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JP2004190631A - ガスタービン用出力リミット制御装置 - Google Patents

ガスタービン用出力リミット制御装置 Download PDF

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JP2004190631A JP2002362337A JP2002362337A JP2004190631A JP 2004190631 A JP2004190631 A JP 2004190631A JP 2002362337 A JP2002362337 A JP 2002362337A JP 2002362337 A JP2002362337 A JP 2002362337A JP 2004190631 A JP2004190631 A JP 2004190631A
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典一 宮本
Takashi Sonoda
隆 園田
Atsuhiro Tokuda
篤洋 徳田
Toshimitsu Nakamura
利光 中村
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Abstract

【課題】燃料燃焼系以外の電力系統から生ずる高周波の外乱に対して、追従特性を抑制することにより、燃焼安定性を維持し、設備の保護を図ることができるガスタービン用出力リミット制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ガスタービン6の発電出力に対する目標値と発電出力の実績値との偏差をもとに、ガスタービン6の燃料流量を調整する出力リミット制御装置において、負荷が接続される系統から生ずる外乱に対して閉ループ特性を低感度に設定する感度設定手段により、電力系統から生ずる高周波の外乱を抑制して、燃焼安定性を維持したガスタービン用出力リミット制御装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの出力リミット制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高炉ガスを主燃料とするガスタービン発電システムにおいては、高炉の操業状態により発生高炉ガスのカロリーが大きく変動し、その影響によりガスタービンの発電出力が大きく変動する場合があった。そのため、このようなシステムにおいては、発電電力の目標値と発電電力の実績値との偏差をPI演算(比例積分制御)して、ガスタービンに供給する燃料流量を算出し、これに基づいて、発電出力を一定に制御していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−133703号公報(第2−23頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特に、ガスタービンを用いた自家発電システムのように、発電機に電気的に接続された電力系統上に、慣性モーメントの大きい電動機や製鉄用の圧延機械である圧延主機等の変動の大きな負荷が存在すると、ガスタービンによる発電出力は、短い周期で、しかも大振幅で変動する。この場合、従来と同様に、発電出力の実績値を用いて、出力制御を行おうとすると、ガスタービンに供給される燃料流量は、短い周期で大幅に変動するため、燃料量と燃焼空気量との僅かな応答特性の差によって、空燃比が変動する。
【0005】
空燃比が変動すると、安定燃焼範囲の狭い高炉ガス等の低カロリーガス専燃式ガスタービンやNox(窒素酸化物)低減のためにあえて希薄燃焼を行うガスタービン等では、不安定燃焼になったり、失火に至る場合も発生する。こうした状況を回避するためには、出力一定制御の追従能力を全体として著しく低下せざるを得なかった。この結果、燃料ガスカロリーの短周期変動に対する発電出力の変動、ガスカロリーが急激に低下した場合の入熱不足に伴う失火や負荷変更時の応答性を上げられないといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、燃料燃焼系以外の電力系統から生ずる高周波の外乱に対して、追従特性を抑制することにより、燃焼安定性を維持し、設備の保護を図ることができる出力リミット制御装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、ガスタービンの発電出力に対する目標値と発電出力の実績値との偏差をもとに、ガスタービンの燃料流量を調整する出力リミット制御装置であって、
