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JP2004286963A - 投射型表示装置 - Google Patents

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JP2004286963A JP2003077364A JP2003077364A JP2004286963A JP 2004286963 A JP2004286963 A JP 2004286963A JP 2003077364 A JP2003077364 A JP 2003077364A JP 2003077364 A JP2003077364 A JP 2003077364A JP 2004286963 A JP2004286963 A JP 2004286963A
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Abstract

【課題】装置の複雑化、大型化を招くことなく、色再現範囲を拡大することのできる投射型表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の投射型表示装置201は、光源220と、光源220から射出される光を異なる色の色光に時間的に分離する色分離手段(カラーホイール216)と、色分離手段によって分離された色光を変調する光変調手段(液晶ライトバルブ216)とを備えている。そして、前記色分離手段が、光源からの光を4原色以上の色光に時間的に分離するカラーホイールで構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面で複数人が同時に見ることができる画像表示装置として投射型表示装置が開発され、実用化されている。投射型表示装置は、光源光を例えば液晶パネルを用いた光変調装置により変調して画像光とし、この画像光をスクリーン等の画像表示部に投影して表示するものである。投射型表示装置は、通常、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の加法混色により様々な色を再現している。この場合、画像表示において再現可能な色の範囲(色再現範囲)は、3次元の色空間で3原色の色ベクトルの和として表される領域に限られる。近年、投射型表示装置においては用途の多様化に伴って画像の表現力が向上しており、例えば微妙な色合いの表現が求められている。つまり、色再現範囲の拡大が要求されている。色再現範囲を拡大するには、原色の彩度を高める方法がある。しかし、原色の彩度を高めるためには原色の波長域を狭め、単色光に近づける必要があるため、レーザー光などの特殊な光源を用いない限り、光の利用効率が低下してしまう。そこで、表示に用いる原色の数を増やすことによって色再現範囲を拡大する試みがなされている。
【0003】
多原色表示装置の具体的な構成としては、下記の特許文献1に、色再現範囲の異なる2台のプロジェクタを並べて配置し、これらプロジェクタの画像を合成することで実質的に4原色による表示を行うことが開示されている。なお、輝度を向上させる方法として、R、G、Bの各色に白色を入れた4色で表示を行う投射型表示装置の例が、下記の特許文献2に開示されている。また、特に白黒画像の輪郭部分で3原色が分離する「カラーブレイク」と呼ばれる表示不良を防止するために、3原色を1フレーム内で2回以上表示する投射型表示装置の例が、下記の特許文献3に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−338950号公報
【特許文献2】
特開平5−273673号公報
【特許文献3】
特開平11−327492号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に記載された多原色表示装置は、2台のプロジェクタを並べて配置し、これらプロジェクタから得られる個々の画像をスクリーン上で合成するものであるため、レンズ収差などの影響で画像の位置合わせが非常に難しいという問題があった。また、装置全体が大きいものとなり、小型の投射型表示装置を実現するのが難しいという問題もあった。