JP2004114248A - 切断除去装置 - Google Patents
切断除去装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004114248A JP2004114248A JP2002282674A JP2002282674A JP2004114248A JP 2004114248 A JP2004114248 A JP 2004114248A JP 2002282674 A JP2002282674 A JP 2002282674A JP 2002282674 A JP2002282674 A JP 2002282674A JP 2004114248 A JP2004114248 A JP 2004114248A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- sheet
- cutting
- guide member
- anvil roll
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
- Details Of Cutting Devices (AREA)
Abstract
【課題】シート状物をスムースに切断し得ると共に、装置の稼動率が高く、かつ、高速運転が可能な切断除去装置を提供する。
【解決手段】アンビルロール1と、カッタロール2と、前記カッタロール2に設けられた刃20と、吸引装置10とを備え、シート状物3の所定の部分に貫通孔30を形成する切断除去装置に関する。前記吸引装置10は、前記両ロール1,2による切断位置CPの下流に設けられ、シート状物3の流れ方向Yに沿った案内面11cを有し、前記案内面11cで前記シート状物3の面をガイドするガイド部材11と、前記ガイド部材11の案内面11cの一部に空けられ前記シート状物3の切断除去部分31を吸引する開口部12とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】アンビルロール1と、カッタロール2と、前記カッタロール2に設けられた刃20と、吸引装置10とを備え、シート状物3の所定の部分に貫通孔30を形成する切断除去装置に関する。前記吸引装置10は、前記両ロール1,2による切断位置CPの下流に設けられ、シート状物3の流れ方向Yに沿った案内面11cを有し、前記案内面11cで前記シート状物3の面をガイドするガイド部材11と、前記ガイド部材11の案内面11cの一部に空けられ前記シート状物3の切断除去部分31を吸引する開口部12とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層のまたは積層されたシート状物に所定形状の貫通孔を形成する切断除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその欠点】
シート状物に貫通孔を形成する方法の一つとしては、ダイカッタと呼ばれるカッタロールを用いる方法が知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。前記カッタロールは、アンビルロールとの間でシート状物を型抜きする。
しかし、前記先行技術では、切断するシート状物の面をアンビルロールまたはカッタロールの表面に対して押し付けていないので、シート状物の切断をスムースに行うことができない。また、型抜きされた型抜部分の廃棄方法については、何ら開示されていない。前記型抜部分が適切に廃棄されないと、カッタロールのダイなどに前記型抜部分が詰まり、そのため、頻繁に清掃を行う必要が生じて、装置の稼動率が低下する場合がある。
【0003】
一方、特開平8−52696号公報(特許文献3)には、原反シートからサニタリー用品を型抜きして生成する装置が開示されている。この先行技術では、ループ状の刃の内側の領域に多数の吸引孔を設けており、これにより、シート状物の面をカッタロールの表面に引き付けることができ、シート状物の切断を比較的スムースに行うことができる。しかし、カッタロールが吸引のみを行うので、吸引孔が目詰まりし易い。したがって、装置の稼動率が低下する。
また、この先行技術では、型抜きされたサニタリー用品が送りロールに渡されて、サニタリー用品が次工程に搬送される。サニタリー用品を吸着して受け取る前記送りロールは、カッタロールに外接しながら回転するので、前記先行技術の構造は高速運転に不向きである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−71999号公報(第2−3頁,第3図)
【0005】
【特許文献2】
特開平11−188698号公報(第2−5頁,第1図)
【0006】
【特許文献3】
特開平8−52696号公報(第2−4頁,第1図)