負荷が接続される系統から生ずる外乱に対して閉ループ特性を低感度に設定する感度設定手段を有することを特徴とするガスタービン用出力リミット制御装置を提案している。
【0008】
この発明によれば、負荷が接続される電力系統の外乱に対するゲインを低く設定することにより、システムが応答できないような高周波の外乱に対し、追従能力を抑制して、系全体の安定性を維持することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたガスタービンの出力リミット制御方法について、前記感度設定手段は、系統固有値近傍の角周波数における外乱を除去する帯域除去フィルターであることを特徴とするガスタービン用出力リミット制御装置を提案している。
【0010】
この発明によれば、負荷が接続される電力系統により、システムの燃料供給系が特に影響を受ける範囲、すなわち、系統固有値近傍の角周波数に対する帯域除去フィルターを設けることで、システムの燃料供給系には影響を与えることなく、系全体の安定性を図ることができる。また、閉ループゲインを低く設定するための手段として帯域フィルターを用いたことから、それぞれのシステムの特性に応じた自由度のある設定が可能となる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載されたガスタービン用出力リミット制御方法について、前記燃料ガスが、高炉ガスであることを特徴とするガスタービン用出力リミット制御装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、システムの燃料供給系が特に影響を受ける範囲を帯域除去フィルターにより抑制することとしたことから、燃焼性の変動の大きい高炉ガスを使用したガスタービンシステムにおいても、発電出力の変動がすくないシステムを構築することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係るガスタービンの出力リミット制御装置は、ガスタービン発電システムの燃料供給系を制御するPI(比例積分)演算部と直列にガスタービンの安定燃焼を妨げる周波数帯域の外乱を除去するための帯域除去フィルターを備えた装置である。以下、本発明の実施形態に係るガスタービン発電システム全体の制御系を明らかにするとともに、図2から図8を参照してガスタービンの出力リミット制御装置の内容を詳細に説明する。
【0014】
図1より、本発明の実施形態に係るガスタービン発電システムは、BFG(高炉ガス、BFG:Blast Furnace Gas)本管1と、EP2(電気集塵器,EP:Electrostatic Precipitator)と、G.C3(ガス圧縮器、G.C.:Gas Compressor)と、Gas冷4(ガス冷却器)と、ガス流量調整弁5と、G.T.6(ガスタービン、G.T.:Gas Turbine)と、Gen7(発電機、Gen:Generator)と、出力計8と、ガスタービン出力リミット制御装置9とから構成されている。
【0015】
BFG(高炉ガス)本管1は、本発明に係るガスタービン発電システムの主燃料となる、製鉄所において発生する高炉ガスをガスタービン発電システムに供給するための配管である。EP2(電気集塵器)は、ガスタービン発電システムの主燃料である高炉ガスにふくまれるダスト等を集塵し、除去する装置である。具体的には、放電極および集塵極の間に高圧直流電流を荷電し、コロナ放電をさせることにより、ダストにマイナスイオンを帯電させて、集塵する装置である。なお、ガスタービン発電システムにおいては、一般にガス洗浄系と呼ばれる。
【0016】
G.C.3(ガス圧縮器)は、電気集塵器2により洗浄された高炉ガスを圧縮してガスタービンに導入する。ガス冷却器4は、高温状態になった余剰ガスを冷却してBFG本管1に戻す役割を有する。ガス流量調整弁5は、弁を調整して余剰ガスをガス冷却器4に送り込む役割を有する。G.T.6(ガスタービン)は、燃料ガスの燃焼による熱エネルギーを速度エネルギーに変換し、タービンロータを介して、機械的なエネルギーを取り出す装置である。Gen7(発電機)は、ガスタービン6から得られる機械的なエネルギーを電気的なエネルギーに変換する装置である。
【0017】
