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JP2004274133A - 色収差補正装置および色収差補正方法、並びに色収差補正プログラム - Google Patents

色収差補正装置および色収差補正方法、並びに色収差補正プログラム Download PDF

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JP2004274133A JP2003058456A JP2003058456A JP2004274133A JP 2004274133 A JP2004274133 A JP 2004274133A JP 2003058456 A JP2003058456 A JP 2003058456A JP 2003058456 A JP2003058456 A JP 2003058456A JP 2004274133 A JP2004274133 A JP 2004274133A
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Abstract

【課題】簡単なハードウェアおよびソフトウェアにより、視覚的に効果的な方法でレンズの色収差を補正する。
【解決手段】本発明の色収差補正装置は、画像の補正前の1ライン分のライン画像を記憶する画像記憶手段と、画像記憶手段によって記憶されているライン画像の各画素の値に基づいて、ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出手段と、補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色収差補正装置および色収差補正方法、並びに色収差補正プログラムに関し、特に、レンズによって発生する色収差を画像処理によって補正する色収差補正装置および色収差補正方法、並びに色収差補正プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラなどはレンズを介して光情報を撮像素子の各画素に集光する。ただし、レンズは、さまざまな収差を持つ。このため、歪(画像周辺にて直線が曲がること)やシェーディング(画像周辺にて光量が少なくなること)などの形で画像に反映されてしまう。コストや大きさなどの条件がなければ、収差を目立たなくなるレベルまで抑え、レンズ性能を向上させることができるが、高性能なレンズを用いず、画像処理にて、その収差を補正する技術がある。
例えば、レンズ補正をメモリ上のデータの再マッピングにより実現するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、ネガの撮影のレンズ条件をポジに焼き付ける際に、ネガ撮影のレンズ特性を補正するようにするものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、撮像素子にランダムアクセスを行う手段を付与し、レンズ歪を前提としたデータアクセスを行い画像信号出力とするものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−161773号公報(図1)
【特許文献2】
特開平11−239270号公報(図1)
【特許文献3】
特開平10−224695号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、特許文献1乃至3に記載の従来の技術には、レンズの特性を電気的に補正するという点で、共通点がある。しかしながら、いずれも、フレームメモリを用いて補正を行うようにしている。また、補正後のデータを得るために、二次元的なマッピングを行う必要がある。このため、フレームメモリが必要になるほか、マッピングを行うための位置計算が二次元になることによって、H/W・S/Wいずれによるシステムの実現も複雑なものとなるという課題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、色収差補正を一方向のみについて行うことにより、簡単なハードウェアおよびソフトウェアを用いて、視覚的に効果的な方法でレンズの色収差を補正することができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の色収差補正装置は、画像をライン画像として1ライン単位で入力する画像入力手段と、画像入力手段によって入力されたライン画像の各画素の値に基づいて、ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出手段と、補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力手段とを備えることを特徴とするものである。従って、色収差補正処理を縦方向または横方向のみのライン毎に行うことができるので、フレームメモリを必要とせず、ハードウェアを簡単にすることができる。また、複雑な計算が不要であるため、色収差補正処理による負荷を軽減することができる。また、人間の眼は、画像の横方向の解像度が高いので、横方向のみ補正すれば、視覚的な効果が高く、かつ簡単なハードウェアおよびソフトウェアを用いてレンズの色収差を効率的に補正することができる。
補正値算出手段は、画像の縦方向または横方向のいずれか一方のラインについて、色収差補正を行うようにすることができる。これにより、色収差補正を簡単なハードウェアおよびソフトウェアを用いて行うことができる。
ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行うためのずれ量を線形関数で近似するずれ量算出手段をさらに備えるようにすることができる。これにより、ずれ量を算出するための計算が容易となり、計算を簡易なH/WやS/Wで実現できる。
ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行うためのずれ量を記憶するずれ量記憶手段をさらに備えるようにすることができる。これにより、ずれ量をその都度、計算によって求める必要がなくなり、色収差補正処理の負荷を軽減することができる。また、ずれ量を線形で近似することが困難で、複雑な計算を必要とする場合にも対応できる。
また、画像入力手段によって入力される前記画像のデータは、RGBの画素データより構成され、RGBの画素データを用いて、色毎の収差のずれを利用して補正することができる。
また、補正値算出手段は、ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行うためのずれ量の最小単位を2の累乗となるように拘束することができる。これによって、色収差補正のための計算を簡単にすることができ、H/WやS/Wの構成を簡単に、また高速に算出できる。
本発明の色収差補正方法は、画像をライン画像として1ライン単位で入力する画像入力ステップと、画像入力ステップにおいて入力されたライン画像の各画素の値に基づいて、ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出ステップと、補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力ステップとを備えることを特徴とするものである。従って、色収差補正処理を縦方向または横方向のみのライン毎に行うことができるので、フレームメモリを必要とせず、ハードウェアを簡単にすることができる。また、複雑な計算が不要であるため、色収差補正処理による負荷を軽減することができる。
本発明の色収差補正プログラムは、所定の画像に対して色収差補正を行う色収差補正装置に、画像をライン画像として1ライン単位で入力する画像入力ステップと、画像入力ステップにおいて入力されたライン画像の各画素の値に基づいて、ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出ステップと、補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力ステップとを実行させることを特徴とするものである。従って、色収差補正処理を縦方向または横方向のみのライン毎に行うことができるので、フレームメモリを必要とせず、ハードウェアを簡単にすることができる。また、複雑な計算が不要であるため、色収差補正処理による負荷を軽減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の色収差補正装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態は、光を集光し、後述するエリアセンサ102上に被写体の画像を結像させるレンズ101と、レンズ101により集光され、結像した被写体の画像に対応する画像データを出力するエリアセンサ102と、エリアセンサ102を制御するセンサ制御部103と、エリアセンサ102からの出力された画像データに対して色収差(レンズ周辺ほど色毎の焦点位置がずれる現象)の補正を行う色収差補正部104と、色収差補正部104によって色収差補正処理が施された画像データに対して色補間処理等の各種処理を実行する画像処理部105とから構成されている。
【0008】
また、色収差補正部104は、補正前の画像データをライン画像として入力する図示せぬ画像入力部と、この画像入力部から入力されたライン画像を構成する各画素に対して色収差補正処理を行って各画素の補正値を算出する図示せぬ補正値算出部と、この補正値算出部によって算出された各画素の補正値からなる補正後のライン画像を出力する図示せぬ補正後画像出力部と、レンズ中心からの距離に応じた色収差補正のためのずれ量を算出するずれ量算出部等から構成されている。
【0009】
色収差は、エリアセンサ102上に形成された画像面において、主軸(画像中心)では波長に関わりなく中心に集光されるが、主軸からずれるほど、同一場所に集光すべきR(赤)、G(緑)、B(青)の光がずれてしまう現象である。本実施の形態では、このずれを画像処理によって補正する。
【0010】
図2は、色収差補正の評価のために定義した部分画像を示す図である。補正対象となる画像を小さな部分画像に区切っている。ここでは、画面中心から右方向にある部分画像のみに注目して評価した。
【0011】
表1は、各部分画像内の各画素のずれ量を示している。ずれ量とは、例えば、G(緑)の画像の位置を基準として、R(赤)の画像、およびB(青)の画像がどれだけずれているのかを示すものである。表1の場合は、ずれ量を線形であるとして計算で算出するようにしている。
【0012】
【表1】
Figure 2004274133
【0013】
ここでは、ずれ量は画面中心からの距離に比例すると仮定し、画面中心から最も遠い距離にある画素のずれ量(実測値または計算値)をn、画面中心からの各部分画像の横方向の距離をx、画面中心から横方向の端部までの距離をwとすると、次式(1)により、各部分画像の各画素のずれ量を求められるとして話を進める。
【0014】
各部分画像の各画素のずれ量 = n/(w/2)*x ・・・ 式(1)
(ただし、「*」は乗法を示す)
【0015】
表1に示すように、部分画像aのずれ量は0である。部分画像b内のR(赤)の画像のずれ量理論値(式(1)から求めたずれ量)は0.30、部分画像b内のB(青)の画像のずれ量理論値は−0.47となる。ここでは、色収差補正の最小単位を1画素としているので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のずれ量は0となる。
