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JP2004249769A - 車両の電力供給制御装置 - Google Patents

車両の電力供給制御装置 Download PDF

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JP2004249769A
JP2004249769A JP2003040223A JP2003040223A JP2004249769A JP 2004249769 A JP2004249769 A JP 2004249769A JP 2003040223 A JP2003040223 A JP 2003040223A JP 2003040223 A JP2003040223 A JP 2003040223A JP 2004249769 A JP2004249769 A JP 2004249769A
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power supply
control device
switching element
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supply control
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JP2003040223A
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Tsuneo Miyakoshi
恒雄 宮越
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】負荷数が増大されても、リレー数を増加させたりリレー体格を増大させたりすることなく、コストアップや電力供給制御装置の大型化を抑制する。
【解決手段】第1電源線12はバッテリ11から静的メモリ22に対して常時電力を供給する。第2電源線14はメインリレー13を介してバッテリ11に接続され、第2電源線14には複数の第2負荷17が接続されている。マイコン21は第2電源線14からの電力供給に基づいて作動し複数の第2負荷17の駆動を制御する。第1電源線12と第2電源線14の所定部位との間には、第1電源線12から第2電源線14への電力を断接するスイッチング素子25が配設されている。マイコン21は、所定の条件に基づいてスイッチング素子25に断接信号を出力して該スイッチング素子25の断接を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の電力供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、バッテリ等の電源から供給される電力によって駆動される種々の負荷が搭載され、これらの負荷は電子制御装置から出力される駆動信号に基づいて電源から供給される電力によって駆動される。電子制御装置はイグニッションスイッチのオン時において電源からの電力供給により活性状態となり、イグニションスイッチのオフ時において電源からの電力供給が断たれて非活性状態となる。このような電子制御装置は、各種演算を行う演算処理部と、該演算処理部の処理結果を保存する記憶部とを備えたものが一般的である。この記憶部には、イグニッションスイッチのオン時に記憶された情報を保持するために、イグニッションスイッチのオフ時においても常時電力が供給される必要があり、バッテリ等の電源から直接電力が供給される。一方、前記種々の負荷は、電子制御装置によって導通制御されるリレーを含む電源線を介して電源に接続されており、前記電子制御装置からの駆動信号に基づいて電源からの電力供給により駆動される。
【0003】
このような電力供給制御装置において、電子制御装置によって駆動される負荷の数が多くなると、上記リレーを流れる電流値が増加する。そのため、非特許文献1に示されるように、リレー数を増加させて各リレーに接続される負荷数を少なくして各リレーを流れる電流を抑制するようにしたり、上記リレーを電流容量の大きな体格の大きなものにしたりすることが必要となる。
【0004】
【非特許文献1】
トヨタ自動車株式会社、「ナディア 配線図集 品番6749203」、トヨタ自動車株式会社 サービス部、2002年7月31日、3−38
