JP2004253258A - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体において、主に始動時、及び車両等の加速時、ならびに登坂走行等に必要となる高負荷時に必要水素量を安定して供給し、円滑な運転を可能とする燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンク101と、水素吸蔵タンク101から放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンク102と、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102とを連通するように接続するタンク連結配管104と、タンク連結配管104の中間に位置する三方管105から分岐した水素供給配管108と、水素供給配管108に接続されて、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102の双方又は一方から可変的に水素が負極側に供給される燃料電池スタック103と、水素吸蔵タンク101に設けられた水素充填部110とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンク101と、水素吸蔵タンク101から放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンク102と、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102とを連通するように接続するタンク連結配管104と、タンク連結配管104の中間に位置する三方管105から分岐した水素供給配管108と、水素供給配管108に接続されて、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102の双方又は一方から可変的に水素が負極側に供給される燃料電池スタック103と、水素吸蔵タンク101に設けられた水素充填部110とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や輸送用機器などの移動体に用いられる、水素を利用する燃料電池システム及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、深刻化する地球環境問題を解決するために、クリーンなエネルギー源として水素を利用して電気化学的にエネルギーを取り出す燃料電池が注目を浴びている。水素供給源としては、水素を高圧で圧縮充填した水素高圧タンクや水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵タンクが一般的である。しかし、これら水素高圧タンクや水素貯蔵タンクをそれぞれ単独で用いる場合には以下のような問題点がある。
【0003】
すなわち、水素高圧タンクを単独で用いる場合では、長時間の運転、又は航続走行距離を確保するために、超高圧(25〜70MPa)での水素充填が必要となる。このように、一般に用いられているボンベより高い圧力を要求されるため、専用の耐圧設計が必要となりコスト高となる。また、水素高圧タンクを単独で用いる場合、単位容積あたりの水素貯蔵量も0.025〜0.045g/ccと小さいため、タンク容積が大きくなったり、タンクの形状が複雑になると共に、制御が非常に複雑となる問題がある。
【0004】
一方、水素吸蔵タンクを単独で用いる場合は、始動時の応答性、急速負荷時の応答性に問題がある。水素貯蔵タンクに充填された水素吸蔵合金は、水素放出にに対して30〜40kJ/molH2の吸熱反応を示す。水素吸蔵合金を充填したタンクの圧力と温度の関係は、例えば図14に示すように、タンクの温度の上昇に伴ってタンク圧力が上昇する。従って、燃料電池の始動時のタンクからの水素放出に伴って吸熱反応が起こってタンクの温度が上昇しないと、水素圧力が上昇しないという問題点がある。また、燃料電池に急速に負荷がかかったときのように、急激にタンクから水素を取り出そうとすると、吸熱反応により水素吸蔵タンクの温度が低下し、それに伴って水素圧力が低下するため、十分な水素供給が不可能となるという問題がある。このような応答性を改善するために、水素吸蔵材料を備えた複数の吸蔵タンクと、水素吸蔵材料を備えた複数の放出タンクとを備え、吸蔵タンクで水素を吸蔵する一方で、放出タンクでは吸蔵タンクから放出された水素を各タンクで交互に吸収し、水素吸収に伴うタンク内の発熱を利用して当接する隣のタンクの加熱を行い、水素の吸蔵と放出とをスイングさせるという技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−291524号公報(第1頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各タンクでの水素の吸蔵、放出をスイング運転する方法においては、スイングさせる2つのタンクの吸蔵・放出の均衡がくずれた場合、十分な水素供給が不可能となる場合も考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、自動車及び輸送用機器などの移動体において、主に始動時、及び車両等の加速時、ならびに登坂走行等に必要となる高負荷時に必要水素量を安定して供給し、円滑な運転を可能とする燃料電池システム及びその制御方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、燃料電池システムであって、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続されて、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクの双方又は一方から可変的に水素が負極側に供給される燃料電池スタックと、前記水素吸蔵タンク、前記水素高圧バッファタンク、及び前記タンク連結配管の少なくとも1箇所に設けられた水素充填部と、を備えることを要旨とする。
【0009】
第1の特徴に係る発明では、水素吸蔵タンクが水素放出量が少ない状態において水素が備蓄された水素高圧バッファタンクのみ、又は水素吸蔵タンクと共に燃料電池スタックへタンク連結配管及び水素供給配管を介して水素供給を行うことが可能である。また、水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタックの水素需要量よりも大きくなった場合は、連結配管を介して水素高圧バッファタンクへ水素を供給して水素高圧バッファタンクへ水素を備蓄させることが可能となる。さらに、システムへ水素を導入するための水素充填部は、水素吸蔵タンク、水素高圧バッファタンク、及びタンク連結配管の少なくとも1箇所に設けることにより、水素吸蔵タンクと水素高圧バッファタンクとの双方に水素充填が可能となる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給することを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックと、前記タンク連結配管における前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に設けられた、前記分岐部側から前記水素吸蔵タンク側へ水素が流れることを防止する逆流防止弁と、前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間に設けられた開閉制御部と、前記水素供給配管の中間部に設けられた供給量制御部と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記開閉制御部を開いて前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方で、前記燃料電池スタックに水素を供給すると共に、前記供給量制御部で水素供給量を制御して必要水素量を前記燃料電池スタックへ供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給・備蓄させ、前記水素高圧バッファタンクに所定量の水素が貯蔵された状態で前記開閉制御部を閉じることを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックと、前記タンク連結配管の前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に設けられた第1流通制御部と、前記タンク連結配管の前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間の位置に設けられた第2流通制御部と、前記第1流通制御部の前記水素吸蔵タンク側の前記タンク連結配管と、前記第2流通制御部の前記水素高圧バッファタンク側の前記タンク連結配管とを連通させるバイパス配管と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記第1流通制御部で前記タンク連結配管を閉又は流量を減少するように制御し、前記第2流通制御部で流量を大きくするように制御して、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記第1流量制御部の流量を大きくし、且つ前記第2流量制御部を閉じて、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記バイパス配管を介して前記水素高圧バッファタンクに供給・備蓄させることを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックとを備え、前記水素吸蔵タンク内に熱交換器が設置されると共に、該熱交換器に前記燃料電池スタックで発生した蒸気及び熱水からなる生成水を導く排水管が接続され、前記熱交換器に流通させる生成水の流量を制御する水量制御部を備えるている燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給し、前記水量制御部は、前記水素吸蔵タンク内の温度が、前記水素吸蔵材料が水素を放出する適正温度となるように熱交換器内を流通する生成水の水量制御を行うことを要旨とする。
【0014】
【発明の効果】
第1の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵タンクと高圧水素バッファタンクとを用いることにより、例えば、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階のいずれにおいても、燃料電池スタック側での水素需流量を安定して供給することが可能となるため、円滑な燃料電池の運転ができるようになる。また、水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタックの水素需要量よりも大きくなった場合は、タンク連結配管を介して水素高圧バッファタンクへ水素を供給して水素高圧バッファタンクへ水素を備蓄させることが可能であるため、次に水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタック側の水素需要量を下回るときに、再度、水素高圧バッファタンクから水素を補うことができる。さらに、この第1の特徴に係る発明によれば、水素高圧バッファタンクは、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階などの場合に用いるため、すなわち、水素吸蔵タンクが燃料電池スタック側の水素需要量に追いつくまでの間に用いるため、大容量のタンクである必要がなく、システム全体が大型化することを抑制することができる。また、この発明によれば、水素充填部は、水素吸蔵タンク、水素高圧バッファタンク、及びタンク連結配管のいずれか1箇所に設けることでシステム全体に水素を供給することも可能となる。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵タンクと高圧水素バッファタンクとを用いることにより、例えば、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階のいずれにおいても、燃料電池スタック側での必要水素流量を安定して供給することが可能となるため、円滑な燃料電池の運転ができるようになる。また、水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタックの水素需要量よりも大きくなった場合は、連結配管を介して水素高圧バッファタンクへ水素を供給して水素高圧バッファタンクへ水素を備蓄させることが可能であるため、次に水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタック側の水素需要量を下回るときに水素高圧バッファタンクから水素を補うことができる。さらに、この第2の特徴に係る制御方法によれば、水素高圧バッファタンクは、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階などの場合に用いるため、すなわち、水素吸蔵タンクが燃料電池スタック側の水素需要量に追いつくまでの間に用いるため、大容量のタンクである必要がなく、システム全体が大型化することを抑制することができる。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、燃料電池スタックから要求される負荷変動に応じた必要水素量を水素吸蔵タンク単独では供給不可能な場合(低温時、燃料電池システム始動時、及び急激な高負荷時、連続高負荷時初期段階の場合)、又は、燃料電池からの廃熱を利用した水素発生に応答遅れが生じる場合において、高圧水素バッファタンクからの供給で水素供給不足を補う制御により、スムーズな運転を行うことが可能となる。また、低温時、燃料電池システム始動時において水素吸蔵タンクの圧力が水素バッファタンクの圧力より低くなるが、水素バッファタンクから水素吸蔵タンクへの水素移動、逆流を防止するため、水素吸蔵タンクの出口の下流側に逆流防止弁が設けることで解決することが可能となり、システム全体の構成を簡単にすることができる。
