JP2004108315A - ガスタービンシステムおよびその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスタービンの運転状態に突変が発生しても、実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えができるガスタービンシステムおよびその運転方法を提供することを目的とする。
【解決手段】燃焼ガス温度演算部134とは別個設けられ、燃料流量指令値125を用いてガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する突変用燃焼ガス温度演算部11と、ガスタービン112の運転状態の突変発生を検知する突変運転検知部10とを備え、突変発生時には、突変用燃焼ガス温度演算部11で演算されたガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果を用いて、予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給する燃料流量の割合が算出される。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼ガス温度演算部134とは別個設けられ、燃料流量指令値125を用いてガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する突変用燃焼ガス温度演算部11と、ガスタービン112の運転状態の突変発生を検知する突変運転検知部10とを備え、突変発生時には、突変用燃焼ガス温度演算部11で演算されたガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果を用いて、予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給する燃料流量の割合が算出される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予混合燃焼部および拡散燃焼部を有する燃焼器を備えたガスタービンシステムとその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のガスタービンシステム100の構成の概略を示す。
従来のガスタービンシステム100は、ガスタービン動力部101と燃料流量制御部102とから構成されている。
【0003】
ガスタービン動力部101は、空気圧縮機110、燃焼器111、ガスタービン112および発電機113で主に構成され、燃焼器111には、予混合燃焼器および拡散燃焼器が併設されている。
【0004】
ガスタービン動力部101は次のように動作する。
大気より空気圧縮機110によって吸引され圧縮された空気は、燃焼器111へ供給される。燃焼器111では、空気圧縮機110より供給された圧縮空気中の酸素を酸化剤とし、燃料供給設備146から供給された燃料が燃焼して、燃焼ガスを生成する。燃焼器111で生成された高温高圧の燃焼ガスは、ガスタービン112に供給され、ガスタービン112は、その燃焼ガスによって回転駆動される。発電機113において、ガスタービン112の回転のエネルギは、電力に変換され、その電力は、遮断器114を介して各電力系統115へ供給される。
【0005】
一方、燃料流量制御部102は、次のように構成されている。
燃料流量制御部102は、燃焼器111に供給される燃料流量全体を制御する燃料流量全体制御部120と、燃焼器111の予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給される燃料流量の割合を制御する燃料流量割合制御部130から構成されている。
【0006】
燃料流量全体制御部120は、低値選択回路部124を備えている。低値選択回路部124では、低値選択回路部124に入力する速度制御燃料流量指令値121、加速度制御燃料流量指令値122、出力制御燃料流量指令値123の各燃料流量指令値から最低値を選択する。選択された最低値は、燃料流量指令値125として、低値選択回路部124から、乗算回路138、143に出力される。
【0007】
燃料流量割合制御部130は、燃焼ガス温度演算部134および負荷割合演算部136から主に構成されている。
燃料流量割合制御部130では、燃焼ガス温度演算部134によって空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132およびガスタービン排ガス温度値133から熱関数的にガスタービン入口燃焼ガス温度が演算される。ここで、IGV開度値131は、空気圧縮機110に流入する空気流量を空気圧縮機入口の案内翼の角度を駆動させて制御するIGV(入口案内翼)の開度値である。このIGVの開度は、所定の設定された開度に段階的に制御される。ガスタービン排ガス温度値133は、ガスタービン出口燃焼ガス温度値である。
【0008】
燃焼ガス温度演算部134で演算された燃焼ガス温度演算値135は、負荷割合演算部136に出力されて、ここで予め設定されたガスタービン入口燃焼ガス温度に対するガスタービン112の運転負荷割合の関数から、ガスタービン112の運転負荷割合が演算される。さらに、負荷割合演算部136では、ガスタービン112の運転負荷割合に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、これを予混合割合値137として乗算回路138および減算回路139に出力する。乗算回路138では、燃料流量指令値125に予混合割合値137を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する予混合燃料流量の割合を算出し、それを予混合燃料流量指令値140として予混合燃料流量調節弁141に出力する。予混合燃料流量調節弁141では、予混合燃料流量指令値140に基づいて弁開度を制御する。
【0009】
また、減算回路139では、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗算回路143に出力する。乗算回路143では、燃料流量指令値125に、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する拡散燃料流量の割合を算出し、それを拡散燃料流量指令値144として拡散燃料流量調節弁145に出力する。拡散燃料流量調節弁145では、拡散燃料流量指令値144に基づいて弁開度を制御する。
【0010】
このように、従来のガスタービン112の燃料流量制御では、空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132、ガスタービン排ガス温度値133等の各運転状態のパラメータから求められた燃焼ガス温度演算値135を用いて、予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給する燃料流量を制御することによって、燃焼モードの切替えを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特許第2667609号公報([請求項1]、[0016]〜[0018]、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
複数の電力系統の一部が事故により遮断器が閉となった場合、これに対応してガスタービンの動力を抑制することが必要となる。つまり、負荷遮断、所内単独運転、系統単独運転等、急激な負荷変動が発生した場合、ガスタービンの動力を抑制するため燃料の供給を絞り込むので、その状態に最適な燃焼モードへの切替えが必要となる。
【0013】
