JP2004269764A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好な硬化性組成物を提供する。
【解決手段】そこで、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、必要に応じて金属キレート化合物(C)とを含有する硬化性組成物においてケイ酸エステル(B)として置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルを使用することにより課題を解決した。
発明の効果 上述の構成をとることにより貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好であるという効果を生ずる。
【解決手段】そこで、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、必要に応じて金属キレート化合物(C)とを含有する硬化性組成物においてケイ酸エステル(B)として置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルを使用することにより課題を解決した。
発明の効果 上述の構成をとることにより貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好であるという効果を生ずる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む新規な硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から窯業系サイディング等の建築物の外壁防水シーリング材、塩化ビニルシート等の樹脂製シート、タイル、木質板などの建築用部材の接着剤あるいは塗り床材として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物が作業のしやすさ、硬化後の接着性の高さや、低モジュラスから高モジュラス(低伸びから高伸び)まで硬化後のゴム弾性物性を広範囲に調節できるなどの優れた点から広く用いられている。
【0003】
しかし、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基濃度が高かったり、硬化速度を速めたりした場合、大気中の湿気と反応し硬化する際、発生する炭酸ガスの量が多くなったり、急激に炭酸ガスが発生したりしたとき、硬化物内部に気泡が生じるため外観が悪くなる、伸びなどのゴム引張物性が悪くなる、接着性が悪くなるなどの不具合が生じる。
【0004】
このようなことから、従来、炭酸ガスによる発泡を防止するために、ポリオールケイ酸エステルを潜在硬化剤として、ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属の有機酸塩や3級アミンなどをケイ酸エステルの加水分解促進触媒として使用して硬化したとき、硬化物の内部に炭酸ガスに起因する気泡を実質的に含有しないようにした湿気硬化型一液ポリウレタンプレポリマーを硬化させる方法が知られており(たとえば、特許文献1参照。)、また、特定の総不飽和度の低いポリアルキレンポリオールに基づくウレタンプレポリマーという特定のプレポリマーに、加水分解によりイソシアネート基と反応しうる活性水素を発生させるシリル基を含有する特定の化合物を添加して炭酸ガスによる発泡の少ない湿気硬化性組成物とすることが知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
しかし、これらの従来の方法により、炭酸ガスによる硬化物の発泡を防止することは可能であるが、硬化性組成物の貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性が良好なものとするには不十分であった。
さらに、ジブチル錫ジラウレートに代表される有機金属の有機酸塩類をケイ酸エステルの加水分解促進触媒として使用した場合、硬化後の耐水接着性が悪化するという欠点がある。
【0005】
このように、従来の硬化性組成物では貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性が良好な硬化性組成物は得られなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−191820号公報
【特許文献2】
特開2000−212239号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、上述の従来の欠点にかんがみて、ウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好な硬化組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本願発明は、上述の課題であるウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性が良好な硬化組成物を実現するべく鋭意検討した結果、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに特定のケイ酸エステルの潜在硬化剤を使用することにより上述の課題を解決することができることを見い出し、本願発明に至ったものである。
【0009】
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能な特定のケイ酸エステル(B)を含有することを特徴とする硬化性組成物に関するものであり、より詳しくは、以下の発明、すなわち、
(a)イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)とを含有する硬化性組成物であって、前記ケイ酸エステル(B)が置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルであることを特徴とする前記硬化性組成物。
【0010】
(b)前記の湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ポリオールと、下記一般式(1)に示される置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合した加水分解性シランとの脱XH反応により得られる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
【化2】
(式中、R1は置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基、R2はメチル基またはエチル基、Xは1価の加水分解性基、aは0、1または2の整数をそれぞれ示す。)
【0011】
(c)前記のポリオールが、ネオペンチルグリコールであることを特徴とする(a)または(b)に記載の硬化性組成物。
【0012】
(d)更に硬化促進触媒として、金属キレート化合物(C)を含有することを特徴とする(a)〜(c)のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
(e)更に添加剤を含有することを特徴とする(a)〜(d)のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
(f)前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(e)に記載の硬化性組成物。
に関するものである。
【0013】
このような、構成をとることにより従来のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー系硬化性組成物に比べて、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好であるという効果を奏するものである。
【0014】
本願発明の硬化性組成物で使用する各成分については以下で詳しく説明する。まず、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)成分について説明する。
【0015】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるものである。
【0016】
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフエニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。これらのうち、発泡防止性と耐候性に優れている点で、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが更に好ましい。
【0017】
前記活性水素含有化合物としては、高分子ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これらの化合物のうち、高分子のポリオールが好適である。
【0018】
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール等、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの高分子ポリオールのうち、作業性、接着性、耐候性などが優れている点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0019】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
また、例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ一バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
【0021】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、これらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキサイドなどのエポキシドを開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールなども使用できる。これらのうち、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
【0022】
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
【0023】
