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JP2004198902A - 反射防止フィルムおよびその製造方法と画像表示装置 - Google Patents

反射防止フィルムおよびその製造方法と画像表示装置 Download PDF

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JP2004198902A
JP2004198902A JP2002369679A JP2002369679A JP2004198902A JP 2004198902 A JP2004198902 A JP 2004198902A JP 2002369679 A JP2002369679 A JP 2002369679A JP 2002369679 A JP2002369679 A JP 2002369679A JP 2004198902 A JP2004198902 A JP 2004198902A
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Toshiyuki Ikeda
俊之 池田
Shigeki Oka
繁樹 岡
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】クラックやムラの発生がなく、密着性、延展性に優れた高性能な反射防止フィルムを提供し、該フィルムを高い成膜速度で製造する方法、反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供することにある。
【解決手段】基材上の少なくとも片面に、2層以上からなる反射防止層を有し、該層のうち高屈折率層が金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成され、かつ、低屈折率層が放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法で形成されていることを特徴とする反射防止フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止フィルムおよびその製造方法と画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射防止膜に用いられる金属酸化膜の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、もしくは無機微粒子とバインダー高分子を塗布する方法などにより形成していた。
【0003】
しかし、蒸着によって形成した多層膜は優れた光学的性質を有する反面、生産性が低く大量生産に適しておらず、また、塗布法によって形成した多層膜は生産性が高い反面、光学特性、表面物性の点では蒸着法に劣っていた。そこでこの問題を解決するために、屈折率の異なる二つ以上の構成層を、蒸着法と塗布法を組み合わせて形成することによって、大量生産に適し、物理的特性や光学的機能も優れている多層反射防止膜を製造する手法が開示されている(例えば、特開平11−295503号公報、特開2001−337202号公報、特開2002−243906号公報参照)。
【0004】
プラスチックフィルムに反射防止膜を形成する場合、長尺フィルムをロールトゥロールで搬送し、成膜、処理を一貫して行うことによって製造コストが抑えられるということは一般的に知られている。しかし、ロールトゥロールで搬送させたフィルムに、前述した、高屈折率層を塗布法で形成し、低屈折率層を真空蒸着法で形成するという方法により多層反射防止膜を形成するには、真空環境下にフィルムを導入する工程で、塗布後乾燥しきれなかった溶剤や膜中のシリカマトリックスに取り込まれていた水分など、膜中残留溶媒の蒸発の影響によって塗膜に収縮が起る。その結果クラックが発生したり、フィルムに縦ジワが入ってしまい成膜ムラが生じるという問題があった。
【0005】
また、無機微粒子とバインダー高分子を塗布する方法により形成した高屈折率層上に、プラズマCVD法で積層する場合、プラズマ処理によって膜表面のバインダーが破壊されて膜の延展性が低下し、積層膜をロールで巻き取る際など膜に応力が掛かったり、高温高湿環境下のように膜が膨張する場合などでは、クラックが発生してしまうという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−295503号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−337202号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−243906号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、クラックやムラの発生がなく、密着性、延展性に優れた高性能な反射防止フィルムを提供し、該フィルムを高い成膜速度で製造する方法、反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成される。
【0011】
〔1〕 基材上の少なくとも片面に、2層以上からなる反射防止層を有し、該層のうち高屈折率層が金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成され、かつ、低屈折率層が放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法で形成されていることを特徴とする反射防止フィルム。
【0012】
〔2〕 前記反射防止層の最表面に、防汚層を設けたことを特徴とする〔1〕に記載の反射防止フィルム。
【0013】
〔3〕 前記反射防止層のうち、高屈折率層が金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成され、かつ、低屈折率層および防汚層が放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法で形成されていることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載の反射防止フィルム。
【0014】
〔4〕 前記基材側から高屈折率層、低屈折率層、防汚層の順に積層されてなることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
【0015】
〔5〕 前記基材側から高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、防汚層の順に積層されてなることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
【0016】
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを付設したことを特徴とする画像表示装置。
【0017】
〔7〕 基材上の少なくとも片面に、2層以上からなる反射防止層を有し、該層のうち高屈折率層を金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成し、かつ、低屈折率層を放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法によって形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【0018】
〔8〕 前記大気圧プラズマCVD法が、大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電ガスに窒素を用いて、対向する第1電極と第2電極との放電空間に少なくとも0.5kHz以上の高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の周波数ω1の電圧成分と、前記第1の周波数ω1より高い第2の周波数ω2の電圧成分とを有することを特徴とする〔7〕に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0019】
