JP2004290101A - 大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、健康に良い大豆蛋白を含有し、製菓・製パン、中華系、調理系食品の生地に使用することができる、ベタツキが防止され、幅広い可塑性を有する加工適性に優れた大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することを特徴とする大豆蛋白含有可塑性生地の製造法であり、大豆蛋白質の使用量が固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%であり、当該可塑性生地を加熱する処理が、焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択された食品の製造法である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することを特徴とする大豆蛋白含有可塑性生地の製造法であり、大豆蛋白質の使用量が固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%であり、当該可塑性生地を加熱する処理が、焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択された食品の製造法である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した食品に関し、更に詳しくは健康に良い大豆蛋白を含有し、ベタツキが防止された優れた加工適性を有する大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品に関する。
【0002】
【従来の技術】大豆はアミノ酸バランスの良い良質な蛋白源であって、近年の健康ニーズから大豆利用食品への関心が高まっている。
大豆蛋白の食品への利用としては、畜肉製品、水産練り製品、惣菜等へ利用されており、又、特許文献1では、グリシニン/βーコングリシニンの比率が1.5以上である大豆蛋白質を原料肉に混合または注入することを特徴とする食肉製品の製造法が提案されているし、特許文献2では、魚肉加工品の製造工程において低粘度の大豆蛋白溶液を魚肉塊の組織内に浸透させる方法が提案されている。また、特許文献3では、大豆蛋白を主原料とした豆腐様生地を冷凍処理した後、油で揚げて得られる大豆加工食品が提案されており、健康に良い素材だけにより幅広い食品分野への利用が更に望まれる。
従来、製菓・製パン、中華系食品の生地としては、小麦粉主体のクッキー生地、シュー生地、ケーキ生地、パン生地、パイ生地、ギョウザ生地等があるが、生地の加工としてはクッキー生地、シュー生地、ケーキ生地は絞りが出来るが、包あんが難しかったり、パン生地、パイ生地、ギョウザ生地は包あんができるが、絞りが難しかったりして加工適性に限界があった。
特許文献4では、大豆蛋白、脂質、炭水化物及び水を含有し、大豆蛋白と脂質と炭水化物の組成比がそれぞれ1.2〜2.5:1:0.3〜1(重量比)であり且つ水分含量が60〜80重量%である生地をシート状に成形し、加熱することを特徴とする大豆蛋白含有シート状食品の製造方法が提案されているが、シート状だけに利用分野に限界があった。
【0003】
【特許文献1】特開平10−155455号公報
【特許文献2】特開2000−287646号公報
【特許文献3】特開平9−56354号公報
【特許文献4】特開平9−28304号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、健康に良い大豆蛋白を含有し、製菓・製パン、中華系、調理系食品の生地に使用することができる、ベタツキが防止され、幅広い可塑性を有する加工適性に優れた大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題に対して従来の製菓・製パン、中華系食品の生地配合、製造法を追試検討し更にそれらを参考にして数多い試行錯誤を繰り返した結果、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類の原料の組み合わせの方法において得られた新しい知見に基づいて本発明は完成されたものである。
即ち本発明の第1は、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することを特徴とする大豆蛋白含有可塑性生地の製造法である。第2は、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合する方法において、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方である、第1記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法である。第3は、上記方法において、以下の5つの方法、A,B,C,D,Eの何れかの方法を採る、第1又は第2記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法である。
(A)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類を混合する
(B)穀粉類を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(C)穀粉類を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
(D)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(E)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
第4は、大豆蛋白が分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末、大豆粉、脱脂大豆粉、黄粉から選択されるものであって、大豆蛋白質の使用量が固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%である、第1乃至第3何れか1に記載の可塑性生地の製造法である。第5は、上記可塑性生地を加熱することを特徴とする食品の製造法である。第6は、加熱が焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択される、第5記載の食品の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法としては、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することが必要である。これら原料を一度に一緒に混合した場合には、混合物の生地はベタベタとした軟らかいものになり、本願発明の期待する可塑性生地が得難くなる。
【0007】油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合するわけであるが、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方を採用するのが好ましい。具体的には以下の5つの方法、A,B,C,D,Eの何れかの方法を採るのが好ましい。
(A)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類を混合する
(B)穀粉類を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(C)穀粉類を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
(D)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(E)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
