JP2004263727A

JP2004263727A - すべり軸受

Info

Publication number: JP2004263727A
Application number: JP2003038625A
Authority: JP
Inventors: Kimio Kawagoe; 公男川越; Katsuyuki Hashizume; 克幸橋爪; Yoshio Fuwa; 良雄不破
Original assignee: Taiho Kogyo Co Ltd; Toyota Motor Corp
Current assignee: Taiho Kogyo Co Ltd; Toyota Motor Corp
Priority date: 2003-02-17
Filing date: 2003-02-17
Publication date: 2004-09-24
Anticipated expiration: 2023-02-17
Also published as: CN1697940A; US20050157964A1; DE602004028217D1; WO2004072499A1; US7712964B2; EP1596079A1; EP1596079A4; EP1596079B1; JP4485131B2

Abstract

【課題】初期なじみ性、耐焼付性に優れ、しかも耐久性、耐熱性を兼ね備えたすべり軸受を提供する。
【解決手段】軸受合金層上に、樹脂と固体潤滑剤とを含むコーティング層が形成されているすべり軸受において、前記コーティング層の樹脂がガラス転移温度１５０〜２５０℃でさらに高温での伸びが大きい樹脂であるすべり軸受。樹脂がポリアミドイミド樹脂。固体潤滑剤が二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、窒化硼素から選択。
【選択図】なし