〔9〕 前記反射防止フィルムの製造方法において、基材の元巻きから巻きほぐされて搬送してくるか、あるいは前工程から搬送してくる基材の上に、高屈折率層、低屈折率層、および防汚層の積層成膜を連続して行い、かつ、大気圧プラズマCVD法によるプラズマ処理時間が30秒以下であることを特徴とする〔7〕又は〔8〕に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0020】
即ち、前記した問題を解決し、高性能な多層反射防止膜を安定して生産するために、低屈折率層の形成には真空蒸着法ではなく大気圧プラズマCVD法を用いた。このことにより、塗膜の収縮によるクラックや成膜ムラの発生が解消された。
【0021】
また、高屈折率層をゾルゲル法によって形成し、なおかつ、低屈折率層を窒素放電大気圧プラズマCVD法で形成し、最表面に防汚層を設ける一連の成膜処理を、一度の工程内で連続的に行うことによって、クラックやムラの発生がなく、密着性、延展性に優れた高性能な防汚性反射防止膜を、高い成膜速度で製造することが可能である。
【0022】
またこのとき、放電ガスに窒素を用いることで一般的に用いられるヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスを用いたときに比べて大幅に成膜速度が上昇し、フィルムをプラズマ処理する時間が短縮できることにより、縦ジワ発生の原因の一つである基材温度の上昇が抑えられ、基材および構成層へのダメージがなく、その結果、基材が変形したり平面性が損なわれることがなく、成膜ムラもない多層反射防止膜の安定生産が可能となった。
【0023】
また、高屈折率層の塗布法をゾルゲル法とすることで、微粒子分散法に比べて高い光学的機能を有し、基材および低屈折率層との密着性が強固であり、なおかつ延展性に優れ、高温高湿環境下でもクラックの発生のない膜とすることができた。
【0024】
本発明においては、大気圧プラズマCVD法で低屈折率層、あるいは低屈折率層と防汚層を形成する。大気圧プラズマCVD法でのプラズマ放電処理は、窒素ガスを用いて大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるのがよい。
【0025】
放電条件は、一対の対向電極間にパルス化された電界を印加する方法、もしくは一対の対向電極間に第1の周波数ω1の電圧成分と、これより高い第2の周波数ω2の電圧成分とを重ね合わせた成分を有する高周波電圧を印加する方法、好ましくは一対の対向電極間に第1の周波数ω1の電圧成分と、これより高い第2の周波数ω2の電圧成分とを重ね合わせた成分を有する高周波電圧を印加する方法である。
【0026】
窒素放電に用いる対向電極間の距離は0.1〜20mmが好ましく、特に0.3〜2.0mmが好ましい。なお、一連の工程内でフィルムがプラズマ放電に曝される時間は30秒以下がよい。
【0027】
さらに、最表面に防汚層を30nm以下の膜厚で設けることにより、積層膜の光学的機能や物性を落とすことなく防汚性を付与することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を更に詳細に説明する。
【0029】
〔高屈折率層〕
本発明においては、まず高屈折率層を基材上に直接あるいは他の構成層を介した上に塗布することにより形成する。
【0030】
本発明に適用できる塗布法としては、スピナーコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、カーテンコート、押出しコート、或いは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法などの公知の方法が挙げられるが、特に限定されない。
【0031】
塗布法によって形成される高屈折率構成層用組成物としては、たとえば特開2001−91705号公報に記載のチタン、ジルコニウム、スズなどの金属アルコキシドのモノマーまたはオリゴマー、あるいはそれらの加水分解物から選ばれる化合物であり、また、活性線反応性化合物および有機溶媒を含有する組成物などが好ましく挙げられる。該組成物を基材上に塗設後、塗膜に活性線を照射して任意の屈折率の高屈折率構成層を形成することができる。
【0032】
該金属アルコキシドとしては、炭素原子数1〜10のものがよいが、好ましくは炭素原子数1〜4であることが望ましい。
【0033】
該金属アルコキシドとしては、たとえば、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体;Zr(O−i−C374、Zr(O−n−C494、Al(O−i−C373、Al(O−n−C493などが好ましく挙げられる。
【0034】
また、本発明においては、上記金属アルコキシドを加水分解(部分または完全加水分解)させて使用してもよく、酸性触媒または塩基性触媒の存在下にたとえば上記の金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解することによって得られる。この酸性触媒としては、たとえば硝酸、塩酸等の鉱酸やシュウ酸、酢酸等の有機酸がよく、また塩基性触媒としては、たとえばアンモニア等が挙げられる。
【0035】
活性線反応性化合物は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有するもので、活性線照射により架橋構造または網目構造を形成する活性線硬化性樹脂が好ましい。上記活性線硬化性樹脂としては、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂等を挙げることができる。さらに上記活性線硬化性樹脂には、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましい。該光増感剤や光開始剤としては公知のものを使用できる。また、上記活性線硬化性樹脂には公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいはゼラチンなどの親水性樹脂等のバインダーを混合して使用してもよい。
【0036】
活性線反応性化合物には、上記活性線硬化性樹脂のほかに特開2001−91705号公報に記載のM(R1m(R2n(OR3p(ここで、Mは金属Al、Si、Ti、V、Zn、Y、Zr、In、Sn、Sr、Ta、Tl、WおよびCeを表し、Oは酸素原子、R1は活性線反応性基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基を有する基を表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、m、nおよびpは正の整数を表す)で表される活性線反応性の金属アルコキシド化合物が含まれる。
【0037】
なお活性線とは、紫外線、電子線、γ線等を意味し、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線は、多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよい。また、照射する際には酸素濃度が0.5体積%以下の条件で行うのが効率的であり、硬化速度の点で好ましい。電子線またはプラズマ処理も同様に使用できる。プラズマ処理は連続的に行うものが好ましい。
【0038】
〔低屈折率層〕
本発明における低屈折率層は、窒素を用いた大気圧プラズマCVD法により形成される。
【0039】
