JP2004207601A - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施す熱処理において、環境および熱処理装置からシリコンウェーハに付着したリンにより、表層付近で比抵抗が変化するのを防止したシリコンウェーハの熱処理方法の提供。
【解決手段】高温熱処理に投入前に低温で加熱することで事前にシリコンウェーハ上に付着したリンが除去可能であり、環境および熱処理装置からシリコンウェーハ上にリンが付着してもこれを除去でき、リン汚染がなく目的の高温熱処理で表層付近の比抵抗が変化することがない。
【選択図】 なし
【解決手段】高温熱処理に投入前に低温で加熱することで事前にシリコンウェーハ上に付着したリンが除去可能であり、環境および熱処理装置からシリコンウェーハ上にリンが付着してもこれを除去でき、リン汚染がなく目的の高温熱処理で表層付近の比抵抗が変化することがない。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボロンをドープしたシリコンウェーハをアルゴンガス雰囲気又はアルゴン(Ar)ガスを含む不活性ガス雰囲気で熱処理した際に、表層付近で比抵抗が変化するのを防止したシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェーハを高品質化するための熱処理として、シリコンウェーハをArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施すことにより、デバイス特性を悪化させる要因である結晶欠陥(COP:CryStal Originated Particle)を低減あるいは消滅させる方法がよく知られている(例えば、特開昭51−134071号公報、特開昭60−247935号公報等)。
【0003】
このアルゴンガス雰囲気での高温熱処理により、シリコンウェーハの比抵抗を変化させることが知られている(例えば、株式会社リアライズ社、半導体プロセス環境における化学汚染とその対策(1997)、60頁)。
【0004】
これは、環境および熱処理装置からのリンおよびボロンがシリコンウェーハ上に付着し、その状態で高温熱処理することにより、ウェーハ内部まで拡散し、その結果比抵抗を変化させてしまうものと推測されている。
【0005】
この対策として、例えば特開2002−100634公報には、環境からのボロン汚染を防止するため、熱処理に際して950〜1100℃の温度域にて雰囲気に水素ガスを含有させることが提案されている。これは、水素ガス雰囲気での高温熱処理によるボロンの外方拡散を利用して、表層の比抵抗の変化を防止したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の熱処理方法は、ボロン汚染の低減効果はあるが、リン汚染に対しての効果が確認されておらず、熱処理に際して高温領域で水素ガスを適用させることで、重金属汚染、安全性、装置コストの上昇等の問題が懸念される。
【0007】
この発明は、Arガス含有の熱処理、すなわちArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施す熱処理において、環境および熱処理装置からシリコンウェーハに付着したリンにより、表層付近で比抵抗が変化するのを防止したシリコンウェーハの熱処理方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、Arガス含有の熱処理でシリコンウェーハに付着したリンを表層に拡散させず、また水素ガスを用いることなく、容易にリン汚染を低減させる方法を目的に種々検討した結果、リンおよびリン化合物はボロンよりも低温で気化し易いことに着目し、熱処理炉に投入前に低温で加熱することで事前にシリコンウェーハ上に付着したリンを除去できることを確認し、目的の熱処理前にこの発明の予備加熱を適用させることにより、環境および熱処理装置からのリンがシリコンウェーハ上に付着したとしても、リン汚染のない高品質なシリコンウェーハを容易に提供することができることを知見し、この発明を完成した。
【0009】
すなわちこの発明は、ボロンをドープしたシリコンウェーハをArガス雰囲気又はArガスを含む不活性ガス雰囲気の高温熱処理炉内で熱処理する方法であり、前記熱処理投入前にシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去した後、該熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明による熱処理方法は、ボロンをドープしたシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去した後、シリコンウェーハをArガス雰囲気又はArガスを含むH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気の熱処理炉内で熱処理する方法である。
【0011】
この発明において、予備加熱は、所要の加熱炉あるいは目的の高温熱処理を行うための熱処理炉で、高温熱処理に先駆けて行う比較的低温の熱処理であり、環境および熱処理装置からシリコンウェーハ上に付着したリンが気化してこれを除去できれば、炉や加熱手段は特に限定しない。