しかしながら、空気圧縮機吐出圧力値、IGV開度値、ガスタービン排ガス温度値等の各運転状態のパラメータから熱関数的に求められた燃焼ガス温度演算値を用いた従来の燃焼モードの切替えでは、負荷遮断等の急激な負荷変動が発生した場合、燃焼ガス温度演算値を出力する燃焼ガス温度演算部の演算処理に時間を要した。そのため、燃焼ガス温度演算値の変化が実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従せず、最適な燃焼モードの切替えができないという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ガスタービンの運転状態のパラメータの演算から求められた燃焼ガス温度演算値の変化が実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従しないような負荷遮断等が発生した場合においても、実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えができるガスタービンシステムおよびその運転方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガスタービンシステムは、予混合燃焼部および拡散燃焼部を有する燃焼器と、前記燃焼器から排出される燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、前記ガスタービンの運転状態からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する燃焼ガス温度演算部と、前記燃焼ガス温度演算部における前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果から前記ガスタービンの運転負荷割合を演算し、前記ガスタービンの運転負荷割合の演算結果から前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合を演算する負荷割合演算部と、前記負荷割合演算部における前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合の演算結果から前記予混合燃焼部および前記拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御する燃料流量制御部とを備えたガスタービンシステムにおいて、燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する、前記燃焼ガス温度演算部とは別個の突変用燃焼ガス温度演算部と、前記ガスタービンの運転状態の突変発生を検知する突変運転検知部とを備え、前記突変運転検知部によって突変発生が検知された場合には、前記突変用燃焼ガス温度演算部における前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果を前記負荷割合演算部に出力し、前記予混合燃焼部および前記拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。また、ガスタービンの運転負荷に応じて、予混合燃焼器と拡散燃焼器に供給する燃料流量の割合を制御しているので、火炎安定が図れる範囲で、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を増加することにより、NOxの生成を抑制することができる。さらに、このガスタービンシステムでは、NOx排出濃度をガスタービンのNOx排出規制値以下に抑えることができる。
【0017】
また、本発明のガスタービンシステムの運転方法は、ガスタービンの運転状態の突変発生を検知するステップと、前記ガスタービンの運転状態の突変発生が検知された場合、燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するステップと、前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果から前記ガスタービンの運転負荷割合を演算し、予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合を演算するステップと、前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合の演算結果から予混合燃焼部および拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御するステップとを有することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービンシステムとその運転方法について図面を参照して説明する。なお、従来のガスタービンシステムの構成と同一部分には同符号を付す。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すガスタービンシステムである。
ガスタービンシステム1は、ガスタービン動力部101と燃料流量制御部2から構成されている。
【0021】
ガスタービン動力部101は、空気圧縮機110、燃焼器111、ガスタービン112および発電機113から主に構成され、燃焼器111には、予混合燃焼器および拡散燃焼器が併設されている。
【0022】
拡散燃焼器は、燃料と空気をそれぞれ別個に燃焼領域に供給し、供給された燃料と空気を燃焼器111内で、拡散、混合させながら燃焼反応を行わせるものである。このような燃焼反応を行う拡散燃焼では、燃料と空気の混合比が可燃範囲内にある領域で燃焼反応が行われるため、燃焼反応を伴う各局所領域の燃料と空気の混合比は可燃範囲内で広く分布している。そのため、燃焼器111に供給される空気と燃料の割合から全体として空燃比が大きな状態であっても、化学量論付近の混合比で燃焼反応が行われている領域も多く存在し、そのような領域では火炎温度が高い。このように、拡散燃焼における火炎では、火炎温度の高い領域が存在するので、火炎が安定している。そこで、火炎が不安定になりやすい低燃料流量で運転を行うガスタービン112の低負荷運転時には、拡散燃焼器に予混合燃焼器よりも多くの燃料流量が供給される。
【0023】
一方、予混合燃焼器は、予め燃料と空気とを混合した予混合気を燃焼領域に供給するもので、その供給された予混合気は、燃焼器111内で燃焼反応を行う。燃焼器111に供給される予混合気は、空燃比の大きい希薄予混合気であるため、それを燃焼させる希薄予混合燃焼は、拡散燃焼に比べて、火炎温度が低く、火炎が不安定になりやすい。そのため、予混合燃焼は、比較的火炎が安定する大きな燃料流量で運転を行うガスタービン112の高負荷運転時に適している。そこで、ガスタービン112の高負荷運転時には、予混合燃焼器に予拡散燃焼器よりも多くの燃料流量が供給される。また、希薄予混合燃焼は、燃料と空気が均一に混合された希薄予混合気の状態で燃焼反応が進むため、燃焼器111内で局所的な高温領域が形成されず、NOxの生成を抑制することができる。
【0024】
次に、ガスタービン動力部101の動作について説明する。
大気より空気圧縮機110によって吸引され圧縮された空気は、燃焼器111へ供給される。燃焼器111では、空気圧縮機110より供給された圧縮空気中の酸素を酸化剤とし、燃料供給設備146から供給された燃料が燃焼して、燃焼ガスを生成する。燃焼器111で生成された高温高圧の燃焼ガスは、ガスタービン112に供給され、ガスタービン112は、その燃焼ガスによって回転駆動される。発電機113において、ガスタービン112の回転エネルギは、電力に変換され、その電力は、遮断器114を介して各電力系統115へ供給される。
【0025】
次に、燃料流量制御部2の構成について説明する。
燃料流量制御部2は、燃焼器111に供給される燃料流量全体を制御する燃料流量全体制御部120と、燃焼器111の予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給される燃料流量の割合を制御する燃料流量割合制御部3とから構成されている。
【0026】
燃料流量全体制御部120は、低値選択回路部124を備えている。低値選択回路部124では、低値選択回路部124に入力する速度制御燃料流量指令値121、加速度制御燃料流量指令値122、出力制御燃料流量指令値123の各燃料流量指令値から最低値を選択する。選択された最低値は、燃料流量指令値125として、低値選択回路部124から、乗算回路138、143に出力される。
【0027】
燃料流量割合制御部3は、突変運転検知部10、突変用燃焼ガス温度演算部11、燃焼ガス温度演算部134、演算回路切替部12および負荷割合演算部136から主に構成されている。
【0028】
突変運転検知部10は、常に燃料流量指令値125を受信し、その値の変化からガスタービン112の運転状態を判定し、ガスタービン112の突変発生を検知するものである。
【0029】
突変用燃焼ガス温度演算部11は、ガスタービン112の突変時に、燃料流量指令値125からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するものである。
【0030】
燃焼ガス温度演算部134は、ガスタービン112の通常運転時に、空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132、ガスタービン排ガス温度値133から熱関数的にガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するものである。