出力計8は、発電機7から出力される発電出力を測定するための装置であり、本発明におけるガスタービン出力リミット制御装置においては、発電出力目標値に対する偏差を求めるために用いられる要素の1つである。ガスタービン出力リミット制御装置9は、出力計8により測定される発電出力と発電目標値とにより偏差をPI演算する演算部と、電力負荷系統による系統固有値近傍における外乱を除去するための帯域除去フィルターとを有する制御装置である。なお、制御装置の具体的な内容については、以下に、詳細に説明する。
【0018】
本発明に係るガスタービン出力リミット制御装置の具体的な内容を説明するために、以下、制御系を数式化して説明する。まず、ガスタービンの回転系を一般化すると次のようになる。すなわち、電力系統と並列運転中の同期発電機を考えると、固定子と回転子との間に作用する同期化力をばね定数とし、回転部分のはずみ車効果を慣性質量とする[数1]の振動系が成立する。ここで、Jは慣性モーメント、Pは極数、Tはタービン出力トルク、δは内部相差角、Tは同期化トルク、Tは制動トルク係数を示している。
【数1】
Figure 2004190631
【0019】
次に、[数1]に定格回転角速度(機械角)ωを乗じて電力次元とし、更に、定格皮相電力で徐して、これを無次元化した上で、定常運転点回りで線形化すると、[数2]のようになる。但し、δ=δ0+Δδ、Pは、制動係数、ΔPは、駆動トルクおよび負荷電力変動、Hは蓄積エネルギー係数、Pは同期化力、PΔδ=ΔP0(出力変動)である。
【数2】
Figure 2004190631
【0020】
また、外部変動入力ΔPを、タービン出力ΔPと電力系統側への入力変動ΔPとを用いて表すと[数3]のようになる。一方、電力系統側への入力変動ΔPは、系統固有値をω、減衰定数をη、電力系統側負荷変動をΔPとすると、[数4]のように二次系で近似することが可能である。
【数3】
Figure 2004190631
【数4】
Figure 2004190631
【0021】
以上、[数1]から[数3]までをまとめて、発電出力系をブロック線図で表すと、図2のようになる。ここで、ΔPからΔPに至る伝達関数は、[数2]より導かれたものであり、ωおよびηは、[数5]に示した値である。
【数5】
Figure 2004190631
【0022】
次に、ガスタービンの発電出力を燃料流量の変動で近似する。ガスタービンの発電出力は、ガスタービンの総効率ηGTと燃料ガス流量Qと燃料カロリーHとを用いて表すと、[数6]のように、一次おくれで近似できる。ここで、ωは、燃焼系からガスタービン機械出力までの応答角周波数である。したがって、図2に、[数6]の関係を組み込んで、燃料流量から発電機出力までのブロック図を書くと、図3のようになる。
【数6】
Figure 2004190631
【0023】
一般に、ガスタービン発電システムを出力リミット制御でコントロールする場合には、発電出力を目標値に合わせるべく、燃料流量を操作する必要がある。これを実現するためには、負荷変動から見た閉ループの中にコントローラ伝達関数G(s)を設けることが必要である。図4は、これを含めた制御系をブロック線図で表したものである。しかし、ここでいう出力リミット制御とは、ガスタービン側の、すなわち、燃料供給系から発電出力に至るまでの系を一定に保つものである。したがって、電力系統側の負荷変動も含めて、発電出力を制御することになると、電力系統側の負荷変動に起因して、発電出力の振動が継続し、燃焼器におけるガス燃焼を不安定にするおそれがある。
【0024】
そのため、燃料供給系から発電出力に至るまでの系を一定に保ち、失火等の最悪の事態を防止するためには、出力リミット制御コントローラを含む閉ループの応答(図4において、ΔPからΔQに至る系)は、系統固有値近傍を増幅しないようにする必要がある。すなわち、閉ループ応答において、系統固有値近傍における感度を下げる必要がある。
【0025】
これを実現する具体的な方法としては、出力リミット制御コントローラG(s)の伝達特性において、角周波数ωよりも低周波の帯域では、十分な制御抑制を達成させるべく積分特性をもたせるとともに、系統固有値近傍の角周波数の帯域においては、急峻な帯域遮断特性を有するフィルターを用いて、この帯域の外乱が、操作出力に影響を与えないようにする必要がある。そこで、積分特性を有するPI演算項とローパスフィルターを直列に接続した出力リミット制御コントローラを用いる。これを式で表すと [数7]のようになる。なお、Kが本発明に係るローパスフィルター部を示し、[数8]がPI演算項を示している。
【数7】
Figure 2004190631
【数8】
Figure 2004190631
【0026】
次に、これまで述べてきた出力リミット制御コントローラを実際のガスタービン発電システムに適用した実施形態について説明する。