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やその他の産業機械用の内燃機関（エンジン）に用いるすべり軸受に関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車エンジン用すべり軸受は、一般にアルミニウム合金やＰｂ系オーバレイ付き銅鉛合金が用いられている。この種のすべり軸受においては、軸受合金層の表面に、ポリアミドイミド、ポリイミド、またはエポキシ樹脂等の樹脂に固体潤滑剤等を含有したコーティング層を被覆形成することにより、耐摩耗性、耐焼付き性、初期なじみ性の向上を図ることがこれまで行われている。
【０００３】
例えば、特許文献１（特開平４−８３９１４号公報）には、アルミニウム系軸受合金の表面に９０〜５５重量％の固体潤滑剤と、１０〜４５重量％のポリイミド系バインダーから成るコーティング層を形成したすべり軸受材料により、アルミニウム合金軸受の初期のなじみ性が向上し、優れた耐疲労性及び耐焼付き性が発揮されることが記載されている。
【０００４】
また、特許文献２（特開平７−２４７４９３号公報）には、７０〜９７重量％の固体潤滑剤と、３〜３０重量％のポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂から選ばれる樹脂とからなる固体潤滑被膜に、膜形成補助剤を添加することにより、固体潤滑剤が強固に保持され、初期のなじみ性がよいため耐焼付き性が優れ、脱落が防止されているため耐摩耗性が良好となることが記載されている。
【０００５】
一方、特許文献３（特開２００２−６１６５２号公報）には、２５℃での引張強さが７０〜１１０ＭＰａ、伸びが７〜２０％であり、しかも２００℃での引張強さが１５ＭＰａ以上、伸びが２０％以上である軟質かつ高温で伸びのよい熱硬化性樹脂を７０〜３０ｖｏｌ％と固体潤滑剤を３０〜７０ｖｏｌ％の割合で含有しており、ビッカース硬さＨｖが２０以下である樹脂コーティング層が軸受合金層上に形成されているすべり軸受が開示されている。このすべり軸受によれば、特許文献１および２より初期なじみ性、耐焼付き性に優れているが、自動車用高速エンジンに要求される物性としてはまだ不充分であった。
近年は、高出力及び高回転による自動車エンジンの高性能化が著しく、優れた摺動性能、特に初期なじみ性、耐焼付き性に優れ、さらに耐久性、耐熱性を兼ね備えたすべり軸受の出現が望まれている。
【０００６】
【特許文献１】
特開平４−８３９１４号公報
【特許文献２】
特開平７−２４７４９３号公報
【特許文献３】
特開２００２−６１６５２号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特に高速エンジンに要求される、初期なじみ性、耐焼付き性に優れ、しかも耐久性、耐熱性を兼ね備えたすべり軸受を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記構成のすべり軸受が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
【０００９】
（１）軸受合金層上に、樹脂と固体潤滑剤とを含むコーティング層が形成されているすべり軸受において、該コーティング層の樹脂がガラス転移温度１５０〜２５０℃の樹脂であることを特徴とするすべり軸受。
【００１０】
（２）前記樹脂がポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする上記（１）に記載のすべり軸受。
（３）前記樹脂のガラス転移温度が１８０〜２２０℃であることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載のすべり軸受。
（４）前記樹脂の２５℃での伸びが５％〜６０％であり、２００℃での伸びが２０％〜１２０％であることを特徴とする上記（１）〜（３）のいずれかに記載のすべり軸受。
【００１１】
（５）前記樹脂の２５℃での伸びが１０％〜５０％であり、２００℃での伸びが５０％〜１１０％であることを特徴とする上記（１）〜（４）のいずれかに記載のすべり軸受。
（６）前記樹脂の２５℃での伸びが２０％〜３０％であり、２００℃での伸びが６０％〜９０％であることを特徴とする上記（１）〜（５）のいずれかに記載のすべり軸受。
（７）前記固体潤滑剤の含有量がコーティング層中３０〜７０ｖｏｌ％であることを特徴とする上記（１）〜（６）のいずれかに記載のすべり軸受。
【００１２】
（８）前記固体潤滑剤が、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、窒化硼素から選択される少なくとも１種であることを特徴とする上記（１）〜（７）のいずれかに記載のすべり軸受。
（９）内燃機関に用いられることを特徴とする上記（１）〜（８）のいずれかに記載のすべり軸受。
【００１３】
高速での初期なじみ性、耐焼付き性を向上するためには、局所的に油膜が薄くなり、固体接触を起こしそうになった場合に、速やかにオーバレイ（樹脂コーティング層）が摩耗又は変形して、流体膜の厚さを確保する必要がある。従来は、これを固体潤滑剤の量を増やすことで対処使用としていたが、増やしすぎると脆くなリ、剥離等によりかえって焼付きやすくなり、初期なじみ性が悪化する。そこで、固体潤滑剤を結合している樹脂に改良を加え、これを高温で伸びがよく、かつ低引張強度の樹脂にすることにより、なじみ性、耐焼付き性が向上し、さらに前記樹脂のガラス転移温度を高くすることにより、耐熱性、耐久性が劣らない固体潤滑樹脂コーティング層を有するすべり軸受ができ本発明に至った。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下本発明のすべり軸受について詳細に説明する。