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、シート状物の切断をスムースに行うことができると共に、装置の稼動率が高く、かつ、高速運転が可能な切断除去装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のある切断除去装置は、アンビルロールと、前記アンビルロールに外接するような位置に配置されたカッタロールと、前記カッタロールに設けられシート状物から所定の型抜きするためのループ状に連なった少なくとも1つの刃と、吸引装置とを備えおり、シート状物の所定の部分に貫通孔を形成する。前記吸引装置は、前記両ロールによる切断位置の下流に設けられており、シート状物の流れ方向に沿った案内面を有し、前記案内面で前記シート状物の面をガイドするガイド部材と、前記ガイド部材の案内面の一部に空けられ前記シート状物の切断除去部分を吸引する開口部とを有する。
【0009】
シート状物は、2つのロールの間を通る際に刃によって切断され、切断除去部分が吸引装置の開口部から吸引されて除去される。
【0010】
ここで、アンビルロールの下流において、吸引装置が吸引しており、切断除去部分が完全に切断される前は、シート状物の面が吸引装置の案内面に引き付けられる。そのため、シート状物の面は、アンビルロールまたはカッタロールの表面に貼り付いたような状態で搬送されるから、シート状物の切断がスムースに行われる。
【0011】
本発明において、「外接するような位置」とは、アンビルロールとカッタロールとが互いに平行で、かつ、カッタロールの刃がアンビルロールとの間でシート状物を型抜きすることができる程度に、アンビルロールとカッタロールとが近接ないし接触していることを意味する。
【0012】
「シート状物」とは、厚みに対して面積の大きな布帛状のものをいい、フィルムや布帛の他に繊維の積層体などを含み、ウェブのようにロールに巻かれて連続していてもよく、また、生理用ナプキンや使い捨てオムツ又はパンツの半製品を含む概念である。
「シート状物の流れ方向に沿った案内面」とは、シート状物の面に対し案内面が近接ないし接触して対面していてもよいことを意味する。
さらに、「ガイド部材」は板状のガイド板であってもよいが、多数の小孔を有する板や網に、開口部を設けたものでもよい。
【0013】
本発明において、シート状物が型抜きされて形成される貫通孔の形状は、円、楕円、多角形の他に、直線および/または曲線が組み合わされたいかなる形状であってもよい。
【0014】
カッタロールの刃はループ状になっており、ループ状でない刃よりも刃の強度が一般に強い。
カッタロールの刃の厚みは、アンビルロールに接触する刃の面積が常時概ね一定となるように形成されるのが好ましい。これにより、アンビルロールとカッタロールの刃とが接触する圧力を一定に保つことが可能となる。
【0015】
カッタロールおよびアンビルロールの材質としては、主として、合金工具鋼、高速度工具鋼、HIPや焼結による粉末高速度工具鋼、超硬合金などを使用することができる。また、カッタロールとアンビルロールの硬度は互いに異なっていてもよい。刃の寿命を長くするために、アンビルロールの硬度よりもカッタロールの硬度の方が大きいのが好ましい。
また、前記刃はダイヤモンドライクカーボンによってコーティングされていてもよい。
【0016】
また、前記刃が2以上設けられる場合には、カッタロールがバランス良く回転するように、前記刃が等角度ピッチで配置されるのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
全体構成:
図1において、アンビルロール1とカッタロール2との間には、連続したウェブ(シート状物)3が供給される。前記ウェブ3が前記カッタロール2とアンビルロール1との間を通過することで、該ウェブ3は所定の切断除去部分31が型抜きされ、貫通孔30が所定のピッチで形成される。前記除去部分31は、後述するように、下流の吸引装置10によって吸引される。
【0018】
前記カッタロール2は前記アンビルロール1に外接するような位置に配置されている。
なお、本実施例では、図2に示すカッタロール2に形成した径大なフランジ部23がアンビルロール1に外接している。フランジ部23はカッタロール2の回転を安定させて、前記刃20を保護するためのものである。
【0019】
図2に示すように、前記カッタロール2はたとえば複数の刃20を有する。前記刃20は、前記除去部分31を型抜きするためのもので、ループ状に連なっている。なお、刃20は1つであってもよい。前記ウェブ3は、カッタロール2の刃20により、図1の切断位置CPにおいて切断される。
【0020】
図2の前記カッタロール2とアンビルロール1とは、略同じ周速度で回転することが好ましい。速度差があると、カッタロール2の刃20の寿命が短くなるからである。なお、カッタロール2の刃20の寿命を考慮しなければ、カッタロール2とアンビルロール1は異なった速度で回転してもよい。また、カッタロール2の周速度は、ウエブ3の流れ速度より速いことが好ましい。
アンビルロール1は、ウエブ3を吸引してもよい。吸引する方法としては、静電エネルギを利用してもよいし、バキュームであってもよい。
【0021】
吸引装置10:
図1に示す前記吸引装置10は、前記両ロール1,2によるウェブ3の切断位置CPの直下流に設けられており、ガイド部材11およびダクト13を備えている。
前記ガイド部材11の上流端部11fは、アンビルロール1およびカッタロール2との間に形成された空間Sに入り込んでいる。ガイド部材11は、ウェブ3の流れ方向Yに沿った案内面11cを有しており、前記ウェブ3は、前記案内面11cにより、その下面3fがガイドされる。
【0022】
