JP2004116384A - ガスタービン燃焼制御装置 - Google Patents
ガスタービン燃焼制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004116384A JP2004116384A JP2002280363A JP2002280363A JP2004116384A JP 2004116384 A JP2004116384 A JP 2004116384A JP 2002280363 A JP2002280363 A JP 2002280363A JP 2002280363 A JP2002280363 A JP 2002280363A JP 2004116384 A JP2004116384 A JP 2004116384A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- flow rate
- combustor
- air
- supply system
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Control Of Eletrric Generators (AREA)
Abstract
【課題】空気と燃料をバランスよく混合して、安定してガスタービンが燃焼するように制御する。
【解決手段】メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに、燃焼器に圧縮空気を供給して燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動する際、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力とに応じて、燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする。燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて燃空比を算出して、燃料指令値で示される燃料流量を燃空比に応じてメイン燃料供給系とパイロット燃料供給系とに分配する。さらに、燃空比に基づいて燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定するとともに、計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて空気圧縮機に流入する空気流量を決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに、燃焼器に圧縮空気を供給して燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動する際、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力とに応じて、燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする。燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて燃空比を算出して、燃料指令値で示される燃料流量を燃空比に応じてメイン燃料供給系とパイロット燃料供給系とに分配する。さらに、燃空比に基づいて燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定するとともに、計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて空気圧縮機に流入する空気流量を決定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの燃焼制御装置に関し、特に、メイン燃料供給系(メイン燃料系)及びパイロット燃料供給系(パイロット燃料系)を有するガスタービンの燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電所等で用いられるガスタービン装置では、圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給して、燃焼器における燃焼に伴う高温の燃焼ガスを利用してタービンを回転させている。図5を参照すると、ガスタービン装置には、燃料系統にはメイン燃料系及びパイロット燃料系が備えられ、メイン燃料系及びパイロット燃料系における燃料流量はそれぞれ燃料流量調節弁11及び12で調整される。そして、後述するように、メイン燃料系及びパイロット燃料系における燃料分配を調整して最適な燃焼状態とする。
【0003】
メイン燃料系及びパイロット燃料系を介して燃焼器13にはメイン燃料及びパイロット燃料が与えられる。一方、空気圧縮機14からは圧縮空気が燃焼器13に与えられる。この際、後述するようにして、空気圧縮機入口案内翼(IGV:Inlet Guide Vane)15によって、空気圧縮機14に流入する空気量が調整される。
【0004】
図示のように、燃焼器13に並列に燃焼器バイパス弁16が配置されており、このバイパス弁16によって燃焼器13に流入する圧縮空気量が調整される。そして、燃焼器13から排出される高温燃焼ガスによってタービン17が回転駆動されて、タービン17の回転駆動によって発電機18が回転駆動されて発電が行われる。
【0005】
ここで、図6を参照して、従来の燃焼制御について説明する。前述のように、ガスタービンの燃焼制御を行う際には、メイン燃料系及びパイロット燃料系における燃料分配を調整するとともに、空気圧縮機14に流入する空気量及び燃焼器13に流入する圧縮空気量を制御する必要がある。言い換えると、ガスタービンの燃焼制御を行う際には、燃料分配比制御及び空気流量制御を行う必要がある。
【0006】
図6に示す制御手法では、発電機の出力を設定する発電機出力指令、実際の発電出力(計測発電出力)、及び燃焼器の車室内圧力(車室圧力)に応じて燃料分配比制御及び空気流量制御を行っている。
【0007】
まず、減算器21に発電機出力指令及び発電機出力(計測発電機出力)が与えられ、発電機出力指令と発電機出力との偏差が求められる。この偏差は比例積分制御部(PI制御部)22に与えられ、ここで偏差に応じたPI値が求められる。そして、このPI値は燃料指令値(CSO:Control Signal Output)演算部23に与えられ、CSO演算部23ではPI値に基づいてCSOを演算生成する。このCSOは燃焼器13に与えるべき燃料の流量(単位時間当たり)を表す。
【0008】
パイロット分配比決定関数部24には、CSOに応じたパイロット燃料系の燃料流量分配比(パイロット分配比)を示す関数(CSO−パイロット分配比関数:CSOを横軸、パイロット分配比を縦軸にとった際に、CSOに対するパイロット分配比を示す関数)が予め設定されており、パイロット分配比決定関数部24では、CSOに対応するパイロット分配比をパイロット分配比関数に基づいて得て、この分配比とCSOとに基づいてパイロット燃料系の燃料流量(パイロット燃料流量)を算出する。
【0009】
この算出パイロット燃料流量はパイロット燃料流量調節弁開度演算部26に与えられ、パイロット燃料流量調節弁開度演算部26では算出パイロット燃料流量に応じた燃料流量調節弁12の開度を演算・決定して、パイロット燃料流量調節弁開度指令として燃料流量調節弁12に与える。そして、燃料流量調節弁12はパイロット燃料流量調節弁開度指令に応じた開度に調整されて、パイロット燃料を燃焼器13に与える。
【0010】
前述のようにして求められたパイロット燃料流量は減算器25に与えられ、減算器25は、CSOからパイロット燃料流量を減算して、メイン燃料系の燃料流量(メイン燃料流量)を求める。そして、この算出メイン燃料流量は、メイン燃料流量調節弁開度演算部27に与えられ、メイン燃料流量調節弁開度演算部27では算出メイン燃料流量に応じた燃料流量調節弁11の開度を演算・決定して、メイン燃料流量調節弁開度指令として燃料流量調節弁11に与える。燃料流量調節弁11はメイン燃料流量調節弁開度指令に応じた開度に調整されて、メイン燃料を燃焼器13に与える。
【0011】
このようにして、発電機出力指令と発電機出力に応じてメイン燃料系とパイロット燃料系との燃料分配比が制御されることになる。
【0012】
一方、空気流量を制御する際には、車室圧力及び発電機出力が用いられ、車室圧力に基づいて現在の空気量が求められる。つまり、空気量関数部31には、通常の燃焼状態における車室圧力と空気量との関係が空気量関数として設定されており、空気量関数部31では、車室圧力に応じて空気量関数から現在の空気量を求める。
【0013】
一方、前述の発電機出力を、現在の燃料量と見なし、この燃料量が除算器32に与えられ、前述の空気量と燃料量との間で除算が行われて、燃空比が求められる。この燃空比は燃焼器流入空気流量(圧縮空気流量)決定関数部33に与えられる。燃焼器流入空気流量決定関数部33には燃空比に応じた圧縮空気量が規定された関数(圧縮空気量関数)が設定されており、燃焼器流入空気流量決定関数部33では、燃空比に応じて圧縮空気量関数によって圧縮空気量を求め、この算出圧縮空気量を、燃焼器バイパス弁開度演算部34に与える。
【0014】
燃焼器バイパス弁開度演算部34では、算出圧縮空気量に応じて燃焼器バイパス弁16の開度を演算・決定して、燃焼器バイパス弁開度指令として燃焼器バイパス弁16に与える。そして、この燃焼器バイパス弁開度指令に応じて燃焼器バイパス弁16の開度が制御される。
【0015】
前述の発電機出力に対して必要な燃料量は、空気圧縮機流入空気流量決定関数部35に与えられる。空気圧縮機流入空気流量決定関数部35には、必要な燃料量に対する空気圧縮機流入空気流量が規定された関数(圧縮機流入空気流量関数)が設定されており、空気圧縮機流入空気流量決定関数部35では、必要な燃料量に応じて圧縮機流入空気流量関数によって圧縮機流入空気流量を求め、この算出圧縮機流入空気流量をIGV開度演算部36に与える。
【0016】
IGV開度演算部36では、算出圧縮機流入空気流量に対応するIGV15の開度を演算・決定して、IGV開度指令としてIGV15に与える。そして、このIGV開度指令に応じてIGV15の開度が制御される。このようにして、発電機出力と車室圧力とに応じて空気流量が制御されることになる。
【0017】
ところで、ガスタービンを燃焼制御する際には、燃料と空気とをバランスよく混合して、安定的に燃焼状態を制御する必要がある。特に、環境汚染防止の観点からは、低NOX(低窒素酸化物)状態でガスタービンを燃焼制御する必要がある。
【0018】
低NOX状態で安定的にガスタービンを燃焼制御する際には、例えば、燃焼器への予混合燃料供給系の分配比を燃焼器温度によって求めて、さらに分配比に応じて燃料分配弁の開度を求めている。そして、燃焼器温度を算出する際、圧縮機入口温度、圧縮機出口圧力、タービン排気温度、タービン負荷、及び燃焼器空気供給量を用いるようにしている(特許文献1参照)
【0019】
【特許文献1】
特開平6−10711号公報(第3ページ、第1図)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6に示す制御手法では、燃料分配比を制御する際には、発電機出力指令及び発電機出力を用い、空気流量を制御する際には、発電機出力及び燃焼器車室圧力を用いているため(つまり、燃料の分配比と空気流量を制御する際、異なる制御指標を用いているため)、常に燃料と空気とをバランスよく混合させることが難しく、その結果、ガスタービンを常に安定的に燃焼させることが難しく、燃焼振動等が発生することがある。さらに、安定的にガスタービンを燃焼することが難しい結果、窒素酸化物等の排出濃度が上昇してしまうという課題がある。
【0021】
