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JP2004100253A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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JP2004100253A
JP2004100253A JP2002262875A JP2002262875A JP2004100253A JP 2004100253 A JP2004100253 A JP 2004100253A JP 2002262875 A JP2002262875 A JP 2002262875A JP 2002262875 A JP2002262875 A JP 2002262875A JP 2004100253 A JP2004100253 A JP 2004100253A
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flow rate
water
washing water
pressure
pump
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Pending
Application number
JP2002262875A
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English (en)
Inventor
Hideki Ono
大野 英樹
Tomohide Matsumoto
松本 朋秀
Shinichi Maruyama
丸山 真一
Satoshi Kawamoto
川本 聡
Takemi Yoshinaga
吉永 健実
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】少ない流量で高い洗浄感および洗浄力を得ることができるとともに使用者の嗜好または体調に応じた種々の洗浄感を得ることができ、かつ洗浄水の流量を容易かつ正確に制御することができる衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】流量センサ10とポンプ13との間に熱交換器11が設けられている。熱交換器11は曲線を繰り返す蛇行配管で構成されているため、洗浄水は熱交換器11の蛇行配管において抵抗を受けて流れにくい。ポンプ13の動作により生じる洗浄水の周期的な圧力変動は熱交換器11の蛇行配管において緩衝される。ポンプ13に対して熱交換器11よりもさらに上流側にある流量センサ10には周期的な圧力変動が伝達されない。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、瞬間式加熱装置を備えた衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、人体に不快感を与えないようにするため洗浄に用いる洗浄水を適切な温度に調整する加熱装置が備えられている。このような加熱装置には、主に貯湯式加熱装置または瞬間式加熱装置がある。
【0003】
貯湯式加熱装置は、予め所定量の洗浄水を貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにより洗浄水を所定の温度に加熱する温水タンクを備え、人体の局部を洗浄する際に、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水を水道圧を利用するかもしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0004】
この貯湯式加熱装置においては、人体の局部を洗浄する際まで、予め温水タンク内の洗浄水を所定の温度に維持し続けなければならない。そのため、加熱ヒータに常時電力を供給する必要があることから消費電力が大きくなる。また、複数の人が連続して局部を洗浄し、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の量以上を使用した際、温水タンク内の洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えてしまう。
【0005】
一方、瞬間式加熱装置は、人体の局部を洗浄する際に、洗浄水を昇温速度に優れたセラミックヒータ等の加熱ヒータにより所定の温度に加熱し、水道圧を利用するかもしくはポンプ等により圧送してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0006】
そのため、瞬間式加熱装置においては、予め洗浄水を所定の温度に維持し続ける必要がなく、使用時のみ加熱ヒータに電力を供給すればよいので消費電力を抑制することができる。また、長時間の洗浄や、トイレの連続使用等により多量の洗浄水を人体の局部の洗浄に用いた際でも、洗浄水の温度が所定の温度以下に低下して人体に不快感を与えることを防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−90155号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、衛生洗浄装置においては、使用者の好みに応じた洗浄を実現すべく各種機能が案出されている。例えば、使用者の好みに応じた洗浄を実現するためにノズルから噴出される洗浄水の水勢を調整する機能が設けられている。使用者は、自己の好みに応じてノズルから噴出される洗浄水の水勢を調整することができる。
【0009】
洗浄水の水勢を制御するためには実際に流れている洗浄水の流量を正確に測定しつつ制御する必要がある。一方、瞬間式加熱装置においては、少ない流量で高い洗浄力および洗浄感を得るために洗浄水に圧力変動を与えることが行われている。
【0010】
しかしながら、洗浄水に圧力変動を与えると流量センサにより洗浄水の流量を正確に測定するのが困難である。
【0011】
本発明の目的は、少ない流量で高い洗浄感および洗浄力を得ることができるとともに使用者の嗜好または体調に応じた種々の洗浄感を得ることができ、かつ洗浄水の流量を容易かつ正確に制御することができる衛生洗浄装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、洗浄水を噴出する噴出手段と、給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する瞬間式加熱手段と、瞬間式加熱手段から供給される洗浄水に周期的な圧力変動を与えつつ洗浄水を加圧して噴出手段から噴出させる加圧手段と、瞬間式加熱手段の上流側に設けられ、洗浄水の流量を検出する流量検出手段と、噴出手段から噴出される洗浄水の流量を調整する流量調整手段と、流量検出手段により検出された流量に基づいて瞬間式加熱手段、加圧手段および流量調整手段の少なくとも1つを制御する制御手段とを備えたものである。
【0013】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、給水源から供給される洗浄水が瞬間式加熱手段により流動されつつ加熱され、周期的な圧力変動が与えられつつ加圧され、噴出手段から噴出される。また、瞬間式加熱手段の上流側に設けられた流量検出手段により洗浄水の流量が検出され、検出された流量に基づいて瞬間式加熱手段、加圧手段および流量調整手段の少なくとも1つが制御される。
【0014】
