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JP2004172017A - Slurry composition for electrode, electrode and lithium-ion secondary battery - Google Patents

Slurry composition for electrode, electrode and lithium-ion secondary battery Download PDF

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JP2004172017A
JP2004172017A JP2002338414A JP2002338414A JP2004172017A JP 2004172017 A JP2004172017 A JP 2004172017A JP 2002338414 A JP2002338414 A JP 2002338414A JP 2002338414 A JP2002338414 A JP 2002338414A JP 2004172017 A JP2004172017 A JP 2004172017A
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昭 中山
Takao Suzuki
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a slurry composition for an electrode containing a binder having low swelling characteristics against an electrolytic solution and having a superior binding property, the electrode manufactured by using the slurry composition, and furthermore a lithium ion secondary battery having a higher capacity and an improved rate property in combination. <P>SOLUTION: In this slurry composition for the electrode, a polymer X in which 1-olefin-derived monomer unit content is 75 to 92 mol%, and (meth)acrylic acid alkyl ester-derived monomer unit content is 8 to 25 mol%, and an electrode active material are dispersed in an organic liquid medium, and another polymer Y is dissolved in the organic liquid medium, and a proportion of the polymer X and the polymer Y is 1 : 10 to 10 : 1 by the weight ratio of X : Y. The electrode manufactured by using this slurry composition has a high binding property, and the lithium secondary battery manufactured by using the electrode has a high battery capacity, a superior charge-discharge cycle property, and a rate property. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電極用スラリー組成物、それを用いて製造された電極および該電極を有するリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パソコンや携帯電話、PDAなどの携帯端末の普及が著しい。そしてこれらの電源には、リチウムイオン二次電池が多用されている。最近では、携帯端末の使用時間の延長や充電時間の短縮などの要望が高まり、これに伴い電池の高性能化、特に高容量化と充電速度(レート特性)の向上が強く求められている。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、正極と負極とをセパレーターを介して配置し、電解液とともに容器内に収納した構造を有する。電極(正極および負極)は、電極活物質(以下、単に活物質ということがある)と、必要に応じて導電付与剤などとを二次電池電極用バインダーポリマー(以下、単にバインダーということがある)によりアルミニウムや銅などの集電体に結着させたものである。電極は、通常、バインダーを液状媒体に溶解または分散させ、これに活物質などを混合して得られる二次電池電極用スラリー組成物を集電体に塗布して、該液状媒体を乾燥などにより除去して、電極層として結着させて形成される。
【0004】
電池容量は、活物質の充填量に強く影響される。一方、レート特性は電子の移動の容易さに影響され、レート特性の向上にはカーボンなどの導電付与剤の増量が効果的である。電池という限られた空間内で活物質と導電付与剤を増量するには、バインダー量を低減する必要がある。しかしながら、バインダー量を少なくすると活物質の結着性が損なわれるという問題があった。
【0005】
結着性に優れたバインダーとして、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位を有するバインダーが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらのバインダーを用いて作成した電池はサイクル特性が劣り、繰り返し充放電により電池容量が低下したり、レート特性が悪化するという問題があった。これは、バインダーが電解液により膨潤するため、結着性が次第に低下して集電体から活物質が剥離したり、バインダーが集電体を覆って電子の移動を妨げたりするためと考えられる。
このように、これまで、電池の高容量化とレート特性の向上とを両立させることは困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−255670号公報
【特許文献2】
特開平6−223833号公報
【特許文献3】
特開平6−325766号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電解液に対する膨潤度が低く、かつ結着性が良好なバインダーを含有する電極用スラリー組成物、および該スラリー組成物を用いて製造される電極を提供することである。
また本発明の他の目的は、高容量化と改良されたレート特性とを兼ね備えたリチウムイオン二次電池を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、1−オレフィン単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を有する特定組成のポリマーは電解液に対する膨潤度が低いことを見出した。また、このポリマーを有機液状媒体に分散させ、該有機液状媒体に可溶な他のポリマーと併用することで良好な結着性を有するバインダーが得られることを見出した。さらに、該重合体を含む電極用スラリー組成物を用いて製造したリチウムイオン二次電池は高い電池容量と良好な充放電サイクル特性およびレート特性を示すことを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明の第一によれば、1−オレフィン由来の単量体単位含有量が75〜92モル%であり、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル由来の繰り返し単位含有量が8〜25モル%であるポリマーXと、電極活物質とが、有機液状媒体に分散されており、他のポリマーYが該有機液状媒体に溶解しており、ポリマーXおよびポリマーYの含有量の割合が、X:Yの重量比で1:10〜10:1である電極用スラリー組成物が提供される。
【0010】
前記ポリマーXは、ポリマーXと有機液状媒体の混合液をポリマーXの融点以上に加温してポリマーXを溶融させ、次いで該混合液を冷却してポリマーXを析出させることにより有機液状媒体に分散されているものであることが好ましい。
ポリマーXの平均粒子径は、0.02〜1μmであることが好ましい。
【0011】
ポリマーYは、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル由来の単量体単位60〜95モル%と、1−オレフィン、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量体由来の単量体単位5〜30モル%とを有し、前記有機液状媒体に可溶なポリマーであることが好ましい。
上記電極用スラリー組成物は、1−オレフィン由来の単量体単位を実質的に含まずかつN−メチルピロリドン不溶分が50重量%以上であるポリマーZをさらに含み、ポリマーX、ポリマーY、ポリマーZの含有量の割合が、(X+Y):Zの重量比で5:1〜1:5であることが好ましい。
【0012】
また本発明の第二によれば、上記の電極用スラリー組成物を用いて製造された電極が提供される。
さらに本発明の第三によれば、該電極を有するリチウムイオン二次電池が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、1)電極用スラリー組成物、2)電極、3)二次電池に項分けして詳細に説明する。
1)電極用スラリー組成物
本発明の電極用スラリー組成物(以下、単に「スラリー組成物」と記すことがある。)は、電極活物質、それを集電体に結着するためのバインダーおよび有機液状媒体を含有してなるものである。
本発明のスラリー組成物におけるバインダーは、1−オレフィン由来の単量体単位と、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル(以下、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと記すことがある。)由来の単量体単位とを含有するポリマーXを必須成分とするものである。
【0014】
ポリマーX中の1−オレフィン単位の含有量は、ポリマーXの全量に対して75〜92モル%、好ましくは80〜90モル%である。1−オレフィン単位の含有量が少なすぎると電解液に対する膨潤度が大きくなるため、結着持続性が劣りサイクル特性が低下する。逆に、多すぎると活物質の結着性が劣る。
【0015】
ポリマーX中の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の単量体単位の含有量は8〜25モル%、好ましくは10〜20モル%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の単量体単位の含有量が少なすぎると活物質の結着性が劣るとともに、スラリー組成物を集電体へ塗布する際に均一に塗布することが困難になる。逆に、過度に多い場合でも、かえって活物質の結着性は低下する。さらに、電解液に対する膨潤度も大きくなる傾向がある。
【0016】
ポリマーXの製法は特に限定されない。例えば、1−オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、溶液重合法または塊状重合法などの公知の重合法により共重合して得ることができる。1−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンなどが挙げられ、中でも、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数が2〜4の1−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
【0017】
また、例えば、ブタジエンなどの共役ジエン類を原料単量体の一部として用いて得られた重合体を水素化することにより1−オレフィン単位由来の構造を有するようにしてもよい。共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2、3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
【0018】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられる。
中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルが好ましい。
【0019】
上記の1−オレフィン、共役ジエン、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。また、ポリマーXはランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0020】
ポリマーXは、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の共重合可能な単量体由来の単量体単位を含有していてもよい。
上記共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−エチレン性不飽和ニトリル化合物;アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのアルキル基に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸n−アミル、クロトン酸イソアミル、クロトン酸n−ヘキシル、クロトン酸2−エチルヘキシル、クロトン酸ヒドロキシプロピルなどのクロトン酸エステル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有メタクリル酸エステル;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートなどのアルコキシ基含有メタクリル酸エステル;アルキル基にリン酸残基、スルホン酸残基、ホウ酸残基などを有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸およびその酸無水物;が挙げられる。
これらの単量体は2種以上併用してもよく、これらの単量体単位の含有量の合計は15モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
【0021】
本発明のスラリー組成物では、バインダーとして、前記ポリマーXと、他のポリマーYを併用する。
ポリマーYとしては、スラリー組成物に用いる有機液状媒体に可溶なものであれば特に限定されない。ポリマーYの構成単位の単量体としては、ポリマーXを構成する単量体として例示したものをいずれも用いることができ、共重合比や重合条件を適宜調整することで、有機液状媒体に可溶なポリマーを得ることができる。
【0022】
中でも、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル由来の単量体単位60〜95モル%と、1−オレフィン、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量体由来の単量体単位5〜30モル%とを有するポリマーが好ましい。
このポリマーをポリマーYとして用いることで、より結着性、塗工性に優れたスラリー組成物を得ることができる。
【0023】
また、ポリマーYは、フッ素含有ポリマーであってもよい。
ポリマーYとして使用するフッ素含有ポリマーは、フッ素含有単量体単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含むポリマーである。フッ素含有単量体としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、三フッ化塩化ビニル、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどが挙げられるが、フッ化ビニリデンが好ましい。フッ化ビニリデン以外のフッ素含有単量体を使用する場合は、その全量が全フッ素含有単量体の好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下となるようにフッ化ビニリデンと併せて使用する。
【0024】
前記フッ素含有ポリマーは、フッ素含有単量体と共重合可能なフッ素非含有単量体単位を50モル%未満、好ましくは30モル%未満、より好ましくは20モル%未満有していてもよい。
フッ素含有単量体と共重合可能なフッ素非含有単量体としては、前記ポリマーXを構成する単量体として例示した単量体や、スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド化合物;アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸などのスルホン酸基含有不飽和化合物;3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン硫酸などの硫酸基含有不飽和化合物;(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−燐酸プロピル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン燐酸などの燐酸基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0025】
ポリマーYのTgは0℃より高く、好ましくは50〜90℃である。ポリマーYのTgが過度に低いと、電極層の集電体への密着性が低下する。
ポリマーYの製法は特に限定されない。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、溶液重合法または塊状重合法などの公知の重合法により得ることができる。
【0026】
ポリマーXとポリマーYの含有量の割合は、X:Yの重量比で1:10〜10:1、好ましくは5:1〜1:5である。
ポリマーXの配合割合が過度に小さいと、電極が硬くなり、捲回時に電極層に割れが生じるおそれがあり、逆に、ポリマーYの配合割合が過度に小さいと、電極層の集電体への結着性が低下するおそれがある。
【0027】
本発明のスラリー組成物におけるバインダーは、前述のポリマーXおよびポリマーYに加えて、1−オレフィン由来の単量体単位を実質的に含まずかつNMP不溶分が50重量%以上であるポリマーZを併用するのが好ましい。ポリマーZを併用することにより、結着性とレート特性のバランスをさらに向上させることができる。また、電極の柔軟性が増し、活物質の剥離を防止することができる。
【0028】
ポリマーZのガラス転移温度(Tg)は、−80〜0℃、好ましくは−60〜−5℃、より好ましくは−50〜−10℃である。Tgが高すぎると、電極の柔軟性が低下し、電極が硬くなり、捲回時に電極層に割れが生じるおそれがあり、Tgが低すぎると電極層の集電体への結着性が低下するおそれがある。
【0029】
ポリマーZの構成単位の単量体としては特に限定はなく、前記ポリマーXを構成する単量体として例示したものの内、1−オレフィン以外のいずれも用いることができる。ポリマーZが上記範囲のTgを有するようにするためには、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ラウリルなどのメタクリル酸アルキルエステル;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン;由来の単量体単位を有することが好ましい。
【0030】
ポリマーZは電極用スラリー組成物に用いられる有機液状媒体や電解液に溶解しにくいものであることが好ましい。電極用スラリー組成物に用いられる液状媒体として汎用されるN−メチルピロリドン(NMP)に対するポリマーZの不溶分は、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。NMP不溶分量が過度に小さいと活物質の結着持続性が低下する場合がある。
【0031】
ポリマーZが有機液状媒体や電解液に溶解しにくい性質を発現するためには、架橋構造を有することが好ましい。架橋構造を有するポリマーは、例えば、その重合の際に、原料の一部に多官能エチレン性不飽和単量体を用いて重合することで得られる。多官能エチレン性不飽和単量体の使用量は、使用する全単量体量に対する割合が、好ましくは0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。
【0032】
多官能エチレン性不飽和単量体の例としては、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル類;が挙げられる。
また、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物を共重合させたポリマーを用いる場合は、重合温度、重合転化率および分子量調整剤の量などの重合反応条件を適宜調整することにより架橋ポリマーとすることができる。
【0033】
ポリマーZとして好ましく用いることができるものとしては、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/メタクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル/アクリロニトリル−ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル/アクリル酸/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などのアクリルゴム;アクリロニトリル/ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル/ブタジエンゴムなどのゴム質重合体が挙げられる。中でも、アクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴムが特に好ましい。
【0034】
ポリマーZの製法は特に限定されない。例えば、上記した各単量体成分を、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法などの公知の重合法により重合して得ることができる。中でも乳化重合法が、有機液状媒体に分散したときの粒子径および粒子形状が良好なので好ましい。
【0035】
ポリマーZの含有量は特に限定されないが、(X+Y):Zの重量比で、1:5〜5:1が好ましく、1:3〜3:1がより好ましく、1:2〜2:1が特に好ましい。ポリマーZの配合量を過度に大きくすると、結着性は向上するものの、スラリーの流動性が低下し、電極に塗布して得られる電極層が平滑でなくなるおそれがある。
【0036】
本発明における全バインダーの量は、活物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜4重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。全バインダー量が少なすぎると電極から活物質が脱落しやすくなるおそれがあり、逆に多すぎると活物質がバインダーに覆い隠されて電池反応が阻害される可能性がある。
【0037】
本発明のスラリー組成物では、ポリマーXを有機液状媒体に分散し、ポリマーYを該有機液状媒体に溶解させて用いる。
有機液状媒体は、ポリマーXが溶解せず、ポリマーYを溶解できるものであれば特に制限されないが、ポリマーZを併用する場合には、ポリマーZが溶解しないものが好ましい。具体的には、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられる。中でもN−メチルピロリドンが、集電体への塗布性やポリマーXの分散性が良好なので特に好ましい。
【0038】
有機液状媒体の量は、バインダーや後述する活物質および導電付与剤の種類に応じ、塗工に好適な粘度になるように調整して用いる。バインダー、活物質および導電付与剤を合わせた固形分の濃度は、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%である。
【0039】
ポリマーXを有機液状媒体に分散させる方法は特に限定されない。具体的には、乳化重合や懸濁重合などで製造したポリマーXの水分散液を、有機液状媒体と分散媒交換を行う方法が挙げられる。
【0040】
また、ポリマーXと有機液状媒体を混合し、この混合液を一旦ポリマーXの融点以上に加温してポリマーXを溶融させ、次いでこの混合液を冷却し、ポリマーXを析出させてもよい。このときに有機液状媒体に予めポリマーYを溶解しておいてもよい。この方法によればポリマーXを微粒子状に析出させることができ、粒子径を容易に調節できるので好ましい。
【0041】
ポリマーXの粒子径は、好ましくは0.02〜1μm、より好ましくは0.05〜0.5μmである。粒子径が大きすぎるとバインダーとして必要な量が多くなりすぎ、電極の内部抵抗が増加するおそれがある。逆に、粒子径が小さすぎると活物質の表面を覆い隠して電池反応を阻害してしまう場合がある。
ここで、粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだポリマー粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。
【0042】
本発明のスラリー組成物に用いられる活物質は、電池やキャパシタの種類により適宜選択される。本発明のスラリー組成物は、正極、負極のいずれにも使用することができ、正極に使用するのが好ましく、リチウムイオン二次電池の正極に用いるのがより好ましい。
リチウムイオン二次電池に用いる場合、活物質は、通常のリチウムイオン二次電池で使用されるものであれば、いずれであっても用いることができる。正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMnなどのリチウム含有複合金属酸化物;TiS、TiS、非晶質MoSなどの遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物;が例示される。さらに、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。
【0043】
また、負極活物質としては、例えば、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メゾカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子などが挙げられる。活物質の形状や大きさについては特に制限はなく、機械的改質法により表面に導電付与剤を付着させたものも使用できる。
【0044】
電気化学キャパシタに用いる場合、活物質は、通常の電気化学キャパシタで使用されるものであれば、いずれも用いることができる。正極および負極の活物質としては、例えば、活性炭が挙げられる。
【0045】
本発明のスラリー組成物には、必要に応じて導電付与剤が添加される。導電付与剤としては、リチウムイオン二次電池ではグラファイト、活性炭などのカーボンが用いられる。
ニッケル水素二次電池で用いられる導電付与剤は、正極では酸化コバルト、負極ではニッケル粉末、酸化コバルト、酸化チタン、カーボンなどを挙げることができる。
上記両電池において、カーボンとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、炭素繊維、フラーレン類を挙げることができる。中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラックが好ましい。
導電付与剤の使用量は、活物質100重量部あたり、通常、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。
【0046】
本発明のスラリー組成物には、その他必要に応じて粘度調整剤、流動化剤などを添加してもよい。
【0047】
本発明のスラリー組成物は、前記各成分を混合して製造される。混合方法および混合順序は特に限定されない。例えば、ポリマーXを有機液状媒体に分散させた分散液に、ポリマーYを有機液状媒体に溶解した溶液と活物質と導電付与剤とを加え、混合機により混合して製造できる。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどを用いることができる。
【0048】
2)電極
本発明の電極は、上記のスラリー組成物を用いて製造される。電極の製造法としては、例えば、上記のスラリー組成物を金属箔などの集電体に塗布し、乾燥して形成される。電極には、活物質が集電体表面に形成されたマトリックス中に分散して固定される。
【0049】
集電体は、導電性材料からなるものであれば特に制限されない。リチウムイオン二次電池では、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属製のものであるが、特に正極にアルミニウムを、負極に銅を用いた場合、本発明のバインダー組成物の効果が最もよく現れる。リチウムイオン二次電池の集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。