【0017】
第4の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵タンクと分岐部との間のタンク連結配管に設けられた第1流通制御部と、高圧水素バッファタンクと分岐部との間のタンク連結配管に設けられた第2の流通制御部とを備えたことにより、タンク連結配管の通過水素の流量制御を正確に行うことができる。
【0018】
第5の特徴に係る発明によれば、燃料電池スタックの廃熱を利用しながら水素吸蔵タンクからの水素発生を促進させることができるほか、燃料電池スタックの廃熱を促進することになるため、例えばこの燃料電池システムを自動車などの移動体に適用した場合にラジエータを小型化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料電池システム及びその制御方法の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
[燃料電池システム]
図1は本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。図1に示すように、本実施の形態の燃料電池システム100は、水素吸蔵タンク101と、水素高圧バッファタンク102と、燃料電池スタック103と、水素吸蔵タンク101及び水素高圧バッファタンク102とを連結するタンク連結配管104と、タンク連結配管104の中間部に介在される分岐部としての三方管105と、この三方管105の分岐口105Aと燃料電池スタック103の正極107とを接続する水素供給配管108と、水素吸蔵タンク101内に配置された熱交換器109と、を備えて大略構成されている。
【0021】
先ず、水素吸蔵タンク101の構成を説明する。本実施の形態では、燃料電池システム100全体に水素を導入するための水素充填部110が、水素吸蔵タンク101に設けられている。この水素吸蔵タンク101内には、水素吸蔵材料が充填されると共に、図1に示すように熱交換器109が配置されている。この熱交換器109には、配水管である生成水供給配管111を介して、燃料電池スタック103の正極112側から排出される蒸気及び熱水でなる生成水が供給されるようになっている。なお、燃料電池スタック103は、上記した負極107と正極112とで固体電解質部113を挟持した構成となっている。
【0022】
ここで、水素吸蔵タンク101内に充填される水素吸蔵材料としては、使用温度範囲における水素解離平衡圧が0.11〜14MPaの範囲であることことが望ましい。0.11MPa未満では、水素を取り出すことが困難となり、また、14MPaを超えるとタンクの耐圧設計が厳しくなり、結果としてタンクの重量も重くなり、コスト的にも不利となる。
【0023】
次に、タンク連結配管104の構成について説明する。タンク連結配管104は、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102とを連結するように接続されている。タンク連結配管104の中間部には、上記した三方管105が配置されている。この三方管105は、両端の分岐口105B、105Cでタンク連結配管104に接続されて、タンク連結配管104と一体となっている。この三方管105の他の一つの分岐口105Aには、水素供給配管108が接続されている。
【0024】
このタンク連結配管104における水素吸蔵タンク101の直ぐ下流側には、水素吸蔵タンク101からの水素の放出圧力を検出する一次圧指示計114が設けられている。この一次圧指示計114の下流側には、バイパス用三方管115が接続されている。この吸蔵タンク側のバイパス用三方管115の両端の分岐口115B、115Cはタンク連結配管104に接続され、他の一つの分岐口115Aには、バイパス配管116の一方の端部が接続されている。そして、タンク連結配管104におけるバイパス用三方管115の下流側には、分岐部である三方管105に至るまでに、第1流通制御部としての、開閉弁付きの吸蔵タンク側レギュレータ117、二次圧指示計118、逆流防止弁119が、順次配置されている。なお、逆流防止弁119は、三方管105から水素吸蔵タンク101へ向けて水素が逆流することを防止している。
【0025】
また、タンク連結配管104における分岐部としての三方管105と水素高圧バッファタンク102との間には、水素高圧バッファタンク102から三方管105へ向けて、順次、一次圧指示計120、水素高圧バッファタンク102側のバイパス用三方管121、第2流通制御部としての、開閉弁付きの高圧タンク側レギュレータ122、二次圧指示計123が設けられている。なお、三方管121の両端の分岐口121B、121Cは、タンク連結配管104に接続されている。また、三方管121の他の一つの分岐口121Aには、上述したバイパス配管116の他方の端部が接続されている。なお、このバイパス配管116の中間部には、水素高圧バッファタンク102側から水素吸蔵タンク101側へ水素が流れることを防止する逆流防止弁124が設けられている。また、水素供給配管108の中間部には、供給量制御部としてのガス流量コントローラ125が設けられている。
【0026】
次に、熱交換器109への生成水供給系統の構成を説明する。上述した生成水供給配管111の中間部には、送液ポンプ126が設けられている。また、生成水供給配管111の送液ポンプ126の下流側は、弁機能付きの三方管127の分岐口127A、127Cとを介して熱交換器109の冷媒入口側に接続されている。この三方管127は、配流制御を行う弁機能、及び水量制御を行う機能を備えた水量制御部としてのレギュレータ130を備えている。熱交換器109の冷媒出口側には、排水配管128が接続されている。そして、排水配管128の中間部には、三方管129が設けられている。この三方管129の両端の分岐口129B、129Cには、排水配管128が接続され、他の一つの分岐口129Aは、熱交換器109を経た生成水を排出するようになっている。三方管129の分岐口129Bに接続された排水配管128は、上述したレギュレータ130を備える三方管127の分岐口127Bに接続されている。なお、生成水供給配管111により熱交換器109へ供給される生成水は、燃料電池スタック103で生成された生成水の一部でもよいし全部でもよい。
【0027】
次に、このような構成の燃料電池システム100の作用・動作について説明する。
【0028】
本実施の形態に係る燃料電池システム100においては、水素貯蔵系の水素充填は、図示しない配管を用いて水素充填部110から水素吸蔵タンク101へ行う。水素充填の際は、吸蔵タンク側レギュレータ117と高圧タンク側レギュレータ122の開閉弁を共に閉じておく。このため、水素吸蔵タンク101に充填されると共に、水素吸蔵タンク101に連通するタンク連結配管104、バイパス用三方管115、バイパス配管116、三方管121、タンク連結配管104を介して水素高圧バッファタンク102へ水素の充填が行われる。そして、水素高圧バッファタンク102近傍の一次圧指示計120が所望の圧力となり、且つ水素吸蔵タンク101からの水素の放出圧力を検出する一次圧指示計114が所望の圧力を示す状態で、水素充填部110から水素を充填することを停止する。なお、この状態では、水素充填部110に設けられた、図示しない逆流防止弁により、水素吸蔵タンク101から水素がタンク外部に放出されないようになっている。
【0029】
次に、例えば、低温時、燃料電池システム100の始動時においては、水素吸蔵タンク101では、タンクが冷えているため、タンク内の水素吸蔵材料に吸蔵された水素は放出されにくく、圧力が低下して状態となっている。このため、水素吸蔵タンク101のみでは、燃料電池スタック103の負荷に対応する流量の水素を賄うことはできないため、高圧タンク側レギュレータ122の開閉弁を開いて、水素高圧バッファタンク102側から水素を供給する。このとき、水素高圧バッファタンク102の水素圧力は、水素吸蔵タンク101側の水素圧力よりも高いが、逆流防止弁119及び124を備えているため、タンク連結配管104及びバイパス配管116を介して水素が水素吸蔵タンク101へ流れることはない。なお、水素吸蔵タンク101の水素圧力が低いときには、上述したようにレギュレータ122の開閉弁を開くだけでよいが、水素吸蔵タンク101側に位置するレギュレータ117の開閉弁を閉じておく。
【0030】
その後、燃料電池スタック103の作動に伴って、正極112側に生成された生成水(蒸気及び熱水)の量及び温度が増加する。このとき、生成水供給配管111に設けられた三方管129が生成水が熱交換器109へ流れるように、配流制御を行う弁機能、及び流量制御を行う機能を備えたレギュレータ130を制御しておく。
【0031】
そして、水素吸蔵タンク101内の水素吸蔵材料が熱交換器109で温められて、水素の放出量が大きくなり、水素圧力が高くなる。その後、一次圧指示計114が所望の水素放出圧力を検出したときに、レギュレータ117の開閉弁を開く。すると、水素吸蔵タンク101から放出された水素は、三方管105を介して燃料電池スタック103に流れる。このとき、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122を閉じる。なお、水素供給配管108に流す水素流量は、ガス流量コントローラ125で、燃料電池スタック103の負荷に対応する水素需要量となるように制御される。
【0032】
その後、燃料電池システム100の暖機後の定常運転時及び負荷低下などの場合には、水素吸蔵タンク101から水素圧力が充分に高くなり、且つ水素高圧バッファタンク102の水素圧力よりも高くなると、水素供給は移管108に供給する水素流量以外に余裕が生じ、水素高圧バッファタンク102側へ水素を備蓄することが可能となる。なお、水素吸蔵タンク101から水素高圧バッファタンク102への水素の備蓄は、バイパス配管116を介して水素の送出が行われる。
【0033】
また、この燃料電池システム100では、燃料電池スタック103の正極112側から排出された生成水(蒸気及び熱水)は生成水供給配管111を経由して、送液ポンプ126により三方管127に送り込まれる。水素の供給を促進するときは三方管127を水素吸蔵タンク側に開放し、生成水を水素吸蔵タンク101の昇温に用いる。水素吸蔵タンク101内で熱交換器109を通過して冷却された生成水は、三方管129を経由し、分岐口129Aより排出される。一方、水素吸蔵タンク101が充分に温まって、水素供給を促進する必要がない場合は、三方管127から熱交換器109へ生成水を流す必要がないため、三方管127を経て熱交換器109へ生成水が流れないように弁機能を有するレギュレータ130を制御して、生成水を三方管129側に流し、三方管129の分岐口129Aより生成水を排出させる。
【0034】
以上、本実施の形態の燃料電池システム100について説明したが、この燃料電池システム100では、水素吸蔵タンク101が水素放出量が少ない状態において水素が備蓄された水素高圧バッファタンク102のみ、又は水素吸蔵タンク101との併用で、燃料電池スタック103へタンク連結配管104及び水素供給配管108を介して水素供給を行うことが可能である。