この場合、加圧手段により洗浄水が周期的に変動する圧力で吐出されることにより、噴出手段から噴出される洗浄水の噴出速度が周期的に増加する。噴出口から噴出された洗浄水は、空気抵抗により広がりを持った粒状に変化するので、少ない流量の洗浄水でも人体に高い洗浄感および洗浄力を与えることができる。また、洗浄水の圧力変動を制御することにより使用者の嗜好または体調に応じた洗浄が可能となる。
【0015】
さらに、瞬間式加熱手段により洗浄水が瞬間的に加熱されるので、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱を行うことができる。それにより、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を加える貯水タンク等が不要となるため、省スペース化が実現される。さらに、洗浄時間が長くなった場合でも、洗浄水の温度の低下が生じない。
【0016】
特に、流量検出手段が瞬間式加熱手段の上流側に設けられているので、加圧手段による周期的な圧力変動が瞬間式加熱手段により緩衝され、流量検出手段に周期的な圧力変動が伝達されない。それにより、流量検出手段により洗浄水の流量を正確かつ容易に検出することができる。その結果、洗浄水の温度、圧力または流量を正確かつ容易に制御することが可能となる。
【0017】
瞬間式加熱手段は、蛇行する流路を有する熱交換器であってもよい。この場合、給水源から供給される洗浄水が熱交換器の蛇行する流路を流れる間に加熱される。加圧手段による周期的な圧力変動は熱交換器の蛇行する流路により緩衝され、熱交換器の上流側の流量検出手段に伝達されない。それにより、流量検出手段により洗浄水の流量を正確かつ容易に検出することが可能となる。
【0018】
流量検出手段は、洗浄水の流れにより回転する羽根車を有し、羽根車の回転数に基づいて流量を検出する流量センサであってもよい。
【0019】
この場合、洗浄水の流れにより流量センサの羽根車が回転し、羽根車の回転数に基づいて流量が検出される。加圧手段による周期的な圧力変動が瞬間式加熱手段により緩衝され、瞬間的加熱手段の上流側に設けられた流量センサの羽根車に伝達されないので、流量センサの羽根車が圧力変動により周期的に振動することが防止される。それにより、流量センサにより検出される流量に誤差が生じることが防止され、流量を正確に検出することが可能となる。
【0020】
洗浄水の水勢を設定するための水勢設定手段と、水勢設定手段により設定される水勢と流量との関係を記憶する記憶手段とをさらに備え、制御手段は、記憶手段に記憶された関係に基づいて水勢設定手段により設定された水勢に対応する流量を判別し、流量検出手段により検出される流量が判別された流量と等しくなるように流量調整手段を制御してもよい。
【0021】
この場合、水勢設定手段により設定される水勢と流量との関係が記憶手段に記憶され、記憶された関係に基づいて設定された水勢に対応する流量が判別され、流量検出手段により検出された流量が判別された流量と等しくなるように流量調整手段がフィードバック制御される。
【0022】
この場合にも、加圧手段による周期的な圧力変動が瞬間式加熱手段により緩衝されるので、流量検出手段により流量を正確かつ容易に検出することが可能となる。その結果、記憶手段に記憶された関係に基づいて洗浄水の流量を設定された水勢に対応する流量に正確かつ容易に制御することが可能となる。
【0023】
加圧手段およぴ流量調整手段は洗浄水に周期的な圧力変動を与えつつ加圧するポンプであり、制御手段は、ポンプの圧力を制御することにより噴出手段から噴出される洗浄水の流量を制御してもよい。
【0024】
この場合、ポンプが加圧手段および流量調整手段として働く。したがって、ポンプの圧力を制御することにより噴出手段から噴出される洗浄水の流量を制御することが可能となる。流量調整手段を別途設ける必要がないので、衛生洗浄装置の小型化を図ることができる。
【0025】
制御手段は、流量検出手段により検出された流量に基づいてポンプによる圧力変動の周期、圧力変動の幅および中心圧力のうち少なくとも1つを制御してもよい。
【0026】
この場合、流量検出手段により検出された流量に基づいてポンプによる圧力変動の周期、圧力変動の幅および中心圧力のうち少なくとも1つが制御されるので、使用者の嗜好または体調に応じて種々の洗浄感を得ることが可能となる。
【0027】
ポンプは、往復運動を行う加圧部材を有する往復動ポンプを含んでもよい。
この場合、往復動ポンプにおける加圧部材の往復運動の周期またはストロークを制御することにより洗浄水の圧力変動の周期、圧力変動の幅または中心圧力を制御することができる。
【0028】
流量調整手段は流量調整弁を含み、制御手段は、流量調整弁を制御することにより噴出手段から噴出される洗浄水の流量を制御してもよい。
【0029】
この場合、流量調整弁を制御することにより噴出手段から噴出される洗浄水の流量を制御することができる。
【0030】
制御手段は、流量検出手段により検出された流量に基づいて瞬間式加熱手段を制御してもよい。それにより、洗浄水の温度を正確かつ容易に制御することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る衛生洗浄装置について説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
【0033】
図1に示すように、便器600上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
【0034】
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0035】
本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉自在に取り付けられている。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構と制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基いて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400の下面に取り付けられた便座スイッチ15からの信号を受け、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御を行う。
【0036】
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、マッサージスイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307、脱臭スイッチ308およびパワースイッチ309を備える。
【0037】
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、マッサージスイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307、脱臭スイッチ308およびパワースイッチ309が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0038】
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。マッサージスイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
【0039】
