JP2004103082A - 非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットとそのケース - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナコイルの長さを十分に長くして記録再生装置側とIC部とのクリアな送受信を可能とする非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットを提供する。
【解決手段】記録媒体カセット10側には、IC部57と、別体設置のアンテナ部の送受信信号を授受する端子59T1とを備えるようにし、またその記録媒体カセット10を収容するカセットケース60側には、アンテナ部58と、このアンテナ部58の送受信信号を授受する端子59T2とを備え、前記端子59T1と59T2どうしを接触させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】記録媒体カセット10側には、IC部57と、別体設置のアンテナ部の送受信信号を授受する端子59T1とを備えるようにし、またその記録媒体カセット10を収容するカセットケース60側には、アンテナ部58と、このアンテナ部58の送受信信号を授受する端子59T2とを備え、前記端子59T1と59T2どうしを接触させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気式記録媒体、光磁気ディスク、光ディスク等の光学式記録媒体などを内蔵してなる記録媒体カセット、例えば磁気テープカセットや磁気テープカセット等の記録媒体カセット、およびこの記録媒体カセットを収容するカセットケースとから成るケース収納式カセットに関するもので、特に、情報記憶および信号処理を行うIC部と信号の送受信を行うアンテナ部とを有する非接触式メモリを備えたケース収納式カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、デジタル信号を高密度で記録することができる小型軽量の磁気テープカセットや磁気テープカセットが知られている。例えば、アナログ信号である音声信号をデジタル信号、例えばPCM信号に変換して記録および/または再生するための磁気テープカセットとしてDAT(Digital Audio Tape)が知られている。
また、コンピュータのデータを記録するための、小型の磁気テープカセットや磁気テープカセットとしては、例えば、JISX6127(1992),JISX6129(1993),JISX6130(1996),JISX6141(1993)などにその構造,寸法諸元が規定されているものが知られている。
【0003】
このように、コンピュータ等の外部記憶手段として、例えば、外部記憶装置に用いられる記録媒体等として、特に、コンピュータメモリのバックアップ用の記録媒体として用いられている記録媒体カセットには、単一のリールに磁気テープを巻装し、このリールをカセットケース内に回転自在に収容した1リールタイプのもの、カセットケース内に単一の磁気ディスク(または光磁気ディスク)が回転可能に収容されたタイプのもの、磁気テープを巻回した一対の巻取りハブを収容するタイプのもの(例えば、上述したJIS X6141等にその構造、寸法諸元が規定されている開口部を有するタイプのものを含む)など、各種の磁気テープカセットあるいは磁気テープカセットや磁気(または光磁気)ディスクカセット等が知られている。
これらの磁気テープカセット等の記録媒体カセットは、例えば、コンピュータ等のデータ保存用として用いられ、重要な情報が記録されている。
【0004】
このような磁気テープカセット等の記録媒体カセットには、種々の情報が記録されているが、磁気テープや磁気ディスクや光磁気ディスクや光ディスク等からこれらに記録された情報自体を読み出すことなく、記録されている情報の内容や磁気テープ等の種類などを特定するために、磁気テープ等とは別に、カセットケースに非接触で情報の書き込みや読み出しができる、カセットメモリ(CM)と呼ばれるICチップ化されたICメモリを用いる非接触式メモリを取り付けることが考えられ、実用化が進められている。
このようなカセットメモリの取り付けは、ドライブの設計のバリエーションを拡大することやこのカセットメモリへのゴミの付着や外部からの衝撃に対する保護の観点から、カセット内部に取り付ける内蔵タイプとされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−83482号公報(例えば、第1図)。
【0006】
特許文献1に記載されたカセットメモリは、磁気テープ等の記録媒体以外に情報を記録できるものであり、情報の記憶および信号処理を行うIC部(ICメモリ)と、信号の送受信を行うアンテナ部とを有し、端子等の接続なく非接触でIC部に情報の書き込みや読み出しをすることができるものである。このカセットメモリ自体は無電源であり、磁気情報の記録再生装置側に配置される信号の読取書込手段またはその信号送受信手段であるアンテナから出力された信号を利用して、電磁誘導された誘導電流を用いる電磁誘導方式で動作し、電気信号で情報が記録される。
【0007】
まず、本発明が適用される非接触メモリを使用した対象の1例として、特許文献1に記載された各種例の中から、まず記録媒体カセットについて図2を用いて簡単に説明する。図2は磁気テープカートリッジの一例の概略構成を斜視分解図として示す。この磁気テープカートリッジ(以下、カートリッジとする)10は、JISX6127(1992)、同6129(1993)、同6130(1996)、同6141(1993)あるいはECMA−288等で、その構造,寸法諸元が規定されている、公知の磁気テープカートリッジ(または、磁気テープカセットとも呼ばれている)を、その基本的な構成とするものであって、主に、上ハーフ(上ケース)11および下ハーフ(下ケース)12と、両ハーフ11,12によって形成される筐体(カートリッジケース)内の所定位置において両ハーフ11,12に回転自在に軸支される供給側の巻取ハブ14aおよび巻取側の巻取ハブ14bと、両ハーフ11,12の間に収容され、両巻取ハブ14a、14bに巻回される記録媒体としての磁気テープ16とから構成される。