【0035】
また、本実施の形態において、水素吸蔵タンク101の水素放出量が燃料電池スタック103の水素需要量よりも大きくなった場合は、バイパスは移管116を介して水素高圧バッファタンク102へ水素を供給して水素高圧バッファタンク102へ水素を備蓄させることが可能となる。
【0036】
さらに、本実施の形態において、システムへ水素を導入するための水素充填部110は、水素吸蔵タンク101に設けたが、水素高圧バッファタンク102、及びタンク連結配管104の少なくとも1箇所に設けることにより、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102との双方に水素充填が可能となる。
【0037】
[燃料電池システムの制御装置]
次に、本実施の形態に係る燃料電池システムの制御装置の一例を図2を用いて説明する。
【0038】
図2に示すように、この燃料電池システムの制御装置は、上述した燃料電池システム100にコントローラ140を備えている。このコントローラ140は、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125と、生成水を流す三方管127のレギュレータ130をそれぞれ制御する機能を有している。このコントローラ140は、例えば図示しないROM(Read Only Memory)に、燃料電池システム100を起動して燃料電池スタック103に水素を供給する処理手順を記述した水素供給プログラムを格納し、この水素供給プログラムをCPU(Central Processing Unit)などにより実行することで、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125と、生成水を流す三方管127のレギュレータ130をそれぞれ制御する機能を有する。このコントローラ140は、例えば図示しないROM(Read Only Memory)に、燃料電池システム100を起動して燃料電池スタック103に水素を供給する処理手順を記述した水素供給プログラムを格納し、この水素供給プログラムをCPU(Central Processing Unit)などにより実行することで、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125と、生成水を流す三方管127のレギュレータ130をそれぞれ制御する機能を有する。
【0039】
図2に示すように、コントローラ140は、イグニッションスイッチのON/OFFを検出するON/OFF検出部142からON/OFF検出信号が入力されるようになっている。また、燃料電池システム100が起動された場合に、コントローラ140には、燃料電池負荷検出部141から、燃料電池スタック103に要求される負荷量を示す負荷値信号が入力されるようになっている。さらに、コントローラ140には、水素吸蔵タンク101側の一次圧指示計114及び二次圧指示計118、ならびに、水素高圧バッファタンク102側の一次圧指示計120及び二次圧指示計123から、水素圧力を示す圧力データ信号が入力されるようになっている。
【0040】
そして、これらON/OFF検出部142、燃料電池負荷検出部141、水素吸蔵タンク101側の一次圧指示計114、二次圧指示計118、水素高圧バッファタンク102側の一次圧指示計120、二次圧指示計123から入力される信号に基づいて、ROMに格納された水素供給プログラムに沿って演算処理がなされ、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125、三方管127のレギュレータ130へ、各制御信号を出力するようになっている。
【0041】
[燃料電池システムの制御方法]
以下に、上述した制御装置を用いた燃料電池システムの制御方法の具体的な実施例を説明する。
【0042】
先ず、燃料電池システム100における始動時の制御方法について図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、本実施の形態は、燃料電池の定常出力を6kWと仮定して、燃料電池スタック103が要求する必要水素流量を67.2L/分で検討した実施例である。また、水素高圧バッファタンク102の内容積を10L、水素高圧バッファタンク102の初期圧力を5MPaとした。さらに、水素吸蔵タンク101は、満充填時の水素吸蔵量を1m3としたものを用い、初期状態を満充填、初期水素吸蔵タンク温度を20℃とした。また、水素吸蔵材料としては、Ti−V−Cr系BCC合金を用いた。この水素吸蔵材料を用いた場合の水素吸蔵タンク温度20℃における圧力は、約0.2MPa、また80℃における圧力は5.0MPaであった。また、レギュレータ117、122の二次側圧力、すなわち三方管105側の圧力を夫々0.9MPaとした。ガス流量コントローラ125内に設置されたバルブを開とした後の流量観測点A、Bの流量を図3に示す。また、水素吸蔵タンク101及び水素高圧バッファタンク102のそれぞれの一次圧力変化を図4に示す。
【0043】
先ず、イグニッションスイッチの読み取りを行い(ステップS1)、図2に示すイグニッションスイッチのON/OFF検出部142からコントローラ140へスイッチONを検出した検出信号が出力されると(ステップS2)、コントローラ140は、ガス流量コントローラ125のバルブが開放させる制御信号を出力すると同時にレギュレータ117、122を開放させる制御信号を出力する(ステップS3)。
【0044】
なお、バルブ開直後は、主に圧力の高い水素高圧バッファタンク102側から水素を供給するように、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122のみを開放するようにする。すると、水素高圧バッファタンク102から放出された水素は、順次、水素高圧バッファタンク102側のタンク連結配管104、三方管105、水素供給配管108、ガス流量コントローラ125、水素供給配管108を介して、燃料電池スタック103の負極107側へ供給される。なお、同時に、別途酸素も燃料電池スタック103へ供給されるようになっている。
【0045】
そして、燃料電池が始動し、燃料電池スタック103で生成された生成水(蒸気及び熱水)が生成水供給配管111を経由して、送液ポンプ126により三方管127に送り込まれる。このとき、コントローラ140は、三方管127のレギュレータ130を制御して、生成水を水素吸蔵タンク側に導き、生成水を水素吸蔵タンク101の昇温に用いる。水素吸蔵タンク101内の熱交換器109に生成水が回り始めると、約100秒後から徐々に水素吸蔵タンク101内の水素圧力が上昇し始める。そして、250秒後には水素吸蔵タンク101内の水素圧力も0.9MPaを超えるため、水素吸蔵タンク101からも水素が供給されるようになり、水素高圧バッファタンク102からの流量は徐々に少なくなる。 ここで、水素吸蔵タンク101側の一次圧指示計114で圧力の読み取りを行う(ステップS4)。コントローラ140側では、一次圧指示計114からの圧力データ信号により、水素吸蔵タンク101の水素圧力が例えば5MPa以上であるか否かの判定を行う(ステップS5)。ここで、水素吸蔵タンク101の水素圧力が5MPa以上である場合、コントローラ140は水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122を閉じる制御信号を出力する(ステップS6)。そして、ステップS6の後は後述するステップS7の処理を行う。
【0046】
上記ステップS5において、水素吸蔵タンク101の水素圧力が5MPaより低い場合は、レギュレータ122を開放したままで、再度、イグニッションスイッチのON/OFF検出部142で読み取りを行い(ステップS7)、検出信号によりイグニッションスイッチがONであるか否かの判定を行う(ステップS8)。ここで、イグニッションスイッチがONである場合は、上記ステップS4に戻る。一方、イグニッションスイッチがOFFである場合は、レギュレータ117を閉じる(ステップS)と共に、三方管127のレギュレータ130から三方管129へ生成水が流れるように制御して、コントローラ140の制御を終了する。
【0047】
以上、本実施の形態に係る制御方法の概略を説明したが、この制御に伴う燃料電池システム100の作用・動作を説明する。
【0048】
上記したステップS2でイグニッションスイッチがONと判定された後、約400秒経過すると水素吸蔵タンク101の温度上昇に伴う圧力上昇と、水素高圧バッファタンク102の水素消費による圧力低下により一次圧指示計114、120で検出される圧力が同じになる。一次圧のバランスが一緒になると水素高圧バッファタンク102から水素の供給は事実上0となる。さらに、450秒を過ぎると、更なる温度上昇により水素吸蔵タンク102の一次圧力も上昇し、それに伴って水素吸蔵タンク101から放出された水素はタンク連結配管104を経由する燃料電池スタック103へ供給配分されると共に、バイパス配管116を経由し水素高圧バッファタンク102に配分・充填され、水素高圧バッファタンク102の圧力回復が始まる。
【0049】
さらに、700秒後には、水素吸蔵タンク101からの水素流量が最大となり、また水素高圧バッファタンク102への充填流量も最大となる。
【0050】
次に、800秒を過ぎると、水素高圧バッファタンク102内の圧力も上昇することから、水素高圧バッファタンク102への充填流量も徐々に低下する。
【0051】
そして、1250秒後には、水素吸蔵タンク101の一次圧力は5MPaに到達し、それに伴って水素高圧バッファタンク102内の圧力も5MPaを回復する。水素高圧バッファタンク102の圧力が5MPaに回復した後は、次回の始動時等に備えるためレギュレータ122内に設けられたバルブを閉とする。
【0052】
また、水素吸蔵タンク101が80℃以上となる温度上昇を避けるため、必要に応じて三方管127内の弁機能を有するレギュレータ130を切り替え、熱交換器109を経由せずに生成水を三方管129の分岐口129Aから排出させる。
【0053】
このような制御方法とすることにより、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102を並列して用いることにより、始動直後から安定した水素供給が可能となる。また、始動により水素高圧バッファタンク102の水素圧力は一旦低下するが、水素吸蔵タンク101の温度上昇により、系の水素圧力が戻ることにより再び圧力が回復し、次回の始動時に備えることが可能となる。
【0054】
以上、燃料電池システム100における始動時の制御方法について説明したが、次に、この燃料電池システム100において、急激な負荷がかかった場合の制御方法について説明する。
【0055】
この制御方法においても条件としては、燃料電池が6kWの定常出力を続けていて安定した状態から30秒後から60秒までの30秒間30kWの急激な出力を取り出し、60秒後には再び6kWの定常出力に戻り、運転を継続する場合について説明する。30kWの出力に必要な水素量を336L /分とした。また、水素高圧バッファタンクの圧力は5MPaに回復している条件とした。ここで、流量観測点A、B、Cの流量変化を図6に示す。また、夫々のタンクの一次圧力変化を図7に示す。
【0056】
図6に示すように、30秒後に燃料電池スタック103の要求水素流量が67.2L/分から336L/分に引き上げられるのに伴い、水素吸蔵タンク101の圧力と水素高圧バッファタンク102の圧力は低下する。その低下の割合は水素吸蔵タンク101の方が大きくなっている。これは急激に水素を取り出すことにより吸熱反応が起こりタンク温度が低下するためである。水素吸蔵タンク101の圧力低下により、水素吸蔵タンク101からの水素供給は一時的(35秒後から45秒後)に少なくなり、水素高圧バッファタンク102が補って336L/分を維持する。
【0057】
50秒後になると、急速負荷に伴う燃料電池スタック103からの廃熱により水素吸蔵タンク101の温度が上昇を始めるため、再び水素吸蔵タンク101からも水素が供給されるようになる。60秒後には67.3L/分に戻すが、遅れて発生する燃料電池スタック103からの廃熱により水素吸蔵タンク101の温度が上昇し、それに伴って水素吸蔵タンク101、水素高圧バッファタンク102の圧力が回復し始める。
【0058】
そして、150秒後には再び5MPaに回復し、次回の始動時、又は次回の高負荷時に備えることが可能となる。
【0059】