図2に明示するように、前記案内面11cには、開口部12が空けられており、前記ガイド部材11の下方には、前記開口部12に連通する前記ダクト13が設けられている。ダクト13は負圧源14に連通しており、開口部12からウェブ3の除去部分31を吸い込み、エアと共に搬送する。前記開口部12は案内面11cの中央に空けられていてもよく、前記ガイド部材11の案内面11cは、前記開口部12の上流、下流および両側部において、前記ウェブ3を案内する。
【0023】
前記開口部12は、カッタロール2とアンビルロール1に近い位置に配置されることが好ましい。除去部分31を切り取られる前のウエブ3を吸引でき、ウエブ3の下面3fが案内面11cの表面に沿い易く、また、除去部分31を確実に除去できるからである。
【0024】
図1の前記両ロール1,2の回転に伴い、除去部分31の切断が開始されると、まず、切断された除去部分31の下流部分31bが該開口部12から下方に吸引される。一方、除去部分31の上流側は、まだ切断されておらず、ウェブ3と一体化しているので、前記除去部分31の下流部分31bが下方に吸引されることにより、ウェブ3が下方に引っ張られ、ガイド部材11に押さえ付けられながら下流に搬送される。そのため、ウエブ3の下面3fがアンビルロール1の表面に貼り付いたような状態となるから、ウエブ3の刃20(図2)による切断がスムースに行われる。
【0025】
なお、図4に示すように、ガイド部材11に多数の小孔11hを設け、開口部12と共に、小孔11hからエアを吸引するようにしてもよい。かかる場合には、前記小孔11hからのエアの吸引力を小さくするために、圧力調整孔11dをダクト13内に設けてもよい。
【0026】
また、図1のガイド部材11とウエブ3との間に空気等の層をつくり、非接触にしてもよい。非接触にすることによりガイド部材11とウェブ3との摩擦抵抗を減らすことができる。そのような構成として、例えば、ガイド部材の表面から空気が噴出してもよい。
【0027】
図2において、流れ方向Yに直交する幅方向MDの開口部12の長さは、前記刃20の幅方向MDの長さより短くてもよいし、長くてもよい。また、開口部12の幅方向MDの長さは、開口部12の流れ方向Yの長さよりも長くてもよいし、短くてもよい。
さらに、本実施形態では、吸引装置10は、アンビルロール1側に配置されているが、カッタロール2側に設けられていてもよい。
【0028】
支持ロール4:
図1に示す前記支持ロール4は、ウェブ3に接触して該ウエブ3の搬送方向をアンビルロール1側またはカッタロール2側に傾斜させることができる。たとえば、図3に示すように、ウエブ3をアンビルロール1側に押し付けるには、支持ロール4をウエブ3に対してカッタロール2側に配置する。ウェブ3は、支持ロール4により、アンビルロール1の下流部分が該アンビルロール1側に押し付けられ、ウエブ3はアンビルロール1に対し、角θの範囲において接触することになって接触面積が増大することにより、切断の更なる安定を図ることができる。この場合、支持ロール4は、抵抗を少なくするために、空気等を噴出してもよい。一方、前記支持ロール4がウェブ3を吸引するようにしてもよい。
なお、前記ウエブ3をアンビルロール1とカッタロール2との接点における接線に対し傾斜させる場合には、当該ウェブ3の面と平行になるように、該ガイド部材11の面を傾斜させる。
【0029】
切断除去方法:
図1の前記2つのロール1,2の間にウェブ3を供給しながらカッタロール2が回転すると、除去部分31の下流部分31bから切断が開始される。一方、前記開口部12からは、前記負圧源14によりダクト13を介してエアが吸引されている。
【0030】
前記カッタロール2が更に回転し、前記ウェブ3から切り離された除去部分31はガイド部材11上を案内され、前記除去部分31が開口部12に差しかかると、該開口部12から下方に向って吸引される。一方、前記除去部分31の上流部分はまだ切断されていないので、ウェブ3と一体になっている。そのため、前記除去部分31の吸引により、ウェブ3が下方に引っ張られ、ウェブ3がガイド部材11の案内面11c上に押し付けられると共に、アンビルロール1の表面にも押し付けられながら搬送される。したがって、前記カッタロール2による切断中にウェブ3がアンビルロール1の表面にピタリと沿うから、除去部分31の切断を正確、かつ、安定して行うことができる。
【0031】
前記切断後の除去部分31は、ダクト13内を搬送される。一方、貫通孔30の形成されたウェブ3は、支持ロール4を介して下流に搬送される。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、開口部がアンビルロールの下流においてシート状物を吸引することになるので、シート状物の面がアンビルロールの表面に引き付けられるようにして、アンビルロールの表面に押さえ付けられる。そのため、カッタロールの刃によるシート状物の切断をスムースに行うことができる。
また、シート状物の切断除去部分が前記カッタロールの表面から離れて吸引部により吸い込まれて搬送されるので、カッタロールの刃に前記除去部分が詰まるおそれがない。したがって、頻繁に清掃を行う必要がなくなり、装置の稼働率も向上する。
更に、前記吸引装置を両ロールの回転に影響を与えない下流に設けたので、装置の高速運転が可能である。