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。パワースイッチ309を押下操作することにより通常の洗浄時における流量よりも多い洗浄水がノズル部30から噴出される。
【0040】
調整スイッチ302は、水勢調整スイッチ302a,302b、温度調整スイッチ302c,302dおよび噴出形態調整スイッチ302e,302fを含む。
【0041】
使用者が、水勢調整スイッチ302a,302bを押下操作することにより、図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30より噴出される洗浄水の水勢(圧力)が変化し、温度調整スイッチ302c,302dを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化する。また、噴出形態調整スイッチ302e,302fを押下操作することによりノズル部30より噴出される洗浄水の噴出形態と広がり角度とが変化し、被洗浄面の洗浄面積が変化する。調整スイッチ302の押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)301が点灯する。
【0042】
以下、本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
【0043】
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,12b、室温センサ12c、通水センサ12d、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
【0044】
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12b、通水センサ12dおよびポンプ13が介挿されている。
【0045】
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
【0046】
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ配管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、分岐点Aにおいて逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、水圧異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
【0047】
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に流量測定値を与える。詳細は後述する。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0048】
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基いて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。温度センサ12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。通水センサ12dは、配管203内に洗浄水が通水していることを示す通水信号を制御部4に与える。
【0049】
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基いて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基いて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
【0050】
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、流量センサ10から与えられる流量測定値、温度センサ12a,12bおよび室温センサ12cから与えられる温度測定値、通水センサ12dから与えられる通水信号に基き止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
【0051】
図4は流量センサ10の構造の一例を示す図である。図4(a)は流量センサ10の模式図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
【0052】
流量センサ10は、本体部101とセンサ部107とから構成される。本体部101は透明な樹脂ケース106で形成され、樹脂ケース106内には円柱状空間103が形成されている。円柱状空間103内には羽根車102が塾102aを中心に回転可能に設けられており、円柱状空間103を流体が流れるに伴って回転する。樹脂ケース106の一側部には洗浄水入口104が形成され、他側部には洗浄水出口105が形成されている。
【0053】
センサ部107の先端部には透過型センサ108が設けられている。透過型センサ108は投光器108aと受光器108bとからなり、投光器108aおよび受光器108bは互いに対向するように本体部103の上下に設けられている。投光器108aからは常に投光器108bに向かって光が発せられ、受光器108bはその光を受光する。センサ部107は、投光器108aから発せられた光が羽根車102により単位時間当たりに遮光される回数に基づいて流量センサ10を流れる流体の流量を計算する。
【0054】
矢印Xで示すように、洗浄水は、洗浄水入口104から円柱状空間103に供給され、羽根車102回転させながら円柱状空間103を流れ、洗浄水出口105から排出される。センサ部107は、流量センサ10を流れる洗浄水の流量を流量測定値として制御部4に与える。
【0055】
図5は熱交換器11の構造の一例を示す一部切り欠き断面図である。
図5に示すように、樹脂ケース504内に曲折された蛇行配管510が埋設されている。蛇行配管510に接触するように平板状のセラミックヒータ505が設けられている。矢印Yで示すように、洗浄水が、給水口511から蛇行配管510内に供給され、蛇行配管510中を流れる間に、セラミックヒータ505により効率よく加熱され、排出口512から排出される。
【0056】
図3の制御部4は、温度センサ12aおよび12bより与えられる温度測定値および流量センサ10より与えられる洗浄水の流量測定値に基いて、熱交換器11のセラミックヒータ505の温度をフィードバック制御する。
【0057】
本実施の形態においては、制御部4がフィードバック制御により熱交換器11のセラミックヒータ505の温度を制御することとしたが、これに限定されず、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ505の温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時には、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ505を制御し、定常時には、フィードバック制御によりセラミックヒータ505を制御する複合的な制御を行ってもよい。
【0058】
また、蛇行配管510は曲線を繰り返す構造となっているため、洗浄水は蛇行配管510の曲線において抵抗を受けて流れにくい。それにより、ポンプ13の動作により生じる洗浄水の周期的な圧力変動は蛇行配管510において緩衝される。その結果、ポンプ13に対して熱交換器11よりもさらに上流側にある流量センサ10には周期的な圧力変動が伝達されない。したがって、羽根車102の回転数が周期的な振動をすることなく、流量センサ10は洗浄水の流量を正確に測定することができる。