(第2の実施の形態)
[燃料電池システム]
図8は、本発明に係る燃料電池システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。本実施の形態に係る燃料電池システム200では、レギュレータ、配管、レギュレータ類の構成を上述した第1の実施の形態に比較して単純化したものである。このため、上記した第1の実施の形態に係る燃料電池システム100と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
この燃料電池システム200では、上記第1の実施の形態において、水素吸蔵タンク101側及び水素高圧バッファタンク102側に設けていたレギュレータを一切設けていない。それに代えて、水素供給配管108の中間に共通のレギュレータ201を設置した。また、上記第1の実施の形態で設けているバイパス配管116は廃止し、レギュレータ122の代わりに開閉機能のみ有するレギュレータ202を設置した。
【0061】
本実施の形態においても、上記した第1の実施の形態と同様に、燃料電池の定常出力を6kWと仮定して、燃料電池スタック103が要求する必要水素流量を67.2L/分で検討した。
【0062】
水素高圧バッファタンク102の内容積も上記第1の実施の形態と同様に10L、水素高圧バッファタンク102の初期圧力を5MPaとした。水素吸蔵タンク101も、満充填時の水素吸蔵量を1m3としたものを用い、初期状態を満充填、初期水素吸蔵タンク温度を20℃とした。また、本実施の形態における水素吸蔵材料としての合金の仕様も、上記第1の実施の形態と同等である。レギュレータ201の二次圧力は0.9MPaとした。ガス流量コントローラ125内に設置されたバルブを開とした後の流量観測点A、Bの流量を図9に示す。また、夫々のタンクの一次圧力変化を図10に示す。
【0063】
[燃料電池システムの制御方法]
次に、本実施の形態における燃料電池システム200の始動時の制御方法について図11に示すフローチャートを用いて説明する。
【0064】
先ず、イグニッションスイッチの読み取りを行い(ステップS10)、イグニッションスイッチのON/OFFを判定する(ステップS11)、スイッチONの場合はレギュレータ202、レギュレータ201を開放させる(ステップS12)。スイッチOFFの場合は制御を終了する。
【0065】
ステップS12の処理を行った後、一次圧指示計114の読み取りを行う(ステップS13)。その後、読み取られた圧力が5MPa以上か否かの判定を行う(ステップS14)。この判定において、5MPa以上であれば、レギュレータ202を閉じる(ステップS15)。また、この判定において、圧力が5MPaより低い場合及びステップS15の処理を行った後は、イグニッションスイッチの読み取りを行う(ステップS)。
【0066】
そして、イグニッションスイッチがONか否かの判定を行う(ステップS17)。この結果、イグニッションスイッチがONの場合は、上述したステップS13に戻り、OFFの場合はレギュレータ201を閉じ(ステップS18)、制御を終了する。
【0067】
燃料電池システム200の起動直後は、主に圧力の高い水素高圧バッファタンク102から水素が供給される。燃料電池が始動し、熱水が回り始める100秒後から徐々に水素吸蔵タンク101の圧力が上昇はじめる。しかしながら、本実施の形態では上記した第1の実施の形態と異なり各タンクにレギュレータを備えているわけではないので、水素高圧バッファタンク102の圧力が水素吸蔵タンク101の圧力を上回っている場合は逆流防止弁119が作用して、水素高圧バッファタンク102からのみ水素が供給されることになる。350秒後になると水素高圧バッファタンク102の消費による圧力低下と水素吸蔵タンク101の温度上昇による圧力上昇により、タンク圧力の関係が逆転するため、これ以降水素吸蔵タンク101からのみ水素が供給されることになる。
【0068】
そして、500秒を過ぎると更なる温度上昇により水素吸蔵タンク101の一次圧力も上昇し、それに伴って水素吸蔵タンク101で放出された水素は、タンク連結配管104を経由して燃料電池スタック103へ供給配分されると共に、タンク連結配管104を経由し水素高圧バッファタンク102へ逆流して充填される。これによって、水素高圧バッファタンク102の圧力回復が始まる。
【0069】
その後、800秒後には、水素吸蔵タンク101からの水素流量が最大となり、また水素高圧バッファタンク102への充填流量も最大となる。
【0070】
さらに、900秒を過ぎると水素高圧バッファタンク102の圧力も上昇することから、水素高圧バッファタンク102への充填流量も徐々に低下する。
【0071】
そして、1500秒後には水素吸蔵タンク101の一次圧力は5MPaに到達し、それに伴って水素高圧バッファタンク102の圧力も5MPaを回復する。また、水素吸蔵タンク101の80℃以上の温度上昇を避けるため、必要に応じて三方管127内の弁機能を有するレギュレータ130を切り替え、水素吸蔵タンク101内の熱交換器109を経由せずに熱水を排出させることも可能である。
【0072】
本実施の形態において、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102を並列して用いることにより、始動直後から安定した水素供給が可能となる。また、始動により水素高圧バッファタンク102の水素圧力は一旦低下するが、水素吸蔵タンク101の温度上昇により、系の水素圧力が戻ることにより再び圧力が回復し、次回の始動時に備えることが可能となる。水素吸蔵タンク101単独では、圧力上昇に時間を要するため始動時に安定して水素供給が不可能であることは明らかである。
【0073】
ところで、本実施の形態では、上記した第1の実施の形態に比較して配管、及びレギュレータ類の設置を簡素化したが、現象としては以下の点が異なる。
【0074】
即ち、第1の実施の形態に比べて始動時に水素高圧バッファタンク102から供給する水素の消費量が多くなる。また、水素高圧バッファタンク102の消費量増大に伴い、圧力回復にも時間がかかる。しかし、水素高圧バッファタンク102の容量を変更することにより、これらの点は対応可能なので、始動温度、レイアウト等の条件を考慮しながら設計することが可能である。
【0075】
次に、本実施の形態において、急激な負荷がかかった場合について説明する。なお、流量観測点A、B、Cの流量変化を図12に示す。また、夫々のタンクの一次圧力変化を図13に示す。
【0076】
本実施の形態の挙動としては上記した第1の実施の形態における高負荷時の制御方法と似ているが、本実施の形態の燃料電池システム200では、タンク連結配管104がレギュレータ202を1つしか持っていないため、水素高圧バッファタンク102の圧力が水素吸蔵タンク102の圧力を上回っているときは、水素高圧バッファタンク102からのみ供給されるため、水素高圧バッファタンク102の水素消費量が多くなっている点が異なる。水素供給配管105のレギュレータ201の設定を0.9MPaとしているので、水素高圧バッファタンク102の消費増加に伴い0.9MPa以下となると供給不足が生じることとなる。このような場合は、水素高圧バッファタンク102の容量を増加させることにより、対策が可能である。
【0077】
以上、第1及び第2の実施の形態について説明したが、上記の実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る燃料電池システムの制御装置を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図4】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図5】第1の実施の形態に係る燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図8】本発明に係る燃料電池システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図10】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図11】第2の実施の形態に係る燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図13】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図14】水素吸蔵合金を充填したタンクの圧力と温度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100 燃料電池システム
101 水素吸蔵タンク
102 水素高圧バッファタンク
103 燃料電池スタック
104 タンク連結配管
105 三方管
107 負極
108 水素供給配管
109 熱交換器
110 水素充填部
111 生成水供給配管(排水管)
112 正極
114 一次圧指示計
116 バイパス配管
117 レギュレータ(第1流通制御部)
118 二次圧指示計
119 逆流防止弁
120 一次圧指示計
122 レギュレータ(第2流通制御部)
123 レギュレータ(水素高圧タンク側)
124 逆流防止弁
125 ガス流量コントローラ(供給量制御部)
126 送液ポンプ
127 三方管
128 排水配管
129 三方管
130 レギュレータ(水量制御部)
140 コントローラ
141 燃料電池負荷検出部
142 イグニッションスイッチON/OFF検出部
200 燃料電池システム
201 レギュレータ
202 レギュレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や輸送用機器などの移動体に用いられる、水素を利用する燃料電池システム及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、深刻化する地球環境問題を解決するために、クリーンなエネルギー源として水素を利用して電気化学的にエネルギーを取り出す燃料電池が注目を浴びている。水素供給源としては、水素を高圧で圧縮充填した水素高圧タンクや水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵タンクが一般的である。しかし、これら水素高圧タンクや水素貯蔵タンクをそれぞれ単独で用いる場合には以下のような問題点がある。
【0003】
すなわち、水素高圧タンクを単独で用いる場合では、長時間の運転、又は航続走行距離を確保するために、超高圧(25〜70MPa)での水素充填が必要となる。このように、一般に用いられているボンベより高い圧力を要求されるため、専用の耐圧設計が必要となりコスト高となる。また、水素高圧タンクを単独で用いる場合、単位容積あたりの水素貯蔵量も0.025〜0.045g/ccと小さいため、タンク容積が大きくなったり、タンクの形状が複雑になると共に、制御が非常に複雑となる問題がある。
【0004】
一方、水素吸蔵タンクを単独で用いる場合は、始動時の応答性、急速負荷時の応答性に問題がある。水素貯蔵タンクに充填された水素吸蔵合金は、水素放出にに対して30〜40kJ/molH2の吸熱反応を示す。水素吸蔵合金を充填したタンクの圧力と温度の関係は、例えば図14に示すように、タンクの温度の上昇に伴ってタンク圧力が上昇する。従って、燃料電池の始動時のタンクからの水素放出に伴って吸熱反応が起こってタンクの温度が上昇しないと、水素圧力が上昇しないという問題点がある。また、燃料電池に急速に負荷がかかったときのように、急激にタンクから水素を取り出そうとすると、吸熱反応により水素吸蔵タンクの温度が低下し、それに伴って水素圧力が低下するため、十分な水素供給が不可能となるという問題がある。このような応答性を改善するために、水素吸蔵材料を備えた複数の吸蔵タンクと、水素吸蔵材料を備えた複数の放出タンクとを備え、吸蔵タンクで水素を吸蔵する一方で、放出タンクでは吸蔵タンクから放出された水素を各タンクで交互に吸収し、水素吸収に伴うタンク内の発熱を利用して当接する隣のタンクの加熱を行い、水素の吸蔵と放出とをスイングさせるという技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−291524号公報(第1頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各タンクでの水素の吸蔵、放出をスイング運転する方法においては、スイングさせる2つのタンクの吸蔵・放出の均衡がくずれた場合、十分な水素供給が不可能となる場合も考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、自動車及び輸送用機器などの移動体において、主に始動時、及び車両等の加速時、ならびに登坂走行等に必要となる高負荷時に必要水素量を安定して供給し、円滑な運転を可能とする燃料電池システム及びその制御方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、燃料電池システムであって、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続されて、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクの双方又は一方から可変的に水素が負極側に供給される燃料電池スタックと、前記水素吸蔵タンク、前記水素高圧バッファタンク、及び前記タンク連結配管の少なくとも1箇所に設けられた水素充填部と、を備えることを要旨とする。
