JP2004277033A - 印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置を得る。
【解決手段】印刷版の吸着枚葉時には、吸着盤40が、所定の一つに設定された「吸着位置」で待機状態とされる。しかる後に、選択されたカセット38が上昇移動されて「吸着位置」に達する(カセット38が「吸着位置」まで迎えに行く)。これにより、当該カセット38内の印刷版に吸着盤40が接触し、吸着盤40は印刷版12を吸着可能な状態となる。吸着盤40による吸着後には、当該カセット38が降下移動され、印刷版は吸着盤40により持ち上げられて分離枚葉される。
【選択図】 図4
【解決手段】印刷版の吸着枚葉時には、吸着盤40が、所定の一つに設定された「吸着位置」で待機状態とされる。しかる後に、選択されたカセット38が上昇移動されて「吸着位置」に達する(カセット38が「吸着位置」まで迎えに行く)。これにより、当該カセット38内の印刷版に吸着盤40が接触し、吸着盤40は印刷版12を吸着可能な状態となる。吸着盤40による吸着後には、当該カセット38が降下移動され、印刷版は吸着盤40により持ち上げられて分離枚葉される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に記録層(感光層)が設けられた印刷版(例えば、サーマル版、フォトポリマー版などのPS版)を用い、この印刷版の感光層に直接レーザビーム等で画像を記録する技術が開発されてきている(印刷版露光装置)。このような技術では、印刷版への迅速な画像記録が可能となっている。
【0003】
ここで、印刷版への画像記録の技術を用いる印刷版自動露光装置では、多数枚の印刷版が積層してカセット内に収容されているが、印刷版の画像形成面は傷つき易くこの画像形成面の保護のために、印刷版の画像形成面には保護シート(合紙)が重ね合わされ、これらが順次層状に積層されてカセット内に収容されている。印刷版を枚葉する際には、カセット内に積層された複数枚の印刷版のうち最上層の印刷版の一端部を吸盤によって吸着して他と分離し、1枚ずつ取り出して(枚葉して)反転させながら次工程(例えば、露光工程)へ搬送供給するようになっている。
【0004】
また、このような印刷版自動露光装置では、前述の如く多数枚の印刷版を収容したカセットが複数段に積み重ねられて設けられており、各カセット内には異なるサイズの印刷版がそれぞれに収容されている。これにより、所望のサイズの印刷版が収容されたカセットを選択して、当該カセットから印刷版を取り出して枚葉することで、異なる複数サイズの印刷版に画像を記録することができるようになっている。
【0005】
ところで、カセット内に収容された印刷版を吸盤によって吸着し1枚ずつ枚葉して次工程の被供給部へ搬送供給するに際しては、複数のカセットのうち選択した1つのカセットをカセット収納部より自動給版機部本体の昇降台に移動し、昇降台を所定の位置(定位置)に上下動させ、その位置(定位置)まで吸着枚葉搬送機構(吸盤やアーム等)を移動させて(所謂、吸盤が迎えに行き)、吸盤が印刷版を吸着した後に、この吸着枚葉搬送機構によって印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給する構成のものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このような従来の印刷版の吸着枚葉搬送機構(方法)では、選択した1つのカセットを所定の位置(定位置)まで移動させた後に、その定位置まで吸着枚葉搬送機構(吸盤)が移動して吸盤の吸着動作が実施される構成であるため、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、当該吸着枚葉搬送機構(吸盤)に伸縮機構(吸盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がある。
【0007】
この場合、前記緊縮機構の最も単純な構成のものとしては、吸盤が所定の吸着位置(定位置)へ移動する際に、吸盤(もしくはその補助部材)が印刷版を押し付ける力の反力でバネを縮めて吸盤の上下移動を吸収し、吸着面の高さ変化に追従できるように構成することが考えられる。しかしながら、このようなバネの伸縮で吸盤の上下移動を吸収する構成では、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることがあるため好ましくない。特に、「めくり反転(めくり動作及び反転動作を併用する吸着枚葉)」を実施する場合は、上下方向の移動と水平方向の移動が同時に行われるため、押し付けの際に印刷版をずらしてしまい、前記傷発生の可能性が大きい。
【0008】
一方、前述の如き複数のカセットのうち選択した1つのカセット内に収容された印刷版を吸盤によって吸着し1枚ずつ枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する場合に、選択された一つのカセットを他のカセットとは独立して単に水平方向に引き出し、吸着枚葉搬送機構(吸盤)がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動して(吸盤が迎えに行き)、吸盤の吸着動作を実施し、吸着後に印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給するように構成することが考えられる。
【0009】
しかしながら、このような構成では、複数のカセットの全ての引き出し位置(吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち、全ての吸着位置に吸盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないように、搬送軌跡を設定・実現する必要がある。このため、複雑なアーム機構や位置制御が必要で装置が複雑になり、装置の小型化や低コスト化は困難である。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−351460号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の印刷版の吸着枚葉方法は、印刷版がそれぞれに収容されると共に所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねられた複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法であって、所定の一つに設定された吸着位置で前記吸着盤を待機させ、前記待機する吸着盤が前記印刷版を吸着可能状態となるまで前記選択された一つのカセットを移動させることで前記吸着盤を吸着可能状態とし、しかる後に、当該カセット内の印刷版を前記吸着盤によって吸着して枚葉する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項1記載の印刷版の吸着枚葉方法では、吸着盤による吸着位置が所定の一つに設定される。この一つに設定された吸着位置で吸着盤が待機される。
【0014】
次いで、選択された一つのカセットが、待機する吸着盤が印刷版を吸着可能状態となるまで移動され(当該カセットが吸着位置まで迎えに行き)、これにより、吸着盤が吸着可能状態となる。しかる後に、当該カセット内の印刷版が吸着盤によって吸着されて枚葉され、次工程の被供給部へ搬送供給される。
【0015】
このように、吸着盤の待機位置(すなわち、吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)構成であるため、吸着盤に、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセットの移動機構のみで装置構成が成立するため、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることもない。
【0016】
さらに、吸着盤がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤が各吸着位置へ迎えに行く構成)ではないため、複数のカセットの全ての引き出し位置(すなわち、異なる吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0017】
このように、請求項1記載の印刷版の吸着枚葉方法では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0018】
請求項2に係る発明の印刷版の吸着枚葉方法は、印刷版がそれぞれに収容されると共に所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねられた複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法であって、前記選択された一つのカセットを、他のカセットとは独立して水平方向に引き出した後に吸着準備位置まで上下移動させて準備状態とすると共に、前記吸着盤を所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動させて待機させ、次いで、前記準備状態のカセットを、前記吸着位置で待機する前記吸着盤が前記印刷版を吸着可能状態となるまで上昇させて保持し、前記保持したカセット内の印刷版を前記吸着盤によって吸着し、前記吸着後に、前記保持したカセットを所定の待避位置まで一旦降下させた後に、前記吸着盤によって吸着した前記印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給する、ことを特徴としている。