一方、特許文献1では、予混合燃料供給系の分配比を求める際、圧縮機入口温度、圧縮機出口圧力、タービン排気温度、タービン負荷、及び燃焼器空気供給量等の多数のパラメータを用いて燃焼器温度を算出して、この燃焼器温度に応じて分配比を求めているものの、パラメータの数が多く、分配比を算出する際の計算が複雑となってしまうばかりでなく、空気流量と燃料との関係を考慮しておらず、その結果、常に燃料と空気とをバランスよく混合させることが難しく、ガスタービンを常に安定的に燃焼させることが難しいという課題がある。
【0022】
本発明の目的は、常に燃料と空気とをバランスよく混合させて、ガスタービンを常に安定的に燃焼させることができるガスタービン燃焼制御装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、前記燃料指令値で示される燃料流量を前記燃空比に応じて前記メイン燃料供給系と前記パイロット燃料供給系とに分配する燃料分配手段と、前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定する空気流量決定手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置が得られる。
【0024】
このようにして、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定するようにすれば、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されることになって、ガスタービンを安定的に燃焼制御することができることになる。
【0025】
例えば、前記燃料分配手段は、前記パイロット燃料供給系に配分される燃料流量比と前記燃空比との関係が規定され前記燃空比に対応する燃料流量比を出力する分配比決定関数部と、前記燃料流量比と前記燃料指令値とに応じて前記パイロット燃料供給系の燃料流量を決定するパイロット燃料流量決定手段と、前記パイロット燃料供給系の燃料流量と前記燃料指令値とに基づいて前記メイン燃料供給系の燃料流量を決定するメイン燃料流量決定手段とを有している。
【0026】
また、前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有するようにしてもよい。
【0027】
本発明によれば、メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、少なくとも前記燃焼器に流入する圧縮空気流量と前記燃料の流量とに応じて前記燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求める燃焼パラメータ算出手段と、該燃焼パラメータに応じて前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定する燃料上限下限値設定手段と、前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲に前記パイロット燃料供給系の燃料流量を制限する第1の制限手段と、前記燃焼パラメータに応じて前記圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定する圧縮空気上限下限値設定手段と、前記圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に前記圧縮空気流量を制限する第2の制限手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置が得られる。
【0028】
このようにして、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにすれば、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、パイロット燃料流量とメイン燃料流量及び燃焼器流入空気流量が安定燃焼を行う範囲から逸脱することがなくなる。
【0029】
ここでは、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、前記燃料指令値と前記パイロット燃料供給系に分配される燃料流量比との関係が規定され前記燃料指令値に対応する燃料流量比に応じた前記パイロット燃料供給系の燃料流量を決定して前記第1の制限手段に与える燃料分配手段と、前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定して前記第2の制限手段に与える空気流量決定手段とを有している。
【0030】
前記燃焼パラメータ算出手段にはさらに前記燃焼器の車室温度、前記燃料の温度、及び前記燃焼器の熱効率が与えられ、前記燃焼パラメータ算出手段は、前記燃焼パラメータとして前記タービンの入口温度を推定する。このように、燃焼パラメータとしてタービン入口温度を用いるようにすれば、精度よくパイロット燃料流量の上限及び下限を規定できるともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定することができる。
【0031】
また、前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有するようにしてもよい。
【0032】
本発明によれば、メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、前記燃料指令値で示される燃料流量を前記燃空比に応じて前記メイン燃料供給系と前記パイロット燃料供給系とに分配する燃料分配手段と、少なくとも前記燃焼器に流入する圧縮空気流量と前記燃料の流量とに応じて前記燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求める燃焼パラメータ算出手段と、該燃焼パラメータに応じて前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定する燃料上限下限値設定手段と、前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲に前記パイロット燃料供給系の燃料流量を制限する第1の制限手段と、前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定する空気流量決定手段と、前記燃焼パラメータに応じて前記圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定する圧縮空気上限下限値設定手段と、前記圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に前記圧縮空気流量を制限する第2の制限手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置が得られる。
【0033】
このようにして、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定し、さらに、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにすれば、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されるばかりでなく、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、ガスタービンを精度よく安定して燃焼制御することができる。
【0034】
ここでも、前記燃焼パラメータ算出手段にはさらに前記燃焼器の車室温度、前記燃料の温度、及び前記燃焼器の熱効率が与えられ、前記燃焼パラメータ算出手段は、前記燃焼パラメータとして前記タービンの入口温度を推定する。また、前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有するようにしてもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0036】
まず、図1を参照して、本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第1の例について説明する。図示のガスタービン燃焼制御装置において、図6に示す燃焼制御装置と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。このガスタービン燃焼制御装置は、例えば、図5に示すガスタービンの燃焼制御を行う。
【0037】
図1に示すガスタービン燃焼制御装置は、パイロット分配比決定関数部41を有しており、このパイロット分配比決定関数部41は、燃空比に応じたパイロット分配比を規定する関数(燃空比−パイロット分配比関数)が設定されている。例えば、燃空比を横軸にとり、パイロット分配比(パイロット分配比とはパイロット燃料系に分配される燃料流量の比をいう)を縦軸にとった際、燃空比の増減(変化)に応じた最適なパイロット分配比が予め実験等によって求められて、燃空比とパイロット分配比との関係を示す燃空比−パイロット分配比関数として設定されている。
【0038】
図示のように、パイロット分配比決定関数部41には、除算器32から燃空比が与えられており、パイロット分配比決定関数部41では、燃空比に応じて燃空比−パイロット分配比関数から最適なパイロット分配比を求める。このようにして得られたパイロット分配比は乗算器42に与えられ、乗算器42では、パイロット分配比とCSOとを乗算して、パイロット燃料系に供給すべき燃料流量(パイロット燃料流量)を求める。そして、この算出パイロット燃料流量がパイロット燃料流量調節弁開度演算部26に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁12の開度が制御される。
【0039】
一方、乗算器42の出力であるパイロット燃料流量は減算器25に与えられて、減算器25はCSOからパイロット燃料流量を減算して、メイン燃料流量を求める。そして、この算出メイン燃料流量がメイン燃料流量調節弁開度演算部27に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁11の開度が制御される。
【0040】
上述のように、図1に示すガスタービン燃焼制御装置では、燃空比に基づいてパイロット分配比を決定して、この分配比に応じてパイロット燃料流量及びメイン燃料流量を決定するようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されることになって、ガスタービンの燃焼が不安定となることを防止することができる。
【0041】
次に、図2を参照して、本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第2の例について説明する。図示のガスタービン制御装置において、図1に示すガスタービン燃焼制御装置と同一の構成要素について同一の参照番号を付す。
【0042】
図示のガスタービン燃焼制御装置は、ガスタービンの入口温度(タービンに入る直前のガス温度)を予測するためのガスタービン入口温度演算部(以下TIT演算部という)51が備えられている。一般に、燃焼器内は高温、高圧、及び高流速であるため、ガスタービン入口温度を計測することが困難である。
【0043】
このため、ここでは、TIT演算部51によってガスタービン入口温度(以下TITという)を、次のようにして予測している。このガスタービン入口温度は燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータとして用いられる。
【0044】