【0009】
第1の特徴に係る発明では、水素吸蔵タンクが水素放出量が少ない状態において水素が備蓄された水素高圧バッファタンクのみ、又は水素吸蔵タンクと共に燃料電池スタックへタンク連結配管及び水素供給配管を介して水素供給を行うことが可能である。また、水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタックの水素需要量よりも大きくなった場合は、連結配管を介して水素高圧バッファタンクへ水素を供給して水素高圧バッファタンクへ水素を備蓄させることが可能となる。さらに、システムへ水素を導入するための水素充填部は、水素吸蔵タンク、水素高圧バッファタンク、及びタンク連結配管の少なくとも1箇所に設けることにより、水素吸蔵タンクと水素高圧バッファタンクとの双方に水素充填が可能となる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給することを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックと、前記タンク連結配管における前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に設けられた、前記分岐部側から前記水素吸蔵タンク側へ水素が流れることを防止する逆流防止弁と、前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間に設けられた開閉制御部と、前記水素供給配管の中間部に設けられた供給量制御部と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記開閉制御部を開いて前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方で、前記燃料電池スタックに水素を供給すると共に、前記供給量制御部で水素供給量を制御して必要水素量を前記燃料電池スタックへ供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給・備蓄させ、前記水素高圧バッファタンクに所定量の水素が貯蔵された状態で前記開閉制御部を閉じることを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックと、前記タンク連結配管の前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に設けられた第1流通制御部と、前記タンク連結配管の前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間の位置に設けられた第2流通制御部と、前記第1流通制御部の前記水素吸蔵タンク側の前記タンク連結配管と、前記第2流通制御部の前記水素高圧バッファタンク側の前記タンク連結配管とを連通させるバイパス配管と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記第1流通制御部で前記タンク連結配管を閉又は流量を減少するように制御し、前記第2流通制御部で流量を大きくするように制御して、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記第1流量制御部の流量を大きくし、且つ前記第2流量制御部を閉じて、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記バイパス配管を介して前記水素高圧バッファタンクに供給・備蓄させることを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックとを備え、前記水素吸蔵タンク内に熱交換器が設置されると共に、該熱交換器に前記燃料電池スタックで発生した蒸気及び熱水からなる生成水を導く排水管が接続され、前記熱交換器に流通させる生成水の流量を制御する水量制御部を備えるている燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給し、前記水量制御部は、前記水素吸蔵タンク内の温度が、前記水素吸蔵材料が水素を放出する適正温度となるように熱交換器内を流通する生成水の水量制御を行うことを要旨とする。
【0014】
【発明の効果】
第1の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵タンクと高圧水素バッファタンクとを用いることにより、例えば、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階のいずれにおいても、燃料電池スタック側での水素需流量を安定して供給することが可能となるため、円滑な燃料電池の運転ができるようになる。また、水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタックの水素需要量よりも大きくなった場合は、タンク連結配管を介して水素高圧バッファタンクへ水素を供給して水素高圧バッファタンクへ水素を備蓄させることが可能であるため、次に水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタック側の水素需要量を下回るときに、再度、水素高圧バッファタンクから水素を補うことができる。さらに、この第1の特徴に係る発明によれば、水素高圧バッファタンクは、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階などの場合に用いるため、すなわち、水素吸蔵タンクが燃料電池スタック側の水素需要量に追いつくまでの間に用いるため、大容量のタンクである必要がなく、システム全体が大型化することを抑制することができる。また、この発明によれば、水素充填部は、水素吸蔵タンク、水素高圧バッファタンク、及びタンク連結配管のいずれか1箇所に設けることでシステム全体に水素を供給することも可能となる。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵タンクと高圧水素バッファタンクとを用いることにより、例えば、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階のいずれにおいても、燃料電池スタック側での必要水素流量を安定して供給することが可能となるため、円滑な燃料電池の運転ができるようになる。また、水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタックの水素需要量よりも大きくなった場合は、連結配管を介して水素高圧バッファタンクへ水素を供給して水素高圧バッファタンクへ水素を備蓄させることが可能であるため、次に水素吸蔵タンクの水素放出量が燃料電池スタック側の水素需要量を下回るときに水素高圧バッファタンクから水素を補うことができる。さらに、この第2の特徴に係る制御方法によれば、水素高圧バッファタンクは、低温時、システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時の初期段階などの場合に用いるため、すなわち、水素吸蔵タンクが燃料電池スタック側の水素需要量に追いつくまでの間に用いるため、大容量のタンクである必要がなく、システム全体が大型化することを抑制することができる。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、燃料電池スタックから要求される負荷変動に応じた必要水素量を水素吸蔵タンク単独では供給不可能な場合(低温時、燃料電池システム始動時、及び急激な高負荷時、連続高負荷時初期段階の場合)、又は、燃料電池からの廃熱を利用した水素発生に応答遅れが生じる場合において、高圧水素バッファタンクからの供給で水素供給不足を補う制御により、スムーズな運転を行うことが可能となる。また、低温時、燃料電池システム始動時において水素吸蔵タンクの圧力が水素バッファタンクの圧力より低くなるが、水素バッファタンクから水素吸蔵タンクへの水素移動、逆流を防止するため、水素吸蔵タンクの出口の下流側に逆流防止弁が設けることで解決することが可能となり、システム全体の構成を簡単にすることができる。
【0017】
第4の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵タンクと分岐部との間のタンク連結配管に設けられた第1流通制御部と、高圧水素バッファタンクと分岐部との間のタンク連結配管に設けられた第2の流通制御部とを備えたことにより、タンク連結配管の通過水素の流量制御を正確に行うことができる。
【0018】
第5の特徴に係る発明によれば、燃料電池スタックの廃熱を利用しながら水素吸蔵タンクからの水素発生を促進させることができるほか、燃料電池スタックの廃熱を促進することになるため、例えばこの燃料電池システムを自動車などの移動体に適用した場合にラジエータを小型化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る燃料電池システム及びその制御方法の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
[燃料電池システム]
図1は本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。図1に示すように、本実施の形態の燃料電池システム100は、水素吸蔵タンク101と、水素高圧バッファタンク102と、燃料電池スタック103と、水素吸蔵タンク101及び水素高圧バッファタンク102とを連結するタンク連結配管104と、タンク連結配管104の中間部に介在される分岐部としての三方管105と、この三方管105の分岐口105Aと燃料電池スタック103の正極107とを接続する水素供給配管108と、水素吸蔵タンク101内に配置された熱交換器109と、を備えて大略構成されている。
【0021】
先ず、水素吸蔵タンク101の構成を説明する。本実施の形態では、燃料電池システム100全体に水素を導入するための水素充填部110が、水素吸蔵タンク101に設けられている。この水素吸蔵タンク101内には、水素吸蔵材料が充填されると共に、図1に示すように熱交換器109が配置されている。この熱交換器109には、配水管である生成水供給配管111を介して、燃料電池スタック103の正極112側から排出される蒸気及び熱水でなる生成水が供給されるようになっている。なお、燃料電池スタック103は、上記した負極107と正極112とで固体電解質部113を挟持した構成となっている。
【0022】
ここで、水素吸蔵タンク101内に充填される水素吸蔵材料としては、使用温度範囲における水素解離平衡圧が0.11〜14MPaの範囲であることことが望ましい。0.11MPa未満では、水素を取り出すことが困難となり、また、14MPaを超えるとタンクの耐圧設計が厳しくなり、結果としてタンクの重量も重くなり、コスト的にも不利となる。
【0023】
次に、タンク連結配管104の構成について説明する。タンク連結配管104は、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102とを連結するように接続されている。タンク連結配管104の中間部には、上記した三方管105が配置されている。この三方管105は、両端の分岐口105B、105Cでタンク連結配管104に接続されて、タンク連結配管104と一体となっている。この三方管105の他の一つの分岐口105Aには、水素供給配管108が接続されている。
【0024】