【0031】
演算回路切替部12は、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路を、ガスタービン112の通常運転時には燃焼ガス温度演算部134側に、ガスタービン112の突変時には突変用燃焼ガス温度演算部11側に切替えるものである。
【0032】
負荷割合演算部136は、燃焼ガス温度演算部134または突変用燃焼ガス温度演算部11で演算されたガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果に基づいて、ガスタービンの運転負荷割合を演算するものである。また、負荷割合演算部136では、ガスタービンの運転負荷割合の演算結果に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、予混合割合値137を出力する。
【0033】
上記した突変運転検知部10の構成および動作について、図1および2を参照してさらに詳しく説明する。図2は、突変運転検知部10の具体的な回路の一例を示す。
突変運転検知部10は、燃料流量指令値の単位時間あたりの変化率を算出する変化率演算回路301、入力される値をその絶対値を取った値に変換する絶対値演算回路303、入力される値と所定の定められた規定値とを比較する比較演算回路305および信号が連続的に入力されるときはその間において、また、信号が途絶えた後も所定時間は信号を出力し続ける遅延復帰タイマ307で主に構成されている。
【0034】
次に、突変運転検知部10における信号値の流れについて説明する。
低値選択回路部124から出力された燃料流量指令値125は、変化率演算回路301によって、その単位時間あたりの変化率が算出されて、燃料流量指令変化率値302に変換される。変換された燃料流量指令変化率値302は、絶対値演算回路303によって、その絶対値が取られ、燃料流量指令変化率絶対値304に変換される。燃料流量指令変化率絶対値304は、比較演算回路305によって、規定値以上であると判定された場合、規定値超過信号306に変換され、遅延復帰タイマ307に出力される。なお、燃料流量指令変化率絶対値304が、規定値より小さいと判定された場合には、規定値超過信号306は出力されない。遅延復帰タイマ307では、規定値超過信号306の入力が瞬時のものであっても60秒間はその規定値超過信号306が入力されているものとして、突変発生信号13を演算回路切替部12に出力し続ける。また、遅延復帰タイマ307では、規定値超過信号306が連続的に入力されるときはその間において、また、規定値超過信号306が途絶えた後も60秒間は突変発生信号13を出力し続ける。なお、遅延復帰タイマ307による遅延時間は、60秒に限るものではなく、これ以外の時間設定でもよい。
【0035】
次に、図1を参照して、燃料流量制御部2の動作について説明する。
まず、ガスタービン112の運転負荷変動が規定値より小さく抑えられる通常起動、ベースロード運転、通常停止等のガスタービン112の通常運転の場合における燃料流量制御について説明する。通常運転の場合は、演算回路切替部12によって、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路が燃焼ガス温度演算部134側に接続される。
【0036】
燃焼ガス温度演算部134において、空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132およびガスタービン排ガス温度値133から熱関数的にガスタービン入口燃焼ガス温度が演算される。ここで、IGV開度値131は、空気圧縮機110に流入する空気流量を空気圧縮機入口の案内翼の角度を駆動させて制御するIGV(入口案内翼)の開度値である。このIGVの開度は、所定の設定された開度に段階的に制御される。ガスタービン排ガス温度値133は、ガスタービン出口燃焼ガス温度値である。
【0037】
燃焼ガス温度演算部134で演算された燃焼ガス温度演算値135は、負荷割合演算部136に出力されて、ここで予め設定されたガスタービン入口燃焼ガス温度に対するガスタービン112の運転負荷割合の関数から、ガスタービン112の運転負荷割合が演算される。さらに、負荷割合演算部136では、ガスタービン112の運転負荷割合に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、これを予混合割合値137として乗算回路138および減算回路139に出力する。乗算回路138では、燃料流量指令値125に予混合割合値137を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する予混合燃料流量の割合を算出し、それを予混合燃料流量指令値140として予混合燃料流量調節弁141に出力する。予混合燃料流量調節弁141では、その予混合燃料流量指令値140に基づいて弁開度を制御する。
【0038】
また、減算回路139では、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗算回路143に出力する。乗算回路143では、燃料流量指令値125に、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する拡散燃料流量の割合を算出し、それを拡散燃料流量指令値144として拡散燃料流量調節弁145に出力する。拡散燃料流量調節弁145では、その拡散燃料流量指令値144に基づいて弁開度を制御する。
【0039】
ここで、負荷割合演算部136により演算されたガスタービン112の運転負荷割合が低い場合には、拡散燃焼器に予混合燃焼器よりも多くの燃料流量が供給されるので、拡散燃料流量指令値144は、予混合燃料流量指令値140よりも大きくなる。逆に、演算されたガスタービン112の運転負荷割合が高い場合には、予混合燃焼器に拡散燃焼器よりも多くの燃料流量が供給されるので、予混合燃料流量指令値140は、拡散燃料流量指令値144よりも大きくなる。
【0040】
次に、突変運転検知部10において、ガスタービン112の運転状態の突変が検知された場合の燃料流量制御について説明する。
突変運転検知部10から演算回路切替部12に突変発生信号13が出力されると、演算回路切替部12によってガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路が突変用燃焼ガス温度演算部11側に切替えられる。突変用燃焼ガス温度演算部11では、燃料流量指令値125を受け、ここで予め関数化された燃料流量とガスタービン入口燃焼ガス温度の関係を用い、燃料流量指令値125からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する。その演算結果は、突変用燃焼ガス温度演算値14として演算回路切替部12を介して負荷割合演算部136に出力され、そこで予め設定されたガスタービン入口燃焼ガス温度に対するガスタービン112の運転負荷割合の関数から、ガスタービン112の運転負荷割合が演算される。さらに、負荷割合演算部136では、ガスタービン112の運転負荷割合に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、これを予混合割合値137として乗算回路138および減算回路139に出力する。乗算回路138では、燃料流量指令値125に予混合割合値137を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する予混合燃料流量の割合を算出し、それを予混合燃料流量指令値140として予混合燃料流量調節弁141に出力する。予混合燃料流量調節弁141では、予混合燃料流量指令値140に基づいて弁開度を制御する。
【0041】
また、減算回路139では、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗算回路143に出力する。乗算回路143では、燃料流量指令値125に、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する拡散燃料流量の割合を算出し、それを拡散燃料流量指令値144として拡散燃料流量調節弁145に出力する。拡散燃料流量調節弁145では、拡散燃料流量指令値144に基づいて弁開度を制御する。
【0042】
次に、図1および3を参照して、燃料流量制御の流れ50の一例を説明する。
図3に示した燃料流量制御制御では、まず、第1の判定ステップ51で、ガスタービン112の運転を続けるか否かを判定する。ここで、判定がNoの場合、ガスタービン112の運転は停止される。また、判定がYesの場合、第2の判定ステップ52に進む。