TIT演算部51には、センサ(図示せず)によって計測された車室温度、燃焼器13に供給される燃料の温度、燃焼器13に流入する空気の流量、及び燃焼器に供給される燃料の流量が与えられるとともに、燃焼器の熱効率が与えられている。なお、以下の説明は、TIT演算を行う際の一例であり、TIT演算に当たっては以下で説明する条件(内容)を全て満足する必要ななく、他の手法によって、TIT演算を行うようにしてもよい。つまり、以下に説明するTIT演算と全く同一の手法でTITを求める必要はなく、他の手法でTITを求めるようにしてもよい。
【0045】
車室温度T3,燃料温度Tf,燃焼器流入空気流量G3,及び燃料流量Gfとすると、TIT演算部では、まず、車室温度T3,燃料温度Tf,燃焼器流入空気流量G3,及び燃料流量Gfの遅れ補償を行って、それぞれ補償後車室温度T’3,補償後燃料温度T’f,補償後燃焼器流入空気流量G’3,及び補償後燃料流量G’fを得る。
【0046】
なお、遅れ補償を行う際には、補償式として、K(1+αTs)/(1+Ts)が用いられる(α>1)。TIT演算部51では、次の数1に基づいて、TIT(T4)を推定する。
【0047】
【数1】
cp4Vcbγ4(dT4/dt)=cpfG’fT’f+cp3G’3 T’3+ηHfG’f−cp4G’4 T4
【0048】
なお、T3:車室温度(℃)、Tf:燃料温度(℃)、T4:タービン入口温度、G3:燃焼器流入空気流量(kg/s)、Gf:燃料流量(kg/s)、G4:タービン入口燃焼ガス流量(kg/s)、cp3:車室比熱(kcal/kg℃)、cpf:燃料比熱(kcal/kg℃)、cp4:燃焼ガス比熱(kcal/kg℃)、Hf:発熱量(kcal/kg)、η:燃焼器熱効率(kcal/kg)、Vcb:車室〜尾筒容積(m3)、γ4:燃焼ガス比重(kg/m3)、t:時間(sec)である。
【0049】
T3、Tf、G3、及びGfは計測値であり、遅れ補償する。T4=TIT、G4=G3+Gfである。cp3、cpf、cp4、Hf、及びγ4は物性値であり、ηは設計値を用いるか、または、より精度のよいTITを算出するために、運転状態から予測する。Vcbは設計値である。
【0050】
上述のようにして、TIT演算部51では、車室温度T3,燃料温度Tf,燃焼器流入空気流量G3,及び燃料流量Gfと燃焼室熱効率に応じてタービン入口温度TITを求めた後、このタービン入口温度TITを第1及び第2の上限関数部52及び53と第1及び第2の下限関数部54及び55に与える。
【0051】
第1の上限関数部52には、タービン入口温度TITに応じてパイロット燃料流量の上限値(パイロット燃料流量上限値)を規定する関数(パイロット燃料流量上限値関数)が設定されており、同様に、第1の下限関数部54には、タービン入口温度TITに応じてパイロット燃料流量の下限値(パイロット燃料流量下限値)を規定する関数(パイロット燃料流量下限値関数)が設定されている。
【0052】
例えば、図3に示すように、第1の上限関数部52には符号F1で示す関数が設定され、第1の下限関数部54には、符号F2で示す関数が設定される。関数F1、つまり、上限値関数は、タービン入口温度(TIT)が増加するにつれて、単調減少する関数であり、関数F2、つまり、下限値関数は、タービン入口温度(TIT)が増加するにつれて、単調増加する関数である。
【0053】
第1の上限関数部52ではTITに対応するパイロット燃料流量上限値を出力しており、このパイロット燃料流量上限値は第1の上限値リミッタ56に与えられる。一方、第1の下限関数部54ではTITに対応するパイロット燃料流量下限値を出力しており、このパイロット燃料流量下限値は第1の下限値リミッタ57に与えられる。
【0054】
図6で説明したパイロット分配比決定関数部24からパイロット燃料流量が第1の上限値リミッタ56に与えられており、第1の上限値リミッタ56では、このパイロット燃料流量がパイロット燃料流量上限値未満であるか否かを判定して、パイロット燃料流量<パイロット燃料流量上限値であると、パイロット燃料流量を選択してパイロット燃料上限値リミッタ出力として出力する。
【0055】
一方、パイロット燃料流量≧パイロット燃料流量上限値であると、第1の上限値リミッタ56では、パイロット燃料流量上限値をパイロット燃料上限値リミッタ出力として出力する。
【0056】
この上限値リミッタ出力は第1の下限値リミッタ57に与えられ、第1の下限値リミッタ57ではパイロット燃料上限値リミッタ出力がパイロット燃料流量下限値未満であるか否かを判定して、パイロット燃料上限値リミッタ出力≦パイロット燃料流量下限値であると、パイロット燃料流量下限値を選択してパイロット燃料下限値リミッタ出力として出力する。
【0057】
一方、パイロット燃料上限値リミッタ出力>パイロット燃料流量下限値であると、第1の下限値リミッタ57では、パイロット燃料上限値リミッタ出力をパイロット燃料下限値リミッタ出力として出力する。
【0058】
なお、図示の例では、第1の上限値リミッタ56が第1の下限値リミッタ57の前段に配置されているが、第1の下限値リミッタ57を第1の上限値リミッタ56の前段に配置するようにしてもよい。
【0059】
いずれにしても、第1の上限値及び下限値リミッタ56及び57によって乗算器42から出力されるパイロット燃料流量をパイロット燃料流量上限値及び下限値で規定される範囲に制限することになる。
【0060】
上述のようにして、第1の下限値リミッタ57から出力されたパイロット燃料下限値リミッタ出力が算出パイロット燃料流量としてはパイロット燃料流量調節弁開度演算部26に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁12の開度が制御される。
【0061】
さらに、第1の下限値リミッタ57から出力されたパイロット燃料下限値リミッタ出力は減算器25に与えられ、減算器25はCSOからパイロット燃料下限値リミッタ出力を減算して、メイン燃料流量を求める。そして、この算出メイン燃料流量がメイン燃料流量調節弁開度演算部27に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁11の開度が制御される。
【0062】
図2に示すように、タービン入口温度TITは第2の上限及び下限関数部53及び55に与えられている。第2の上限関数部53には、タービン入口温度TITに応じて燃焼器に流入すべき空気流量の上限値(燃焼器空気流量上限値)を規定する関数(燃焼器空気流量上限値関数)が設定されており、同様に、第2の下限関数部55には、タービン入口温度TITに応じて燃焼器に流入すべき空気流量の下限値(燃焼器空気流量下限値)を規定する関数(燃焼器空気流量下限値関数)が設定されている。
【0063】
第2の上限関数部53ではTITに対応する燃焼器空気流量上限値を出力しており、この燃焼器空気流量上限値は第2の上限値リミッタ58に与えられる。一方、第2の下限関数部55ではTITに対応する燃焼器空気流量下限値を出力しており、この燃焼器空気流量下限値は第2の下限値リミッタ59に与えられる。
【0064】
図6で説明した燃焼器流入空気流量決定関数部33から、燃空比に応じた圧縮空気流量が第2の上限値リミッタ58に与えられ、第2の上限値リミッタ58では、圧縮空気流量が燃焼器空気流量上限値未満であるか否かを判定して、圧縮空気流量<燃焼器空気流量上限値であると、圧縮空気流量を選択して燃焼器空気上限値リミッタ出力として出力する。
【0065】
一方、圧縮空気流量≧燃焼器空気流量上限値であると、第2の上限値リミッタ58では、燃焼器空気流量上限値を燃焼器空気上限値リミッタ出力として出力する。
【0066】
この燃焼器空気上限値リミッタ出力は第2の下限値リミッタ59に与えられ、第2の下限値リミッタ59では燃焼器空気上限値リミッタ出力が燃焼器空気流量下限値未満であるか否かを判定して、燃焼器空気上限値リミッタ出力≦燃焼器空気流量下限値であると、燃焼器空気流量下限値を選択して燃焼器空気下限値リミッタ出力として出力する。
【0067】
一方、燃焼器空気上限値リミッタ出力>燃焼器空気流量下限値であると、第2の下限値リミッタ59では、燃焼器空気上限値リミッタ出力を燃焼器空気下限値リミッタ出力として出力する。
【0068】
なお、図示の例では、第2の上限値リミッタ58が第2の下限値リミッタ59の前段に配置されているが、第2の下限値リミッタ59を第2の上限値リミッタ58の前段に配置するようにしてもよい。
【0069】
いずれにしても、第2の上限値及び下限値リミッタ58及び59によって、燃焼器流入空気流量決定関数部33から出力される圧縮空気流量を燃焼器空気流量上限値及び下限値で規定される範囲に制限することになる。
【0070】
上述のようにして、第2の下限値リミッタ59から出力された燃焼器空気下限値リミッタ出力が燃焼器バイパス弁開度演算部34に算出圧縮空気流量として与えられ、前述したように、燃焼器バイパス弁開度演算部34では算出圧縮空気流量に応じて燃焼器バイパス弁16の開度を演算・決定して、燃焼器バイパス弁開度指令として燃焼器バイパス弁16に与える。そして、この燃焼器バイパス弁開度指令に応じて燃焼器バイパス弁16の開度が制御されることになる。
【0071】
このようにして、図2に示すガスタービン燃焼制御装置では、タービン入口温度に基づいてパイロット燃料流量の上限及び下限(つまり、範囲)を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにしたから、タービン入口温度によってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、パイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量が安定燃焼を行う範囲から逸脱することがなくなる。
【0072】
なお、図2に示す例では、車室温度、燃料温度、燃焼器流入空気流量、燃料流量、及び燃焼器熱効率に応じてタービン入口温度を推測して、このタービン入口温度に基づいてパイロット燃料流量の上限及び下限を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにしてが、少なくとも燃焼器流入空気流量及び燃料流量に応じてパイロット燃料流量の上限及び下限を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにすればよい。
【0073】
図4を参照して、本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第3の例について説明する。図示のガスタービン燃焼制御装置において図1及び図2に示す構成要素として同一の構成要素については同一の参照番号を付す。
【0074】
図示の例では、パイロット分配比決定関数部41で燃空比に基づいて得られたパイロット分配比が第1の上限値リミッタ56に与えられ、第1の上限値リミッタ56では、図2で説明したようにして、パイロット燃料流量上限値に応じてパイロット燃料分配比を規制する。同様にして、第1の下限値リミッタ57では、第1の上限値リミッタからの出力を、パイロット燃料流量下限値に応じて規制する。そして、第1の下限値リミッタからの出力は乗算器42に与えられる。乗算器42では、CSOと第1の下限値リミッタからの出力とを乗算してパイロット燃料流量を得る。その後、減算器25で、CSOとパイロット燃料流量との減算が行われて、メイン燃料流量が求められることになる。
【0075】
なお、他の構成要素については図1及び図2で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0076】