【0008】
このようなカートリッジ10においては、上ハーフ11の前面側(デッキへのテープ供給側)には、カートリッジ10の非使用時に磁気テープ16を覆って保護する前蓋(リッド)18が、支軸18aを中心に回転可能に取り付けられている。また、下ハーフ12の図中下面(以下、下面とする)には、下ハーフ12に形成される穴等の開放部分を塞いで密閉性を高めるためのスライダ20が、下ハーフ12下面に摺動して前面〜背面方向(以下、これを前後方向、直交する方向を左右(横)方向とする)に移動可能に係合される。すなわち、下ハーフ12の外側下面には、ケース下側の開放部分を塞いで密閉性を高めるため、スライダ20が前後方向摺動可能に取り付けられている。
【0009】
カートリッジ10には、非使用時に巻取ハブ14a,14bに巻回された磁気テープ16が弛むのを防止するために、上ハーフ11にブレーキ部材22が付設されている。ブレーキ部材22は、2つの制動片22a,22bを有し、制動片22aを巻取ハブ14aの上部に設けられた歯車15aに、制動片22bを巻取ハブ14bの上部に設けられた歯車15bに、それぞれ係合させることにより、両巻取ハブ14a、14bの回転を止め(禁止し)、磁気テープ16の弛みを防止する。ブレーキ部材22は、上ハーフ11に設けられた突起11aに係止されているブレーキバネ24によって、背面方向に付勢されており、カートリッジ非使用時には、制動片22a,22bを歯車14a,14bに係合する位置に移動している。他方、カートリッジの使用時には、ブレーキ部材22は、前蓋18によって前方向に移動され、歯車14a,14bとの係合を開放して、巻取ハブ14a,14bが回転可能となる。
【0010】
下ハーフ12の長方形状の底板12aは、カートリッジ使用時にカートリッジケース内にデッキのリール軸を挿入するためのリール軸挿入孔12b,12b、左右両端から前方に伸びる張出部12c,12c、および、背面側の左右両端部近傍の上方(上ハーフ11側)に突出する円柱状のリブの中心を下ハーフ12を貫通して穿孔されるビス孔12i,12iを有する。また、両張出部12cには、上方に突出して、磁気テープ16をガイドする円柱状のリブ12d,12dが設けられており、さらに両リブ12dの中心には、下ハーフ12を貫通して穿孔されたビス孔12j,12jが形成される。この左右の両張出部12c,12cの間の空間は、カートリッジ10が装填されるデッキ側にもうけられている、いわゆるテープローデイ ング装置が進入するための空間である。
【0011】
図示例のカートリッジにおいては、4本のビスが、下ハーフ12のビス孔12i,12iおよびビス孔12j,12jを下方から挿通し、上ハーフ11内面の対応位置に螺合することにより、上ハーフ11と下ハーフ12とを組み合わせたカートリッジケースが固定される。
さらに、下ハーフ底面12aの前面側、すなわち、このテープローデイング装置が進入するための空間に面する側(磁気テープを露出する側)において、下ハーフ12の底面12aには、両張出部12cの間の空間に対面して、これに垂直に、2つの割筒型のリブを連続してハの字状に設けた壁状の部材(リールエリアリブ)12e が立設されている。この部材12eは、磁気テープ16を巻回した巻取ハブ14a,14b(磁気テープ16の巻き玉)の遊動を防止するもので、この部材12e のハの字状の湾曲部は、巻取ハブ14a、14bに巻回された磁気テープ16が置かれた場合に、この磁気テープ巻き玉の外周、すなわち、最大巻き径の周に沿うような形状となっている。また、部材12e の前方の、この部材12eによって三角形状に区切られた底板12aの部分12fの中央部には、底面12aに垂直に柱状のリブ12gが立設されている。この柱状のリブ12gと部材12eとの間に、スライダ20を前方へ付勢するための板バネ(スライダばね)26が嵌め込まれる。また、下ハーフ12の周囲側壁には、磁気テープ16の巻き玉と干渉しないように、磁気テープ巻き玉の外周、すなわち、最大巻き径の周に合わせて円弧状の凹部12kが設けられている。そして、これらの凹部12kおよび部材12e 等によってリールエリア(の内壁)が形成される。さらに、下ハーフ12の底板12aの背面側(後方)には、肉盗み溝として溝部12hが形成されている。
【0012】
前述のように、スライダ20は、下ハーフ12の下面に摺接して(底面12aに下側から接して)前後方向に移動(摺動)するが、前方に位置するときは、防塵のため、下ハーフ12の前面側のテープローディング装置が進入するための両張出部12cの間の空間およびリール軸挿入孔12bを、スライダ20の底面20aにより塞ぐようになっている。また、スライダ20が後方に位置するときは、テープローディング装置が進入するための両張出部12cの間の空間を開放するとともに、スライダ20の底板20aに設けられた2つの孔20b,20bがリール軸挿入孔12b,12bと一致し、デッキ側のリール軸が挿入可能となるようになっている。さらに、スライダ20には、板ばね26の付勢力を受けるために、底面20aの前方、すなわち前面側の端部近傍に、上方に垂直な壁状のリブ20cが設けられ、前述の下ハーフ12に設けられた板バネ26が当接している。すなわち、スライダ20は、この板バネ26によって前方の位置に固定されるように付勢されている。
【0013】
スライダ20は、カートリッジ10がデッキに装着された際には、デッキ内の装置の作用により自動的に後方に位置されるが、カートリッジ非使用時には、この板バネ26の作用によって前方に移動して位置され、前述のように、両張出部12cの間の空間およびリール軸挿入孔12bを閉塞する。
【0014】
図3は図2に示す磁気テープカセットの下ハーフに非接触式メモリが取り付けられた例である。図において、下ハーフ12の底板12aの背面側(後方)に形成される溝部12hには、本発明で用いられる非接触式メモリ(以下、カセットメモリという)56が、挿入・保持されている。カセットメモリ56は、前述のように、デッキ側の送受信手段から電磁誘導方式や静電方式を利用して、デッキ側の送受信手段から駆動電流を得、信号(データ)の送受信を行うアンテナ部と、信号の記憶や信号の供給(読取・書込)等の信号処理を行うIC部(ICメモリ)とを有し、デッキ側の信号の記録読取手段(その信号の送受信手段)との間で、カセットの情報やカセットの記録内容に関する情報等を送受信する。