【0059】
以上のことから、本実施の形態にかかる衛生洗浄装置100においては、新たにバッファタンクを設けることなく、流量センサ10に流れる洗浄水の周期的な圧力変動を抑制することができる。したがって、衛生洗浄装置100の省スペース化を図ることができる。
【0060】
図6はポンプ13の構造の一例を示す断面図である。図6のポンプは複動型レシプロポンプである。
【0061】
図6において、本体部138内には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン136の外周部には、X字パッキン136aが装着されている。圧送ピストン136により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。
【0062】
本体部138の一側部には洗浄水入口PIが設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられている。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を介して切替弁14が接続される。
【0063】
洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに連通するとともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介してポンプ室139bに連通している。
【0064】
ポンプ室139aは、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通している。ポンプ室139bは、小室S6、小室S8および内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
【0065】
小室S3、小室S4、小室S7および小室S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けられている。
【0066】
モータ130の回転軸にギア131が取り付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。また、ギア132には、クランクシャフト133の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト133の他端には、ピストン保持部134およびピストン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付けられている。
【0067】
図3の制御部4により与えられる制御信号に基いて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転する。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの方向に上下運動する。
【0068】
図7はアンブレラパッキン137の動作を説明するための模式図である。例えば、図6の圧送ピストン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図7(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図7(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口POより吐出されることもない。
【0069】
一方、図6の圧送ピストン136が、上方向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図7(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図7(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POから吐出される。
【0070】
なお、小室S4内に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図7(b)に示すように変形し、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図7(a)に示す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図7(a)に示す状態のまま変形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図7(b)に示すように変形する。それにより、ポンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出されるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
【0071】
図8は図6のポンプ13の各部の圧力変化を示す図である。図8の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0072】
図8に示すように、ポンプ13の洗浄水入口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図7の圧送ピストン136が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期的に変化する。
【0073】
このように、ポンプ13においては、圧送ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口POから吐出される。
【0074】
図8(a)〜(c)は、第1の実施の形態において設定された水勢の違いによるポンプ13の圧力変化を示す図である。縦軸はポンプ13の吐出圧力を示し、横軸は時間を示す。図8(d)は、吐出圧力の変動中心の圧力変化を示す図である。縦軸は吐出圧力の変動中心の圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0075】
図8(a)は、使用者が図2の水勢調整スイッチ302a,302bを押下し、水勢を「強」に設定した場合のポンプ13の吐出圧力を示す図である。この場合、制御部4はポンプ13のモータ130の回転数を大きくする。これにより、図5の圧送ピストン136の上下方向の運動周期が短くなる。その結果、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が高くなり、吐出圧力の変動周期が小さくなる。また、吐出圧力の変動中心Poが高くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が大きくなる。
【0076】
また、図8(b)は、使用者が図2の水勢調整スイッチ302a,302b,302cを押下し、水勢を「中」に設定した場合のポンプ13の吐出圧力を示す図である。この場合、制御部4はモータ130の回転数を中程度にする。これにより、図5の圧送ピストン136の上下方向の運動周期が中程度となる。その結果、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が中程度となり、吐出圧力の変動周期が中程度となる。また、吐出圧力の変動中心Poが中程度となり、かつ、吐出圧力の変動幅が中程度となる。
【0077】
