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JP2004322461A - 画像記録装置 - Google Patents

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JP2004322461A
JP2004322461A JP2003120067A JP2003120067A JP2004322461A JP 2004322461 A JP2004322461 A JP 2004322461A JP 2003120067 A JP2003120067 A JP 2003120067A JP 2003120067 A JP2003120067 A JP 2003120067A JP 2004322461 A JP2004322461 A JP 2004322461A
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JP2003120067A
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Satoshi Nishino
聡 西野
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Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
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Abstract

【課題】記録媒体以外の部分に付着したインクを適切に除去して、安定的に高精度の画像記録を行うことのできる画像記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体P上にインクを吐出する複数のノズル5,5…を形成してなる記録ヘッド4,4…を備える画像記録装置1において、記録ヘッド4,4…の移動方向である主走査方向Aの上流側又は下流側の少なくともいずれか一方に記録媒体P以外の上に吐出され付着したインクを吸収する吸収部材18を備えたワイプユニット16を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に係り、特に、インクジェット方式により画像記録を行なう画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易かつ安価に画像を記録できる画像記録手段として、インクジェット方式を用いた画像記録装置が数多く用いられている。インクジェット方式を用いた画像記録装置は、例えばピエゾ素子等の圧電素子やヒータ等を用いて、記録ヘッドのノズルからインクを微小な液滴として紙等の記録媒体に向けて吐出し、記録媒体にインクを浸透若しくは定着させながら記録ヘッドを記録媒体上で移動させることにより記録媒体上に画像記録を行うものである。
【0003】
さらに近年は、樹脂フィルム等のインク吸収性の乏しい記録媒体に対しても画像を形成することのできる手段として、紫外線硬化インクを用いた画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、カチオン重合系紫外線硬化インク等の紫外線に対して所定の感度を有する光開始剤が含有されたインクを用い、記録媒体上に着弾したインクに紫外線を照射することで、インクを硬化させ記録媒体上に定着させるものであり、透明又は不透明の包装材に対しても簡易に印刷を行うことが可能である。
【0004】
しかし、インクジェット方式の画像記録装置においては、記録ヘッドのノズルから吐出されたインクが霧状になって飛散するため、インクが記録媒体以外の上に付着することが起こり得る。そして、例えば、飛散したインクが記録ヘッドのノズル付近に付着した場合には、付着したインクがノズルに堆積して目詰まりを起こし画像記録に不具合が生じるおそれがある。そのため、正常な画像記録を行うためには、適宜メンテナンス動作を行うことが不可欠である。この点、従来から、記録ヘッドのノズル付近に付着したインクの除去については、吸収部材を用いてノズル付近に付着したインクを拭き取ったり、インクを空吐出させることによってノズル内に残留するインクや汚れを取り除くメンテナンスを行うことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報
【特許文献2】
特許2675887号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノズルから吐出され飛散したインクはノズル付近のみならずプラテンやメンテナンスユニット部分に付着することもある。
【0007】