本実施形態に用いた出力30MWのBFG(BFG:Blast Fuel Gas)専燃式ガスタービンにおいて、ローパスフィルターの設定を決める諸要素の値は測定により、以下のようであった。
ω=1/3、ω=2π/1.2、η=0.6、ηGT=0.2、H=5.0
また、このガスタービンを使用した系統では、ω=2π/1.2、η=0.1であった。
【0027】
次に、比較のために、このガスタービン発電システムに、従来のPI演算のみを行った場合を検討する。なお、設計にあたって、諸量を以下のように決定する。
まず、Tを決定するために、PI制御のゼロ点をプロセスの最も遅い極、すなわち、ガスタービン応答極に合わせると、[数9]のようになる。
【数9】
Figure 2004190631
【0028】
さらに、位相余裕に問題がないことを条件として、目標の応答周波数ωγに、閉ループの振幅ゼロクロス角周波数を一致させると[数10]のようになる。本実施形態においては、発電出力の閉ループにおける90%応答は、10secだから、これより、ωγ≒1/3となる。よって、[数11]の関係が成立する。したがって、[数10]と[数11]とから、K=1となる。
【数10】
Figure 2004190631
【数11】
Figure 2004190631
【0029】
図5は、上記のような設計を行った場合の発電出力指令に対する発電出力実績のステップ応答(図5(a)を参照)と、系内負荷変動から燃料流量指令へのステップ応答(図5(b)を参照)を示している。この系においては、発電出力はほぼ狙い通りになるものの、系内負荷変動による燃料流量指令が、10%の負荷変動に対して、系統固有値の角周波数近傍で、約10%P−Pも変動してしまう。
【0030】
この高速でかつ大振幅の変動は、燃焼空気操作系とガス操作系との応答性の差によって、燃焼器での大幅な空気比変動を引き起こし、BFG等の低カロリーガス専燃式ガスタービンやNOの低減のため、あえてリーン領域で燃焼を行うガスタービンにおいては、不安定燃焼や失火が発生し、これによって、設備全体のトリップや燃焼器の損傷を引き起こす可能性がある。
【0031】
従来の制御系において、上記のような問題を解決しようとすれば、比例ゲイン項であるKを大幅に下げて、発電出力応答を抑制する必要がある。しかし、こうした手段を講ずるとすれば、負荷変動に対する発電出力応答の低下やこれに起因する負荷変更速度の低下、更には、燃料ガスのカロリーが急激に低下した場合の入熱不足による失火等の大きな問題を引き起こす結果となる。
【0032】
したがって、こうした問題を解決するためには、系統固有値近傍における短周期の変動に対して、燃料ガス操作系の感度を積極的に低下させた上でPI演算を行う、すなわち、系統外乱の周波数特性に応じた急峻な帯域遮断特性を有するフィルターを発電出力の実績値にかけた上でPI演算を行い、燃料流量指令を出力する形式とするのがよい。
【0033】
そこで、本実施形態においては、系の系統固有値が[数4]の分母を0とした解、すなわち、[数12]であることから、この近傍およびこれよりも高周波の領域を急峻に遮断するフィルターとして、バートレット窓関数を係数とするデジタルFIR(FIR:Finite Impulse Response)フィルターを用いる。バートレット窓関数を係数とするフィルターは、単純移動平均フィルター二段で実現できるため、DCS(DCS:Distributed Control System)等のデジタルコントローラでは、容易に実現可能である。
【数12】
Figure 2004190631
【0034】
バートレット窓関数においては、最も遅いゼロ点の角周波数は、窓幅をTとすれば、4π/Tと表されるから、これと、系統固有値の虚数部とからTは、[数13]のようになる。なお、図6は、バートレット窓関数を用いたFIRフィルターのインパルス応答の様子を模式的に描いたものである。本実施形態においては、先に示した数値を[数13]に代入すれば、T≒3(sec) となる。上記の設定によるフィルターの周波数応答を図8に示す。
【数13】
Figure 2004190631
【0035】
本実施形態において、従来のPI演算に上記の設定を行ったフィルターを直列に挿入して、系の位相余裕を確認したところ、60°の位相余裕を確認できた。したがって、従来のPI演算に上記フィルターを付加しても、系全体としては、十分な安定性を有している。この系におけるステップ応答を図7に示す。図7(a)により、発電電力の目標値応答には、10%程度のオーバーシュートが認められるものの、系の仕様である90%応答、10secは実現しており、更に、図7(b)より、電力系統内負荷変動による短周期、大振幅の燃焼ガス流量指令変動は、十分に抑制されている。また、電力系統側負荷変動の発生に対しても、燃焼安定性に影響を与えないことが確認できた。これらの検証結果から、実施形態に示した制御系は、本発明の目的を達成できる制御系を構成しているものといえる。