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子制御装置によって駆動される負荷数の増大に伴ってリレー数を増加させると、その増加したリレーに接続される電源線も必要となり、コストアップや電力供給制御装置の大型化を招く。また、リレー体格を大きくする場合にも、コストアップや電力供給制御装置の大型化を招く。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、負荷数が増大されても、リレー数を増加させたりリレー体格を増大させたりすることなく、コストアップや電力供給制御装置の大型化を抑制することができる車両の電力供給制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、電源から第1電源線を介して常時電力が供給されるように接続された第1負荷と、前記電源からリレーを含む第2電源線を介して電力が供給されるように接続された複数の第2負荷とが接続され、イグニションスイッチのオン信号を検出するオン信号検出手段と、該オン信号検出手段の検出結果に基づいて電力断接信号を出力して前記リレーの断接を制御する信号出力手段と、前記第2電源線からの電力供給に基づいて作動し前記複数の第2負荷の駆動を制御する制御手段とを備えた車両の電力供給制御装置において、前記第1電源線と前記第2電源線の所定部位との間に配設され前記第1電源線から前記第2電源線への電力を断接するスイッチング素子を備え、前記制御手段は、所定の条件に基づいて前記スイッチング素子に断接信号を出力して該スイッチング素子の断接を制御することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、所定の条件の成立に基づいてスイッチング素子が接状態にされると、電源が第1電源線からスイッチング素子を介して第2電源線に供給される。そのため、複数の第2負荷を駆動する電流の一部は第1電源線を介して第2電源線に供給され、残りの電流はリレーを介して第2電源線に供給されることとなる。よって、第2電源線に接続される第2負荷の数が増大されても、スイッチング素子を接状態とすれば、リレーを流れる電流の増大を抑制することができ、リレー数の増加やリレー体格の増大を抑制することができ、コストアップや電力供給制御装置の大型化を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の電力供給制御装置において、前記第2電源線と前記スイッチング素子との接続部における電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記所定の条件は前記電圧検出手段による検出結果が所定値以下であるという条件を含むことを特徴とする。
【0010】
第2電源線とスイッチング素子との接続部の電圧が所定値以下である場合には、その接続部よりも第2電源線の上流側に接続された第2負荷での消費電流が大きくリレーの電流容量を超える可能性があり、リレーの発熱や焼き付き等を招くおそれがある。
【0011】
この構成によれば、第2電源線とスイッチング素子との接続部の電圧が所定値以下である場合に、スイッチング素子を接状態とすることにより、接続部よりも第2電源線の下流側に接続された第2負荷に対して第1電源線を介して電流を供給することができ、リレーを流れる電流の増加を抑制することができ、リレーの発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両の電力供給制御装置において、前記第2電源線と前記スイッチング素子との接続部における電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記第1電源線における電圧を検出する第2の電圧検出手段と、を備え、前記所定の条件は前記第1の電圧検出手段による検出結果が前記第2の電圧検出手段の検出結果よりも小さいという条件を含むことを特徴とする。
【0013】
第2電源線とスイッチング素子との接続部の電圧が、第1電源線の電圧よりも小さい場合には、その接続部よりも第2電源線の上流側に接続された第2負荷での消費電流が大きくリレーの電流容量を超える可能性があり、リレーの発熱や焼き付き等を招くおそれがある。
【0014】
この構成によれば、第2電源線とスイッチング素子との接続部の電圧が第1電源線の電圧よりも小さい場合に、スイッチング素子を接状態とすることにより、接続部よりも第2電源線の下流側に接続された第2負荷に対して第1電源線を介して電流を供給することができ、リレーを流れる電流の増加を確実に抑制することができ、リレーの発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、前記複数の第2負荷の駆動状況を検出する負荷駆動状況検出手段を更に備え、前記所定の条件は、負荷駆動状況が所定状態以上であるという条件を含むことを特徴とする。
【0016】
第2電源線に接続された第2負荷の駆動状況に応じた電流値が所定値以上である場合には、リレーの電流容量を超える可能性があり、リレーの発熱や焼き付き等を招くおそれがある。
【0017】