さらに、図8(c)は、使用者が図2の水勢調整スイッチ302a,302cを押下し、水勢を「弱」に設定した場合のポンプ13の吐出圧力を示す図である。この場合、制御部4はモータ130の回転数を小さくする。これにより、図5の圧送ピストン136の上下方向の運動周期が長くなる。その結果、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が低くなり、吐出圧力の変動周期が大きくなる。また、ポンプ13の吐出圧力の変動中心Poが低くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が小さくなる。
【0078】
以上のことから、図3の制御部4は、ポンプ13の回転数を制御してノズル部30から噴出される洗浄水の流量(中心圧力)、圧力変動幅および圧力変動周期を調整することができる。
【0079】
図9(a)は切替弁14の縦断面図であり、図9(b)は図9(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図9(c)は図9(a)の切替弁14のB−B線断面図であり、図9(d)は図9(a)の切替弁14のC−C線断面図である。
【0080】
図9に示す切替弁14は、モータ141、内筒142および外筒143により構成される。
【0081】
外筒143内に内筒142が挿入され、モータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。モータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基いて回転動作を行う。モータ141が回転することにより内筒142が回転する。
【0082】
図9(a),(b),(c),(d)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143c,143dと異なる位置に洗浄水出口143eが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142f,142gが設けられている。孔142e,142fの周辺には、図9(b),(c)に示すように、曲線および直線で構成される面取り部(凹部)が形成され、孔142gの周辺には、図9(d)に示すように、直線で構成される面取り部(凹部)が形成されている。
【0083】
内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっており、孔142gが外筒143の洗浄水出口143eと対向可能になっている。
【0084】
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143cには、おしりノズル1の第1の流路が接続され、洗浄水出口143dには、おしりノズルの第2の流路が接続され、洗浄水出口143eには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
【0085】
図10は図9の切替弁14の動作を示す断面図である。
図10(a)〜(f)は切替弁14のモータ141がそれぞれ0度、90度、135度、180度、225度および270度回転した状態を示す。
【0086】
まず、図10(a)に示すように、モータ141を回転させない(0度)場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部(凹部)が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから流出する。
【0087】
次に、図10(b)に示すように、モータ141が内筒142を90度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部(凹部)が外筒143の洗浄水出口143eに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143eから流出する。
【0088】
次いで、図10(c)に示すように、モータ141が内筒142を135度回転させた場合には、内筒142の孔142gの周囲の面取り部(凹部)の一部が外筒143の洗浄水出口143eに対向するとともに、内筒142の孔142eの周囲の面取り部(凹部)の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2および矢印W3で示すように洗浄水出口143c,143eから流出する。
【0089】
次に、図10(d)に示すように、モータ141が内筒142を180度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部(凹部)が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3で示すように洗浄水出口143cから流出する。
【0090】
次に、図10(e)に示すように、モータ141が内筒142を225度回転させた場合には、内筒142の孔142eの周囲の面取り部(凹部)の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向するとともに、内筒142の孔142fの周囲の面取り部(凹部)の一部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3および矢印W4で示すように洗浄水出口143c,143dから流出する。
【0091】
また、図10(f)に示すように、モータ141が内筒142を270度回転させた場合には、内筒142の孔142fの周囲の面取り部(凹部)が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W4で示すように洗浄水出口143dから流出する。
【0092】
以上のように、制御部4からの制御信号に基いてモータ141が回転することにより内筒142の孔142e,142f,142gのいずれかが外筒143の洗浄水出口143b〜143eに対向し、洗浄水入口143aから流入した洗浄水が洗浄水出口143b〜143eのいずれかから流出する。
【0093】
図11は図10の切替弁14の洗浄水出口143c,143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量および洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量を示す図である。図11の横軸はモータ141の回転角度を示し、縦軸は洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を示す。また、実線Q1が洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、一点鎖線Q2が洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量の変化を示し、二点鎖線Q3が洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量の変化を示し、破線Q4が洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量の変化を示す。
【0094】
