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JP2004247294A - 燃料電池用発電素子およびその製造方法ならびに前記発電素子を用いた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用発電素子およびその製造方法ならびに前記発電素子を用いた燃料電池 Download PDF

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JP2004247294A JP2004012158A JP2004012158A JP2004247294A JP 2004247294 A JP2004247294 A JP 2004247294A JP 2004012158 A JP2004012158 A JP 2004012158A JP 2004012158 A JP2004012158 A JP 2004012158A JP 2004247294 A JP2004247294 A JP 2004247294A
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康夫 有島
Shoji Nishihara
昭二 西原
Hiroshi Kayano
博志 柏野
Shinsuke Shibata
進介 柴田
Shingo Nakamura
新吾 中村
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

【課題】電極層の厚膜化と、電極層の多孔性構造および構造的無欠性とを両立させることができる燃料電池用発電素子を提供する。
【解決手段】酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、正極と負極との間に設けられた固体電解質とを備える燃料電池用発電素子であって、正極と負極の少なくとも一方が、触媒を含む電極層を2層以上積層してなる積層体を有し、各電極層の厚さが、それぞれ50μm以下であり、各電極層の間に接着層が配置された燃料電池用発電素子とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタノールなどの液体燃料を用いる燃料電池用の発電素子とその製造方法、ならびに前記発電素子を用いた燃料電池に関する。
近年、パソコン、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
このような状況の中で上記要望に応え得る電池として、電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に水素、メタノールなどの燃料を用いる固体高分子型燃料電池が、リチウムイオン二次電池よりも高エネルギー密度が期待できる系として注目されている。中でも、液体燃料であるメタノールを直接電池の反応に利用する直接メタノール型燃料電池は、電池本体に空気を供給するブロアや燃料を供給するポンプを用いなくてもよいため、小型化が可能であり、将来のポータブル電源として有望である(例えば、特許文献1〜5参照。)。
特開2000−268836号公報 特開2002−184415号公報 特開平10−189004号公報 特開平11−288727号公報 特開2002−15743号公報
しかし、直接メタノール型燃料電池は、負極でのメタノールの酸化反応速度が非常に遅く、それを補うために負極の触媒量を多くし、反応表面積を増加させなければならない。また、固体高分子電解質として、プロトン伝導性固体高分子膜などを用いた場合、メタノールなどの液体燃料が電解質膜を通して正極側に透過してしまうというクロスオーバー現象が生じる。この現象が生じると、正極の触媒上でメタノールと酸素が直接反応(燃焼)してしまい、本来の電池反応である正極での酸素の還元反応で使用する触媒表面積が減少することになる。
上記クロスオーバーの問題が生じなければ、正極の触媒量を負極より少なくできるが、一般には、正極および負極ともに、必要とされる白金触媒量は、電極の単位面積あたり5〜15mg/cmであり、水素を燃料とする場合(必要とされる触媒量:およそ0.3〜0.5mg/cm)に比べて多くの触媒を必要とする。
ここで、電極層の触媒量を増加させるためには、電極層の厚膜化が不可欠である。また、燃料電池の電極層において、この厚膜化と同等以上に重要なことは、燃料および酸素が電極層を通して良好に分布、移動できることである。このためには、電極層が比較的均一な多孔性構造を備え、さらに構造的にクラックなどの欠陥がないこと、すなわち、構造的無欠性が必要となる。
しかし、触媒量を増加させるために電極層を基板に塗布する方法で厚膜化すると、塗布した電極層の表面の乾燥がその内部の乾燥より速く進行するため、電極層の表面に大きなクラックが生じやすくなり、さらには電極基板から電極層が剥離、脱落する場合もある。これらの現象は、電極層に求められる多孔性構造と構造的無欠性を損なわせるものであり、結果として、電池特性に悪影響を及ぼすこととなる。この問題の解決策の1つとして、特許文献2に記載されているように、多孔性電極基板を用いて乾燥工程を迅速にすることで、クラックの発生を抑制する方法などが提案されているが、直接メタノール型燃料電池に求められる50μmを超える電極層の厚膜化に対応するのは困難である。