このように、図4に示すガスタービン燃焼制御装置では、燃空比に基づいてパイロット分配比を決定して、この分配比に応じてパイロット燃料流量を得るようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量が決定され、さらに、タービン入口温度に基づいてパイロット燃料流量の上限及び下限を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにしたから、タービン入口温度によってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、ガスタービンを精度よく安定して燃焼制御することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定するようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されることになって、ガスタービンを安定的に燃焼制御することができるという効果がある。
【0078】
本発明では、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにしたから、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、パイロット燃料流量とメイン燃料流量及び燃焼器流入空気流量が安定燃焼を行う範囲から逸脱することがなくなるという効果がある。
【0079】
そして、燃焼パラメータとしてタービン入口温度を用いるようにしたから、精度よくパイロット燃料流量の上限及び下限を規定できるともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定することができるという効果がある。
【0080】
本発明では、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定し、さらに、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されるばかりでなく、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、ガスタービンを精度よく安定して燃焼制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第1の例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第2の例を示すブロック図である。
【図3】図2に示す第1の上限及び下限関数部で設定される上限値及び下限値とタービン入口温度との関係を示す図である。
【図4】本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第3の例を示すブロック図である。
【図5】ガスタービンの一例を燃料供給系及び空気供給系とともに示すブロック図である。
【図6】従来のガスタービン燃焼制御装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,12 燃料流量調節弁
13 燃焼器
14 空気圧縮機
15 空気圧縮機入口案内翼(IGV)
16 バイパス弁
17 タービン
18 発電機
21,25 減算器
22 PI制御部
23 燃料指令値(CSO)演算部
24 パイロット分配比決定関数部
26 パイロット燃料流量調節弁開度演算部
27 メイン燃料流量調節弁開度演算部
31 空気量関数部
32 除算器
33 燃焼器流入空気流量決定関数部
34 燃焼器バイパス弁開度演算部
35 空気圧縮機流入空気流量決定関数部
36 IGV開度演算部
41 パイロット分配比決定関数部
42 乗算器
51 タービン入口温度演算部
52,53 上限関数部
54,55 下限関数部
56,58 上限値リミッタ
57,59 下限値リミッタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの燃焼制御装置に関し、特に、メイン燃料供給系(メイン燃料系)及びパイロット燃料供給系(パイロット燃料系)を有するガスタービンの燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電所等で用いられるガスタービン装置では、圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給して、燃焼器における燃焼に伴う高温の燃焼ガスを利用してタービンを回転させている。図5を参照すると、ガスタービン装置には、燃料系統にはメイン燃料系及びパイロット燃料系が備えられ、メイン燃料系及びパイロット燃料系における燃料流量はそれぞれ燃料流量調節弁11及び12で調整される。そして、後述するように、メイン燃料系及びパイロット燃料系における燃料分配を調整して最適な燃焼状態とする。
【0003】
メイン燃料系及びパイロット燃料系を介して燃焼器13にはメイン燃料及びパイロット燃料が与えられる。一方、空気圧縮機14からは圧縮空気が燃焼器13に与えられる。この際、後述するようにして、空気圧縮機入口案内翼(IGV:Inlet Guide Vane)15によって、空気圧縮機14に流入する空気量が調整される。
【0004】
図示のように、燃焼器13に並列に燃焼器バイパス弁16が配置されており、このバイパス弁16によって燃焼器13に流入する圧縮空気量が調整される。そして、燃焼器13から排出される高温燃焼ガスによってタービン17が回転駆動されて、タービン17の回転駆動によって発電機18が回転駆動されて発電が行われる。
【0005】
ここで、図6を参照して、従来の燃焼制御について説明する。前述のように、ガスタービンの燃焼制御を行う際には、メイン燃料系及びパイロット燃料系における燃料分配を調整するとともに、空気圧縮機14に流入する空気量及び燃焼器13に流入する圧縮空気量を制御する必要がある。言い換えると、ガスタービンの燃焼制御を行う際には、燃料分配比制御及び空気流量制御を行う必要がある。
【0006】
図6に示す制御手法では、発電機の出力を設定する発電機出力指令、実際の発電出力(計測発電出力)、及び燃焼器の車室内圧力(車室圧力)に応じて燃料分配比制御及び空気流量制御を行っている。
【0007】
まず、減算器21に発電機出力指令及び発電機出力(計測発電機出力)が与えられ、発電機出力指令と発電機出力との偏差が求められる。この偏差は比例積分制御部(PI制御部)22に与えられ、ここで偏差に応じたPI値が求められる。そして、このPI値は燃料指令値(CSO:Control Signal Output)演算部23に与えられ、CSO演算部23ではPI値に基づいてCSOを演算生成する。このCSOは燃焼器13に与えるべき燃料の流量(単位時間当たり)を表す。
【0008】
パイロット分配比決定関数部24には、CSOに応じたパイロット燃料系の燃料流量分配比(パイロット分配比)を示す関数(CSO−パイロット分配比関数:CSOを横軸、パイロット分配比を縦軸にとった際に、CSOに対するパイロット分配比を示す関数)が予め設定されており、パイロット分配比決定関数部24では、CSOに対応するパイロット分配比をパイロット分配比関数に基づいて得て、この分配比とCSOとに基づいてパイロット燃料系の燃料流量(パイロット燃料流量)を算出する。
【0009】
この算出パイロット燃料流量はパイロット燃料流量調節弁開度演算部26に与えられ、パイロット燃料流量調節弁開度演算部26では算出パイロット燃料流量に応じた燃料流量調節弁12の開度を演算・決定して、パイロット燃料流量調節弁開度指令として燃料流量調節弁12に与える。そして、燃料流量調節弁12はパイロット燃料流量調節弁開度指令に応じた開度に調整されて、パイロット燃料を燃焼器13に与える。
【0010】
前述のようにして求められたパイロット燃料流量は減算器25に与えられ、減算器25は、CSOからパイロット燃料流量を減算して、メイン燃料系の燃料流量(メイン燃料流量)を求める。そして、この算出メイン燃料流量は、メイン燃料流量調節弁開度演算部27に与えられ、メイン燃料流量調節弁開度演算部27では算出メイン燃料流量に応じた燃料流量調節弁11の開度を演算・決定して、メイン燃料流量調節弁開度指令として燃料流量調節弁11に与える。燃料流量調節弁11はメイン燃料流量調節弁開度指令に応じた開度に調整されて、メイン燃料を燃焼器13に与える。
【0011】
このようにして、発電機出力指令と発電機出力に応じてメイン燃料系とパイロット燃料系との燃料分配比が制御されることになる。
【0012】
一方、空気流量を制御する際には、車室圧力及び発電機出力が用いられ、車室圧力に基づいて現在の空気量が求められる。つまり、空気量関数部31には、通常の燃焼状態における車室圧力と空気量との関係が空気量関数として設定されており、空気量関数部31では、車室圧力に応じて空気量関数から現在の空気量を求める。
【0013】
一方、前述の発電機出力を、現在の燃料量と見なし、この燃料量が除算器32に与えられ、前述の空気量と燃料量との間で除算が行われて、燃空比が求められる。この燃空比は燃焼器流入空気流量(圧縮空気流量)決定関数部33に与えられる。燃焼器流入空気流量決定関数部33には燃空比に応じた圧縮空気量が規定された関数(圧縮空気量関数)が設定されており、燃焼器流入空気流量決定関数部33では、燃空比に応じて圧縮空気量関数によって圧縮空気量を求め、この算出圧縮空気量を、燃焼器バイパス弁開度演算部34に与える。
【0014】
燃焼器バイパス弁開度演算部34では、算出圧縮空気量に応じて燃焼器バイパス弁16の開度を演算・決定して、燃焼器バイパス弁開度指令として燃焼器バイパス弁16に与える。そして、この燃焼器バイパス弁開度指令に応じて燃焼器バイパス弁16の開度が制御される。
【0015】
前述の発電機出力に対して必要な燃料量は、空気圧縮機流入空気流量決定関数部35に与えられる。空気圧縮機流入空気流量決定関数部35には、必要な燃料量に対する空気圧縮機流入空気流量が規定された関数(圧縮機流入空気流量関数)が設定されており、空気圧縮機流入空気流量決定関数部35では、必要な燃料量に応じて圧縮機流入空気流量関数によって圧縮機流入空気流量を求め、この算出圧縮機流入空気流量をIGV開度演算部36に与える。
【0016】
IGV開度演算部36では、算出圧縮機流入空気流量に対応するIGV15の開度を演算・決定して、IGV開度指令としてIGV15に与える。そして、このIGV開度指令に応じてIGV15の開度が制御される。このようにして、発電機出力と車室圧力とに応じて空気流量が制御されることになる。
【0017】
ところで、ガスタービンを燃焼制御する際には、燃料と空気とをバランスよく混合して、安定的に燃焼状態を制御する必要がある。特に、環境汚染防止の観点からは、低NOX(低窒素酸化物)状態でガスタービンを燃焼制御する必要がある。
【0018】
低NOX状態で安定的にガスタービンを燃焼制御する際には、例えば、燃焼器への予混合燃料供給系の分配比を燃焼器温度によって求めて、さらに分配比に応じて燃料分配弁の開度を求めている。そして、燃焼器温度を算出する際、圧縮機入口温度、圧縮機出口圧力、タービン排気温度、タービン負荷、及び燃焼器空気供給量を用いるようにしている(特許文献1参照)
【0019】
【特許文献1】
特開平6−10711号公報(第3ページ、第1図)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6に示す制御手法では、燃料分配比を制御する際には、発電機出力指令及び発電機出力を用い、空気流量を制御する際には、発電機出力及び燃焼器車室圧力を用いているため(つまり、燃料の分配比と空気流量を制御する際、異なる制御指標を用いているため)、常に燃料と空気とをバランスよく混合させることが難しく、その結果、ガスタービンを常に安定的に燃焼させることが難しく、燃焼振動等が発生することがある。さらに、安定的にガスタービンを燃焼することが難しい結果、窒素酸化物等の排出濃度が上昇してしまうという課題がある。
【0021】