本発明のすべり軸受は、軸受合金層上に樹脂と固体潤滑剤とを含むコーティング層（以下、樹脂コーティング層と呼ぶことがある。）が形成されているすべり軸受において、該コーティング層の樹脂がガラス転移温度１５０〜２５０℃の樹脂であることを特徴とする。
【００１５】
コーティング層に用いることができる望ましい樹脂としては、上記条件を満たすものであれば、特に制限されず、その具体例として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびこれら樹脂のジイソシアネート変性、ＢＰＤＡ変性、スルホン変性樹脂のような熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。なかでも、本発明においてはポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられる。
【００１６】
本発明のコーティング層に用いられる樹脂のガラス転移温度は、１５０〜２５０℃であるが、好ましくは１８０〜２２０℃である。ガラス転移温度は、示差熱分析装置によって測定され得る。
ガラス転移温度を上記範囲に設定することにより、高温による樹脂コーティング層の熱劣化を防ぎ、耐熱性も向上する。
【００１７】
本発明のコーティング層に用いられる樹脂の２５℃での伸びは、５％〜６０％であるのが好ましく、より好ましくは１０％〜５０％、特に好ましくは２０％〜３０％である。
また、本発明のコーティング層に用いられる樹脂の２００℃での伸びは、好ましくは２０％〜１２０％、より好ましくは５０％〜１１０％、特に好ましくは６０％〜９０％である。
なお、本発明のコーティング層に用いられる樹脂は、２５℃での伸びが５％〜６０％、２００℃での伸びが２０％〜１２０％であることが特に好ましい。
樹脂の伸びを上記範囲に設定することにより、樹脂コーティング層における軸受接触時の破断を防ぎ、かつ初期なじみ性も向上する。尚、本発明のコーティング層に用いられる樹脂の引っ張り強度については特に制限されないが、低いほうが好ましく、特に２００℃といった高温において低い方が好ましい。
本発明において、上記伸びは、ＡＳＴＭＤ−１７０８によって測定される。
【００１８】
上記ガラス転移温度及び伸びに関する上記条件を満たすポリアミドイミド樹脂は、未硬化時の分子量を数平均で２万以上にし、末端架橋点を少なくするとともに、硬化を早めるためにエポキシ基を含むポリマーを添加することにより得ることができる。
【００１９】
本発明において用いられ得る固体潤滑剤は、限定されるものではないが、二硫化モリブデン（ＭｏＳ_２）、黒鉛（グラファイト）、ＢＮ（窒化硼素）、二硫化タングステン（ＷＳ_２）、ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオルエチレン）、フッ素系樹脂、Ｐｂ等を挙げることができる。これらは１種単独であるいは２種以上を組み合わせて用いることができる。
グラファイトは天然、人造グラファイトのいずれでもよいが、人造グラファイトが耐摩耗性の観点から好ましい。
これらの固体潤滑剤は、摩擦係数を低く、かつ安定にする作用と共に、なじみ性を有する。これらの作用を十分に発揮させるために、固体潤滑剤の平均粒径は１５μｍ以下、特に０．２〜１０μｍであることが好ましい。なかでも、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛（グラファイト）、窒化硼素、が好ましい。
【００２０】
本発明において、コーティング層中の固体潤滑剤の含有量は３０〜７０ｖｏｌ％であるのが好ましく、より好ましくは３０〜５０ｖｏｌ％である。
また、コーティング層中の樹脂の含有量は３０〜７０ｖｏｌ％であるのが好ましく、より好ましくは５０〜７０ｖｏｌ％である。尚、本発明においては、固体潤滑剤及び熱硬化性樹脂の合計を１００ｖｏｌ％とする。
この配合割合とすることで、軟質かつ高温で伸びの良い樹脂を含む樹脂コーティング層中において、固体潤滑剤が強固に保持され、より優れた耐焼付き性となじみ性が得られる。
【００２１】
本発明のすべり軸受の樹脂コーティング層は、さらに摩擦調整剤及び／又は極圧剤を含有することが好ましい。極圧剤としては、ＺｎＳ、Ａｇ_２Ｓ、ＣｕＳ、ＦｅＳ、ＦｅＳ_２、Ｓｂ_３Ｓ_２、ＰｂＳ、Ｂｉ_２Ｓ_３、ＣｄＳ等の硫黄含有金属化合物；チラウム類、モルフォリン・ジサルファイド、ジチオ酸塩、スルフィド類、スルフォキサイド類、スルフォン酸類、チオホスフィネート類、チオカーボネート類、ジチオカーボメート類、アルキルチオカルバモイル類、硫化オレフィン等の硫黄含有化合物；塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物；ジチオリン酸亜鉛などのチオリン酸塩；チオカルバミン酸塩等の有機金属系化合物；ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルビミン酸モリブデン等の有機モリブデン化合物などを挙げることができる。また、極圧剤の平均粒径は好ましくは５μｍ以下、より好ましくは２μｍ以下である。極圧剤を添加する場合は、上記固体潤滑剤の容積割合３０〜７０ｖｏｌ％のうち、０．５〜１０ｖｏｌ％、特に１〜５ｖｏｌ％を極圧剤で置き換えることが好ましい。