【0019】
請求項2記載の印刷版の吸着枚葉方法では、吸着盤による吸着位置が所定の一つに設定される。
【0020】
吸着枚葉の際には、選択された一つのカセットが、他のカセットとは独立して水平方向に引き出された後に吸着準備位置まで上下移動されて準備状態とされると共に、吸着盤が前記所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動されて待機される。
【0021】
次いで、前記準備状態のカセットが、吸着位置で待機する吸着盤が印刷版を吸着可能状態となるまで上昇されて保持され(当該カセットが吸着位置まで迎えに行き)、これにより、吸着盤が吸着可能状態となる。しかる後に、保持されたカセット内の印刷版が吸着盤によって吸着されて枚葉され、吸着後には、保持したカセットが所定の待避位置まで一旦降下された後に、吸着盤によって吸着枚葉した印刷版が次工程の被供給部へ搬送供給される。
【0022】
このように、吸着盤の待機位置(すなわち、吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)構成であるため、吸着盤に、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセットの上下移動機構のみで装置構成が成立するため、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることもない。
【0023】
さらに、吸着盤がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤が迎えに行く構成)ではないため、複数のカセットの全ての引き出し位置(すなわち、異なる吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0024】
このように、請求項2記載の印刷版の吸着枚葉方法では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0025】
なお、選択された一つのカセットを水平方向に引き出した後に上下移動させる機構としては、例えば、カセット引出し位置に設けられた昇降台とこの昇降台を上昇降下させる送り螺子機構とによって構成することができ、水平方向に引き出したカセットを当該昇降台に載置させこの状態で送り螺子機構を作動させることで、前記吸着盤の待機位置(吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)ことができる。
【0026】
請求項3に係る発明の印刷版の吸着枚葉装置は、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットを所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねて収容する収容部と、前記収容部に隣接して設けられ、前記印刷版の吸着位置が所定の一つに設定された枚葉部と、前記所定の吸着位置に位置する前記カセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する吸着搬送機構と、前記複数のカセットのうち選択された一つのカセットを他のカセットとは独立して前記枚葉部へ引き出すと共に、前記所定の吸着位置で待機する前記吸着盤が前記印刷版を吸着可能な位置まで当該カセットを移動させて、前記吸着盤を吸着可能状態とするカセット移動機構と、を備えている。
【0027】
請求項3記載の印刷版の吸着枚葉装置では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットは、収容部に複数段に積み重ねられて収容されており、収容部に隣接して設けられた枚葉部には、印刷版の吸着位置が所定の一つに設定されている。
【0028】
ここで、吸着枚葉の際には、吸着搬送機構によって吸着盤が前記所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動されて待機される。さらに、選択された一つのカセットが、カセット移動機構によって他のカセットとは独立して枚葉部へ引き出され、さらに、当該カセットが、カセット移動機構によって、所定の吸着位置で待機する吸着盤が印刷版を吸着可能な位置まで移動され(当該カセットが吸着位置まで迎えに行き)、これにより、吸着盤が吸着可能状態となる。
【0029】
しかる後に、吸着位置に達したカセット内の印刷版が吸着盤によって吸着されて枚葉され、吸着枚葉した印刷版が次工程の被供給部へ搬送供給される。
【0030】
このように、吸着盤の待機位置(すなわち、吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)構成であるため、吸着盤に、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセットの上下移動機構のみで装置構成が成立するため、吸着搬送機構及びカセット移動機構の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることもない。
【0031】
さらに、吸着盤がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤が迎えに行く構成)ではないため、複数のカセットの全ての引き出し位置(すなわち、異なる吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、吸着搬送機構における複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0032】
このように、請求項3記載の印刷版の吸着枚葉装置では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0033】
なお、選択された一つのカセットを枚葉部へ引き出した後に吸着盤が印刷版を吸着可能な位置まで当該カセットを移動させるカセット移動機構としては、例えば、カセット引出し位置に設けられた昇降台とこの昇降台を上昇降下させる送り螺子機構とによって構成することができ、収容部から枚葉部に引き出したカセットを当該昇降台に載置させこの状態で送り螺子機構を作動させることで、前記吸着盤の待機位置(吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)ことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る印刷版の吸着枚葉装置が適用された印刷版自動露光装置10の概略的な全体構成が示されている。
【0035】
この印刷版自動露光装置10は、印刷版12の画像形成層に光ビームを照射して画像を露光する露光部14と、印刷版12を枚葉して前記露光部14へ搬送する吸着枚葉装置としての枚葉搬送部15と、の2つのブロックに分かれている。また、この印刷版自動露光装置10によって、露光処理された印刷版12は、印刷版自動露光装置10に隣接した設置された図示しない現像装置へ送り出されるようになっている。
[露光部14の構成]
露光部14は、印刷版12を周面に巻付けて保持する回転ドラム16を主要部として構成されており、印刷版12は、搬送ガイドユニット18に案内されて、この回転ドラム16の接線方向から送り込まれるようになっている。搬送ガイドユニット18は、給版ガイド20と排版ガイド22とで構成されており、この搬送ガイドユニット18における、枚葉搬送部15との境界側には、搬送ローラ108とガイド板109とが配設されている。
【0036】
搬送ガイドユニット18の給版ガイド20と排版ガイド22とは、互いの相対位置関係が横V字型とされ、図1の右端部側の中心として、所定角度回動する構造となっている。この回動によって、給版ガイド20を選択的に前記回転ドラム16に対応させる位置(回転ドラム16の接線方向に配置させる位置)と、回転ドラム16の上方に設けられたパンチャー24への挿入方向位置とに配置することができる。前記枚葉搬送部15から送り込まれた印刷版12は、まず、給版ガイド20に案内されてパンチャー24へ送り込まれ、この印刷版12の先端に位置決め用の切欠きを形成する。また、印刷版12は、必要に応じてパンチャー24による処理後、一旦給版ガイド20に戻されることで、回転ドラム16に対応する位置に移動される構成である。
【0037】
回転ドラム16は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1の矢印A方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1の矢印B方向)へ回転される。
【0038】
また、回転ドラム16には、外周面の所定の位置に、先端チャック26が取付けられている。露光部14では、この回転ドラム16に印刷版12を装着するときに、先ず、先端チャック26が、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム16を停止させる。
【0039】