この構成によれば、第2負荷の駆動状況に応じてスイッチング素子を接状態とすることにより、接続部よりも第2電源線の下流側の第2負荷に対して第1電源線を介して電流を供給することができ、リレーを流れる電流の増加を抑制することができ、リレーの発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、前記制御手段は、前記スイッチング素子への断接信号出力にヒステリシス特性が付与されていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、スイッチング素子の断接に伴ってノイズが発生するが、スイッチング素子の断接信号出力にヒステリシス特性を付与することで、スイッチング素子の断接の頻度を低減することができ、ノイズの発生を抑制することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、前記複数の第2負荷は、前記リレー及び前記スイッチング素子の両方が接状態とされてから駆動されるように設定されていることを特徴とする。
【0021】
第2電源線に接続された複数の第2負荷のすべてが駆動される場合には第2電源線を介して流れる電流がリレーの電流容量を超える可能性があり、リレーの発熱や焼き付き等を招くおそれがある。
【0022】
この構成によれば、複数の第2負荷が駆動される以前にスイッチング素子を接状態とすることにより、接続部よりも第2電源線の下流側の第2負荷に対して第1電源線を介して電流を供給することができ、リレーを流れる電流の増加を抑制することができ、リレーの発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、前記第2電源線と前記スイッチング素子との接続部よりも前記第2電源線の上流側に配設され、前記接続部から前記リレー側への電力供給を防止する逆流防止ダイオードと、該逆流防止ダイオードよりも前記第2電源線の上流側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記制御手段は、前記オン信号検出手段によりイグニッションスイッチのオン信号が検出されていないときに前記電圧検出手段による検出結果が所定値より大きい場合に前記リレーの異常であると判定し、所定値以下である場合に前記スイッチング素子の異常と判定する異常判定手段を備えることを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、イグニションスイッチがオフされていれば、信号出力手段はリレーを断状態とする断接信号を出力しており、リレーは断状態となっているはずである。このとき、第2電源線の電圧が所定値より大きいと、第2電源線の電源はリレーを介して供給されていることとなり、リレーのショート故障を判定することができる。また、逆に、第2電源線の電圧が所定値以下であると、リレーは正常で断状態となっており、制御手段が作動状態であることから第1電源線からスイッチング素子を介して第2電源線に電源が供給されていることとなり、スイッチング素子のショート故障を判定することができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両の電力供給制御装置において、前記所定の条件は、前記オン信号検出手段によりイグニッションスイッチのオン信号が検出されて前記リレーが接状態であることを含むことを特徴とする。
【0026】
イグニッションスイッチがオフの時にスイッチング素子が接状態となっていると、制御装置には第1電源線からスイッチング素子を介して電源が供給されることとなるため、制御手段は作動状態となる。このとき、リレーが断状態であるため、逆流防止ダイオードよりも第2電源線の上流側に接続された第2負荷には電力が供給されず、逆流防止ダイオードよりも下流側に接続された第2負荷には電力が供給されることとなる。そのため、制御手段は逆流防止ダイオードよりも上流側の第2負荷を駆動することはできず、上流側の第2負荷が異常であると誤判定することがある。この点に関して、上記の構成によれば、イグニションスイッチのオン信号に基づいてリレーが接状態とされてダイオードよりも上流側に接続された第2負荷に電力が供給されるため、制御手段はダイオードよりも上流側の第2負荷を駆動することができ、上流側の第2負荷の動作の誤判定を防止することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の車両の電力供給制御装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段によりスイッチング素子の異常であると判定されたときに、前記複数の第2負荷の駆動を停止する負荷停止手段をさらに備えることを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、スイッチング素子の異常時には複数の第2負荷の駆動が停止されるので、低消費電流化を図ることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項7又は8に記載の車両の電力供給制御装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により前記スイッチング素子の異常であると判定されたときに、前記複数の第2負荷のうち特定の第2負荷の駆動のみを許容する負荷駆動許容手段をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