また、上記の特許文献2,3は、それぞれ輝度の向上、カラーブレイク防止の点で優れるものの、色再現範囲を拡大できるものではなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、装置の複雑化、大型化を招くことなく、色再現範囲を拡大することのできる投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の投射型表示装置は、光源と、前記光源から射出される光を異なる色の色光に時間的に分離する色分離手段と、前記色分離手段によって分離された色光を変調する光変調手段とを備えた投射型表示装置であって、前記色分離手段が、前記光源からの光を4原色以上の色光に時間的に分離するためのカラーホイールを有し、前記カラーホイールが、分離される前記各色光に対応したカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、色分離手段によって分離された4原色以上の色光を光変調手段によって変調し、表示に用いることができるので、例えばR、G、Bの3原色を用いた従来の場合に比べて色再現範囲を拡大することができる。具体的な構成としてはカラーホイール内のカラーフィルターの構成を変えるだけで済むため、装置構成が複雑になったり、大型化するという不具合がない。
【0008】
カラーホイールの分割の仕方については、一つは、前記カラーホイールにより時間的に分離された各色光の射出時間が等しくなる構成とすることができる。
一般に時間的に色分離する構成の場合、ある色の色光を射出させるタイミングと光変調手段がその色光に対応した画像を表示するタイミングを同期させる必要がある。この構成によれば、各色光の射出時間が等しいため、光変調手段がその色光に対応した画像を表示する時間も全て等しくなり、光変調手段の駆動が容易になる。
【0009】
より具体的には、前記カラーホイール内の全てのカラーフィルターの面積が等しい構成とすればよい。
この構成によれば、カラーホイールを一定速度で回転させるだけで、各色光の射出時間が等しい構成を容易に実現することができる。
【0010】
他の一つは、前記カラーホイールにより時間的に分離された各色光の射出時間が少なくとも一部異なる構成とすることができる。例えば、光源光を4色の色光に分離したとすると、4色全ての射出時間が異なってもよいし、3色の射出時間が同一で1色のみ異なる、等でもよい。
この構成によれば、例えば射出時間が長い色光、短い色光の選択によって色再現範囲の調整を行うことができる。
【0011】
より具体的には、前記カラーホイール内の複数のカラーフィルターのうち、少なくとも一部のカラーフィルターの面積が他と異なる構成とすればよい。
この構成によれば、カラーホイールを一定速度で回転させるだけで、各色光の射出時間が異なる構成を容易に実現することができる。
【0012】
特に、前記カラーホイールが、RGBの各色光に分離するカラーフィルターと、前記RGBの各色光とは異なる他の色の色光に分離するカラーフィルターとを有する場合、前記光源からの光を前記RGBの各色光に分離するカラーフィルターの面積を、前記他の色の色光に分離するカラーフィルターの面積に比べて大きくすることが望ましい。ここで言う「RGB」とは、前記光源からの光を分離して、XYZ表色系における色度座標において以下の範囲で表される色である。
R(0.60<x<0.75,0.20<y<0.40)
G(0.00<x<0.30,0.50<y<0.85)
B(0.05<x<0.25,0.00<y<0.20)
より具体的には、下の[表1]中のRGBなどが挙げられる。また、ここで言う「他の色」とは、上記の範囲内で選ばれた一組のRGBとは異なる色を指す。
【0013】
【表1】
Figure 2004286963
【0014】
この構成によれば、RGBを表示する期間が長くなるので、RGBの再現階調数を増やすことができ、また、明るさの低下も抑制できる。さらに、色再現範囲の拡大も可能である。この構成は、従来の3原色による表示を併用する際に好適である。
【0015】
また、色分離手段においては前記光源からの光を、異なる色相の光に分離するとともに一つの色相の光を異なるスペクトルの複数の色光にさらに分離することができる。すなわち、光源光を異なる色相の光、例えばR、G、Bに分離するとともに、その光をさらに異なるスペクトルの色光、例えばR1、R2、G1、G2、B1、B2に分離することができる(つまり、R1とR2、G1とG2、B1とB2は同じ色相ではあるものの、若干スペクトルが異なっている)。その場合、異なるスペクトルの色光に対応するカラーフィルターをカラーホイール内で隣接して配置した構成(すなわち、R1、R2、G1、G2、B1、B2という順に配置)を採用することができる。
この構成によれば、色分離の切り替えが連続的になるので、従来の3原色表示のデータを多原色用に変換せずに表示しても違和感が少なく、3原色/多原色表示の併用を行う際に、3原色/多原色変換処理回路を省略できる。
【0016】
もしくは、異なる色相群内の色光に対応するカラーフィルターをカラーホイール内で周期的に順次配置した構成(すなわち、R1、G1、B1、R2、G2、B2という順に配置)を採用することができる。