【００２２】
極圧剤を添加することにより、特に一時的に固体接触がおこるような不十分な潤滑条件下や片当たり等の場合においても、十分な耐摩耗性や耐焼付き性が得られる。その作用機構は定かではないが、一時的な固体接触により、その時の摩擦熱やせん断応力から樹脂コーティング層が破断されやすい状況下において、樹脂コーティング層に分散された極圧剤が効果的に作用するものと推定される。即ち、固体潤滑剤とその皮膜中に含まれた極圧剤により油が強固に保持され、かつ境界潤滑被膜が破断しにくいため、円滑な摺動面となり、耐焼付き性及び耐摩耗性が保持されるものと推定される。
【００２３】
摩擦調整剤としては、ＣｒＯ_２、Ｆｅ_３Ｏ_４、ＰｂＯ、ＺｎＯ、ＣｄＯ、Ａｌ_２Ｏ_３、ＳｉＯ_２、ＳｎＯ_２などの酸化物や、ＳｉＣ、Ｓｉ_３Ｎ_４などの化合物等を挙げることができる。摩擦調整剤を添加する場合は、上記固体潤滑剤３０〜７０ｖｏｌ％のうち、０．３〜１０ｖｏｌ％、特に０．５〜５ｖｏｌ％を摩擦調整剤で置き換えることが好ましい。摩擦調整剤を添加することにより、耐摩耗性が向上する。特に極圧剤と併用することにより、摩擦調整剤による耐摩耗性向上と、極圧剤による油の保持とが相乗的に作用して、耐摩耗性が格段と向上する。摩擦調整剤と極圧剤を併用してもよく、その場合の添加量は、両者の合計量が上記固体潤滑剤３０〜７０ｖｏｌ％のうち、０．３〜１０ｖｏｌ％、特に０．５〜５ｖｏｌ％で置き換える量であることが好ましい。
尚、本発明におけるコーティング層には、更にその他の添加剤を含有していてもよい。
【００２４】
本発明では、樹脂コーティング層を形成するにあたり、上記成分が溶解、分散した塗布液を調製する。その際、適量の有機溶剤（希釈剤）を用いることができる。有機溶剤は、粘度を調整して混合を容易とするものであり、使用する樹脂が溶解可能なものであれば特に制限なく用いられる。
例えば樹脂がポリアミドイミド樹脂であれば、キシレン、Ｎ−メチル−２−ピロリドン、トルエンなどを上記各成分の合計量１００質量部に対して１００〜３００質量部用いることができる。
【００２５】
本発明では、上記の樹脂及び固体潤滑剤、更に必要に応じて摩擦調整剤及び／又は極圧剤を含有する塗布液を軸受合金層表面に塗布し、被膜（樹脂コーティング層）を形成することにより、耐摩耗性及び摺動特性に優れたすべり軸受を得ることができる。
【００２６】
軸受基材としての軸受合金としては、銅合金、アルミニウム合金などを挙げることができる。軸受合金は、特に組成が限定されないが、アルミニウム系合金としては、好ましくは１０質量％以下のＣｒ、Ｓｉ、Ｍｎ、Ｓｂ、Ｓｒ、Ｆｅ、Ｎｉ、Ｍｏ、Ｔｉ、Ｗ、Ｚｒ、Ｖ、Ｃｕ、Ｍｇ、Ｚｎなどと、２０質量％以下のＳｎ、Ｐｂ、Ｉｎ、Ｔｌ、Ｂｉの１種又は２種以上を含有する合金を好ましく使用することができる。前者の群の元素は主として強度、耐摩耗性を付与し、後者の群の元素は主としてなじみ性を付与する。前者と後者を組み合わせて使用することが好ましい。
【００２７】
以下、軸受合金層への樹脂コーティング層の形成法を説明する。銅合金、アルミニウム合金等の軸受合金をすべり軸受形状のライニングに加工した後、苛性ソーダなどのアルカリ処理液中において脱脂処理し、続いて水洗及び湯洗を行い表面に付着したアルカリを除去する。例えば、被膜の密着性を高くする必要があるとき、脱脂後アルカリエッチングと酸洗との組合せ等の化学的処理によりライニングの表面を粗面化する、ショットブラストなどの機械的処理によりライニング表面を粗面化する、ボーリング加工等によりライニング表面に凹凸を形成する等の方法をとることができる。更に密着性を高める必要があるときは、ライニング表面に厚み０．１〜５μｍのリン酸亜鉛又はリン酸亜鉛カルシウム化成処理を施してもよい。ボーリングなどの下地処理と化成処理を組み合わせると、極めて密着性が高い樹脂コーティング層が得られる。
【００２８】
湯洗後温風乾燥し、適当な希釈剤で希釈した上記塗布液をスプレーでライニング上に塗布し、１５０〜３００℃で乾燥・焼結する。成膜後の表面粗さが粗いときはバフ等による平滑化処理を行う。
尚、塗布は上記スプレー法の他に、ロール転写、タンブリング法、浸漬法、はけ塗り法、印刷法などの方法により樹脂コーティング層を形成することができる。樹脂コーティング層の厚みは、１〜５０μｍであることが好ましい。アルミニウム系軸受合金等にコーティングする場合、硬化温度が２３０℃を越えると、アルミニウム系軸受合金中のＳｎの発生により軸受性能が劣化する可能性がある。
その場合、２３０℃以下の硬化温度で樹脂の引っ張り硬度、伸びが最大を示す樹脂の使用が望ましい。
【００２９】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００３０】
実施例１〜５及び比較例１
表１に記載のポリアミドイミド樹脂（日立化成（株）製）６０ｖｏｌ％及び固体潤滑剤として二硫化モリブデン４０ｖｏｌ％と、有機溶剤（Ｎ−メチル−２−ピロリドン）適量とをボールミルに投入し、３時間粉砕混合して樹脂コーティング層形成用の塗布液を調製した。次に、裏金鋼板上にアルミニウム系合金（Ａｌ−１１Ｓｎ−１．８Ｐｂ−１Ｃｕ−３Ｓｉ）からなるライニング材が圧接された半割円筒状等の軸受表面を脱脂した後、ショットブラスト処理により粗面化して１μｍＲｚの表面粗さとした。次いで、上記塗布液をエアスプレーで約６μｍの膜厚となるように吹きつけ、その後１８０〜２３０℃で約６０分間加熱硬化させて樹脂コーティング層を形成し、すべり軸受（メタル用オーバレイ）を製造した。
【００３１】
【表１】