ニッケル水素二次電池では、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、発泡金属、網状金属繊維焼結体、金属メッキ樹脂板などを用いることができる。
【0050】
スラリー組成物の集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。塗布するスラリー量も特に制限されないが、有機液状媒体を乾燥して除去した後に形成される、活物質、バインダーなどからなる混合層の厚さが、通常、0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる量が一般的である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥速度は、通常は応力集中によって混合層に亀裂が入ったり、混合層が集電体から剥離したりしない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く液状媒体が除去できるように調整する。
更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより電極の活物質の密度を高めてもよい。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。
【0051】
3)二次電池
本発明の二次電池は、上記の電極や電解液を含み、セパレーター等の部品を用いて、常法に従って製造されるものである。具体的な製造方法としては、例えば、負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する。また必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
【0052】
電解液は、通常の二次電池に用いられるものであれば、液状でもゲル状でもよく、負極活物質、正極活物質の種類に応じて電池としての機能を発揮するものを選択すればよい。
【0053】
リチウムイオン二次電池の電解質としては、従来より公知のリチウム塩がいずれも使用でき、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCFSO、LiCHSO、LiC、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウムなどが挙げられる。
【0054】
これらの電解質を溶解させる媒体は特に限定されるものではない。具体例としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類等が挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。
また、ニッケル水素二次電池の電解質としては、例えば、従来公知の濃度が5モル/リットル以上の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特に断りがない限り重量基準である。
実施例および比較例中の試験および評価は以下の方法で行った。
【0056】
(1)ポリマーの電解液溶媒膨潤度
ポリマー0.2gをN−メチルピロリドン(NMP)10ミリリットルに溶解または分散させた液をポリテトラフルオロエチレン製シートにキャストし、乾燥してキャストフィルムを得る。このキャストフィルム4cmを切り取って重量を測定した後、温度60℃の電解液溶媒中に浸漬する。浸漬したフィルムを72時間後に引き上げ、タオルペーパーで拭きとってすぐに重量を測定し、(浸漬後重量)/(浸漬前重量)の値を電解液溶媒膨潤度とした。なお、電解液溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの5種の溶媒を20℃での体積比で1:1:1:1:1の割合で混合した混合溶媒を用いた。
【0057】
(2)ポリマーのNMP不溶分量
ポリマー0.2gをNMP20ミリリットルに60℃で72時間浸漬した後、80メッシュの篩で濾過し、篩上の成分を乾燥して重量を求める。この求められた重量の、浸漬前のポリマー重量(0.2g)に対する百分率で示した値を、NMP不溶分量とした。
【0058】
(3)ポリマーの粒子径
粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだポリマー粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径として求めた。
【0059】
(4)ピール強度
正極の製造
正極用スラリーをアルミニウム箔(厚さ20μm)にドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で45分間乾燥機で乾燥した。さらに真空乾燥機にて0.6kPa、120℃で2時間減圧乾燥した後、二軸のロールプレスによって電極密度が3.3g/cmとなるように圧縮して正極を得た。
負極の製造
負極用スラリーを銅箔(厚さ18μm)にドクターブレード法によって均一に塗布し、正極と同様の条件で乾燥した。二軸のロールプレスによって電極密度が1.4g/cmとなるように圧縮して負極を得た。
ピール強度の測定
上記により得た電極(正極または負極)を幅2.5cm×長さ10cmの矩形に切り、電極表面にセロハンテープを貼り付け、電極を固定し、テープを50mm/分の速度で180°方向に剥離したときの強度(N/cm)を10回測定し、その平均値を求めた。この値が大きいほど結着強度が高く、活物質が集電体から剥離しにくいことを示す。
【0060】
(5)電池容量
リチウムイオン二次電池(正極評価用)の製造
正極評価では、負極としては金属リチウムを用いた。
上記(4)に記す方法で製造した正極を直径15mmの円形に切り抜き、直径18mm、厚さ25μmの円形ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターを介在させて、負極の金属リチウムが接触するように配置した。セパレーターとは反対側の金属リチウム上にエキスパンドメタルを入れ、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中に電解液を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのコイン型電池(正極評価用)を製造した。電解液はエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを20℃での体積比で1:2の割合で混合した混合液にLiPFを1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。
【0061】
リチウムイオン電池(負極評価用)の製造
負極評価では、正極としては金属リチウムを用いた。
上記(4)に記す方法で製造した負極を直径15mmの円形に切り抜き、セパレーターを介在させて、正極の金属リチウムが接触するように配置した。セパレーターとは反対側の金属リチウム上にエキスパンドメタルを入れコイン型外装容器中に収納し、後の工程は正極評価用電池と同様にしてコイン型電池(負極評価用)を製造した。なお、セパレーターおよびコイン型外装容器も、正極評価用と同種のものを用いた。
電池容量の測定
上記の方法で製造したコイン型電池を用いて、正極の評価においては3Vから4.2Vまで、負極の評価においては0Vから1.2Vまで、所定の温度で0.1Cの定電流法によって測定した3サイクル目の放電容量(初期放電容量)として電池容量を求めた。測定は25℃で行った。単位はmAh/g(活物質当たり)である。
【0062】
(6)充放電サイクル特性
初期放電容量の測定と同様にして3サイクル目および50サイクル目の放電容量を測定し、3サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合を百分率で算出した。この値が大きいほど容量減が少ないことを示す。
(7)充放電レート特性
測定条件を、定電流量を1Cに変更したほかは、初期放電容量の測定と同様に各定電流量における3サイクル目の放電容量を測定した。3サイクル目における0.1Cでの放電容量に対する1Cでの放電容量の割合を百分率で算出した。この値が大きいほど、高速充放電が可能なことを示す。
【0063】
ポリマーX成分の8%分散体の製造;ポリマー分散体X−1
エチレン/エチルアクリレートコポリマー(日本ユニカー社製;エチルアクリレート単位13モル%)8部とNMP92部を混合し、140℃に加熱してポリマーを溶解した。次いでこの溶液を攪拌しながら室温まで冷却してポリマーを微粒子状に析出させ、8%ポリマー分散体X−1を得た。
【0064】
ポリマー分散体X−2〜X−5
エチレン/エチルアクリレート(EA)比の異なる下記のエチレン/エチルアクリレートコポリマーをポリマー分散体X−1と同様の方法でNMPに分散させて分散体X−2〜X−5とした。
分散体X−2:EA単位15モル%(日本ユニカー社製 MERN010)
分散体X−3:EA単位11モル%(日本ユニカー社製 NUC6090)
分散体X−4:EA単位6.5モル%(日本ユニカー社製 DPDJ9169)
分散体X−5:EA単位25モル%(三井デュポンケミカル社製 ベイマックD)
【0065】
ポリマーY成分の8%溶液の製造;ポリマー溶液Y−1
懸濁重合で製造したアクリロニトリル−アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル共重合体(アクリロニトリル単位80モル%、アクリル酸メチル単位14モル%、メタクリル酸メチル単位6モル%)8部をNMP92部に溶解し、8%ポリマー溶液Y−1を得た。
【0066】
ポリマー溶液Y−2
呉羽化学社製ポリフッ化ビニリデン(PVDF)#1100 8部をNMP92部に溶解し、8%ポリマー溶液Y−2を得た。
【0067】
ポリマーZ成分の8%分散体の製造;ポリマー分散体Z−1
乳化重合で製造したアクリルゴムラテックス(アクリル酸2−エチルヘキシル単位84%、メタクリル酸単位2%、メタクリロニトリル単位10%、エチレングリコールジメタクリレート単位2%、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート単位2%:NMP不溶分量90%)8部(固形分基準)にNMP92部を加え、水分を減圧除去して8%ポリマー分散体Z−1を得た。
【0068】
実施例1
ポリマー分散体X−1を2.5部、ポリマー溶液Y−1を2.5部、ポリマー分散体Z−1を5部、活物質としてコバルト酸リチウムを100部、導電付与剤としてアセチレンブラック(電気化学社製:HS−100)を3部、混合した。これに固形分が77%となるようにさらにNMPを添加し、プラネタリーミキサーで攪拌・混合して均一な正極用スラリーを得た。このスラリーを用いて正極電極およびリチウムイオン二次電池を作製した。用いた各ポリマーの物性、電極のピール強度、電池の電池容量、充放電サイクル特性および充放電レート特性を測定した結果を表1に示す。
【0069】
【表1】

Figure 2004172017
【0070】
実施例2〜6、比較例1〜3
ポリマーとして表1に示すものを用いたほかは、実施例1と同様に各種特性を測定した。結果を表1に示す。
【0071】
実施例7
ポリマー分散体X−2を20部、ポリマー溶液Y−1を30部、活物質としてMCMBを96部、混合した。これに固形分が65%となるようにさらにNMPを添加して、プラネタリーミキサーで攪拌・混合して均一な負極用スラリーを得た。このスラリーを用いて負極電極およびリチウムイオン二次電池を作製した。用いた各ポリマーの物性、電極のピール強度、電池の電池容量、充放電サイクル特性および充放電レート特性を測定した結果を表1に示す。
【0072】
電解液溶媒に対する膨潤度が小さく、かつ結着性に優れたポリマーを含有する本発明のスラリーを用いて製造された電極は、ピール強度が大きく、高い結着性能を示した。また、この電極を有するリチウムイオン二次電池は、高い電池容量と良好なサイクル特性を有し、かつレート特性にも優れるものであった(実施例1〜7)。
一方、エチルアクリレート単位の少ないポリマーをバインダーに用いると、スラリー組成物を集電体へ均一に塗布することが出来ないため、電池容量が低下した(比較例1)。逆にエチレン単位の少ないポリマーをバインダーに用いると、バインダーが電解液に溶解するためサイクル特性が低下した(比較例2)。また、ポリマーX成分を用いない場合は結着性が低下し、電池特性も低いものであった(比較例3)。
【0073】
【発明の効果】
本発明の電極用スラリー組成物を用いると、電解液に対するバインダーの膨潤性が低いので、活物質の結着性に優れた電極が得られる。この電極は各種電池や電気化学キャパシタなどの電極として好適に使用できる。
特にリチウムイオン二次電池の正極用として優れており、この電極を備えたリチウムイオン二次電池は、高い充放電容量と良好なサイクル特性を有し、かつレート特性にも優れる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a slurry composition for an electrode, an electrode manufactured using the same, and a lithium ion secondary battery having the electrode.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, portable terminals such as notebook personal computers, mobile phones, and PDAs have become remarkably popular. For these power supplies, lithium ion secondary batteries are frequently used. Recently, there has been an increasing demand for extending the use time of the portable terminal and shortening the charging time, and accordingly, there has been a strong demand for higher performance of the battery, particularly higher capacity and higher charging speed (rate characteristics).
[0003]
The lithium ion secondary battery has a structure in which a positive electrode and a negative electrode are arranged via a separator, and are housed in a container together with an electrolytic solution. The electrode (positive electrode and negative electrode) is composed of an electrode active material (hereinafter, sometimes simply referred to as an active material) and, if necessary, a conductivity-imparting agent, etc., as a binder polymer for a secondary battery electrode (hereinafter, sometimes simply referred to as a binder). ) To a current collector such as aluminum or copper. The electrode is usually prepared by dissolving or dispersing a binder in a liquid medium, applying a slurry composition for a secondary battery electrode obtained by mixing an active material and the like to a current collector, and drying the liquid medium by drying or the like. It is formed by removing and binding as an electrode layer.
[0004]
Battery capacity is strongly affected by the amount of active material charged. On the other hand, the rate characteristics are affected by the ease of electron transfer, and increasing the amount of a conductivity-imparting agent such as carbon is effective for improving the rate characteristics. In order to increase the amount of the active material and the conductivity-imparting agent in the limited space of the battery, it is necessary to reduce the amount of the binder. However, when the amount of the binder is reduced, there is a problem that the binding property of the active material is impaired.
[0005]
As a binder having excellent binding properties, a binder having an ethylenically unsaturated carboxylic acid ester unit has been proposed (for example, see Patent Documents 1 to 3). However, batteries made using these binders have problems in that the cycle characteristics are inferior, the battery capacity is reduced due to repeated charging and discharging, and the rate characteristics are deteriorated. This is considered to be because the binder swells with the electrolytic solution, the binding property gradually decreases, and the active material peels off from the current collector, or the binder covers the current collector and hinders the movement of electrons. .
As described above, it has been difficult to achieve both high battery capacity and improved rate characteristics.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-4-255670
[Patent Document 2]
JP-A-6-223833
[Patent Document 3]
JP-A-6-325766
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a slurry composition for an electrode containing a binder having a low degree of swelling with respect to an electrolytic solution and having good binding properties, and an electrode manufactured using the slurry composition.
Another object of the present invention is to provide a lithium ion secondary battery having both high capacity and improved rate characteristics.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have found that a polymer having a specific composition having a 1-olefin unit and an alkyl (meth) acrylate unit has a low degree of swelling in an electrolytic solution. Further, they have found that a binder having good binding properties can be obtained by dispersing this polymer in an organic liquid medium and using it together with another polymer soluble in the organic liquid medium. Further, the inventors have found that a lithium ion secondary battery produced using the slurry composition for an electrode containing the polymer exhibits high battery capacity and good charge / discharge cycle characteristics and rate characteristics. Was completed.
[0009]
Thus, according to the first aspect of the present invention, the content of monomer units derived from 1-olefin is 75 to 92 mol%, and the content of repeating units derived from alkyl acrylate or alkyl methacrylate is 8 to 25 mol. % Of the polymer X and the electrode active material are dispersed in the organic liquid medium, the other polymer Y is dissolved in the organic liquid medium, and the content ratio of the polymer X and the polymer Y is X : Y is provided in a weight ratio of 1:10 to 10: 1.
[0010]
The polymer X is heated to a temperature equal to or higher than the melting point of the polymer X to melt the polymer X by heating the mixed liquid of the polymer X and the organic liquid medium, and then, by cooling the mixed liquid to precipitate the polymer X, the organic liquid medium is formed. It is preferred that they are dispersed.
The average particle size of the polymer X is preferably 0.02 to 1 μm.
[0011]
The polymer Y has a monomer unit derived from acrylonitrile or methacrylonitrile of 60 to 95 mol% and a monomer derived from at least one monomer selected from 1-olefin, alkyl acrylate and alkyl methacrylate. It is preferable that the polymer has a unit of 5 to 30 mol% and is soluble in the organic liquid medium.
The electrode slurry composition further includes a polymer Z substantially containing no 1-olefin-derived monomer unit and having an N-methylpyrrolidone-insoluble content of 50% by weight or more. It is preferable that the ratio of the Z content is 5: 1 to 1: 5 by weight ratio of (X + Y): Z.
[0012]
According to a second aspect of the present invention, there is provided an electrode manufactured using the above slurry composition for an electrode.
Further, according to a third aspect of the present invention, there is provided a lithium ion secondary battery having the electrode.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail by dividing into 1) a slurry composition for an electrode, 2) an electrode, and 3) a secondary battery.
1) Slurry composition for electrodes
The electrode slurry composition of the present invention (hereinafter sometimes simply referred to as “slurry composition”) contains an electrode active material, a binder for binding the same to a current collector, and an organic liquid medium. It becomes.
The binder in the slurry composition of the present invention is a monomer unit derived from 1-olefin and a unit derived from an alkyl acrylate or an alkyl methacrylate (hereinafter sometimes referred to as an alkyl (meth) acrylate). And a polymer X containing a monomer unit as an essential component.
[0014]
The content of the 1-olefin unit in the polymer X is 75 to 92 mol%, preferably 80 to 90 mol%, based on the total amount of the polymer X. If the content of the 1-olefin unit is too small, the degree of swelling with respect to the electrolytic solution increases, so that the binding durability is poor and the cycle characteristics are reduced. Conversely, if it is too large, the binding properties of the active material will be poor.
[0015]
The content of the monomer unit derived from the alkyl (meth) acrylate in the polymer X is 8 to 25 mol%, preferably 10 to 20 mol%. If the content of the monomer unit derived from the alkyl (meth) acrylate is too small, the binding property of the active material is poor, and it is difficult to apply the slurry composition uniformly to the current collector. Become. Conversely, even when the amount is excessively large, the binding property of the active material is rather reduced. Further, the degree of swelling with respect to the electrolyte tends to increase.
[0016]
The method for producing the polymer X is not particularly limited. For example, it can be obtained by copolymerizing a 1-olefin and an alkyl (meth) acrylate by a known polymerization method such as an emulsion polymerization method, a suspension polymerization method, a dispersion polymerization method, a solution polymerization method, or a bulk polymerization method. . Examples of the 1-olefin include ethylene, propylene, 1-butene, 1-pentene, 3-methyl-1-butene, 1-hexene and the like. Among them, ethylene, propylene and 1-butene have 2 to 2 carbon atoms. 4 are preferred, and ethylene is particularly preferred.
[0017]
Further, for example, a polymer obtained by using a conjugated diene such as butadiene as a part of a raw material monomer may be hydrogenated to have a structure derived from a 1-olefin unit. Examples of the conjugated diene include 1,3-butadiene, 2-methyl-1,3-butadiene (isoprene), 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, and 1,3-pentadiene.
[0018]
Examples of the alkyl (meth) acrylate include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, and (meth). Isobutyl acrylate, n-amyl (meth) acrylate, isoamyl (meth) acrylate, n-hexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, and the like.
Among them, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, and isopropyl (meth) acrylate are preferred.
[0019]
The above 1-olefin, conjugated diene and alkyl (meth) acrylate may be used alone or in combination of two or more. Further, the polymer X may be a random copolymer or a block copolymer.
[0020]
The polymer X may contain a monomer unit derived from another copolymerizable monomer as long as the effects of the present invention are not impaired.
Examples of the copolymerizable monomer include, for example, α, β-ethylenically unsaturated nitrile compounds such as acrylonitrile and methacrylonitrile; and alkyl groups such as hydroxypropyl acrylate and hydroxypropyl methacrylate having a hydroxyl group (meth ) Acrylates: methyl crotonate, ethyl crotonate, propyl crotonate, butyl crotonate, isobutyl crotonate, n-amyl crotonate, isoamyl crotonate, n-hexyl crotonate, 2-ethylhexyl crotonate, hydroxy crotonate Crotonates such as propyl; amino-containing methacrylates such as dimethylaminoethyl methacrylate and diethylaminoethyl methacrylate; and alkoxy-containing methacrylates such as methoxypolyethylene glycol monomethacrylate. Tacrylic acid ester; (meth) acrylic acid ester having phosphoric acid residue, sulfonic acid residue, boric acid residue, etc. in the alkyl group; ethylenically unsaturated monocarboxylic acid such as acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, isocrotonic acid Acids; unsaturated dicarboxylic acids such as maleic acid, fumaric acid, citraconic acid, mesaconic acid, glutaconic acid, and itaconic acid; and acid anhydrides thereof.
Two or more of these monomers may be used in combination, and the total content of these monomer units is 15 mol% or less, preferably 5 mol% or less.
[0021]
In the slurry composition of the present invention, the polymer X and another polymer Y are used in combination as a binder.
The polymer Y is not particularly limited as long as it is soluble in the organic liquid medium used for the slurry composition. As the monomer of the constituent unit of the polymer Y, any of those exemplified as the monomer constituting the polymer X can be used, and by appropriately adjusting the copolymerization ratio and the polymerization conditions, the organic liquid medium can be used. A soluble polymer can be obtained.
[0022]
Above all, 60 to 95 mol% of a monomer unit derived from acrylonitrile or methacrylonitrile and a monomer unit 5 derived from at least one monomer selected from 1-olefin, alkyl acrylate and alkyl methacrylate Polymers having up to 30 mol% are preferred.
By using this polymer as the polymer Y, a slurry composition having more excellent binding properties and coatability can be obtained.
[0023]
Further, the polymer Y may be a fluorine-containing polymer.
The fluorine-containing polymer used as the polymer Y is a polymer containing 50 mol% or more, preferably 70 mol% or more, more preferably 80 mol% or more of a fluorine-containing monomer unit. Examples of the fluorine-containing monomer include vinylidene fluoride, tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene, vinyl trifluoride chloride, vinyl fluoride, and perfluoroalkyl vinyl ether, with vinylidene fluoride being preferred. When a fluorine-containing monomer other than vinylidene fluoride is used, the total amount thereof is preferably 30 mol% or less of the total fluorine-containing monomer, more preferably 20 mol% or less, together with vinylidene fluoride. use.
[0024]
The fluorine-containing polymer may have less than 50 mol%, preferably less than 30 mol%, more preferably less than 20 mol% of fluorine-free monomer units copolymerizable with the fluorine-containing monomer.
Examples of the fluorine-free monomer copolymerizable with the fluorine-containing monomer include the monomers exemplified as the monomer constituting the polymer X, styrene, α-methylstyrene, pt-butylstyrene, Aromatic vinyl compounds such as vinyltoluene and chlorostyrene; (meth) acrylamide compounds such as (meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide and N-butoxymethyl (meth) acrylamide; allyl glycidyl ether, (meth) acrylic acid Epoxy group-containing unsaturated compounds such as glycidyl; sulfonic acid group-containing unsaturated compounds such as styrene sulfonic acid, vinyl sulfonic acid and (meth) allyl sulfonic acid; and sulfate group-containing unsaturated compounds such as 3-allyloxy-2-hydroxypropane sulfate. Compound; propyl (meth) acrylate-3-chloro-2-phosphate Such as phosphoric acid group-containing unsaturated compounds such as 3-allyloxy-2-hydroxypropane acid and the like.
[0025]
The Tg of the polymer Y is higher than 0C, preferably 50-90C. If the Tg of the polymer Y is too low, the adhesion of the electrode layer to the current collector decreases.
The method for producing the polymer Y is not particularly limited. For example, it can be obtained by a known polymerization method such as an emulsion polymerization method, a suspension polymerization method, a dispersion polymerization method, a solution polymerization method, or a bulk polymerization method.
[0026]
The ratio of the content of the polymer X to the content of the polymer Y is from 1:10 to 10: 1, preferably from 5: 1 to 1: 5 by weight ratio of X: Y.
If the compounding ratio of the polymer X is too small, the electrode becomes hard, and the electrode layer may be cracked at the time of winding. Conversely, if the compounding ratio of the polymer Y is too small, the current to the current collector of the electrode layer may be reduced. There is a possibility that the binding property of the resin may decrease.
[0027]
The binder in the slurry composition of the present invention includes, in addition to the polymer X and the polymer Y described above, a polymer Z substantially containing no 1-olefin-derived monomer unit and having an NMP-insoluble content of 50% by weight or more. It is preferable to use them in combination. By using the polymer Z together, the balance between the binding properties and the rate characteristics can be further improved. Further, the flexibility of the electrode is increased, and peeling of the active material can be prevented.
[0028]
The glass transition temperature (Tg) of the polymer Z is -80 to 0C, preferably -60 to -5C, and more preferably -50 to -10C. If the Tg is too high, the flexibility of the electrode is reduced, the electrode becomes hard, and the electrode layer may be cracked at the time of winding. If the Tg is too low, the binding property of the electrode layer to the current collector is reduced. There is a possibility that.
[0029]
The monomer constituting the structural unit of the polymer Z is not particularly limited, and any of the monomers constituting the polymer X other than the 1-olefin can be used. In order for the polymer Z to have a Tg in the above range, an acryl such as ethyl acrylate, n-propyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, n-octyl acrylate, or 2-ethylhexyl acrylate may be used. It is preferable to have a monomer unit derived from an acid alkyl ester; a methacrylic acid alkyl ester such as n-octyl methacrylate, n-decyl methacrylate and n-lauryl methacrylate; a conjugated diene such as butadiene and isoprene;
[0030]
It is preferable that the polymer Z is hardly dissolved in the organic liquid medium or the electrolytic solution used in the electrode slurry composition. The insoluble content of the polymer Z in N-methylpyrrolidone (NMP), which is widely used as a liquid medium used in the electrode slurry composition, is 50% by weight or more, preferably 60% by weight or more, more preferably 70% by weight or more. . If the NMP insoluble content is too small, the binding durability of the active material may decrease.
[0031]
In order to exhibit the property that the polymer Z is hardly dissolved in the organic liquid medium or the electrolytic solution, the polymer Z preferably has a crosslinked structure. The polymer having a crosslinked structure can be obtained, for example, by performing polymerization using a polyfunctional ethylenically unsaturated monomer as a part of the raw material during the polymerization. The amount of the polyfunctional ethylenically unsaturated monomer used is preferably from 0.3 to 5% by weight, more preferably from 0.5 to 3% by weight, based on the total amount of the monomers used.
[0032]
Examples of polyfunctional ethylenically unsaturated monomers include divinyl compounds such as divinylbenzene; dimethacrylates such as ethylene diglycol dimethacrylate, diethylene glycol dimethacrylate, and ethylene glycol dimethacrylate; trimethylolpropane trimethacrylate and the like. Trimethacrylates; diacrylates such as polyethylene glycol diacrylate and 1,3-butylene glycol diacrylate; and triacrylates such as trimethylolpropane triacrylate.
When a polymer obtained by copolymerizing a conjugated diene compound such as butadiene or isoprene is used, a crosslinked polymer can be obtained by appropriately adjusting polymerization reaction conditions such as a polymerization temperature, a polymerization conversion, and an amount of a molecular weight modifier. it can.
[0033]
Preferred examples of the polymer Z include 2-ethylhexyl acrylate / methacrylic acid / methacrylonitrile / diethylene glycol dimethacrylate copolymer, butyl acrylate / acrylonitrile-diethylene glycol dimethacrylate copolymer, and butyl acrylate. / Acrylic acid / acrylic acid / trimethylolpropane trimethacrylate copolymer; and rubbery polymers such as acrylonitrile / butadiene rubber, butadiene rubber, and methyl methacrylate / butadiene rubber. Among them, acrylic rubber and acrylonitrile / butadiene rubber are particularly preferred.
[0034]
The method for producing the polymer Z is not particularly limited. For example, it can be obtained by polymerizing each of the above monomer components by a known polymerization method such as an emulsion polymerization method, a suspension polymerization method, a dispersion polymerization method or a solution polymerization method. Among them, the emulsion polymerization method is preferable because the particle diameter and the particle shape when dispersed in an organic liquid medium are good.
[0035]
Although the content of the polymer Z is not particularly limited, the weight ratio of (X + Y): Z is preferably 1: 5 to 5: 1, more preferably 1: 3 to 3: 1, and more preferably 1: 2 to 2: 1. Particularly preferred. If the blending amount of the polymer Z is excessively large, the binding property is improved, but the fluidity of the slurry is reduced, and the electrode layer obtained by coating the electrode may not be smooth.
[0036]
The amount of the total binder in the present invention is preferably 0.1 to 5 parts by weight, more preferably 0.2 to 4 parts by weight, particularly preferably 0.5 to 3 parts by weight based on 100 parts by weight of the active material. is there. If the total amount of the binder is too small, the active material may easily fall off from the electrode. If the total amount is too large, the active material may be covered by the binder and the battery reaction may be inhibited.
[0037]
In the slurry composition of the present invention, the polymer X is dispersed in an organic liquid medium, and the polymer Y is dissolved in the organic liquid medium before use.
The organic liquid medium is not particularly limited as long as it does not dissolve the polymer X and can dissolve the polymer Y. However, when the polymer Z is used in combination, it is preferable that the polymer Z does not dissolve. Specific examples include amides such as N-methylpyrrolidone, N, N-dimethylacetamide, dimethylformamide. Among them, N-methylpyrrolidone is particularly preferred because of its good coatability on the current collector and good dispersibility of the polymer X.
[0038]
The amount of the organic liquid medium is adjusted according to the type of the binder, the active material described later, and the conductivity-imparting agent so that the viscosity becomes suitable for coating. The concentration of the solid content of the binder, the active material and the conductivity-imparting agent is preferably 50 to 95% by weight, more preferably 70 to 90% by weight.
[0039]
The method for dispersing the polymer X in the organic liquid medium is not particularly limited. Specifically, a method of exchanging a dispersion medium of an aqueous dispersion of the polymer X produced by emulsion polymerization or suspension polymerization with an organic liquid medium can be mentioned.
[0040]
Alternatively, the polymer X may be mixed with an organic liquid medium, and the mixed solution may be heated to a temperature equal to or higher than the melting point of the polymer X to melt the polymer X, and then the mixed solution may be cooled to precipitate the polymer X. At this time, the polymer Y may be dissolved in the organic liquid medium in advance. This method is preferable because the polymer X can be precipitated in the form of fine particles and the particle diameter can be easily adjusted.
[0041]
The particle diameter of the polymer X is preferably 0.02 to 1 μm, more preferably 0.05 to 0.5 μm. If the particle size is too large, the amount required as a binder becomes too large, and the internal resistance of the electrode may increase. Conversely, if the particle size is too small, the surface of the active material may be covered and the battery reaction may be hindered.
Here, the particle diameter is a number average particle diameter calculated by measuring the diameter of 100 randomly selected polymer particles in a transmission electron micrograph and calculating the arithmetic average value.
[0042]
The active material used in the slurry composition of the present invention is appropriately selected depending on the type of battery or capacitor. The slurry composition of the present invention can be used for both a positive electrode and a negative electrode, and is preferably used for a positive electrode, and more preferably for a positive electrode of a lithium ion secondary battery.
When used for a lithium ion secondary battery, any active material can be used as long as it is used for a normal lithium ion secondary battery. As the positive electrode active material, for example, LiCoO2, LiNiO2, LiMnO2, LiMn2O4Lithium-containing composite metal oxide such as TiS;2, TiS3, Amorphous MoS3Transition metal sulfide such as Cu2V2O3, Amorphous V2OP2O5, MoO3, V2O5, V6OThirteenAnd transition metal oxides. Further, conductive polymers such as polyacetylene and poly-p-phenylene can also be used.
[0043]
Examples of the negative electrode active material include amorphous carbon, graphite, natural graphite, mesocarbon microbeads (MCMB), carbonaceous materials such as pitch-based carbon fibers, and conductive polymers such as polyacene. The shape and size of the active material are not particularly limited, and those having a conductivity imparting agent adhered to the surface by a mechanical modification method can be used.
[0044]
When used for an electrochemical capacitor, any active material can be used as long as it is used for a normal electrochemical capacitor. Examples of the active material of the positive electrode and the negative electrode include activated carbon.
[0045]
A conductivity imparting agent is added to the slurry composition of the present invention as needed. As the conductivity imparting agent, carbon such as graphite and activated carbon is used in a lithium ion secondary battery.
Examples of the conductivity imparting agent used in the nickel-hydrogen secondary battery include cobalt oxide for the positive electrode, nickel powder, cobalt oxide, titanium oxide, and carbon for the negative electrode.
In both batteries, examples of carbon include acetylene black, furnace black, graphite, carbon fiber, and fullerenes. Among them, acetylene black and furnace black are preferable.
The amount of the conductivity imparting agent to be used is generally 1 to 20 parts by weight, preferably 2 to 10 parts by weight, per 100 parts by weight of the active material.
[0046]
A viscosity modifier, a fluidizing agent, and the like may be added to the slurry composition of the present invention as needed.
[0047]
The slurry composition of the present invention is produced by mixing the above components. The mixing method and the mixing order are not particularly limited. For example, it can be produced by adding a solution in which polymer Y is dissolved in an organic liquid medium, an active material, and a conductivity-imparting agent to a dispersion in which polymer X is dispersed in an organic liquid medium, and mixing with a mixer. As the mixer, a ball mill, a sand mill, a pigment disperser, a crusher, an ultrasonic disperser, a homogenizer, a planetary mixer, or the like can be used.
[0048]
2) Electrode
The electrode of the present invention is manufactured using the above slurry composition. As a method for producing an electrode, for example, the above-mentioned slurry composition is applied to a current collector such as a metal foil and dried to form the electrode. The active material is dispersed and fixed to the electrode in a matrix formed on the surface of the current collector.
[0049]
The current collector is not particularly limited as long as it is made of a conductive material. Lithium ion secondary batteries are made of metal such as iron, copper, aluminum, nickel, and stainless steel. Particularly, when aluminum is used for the positive electrode and copper is used for the negative electrode, the effect of the binder composition of the present invention is most effective. Appear well. The shape of the current collector of the lithium ion secondary battery is not particularly limited, but is preferably a sheet having a thickness of about 0.001 to 0.5 mm.
For the nickel-metal hydride secondary battery, punched metal, expanded metal, wire mesh, foamed metal, reticulated metal fiber sintered body, metal-plated resin plate, or the like can be used.