特に、カチオン重合系の紫外線硬化インク等を画像記録に用いる場合、これらのインクはモノマーを主成分としているが、このモノマーはプラスチック等の樹脂を溶解させる性質を有するため、プラテンがプラスチック等で形成されている場合にはインクの付着した部分が溶解し、表面に凹凸を生じて画像記録時に円滑に記録媒体が搬送されなくなるおそれがある。また、プラテンがアルミ等の金属で形成されている場合にはプラテンの表面が溶解することによる破損は生じないが、紫外線硬化インクは光が照射されることにより硬化するので、プラテン上に付着したインクが光に当たることにより硬化してプラテンの表面に凹凸を生じることがある。このため、同様に記録媒体の搬送が阻害されるおそれがあるという問題がある。さらに、例えば、メンテナンスユニットに設けられた吸引キャップにインクが付着した場合には、インクに光が照射されることにより吸引キャップ上でインクが硬化するため、記録ヘッドのメンテナンスの際に記録ヘッドのノズル面と吸引キャップとの密着性が阻害されてノズルのメンテナンスを適切に行うことができなくなるおそれもある。
【0008】
したがって、安定した画像記録を行うためには、プラテン部分や吸引キャップ部分についても適宜メンテナンス動作を行うことが必要であるが、従来はこのような部分についてのメンテナンスは行われていなかったため、連続して画像記録を行った場合に高精細な画像を維持することが難しいという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は以上のような課題を解決すべくなされたものであり、適切に画像記録装置のメンテナンスを行い、安定的に高精度の画像記録を行う画像記録装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、記録媒体上にインクを吐出する複数のノズルを形成してなる記録ヘッドを備える画像記録装置において、
前記記録ヘッドの移動方向の上流側又は下流側の少なくともいずれか一方に前記記録媒体以外の上に吐出され付着したインクを吸収する吸収部材を備えたワイプユニットを設けたことを特徴としている。
【0011】
このような構成を有する請求項1に記載の発明においては、記録媒体以外の箇所に付着したインクを適宜吸収し、除去することができるので、記録媒体以外の箇所に付着したインクが記録媒体等に再付着したり、付着したインクによりメンテナンス動作が阻害されることがなく常に高精細な画像記録を実現することができる点で優れている。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ワイプユニットは、前記吸収部材が前記インクを吸収した後に前記吸収部材のインクの吸収箇所を新規な箇所に移動させる駆動機構を備えたことを特徴としている。
【0013】
したがって、請求項2に記載の発明では、一旦インクの吸収が行われた箇所で重ねてインクの吸収が行われることがなく、吸収部材が吸収したインクが他の箇所に再付着することを防止できる。
【0014】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記記録媒体を支持するプラテンを備え、前記吸収部材は、前記プラテンの上に付着したインクを吸収することを特徴としている。
【0015】
このように、請求項3に記載の発明は、プラテンの上に付着したインクによって記録媒体搬送動作が妨げられることがなく、常に安定した画像記録を行うことができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記記録ヘッドの移動可能範囲内に前記記録ヘッドの前記ノズル内のインクを吸引することによって前記ノズルのメンテナンスを行う吸引キャップを備え、前記吸収部材は、前記吸引キャップに付着したインクを吸収することを特徴としている。
【0017】
このように、請求項4に記載の発明は、吸引キャップに付着したインクが固着化することによりメンテナンス動作時の記録ヘッドのノズル面と吸引キャップとの密着性が阻害されることがなく、常に適切なメンテナンス動作を行うことが可能となる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記インクは、光を照射することによって硬化するインクであり、前記吸収部材に吸収された前記インクに光を照射する光照射手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の発明は、吸収部材によってインクを吸収した後、吸収部材のインクの付着した部分に光を照射することによってインクを硬化させるので、吸収部材に付着したインクが他に再付着することを防止することができ、吸収部材の取り替え等を容易に行うことが可能である。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記吸収部材は、0.1デニール以下の高密度繊維により形成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項6に記載の発明は、高密度繊維によって形成された吸収部材を用いてプラテンや吸引キャップ等に付着したインクの吸収を行うので、毛細管作用等により簡易かつ迅速にインクを吸収、除去することができる点で優れている。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記インクは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの高粘度インクであり、紫外線を照射することによって硬化するカチオン重合系紫外線硬化インクであることを特徴としている。
【0023】
請求項7に記載の発明は、高粘度のインクを用いる場合でも、プラテンや吸引キャップ等に付着したインクを吸収、除去することができる。また、紫外線を照射することによって硬化するインクを画像記録に用いた場合にも適切にメンテナンス動作を行うことができる。なお、紫外線硬化インクを用いて画像記録を行った場合、インク吐出後に紫外線を照射することによりインクが硬化するので、長期間にわたって記録画像の画質を維持することができる。さらに、紫外線硬化インクを画像記録に用いることにより、記録媒体が紙などのインク吸収性のよい記録媒体である場合のみならず、インク吸収性の低い記録媒体、あるいはインク吸収性のない記録媒体であっても高精細な画像記録を行うことが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1に示すように、本実施形態において、画像記録装置1はシリアルプリント方式による画像記録装置1であり、この画像記録装置1は、主走査方向Aに延在する棒状のキャリッジレール2を有している。このキャリッジレール2には、キャリッジ3がキャリッジレール2に沿って往復動自在に支持されており、このキャリッジ3は、キャリッジ駆動機構27(図3参照)によって主走査方向Aに沿って往復駆動されるようになっている。
【0025】
キャリッジ3には、図1に示すように、インクを吐出するノズル5,5…を形成してなる記録ヘッド4,4…が搭載されており、この記録ヘッド4,4…は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)といった本実施形態において用いられる色彩に応じた各色のインクをノズル5,5…から記録媒体P上に吐出させるようになっている。
【0026】
また、キャリッジ3内の両側であって記録ヘッド4,4の近傍には、ノズル5,5…から吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置7,7が設けられている。
【0027】
キャリッジ3の移動可能範囲のほぼ中央部分は、記録媒体Pに記録を行う記録領域Yとされている。記録領域Yには、記録動作時に記録媒体Pを非記録面側から支持するプラテン8が記録媒体Pの幅寸法よりもわずかに長く主走査方向Aに延在するように配設されている。画像記録時には記録媒体Pはプラテン8の上を記録媒体搬送機構28(図3参照)によって主走査方向Aに直交する副走査方向に搬送されるようになっている。
【0028】
また、キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Yの外側一端は、記録ヘッド4,4…のノズル5,5…が形成されている面であるノズル面6,6…のメンテナンスを行うメンテナンス領域Zとされている。
【0029】
メンテナンス領域Zには、メンテナンスユニット9が設けられている。図1に示すように、このメンテナンスユニット9には、キャリッジ3がメンテナンス領域Zに移動した際に記録ヘッド4,4…に対向する位置に、記録ヘッド4,4…のノズル面6,6…を覆うキャップ部材としての吸引キャップ10,10…が、記録ヘッド4,4…と対応する数だけ設けられている。
【0030】
吸引キャップ10,10…の底面には、吸引キャップ10,10…の内部に連通するインク連通管11,11…が設けられている。このインク連通管11,11…の途中には、吸引装置である吸引ポンプ12,12…が設けられており、インク連通管11,11…の下端には、吸引したインクを受ける廃インクタンク13が設けられている。
【0031】
吸引キャップ10,10…の近傍には、ノズル面6,6…に残留したインクを吸収除去するとともにノズル5,5…からインクを空吐出させた際にインクを受けるインク吸収装置15が設けられている。インク吸収装置15は、箱型のケース部材31を備えており、ケース部材31の内部には長尺なシート状に形成された吸収部材32が巻回された元巻きローラ33と元巻きローラから送り出された吸収部材32を巻き取る巻き取りローラ34が回転自在に配設されている。また、ケース部材31の上部であって元巻きローラ33及び巻き取りローラ34の上方にはそれぞれ元巻きローラ33から送られる吸収部材32を一定の張力を付与しつつ案内するためのガイドローラ35,35が回転自在に配設されている。吸収部材32は、図示しない駆動機構によって元巻きローラ33及び巻き取りローラ34が回転することにより、ガイドローラ35,35に案内されて一定の高さを維持しつつ搬送され、巻き取りローラ34に巻き取られるようになっている。また、ケース部材31の一側面であって巻き取りローラ34の配設されている面には、吸収部材32に紫外線を照射する紫外線照射部36が吸収部材32に対向するように設けられている。
【0032】
前記キャリッジ3の一側面であってメンテナンス領域Zの設けられている側には、プラテン8の表面及び吸引キャップ10,10…に付着したインクを吸収し除去するワイプユニット16が設けられている。図2に示すようにワイプユニット16は、キャリッジ3の側面に設けられた図示しないガイドレールに沿って昇降自在となっており、画像記録時には記録媒体Pに当接しない位置まで上昇して退避可能となっている。なお、ワイプユニット16を画像記録時に記録媒体Pに当接しない位置まで退避可能とする構成は本実施形態に示したものに限られず、例えば、ワイプユニット16の上面一端をキャリッジ3の側面に固定して設け、ワイプユニット16を図示しない駆動源により固定端を支点としてキャリッジ3に対して上方に回動可能としてもよい。