【0043】
第2の判定ステップ52では、突変運転検知部10によりガスタービン112の突変が発生しているか否かが判定される。ここで、判定がNoの場合、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路は、演算回路切替部12によって、燃焼ガス温度演算部134側の回路に切替えられる。この場合、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算が燃焼ガス温度演算部134側の回路で行われるため、燃料流量制御は、上記したガスタービン112の通常運転の場合における制御によって行われる。また、第2の判定ステップ52での判定がYesの場合、演算回路切替部12によって、突変用燃焼ガス温度演算部11側の回路に切替えられる。この場合、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算が突変用燃焼ガス温度演算部11側の回路で行われるため、燃料流量制御は、上記したガスタービン112の突変が検知された場合における制御によって行われる。
【0044】
上記した一実施の形態では、突変運転検知部を設け、突変運転検知部からの信号により、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路を、ガスタービンの定常運転時と突変発生時で切替えることができる。これによって、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。また、ガスタービンの運転負荷に応じて、予混合燃焼器と拡散燃焼器に供給する燃料流量の割合を制御しているので、火炎安定が図れる範囲で、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を増加することにより、NOxの生成を抑制することができる。
【0045】
図4は、本発明に係るガスタービンシステムとその運転方法の第2の実施の形態を示している。なお、第1の実施の形態の構成部分と同一部分には同一符号を付し、異なる構成部分についてのみ説明する。
【0046】
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成に大気温度出力部20を付加したものである。
大気温度出力部20は、例えば熱起電力を利用した熱電対などを用いることができるが、これに限らず、温度を電気的な信号として出力できる温度センサであれば用いることができる。
【0047】
大気温度出力部20は、大気温度を大気温度値21に変換し、その大気温度値21を突変用燃焼ガス温度演算部11に出力する。突変用燃焼ガス温度演算部11では、大気温度値21を用いて、予め関数化された燃料流量とガスタービン入口燃焼ガス温度の関数に大気温度による補正を行う。
【0048】
燃料流量とガスタービン入口燃焼ガス温度の関数に大気温度による補正を行うことで、負荷割合演算部136の演算に用いられる突変用燃焼ガス温度演算値14が実際のガスタービン入口燃焼ガス温度に近い値となるため、第1の実施の形態の効果に加え、実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化により追従した燃焼モードの切替えが可能となる。
【0049】
図5は、本発明に係るガスタービンシステムとその運転方法の第3の実施の形態を示している。なお、第1および2の実施の形態の構成部分と同一部分には同一符号を付し、異なる構成部分についてのみ説明する。
【0050】
第3の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成にフィルタ回路部30を付加したものである。
フィルタ回路部30では、燃料流量指令値125の高周波成分の値と燃料流量指令値125との相関によって決定されるフィルタ特性を有する低域フィルタ、帯域フィルタ、帯域阻止フィルタなどのフィルタが用いられる。
【0051】
突変用燃焼ガス温度演算部11には、フィルタ回路部30で高周波成分が除去された燃料流量指令値125が入力される。つまり、燃料流量指令値125にノイズ等の異常値が含まれていても、フィルタ回路部30により、その突変値は除去され、突変用燃焼ガス温度演算部11には、安定した燃料流量指令値125が常に出力される。
【0052】
燃料流量指令値125の高周波成分を除去することで、第1の実施の形態の効果に加え、突変用燃焼ガス温度演算値14の異常値の発生を防止でき、安定した燃焼モードの切替えができる。
【0053】
また、第3の実施の形態の構成に、第2の実施の形態の大気温度出力部20を付加した実施の形態も構成することができる。この構成にすることで、第1の実施の形態の効果に加え、安定で且つ実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のガスタービンシステムおよびその運転方法によれば、突変運転検知部を設けて、突変運転検知部からの信号により、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路を、ガスタービンの定常運転時と突変発生時で切替えることができる。また、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、ガスタービンの突変が発生した場合にも安定で且つ実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えができ、安定したガスタービンシステムの運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成図。
【図2】突変運転検知部の構成図。
【図3】燃料流量制御の流れ図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の構成図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の構成図。
【図6】ガスタービン発電設備における従来の燃料流量制御の構成図。
【符号の説明】
1…ガスタービンシステム、2…燃料流量制御部、3…燃料流量割合制御部、10…突変運転検知部、11…突変用燃焼ガス温度演算部、12…演算回路切替部、13…突変発生信号、14…突変用燃焼ガス温度演算値、101…ガスタービン動力部、110…空気圧縮機、111…燃焼器、112…ガスタービン、113…発電機、114…遮断器、115…電力系統、120…燃料流量全体制御部、121…速度制御燃料流量指令値、122…加速度制御燃料流量指令値、123…出力制御燃料流量指令値、124…低値選択回路部、125…燃料流量指令値、131…空気圧縮機吐出圧力値、132…IGV開度値、133…ガスタービン排ガス温度値、134…燃焼ガス温度演算部、135…燃焼ガス温度演算値、136…負荷割合演算部、137…予混合割合値、138、143…乗算回路、139…減算回路、140…予混合燃料流量指令値、141…予混合燃料流量調節弁、142…拡散割合値(100%)、144…拡散燃料流量指令値、145…拡散燃料流量調節弁、146…燃料供給設備、301…変化率演算回路、302…燃料流量指令変化率値、303…絶対値演算回路、304…燃料流量指令変化率絶対値、305…比較演算回路、306…規定値超過信号、307…遅延復帰タイマ
【発明の属する技術分野】
本発明は、予混合燃焼部および拡散燃焼部を有する燃焼器を備えたガスタービンシステムとその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のガスタービンシステム100の構成の概略を示す。
従来のガスタービンシステム100は、ガスタービン動力部101と燃料流量制御部102とから構成されている。
【0003】
ガスタービン動力部101は、空気圧縮機110、燃焼器111、ガスタービン112および発電機113で主に構成され、燃焼器111には、予混合燃焼器および拡散燃焼器が併設されている。
【0004】
ガスタービン動力部101は次のように動作する。
大気より空気圧縮機110によって吸引され圧縮された空気は、燃焼器111へ供給される。燃焼器111では、空気圧縮機110より供給された圧縮空気中の酸素を酸化剤とし、燃料供給設備146から供給された燃料が燃焼して、燃焼ガスを生成する。燃焼器111で生成された高温高圧の燃焼ガスは、ガスタービン112に供給され、ガスタービン112は、その燃焼ガスによって回転駆動される。発電機113において、ガスタービン112の回転のエネルギは、電力に変換され、その電力は、遮断器114を介して各電力系統115へ供給される。