例えば、図11に示すように、モータ141が回転しない場合(0度)、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度が大きくなるとともに洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が減少し、洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が増加する。
【0095】
次いで、モータ141が90度回転した場合、洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143eからノズル洗浄ノズル3に流出する洗浄水の流量Q4が減少し、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が増加する。
【0096】
続いて、モータ141が180度回転した場合、洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143cからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q1が減少し、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が増加する。
【0097】
続いて、モータ141が270度回転した場合、洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2は最大値を示す。そして、モータ141の回転角度がさらに大きくなるとともに洗浄水出口143dからおしりノズル1に流出する洗浄水の流量Q2が減少し、洗浄水出口143bからビデノズル2に流出する洗浄水の流量Q3が増加する。
【0098】
以上のことから、制御部4は、切替弁14のモータ141の回転角度を制御することにより洗浄水出口143b〜143eから流出する洗浄水の流量を制御することができる。
【0099】
したがって、制御部4は、切替弁14のモータ141の回転角度、ポンプ13の回転数の少なくとも一方を制御することにより洗浄水の流量を調整することができる。
【0100】
本実施の形態においては、図2の遠隔操作装置の水勢スイッチ302a,302bの押下操作により洗浄水の流量が制御される。洗浄水の流量は水勢スイッチ302a,302bの押下操作により段階的に調整される。各段階における洗浄水の流量は図3の制御部4に記憶されている。制御部4は流量センサ10により測定される流量と記憶した流量とが等しくなるように切替弁14のモータ141の回転角度、ポンプ13の回転数の少なくとも一方をフィードバック制御して洗浄水の流量を制御する。
【0101】
次に、図3のノズル部30について説明する。図13は図3のノズル部30および切替弁14の模式的断面図である。
【0102】
図13に示すように、切替弁14の洗浄水出口143c,143dは、おしりノズル1に接続され、切替弁14の洗浄水出口143bはビデノズル2に接続され、切替弁14の洗浄水出口143eはノズル洗浄ノズル3に接続される。
【0103】
まず、おしりノズル1の構成について説明し、次いで、ビデノズル2の構成について説明し、最後にノズル洗浄ノズル3の構成について説明する。
【0104】
おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22a,22bおよびスプリング23により構成される。
【0105】
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26a,26bが設けられている。また、ストッパ部26a,26bには、それぞれシールパッキン22a,22bが装着されている。ピストン部20の内部には、後端面から噴出孔25に連通する第1の流路27aが形成され、ストッパ部26aとストッパ部26bとの間におけるピストン部20の周面から噴出孔25に連通する第2の流路27bが形成されている。また、噴出孔25の周囲には、円筒状渦室29が形成されており、第1の流路27aと円筒状渦室29との間には、縮流部31が介挿されている。
【0106】
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と中間の径を有する中間部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と中間部分との間に、ピストン部20のストッパ部26aがシールパッキン22aを介して当接可能なストッパ面21cが形成され、中間部分と径大部分との間に、ピストン部20のストッパ部26bがシールパッキン22bを介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24aが設けられ、シリンダ部21の中間部分の周面には、洗浄水入口24bが設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24aは、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24aは、切替弁14の洗浄水出口143dに接続され、洗浄水入口24bは、切替弁14の洗浄水出口143cに接続されている。ピストン部20がシリンダ部21より最も突出した場合に、洗浄水入口24bは、第2の流路27bと連通する。この洗浄水入口24bが第2の流路27bと接続する詳細については後述する。
【0107】
ピストン部20は、ストッパ部26bが温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されている。
【0108】
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26aとシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
【0109】
ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0110】
次に、ビデノズル2は、円筒状のピストン部20e、円筒状のシリンダ部21e、シールパッキン22eおよびスプリング23eにより構成される。
【0111】
ピストン部20eの先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25eが形成されている。ピストン部20eの後端には、フランジ形状のストッパ部26eが設けられている。また、ストッパ部26eには、シールパッキン22eが装着されている。ピストン部20eの内部には、後端面から噴出孔25に連通する流路27eが形成されている。
【0112】
一方、シリンダ部21eは、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ピストン部20eのストッパ部26eがシールパッキン22eを介して当接可能なストッパ面21fが形成されている。シリンダ部21eの後端面には、洗浄水入口24eが設けられ、シリンダ部21eの先端面には、開口部21gが設けられている。シリンダ部21eの内部空間が温度変動緩衝部28eとなる。洗浄水入口24eは、シリンダ部21eの中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24eは、切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
【0113】
ピストン部20eは、ストッパ部26eが温度変動緩衝部28e内に位置し、先端部が開口部21gから突出するように、シリンダ部21e内に移動可能に挿入されている。
【0114】