【0033】
また、前記カッタロールとアンビルロールとの間に形成された空間に、前記ガイド部材の上流端部が入り込んでいれば、案内面がアンビルロールに近づくので、ガイド部材によるシート状物の案内が確実になり、シート状物の切断をより一層スムースに行うことができる。
【0034】
更に、アンビルロールよりも下流に支持ロールを設ければ、支持ロールによりシート状物の面をカッタロールまたはアンビルロールの表面に沿って押し付けることができるから、シート状物がロール内に線接触ではなく面接触するので、より一層、切断をスムースに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる切断除去装置を示す概略側面図である。
【図2】シート状物の一部を省略して示す切断除去装置の概略斜視図である。
【図3】切断除去装置の変形例を示す概略側面図である。
【図4】変形例を示す吸引装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1:アンビルロール
2:カッタロール
3:ウェブ(シート状物)
4:支持ロール
10:吸引装置
11:ガイド部材
11c:案内面
12:開口部
20:刃
Y:流れ方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、単層のまたは積層されたシート状物に所定形状の貫通孔を形成する切断除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその欠点】
シート状物に貫通孔を形成する方法の一つとしては、ダイカッタと呼ばれるカッタロールを用いる方法が知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。前記カッタロールは、アンビルロールとの間でシート状物を型抜きする。
しかし、前記先行技術では、切断するシート状物の面をアンビルロールまたはカッタロールの表面に対して押し付けていないので、シート状物の切断をスムースに行うことができない。また、型抜きされた型抜部分の廃棄方法については、何ら開示されていない。前記型抜部分が適切に廃棄されないと、カッタロールのダイなどに前記型抜部分が詰まり、そのため、頻繁に清掃を行う必要が生じて、装置の稼動率が低下する場合がある。
【0003】
一方、特開平8−52696号公報(特許文献3)には、原反シートからサニタリー用品を型抜きして生成する装置が開示されている。この先行技術では、ループ状の刃の内側の領域に多数の吸引孔を設けており、これにより、シート状物の面をカッタロールの表面に引き付けることができ、シート状物の切断を比較的スムースに行うことができる。しかし、カッタロールが吸引のみを行うので、吸引孔が目詰まりし易い。したがって、装置の稼動率が低下する。
また、この先行技術では、型抜きされたサニタリー用品が送りロールに渡されて、サニタリー用品が次工程に搬送される。サニタリー用品を吸着して受け取る前記送りロールは、カッタロールに外接しながら回転するので、前記先行技術の構造は高速運転に不向きである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−71999号公報(第2−3頁,第3図)
【0005】
【特許文献2】
特開平11−188698号公報(第2−5頁,第1図)
【0006】
【特許文献3】
特開平8−52696号公報(第2−4頁,第1図)
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、シート状物の切断をスムースに行うことができると共に、装置の稼動率が高く、かつ、高速運転が可能な切断除去装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のある切断除去装置は、アンビルロールと、前記アンビルロールに外接するような位置に配置されたカッタロールと、前記カッタロールに設けられシート状物から所定の型抜きするためのループ状に連なった少なくとも1つの刃と、吸引装置とを備えおり、シート状物の所定の部分に貫通孔を形成する。前記吸引装置は、前記両ロールによる切断位置の下流に設けられており、シート状物の流れ方向に沿った案内面を有し、前記案内面で前記シート状物の面をガイドするガイド部材と、前記ガイド部材の案内面の一部に空けられ前記シート状物の切断除去部分を吸引する開口部とを有する。
【0009】
シート状物は、2つのロールの間を通る際に刃によって切断され、切断除去部分が吸引装置の開口部から吸引されて除去される。
【0010】
ここで、アンビルロールの下流において、吸引装置が吸引しており、切断除去部分が完全に切断される前は、シート状物の面が吸引装置の案内面に引き付けられる。そのため、シート状物の面は、アンビルロールまたはカッタロールの表面に貼り付いたような状態で搬送されるから、シート状物の切断がスムースに行われる。
【0011】
本発明において、「外接するような位置」とは、アンビルロールとカッタロールとが互いに平行で、かつ、カッタロールの刃がアンビルロールとの間でシート状物を型抜きすることができる程度に、アンビルロールとカッタロールとが近接ないし接触していることを意味する。