このタンク連結配管104における水素吸蔵タンク101の直ぐ下流側には、水素吸蔵タンク101からの水素の放出圧力を検出する一次圧指示計114が設けられている。この一次圧指示計114の下流側には、バイパス用三方管115が接続されている。この吸蔵タンク側のバイパス用三方管115の両端の分岐口115B、115Cはタンク連結配管104に接続され、他の一つの分岐口115Aには、バイパス配管116の一方の端部が接続されている。そして、タンク連結配管104におけるバイパス用三方管115の下流側には、分岐部である三方管105に至るまでに、第1流通制御部としての、開閉弁付きの吸蔵タンク側レギュレータ117、二次圧指示計118、逆流防止弁119が、順次配置されている。なお、逆流防止弁119は、三方管105から水素吸蔵タンク101へ向けて水素が逆流することを防止している。
【0025】
また、タンク連結配管104における分岐部としての三方管105と水素高圧バッファタンク102との間には、水素高圧バッファタンク102から三方管105へ向けて、順次、一次圧指示計120、水素高圧バッファタンク102側のバイパス用三方管121、第2流通制御部としての、開閉弁付きの高圧タンク側レギュレータ122、二次圧指示計123が設けられている。なお、三方管121の両端の分岐口121B、121Cは、タンク連結配管104に接続されている。また、三方管121の他の一つの分岐口121Aには、上述したバイパス配管116の他方の端部が接続されている。なお、このバイパス配管116の中間部には、水素高圧バッファタンク102側から水素吸蔵タンク101側へ水素が流れることを防止する逆流防止弁124が設けられている。また、水素供給配管108の中間部には、供給量制御部としてのガス流量コントローラ125が設けられている。
【0026】
次に、熱交換器109への生成水供給系統の構成を説明する。上述した生成水供給配管111の中間部には、送液ポンプ126が設けられている。また、生成水供給配管111の送液ポンプ126の下流側は、弁機能付きの三方管127の分岐口127A、127Cとを介して熱交換器109の冷媒入口側に接続されている。この三方管127は、配流制御を行う弁機能、及び水量制御を行う機能を備えた水量制御部としてのレギュレータ130を備えている。熱交換器109の冷媒出口側には、排水配管128が接続されている。そして、排水配管128の中間部には、三方管129が設けられている。この三方管129の両端の分岐口129B、129Cには、排水配管128が接続され、他の一つの分岐口129Aは、熱交換器109を経た生成水を排出するようになっている。三方管129の分岐口129Bに接続された排水配管128は、上述したレギュレータ130を備える三方管127の分岐口127Bに接続されている。なお、生成水供給配管111により熱交換器109へ供給される生成水は、燃料電池スタック103で生成された生成水の一部でもよいし全部でもよい。
【0027】
次に、このような構成の燃料電池システム100の作用・動作について説明する。
【0028】
本実施の形態に係る燃料電池システム100においては、水素貯蔵系の水素充填は、図示しない配管を用いて水素充填部110から水素吸蔵タンク101へ行う。水素充填の際は、吸蔵タンク側レギュレータ117と高圧タンク側レギュレータ122の開閉弁を共に閉じておく。このため、水素吸蔵タンク101に充填されると共に、水素吸蔵タンク101に連通するタンク連結配管104、バイパス用三方管115、バイパス配管116、三方管121、タンク連結配管104を介して水素高圧バッファタンク102へ水素の充填が行われる。そして、水素高圧バッファタンク102近傍の一次圧指示計120が所望の圧力となり、且つ水素吸蔵タンク101からの水素の放出圧力を検出する一次圧指示計114が所望の圧力を示す状態で、水素充填部110から水素を充填することを停止する。なお、この状態では、水素充填部110に設けられた、図示しない逆流防止弁により、水素吸蔵タンク101から水素がタンク外部に放出されないようになっている。
【0029】
次に、例えば、低温時、燃料電池システム100の始動時においては、水素吸蔵タンク101では、タンクが冷えているため、タンク内の水素吸蔵材料に吸蔵された水素は放出されにくく、圧力が低下して状態となっている。このため、水素吸蔵タンク101のみでは、燃料電池スタック103の負荷に対応する流量の水素を賄うことはできないため、高圧タンク側レギュレータ122の開閉弁を開いて、水素高圧バッファタンク102側から水素を供給する。このとき、水素高圧バッファタンク102の水素圧力は、水素吸蔵タンク101側の水素圧力よりも高いが、逆流防止弁119及び124を備えているため、タンク連結配管104及びバイパス配管116を介して水素が水素吸蔵タンク101へ流れることはない。なお、水素吸蔵タンク101の水素圧力が低いときには、上述したようにレギュレータ122の開閉弁を開くだけでよいが、水素吸蔵タンク101側に位置するレギュレータ117の開閉弁を閉じておく。
【0030】
その後、燃料電池スタック103の作動に伴って、正極112側に生成された生成水(蒸気及び熱水)の量及び温度が増加する。このとき、生成水供給配管111に設けられた三方管129が生成水が熱交換器109へ流れるように、配流制御を行う弁機能、及び流量制御を行う機能を備えたレギュレータ130を制御しておく。
【0031】
そして、水素吸蔵タンク101内の水素吸蔵材料が熱交換器109で温められて、水素の放出量が大きくなり、水素圧力が高くなる。その後、一次圧指示計114が所望の水素放出圧力を検出したときに、レギュレータ117の開閉弁を開く。すると、水素吸蔵タンク101から放出された水素は、三方管105を介して燃料電池スタック103に流れる。このとき、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122を閉じる。なお、水素供給配管108に流す水素流量は、ガス流量コントローラ125で、燃料電池スタック103の負荷に対応する水素需要量となるように制御される。
【0032】
その後、燃料電池システム100の暖機後の定常運転時及び負荷低下などの場合には、水素吸蔵タンク101から水素圧力が充分に高くなり、且つ水素高圧バッファタンク102の水素圧力よりも高くなると、水素供給は移管108に供給する水素流量以外に余裕が生じ、水素高圧バッファタンク102側へ水素を備蓄することが可能となる。なお、水素吸蔵タンク101から水素高圧バッファタンク102への水素の備蓄は、バイパス配管116を介して水素の送出が行われる。
【0033】
また、この燃料電池システム100では、燃料電池スタック103の正極112側から排出された生成水(蒸気及び熱水)は生成水供給配管111を経由して、送液ポンプ126により三方管127に送り込まれる。水素の供給を促進するときは三方管127を水素吸蔵タンク側に開放し、生成水を水素吸蔵タンク101の昇温に用いる。水素吸蔵タンク101内で熱交換器109を通過して冷却された生成水は、三方管129を経由し、分岐口129Aより排出される。一方、水素吸蔵タンク101が充分に温まって、水素供給を促進する必要がない場合は、三方管127から熱交換器109へ生成水を流す必要がないため、三方管127を経て熱交換器109へ生成水が流れないように弁機能を有するレギュレータ130を制御して、生成水を三方管129側に流し、三方管129の分岐口129Aより生成水を排出させる。
【0034】
以上、本実施の形態の燃料電池システム100について説明したが、この燃料電池システム100では、水素吸蔵タンク101が水素放出量が少ない状態において水素が備蓄された水素高圧バッファタンク102のみ、又は水素吸蔵タンク101との併用で、燃料電池スタック103へタンク連結配管104及び水素供給配管108を介して水素供給を行うことが可能である。
【0035】
また、本実施の形態において、水素吸蔵タンク101の水素放出量が燃料電池スタック103の水素需要量よりも大きくなった場合は、バイパスは移管116を介して水素高圧バッファタンク102へ水素を供給して水素高圧バッファタンク102へ水素を備蓄させることが可能となる。
【0036】
さらに、本実施の形態において、システムへ水素を導入するための水素充填部110は、水素吸蔵タンク101に設けたが、水素高圧バッファタンク102、及びタンク連結配管104の少なくとも1箇所に設けることにより、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102との双方に水素充填が可能となる。
【0037】
[燃料電池システムの制御装置]
次に、本実施の形態に係る燃料電池システムの制御装置の一例を図2を用いて説明する。
【0038】
図2に示すように、この燃料電池システムの制御装置は、上述した燃料電池システム100にコントローラ140を備えている。このコントローラ140は、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125と、生成水を流す三方管127のレギュレータ130をそれぞれ制御する機能を有している。このコントローラ140は、例えば図示しないROM(Read Only Memory)に、燃料電池システム100を起動して燃料電池スタック103に水素を供給する処理手順を記述した水素供給プログラムを格納し、この水素供給プログラムをCPU(Central Processing Unit)などにより実行することで、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125と、生成水を流す三方管127のレギュレータ130をそれぞれ制御する機能を有する。このコントローラ140は、例えば図示しないROM(Read Only Memory)に、燃料電池システム100を起動して燃料電池スタック103に水素を供給する処理手順を記述した水素供給プログラムを格納し、この水素供給プログラムをCPU(Central Processing Unit)などにより実行することで、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125と、生成水を流す三方管127のレギュレータ130をそれぞれ制御する機能を有する。
【0039】
図2に示すように、コントローラ140は、イグニッションスイッチのON/OFFを検出するON/OFF検出部142からON/OFF検出信号が入力されるようになっている。また、燃料電池システム100が起動された場合に、コントローラ140には、燃料電池負荷検出部141から、燃料電池スタック103に要求される負荷量を示す負荷値信号が入力されるようになっている。さらに、コントローラ140には、水素吸蔵タンク101側の一次圧指示計114及び二次圧指示計118、ならびに、水素高圧バッファタンク102側の一次圧指示計120及び二次圧指示計123から、水素圧力を示す圧力データ信号が入力されるようになっている。
【0040】
そして、これらON/OFF検出部142、燃料電池負荷検出部141、水素吸蔵タンク101側の一次圧指示計114、二次圧指示計118、水素高圧バッファタンク102側の一次圧指示計120、二次圧指示計123から入力される信号に基づいて、ROMに格納された水素供給プログラムに沿って演算処理がなされ、水素吸蔵タンク101側のレギュレータ117、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122、ガス流量コントローラ125、三方管127のレギュレータ130へ、各制御信号を出力するようになっている。
【0041】
[燃料電池システムの制御方法]
以下に、上述した制御装置を用いた燃料電池システムの制御方法の具体的な実施例を説明する。
【0042】
先ず、燃料電池システム100における始動時の制御方法について図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、本実施の形態は、燃料電池の定常出力を6kWと仮定して、燃料電池スタック103が要求する必要水素流量を67.2L/分で検討した実施例である。また、水素高圧バッファタンク102の内容積を10L、水素高圧バッファタンク102の初期圧力を5MPaとした。さらに、水素吸蔵タンク101は、満充填時の水素吸蔵量を1m3としたものを用い、初期状態を満充填、初期水素吸蔵タンク温度を20℃とした。また、水素吸蔵材料としては、Ti−V−Cr系BCC合金を用いた。この水素吸蔵材料を用いた場合の水素吸蔵タンク温度20℃における圧力は、約0.2MPa、また80℃における圧力は5.0MPaであった。また、レギュレータ117、122の二次側圧力、すなわち三方管105側の圧力を夫々0.9MPaとした。ガス流量コントローラ125内に設置されたバルブを開とした後の流量観測点A、Bの流量を図3に示す。また、水素吸蔵タンク101及び水素高圧バッファタンク102のそれぞれの一次圧力変化を図4に示す。