図1は本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
【0040】
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電圧印加手段の他に、図1では図示してない(後述の図2に図示してある)が、ガス供給手段、電極内部に温度制御用媒体(水、油等)を循環供給可能な電極温度調節手段を有している装置である。
【0041】
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの第1の電圧V1が印加され、また第2電極12からは第2電源22からの第2の電圧V2が印加されるようになっている。第1電源21は第2電源22より高い高周波電圧(V1>V2)を印加出来る能力を有している。
【0042】
第1電極11と第1電源21との間には、第1電源21からの電流が第1電極11に向かって流れるように第1フィルター23が設置されており、第1電源21からの電流を通過しにくくし、第2電源22からの電流が通過し易くするように設計されている。
【0043】
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2電源22からの電流が第2電極12に向かって流れるように第2フィルター24が設置されており、第2電源22からの電流を通過しにくくし、第1電源21からの電流を通過し易くするように設計されている。
【0044】
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、ここでは図示してない(後述の図2に図示してあるような)ガス供給手段からガスGを導入し、第1電極11と第2電極12から高周波電圧を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない基材の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置14付近で薄膜を形成させる。ここでは図示してないが、電極内部には温度制御用媒体を供給循環させて電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の表面の温度を制御することが望まれる。
【0045】
また、図1に前述の高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧の測定に使用する測定器を示した。25及び26は高周波プローブであり、27及び28はオシロスコープである。
【0046】
ジェット方式の該大気圧プラズマ放電処理装置は複数基を並べて配置することで、処理速度を向上させることが出来る。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった組成の積層薄膜を形成することも出来る。
【0047】
図2は本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の回転電極と固定電極を有する大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。本発明の実施に当たり、当方式が前記図1に記載の方式より好ましい。
【0048】
図2の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電圧印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。図では省略しているが、各々の固定電極36は電源42と接続され、更に電源温度調節手段60から供給される媒体を循環できるようになっており、また、各固定電極36間にガス供給手段50からのガスGをガス導入口52を介して供給する手段および排ガスG′を排出する手段を交互に有している。図ではガスの流れを示す矢印でのみ示した。
【0049】
図2は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。
【0050】
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω1であって高周波電圧V1を、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ω2であって高周波電圧V2をかけるようになっている。
【0051】
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1電源41からの電流がロール回転電極(第1電極)35に向かって流れるように第1フィルター43が設置されており、該第1フィルター43は第1電源41からの電流を通過しにくくし、第2電源42からの電流を通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルター44が設置されており、第2フィルター44は、第2電源42からの電流を通過しにくくし、第1電源41からの電流を通過し易くするように設計されている。
【0052】
なお、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。何れにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。更に、第1電源は第2電源より高い電位の高周波(V1>V2)を印加出来る能力を有していればよい。また、周波数はω1<ω2となる能力を有していればよい。
【0053】
気化器などのガス供給手段50のガス供給装置51で発生させたガスGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。図では省略しているが、ガスGは各固定電極36の間より放電空間32へと導入する。
【0054】
基材Fが、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電圧をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにさらされ表面に薄膜が形成される。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。なお、本発明では塗布工程から続いて大気圧プラズマ処理がなされるのが好ましく、本発明の特徴が発揮されることはすでに述べた。
【0055】
さらに膜厚を厚くする場合、或いは、別の層を積層する場合は、別のプラズマ処理装置30を接続して、連続的に製膜することができ、本発明においては、続いて防汚膜あるいは塗布による高屈折率層を塗設するのが好ましい態様の一つである。
【0056】
放電処理済みの処理排ガスG′は固定電極36の間隔から排出され、最後に排気口53より排出する。複数ある固定電極36の間隙に設けられた排ガスG′の排出口は、供給されるガスGの供給口と交互に設けられている。
【0057】
薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
【0058】
次に、図3は本発明の金属酸化物薄膜層を形成する大気圧プラズマ放電処理装置の別の一例を示す概略図である。
【0059】
回転電極110とそれに対向して配置された複数の固定電極111を有し、図示されていない元巻きロールまたは前工程から搬送されて来る基材Fがガイドロール120、ニップロール122を経て回転電極110に導かれ、基材Fは回転電極110に接した状態で回転電極110の回転と同期しながら移送され、大気圧もしくはその近傍の圧力下にある放電部150に反応ガス発生装置131で調製された反応ガスGが給気管130から供給され、固定電極111に対向している基材面に薄膜が形成される。図では省略しているが、給気管130からの導入後、反応ガスGは各固定電極111の間隙に設けられた導入口から、放電部150に導入される。該導入口は処理済みの排ガスG′の排出口と交互に設けられている。図では、単に矢印で示した。