一方、特許文献1では、予混合燃料供給系の分配比を求める際、圧縮機入口温度、圧縮機出口圧力、タービン排気温度、タービン負荷、及び燃焼器空気供給量等の多数のパラメータを用いて燃焼器温度を算出して、この燃焼器温度に応じて分配比を求めているものの、パラメータの数が多く、分配比を算出する際の計算が複雑となってしまうばかりでなく、空気流量と燃料との関係を考慮しておらず、その結果、常に燃料と空気とをバランスよく混合させることが難しく、ガスタービンを常に安定的に燃焼させることが難しいという課題がある。
【0022】
本発明の目的は、常に燃料と空気とをバランスよく混合させて、ガスタービンを常に安定的に燃焼させることができるガスタービン燃焼制御装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、前記燃料指令値で示される燃料流量を前記燃空比に応じて前記メイン燃料供給系と前記パイロット燃料供給系とに分配する燃料分配手段と、前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定する空気流量決定手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置が得られる。
【0024】
このようにして、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定するようにすれば、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されることになって、ガスタービンを安定的に燃焼制御することができることになる。
【0025】
例えば、前記燃料分配手段は、前記パイロット燃料供給系に配分される燃料流量比と前記燃空比との関係が規定され前記燃空比に対応する燃料流量比を出力する分配比決定関数部と、前記燃料流量比と前記燃料指令値とに応じて前記パイロット燃料供給系の燃料流量を決定するパイロット燃料流量決定手段と、前記パイロット燃料供給系の燃料流量と前記燃料指令値とに基づいて前記メイン燃料供給系の燃料流量を決定するメイン燃料流量決定手段とを有している。
【0026】
また、前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有するようにしてもよい。
【0027】
本発明によれば、メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、少なくとも前記燃焼器に流入する圧縮空気流量と前記燃料の流量とに応じて前記燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求める燃焼パラメータ算出手段と、該燃焼パラメータに応じて前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定する燃料上限下限値設定手段と、前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲に前記パイロット燃料供給系の燃料流量を制限する第1の制限手段と、前記燃焼パラメータに応じて前記圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定する圧縮空気上限下限値設定手段と、前記圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に前記圧縮空気流量を制限する第2の制限手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置が得られる。
【0028】
このようにして、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにすれば、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、パイロット燃料流量とメイン燃料流量及び燃焼器流入空気流量が安定燃焼を行う範囲から逸脱することがなくなる。
【0029】
ここでは、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、前記燃料指令値と前記パイロット燃料供給系に分配される燃料流量比との関係が規定され前記燃料指令値に対応する燃料流量比に応じた前記パイロット燃料供給系の燃料流量を決定して前記第1の制限手段に与える燃料分配手段と、前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定して前記第2の制限手段に与える空気流量決定手段とを有している。
【0030】
前記燃焼パラメータ算出手段にはさらに前記燃焼器の車室温度、前記燃料の温度、及び前記燃焼器の熱効率が与えられ、前記燃焼パラメータ算出手段は、前記燃焼パラメータとして前記タービンの入口温度を推定する。このように、燃焼パラメータとしてタービン入口温度を用いるようにすれば、精度よくパイロット燃料流量の上限及び下限を規定できるともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定することができる。
【0031】
また、前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有するようにしてもよい。
【0032】
本発明によれば、メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、前記燃料指令値で示される燃料流量を前記燃空比に応じて前記メイン燃料供給系と前記パイロット燃料供給系とに分配する燃料分配手段と、少なくとも前記燃焼器に流入する圧縮空気流量と前記燃料の流量とに応じて前記燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求める燃焼パラメータ算出手段と、該燃焼パラメータに応じて前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定する燃料上限下限値設定手段と、前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲に前記パイロット燃料供給系の燃料流量を制限する第1の制限手段と、前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定する空気流量決定手段と、前記燃焼パラメータに応じて前記圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定する圧縮空気上限下限値設定手段と、前記圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に前記圧縮空気流量を制限する第2の制限手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置が得られる。
【0033】
このようにして、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定し、さらに、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにすれば、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されるばかりでなく、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、ガスタービンを精度よく安定して燃焼制御することができる。
【0034】
ここでも、前記燃焼パラメータ算出手段にはさらに前記燃焼器の車室温度、前記燃料の温度、及び前記燃焼器の熱効率が与えられ、前記燃焼パラメータ算出手段は、前記燃焼パラメータとして前記タービンの入口温度を推定する。また、前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有するようにしてもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0036】
まず、図1を参照して、本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第1の例について説明する。図示のガスタービン燃焼制御装置において、図6に示す燃焼制御装置と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。このガスタービン燃焼制御装置は、例えば、図5に示すガスタービンの燃焼制御を行う。
【0037】
図1に示すガスタービン燃焼制御装置は、パイロット分配比決定関数部41を有しており、このパイロット分配比決定関数部41は、燃空比に応じたパイロット分配比を規定する関数(燃空比−パイロット分配比関数)が設定されている。例えば、燃空比を横軸にとり、パイロット分配比(パイロット分配比とはパイロット燃料系に分配される燃料流量の比をいう)を縦軸にとった際、燃空比の増減(変化)に応じた最適なパイロット分配比が予め実験等によって求められて、燃空比とパイロット分配比との関係を示す燃空比−パイロット分配比関数として設定されている。
【0038】
図示のように、パイロット分配比決定関数部41には、除算器32から燃空比が与えられており、パイロット分配比決定関数部41では、燃空比に応じて燃空比−パイロット分配比関数から最適なパイロット分配比を求める。このようにして得られたパイロット分配比は乗算器42に与えられ、乗算器42では、パイロット分配比とCSOとを乗算して、パイロット燃料系に供給すべき燃料流量(パイロット燃料流量)を求める。そして、この算出パイロット燃料流量がパイロット燃料流量調節弁開度演算部26に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁12の開度が制御される。
【0039】
一方、乗算器42の出力であるパイロット燃料流量は減算器25に与えられて、減算器25はCSOからパイロット燃料流量を減算して、メイン燃料流量を求める。そして、この算出メイン燃料流量がメイン燃料流量調節弁開度演算部27に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁11の開度が制御される。
【0040】
上述のように、図1に示すガスタービン燃焼制御装置では、燃空比に基づいてパイロット分配比を決定して、この分配比に応じてパイロット燃料流量及びメイン燃料流量を決定するようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されることになって、ガスタービンの燃焼が不安定となることを防止することができる。
【0041】
次に、図2を参照して、本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第2の例について説明する。図示のガスタービン制御装置において、図1に示すガスタービン燃焼制御装置と同一の構成要素について同一の参照番号を付す。
【0042】
図示のガスタービン燃焼制御装置は、ガスタービンの入口温度(タービンに入る直前のガス温度)を予測するためのガスタービン入口温度演算部(以下TIT演算部という)51が備えられている。一般に、燃焼器内は高温、高圧、及び高流速であるため、ガスタービン入口温度を計測することが困難である。
【0043】
このため、ここでは、TIT演算部51によってガスタービン入口温度(以下TITという)を、次のようにして予測している。このガスタービン入口温度は燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータとして用いられる。
【0044】
TIT演算部51には、センサ(図示せず)によって計測された車室温度、燃焼器13に供給される燃料の温度、燃焼器13に流入する空気の流量、及び燃焼器に供給される燃料の流量が与えられるとともに、燃焼器の熱効率が与えられている。なお、以下の説明は、TIT演算を行う際の一例であり、TIT演算に当たっては以下で説明する条件(内容)を全て満足する必要ななく、他の手法によって、TIT演算を行うようにしてもよい。つまり、以下に説明するTIT演算と全く同一の手法でTITを求める必要はなく、他の手法でTITを求めるようにしてもよい。