【0012】
「シート状物」とは、厚みに対して面積の大きな布帛状のものをいい、フィルムや布帛の他に繊維の積層体などを含み、ウェブのようにロールに巻かれて連続していてもよく、また、生理用ナプキンや使い捨てオムツ又はパンツの半製品を含む概念である。
「シート状物の流れ方向に沿った案内面」とは、シート状物の面に対し案内面が近接ないし接触して対面していてもよいことを意味する。
さらに、「ガイド部材」は板状のガイド板であってもよいが、多数の小孔を有する板や網に、開口部を設けたものでもよい。
【0013】
本発明において、シート状物が型抜きされて形成される貫通孔の形状は、円、楕円、多角形の他に、直線および/または曲線が組み合わされたいかなる形状であってもよい。
【0014】
カッタロールの刃はループ状になっており、ループ状でない刃よりも刃の強度が一般に強い。
カッタロールの刃の厚みは、アンビルロールに接触する刃の面積が常時概ね一定となるように形成されるのが好ましい。これにより、アンビルロールとカッタロールの刃とが接触する圧力を一定に保つことが可能となる。
【0015】
カッタロールおよびアンビルロールの材質としては、主として、合金工具鋼、高速度工具鋼、HIPや焼結による粉末高速度工具鋼、超硬合金などを使用することができる。また、カッタロールとアンビルロールの硬度は互いに異なっていてもよい。刃の寿命を長くするために、アンビルロールの硬度よりもカッタロールの硬度の方が大きいのが好ましい。
また、前記刃はダイヤモンドライクカーボンによってコーティングされていてもよい。
【0016】
また、前記刃が2以上設けられる場合には、カッタロールがバランス良く回転するように、前記刃が等角度ピッチで配置されるのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
全体構成:
図1において、アンビルロール1とカッタロール2との間には、連続したウェブ(シート状物)3が供給される。前記ウェブ3が前記カッタロール2とアンビルロール1との間を通過することで、該ウェブ3は所定の切断除去部分31が型抜きされ、貫通孔30が所定のピッチで形成される。前記除去部分31は、後述するように、下流の吸引装置10によって吸引される。
【0018】
前記カッタロール2は前記アンビルロール1に外接するような位置に配置されている。
なお、本実施例では、図2に示すカッタロール2に形成した径大なフランジ部23がアンビルロール1に外接している。フランジ部23はカッタロール2の回転を安定させて、前記刃20を保護するためのものである。
【0019】
図2に示すように、前記カッタロール2はたとえば複数の刃20を有する。前記刃20は、前記除去部分31を型抜きするためのもので、ループ状に連なっている。なお、刃20は1つであってもよい。前記ウェブ3は、カッタロール2の刃20により、図1の切断位置CPにおいて切断される。
【0020】
図2の前記カッタロール2とアンビルロール1とは、略同じ周速度で回転することが好ましい。速度差があると、カッタロール2の刃20の寿命が短くなるからである。なお、カッタロール2の刃20の寿命を考慮しなければ、カッタロール2とアンビルロール1は異なった速度で回転してもよい。また、カッタロール2の周速度は、ウエブ3の流れ速度より速いことが好ましい。
アンビルロール1は、ウエブ3を吸引してもよい。吸引する方法としては、静電エネルギを利用してもよいし、バキュームであってもよい。
【0021】
吸引装置10:
図1に示す前記吸引装置10は、前記両ロール1,2によるウェブ3の切断位置CPの直下流に設けられており、ガイド部材11およびダクト13を備えている。
前記ガイド部材11の上流端部11fは、アンビルロール1およびカッタロール2との間に形成された空間Sに入り込んでいる。ガイド部材11は、ウェブ3の流れ方向Yに沿った案内面11cを有しており、前記ウェブ3は、前記案内面11cにより、その下面3fがガイドされる。
【0022】
図2に明示するように、前記案内面11cには、開口部12が空けられており、前記ガイド部材11の下方には、前記開口部12に連通する前記ダクト13が設けられている。ダクト13は負圧源14に連通しており、開口部12からウェブ3の除去部分31を吸い込み、エアと共に搬送する。前記開口部12は案内面11cの中央に空けられていてもよく、前記ガイド部材11の案内面11cは、前記開口部12の上流、下流および両側部において、前記ウェブ3を案内する。
【0023】
前記開口部12は、カッタロール2とアンビルロール1に近い位置に配置されることが好ましい。除去部分31を切り取られる前のウエブ3を吸引でき、ウエブ3の下面3fが案内面11cの表面に沿い易く、また、除去部分31を確実に除去できるからである。
【0024】
図1の前記両ロール1,2の回転に伴い、除去部分31の切断が開始されると、まず、切断された除去部分31の下流部分31bが該開口部12から下方に吸引される。一方、除去部分31の上流側は、まだ切断されておらず、ウェブ3と一体化しているので、前記除去部分31の下流部分31bが下方に吸引されることにより、ウェブ3が下方に引っ張られ、ガイド部材11に押さえ付けられながら下流に搬送される。そのため、ウエブ3の下面3fがアンビルロール1の表面に貼り付いたような状態となるから、ウエブ3の刃20(図2)による切断がスムースに行われる。