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールなどが挙げられる。
これらの高分子ポリオールの数平均分子量は500〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
【0024】
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類等のうち分子量500未満のもの、またはこれらの2種以上の混合物が好適に例示される。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物は1種または2種以上を組合わせて使用することができる。
【0025】
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜5.0/1.0が好ましく、更に1.3〜2.0/1.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、炭酸ガスによる発泡を防止することが困難になるため好ましくない。
【0026】
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成には、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物であるEXCESTAR C−501(旭硝子社製)などの金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などの公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち金属有機酸塩や有機金属と有機酸との塩が好ましい。また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0027】
つぎに、本願発明の湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)成分について説明する。
【0028】
本願発明において用いられる湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)は、置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルであって、具体的には例えば、下記一般式(1)に示される置換基を有していてもよいまた鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合した加水分解性シラン化合物と、ポリオールとを例えば下記一般式(2)に示されるような脱ハロゲン化水素や脱アルコールなどの脱XH反応して得られるケイ酸エステルである。
なお、本願発明において置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素原子数7以上の1価の炭化水素基中の炭素原子は、酸素原子や窒素原子を介さないで直接ケイ素原子に結合している。
【化3】
(式中、R1は置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基、R2はメチル基またはエチル基、好ましくはメチル基、Xは1価の加水分解性基、aは0、1または2の整数をそれぞれ示す。)
【化4】
(式中R1、R2、X及びaは前記に同じ、R′は2価の有機基を示す)
【0029】
一般式(1)においてR1の1価の炭化水素基としては、炭素原子の数が7個以上の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、あるいはこれらの混合した基が挙げられ、これらは鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよく、また置換基を有していてもよく有していなくてもよい。置換基としては、メチル基やエチル基などのアルキル基、クロル基などのハロゲン基、エポキシド基、アクリロイルオキシ基やメタクロイルオキシ基、アミノ基、メルカプト基などが挙げられ、前記に挙げた炭素数が7個以上の炭化水素基の水素原子の1個または複数個と置換したものなどが挙げられるが、置換基が複数の場合は1種でもよいし、これらの2種以上の混合でもよい。
Xで示される1価の加水分解性基としては、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、アルケニルオキシ基、アミノオキシ基などが挙げられる。
【0030】
より具体的には例えば、鎖中に酸素原子および窒素原子を有していない非置換の炭化水素基結合アルコキシシランの例として、n−へプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−へキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、2−シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルエチルジエトキシシランなどが挙げられ、鎖中に酸素原子および窒素原子を有していない非置換の炭化水素基結合ハロゲンシランの例として、n−オクタデシルトリクロロシラン、n−オクタデシルメチルジクロロシランなどが挙げられ、鎖中に酸索原子または窒素原子を有している非置換の炭化水素基結合アルコキシシランの例として、6−エトキシへキシルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、ハロゲンやエポキシド基が置換した炭化水素基結合アルコキシシランの例として、8−モノクロルオクチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、9,10−エポキシデシルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて用いられる。
【0031】
これらのうち、炭化水素基の炭素原子の数は得られる硬化組成物の発泡防止と、粘度低下の効果の点で、7個以上、更には8個以上が好ましく、10〜20個が最も好ましい。またケイ素原子に結合する炭化水素基鎖中にあってもよい窒素原子として2級の窒素原子、また置換基としてアミノ基、メルカプト基などのイソシアネート基含有プレポリマーのイソシアネート基と反応する活性水素基を含有するものは組成物の粘度を上げるため好ましいものではない。したがって炭化水素基鎖中にあってもよい窒素原子としては3級の窒素原子が好ましい。またケイ素原子に結合する加水分解性基の個数は入手し易く、得られるケイ酸エステルの発泡防止の効果の点で2個または3個、更には3個が好ましく、加水分解性基の種類としては入手の容易性とポリオールとの反応の際、副生するものがケトンやアルコールなどの毒性の低い化合物のため製造し易い点で、ケトキシメート基やアルコキシ基が好ましく、更にはアルコキシ基が好ましく、更にメトキシ基またはエトキシ基が好ましく、メトキシ基が最も好ましい。したがって、前記に挙げたもののうち鎖中に酸索原子および窒素原子を有していない非置換の炭素数7以上の炭化水素基結合アルコキシシランが好ましく、n−デシルトリメトキシシランが最も好ましい。
ポリオールと前記一般式(1)の化合物との反応は、トルエンやキシレンなどの有機溶媒中、30〜250℃に加熱し、副生するハロゲン化水素やアルコールなどのXHを有機溶媒とともに系外に留去させることにより好適に得られるが、有機溶媒は使用しなくてもよい。この際、ポリオールの水酸基1当量に対して、前記一般式(1)の化合物の加水分解性基が、好ましくは0.5〜1.5当量の範囲で、更に好ましくは0.8〜1.2当量の範囲で、最も好ましくは1当量になるように使用するのが好ましい。
なお、この反応において、後述の硬化促進触媒として挙げたものと同様の化合物を反応促進触媒として使用してもよいし、また使用しなくてもよい。
【0032】
前記一般式(2)の生成物であるケイ酸エステルは、鎖状エステルのみでなく、下記の環状のケイ酸エステルも含むものである。これに関しては、アメリカ化学会誌(J.A.C.S.)第69巻(1947年)第2689〜 2691頁を参照されたい。
【化5】
(式中、R´は前記に同じ。)
ポリオールとしては、分子内に水酸基を2個以上含有する化合物であればよく、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の1級水酸基のみからなるポリオール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリコール等の1級水酸基と2級水酸基からなるポリオールなどが挙げられる。これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。これらのうち、再生したポリオールがウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応する速度が大きく、発泡防止の効果に優れている点で、分子量500以下、好ましくは分子量150以下の、1級水酸基のみからなるポリオールが好ましく、更には得られるケイ酸エステルの粘度が低いためネオペンチルグリコールが最も好ましい。
【0033】
上記ジまたはトリアルコキシシランとポリオールとのエステル交換によるケイ酸エステルの合成時には、原料アルコキシシランのアルコキシシリル基の一部を残存させることも可能である。しかし、この場合には、加水分解により発生する1価アルコールが、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと反応して架橋高分子化を妨害する。この副反応を抑制するためには、残存アルコキシシランに2級または3級の1価アルコールを添加してアルコリシスを行い、メタノールまたはエタノール等の1級アルコールを系外に留出させることにより、ポリオールと2級または3級の1価アルコールとよりなるケイ酸エステルが得られる。このケイ酸エステルは加水分解によりポリオールと2級または3級の1価アルコールを発生するが、2級または3級の1価アルコールはイソシアネート基との反応が遅いので、エチレングリコール等の1級ポリオールとイソシアネート基との反応が優先してイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは高分子化し、2級または3級の1価アルコールは未反応のまま系外に蒸発する。
【0034】
2級または3級の1価アルコールとしては、イソプロパノール、sec−ブタノール、2−オクタノール、t e r t−ブタノール、t e r t−オクタノールや2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノブチレートなどの1価アルコールが挙げられる。