【0060】
回転電極110と固定電極111には、プラズマ放電を発生させるための電圧を印加できる電源180が電圧供給手段181、182を介して接続されている。
【0061】
また、回転電極110、固定電極111、放電部150はプラズマ放電処理容器190で覆われ、外界と遮断されている。処理された排ガスG′は、図では省略しているが、各固定電極111の間に設けられた各排出口から排出され、処理室の下部にあるガス排気口140から排出される。各固定電極間に設けられた排ガスG′の排出口は各固定電極111の間に設けられた前記反応ガスGの供給口と交互に設けられるていることが好ましい。各電極間のガス供給口および排出口は単に矢印で示した。
【0062】
プラズマ放電処理された基材Fはニップロール123及びガイドロール121を経て次工程または図示してない巻き取りロールへ搬送される。
【0063】
基材Fがプラズマ放電処理容器の出入り部分のニップロール122及び123のところに外界との仕切板124及び125が設けられており、外界からニップロール122と共に基材Fに同伴して来る空気を遮断し、また出口においては、反応ガスGまたは排ガスG′が外界に漏れないようになっている。なお、図示してないが、必要に応じて、回転電極110及び固定電極111は温度調節のための温度制御された媒体を循環するようになっており、温度制御することができる。
【0064】
図3に示す装置は、本発明において、低屈折率層上に防汚膜等を形成するためアルゴン等の希ガスを用いて薄膜形成するのに好ましく用いられる。
【0065】
放電処理の際の基材の温度は処理条件によって異なるが、室温〜200℃以下が好ましく、より好ましくは50〜120℃以下であり、更に好ましくは60〜110℃である。
【0066】
放電処理の際に基材面の特に幅手方向で温度ムラが生じないようにすることが望ましく、±5℃以内とすることが好ましく、より好ましくは±1℃以内であり、特に好ましくは±0.1℃以内である。
【0067】
本発明において、電極間隙の放電部には、ガス発生装置で発生させた反応ガスを流量制御して、反応ガス供給口よりプラズマ放電部に導入される。反応ガスの濃度や流量は適宜調整されるが、基材の搬送速度に対して十分な速度で処理用ガスを電極間隙に供給することが好ましい。例えば、幅手方向1cmあたり0.1〜200L/minの流量で反応ガスを供給することが好ましい。放電部では供給した反応ガスのほとんどが反応して薄膜形成に使われるように流量や放電条件が設定するのが望ましい。
【0068】
放電部に大気が混入したり、反応ガスが装置外に漏れ出ることを防止するために、電極及び移送中の基材は全体を囲んで外界から遮蔽することが好ましい。本発明において、放電部の気圧は大気圧もしくはその近傍の圧力に維持される。
【0069】
図1および2における大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
A1 神鋼電機 3kHz
A2 神鋼電機 5kHz
A3 春日電機 15kHz
A4 神鋼電機 50kHz
A5 ハイデン研究所 100kHz*
A6 パール工業 200kHz
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。なお、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。
【0070】
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
B1 パール工業 800kHz
B2 パール工業 2MHz
B3 パール工業 13.56MHz
B4 パール工業 27MHz
B5 パール工業 150MHz
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
【0071】
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
【0072】
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを原料ガスに与え薄膜を形成させる。供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2以下、より好ましくは20W/cm2以下である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2以上である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0073】
ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
【0074】
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
【0075】
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
【0076】
次に、放電空間に供給するガスについて説明する。
供給するガスは、放電ガスおよび原料ガスを含有する。放電ガスと原料ガスは混合して供給してもよいし、別々に供給してもかまわない。
【0077】
放電ガスとは、薄膜形成可能なグロー放電を起こすことの出来るガスであり、それ自身がエネルギーを授受する媒体として働く。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気、水素ガス、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。本発明において、放電ガスとして特に好ましいのは窒素である。放電ガスの50〜100体積%が窒素ガスであることが好ましい。このとき、放電ガスとして窒素以外の放電ガスとしては、希ガスを50体積%未満含有することが好ましい。また、放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、90〜99.9体積%含有することが好ましい。
【0078】
原料ガスとは、放電ガスからのエネルギーを受け取って、それ自身は励起して活性となり、基材上に化学的に堆積して薄膜を形成する原料のことである。
【0079】
次に、本発明に使用する薄膜を形成する反応ガスについて説明する。使用する反応ガスは、基本的に放電ガスと原料ガスの混合ガスである。更に添加ガスを加えることもある。混合ガス中、放電ガスを90〜99.9体積%含有することが好ましい。
【0080】
前記金属或いは金属酸化物の薄膜を形成するための原料ガスとして用いられる珪素化合物、チタン或いは錫等の金属化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、有機金属錯体化合物や金属アルコキシド等の有機金属化合物、が好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、好ましく用いられる。
【0081】
また、上記記載の金属化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射、噴霧等の手段により気化させて使用される。例えば、珪素化合物、チタン化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。
【0082】
反応ガス中に上記記載の金属化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の金属化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0083】