【0025】
なお、図4に示すように、ガイド部材11に多数の小孔11hを設け、開口部12と共に、小孔11hからエアを吸引するようにしてもよい。かかる場合には、前記小孔11hからのエアの吸引力を小さくするために、圧力調整孔11dをダクト13内に設けてもよい。
【0026】
また、図1のガイド部材11とウエブ3との間に空気等の層をつくり、非接触にしてもよい。非接触にすることによりガイド部材11とウェブ3との摩擦抵抗を減らすことができる。そのような構成として、例えば、ガイド部材の表面から空気が噴出してもよい。
【0027】
図2において、流れ方向Yに直交する幅方向MDの開口部12の長さは、前記刃20の幅方向MDの長さより短くてもよいし、長くてもよい。また、開口部12の幅方向MDの長さは、開口部12の流れ方向Yの長さよりも長くてもよいし、短くてもよい。
さらに、本実施形態では、吸引装置10は、アンビルロール1側に配置されているが、カッタロール2側に設けられていてもよい。
【0028】
支持ロール4:
図1に示す前記支持ロール4は、ウェブ3に接触して該ウエブ3の搬送方向をアンビルロール1側またはカッタロール2側に傾斜させることができる。たとえば、図3に示すように、ウエブ3をアンビルロール1側に押し付けるには、支持ロール4をウエブ3に対してカッタロール2側に配置する。ウェブ3は、支持ロール4により、アンビルロール1の下流部分が該アンビルロール1側に押し付けられ、ウエブ3はアンビルロール1に対し、角θの範囲において接触することになって接触面積が増大することにより、切断の更なる安定を図ることができる。この場合、支持ロール4は、抵抗を少なくするために、空気等を噴出してもよい。一方、前記支持ロール4がウェブ3を吸引するようにしてもよい。
なお、前記ウエブ3をアンビルロール1とカッタロール2との接点における接線に対し傾斜させる場合には、当該ウェブ3の面と平行になるように、該ガイド部材11の面を傾斜させる。
【0029】
切断除去方法:
図1の前記2つのロール1,2の間にウェブ3を供給しながらカッタロール2が回転すると、除去部分31の下流部分31bから切断が開始される。一方、前記開口部12からは、前記負圧源14によりダクト13を介してエアが吸引されている。
【0030】
前記カッタロール2が更に回転し、前記ウェブ3から切り離された除去部分31はガイド部材11上を案内され、前記除去部分31が開口部12に差しかかると、該開口部12から下方に向って吸引される。一方、前記除去部分31の上流部分はまだ切断されていないので、ウェブ3と一体になっている。そのため、前記除去部分31の吸引により、ウェブ3が下方に引っ張られ、ウェブ3がガイド部材11の案内面11c上に押し付けられると共に、アンビルロール1の表面にも押し付けられながら搬送される。したがって、前記カッタロール2による切断中にウェブ3がアンビルロール1の表面にピタリと沿うから、除去部分31の切断を正確、かつ、安定して行うことができる。
【0031】
前記切断後の除去部分31は、ダクト13内を搬送される。一方、貫通孔30の形成されたウェブ3は、支持ロール4を介して下流に搬送される。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、開口部がアンビルロールの下流においてシート状物を吸引することになるので、シート状物の面がアンビルロールの表面に引き付けられるようにして、アンビルロールの表面に押さえ付けられる。そのため、カッタロールの刃によるシート状物の切断をスムースに行うことができる。
また、シート状物の切断除去部分が前記カッタロールの表面から離れて吸引部により吸い込まれて搬送されるので、カッタロールの刃に前記除去部分が詰まるおそれがない。したがって、頻繁に清掃を行う必要がなくなり、装置の稼働率も向上する。
更に、前記吸引装置を両ロールの回転に影響を与えない下流に設けたので、装置の高速運転が可能である。
【0033】
また、前記カッタロールとアンビルロールとの間に形成された空間に、前記ガイド部材の上流端部が入り込んでいれば、案内面がアンビルロールに近づくので、ガイド部材によるシート状物の案内が確実になり、シート状物の切断をより一層スムースに行うことができる。
【0034】
更に、アンビルロールよりも下流に支持ロールを設ければ、支持ロールによりシート状物の面をカッタロールまたはアンビルロールの表面に沿って押し付けることができるから、シート状物がロール内に線接触ではなく面接触するので、より一層、切断をスムースに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる切断除去装置を示す概略側面図である。
【図2】シート状物の一部を省略して示す切断除去装置の概略斜視図である。
【図3】切断除去装置の変形例を示す概略側面図である。
【図4】変形例を示す吸引装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1:アンビルロール
2:カッタロール
3:ウェブ(シート状物)
4:支持ロール
10:吸引装置
11:ガイド部材
11c:案内面
12:開口部
20:刃
Y:流れ方向
Claims (5)
