JP2004170302A - 位置検出センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】分解能を高めて良好な検出精度が得られるリニア型の位置検出センサを提供すること。
【解決手段】リードスクリュー7の回転によって軸線方向へ直線的に往復移動するキャリッジ10に遮光板12を設け、この遮光板12にキャリッジ10の移動方向に対して傾斜する直線部13aを有するスリット13を形成する。固定側部材である外装ケース1にLED14と第1および第2受光部15a,15bを有する差動式の2分割フォトダイオード15とを配設し、これら第1および第2受光部15a,15bを長方形の短辺側で対向させて鋸歯状の分割線に沿って2分割する。そして、スリット13の直線部13aを2分割フォトダイオード15の長辺と略直交するように設定し、LED14からの出射光が直線部13aを透過して2分割フォトダイオード15の第1および第2受光部15a,15b上に照射されるように構成した。
【選択図】 図5
【解決手段】リードスクリュー7の回転によって軸線方向へ直線的に往復移動するキャリッジ10に遮光板12を設け、この遮光板12にキャリッジ10の移動方向に対して傾斜する直線部13aを有するスリット13を形成する。固定側部材である外装ケース1にLED14と第1および第2受光部15a,15bを有する差動式の2分割フォトダイオード15とを配設し、これら第1および第2受光部15a,15bを長方形の短辺側で対向させて鋸歯状の分割線に沿って2分割する。そして、スリット13の直線部13aを2分割フォトダイオード15の長辺と略直交するように設定し、LED14からの出射光が直線部13aを透過して2分割フォトダイオード15の第1および第2受光部15a,15b上に照射されるように構成した。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定側部材に対して直線的に移動する移動部材の変位量を検出する位置検出センサに係り、特に、発光素子と受光素子の組み合わせによる光学式検出手段を用いたリニア型の位置検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のステアリング機構に備えられる操舵角検出装置として、ステアリングホイールの回転量を直接検出するロータリー型センサと、ステアリングホイールの回転を一定長さの直線運動に変換した変位量を検出するリニア型位置検出センサとを用い、これら2種類のセンサによってステアリングホイールの操舵角度や操舵方向を検出するようにしたものが提案されている。
【0003】
前者のロータリー型センサにはロータリーエンコーダが用いられており、ステアリングホイールに連動してロータリーエンコーダのロータ部材を回転させることにより、ロータリーエンコーダから出力される90度の位相差を有する2種類のパルス信号に基づいて、ステアリングホイールの操舵角度や操舵方向を検出するようになっている。ここで、ステアリングホイールは中立位置を基準として時計および反時計方向へ複数回転されるため、操舵角検出装置にステアリングホイールの中立位置からの絶対角度を検出する機能を持たせる必要があり、この機能を後者のリニア型位置検出センサに負担させている。
【0004】
従来より、このようなリニア型位置検出センサとして、ステアリングホイールの回転をギアやリードスクリュー等を介して移動部材の直線運動に変換し、この移動部材の変位量を抵抗体または磁電変換素子から電気信号として取り出すように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これら抵抗体や磁電変換素子は固定側部材であるプリント基板に実装され、抵抗体を用いた場合は移動部材にブラシ(摺動子)が取り付けられ、磁電変換素子を用いた場合は移動部材に磁石が取り付けられている。したがって、このように概略構成された位置検出センサによれば、ステアリングホイールの回転に伴って移動部材がリードスクリューの軸線方向へ直線的に移動すると、移動部材に取り付けられたブラシまたは磁石がプリント基板上の抵抗体または磁電変換素子に対して変位し、その変位量に応じて抵抗体や磁電変換素子から出力される電気信号がアナログ的に変化するため、その出力信号に基づいてステアリングホイールの中立位置からの絶対角度を検出することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−205811号公報(第6−9頁、図4,図33)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のリニア型位置検出センサのうち、抵抗体とブラシの組み合わせによる検出手段の場合、ブラシの摺動に伴う摩耗や摩耗粉の堆積等に起因して経年的に抵抗体の出力値が変動したり、製造条件によって抵抗体の特性にバラツキが生じやすいため、検出精度が悪化するという問題がある。また、磁電変換素子と磁石の組み合わせによる検出手段の場合、周辺機器等からの外部磁界によって磁電変換素子の出力値が変動したり、磁電変換素子の全長に対する出力値の変化量が少ない(すなわち分解能が低い)ため、やはり検出精度が悪化するという問題がある。
【0007】