反応ガスに有機金属化合物を添加する場合、例えば、有機金属化合物としてLi,Be,B,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Cd,In,Ir,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Hf,Ta,W,Tl,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選択される金属を含むことができる。より好ましくは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
【0084】
また、本発明において、金属もしくは金属酸化物層を有するフィルム上に、また透明導電膜上に積層され、反射防止フィルムの最上層に形成される膜として、防汚性に優れた、異物等の少ない、有機基を有する酸化珪素の膜は、上記の有機珪素化合物から選ばれる1以上の膜形成ガスと希ガスあるいは窒素を含有する反応ガスに還元性ガスを添加して、大気圧下におけるプラズマCVDにより形成される。
【0085】
前記記載の反射防止層の形成において、低屈折率層形成用原料ガスとしては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることが出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジアセトアセトナート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いることが出来る。
【0086】
〔基材及びその上に塗設される層〕
本発明において、前記各種の金属酸化物の薄膜をその上に形成する基材としての透明支持体は特に限定されないが、膜厚としては10〜1000μmのフィルムが好ましく用いられ、セルロースエステルフィルム、ポリエステルフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム(ARTON ジェイエスアール(株)製)、アクリルフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート等が用いられる。
【0087】
透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。
【0088】
基材としては、中でもセルロースエステルフィルムを用いることが、例えば反射防止膜の場合、低い反射率の積層体が得られる為、好ましく用いられる。本発明に記載の効果を好ましく得る観点から、セルロースエステルとしてはセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく、中でもセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。例えばコニカタックKC4UX、KC5UX、KC8UX等(コニカ社製)が用いられる。
【0089】
本発明では、これらセルロースエステルフィルムは通常、膜厚10〜500μmのものが用いられるが、特に膜厚10〜80μmのものを使用することが好ましい。
【0090】
本発明に係わる積層膜の形成方法により、反射防止フィルムを作製する場合、
これらの基材フィルムにはスクアリリウム染料、クロコニウム染料、オキサジベンゾフランシアニン染料をフィルム中に含有するか、あるいはこれらを含有する層を基材フィルム上に設けることが好ましい。又、同時に紫外線吸収剤を含有させるかもしくは紫外線吸収層を設けておくことが好ましい。
【0091】
これらの染料を含有する基材或いは染料層には、褪色防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤を添加してもよい。褪色防止剤としては、米国特許第3,935,016号、同982,944号の各明細書記載のハイドロキノン誘導体、米国特許第4,254,216号明細書、特開昭55−21004号公報記載のハイドロキノンジエーテル、特開昭54−145530号公報記載のフェノール誘導体、英国特許第2,077,455号、同2,062,888号の各明細書記載のスピロインダン、メチレンジオキシベンゼン、米国特許第3,432,300号、同3,573,050号、同3,574,627号、同3,764,337号の各明細書、特開昭52−152225、同53−20327号、同53−17729号、同61−90156号の各公報記載のクロマン、スピロクロマン、クマラン誘導体、英国特許第1,347,556号、同2,066,975号の各明細書、特公昭54−12337号、特開昭55−6321号の各公報記載のハイドロキノンモノエーテル、p−アミノフェノール誘導体、米国特許第3,700,455号明細書、特公昭48−31625号公報記載のビスフェノール誘導体が含まれる。また、米国特許第4,245,018号明細書、特開昭60−97353号公報記載の金属錯体や一重項酸素クウェンチャーを用いても良い。一重項酸素クウェンチャーとしては、特開平2−300288号公報記載のニトロソ化合物、米国特許第4,656,121号明細書記載のジインモニウム化合物、特開平4−146189号公報記載のニッケル錯体およびEP820,057A1明細書記載の酸化防止剤が含まれる。
【0092】
これらの層を基材上に、別に設ける場合には、さらにポリマーバインダーを含むことが好ましい。天然ポリマー(例、ゼラチン、セルロース誘導体、アルギン酸)または合成ポリマー(例、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、水溶性ポリアミド)をポリマーバインダーとして用いることができる。親水性ポリマー(上記天然ポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水溶性ポリアミド)が特に好ましい。
【0093】
この場合基材と着色層の間に下塗り層を設けることができる。下塗り層としては室温での弾性率が800乃至5Mpa、さらに好ましくは500乃至10MPaの柔らかいポリマーが好ましい。またその厚みは好ましくは5nm乃至5μm、最も好ましくは50nm乃至1μmである。下塗り層に使用されるポリマーはガラス転移温度が60℃以下−60℃以上である、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、クロロプレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルまたはメチルビニルエーテルの重合または共重合させたもの等を挙げることができる。
【0094】
これらの染料を含有させることにより、プラズマ処理で金属酸化物層を形成する際にフィルムの平面性の劣化が生じにくくなるため好ましい。
【0095】
基材(透明支持体)に、紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンズトリアゾール系、トリアジン系等のものが好ましく用いられる。さらに滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持体に表面処理を施すことが好ましい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、およびオゾン酸化処理を挙げることができ、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火炎処理が好ましく、コロナ放電処理がさらに好ましい。
【0096】
電磁波遮蔽効果を付与するには、電磁波遮蔽効果を有する層の表面比抵抗は0.01〜500Ω/□、より好ましくは0.01〜10Ω/□である。透過率を低下させないため透明導電層を用いることが好ましい。
【0097】
透明導電層としては、金属層、導電性ポリマー層等を挙げるこができるが、前記酸化スズ、ITO等の金属酸化物層等も上記の表面比抵抗とすれば、もちいることができる。
【0098】