この構成によれば、擬似的に時間的色分離の周波数が高くなったことと同等になり、時分割カラー表示において問題となるカラーブレイクを抑制する効果が得られる。
【0017】
また、前記カラーホイールにより時間的に分離された各色光の射出時間の少なくとも一部の期間において前記光変調手段によって黒表示がなされる構成を採用することができる。
この構成によれば、画像の変わり目で黒表示が行われるため、動画擬似輪郭を低減することができ、動画に適した表示を得ることができる。
【0018】
カラーホイールが、光源からの光をRGBに分離するカラーフィルターと他の色に分離するカラーフィルターとを有する場合、黒表示を行う期間を、他の色に分離するカラーフィルターによる各色光の射出時間内に設定してもよい。
この構成の場合、明るい画像を確保しつつ動画擬似輪郭を低減することができ、動画に適した表示を得ることができる。
【0019】
さらにこの場合、他の色に分離するカラーフィルターによる各色光の射出時間内において、黒表示を行うモードと各色光の階調データを表示する通常表示を行うモードとを切替可能に構成してもよい。
この構成によれば、動画向けの表示と色再現範囲を広めた表示(特に静止画に近い画像向け)とを切り替えて使用することができる。
【0020】
もしくは、カラーホイールが、相対的に面積の大きいRGBに分離するカラーフィルターと相対的に面積の小さい他の色に分離するカラーフィルターとを有する場合、黒表示を行う期間を、RGBに分離するカラーフィルターによる各色光の射出時間内の一部の期間に設定してもよい。
この構成によれば、色再現範囲を広めた表示を行いながら動画擬似輪郭を低減することができ、動画に適した表示を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図1〜図4を用いて詳しく説明する。本実施の形態の投射型表示装置は、光変調手段として液晶ライトバルブを用いた投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)の例である。
図1は本実施の形態の投射型表示装置を示す概略構成図、図2は同、投射型表示装置に用いるカラーホイールの正面図、図3は同、カラーホイールの各カラーフィルターの分光特性を示す図、図4は同、投射型表示装置における画面構成の概念図である。
【0022】
本実施の形態の投射型表示装置201は、一つの液晶ライトバルブのみを有する、いわゆる単板式の投射型表示装置であり、色順次(フィールドシーケンシャル)方式によりカラー表示を行うものである。図1に示すように、光源220と、光源220からの出射光を複数の色光に分離するカラーホイール215(色分離手段)と、光源220からの射出光をカラーホイール215のカラーフィルター上に集光する集光レンズ213と、カラーホイール215で分離された色光を変調する透過型の液晶ライトバルブ216(光変調手段)と、カラーホイール215で分離された色光を液晶ライトバルブ216に導く集光レンズ214と、液晶ライトバルブ216により変調された光をスクリーン218に向けて投射する投射レンズ217とから概略構成されている。光源220は、例えば白色光を発光するキセノンランプや超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの光源ランプ211と、光源ランプ211から出射された放射光をほぼ平行な光線束として出射する凹面鏡212とを有している。また、液晶ライトバルブのように偏光を利用するライトバルブ素子においては、図示しない偏光変換素子を例えば光源220と集光レンズ213の間に設けると良い。
【0023】
本実施の形態におけるカラーホイール215の例を図2に示す。この例のカラーホイール215は円盤状でその中心に回転軸を有しており、図示しない駆動手段によって周方向(矢印R方向)に高速回転するように構成されている。カラーホイール215は、周方向に沿ってR1(赤)、R2(赤)、G1(緑)、G2(緑)、B1(青)、B2(青)の色光を透過するカラーフィルターr1,r2,g1,g2,b1,b2が配置されている。カラーフィルターは、例えば薄膜干渉フィルターなどで構成される。このカラーホイール215により、光源ランプ211から射出された白色光が異なる色相の光、例えばR、G、Bに分離され、その中がさらに異なるスペクトルの色光、例えばR1、R2、G1、G2、B1、B2に分離された状態となる。図3に示すように、R1とR2、G1とG2、B1とB2は同じ色相ではあるものの若干スペクトルが異なっており、波長の短い側からB2、B1、G2、G1、R2、R1となる。本実施の形態の場合、一つの色相で異なるスペクトルの色光に対応するカラーフィルターr1とr2,g1とg2,b1とb2を隣接して配置した構成(すなわち、R1、R2、G1、G2、B1、B2という順に配置)を採用している。つまり、赤、赤、緑、緑、青、青という順に配置した。また、各カラーフィルターr1,r2,g1,g2,b1,b2の面積は全て等しく設定されている。