【0045】
車室温度T3,燃料温度Tf,燃焼器流入空気流量G3,及び燃料流量Gfとすると、TIT演算部では、まず、車室温度T3,燃料温度Tf,燃焼器流入空気流量G3,及び燃料流量Gfの遅れ補償を行って、それぞれ補償後車室温度T’3,補償後燃料温度T’f,補償後燃焼器流入空気流量G’3,及び補償後燃料流量G’fを得る。
【0046】
なお、遅れ補償を行う際には、補償式として、K(1+αTs)/(1+Ts)が用いられる(α>1)。TIT演算部51では、次の数1に基づいて、TIT(T4)を推定する。
【0047】
【数1】
cp4Vcbγ4(dT4/dt)=cpfG’fT’f+cp3G’3 T’3+ηHfG’f−cp4G’4 T4
【0048】
なお、T3:車室温度(℃)、Tf:燃料温度(℃)、T4:タービン入口温度、G3:燃焼器流入空気流量(kg/s)、Gf:燃料流量(kg/s)、G4:タービン入口燃焼ガス流量(kg/s)、cp3:車室比熱(kcal/kg℃)、cpf:燃料比熱(kcal/kg℃)、cp4:燃焼ガス比熱(kcal/kg℃)、Hf:発熱量(kcal/kg)、η:燃焼器熱効率(kcal/kg)、Vcb:車室〜尾筒容積(m3)、γ4:燃焼ガス比重(kg/m3)、t:時間(sec)である。
【0049】
T3、Tf、G3、及びGfは計測値であり、遅れ補償する。T4=TIT、G4=G3+Gfである。cp3、cpf、cp4、Hf、及びγ4は物性値であり、ηは設計値を用いるか、または、より精度のよいTITを算出するために、運転状態から予測する。Vcbは設計値である。
【0050】
上述のようにして、TIT演算部51では、車室温度T3,燃料温度Tf,燃焼器流入空気流量G3,及び燃料流量Gfと燃焼室熱効率に応じてタービン入口温度TITを求めた後、このタービン入口温度TITを第1及び第2の上限関数部52及び53と第1及び第2の下限関数部54及び55に与える。
【0051】
第1の上限関数部52には、タービン入口温度TITに応じてパイロット燃料流量の上限値(パイロット燃料流量上限値)を規定する関数(パイロット燃料流量上限値関数)が設定されており、同様に、第1の下限関数部54には、タービン入口温度TITに応じてパイロット燃料流量の下限値(パイロット燃料流量下限値)を規定する関数(パイロット燃料流量下限値関数)が設定されている。
【0052】
例えば、図3に示すように、第1の上限関数部52には符号F1で示す関数が設定され、第1の下限関数部54には、符号F2で示す関数が設定される。関数F1、つまり、上限値関数は、タービン入口温度(TIT)が増加するにつれて、単調減少する関数であり、関数F2、つまり、下限値関数は、タービン入口温度(TIT)が増加するにつれて、単調増加する関数である。
【0053】
第1の上限関数部52ではTITに対応するパイロット燃料流量上限値を出力しており、このパイロット燃料流量上限値は第1の上限値リミッタ56に与えられる。一方、第1の下限関数部54ではTITに対応するパイロット燃料流量下限値を出力しており、このパイロット燃料流量下限値は第1の下限値リミッタ57に与えられる。
【0054】
図6で説明したパイロット分配比決定関数部24からパイロット燃料流量が第1の上限値リミッタ56に与えられており、第1の上限値リミッタ56では、このパイロット燃料流量がパイロット燃料流量上限値未満であるか否かを判定して、パイロット燃料流量<パイロット燃料流量上限値であると、パイロット燃料流量を選択してパイロット燃料上限値リミッタ出力として出力する。
【0055】
一方、パイロット燃料流量≧パイロット燃料流量上限値であると、第1の上限値リミッタ56では、パイロット燃料流量上限値をパイロット燃料上限値リミッタ出力として出力する。
【0056】
この上限値リミッタ出力は第1の下限値リミッタ57に与えられ、第1の下限値リミッタ57ではパイロット燃料上限値リミッタ出力がパイロット燃料流量下限値未満であるか否かを判定して、パイロット燃料上限値リミッタ出力≦パイロット燃料流量下限値であると、パイロット燃料流量下限値を選択してパイロット燃料下限値リミッタ出力として出力する。
【0057】
一方、パイロット燃料上限値リミッタ出力>パイロット燃料流量下限値であると、第1の下限値リミッタ57では、パイロット燃料上限値リミッタ出力をパイロット燃料下限値リミッタ出力として出力する。
【0058】
なお、図示の例では、第1の上限値リミッタ56が第1の下限値リミッタ57の前段に配置されているが、第1の下限値リミッタ57を第1の上限値リミッタ56の前段に配置するようにしてもよい。
【0059】
いずれにしても、第1の上限値及び下限値リミッタ56及び57によって乗算器42から出力されるパイロット燃料流量をパイロット燃料流量上限値及び下限値で規定される範囲に制限することになる。
【0060】
上述のようにして、第1の下限値リミッタ57から出力されたパイロット燃料下限値リミッタ出力が算出パイロット燃料流量としてはパイロット燃料流量調節弁開度演算部26に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁12の開度が制御される。
【0061】
さらに、第1の下限値リミッタ57から出力されたパイロット燃料下限値リミッタ出力は減算器25に与えられ、減算器25はCSOからパイロット燃料下限値リミッタ出力を減算して、メイン燃料流量を求める。そして、この算出メイン燃料流量がメイン燃料流量調節弁開度演算部27に与えられ、前述のようにして、燃料流量調節弁11の開度が制御される。
【0062】
図2に示すように、タービン入口温度TITは第2の上限及び下限関数部53及び55に与えられている。第2の上限関数部53には、タービン入口温度TITに応じて燃焼器に流入すべき空気流量の上限値(燃焼器空気流量上限値)を規定する関数(燃焼器空気流量上限値関数)が設定されており、同様に、第2の下限関数部55には、タービン入口温度TITに応じて燃焼器に流入すべき空気流量の下限値(燃焼器空気流量下限値)を規定する関数(燃焼器空気流量下限値関数)が設定されている。
【0063】
第2の上限関数部53ではTITに対応する燃焼器空気流量上限値を出力しており、この燃焼器空気流量上限値は第2の上限値リミッタ58に与えられる。一方、第2の下限関数部55ではTITに対応する燃焼器空気流量下限値を出力しており、この燃焼器空気流量下限値は第2の下限値リミッタ59に与えられる。
【0064】
図6で説明した燃焼器流入空気流量決定関数部33から、燃空比に応じた圧縮空気流量が第2の上限値リミッタ58に与えられ、第2の上限値リミッタ58では、圧縮空気流量が燃焼器空気流量上限値未満であるか否かを判定して、圧縮空気流量<燃焼器空気流量上限値であると、圧縮空気流量を選択して燃焼器空気上限値リミッタ出力として出力する。
【0065】
一方、圧縮空気流量≧燃焼器空気流量上限値であると、第2の上限値リミッタ58では、燃焼器空気流量上限値を燃焼器空気上限値リミッタ出力として出力する。
【0066】
この燃焼器空気上限値リミッタ出力は第2の下限値リミッタ59に与えられ、第2の下限値リミッタ59では燃焼器空気上限値リミッタ出力が燃焼器空気流量下限値未満であるか否かを判定して、燃焼器空気上限値リミッタ出力≦燃焼器空気流量下限値であると、燃焼器空気流量下限値を選択して燃焼器空気下限値リミッタ出力として出力する。
【0067】
一方、燃焼器空気上限値リミッタ出力>燃焼器空気流量下限値であると、第2の下限値リミッタ59では、燃焼器空気上限値リミッタ出力を燃焼器空気下限値リミッタ出力として出力する。
【0068】
なお、図示の例では、第2の上限値リミッタ58が第2の下限値リミッタ59の前段に配置されているが、第2の下限値リミッタ59を第2の上限値リミッタ58の前段に配置するようにしてもよい。
【0069】
いずれにしても、第2の上限値及び下限値リミッタ58及び59によって、燃焼器流入空気流量決定関数部33から出力される圧縮空気流量を燃焼器空気流量上限値及び下限値で規定される範囲に制限することになる。
【0070】
上述のようにして、第2の下限値リミッタ59から出力された燃焼器空気下限値リミッタ出力が燃焼器バイパス弁開度演算部34に算出圧縮空気流量として与えられ、前述したように、燃焼器バイパス弁開度演算部34では算出圧縮空気流量に応じて燃焼器バイパス弁16の開度を演算・決定して、燃焼器バイパス弁開度指令として燃焼器バイパス弁16に与える。そして、この燃焼器バイパス弁開度指令に応じて燃焼器バイパス弁16の開度が制御されることになる。
【0071】
このようにして、図2に示すガスタービン燃焼制御装置では、タービン入口温度に基づいてパイロット燃料流量の上限及び下限(つまり、範囲)を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにしたから、タービン入口温度によってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、パイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量が安定燃焼を行う範囲から逸脱することがなくなる。
【0072】
なお、図2に示す例では、車室温度、燃料温度、燃焼器流入空気流量、燃料流量、及び燃焼器熱効率に応じてタービン入口温度を推測して、このタービン入口温度に基づいてパイロット燃料流量の上限及び下限を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにしてが、少なくとも燃焼器流入空気流量及び燃料流量に応じてパイロット燃料流量の上限及び下限を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにすればよい。
【0073】
図4を参照して、本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第3の例について説明する。図示のガスタービン燃焼制御装置において図1及び図2に示す構成要素として同一の構成要素については同一の参照番号を付す。
【0074】
図示の例では、パイロット分配比決定関数部41で燃空比に基づいて得られたパイロット分配比が第1の上限値リミッタ56に与えられ、第1の上限値リミッタ56では、図2で説明したようにして、パイロット燃料流量上限値に応じてパイロット燃料分配比を規制する。同様にして、第1の下限値リミッタ57では、第1の上限値リミッタからの出力を、パイロット燃料流量下限値に応じて規制する。そして、第1の下限値リミッタからの出力は乗算器42に与えられる。乗算器42では、CSOと第1の下限値リミッタからの出力とを乗算してパイロット燃料流量を得る。その後、減算器25で、CSOとパイロット燃料流量との減算が行われて、メイン燃料流量が求められることになる。
【0075】
なお、他の構成要素については図1及び図2で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0076】