【0016】
また、部分画像c内のR(赤)の画像のずれ量理論値は0.60、部分画像c内のB(青)の画像のずれ量理論値は−0.94となる。ここでは、色収差補正の最小単位を1画素として話を進める。このとき、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は1、Bの画像のずれ量は−1となる。
【0017】
また、部分画像d内のR(赤)の画像のずれ量理論値は0.91、部分画像d内のB(青)の画像のずれ量理論値は−1.41となる。ここでは、色収差補正の最小単位を1画素とするので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は1、Bの画像のずれ量は−1となる。
【0018】
また、部分画像e内のR(赤)の画像のずれ量理論値は1.21、部分画像e内のB(青)の画像のずれ量理論値は−1.88となる。ここでは、色収差補正の最小単位を1画素としているので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は1、Bの画像のずれ量は−2となる。ずれ量の理論値の最小単位を2の累乗(2−m(mは自然数))に拘束することにより、シフト演算と加減算を用いた簡単な回路で色収差補正を行うことが可能となる。
【0019】
図3(A)は、色収差補正前の部分画像eに含まれる各画素のRGBの輝度値の例を示している。図中、Rxxは、Rの画素の輝度値がxxであることを示している。同様に、Gyyは、Gの画素の輝度値がyyであることを示している。また、Bzzは、Bの画素の輝度値がzzであることを示している。
【0020】
図3(B)は、G(緑)の画像の位置を基準とした色収差補正後の部分画像eに含まれる各画素の輝度値の例を示している。例えば、図3(A)の部分画像e内の最上段左から2列目の画素のRの輝度値は34、Gの輝度値は34、Bの輝度値は34となっている。この画素の色収差補正後のRの輝度値は、図3(B)に示すように、33となり、Gの輝度値は34で変わらず、Bの輝度値は36となっている。即ち、色収差補正後のRの輝度値33は、色収差補正前の最上段左端(左から1列目)の画素のRの輝度値33となっている。また、色収差補正後のBの輝度値36は、色収差補正前の最上段の右端(左から4列目)の画素のBの輝度値36となっている。
【0021】
次に、ずれ量の最小単位に1以下の数値も用いる場合を説明する。所定のR(赤)の補正画素R0に対して、画素間の距離を1として、ずれ量をaとする。また、ずれ量に対して最も近い2つの画素をR1、R2とする。R1とaとの距離をa1、R2とaとの距離をa2とすると、補正対象画素R0の補正後の画素値は、次式(2)によって求めることができる。
【0022】
R0の画素値=a2×R1+a1×R2・・・式(2)
【0023】
同様に、所定のB(青)の補正画素B0に対して、画素間の距離を1として、ずれ量をbとする。また、ずれ量に対して最も近い2つの画素をB1、B2とする。B1とbとの距離をb1、B2とbとの距離をb2とすると、補正対象画素B0の補正後の画素値は、次式(2)によって求めることができる。
【0024】
B0の画素値=b2×B1+b1×B2・・・式(3)
【0025】
また、色収差のずれ量を線形補正する場合は、式(1)より計算によって求めることもできるが、非線形補正の場合、計算が複雑となる。そこで、ずれ量の誤差をできるだけ小さく抑えるように、式(1)のnを設定したり、線形ではないずれ量の設定が必要な場合もある。そこで、ずれ量を計算によって予め求めておき、テーブルに格納し、適宜参照するようにしてもよい。また、レンズ中心からの距離に応じたずれ量を予め計算して、レンズ中心からの距離及びずれ量を関連付けてテーブルとして持つようにすることにより、レンズ中心からの距離に基づき、容易に対応するずれ量を読み出すことができるため、その都度、ずれ量を演算する必要がなくなり、迅速に色収差補正を行うことも可能となる。
【0026】
次に、本実施の形態の色収差補正の評価結果について説明する。ずらし量の最小単位は1画素の場合である。ここでは、通過特性と、偽色混合率の2つの評価パラメータを用いて評価を行った。通過特性は、入力の白黒の振幅に対して、出力の振幅の大きさがどの程度になっているかで色収差補正結果の良否を判断するものである。基本的には輝度の振幅特性により判断するものであるが、RGBの色空間が特定されていないので、輝度Yは一般にGにかなり支配されることを考慮して、次式(4)のように定義した。
【0027】
Y=(G+(R+B)/2)/2=(R+2G+B)/4 ・・・式(4)
【0028】
入力の振幅は、理論的に0乃至255までの振幅を持つように生成したので、出力の振幅の大きさのみで評価する。また、サンプリングのポイントにより、振幅が変動すると考えられるので、部分画像毎に評価を行うこととし、画素値の最大値と最小値の差の平均を評価値とする。通過特性Tは、次式(5)で求めることができる。
【0029】
T = average(Max(Y)−Min(Y)) ・・・式(5)
【0030】
現画像は、0乃至255までの振幅を持つデータとして作成していたので、Tは、255以下の数値となり、255に近いほど、色収差補正の性能が高いと言える。
【0031】
図4は、色収差補正後の画像の解像度毎(25本/画面、50本/画面、100本/画面、125本/画面、150本/画面、175本/画面)の通過特性を示すグラフである。縦軸は最大−最小振幅の差を表し、横軸は画像中心(レンズ中心)からの距離を表している。このグラフから、画像の端部においても、通過特性の低下がなく、良好な結果が得られることが分かる。