【0005】
一方、燃料流量制御部102は、次のように構成されている。
燃料流量制御部102は、燃焼器111に供給される燃料流量全体を制御する燃料流量全体制御部120と、燃焼器111の予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給される燃料流量の割合を制御する燃料流量割合制御部130から構成されている。
【0006】
燃料流量全体制御部120は、低値選択回路部124を備えている。低値選択回路部124では、低値選択回路部124に入力する速度制御燃料流量指令値121、加速度制御燃料流量指令値122、出力制御燃料流量指令値123の各燃料流量指令値から最低値を選択する。選択された最低値は、燃料流量指令値125として、低値選択回路部124から、乗算回路138、143に出力される。
【0007】
燃料流量割合制御部130は、燃焼ガス温度演算部134および負荷割合演算部136から主に構成されている。
燃料流量割合制御部130では、燃焼ガス温度演算部134によって空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132およびガスタービン排ガス温度値133から熱関数的にガスタービン入口燃焼ガス温度が演算される。ここで、IGV開度値131は、空気圧縮機110に流入する空気流量を空気圧縮機入口の案内翼の角度を駆動させて制御するIGV(入口案内翼)の開度値である。このIGVの開度は、所定の設定された開度に段階的に制御される。ガスタービン排ガス温度値133は、ガスタービン出口燃焼ガス温度値である。
【0008】
燃焼ガス温度演算部134で演算された燃焼ガス温度演算値135は、負荷割合演算部136に出力されて、ここで予め設定されたガスタービン入口燃焼ガス温度に対するガスタービン112の運転負荷割合の関数から、ガスタービン112の運転負荷割合が演算される。さらに、負荷割合演算部136では、ガスタービン112の運転負荷割合に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、これを予混合割合値137として乗算回路138および減算回路139に出力する。乗算回路138では、燃料流量指令値125に予混合割合値137を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する予混合燃料流量の割合を算出し、それを予混合燃料流量指令値140として予混合燃料流量調節弁141に出力する。予混合燃料流量調節弁141では、予混合燃料流量指令値140に基づいて弁開度を制御する。
【0009】
また、減算回路139では、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗算回路143に出力する。乗算回路143では、燃料流量指令値125に、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する拡散燃料流量の割合を算出し、それを拡散燃料流量指令値144として拡散燃料流量調節弁145に出力する。拡散燃料流量調節弁145では、拡散燃料流量指令値144に基づいて弁開度を制御する。
【0010】
このように、従来のガスタービン112の燃料流量制御では、空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132、ガスタービン排ガス温度値133等の各運転状態のパラメータから求められた燃焼ガス温度演算値135を用いて、予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給する燃料流量を制御することによって、燃焼モードの切替えを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特許第2667609号公報([請求項1]、[0016]〜[0018]、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
複数の電力系統の一部が事故により遮断器が閉となった場合、これに対応してガスタービンの動力を抑制することが必要となる。つまり、負荷遮断、所内単独運転、系統単独運転等、急激な負荷変動が発生した場合、ガスタービンの動力を抑制するため燃料の供給を絞り込むので、その状態に最適な燃焼モードへの切替えが必要となる。
【0013】
しかしながら、空気圧縮機吐出圧力値、IGV開度値、ガスタービン排ガス温度値等の各運転状態のパラメータから熱関数的に求められた燃焼ガス温度演算値を用いた従来の燃焼モードの切替えでは、負荷遮断等の急激な負荷変動が発生した場合、燃焼ガス温度演算値を出力する燃焼ガス温度演算部の演算処理に時間を要した。そのため、燃焼ガス温度演算値の変化が実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従せず、最適な燃焼モードの切替えができないという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ガスタービンの運転状態のパラメータの演算から求められた燃焼ガス温度演算値の変化が実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従しないような負荷遮断等が発生した場合においても、実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えができるガスタービンシステムおよびその運転方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガスタービンシステムは、予混合燃焼部および拡散燃焼部を有する燃焼器と、前記燃焼器から排出される燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、前記ガスタービンの運転状態からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する燃焼ガス温度演算部と、前記燃焼ガス温度演算部における前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果から前記ガスタービンの運転負荷割合を演算し、前記ガスタービンの運転負荷割合の演算結果から前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合を演算する負荷割合演算部と、前記負荷割合演算部における前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合の演算結果から前記予混合燃焼部および前記拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御する燃料流量制御部とを備えたガスタービンシステムにおいて、燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する、前記燃焼ガス温度演算部とは別個の突変用燃焼ガス温度演算部と、前記ガスタービンの運転状態の突変発生を検知する突変運転検知部とを備え、前記突変運転検知部によって突変発生が検知された場合には、前記突変用燃焼ガス温度演算部における前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果を前記負荷割合演算部に出力し、前記予混合燃焼部および前記拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。また、ガスタービンの運転負荷に応じて、予混合燃焼器と拡散燃焼器に供給する燃料流量の割合を制御しているので、火炎安定が図れる範囲で、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を増加することにより、NOxの生成を抑制することができる。さらに、このガスタービンシステムでは、NOx排出濃度をガスタービンのNOx排出規制値以下に抑えることができる。
【0017】