【0035】
本願発明において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とケイ酸エステル(B)との混合比は、ケイ酸エステルの加水分解によって再生するポリオールの水酸基が、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1当量に対して0.2〜1.5当量、更に0.3〜1.0当量になるようにするのが好ましい。再生ポリオールの水酸基が0.2当量より少ないと、過剰のイソシアネート基が水分と反応して発泡の原因となり、逆に、1.5当量より多い場合は分子末端が水酸基で止まって高分子化できず、硬化後の接着性やゴム弾性などの諸物性が悪くなるので好ましくない。
【0036】
本願発明におけるポリオールケイ酸エステルと空気中の湿気との反応並びにイソシアネート基と1級水酸基との反応は、イソシアネート基と湿気との反応よりも大巾に速い。それ故、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとケイ酸エステルとの共存下において、前記混合物が湿分と接触するとケイ酸エステルの加水分解(下記の式(3))が、湿分とイソシアネート基との反応(下記の式(5))に優先し、次に再生したポリオールとイソシアネート基とのウレタン化反応(下記の式(4))が起こってポリウレタン硬化物が得られる。
【化6】
(式中、R3はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わし、R4は有機基を表わす。)
【0037】
すなわち反応速度は(3)>(5)である。一般にイソシアネート基と1級水酸基との反応速度は、イソシアネート基と水との反応に比べて大巾に「早く((4)>(5))」、したがって、(5)式の反応は実質的にほとんど起こらず、その結果、炭酸ガスによる硬化物の発泡が防止される。
【0038】
つぎに、本願発明においては硬化性組成物に硬化促進触媒を添加することができる。使用することができる硬化促進触媒としては、たとえば、テトラ−n−ブチルチタネート等の金属のアルコキシド、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物であるEXCESTAR C−501(旭硝子社製)などの金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。この中では、耐水接着性が良好な点で金属キレート化合物が好ましく、以下でさらに詳細に説明する。
【0039】
この金属キレート化合物(C)は、ケイ酸エステル(B)の加水分解触媒として作用するとともに、再生したポリオールとウレタンプレポリマーのイソシアネート基との反応硬化促進触媒としても作用するものであるが、その例としては、たとえばジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート触媒(旭硝子社製、EXCESTAR C−501)等の錫キレート化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウム−モノ(アセチルアセトナート)−ビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート化合物、アセチルアセトン第一コバルト、アセチルアセトン第二コバルト等のコバルトキレート化合物、第二鉄トリス(アセチルアセトナート)等の鉄キレート化合物、銅ビス(アセチルアセトナート)等の銅キレート化合物、マグネシウムビス(アセチルアセトナート)等のマグネシウムキレー卜化合物、ニッケルビス(アセチルアセトナート)等のニッケルキレート化合物、亜鉛ビス(アセチルアセトナート)等の亜鉛キレート化合物、マンガンビス(アセチルアセトナート)等のマンガンキレート化合物、チタントリス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)等のチタンキレート化合物などが挙げられるが、このうちポリオールのケイ酸エステルの加水分解速度を速め、再生したポリオールとイソシアネート基との反応速度も速いため硬化組成物の発泡防止に優れている点で、錫キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)または旭硝子社製、EXCESTAR C−501が更に好ましい。
【0040】
金属キレート化合物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部、特に0.1〜5重量部配合するのが好ましい。
【0041】
つぎに、本願発明の硬化性組成物における添加剤について説明する。
本願発明における添加剤としては、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
【0042】
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げて作業性を改善するために使用され、耐候安定剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物を挙げることができる。
【0043】
可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しないポリオキシアルキレン類、中でもシユークロース等の糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しない糖類系ポリオキシアルキレン類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水素添加ポリブテン等のオレフィン系のオリゴマー類、(メタ)アクリレート共重合物などのイソシアネート基と反応しない可塑剤が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0044】
可塑剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の100重量部に対して、1〜200重量部、特に2〜50重量部配合するのが好ましい。
【0045】
酸化防止剤としてはヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87等の分子量1,000未満の低分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくアデカスタブシリーズのLA−63P、LA−68D、あるいはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LD等の分子量1,000以上の高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0046】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリト−ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
【0047】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0048】
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などの光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレートなどのポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオ−ルのアクリレートやメタクリレートなどのポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、あるいはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有するものが好ましい。
これらの耐候安定剤は単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0049】
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
【0050】
充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤は、接着性向上、補強、だれ防止、着色などのために、本願発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
【0051】
充填剤としては、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン状充填剤などの無機系充填剤、あるいはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の粉末や中空体、サランマイクロバルーン等の有機系バルーン状充填剤などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0052】
揺変性付与剤としては、たとえば、コロイダルシリカ、石綿粉、脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機系揺変性付与剤、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド等の有機系揺変性付与剤が挙げられ、これらのものの中から1種あるいは2種以上を適宜選択して添加することができる。
【0053】
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応するビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0054】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0055】
充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤、および着色剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して0〜500重量部、特に5〜300重量部であることが好ましい。
【0056】
本願発明の硬化性組成物において、前記各添加剤成分はそれぞれ1種類または2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