【００３２】
上記の通りにして得られた各軸受の性能を評価するために、初期なじみ性試験、耐焼付き性試験を行った。
【００３３】
各試験は以下の方法で行った。
（１）初期なじみ性試験
潤滑油５Ｗ−３０ＳＨ、荷重２０ＭＰａ、１５０℃、回転数１３００ｒｐｍから１００ｒｐｍ／６００秒の漸減で摩擦係数の変化を測定した。
【００３４】
（２）耐焼付き性試験
潤滑油５Ｗ−３０ＳＪ、荷重２９ＭＰａの回転荷重、油温１５０℃、５００ｒｐｍ／３０分の速度漸増で最大８０００ｒｐｍまで焼付く回転数を調べた。また、本試験において速度増加すると軸受の温度が上昇し耐熱性が低いものは耐焼付き性が低下する。つまり焼付き回転数が高ければ耐熱性も高くなるため、本試験結果から耐熱性を判断した。
【００３５】
前記試験結果より、実施例１〜５のすべり軸受は、優れた初期なじみ性、耐焼付き性及び耐熱性を示した。また、樹脂コーティング層に高温での伸びが特に大きくガラス転移温度が高い樹脂を用いた実施例３、４及び５のすべり軸受は、特に優れた初期なじみ性を示した。一方、樹脂コーティング層に軟質性に劣り高温での伸びが小さいポリアミドイミド樹脂を用いた比較例のすべり軸受は、耐焼付き性及び初期なじみ性に劣ることが明らかとなった。
【００３６】
【発明の効果】
本発明のすべり軸受は、初期なじみ性、耐焼付き性に優れ、しかも耐久性、耐熱性を兼ね備えているので、特に自動車やその他の産業機械の高速用エンジンのすべり軸受として好適に使用できる。

Claims

軸受合金層上に、樹脂と固体潤滑剤とを含むコーティング層が形成されているすべり軸受において、該コーティング層の樹脂がガラス転移温度１５０〜２５０℃の樹脂であることを特徴とするすべり軸受。
前記樹脂がポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項１に記載のすべり軸受。
前記樹脂のガラス転移温度が１８０〜２２０℃であることを特徴とする請求項１又は２に記載のすべり軸受。
前記樹脂の２５℃での伸びが５％〜６０％であり、２００℃での伸びが２０％〜１２０％であることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のすべり軸受。
前記樹脂の２５℃での伸びが１０％〜５０％であり、２００℃での伸びが５０％〜１１０％であることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のすべり軸受。
前記樹脂の２５℃での伸びが２０％〜３０％であり、２００℃での伸びが６０％〜９０％であることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のすべり軸受。
前記固体潤滑剤の含有量がコーティング層中３０〜７０ｖｏｌ％であることを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載のすべり軸受。
前記固体潤滑剤が、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、窒化硼素から選択される少なくとも１種であることを特徴とする請求項１〜７のいずれかに記載のすべり軸受。
内燃機関に用いられることを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載のすべり軸受。