また、本発明のガスタービンシステムの運転方法は、ガスタービンの運転状態の突変発生を検知するステップと、前記ガスタービンの運転状態の突変発生が検知された場合、燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するステップと、前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果から前記ガスタービンの運転負荷割合を演算し、予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合を演算するステップと、前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合の演算結果から予混合燃焼部および拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御するステップとを有することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービンシステムとその運転方法について図面を参照して説明する。なお、従来のガスタービンシステムの構成と同一部分には同符号を付す。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すガスタービンシステムである。
ガスタービンシステム1は、ガスタービン動力部101と燃料流量制御部2から構成されている。
【0021】
ガスタービン動力部101は、空気圧縮機110、燃焼器111、ガスタービン112および発電機113から主に構成され、燃焼器111には、予混合燃焼器および拡散燃焼器が併設されている。
【0022】
拡散燃焼器は、燃料と空気をそれぞれ別個に燃焼領域に供給し、供給された燃料と空気を燃焼器111内で、拡散、混合させながら燃焼反応を行わせるものである。このような燃焼反応を行う拡散燃焼では、燃料と空気の混合比が可燃範囲内にある領域で燃焼反応が行われるため、燃焼反応を伴う各局所領域の燃料と空気の混合比は可燃範囲内で広く分布している。そのため、燃焼器111に供給される空気と燃料の割合から全体として空燃比が大きな状態であっても、化学量論付近の混合比で燃焼反応が行われている領域も多く存在し、そのような領域では火炎温度が高い。このように、拡散燃焼における火炎では、火炎温度の高い領域が存在するので、火炎が安定している。そこで、火炎が不安定になりやすい低燃料流量で運転を行うガスタービン112の低負荷運転時には、拡散燃焼器に予混合燃焼器よりも多くの燃料流量が供給される。
【0023】
一方、予混合燃焼器は、予め燃料と空気とを混合した予混合気を燃焼領域に供給するもので、その供給された予混合気は、燃焼器111内で燃焼反応を行う。燃焼器111に供給される予混合気は、空燃比の大きい希薄予混合気であるため、それを燃焼させる希薄予混合燃焼は、拡散燃焼に比べて、火炎温度が低く、火炎が不安定になりやすい。そのため、予混合燃焼は、比較的火炎が安定する大きな燃料流量で運転を行うガスタービン112の高負荷運転時に適している。そこで、ガスタービン112の高負荷運転時には、予混合燃焼器に予拡散燃焼器よりも多くの燃料流量が供給される。また、希薄予混合燃焼は、燃料と空気が均一に混合された希薄予混合気の状態で燃焼反応が進むため、燃焼器111内で局所的な高温領域が形成されず、NOxの生成を抑制することができる。
【0024】
次に、ガスタービン動力部101の動作について説明する。
大気より空気圧縮機110によって吸引され圧縮された空気は、燃焼器111へ供給される。燃焼器111では、空気圧縮機110より供給された圧縮空気中の酸素を酸化剤とし、燃料供給設備146から供給された燃料が燃焼して、燃焼ガスを生成する。燃焼器111で生成された高温高圧の燃焼ガスは、ガスタービン112に供給され、ガスタービン112は、その燃焼ガスによって回転駆動される。発電機113において、ガスタービン112の回転エネルギは、電力に変換され、その電力は、遮断器114を介して各電力系統115へ供給される。
【0025】
次に、燃料流量制御部2の構成について説明する。
燃料流量制御部2は、燃焼器111に供給される燃料流量全体を制御する燃料流量全体制御部120と、燃焼器111の予混合燃焼器および拡散燃焼器に供給される燃料流量の割合を制御する燃料流量割合制御部3とから構成されている。
【0026】
燃料流量全体制御部120は、低値選択回路部124を備えている。低値選択回路部124では、低値選択回路部124に入力する速度制御燃料流量指令値121、加速度制御燃料流量指令値122、出力制御燃料流量指令値123の各燃料流量指令値から最低値を選択する。選択された最低値は、燃料流量指令値125として、低値選択回路部124から、乗算回路138、143に出力される。
【0027】
燃料流量割合制御部3は、突変運転検知部10、突変用燃焼ガス温度演算部11、燃焼ガス温度演算部134、演算回路切替部12および負荷割合演算部136から主に構成されている。
【0028】
突変運転検知部10は、常に燃料流量指令値125を受信し、その値の変化からガスタービン112の運転状態を判定し、ガスタービン112の突変発生を検知するものである。
【0029】
突変用燃焼ガス温度演算部11は、ガスタービン112の突変時に、燃料流量指令値125からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するものである。
【0030】
燃焼ガス温度演算部134は、ガスタービン112の通常運転時に、空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132、ガスタービン排ガス温度値133から熱関数的にガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するものである。
【0031】
演算回路切替部12は、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路を、ガスタービン112の通常運転時には燃焼ガス温度演算部134側に、ガスタービン112の突変時には突変用燃焼ガス温度演算部11側に切替えるものである。
【0032】
負荷割合演算部136は、燃焼ガス温度演算部134または突変用燃焼ガス温度演算部11で演算されたガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果に基づいて、ガスタービンの運転負荷割合を演算するものである。また、負荷割合演算部136では、ガスタービンの運転負荷割合の演算結果に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、予混合割合値137を出力する。
【0033】
上記した突変運転検知部10の構成および動作について、図1および2を参照してさらに詳しく説明する。図2は、突変運転検知部10の具体的な回路の一例を示す。
突変運転検知部10は、燃料流量指令値の単位時間あたりの変化率を算出する変化率演算回路301、入力される値をその絶対値を取った値に変換する絶対値演算回路303、入力される値と所定の定められた規定値とを比較する比較演算回路305および信号が連続的に入力されるときはその間において、また、信号が途絶えた後も所定時間は信号を出力し続ける遅延復帰タイマ307で主に構成されている。
【0034】
次に、突変運転検知部10における信号値の流れについて説明する。
低値選択回路部124から出力された燃料流量指令値125は、変化率演算回路301によって、その単位時間あたりの変化率が算出されて、燃料流量指令変化率値302に変換される。変換された燃料流量指令変化率値302は、絶対値演算回路303によって、その絶対値が取られ、燃料流量指令変化率絶対値304に変換される。燃料流量指令変化率絶対値304は、比較演算回路305によって、規定値以上であると判定された場合、規定値超過信号306に変換され、遅延復帰タイマ307に出力される。なお、燃料流量指令変化率絶対値304が、規定値より小さいと判定された場合には、規定値超過信号306は出力されない。遅延復帰タイマ307では、規定値超過信号306の入力が瞬時のものであっても60秒間はその規定値超過信号306が入力されているものとして、突変発生信号13を演算回路切替部12に出力し続ける。また、遅延復帰タイマ307では、規定値超過信号306が連続的に入力されるときはその間において、また、規定値超過信号306が途絶えた後も60秒間は突変発生信号13を出力し続ける。なお、遅延復帰タイマ307による遅延時間は、60秒に限るものではなく、これ以外の時間設定でもよい。
【0035】
次に、図1を参照して、燃料流量制御部2の動作について説明する。
まず、ガスタービン112の運転負荷変動が規定値より小さく抑えられる通常起動、ベースロード運転、通常停止等のガスタービン112の通常運転の場合における燃料流量制御について説明する。通常運転の場合は、演算回路切替部12によって、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路が燃焼ガス温度演算部134側に接続される。
【0036】