このように、図4に示すガスタービン燃焼制御装置では、燃空比に基づいてパイロット分配比を決定して、この分配比に応じてパイロット燃料流量を得るようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量が決定され、さらに、タービン入口温度に基づいてパイロット燃料流量の上限及び下限を規定するとともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定するようにしたから、タービン入口温度によってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、ガスタービンを精度よく安定して燃焼制御することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量と基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定するようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されることになって、ガスタービンを安定的に燃焼制御することができるという効果がある。
【0078】
本発明では、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにしたから、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、パイロット燃料流量とメイン燃料流量及び燃焼器流入空気流量が安定燃焼を行う範囲から逸脱することがなくなるという効果がある。
【0079】
そして、燃焼パラメータとしてタービン入口温度を用いるようにしたから、精度よくパイロット燃料流量の上限及び下限を規定できるともに、燃焼器流入空気流量の上限及び下限を規定することができるという効果がある。
【0080】
本発明では、発電機の出力を設定する発電機出力指令と発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力に応じて得られた燃料指令値に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量を決定する際、燃焼器の車室圧力に応じた空気量と計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて得られた燃空比に応じてメイン燃料供給系の燃料流量とパイロット燃料供給系の燃料流量とを分配決定し、さらに、少なくとも燃焼器に流入する圧縮空気流量と燃料の流量とに応じて燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求め、燃焼パラメータに応じてパイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定して、パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲にパイロット燃料供給系の燃料流量を制限するとともに、燃焼パラメータに応じて圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定して、圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に圧縮空気流量を制限するようにしたから、空気流量をも考慮してパイロット燃料流量及びメイン燃料流量が決定されるばかりでなく、燃焼パラメータによってパイロット燃料流量及び燃焼器流入空気流量の範囲が決定されることになって、ガスタービンを精度よく安定して燃焼制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第1の例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第2の例を示すブロック図である。
【図3】図2に示す第1の上限及び下限関数部で設定される上限値及び下限値とタービン入口温度との関係を示す図である。
【図4】本発明によるガスタービン燃焼制御装置の第3の例を示すブロック図である。
【図5】ガスタービンの一例を燃料供給系及び空気供給系とともに示すブロック図である。
【図6】従来のガスタービン燃焼制御装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,12 燃料流量調節弁
13 燃焼器
14 空気圧縮機
15 空気圧縮機入口案内翼(IGV)
16 バイパス弁
17 タービン
18 発電機
21,25 減算器
22 PI制御部
23 燃料指令値(CSO)演算部
24 パイロット分配比決定関数部
26 パイロット燃料流量調節弁開度演算部
27 メイン燃料流量調節弁開度演算部
31 空気量関数部
32 除算器
33 燃焼器流入空気流量決定関数部
34 燃焼器バイパス弁開度演算部
35 空気圧縮機流入空気流量決定関数部
36 IGV開度演算部
41 パイロット分配比決定関数部
42 乗算器
51 タービン入口温度演算部
52,53 上限関数部
54,55 下限関数部
56,58 上限値リミッタ
57,59 下限値リミッタ
Claims (10)
- メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに、前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、
前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて、前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、
前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、
前記燃料指令値で示される燃料流量を前記燃空比に応じて前記メイン燃料供給系と前記パイロット燃料供給系とに分配する燃料分配手段と、
前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定する空気流量決定手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置。 - 前記燃料分配手段は、前記パイロット燃料供給系に配分される燃料流量比と前記燃空比との関係が規定され前記燃空比に対応する燃料流量比を出力する分配比決定関数部と、
前記燃料流量比と前記燃料指令値とに応じて前記パイロット燃料供給系の燃料流量を決定するパイロット燃料流量決定手段と、
前記パイロット燃料供給系の燃料流量と前記燃料指令値とに基づいて前記メイン燃料供給系の燃料流量を決定するメイン燃料流量決定手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼制御装置。 - 前記ガスタービン装置には、前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、
前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて、前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼制御装置。 - メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに、前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、
少なくとも前記燃焼器に流入する圧縮空気流量と前記燃料の流量とに応じて、前記燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求める燃焼パラメータ算出手段と、
該燃焼パラメータに応じて、前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定する燃料上限下限値設定手段と、
前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲に、前記パイロット燃料供給系の燃料流量を制限する第1の制限手段と、
前記燃焼パラメータに応じて、前記圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定する圧縮空気上限下限値設定手段と、
前記圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に、前記圧縮空気流量を制限する第2の制限手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置。 - 前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて、前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、
前記燃料指令値と前記パイロット燃料供給系に分配される燃料流量比との関係が規定され、前記燃料指令値に対応する燃料流量比に応じた前記パイロット燃料供給系の燃料流量を決定して前記第1の制限手段に与える燃料分配手段と、
前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて、燃空比を算出する燃空比算出手段と、
前記燃空比に基づいて、前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定して前記第2の制限手段に与える空気流量決定手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のガスタービン燃焼制御装置。 - 前記燃焼パラメータ算出手段にはさらに前記燃焼器の車室温度、前記燃料の温度、及び前記燃焼器の熱効率が与えられ、
前記燃焼パラメータ算出手段は、前記燃焼パラメータとして前記タービンの入口温度を推定するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のガスタービン燃焼制御装置。 - 前記ガスタービン装置には、前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、
前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて、前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有することを特徴とする請求項5に記載のガスタービン燃焼制御装置。 - メイン燃料供給系及びパイロット燃料供給系からそれぞれ燃焼器に燃料を供給するとともに、前記燃焼器に圧縮空気を供給して前記燃焼器で発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて、発電機を駆動するようにしたガスタービン装置の燃焼を制御するためのガスタービン燃焼制御装置であって、前記発電機の出力を設定する発電機出力指令と前記発電機の出力を計測した結果得られた計測発電機出力との偏差に応じて、前記燃焼器に供給する燃料の流量を求めて燃料指令値とする燃料指令値生成手段と、
前記燃焼器の車室圧力に応じた空気量と前記計測発電機出力に応じた燃料量とに基づいて燃空比を算出する燃空比算出手段と、
前記燃料指令値で示される燃料流量を前記燃空比に応じて前記メイン燃料供給系と前記パイロット燃料供給系とに分配する燃料分配手段と、
少なくとも前記燃焼器に流入する圧縮空気流量と前記燃料の流量とに応じて前記燃焼器で安定的に燃焼を行うための燃焼パラメータを求める燃焼パラメータ算出手段と、
該燃焼パラメータに応じて前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値を設定する燃料上限下限値設定手段と、
前記パイロット燃料供給系における燃料流量の上限値及び下限値の範囲に前記パイロット燃料供給系の燃料流量を制限する第1の制限手段と、
前記燃空比に基づいて前記燃焼器に供給する圧縮空気流量を決定する空気流量決定手段と、
前記燃焼パラメータに応じて前記圧縮空気流量の上限値及び下限値を設定する圧縮空気上限下限値設定手段と、前記圧縮空気流量の上限値及び下限値の範囲に前記圧縮空気流量を制限する第2の制限手段とを有することを特徴とするガスタービン燃焼制御装置。 - 前記燃焼パラメータ算出手段には、さらに前記燃焼器の車室温度、前記燃料の温度、及び前記燃焼器の熱効率が与えられ、