さらに、露光部14には、印刷版装着位置で先端チャック26に対向して装着ユニット28が設けられている。先端チャック26は、この装着ユニット28の伸縮ロッド28Aが伸長して一端側が押圧されることにより、回転ドラム16の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。印刷版12の先端が先端チャック26と回転ドラム16の間に挿入された状態で、装着ユニット28の伸縮ロッド28Aを引き戻して先端チャック26への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端チャック26と回転ドラム16の周面との間で挟持して保持する構成である。なお、このときには、印刷版12は、先端が回転ドラム16に設けられた位置決めピン(図示省略)に突き当てられて位置決めされる。回転ドラム16に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム16を装着露光方向へ回転する。これにより、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム16の周面に巻き付けられる構成である。
【0040】
回転ドラム16の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向(図1の矢印A方向)の下流側にスクイズローラ30が配置されている。このスクイズローラ30は、回転ドラム16に向けて移動することにより回転ドラム16に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム16へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム16の周面に密着させることができる。
【0041】
また、露光部14には、先端チャック26よりも回転ドラム16の装着露光方向上流側近傍に後端チャック着脱ユニット32が配置されている。後端チャック着脱ユニット32には、回転ドラム16へ向けて突出されたガイドに沿って後端チャック36が移動するようになっている。回転ドラム16に巻き付けた印刷版12の後端が、後端チャック着脱ユニット32に対向すると、後端チャック36を回転ドラム16方向へ移動させて、後端チャック36を回転ドラム16の所定の位置に装着する。これにより、後端チャック36が、回転ドラム16との間で印刷版12の後端を挟持して保持する構成である。
【0042】
印刷版12の先端及び後端を回転ドラム16に保持させると、スクイズローラ30を離間させる(図1の鎖線参照)。この後、露光部14では、回転ドラム16を所定の回転速度で高速回転させながら、この回転ドラム16の回転に同期させて、記録ヘッド部37から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。これにより、印刷版12が画像データに基づいて走査露光されるようになっている。
【0043】
印刷版12への走査露光が終了すると、印刷版12の後端を保持している後端チャック36が後端チャック着脱ユニット32に対向する位置で回転ドラム16を一時停止させ、回転ドラム16から後端チャック36を取り外す。これにより、印刷版12の後端が開放される。その後、回転ドラム16を印刷版12の取出し方向へ回転させることで、印刷版12は後端側から回転ドラム16の接線方向に沿って、搬送ガイドユニット18の排版ガイド22へ排出され、その後、次工程の現像装置へ搬送される構成である。
[枚葉搬送部15(吸着枚葉装置)の構成]
図1に示す如く、枚葉搬送部15は、枚葉部17及びこの枚葉部17に隣接して設けられた収容部としてのカセットストック部19とによって構成されている。
【0044】
カセットストック部19には、複数のカセット38が所定の間隔で上下に複数段(本実施の形態においては、5段)に積み重ねて収容されており、さらに、図示を省略したレールに沿って枚葉部17へ水平方向に引き出すことができるようになっている。このカセット38には、印刷版12が複数枚収容されている。図2に示す如く、印刷版12は、支持体12Aに乳剤面12B(画像記録面)が形成された構成であり、カセット38内には、印刷版12の乳剤面12B保護用の保護シートとしての合紙13と、乳剤面12Bが下向きとされた印刷版12とが交互に積層されて収容されている。
【0045】
なお、カセットストック部19の最上部には、1個分のカセット38の待避スペース21が設けられており、空になったカセット38内への印刷版12の収容(装填)時に、当該カセット38をこの待避スペース21まで移動させる(位置させる)ことで、カセットストック部19の上方から印刷版12を当該カセット38内に容易に装填することができるようになっている。
【0046】
一方、枚葉部17には、カセット移動機構を構成する昇降台23が設けられている。昇降台23は、同様にカセット移動機構を構成する送り螺子25によって支持されており、この送り螺子25の作動によって上昇移動または降下移動することができる。これにより、昇降台23は、カセットストック部19の各カセット38に対応する位置に上下に移動可能であり、カセットストック部19から水平方向に枚葉部17に引き出されたカセット38を受け取って昇降台23上に載置することができる構成である。
【0047】
また、枚葉部17には、後述する吸着搬送機構50による印刷版12の「吸着位置(上下方向の定位置)」が、所定の一つ(一箇所)に設定されている(図1に示す位置)。ここで、昇降台23上に載置されたカセット38は、送り螺子25の作動によって、前記所定の一つに設定された印刷版12の「吸着位置」へも移動させる(迎えに行く)ことができる構成である(図1に示す状態)。
【0048】
さらに、枚葉部17には、吸着搬送機構50が設けられている。この吸着搬送機構50では、印刷版12の幅方向に沿って複数(例えば、9個))の吸着盤40が所定のピッチ間隔で配設されている。各吸着盤40は、基点70を基準として吊り下げ支持されており、この基点70が昇降台23上のカセット38に沿って図1の左右方向へ略水平移動可能であり、しかも、各基点70は回動可能とされている。これにより、前記吸着盤40は、印刷版12を吸着した後に、水平移動しながら180°回転して印刷版12を表裏反転させながら搬送することができる構成である。
【0049】
またさらに、この吸着搬送機構50では、各吸着盤40は、枚葉部17において前述の如く所定の一つに設定された「吸着位置」に待機可能となっている。したがって、各吸着盤40が前記「吸着位置」に待機している状態で、カセットストック部19から枚葉部17に引き出されて昇降台23上に載置されたカセット38が、昇降台23と共に送り螺子25によって移動されて前記「吸着位置」に達することで(換言すれば、カセット38が迎えに行くことで)、各吸着盤40は当該カセット38内から印刷版12を吸着して枚葉することができる構成である。
【0050】
すなわち、吸着搬送機構50によって各カセット38から印刷版12を持ち出す際には、枚葉部17において所定の一つに設定された「吸着位置」で吸着盤40を待機させ、この待機する吸着盤40が印刷版12を吸着可能状態となるまで、選択された一つのカセットを昇降台23と共に送り螺子25によって移動させることで、各吸着盤40が吸着可能状態となる構成である。
【0051】
この場合、吸着搬送機構50によって各カセット38から印刷版12を持ち出す際には、カセット38内には合紙13と乳剤面12Bが下向きとされた印刷版12とが交互に積層されているため、吸着盤40は、カセット38内の上層側の合紙13に接触することになる。接触した時点で吸着盤40に吸着力を持たせると、上層の合紙13はもちろん、その下層の印刷版12にも吸着力が伝えられ、合紙13と印刷版12とが対(1組)となって(共に同時に)吸着される。
【0052】
吸着後には、昇降台23すなわち当該カセット38は所定の待避位置まで一旦降下して待避し、これにより、カセット38に設けられたさばき板(図示省略)によって、吸着した合紙13及び印刷版12以外の下層の合紙13及び印刷版12から「捌き(分離)」されるようになっている。分離後には、各吸着盤40が水平移動しながら反転して印刷版12を搬送する。各吸着盤40が180°回転すると、図1の状態では下側が合紙13、上側が印刷版12となって、搬送ローラ108へ受け渡されるようになっている。
【0053】
搬送ローラ108の下側のローラ108Aに隣接するローラ107にはベルト56が巻き掛けられている。このベルト56は露光部14の搬送ガイドユニット18近傍に配設された一対のローラ74の右側のローラ74Aにも巻き掛けられている。一対のローラ74の下方には、さらに一対のローラ76が設けられ、ベルト56は、この下方のローラ76の右側のローラ76A、並びに一対の小ローラ78のそれぞれに巻き掛けられ、全体として略L字型のループを形成して図1の矢印D方向へ駆動する。
【0054】
なお、上方の一対のローラ74の左側のローラ74B及び下方の一対のローラ76の左側のローラ76Bとの間にはベルト80が渡してある。
【0055】
ローラ74Bは搬送方向に対して逆方向に回転するローラであり、合紙13との摩擦力が大きくなる構造となっている。通常搬送時には、ローラ74Bは搬送面より下側に待避している。印刷版12及び合紙13がローラ74B上を通過した後に上昇し摩擦力により合紙13をローラ74間に引き込み、ローラ74Bは待避する。合紙13は、下方の一対のローラ76へと送られて廃棄される構成である(図1の鎖線矢印E参照)。
【0056】
一方、印刷版12は、上方の一対のローラ74の上方を通過し、給版ガイド20へと送り込まれるようになっている(図1の実線矢印F参照)。
【0057】
次に、本実施の形態の作用を、図3に示す吸着枚葉動作の流れ図及び図4に示す概略的な正面図に従って説明する。
【0058】