なお、リニア型位置検出センサの従来例として、多数のメインスリットとインデックススリットを有するパルススケールを発光素子と受光素子との間で直線的に移動させることにより、受光素子の受光量変化に基づいてパルススケールの移動量を検出するリニアエンコーダと呼ばれるものが知られている。このようなリニアエンコーダにおいては、発光素子から受光素子に至る光量がパルススケールの移動によって変化し、パルススケールが1ピッチ移動するごとに受光素子から正弦波状に変化する出力が得られる。ここで、パルススケールの各スリット間の幅が狭ければ狭いほど高い分解能でパルススケールの移動量を検出可能となるが、製造上の問題からスリット間ピッチを数μm程度まで狭めるのが限界であり、限られた移動範囲内で分解能を高めるには限界がある。また、パルススケールの移動量を受光量に基づく信号として取り出しているため、経時変化に伴って発光素子の光学特性が変化し信号精度が劣化するという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、分解能を高めて良好な検出精度が得られるリニア型の位置検出センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の位置検出センサでは、ガイド手段を有する固定側部材と、このガイド手段に沿って直線的に移動可能な移動部材と、この移動部材に設けられたスリットを有する遮光板と、この遮光板を介して対向するように前記固定側部材に配設された発光素子および受光素子とを備え、前記受光素子が第1受光部と第2受光部を有する2分割受光素子からなり、この2分割受光素子と前記発光素子との間を前記スリットが移動することにより、前記第1および第2受光部の受光量比率が変化するように構成した。
【0010】
このように構成された位置検出センサにおいては、移動部材がガイド手段に沿って直線的に移動すると、発光素子から出射されてスリットを通過する光の帯が2分割受光素子の第1および第2受光部上に照射され、移動部材の移動位置に応じて第1および第2受光部の受光量比率が変化するため、2分割受光素子の出力値に基づいて移動部材の移動量をアナログ的な変化として検出することができ、しかも、この2分割受光素子は差動式の受光素子であるため、発光素子の発光強度が経年的に低下したとしても、第1および第2受光部間の受光量比率が変動することを防止できる。したがって、移動部材の限られた移動範囲内における分解能が高められ、その分、位置検出センサの検出精度を向上させることができる。
【0011】
上記の構成において、スリットが移動部材の移動方向に対して傾斜する直線部を有し、この直線部の延出方向と第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向とを略直交させると、第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向へスリットが移動する距離に対して、移動部材の移動距離が大きくなるように設定できるので、2分割受光素子の受光量変化をより正確に検出することができて好ましい。すなわち、スリットの直線部と移動部材の移動方向とのなす角度をθ、移動部材の移動距離をLm、第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向へスリットが移動する距離をLsとすると、これらはLm=Ls/sinθの関係にあり、θを90度よりも小さい角度に設定することによりLm>Lsとなるので、移動部材の移動方向に対してスリットの直線部をθ(0度<θ<90度)だけ傾斜させると、第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向へスリットが移動する距離Lsに対して移動部材の移動距離Lmをより大きく設定できる。したがって、2分割受光素子の長手方向の寸法を小さくしても、移動部材の移動方向に対してスリットの直線部が傾斜する角度を小さく設定することにり、2分割受光素子の受光量比率の変化の精度が劣化するのを防止できるので、2分割受光素子を小型化することもできる。
【0012】
特に、2分割受光素子の全体形状が略長方形である場合、スリットの直線部を該2分割受光素子の長辺と略直交させると、2分割受光素子の不感帯領域が低減されて好ましい。この場合、第1および第2受光部を2分割受光素子の短辺側で対向させ、これら第1および第2受光部がくさび形状の分割線に沿って2分割されていれば、2分割受光素子の受光量変化を検出でき、また、これら第1および第2受光部が複数のくさび形状を連続させた鋸歯状の分割線に沿って2分割されていれば、スリットを通過する光の帯が鋸歯状分割線の複数個所を横切って第1および第2受光部上に照射されるため、LEDのように照射光量が不均一なものであっても発光素子として用いることができ、また、発光素子や2分割フォトダイオード上にゴミ等の異物が付着した場合でも、第1および第2受光部間の受光量比率の不要な変動を抑えることができて好ましい。
【0013】