そこで、本発明は、電極層の厚膜化と、電極層の多孔性構造および構造的無欠性とを両立させることができる燃料電池用発電素子を提供するものである。
本発明は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備えた燃料電池用発電素子であって、
前記正極および負極の少なくとも一方が、触媒を含む電極層を2層以上積層してなる積層体を有し、
前記電極層の厚さが、50μm以下であり、前記各電極層の間に接着層が配置されていることを特徴とする燃料電池用発電素子を提供する。
また、本発明は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備えた燃料電池用発電素子であって、
前記正極および負極の少なくとも一方が、触媒と、プロトン伝導性を有する高分子材料とを含む電極層を2層以上積層してなる積層体を有し、
前記電極層の厚さが、50μm以下であり、
前記高分子材料が、前記電極層の内部よりも界面部分に多く存在していることを特徴とする燃料電池用発電素子を提供する。
さらに、本発明は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備えた燃料電池用発電素子であって、
前記正極および負極の少なくとも一方が、総厚さが60〜300μmであり、かつ、単位面積当たりに含まれる触媒の質量が0.3〜3mg/cmである電極よりなることを特徴とする燃料電池用発電素子を提供する。
また、本発明は、前記燃料電池用発電素子の製造方法であって、
離型性基板の上に接着層を配置する第1の工程と、
前記接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である電極層を配置する第2の工程と、
前記電極層と固体電解質とを接触させる第3の工程と、
前記電極層と前記固体電解質とを加熱しながら加圧して接着させる第4の工程と、
前記電極層と前記固体電解質とを接着させた後に前記離型性基板を剥離して前記接着層を表出させる第5の工程と、
前記表出した接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である他の電極層を配置する第6の工程と、
前記接着層と前記他の電極層とを加熱しながら加圧して接着させる第7の工程とを含むことを特徴とする燃料電池用発電素子の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記燃料電池用発電素子の上記とは別の製造方法であって、
離型性基板の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である電極層を配置する第1の工程と、
前記電極層と固体電解質とを接触させる第2の工程と、
前記電極層と前記固体電解質とを加熱しながら加圧して接着させる第3の工程と、
前記電極層と前記固体電解質とを接着させた後に前記離型性基板を剥離して前記電極層を表出させる第4の工程と、
前記表出した電極層の上に接着層を配置する第5の工程と、
前記接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である他の電極層を配置する第6の工程と、
前記接着層と前記他の電極層とを加熱しながら加圧して接着させる第7の工程とを含むことを特徴とする燃料電池用発電素子の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、前記燃料電池用発電素子を用いた燃料電池を提供する。
本発明は、燃料電池用発電素子の電極の厚膜化と、電極の多孔性構造および構造的無欠性とを両立させることによって、電極内の触媒を効率的に作用させ、発電効率の高い発電素子を実現したものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の燃料電池用発電素子の一形態について説明する。本実施形態の燃料電池用発電素子は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、その正極と負極との間に設けられた固体電解質とを備えている。また、前記正極および負極の少なくとも一方は、触媒を含む電極層を2層以上積層してなる積層体を有し、その各電極層の厚さはそれぞれ50μm以下、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下であり、その各電極層の間には接着層が配置されている。各電極層の厚さの下限値は、積層する電極層の数をあまり増加させないようにするために、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましい。
また、メタノールの酸化反応速度を向上させるために、少なくとも負極が上記積層体を有していることが望ましく、前述したクロスオーバー現象の観点からは、負極のみならず正極も上記と同様の積層体を有していることが望ましい。さらに、その電極層と接着層とは、ともにプロトン伝導性と電子伝導性を有している。