【0036】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態においては、ローパスフィルターとして、バートレット窓関数を係数とするデジタルFIRフィルターを例示して説明したが、これに限らず、所望の周波数帯域を急峻に遮断でき、かつ、系全体の位相余裕に影響を及ぼさないものであれば、他の形式によるフィルターを用いてもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、PI演算とバートレット窓関数型FIRフィルターを用いた方法について説明したが、例えば、電力系統の特性を発電機部でのプロセス変動として捉え、スモールゲイン定理に基づくH設計を用いたものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、発電出力偏差に基づいて、燃料燃焼系の制御を行うとともに、電力系統から生ずる高周波の外乱に対しては、追従特性を抑制することにより、燃焼安定性を維持しつつ、設備の保護を図り、高い出力制御応答性を有する制御系を構築できるという効果がある。
【0039】
また、請求項2に係る発明によれば、感度設定手段として用いたローパスフィルターは、適用するシステムに応じて、最適な設定が可能であることから、どのようなシステムについても適用できる自由度を有するという効果がある。
【0040】
また、請求項3に係る発明によれば、従来の比例積分制御に加えて、高周波で大振幅の外乱を除去するための帯域除去フィルターを挿入することとしたことから、燃焼性の変動が大きい高炉ガスを主燃料としたガスタービン発電システムにおいても、発電出力の変動が少ないシステムを構築できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガスタービン発電システムの系統図である
【図2】本発明の実施形態に係る発電出力系のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る出力リミット制御プロセスのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るガスタービン発電出力システムのブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るシステムにおいて従来形式の制御を行った場合のステップ応答特性を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るFIRフィルターのインパルス応答を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るシステムにおいて本発明で提案する制御を行った場合のステップ応答特性を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るローパスフィルターの周波数応答を示す図である。
【符号の説明】
1・・・BFG本管、2・・・EP(電気集塵器)、
3・・・G.C.(ガス圧縮機)、4・・・Gas冷(ガス冷却器)、
5・・・ガス流量調整弁、6・・・G.T.(ガスタービン)、
7・・・Gen(発電機)、8・・・出力計、
9・・・ガスタービン出力リミット制御装置、

Claims (3)

  1. ガスタービンの発電出力に対する目標値と発電出力の実績値との偏差をもとに、ガスタービンの燃料流量を調整する出力リミット制御装置であって、
    負荷が接続される系統から生ずる外乱に対して閉ループ特性を低感度に設定する感度設定手段を有することを特徴とするガスタービン用出力リミット制御装置。
  2. 前記感度設定手段は、系統固有値近傍の角周波数における外乱を除去する帯域除去フィルターであることを特徴とする請求項1に記載されたガスタービン用出力リミット制御装置。
  3. 前記燃料ガスが、高炉ガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたガスタービン用出力リミット制御装置。
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