[0050]
The method for applying the slurry composition to the current collector is not particularly limited. For example, methods such as a doctor blade method, a dip method, a reverse roll method, a direct roll method, a gravure method, an extrusion method, and a brush coating method are exemplified. The amount of the slurry to be applied is not particularly limited, but the thickness of the mixed layer formed of the active material, the binder, and the like formed after drying and removing the organic liquid medium is usually 0.005 to 5 mm, preferably 0.1 to 5 mm. An amount that becomes 01 to 2 mm is common. The drying method is not particularly limited, and examples thereof include drying with warm air, hot air, low-humidity air, vacuum drying, and drying by irradiation with (far) infrared rays or electron beams. The drying speed is adjusted so that the liquid medium can be removed as quickly as possible within a speed range in which the mixed layer is not cracked due to stress concentration or the mixed layer does not peel off from the current collector.
Further, the density of the active material of the electrode may be increased by pressing the dried current collector. As a pressing method, a method such as a mold press or a roll press is used.
[0051]
3) Secondary battery
The secondary battery of the present invention contains the above-mentioned electrodes and electrolyte, and is manufactured by using a component such as a separator according to a conventional method. As a specific manufacturing method, for example, a negative electrode and a positive electrode are overlapped with a separator interposed therebetween, and this is wound into a battery container according to the shape of the battery, folded, and placed in a battery container. I do. Also, if necessary, an overcurrent prevention element such as an expanded metal, a fuse, and a PTC element, a lead plate, and the like may be inserted to prevent an increase in pressure inside the battery and overcharge / discharge. The shape of the battery may be any of a coin type, a button type, a sheet type, a cylindrical type, a square type, a flat type and the like.
[0052]
The electrolyte may be in a liquid or gel form as long as it is used for a normal secondary battery, and an electrolyte exhibiting a function as a battery may be selected according to the types of the negative electrode active material and the positive electrode active material.
[0053]
As the electrolyte of the lithium ion secondary battery, any of conventionally known lithium salts can be used.4, LiBF4, LiPF6, LiCF3CO2, LiAsF6, LiSbF6, LiB10Cl10, LiAlCl4, LiCl, LiBr, LiB (C2H5)4, LiCF3SO3, LiCH3SO3, LiC4F9S3, Li (CF3SO2)2N, lithium lower fatty acid carboxylate and the like.
[0054]
The medium in which these electrolytes are dissolved is not particularly limited. Specific examples include carbonates such as propylene carbonate, ethylene carbonate, butylene carbonate, dimethyl carbonate, ethyl methyl carbonate, and diethyl carbonate; lactones such as γ-butyrolactone; trimethoxymethane, 1,2-dimethoxyethane, diethyl ether, Ethers such as -ethoxyethane, tetrahydrofuran, and 2-methyltetrahydrofuran; sulfoxides such as dimethyl sulfoxide; and the like, and these can be used alone or as a mixed solvent of two or more kinds.
As the electrolyte of the nickel-hydrogen secondary battery, for example, a conventionally known aqueous solution of potassium hydroxide having a concentration of 5 mol / liter or more can be used.
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto. The parts and percentages in the examples are on a weight basis unless otherwise specified.
The tests and evaluations in Examples and Comparative Examples were performed by the following methods.
[0056]
(1) Degree of swelling of polymer in electrolyte solvent
A solution prepared by dissolving or dispersing 0.2 g of the polymer in 10 ml of N-methylpyrrolidone (NMP) is cast on a polytetrafluoroethylene sheet and dried to obtain a cast film. This cast film 4cm2And then immersed in an electrolyte solvent at a temperature of 60 ° C. The immersed film was pulled up after 72 hours, wiped off with a towel paper, immediately weighed, and the value of (weight after immersion) / (weight before immersion) was defined as the degree of swelling of the electrolyte solvent. In addition, as an electrolytic solution solvent, five kinds of solvents of ethylene carbonate, propylene carbonate, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, and ethyl methyl carbonate were mixed at a volume ratio at 20 ° C. of 1: 1: 1: 1: 1. A mixed solvent was used.
[0057]
(2) NMP insoluble content of polymer
0.2 g of the polymer is immersed in 20 ml of NMP at 60 ° C. for 72 hours, then filtered through an 80-mesh sieve, and the components on the sieve are dried to determine the weight. The value expressed as a percentage of the obtained weight relative to the polymer weight (0.2 g) before immersion was defined as the NMP insoluble content.
[0058]
(3) Particle size of polymer
The particle diameter was determined as the number average particle diameter calculated by measuring the diameter of 100 polymer particles randomly selected in a transmission electron micrograph and calculating the arithmetic average value.
[0059]
(4) Peel strength
Manufacture of positive electrode
The slurry for the positive electrode was uniformly applied to an aluminum foil (thickness: 20 μm) by a doctor blade method, and dried at 120 ° C. for 45 minutes by a drier. Furthermore, after drying under reduced pressure at 0.6 kPa and 120 ° C. for 2 hours using a vacuum dryer, the electrode density was 3.3 g / cm by a biaxial roll press.3Thus, a positive electrode was obtained.
Manufacture of negative electrode
The slurry for the negative electrode was uniformly applied to a copper foil (thickness: 18 μm) by a doctor blade method, and dried under the same conditions as for the positive electrode. Electrode density is 1.4 g / cm by biaxial roll press3To obtain a negative electrode.
Measuring peel strength
The electrode (positive electrode or negative electrode) obtained above is cut into a rectangle having a width of 2.5 cm and a length of 10 cm, a cellophane tape is attached to the electrode surface, the electrode is fixed, and the tape is rotated at a speed of 50 mm / min in a 180 ° direction. The strength (N / cm) at the time of peeling was measured 10 times, and the average value was obtained. The larger the value, the higher the binding strength, indicating that the active material is less likely to be separated from the current collector.
[0060]
(5) Battery capacity
Manufacture of lithium-ion secondary batteries (for positive electrode evaluation)
In the positive electrode evaluation, metallic lithium was used as the negative electrode.
The positive electrode manufactured by the method described in the above (4) was cut into a circular shape having a diameter of 15 mm, and was arranged so that metallic lithium of the negative electrode was in contact with a separator made of a circular polypropylene porous film having a diameter of 18 mm and a thickness of 25 μm. . Expanded metal is placed on lithium metal on the opposite side of the separator, and housed in a stainless steel coin-type outer container (diameter 20 mm, height 1.8 mm, stainless steel thickness 0.25 mm) with polypropylene packing installed. did. The electrolyte was injected into the container so that air did not remain, and a 0.2 mm-thick stainless steel cap was fixed on the outer container via a polypropylene packing, and the battery can was sealed. A coin-type battery (for positive electrode evaluation) having a thickness of 20 mm and a thickness of about 2 mm was manufactured. The electrolyte was mixed with a mixture of ethylene carbonate and methyl ethyl carbonate in a volume ratio of 1: 2 at 20 ° C. to LiPF.6Was used at a concentration of 1 mol / liter.
[0061]
Manufacture of lithium-ion batteries (for negative electrode evaluation)
In the negative electrode evaluation, metallic lithium was used as the positive electrode.
The negative electrode produced by the method described in the above (4) was cut out into a circular shape having a diameter of 15 mm, and placed with a separator interposed therebetween so that the lithium metal of the positive electrode was in contact therewith. The expanded metal was put on the lithium metal on the side opposite to the separator and stored in a coin-type outer container. In the subsequent steps, a coin-type battery (for negative electrode evaluation) was manufactured in the same manner as the positive-electrode evaluation battery. The same type of separator and coin type outer container as those for the positive electrode evaluation were used.
Battery capacity measurement
Using the coin-type battery manufactured by the above method, the positive electrode was evaluated from 3 V to 4.2 V, and the negative electrode was evaluated from 0 V to 1.2 V at a predetermined temperature by a constant current method of 0.1 C. The battery capacity was determined as the discharge capacity at the third cycle (initial discharge capacity). The measurement was performed at 25 ° C. The unit is mAh / g (per active material).
[0062]
(6) Charge / discharge cycle characteristics
The discharge capacity at the third cycle and the 50th cycle was measured in the same manner as the measurement of the initial discharge capacity, and the ratio of the discharge capacity at the 50th cycle to the discharge capacity at the third cycle was calculated as a percentage. The larger the value, the smaller the capacity reduction.
(7) Charge / discharge rate characteristics
The discharge capacity at the third cycle at each constant current was measured in the same manner as the measurement of the initial discharge capacity except that the measurement conditions were changed to a constant current of 1C. The ratio of the discharge capacity at 1 C to the discharge capacity at 0.1 C in the third cycle was calculated as a percentage. The larger the value, the faster the charge / discharge is possible.