上記の構成によれば、スイッチング素子の異常時には、特定の第2負荷の駆動のみが許容されるので、退避走行が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した車両の電力供給制御装置の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本実施形態にかかる電力供給制御装置を示す概略構成図である。
電力供給制御装置10は、車両に搭載された電源としてのバッテリ11と、バッテリ11から電子制御装置20に常時電源を供給するための第1電源線12と、メインリレー13を介して複数の第2負荷17及び電子制御装置20に電源を供給するための第2電源線14とを備えている。
【0032】
第1電源線12及び第2電源線14はヒュージブルリンク15及びヒューズ16を介して前記バッテリ11に対して並列に接続されている。第2電源線14には車両の各部の制御を行うための複数の第2負荷17が接続されている。また、ヒュージブルリンク15及びヒューズ16間には電子制御装置20を起動させるための起動信号を出力するイグニションスイッチ(以下、IGスイッチという)18が接続されている。
【0033】
電子制御装置20は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)21、第1負荷としての静的メモリ22を備えるとともに、前記複数の第2負荷17にそれぞれ接続された複数のドライバ23を備えている。静的メモリ22は前記第1電源線12に接続されて常時電源が供給されるようになっており、マイコン21への電源供給が停止されたマイコン21が停止した後も、マイコン21の演算結果等を保持するようになっている。
【0034】
マイコン21はCPU、ROM、RAM、A/D変換器を含む入出力回路等を備える構成であり、その一部にはオン信号検出手段及び信号出力手段としての起動用IC24が設けられている。起動用IC24には前記IGスイッチ18の操作信号が入力されている。起動用IC24は前記IGスイッチ18がオン操作されてオン信号が入力されると、メインリレー13を接状態にするための接信号を出力する。メインリレー13は、IGスイッチ18のオン信号に基づく接信号がリレーコイル13aに供給されると、リレースイッチ13bが閉じ、前記バッテリ11から第2電源線14に電源を供給する。
【0035】
電子制御装置20内において、第1電源線12と第2電源線14の所定部位との間には第1電源線12から第2電源線14への電力を断接するスイッチング素子25が接続されている。このスイッチング素子25はマイコン21から出力される断接信号に基づいて断接が制御されるようになっている。このスイッチング素子25としては、例えばリレーや、サイリスタ等の半導体スイッチが用いられる。スイッチング素子25がマイコン21からの接信号に基づいて接状態になると、第1電源線12から同素子25を介して第2電源線14に電源が供給されるようになる。
【0036】
また、電子制御装置20内において、第2電源線14とスイッチング素子25との接続部よりも第2電源線14の上流側には逆流防止ダイオード26が配設されている。この逆流防止ダイオード26は、第2電源線14において接続部からメインリレー13側への電力供給を防止するようになっている。
【0037】
マイコン21は前記第2電源線14を介して動作電源が供給されると作動状態となり、所定の駆動要求に基づいて複数のドライバ23に駆動信号を出力することにより複数の第2負荷17を駆動し、エンジンの各種制御、変速機の各種制御等を行うようになっている。さらに、マイコン21は複数の第2負荷17の駆動制御を行うに際して各第2負荷17の駆動状況を監視し、その監視結果に基づいて故障診断処理(ダイアグノーシス)を行うようになっている。なお、この故障診断の結果は前記静的メモリ22に格納されるようになっている。
【0038】
また、マイコン21は複数の第2負荷17の駆動を行うに際して、所定の条件の成立に基づいてスイッチング素子25の断接を制御し、第1電源線12からスイッチング素子25を介して第2電源線14に電源を供給するようになっている。この所定の条件の1つとして、本実施形態においては、マイコン21は逆流防止ダイオード26よりも第2電源線14の上流側におけるA点の電圧を検出するとともに、第1電源線12のC点(例えば第1電源線12とスイッチング素子25との接続部付近)における電圧を検出するようにしている。
【0039】
次に上記のように構成された電力供給制御装置の作用を図2のフローチャートを参照して説明する。この電力制御処理はマイコン21が起動された後、マイコン21によって所定時間毎に実行される。
【0040】