【0015】
図においては、カセットメモリ56は、図4(a)に示されるように、略矩形の基板の一端部にICチップ化されたICメモリからなるIC部57が形成され、IC部57を囲むように基板の外縁部にデータ通信用アンテナ部58が形成され、一枚の基板に、一体的にIC部57とアンテナ部58とが形成されてなるものである。このように、図示例のカセットメモリ56は、略矩形の板状の部材であって、少なくとも、その一端部にアンテナ部58に囲まれるように配置されたIC部57は樹脂で封入されている。カセットメモリ56は上記構成および形状には限定されず、例えば、図4(b)に示されるように、IC部57とアンテナ部58とが別体とされている、すなわちIC部57が形成された基板とは別体にアンテナ部58が形成されたものであっても良い。
【0016】
記録媒体カセットについて、磁気テープカセットを例に詳細に説明したが、本発明は、上述の例には限定されず各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。例えば、上述の記録媒体カセットでは、下ハーフ内にメモリを保持したが、これに限定はされず、カセットケースの外部、上ハーフや前蓋等の別の部材に非接触式メモリを保持してもよく、あるいは、複数の部材でメモリを保持してもよい。また、以上の例は、カセット内に磁気テープを巻回する一対の巻取ハブを収容する磁気テープカセットであるが、本発明は、これに限定されず、1リール方式の磁気テープカセット、磁気ディスク、光学記録媒体等の記録媒体カセットにも好適に利用可能である。
【0017】
本発明の適用対象としては、図2に示すように、平板状の四角形を有する下ハーフとこの下ハーフと相似の平面形状を有し、下ハーフの上部に重ね合わされる上ハーフとが、四隅部で互いにビス等の結合手段で結合されている、扁平な硬質プラスチック製のカセットケース内に、一対の回転可能な巻取ハブ間に巻き回された磁気テープが収容されている2リール方式の磁気テープカセットを挙げることができる。
【0018】
次に、本発明が適用される非接触メモリを使用した他の例として、ビデオテープカセットへの適用例を示す。図5は本発明が適用されるビデオカセットの一例を示す斜視図である。同図において、カセットラベル50は、記録媒体カセットとしてのビデオテープカセット(以下、単にビデオカセットという)40の背面に背ラベルとして取り付けられるものであって、このビデオカセット40に記録したデータ(ビデオデータ)に関して、記録時期やその内容などの情報を容易に確認できるようにしておくために用いられるものである。
このような目的を達成するには、ビデオカセット40の背面に背ラベルとして取り付けられる従来のカセットラベルにおいては、カセットラベル上に、筆記または印字などで記録していたが、近年では前述のようなICチップおよびアンテナ部を含む非接触式メモリ(ICメモリ)であるカセットメモリなどが、従来のカセットラベル中に埋め込まれ、筆記などによる記録に加えて、このカセットメモリへの非接触式の磁気的記録を行なっている。
【0019】
カセットラベル50としては、図6に示すように、カセットメモリ56を埋め込んだものが用いられるが、例えば、カセットラベル50の中に、情報記憶および信号処理を行うIC部57、電力の供給を受け、情報の送受信を行うアンテナ部58およびこの両者を接続するリード線59を埋設した形に形成されているものが用いられる。このカセットラベル50を基体として見た場合、ラベル本体52とその下面に貼接された両面接着テープ54とから構成されている。
【0020】
アンテナ部58については、アンテナの形状、すなわち、コイル状のアンテナの線幅よりも少し広めの枠状の印刷(アンテナ部保護表示)を行ってあり、この枠の内側が一つの情報記載欄、すなわち情報記載エリアであることを強調する構成となっている。この情報記載欄であることを強調する方法としては、ここに、例えば、記録(放送)年月日,タイトルなどの記載項目を印刷しておく方法がある。
【0021】
このカセットラベル50を貼接したビデオカセット40を記録再生装置にセットして、この記録再生装置に設けられている書込・読出手段により、上記カセットラベル50内のカセットメモリ56と記録再生装置のデータ読取・書込装置との間で、データ送受信を行うことができるようになる。
このように、ICメモリ等の情報記憶および信号処理部と信号の送受信を行うアンテナ部とを有する非接触式メモリを搭載する記録媒体カセットにおいて、非接触式メモリの誤動作や不適正な信号の送受信が生じることがなく、デッキと記録媒体カセット(非接触式メモリ)との信号の送受信を、安定して、適正に行うことができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットの場合、アンテナの設置箇所が、上記のように図3の磁気テープカセットにあっては下ハーフ12であり、図6のビデオカセットにあってはカセットラベル50であり、いずれも設置箇所の面積が狭く、したがってアンテナコイルの長さを十分にとることができず、したがって磁気情報の記録再生装置側の信号送信手段であるアンテナから出力された信号を電磁誘導で確実に受信するには十分とは言えなかった。
本発明は上記課題を解決するもので、本発明の課題は、記録媒体カセットがアンテナコイルの敷設面積を十分に有しなくても、アンテナコイルの敷設面積を十分に広く取ることのできる非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の記録媒体カセットの発明は、記録媒体が収容された記録媒体カセットであって、情報記憶および信号処理を行うIC部を有する非接触式メモリを備えた記録媒体カセットにおいて、当該記録媒体カセットとは別体に設けられたアンテナ部の送受信信号を授受する端子を備えたことを特徴とする。
【0024】
そして、請求項2記載のカセットケースの発明は、記録媒体が収容されかつ情報記憶および信号処理を行うIC部を有する非接触式メモリを備えた記録媒体カセットを収容するためのカセットケースにおいて、前記アンテナ部と、該アンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えたことを特徴とする。