【0024】
また、液晶ライトバルブ216は、図示しない入射側偏光板と液晶パネルと出射側偏光板とを備えている。そして、与えられた画像信号に従って入射光を変調して画像光を出射するように構成されている。一方、カラーホイール215の回転速度が、画像のフレーム表示と同期するように設定されている。
【0025】
本構成の投射型表示装置201において、光源ランプ211から出射された光は、高速回転しているカラーホイール215を透過する際に、R1、R2、G1、G2、B1、B2の6色の色光に時分割的に分離される。したがって、液晶ライトバルブ216には、R1、R2、G1、G2、B1、B2の6色のそれぞれの色光が高速で切り替わりながら入射され、図4に示すように、それぞれの色光に対応する画像が高速で切り替わりながら、スクリーン218上に投射される。そして6色の画像を見る人の網膜上で混合して任意の色として知覚させることにより、多原色によるカラー表示を実現している。
【0026】
本実施の形態の投射型表示装置201によれば、カラーホイール215によって分離された6原色の色光R1、R2、G1、G2、B1、B2を液晶ライトバルブ216によって変調し、表示に用いることができるので、例えばR、G、Bの3原色を用いた従来の場合に比べて色再現範囲を拡大することができる。、その結果、従来なし得なかった微妙な色合いを表現できるようになり、表現力豊かな画像を得ることができる。そして、6色の色光R1、R2、G1、G2、B1、B2を作り出すのにカラーホイール215のカラーフィルターの構成を変えるだけで済むため、装置構成が複雑になったり、大型化するという不具合がない。
【0027】
特に本実施の形態においては、カラーホイール215内の6色のカラーフィルターr1,r2,g1,g2,b1,b2の面積が全て等しいため、カラーホイール215を一定速度で回転させると各色光の射出時間が全て等しくなる。一般にカラーホイールを備えた構成の場合、任意の色の色光を射出させるタイミングとライトバルブがその色光に対応した画像を表示するタイミングを同期させる必要がある。その点、本実施の形態では各色光R1、R2、G1、G2、B1、B2の射出時間が等しいため、液晶ライトバルブ216がその色光に対応した画像を表示する時間も全て等しくなり、液晶ライトバルブ216の駆動が容易になる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、光源光をR1、R2、G1、G2、B1、B2の6色の色光に分離する例を挙げ、特に具体的な波長域については触れなかったが、各色相群の2色のうちのいずれか一方、例えばR1、G1、B1に対応するカラーフィルターr1,g1,b1を、NTSC、PAL、SECAM、HDTV(sRGB)、RGB表色系などで用いられるRGBに光源光を分離するカラーフィルターとすることができる。
【0029】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態について、図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態の投射型表示装置に用いるカラーホイールの正面図である。本実施の形態の投射型表示装置の基本構成は第1の実施の形態と全く同様であって、カラーホイールの構成が異なるのみである。よって、以下では図5を用いてカラーホイールについてのみ説明し、他の共通部分の説明は省略する。
【0030】
第1の実施の形態では、一つの色相内で異なるスペクトルの色光に対応するカラーフィルターを隣接して配置した構成(すなわち、R1、R2、G1、G2、B1、B2という順に配置)とした。これに対して、本実施の形態のカラーホイール225では、図5に示すように、任意の色光用のカラーフィルターが同じ色相でスペクトルが異なる他の色光用のカラーフィルターを飛び越え、異なる色相の色光用のカラーフィルターに隣接するように、赤、緑、青、赤、緑、青と並ぶようにした。カラーフィルターr1,g1,b1,r2,g2,b2を周期的に順次配置した構成(すなわち、カラーホイール225の周方向にR1、G1、B1、R2、G2、B2という順に配置)とした。
【0031】