本願発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、n−ヘキサン等の脂肪族系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。これらは単独であるいは2種以上を組合わせて使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
【0058】
なお、本願発明の硬化性組成物は作業性の点から1液湿気硬化型として使用するのが好ましいが、本願発明の硬化性組成物を主剤とし、水などの硬化剤を混合して硬化させる2液硬化型としても使用できる。
【0059】
本願発明の硬化性組成物は、高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡せず、かつ硬化後の耐水接着性に優れた硬化物になるため、各種用途に使用できるが、特に建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
【0060】
以下に本願発明の実施例を示すが、本願発明がこれに限定されるものではない。
【0061】
合成例1 (n−デシル基結合ケイ酸エステル)
攪拌機、温度計、窒素シール管および還流冷却器の付いた、加熱、冷却装置付き反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5g、n−デシルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、AY43−210MC)525g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(TBT)0.084gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し1時間還流した。液温は87℃から80℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら液温が218℃になるまで6時間加熱を続けた。そのときの副生メタノールの留出量は182gであった。次いで減圧に切り替え減圧度13hPaで1時間加熱を続け未反応のネオペンチルグリコールを約9g回収した後、冷却し常庄に戻した。1Rで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色のn−デシル基結合ケイ酸エステルの液体を得た。
この液体はガスクロマトグラフィー(FID、ガスクロ工業杜製ガスクロパック55−カラム、オーブン温度200℃)にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークを示し、再生していることが確認できた。
【0062】
合成例2(3−グリシドキシプロピル基結合ケイ酸エステル)
合成例1と同様な反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A−187)475.1g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(TBT)0.01gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し2時間還流した。液温は138℃から100℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら液温が200℃になるまで加熱を続けた後、冷却し、IRで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色の3−グリシドキシプロピル基結合ケイ酸エステルの液体を得た。そのときの副生メタノールの留出量は185gであった。
この液体はガスクロマトグラフィー(FID、ガスクロ工業社製ガスクロパック55−カラム、オーブン温度200℃)にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークを示し、再生していることが確認できた。
【0063】
合成例3 (イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー)
攪拌機、温度計、窒素シール管の付いた、加熱、冷却装置付き反応容器中に、窒素ガスを流しながらポリオキシプロピレントリオール(旭硝子社製、エクセノール5030、数平均分子量5,000)430g(OH当量=0.258)を入れ、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールI、分子量222.3)56g(NCO当量=0.504、R値=NCO当量/OH当量1.95)を仕込み、さらに反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.04gを入れ加温して70〜80℃で2時間反応させて、滴定によりイソシアネート基含有量が理論値(2.13質量%)以下になった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを製造した。
このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、滴定による実測イソシアネート基含有量2.07質量%、粘度11,500mPa・s/25℃、常温で半透明の液体であった。
【0064】
実施例1
加熱、冷却装置および窒素シール管付き混練容器に、窒素を流しながら合成例3で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー785gとトルエン50gと炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、ホワイトンB)300gとを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、次いでヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)5gとp−トルエンスルホニルイソシアネート1gと合成例1で得たn−デシル基結合ケイ酸エステル34gとを仕込み、攪拌、混合した後親水性コ口イダルシリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、BET比表面積200m2/g、平均一次粒子径約12nm)58gを仕込みさらに均一になるまで1時間攪拌、混合した。次いでジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製、ネオスタンU−220)8gを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、さらに減圧脱泡し、容器に充填、密封してシーリング材組成物を調製した。
【0065】
比較例1
実施例1において、n−デシル基結合ケイ酸エステルとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)を使用する代わりに、合成例2で得た3−グリシドキシプロピル基結合ケイ酸エステル32gとジブチル錫ジラウレート8gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0066】
以上の結果を表1に示す。
【表1】
【0067】
(試験方法)
▲1▼粘 度
製造直後のシーリング材組成物と、50℃で10日間貯蔵した後のシーリング材組成物とについて、B型回転粘度計を用い、25℃における、No.7のローターで毎分10回転のときの粘度をそれぞれ測定した。
▲2▼粘度変化率
製造直後のシーリング材組成物の粘度(粘度1とする)に対する、50℃で10日間貯蔵した後のシーリング材組成物の粘度(粘度2とする)の比を粘度変化率として算出した。
▲3▼硬化ゴムの引張試験
シーリング材組成物をシート状に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化し、厚さ約2mmの硬化ゴムシートを作製した。養生後の硬化ゴムシートを用い、JIS K 6251−1993「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して硬化ゴムの引張試験を行った。試験片の形状はダンベル状4号形とした。引張強さ(TB)の値が300N/cm2以上を○、300N/cm2未満を×、切断時伸び(EB)が500%以上を○、500%未満を×と評価した。
▲4▼発泡性
厚さ3mmのラワン合板の表面にシーリング材組成物をおおよそ幅20mm×頂点の高さ10mm×長さ100mmのビード状に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させた試験体を、カッターで幅の中心付近を長さ方向に縦に切り硬化物内部の発泡の有無を目視により観察した。発泡が認められないか、または極めて少ないものを○、発泡が多数認められるものを×と評価した。
▲5▼引張接着性試験
JIS A 1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の4.21引張接着性試験に準拠し、養生後の試験体およびこれとは別に養生後の試験体をさらに50℃の温水に7日間浸漬処理した試験体についてそれぞれ引張り試験をした。なお、試験体はスレートをプライマー(OP−2531、オート化学工業社製)で処理し、シーリング材組成物を打設、養生して作製した。最大引張応力(Tmax)の値が100N/cm2以上のものを○、100N/cm2未満のものを×と評価し、最大荷重時の伸び(Emax)が300%以上のものを○、300%未満のものを×と評価した。
【0068】
(試験結果)
炭素の数が10個であるn−デシル基が結合したケイ酸エステルとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)を使用したほうが、炭素の数が6個である3−グリシドキシプロピル基が結合したケイ酸エステルとジブチル錫ジラウレートを使用したものより、粘度変化率が小さく貯蔵安定性が良好であり、また硬化ゴムの引張試験も良好で硬化後の物理特性更には耐水接着性も良好なことを示している。
【0069】
【発明の効果】