これにより、各電極層の厚さを多孔性構造と構造的無欠性を維持し得る範囲に保持しつつ積層できるため、電極全体の総厚さを厚くして触媒量を増加させても、電極全体の多孔性構造と構造的無欠性が失われない。また、多孔性構造と構造的無欠性を維持するための各電極層の厚さは、電極層に含まれる材料などによっても異なるが、50μm以下の厚さ範囲であれば確実に多孔性構造と構造的無欠性を維持できる。さらに、各電極層の間に配置された接着層は、電極層相互間をプロトン伝導性と電子伝導性を保持しながら接合させるものであり、この接着層により積層体の形成が容易となる。
なお、層構造を有する電極に関しては、前記特許文献3、特許文献4、特許文献5などに記載があるが、いずれも電極の厚膜化を企図したものではなく、またその手法も塗布を繰り返すことによる層構造の形成であり、電極の厚膜化には限界がある。
次に、本発明の燃料電池用発電素子の製造方法に関する一形態について説明する。本実施形態は、離型性基板の上に接着層を配置する第1の工程と、その接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である電極層を配置する第2の工程と、その電極層と固体電解質とを接触させる第3の工程と、その電極層と固体電解質とを加熱しながら加圧して接着させる第4の工程と、その電極層と固体電解質とを接着させた後に上記離型性基板を剥離して接着層を表出させる第5の工程と、その表出した接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である他の電極層を配置する第6の工程と、その接着層と他の電極層とを加熱しながら加圧して接着させる第7の工程とを含むものである。
また、本実施形態は、上記第5の工程と上記第6の工程との間に、表出した接着層の上に、上記第1の工程と上記第2の工程とで別途形成した第2の電極層をさらに配置し、その接着層と第2の電極層とを加熱しながら加圧して接着させた後、その離型性基板を剥離して接着層を表出させる工程を1工程以上さらに含むことにより、3層以上の積層体の形成も可能となる。
また、本発明の燃料電池用発電素子の製造方法に関する他の一形態は、離型性基板の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である電極層を配置する第1の工程と、その電極層と固体電解質とを接触させる第2の工程と、その電極層と固体電解質とを加熱しながら加圧して接着させる第3の工程と、その電極層と固体電解質とを接着させた後に上記離型性基板を剥離して電極層を表出させる第4の工程と、その表出した電極層の上に接着層を配置する第5の工程と、その接着層の上に、触媒を含みかつ厚さが50μm以下である他の電極層を配置する第6の工程と、その接着層と他の電極層とを加熱しながら加圧して接着させる第7の工程とを含むものである。
また、本実施形態は、上記第5の工程と上記第6の工程との間に、接着層の上に、上記第1の工程で別途形成した第2の電極層を配置し、その接着層と第2の電極層とを加熱しながら加圧して接着した後、その離型性基板を剥離して第2の電極層を表出させ、その表出した第2の電極層の上に接着層をさらに配置する工程を1工程以上さらに含むことにより、3層以上の積層体の形成も可能となる。
以上の製造方法により、各電極層の厚さを多孔性構造と構造的無欠性を維持し得る範囲に保持しつつ積層できるため、電極全体の総厚さを厚くして触媒量を増加させても、電極全体の多孔性構造と構造的無欠性を失わずに燃料電池用発電素子を製造できる。即ち、本製造方法では、多孔性構造と構造的無欠性を有する電極層を固体電解質に順次転写するという簡便な方法により、電極積層体を形成できる。
次に、本発明の燃料電池用発電素子について図面に基づき説明する。図1は、本発明の燃料電池用発電素子の一例を示す模式断面図である。図1において、この燃料電池用発電素子は、酸素を還元する正極1と、燃料を酸化する負極3と、正極1と負極3との間に設けられた固体高分子電解質膜2とを備えている。正極1は、正極電極層1aと、接着層4と、正極電極層1bとをこの順番に積層して形成されている。また、負極3は、正極1と同様に、負極電極層3aと、接着層4と、負極電極層3bとをこの順番に積層して形成されている。
また、図2は、本発明の燃料電池用発電素子の他の一例を示す模式断面図である。図2において、この燃料電池用発電素子は、酸素を還元する正極1と、燃料を酸化する負極3と、正極1と負極3との間に設けられた固体高分子電解質膜2とを備えている。正極1は、正極電極層1aと、接着層4と、正極電極層1bと、接着層4と、正極電極層1cとをこの順番に積層して形成されている。また、負極3は、正極1と同様に、負極電極層3aと、接着層4と、負極電極層3bと、接着層4と、負極電極層3cとをこの順番に積層して形成されている。
接着層4としては、プロトン伝導性のみを有する接着性材料、またはプロトン伝導性と電子伝導性を併せ持つ接着性材料により構成することができる。なお、接着層としてプロトン伝導性のみを有する接着性材料を使用した場合には、後述する電極層に含まれる導電性材料を接着層内に拡散させるなどの別の手段により、この接着層にも最終的に電子伝導性を付与する必要がある。
プロトン伝導性のみを有する接着性材料としては、プロトン伝導性の高分子材料、または接着性の高い高分子材料とプロトン伝導性の高分子材料との混合材料などを用いることができる。プロトン伝導性の高分子材料としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、スチレン−ジビニルベンゼンスルホン酸樹脂などが挙げられる。また、このプロトン伝導性の高分子材料と混合して用いる接着性の高い高分子材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。