さらに、スプリング23eは、ピストン部20eのストッパ部26eとシリンダ部21eの開口部21gの周縁との間に配設されており、ピストン部20eをシリンダ部21eの後端側に付勢する。
【0115】
ピストン部20eのストッパ部26eの外周面とシリンダ部21eの内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20eの外周面とシリンダ部21eの開口部21gの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0116】
次に、ノズル洗浄ノズル3は、円筒状の噴出部20kにより構成される。噴出部20kの先端近傍には、おしりノズル1側に洗浄水を噴出するための噴出孔25kとビデノズル2側に洗浄水を噴出するための噴出孔25mとが形成される。噴出部20kの後端には洗浄水入口24kが設けられる。噴出部20kの後端に設けられた洗浄水入口24kから噴出孔25kおよび噴出孔25mに連通する流路27kが形成される。洗浄水入口24kは、切替弁14の洗浄水出口143eに接続されている。
【0117】
それにより、切替弁14の洗浄水出口143eより供給された洗浄水が、ノズル洗浄ノズル3の噴出部20kの洗浄水入口24kを介して流路27kを通して、噴出孔25kおよび噴出孔25mより噴出される。噴出孔25kおよび噴出孔25mより噴出された洗浄水により、おしりノズル1およびビデノズル2の洗浄が行われる。
【0118】
次いで、図13のおしりノズル1およびビデノズル2の動作について説明する。まず、おしりノズル1の動作について説明し、次に、ビデノズル2の動作について説明する。図14は図13のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
【0119】
図14(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24a,24bより洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
【0120】
次いで、図14(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24aより洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
【0121】
洗浄水入口24aがシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の第1の流路27aを通して円筒状渦室29に供給され、噴出孔25からわずかに噴出される。円筒状渦室29の詳細については後述する。
【0122】
ピストン部20がさらに前進すると、図14(c)に示すように、ストッパ部26a,26bがシールパッキン22a,22bを介してシリンダ部21のストッパ面21c,21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26a,26bの外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。さらに、洗浄水入口24bより供給された洗浄水が、ピストン部20の第2の流路27bを通して円筒状渦室29に供給される。それにより、ピストン部20の第2の流路27bを通して円筒状渦室29に供給された洗浄水は、ピストン部20の第1の流路27aを通して供給された洗浄水と混合され、噴出孔25から噴出される。
【0123】
このように、切替弁14の洗浄水出口143c,143dより供給された洗浄水が、シリンダ部21の洗浄水入口24a,24bを介してピストン部20内の第1の流路27aおよび第2の流路27bを通して円筒状渦室29に導かれ、円筒状渦室29を通して噴出孔25から噴出される。
【0124】
次いで、図13のビデノズル2の動作について説明する。図15は図13のビデノズル2の動作を説明するための断面図である。
【0125】
まず、図15(a)に示すように、シリンダ部21eの洗浄水入口24eより洗浄水が供給されない場合、ピストン部20eが、スプリング23eの弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21e内に収容されている。その結果、ピストン部20eは、シリンダ部21eの開口部21gより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21e内には、温度変動緩衝部28eが形成されない。
【0126】
次いで、図15(b)に示すように、シリンダ部21eの洗浄水入口24eより洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20eがスプリング23eの弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21e内に温度変動緩衝部28eが形成されるとともに温度変動緩衝部28eに洗浄水が流入する。
【0127】
洗浄水入口24eがシリンダ部21eの中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28eに流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28eの洗浄水の一部は、ピストン部20eのストッパ部26eの外周面とシリンダ部21eの内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20eの外周面とシリンダ部21eの開口部21gの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20eの流路27eを通して、噴出孔25eからわずかに噴出される。
【0128】
ピストン部20eがさらに前進すると、図15(c)に示すように、ストッパ部26eがシールパッキン22eを介してシリンダ部21eのストッパ面21fに水密に接触する。それにより、ピストン部20eのストッパ部26eの外周面とシリンダ部21eの内周面との間の微小隙間からピストン部20eの外周面とシリンダ部21eの開口部21gの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。それにより、ピストン部20eの流路27eを通して噴出孔25eから噴出される。
【0129】
このように、切替弁14の洗浄水出口143bより供給された洗浄水が、シリンダ部21eの洗浄水入口24eを介してピストン部20e内の流路27eを通して円噴出孔25eから噴出される。
【0130】
図16は、図13のおしりノズル1およびビデノズル2から洗浄水が噴出される様子を説明する。
【0131】
図16に示すように、おしりノズル1の噴出孔25およびビデノズル2の噴出孔25eからは、表面張力により直径dnの幅を有した丸い粒状の洗浄水が噴出される。また、直径dnを有する洗浄水は、ポンプ13の圧力により流速vで被洗浄面SHに向けて噴出される。
【0132】
この場合、丸い粒状の洗浄水は、おしりノズル1の噴出孔25より距離Lwにある被洗浄面SHに到達するまでに、空気抵抗の働きにより水平方向に広がる。それにより、直径dnの幅を有した丸い粒状の洗浄水は、直径dnよりも大きい直径dwの幅を有した偏平な粒状の洗浄水に変化する。その結果、人体は、噴出孔25において少量の洗浄水が噴出されているのにもかかわらず、被洗浄面SHにおいて直径dwの幅の洗浄水を受けるため、多量の洗浄水が噴出されているような洗浄感を得ることができる。
【0133】