【0025】
以上の構成により、記録媒体カセットよりもそれを収容するカセットケースの方が寸法が大きいから、カセットケースの方にアンテナ部を置いたほうがアンテナの敷設面積が広くとれるので、記録再生装置側との間でクリアな送受信が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットとそれを収納するカセットケースを示す斜視図である。
図において、10は記録媒体が収容された記録媒体カセット、60はこの記録媒体カセット10を収容するためのカセットケースである。
記録媒体カセット10には従来例で説明したのと同じIC部57とリード線59とが埋設されている。リード線59の先端にはそれぞれ端子59T1が形成され、この端子59T1は記録媒体カセット10に露出している。
【0027】
一方、カセットケース60には従来例で説明したアンテナ部と比べて格段に長いアンテナ部58が埋設されている。そして、アンテナ部58の両端部にそれぞれ端子59T2が形成され、これはカセットケース60の内部に露出している。端子59T2の露出箇所は、記録媒体カセット10がカセットケース60内に収容された状態で、記録媒体カセット10に設けられた端子59T1がカセットケース60内で触れる位置に置かれている。
【0028】
このような構成によって、記録媒体カセット10がカセットケース60内に収容された状態では、自動的に記録媒体カセット10の端子59T1がカセットケース60の端子59T2と接触している状態になる。したがってカセットケース60内に埋設されているアンテナ部58が端子59T2と端子59T1を介して記録媒体カセット10のIC部57に接続されているので、アンテナ部58の送受信信号がIC部57に授受されることとなる。
【0029】
このように本発明によれば、アンテナ部58の設置面積は、従来例のアンテナ設置箇所である下ハーフ12(図3)のような狭いところではなくて、面積の広いカセットケース60の面、それも広い面上に設置されることが可能となるので、アンテナの長さを十分に長くとることができる。
アンテナコイルの感度はアンテナコイルの長さに依存するから、このようにすることにより磁気情報の記録再生装置側の信号送信手段であるアンテナから出力された信号は少々離れた位置からでも効率よくIC部側で受信することができ、また、逆にIC部側から記録再生装置側へ効率よく送信することができるようになる。
【0030】
記録再生装置側とIC部57との信号の授受は、通常、記録媒体カセット10がカセットケース60内に収容された状態で行われるものであることに本発明は着目して成されたものであり、アンテナコイルを長くすることによって従来装置では得られなかった記録再生装置側とIC部57とクリアな送受信が可能となる。
【0031】
アンテナ部58はカセットケース60の上面側、底面側、側面側のいずれに敷設されてもよいが、面積の大きい面に設けるのが好ましい。
また、カセットケース60の表面又は裏面のどちらに設けてもよい。ただし表面又は裏面の場合、記録媒体カセット10との摩擦により剥離しないように、薄く表面コーティングしておくことが好ましい。また、表面と裏面の中間に埋設してもよい。
端子の設置場所は記録媒体カセット10の挿入方向の入り口側、奥側のいずれに設置してもよいが、対摩耗性の点から見ると奥側のほうが好ましい。
【0032】
しかもカセットケース60に埋設されたアンテナ部58は全てのIC部に共通の規格でよいから、記録媒体カセット10が別のカセットケース60に収容されても、全く同様に動作をすることができる。
【0033】
以上は、図3の磁気テープカセットの例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6のビデオカセットにおいても同じように実施することができることはいうまでもない。
さらに、単一のリールに磁気テープを巻装してカセット内に回転自在に収容した1リールタイプのもの、カセット内に単一の磁気(または光)ディスクが回転可能に収容されたタイプのもの等であっても、それがカセットケースに収容された状態で保管されるのであれば、これらにおいても同じように実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、記録媒体カセット側には、IC部と、別体設置のアンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えるようにし、またその記録媒体カセットを収容するカセットケース側には、アンテナ部と、このアンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えるようにしたので、アンテナコイルの長さを十分に長くとることができ、したがって従来装置では得られなかった記録再生装置側とIC部57とクリアな送受信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットとそれを収納するカセットケースを示す斜視図である。
【図2】本発明が適用される磁気テープカセットの一例の概略分解斜視図である。
【図3】図2に示す磁気テープカセットに非接触式メモリが取り付けられた下ハーフの一例の概略分解斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ図3に示す磁気テープカセットに配置される非接触式メモリの一実施例の概念的な平面図である。
【図5】本発明が適用されるビデオカセットの一例を示す斜視図である。
【図6】図5に用いられるカセットラベルの一例の基本構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 記録媒体カセット
50 カセットラベル
52 ラベル本体
54 両面接着テープ
56 カセットメモリ
57 IC部
58 アンテナ部
59 リード線
59T1 記録媒体カセット側端子
59T2 カセットケース側端子