本実施の形態の構成によれば、擬似的には3原色の時間的色分離の周波数が2倍になったことと同等になり、時分割カラー表示において問題となるカラーブレイクを抑制する効果を得ることができる。
【0032】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態について、図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態の投射型表示装置における画面構成の概念図である。本実施の形態の投射型表示装置の基本構成およびカラーフィルターの構成は第1の実施の形態と全く同様であり、液晶ライトバルブ側の表示方法が異なるのみである。よって、以下では図6を用いて表示方法についてのみ説明し、他の共通部分の説明は省略する。
【0033】
第1の実施の形態では、光源光を時分割して得た各色光R1、R2、G1、G2、B1、B2を液晶ライトバルブ216に時間順次に入射し、液晶ライトバルブ216において各色光に対応する画像を全て忠実に表示していた。これに対して、本実施の形態では、カラーホイールの構成は第1の実施の形態と同様であるが、上述したように、R1、R2、G1、G2、B1、B2の6色のうち、R1、G1、B1に対応するカラーフィルターr1,g1,b1が、NTSC、PAL、SECAM、HDTV(sRGB)、RGB表色系などで用いられるRGBに光源光を分離するように設定されている。そして、図6に示すように、R1,G1,B1の色光が射出される期間では液晶ライトバルブ216は通常の表示を行うが、それ以外のR2,G2,B2の色光が射出される期間では通常の表示を行わず、全面黒表示を行う。
【0034】
本実施の形態の構成によれば、RGB以外の他の色に分離するカラーフィルターr2,g2,b2で色分離している期間で黒画面を表示しているため、動画擬似輪郭を低減することができ、動画に適した表示を得ることができる。さらに、R2,G2,B2の色光が射出される期間で黒表示を行うモードとこれら色光R2,G2,B2に対応した画像を表示するモードを切り替える構成とすれば、動画向けの表示と色再現範囲を広めた表示(特に静止画に近い画像向け)とを切り替えて使用することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態で用いたのと同様のカラーホイール215を用い、図6に示したように、R1に対応した画像、黒表示、G1に対応した画像、黒表示、B1に対応した画像、黒表示、…という順で表示する例を挙げた。これ以外、例えば第2の実施の形態で用いたのと同様のカラーホイール225(図5)を用い、R1に対応した画像、G1に対応した画像、B1に対応した画像、黒表示、黒表示、黒表示、…という順で表示する構成としてもよい。
【0036】
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態について、図7を用いて説明する。
図7は、本実施の形態の投射型表示装置に用いるカラーホイールの正面図である。本実施の形態の投射型表示装置の基本構成は第1の実施の形態と全く同様であって、カラーホイールの構成が異なるのみである。よって、以下では図7を用いてカラーホイールについてのみ説明し、他の共通部分の説明は省略する。
【0037】
第1の実施の形態では、各カラーフィルターr1、r2、g1、g2、b1、b2の面積は全て等しく設定されていたのに対し、本実施の形態のカラーホイール230では各カラーフィルターr1、r2、g1、g2、b1、b2は全て同じ面積ではなく、NTSC、PAL、SECAM、HDTV(sRGB)、RGB表色系などで用いられるRGBに光源光を分離するカラーフィルターr1、g1、b1の面積が、他のカラーフィルターr2、g2、b2の面積に比べて大きく設定されている。すなわち、色分離の各色光の射出時間が均等でなく、重み付けがなされている。
【0038】
本実施の形態の構成によれば、前記RGBに分離するカラーフィルターr1,g1,b1で色分離されている期間のライトバルブの再現階調数を、その他のカラーフィルターr2,g2,b2で色分離されている期間のライトバルブの再現階調数よりも大きくすることができる。その結果、色再現範囲を広げることができるとともに、再現階調数が大きくなることで明るさの表現範囲を広げることができる。また、従来の3原色の撮像システムで撮影された3原色の画像データを表示する場合、3原色R1,G1,B1で色分離する期間が長いので、多原色で色分離する期間が全て等しい第1の実施の形態よりも輝度の低下が小さくなる。
【0039】