【0008】本発明の油脂類としては、動植物性油脂及びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物或いはこれらのものに種々の化学処理又は物理処理を施したものが例示できる。かかる油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂(融点10〜40℃程度のもの)が例示できる。具体的にはマーガリン、ショートニングが例示できる。更に油脂の融点としては20〜38℃のものが生地の風味、加工適性という点で好ましい。
【0009】本発明の穀粉類としては、小麦粉類、米粉類、そば粉類、とうもろこし粉、ライ麦粉等であり、澱粉としてはコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉の天然澱粉等をはじめ、アルファー化澱粉、エーテル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉等の加工澱粉が例示でき、これらの単独または2種以上を混合使用することができる。生地の加工適性と風味の点で小麦粉が好ましい。小麦粉類としては、薄力粉、中力粉、強力粉が例示できる。
【0010】本発明の卵類としては、全卵、卵黄、卵白、またはこれらの加糖卵、冷凍卵が例示でき、これらの単独または2種以上を混合使用することができる。
本発明の水としては、水そのものであっても良いが、水性成分であっても良い。
【0011】本発明の大豆蛋白としては、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末、大豆粉、脱脂大豆粉、黄粉が例示でき、これらの単独または2種以上を適宜選択使用することができる。例示した大豆蛋白のうちでは分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末が大豆蛋白質含有量が高い点で好ましい。
【0012】油脂及び水を含む混合物に大豆蛋白を混合するわけであるが、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方を採用するのが好ましい。その場合において、卵類を混合する際の混合物の温度は卵類中の蛋白質の熱変性のし難い温度50〜75℃の温度範囲、好ましくは50〜65℃の温度範囲で混合するのが好ましい。大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合の場合、混合の際の混合物の温度は60℃以上、好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上で混合するのが好ましい。60℃以上の温度で混合することにより、大豆蛋白は充分に分散・溶解し、大豆蛋白の有する乳化力、保水力、保油力が働き、80℃以上ではゲル化力も働き、生地に可塑性が与えられ優れた加工適性を得ることができ、加熱処理後の生地の安定化を図ることが出来る。大豆蛋白質の使用量としては、固形分換算量で最終得られる可塑性生地に対して1〜17重量%、好ましくは1〜10重量%が好ましい。大豆蛋白の混合が卵類を混合した後の後混合の場合は、混合の際の混合物の温度は40〜65℃、好ましくは40〜55℃の温度範囲で混合するのが好ましい。大豆蛋白の使用量としては、固形分換算量で最終得られる可塑性生地に対して1〜12重量%、好ましくは1〜7重量%が好ましい。前混合若しくは後混合又は双方の混合において最終得られる大豆蛋白質の使用量としては、固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは3〜19重量%が好ましい。下限未満の場合は使用効果が得がたくなり、上限を超える場合は生地が硬くなり加工適性が悪くなり、加熱処理後は油脂が分離しやすくなる。
大豆蛋白質の含有量は可塑性生地に対する固形分換算量であって、分析は「新食品分析ハンドブック、平成12年11月20日初版発行、発行所(株)KENPAKUSHA」のp24記載のケルダール法により測定した。
【0013】本発明の大豆蛋白含有可塑性生地は、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類の混合物であって、乳化系としてはO/W型乳化系とW/O型乳化系が混在したものと推察している。
これらの乳化系のバランスは各々の原料の組成比に依存するのは当然のことであるが、大豆蛋白の混合時期と混合時の温度及び使用量がこれらの乳化系のバランスに大きく寄与している。大豆蛋白の混合時期が卵類を混合する前の前混合の場合は、混合する際の温度は60℃〜100℃の高い温度範囲で混合するので大豆蛋白の有する乳化力、保水力、保油力、ゲル化力が働き、生地の可塑性と加熱処理した後の生地の形状を安定化することが出来る。大豆蛋白の混合時期が卵類を混合した後の後混合の場合は、40℃〜60℃の低い温度範囲で混合するので大豆蛋白の有するる乳化力、保水力、保油力が働き、生地の可塑性と加熱処理した後の生地の食感が良くなる。本願発明の可塑性生地を得るためには、大豆蛋白の混合は前混合の方が後混合よりも好ましい。大豆蛋白含有可塑性生地の加工適性の調整と加熱処理後の生地の形状、食感の調整という点で、大豆蛋白の混合時期は前混合と後混合を併用するのが好ましい。
【0014】本発明でいう可塑性とは、適度な硬さと粘りを有し、且つベタベタしない切れの良い物性を意味する。 具体的は、生地を一定の直径でノズルから安定に絞り出すことが出来、絞りだし直後にワイヤー等でスムーズにカッティング出来る硬さであり、又手作業、包餡機等にて他の生地や具材、フィリング等を包むことが出来る硬さを意味し、可塑性はレオメーターによる硬さで表すことが出来る。 レオメータの数値としては、規定の方法により温度は品温20℃で実施し、30〜300g/0.785cm2、好ましくは40〜250g/0.785cm2、更に好ましくは50〜210g/0.785cm2が好ましい。
【0015】上記の大豆蛋白含有可塑性生地を使用して、加熱方法が、焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択された方法により多様な食品を得ることができる。
具体的には、本発明の大豆蛋白含有可塑性生地を使用し焼成加熱された食品としては、餡等の耐熱フィリングを包み通常の方法で焼成することによって洋風和菓子を得ることが出来る。また、蒸し物としては、中心層に調理具材を配し、更その具材を大豆蛋白含有可塑性生地で包み具材の水分ドリップを防止し、これをパン生地で包み蒸した蒸しまんじゅう類などを得ることが出来る。
フライした菓子としては、同大豆蛋白含有可塑性生地で一般のクッキー生地を包みフライした半生菓子、或いは大豆蛋白含有可塑性生地単独をフライし更に乾燥処理を行い水分量を調整した乾き菓子を得ることが出来る。
調理系の食品への使用としては、シユーマイ、ハンバーグ等の具材を大豆蛋白含有可塑性生地で包みフライし新規なシューマイ、新規なハンバーグを得ることが出来る。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
本願発明の方法で得た大豆蛋白含有可塑性生地を以下の方法と基準で、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。
(生地評価)
調製した生地の状態を、生地のベタツキ状態、生地の可塑性状態、生地の硬さの3項目で評価した。
・生地のベタツキ状態
生地のベタツキ状態を以下の基準に基づいて5段階で官能評価した。
5点:手にベタベタと付着せず、切れも良く特に作業性の良い生地
4点:ベタベタせず作業性の良い生地
3点:やや手に付着するが、手粉を使用することで作業可能な生地
2点:ベタベタとし作業性が劣る
1点:ベタベタと手に激しく付着し作業性出来ない生地
・生地の可塑性状態
生地の可塑性状態を以下の基準に基づいて5段階で官能評価した。
5点:適度な粘りと可塑性を有し薄く延び易く特に良好な生地
4点:適度な粘りと可塑性を有し良好な生地
3点:作業可能であり標準的な生地
2点:可塑性劣る生地
1点:流動状態で軟らかすぎ、可塑性ない生地
・生地の硬さ
生地の硬さをレオメーター(不動工業株式会社)を用いて測定した。
測定条件は、サンプル容器;55mm内径、高さ31mm、プランジャー;10mm直径、送り速度台5cm/分、2cm進入したときのプランジャーにかかる加重g/0.785cm2を硬さとして測定した。 温度は品温20℃で実施し、特に柔らかい場合はスケール200g(測定範囲0〜200g)、比較的硬い場合はスケール(0〜2000g)で測定した。
【0017】
(焼成評価)
調製した生地12gで市販の練り餡50(ソントン食品工業社製)6gを包み、170℃電気オーブンで15分間焼成。 乾燥を防止する為ナイロン包装し1日常温保管後に下記評価を行った。
焼成後の形状状態を5段階評価した。
5点:きれいな饅頭様、半球状に焼成され良好
4点:まずまずの形状で良好
3点:やや形状の崩れあるが合格レベル
2点:形状の崩れあり不良
1点:形状の崩れ極端で不良
焼成後の食感を5段階評価
5点:ネタツキなく喉ごしも良好、適度な弾力と歯切れを有する食感
4点:食感の特徴やや欠けるが良好
3点:食感に特徴少ない
2点:特徴のない食感
1点:ネタツキあり不良、或いは固過ぎ不良
【0018】
(フライ評価)
以下の方法でフライし評価した。
調製した生地を内径14mmの丸口金で絞り出し、且つワイヤーカッティングを行い一個3gとし、手で丸め、175℃電気式フライヤー(マッハ機器(株)マッハF3)にてナタネ油を用いフライした。 フライ品は乾燥を防止する為ナイロン包装し1日常温保管後に評価を行った。
フライ品の状態評価:フライ後の状態を5段階評価した
5点:綺麗な球状で形状良好、食する時手が油でベタベタせず乾いた感じで良好
4点:綺麗な球状であるが、若干ばらつきが見られる
3点:やや形状の崩れあり、又やや手油が付着するが合格レベル
2点:形状の崩れ大きく不良、又手が油で汚れ不良
1点:形状の崩れ極端で不良、又手が油で汚れ不良
フライ品の食感評価:フライ後の食感を5段階評価した
5点:適度な弾力と歯切れの良さを有し食べやすい、食感に特徴がある
4点:食感の特徴若干欠ける
3点:食感に新規性と特徴少ない
2点:食感に特徴なく不良
1点:食感に特徴なく、ネタツキあり不良
【0019】
実施例1(A製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は85℃)に薄力粉85部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために薄力粉15部を入れ1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量3.7重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0020】
実施例2(B製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は85℃)に薄力粉85部、強力粉15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量3.7重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0021】
実施例3(C製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は85℃)に薄力粉85部、強力粉15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために薄力粉10部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)5部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量1.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0022】
実施例4(D製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉75部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量9.8重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0023】
実施例5(E製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉75部、強力粉20部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)5部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために薄力粉10部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)5部を入れ(混合前の生地の品温は43℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量2.4重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0024】
上記実施例1〜実施例5の配合及び結果を表1に纏めた。
【表1】
【0025】
実施例6(D製法)
表6に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉85部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れ(混合前の生地の品温は43℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量7.4重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0026】
実施例7(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉65部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)35部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は68℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は44℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)10部を入れ(混合前の生地の品温は41℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量11.1重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0027】
実施例8(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は90℃)に薄力粉65部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)35部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は68℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は44℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を入れ(混合前の生地の品温は41℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量14.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0028】
実施例9(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉65部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)45部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量16.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0029】
実施例10(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉40部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)70部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)10部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量19.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0030】
上記実施例6〜実施例10の配合及び結果を表2に纏めた。
【表2】
【0031】
比較例1
実施例1において使用した原料を用いて、同一の配合でケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)で全部一緒に混合した。得られた大豆蛋白含有生地はベタベタとした軟らかい生地で可塑性がなかった。
【0032】
比較例2
実施例1において、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を強力粉15部に代えた以外は同様な配合で同様な処理を行い大豆蛋白を含有しない生地を得た。この生地について、上記の実施例と同様に生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0033】
比較例3
実施例4において、全卵混合前の分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を強力粉25部に代え、全卵混合後の分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を薄力粉15部に代えた以外は同様な配合で同様な処理を行い大豆蛋白を含有しない生地を得た。この生地について、上記の実施例と同様に生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0034】
比較例4
比較例1又は比較例2の生地に近い配合、製法として、シュー生地があり、通常のシュー生地を表3に示した配合に基づき以下の方法で調製した。表3に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)140部と水160部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は98℃)に薄力粉50部、強力粉50部を入れる。
これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵175部の5分の1に相当する35部を入れ(混合前の混合物の品温は75℃)1分間ミキシング、以後5分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れシュー生地を得た。
この生地について、上記の実施例と同様に生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0035】
比較例5(D製法)
表3に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉40部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)70部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)30部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量22.7重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0036】
上記比較例2〜比較例5の配合及び結果を表3に纏めた。
【表3】
【0037】
実施例11
大豆蛋白含有焼き菓子の調製
(大豆蛋白含有可塑性生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部、上白糖20部、水70部、食塩1部、白ゴマペースト(九鬼産業(株)製、星印純ねりゴマ、No7)10部を沸騰し、薄力粉75部、生地粘り調整用にタピオカデンプンZ300F(日澱化学製)10部、ソヤフィット2000(不二製油(株)、調製豆乳粉末、蛋白含有量63重量%)15部を入れケンウッドミキサーで1分ミキシング、次いで全卵70部、卵黄40部、炭酸水素アンモニウム1部、重炭酸ナトリウム1部を5分間ミキシングしながら徐々に入れ、最後に生地の硬さ調整の為ソヤフィット2000の25部と強力粉20部を入れ1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量6.0重量%)を得た。
(クッキー生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)50部、上白糖20部、PO500(東和化成(株)、分岐オリゴ糖アルコール)20部、食塩1部、黒ゴマペースト(九鬼産業(株)製、星印純ねりゴマ、極細黒)35部をケンウッドミキサーで2分ミキシング、次いで卵白30部、山芋ペースト(摺り下ろした山芋10部と砂糖10部の混合品)20部と煎り黒ゴマ20部を入れミキシング、最後にソヤフィット2000を31部と薄力粉69部を入れミキシングしクッキー生地を得た。
(焼き菓子の調製)
クッキー生地10gを大豆蛋白含有可塑性生地10gで包み二層構造の球状にし、次いでこの生地を細長いスティック状に再成型し、表面に卵を塗り、170℃の電気オーブンにて15分間焼成し高蛋白含有菓子を得た。 この菓子は従来のカリ感のあるクッキーとは異なり、ソフトでほぐれ感が良く、又しとり感の有る焼き菓子であった。
【0038】
実施例12
大豆蛋白含有フライの菓子の調製
(大豆蛋白含有可塑性生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部、上白糖20部、水80部、食塩1部を沸騰し、薄力粉70部、強力粉5部、生地粘り調整用にタピオカデンプン10部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れケンウッドミキサーで1分ミキシング、次いで全卵90部、炭酸水素アンモニウム0.5部、重炭酸ナトリウム0.5部を5分間ミキシングしながら徐々に入れ、最後に生地の硬さ調整の為分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部と強力粉20部を入れ1分間ミキシングし大豆蛋白可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量6.9重量%)を得た。
(クッキー生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)50部、上白糖50部、食塩0.5部をケンウッドミキサーで2分ミキシング、次いで全卵(正味)15部を入れミキシング、最後に薄力粉85部と分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部入れミキシングしクッキー生地を得た。
(フライ菓子の調製)
クッキー生地3gを大豆蛋白含有可塑性生地3gで包み二層構造の球状生地とし、170℃で5分間フライした。このフライ菓子は従来のドーナツと異なり表面が油でベタベタせず乾いた感じであり、視覚的個性と食感的個性を持ち合わせたフライ菓子であった。
【0039】
【発明の効果】健康に良い大豆蛋白を含有し、製菓・製パン、中華系、調理系食品の生地に使用することができる、ベタツキが防止され、幅広い可塑性を有する加工適性に優れた大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品を提供することが可能になった。
【発明の属する技術分野】本発明は、大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した食品に関し、更に詳しくは健康に良い大豆蛋白を含有し、ベタツキが防止された優れた加工適性を有する大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品に関する。
【0002】
【従来の技術】大豆はアミノ酸バランスの良い良質な蛋白源であって、近年の健康ニーズから大豆利用食品への関心が高まっている。
大豆蛋白の食品への利用としては、畜肉製品、水産練り製品、惣菜等へ利用されており、又、特許文献1では、グリシニン/βーコングリシニンの比率が1.5以上である大豆蛋白質を原料肉に混合または注入することを特徴とする食肉製品の製造法が提案されているし、特許文献2では、魚肉加工品の製造工程において低粘度の大豆蛋白溶液を魚肉塊の組織内に浸透させる方法が提案されている。また、特許文献3では、大豆蛋白を主原料とした豆腐様生地を冷凍処理した後、油で揚げて得られる大豆加工食品が提案されており、健康に良い素材だけにより幅広い食品分野への利用が更に望まれる。
従来、製菓・製パン、中華系食品の生地としては、小麦粉主体のクッキー生地、シュー生地、ケーキ生地、パン生地、パイ生地、ギョウザ生地等があるが、生地の加工としてはクッキー生地、シュー生地、ケーキ生地は絞りが出来るが、包あんが難しかったり、パン生地、パイ生地、ギョウザ生地は包あんができるが、絞りが難しかったりして加工適性に限界があった。
特許文献4では、大豆蛋白、脂質、炭水化物及び水を含有し、大豆蛋白と脂質と炭水化物の組成比がそれぞれ1.2〜2.5:1:0.3〜1(重量比)であり且つ水分含量が60〜80重量%である生地をシート状に成形し、加熱することを特徴とする大豆蛋白含有シート状食品の製造方法が提案されているが、シート状だけに利用分野に限界があった。
【0003】
【特許文献1】特開平10−155455号公報
【特許文献2】特開2000−287646号公報
【特許文献3】特開平9−56354号公報
【特許文献4】特開平9−28304号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、健康に良い大豆蛋白を含有し、製菓・製パン、中華系、調理系食品の生地に使用することができる、ベタツキが防止され、幅広い可塑性を有する加工適性に優れた大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題に対して従来の製菓・製パン、中華系食品の生地配合、製造法を追試検討し更にそれらを参考にして数多い試行錯誤を繰り返した結果、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類の原料の組み合わせの方法において得られた新しい知見に基づいて本発明は完成されたものである。
即ち本発明の第1は、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することを特徴とする大豆蛋白含有可塑性生地の製造法である。第2は、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合する方法において、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方である、第1記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法である。第3は、上記方法において、以下の5つの方法、A,B,C,D,Eの何れかの方法を採る、第1又は第2記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法である。
(A)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類を混合する
(B)穀粉類を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(C)穀粉類を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
(D)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(E)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
第4は、大豆蛋白が分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末、大豆粉、脱脂大豆粉、黄粉から選択されるものであって、大豆蛋白質の使用量が固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%である、第1乃至第3何れか1に記載の可塑性生地の製造法である。第5は、上記可塑性生地を加熱することを特徴とする食品の製造法である。第6は、加熱が焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択される、第5記載の食品の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法としては、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することが必要である。これら原料を一度に一緒に混合した場合には、混合物の生地はベタベタとした軟らかいものになり、本願発明の期待する可塑性生地が得難くなる。
【0007】油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合するわけであるが、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方を採用するのが好ましい。具体的には以下の5つの方法、A,B,C,D,Eの何れかの方法を採るのが好ましい。
(A)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類を混合する
(B)穀粉類を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(C)穀粉類を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
(D)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(E)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
【0008】本発明の油脂類としては、動植物性油脂及びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物或いはこれらのものに種々の化学処理又は物理処理を施したものが例示できる。かかる油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂(融点10〜40℃程度のもの)が例示できる。具体的にはマーガリン、ショートニングが例示できる。更に油脂の融点としては20〜38℃のものが生地の風味、加工適性という点で好ましい。
【0009】本発明の穀粉類としては、小麦粉類、米粉類、そば粉類、とうもろこし粉、ライ麦粉等であり、澱粉としてはコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉の天然澱粉等をはじめ、アルファー化澱粉、エーテル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉等の加工澱粉が例示でき、これらの単独または2種以上を混合使用することができる。生地の加工適性と風味の点で小麦粉が好ましい。小麦粉類としては、薄力粉、中力粉、強力粉が例示できる。
【0010】本発明の卵類としては、全卵、卵黄、卵白、またはこれらの加糖卵、冷凍卵が例示でき、これらの単独または2種以上を混合使用することができる。
本発明の水としては、水そのものであっても良いが、水性成分であっても良い。
【0011】本発明の大豆蛋白としては、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末、大豆粉、脱脂大豆粉、黄粉が例示でき、これらの単独または2種以上を適宜選択使用することができる。例示した大豆蛋白のうちでは分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末が大豆蛋白質含有量が高い点で好ましい。
【0012】油脂及び水を含む混合物に大豆蛋白を混合するわけであるが、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方を採用するのが好ましい。その場合において、卵類を混合する際の混合物の温度は卵類中の蛋白質の熱変性のし難い温度50〜75℃の温度範囲、好ましくは50〜65℃の温度範囲で混合するのが好ましい。大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合の場合、混合の際の混合物の温度は60℃以上、好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上で混合するのが好ましい。60℃以上の温度で混合することにより、大豆蛋白は充分に分散・溶解し、大豆蛋白の有する乳化力、保水力、保油力が働き、80℃以上ではゲル化力も働き、生地に可塑性が与えられ優れた加工適性を得ることができ、加熱処理後の生地の安定化を図ることが出来る。大豆蛋白質の使用量としては、固形分換算量で最終得られる可塑性生地に対して1〜17重量%、好ましくは1〜10重量%が好ましい。大豆蛋白の混合が卵類を混合した後の後混合の場合は、混合の際の混合物の温度は40〜65℃、好ましくは40〜55℃の温度範囲で混合するのが好ましい。大豆蛋白の使用量としては、固形分換算量で最終得られる可塑性生地に対して1〜12重量%、好ましくは1〜7重量%が好ましい。前混合若しくは後混合又は双方の混合において最終得られる大豆蛋白質の使用量としては、固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは3〜19重量%が好ましい。下限未満の場合は使用効果が得がたくなり、上限を超える場合は生地が硬くなり加工適性が悪くなり、加熱処理後は油脂が分離しやすくなる。
大豆蛋白質の含有量は可塑性生地に対する固形分換算量であって、分析は「新食品分析ハンドブック、平成12年11月20日初版発行、発行所(株)KENPAKUSHA」のp24記載のケルダール法により測定した。
【0013】本発明の大豆蛋白含有可塑性生地は、油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類の混合物であって、乳化系としてはO/W型乳化系とW/O型乳化系が混在したものと推察している。
これらの乳化系のバランスは各々の原料の組成比に依存するのは当然のことであるが、大豆蛋白の混合時期と混合時の温度及び使用量がこれらの乳化系のバランスに大きく寄与している。大豆蛋白の混合時期が卵類を混合する前の前混合の場合は、混合する際の温度は60℃〜100℃の高い温度範囲で混合するので大豆蛋白の有する乳化力、保水力、保油力、ゲル化力が働き、生地の可塑性と加熱処理した後の生地の形状を安定化することが出来る。大豆蛋白の混合時期が卵類を混合した後の後混合の場合は、40℃〜60℃の低い温度範囲で混合するので大豆蛋白の有するる乳化力、保水力、保油力が働き、生地の可塑性と加熱処理した後の生地の食感が良くなる。本願発明の可塑性生地を得るためには、大豆蛋白の混合は前混合の方が後混合よりも好ましい。大豆蛋白含有可塑性生地の加工適性の調整と加熱処理後の生地の形状、食感の調整という点で、大豆蛋白の混合時期は前混合と後混合を併用するのが好ましい。
【0014】本発明でいう可塑性とは、適度な硬さと粘りを有し、且つベタベタしない切れの良い物性を意味する。 具体的は、生地を一定の直径でノズルから安定に絞り出すことが出来、絞りだし直後にワイヤー等でスムーズにカッティング出来る硬さであり、又手作業、包餡機等にて他の生地や具材、フィリング等を包むことが出来る硬さを意味し、可塑性はレオメーターによる硬さで表すことが出来る。 レオメータの数値としては、規定の方法により温度は品温20℃で実施し、30〜300g/0.785cm2、好ましくは40〜250g/0.785cm2、更に好ましくは50〜210g/0.785cm2が好ましい。
【0015】上記の大豆蛋白含有可塑性生地を使用して、加熱方法が、焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択された方法により多様な食品を得ることができる。
具体的には、本発明の大豆蛋白含有可塑性生地を使用し焼成加熱された食品としては、餡等の耐熱フィリングを包み通常の方法で焼成することによって洋風和菓子を得ることが出来る。また、蒸し物としては、中心層に調理具材を配し、更その具材を大豆蛋白含有可塑性生地で包み具材の水分ドリップを防止し、これをパン生地で包み蒸した蒸しまんじゅう類などを得ることが出来る。
フライした菓子としては、同大豆蛋白含有可塑性生地で一般のクッキー生地を包みフライした半生菓子、或いは大豆蛋白含有可塑性生地単独をフライし更に乾燥処理を行い水分量を調整した乾き菓子を得ることが出来る。
調理系の食品への使用としては、シユーマイ、ハンバーグ等の具材を大豆蛋白含有可塑性生地で包みフライし新規なシューマイ、新規なハンバーグを得ることが出来る。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
本願発明の方法で得た大豆蛋白含有可塑性生地を以下の方法と基準で、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。
(生地評価)
調製した生地の状態を、生地のベタツキ状態、生地の可塑性状態、生地の硬さの3項目で評価した。
・生地のベタツキ状態
生地のベタツキ状態を以下の基準に基づいて5段階で官能評価した。
5点:手にベタベタと付着せず、切れも良く特に作業性の良い生地
4点:ベタベタせず作業性の良い生地
3点:やや手に付着するが、手粉を使用することで作業可能な生地
2点:ベタベタとし作業性が劣る
1点:ベタベタと手に激しく付着し作業性出来ない生地
・生地の可塑性状態
生地の可塑性状態を以下の基準に基づいて5段階で官能評価した。
5点:適度な粘りと可塑性を有し薄く延び易く特に良好な生地
4点:適度な粘りと可塑性を有し良好な生地
3点:作業可能であり標準的な生地
2点:可塑性劣る生地
1点:流動状態で軟らかすぎ、可塑性ない生地
・生地の硬さ
生地の硬さをレオメーター(不動工業株式会社)を用いて測定した。
測定条件は、サンプル容器;55mm内径、高さ31mm、プランジャー;10mm直径、送り速度台5cm/分、2cm進入したときのプランジャーにかかる加重g/0.785cm2を硬さとして測定した。 温度は品温20℃で実施し、特に柔らかい場合はスケール200g(測定範囲0〜200g)、比較的硬い場合はスケール(0〜2000g)で測定した。
【0017】
(焼成評価)
調製した生地12gで市販の練り餡50(ソントン食品工業社製)6gを包み、170℃電気オーブンで15分間焼成。 乾燥を防止する為ナイロン包装し1日常温保管後に下記評価を行った。
焼成後の形状状態を5段階評価した。
5点:きれいな饅頭様、半球状に焼成され良好
4点:まずまずの形状で良好
3点:やや形状の崩れあるが合格レベル
2点:形状の崩れあり不良
1点:形状の崩れ極端で不良
焼成後の食感を5段階評価
5点:ネタツキなく喉ごしも良好、適度な弾力と歯切れを有する食感
4点:食感の特徴やや欠けるが良好
3点:食感に特徴少ない
2点:特徴のない食感
1点:ネタツキあり不良、或いは固過ぎ不良
【0018】
(フライ評価)
以下の方法でフライし評価した。
調製した生地を内径14mmの丸口金で絞り出し、且つワイヤーカッティングを行い一個3gとし、手で丸め、175℃電気式フライヤー(マッハ機器(株)マッハF3)にてナタネ油を用いフライした。 フライ品は乾燥を防止する為ナイロン包装し1日常温保管後に評価を行った。
フライ品の状態評価:フライ後の状態を5段階評価した
5点:綺麗な球状で形状良好、食する時手が油でベタベタせず乾いた感じで良好
4点:綺麗な球状であるが、若干ばらつきが見られる
3点:やや形状の崩れあり、又やや手油が付着するが合格レベル
2点:形状の崩れ大きく不良、又手が油で汚れ不良
1点:形状の崩れ極端で不良、又手が油で汚れ不良
フライ品の食感評価:フライ後の食感を5段階評価した
5点:適度な弾力と歯切れの良さを有し食べやすい、食感に特徴がある
4点:食感の特徴若干欠ける
3点:食感に新規性と特徴少ない
2点:食感に特徴なく不良
1点:食感に特徴なく、ネタツキあり不良
【0019】
実施例1(A製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は85℃)に薄力粉85部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために薄力粉15部を入れ1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量3.7重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0020】
実施例2(B製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は85℃)に薄力粉85部、強力粉15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量3.7重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0021】
実施例3(C製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は85℃)に薄力粉85部、強力粉15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために薄力粉10部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)5部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量1.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0022】
実施例4(D製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉75部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量9.8重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0023】
実施例5(E製法)
表1に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉75部、強力粉20部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)5部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために薄力粉10部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)5部を入れ(混合前の生地の品温は43℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量2.4重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表1に纏めた。
【0024】
上記実施例1〜実施例5の配合及び結果を表1に纏めた。
【表1】
【0025】
実施例6(D製法)
表6に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉85部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れ(混合前の生地の品温は43℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量7.4重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0026】
実施例7(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉65部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)35部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は68℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は44℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)10部を入れ(混合前の生地の品温は41℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量11.1重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0027】
実施例8(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は90℃)に薄力粉65部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)35部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は68℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は44℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を入れ(混合前の生地の品温は41℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量14.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0028】
実施例9(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉65部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)45部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量16.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0029】
実施例10(D製法)
表2に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉40部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)70部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)10部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量19.2重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表2に纏めた。
【0030】
上記実施例6〜実施例10の配合及び結果を表2に纏めた。
【表2】
【0031】
比較例1
実施例1において使用した原料を用いて、同一の配合でケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)で全部一緒に混合した。得られた大豆蛋白含有生地はベタベタとした軟らかい生地で可塑性がなかった。
【0032】
比較例2
実施例1において、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を強力粉15部に代えた以外は同様な配合で同様な処理を行い大豆蛋白を含有しない生地を得た。この生地について、上記の実施例と同様に生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0033】
比較例3
実施例4において、全卵混合前の分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)25部を強力粉25部に代え、全卵混合後の分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を薄力粉15部に代えた以外は同様な配合で同様な処理を行い大豆蛋白を含有しない生地を得た。この生地について、上記の実施例と同様に生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0034】
比較例4
比較例1又は比較例2の生地に近い配合、製法として、シュー生地があり、通常のシュー生地を表3に示した配合に基づき以下の方法で調製した。表3に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)140部と水160部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は98℃)に薄力粉50部、強力粉50部を入れる。
これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵175部の5分の1に相当する35部を入れ(混合前の混合物の品温は75℃)1分間ミキシング、以後5分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れシュー生地を得た。
この生地について、上記の実施例と同様に生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0035】
比較例5(D製法)
表3に示した配合により、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部と水80部、及び砂糖20部をケンウッドミキサー(アイコー(社)製、KENMIX)の容器に入れガスの直火で沸騰させ、沸騰1分後(混合物の品温は95℃)に薄力粉40部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)70部を入れる。 これら粉類を入れた容器をミキサー本体にセットし、ビーター羽根を用い撹拌速度ダイヤルNo.2にて1分間ミキシングする。 次いで使用する全卵90部の3分の1に相当する30部を入れ(混合前の混合物の品温は70℃)1分間ミキシング、以後3分の1を入れ1分間ミキシングを行う行程を繰り返し(最終に入れる全卵に炭酸水素アンモニウム1部を入れる)、卵の全量を入れる(生地の品温は45℃)。 更に生地の硬さを調整するために分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)30部を入れ(混合前の生地の品温は42℃)1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量22.7重量%)を得た。得られた大豆蛋白含有可塑性生地について、生地評価、焼成評価、フライ評価を行った。その結果を表3に纏めた。
【0036】
上記比較例2〜比較例5の配合及び結果を表3に纏めた。
【表3】
【0037】
実施例11
大豆蛋白含有焼き菓子の調製
(大豆蛋白含有可塑性生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部、上白糖20部、水70部、食塩1部、白ゴマペースト(九鬼産業(株)製、星印純ねりゴマ、No7)10部を沸騰し、薄力粉75部、生地粘り調整用にタピオカデンプンZ300F(日澱化学製)10部、ソヤフィット2000(不二製油(株)、調製豆乳粉末、蛋白含有量63重量%)15部を入れケンウッドミキサーで1分ミキシング、次いで全卵70部、卵黄40部、炭酸水素アンモニウム1部、重炭酸ナトリウム1部を5分間ミキシングしながら徐々に入れ、最後に生地の硬さ調整の為ソヤフィット2000の25部と強力粉20部を入れ1分間ミキシングし大豆蛋白含有可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量6.0重量%)を得た。
(クッキー生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)50部、上白糖20部、PO500(東和化成(株)、分岐オリゴ糖アルコール)20部、食塩1部、黒ゴマペースト(九鬼産業(株)製、星印純ねりゴマ、極細黒)35部をケンウッドミキサーで2分ミキシング、次いで卵白30部、山芋ペースト(摺り下ろした山芋10部と砂糖10部の混合品)20部と煎り黒ゴマ20部を入れミキシング、最後にソヤフィット2000を31部と薄力粉69部を入れミキシングしクッキー生地を得た。
(焼き菓子の調製)
クッキー生地10gを大豆蛋白含有可塑性生地10gで包み二層構造の球状にし、次いでこの生地を細長いスティック状に再成型し、表面に卵を塗り、170℃の電気オーブンにて15分間焼成し高蛋白含有菓子を得た。 この菓子は従来のカリ感のあるクッキーとは異なり、ソフトでほぐれ感が良く、又しとり感の有る焼き菓子であった。
【0038】
実施例12
大豆蛋白含有フライの菓子の調製
(大豆蛋白含有可塑性生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)60部、上白糖20部、水80部、食塩1部を沸騰し、薄力粉70部、強力粉5部、生地粘り調整用にタピオカデンプン10部、分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部を入れケンウッドミキサーで1分ミキシング、次いで全卵90部、炭酸水素アンモニウム0.5部、重炭酸ナトリウム0.5部を5分間ミキシングしながら徐々に入れ、最後に生地の硬さ調整の為分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部と強力粉20部を入れ1分間ミキシングし大豆蛋白可塑性生地(生地全体に対して固形分換算での大豆蛋白質含量6.9重量%)を得た。
(クッキー生地の調製)
マーガリン(不二製油株式会社製、商品名:パリオール500、油分80.7重量%、融点30.5℃)50部、上白糖50部、食塩0.5部をケンウッドミキサーで2分ミキシング、次いで全卵(正味)15部を入れミキシング、最後に薄力粉85部と分離大豆蛋白(不二製油株式会社製、商品名:プロリーナ250;大豆蛋白質含量89重量%)15部入れミキシングしクッキー生地を得た。
(フライ菓子の調製)
クッキー生地3gを大豆蛋白含有可塑性生地3gで包み二層構造の球状生地とし、170℃で5分間フライした。このフライ菓子は従来のドーナツと異なり表面が油でベタベタせず乾いた感じであり、視覚的個性と食感的個性を持ち合わせたフライ菓子であった。
【0039】
【発明の効果】健康に良い大豆蛋白を含有し、製菓・製パン、中華系、調理系食品の生地に使用することができる、ベタツキが防止され、幅広い可塑性を有する加工適性に優れた大豆蛋白含有可塑性生地の製造法及びそれを使用した焼き菓子、フライ食品、蒸し食品等の食品を提供することが可能になった。
Claims (6)
- 油脂類、水、穀粉類、大豆蛋白及び卵類を含む可塑性生地の製造法において、油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合することを特徴とする大豆蛋白含有可塑性生地の製造法。
- 油脂類及び水を含む混合物に穀粉類、大豆蛋白、卵類を混合する方法において、大豆蛋白の混合が卵類を混合する前の前混合か、又は卵類を混合した後の後混合かの何れか一方又は双方である、請求項1記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法。
- 上記方法において、以下の5つの方法、A,B,C,D,Eの何れかの方法を採る、請求項1又は請求項2記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法。
(A)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類を混合する
(B)穀粉類を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(C)穀粉類を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する
(D)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、大豆蛋白を混合する
(E)穀粉類及び大豆蛋白を混合し、卵類を混合後、穀粉類及び大豆蛋白を混合する - 大豆蛋白が分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、調整豆乳粉末、大豆粉、脱脂大豆粉、黄粉から選択されるものであって、大豆蛋白質の使用量が固形分換算量で可塑性生地全体に対して1〜22重量%である、請求項1乃至請求項3何れか1項に記載の大豆蛋白含有可塑性生地の製造法。
- 上記可塑性生地を加熱することを特徴とする食品の製造法。
- 加熱が焼成、蒸し、フライ、マイクロ波から選択される、請求項5記載の食品の製造法。
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