【0032】
一方、偽色混合率は、本来の画像の色に対して、どの程度異なった色が付いているかで色収差補正結果の良否を判断するものである。偽色混合率Cは、次式(6)より求めることができる。色収差補正が適切に動作していれば、レンズの色収差に起因する色付きは0に近くなるははずである。
【0033】
C=average(Max(R,G,B)−Min(R,G,B))/Y・・・式(6)
【0034】
式(6)において、Yは式(4)で定義した輝度である。色がどの程度発生しているかということに注目すると、色の強さは、輝度に比例しているので、正規化する意味で輝度Yで除算している。各画素について色がどの程度発生しているのかを求め、その平均を偽色発生率とする(部分画像について緑を除いた画素について平均を求め、それを偽色混合率として算出する)。元画像である白黒画像においては、C=0であり、出力画像においてもCの値が0に近いほど良好な結果が得られたと言える。
【0035】
図5は、色収差補正後の画像の解像度毎(25本/画面、50本/画面、100本/画面、125本/画面、150本/画面、175本/画面)の偽色混合率を示すグラフである。縦軸は偽色混合率(平均値)を表し、横軸は画像中心(レンズ中心)からの距離を表している。このグラフから、画像の端部においても、偽色混合率の低下がなく、良好な結果が得られることが分かる。
【0036】
表1に示したずれ量は、評価を行うためのものであり、ずれ量の最小単位を1としたが、実際の処理では、ずれ量の最小単位を0.25などの少数を用いる必要がある。以下では、表2および図6を参照して実際の処理について説明する。
【0037】
【表2】
Figure 2004274133
【0038】
表2は、図2の各部分画像a乃至eにおけるずれ量を示している。表2に示すように、部分画像aのずれ量は0である。部分画像b内のR(赤)の画像のずれ量理論値は0.30、部分画像b内のB(青)の画像のずれ量理論値は−0.47となる。ここでは、色収差補正の最小単位を0.25画素としているので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は0.25、Bの画像のずれ量は−0.50となる。
【0039】
また、部分画像c内のR(赤)の画像のずれ量理論値は0.60、部分画像c内のB(青)の画像のずれ量理論値は−0.94となる。ここでは、色収差補正の最小単位を0.25画素としているので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は0.50、Bの画像のずれ量は−1.0となる。
【0040】
また、部分画像d内のR(赤)の画像のずれ量理論値は0.91、部分画像d内のB(青)の画像のずれ量理論値は−1.41となる。ここでは、色収差補正の最小単位を0.25画素としているので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は1.0、Bの画像のずれ量は−1.50となる。
【0041】
また、部分画像e内のR(赤)の画像のずれ量理論値は1.21、部分画像e内のB(青)の画像のずれ量理論値は−1.88となる。ここでは、色収差補正の最小単位を0.25画素としているので、実際に色収差補正部104が色収差補正に用いる部分画像b内のRの画像のずれ量は1.25、Bの画像のずれ量は−1.75となる。ずれ量の理論値の最小単位を1.0,0.5,0.25,0.125・・・等に限定することができる。特に、ずれ量の理論値の最小単位を2の累乗(2−m(mは自然数))に拘束することにより、シフト演算と加減算を用いた簡単な回路で色収差補正を行うことが可能となる。
【0042】
図6は、ある一つのラインに注目した場合の画素配列である。図6ではR32,G32,B32は同一の位置に存在するものとする。他の画素についても同様である。図6の画素配列においてG35に注目し、図2の部分画像eの位置に相当する色収差を補正する。画素R35の画素値は、次式(7)により、求めることができる。
【0043】
R35 = 0.25*R33 + 0.75*R34 ・・・式(7)
【0044】
また、画素G35の画素値は、次式(8)により求めることができる。
【0045】
G35 = G35 ・・・式(8)
【0046】
また、画素B35の画素値は、次式(9)により求めることができる。
【0047】
B35 = 0.25*B36 + 0.75*B37 ・・・式(9)
【0048】
このように、ずれ量に対して、画面中心からの距離に比例した重みを付けることにより画素の値を算出することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態は、特にレンズの色収差補正を、画像処理で行うものである。特に、ライン方向のみで色収差補正を行うことにより、マッピング処理を一次元で済ませることができ、処理を簡単にすることができる。また、画像を拡大して見ない限り、色収差の影響は「解像度」という観点でしか現れて来ず、また、人間の視覚において、画像の横方向の解像度の感度が縦方向に比較して高いので、横方向の解像度を向上させることによって、視覚的に対象画像の画質を向上させることができる。
【0050】
また、1画像に対して色収差補正用のデータ(ずれ量)を同一の計算で算出することで、計算に要するデータを大幅に削減できる。あるいは、1画像に対して色収差補正用のデータ(ずれ量)を1ライン分のみ保持しておき、1画像の全ラインにおいてこの色収差補正用のデータを用いることにより、色収差補正用のデータ(ずれ量)を補正時にその都度計算し直す必要がなくなり、負荷を軽減することができる。また、全画面において、実用的にほぼ満足できる色収差補正を実現することができる。また、レンズ歪は中心からの距離の関数であるが、それを簡略化して、画像の横方向の距離のみの関数に簡略化しても、実用的かつ効果的な結果が得られる。