なお、本実施の形態においても、異なる色相の色光に対応するカラーフィルターr1,g1,b1,r2,g2,b2を周期的に順次配置した構成(すなわち、カラーホイールの周方向にR1、G1、B1、R2、G2、B2という順に配置)を採用してもよい。また、第3の実施の形態と同様に、カラーフィルターr2,g2,b2で色分離している期間で黒画面を表示することで動画疑似輪郭を低減し、動画に適した表示を得ることができる。
【0040】
[第5の実施の形態]
以下、本発明の第5の実施の形態について、図8、図9を用いて説明する。
図8は、本実施の形態の投射型表示装置におけるカラーホイールと画面構成の関係を示す図であり、図9は画面構成の概念図である。本実施の形態の投射型表示装置の基本構成は第1の実施の形態と全く同様であり、カラーホイールの構成は第4の実施の形態と同様であるが、液晶ライトバルブ側の表示方法が異なるのみである。よって、以下では図8、図9を用いて表示方法についてのみ説明し、他の共通部分の説明は省略する。
【0041】
第4の実施の形態では、光源光を時分割して得た各色光R1、R2、G1、G2、B1、B2を液晶ライトバルブ216に時間順次に入射し、各色光に対応する画像を全て忠実に表示した。これに対して、本実施の形態では、NTSC、PAL、SECAM、HDTV(sRGB)、RGB表色系などで用いられるRGBに光源光を分離するカラーフィルターの色分離の期間の一部で黒表示を行っている。具体的な手段としては、例えば図8に示すように、カラーホイール235のカラーフィルターr1,g1,b1の一部分sの期間で液晶ライトバルブの表示を黒表示とする。なお、カラーホイール235のカラーフィルターの構成は、図7に示したカラーホイール230と同様である。この場合、図9に示すように、R1に対応した画像、黒表示、R2に対応した画像、黒表示、G1に対応した画像、黒表示、G2に対応した画像、黒表示、B1に対応した画像、黒表示、B2に対応した画像、黒表示、…という順で表示することになる。
【0042】
本実施の形態の構成によれば、RGBに分離するカラーフィルターr1,g1,b1で色分離している期間の一部で黒表示を行っているため、色再現範囲を広めた表示を行いながら動画擬似輪郭を低減することができ、動画に適した表示を得ることができる。また、第1,第2の実施の形態で用いたカラーホイールの構成を用いた場合は、カラーホイールのカラーフィルターr1,r2,g1,g2,b1,b2のそれぞれの一部分の期間に黒表示を行えば、本実施の形態と同様、色再現範囲を広めた表示を行いながら動画擬似輪郭を低減することができ、動画に適した表示を得ることができる。
【0043】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されることなく、適宜変更が可能である。上記実施の形態では、可視光を4色以上の色光に分離する場合、R、G、Bの同じ色相内を2つの波長域に分け、6色の原色を作成したが、例えば4色に分けることとし、可視光の波長域を均等に4分割したカラーホイールを用いる構成としてもよい。また、光変調手段としては、透過型液晶ライトバルブの他、反射型液晶ライトバルブ、DMD(Digital Micromirror Device)等を用いることもできる。特に応答性に優れるDMDは本発明に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の投射型表示装置の示す概略構成図である。
【図2】同、投射型表示装置のカラーホイールを示す正面図である。
【図3】同、カラーホイールの各カラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図4】同、投射型表示装置における画面構成の概念図である。
【図5】本発明の第2実施形態の投射型表示装置のカラーホイールを示す正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態の投射型表示装置における画面構成の概念図である。
【図7】本発明の第4実施形態の投射型表示装置のカラーホイールを示す正面図である。
【図8】本発明の第5実施形態の投射型表示装置におけるカラーホイールと画面構成の関係を示す図である。
【図9】同、投射型表示装置における画面構成の概念図である。
【符号の説明】
201…投射型表示装置、215,225,230,235…カラーホイール(色分離手段)、216…液晶ライトバルブ(光変調手段)、220…光源、r1,r2,g1,g2,b1,b2…カラーフィルター、R1,R2,G1,G2,B1,B2…色光

Claims (12)

  1. 光源と、前記光源から射出される光を異なる色の色光に時間的に分離する色分離手段と、前記色分離手段によって分離された色光を変調する光変調手段とを備えた投射型表示装置であって、
    前記色分離手段が、前記光源からの光を4原色以上の色光に時間的に分離するためのカラーホイールを有し、
    前記カラーホイールが、分離される前記各色光に対応したカラーフィルターを備えたことを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記カラーホイールにより時間的に分離された各色光の射出時間が等しくなる構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 前記カラーホイール内の全てのカラーフィルターの面積が等しいことを特徴とする請求項2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記カラーホイールにより時間的に分離された各色光の射出時間が少なくとも一部異なる構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  5. 前記カラーホイール内の複数のカラーフィルターのうち、少なくとも一部のカラーフィルターの面積が他と異なることを特徴とする請求項4に記載の投射型表示装置。
  6. 前記カラーホイールが、前記光源からの光を、XYZ表色系における色度座標において
    R(0.60<x<0.75,0.20<y<0.40)
    G(0.00<x<0.30,0.50<y<0.85)
    B(0.05<x<0.25,0.00<y<0.20)
    の範囲で表されるRGBの各色光に分離するカラーフィルターと、前記RGBの各色光とは異なる他の色の色光に分離するカラーフィルターとを有し、
    前記光源からの光を前記RGBの各色光に分離するカラーフィルターの面積が、前記他の色の色光に分離するカラーフィルターの面積に比べて大きいことを特徴とする請求項5に記載の投射型表示装置。
  7. 前記光源からの光が、異なる色相の光に分離されるとともに一つの色相の光が異なるスペクトルの複数の色光にさらに分離され、
    分離された前記色光に対応するカラーフィルターが、前記カラーホイール内で隣接して配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  8. 前記光源からの光が、異なる色相の光に分離されるとともに一つの色相の光が異なるスペクトルの複数の色光にさらに分離され、
    分離された前記色光に対応するカラーフィルターが、前記カラーホイール内で周期的に順次配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  9. 前記カラーホイールにより時間的に分離された各色光の射出時間の少なくとも一部の期間において前記光変調手段によって黒表示がなされることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  10. 前記カラーホイールが、前記光源からの光を、XYZ表色系における色度座標において
    R(0.60<x<0.75,0.20<y<0.40)
    G(0.00<x<0.30,0.50<y<0.85)
    B(0.05<x<0.25,0.00<y<0.20)
    の範囲で表されるRGBの各色光に分離するカラーフィルターと、前記RGBの各色光とは異なる他の色の色光に分離するカラーフィルターとを有し、
    前記黒表示がなされる期間が、前記光源からの光を前記他の色の色光に分離するカラーフィルターによる各色光の射出時間内に設定されていることを特徴とする請求項9に記載の投射型表示装置。
  11. 前記光源からの光を前記他の色の色光に分離するカラーフィルターによる各色光の射出時間内において、黒表示を行うモードと通常表示を行うモードとが切替可能とされたことを特徴とする請求項10に記載の投射型表示装置。
  12. 前記カラーホイールが、前記光源からの光を、XYZ表色系における色度座標において
    R(0.60<x<0.75,0.20<y<0.40)
    G(0.00<x<0.30,0.50<y<0.85)
    B(0.05<x<0.25,0.00<y<0.20)
    の範囲で表されるRGBの各色光に分離する相対的に面積の大きいカラーフィルターと、前記RGBの各色光とは異なる他の色の色光に分離する相対的に面積の小さいカラーフィルターとを有し、
    前記黒表示がなされる期間が、前記光源からの光を前記RGBの各色光に分離するカラーフィルターによる各色光の射出時間内の一部の期間であることを特徴とする請求項9に記載の投射型表示装置。
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