また、プロトン伝導性と電子伝導性を併せ持つ接着性材料としては、プロトン伝導性と電子伝導性とを有する高分子材料、または電子伝導性の高分子材料と上記プロトン伝導性の高分子材料との混合材料などを用いることができる。プロトン伝導性と電子伝導性とを有する高分子材料としては、例えば、(アルキル)スルホン化ポリアニリン、(アルキル)スルホン化ポリピロール、(アルキル)スルホン化ポリチオフェン、(アルキル)スルホン化ポリp−フェニレン、(アルキル)スルホン化ポリフランなどが挙げられる。また、電子伝導性の高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、アルキルポリアニリン、アルキルポリピロール、アルキルポリチオフェン、アルキルポリp−フェニレン、アルキルポリフランなどが挙げられる。
負極電極層3a〜3cは、触媒、導電性材料、高分子材料などから構成することができる。この負極電極層に含有される触媒としては、燃料からプロトンを生成する機能、即ち燃料を電気化学的に酸化する機能を有するものが使用でき、例えば、白金微粒子単独や、白金とルテニウム、インジウム、イリジウム、スズ、鉄、チタン、金、銀、クロム、ケイ素、亜鉛、マンガン、モリブデン、タングステン、レニウム、アルミニウム、鉛、パラジウム、オスミウムなどとの合金微粒子などが用いられる。導電性材料としては、主として炭素材料が用いられ、例えば、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが用いられる。一般的には、導電性材料の表面に、上記触媒を分散担持させた触媒担持カーボンの状態で用いられる。
負極電極層3a〜3cに含まれる高分子材料としては、プロトン伝導性のみを有する材料、またはプロトン伝導性と電子伝導性を併せ持つ材料が使用されるが、接着層4に用いた高分子材料と同種の高分子材料を用いるのが好ましい。同種のものであれば接着層と電極層との接触抵抗(界面抵抗)を低下させることができるからである。
さらに、負極電極層3a〜3cには、バインダとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂やポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂などが含まれる場合がある。
正極電極層1a〜1cも、触媒、導電性材料、高分子材料などから構成することができる。この正極電極層中に含有される触媒としては、酸素を電気化学的に還元する機能を有するものが使用でき、例えば、白金微粒子や、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウムまたは金などと白金との合金微粒子などが用いられる。また、導電性材料、高分子材料、バインダについては、負極と同様のものを使用できる。
正極1と負極3との間に配置される固体高分子電解質膜2としては、電子伝導性を持たず、プロトン伝導性のみを有する材料により構成される。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂膜、具体的には、デュポン社製の“ナフィオン”(商品名)、旭硝子社製の“フレミオン”(商品名)、旭化成工業社製の“アシプレックス”(商品名)などの膜を使用できる。その他では、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂膜、スルホン化ポリイミド樹脂膜、硫酸ドープポリベンズイミダゾール膜、固体電解質として知られているリン酸ドープSiO2膜、高分子と固体電解質のハイブリッド膜、または高分子および酸化物に酸性溶液を含浸させたゲル電解質膜などが挙げられる。
続いて、本発明の燃料電池用発電素子の製造方法に関する一形態について説明する。
先ず、第1の本実施形態では、最初に電極層の形成に用いる電極ペーストを調製する。この電極ペーストは、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールを主成分とする溶媒に、触媒、導電性材料、高分子材料、さらに必要に応じてバインダなどを溶解、分散させ、その溶液を充分攪拌して調製する。
また、別途、表面に接着層を設けた離型性基板を準備する。この離型性基板としては、例えば、PTFEフィルム、PETフィルム、ポリイミドフィルム、PTFEコートポリイミドフィルム、PTFEコートシリコンシート、PTFEコートガラスクロスなどを用いることができる。この離型性基板上に設けた接着層の厚さは、1〜5μmの範囲が好ましい。この範囲内であれば、接着層としての機能を十分発揮でき、電極層の積層転写が良好に行えるとともに、後述の電極層内に含まれる導電性材料が接着層にも拡散しやすくなるため電子抵抗が大きくならず、酸素や燃料の拡散抵抗も低減できるからである。
また、上記接着層に用いる接着性材料は、前述したプロトン伝導性のみを有する接着性材料、またはプロトン伝導性と電子伝導性を併せ持つ接着性材料のいずれでも使用できる。