前記燃焼パラメータ算出手段は、前記燃焼パラメータとして前記タービンの入口温度を推定するようにしたことを特徴とする請求項8に記載のガスタービン燃焼制御装置。 - 前記ガスタービン装置には前記圧縮空気を生成する空気圧縮機が備えられており、
前記計測発電機出力に応じた燃料量に基づいて前記空気圧縮機に流入する空気流量を決定する圧縮機流入空気流量決定手段を有することを特徴とする請求項8に記載のガスタービン燃焼制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002280363A JP2004116384A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガスタービン燃焼制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002280363A JP2004116384A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガスタービン燃焼制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004116384A true JP2004116384A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32275086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002280363A Withdrawn JP2004116384A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | ガスタービン燃焼制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004116384A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007071144A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃料流量制御装置及び発電システム並びに燃料流量制御方法 |
JP2009250126A (ja) * | 2008-04-07 | 2009-10-29 | Toyota Motor Corp | ガスタービンエンジンの制御装置 |
JP2010285955A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスタービンの制御装置及び発電システム |
CN102979630A (zh) * | 2012-12-12 | 2013-03-20 | 北京动力机械研究所 | 基于模块化能量控制的燃气轮机控制系统 |
WO2015146994A1 (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-01 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | ガスタービンの燃焼制御装置および燃焼制御方法並びにプログラム |
US10221777B2 (en) | 2014-03-25 | 2019-03-05 | Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. | Gas turbine combustion control device and combustion control method and program therefor |
JP2019510159A (ja) * | 2016-02-26 | 2019-04-11 | 8 リバーズ キャピタル,エルエルシー | 電力プラントを制御するためのシステムおよび方法 |
US11359553B2 (en) | 2018-04-13 | 2022-06-14 | Mitsubishi Power, Ltd. | Control device for gas turbine, gas turbine, and gas turbine controlling method |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002280363A patent/JP2004116384A/ja not_active Withdrawn
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007071144A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃料流量制御装置及び発電システム並びに燃料流量制御方法 |
EP1762715A3 (en) * | 2005-09-08 | 2012-09-05 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Fuel-flow-rate control device and controlling method for a power generation system |
JP2009250126A (ja) * | 2008-04-07 | 2009-10-29 | Toyota Motor Corp | ガスタービンエンジンの制御装置 |
JP2010285955A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスタービンの制御装置及び発電システム |
CN102979630A (zh) * | 2012-12-12 | 2013-03-20 | 北京动力机械研究所 | 基于模块化能量控制的燃气轮机控制系统 |
JP2015183619A (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-22 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | ガスタービンの燃焼制御装置および燃焼制御方法並びにプログラム |
WO2015146994A1 (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-01 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | ガスタービンの燃焼制御装置および燃焼制御方法並びにプログラム |
CN106103942A (zh) * | 2014-03-25 | 2016-11-09 | 三菱日立电力系统株式会社 | 燃气涡轮的燃烧控制装置、燃烧控制方法以及程序 |
KR101775861B1 (ko) | 2014-03-25 | 2017-09-06 | 미츠비시 히타치 파워 시스템즈 가부시키가이샤 | 가스 터빈의 연소 제어 장치 및 연소 제어 방법 및 프로그램 |
US10208678B2 (en) | 2014-03-25 | 2019-02-19 | Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. | Gas turbine combustion control device and combustion control method and program therefor |
US10221777B2 (en) | 2014-03-25 | 2019-03-05 | Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. | Gas turbine combustion control device and combustion control method and program therefor |
JP2019510159A (ja) * | 2016-02-26 | 2019-04-11 | 8 リバーズ キャピタル,エルエルシー | 電力プラントを制御するためのシステムおよび方法 |
JP7001608B2 (ja) | 2016-02-26 | 2022-01-19 | 8 リバーズ キャピタル,エルエルシー | 電力プラントを制御するためのシステムおよび方法 |
US11359553B2 (en) | 2018-04-13 | 2022-06-14 | Mitsubishi Power, Ltd. | Control device for gas turbine, gas turbine, and gas turbine controlling method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2004033874A1 (ja) | 燃焼器制御装置 | |
JP4119908B2 (ja) | ガスタービンの燃焼制御装置 | |
JP4119909B2 (ja) | ガスタービンの燃焼制御装置 | |
CN105745497B (zh) | 具有可预测排放监测能力的智能控制方法 | |
US6813875B2 (en) | Control system for gas-turbine engine | |
JP5650929B2 (ja) | ガスタービンの性能を補正するシステム及び方法 | |
US8991172B2 (en) | Control device of premix combustion engine | |
JP6331138B2 (ja) | 流量比算出装置、これを備えている制御装置、この制御装置を備えているガスタービンプラント、流量比算出方法、及び燃料系統の制御方法 | |
JP2013194688A (ja) | ガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法 | |
JP2019138157A (ja) | ガスタービン燃焼器、ガスタービン及びガスタービン燃焼器の制御方法 | |
JP2004116384A (ja) | ガスタービン燃焼制御装置 | |
JP2014070636A (ja) | Co2の排出を管理するための方法およびシステム | |
JP2005240608A (ja) | ガスタービン制御装置 | |
JP2003293795A (ja) | ガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法 | |
JP2005240585A (ja) | ガスエンジンの燃焼制御方法及びその装置 | |
JP5939942B2 (ja) | ガスタービン燃焼器およびガスタービン燃焼器の燃料制御方法 | |
JP3975672B2 (ja) | 燃料電池発電装置 | |
JP2011038478A (ja) | ガスタービンエンジンの制御装置とその制御方法 | |
JP5031779B2 (ja) | ガスタービン・エンジンの制御装置 | |
JP2024154180A (ja) | ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラム | |
JP7403698B1 (ja) | ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラム | |
JPWO2007069309A1 (ja) | ガスタービン装置 | |
JP2008196360A (ja) | 発電システム | |
JP2004176582A (ja) | ガスタービン発電プラント及びその制御方法,並びにガスタービン制御装置 | |
JP2000088240A (ja) | 燃焼制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |