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JP2004175868A - 含ハロゲン樹脂組成物 - Google Patents

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JP2004175868A JP2002342119A JP2002342119A JP2004175868A JP 2004175868 A JP2004175868 A JP 2004175868A JP 2002342119 A JP2002342119 A JP 2002342119A JP 2002342119 A JP2002342119 A JP 2002342119A JP 2004175868 A JP2004175868 A JP 2004175868A
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Masahiko Doi
正彦 土井
Yukio Kamiyama
幸雄 神山
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】低毒性で優れた電気絶縁性を有し、透明性が必要な用途にも使用可能であり、特に電線被覆材用途に極めて有用な含ハロゲン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】含ハロゲン樹脂組成物が、(A)含ハロゲン樹脂と、(B)マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類と、(C)ハイドロタルサイト化合物を含有してなることを特徴とし、(A)含ハロゲン樹脂100重量部に対して、(B)糖アルコール類を0.005〜5重量部の範囲で、(C)ハイドロタルサイト化合物を0.1〜5重量部の範囲で含有し、優れた電気絶縁性と透明性を有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気絶縁性に優れた含ハロゲン樹脂組成物に関する。更に詳しくは、特に電線被覆材用として優れた性能を発揮し得る特定の安定剤系を配合した含ハロゲン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビニル(PVC)を代表とする含ハロゲン樹脂は、電気絶縁性、耐アーク性、耐電圧性等の優れた電気的特性を有することから、ゴムやポリオレフィン等の素材と比較して、極めて優れた絶縁材料として知られている。しかしながら、含ハロゲン樹脂は、成型加工を行う際に熱劣化を起こし易いという欠点があり、この熱劣化対策として、従来から含ハロゲン樹脂組成物として種々の安定剤が用いられてきた。
【0003】
特に、電線被覆材等の電気絶縁性が要求される用途には、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤が用いられてきたが、これら鉛系安定剤は、熱安定化効果が高く、比較的低価格である反面、毒性が高く、電気絶縁性についても不充分であった。そのため、鉛系安定剤を使用せず、ハイドロタルサイト化合物と金属のケイ酸塩及びポリオール類との併用が提案されてはいる(例えば、特許文献1参照)が、本願発明に記載の特定の糖アルコール類の使用、及びそれを用いた含ハロゲン樹脂組成物に認められる優れた電気絶縁性については記載されておらず、何等示唆もされていない。
また、ポリ塩化ビニルに安定剤として糖アルコール類の一種であるマルチトール(還元麦芽糖)を使用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)が、耐熱性を向上させることが目的であり、本願発明の目的である電気絶縁性については記載されておらず、何等示唆もされていない。
更に、これまでの安定剤では、電線被覆材としての含ハロゲン樹脂に充分な電気絶縁性を付与させることができなかったため、一般的に焼成クレーを配合することが行われている。しかし、この焼成クレーは、熱老化後の物性低下や、透明性が必要な用途には用いることができない等の欠点を有している。
このため、低毒性であり、優れた電気絶縁性を有し、且つ、透明性が必要な用途にも使用可能な含ハロゲン樹脂組成物の開発が切望されていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−179090号公報(第2頁〜第3頁)
【特許文献2】
特開昭63−63737号公報(第1頁〜第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低毒性であり、優れた電気絶縁性を有しており、また、透明性が必要な用途にも使用可能な含ハロゲン樹脂組成物(例えば、電線被覆材用途等に使用される含ハロゲン樹脂組成物)を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコールと、ハイドロタルサイト化合物とを、含ハロゲン樹脂に添加することにより、低毒性であり、優れた電気絶縁性を有しており、また、透明性が必要な用途にも使用可能な含ハロゲン樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は、(A)含ハロゲン樹脂と、(B)マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類と、(C)ハイドロタルサイト化合物を含有してなることを特徴とする含ハロゲン樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、前記の含ハロゲン樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする電線被覆材を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するにあたり、必要な事項を以下に述べる。
【0010】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物は、成分(A)として含ハロゲン樹脂と、成分(B)としてマルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類と、成分(C)としてハイドロタルサイト化合物を含有してなることを特徴とする。
【0011】
本発明で用いられる含ハロゲン樹脂(A)として、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体類、塩化ビニル−エチレン系共重合体類、塩化ビニル−プロピレン系共重合体類、塩化ビニル−スチレン系共重合体類、塩化ビニル−イソブチレン系共重合体類、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体類、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体類、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体類、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体類、塩化ビニル−ブタジエン系共重合体類、塩化ビニル−イソプレン系共重合体類、塩化ビニル−塩素化プロピレン系共重合体類、塩化ビニル−アクリル酸エステル系共重合体類、塩化ビニル−マレイン酸エステル系共重合体類、塩化ビニル−メタクリル酸エステル系共重合体類または塩化ビニル−アクリロニトリル系共重合体類の如き、各種の含ハロゲン合成樹脂類;あるいは、上掲の含ハロゲン合成樹脂類と;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンもしくはポリ−3−メチルブテンの如き、各種のα−オレフィン系重合体類またはエチレン−酢酸ビニル系共重合体類もしくはエチレン−プロピレン系共重合体類の如き、ポリオレフィン類およびこれらの共重合体類;ポリスチレンもしくはアクリル樹脂などをはじめ、更には、スチレンと、無水マレイン酸、ブタジエンもしくはアクリロニトリルの如き、他の(スチレン以外の)単量体類との共重合体類;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体類、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン三元共重合体類又はメタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン三元共重合体類のようなハロゲン不含の共重合体類とのブレンド品などが挙げられる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0012】
本発明で用いられる糖アルコール類(B)は、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコールである。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0013】
本発明で用いられるハイドロタルサイト化合物(C)とは、下記一般式〔1〕で表されるように、マグネシウムとアルミニウムから、または、亜鉛やマグネシウムおよびアルミニウムからなる含水複塩化合物である。
Mgx1Znx2Al ・(OH)2(x1+x2)+4 ・CO ・mHO 〔1〕
(式中、x1及びx2は、各々下記の式で表される条件を満たす数を示し、mは、0または任意の整数を示す。0≦x2/x1<10、および2≦x1+x2<20)
【0014】
本発明で用いられるハイドロタルサイト化合物(C)は、天然物又は合成品の何れでもよく、これらの混合物でもよく、結晶水を脱水したものであってもよい。また、その結晶構造、結晶粒子径、形状などに制限されることなく使用することが可能である。
【0015】
また、本発明の含ハロゲン樹脂組成物に使用されるハイドロタルサイト化合物(C)は、その粒子表面を、ステアリン酸の如き高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩の如き高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩の如き有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックスなどで被覆したものであってもよい。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0016】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物において、上記の糖アルコール類(B)の使用量は、成分(A)である含ハロゲン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.005〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.01〜3重量部の範囲である。本発明の含ハロゲン樹脂組成物において、糖アルコール類(B)の使用量がかかる範囲であるならば、その組成物は非常に優れた電気絶縁性と耐熱性を得ることができる。
【0017】
また、本発明の含ハロゲン樹脂組成物において、上記のハイドロタルサイト化合物(C)の使用量は、成分(A)である含ハロゲン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜4重量部の範囲内である。本発明の含ハロゲン樹脂組成物において、ハイドロタルサイト化合物(C)の使用量がかかる範囲であるならば、優れた熱安定性を得ることができる。
【0018】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物には、主に樹脂の劣化防止を目的として、Li、Na、K、Ca、Ba、Mg、Sr、Zn、Sn、Cs、Al等の金属塩を使用することができる。該金属塩を構成する有機酸としては、特にモノカルボン酸の使用が望ましく、それらの中でも、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、酢酸、ジヒドロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオオクタン酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、2−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、安息香酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、n−プロピル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−安息香酸、モノクロル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸またはN,N−ジメチルアミノ安息香酸、あるいはトルイル酸、クミン酸、サリチル酸、p−tert−オクチルサリチル酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ネオデカン酸、大豆油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、又は糠油脂肪酸などが挙げられる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記金属塩の使用量としては、含ハロゲン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部の範囲である。該金属塩の使用量がかかる範囲である方が、スムーズな成型加工を行う上で好ましい。
【0020】
更に、本発明の含ハロゲン樹脂組成物には、糖アルコール(C)以外のポリオールを本発明の目的を阻害しない範囲で、糖アルコール(C)と共に用いることもできる。
糖アルコール(C)と併用可能な糖アルコール(C)以外のポリオールとは、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、又はジペンタエリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0021】
上述の糖アルコール(C)と併用可能な糖アルコール(C)以外のポリオールの使用量は、含ハロゲン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部の範囲である。
【0022】
更に、本発明の含ハロゲン樹脂組成物には、有機ホスファイト系化合物、エポキシ系化合物、可塑剤などの添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で添加することもできる。
【0023】
本発明で用いられる有機ホスファイト化合物として、特に代表的な物のみを例示するにとどめれば、ジ−p−tert−ブチルフェニルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、ジオクチルフェニルホスファイト、ジデシルフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ−ないしはジ−混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジブチルアッシドホスファイト、ジラウリルアッシドホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアッシドホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロヘキサンジメチルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、トリス(ラウリル−2−チオエチル)ホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(4−オキシ−2,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(4−オキシ−3−エチルヘキシルジフェニル)ホスファイト、テトラデシル−1,1,3−トリス(2’−メチル−5’−ジ−tert−ブチル−4’−オキシフェニル)ブタンジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジエノールポリホスファイト、ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)〕−1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、あるいは、ジフェニル−ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)〕チオジエタノールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール−ペンタエリスリトールジホスファイト又はテトラトリデシル−4,4’−n−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト等が挙げられる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0024】
当該有機ホスファイト化合物の添加量としては、特に限定はしないが、含ハロゲン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.1〜3重量部の範囲である。
【0025】
また、前記したエポキシ系化合物として、特に代表的な物のみを例示するにとどめれば、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化ステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸−2−エチルヘキシル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、又は3,4−エポキシシクロヘキシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレートの如き、各種のエポキシ系化合物が挙げられる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
【0026】
更に、前記した可塑剤として、特に代表的な物のみを例示するにとどめれば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、トリメリテート系可塑剤あるいはピロメリテート系可塑剤等が挙げられる。これらは単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
【0027】
その他にも、本発明の含ハロゲン樹脂組成物には、必要に応じて、通常含ハロゲン樹脂用の添加剤として用いられている添加剤、例えば、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、架橋剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、離型剤、顔料、加工助剤、光安定剤等の各種添加剤を本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。これらは単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
【0028】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物は、前述の如く、(A)含ハロゲン樹脂と、(B)マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類と、(C)ハイドロタルサイト化合物を含有してなる含ハロゲン樹脂組成物であり、極めて優れた電気絶縁性を発現し得る。
【0029】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物は、電気絶縁性に優れているため、特に電線やケーブルの被覆材用途の他、例えば、電線管、絶縁マット、絶縁シート、絶縁テープ、絶縁フィルム、絶縁ホース、絶縁手袋、絶縁ブーツなどが挙げられる。
また、本発明の含ハロゲン樹脂組成物は、上記用途において、透明性を必要とされる用途にも用いることが可能である。
【0030】
本発明の電線被覆材は、前記の含ハロゲン樹脂組成物を用いて得られることを特徴とし、特に電気絶縁性、透明性、耐熱性に優れており、電気保全面、省エネルギー面およびデザイン面等で極めて有用である。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、以下において、部及び%は、特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。また、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではない。
【0032】
《実施例1〜5》及び《比較例1〜5》
表1に記した配合組成で配合した、実施例1〜5及び比較例1〜5の配合物を、各々170℃、26rpmで5分間6インチロール上で混練した後、170℃で5分間プレスして、1mm厚のシートを作成した。このシートから、幅および長さが各々120mmのシートを打ち抜いて試験片とした上で、JIS K−6723に従い、体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。また、同じシートを用い、200℃のギヤオーブン中で加熱した際に、黒化するまでの時間を測定した。さらに、上記の1mm厚プレスシートにて透明性についても評価を行った。これらの評価結果を、表2にそれぞれ示した。
【0033】
表2の実施例1〜5の結果から、本発明の含ハロゲン樹脂組成物において、含ハロゲン樹脂とハイドロタルサイト化合物に、特定の糖アルコール類を添加することにより、黒化時間および透明性に悪影響をあたえずに、体積抵抗率を大幅に向上させることができることが判った。一方、表2より、本発明で使用可能な特定の糖アルコール以外のポリオール類を用いた場合(比較例2〜5)では、ブランク(比較例1)と較べ、体積抵抗率の向上効果に乏しいことが明らかであった。
【0034】
【表1】
Figure 2004175868
【0035】
注1)ハイドロタルサイト(協和化学株式会社製)
【0036】
【表2】
Figure 2004175868
【0037】
注2)焼成クレー(ENGELHARD CORPORATION製)
【0038】
《実施例6〜13》及び《比較例6〜10》
次に、充填剤の配合された非透明電線被覆材配合において、同様の試験を行った。表3に記した配合組成で配合した実施例6〜13及び比較例6〜10の配合物を、各々170℃、26rpmで5分間6インチロール上において混練した後、170℃で5分間プレスして、1mm厚のシートを作成した。このシートから、幅および長さが各々120mmのシートを打ち抜いて試験片とした上で、JIS K−6723に従い、体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。また、同じシートを用い、200℃のギヤオーブン中で加熱した際に、黒化するまでの時間を測定した。これらの評価結果を、表4にそれぞれ示した。
【0039】
表4の実施例6〜13の結果から、含ハロゲン樹脂とハイドロタルサイト化合物に、特定の糖アルコール類を添加することにより、充填剤が配合されている非透明電線被覆材においても、黒化時間に悪影響を与えずに、体積抵抗率を大幅に向上させることができることが判った。よって、本発明の含ハロゲン樹脂組成物が、電線被覆材に優れた電気絶縁性を付与させ得ることは明らかである。一方、表4より、本発明で使用可能な特定の糖アルコール以外のポリオール類を用いた場合(比較例7〜10)では、充填剤が配合されている一般的な非透明電線被覆材の組成においても、ブランク(比較例6)と較べ、体積抵抗率の向上効果に乏しいことが明らかであった。
【0040】
【表3】
Figure 2004175868
【0041】
【表4】
Figure 2004175868
【0042】
[1mm厚プレスシートの透明性の評価方法と評価基準]
プレスシートの透明性は、表1に記した組成で配合を行った配合物を、各々170℃、26rpmで5分間6インチロール上で混練した後、170℃で5分間プレスし、1mm厚のシートを作成した。そのシートを目視にて透明性の評価を行った。
Figure 2004175868
【0043】
【発明の効果】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物は、低毒性であり、優れた電気絶縁性を有しており、また、透明性が必要な用途にも使用可能な含ハロゲン樹脂組成物を得ることができ、例えば、電線被覆材用途として極めて有用である。

Claims (5)

  1. (A)含ハロゲン樹脂と、(B)マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類と、(C)ハイドロタルサイト化合物を含有してなることを特徴とする含ハロゲン樹脂組成物。
  2. 含ハロゲン樹脂組成物において、成分(A)である含ハロゲン樹脂100重量部に対して、成分(B)としてマルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類を0.005〜5重量部の範囲で含有し、成分(C)としてハイドロタルサイト化合物を0.1〜5重量部の範囲で含有してなる請求項1記載の含ハロゲン樹脂組成物。
  3. (A)含ハロゲン樹脂と、(B)マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトールから選ばれる少なくとも一種の糖アルコール類と、(C)ハイドロタルサイト化合物を含有してなる請求項1又は2記載の含ハロゲン樹脂組成物。
  4. 電線被覆材用途に用いられる請求項1〜3の何れか一項記載の含ハロゲン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項記載の含ハロゲン樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする電線被覆材。
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