次に、この離型性基板上に設けた接着層の上に、上記電極ペーストを塗布して乾燥することにより電極層を形成させる。形成した電極層の厚さは、電極層の多孔性構造および構造的無欠性を損なわず、かつ触媒量がある程度確保できる範囲である10〜50μmとする。また、電極層に含まれる触媒量(単位電極面積当たりの質量)は、0.3〜3mg/cmの範囲が好ましい。触媒量がこの範囲内であれば、電極層の総積層数を多くしなくても、必要な触媒量を確保できるからである。
その後、接着層を介して離型性基板上に形成した上記電極層を、離型性基板ごと所定の電極サイズに裁断し、固体高分子電解質膜の両面に、電極層面を固体高分子電解質膜側にして重ね合わせ、ホットプレス、あるいはホットロールプレスにより電極層を固体高分子電解質膜に転写・接合させる。その後、離型性基板を剥がし取り、一度目の転写による発電素子前駆体が得られる。
続いて、上記と同様にして作製した電極層を、上記発電素子前駆体の両面に表出した接着層に重ね合わせ、2度目のホットプレス、あるいはホットロールプレスを行う。これにより上記と同様にして電極層を発電素子前駆体に転写・接合することができる。ここで得た発電素子前駆体では、電極層と接着層との接合部分において両者が渾然一体となり、接着層にプロトン伝導性のみを有する材料を用いても、電極層に含まれる導電性材料の拡散により接着層にも電子伝導性を付与することができる。このため、本実施形態では、接着層に用いる高分子材料は、少なくともプロトン伝導性を有すればよく、必ずしも電子伝導性までも要求されない。
これらの操作を数回繰り返した後、最後に離型性基板上に電極層のみを形成したものを転写・接合させることにより、電極の厚膜化と、多孔性構造および構造的無欠性とを両立させた燃料電池用発電素子が作製される。
なお、上記燃料電池用発電素子の最終的な正極、負極のそれぞれの総厚みは、30〜300μmの範囲が好適である。この範囲内であれば、十分な電池特性を得るのに必要な触媒量が十分確保でき、また、酸素や燃料の拡散に支障が生じないからである。50μm以下の厚みの場合は、積層体とせず単層で電極を形成することもできるが、積層体とすることにより、より均質な電極を容易に形成することが可能となる。また、60μm以上の厚みの電極を形成する場合には、本発明を用いるとより一層効果的である。
次に、本発明の燃料電池用発電素子の製造方法に関する第2の実施形態について説明する。本実施形態でも、先ず電極層の形成に用いる電極ペーストを上記と同様に調製する。次に、上記と同様の離型性基板上に、この電極ペーストのみを塗布して乾燥することにより電極層を形成させる。形成した電極層の厚さは、電極層の多孔性構造および構造的無欠性を損なわず、かつ触媒量がある程度確保できる範囲である10〜50μmとする。また、電極層に含まれる触媒量(単位電極面積当たりの質量)は、上記と同様に0.3〜3mg/cmの範囲とするのが好適である。
その後、離型性基板上に形成した上記電極層を、離型性基板ごと所定の電極サイズに裁断し、固体高分子電解質膜の両面に、電極層面を固体高分子電解質膜側にして重ね合わせ、ホットプレス、あるいはホットロールプレスにより電極層を固体高分子電解質膜に転写・接合させる。その後、離型性基板を剥がし取り、一度目の転写による発電素子前駆体が得られる。
続いて、上記と同様にして作製した電極層を、上記発電素子前駆体の両面に重ね合わせ、2度目のホットプレス、あるいはホットロールプレスを行う。この際、別途用意した電極と同一サイズの接着層からなる薄膜を、上記発電素子前駆体と電極層の間に配置しておく。これにより、この薄膜が接着層として働き、電極層を発電素子前駆体に転写・接合することができる。ここで得た発電素子前駆体では、電極層と接着層との接合部分において両者が渾然一体となりにくい場合もあるので、本実施形態では、接着層に用いる高分子材料は、プロトン伝導性と電子伝導性を併せ持つ材料が望ましい。
上記接着層の薄膜の厚さは、1〜5μmの範囲が好ましい。この範囲内であれば、接着層としての機能を十分発揮でき、電極層の積層転写が良好に行えるとともに、電子抵抗が大きくならず、酸素や燃料の拡散抵抗も低減できるからである。
これらの操作を数回繰り返すことにより、電極の厚膜化と、多孔性構造および構造的無欠性とを両立させた燃料電池用発電素子が作製される。上記記燃料電池用発電素子の最終的な電極の総厚みは、上記と同様に30〜300μmの範囲が好適である。さらに、60μm以上の厚みの電極を形成する場合には、本発明を用いるとより効果的である。
上記のようにして作製される負極または正極の電極積層体においては、各電極層の内部よりもその界面部分に、プロトン伝導性を有する高分子材料を多く存在させた構成とすることができ、上記高分子材料が濃化した界面部分が接着層として機能することにより、各電極層を好ましく一体化し積層体とすることができる。
なお、各電極層の構成はそれぞれ異なるものであってもよく、触媒の種類や量などを電極層ごとに変えたり、各電極層の厚みを変えたりすることにより、望ましい電極特性を発揮させることもできる。
上記燃料電池用発電素子は、正極および負極の両側にさらに拡散層を設け、正極および負極のそれぞれに集電板を設けて電気的な接続を行い、負極に、メタノールを含む液体燃料を、正極に空気(酸素)をそれぞれ供給することにより、燃料電池として作用させることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示したものと同様の構造の燃料電池用発電素子を以下の手順により作製した。
正極については、触媒として白金を50質量%担持させた田中貴金属工業社製の白金担持カーボン“10E50E”(商品名)1質量部を、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂の5質量%溶液であるアルドリッチ(Aldrich)社製の“ナフィオン(Nafion)”(商品名、EW=1000)溶液12質量部および水1質量部に添加し、均一に分散するよう混合液を充分に攪拌することで電極ペーストを調製した。なお、上記のEWとは、プロトン伝導性を有するイオン交換基(本実施例ではスルホン酸基)の当量質量を表している。当量質量は、イオン交換基1当量あたりのイオン交換樹脂の乾燥質量であり、「g/ew」の単位で表される。
次に、予めその表面に接着層として上記“ナフィオン”溶液を厚さ5μmとなるように塗布したPTFEフィルムを準備し、その接着層の上に、上記電極ペーストを塗布して乾燥し、触媒担持量1.0mg/cm、厚さ30μmの電極層を得た。この電極層を所定のサイズに切り出して正極電極層A1とした。
負極については、触媒として白金とルテニウムの合金(合金質量比1:1)を33質量%担持させた田中貴金属工業社製の白金・ルテニウム合金担持カーボン“61V33”(商品名)を用いた以外は、上記正極と同様の方法で触媒担持量1.0mg/cm2、厚さ35μmの電極層を得た。この電極層を正極同様に所定のサイズに切り出して負極電極層B1とした。
固体高分子電解質膜(以下、電解質膜という。)としては、デュポン(DuPont)社製のポリパーフルオロスルホン酸樹脂膜“Nafion 112”(商品名)を所定のサイズに切り出して用いた。
この電解質膜の両面に、先に作製した正極電極層A1と負極電極層B1とを、電極面を電解質膜側にして対向して重ね合わせ、温度160℃、圧力4.4MPaの条件でホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、発電素子前駆体C1とした。
続いて、この発電素子前駆体C1の両面に、表面に接着層を塗布していないPTFEフィルムを使用する以外は、上記と同様の方法で作製した正極電極層A2と負極電極層B2を、電極面を発電素子前駆体側にして、同一極同士が電極層部分と重なるように配置し、温度160℃、圧力4.4MPaの条件で2度目のホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、正極、負極がそれぞれ2層の電極層から成る燃料電池用発電素子を得た。
この発電素子の電極厚さは、正極:65μm、負極:75μmであった。また、触媒量は、1.0mg/cmの電極層を2層積層したことから、正負両極とも2.0mg/cmである。
図2に示したものと同様の構造の燃料電池用発電素子を以下の手順により作製した。
先ず、実施例1の発電素子前駆体C1の両面に、さらに実施例1に記載の正極電極層A1と負極正極層B1とを、電極面を電解質膜側にして対向して重ね合わせ、温度160℃、圧力4.4MPaの条件でホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、発電素子前駆体C2とした。
次に、この発電素子前駆体C2の両面に、実施例1に記載の正極電極層A2と負極電極層B2を、電極面を発電素子前駆体側にして、同一極同士が電極層部分と重なるように配置し、温度160℃、圧力4.4MPaの条件で3度目のホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、正極、負極がそれぞれ3層の電極層から成る燃料電池用発電素子を得た。
この発電素子の電極厚さは、正極:100μm、負極:115μmであった。また、触媒量は、1.0mg/cmの電極層を3層積層したことから、正負両極とも3.0mg/cmである。
図1に示したものと同様の構造の燃料電池用発電素子を以下の手順により作製した。
実施例1に記載の電解質膜の両面に、実施例1に記載の正極電極層A2と負極電極層B2とを、電極面を電解質膜側にして対向して重ね合わせ、温度160℃、圧力4.4MPaの条件でホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、発電素子前駆体C3とした。
次に、接着層としてポリアニリンとポリパーフルオロスルホン酸樹脂との混合樹脂からなる厚さ5μmの薄膜を準備し、これを電極と同一サイズに切り出して固体電解質膜Dとした。
続いて、この発電素子前駆体C3の両電極面に、この固体電解質膜Dを重ね、さらにその上から実施例1に記載の正極電極層A2と負極電極層B2とを、電極面を発電素子前駆体側にして、同一極同士が電極層部分と重なるように配置し、温度160℃、圧力4.4MPaの条件で2度目のホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、2層の電極層から成る燃料電池用発電素子を得た。
この発電素子の電極厚さは、正極:65μm、負極:75μmであった。また、触媒量は、1.0mg/cmの電極層を2層積層したことから、正負両極とも2.0mg/cmである。
図2に示したものと同様の構造の燃料電池用発電素子を以下の手順により作製した。