【0033】
図2に示すように、ワイプユニット16は、プラテン8に対向する側に開口を有する箱型のケース部材17を有している。ケース部材17の内部上方の一端には記録媒体Pの搬送方向に対するプラテン8の長さ寸法とほぼ等しい幅寸法を有し長尺なシート状に形成された吸収部材18が巻回された元巻きローラ19が回転自在に配設されており、ケース部材17の内部上方の他端には吸収部材18を巻き取るための巻き取りローラ20が回転自在に配設されている。また、ケース部材17の下方であって元巻きローラ19及び巻き取りローラ20の下方にはそれぞれ元巻きローラ19から送られる吸収部材18を一定の張力を付与しつつ案内するためのガイドローラ21a,21bが回転自在に配設されている。元巻きローラ19及び巻き取りローラ20は、ローラ駆動機構29(図3参照)によって回転駆動自在となっており、吸収部材18は、ローラ駆動機構29によって元巻きローラ19及び巻き取りローラ20が回転することにより、ガイドローラ21a,21bに案内されてケース部材17の高さよりもわずかに高い一定の高さを維持しつつ搬送され、巻き取りローラ20に巻き取られるようになっている。
【0034】
ここで吸収部材18は、0.1デニール以下の繊度を有し、太さが1〜5μm程度の極細の高密度繊維から形成されている。この高密度繊維としては例えばポリエステルやアクリル、ナイロン等の合成繊維が適用可能である。吸収部材18が0.2〜0.05デニール以下の繊度、より好ましくは0.1デニール以下の繊度を有する極細繊維により構成されていることにより、毛細管作用等によりインクの粘度に関わらずプラテン8や吸引キャップ10,10…に付着したインクを速やかに吸収することができる。したがって、本実施形態における吸収部材18によれば、特に油性や水性のインクに比べてインク粘度の高い紫外線硬化インク等を用いて画像記録を行う場合であってもプラテン8等に付着したインクを確実かつ迅速に吸収除去することが可能となる。
【0035】
ケース部材17の内部一側面であって巻き取りローラ20の配設されている面には、吸収部材18に対して紫外線を照射する紫外線光源22を有する紫外線照射部23が巻き取りローラ20と巻き取りローラ20の下方に位置するガイドローラ21aとの間に張設された吸収部材18に対向するように配設されている。紫外線光源22としては、例えば、LEDや高圧水銀ランプ、熱陰極管等が用いられる。なお、紫外線光源22は、少なくとも1mJ/cm〜30mJ/cmの微量の紫外線を照射することが可能となっている。また、紫外線は、紫外線光源22から直接的に照射されるものとしてもよいし、紫外線出力装置(図示せず)によって出力された紫外線を光ファイバーによって導き間接的に照射させるものとしてもよい。
【0036】
なお、ワイプユニット16の吸収部材18に紫外線を照射する紫外線照射部23の設置位置は本実施形態で示したものに限られず、例えばワイプユニット1614の一側面であって巻き取りローラ20の配設されている面に吸収部材18の幅方向に延在する開口部を設け、紫外線照射部23をワイプユニット16の近傍であって前記開口部に近接する位置に設けてもよい。また、ワイプユニット16の一側面に前記開口部を設けた上で、キャリッジ3に搭載された紫外線照射装置7に光反射部材を設け、ワイプユニット16がインクの吸収除去動作を行ったときは紫外線照射装置7から紫外線を照射し、この紫外線が前記開口部を通してワイプユニット16内の吸収部材18に当たるようにしてもよい。さらに、紫外線照射部23をワイプユニット16の内部に吸収部材18の上方であって巻き取りローラ20と巻き取りローラ20の下方に位置するガイドローラ21aとの間に張設された吸収部材18に対向するように設け、吸収部材18のインク吸収面と反対の面から紫外線を照射させるようにしてもよい。
【0037】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Yを挟んでメンテナンス領域Zの反対側は、画像記録時及びメンテナンス動作時以外のときに記録ヘッド4,4…を待機させるホームポジション領域Xとされている。ホームポジション領域Xには、遮光ユニット24が設けられており、遮光ユニット24には、非画像記録時に記録ヘッド4,4…のノズル面6,6…に光、特に紫外線が当たらないように保護するための遮光キャップ25,25…が記録ヘッド4,4…に対応する数設けられている。
【0038】
次に、図3を参照しつつ本実施形態における制御構成について説明する。
本実施形態において、画像記録装置1には、図3に示すように、キャリッジ駆動機構27、記録媒体搬送機構28、記録ヘッド4,4…、紫外線照射装置7,7、メンテナンスユニット9及びワイプユニット16を制御する制御部30が設けられている。
【0039】
制御部30は、キャリッジ3を主走査方向Aに往復移動させるとともに、キャリッジ3の動作に合わせて記録媒体Pの搬送と停止とを繰り返し、記録媒体Pを間欠的に副走査方向に搬送させるように、キャリッジ駆動機構27及び記録媒体搬送機構28の動作を制御するようになっている。
【0040】