燃焼ガス温度演算部134において、空気圧縮機吐出圧力値131、IGV開度値132およびガスタービン排ガス温度値133から熱関数的にガスタービン入口燃焼ガス温度が演算される。ここで、IGV開度値131は、空気圧縮機110に流入する空気流量を空気圧縮機入口の案内翼の角度を駆動させて制御するIGV(入口案内翼)の開度値である。このIGVの開度は、所定の設定された開度に段階的に制御される。ガスタービン排ガス温度値133は、ガスタービン出口燃焼ガス温度値である。
【0037】
燃焼ガス温度演算部134で演算された燃焼ガス温度演算値135は、負荷割合演算部136に出力されて、ここで予め設定されたガスタービン入口燃焼ガス温度に対するガスタービン112の運転負荷割合の関数から、ガスタービン112の運転負荷割合が演算される。さらに、負荷割合演算部136では、ガスタービン112の運転負荷割合に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、これを予混合割合値137として乗算回路138および減算回路139に出力する。乗算回路138では、燃料流量指令値125に予混合割合値137を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する予混合燃料流量の割合を算出し、それを予混合燃料流量指令値140として予混合燃料流量調節弁141に出力する。予混合燃料流量調節弁141では、その予混合燃料流量指令値140に基づいて弁開度を制御する。
【0038】
また、減算回路139では、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗算回路143に出力する。乗算回路143では、燃料流量指令値125に、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する拡散燃料流量の割合を算出し、それを拡散燃料流量指令値144として拡散燃料流量調節弁145に出力する。拡散燃料流量調節弁145では、その拡散燃料流量指令値144に基づいて弁開度を制御する。
【0039】
ここで、負荷割合演算部136により演算されたガスタービン112の運転負荷割合が低い場合には、拡散燃焼器に予混合燃焼器よりも多くの燃料流量が供給されるので、拡散燃料流量指令値144は、予混合燃料流量指令値140よりも大きくなる。逆に、演算されたガスタービン112の運転負荷割合が高い場合には、予混合燃焼器に拡散燃焼器よりも多くの燃料流量が供給されるので、予混合燃料流量指令値140は、拡散燃料流量指令値144よりも大きくなる。
【0040】
次に、突変運転検知部10において、ガスタービン112の運転状態の突変が検知された場合の燃料流量制御について説明する。
突変運転検知部10から演算回路切替部12に突変発生信号13が出力されると、演算回路切替部12によってガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路が突変用燃焼ガス温度演算部11側に切替えられる。突変用燃焼ガス温度演算部11では、燃料流量指令値125を受け、ここで予め関数化された燃料流量とガスタービン入口燃焼ガス温度の関係を用い、燃料流量指令値125からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する。その演算結果は、突変用燃焼ガス温度演算値14として演算回路切替部12を介して負荷割合演算部136に出力され、そこで予め設定されたガスタービン入口燃焼ガス温度に対するガスタービン112の運転負荷割合の関数から、ガスタービン112の運転負荷割合が演算される。さらに、負荷割合演算部136では、ガスタービン112の運転負荷割合に基づいて、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を算出し、これを予混合割合値137として乗算回路138および減算回路139に出力する。乗算回路138では、燃料流量指令値125に予混合割合値137を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する予混合燃料流量の割合を算出し、それを予混合燃料流量指令値140として予混合燃料流量調節弁141に出力する。予混合燃料流量調節弁141では、予混合燃料流量指令値140に基づいて弁開度を制御する。
【0041】
また、減算回路139では、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗算回路143に出力する。乗算回路143では、燃料流量指令値125に、拡散割合値(100%)142から予混合割合値137を減じた値を乗じて、燃焼器111に供給される燃料流量全体に対する拡散燃料流量の割合を算出し、それを拡散燃料流量指令値144として拡散燃料流量調節弁145に出力する。拡散燃料流量調節弁145では、拡散燃料流量指令値144に基づいて弁開度を制御する。
【0042】
次に、図1および3を参照して、燃料流量制御の流れ50の一例を説明する。
図3に示した燃料流量制御制御では、まず、第1の判定ステップ51で、ガスタービン112の運転を続けるか否かを判定する。ここで、判定がNoの場合、ガスタービン112の運転は停止される。また、判定がYesの場合、第2の判定ステップ52に進む。
【0043】
第2の判定ステップ52では、突変運転検知部10によりガスタービン112の突変が発生しているか否かが判定される。ここで、判定がNoの場合、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路は、演算回路切替部12によって、燃焼ガス温度演算部134側の回路に切替えられる。この場合、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算が燃焼ガス温度演算部134側の回路で行われるため、燃料流量制御は、上記したガスタービン112の通常運転の場合における制御によって行われる。また、第2の判定ステップ52での判定がYesの場合、演算回路切替部12によって、突変用燃焼ガス温度演算部11側の回路に切替えられる。この場合、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算が突変用燃焼ガス温度演算部11側の回路で行われるため、燃料流量制御は、上記したガスタービン112の突変が検知された場合における制御によって行われる。
【0044】
上記した一実施の形態では、突変運転検知部を設け、突変運転検知部からの信号により、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路を、ガスタービンの定常運転時と突変発生時で切替えることができる。これによって、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。また、ガスタービンの運転負荷に応じて、予混合燃焼器と拡散燃焼器に供給する燃料流量の割合を制御しているので、火炎安定が図れる範囲で、予混合燃焼器に供給する燃料流量の割合を増加することにより、NOxの生成を抑制することができる。
【0045】
図4は、本発明に係るガスタービンシステムとその運転方法の第2の実施の形態を示している。なお、第1の実施の形態の構成部分と同一部分には同一符号を付し、異なる構成部分についてのみ説明する。
【0046】
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成に大気温度出力部20を付加したものである。
大気温度出力部20は、例えば熱起電力を利用した熱電対などを用いることができるが、これに限らず、温度を電気的な信号として出力できる温度センサであれば用いることができる。
【0047】
大気温度出力部20は、大気温度を大気温度値21に変換し、その大気温度値21を突変用燃焼ガス温度演算部11に出力する。突変用燃焼ガス温度演算部11では、大気温度値21を用いて、予め関数化された燃料流量とガスタービン入口燃焼ガス温度の関数に大気温度による補正を行う。
【0048】
燃料流量とガスタービン入口燃焼ガス温度の関数に大気温度による補正を行うことで、負荷割合演算部136の演算に用いられる突変用燃焼ガス温度演算値14が実際のガスタービン入口燃焼ガス温度に近い値となるため、第1の実施の形態の効果に加え、実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化により追従した燃焼モードの切替えが可能となる。
【0049】
図5は、本発明に係るガスタービンシステムとその運転方法の第3の実施の形態を示している。なお、第1および2の実施の形態の構成部分と同一部分には同一符号を付し、異なる構成部分についてのみ説明する。