透明導電層を形成する金属としては、例えば銀、パラジウム、金、白金、ロジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、錫、タングステン、イリジウム、鉛単独もしくはこれらの2種以上の合金を挙げることができるが、好ましくは銀、パラジウム、金、白金、ロジウム単独もしくはこれらの合金である。この中で銀とパラジウムの合金が好ましく、このとき銀の含有率は60質量%乃至99質量%が好ましく、80質量%乃至98質量%が更に好ましい。金属層の膜厚は1〜100nmが好ましく、5〜40nmが更に好ましく、10〜30nmが最も好ましい。膜厚が1nm未満では電磁波遮蔽効果が乏しく、100nmを超えると可視光線の透過率が低下する。透明導電層を形成する金属酸化物としては、例えば酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO、ATOなどを挙げることができる。この膜厚は20〜1000nmが好ましい。さらに好ましくは40〜100nmである。
【0099】
これら金属透明導電層と酸化物透明導電層を合わせて用いるのも好ましい。また、同一層内に金属と導電性金属酸化物が共存することも好ましい。金属層の保護、酸化劣化防止および可視光線の透過率を高めるために透明酸化物層を積層することができる。この透明酸化物層は導電性があってもなくてもかまわない。透明酸化物層としては例えば2〜4価金属の酸化物、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび金属アルコキサイド化合物等の薄膜が挙げられる。透明導電層、透明酸化物層を形成する方法としては特に制限はなく、任意の加工処理方法を選択することが可能である。例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法あるいはPVD法、該当する金属あるいは金属酸化物の超微粒子の塗布、金属シートの接着等いずれの公知技術も用いることが可能である。
【0100】
また、基材上に、その他の層として、赤外遮蔽効果を有する層を別に設けてもよい。前記の染料をこの層に含有してもよい。750nmから1100nmまでの赤外線が最も問題であり、この領域に対し遮蔽効果を有することが好ましい。赤外線遮蔽効果を付与するには透明プラスチック支持体に近赤外吸収性化合物を混合する方法も用いることができる。例えば銅原子を含有する樹脂組成物(特開平6−118228号公報)、銅化合物、リン化合物を含有する樹脂組成物(特開昭62−5190号公報)、銅化合物、チオ尿素誘導体を含有する樹脂組成物(特開平6−73197号公報)、タングステン系化合物を含有する樹脂組成物(米国特許第3,647,729号明細書)などを形成することによって容易に製造できる。銀を透明フィルム上に成膜する方法は、電磁遮蔽に加えて赤外線遮蔽効果を持たせることができる。
【0101】
〔その他の層〕
本発明においては、表面にアンチグレア機能(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景色が膜表面に映るのを防止する機能)を付与することも好ましい。例えば、透明フイルムの表面に微細な凹凸を形成し、そしてその表面に反射防止層を形成するか、あるいは反射防止層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成することにより、アンチグレア機能を得ることができる。アンチグレア機能を有する反射防止層は、一般に3〜30%のヘイズを有する。
【0102】
本発明には、ハードコート層、潤滑層、防汚層、帯電防止層あるいは中間層を設けることも好ましい。ハードコート層は、架橋しているポリマーを含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シロキサン系のポリマー、オリゴマーまたはモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)を用いて形成することができる。シリカ系のフィラーをハードコート層に添加することもできる。反射防止膜の最表面には潤滑層を形成してもよい。潤滑層は、反射防止膜表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善する機能を有する。潤滑層は、ポリオルガノシロキサン(例、シリコンオイル)、天然ワックス、石油ワックス、高級脂肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはその誘導体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さは、2〜20nmであることが好ましい。
【0103】
反射防止膜の最表面に設けた本発明の有機基を有する酸化珪素の膜は防汚層として作用し、反射防止層の表面エネルギーを下げ、親水性、親油性の汚れを付きにくくするものである。防汚層の厚さは2nm〜100nm、好ましくは5nm〜30nmである。
【0104】
本発明に係わる反射防止フィルムの分光反射率は分光光度計により測定を行うが、基材フィルムの上の反射防止層の反対側を(観察側の裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行ってから、400〜700nmの波長について反射光を測定する。反射率は400〜700nmの波長における平均値が0.4%以下であることが好ましく、最低の反射率は0.2%未満であることが好ましく、測定波長の範囲内において、反射率がほぼ平坦な反射スペクトルを有することが好ましく、反射光のムラがないことが好ましい。或いは、反射光としてやや青〜紫色の色味を有しているものが好まれる。
【0105】
〔画像表示装置〕
本発明に係わる反射防止フィルムをもちいて、偏光板は、一般的な方法で作製することが出来る。先ず、セルロースエステルフィルムと反射防止フィルムをアルカリケン化処理し水洗し乾燥しておく、一方、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、長さ方向に一軸延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて上記フィルムの鹸化された面を貼り合わせることによって画像表示装置用の偏光板を得ることが出来る。
【0106】
この偏光板を作製する過程において、鹸化処理したセルロースエステルフィルムの何れかの面、また反射防止フィルムの反射防止層のある面の反対面を貼り合わせる際、本発明に係るセルロースエステルフィルム及び本発明の反射防止フィルムを使用することによって、貼り合わせが良好に行うことが出来、また貼り合わせたフィルムが剥離することもなく安定した偏光板を得ることが出来る。
【0107】
本発明の反射防止フィルムは、偏光板用保護フィルムとして液晶ディスプレイにもちいられる他、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種画像表示装置に好ましくもちいることができる。
【0108】
【実施例】
次に、本発明の構成と効果を実施例を示して説明するが、無論、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0109】
〔実施例1〕
反射防止フィルム1の作製
(ハードコート層の作製)
膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム(コニカ社製コニカタックKC8UX2MW、屈折率1.49、アセチル基の置換度2.88)の片面に、下記ハードコート層組成物(C−1)を乾燥膜厚3.5μmとなるように塗布し、80℃にて1分間乾燥した。次に高圧水銀ランプ(80W)にて150mJ/cm2の条件で硬化させ、ハードコ−ト層を有するハードコートフィルムを作製した。ハードコート層の屈折率は1.50であった。