まず、電源が供給されてマイコン21が起動されると(ステップ100)、次にIGスイッチ18がONであるか否かが判定される(ステップ102)。IGスイッチ18がONされていると判定されると(ステップ102:YES)、ステップ112に進み、IGスイッチ18がOFFされていると判定されると(ステップ102:NO)、ステップ104に進む。
【0041】
IGスイッチ18がONされていると判定されると、第2電源線14におけるA点電圧Vaが第1電源線12のC点電圧未満か否かが判定される(ステップ112)。
【0042】
A点電圧VaがC点電圧未満であると判定されると(ステップ112:YES)、複数の第2負荷17の駆動による電流がメインリレー13の許容接点電流よりも大きくA点電圧Vaが電圧降下を起こしている。そのため、スイッチング素子25に接信号が出力されてスイッチング素子25がON状態(接状態)にされる(ステップ114)。このようにスイッチング素子25がON状態にされることにより、第1電源線12からも第2電源線14に電源を供給することができるようになる。
【0043】
一方、A点電圧VaがC点電圧以上であると判定されると(ステップ112:NO)、A点電圧VaがC点電圧以上となってから時間T1以上経過したか否かが判定される(ステップ116)。このように経過時間が時間T1以上か否かを判定することによって、スイッチング素子25をOFFさせるまでにヒステリシス特性を付与し、スイッチング素子25のON・OFFの頻度を低減するようにしている。ここで、A点電圧VaがC点電圧以上となってから時間T1以上経過していないと判定されると(ステップ116:NO)、処理はステップ120に進む。A点電圧VaがC点電圧以上となってから時間T1以上経過したと判定されると(ステップ116:YES)、スイッチング素子25に断信号が出力されてスイッチング素子25がOFF状態(断状態)にされる(ステップ118)。
【0044】
次に、ステップ120において、スイッチング素子25がON状態であるか否かが判定される。スイッチング素子25がON状態であると判定されると(ステップ120:YES)、第1電源線12からも第2電源線14に電源を供給することができるため、すべての第2負荷17の駆動実行が許可される(ステップ122)。また、スイッチング素子25がOFF状態であると判定されると(ステップ120:NO)、複数の第2負荷17のうち、特定の第2負荷17の駆動実行のみが許可される(ステップ124)。
【0045】
一方、前記ステップ102において、IGスイッチ18がOFFされていると判定されると、第2電源線14のA点電圧Vaが所定電圧V1(例えば0ボルト)より大きいか否かが判定される(ステップ104)。IGスイッチ18がOFFされていれば、起動用IC24はメインリレー13を断状態とする断信号を出力しており、メインリレー13は断状態となっているはずである。A点電圧Vaが所定電圧V1より大きいと判定されると(ステップ104:YES)、実際にはリレーは接状態となっており、メインリレー13のショート故障と判定される(ステップ110)。
【0046】
また、A点電圧Vaが所定電圧V1以下であると判定されると(ステップ104:NO)、スイッチング素子25のショート故障と判定される(ステップ106)。すなわち、メインリレー13は断状態であって第2電源線14に電源を供給することができないが、マイコン21が起動されていることから第1電源線12からスイッチング素子25を介して第2電源線14に電源が供給されていることとなり、スイッチング素子25のショート故障と判定することができる。このように、スイッチング素子25のショート故障と判定されると、マイコン21によるすべての第2負荷17の駆動が禁止される(ステップ108)。このようにスイッチング素子25のショート故障時において、すべての第2負荷17の駆動が禁止されることにより、低消費電流モードのフェールセーフ処理を行うことができる。
【0047】
このように構成された本実施形態の電力供給制御装置によれば、以下の効果が得られる。
・ 第1電源線12と第2電源線14の所定部位との間に、第1電源線12から第2電源線14への電力を断接するスイッチング素子25を設け、マイコン21は、所定の条件に基づいてスイッチング素子25に断接信号を出力して該スイッチング素子25の断接を制御するようにした。そのため、スイッチング素子25がON状態にされると、バッテリ11の電源が第1電源線12からスイッチング素子25を介して第2電源線14に供給される。そのため、複数の第2負荷17を駆動する電流の一部は第1電源線12を介して第2電源線14に供給され、残りの電流はメインリレー13を介して第2電源線14に供給されることとなる。よって、第2電源線14に接続される第2負荷17の数が増大されても、スイッチング素子25をON状態とすれば、メインリレー13を流れる電流の増大を抑制することができ、リレー数の増加やリレー体格の増大を抑制することができ、コストアップや電力供給制御装置の大型化を抑制することができる。
【0048】
・ 本実施形態では、マイコン21は、第2電源線14のA点電圧Vaが第1電源線12のC点電圧よりも小さい時に、スイッチング素子25をON状態とするようにしている。そのため、第2電源線14とスイッチング素子25との接続部よりも第2電源線14の下流側の複数の第2負荷17に対して第1電源線12から電源を供給することができ、メインリレー13を流れる電流の増加を確実に抑制することができ、メインリレー13の発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0049】
・ 本実施形態では、マイコン21は、スイッチング素子25への断接信号出力にヒステリシス特性を付与している。そのため、スイッチング素子25の断接に伴ってノイズが発生するが、スイッチング素子25の断接の頻度を低減することができ、ノイズの発生を抑制することができる。
【0050】
・ 本実施形態では、複数の第2負荷17は、メインリレー13及びスイッチング素子25の両方がON状態とされてから駆動されるように設定されている。そのため、複数の第2負荷17が駆動される以前にスイッチング素子25をON状態とすれば、第2電源線14とスイッチング素子25との接続部よりも第2電源線14の下流側の第2負荷17に対して第1電源線12から電源を供給することができる。その結果、メインリレー13を流れる電流の増加を抑制することができ、メインリレー13の発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0051】
・ 本実施形態では、第2電源線14とスイッチング素子25との接続部よりも第2電源線14の上流側に逆流防止ダイオード26を配設し、第1電源線12からスイッチング素子25を介したメインリレー13側への電力供給を防止するようにした。そのため、IGスイッチ18がオフされていれば、メインリレー13は断状態となっているはずである。このとき、第2電源線14の電圧が所定電圧V1より大きいと、第2電源線14の電源はメインリレー13を介して供給されていることとなり、メインリレー13のショート故障を判定することができる。逆に、第2電源線14の電圧が所定電圧V1以下であると、メインリレー13は正常で断状態となっており、マイコン21が作動状態であることから第1電源線12からスイッチング素子25を介して第2電源線14に電源が供給されていることとなり、スイッチング素子25のショート故障を判定することができる。
【0052】
・ また、本実施形態では、マイコン21は、IGスイッチ18のオン信号が検出されてメインリレー13が接状態であるときにスイッチング素子25をON状態とするようにしている。IGスイッチ18がOFF状態の時にスイッチング素子25が接状態となっていると、マイコン21には第1電源線12からスイッチング素子25を介して電源が供給されることとなるため、マイコン21は作動状態となる。このとき、メインリレー13が断状態であるため、逆流防止ダイオード26よりも第2電源線14の上流側に接続された第2負荷17には電力が供給されず、逆流防止ダイオード26よりも下流側に接続された第2負荷17には電力が供給されることとなる。そのため、マイコン21は逆流防止ダイオード26よりも上流側の第2負荷17を駆動することはできず、上流側の第2負荷17が異常であると誤判定することがある。ところが、IGスイッチ18のオン信号に基づいてメインリレー13がON状態とされて逆流防止ダイオード26よりも上流側の第2電源線14に電源が供給された後、スイッチング素子25がON状態にされる。そして、マイコン21は逆流防止ダイオード26よりも上流側の第2負荷17に電源が供給された状態で第2負荷17を駆動することができるため、その第2負荷17の故障診断を確実に行うことができ、誤判定を防止することができる。
【0053】
・ 本実施形態において、マイコン21は、スイッチング素子25の異常であると判定されたときに、複数の第2負荷17の駆動を停止するようにしているので、低消費電流化を図ることができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。なお、重複説明を避けるため、図2において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。本実施形態においても、電力供給制御装置の構成は第1実施形態と同様であり、スイッチング素子25のショート故障が判定された場合における制御が異なっている。
【0055】
すなわち、図3に示すように、ステップ104にてA点電圧Vaが所定電圧V1以下であると判定されると、スイッチング素子25のショート故障と判定される(ステップ106)。このように、スイッチング素子25のショート故障と判定されると、すべての第2負荷17のうち、フェールセーフの必要な特定の第2負荷17のみが駆動される(ステップ130)。
【0056】
このように構成された本実施形態の電力供給制御装置によれば、以下の効果が得られる。