上述のように、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、水分により加水分解してポリオールを再生することが可能な特定のケイ酸エステル(B)と、必要に応じて金属キレート化合物(C)とを含有する硬化性組成物という構成をとることにより、従来のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー系硬化性組成物に比べて、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好であるという効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む新規な硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から窯業系サイディング等の建築物の外壁防水シーリング材、塩化ビニルシート等の樹脂製シート、タイル、木質板などの建築用部材の接着剤あるいは塗り床材として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物が作業のしやすさ、硬化後の接着性の高さや、低モジュラスから高モジュラス(低伸びから高伸び)まで硬化後のゴム弾性物性を広範囲に調節できるなどの優れた点から広く用いられている。
【0003】
しかし、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基濃度が高かったり、硬化速度を速めたりした場合、大気中の湿気と反応し硬化する際、発生する炭酸ガスの量が多くなったり、急激に炭酸ガスが発生したりしたとき、硬化物内部に気泡が生じるため外観が悪くなる、伸びなどのゴム引張物性が悪くなる、接着性が悪くなるなどの不具合が生じる。
【0004】
このようなことから、従来、炭酸ガスによる発泡を防止するために、ポリオールケイ酸エステルを潜在硬化剤として、ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属の有機酸塩や3級アミンなどをケイ酸エステルの加水分解促進触媒として使用して硬化したとき、硬化物の内部に炭酸ガスに起因する気泡を実質的に含有しないようにした湿気硬化型一液ポリウレタンプレポリマーを硬化させる方法が知られており(たとえば、特許文献1参照。)、また、特定の総不飽和度の低いポリアルキレンポリオールに基づくウレタンプレポリマーという特定のプレポリマーに、加水分解によりイソシアネート基と反応しうる活性水素を発生させるシリル基を含有する特定の化合物を添加して炭酸ガスによる発泡の少ない湿気硬化性組成物とすることが知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
しかし、これらの従来の方法により、炭酸ガスによる硬化物の発泡を防止することは可能であるが、硬化性組成物の貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性が良好なものとするには不十分であった。
さらに、ジブチル錫ジラウレートに代表される有機金属の有機酸塩類をケイ酸エステルの加水分解促進触媒として使用した場合、硬化後の耐水接着性が悪化するという欠点がある。
【0005】
このように、従来の硬化性組成物では貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性が良好な硬化性組成物は得られなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−191820号公報
【特許文献2】
特開2000−212239号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、上述の従来の欠点にかんがみて、ウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好な硬化組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本願発明は、上述の課題であるウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性が良好な硬化組成物を実現するべく鋭意検討した結果、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに特定のケイ酸エステルの潜在硬化剤を使用することにより上述の課題を解決することができることを見い出し、本願発明に至ったものである。
【0009】
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能な特定のケイ酸エステル(B)を含有することを特徴とする硬化性組成物に関するものであり、より詳しくは、以下の発明、すなわち、
(a)イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)とを含有する硬化性組成物であって、前記ケイ酸エステル(B)が置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルであることを特徴とする前記硬化性組成物。
【0010】
(b)前記の湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ポリオールと、下記一般式(1)に示される置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合した加水分解性シランとの脱XH反応により得られる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
【化2】
(式中、R1は置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基、R2はメチル基またはエチル基、Xは1価の加水分解性基、aは0、1または2の整数をそれぞれ示す。)
【0011】
(c)前記のポリオールが、ネオペンチルグリコールであることを特徴とする(a)または(b)に記載の硬化性組成物。
【0012】
(d)更に硬化促進触媒として、金属キレート化合物(C)を含有することを特徴とする(a)〜(c)のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
(e)更に添加剤を含有することを特徴とする(a)〜(d)のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
(f)前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(e)に記載の硬化性組成物。
に関するものである。
【0013】
このような、構成をとることにより従来のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー系硬化性組成物に比べて、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好であるという効果を奏するものである。
【0014】
本願発明の硬化性組成物で使用する各成分については以下で詳しく説明する。まず、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)成分について説明する。
【0015】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるものである。
【0016】
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフエニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。これらのうち、発泡防止性と耐候性に優れている点で、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが更に好ましい。
【0017】
前記活性水素含有化合物としては、高分子ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これらの化合物のうち、高分子のポリオールが好適である。
【0018】
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール等、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの高分子ポリオールのうち、作業性、接着性、耐候性などが優れている点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0019】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
また、例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ一バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
【0021】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、これらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキサイドなどのエポキシドを開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールなども使用できる。これらのうち、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
【0022】
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
【0023】
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールなどが挙げられる。
これらの高分子ポリオールの数平均分子量は500〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
【0024】
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類等のうち分子量500未満のもの、またはこれらの2種以上の混合物が好適に例示される。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物は1種または2種以上を組合わせて使用することができる。
【0025】
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜5.0/1.0が好ましく、更に1.3〜2.0/1.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、炭酸ガスによる発泡を防止することが困難になるため好ましくない。
【0026】