- アンビルロールと、前記アンビルロールに外接するような位置に配置されたカッタロールと、前記カッタロールに設けられシート状物から所定の型抜きするためのループ状に連なった少なくとも1つの刃と、吸引装置とを備え、シート状物の所定の部分に貫通孔を形成する切断除去装置であって、
前記吸引装置は、前記両ロールによる切断位置の下流に設けられており、
シート状物の流れ方向に沿った案内面を有し、前記案内面で前記シート状物の面をガイドするガイド部材と、
前記ガイド部材の案内面の一部に空けられ前記シート状物の切断除去部分を吸引する開口部と
を有することを特徴とする切断除去装置。 - 請求項1において、
前記カッタロールとアンビルロールとの間に形成された空間に、前記ガイド部材の上流端部が入り込んでいる切断除去装置。 - 請求項1もしくは2において、
前記ガイド部材の案内面は、前記開口部の上流、下流および両側部において前記シート状物を案内する切断除去装置。 - 請求項1、2もしくは3において、
前記アンビルロールよりも下流において、前記シート状物を支持する支持ロールを更に備え、前記吸引装置のガイド部材が、前記アンビルロールから前記支持ロールに到る経路に配置されている切断除去装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記カッタロールと前記アンビルロールとが概ね同じ周速度で回転する切断除去装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002282674A JP2004114248A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 切断除去装置 |
CNA031348432A CN1496797A (zh) | 2002-09-27 | 2003-09-25 | 切断除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002282674A JP2004114248A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 切断除去装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004114248A true JP2004114248A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32276764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002282674A Pending JP2004114248A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 切断除去装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004114248A (ja) |
CN (1) | CN1496797A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010269383A (ja) * | 2009-05-20 | 2010-12-02 | Dainippon Printing Co Ltd | 型抜き加工装置 |
JP2015205393A (ja) * | 2014-04-11 | 2015-11-19 | 日東電工株式会社 | 光学フィルム積層体ストリップを形成する装置及び方法 |
JP2016140959A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 王子ホールディングス株式会社 | シート部材の切断システム及び切断方法 |
US9902083B2 (en) | 2010-09-30 | 2018-02-27 | The Procter & Gamble Company | Absorbent article substrate trim material removal process and apparatus |
JPWO2017179544A1 (ja) * | 2016-04-11 | 2018-10-04 | 株式会社江東彫刻 | 抜き型装置 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2939350B1 (fr) * | 2008-12-09 | 2011-01-14 | Arcil | Machine de decoupe de decors pour des supports tronconiques et ensemble de formage de supports tronconiques et de pose de decors, comportant une telle machine de decoupe |
CN102922038B (zh) * | 2012-11-23 | 2015-07-29 | 昆山兼房高科技刀具有限公司 | 纵切割刀 |
CN104842403A (zh) * | 2015-04-24 | 2015-08-19 | 浙江好时加卫生用品有限公司 | 一种卫生巾剪切模具 |