・ マイコン21は、スイッチング素子25の異常であると判定されたときに、フェールセーフの必要な特定の第2負荷17のみが駆動されるので、退避走行が可能となる。
【0057】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図4に基づいて説明する。なお、重複説明を避けるため、図2において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。本実施形態においても、電力供給制御装置の構成は第1実施形態と同様であり、スイッチング素子25をON状態とするための所定の条件が第1実施形態のそれとは異なっている。
【0058】
すなわち、図4に示すように、前記ステップ102にてIGスイッチ18がONされていると判定されると、複数の第2負荷17の負荷駆動要求に応じた電流値の総和がメインリレーの接点容量より大きいか否かが判定される(ステップ132)。なお、マイコン21が負荷駆動要求に基づいて複数の第2負荷17を駆動するようになっているため、複数の第2負荷17の負荷駆動要求に応じた電流値の総和を認識することができる。
【0059】
負荷駆動要求がメインリレーの接点容量よりも大きいと判定されると(ステップ132:YES)、スイッチング素子25に接信号が出力されてスイッチング素子25がON状態(接状態)にされる(ステップ134)。このようにスイッチング素子25がON状態にされることにより、第1電源線12からも第2電源線14に電源を供給することができるようになる。
【0060】
一方、負荷駆動要求がメインリレーの接点容量以下であると判定されると(ステップ132:NO)、負荷駆動要求がメインリレーの接点容量以下となってから時間T2以上経過したか否かが判定される(ステップ136)。このように経過時間が時間T2以上か否かを判定することによって、スイッチング素子25をOFFさせるまでにヒステリシス特性を付与し、スイッチング素子25のON・OFFの頻度を低減するようにしている。ここで、負荷駆動要求がメインリレーの接点容量以下となってから時間T2以上経過していないと判定されると(ステップ136:NO)、処理は前記ステップ120に進む。負荷駆動要求がメインリレーの接点容量以下となってから時間T2以上経過したと判定されると(ステップ136:YES)、スイッチング素子25に断信号が出力されてスイッチング素子25がOFF状態(断状態)にされる(ステップ138)。
【0061】
このように構成された本実施形態の電力供給制御装置によれば、以下の効果が得られる。
・ 本実施形態では、複数の第2負荷17の負荷駆動要求に応じた電流の総和がメインリレー13の接点容量より大きい場合には、スイッチング素子25を接状態とするようにしている。その結果、第2電源線14とスイッチング素子25との接続部よりも第2電源線14の下流側の第2負荷17に対して第1電源線12を介して電源を供給することができ、メインリレー13を流れる電流の増加を抑制することができ、メインリレー13の発熱や焼き付き等を防止することができるようになる。
【0062】
なお、実施の形態は、次のように変更してもよい。
・ 上記第1実施形態において、逆流防止ダイオード26よりも第2電源線14の上流側のA点電圧を検出し、その検出電圧が予め設定した所定電圧よりも小さい場合にスイッチング素子25をON状態とするように制御してもよい。
【0063】
・ 上記第3実施形態においては、複数の第2負荷17の駆動状況を検出するために、負荷駆動要求に基づいて複数の第2負荷の駆動状況を検出するようにした。これに代えて、複数の第2負荷を駆動する際に流れる電流を監視し、それらの電流の総和がメインリレー13の接点容量よりも大きい場合にスイッチング素子25を接状態とするように制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電力供給制御装置の概略を示す回路図。
【図2】第1実施形態の電力供給制御装置の作用を示すフローチャート。
【図3】第2実施形態の電力供給制御装置の作用を示すフローチャート。
【図4】第3実施形態の電力供給制御装置の作用を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…電源としてのバッテリ、12…第1電源線、13…メインリレー、14…第2電源線、17…第2負荷、18…イグニション(IG)スイッチ、21…制御手段、第1の電圧検出手段、第2の電圧検出手段、負荷駆動状況検出手段、異常判定手段、負荷停止手段及び負荷駆動許容手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)、22…第1負荷としての静的メモリ、24…オン信号検出手段及び信号出力手段としての起動用IC、25…スイッチング素子、26…逆流防止ダイオード。

Claims (10)

  1. 電源から第1電源線を介して常時電力が供給されるように接続された第1負荷と、前記電源からリレーを含む第2電源線を介して電力が供給されるように接続された複数の第2負荷とが接続され、イグニションスイッチのオン信号を検出するオン信号検出手段と、該オン信号検出手段の検出結果に基づいて電力断接信号を出力して前記リレーの断接を制御する信号出力手段と、前記第2電源線からの電力供給に基づいて作動し前記複数の第2負荷の駆動を制御する制御手段とを備えた車両の電力供給制御装置において、
    前記第1電源線と前記第2電源線の所定部位との間に配設され前記第1電源線から前記第2電源線への電力を断接するスイッチング素子を備え、
    前記制御手段は、所定の条件に基づいて前記スイッチング素子に断接信号を出力して該スイッチング素子の断接を制御することを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記第2電源線と前記スイッチング素子との接続部における電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記所定の条件は前記電圧検出手段による検出結果が所定値以下であるという条件を含むことを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記第2電源線と前記スイッチング素子との接続部における電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
    前記第1電源線における電圧を検出する第2の電圧検出手段と、を備え、
    前記所定の条件は前記第1の電圧検出手段による検出結果が前記第2の電圧検出手段の検出結果よりも小さいという条件を含む
    ことを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記複数の第2負荷の駆動状況を検出する負荷駆動状況検出手段を更に備え、
    前記所定の条件は、負荷駆動状況が所定状態以上であるという条件を含むことを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記制御手段は、前記スイッチング素子への断接信号出力にヒステリシス特性が付与されていることを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記複数の第2負荷は、前記リレー及び前記スイッチング素子の両方が接状態とされてから駆動されるように設定されていることを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記第2電源線と前記スイッチング素子との接続部よりも前記第2電源線の上流側に配設され、前記接続部から前記リレー側への電力供給を防止する逆流防止ダイオードと、
    該逆流防止ダイオードよりも前記第2電源線の上流側の電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記オン信号検出手段によりイグニッションスイッチのオン信号が検出されていないときに前記電圧検出手段による検出結果が所定値より大きい場合に前記リレーの異常であると判定し、所定値以下である場合に前記スイッチング素子の異常と判定する異常判定手段を備えることを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  8. 請求項7に記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記所定の条件は、前記オン信号検出手段によりイグニッションスイッチのオン信号が検出されて前記リレーが接状態であることを含むことを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  9. 請求項7又は8に記載の車両の電力供給制御装置において、
    前記制御手段は、前記異常判定手段によりスイッチング素子の異常であると判定されたときに、前記複数の第2負荷の駆動を停止する負荷停止手段をさらに備えることを特徴とする車両の電力供給制御装置。
  10. 請求項7又は8に記載の車両の電力供給制御装置において、前記制御手段は、前記異常判定手段により前記スイッチング素子の異常であると判定されたときに、前記複数の第2負荷のうち特定の第2負荷の駆動のみを許容する負荷駆動許容手段をさらに備えることを特徴とする車両の電力供給制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009130991A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Sumitomo Wiring Syst Ltd 車両用電気接続箱
JP2009234437A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 車両用制御装置、電気車両及び車両用制御装置の故障検出方法
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