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成には、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物であるEXCESTAR C−501(旭硝子社製)などの金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などの公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち金属有機酸塩や有機金属と有機酸との塩が好ましい。また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0027】
つぎに、本願発明の湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)成分について説明する。
【0028】
本願発明において用いられる湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)は、置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルであって、具体的には例えば、下記一般式(1)に示される置換基を有していてもよいまた鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合した加水分解性シラン化合物と、ポリオールとを例えば下記一般式(2)に示されるような脱ハロゲン化水素や脱アルコールなどの脱XH反応して得られるケイ酸エステルである。
なお、本願発明において置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素原子数7以上の1価の炭化水素基中の炭素原子は、酸素原子や窒素原子を介さないで直接ケイ素原子に結合している。
【化3】
(式中、R1は置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基、R2はメチル基またはエチル基、好ましくはメチル基、Xは1価の加水分解性基、aは0、1または2の整数をそれぞれ示す。)
【化4】
(式中R1、R2、X及びaは前記に同じ、R′は2価の有機基を示す)
【0029】
一般式(1)においてR1の1価の炭化水素基としては、炭素原子の数が7個以上の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、あるいはこれらの混合した基が挙げられ、これらは鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよく、また置換基を有していてもよく有していなくてもよい。置換基としては、メチル基やエチル基などのアルキル基、クロル基などのハロゲン基、エポキシド基、アクリロイルオキシ基やメタクロイルオキシ基、アミノ基、メルカプト基などが挙げられ、前記に挙げた炭素数が7個以上の炭化水素基の水素原子の1個または複数個と置換したものなどが挙げられるが、置換基が複数の場合は1種でもよいし、これらの2種以上の混合でもよい。
Xで示される1価の加水分解性基としては、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、アルケニルオキシ基、アミノオキシ基などが挙げられる。
【0030】
より具体的には例えば、鎖中に酸素原子および窒素原子を有していない非置換の炭化水素基結合アルコキシシランの例として、n−へプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−へキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、2−シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルエチルジエトキシシランなどが挙げられ、鎖中に酸素原子および窒素原子を有していない非置換の炭化水素基結合ハロゲンシランの例として、n−オクタデシルトリクロロシラン、n−オクタデシルメチルジクロロシランなどが挙げられ、鎖中に酸索原子または窒素原子を有している非置換の炭化水素基結合アルコキシシランの例として、6−エトキシへキシルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、ハロゲンやエポキシド基が置換した炭化水素基結合アルコキシシランの例として、8−モノクロルオクチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、9,10−エポキシデシルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて用いられる。
【0031】
これらのうち、炭化水素基の炭素原子の数は得られる硬化組成物の発泡防止と、粘度低下の効果の点で、7個以上、更には8個以上が好ましく、10〜20個が最も好ましい。またケイ素原子に結合する炭化水素基鎖中にあってもよい窒素原子として2級の窒素原子、また置換基としてアミノ基、メルカプト基などのイソシアネート基含有プレポリマーのイソシアネート基と反応する活性水素基を含有するものは組成物の粘度を上げるため好ましいものではない。したがって炭化水素基鎖中にあってもよい窒素原子としては3級の窒素原子が好ましい。またケイ素原子に結合する加水分解性基の個数は入手し易く、得られるケイ酸エステルの発泡防止の効果の点で2個または3個、更には3個が好ましく、加水分解性基の種類としては入手の容易性とポリオールとの反応の際、副生するものがケトンやアルコールなどの毒性の低い化合物のため製造し易い点で、ケトキシメート基やアルコキシ基が好ましく、更にはアルコキシ基が好ましく、更にメトキシ基またはエトキシ基が好ましく、メトキシ基が最も好ましい。したがって、前記に挙げたもののうち鎖中に酸索原子および窒素原子を有していない非置換の炭素数7以上の炭化水素基結合アルコキシシランが好ましく、n−デシルトリメトキシシランが最も好ましい。
ポリオールと前記一般式(1)の化合物との反応は、トルエンやキシレンなどの有機溶媒中、30〜250℃に加熱し、副生するハロゲン化水素やアルコールなどのXHを有機溶媒とともに系外に留去させることにより好適に得られるが、有機溶媒は使用しなくてもよい。この際、ポリオールの水酸基1当量に対して、前記一般式(1)の化合物の加水分解性基が、好ましくは0.5〜1.5当量の範囲で、更に好ましくは0.8〜1.2当量の範囲で、最も好ましくは1当量になるように使用するのが好ましい。
なお、この反応において、後述の硬化促進触媒として挙げたものと同様の化合物を反応促進触媒として使用してもよいし、また使用しなくてもよい。
【0032】
前記一般式(2)の生成物であるケイ酸エステルは、鎖状エステルのみでなく、下記の環状のケイ酸エステルも含むものである。これに関しては、アメリカ化学会誌(J.A.C.S.)第69巻(1947年)第2689〜 2691頁を参照されたい。
【化5】
(式中、R´は前記に同じ。)
ポリオールとしては、分子内に水酸基を2個以上含有する化合物であればよく、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の1級水酸基のみからなるポリオール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリコール等の1級水酸基と2級水酸基からなるポリオールなどが挙げられる。これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。これらのうち、再生したポリオールがウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応する速度が大きく、発泡防止の効果に優れている点で、分子量500以下、好ましくは分子量150以下の、1級水酸基のみからなるポリオールが好ましく、更には得られるケイ酸エステルの粘度が低いためネオペンチルグリコールが最も好ましい。
【0033】
上記ジまたはトリアルコキシシランとポリオールとのエステル交換によるケイ酸エステルの合成時には、原料アルコキシシランのアルコキシシリル基の一部を残存させることも可能である。しかし、この場合には、加水分解により発生する1価アルコールが、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと反応して架橋高分子化を妨害する。この副反応を抑制するためには、残存アルコキシシランに2級または3級の1価アルコールを添加してアルコリシスを行い、メタノールまたはエタノール等の1級アルコールを系外に留出させることにより、ポリオールと2級または3級の1価アルコールとよりなるケイ酸エステルが得られる。このケイ酸エステルは加水分解によりポリオールと2級または3級の1価アルコールを発生するが、2級または3級の1価アルコールはイソシアネート基との反応が遅いので、エチレングリコール等の1級ポリオールとイソシアネート基との反応が優先してイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは高分子化し、2級または3級の1価アルコールは未反応のまま系外に蒸発する。
【0034】
2級または3級の1価アルコールとしては、イソプロパノール、sec−ブタノール、2−オクタノール、t e r t−ブタノール、t e r t−オクタノールや2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノブチレートなどの1価アルコールが挙げられる。
【0035】
本願発明において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とケイ酸エステル(B)との混合比は、ケイ酸エステルの加水分解によって再生するポリオールの水酸基が、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1当量に対して0.2〜1.5当量、更に0.3〜1.0当量になるようにするのが好ましい。再生ポリオールの水酸基が0.2当量より少ないと、過剰のイソシアネート基が水分と反応して発泡の原因となり、逆に、1.5当量より多い場合は分子末端が水酸基で止まって高分子化できず、硬化後の接着性やゴム弾性などの諸物性が悪くなるので好ましくない。
【0036】
本願発明におけるポリオールケイ酸エステルと空気中の湿気との反応並びにイソシアネート基と1級水酸基との反応は、イソシアネート基と湿気との反応よりも大巾に速い。それ故、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとケイ酸エステルとの共存下において、前記混合物が湿分と接触するとケイ酸エステルの加水分解(下記の式(3))が、湿分とイソシアネート基との反応(下記の式(5))に優先し、次に再生したポリオールとイソシアネート基とのウレタン化反応(下記の式(4))が起こってポリウレタン硬化物が得られる。