【0110】
〈ハードコート層組成物(C−1)〉
Figure 2004198902
(高屈折率層の作製)
前記ハードコートフィルムのハードコート層の上に、下記高屈折率層組成物(H−1)を押し出しコーターで塗布し、80℃、0.1m/秒の条件で1分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を130mJ/cm2照射して硬化させ、高屈折率層を設けた。この高屈折率層の乾燥膜厚は38nm、屈折率は1.91であった。
【0111】
〈高屈折率層組成物(H−1)〉
Figure 2004198902
(低屈折率層の作製)
前記高屈折率層の上に、下記条件で大気圧プラズマ法により低屈折率層を設けた。この低屈折率層の膜厚は113nm、屈折率は1.46であった。
【0112】
Figure 2004198902
上記ガス1〜3を放電空間直前で均一に混合させて反応ガスとした。ガス3はリンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化した。
【0113】
(防汚層の作製)
前記低屈折率層の上に、下記条件で大気圧プラズマ法により防汚層を設け、反射防止フィルム1を得た。この防汚層の膜厚は10nmであった。
【0114】
Figure 2004198902
上記ガス1〜3を放電空間直前で均一に混合させて反応ガスとした。ガス3はリンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化した。
【0115】
以上の反射防止フィルム1の作製を、ラインの搬送速度が20m/minの連続工程により行った。
【0116】
〔実施例2〕
反射防止フィルム2の作製
(防汚層の作製)
前記ハードコートフィルム上に、前述の方法で作製した高屈折率層(膜厚38nm)、低屈折率層(膜厚113nm)の積層体の上に、下記条件で大気圧プラズマ法により防汚層を設け、反射防止フィルム2を得た。この防汚層の膜厚は10nmであった。
【0117】
Figure 2004198902
上記ガス1〜3を放電空間直前で均一に混合させて反応ガスとした。ガス3はリンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化した。
【0118】
以上の反射防止フィルム2の作製を、ラインの搬送速度が5m/minの連続工程により行った。
【0119】
〔実施例3〕
反射防止フィルム3の作製
(防汚層の作製)
前記ハードコートフィルム上に、前述の方法で作製した高屈折率層(膜厚38nm)、低屈折率層(膜厚113nm)の積層体の上に、信越化学社製コート剤「KP−801M」(CF3(CF2n24Si(NH23)を、希釈溶媒として1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを用い0.1質量%に希釈し、塗布乾燥して防汚層を設け、反射防止フィルム3を得た。この防汚層の乾燥膜厚は10nmであった。
【0120】
以上の反射防止フィルム3の作製を、ラインの搬送速度が20m/minの連続工程により行った。
【0121】
〔実施例4〕
反射防止フィルム4の作製
前記ハードコートフィルム上に、前述の作製方法によって高屈折率層(膜厚20nm)、低屈折率層(膜厚34nm)、高屈折率層(膜厚81nm)、低屈折率層(膜厚95nm)の順で積層した上に、反射防止フィルム1の防汚層作製方法と同様にして防汚層(膜厚10nm)を設け、反射防止フィルム4を得た。この一連の工程内でプラズマに曝されている時間は20秒であった。
【0122】
〔実施例5〕
反射防止フィルム5の作製
前記ハードコートフィルム上に、前述の作製方法によって高屈折率層(膜厚20nm)、低屈折率層(膜厚34nm)、高屈折率層(膜厚81nm)、低屈折率層(膜厚95nm)の順で積層した上に、反射防止フィルム2の防汚層作製方法と同様にして防汚層(膜厚10nm)を設け、反射防止フィルム5を得た。この一連の工程内でプラズマに曝されている時間は140秒であった。
【0123】
〔実施例6〕
反射防止フィルム6の作製
前記ハードコートフィルム上に、前述の作製方法によって高屈折率層(膜厚20nm)、低屈折率層(膜厚34nm)、高屈折率層(膜厚81nm)、低屈折率層(膜厚95nm)の順で積層した上に、反射防止フィルム3の防汚層作製方法と同様にして防汚層(膜厚10nm)を設け、反射防止フィルム6を得た。この一連の工程内でプラズマに曝されている時間は18秒であった。
【0124】
〔比較例1〕
反射防止フィルム7の作製
(低屈折率層の作製)
前記ハードコートフィルム上に、前述の方法で作製した高屈折率層(膜厚38nm)の上に、真空蒸着により低屈折率層を設けた。蒸着源としてSiO2を用い、電子ビーム蒸着装置によってSiO2薄膜、113nmを形成した。加熱源としては電子ビーム銃(EB銃)を用いて、SiO2を加熱した。EB銃のエミッション電流は1.2〜2.0Aとし、蒸着時の蒸気圧は3.99×10-2〜6.65×10-1Paとした。
【0125】
(防汚層の作製)
前記低屈折率層の上に、反射防止フィルム3の防汚層作製方法と同様にして防汚層(膜厚10nm)を設け、反射防止フィルム7を得た。
【0126】
〔比較例2〕
反射防止フィルム8の作製
(高屈折率層の作製)
前記ハードコートフィルムのハードコート層の上に、下記高屈折率層組成物(H−2)をバーコーターで塗布し、120℃で乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線照射して硬化させ、高屈折率層を設けた。この高屈折率層の乾燥膜厚は38nmであった。
【0127】
〈高屈折率層組成物(H−2)〉
二酸化チタン分散物 17.9g
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート混合物(日本化薬社製 DPHA) 1.2g
光重合開始剤(チバガイギー社製 イルガキュア907) 0.085g
光増感剤(日本化薬社製 カヤキュアーDETX) 0.028g
シクロヘキサノン 183g
メチルエチルケトン 46g
《二酸化チタン分散物》
Figure 2004198902
【0128】
【化1】
Figure 2004198902
【0129】
(低屈折率層および防汚層の作製)
前記高屈折率層の上に、反射防止フィルム7と同様にして低屈折率層(膜厚113nm)および防汚層(膜厚10nm)を設け、反射防止フィルム8を得た。
【0130】
以上のようにして得られた反射防止フィルム1〜8について、下記の評価方法に従って評価した。
【0131】
〔評価方法〕
(クラック)
反射防止フィルム試料を60℃、90%RHの環境下で1000時間処理した後、形成されたクラックを目視及び顕微鏡で観察し、下記の如くランク評価した。
【0132】
○:クラック発生がほとんど認められない
△:クラック発生が認められる
×:顕著なクラック発生が認められる
(密着性)
JIS D 0202に準拠したテープ剥離試験を行った。反射防止フィルム試料を60℃95%RHの条件で100時間静置した後、反射防止層の表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横に11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロハン製テープを貼り付け、その一端を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜が剥がされた面積の割合を目視で観察し、下記の如くランク評価した。
【0133】
A:全く剥離されなかった
B:剥離された面積割合が10%未満であった
C:剥離された面積割合が10%以上であった
(耐擦傷性)