CN112428338A (zh) * | 2020-11-06 | 2021-03-02 | 苏州安洁科技股份有限公司 | 一种用于解决孔排废的通用模切加工工艺 |
CN112571488A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-03-30 | 浙江长鸿纺织科技有限公司 | 一种高阻隔性tpu膜加工装置 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002282674A patent/JP2004114248A/ja active Pending
-
2003
- 2003-09-25 CN CNA031348432A patent/CN1496797A/zh active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010269383A (ja) * | 2009-05-20 | 2010-12-02 | Dainippon Printing Co Ltd | 型抜き加工装置 |
US9902083B2 (en) | 2010-09-30 | 2018-02-27 | The Procter & Gamble Company | Absorbent article substrate trim material removal process and apparatus |
JP2015205393A (ja) * | 2014-04-11 | 2015-11-19 | 日東電工株式会社 | 光学フィルム積層体ストリップを形成する装置及び方法 |
JP2016140959A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 王子ホールディングス株式会社 | シート部材の切断システム及び切断方法 |
JPWO2017179544A1 (ja) * | 2016-04-11 | 2018-10-04 | 株式会社江東彫刻 | 抜き型装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1496797A (zh) | 2004-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4012042B2 (ja) | 着用物品の製造装置 | |
WO2002070213A1 (fr) | Dispositif et procede servant a couper et a evacuer une bande | |
EP2819940B1 (en) | Paper manufacturing | |
US20030159558A1 (en) | Cut and removal apparatus and method | |
JP2004114248A (ja) | 切断除去装置 | |
JP2004141620A (ja) | 吸収体の製造装置 | |
KR101421608B1 (ko) | 로터리 다이 커팅장치 및 이를 갖는 시트형 소재 성형장치와, 다이 커팅방법 | |
JPH06606B2 (ja) | ウエブを自動的に導通する装置と方法 | |
TW201114976A (en) | Method and device for producing products from raw material pulp sheet | |
JP4749172B2 (ja) | 断裁排出装置 | |
JP4301819B2 (ja) | フィルム切断装置 | |
CN212879819U (zh) | 卫生巾产品的护翼折叠系统 | |
US6635004B2 (en) | Apparatus and method for removing material from a fabric web | |
US20030131943A1 (en) | Apparatus and method for assembling absorbent garments | |
WO2014006902A1 (en) | Method for manufacturing a composite body of continuous sheets for an absorbent article and apparatus of the same | |
JP6438232B2 (ja) | カットオフ装置及びシート加工装置 | |
JP2006026752A (ja) | 紙粉除去装置 | |
JP2011011844A (ja) | 断裁排出装置 | |
JP5224836B2 (ja) | 断裁排出装置 | |
JP4141096B2 (ja) | 積層フィルムの分離装置 | |
JP2004043106A (ja) | 断裁排出装置 | |
JP2004167619A (ja) | シートの打抜屑除去装置 | |
JP4149738B2 (ja) | シートのコーナーカット装置 | |
JP2004248825A (ja) | 加工装置および加工方法 | |
US20060169114A1 (en) | Apparatus for trimming metal strip |