実施例3で作製した燃料電池用発電素子の両面に、実施例3の固体電解質膜Dを重ね、さらにその上から実施例1に記載の正極電極層A2と負極電極層B2を、電極面を発電素子側にして、同一極同士が電極層部分と重なるように配置し、温度160℃、圧力4.4MPaの条件で3度目のホットプレスを行い、これらを接合した。その後、両面のPTFEフィルムを剥がし、3層の電極層から成る燃料電池用発電素子を得た。
この発電素子の電極厚さは、正極:100μm、負極:115μmであった。また、触媒量は、1.0mg/cmの電極層を3層積層したことから、正負両極とも3.0mg/cmである。
(比較例1)
図3は、それぞれ1層構造の正極1、負極3、および固体高分子電解質膜2からなる比較例1の燃料電池用発電素子の模式断面図である。この燃料電池用発電素子は、実施例3で作製した発電素子前駆体C3をそのまま発電素子として使用したものである、
この発電素子の電極厚さは、正極:30μm、負極:35μmである。また、触媒量は、1.0mg/cmの電極層の単層構造であるから、正負両極とも1.0mg/cmである。
(比較例2)
図4は、それぞれ1層構造の正極1、負極3、および固体高分子電解質膜2からなる比較例2の燃料電池用発電素子の模式断面図である。この燃料電池用発電素子は、触媒担持量2.0mg/cm、厚さ65μmの正極電極層、触媒担持量2.0mg/cm、厚さ75μmの負極電極層を用いた以外は、比較例1と同様にして作製した。
(比較例3)
比較例3では、触媒担持量3.0mg/cm、厚さ100μmの正極電極層、触媒担持量3.0mg/cm、厚さ115μmの負極電極層を用いる以外は、比較例1と同様にして燃料電池用発電素子を作製しようと試みたが、電極層の厚膜化の工程中に、電極層の表面に無数のクラックが発生し、PTFEフィルムからの電極層の剥離、脱落が生じ、本比較例の作製条件では、実用的な電極層が作製できなかった。
上記実施例1〜4、比較例1および2の燃料電池用発電素子を、集電体を兼ねたガス拡散層と共に燃料電池評価用単セルに組み込んで評価試験を行った。図5は、その燃料電池評価用単セルの各構成部品を結合させる前を示す模式断面図であり、燃料電池用発電素子5の両側にはカーボンクロスからなる拡散層6が配置され、その周囲にはシリコンゴムからなるシール材7が配置されている。さらに、その両側には、酸素流入孔10を備えたステンレス製の正極集電板8と、燃料供給孔11を備えたステンレス製の負極集電板9が配置され、負極集電板9の外側には液体燃料13を貯蔵した燃料タンク12が備えられている。
評価試験は、酸化剤に大気中の酸素、液体燃料に15質量%のメタノール水溶液を用い、セル温度を25℃として燃料電池評価用単セルを放電させ、最大出力密度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2004247294
表1から明らかなように、実施例1〜4では、比較例1を基準にして、触媒量の増加にほぼ比例する形で最大出力密度が向上している。これは、各電極層が多孔性構造と構造的無欠性を維持しているためと考えられる。一方、比較例2は、同一触媒量である実施例1に比べて最大出力密度が大きく劣っており、比較例3に至っては先に述べたように電極層の作製自体が不可能であった。従って、電極層の厚膜化と、電極層の多孔性構造および構造的無欠性とを両立させるためには、本発明による積層構造および積層転写方法が好適であり、そのようにして作製した燃料電池用発電素子が良好な電池特性を示すことが確認された。
以上説明したように本発明は、燃料電池用発電素子の電極層の厚膜化と、電極層の多孔性構造および構造的無欠性とを両立させ、素子の高出力化を図ることができる。このため、この燃料電池用発電素子を用いた燃料電池を携帯電子機器の電源に使用することで、機器の小型化、軽量化を図ることができる。
本発明の燃料電池用発電素子の一例を示す断面図である。 本発明の燃料電池用発電素子の他の一例を示す断面図である。 比較例1の燃料電池用発電素子の断面図である。 比較例2の燃料電池用発電素子の断面図である。 燃料電池評価用単セルの組み立て前の各構成部品を示す断面図である。
符号の説明
1 正極
1a 正極電極層
1b 正極電極層
1c 正極電極層
2 固体高分子電解質膜
3 負極
3a 負極電極層
3b 負極電極層
3c 負極電極層
4 接着層
5 燃料電池用発電素子
6 拡散層
7 シール材
8 正極集電板
9 負極集電板
10 酸素流入孔
11 燃料供給孔
12 燃料タンク
13 液体燃料

Claims (16)

  1. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備えた燃料電池用発電素子であって、
    前記正極および負極の少なくとも一方が、触媒を含む電極層を2層以上積層してなる積層体を有し、
    前記電極層の厚さが、50μm以下であり、前記各電極層の間に接着層が配置されていることを特徴とする燃料電池用発電素子。
  2. 前記接着層が、プロトン伝導性を有する高分子材料を含む請求項1に記載の燃料電池用発電素子。
  3. 前記電極層が、前記接着層に含まれる高分子材料と同種の高分子材料を含む請求項2に載の燃料電池用発電素子。