上記構成の印刷版自動露光装置10では、枚葉搬送部15のカセットストック部19に収容されたカセット38から印刷版12(及び合紙13)を取り出すときには、複数段に重ねられたカセット38の1つを選択(特定)する。
【0059】
カセット38が選択(特定)されると、ステップ100において吸着準備動作が実行される。すなわち、送り螺子25の作動によって昇降台23が上下移動され、選択された一つのカセット38に対応する位置で待機する。さらに、選択された一つのカセット38が、他のカセットとは独立して枚葉部17へ水平方向に引き出され、昇降台23上に載置される。次いで、当該カセット38(昇降台23)が、「吸着位置(上下方向の定位置)」の僅かに下方に設定された「準備位置」まで上下移動されて準備状態とされる(図4(A)図示状態)。
【0060】
さらに、ステップ102において、吸着搬送機構50が作動し、各吸着盤40が所定の一つに設定された「吸着位置」まで移動されて待機状態とされる(図4(B)図示状態)。
【0061】
次いで、ステップ104において、前記「吸着準備位置」で準備状態とされる当該カセット38が、図4(C)に示す如く昇降台23と共に送り螺子25によって上昇移動され(換言すれば、カセット38が「吸着位置」まで迎えに行く)、さらに、ステップ106において、当該カセット38内の印刷版12の版面を検出したか否かが判断される。
【0062】
なお、印刷版12の版面を検出する手段としては、光学系の非接触タイプのものであっても、またアクチュエータ等が直接に印刷版12に当接する接触タイプのものであってもよい。
【0063】
当該カセット38内の印刷版12の版面が検出されると、ステップ108において、当該カセット38が昇降台23と共に送り螺子25によって更に所謂吸着盤40の吸着バッファ量だけ移動されて「吸着位置」に達し、この状態で保持される(図4(D)図示状態)。これにより、当該カセット38での最上層に位置する合紙13に吸着盤40が接触し、各吸着盤40は、当該カセット38内から印刷版12を吸着可能な状態となる。
【0064】
次いで、ステップ110において、各吸着盤40による吸着が開始され、当該カセット38内の印刷版12が各吸着盤40によって吸着される。
【0065】
各吸着盤40による吸着後には、ステップ112において、当該カセット38が、昇降台23と共に送り螺子25によって降下移動されて、下方の所定の待避位置まで一旦待避される(図4(E)図示状態)。このカセット38の降下移動に伴って、吸着盤40は、最上層の合紙13と共に印刷版12を吸着して持ち上げる。
【0066】
この場合、吸着した合紙13と共に印刷版12がカセット38から離脱するときに、吸着された印刷版12に静電気及び版自体の真空密着により次層の合紙13や印刷版12が密着することがある。このとき、カセット38に設けられたさばき板(図示省略)によりさばかれることで、吸着力を受けている最上層の合紙13と次層の印刷版12のみが、下層の他の合紙13や印刷版12と分離されて枚葉される。
【0067】
吸着搬送機構50の吸着盤40が印刷版12(及び合紙13)をカセット38から持ち出した後には、ステップ114において、各吸着盤40が基点70を中心に180°回転しながら、露光部14方向へ水平移動する(図4(F)図示状態)。
【0068】
各吸着盤40による吸着分離枚葉後には、ステップ116において、当該カセット38(昇降台23)が、再び「準備位置」まで上昇移動されて準備状態とされる(図4(G)図示状態)。
【0069】
以後は、前記動作が繰り返されて当該カセット38から印刷版12が順次吸着枚葉される。
【0070】
一方、各吸着盤40によって180°反転された印刷版12(及び合紙13)は、搬送ローラ108へ受け渡される。さらに、搬送方向に対して逆方向に回転するローラ74Bによって合紙13が印刷版12から剥離される。剥離された合紙13は、ローラ74間に引き込まれ、下方のローラ76へと送られ、図示しない廃棄ボックスへ廃棄される。
【0071】
一方、印刷版12は、ガイド板109を略水平に搬送し続け、給版ガイド20へと送り込まれる。給版ガイド20上の印刷版12は、回転ドラム16へ送り込まれ、先端チャック26によって印刷版12の先端部が保持され、この状態で回転ドラム12が回転することで回転ドラム16の周面に緊密に巻き付けられ、その後、後端チャック36によって印刷版12の後端が保持されることで、露光のための準備が完了する。
【0072】
この状態で、画像データを読み込み、記録ヘッド部37からの光ビームによって露光処理が開始される。露光処理は、回転ドラム16を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム16の軸線方向へ移動する、所謂走査露光である。
【0073】
露光処理が終了すると、搬送ガイドユニット18を切り換え(排版ガイド22を回転ドラム16へ対応させ)、次いで、回転ドラム16に巻きつけた印刷版12を接線方向から排出していく。このとき、印刷版12は、排版ガイド22に送られる。印刷版12が排版ガイド22に送られると、搬送ガイドユニット18を切り換え、排版ガイド22を排出口へ対応させ、印刷版12を排出させる。この排出方向には、現像部が設けられており、印刷版12は続けて現像処理される。
【0074】
ここで、本実施の形態に係る枚葉搬送部15(印刷版の吸着枚葉装置及び吸着枚葉方法)では、吸着搬送機構50によって各カセット38から印刷版12を持ち出す際には、枚葉部17において所定の一つに設定された「吸着位置」で待機する吸着盤40の待機位置までカセット38を移動させる(迎えに行く)構成であるため、すなわち、枚葉部17において所定の一つに設定された「吸着位置」で吸着盤40を待機させ、この待機する吸着盤40が印刷版12を吸着可能状態となるまで、選択された一つのカセットを昇降台23と共に送り螺子25によって移動させることで、各吸着盤40を吸着可能状態とする構成であるため、各吸着盤40に、カセット38内の印刷版12の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤40の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセット38の上下移動機構(すなわち、昇降台23及び送り螺子25)のみで装置構成が成立するため、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤40の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版12を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版12の乳剤面12B(画像記録面)に傷を発生させることもない。
【0075】
さらに、各吸着盤40がそれぞれのカセット38の引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤40が迎えに行く構成)ではないため、複数のカセット38の全ての引き出し位置(すなわち、異なる上下吸着面位置)及びカセット38内の印刷版12の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤40が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版12にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0076】
このように、本実施の形態に係る枚葉搬送部15(印刷版の吸着枚葉装置及び吸着枚葉方法)では、印刷版12がそれぞれに収容された複数のカセット38のうち選択された一つのカセット38から印刷版12を吸着盤40によって吸着して枚葉し次工程の被供給部(露光部14)へ搬送供給するに際して、印刷版12の乳剤面12B(画像記録面)に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置は、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置が適用された印刷版自動露光装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置が吸着するカセット内の合紙と印刷版との集積状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置による吸着枚葉動作を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置の吸着枚葉動作を示す概略的な正面図である。
【符号の説明】
10 印刷版自動露光装置
12 印刷版
13 合紙
15 枚葉搬送部(吸着枚葉装置)
23 昇降台(カセット移動機構)
25 送り螺子(カセット移動機構)
38 カセット
40 吸着盤
50 吸着搬送機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に記録層(感光層)が設けられた印刷版(例えば、サーマル版、フォトポリマー版などのPS版)を用い、この印刷版の感光層に直接レーザビーム等で画像を記録する技術が開発されてきている(印刷版露光装置)。このような技術では、印刷版への迅速な画像記録が可能となっている。
【0003】
ここで、印刷版への画像記録の技術を用いる印刷版自動露光装置では、多数枚の印刷版が積層してカセット内に収容されているが、印刷版の画像形成面は傷つき易くこの画像形成面の保護のために、印刷版の画像形成面には保護シート(合紙)が重ね合わされ、これらが順次層状に積層されてカセット内に収容されている。印刷版を枚葉する際には、カセット内に積層された複数枚の印刷版のうち最上層の印刷版の一端部を吸盤によって吸着して他と分離し、1枚ずつ取り出して(枚葉して)反転させながら次工程(例えば、露光工程)へ搬送供給するようになっている。
【0004】
また、このような印刷版自動露光装置では、前述の如く多数枚の印刷版を収容したカセットが複数段に積み重ねられて設けられており、各カセット内には異なるサイズの印刷版がそれぞれに収容されている。これにより、所望のサイズの印刷版が収容されたカセットを選択して、当該カセットから印刷版を取り出して枚葉することで、異なる複数サイズの印刷版に画像を記録することができるようになっている。
【0005】
ところで、カセット内に収容された印刷版を吸盤によって吸着し1枚ずつ枚葉して次工程の被供給部へ搬送供給するに際しては、複数のカセットのうち選択した1つのカセットをカセット収納部より自動給版機部本体の昇降台に移動し、昇降台を所定の位置(定位置)に上下動させ、その位置(定位置)まで吸着枚葉搬送機構(吸盤やアーム等)を移動させて(所謂、吸盤が迎えに行き)、吸盤が印刷版を吸着した後に、この吸着枚葉搬送機構によって印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給する構成のものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このような従来の印刷版の吸着枚葉搬送機構(方法)では、選択した1つのカセットを所定の位置(定位置)まで移動させた後に、その定位置まで吸着枚葉搬送機構(吸盤)が移動して吸盤の吸着動作が実施される構成であるため、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、当該吸着枚葉搬送機構(吸盤)に伸縮機構(吸盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がある。
【0007】
この場合、前記緊縮機構の最も単純な構成のものとしては、吸盤が所定の吸着位置(定位置)へ移動する際に、吸盤(もしくはその補助部材)が印刷版を押し付ける力の反力でバネを縮めて吸盤の上下移動を吸収し、吸着面の高さ変化に追従できるように構成することが考えられる。しかしながら、このようなバネの伸縮で吸盤の上下移動を吸収する構成では、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることがあるため好ましくない。特に、「めくり反転(めくり動作及び反転動作を併用する吸着枚葉)」を実施する場合は、上下方向の移動と水平方向の移動が同時に行われるため、押し付けの際に印刷版をずらしてしまい、前記傷発生の可能性が大きい。
【0008】
一方、前述の如き複数のカセットのうち選択した1つのカセット内に収容された印刷版を吸盤によって吸着し1枚ずつ枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する場合に、選択された一つのカセットを他のカセットとは独立して単に水平方向に引き出し、吸着枚葉搬送機構(吸盤)がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動して(吸盤が迎えに行き)、吸盤の吸着動作を実施し、吸着後に印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給するように構成することが考えられる。
【0009】
しかしながら、このような構成では、複数のカセットの全ての引き出し位置(吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち、全ての吸着位置に吸盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないように、搬送軌跡を設定・実現する必要がある。このため、複雑なアーム機構や位置制御が必要で装置が複雑になり、装置の小型化や低コスト化は困難である。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−351460号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の印刷版の吸着枚葉方法は、印刷版がそれぞれに収容されると共に所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねられた複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法であって、所定の一つに設定された吸着位置で前記吸着盤を待機させ、前記待機する吸着盤が前記印刷版を吸着可能状態となるまで前記選択された一つのカセットを移動させることで前記吸着盤を吸着可能状態とし、しかる後に、当該カセット内の印刷版を前記吸着盤によって吸着して枚葉する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項1記載の印刷版の吸着枚葉方法では、吸着盤による吸着位置が所定の一つに設定される。この一つに設定された吸着位置で吸着盤が待機される。
【0014】
次いで、選択された一つのカセットが、待機する吸着盤が印刷版を吸着可能状態となるまで移動され(当該カセットが吸着位置まで迎えに行き)、これにより、吸着盤が吸着可能状態となる。しかる後に、当該カセット内の印刷版が吸着盤によって吸着されて枚葉され、次工程の被供給部へ搬送供給される。
【0015】
このように、吸着盤の待機位置(すなわち、吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)構成であるため、吸着盤に、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセットの移動機構のみで装置構成が成立するため、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることもない。
【0016】
さらに、吸着盤がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤が各吸着位置へ迎えに行く構成)ではないため、複数のカセットの全ての引き出し位置(すなわち、異なる吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0017】
このように、請求項1記載の印刷版の吸着枚葉方法では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0018】
請求項2に係る発明の印刷版の吸着枚葉方法は、印刷版がそれぞれに収容されると共に所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねられた複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法であって、前記選択された一つのカセットを、他のカセットとは独立して水平方向に引き出した後に吸着準備位置まで上下移動させて準備状態とすると共に、前記吸着盤を所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動させて待機させ、次いで、前記準備状態のカセットを、前記吸着位置で待機する前記吸着盤が前記印刷版を吸着可能状態となるまで上昇させて保持し、前記保持したカセット内の印刷版を前記吸着盤によって吸着し、前記吸着後に、前記保持したカセットを所定の待避位置まで一旦降下させた後に、前記吸着盤によって吸着した前記印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給する、ことを特徴としている。
【0019】
請求項2記載の印刷版の吸着枚葉方法では、吸着盤による吸着位置が所定の一つに設定される。
【0020】
吸着枚葉の際には、選択された一つのカセットが、他のカセットとは独立して水平方向に引き出された後に吸着準備位置まで上下移動されて準備状態とされると共に、吸着盤が前記所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動されて待機される。
【0021】
次いで、前記準備状態のカセットが、吸着位置で待機する吸着盤が印刷版を吸着可能状態となるまで上昇されて保持され(当該カセットが吸着位置まで迎えに行き)、これにより、吸着盤が吸着可能状態となる。しかる後に、保持されたカセット内の印刷版が吸着盤によって吸着されて枚葉され、吸着後には、保持したカセットが所定の待避位置まで一旦降下された後に、吸着盤によって吸着枚葉した印刷版が次工程の被供給部へ搬送供給される。
【0022】
このように、吸着盤の待機位置(すなわち、吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)構成であるため、吸着盤に、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセットの上下移動機構のみで装置構成が成立するため、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることもない。
【0023】
さらに、吸着盤がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤が迎えに行く構成)ではないため、複数のカセットの全ての引き出し位置(すなわち、異なる吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0024】
このように、請求項2記載の印刷版の吸着枚葉方法では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0025】
なお、選択された一つのカセットを水平方向に引き出した後に上下移動させる機構としては、例えば、カセット引出し位置に設けられた昇降台とこの昇降台を上昇降下させる送り螺子機構とによって構成することができ、水平方向に引き出したカセットを当該昇降台に載置させこの状態で送り螺子機構を作動させることで、前記吸着盤の待機位置(吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)ことができる。
【0026】
請求項3に係る発明の印刷版の吸着枚葉装置は、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットを所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねて収容する収容部と、前記収容部に隣接して設けられ、前記印刷版の吸着位置が所定の一つに設定された枚葉部と、前記所定の吸着位置に位置する前記カセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する吸着搬送機構と、前記複数のカセットのうち選択された一つのカセットを他のカセットとは独立して前記枚葉部へ引き出すと共に、前記所定の吸着位置で待機する前記吸着盤が前記印刷版を吸着可能な位置まで当該カセットを移動させて、前記吸着盤を吸着可能状態とするカセット移動機構と、を備えている。
【0027】
請求項3記載の印刷版の吸着枚葉装置では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットは、収容部に複数段に積み重ねられて収容されており、収容部に隣接して設けられた枚葉部には、印刷版の吸着位置が所定の一つに設定されている。
【0028】
ここで、吸着枚葉の際には、吸着搬送機構によって吸着盤が前記所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動されて待機される。さらに、選択された一つのカセットが、カセット移動機構によって他のカセットとは独立して枚葉部へ引き出され、さらに、当該カセットが、カセット移動機構によって、所定の吸着位置で待機する吸着盤が印刷版を吸着可能な位置まで移動され(当該カセットが吸着位置まで迎えに行き)、これにより、吸着盤が吸着可能状態となる。
【0029】
しかる後に、吸着位置に達したカセット内の印刷版が吸着盤によって吸着されて枚葉され、吸着枚葉した印刷版が次工程の被供給部へ搬送供給される。
【0030】
このように、吸着盤の待機位置(すなわち、吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)構成であるため、吸着盤に、カセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセットの上下移動機構のみで装置構成が成立するため、吸着搬送機構及びカセット移動機構の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版の感光面に傷を発生させることもない。
【0031】
さらに、吸着盤がそれぞれのカセットの引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤が迎えに行く構成)ではないため、複数のカセットの全ての引き出し位置(すなわち、異なる吸着面位置)及びカセット内の印刷版の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、吸着搬送機構における複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0032】
このように、請求項3記載の印刷版の吸着枚葉装置では、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0033】
なお、選択された一つのカセットを枚葉部へ引き出した後に吸着盤が印刷版を吸着可能な位置まで当該カセットを移動させるカセット移動機構としては、例えば、カセット引出し位置に設けられた昇降台とこの昇降台を上昇降下させる送り螺子機構とによって構成することができ、収容部から枚葉部に引き出したカセットを当該昇降台に載置させこの状態で送り螺子機構を作動させることで、前記吸着盤の待機位置(吸着位置)まで当該カセットを移動させる(迎えに行く)ことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る印刷版の吸着枚葉装置が適用された印刷版自動露光装置10の概略的な全体構成が示されている。
【0035】
この印刷版自動露光装置10は、印刷版12の画像形成層に光ビームを照射して画像を露光する露光部14と、印刷版12を枚葉して前記露光部14へ搬送する吸着枚葉装置としての枚葉搬送部15と、の2つのブロックに分かれている。また、この印刷版自動露光装置10によって、露光処理された印刷版12は、印刷版自動露光装置10に隣接した設置された図示しない現像装置へ送り出されるようになっている。
[露光部14の構成]
露光部14は、印刷版12を周面に巻付けて保持する回転ドラム16を主要部として構成されており、印刷版12は、搬送ガイドユニット18に案内されて、この回転ドラム16の接線方向から送り込まれるようになっている。搬送ガイドユニット18は、給版ガイド20と排版ガイド22とで構成されており、この搬送ガイドユニット18における、枚葉搬送部15との境界側には、搬送ローラ108とガイド板109とが配設されている。
【0036】
搬送ガイドユニット18の給版ガイド20と排版ガイド22とは、互いの相対位置関係が横V字型とされ、図1の右端部側の中心として、所定角度回動する構造となっている。この回動によって、給版ガイド20を選択的に前記回転ドラム16に対応させる位置(回転ドラム16の接線方向に配置させる位置)と、回転ドラム16の上方に設けられたパンチャー24への挿入方向位置とに配置することができる。前記枚葉搬送部15から送り込まれた印刷版12は、まず、給版ガイド20に案内されてパンチャー24へ送り込まれ、この印刷版12の先端に位置決め用の切欠きを形成する。また、印刷版12は、必要に応じてパンチャー24による処理後、一旦給版ガイド20に戻されることで、回転ドラム16に対応する位置に移動される構成である。
【0037】
回転ドラム16は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1の矢印A方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1の矢印B方向)へ回転される。
【0038】
また、回転ドラム16には、外周面の所定の位置に、先端チャック26が取付けられている。露光部14では、この回転ドラム16に印刷版12を装着するときに、先ず、先端チャック26が、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム16を停止させる。
【0039】
さらに、露光部14には、印刷版装着位置で先端チャック26に対向して装着ユニット28が設けられている。先端チャック26は、この装着ユニット28の伸縮ロッド28Aが伸長して一端側が押圧されることにより、回転ドラム16の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。印刷版12の先端が先端チャック26と回転ドラム16の間に挿入された状態で、装着ユニット28の伸縮ロッド28Aを引き戻して先端チャック26への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端チャック26と回転ドラム16の周面との間で挟持して保持する構成である。なお、このときには、印刷版12は、先端が回転ドラム16に設けられた位置決めピン(図示省略)に突き当てられて位置決めされる。回転ドラム16に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム16を装着露光方向へ回転する。これにより、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム16の周面に巻き付けられる構成である。
【0040】
回転ドラム16の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向(図1の矢印A方向)の下流側にスクイズローラ30が配置されている。このスクイズローラ30は、回転ドラム16に向けて移動することにより回転ドラム16に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム16へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム16の周面に密着させることができる。
【0041】
また、露光部14には、先端チャック26よりも回転ドラム16の装着露光方向上流側近傍に後端チャック着脱ユニット32が配置されている。後端チャック着脱ユニット32には、回転ドラム16へ向けて突出されたガイドに沿って後端チャック36が移動するようになっている。回転ドラム16に巻き付けた印刷版12の後端が、後端チャック着脱ユニット32に対向すると、後端チャック36を回転ドラム16方向へ移動させて、後端チャック36を回転ドラム16の所定の位置に装着する。これにより、後端チャック36が、回転ドラム16との間で印刷版12の後端を挟持して保持する構成である。