[0063]
Preparation of 8% Dispersion of Polymer X Component; Polymer Dispersion X-1
8 parts of an ethylene / ethyl acrylate copolymer (manufactured by Nippon Unicar; ethyl acrylate unit: 13 mol%) and 92 parts of NMP were mixed and heated to 140 ° C. to dissolve the polymer. Next, the solution was cooled to room temperature while stirring, and the polymer was precipitated in the form of fine particles to obtain an 8% polymer dispersion X-1.
[0064]
Polymer dispersions X-2 to X-5
The following ethylene / ethyl acrylate copolymers having different ethylene / ethyl acrylate (EA) ratios were dispersed in NMP in the same manner as the polymer dispersion X-1 to obtain dispersions X-2 to X-5.
Dispersion X-2: EA unit 15 mol% (MERN010 manufactured by Nippon Unicar Co., Ltd.)
Dispersion X-3: EA unit 11 mol% (NUC6090 manufactured by Nippon Unicar Co., Ltd.)
Dispersion X-4: EA unit 6.5 mol% (DPJ9169 manufactured by Nippon Unicar)
Dispersion X-5: EA unit 25 mol% (Baymac D manufactured by Mitsui Dupont Chemical Co., Ltd.)
[0065]
Preparation of 8% solution of polymer Y component; polymer solution Y-1
8 parts of acrylonitrile-methyl acrylate-methyl methacrylate copolymer (80 mol% of acrylonitrile unit, 14 mol% of methyl acrylate unit, 6 mol% of methyl methacrylate unit) produced by suspension polymerization were dissolved in 92 parts of NMP, An 8% polymer solution Y-1 was obtained.
[0066]
Polymer solution Y-2
8 parts of polyvinylidene fluoride (PVDF) # 1100 manufactured by Kureha Chemical Co., Ltd. were dissolved in 92 parts of NMP to obtain an 8% polymer solution Y-2.
[0067]
Preparation of 8% dispersion of polymer Z component; polymer dispersion Z-1
Acrylic rubber latex produced by emulsion polymerization (2-ethylhexyl acrylate unit 84%, methacrylic acid unit 2%, methacrylonitrile unit 10%, ethylene glycol dimethacrylate unit 2%, methoxy polyethylene glycol methacrylate unit 2%: NMP insoluble content NMP (92 parts) was added to 8 parts (90%) (solid content basis), and water was removed under reduced pressure to obtain an 8% polymer dispersion Z-1.
[0068]
Example 1
2.5 parts of polymer dispersion X-1, 2.5 parts of polymer solution Y-1, 5 parts of polymer dispersion Z-1, 100 parts of lithium cobaltate as an active material, and acetylene black ( 3 parts of HS-100 (produced by Denki Kagaku KK) were mixed. NMP was further added to the mixture so that the solid content became 77%, and the mixture was stirred and mixed with a planetary mixer to obtain a uniform positive electrode slurry. A positive electrode and a lithium ion secondary battery were produced using this slurry. Table 1 shows the measurement results of the physical properties of each polymer used, the peel strength of the electrode, the battery capacity of the battery, the charge / discharge cycle characteristics, and the charge / discharge rate characteristics.
[0069]
[Table 1]
Figure 2004172017
[0070]
Examples 2 to 6, Comparative Examples 1 to 3
Various properties were measured in the same manner as in Example 1 except that the polymer shown in Table 1 was used. Table 1 shows the results.
[0071]
Example 7
20 parts of the polymer dispersion X-2, 30 parts of the polymer solution Y-1 and 96 parts of MCMB as an active material were mixed. NMP was further added thereto so that the solid content became 65%, and the mixture was stirred and mixed with a planetary mixer to obtain a uniform negative electrode slurry. Using this slurry, a negative electrode and a lithium ion secondary battery were produced. Table 1 shows the measurement results of the physical properties of each polymer used, the peel strength of the electrode, the battery capacity of the battery, the charge / discharge cycle characteristics, and the charge / discharge rate characteristics.
[0072]
An electrode manufactured using the slurry of the present invention containing a polymer having a small degree of swelling in an electrolyte solvent and having excellent binding properties had a large peel strength and exhibited high binding performance. Moreover, the lithium ion secondary battery having this electrode had high battery capacity, good cycle characteristics, and excellent rate characteristics (Examples 1 to 7).
On the other hand, when a polymer having a small amount of ethyl acrylate units was used as the binder, the slurry composition could not be uniformly applied to the current collector, so that the battery capacity was reduced (Comparative Example 1). Conversely, when a polymer having a small number of ethylene units was used for the binder, the cycle characteristics were deteriorated because the binder was dissolved in the electrolytic solution (Comparative Example 2). In addition, when the polymer X component was not used, the binding property was reduced, and the battery characteristics were also low (Comparative Example 3).
[0073]
【The invention's effect】
When the electrode slurry composition of the present invention is used, since the swellability of the binder with respect to the electrolytic solution is low, an electrode having excellent binding properties of the active material can be obtained. This electrode can be suitably used as an electrode for various batteries and electrochemical capacitors.
Particularly, it is excellent as a positive electrode of a lithium ion secondary battery, and a lithium ion secondary battery provided with this electrode has high charge / discharge capacity, good cycle characteristics, and excellent rate characteristics.

Claims (7)

1−オレフィン由来の単量体単位含有量が75〜92モル%であり、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル由来の繰り返し単位含有量が8〜25モル%であるポリマーXと、電極活物質とが、有機液状媒体に分散されており、他のポリマーYが該有機液状媒体に溶解しており、ポリマーXおよびポリマーYの含有量の割合が、X:Yの重量比で1:10〜10:1である電極用スラリー組成物。A polymer X having a monomer unit content derived from 1-olefin of 75 to 92 mol% and a repeating unit content derived from alkyl acrylate or alkyl methacrylate of 8 to 25 mol%, and an electrode active material. Are dispersed in the organic liquid medium, the other polymer Y is dissolved in the organic liquid medium, and the content ratio of the polymer X and the polymer Y is 1:10 to 10: 1 by the weight ratio of X: Y. An electrode slurry composition of 10: 1. 前記ポリマーXが、ポリマーXと有機液状媒体の混合液をポリマーXの融点以上に加温してポリマーXを溶融させ、次いで該混合液を冷却してポリマーXを析出させることにより有機液状媒体に分散されているものである請求項1記載の電極用スラリー組成物。The polymer X is heated by heating a mixed liquid of the polymer X and the organic liquid medium to a temperature equal to or higher than the melting point of the polymer X to melt the polymer X, and then cooling the mixed liquid to precipitate the polymer X, thereby forming an organic liquid medium. The slurry composition for an electrode according to claim 1, wherein the slurry composition is dispersed. 前記ポリマーXの平均粒子径が、0.02〜1μmである
請求項1または2に記載の電極用スラリー組成物。
The slurry composition for an electrode according to claim 1 or 2, wherein the average particle size of the polymer X is 0.02 to 1 µm.
前記ポリマーYが、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル由来の単量体単位60〜95モル%と、1−オレフィン、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量体由来の単量体単位5〜30モル%とを有し、前記有機液状媒体に可溶なポリマーである請求項1〜3のいずれかに記載の電極用スラリー組成物。The polymer Y has a monomer unit of 60 to 95 mol% derived from acrylonitrile or methacrylonitrile, and a monomer derived from at least one monomer selected from 1-olefin, alkyl acrylate and alkyl methacrylate. The slurry composition for an electrode according to any one of claims 1 to 3, which is a polymer having a body unit of 5 to 30 mol% and being soluble in the organic liquid medium. 1−オレフィン由来の単量体単位を実質的に含まずかつN−メチルピロリドン不溶分が50重量%以上であるポリマーZをさらに含み、ポリマーX、ポリマーY、ポリマーZの含有量の割合が、(X+Y):Zの重量比で5:1〜1:5である請求項1〜4のいずれかに記載の電極用スラリー組成物。It further contains a polymer Z substantially free of 1-olefin-derived monomer units and having an N-methylpyrrolidone-insoluble content of 50% by weight or more, and a content ratio of the polymer X, the polymer Y, and the polymer Z is as follows: The slurry composition for an electrode according to any one of claims 1 to 4, wherein the weight ratio of (X + Y): Z is 5: 1 to 1: 5. 請求項1〜5のいずれかに記載の電極用スラリー組成物を用いて製造された電極。An electrode manufactured using the slurry composition for an electrode according to claim 1. 請求項6に記載の電極を有するリチウムイオン二次電池。A lithium ion secondary battery having the electrode according to claim 6.
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