【0043】
先ず、イグニッションスイッチの読み取りを行い(ステップS1)、図2に示すイグニッションスイッチのON/OFF検出部142からコントローラ140へスイッチONを検出した検出信号が出力されると(ステップS2)、コントローラ140は、ガス流量コントローラ125のバルブが開放させる制御信号を出力すると同時にレギュレータ117、122を開放させる制御信号を出力する(ステップS3)。
【0044】
なお、バルブ開直後は、主に圧力の高い水素高圧バッファタンク102側から水素を供給するように、水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122のみを開放するようにする。すると、水素高圧バッファタンク102から放出された水素は、順次、水素高圧バッファタンク102側のタンク連結配管104、三方管105、水素供給配管108、ガス流量コントローラ125、水素供給配管108を介して、燃料電池スタック103の負極107側へ供給される。なお、同時に、別途酸素も燃料電池スタック103へ供給されるようになっている。
【0045】
そして、燃料電池が始動し、燃料電池スタック103で生成された生成水(蒸気及び熱水)が生成水供給配管111を経由して、送液ポンプ126により三方管127に送り込まれる。このとき、コントローラ140は、三方管127のレギュレータ130を制御して、生成水を水素吸蔵タンク側に導き、生成水を水素吸蔵タンク101の昇温に用いる。水素吸蔵タンク101内の熱交換器109に生成水が回り始めると、約100秒後から徐々に水素吸蔵タンク101内の水素圧力が上昇し始める。そして、250秒後には水素吸蔵タンク101内の水素圧力も0.9MPaを超えるため、水素吸蔵タンク101からも水素が供給されるようになり、水素高圧バッファタンク102からの流量は徐々に少なくなる。 ここで、水素吸蔵タンク101側の一次圧指示計114で圧力の読み取りを行う(ステップS4)。コントローラ140側では、一次圧指示計114からの圧力データ信号により、水素吸蔵タンク101の水素圧力が例えば5MPa以上であるか否かの判定を行う(ステップS5)。ここで、水素吸蔵タンク101の水素圧力が5MPa以上である場合、コントローラ140は水素高圧バッファタンク102側のレギュレータ122を閉じる制御信号を出力する(ステップS6)。そして、ステップS6の後は後述するステップS7の処理を行う。
【0046】
上記ステップS5において、水素吸蔵タンク101の水素圧力が5MPaより低い場合は、レギュレータ122を開放したままで、再度、イグニッションスイッチのON/OFF検出部142で読み取りを行い(ステップS7)、検出信号によりイグニッションスイッチがONであるか否かの判定を行う(ステップS8)。ここで、イグニッションスイッチがONである場合は、上記ステップS4に戻る。一方、イグニッションスイッチがOFFである場合は、レギュレータ117を閉じる(ステップS)と共に、三方管127のレギュレータ130から三方管129へ生成水が流れるように制御して、コントローラ140の制御を終了する。
【0047】
以上、本実施の形態に係る制御方法の概略を説明したが、この制御に伴う燃料電池システム100の作用・動作を説明する。
【0048】
上記したステップS2でイグニッションスイッチがONと判定された後、約400秒経過すると水素吸蔵タンク101の温度上昇に伴う圧力上昇と、水素高圧バッファタンク102の水素消費による圧力低下により一次圧指示計114、120で検出される圧力が同じになる。一次圧のバランスが一緒になると水素高圧バッファタンク102から水素の供給は事実上0となる。さらに、450秒を過ぎると、更なる温度上昇により水素吸蔵タンク102の一次圧力も上昇し、それに伴って水素吸蔵タンク101から放出された水素はタンク連結配管104を経由する燃料電池スタック103へ供給配分されると共に、バイパス配管116を経由し水素高圧バッファタンク102に配分・充填され、水素高圧バッファタンク102の圧力回復が始まる。
【0049】
さらに、700秒後には、水素吸蔵タンク101からの水素流量が最大となり、また水素高圧バッファタンク102への充填流量も最大となる。
【0050】
次に、800秒を過ぎると、水素高圧バッファタンク102内の圧力も上昇することから、水素高圧バッファタンク102への充填流量も徐々に低下する。
【0051】
そして、1250秒後には、水素吸蔵タンク101の一次圧力は5MPaに到達し、それに伴って水素高圧バッファタンク102内の圧力も5MPaを回復する。水素高圧バッファタンク102の圧力が5MPaに回復した後は、次回の始動時等に備えるためレギュレータ122内に設けられたバルブを閉とする。
【0052】
また、水素吸蔵タンク101が80℃以上となる温度上昇を避けるため、必要に応じて三方管127内の弁機能を有するレギュレータ130を切り替え、熱交換器109を経由せずに生成水を三方管129の分岐口129Aから排出させる。
【0053】
このような制御方法とすることにより、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102を並列して用いることにより、始動直後から安定した水素供給が可能となる。また、始動により水素高圧バッファタンク102の水素圧力は一旦低下するが、水素吸蔵タンク101の温度上昇により、系の水素圧力が戻ることにより再び圧力が回復し、次回の始動時に備えることが可能となる。
【0054】
以上、燃料電池システム100における始動時の制御方法について説明したが、次に、この燃料電池システム100において、急激な負荷がかかった場合の制御方法について説明する。
【0055】
この制御方法においても条件としては、燃料電池が6kWの定常出力を続けていて安定した状態から30秒後から60秒までの30秒間30kWの急激な出力を取り出し、60秒後には再び6kWの定常出力に戻り、運転を継続する場合について説明する。30kWの出力に必要な水素量を336L /分とした。また、水素高圧バッファタンクの圧力は5MPaに回復している条件とした。ここで、流量観測点A、B、Cの流量変化を図6に示す。また、夫々のタンクの一次圧力変化を図7に示す。
【0056】
図6に示すように、30秒後に燃料電池スタック103の要求水素流量が67.2L/分から336L/分に引き上げられるのに伴い、水素吸蔵タンク101の圧力と水素高圧バッファタンク102の圧力は低下する。その低下の割合は水素吸蔵タンク101の方が大きくなっている。これは急激に水素を取り出すことにより吸熱反応が起こりタンク温度が低下するためである。水素吸蔵タンク101の圧力低下により、水素吸蔵タンク101からの水素供給は一時的(35秒後から45秒後)に少なくなり、水素高圧バッファタンク102が補って336L/分を維持する。
【0057】
50秒後になると、急速負荷に伴う燃料電池スタック103からの廃熱により水素吸蔵タンク101の温度が上昇を始めるため、再び水素吸蔵タンク101からも水素が供給されるようになる。60秒後には67.3L/分に戻すが、遅れて発生する燃料電池スタック103からの廃熱により水素吸蔵タンク101の温度が上昇し、それに伴って水素吸蔵タンク101、水素高圧バッファタンク102の圧力が回復し始める。
【0058】
そして、150秒後には再び5MPaに回復し、次回の始動時、又は次回の高負荷時に備えることが可能となる。
【0059】
(第2の実施の形態)
[燃料電池システム]
図8は、本発明に係る燃料電池システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。本実施の形態に係る燃料電池システム200では、レギュレータ、配管、レギュレータ類の構成を上述した第1の実施の形態に比較して単純化したものである。このため、上記した第1の実施の形態に係る燃料電池システム100と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
この燃料電池システム200では、上記第1の実施の形態において、水素吸蔵タンク101側及び水素高圧バッファタンク102側に設けていたレギュレータを一切設けていない。それに代えて、水素供給配管108の中間に共通のレギュレータ201を設置した。また、上記第1の実施の形態で設けているバイパス配管116は廃止し、レギュレータ122の代わりに開閉機能のみ有するレギュレータ202を設置した。
【0061】
本実施の形態においても、上記した第1の実施の形態と同様に、燃料電池の定常出力を6kWと仮定して、燃料電池スタック103が要求する必要水素流量を67.2L/分で検討した。
【0062】
水素高圧バッファタンク102の内容積も上記第1の実施の形態と同様に10L、水素高圧バッファタンク102の初期圧力を5MPaとした。水素吸蔵タンク101も、満充填時の水素吸蔵量を1m3としたものを用い、初期状態を満充填、初期水素吸蔵タンク温度を20℃とした。また、本実施の形態における水素吸蔵材料としての合金の仕様も、上記第1の実施の形態と同等である。レギュレータ201の二次圧力は0.9MPaとした。ガス流量コントローラ125内に設置されたバルブを開とした後の流量観測点A、Bの流量を図9に示す。また、夫々のタンクの一次圧力変化を図10に示す。
【0063】
[燃料電池システムの制御方法]
次に、本実施の形態における燃料電池システム200の始動時の制御方法について図11に示すフローチャートを用いて説明する。
【0064】
先ず、イグニッションスイッチの読み取りを行い(ステップS10)、イグニッションスイッチのON/OFFを判定する(ステップS11)、スイッチONの場合はレギュレータ202、レギュレータ201を開放させる(ステップS12)。スイッチOFFの場合は制御を終了する。
【0065】
ステップS12の処理を行った後、一次圧指示計114の読み取りを行う(ステップS13)。その後、読み取られた圧力が5MPa以上か否かの判定を行う(ステップS14)。この判定において、5MPa以上であれば、レギュレータ202を閉じる(ステップS15)。また、この判定において、圧力が5MPaより低い場合及びステップS15の処理を行った後は、イグニッションスイッチの読み取りを行う(ステップS)。
【0066】
そして、イグニッションスイッチがONか否かの判定を行う(ステップS17)。この結果、イグニッションスイッチがONの場合は、上述したステップS13に戻り、OFFの場合はレギュレータ201を閉じ(ステップS18)、制御を終了する。
【0067】
燃料電池システム200の起動直後は、主に圧力の高い水素高圧バッファタンク102から水素が供給される。燃料電池が始動し、熱水が回り始める100秒後から徐々に水素吸蔵タンク101の圧力が上昇はじめる。しかしながら、本実施の形態では上記した第1の実施の形態と異なり各タンクにレギュレータを備えているわけではないので、水素高圧バッファタンク102の圧力が水素吸蔵タンク101の圧力を上回っている場合は逆流防止弁119が作用して、水素高圧バッファタンク102からのみ水素が供給されることになる。350秒後になると水素高圧バッファタンク102の消費による圧力低下と水素吸蔵タンク101の温度上昇による圧力上昇により、タンク圧力の関係が逆転するため、これ以降水素吸蔵タンク101からのみ水素が供給されることになる。
【0068】
そして、500秒を過ぎると更なる温度上昇により水素吸蔵タンク101の一次圧力も上昇し、それに伴って水素吸蔵タンク101で放出された水素は、タンク連結配管104を経由して燃料電池スタック103へ供給配分されると共に、タンク連結配管104を経由し水素高圧バッファタンク102へ逆流して充填される。これによって、水素高圧バッファタンク102の圧力回復が始まる。
【0069】
その後、800秒後には、水素吸蔵タンク101からの水素流量が最大となり、また水素高圧バッファタンク102への充填流量も最大となる。
【0070】
さらに、900秒を過ぎると水素高圧バッファタンク102の圧力も上昇することから、水素高圧バッファタンク102への充填流量も徐々に低下する。
【0071】
そして、1500秒後には水素吸蔵タンク101の一次圧力は5MPaに到達し、それに伴って水素高圧バッファタンク102の圧力も5MPaを回復する。また、水素吸蔵タンク101の80℃以上の温度上昇を避けるため、必要に応じて三方管127内の弁機能を有するレギュレータ130を切り替え、水素吸蔵タンク101内の熱交換器109を経由せずに熱水を排出させることも可能である。
【0072】