【0012】
具体的な予備加熱手段としては、別の加熱炉内、目的の高温熱処理炉に併設する設備内、あるいは前記高温熱処理炉内にて、赤外線ランプ加熱、抵抗加熱、高温ガスの吹きつけ等の加熱手法で、例えば300℃から500℃の温度にて1分間以上保持することにより、シリコンウェーハ上に付着したリンを気化飛散させてこれを除去する。
【0013】
また、目的の高温熱処理炉外の別の加熱装置にて行ってもよいが、この場合は、リンの再付着を防止する手段を講じる必要があり、予備加熱処理炉より高温熱処理炉へ直ちに又は連続的に投入可能な構成とすることが好ましい。例えば、高温熱処理炉におけるウェーハボートの待機室やウェーハ移載室等の併設設備を利用することが望ましい。さらに、予熱加熱後、2時間以内に高温熱処理炉内へ投入するのが好ましく、2時間以上経過してしまうとウェーハ表面にリンが再付着してしまい、再度予備加熱が必要となる。従って、好ましくは予熱加熱後、1時間以内に高温熱処理を施すと良い。
【0014】
予備加熱の処理条件は、目的のリンを気化させるのには、300℃未満では温度が低くリンを除去することができず、500℃超えるとリンを除去することは可能であるが、ボート待機室やウェーハ移載室を利用する場合に該装置近傍が高温となり、装置ヘの負担や重金属汚染、装置コスト損傷等の問題が発生するため、300℃から500℃の温度が好ましい。加熱時間は、30秒程度ではウェーハ面内を十分に加熱することができず、完全にリンを除去するためには、少なくとも1分以上の加熱が必要であり、また5分以上の加熱では、前記装置回りが高温となり、装置に与える負担が大きくなる。
【0015】
予備加熱の雰囲気は、別の加熱炉で行う場合、リン濃度0.03μg/m3以下であれば大気中、真空中、Arガス中などのいずれの雰囲気でもよい、同じ高温熱処炉で行う場合は、換気中(大気中)に、あるいは真空引き中、アルゴンガス置換中に300℃〜500℃で1分以上保持するのがよい、
【0016】
この発明において、目的のArを含む高温熱処理は、特に限定しないが、一般的な1100℃〜1350℃の温度で1時間以上保持される処理であればより好ましい。
【0017】
この発明によるシリコンウェーハの熱処理方法は、予備加熱を施し、Arを含む高温熱処理を行うことで、熱処理後のシリコンウェーハのリン濃度は、表面から1μm深さまでの領域の平均値が1×1015/cm3以下となり、汚染が大きく低減され、前記高温熱処理に際して表層の比抵抗が変化するのを防止することが可能となる。
【0018】
【実施例】
実施例1
高温熱処理炉のウェーハ移載室において、ボロンをドープした比抵抗10Ωcmの直径200mmのシリコンウェーハを、複数枚熱処理ボートに移載した後、赤外線ランプ加熱によって、加熱温度を200℃、300℃、500℃、550℃、加熱時間を30秒、45秒、1分間、5分間、5分30秒と、種々の加熱条件を採用した予備加熱を終了した後、該炉の反応室に移動させて、アルゴンガス雰囲気にて1200℃、1時間の高温熱処理を行つた。
【0019】
熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにてリン濃度を分析した。その結果を表1に示す。表1において、○印はリン濃度が1×1015/cm3以下であり、×印はリン濃度が1×1015/cm3を超える場合を示している。
【0020】
表1の結果より明らかなように、300℃未満では温度が低くリンを除去することができず、500℃を超えるとウェーハ移載室等の装置回りが高温になりすぎて、該装置からの重金属汚染が懸念された。また、1分未満ではリンを除去することができず、5分を超えるとウェーハ移載室等の装置回りが高温になり、装置に与える負担が大きくなることを確認した。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例2
実施例1の高温熱処理炉を用い、ウェーハ移載室でボロンをドープした比抵抗10Ωcm、直径200mmのシリコンウェーハを複数枚ボートに移載した後、赤外線ランプ加熱にて300℃で1分間シリコンウェーハを加熱し、30分以内に該熱処理炉反応室内へ投入し、アルゴンガス雰囲気にて1200℃、1時間の熱処理を行つた。
【0023】
この発明による熱処理のヒートパターンは図1に示す通りであった。熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにて分析した結果、図2に示すように表面および表層3μm深さまでの領域で、リン濃度は1×1015/cm3以下であり、リン汚染がないことを確認した。
【0024】
比較例
実施例2と同様に高温熱処理炉を用い、ウェーハ移載室でボロンをドープした比抵抗10Ωcm、直径200mmのシリコンウェーハを複数枚ボートに移載した後、30分以内に該熱処理炉反応室内へ投入し、アルゴンガス雰囲気にて1200℃、1時間の熱処理を行つた。
【0025】
熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにて分析した結果、図3に示すように表面でリン濃度は5×1015/cm3以上であり、表層近傍の4μm程度までリン汚染が拡散していることが確認された。
【0026】
実施例3
実施例1の高温熱処理炉を用い、ウェーハ移載室でボロンをドープした比抵抗10Ωcm、直径300mmのシリコンウェーハを複数枚ボートに移載した後、赤外線ランプ加熱にて400℃で1分間シリコンウェーハを加熱し、30分以内に該熱処理炉反応室内へ投入し、0.1%のN2ガスを含むAr/N2雰囲気にて1200℃、1時間の熱処理を行つた。
【0027】
熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにて分析した結果、表面および表層1μm深さまでの領域でリン濃度は1×1015/cm3以下であり、リン汚染がないことを確認した。
【0028】
【発明の効果】
この発明は、COPの低減や消滅のためのArガス含有の熱処理、すなわちArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施す熱処理において、前記熱処理投入前にシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去するため、従来、環境および熱処理装置からシリコンウェーハに付着したリンにより表層付近で比抵抗が変化する問題を解消でき、リン汚染のない高品質なシリコンウェーハを容易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱処理のヒートパターンを示すグラフである。
【図2】この発明の実施例における熱処理を完了したシリコンウェーハのSIMSによる分析結果を示す深さとリン濃度との関係を示すグラフである。
【図3】比較例における熱処理を完了したシリコンウェーハのSIMSによる分析結果を示す深さとリン濃度との関係を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボロンをドープしたシリコンウェーハをアルゴンガス雰囲気又はアルゴン(Ar)ガスを含む不活性ガス雰囲気で熱処理した際に、表層付近で比抵抗が変化するのを防止したシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェーハを高品質化するための熱処理として、シリコンウェーハをArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施すことにより、デバイス特性を悪化させる要因である結晶欠陥(COP:CryStal Originated Particle)を低減あるいは消滅させる方法がよく知られている(例えば、特開昭51−134071号公報、特開昭60−247935号公報等)。
【0003】
このアルゴンガス雰囲気での高温熱処理により、シリコンウェーハの比抵抗を変化させることが知られている(例えば、株式会社リアライズ社、半導体プロセス環境における化学汚染とその対策(1997)、60頁)。
【0004】
これは、環境および熱処理装置からのリンおよびボロンがシリコンウェーハ上に付着し、その状態で高温熱処理することにより、ウェーハ内部まで拡散し、その結果比抵抗を変化させてしまうものと推測されている。
【0005】
この対策として、例えば特開2002−100634公報には、環境からのボロン汚染を防止するため、熱処理に際して950〜1100℃の温度域にて雰囲気に水素ガスを含有させることが提案されている。これは、水素ガス雰囲気での高温熱処理によるボロンの外方拡散を利用して、表層の比抵抗の変化を防止したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の熱処理方法は、ボロン汚染の低減効果はあるが、リン汚染に対しての効果が確認されておらず、熱処理に際して高温領域で水素ガスを適用させることで、重金属汚染、安全性、装置コストの上昇等の問題が懸念される。
【0007】
この発明は、Arガス含有の熱処理、すなわちArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施す熱処理において、環境および熱処理装置からシリコンウェーハに付着したリンにより、表層付近で比抵抗が変化するのを防止したシリコンウェーハの熱処理方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、Arガス含有の熱処理でシリコンウェーハに付着したリンを表層に拡散させず、また水素ガスを用いることなく、容易にリン汚染を低減させる方法を目的に種々検討した結果、リンおよびリン化合物はボロンよりも低温で気化し易いことに着目し、熱処理炉に投入前に低温で加熱することで事前にシリコンウェーハ上に付着したリンを除去できることを確認し、目的の熱処理前にこの発明の予備加熱を適用させることにより、環境および熱処理装置からのリンがシリコンウェーハ上に付着したとしても、リン汚染のない高品質なシリコンウェーハを容易に提供することができることを知見し、この発明を完成した。
【0009】
すなわちこの発明は、ボロンをドープしたシリコンウェーハをArガス雰囲気又はArガスを含む不活性ガス雰囲気の高温熱処理炉内で熱処理する方法であり、前記熱処理投入前にシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去した後、該熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明による熱処理方法は、ボロンをドープしたシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去した後、シリコンウェーハをArガス雰囲気又はArガスを含むH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気の熱処理炉内で熱処理する方法である。
【0011】
この発明において、予備加熱は、所要の加熱炉あるいは目的の高温熱処理を行うための熱処理炉で、高温熱処理に先駆けて行う比較的低温の熱処理であり、環境および熱処理装置からシリコンウェーハ上に付着したリンが気化してこれを除去できれば、炉や加熱手段は特に限定しない。
【0012】
具体的な予備加熱手段としては、別の加熱炉内、目的の高温熱処理炉に併設する設備内、あるいは前記高温熱処理炉内にて、赤外線ランプ加熱、抵抗加熱、高温ガスの吹きつけ等の加熱手法で、例えば300℃から500℃の温度にて1分間以上保持することにより、シリコンウェーハ上に付着したリンを気化飛散させてこれを除去する。
【0013】
また、目的の高温熱処理炉外の別の加熱装置にて行ってもよいが、この場合は、リンの再付着を防止する手段を講じる必要があり、予備加熱処理炉より高温熱処理炉へ直ちに又は連続的に投入可能な構成とすることが好ましい。例えば、高温熱処理炉におけるウェーハボートの待機室やウェーハ移載室等の併設設備を利用することが望ましい。さらに、予熱加熱後、2時間以内に高温熱処理炉内へ投入するのが好ましく、2時間以上経過してしまうとウェーハ表面にリンが再付着してしまい、再度予備加熱が必要となる。従って、好ましくは予熱加熱後、1時間以内に高温熱処理を施すと良い。
【0014】
予備加熱の処理条件は、目的のリンを気化させるのには、300℃未満では温度が低くリンを除去することができず、500℃超えるとリンを除去することは可能であるが、ボート待機室やウェーハ移載室を利用する場合に該装置近傍が高温となり、装置ヘの負担や重金属汚染、装置コスト損傷等の問題が発生するため、300℃から500℃の温度が好ましい。加熱時間は、30秒程度ではウェーハ面内を十分に加熱することができず、完全にリンを除去するためには、少なくとも1分以上の加熱が必要であり、また5分以上の加熱では、前記装置回りが高温となり、装置に与える負担が大きくなる。
【0015】
予備加熱の雰囲気は、別の加熱炉で行う場合、リン濃度0.03μg/m3以下であれば大気中、真空中、Arガス中などのいずれの雰囲気でもよい、同じ高温熱処炉で行う場合は、換気中(大気中)に、あるいは真空引き中、アルゴンガス置換中に300℃〜500℃で1分以上保持するのがよい、
【0016】
この発明において、目的のArを含む高温熱処理は、特に限定しないが、一般的な1100℃〜1350℃の温度で1時間以上保持される処理であればより好ましい。
【0017】
この発明によるシリコンウェーハの熱処理方法は、予備加熱を施し、Arを含む高温熱処理を行うことで、熱処理後のシリコンウェーハのリン濃度は、表面から1μm深さまでの領域の平均値が1×1015/cm3以下となり、汚染が大きく低減され、前記高温熱処理に際して表層の比抵抗が変化するのを防止することが可能となる。
【0018】
【実施例】
実施例1
高温熱処理炉のウェーハ移載室において、ボロンをドープした比抵抗10Ωcmの直径200mmのシリコンウェーハを、複数枚熱処理ボートに移載した後、赤外線ランプ加熱によって、加熱温度を200℃、300℃、500℃、550℃、加熱時間を30秒、45秒、1分間、5分間、5分30秒と、種々の加熱条件を採用した予備加熱を終了した後、該炉の反応室に移動させて、アルゴンガス雰囲気にて1200℃、1時間の高温熱処理を行つた。
【0019】
熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにてリン濃度を分析した。その結果を表1に示す。表1において、○印はリン濃度が1×1015/cm3以下であり、×印はリン濃度が1×1015/cm3を超える場合を示している。
【0020】
表1の結果より明らかなように、300℃未満では温度が低くリンを除去することができず、500℃を超えるとウェーハ移載室等の装置回りが高温になりすぎて、該装置からの重金属汚染が懸念された。また、1分未満ではリンを除去することができず、5分を超えるとウェーハ移載室等の装置回りが高温になり、装置に与える負担が大きくなることを確認した。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例2
実施例1の高温熱処理炉を用い、ウェーハ移載室でボロンをドープした比抵抗10Ωcm、直径200mmのシリコンウェーハを複数枚ボートに移載した後、赤外線ランプ加熱にて300℃で1分間シリコンウェーハを加熱し、30分以内に該熱処理炉反応室内へ投入し、アルゴンガス雰囲気にて1200℃、1時間の熱処理を行つた。
【0023】
この発明による熱処理のヒートパターンは図1に示す通りであった。熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにて分析した結果、図2に示すように表面および表層3μm深さまでの領域で、リン濃度は1×1015/cm3以下であり、リン汚染がないことを確認した。
【0024】
比較例
実施例2と同様に高温熱処理炉を用い、ウェーハ移載室でボロンをドープした比抵抗10Ωcm、直径200mmのシリコンウェーハを複数枚ボートに移載した後、30分以内に該熱処理炉反応室内へ投入し、アルゴンガス雰囲気にて1200℃、1時間の熱処理を行つた。
【0025】
熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにて分析した結果、図3に示すように表面でリン濃度は5×1015/cm3以上であり、表層近傍の4μm程度までリン汚染が拡散していることが確認された。
【0026】
実施例3
実施例1の高温熱処理炉を用い、ウェーハ移載室でボロンをドープした比抵抗10Ωcm、直径300mmのシリコンウェーハを複数枚ボートに移載した後、赤外線ランプ加熱にて400℃で1分間シリコンウェーハを加熱し、30分以内に該熱処理炉反応室内へ投入し、0.1%のN2ガスを含むAr/N2雰囲気にて1200℃、1時間の熱処理を行つた。
【0027】
熱処理を完了したシリコンウェーハをSIMSにて分析した結果、表面および表層1μm深さまでの領域でリン濃度は1×1015/cm3以下であり、リン汚染がないことを確認した。
【0028】
【発明の効果】
この発明は、COPの低減や消滅のためのArガス含有の熱処理、すなわちArガスあるいはAr含有のH2、He、N2等の不活性ガス雰囲気にて1100℃以上の高温熱処理を施す熱処理において、前記熱処理投入前にシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去するため、従来、環境および熱処理装置からシリコンウェーハに付着したリンにより表層付近で比抵抗が変化する問題を解消でき、リン汚染のない高品質なシリコンウェーハを容易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱処理のヒートパターンを示すグラフである。
【図2】この発明の実施例における熱処理を完了したシリコンウェーハのSIMSによる分析結果を示す深さとリン濃度との関係を示すグラフである。
【図3】比較例における熱処理を完了したシリコンウェーハのSIMSによる分析結果を示す深さとリン濃度との関係を示すグラフである。
Claims (5)
- ボロンをドープしたシリコンウェーハをArガス雰囲気又はArガスを含む不活性ガス雰囲気の熱処理炉内で高温熱処理する方法であり、前記熱処理投入前にシリコンウェーハに予備加熱を行い該ウェーハ上に付着したリンを除去した後、該熱処理を施すシリコンウェーハの熱処理方法。
- 予備加熱温度が300℃〜500℃で1分以上保持される熱処理である請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
- 予備加熱完了から熱処理開始までが1時間以内である請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
- 高温熱処理が、1100℃〜1350℃の温度で1時間以上保持される処理である請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
- 高温熱処理後のシリコンウェーハのリン濃度が、表面から1μm深さまでの領域の平均値が1×1015/cm3以下である請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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JP2002377029A JP2004207601A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | シリコンウェーハの熱処理方法 |
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JP2002377029A JP2004207601A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | シリコンウェーハの熱処理方法 |
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-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002377029A patent/JP2004207601A/ja active Pending
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