60 カセットケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気式記録媒体、光磁気ディスク、光ディスク等の光学式記録媒体などを内蔵してなる記録媒体カセット、例えば磁気テープカセットや磁気テープカセット等の記録媒体カセット、およびこの記録媒体カセットを収容するカセットケースとから成るケース収納式カセットに関するもので、特に、情報記憶および信号処理を行うIC部と信号の送受信を行うアンテナ部とを有する非接触式メモリを備えたケース収納式カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、デジタル信号を高密度で記録することができる小型軽量の磁気テープカセットや磁気テープカセットが知られている。例えば、アナログ信号である音声信号をデジタル信号、例えばPCM信号に変換して記録および/または再生するための磁気テープカセットとしてDAT(Digital Audio Tape)が知られている。
また、コンピュータのデータを記録するための、小型の磁気テープカセットや磁気テープカセットとしては、例えば、JISX6127(1992),JISX6129(1993),JISX6130(1996),JISX6141(1993)などにその構造,寸法諸元が規定されているものが知られている。
【0003】
このように、コンピュータ等の外部記憶手段として、例えば、外部記憶装置に用いられる記録媒体等として、特に、コンピュータメモリのバックアップ用の記録媒体として用いられている記録媒体カセットには、単一のリールに磁気テープを巻装し、このリールをカセットケース内に回転自在に収容した1リールタイプのもの、カセットケース内に単一の磁気ディスク(または光磁気ディスク)が回転可能に収容されたタイプのもの、磁気テープを巻回した一対の巻取りハブを収容するタイプのもの(例えば、上述したJIS X6141等にその構造、寸法諸元が規定されている開口部を有するタイプのものを含む)など、各種の磁気テープカセットあるいは磁気テープカセットや磁気(または光磁気)ディスクカセット等が知られている。
これらの磁気テープカセット等の記録媒体カセットは、例えば、コンピュータ等のデータ保存用として用いられ、重要な情報が記録されている。
【0004】
このような磁気テープカセット等の記録媒体カセットには、種々の情報が記録されているが、磁気テープや磁気ディスクや光磁気ディスクや光ディスク等からこれらに記録された情報自体を読み出すことなく、記録されている情報の内容や磁気テープ等の種類などを特定するために、磁気テープ等とは別に、カセットケースに非接触で情報の書き込みや読み出しができる、カセットメモリ(CM)と呼ばれるICチップ化されたICメモリを用いる非接触式メモリを取り付けることが考えられ、実用化が進められている。
このようなカセットメモリの取り付けは、ドライブの設計のバリエーションを拡大することやこのカセットメモリへのゴミの付着や外部からの衝撃に対する保護の観点から、カセット内部に取り付ける内蔵タイプとされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−83482号公報(例えば、第1図)。
【0006】
特許文献1に記載されたカセットメモリは、磁気テープ等の記録媒体以外に情報を記録できるものであり、情報の記憶および信号処理を行うIC部(ICメモリ)と、信号の送受信を行うアンテナ部とを有し、端子等の接続なく非接触でIC部に情報の書き込みや読み出しをすることができるものである。このカセットメモリ自体は無電源であり、磁気情報の記録再生装置側に配置される信号の読取書込手段またはその信号送受信手段であるアンテナから出力された信号を利用して、電磁誘導された誘導電流を用いる電磁誘導方式で動作し、電気信号で情報が記録される。
【0007】
まず、本発明が適用される非接触メモリを使用した対象の1例として、特許文献1に記載された各種例の中から、まず記録媒体カセットについて図2を用いて簡単に説明する。図2は磁気テープカートリッジの一例の概略構成を斜視分解図として示す。この磁気テープカートリッジ(以下、カートリッジとする)10は、JISX6127(1992)、同6129(1993)、同6130(1996)、同6141(1993)あるいはECMA−288等で、その構造,寸法諸元が規定されている、公知の磁気テープカートリッジ(または、磁気テープカセットとも呼ばれている)を、その基本的な構成とするものであって、主に、上ハーフ(上ケース)11および下ハーフ(下ケース)12と、両ハーフ11,12によって形成される筐体(カートリッジケース)内の所定位置において両ハーフ11,12に回転自在に軸支される供給側の巻取ハブ14aおよび巻取側の巻取ハブ14bと、両ハーフ11,12の間に収容され、両巻取ハブ14a、14bに巻回される記録媒体としての磁気テープ16とから構成される。
【0008】
このようなカートリッジ10においては、上ハーフ11の前面側(デッキへのテープ供給側)には、カートリッジ10の非使用時に磁気テープ16を覆って保護する前蓋(リッド)18が、支軸18aを中心に回転可能に取り付けられている。また、下ハーフ12の図中下面(以下、下面とする)には、下ハーフ12に形成される穴等の開放部分を塞いで密閉性を高めるためのスライダ20が、下ハーフ12下面に摺動して前面〜背面方向(以下、これを前後方向、直交する方向を左右(横)方向とする)に移動可能に係合される。すなわち、下ハーフ12の外側下面には、ケース下側の開放部分を塞いで密閉性を高めるため、スライダ20が前後方向摺動可能に取り付けられている。
【0009】
カートリッジ10には、非使用時に巻取ハブ14a,14bに巻回された磁気テープ16が弛むのを防止するために、上ハーフ11にブレーキ部材22が付設されている。ブレーキ部材22は、2つの制動片22a,22bを有し、制動片22aを巻取ハブ14aの上部に設けられた歯車15aに、制動片22bを巻取ハブ14bの上部に設けられた歯車15bに、それぞれ係合させることにより、両巻取ハブ14a、14bの回転を止め(禁止し)、磁気テープ16の弛みを防止する。ブレーキ部材22は、上ハーフ11に設けられた突起11aに係止されているブレーキバネ24によって、背面方向に付勢されており、カートリッジ非使用時には、制動片22a,22bを歯車14a,14bに係合する位置に移動している。他方、カートリッジの使用時には、ブレーキ部材22は、前蓋18によって前方向に移動され、歯車14a,14bとの係合を開放して、巻取ハブ14a,14bが回転可能となる。