本実施の形態において、水素吸蔵タンク101と水素高圧バッファタンク102を並列して用いることにより、始動直後から安定した水素供給が可能となる。また、始動により水素高圧バッファタンク102の水素圧力は一旦低下するが、水素吸蔵タンク101の温度上昇により、系の水素圧力が戻ることにより再び圧力が回復し、次回の始動時に備えることが可能となる。水素吸蔵タンク101単独では、圧力上昇に時間を要するため始動時に安定して水素供給が不可能であることは明らかである。
【0073】
ところで、本実施の形態では、上記した第1の実施の形態に比較して配管、及びレギュレータ類の設置を簡素化したが、現象としては以下の点が異なる。
【0074】
即ち、第1の実施の形態に比べて始動時に水素高圧バッファタンク102から供給する水素の消費量が多くなる。また、水素高圧バッファタンク102の消費量増大に伴い、圧力回復にも時間がかかる。しかし、水素高圧バッファタンク102の容量を変更することにより、これらの点は対応可能なので、始動温度、レイアウト等の条件を考慮しながら設計することが可能である。
【0075】
次に、本実施の形態において、急激な負荷がかかった場合について説明する。なお、流量観測点A、B、Cの流量変化を図12に示す。また、夫々のタンクの一次圧力変化を図13に示す。
【0076】
本実施の形態の挙動としては上記した第1の実施の形態における高負荷時の制御方法と似ているが、本実施の形態の燃料電池システム200では、タンク連結配管104がレギュレータ202を1つしか持っていないため、水素高圧バッファタンク102の圧力が水素吸蔵タンク102の圧力を上回っているときは、水素高圧バッファタンク102からのみ供給されるため、水素高圧バッファタンク102の水素消費量が多くなっている点が異なる。水素供給配管105のレギュレータ201の設定を0.9MPaとしているので、水素高圧バッファタンク102の消費増加に伴い0.9MPa以下となると供給不足が生じることとなる。このような場合は、水素高圧バッファタンク102の容量を増加させることにより、対策が可能である。
【0077】
以上、第1及び第2の実施の形態について説明したが、上記の実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る燃料電池システムの制御装置を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図4】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図5】第1の実施の形態に係る燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図8】本発明に係る燃料電池システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図10】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図11】第2の実施の形態に係る燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各ラインの水素流量の経時変化を示すグラフである。
【図13】第2の実施の形態に係る燃料電池システムにおける各タンクの圧力の経時変化を示すグラフである。
【図14】水素吸蔵合金を充填したタンクの圧力と温度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100 燃料電池システム
101 水素吸蔵タンク
102 水素高圧バッファタンク
103 燃料電池スタック
104 タンク連結配管
105 三方管
107 負極
108 水素供給配管
109 熱交換器
110 水素充填部
111 生成水供給配管(排水管)
112 正極
114 一次圧指示計
116 バイパス配管
117 レギュレータ(第1流通制御部)
118 二次圧指示計
119 逆流防止弁
120 一次圧指示計
122 レギュレータ(第2流通制御部)
123 レギュレータ(水素高圧タンク側)
124 逆流防止弁
125 ガス流量コントローラ(供給量制御部)
126 送液ポンプ
127 三方管
128 排水配管
129 三方管
130 レギュレータ(水量制御部)
140 コントローラ
141 燃料電池負荷検出部
142 イグニッションスイッチON/OFF検出部
200 燃料電池システム
201 レギュレータ
202 レギュレータ
Claims (12)
- 水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、
前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、
前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、
前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、
前記水素供給配管に接続されて、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクの双方又は一方から可変的に水素が負極側に供給される燃料電池スタックと、
前記水素吸蔵タンク、前記水素高圧バッファタンク、及び前記タンク連結配管の少なくとも1箇所に設けられた水素充填部と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記水素供給配管に供給量制御部が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1又は請求項2に記載された燃料電池システムであって、
前記タンク連結配管における前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に、前記分岐部側から前記水素吸蔵タンク側へ水素が流れることを防止する逆流防止弁が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された燃料電池システムであって、
前記タンク連結配管における、前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に、水素流量を制御する第1流通制御部が設けられ、
前記タンク連結配管における、前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間の位置に、水素流量を制御する第2流通制御部が設けられ、
前記第1流通制御部の前記水素吸蔵タンク側に位置する前記タンク連結配管と、前記第2流通制御部の前記水素高圧バッファタンク側に位置する前記タンク連結配管とを連通して、前記水素吸蔵タンク側から前記水素高圧バッファタンク側へ水素の送出を可能にするバイパス配管が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された燃料電池システムであって、
前記水素吸蔵タンク内に熱交換器が設置されると共に、前記燃料電池スタックで発生した蒸気及び熱水からなる生成水を導く排水管が前記熱交換器に接続されることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項5記載の燃料電池システムであって、
前記排水管から供給される生成水の前記熱交換器への供給量を制御する水量制御部を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された燃料電池システムであって、
前記水素吸蔵材料は、前記水素吸蔵タンクの使用温度範囲における水素解離平衡圧が、0.11〜14MPaの範囲であることを特徴とする燃料電池システム。 - 水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックと、前記タンク連結配管における前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に設けられた、前記分岐部側から前記水素吸蔵タンク側へ水素が流れることを防止する逆流防止弁と、前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間に設けられた開閉制御部と、前記水素供給配管の中間部に設けられた供給量制御部と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記開閉制御部を開いて前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方で、前記燃料電池スタックに水素を供給すると共に、前記供給量制御部で水素供給量を制御して必要水素量を前記燃料電池スタックへ供給し、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給・備蓄させ、前記水素高圧バッファタンクに所定量の水素が貯蔵された状態で前記開閉制御部を閉じることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックと、前記タンク連結配管の前記水素吸蔵タンクと前記分岐部との間の位置に設けられた第1流通制御部と、前記タンク連結配管の前記水素高圧バッファタンクと前記分岐部との間の位置に設けられた第2流通制御部と、前記第1流通制御部の前記水素吸蔵タンク側の前記タンク連結配管と、前記第2流通制御部の前記水素高圧バッファタンク側の前記タンク連結配管とを連通させるバイパス配管と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記第1流通制御部で前記タンク連結配管を閉又は流量を減少するように制御し、前記第2流通制御部で流量を大きくするように制御して、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記第1流量制御部の流量を大きくし、且つ前記第2流量制御部を閉じて、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記バイパス配管を介して前記水素高圧バッファタンクに供給・備蓄させることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 水素を吸蔵し、且つ水素を放出することが可能な水素吸蔵材を充填した水素吸蔵タンクと、前記水素吸蔵タンクから放出された水素を備蓄可能な水素高圧バッファタンクと、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとを連通するように接続するタンク連結配管と、前記タンク連結配管の中間に位置する分岐部から分岐した水素供給配管と、前記水素供給配管に接続される燃料電池スタックとを備え、前記水素吸蔵タンク内に熱交換器が設置されると共に、該熱交換器に前記燃料電池スタックで発生した蒸気及び熱水からなる生成水を導く排水管が接続され、前記熱交換器に流通させる生成水の流量を制御する水量制御部を備えるている燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合に、前記水素高圧バッファタンクに備蓄された水素を放出して、前記水素吸蔵タンクと前記水素高圧バッファタンクとの双方、又は前記水素高圧バッファタンクのみで、前記燃料電池スタックに必要水素量を供給し、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合に、前記水素吸蔵タンクからのみ水素を放出させると共に、前記燃料電池スタックの水素需要量を越える余剰の水素を前記水素高圧バッファタンクに供給し、
前記水量制御部は、前記水素吸蔵タンク内の温度が、前記水素吸蔵材料が水素を放出する適正温度となるように熱交換器内を流通する生成水の水量制御を行うことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載された燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を上回る場合は、低温時、燃料電池システム始動時、急激に高負荷をかけた時、連続高負荷時初期段階の時のいずれかであり、
前記燃料電池スタックから要求される、負荷に見合った水素需要量が、前記水素吸蔵タンクの水素放出量を下回り、且つ前記水素吸蔵タンクの圧力が前記水素高圧バッファタンクの圧力より高い場合は、燃料電池システムの暖気後の定常運転時、負荷低下時であることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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