【化6】
(式中、R3はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わし、R4は有機基を表わす。)
【0037】
すなわち反応速度は(3)>(5)である。一般にイソシアネート基と1級水酸基との反応速度は、イソシアネート基と水との反応に比べて大巾に「早く((4)>(5))」、したがって、(5)式の反応は実質的にほとんど起こらず、その結果、炭酸ガスによる硬化物の発泡が防止される。
【0038】
つぎに、本願発明においては硬化性組成物に硬化促進触媒を添加することができる。使用することができる硬化促進触媒としては、たとえば、テトラ−n−ブチルチタネート等の金属のアルコキシド、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物であるEXCESTAR C−501(旭硝子社製)などの金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。この中では、耐水接着性が良好な点で金属キレート化合物が好ましく、以下でさらに詳細に説明する。
【0039】
この金属キレート化合物(C)は、ケイ酸エステル(B)の加水分解触媒として作用するとともに、再生したポリオールとウレタンプレポリマーのイソシアネート基との反応硬化促進触媒としても作用するものであるが、その例としては、たとえばジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート触媒(旭硝子社製、EXCESTAR C−501)等の錫キレート化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウム−モノ(アセチルアセトナート)−ビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート化合物、アセチルアセトン第一コバルト、アセチルアセトン第二コバルト等のコバルトキレート化合物、第二鉄トリス(アセチルアセトナート)等の鉄キレート化合物、銅ビス(アセチルアセトナート)等の銅キレート化合物、マグネシウムビス(アセチルアセトナート)等のマグネシウムキレー卜化合物、ニッケルビス(アセチルアセトナート)等のニッケルキレート化合物、亜鉛ビス(アセチルアセトナート)等の亜鉛キレート化合物、マンガンビス(アセチルアセトナート)等のマンガンキレート化合物、チタントリス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)等のチタンキレート化合物などが挙げられるが、このうちポリオールのケイ酸エステルの加水分解速度を速め、再生したポリオールとイソシアネート基との反応速度も速いため硬化組成物の発泡防止に優れている点で、錫キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)または旭硝子社製、EXCESTAR C−501が更に好ましい。
【0040】
金属キレート化合物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部、特に0.1〜5重量部配合するのが好ましい。
【0041】
つぎに、本願発明の硬化性組成物における添加剤について説明する。
本願発明における添加剤としては、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
【0042】
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げて作業性を改善するために使用され、耐候安定剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物を挙げることができる。
【0043】
可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しないポリオキシアルキレン類、中でもシユークロース等の糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しない糖類系ポリオキシアルキレン類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水素添加ポリブテン等のオレフィン系のオリゴマー類、(メタ)アクリレート共重合物などのイソシアネート基と反応しない可塑剤が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0044】
可塑剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の100重量部に対して、1〜200重量部、特に2〜50重量部配合するのが好ましい。
【0045】
酸化防止剤としてはヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87等の分子量1,000未満の低分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくアデカスタブシリーズのLA−63P、LA−68D、あるいはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LD等の分子量1,000以上の高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0046】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリト−ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
【0047】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0048】
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などの光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレートなどのポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオ−ルのアクリレートやメタクリレートなどのポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、あるいはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有するものが好ましい。
これらの耐候安定剤は単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0049】
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
【0050】
充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤は、接着性向上、補強、だれ防止、着色などのために、本願発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
【0051】
充填剤としては、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン状充填剤などの無機系充填剤、あるいはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の粉末や中空体、サランマイクロバルーン等の有機系バルーン状充填剤などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0052】
揺変性付与剤としては、たとえば、コロイダルシリカ、石綿粉、脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機系揺変性付与剤、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド等の有機系揺変性付与剤が挙げられ、これらのものの中から1種あるいは2種以上を適宜選択して添加することができる。
【0053】
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応するビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0054】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
【0055】
充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤、および着色剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して0〜500重量部、特に5〜300重量部であることが好ましい。
【0056】
本願発明の硬化性組成物において、前記各添加剤成分はそれぞれ1種類または2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
本願発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、n−ヘキサン等の脂肪族系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。これらは単独であるいは2種以上を組合わせて使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
【0058】
なお、本願発明の硬化性組成物は作業性の点から1液湿気硬化型として使用するのが好ましいが、本願発明の硬化性組成物を主剤とし、水などの硬化剤を混合して硬化させる2液硬化型としても使用できる。
【0059】
本願発明の硬化性組成物は、高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡せず、かつ硬化後の耐水接着性に優れた硬化物になるため、各種用途に使用できるが、特に建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
【0060】
以下に本願発明の実施例を示すが、本願発明がこれに限定されるものではない。
【0061】
合成例1 (n−デシル基結合ケイ酸エステル)