【0010】
下ハーフ12の長方形状の底板12aは、カートリッジ使用時にカートリッジケース内にデッキのリール軸を挿入するためのリール軸挿入孔12b,12b、左右両端から前方に伸びる張出部12c,12c、および、背面側の左右両端部近傍の上方(上ハーフ11側)に突出する円柱状のリブの中心を下ハーフ12を貫通して穿孔されるビス孔12i,12iを有する。また、両張出部12cには、上方に突出して、磁気テープ16をガイドする円柱状のリブ12d,12dが設けられており、さらに両リブ12dの中心には、下ハーフ12を貫通して穿孔されたビス孔12j,12jが形成される。この左右の両張出部12c,12cの間の空間は、カートリッジ10が装填されるデッキ側にもうけられている、いわゆるテープローデイ ング装置が進入するための空間である。
【0011】
図示例のカートリッジにおいては、4本のビスが、下ハーフ12のビス孔12i,12iおよびビス孔12j,12jを下方から挿通し、上ハーフ11内面の対応位置に螺合することにより、上ハーフ11と下ハーフ12とを組み合わせたカートリッジケースが固定される。
さらに、下ハーフ底面12aの前面側、すなわち、このテープローデイング装置が進入するための空間に面する側(磁気テープを露出する側)において、下ハーフ12の底面12aには、両張出部12cの間の空間に対面して、これに垂直に、2つの割筒型のリブを連続してハの字状に設けた壁状の部材(リールエリアリブ)12e が立設されている。この部材12eは、磁気テープ16を巻回した巻取ハブ14a,14b(磁気テープ16の巻き玉)の遊動を防止するもので、この部材12e のハの字状の湾曲部は、巻取ハブ14a、14bに巻回された磁気テープ16が置かれた場合に、この磁気テープ巻き玉の外周、すなわち、最大巻き径の周に沿うような形状となっている。また、部材12e の前方の、この部材12eによって三角形状に区切られた底板12aの部分12fの中央部には、底面12aに垂直に柱状のリブ12gが立設されている。この柱状のリブ12gと部材12eとの間に、スライダ20を前方へ付勢するための板バネ(スライダばね)26が嵌め込まれる。また、下ハーフ12の周囲側壁には、磁気テープ16の巻き玉と干渉しないように、磁気テープ巻き玉の外周、すなわち、最大巻き径の周に合わせて円弧状の凹部12kが設けられている。そして、これらの凹部12kおよび部材12e 等によってリールエリア(の内壁)が形成される。さらに、下ハーフ12の底板12aの背面側(後方)には、肉盗み溝として溝部12hが形成されている。
【0012】
前述のように、スライダ20は、下ハーフ12の下面に摺接して(底面12aに下側から接して)前後方向に移動(摺動)するが、前方に位置するときは、防塵のため、下ハーフ12の前面側のテープローディング装置が進入するための両張出部12cの間の空間およびリール軸挿入孔12bを、スライダ20の底面20aにより塞ぐようになっている。また、スライダ20が後方に位置するときは、テープローディング装置が進入するための両張出部12cの間の空間を開放するとともに、スライダ20の底板20aに設けられた2つの孔20b,20bがリール軸挿入孔12b,12bと一致し、デッキ側のリール軸が挿入可能となるようになっている。さらに、スライダ20には、板ばね26の付勢力を受けるために、底面20aの前方、すなわち前面側の端部近傍に、上方に垂直な壁状のリブ20cが設けられ、前述の下ハーフ12に設けられた板バネ26が当接している。すなわち、スライダ20は、この板バネ26によって前方の位置に固定されるように付勢されている。
【0013】
スライダ20は、カートリッジ10がデッキに装着された際には、デッキ内の装置の作用により自動的に後方に位置されるが、カートリッジ非使用時には、この板バネ26の作用によって前方に移動して位置され、前述のように、両張出部12cの間の空間およびリール軸挿入孔12bを閉塞する。
【0014】
図3は図2に示す磁気テープカセットの下ハーフに非接触式メモリが取り付けられた例である。図において、下ハーフ12の底板12aの背面側(後方)に形成される溝部12hには、本発明で用いられる非接触式メモリ(以下、カセットメモリという)56が、挿入・保持されている。カセットメモリ56は、前述のように、デッキ側の送受信手段から電磁誘導方式や静電方式を利用して、デッキ側の送受信手段から駆動電流を得、信号(データ)の送受信を行うアンテナ部と、信号の記憶や信号の供給(読取・書込)等の信号処理を行うIC部(ICメモリ)とを有し、デッキ側の信号の記録読取手段(その信号の送受信手段)との間で、カセットの情報やカセットの記録内容に関する情報等を送受信する。
【0015】
図においては、カセットメモリ56は、図4(a)に示されるように、略矩形の基板の一端部にICチップ化されたICメモリからなるIC部57が形成され、IC部57を囲むように基板の外縁部にデータ通信用アンテナ部58が形成され、一枚の基板に、一体的にIC部57とアンテナ部58とが形成されてなるものである。このように、図示例のカセットメモリ56は、略矩形の板状の部材であって、少なくとも、その一端部にアンテナ部58に囲まれるように配置されたIC部57は樹脂で封入されている。カセットメモリ56は上記構成および形状には限定されず、例えば、図4(b)に示されるように、IC部57とアンテナ部58とが別体とされている、すなわちIC部57が形成された基板とは別体にアンテナ部58が形成されたものであっても良い。
【0016】
記録媒体カセットについて、磁気テープカセットを例に詳細に説明したが、本発明は、上述の例には限定されず各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。例えば、上述の記録媒体カセットでは、下ハーフ内にメモリを保持したが、これに限定はされず、カセットケースの外部、上ハーフや前蓋等の別の部材に非接触式メモリを保持してもよく、あるいは、複数の部材でメモリを保持してもよい。また、以上の例は、カセット内に磁気テープを巻回する一対の巻取ハブを収容する磁気テープカセットであるが、本発明は、これに限定されず、1リール方式の磁気テープカセット、磁気ディスク、光学記録媒体等の記録媒体カセットにも好適に利用可能である。