また、上記の構成において、ガイド手段が外周面に螺旋状溝を有するリードスクリューからなり、このリードスクリューが回転駆動されることにより、移動部材が螺旋状溝に係合してリードスクリューの軸線方向へ移動するように構成することが好ましく、このような構成を採用すると、リードスクリューのピッチを適宜変更することによって、回転運動から変換される移動部材の直線運動の移動範囲や一定回転角度あたりの移動距離等を任意に設定できるため、機構設計上の自由度を高めることができ、その変換精度を高精度に設定できると共に、位置検出センサを操舵角検出装置等の各種検出機器の限られたスペース内にコンパクトに装着することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は実施形態例に係る位置検出センサを備えた操舵角検出装置を一部破断して示す側面図、図2は該操舵角検出装置の内部機構を示す平面図、図3は該位置検出センサの説明図、図4は該位置検出センサに備えられる遮光板と発光素子および受光素子の説明図、図5は該遮光板のスリットと受光素子の関係を示す説明図、図6は該受光素子の受光量に基づく絶対角検出の説明図である。
【0015】
図1〜図3に示すように、この操舵角検出装置は図示せぬステアリング機構のステータ部材に固定される外装ケース1を備えており、この外装ケース1に回転部材2が回転可能に支承されている。この回転部材2の中心に図示せぬステアリングシャフトが挿通され、同じく図示せぬステアリングホイールが回転部材2に連結されるようになっている。回転部材2にコード板3が一体的に設けられており、また、回転部材2の下部外周面に第1ギア4が刻設されている。コード板3には内側突起群3aと外側突起群3bが同心円状に配列されており、外装ケース1に固定されたプリント基板5には内側突起群3aと外側突起群3bに対応して複数のフォトインタラプタ6が実装されている。これらコード板3とフォトインタラプタ6はロータリー型センサを構成するものであり、回転部材2の回転に伴って各フォトインタラプタ6から出力されるパルス信号に基づいて、回転部材2を回転動作するステアリングホイールの回転量と回転方向が検出される。
【0016】
外装ケース1の内部にリードスクリュー7が回転可能に支承されており、このリードスクリュー7の軸線方向と回転部材2の中心軸とは互いに平行に設定されている。リードスクリュー7の一端に第2ギア8が固着されており、この第2ギア8は回転部材2の第1ギア4と噛合している。また、外装ケース1の内部にリードスクリュー7と平行に延びるガイドシャフト9が固定されており、このガイドシャフト9に移動部材であるキャリッジ10が摺動自在に係合している。リードスクリュー7の外周面に螺旋状溝7aが刻設されており、キャリッジ10に一体形成された係合歯部10aがこの螺旋状溝7aに噛合し、この係合歯部10aはキャリッジ10に取り付けられた板ばね11の弾性付勢力によって螺旋状溝7aに圧接されている。したがって、リードスクリュー7が回転すると、係合歯部10aが螺旋状溝7aに沿って移動し、それに伴ってキャリッジ10がリードスクリュー7とガイドシャフト9の軸線方向へ直線的に往復移動する。さらに、キャリッジ10の係合歯部10aと反対側の端部に遮光板12が一体的に設けられており、この遮光板12にスリット13が形成されている。一方、外装ケース1の内部には発光素子であるLED14と受光素子である2分割フォトダイオード15が配設され、図4に示すように、これらLED14と2分割フォトダイオード15は遮光板12のスリット13を介して対向しており、LED14からの出射光が遮光板12のスリット13を透過して2分割フォトダイオード15で受光されるようになっている。
【0017】
図5に示すように、この2分割フォトダイオード15は全体的に長方形状に形成されており、第1受光部15aと第2受光部15bを有する差動式フォトダイオードである。第1受光部15aと第2受光部15bは長方形の短辺側で対向しており、これら第1および第2受光部15a,15bは複数のくさび形状を連続させた鋸歯状の分割線に沿って2分割されている。一方、スリット13はキャリッジ10の移動方向(図中の矢印P方向)に対して傾斜する直線部13aを有しており、この直線部13aが2分割フォトダイオード15の長方形の長辺とほぼ直交するように設定されている。したがって、リードスクリュー7の回転に伴ってキャリッジ10が矢印P方向に移動すると、スリット13の直線部13aは2分割フォトダイオード15の相対向する短辺間を長辺と直交する方向(図中の矢印Q方向)に移動し、この直線部13aを通過する出射光の帯(ライン)が鋸歯状分割線の複数個所を横切って第1および第2受光部15a,15b上に照射されるため、その移動位置に応じて第1および第2受光部15a,15bの受光量が変化する。なお、前述した遮光板12のスリット13とLED14および2分割フォトダイオード15は本発明のリニア型位置検出センサを構成するものであり、キャリッジ10の移動に伴って変化する第1および第2受光部15a,15bの出力値に基づいて、ステアリングホイールの中立位置からの絶対角度が検出される。
【0018】
すなわち、ステアリングホイールが中立位置を基準にして時計および反時計方向へそれぞれ2回転(+720度〜−720度)する場合、図5の2点鎖線で示すように、ステアリングホイールの回転角に応じて直線部13aと第1および第2受光部15a,15bの相対位置が変化するため、これら第1および第2受光部15a,15bから得られる電流値を演算することにより、ステアリングホイールの中立位置からの絶対角度を検出することができる。例えば、第1受光部15aから得られる電流値をI1、第2受光部15bから得られる電流値をI2とすると、これら電流値I1,I2は直線部13aの移動位置に応じて変化するため、