また、制御部30は、紫外線照射装置7,7から紫外線を発生させるように紫外線照射装置7,7を制御するようになっている。
【0041】
さらに、制御部30には、画像記録条件等を入力する入力部26及び記録ヘッド4,4…が接続されており、制御部30は、入力部26から入力された所定の信号に基づいて記録ヘッド4,4…を動作させ、記録媒体P上にインクを吐出させて所定の画像を形成させるようになっている。
【0042】
また、制御部30は、記録ヘッド4,4…のメンテナンス動作時には、メンテナンスユニット9を制御して記録ヘッド4,4…のノズル5,5…からインクを吸引させる。また、制御部30は、ノズル面6に残留したインクをインク吸収装置15によって吸収させるとともに、記録ヘッド4,4…を動作させてノズル5,5…からインク吸収装置15にインクを空吐出させるようになっている。
【0043】
さらに、制御部30は、ワイプユニット16を制御してプラテン及び吸引キャップに付着したインクの吸収、除去を行わせるようになっている。
【0044】
ここで、本発明の実施形態に用いられるインクについて説明する。
インクは、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件および硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクである。このインクは、色材、重合性モノマー、光開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで光開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有している。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0045】
本実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体であるが、高品質の画像を得るためには、このうち40〜500mPa・sであるインクであることが望ましい。低粘度のものとすると記録媒体上で滲みを生じて記録画像が劣化し、また500mPa・sを超える高粘度のものとすると、画質の平滑性が失われるからであり、最も画像品質が安定するのは40〜500mPa・sの粘度を有する場合であるからである。
【0046】
また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速吐出を行った場合に正確な着弾ができない等の不具合を生じ、また30mPa・s以上では、吐出性が劣化するからである。
【0047】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、本実施形態において、画像記録時及びメンテナンス動作時以外のときには記録ヘッド4,4…を搭載したキャリッジ3はホームポジション領域Xに配設された遮光ユニット24の上に待機しており、この遮光ユニット24に設けられた遮光キャップ25,25…によって記録ヘッド4,4…のノズル面6,6…が覆われることにより、ノズル5,5…等に光が当たらないように保護されている。
【0048】
入力部26から記録動作を行うように信号が入力されると、制御部30はキャリッジ駆動機構27を制御して記録ヘッド4,4…を記録領域Yに移動させる。その際、制御部30が遮光ユニット24を下降させることにより、遮光キャップ25,25…が記録ヘッド4,4…から外される。
【0049】
キャリッジ3が、記録領域Yの所定の位置に到達すると、制御部30はキャリッジ3を駆動させることにより記録ヘッド4,4…を主走査方向Aに往復駆動させるとともに、記録媒体搬送機構28により記録媒体Pを副走査方向に搬送させる。この際、制御部30は入力部26からの入力情報及び所定の画像情報に基づいて記録ヘッド4,4…を動作させ、ノズル5,5…から所要の色のインクを吐出させる。さらに、制御部30が紫外線照射装置7,7を制御することにより記録媒体Pの上に吐出されたインクに対して紫外線が照射され、これにより記録媒体P上にインクが硬化、定着して画像が記録される。
【0050】
次に、制御部30はキャリッジ駆動機構27を制御してキャリッジ3をキャリッジレール2に沿ってメンテナンス領域Zに移動させる。
【0051】
キャリッジ3に搭載された記録ヘッド4,4…が所定の位置に到達すると、制御部30がメンテナンスユニット9を上昇させる。これにより、メンテナンスユニット9に設けられている吸引キャップ10,10…で記録ヘッド4,4…のノズル面6,6…が覆われて密閉される。その後、制御部30が吸引ポンプ12,12…を動作させることによりノズル5,5…内のインクが吸引され、吸引されたインクはインク連通管11,11…を通じて廃インクタンク13に送られ、蓄えられる。
【0052】
吸引動作が終了すると、制御部30は、メンテナンスユニット9を一旦下降させ、これにより、ノズル面6,6…から吸引キャップ10,10…が離間される。
【0053】