【0042】
印刷版12の先端及び後端を回転ドラム16に保持させると、スクイズローラ30を離間させる(図1の鎖線参照)。この後、露光部14では、回転ドラム16を所定の回転速度で高速回転させながら、この回転ドラム16の回転に同期させて、記録ヘッド部37から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。これにより、印刷版12が画像データに基づいて走査露光されるようになっている。
【0043】
印刷版12への走査露光が終了すると、印刷版12の後端を保持している後端チャック36が後端チャック着脱ユニット32に対向する位置で回転ドラム16を一時停止させ、回転ドラム16から後端チャック36を取り外す。これにより、印刷版12の後端が開放される。その後、回転ドラム16を印刷版12の取出し方向へ回転させることで、印刷版12は後端側から回転ドラム16の接線方向に沿って、搬送ガイドユニット18の排版ガイド22へ排出され、その後、次工程の現像装置へ搬送される構成である。
[枚葉搬送部15(吸着枚葉装置)の構成]
図1に示す如く、枚葉搬送部15は、枚葉部17及びこの枚葉部17に隣接して設けられた収容部としてのカセットストック部19とによって構成されている。
【0044】
カセットストック部19には、複数のカセット38が所定の間隔で上下に複数段(本実施の形態においては、5段)に積み重ねて収容されており、さらに、図示を省略したレールに沿って枚葉部17へ水平方向に引き出すことができるようになっている。このカセット38には、印刷版12が複数枚収容されている。図2に示す如く、印刷版12は、支持体12Aに乳剤面12B(画像記録面)が形成された構成であり、カセット38内には、印刷版12の乳剤面12B保護用の保護シートとしての合紙13と、乳剤面12Bが下向きとされた印刷版12とが交互に積層されて収容されている。
【0045】
なお、カセットストック部19の最上部には、1個分のカセット38の待避スペース21が設けられており、空になったカセット38内への印刷版12の収容(装填)時に、当該カセット38をこの待避スペース21まで移動させる(位置させる)ことで、カセットストック部19の上方から印刷版12を当該カセット38内に容易に装填することができるようになっている。
【0046】
一方、枚葉部17には、カセット移動機構を構成する昇降台23が設けられている。昇降台23は、同様にカセット移動機構を構成する送り螺子25によって支持されており、この送り螺子25の作動によって上昇移動または降下移動することができる。これにより、昇降台23は、カセットストック部19の各カセット38に対応する位置に上下に移動可能であり、カセットストック部19から水平方向に枚葉部17に引き出されたカセット38を受け取って昇降台23上に載置することができる構成である。
【0047】
また、枚葉部17には、後述する吸着搬送機構50による印刷版12の「吸着位置(上下方向の定位置)」が、所定の一つ(一箇所)に設定されている(図1に示す位置)。ここで、昇降台23上に載置されたカセット38は、送り螺子25の作動によって、前記所定の一つに設定された印刷版12の「吸着位置」へも移動させる(迎えに行く)ことができる構成である(図1に示す状態)。
【0048】
さらに、枚葉部17には、吸着搬送機構50が設けられている。この吸着搬送機構50では、印刷版12の幅方向に沿って複数(例えば、9個))の吸着盤40が所定のピッチ間隔で配設されている。各吸着盤40は、基点70を基準として吊り下げ支持されており、この基点70が昇降台23上のカセット38に沿って図1の左右方向へ略水平移動可能であり、しかも、各基点70は回動可能とされている。これにより、前記吸着盤40は、印刷版12を吸着した後に、水平移動しながら180°回転して印刷版12を表裏反転させながら搬送することができる構成である。
【0049】
またさらに、この吸着搬送機構50では、各吸着盤40は、枚葉部17において前述の如く所定の一つに設定された「吸着位置」に待機可能となっている。したがって、各吸着盤40が前記「吸着位置」に待機している状態で、カセットストック部19から枚葉部17に引き出されて昇降台23上に載置されたカセット38が、昇降台23と共に送り螺子25によって移動されて前記「吸着位置」に達することで(換言すれば、カセット38が迎えに行くことで)、各吸着盤40は当該カセット38内から印刷版12を吸着して枚葉することができる構成である。
【0050】
すなわち、吸着搬送機構50によって各カセット38から印刷版12を持ち出す際には、枚葉部17において所定の一つに設定された「吸着位置」で吸着盤40を待機させ、この待機する吸着盤40が印刷版12を吸着可能状態となるまで、選択された一つのカセットを昇降台23と共に送り螺子25によって移動させることで、各吸着盤40が吸着可能状態となる構成である。
【0051】
この場合、吸着搬送機構50によって各カセット38から印刷版12を持ち出す際には、カセット38内には合紙13と乳剤面12Bが下向きとされた印刷版12とが交互に積層されているため、吸着盤40は、カセット38内の上層側の合紙13に接触することになる。接触した時点で吸着盤40に吸着力を持たせると、上層の合紙13はもちろん、その下層の印刷版12にも吸着力が伝えられ、合紙13と印刷版12とが対(1組)となって(共に同時に)吸着される。
【0052】
吸着後には、昇降台23すなわち当該カセット38は所定の待避位置まで一旦降下して待避し、これにより、カセット38に設けられたさばき板(図示省略)によって、吸着した合紙13及び印刷版12以外の下層の合紙13及び印刷版12から「捌き(分離)」されるようになっている。分離後には、各吸着盤40が水平移動しながら反転して印刷版12を搬送する。各吸着盤40が180°回転すると、図1の状態では下側が合紙13、上側が印刷版12となって、搬送ローラ108へ受け渡されるようになっている。
【0053】
搬送ローラ108の下側のローラ108Aに隣接するローラ107にはベルト56が巻き掛けられている。このベルト56は露光部14の搬送ガイドユニット18近傍に配設された一対のローラ74の右側のローラ74Aにも巻き掛けられている。一対のローラ74の下方には、さらに一対のローラ76が設けられ、ベルト56は、この下方のローラ76の右側のローラ76A、並びに一対の小ローラ78のそれぞれに巻き掛けられ、全体として略L字型のループを形成して図1の矢印D方向へ駆動する。
【0054】
なお、上方の一対のローラ74の左側のローラ74B及び下方の一対のローラ76の左側のローラ76Bとの間にはベルト80が渡してある。
【0055】
ローラ74Bは搬送方向に対して逆方向に回転するローラであり、合紙13との摩擦力が大きくなる構造となっている。通常搬送時には、ローラ74Bは搬送面より下側に待避している。印刷版12及び合紙13がローラ74B上を通過した後に上昇し摩擦力により合紙13をローラ74間に引き込み、ローラ74Bは待避する。合紙13は、下方の一対のローラ76へと送られて廃棄される構成である(図1の鎖線矢印E参照)。
【0056】
一方、印刷版12は、上方の一対のローラ74の上方を通過し、給版ガイド20へと送り込まれるようになっている(図1の実線矢印F参照)。
【0057】
次に、本実施の形態の作用を、図3に示す吸着枚葉動作の流れ図及び図4に示す概略的な正面図に従って説明する。
【0058】
上記構成の印刷版自動露光装置10では、枚葉搬送部15のカセットストック部19に収容されたカセット38から印刷版12(及び合紙13)を取り出すときには、複数段に重ねられたカセット38の1つを選択(特定)する。
【0059】
カセット38が選択(特定)されると、ステップ100において吸着準備動作が実行される。すなわち、送り螺子25の作動によって昇降台23が上下移動され、選択された一つのカセット38に対応する位置で待機する。さらに、選択された一つのカセット38が、他のカセットとは独立して枚葉部17へ水平方向に引き出され、昇降台23上に載置される。次いで、当該カセット38(昇降台23)が、「吸着位置(上下方向の定位置)」の僅かに下方に設定された「準備位置」まで上下移動されて準備状態とされる(図4(A)図示状態)。
【0060】
さらに、ステップ102において、吸着搬送機構50が作動し、各吸着盤40が所定の一つに設定された「吸着位置」まで移動されて待機状態とされる(図4(B)図示状態)。
【0061】
次いで、ステップ104において、前記「吸着準備位置」で準備状態とされる当該カセット38が、図4(C)に示す如く昇降台23と共に送り螺子25によって上昇移動され(換言すれば、カセット38が「吸着位置」まで迎えに行く)、さらに、ステップ106において、当該カセット38内の印刷版12の版面を検出したか否かが判断される。
【0062】
なお、印刷版12の版面を検出する手段としては、光学系の非接触タイプのものであっても、またアクチュエータ等が直接に印刷版12に当接する接触タイプのものであってもよい。
【0063】
当該カセット38内の印刷版12の版面が検出されると、ステップ108において、当該カセット38が昇降台23と共に送り螺子25によって更に所謂吸着盤40の吸着バッファ量だけ移動されて「吸着位置」に達し、この状態で保持される(図4(D)図示状態)。これにより、当該カセット38での最上層に位置する合紙13に吸着盤40が接触し、各吸着盤40は、当該カセット38内から印刷版12を吸着可能な状態となる。