【0050】
第3の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成にフィルタ回路部30を付加したものである。
フィルタ回路部30では、燃料流量指令値125の高周波成分の値と燃料流量指令値125との相関によって決定されるフィルタ特性を有する低域フィルタ、帯域フィルタ、帯域阻止フィルタなどのフィルタが用いられる。
【0051】
突変用燃焼ガス温度演算部11には、フィルタ回路部30で高周波成分が除去された燃料流量指令値125が入力される。つまり、燃料流量指令値125にノイズ等の異常値が含まれていても、フィルタ回路部30により、その突変値は除去され、突変用燃焼ガス温度演算部11には、安定した燃料流量指令値125が常に出力される。
【0052】
燃料流量指令値125の高周波成分を除去することで、第1の実施の形態の効果に加え、突変用燃焼ガス温度演算値14の異常値の発生を防止でき、安定した燃焼モードの切替えができる。
【0053】
また、第3の実施の形態の構成に、第2の実施の形態の大気温度出力部20を付加した実施の形態も構成することができる。この構成にすることで、第1の実施の形態の効果に加え、安定で且つ実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えを行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のガスタービンシステムおよびその運転方法によれば、突変運転検知部を設けて、突変運転検知部からの信号により、ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算回路を、ガスタービンの定常運転時と突変発生時で切替えることができる。また、ガスタービンの突変発生時に、燃料流量指令値を用いて突変用燃焼ガス温度演算部から瞬時に突変用燃焼ガス演算値を出力することができるので、ガスタービンの突変が発生した場合にも安定で且つ実際のガスタービン入口燃焼ガス温度の変化に追従した最適な燃焼モードの切替えができ、安定したガスタービンシステムの運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成図。
【図2】突変運転検知部の構成図。
【図3】燃料流量制御の流れ図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の構成図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の構成図。
【図6】ガスタービン発電設備における従来の燃料流量制御の構成図。
【符号の説明】
1…ガスタービンシステム、2…燃料流量制御部、3…燃料流量割合制御部、10…突変運転検知部、11…突変用燃焼ガス温度演算部、12…演算回路切替部、13…突変発生信号、14…突変用燃焼ガス温度演算値、101…ガスタービン動力部、110…空気圧縮機、111…燃焼器、112…ガスタービン、113…発電機、114…遮断器、115…電力系統、120…燃料流量全体制御部、121…速度制御燃料流量指令値、122…加速度制御燃料流量指令値、123…出力制御燃料流量指令値、124…低値選択回路部、125…燃料流量指令値、131…空気圧縮機吐出圧力値、132…IGV開度値、133…ガスタービン排ガス温度値、134…燃焼ガス温度演算部、135…燃焼ガス温度演算値、136…負荷割合演算部、137…予混合割合値、138、143…乗算回路、139…減算回路、140…予混合燃料流量指令値、141…予混合燃料流量調節弁、142…拡散割合値(100%)、144…拡散燃料流量指令値、145…拡散燃料流量調節弁、146…燃料供給設備、301…変化率演算回路、302…燃料流量指令変化率値、303…絶対値演算回路、304…燃料流量指令変化率絶対値、305…比較演算回路、306…規定値超過信号、307…遅延復帰タイマ
Claims (7)
- 予混合燃焼部および拡散燃焼部を有する燃焼器と、
前記燃焼器から排出される燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、
前記ガスタービンの運転状態からガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する燃焼ガス温度演算部と、
前記燃焼ガス温度演算部における前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果から前記ガスタービンの運転負荷割合を演算し、前記ガスタービンの運転負荷割合の演算結果から前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合を演算する負荷割合演算部と、
前記負荷割合演算部における前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合の演算結果から前記予混合燃焼部および前記拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御する燃料流量制御部と
を備えたガスタービンシステムにおいて、
燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算する、前記燃焼ガス温度演算部とは別個の突変用燃焼ガス温度演算部と、
前記ガスタービンの運転状態の突変発生を検知する突変運転検知部と
を備え、
前記突変運転検知部によって突変発生が検知された場合には、前記突変用燃焼ガス温度演算部における前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果を前記負荷割合演算部に出力し、前記予混合燃焼部および前記拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御することを特徴とするガスタービンシステム。 - 少なくともガスタービン速度制御燃料流量指令値、ガスタービン加速度制御燃料流量指令値およびガスタービン出力制御燃料流量指令値の最低値を選択する最低値選択部を備え、前記燃料流量指令値が、前記最低値選択部で選択された前記最低値であることを特徴とする請求項1記載のガスタービンシステム。
- 大気温度値を出力する大気温度出力部を備え、前記大気温度値を前記突変用燃焼ガス温度演算部に出力し、前記突変用燃焼ガス温度演算部の演算パラメータに大気温度のパラメータを付加したことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービンシステム。
- 前記燃料流量指令値の高周波成分の値と前記燃料流量指令値との相関によって決定されるフィルタ特性を用いて、前記燃料流量指令値の高周波成分を除去するフィルタ回路部を備え、前記燃料流量指令値が前記フィルタ回路部を介して前記突変用燃焼ガス温度演算部に入力されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガスタービンシステム。
- ガスタービンの運転状態の突変発生を検知するステップと、
前記ガスタービンの運転状態の突変発生が検知された場合、燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するステップと、
前記ガスタービン入口燃焼ガス温度の演算結果から前記ガスタービンの運転負荷割合を演算し、予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合を演算するステップと、
前記予混合燃焼部に供給する燃料流量の割合の演算結果から予混合燃焼部および拡散燃焼部に供給する燃料流量の割合を制御するステップと
を有することを特徴とするガスタービンシステムの運転方法。 - 前記燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するステップに、大気温度出力部から出力された大気温度値を演算パラメータとして加えるステップを付加したことを特徴とする請求項5記載のガスタービンシステムの運転方法。
- 前記燃料流量指令値を用いて前記ガスタービン入口燃焼ガス温度を演算するステップの前に、前記燃料流量指令値の高周波成分の値と前記燃料流量指令値との相関によって決定されるフィルタ特性を用いて、前記燃料流量指令値の高周波成分を除去するステップを付加したことを特徴とする請求項5または6記載のガスタービンシステムの運転方法。
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