反射防止フィルム試料の表面を、ボンスター#0000のスチールウールで400g/22mm径の加圧下で10回擦った後、発生した傷を目視で数え、下記の如くランク評価した。
【0134】
A:0本
B:1〜5本未満
C:5〜10本未満
D:10〜20本未満
E:20本以上
(色ムラ)
反射防止フィルム試料の反射防止層を設けた面の反対側の面(基材面)に、黒色塗料をコートし、RGBを含む光源タイプ蛍光灯および自然光をそれぞれ照射し、目視で光干渉による色ムラを観察し、下記の如くランク評価した。
【0135】
○:色ムラが生じないもの
△:色ムラが生じたもの
×:色ムラが顕著なもの
(反射率)
各試料の分光反射率は分光光度計U−4000型(日立製作所社製)を用いて、5度正反射の条件にて、450nm〜650nmの平均反射率の測定を行った。測定は、観察側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、フィルム裏面での光の反射を防止して、反射率の測定を行った。
【0136】
〔評価結果〕
結果を表1に示す。
【0137】
【表1】
Figure 2004198902
【0138】
上記表1に示す結果から、層数が2層と4層いずれであろうとも、ゾルゲル法により形成する高屈折率層と、窒素放電大気圧プラズマCVD法で形成する低屈折率層を組み合わせることにより、真空中での塗膜の収縮によるクラックや成膜ムラの発生という問題が解消され、なおかつ密着性が強固であり、さらには十分な膜硬度を有する反射防止膜となるこがわかる。
【0139】
また、大気圧プラズマCVD法において放電ガスに窒素を用いることで、大幅な成膜速度の上昇が達成でき、これにより一連の成膜工程を連続的に高い成膜速度で行うことが可能となる。これによって、フィルムをプラズマ処理する時間が短縮できることになり、フィルム温度の上昇が抑えられ、その結果、特に低屈折率層を窒素放電とする場合において、縦ジワの発生などで基材が変形したり平面性が損なわれることがなく、成膜ムラもない多層反射防止膜の安定生産が可能となった。
【0140】
【発明の効果】
本発明により、クラックやムラの発生がなく、密着性、延展性に優れた高性能な反射防止フィルムを提供し、該フィルムを高い成膜速度で製造する方法、反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図。
【図2】回転電極と固定電極を有する大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図。
【図3】回転電極と固定電極を有する大気圧プラズマ放電処理装置の別の一例を示す概略図。
【符号の説明】
F 基材
G 反応ガス
G′ 排ガス
10,30 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
21,41 第1電源
22,42 第2電源
31 プラズマ放電処理容器
35,110 ロール回転電極
36,111 角形固定電極群
40 電圧印加手段
51,131 反応ガス発生装置
52,130 ガス給気口
53,140 ガス排気口
60 温度調節手段
64,67 ガイドロール
65,66 ニップロール
68,69 仕切板

Claims (9)

  1. 基材上の少なくとも片面に、2層以上からなる反射防止層を有し、該層のうち高屈折率層が金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成され、かつ、低屈折率層が放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法で形成されていることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記反射防止層の最表面に、防汚層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記反射防止層のうち、高屈折率層が金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成され、かつ、低屈折率層および防汚層が放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法で形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記基材側から高屈折率層、低屈折率層、防汚層の順に積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  5. 前記基材側から高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、防汚層の順に積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを付設したことを特徴とする画像表示装置。
  7. 基材上の少なくとも片面に、2層以上からなる反射防止層を有し、該層のうち高屈折率層を金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、あるいはその加水分解物を溶解した塗布液を塗工する方法によって形成し、かつ、低屈折率層を放電ガスに窒素を用いた大気圧プラズマCVD法によって形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  8. 前記大気圧プラズマCVD法が、大気圧もしくはその近傍の圧力下、放電ガスに窒素を用いて、対向する第1電極と第2電極との放電空間に少なくとも0.5kHz以上の高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の周波数ω1の電圧成分と、前記第1の周波数ω1より高い第2の周波数ω2の電圧成分とを有することを特徴とする請求項7に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  9. 前記反射防止フィルムの製造方法において、基材の元巻きから巻きほぐされて搬送してくるか、あるいは前工程から搬送してくる基材の上に、高屈折率層、低屈折率層、および防汚層の積層成膜を連続して行い、かつ、大気圧プラズマCVD法によるプラズマ処理時間が30秒以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の反射防止フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010258144A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Konica Minolta Holdings Inc 太陽電池ユニットおよびその製造方法
JP2012208206A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Olympus Corp 反射防止膜および光学素子
US10408984B2 (en) 2014-10-10 2019-09-10 Jx Nippon Oil And Energy Corporation Optical phase difference component, composite optical component, incorporating optical phase difference component, and method for manufacturing optical phase difference component
US10522790B2 (en) 2014-05-14 2019-12-31 Jxtg Nippon Oil & Energy Corporation Film member having uneven structure

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