【0017】
本発明の適用対象としては、図2に示すように、平板状の四角形を有する下ハーフとこの下ハーフと相似の平面形状を有し、下ハーフの上部に重ね合わされる上ハーフとが、四隅部で互いにビス等の結合手段で結合されている、扁平な硬質プラスチック製のカセットケース内に、一対の回転可能な巻取ハブ間に巻き回された磁気テープが収容されている2リール方式の磁気テープカセットを挙げることができる。
【0018】
次に、本発明が適用される非接触メモリを使用した他の例として、ビデオテープカセットへの適用例を示す。図5は本発明が適用されるビデオカセットの一例を示す斜視図である。同図において、カセットラベル50は、記録媒体カセットとしてのビデオテープカセット(以下、単にビデオカセットという)40の背面に背ラベルとして取り付けられるものであって、このビデオカセット40に記録したデータ(ビデオデータ)に関して、記録時期やその内容などの情報を容易に確認できるようにしておくために用いられるものである。
このような目的を達成するには、ビデオカセット40の背面に背ラベルとして取り付けられる従来のカセットラベルにおいては、カセットラベル上に、筆記または印字などで記録していたが、近年では前述のようなICチップおよびアンテナ部を含む非接触式メモリ(ICメモリ)であるカセットメモリなどが、従来のカセットラベル中に埋め込まれ、筆記などによる記録に加えて、このカセットメモリへの非接触式の磁気的記録を行なっている。
【0019】
カセットラベル50としては、図6に示すように、カセットメモリ56を埋め込んだものが用いられるが、例えば、カセットラベル50の中に、情報記憶および信号処理を行うIC部57、電力の供給を受け、情報の送受信を行うアンテナ部58およびこの両者を接続するリード線59を埋設した形に形成されているものが用いられる。このカセットラベル50を基体として見た場合、ラベル本体52とその下面に貼接された両面接着テープ54とから構成されている。
【0020】
アンテナ部58については、アンテナの形状、すなわち、コイル状のアンテナの線幅よりも少し広めの枠状の印刷(アンテナ部保護表示)を行ってあり、この枠の内側が一つの情報記載欄、すなわち情報記載エリアであることを強調する構成となっている。この情報記載欄であることを強調する方法としては、ここに、例えば、記録(放送)年月日,タイトルなどの記載項目を印刷しておく方法がある。
【0021】
このカセットラベル50を貼接したビデオカセット40を記録再生装置にセットして、この記録再生装置に設けられている書込・読出手段により、上記カセットラベル50内のカセットメモリ56と記録再生装置のデータ読取・書込装置との間で、データ送受信を行うことができるようになる。
このように、ICメモリ等の情報記憶および信号処理部と信号の送受信を行うアンテナ部とを有する非接触式メモリを搭載する記録媒体カセットにおいて、非接触式メモリの誤動作や不適正な信号の送受信が生じることがなく、デッキと記録媒体カセット(非接触式メモリ)との信号の送受信を、安定して、適正に行うことができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットの場合、アンテナの設置箇所が、上記のように図3の磁気テープカセットにあっては下ハーフ12であり、図6のビデオカセットにあってはカセットラベル50であり、いずれも設置箇所の面積が狭く、したがってアンテナコイルの長さを十分にとることができず、したがって磁気情報の記録再生装置側の信号送信手段であるアンテナから出力された信号を電磁誘導で確実に受信するには十分とは言えなかった。
本発明は上記課題を解決するもので、本発明の課題は、記録媒体カセットがアンテナコイルの敷設面積を十分に有しなくても、アンテナコイルの敷設面積を十分に広く取ることのできる非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の記録媒体カセットの発明は、記録媒体が収容された記録媒体カセットであって、情報記憶および信号処理を行うIC部を有する非接触式メモリを備えた記録媒体カセットにおいて、当該記録媒体カセットとは別体に設けられたアンテナ部の送受信信号を授受する端子を備えたことを特徴とする。
【0024】
そして、請求項2記載のカセットケースの発明は、記録媒体が収容されかつ情報記憶および信号処理を行うIC部を有する非接触式メモリを備えた記録媒体カセットを収容するためのカセットケースにおいて、前記アンテナ部と、該アンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えたことを特徴とする。
【0025】
以上の構成により、記録媒体カセットよりもそれを収容するカセットケースの方が寸法が大きいから、カセットケースの方にアンテナ部を置いたほうがアンテナの敷設面積が広くとれるので、記録再生装置側との間でクリアな送受信が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットとそれを収納するカセットケースを示す斜視図である。
図において、10は記録媒体が収容された記録媒体カセット、60はこの記録媒体カセット10を収容するためのカセットケースである。
記録媒体カセット10には従来例で説明したのと同じIC部57とリード線59とが埋設されている。リード線59の先端にはそれぞれ端子59T1が形成され、この端子59T1は記録媒体カセット10に露出している。
【0027】
一方、カセットケース60には従来例で説明したアンテナ部と比べて格段に長いアンテナ部58が埋設されている。そして、アンテナ部58の両端部にそれぞれ端子59T2が形成され、これはカセットケース60の内部に露出している。端子59T2の露出箇所は、記録媒体カセット10がカセットケース60内に収容された状態で、記録媒体カセット10に設けられた端子59T1がカセットケース60内で触れる位置に置かれている。
【0028】
このような構成によって、記録媒体カセット10がカセットケース60内に収容された状態では、自動的に記録媒体カセット10の端子59T1がカセットケース60の端子59T2と接触している状態になる。したがってカセットケース60内に埋設されているアンテナ部58が端子59T2と端子59T1を介して記録媒体カセット10のIC部57に接続されているので、アンテナ部58の送受信信号がIC部57に授受されることとなる。