【0064】
次いで、ステップ110において、各吸着盤40による吸着が開始され、当該カセット38内の印刷版12が各吸着盤40によって吸着される。
【0065】
各吸着盤40による吸着後には、ステップ112において、当該カセット38が、昇降台23と共に送り螺子25によって降下移動されて、下方の所定の待避位置まで一旦待避される(図4(E)図示状態)。このカセット38の降下移動に伴って、吸着盤40は、最上層の合紙13と共に印刷版12を吸着して持ち上げる。
【0066】
この場合、吸着した合紙13と共に印刷版12がカセット38から離脱するときに、吸着された印刷版12に静電気及び版自体の真空密着により次層の合紙13や印刷版12が密着することがある。このとき、カセット38に設けられたさばき板(図示省略)によりさばかれることで、吸着力を受けている最上層の合紙13と次層の印刷版12のみが、下層の他の合紙13や印刷版12と分離されて枚葉される。
【0067】
吸着搬送機構50の吸着盤40が印刷版12(及び合紙13)をカセット38から持ち出した後には、ステップ114において、各吸着盤40が基点70を中心に180°回転しながら、露光部14方向へ水平移動する(図4(F)図示状態)。
【0068】
各吸着盤40による吸着分離枚葉後には、ステップ116において、当該カセット38(昇降台23)が、再び「準備位置」まで上昇移動されて準備状態とされる(図4(G)図示状態)。
【0069】
以後は、前記動作が繰り返されて当該カセット38から印刷版12が順次吸着枚葉される。
【0070】
一方、各吸着盤40によって180°反転された印刷版12(及び合紙13)は、搬送ローラ108へ受け渡される。さらに、搬送方向に対して逆方向に回転するローラ74Bによって合紙13が印刷版12から剥離される。剥離された合紙13は、ローラ74間に引き込まれ、下方のローラ76へと送られ、図示しない廃棄ボックスへ廃棄される。
【0071】
一方、印刷版12は、ガイド板109を略水平に搬送し続け、給版ガイド20へと送り込まれる。給版ガイド20上の印刷版12は、回転ドラム16へ送り込まれ、先端チャック26によって印刷版12の先端部が保持され、この状態で回転ドラム12が回転することで回転ドラム16の周面に緊密に巻き付けられ、その後、後端チャック36によって印刷版12の後端が保持されることで、露光のための準備が完了する。
【0072】
この状態で、画像データを読み込み、記録ヘッド部37からの光ビームによって露光処理が開始される。露光処理は、回転ドラム16を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム16の軸線方向へ移動する、所謂走査露光である。
【0073】
露光処理が終了すると、搬送ガイドユニット18を切り換え(排版ガイド22を回転ドラム16へ対応させ)、次いで、回転ドラム16に巻きつけた印刷版12を接線方向から排出していく。このとき、印刷版12は、排版ガイド22に送られる。印刷版12が排版ガイド22に送られると、搬送ガイドユニット18を切り換え、排版ガイド22を排出口へ対応させ、印刷版12を排出させる。この排出方向には、現像部が設けられており、印刷版12は続けて現像処理される。
【0074】
ここで、本実施の形態に係る枚葉搬送部15(印刷版の吸着枚葉装置及び吸着枚葉方法)では、吸着搬送機構50によって各カセット38から印刷版12を持ち出す際には、枚葉部17において所定の一つに設定された「吸着位置」で待機する吸着盤40の待機位置までカセット38を移動させる(迎えに行く)構成であるため、すなわち、枚葉部17において所定の一つに設定された「吸着位置」で吸着盤40を待機させ、この待機する吸着盤40が印刷版12を吸着可能状態となるまで、選択された一つのカセットを昇降台23と共に送り螺子25によって移動させることで、各吸着盤40を吸着可能状態とする構成であるため、各吸着盤40に、カセット38内の印刷版12の残量による吸着面の高さ変化に追従できるような伸縮機構(吸着盤40の上下移動吸収機構)を持たせて構成する必要がなく、カセット38の上下移動機構(すなわち、昇降台23及び送り螺子25)のみで装置構成が成立するため、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。また、このような吸着盤40の上下移動吸収機構が不要であるため、印刷版12を不要に過剰な力で押し付けてこの印刷版12の乳剤面12B(画像記録面)に傷を発生させることもない。
【0075】
さらに、各吸着盤40がそれぞれのカセット38の引き出し位置まで個別にそれぞれに移動する構成(吸着盤40が迎えに行く構成)ではないため、複数のカセット38の全ての引き出し位置(すなわち、異なる上下吸着面位置)及びカセット38内の印刷版12の残量による吸着面の高さ変化に追従できるように、すなわち全ての吸着位置に吸着盤40が到達できかつ全ての吸着位置からの搬送で印刷版12にダメージを与えないような特別な搬送軌跡を設定する必要がない。このため、複雑なアーム機構や位置制御が不要であり、これによっても装置が複雑になることがなく、低コスト化を図ることが可能になる。
【0076】
このように、本実施の形態に係る枚葉搬送部15(印刷版の吸着枚葉装置及び吸着枚葉方法)では、印刷版12がそれぞれに収容された複数のカセット38のうち選択された一つのカセット38から印刷版12を吸着盤40によって吸着して枚葉し次工程の被供給部(露光部14)へ搬送供給するに際して、印刷版12の乳剤面12B(画像記録面)に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る印刷版の吸着枚葉方法及び吸着枚葉装置は、印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットのうち選択された一つのカセットから印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給するに際して、印刷版の感光面に傷を発生させることなく確実に吸着枚葉できるに止まらず、装置の構成が複雑になることがなく低コスト化を図ることが可能になるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置が適用された印刷版自動露光装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置が吸着するカセット内の合紙と印刷版との集積状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置による吸着枚葉動作を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る吸着枚葉装置の吸着枚葉動作を示す概略的な正面図である。
【符号の説明】
10 印刷版自動露光装置
12 印刷版
13 合紙
15 枚葉搬送部(吸着枚葉装置)
23 昇降台(カセット移動機構)
25 送り螺子(カセット移動機構)
38 カセット
40 吸着盤
50 吸着搬送機構
Claims (3)
- 印刷版がそれぞれに収容されると共に所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねられた複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法であって、
所定の一つに設定された吸着位置で前記吸着盤を待機させ、
前記待機する吸着盤が前記印刷版を吸着可能状態となるまで前記選択された一つのカセットを移動させることで前記吸着盤を吸着可能状態とし、
しかる後に、当該カセット内の印刷版を前記吸着盤によって吸着して枚葉する、
ことを特徴とする印刷版の吸着枚葉方法。 - 印刷版がそれぞれに収容されると共に所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねられた複数のカセットのうち、選択された一つのカセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する印刷版の吸着枚葉方法であって、
前記選択された一つのカセットを、他のカセットとは独立して水平方向に引き出した後に吸着準備位置まで上下移動させて準備状態とすると共に、前記吸着盤を所定の一つに設定された印刷版の吸着位置まで移動させて待機させ、
次いで、前記準備状態のカセットを、前記吸着位置で待機する前記吸着盤が前記印刷版を吸着可能状態となるまで上昇させて保持し、
前記保持したカセット内の印刷版を前記吸着盤によって吸着し、
前記吸着後に、前記保持したカセットを所定の待避位置まで一旦降下させた後に、
前記吸着盤によって吸着した前記印刷版を次工程の被供給部へ搬送供給する、
ことを特徴とする印刷版の吸着枚葉方法。 - 印刷版がそれぞれに収容された複数のカセットを所定の間隔が設けられた状態で複数段に積み重ねて収容する収容部と、
前記収容部に隣接して設けられ、前記印刷版の吸着位置が所定の一つに設定された枚葉部と、
前記所定の吸着位置に位置する前記カセットから前記印刷版を吸着盤によって吸着して枚葉し次工程の被供給部へ搬送供給する吸着搬送機構と、
前記複数のカセットのうち選択された一つのカセットを他のカセットとは独立して前記枚葉部へ引き出すと共に、前記所定の吸着位置で待機する前記吸着盤が前記印刷版を吸着可能な位置まで当該カセットを移動させて、前記吸着盤を吸着可能状態とするカセット移動機構と、
を備えた印刷版の吸着枚葉装置。
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