その後、制御部30は、メンテナンスユニット9を移動させて、ノズル面6,6…をインク吸収装置15の吸収部材32に当接させることにより、ノズル面6,6…に残留しているインクが吸収部材32に吸収される。さらに、制御部30は、記録ヘッド4,4…を動作させてノズル5,5…からインク吸収装置15の吸収部材32上にインクを空吐出させる。インク吸収後、紫外線照射部36から吸収部材32に対して紫外線が照射され、同時に元巻きローラ33及び巻き取りローラ34が回転する。これにより、吸収部材32のインク吸収部分は紫外線の照射によって順次硬化しながら巻き取りローラ34に巻き取られる。
【0054】
これにより記録ヘッド4,4…のメンテナンス動作は終了し、ノズル5,5…の内部は画像記録を行うのに良好な状態に回復される。
【0055】
次に、制御部30はワイプユニット16の元巻きローラ19と巻き取りローラ20との間に掛け渡された吸収部材18が吸引キャップ10,10…に当接する位置までワイプユニット16を下降させる。吸収部材18が吸引キャップ10,10…に当接すると、吸引キャップ10,10…に付着したインクが吸収部材18に吸収される。インクの吸収除去が完了すると、制御部30はワイプユニット16を上昇させて吸収部材18を吸引キャップ10,10…から離間させるとともに、ワイプユニット16のローラ駆動機構29を制御して元巻きローラ19及び巻き取りローラ20を回転駆動させる。これにより、元巻きローラ19から吸収部材18が送り出されて吸収部材18のインク付着箇所が順次巻き取りローラ20の配設されている方向に送られる。このとき、制御部30は、紫外線照射部23を制御することにより紫外線光源22から吸収部材18に対して紫外線を照射させる。これにより、吸収部材18の上に付着したインクが順次硬化しながら、吸収部材が巻き取りローラ20によって巻き取られ、ガイドローラ21a,21bの間に吸収部材18のうちインクの付着していない部分が位置するように吸収部材18が移動される。
【0056】
次に、制御部30はキャリッジ3を駆動させてプラテン8の上に移動させる。キャリッジ3がプラテン8の上に位置すると、制御部30はワイプユニット16の吸収部材18がプラテン8の上面に当接する位置までワイプユニット16を下降させる。その後、制御部30がキャリッジ3を主走査方向Aに移動させることによって、吸収部材18がプラテン8上を摺動し、プラテン8に付着したインクが吸収除去される。
【0057】
インクの吸収除去が完了すると、制御部30はワイプユニット16を上昇させて吸収部材18をプラテン8から離間させるとともに、ワイプユニット16のローラ駆動機構29を制御して元巻きローラ19及び巻き取りローラ20を回転駆動させる。これにより、元巻きローラ19から吸収部材18が送り出されて吸収部材18のインク付着箇所が順次巻き取りローラ20の配設されている方向に送られる。この際、制御部30は、紫外線照射部23を制御することにより紫外線光源22から吸収部材18に対して紫外線を照射させる。これにより、吸収部材18の上に付着したインクが順次硬化しながら、吸収部材18が巻き取りローラ20によって巻き取られ、ガイドローラ21a,21bの間に吸収部材18のうちインクの付着していない部分が位置するように吸収部材18が移動される。
【0058】
本実施形態においては、プラテン8及び吸引キャップ10,10…に付着したインクを適宜除去することができるので、プラテン8にインクが固着することによるプラテン8の破損等を防いで記録媒体Pの円滑な搬送を行うことができる。また、吸引キャップ10,10…へのインクの固着による吸引キャップ10,10…と記録ヘッド4,4…のノズル面6,6…との密着性の低下を防止してメンテナンス動作を正常に行わせることができる。
【0059】
また、本実施形態においては、吸収部材18によってプラテン8及び吸引キャップ10,10…に付着したインクを吸収した後、吸収部材18に紫外線を照射することによって吸収部材18が吸収したインクを硬化させるので、吸収部材18の交換等を行う際にもインクが他に再付着するおそれがなく、ワイプユニット16のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、ワイプユニット16をキャリッジ3のメンテナンス領域Z側のみに設けたが、ワイプユニット16をキャリッジ3の両側面に設けるものとしてもよい。この場合、メンテナンス領域Z側に設置されたワイプユニット16によってプラテン8及びメンテナンスユニット9の吸引キャップ10,10…に付着したインクの除去を行い、ホームポジション領域X側に設置されたワイプユニット16によって遮光ユニット24の遮光キャップ25,25…に付着したインクを除去させることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された発明によれば、記録媒体以外の箇所に付着したインクを適宜吸収し、除去することができるので、記録媒体以外の箇所に付着したインクが記録媒体等に再付着すること等を防止でき、また、付着したインクによりメンテナンス動作が阻害されることがない。このため、常に高精細な画像記録を実現することが可能となるという効果がある。
【0062】
請求項2に記載された発明によれば、吸収部材によってインクを吸収した後、インク吸収箇所を移動させる機構を有しているので、一旦インクの吸収が行われた箇所で重ねてインクの吸収が行われることがなく、吸収部材が吸収したインクが他の箇所に再付着することを防止できる。このため、記録媒体以外の上に付着したインクを適切に除去することができ、画像記録装置を常に高精細な画像記録を行うことのできる状態に保つことができるという効果がある。