【0051】
また、非常に軽いハードウェア(H/W)またはソフトウェア(S/W)にて有効な補正が実現できる。色収差補正を画像処理にて実現することにより、装置の厚さを薄くしたり、他の性能を向上させることができる。あるいは、レンズの枚数を削減することもできる。すなわち光学的な色収差についてシビアな性能が要求されないので、レンズ設計の自由度を上げることができる。
【0052】
なお、上記実施の形態においては、横方向についてのみ色収差補正を行うようにしたが、縦方向のみ、または縦方向および横方向について色収差補正を行うようにすることもできる。また、横方向と縦方向を切り替えることができるようにしても良い。
【0053】
また、上記実施の形態においては、G(緑)の画像の位置を基準として、B(青)の画像の位置およびR(赤)の画像の位置を補正するようにしたが、BまたはRの画像の位置を基準とすることもできる。また、どれか一つの色の位置に他の色の位置を補正するのではなく、各画素の各色が本来焦点を結ぶべき位置に補正されるようにR,G,Bすべてを補正しても良い。
【0054】
また、上記実施の形態においては、色収差補正処理をハードウェアで行うようにしたが、コンピュータが所定のプログラムに基づいて上記色収差補正処理を行うようにすることも可能である。
【0055】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】色収差補正のために定義した部分画像を示す図である。
【図3】色収差補正前と色収差補正後の各画素の輝度値を示す図である。
【図4】色収差補正後の画像の通過特性を示すグラフである。
【図5】色収差補正後の画像の偽色混合率を示すグラフである。
【図6】実際の色収差補正処理の説明図。
【符号の説明】
101 レンズ、102 エリアセンサ、103 センサ制御部、104 色収差補正部、105 画像処理部

Claims (8)

  1. 所定の画像に対して色収差補正を行う色収差補正装置であって、
    前記画像をライン画像として1ライン単位で入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記ライン画像の各画素の値に基づいて、前記ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出手段と、
    前記補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする色収差補正装置。
  2. 前記補正値算出手段は、前記画像の縦方向または横方向のいずれか一方のラインについて、色収差補正を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の色収差補正装置。
  3. 前記ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行うためのずれ量を線形関数で近似するずれ量算出手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の色収差補正装置。
  4. 前記ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行うためのずれ量を記憶するずれ量記憶手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の色収差補正装置。
  5. 前記画像入力手段によって入力される前記画像のデータは、RGBの画素データより構成され、前記RGBの画素データを用いて、色毎の収差のずれを利用して補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の色収差補正装置。
  6. 前記補正値算出手段は、前記ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行うためのずれ量の最小単位を2の累乗となるように拘束する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の色収差補正装置。
  7. 所定の画像に対して色収差補正を行う色収差補正方法であって、
    前記画像をライン画像として1ライン単位で入力する画像入力ステップと、
    前記画像入力ステップにおいて入力された前記ライン画像の各画素の値に基づいて、前記ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出ステップと、
    前記補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力ステップと
    を備えることを特徴とする色収差補正方法。
  8. 所定の画像に対して色収差補正を行う色収差補正装置を制御する色収差補正プログラムであって、
    前記色収差補正装置に、
    前記画像をライン画像として1ライン単位で入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記ライン画像の各画素の値に基づいて、前記ライン画像の中心からの距離に応じた色収差補正を行い、補正後の各画素の値を算出する補正値算出ステップと、
    前記補正後の各画素の値による補正後のライン画像を出力する出力ステップと
    を実行させることを特徴とする色収差補正プログラム。
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