攪拌機、温度計、窒素シール管および還流冷却器の付いた、加熱、冷却装置付き反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5g、n−デシルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、AY43−210MC)525g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(TBT)0.084gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し1時間還流した。液温は87℃から80℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら液温が218℃になるまで6時間加熱を続けた。そのときの副生メタノールの留出量は182gであった。次いで減圧に切り替え減圧度13hPaで1時間加熱を続け未反応のネオペンチルグリコールを約9g回収した後、冷却し常庄に戻した。1Rで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色のn−デシル基結合ケイ酸エステルの液体を得た。
この液体はガスクロマトグラフィー(FID、ガスクロ工業杜製ガスクロパック55−カラム、オーブン温度200℃)にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークを示し、再生していることが確認できた。
【0062】
合成例2(3−グリシドキシプロピル基結合ケイ酸エステル)
合成例1と同様な反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A−187)475.1g及び反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(TBT)0.01gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し2時間還流した。液温は138℃から100℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら液温が200℃になるまで加熱を続けた後、冷却し、IRで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色の3−グリシドキシプロピル基結合ケイ酸エステルの液体を得た。そのときの副生メタノールの留出量は185gであった。
この液体はガスクロマトグラフィー(FID、ガスクロ工業社製ガスクロパック55−カラム、オーブン温度200℃)にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークを示し、再生していることが確認できた。
【0063】
合成例3 (イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー)
攪拌機、温度計、窒素シール管の付いた、加熱、冷却装置付き反応容器中に、窒素ガスを流しながらポリオキシプロピレントリオール(旭硝子社製、エクセノール5030、数平均分子量5,000)430g(OH当量=0.258)を入れ、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールI、分子量222.3)56g(NCO当量=0.504、R値=NCO当量/OH当量1.95)を仕込み、さらに反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.04gを入れ加温して70〜80℃で2時間反応させて、滴定によりイソシアネート基含有量が理論値(2.13質量%)以下になった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを製造した。
このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、滴定による実測イソシアネート基含有量2.07質量%、粘度11,500mPa・s/25℃、常温で半透明の液体であった。
【0064】
実施例1
加熱、冷却装置および窒素シール管付き混練容器に、窒素を流しながら合成例3で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー785gとトルエン50gと炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、ホワイトンB)300gとを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、次いでヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)5gとp−トルエンスルホニルイソシアネート1gと合成例1で得たn−デシル基結合ケイ酸エステル34gとを仕込み、攪拌、混合した後親水性コ口イダルシリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、BET比表面積200m2/g、平均一次粒子径約12nm)58gを仕込みさらに均一になるまで1時間攪拌、混合した。次いでジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製、ネオスタンU−220)8gを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、さらに減圧脱泡し、容器に充填、密封してシーリング材組成物を調製した。
【0065】
比較例1
実施例1において、n−デシル基結合ケイ酸エステルとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)を使用する代わりに、合成例2で得た3−グリシドキシプロピル基結合ケイ酸エステル32gとジブチル錫ジラウレート8gを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0066】
以上の結果を表1に示す。
【表1】
【0067】
(試験方法)
▲1▼粘 度
製造直後のシーリング材組成物と、50℃で10日間貯蔵した後のシーリング材組成物とについて、B型回転粘度計を用い、25℃における、No.7のローターで毎分10回転のときの粘度をそれぞれ測定した。
▲2▼粘度変化率
製造直後のシーリング材組成物の粘度(粘度1とする)に対する、50℃で10日間貯蔵した後のシーリング材組成物の粘度(粘度2とする)の比を粘度変化率として算出した。
▲3▼硬化ゴムの引張試験
シーリング材組成物をシート状に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化し、厚さ約2mmの硬化ゴムシートを作製した。養生後の硬化ゴムシートを用い、JIS K 6251−1993「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して硬化ゴムの引張試験を行った。試験片の形状はダンベル状4号形とした。引張強さ(TB)の値が300N/cm2以上を○、300N/cm2未満を×、切断時伸び(EB)が500%以上を○、500%未満を×と評価した。
▲4▼発泡性
厚さ3mmのラワン合板の表面にシーリング材組成物をおおよそ幅20mm×頂点の高さ10mm×長さ100mmのビード状に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させた試験体を、カッターで幅の中心付近を長さ方向に縦に切り硬化物内部の発泡の有無を目視により観察した。発泡が認められないか、または極めて少ないものを○、発泡が多数認められるものを×と評価した。
▲5▼引張接着性試験
JIS A 1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の4.21引張接着性試験に準拠し、養生後の試験体およびこれとは別に養生後の試験体をさらに50℃の温水に7日間浸漬処理した試験体についてそれぞれ引張り試験をした。なお、試験体はスレートをプライマー(OP−2531、オート化学工業社製)で処理し、シーリング材組成物を打設、養生して作製した。最大引張応力(Tmax)の値が100N/cm2以上のものを○、100N/cm2未満のものを×と評価し、最大荷重時の伸び(Emax)が300%以上のものを○、300%未満のものを×と評価した。
【0068】
(試験結果)
炭素の数が10個であるn−デシル基が結合したケイ酸エステルとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)を使用したほうが、炭素の数が6個である3−グリシドキシプロピル基が結合したケイ酸エステルとジブチル錫ジラウレートを使用したものより、粘度変化率が小さく貯蔵安定性が良好であり、また硬化ゴムの引張試験も良好で硬化後の物理特性更には耐水接着性も良好なことを示している。
【0069】
【発明の効果】
上述のように、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、水分により加水分解してポリオールを再生することが可能な特定のケイ酸エステル(B)と、必要に応じて金属キレート化合物(C)とを含有する硬化性組成物という構成をとることにより、従来のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー系硬化性組成物に比べて、貯蔵安定性がよく、かつ硬化後のゴム引張物性などの物理的特性や耐水接着性が良好であるという効果を奏する。
Claims (6)
- イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)とを含有する硬化性組成物であって、前記ケイ酸エステル(B)が置換基を有していてもよいおよび鎖中に酸素原子または窒素原子を有していてもよい炭素数7以上の1価の炭化水素基がケイ素原子に結合したケイ酸エステルであることを特徴とする前記硬化性組成物。
- 前記のポリオールが、ネオペンチルグリコールであることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 更に硬化促進触媒として、金属キレート化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 更に添加剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項5に記載の硬化性組成物。
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