 [Renny 6002, manufactured by Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation]
C2-7: Novolak type phenol resin [PR-53647, manufactured by Sumitomo Durez Co., Ltd.]
C2-8: Poly p-vinylphenol [Marcalinker MS-1P, manufactured by Maruzen Petrochemical Co., Ltd.]
C2-9: Phenol aralkyl resin [Mirex XL-225, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.].
[0304]
[Nitrogen-containing compound C3]
C3-1: Melam polyphosphate [PMP200, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.]
C3-2: Melamine sinurate [MC610, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.]
C3-3: Dicyandiamide
C3-4: Biurea
C3-5: CTU-guanamine [manufactured by Ajinomoto Fine Techno Co., Ltd.]
[Inorganic metal compound C4]
C4-1: Zinc borate [FireBrake ZB, manufactured by Borax Japan K.K.]
C4-2: Magnesium hydroxide [Kisuma 5E, manufactured by Kyowa Chemical Industry Co., Ltd.]
C4-3: anhydrous calcium hydrogen phosphate: average particle size = about 30 μm [manufactured by Taihei Chemical Industry Co., Ltd.]
[Sulfur-containing compound C5]
C5-1: sodium salt of sulfonated polystyrene [manufactured by Lion Corporation].
[0305]
[Silicon-containing compound C6]
C6-1: Silicone resin [Si powder DC4-7015, manufactured by Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd.]
C6-2: Zeolite [Zeolam A-3, manufactured by Tosoh Corporation].
[0306]
[Antioxidant D]
D-1: Pentaerythritol-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] [Irganox 1010, manufactured by Ciba-Geigy Corporation].
[0307]
[Phosphorus stabilizer E]
E-1: bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite [ADK STAB PEP36, manufactured by Adeka Argus Co., Ltd.]
E-2: tetrakis (2,4-di-t-butylphenyl) -4,4'-biphenylenediphosphonite [Sandstub P-EPQ, manufactured by Sando Co., Ltd.]
E-3: Hydrotalcite [DHT-4A, manufactured by Kyowa Chemical Industry Co., Ltd.].
[0308]
[Anti-drip agent F]
F-1: polytetrafluoroethylene.
[0309]
[Filler G]
G-1: Glass chopped strand having a diameter of 10 μm and a length of 3 mm
G-2: Talc [Talc 3A, manufactured by Nippon Talc Co., Ltd.].
[0310]
Examples 1 to 34 and Comparative Examples 1 to 18
The above components were mixed at the ratios (parts by weight) shown in Tables 1 to 5, and a resin composition was prepared using a small kneader. A test molded article was prepared from the resin composition by press molding, and the characteristics were evaluated. The results are shown in Tables 1 to 5.
[0311]
[Table 1]
[0312]
[Table 2]
[0313]
[Table 3]
[0314]
[Table 4]
[0315]
[Table 5]
[0316]
As is clear from the table, the examples using the heterocyclic compound having a cyano group (B) and the specific flame retardant aid (C) are all comparative examples lacking any of these components. In comparison, it was excellent in flame retardancy, blooming property and moldability.
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