なお、本実施の形態においては、流量検出手段として羽根車を用いた流量センサを用いているが、流量検出手段として電磁式デジタル流量センサ、超音波式流量センサ等の他の流量センサを用いてもよい。
【0134】
本実施の形態に係る衛生洗浄装置100においては、水道配管201が給水源に相当し、ノズル部30が噴出手段に相当し、熱交換器11が瞬間式加熱手段に相当し、ポンプ13が加圧手段および往復動ポンプに相当し、流量センサ10が流量検出手段に相当し、切替弁14およびポンプ13が流量調整手段に相当し、切替弁14が流量調整弁に相当し、遠隔操作装置300が水勢設定手段に相当し、制御部4が制御手段および記憶手段に相当する。
【0135】
【発明の効果】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、給水源から供給される洗浄水が瞬間式加熱手段により流動されつつ加熱され、周期的な圧力変動が与えられつつ加圧され、噴出手段から噴出される。また、瞬間式加熱手段の上流側に設けられた流量検出手段により洗浄水の流量が検出され、検出された流量に基づいて瞬間式加熱手段、加圧手段および流量調整手段の少なくとも1つが制御される。
【0136】
この場合、加圧手段により洗浄水が周期的に変動する圧力で吐出されることにより、噴出手段から噴出される洗浄水の噴出速度が周期的に増加する。噴出口から噴出された洗浄水は、空気抵抗により広がりを持った粒状に変化するので、少ない流量の洗浄水でも人体に高い洗浄感および洗浄力を与えることができる。また、洗浄水の圧力変動を制御することにより使用者の嗜好または体調に応じた洗浄が可能となる。
【0137】
さらに、瞬間式加熱手段により洗浄水が瞬間的に加熱されるので、衛生洗浄装置の使用時にのみ洗浄水の加熱を行うことができる。それにより、消費電力を最小限に抑えることができる。また、洗浄水を加える貯水タンク等が不要となるため、省スペース化が実現される。さらに、洗浄時間が長くなった場合でも、洗浄水の温度の低下が生じない。
【0138】
特に、流量検出手段が瞬間式加熱手段の上流側に設けられているので、加圧手段による周期的な圧力変動が瞬間式加熱手段により緩衝され、流量検出手段に周期的な圧力変動が伝達されない。それにより、流量検出手段により洗浄水の流量を正確かつ容易に検出することができる。その結果、洗浄水の温度、圧力または流量を正確かつ容易に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図
【図2】図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図
【図3】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置の構成を示す模式図
【図4】流量センサの構造の一例を示す模式図
【図5】熱交換器の構造の一例を示す一部切り欠き断面図
【図6】本実施の形態に係るポンプの構成を示す模式的断面図
【図7】アンブレラパッキンの動作を説明するための模式図
【図8】図6のポンプの圧力変化を示す図
【図9】水勢の違いによるポンプの圧力変化を示す図
【図10】(a)は切替弁の縦断面図であり、(b)は(a)の切替弁のA−A線断面図であり、(c)は(a)の切替弁のB−B線断面図であり、(d)は(a)の切替弁のC−C線断面図
【図11】図10の切替弁の動作を示す断面図
【図12】図10の切替弁の洗浄水出口からおしりノズルに流出する洗浄水の流量、洗浄水出口からビデノズルに流出する洗浄水の流量および洗浄水出口からノズル洗浄ノズルに流出する洗浄水の流量を示す図
【図13】図3のノズル部および切替弁の模式的断面図
【図14】図13のおしりノズルの動作を説明するための断面図
【図15】図13のビデノズルの動作を説明するための断面図
【図16】図12のおしりノズルのピストン部の先端部の模式図
【符号の説明】
1 おしりノズル
2 ビデノズル
3 ノズル洗浄ノズル
4 制御部
10 流量センサ
11 熱交換器
13 ポンプ
14 切替弁
30 ノズル部
102 羽根車
108a 投光器
108b 受光器
141 モータ
200 本体部
300 遠隔操作装置
510 蛇行配管

Claims (9)

  1. 給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、
    洗浄水を噴出する噴出手段と、
    前記給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する瞬間式加熱手段と、前記瞬間式加熱手段から供給される洗浄水に周期的な圧力変動を与えつつ洗浄水を加圧して前記噴出手段から噴出させる加圧手段と、
    前記瞬間式加熱手段の上流側に設けられ、洗浄水の流量を検出する流量検出手段と、
    前記噴出手段から噴出される洗浄水の流量を調整する流量調整手段と、
    前記流量検出手段により検出された流量に基づいて前記瞬間式加熱手段、前記加圧手段および前記流量調整手段の少なくとも1つを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 前記瞬間式加熱手段は、蛇行する流路を有する熱交換器であることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
  3. 前記流量検出手段は、
    洗浄水の流れにより回転する羽根車を有し、羽根車の回転数に基づいて流量を検出する流量センサであることを特徴とする請求項1または2記載の衛生洗浄装置。
  4. 洗浄水の水勢を設定するための水勢設定手段と、
    前記水勢設定手段により設定される水勢と流量との関係を記憶する記憶手段とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された関係に基づいて前記水勢設定手段により設定された水勢に対応する流量を判別し、前記流量検出手段により検出される流量が前記判別された流量と等しくなるように前記流量調整手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  5. 前記加圧手段および前記流量調整手段は洗浄水に周期的な圧力変動を与えつつ加圧するポンプであり、
    前記制御手段は、前記ポンプの圧力を制御することにより前記噴出手段から噴出される洗浄水の流量を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  6. 前記制御手段は、前記流量検出手段により検出された流量に基づいて前記ポンプによる圧力変動の周期、圧力変動の幅および中心圧力のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項5記載の衛生洗浄装置。
  7. 前記ポンプは、往復運動を行う加圧部材を有する往復動ポンプを含むことを特徴とする請求項6記載の衛生洗浄装置。
  8. 前記流量調整手段は流量調整弁を含み、
    前記制御手段は、前記流量調整弁を制御することにより前記噴出手段から噴出される洗浄水の流量を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  9. 前記制御手段は、前記流量検出手段により検出された流量に基づいて前記瞬間式加熱手段を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
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