  4. 前記電極層に含まれる触媒の単位電極面積当たりの質量が、0.3〜3mg/cmである請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用発電素子。
  5. 前記接着層の厚さが、1〜5μmである請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用発電素子。
  6. 前記積層体の総厚さが、30〜300μmである請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用発電素子。
  7. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備えた燃料電池用発電素子であって、
    前記正極および負極の少なくとも一方が、触媒と、プロトン伝導性を有する高分子材料とを含む電極層を2層以上積層してなる積層体を有し、
    前記電極層の厚さが、50μm以下であり、
    前記高分子材料が、前記電極層の内部よりも界面部分に多く存在していることを特徴とする燃料電池用発電素子。
  8. 前記電極層に含まれる触媒の単位電極面積当たりの質量が、0.3〜3mg/cmである請求項7に記載の燃料電池用発電素子。
  9. 前記積層体の総厚さが、30〜300μmである請求項7または8に記載の燃料電池用発電素子。
  10. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備えた燃料電池用発電素子であって、
    前記正極および負極の少なくとも一方が、総厚さが60〜300μmであり、かつ、単位面積当たりに含まれる触媒の質量が0.3〜3mg/cmである電極よりなることを特徴とする燃料電池用発電素子。
  11. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備え、前記正極および負極の少なくとも一方が、触媒を含む電極層を2層以上積層した積層体であって当該電極層の間に接着層が配置された積層体を有する燃料電池用発電素子の製造方法であって、
    離型性基板の上に接着層を配置する第1の工程と、
    前記接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である電極層を配置する第2の工程と、
    前記電極層と固体電解質とを接触させる第3の工程と、
    前記電極層と前記固体電解質とを加熱しながら加圧して接着させる第4の工程と、
    前記電極層と前記固体電解質とを接着させた後に前記離型性基板を剥離して前記接着層を表出させる第5の工程と、
    前記表出した接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である他の電極層を配置する第6の工程と、
    前記接着層と前記他の電極層とを加熱しながら加圧して接着させる第7の工程とを含むことを特徴とする燃料電池用発電素子の製造方法。
  12. 前記第5の工程と前記第6の工程との間に、
    前記表出した接着層の上に、前記第1の工程と前記第2の工程とで別途形成した第2の電極層をさらに配置し、前記接着層と前記第2の電極層とを加熱しながら加圧して接着させた後、前記離型性基板を剥離して接着層を表出させる工程を1工程以上さらに含む請求項11に記載の燃料電池用発電素子の製造方法。
  13. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた固体電解質とを備え、前記正極および負極の少なくとも一方が、触媒を含む電極層を2層以上積層した積層体であって当該電極層の間に接着層が配置された積層体を含んでなる燃料電池用発電素子の製造方法であって、
    離型性基板の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である電極層を配置する第1の工程と、
    前記電極層と固体電解質とを接触させる第2の工程と、
    前記電極層と前記固体電解質とを加熱しながら加圧して接着させる第3の工程と、
    前記電極層と前記固体電解質とを接着させた後に前記離型性基板を剥離して前記電極層を表出させる第4の工程と、
    前記表出した電極層の上に接着層を配置する第5の工程と、
    前記接着層の上に、触媒を含み、かつ厚さが50μm以下である他の電極層を配置する第6の工程と、
    前記接着層と前記他の電極層とを加熱しながら加圧して接着させる第7の工程とを含むことを特徴とする燃料電池用発電素子の製造方法。
  14. 前記第5の工程と前記第6の工程との間に、
    前記接着層の上に、前記第1の工程で別途形成した第2の電極層を配置し、前記接着層と前記第2の電極層とを加熱しながら加圧して接着した後、前記離型性基板を剥離して前記第2の電極層を表出させ、前記表出した第2の電極層の上に接着層をさらに配置する工程を1工程以上さらに含む請求項13に記載の燃料電池用発電素子の製造方法。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池用発電素子を用いたことを特徴とする燃料電池。
  16. 請求項10に記載の燃料電池用発電素子を用いたことを特徴とする燃料電池。
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