【0063】
請求項3に記載された発明によれば、プラテンの上に付着したインクを適切に吸収し、除去することができるので、プラテンの上に付着したインクによってプラテンの表面に凸凹を生じて記録媒体搬送動作が妨げられること等がなく、常に安定した画像記録を行うことができるという効果がある。
【0064】
請求項4に記載された発明によれば、吸引キャップに付着したインクが固着化することによりメンテナンス動作時の記録ヘッドのノズル面と吸引キャップとの密着性が阻害されることがなく、常に適切なメンテナンス動作を行うことが可能となる。したがって、連続して画像記録を行う場合でも常に高画質な画像形成を行うことができるという効果がある。
【0065】
次に、請求項5に記載された発明によれば、吸収部材によってインクを吸収した後、吸収部材のインクの付着した部分に光を照射することによってインクを硬化させるので、吸収部材に付着したインクが他に再付着することを防止することができ、吸収部材の取り替え等を容易に行うことができるという効果がある。
【0066】
請求項6に記載された発明によれば、吸収部材は高密度繊維によって形成されているので、プラテンや吸引キャップに付着したインクを拭き取る際に、毛細管作用等により簡易かつ迅速にインクを吸収し、適切にインクを除去することができるという効果がある。
【0067】
また、請求項7に記載された発明によれば、紫外線を照射することによって硬化する高粘度のインクを画像記録に用いた場合にも適切にプラテン等のメンテナンス動作を行うことができ、連続して画像記録動作を行った場合でも高精細な画質を維持することができるという効果がある。
【0068】
また、紫外線硬化インクを用いて画像記録を行った場合、インク吐出後に紫外線を照射することによりインクが硬化するので、長期間にわたって記録画像の画質を維持することができる。
さらに、紫外線硬化インクを画像記録に用いることにより、記録媒体が紙などのインク吸収性のよい記録媒体である場合のみならず、インク吸収性の低い記録媒体、あるいはインク吸収性のない記録媒体であっても高精細な画像記録を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像記録装置を模式的に示す正面図である。
【図2】本実施の形態に係る画像記録装置のワイプユニットを模式的に示す正面図である。
【図3】本実施の形態に係る制御装置の概略を示した要部ブロック図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
4 記録ヘッド
5 ノズル
6 ノズル面
9 メンテナンスユニット
16 ワイプユニット
17 ケース部材
18 吸収部材
19 元巻きローラ
20 巻き取りローラ
21a,b ガイドローラ
22 紫外線光源
23 紫外線照射部
27 キャリッジ駆動機構
28 記録媒体搬送機構
29 ローラ駆動機構
30 制御部

Claims (7)

  1. 記録媒体上にインクを吐出する複数のノズルを形成してなる記録ヘッドを備える画像記録装置において、
    前記記録ヘッドの移動方向の上流側又は下流側の少なくともいずれか一方に前記記録媒体以外の上に吐出され付着したインクを吸収する吸収部材を備えたワイプユニットを設けたことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記ワイプユニットは、前記吸収部材がインクを吸収した後に前記吸収部材のインクの吸収箇所を新規な箇所に移動させる駆動機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記記録媒体を支持するプラテンを備え、前記吸収部材は、前記プラテンの上に付着したインクを吸収することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 前記記録ヘッドの移動可能範囲内に前記記録ヘッドの前記ノズル内のインクを吸引することによって前記ノズルのメンテナンスを行う吸引キャップを備え、前記吸収部材は、前記吸引キャップに付着したインクを吸収することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  5. 前記インクは、光を照射することによって硬化するインクであり、前記吸収部材に吸収された前記インクに光を照射する光照射手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  6. 前記吸収部材は、0.1デニール以下の高密度繊維により形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  7. 前記インクは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの高粘度インクであり、紫外線を照射することによって硬化するカチオン重合系紫外線硬化インクであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像記録装置。
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