【0029】
このように本発明によれば、アンテナ部58の設置面積は、従来例のアンテナ設置箇所である下ハーフ12(図3)のような狭いところではなくて、面積の広いカセットケース60の面、それも広い面上に設置されることが可能となるので、アンテナの長さを十分に長くとることができる。
アンテナコイルの感度はアンテナコイルの長さに依存するから、このようにすることにより磁気情報の記録再生装置側の信号送信手段であるアンテナから出力された信号は少々離れた位置からでも効率よくIC部側で受信することができ、また、逆にIC部側から記録再生装置側へ効率よく送信することができるようになる。
【0030】
記録再生装置側とIC部57との信号の授受は、通常、記録媒体カセット10がカセットケース60内に収容された状態で行われるものであることに本発明は着目して成されたものであり、アンテナコイルを長くすることによって従来装置では得られなかった記録再生装置側とIC部57とクリアな送受信が可能となる。
【0031】
アンテナ部58はカセットケース60の上面側、底面側、側面側のいずれに敷設されてもよいが、面積の大きい面に設けるのが好ましい。
また、カセットケース60の表面又は裏面のどちらに設けてもよい。ただし表面又は裏面の場合、記録媒体カセット10との摩擦により剥離しないように、薄く表面コーティングしておくことが好ましい。また、表面と裏面の中間に埋設してもよい。
端子の設置場所は記録媒体カセット10の挿入方向の入り口側、奥側のいずれに設置してもよいが、対摩耗性の点から見ると奥側のほうが好ましい。
【0032】
しかもカセットケース60に埋設されたアンテナ部58は全てのIC部に共通の規格でよいから、記録媒体カセット10が別のカセットケース60に収容されても、全く同様に動作をすることができる。
【0033】
以上は、図3の磁気テープカセットの例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6のビデオカセットにおいても同じように実施することができることはいうまでもない。
さらに、単一のリールに磁気テープを巻装してカセット内に回転自在に収容した1リールタイプのもの、カセット内に単一の磁気(または光)ディスクが回転可能に収容されたタイプのもの等であっても、それがカセットケースに収容された状態で保管されるのであれば、これらにおいても同じように実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、記録媒体カセット側には、IC部と、別体設置のアンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えるようにし、またその記録媒体カセットを収容するカセットケース側には、アンテナ部と、このアンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えるようにしたので、アンテナコイルの長さを十分に長くとることができ、したがって従来装置では得られなかった記録再生装置側とIC部57とクリアな送受信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットとそれを収納するカセットケースを示す斜視図である。
【図2】本発明が適用される磁気テープカセットの一例の概略分解斜視図である。
【図3】図2に示す磁気テープカセットに非接触式メモリが取り付けられた下ハーフの一例の概略分解斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ図3に示す磁気テープカセットに配置される非接触式メモリの一実施例の概念的な平面図である。
【図5】本発明が適用されるビデオカセットの一例を示す斜視図である。
【図6】図5に用いられるカセットラベルの一例の基本構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 記録媒体カセット
50 カセットラベル
52 ラベル本体
54 両面接着テープ
56 カセットメモリ
57 IC部
58 アンテナ部
59 リード線
59T1 記録媒体カセット側端子
59T2 カセットケース側端子
60 カセットケース
Claims (2)
- 記録媒体が収容された記録媒体カセットであって、情報記憶および信号処理を行うIC部を有する非接触式メモリを備えた記録媒体カセットにおいて、当該記録媒体カセットとは別体に設けられたアンテナ部の送受信信号を授受する端子を備えたことを特徴とする記録媒体カセット。
- 記録媒体が収容されかつ情報記憶および信号処理を行うIC部を有する非接触式メモリを備えた記録媒体カセットを収容するためのカセットケースにおいて、アンテナ部と、該アンテナ部の送受信信号を授受する端子とを備えたことを特徴とするカセットケース。
Priority Applications (1)
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JP2002261346A JP2004103082A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 非接触式メモリ内蔵記録媒体カセットとそのケース |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1717733A2 (en) | 2005-03-24 | 2006-11-02 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Index card for recording medium casing and recording medium casing |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261346A patent/JP2004103082A/ja active Pending
Cited By (2)
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