I=(I1−I2)/(I1+I2)……(1)
として演算すれば、図6に示すように、ステアリングホイールの絶対角度を電流値Iのアナログ的な変化として検出することができる。
【0019】
次に、このように構成された操舵角検出装置の動作について説明する。
【0020】
ステアリングホイールを回転操作すると、ステアリングホイールに連動して回転部材2が一体的に回転すると共に、この回転力が第1ギア4から第2ギア8へと伝達されるため、回転部材2に連動してリードスクリュー7も回転する。回転部材2にはコード板3が一体的に設けられているため、回転部材2の回転に伴ってコード板3の内側および外側突起群3a,3bと各フォトインタラプタ6との相対位置が変化し、各フォトインタラプタ6から出力されるパルス信号に基づいてステアリングホイールの回転量と回転方向が検出される。これらコード板3とフォトインタラプタ6はインクリメンタル型のロータリーエンコーダとして機能するものであり、本実施形態例の場合はステアリングホイールが中立位置を基準にして時計および反時計方向へそれぞれ2回転(+720度〜−720度)するため、各フォトインタラプタ6の出力信号に基づいてステアリングホイールの全回転範囲(±720度)内の回転量と回転方向が検出される。
【0021】
また、リードスクリュー7の螺旋状溝7aにキャリッジ10の係合歯部10aが噛合しているため、リードスクリュー7の回転に伴ってキャリッジ10がリードスクリュー7とガイドシャフト9の軸線方向へ直線的に往復移動し、キャリッジ10に一体的に設けられた遮光板12がLED14と2分割フォトダイオード15間を移動する。その結果、遮光板12に形成されたスリット13の直線部13aが2分割フォトダイオード15の相対向する短辺間を図5の矢印Q方向へ移動し、その移動位置に応じて第1および第2受光部15a,15bの受光量が変化するため、これら第1および第2受光部15a,15bの出力値に基づいて、ステアリングホイールの中立位置からの絶対角度が検出される。この場合、第1および第2受光部15a,15bから出力される電流値I1,I2を検出し、これら電流値I1,I2を上記(1)式に代入して電流値Iを演算すれば、図6に示すように、ステアリングホイールの絶対角度を電流値Iのアナログ的な変化として検出することができる。なお、本実施形態例の場合はステアリングホイールが中立位置を基準にして時計および反時計方向へそれぞれ2回転(+720度〜−720度)するため、2分割フォトダイオード15の出力信号に基づいてステアリングホイールの全回転範囲(±720度)内の絶対角度が検出される。しかも、2分割フォトダイオード15の出力信号から求められる電流値Iはアナログ的に変化するため、検出可能なステアリングホイールの絶対角度は整数回転(0,±1,±2)に限らず、例えば、ステアリングホイールの半回転(180度)毎の絶対角度を検出することもできる。
【0022】
このように本実施形態例に係るリニア型の位置検出センサでは、リードスクリュー7の軸線方向へ直線的に往復移動するキャリッジ10にスリット13を有する遮光板12を設けると共に、外装ケース1の内部に発光素子であるLED14と受光素子である差動式の2分割フォトダイオード15を配設し、LED14からの出射光が遮光板12のスリット13を透過して2分割フォトダイオード15で受光されるように構成したので、キャリッジ10がリードスクリュー7に沿って直線的に移動すると、LED14から出射されてスリット13を通過する光の帯が2分割フォトダイオード15の第1および第2受光部15a,15b上に照射され、キャリッジ10の移動位置に応じて第1および第2受光部15a,15bの受光量が変化する。したがって、これら第1および第2受光部15a,15bから得られる電流値を演算することにより、キャリッジ10の移動量を電流値のアナログ的な変化として検出することができ、しかも、第1および第2受光部15a,15bを有する2分割フォトダイオード15は差動式であるため、LED14の発光強度が経年的に低下したとしても、第1および第2受光部15a,15b間の受光量比率が変動することを防止でき、それ故、分解能を高めて検出精度の向上を実現することができる。
【0023】
また、スリット13にキャリッジ10の移動方向に対して傾斜する直線部13aを形成し、この直線部13aの延出方向に対して第1受光部15aと第2受光部15bの受光量比率が変化する方向を略直交させ、この直線部13aを2分割フォトダイオード15の長方形の長辺とほぼ直交するように設定したので、2分割フォトダイオード15の不感帯領域を低減することができると共に、スリット13が第1および第2受光部15a,15bの受光量比率が変化する方向へ移動する距離に対してキャリッジ10の移動距離が大きくなるように設定できる。
【0024】
また、2分割フォトダイオード15の長方形の短辺側で対向する第1受光部15aと第2受光部15bがくさび形状の分割線に沿って2分割されているので、キャリッジ10が直線的に移動すると、第1受光部15aと第2受光部15bの受光量変化を検出でき、さらに、これら第1および第2受光部15a,15bが複数のくさび形状を連続させた鋸歯状の分割線に沿って2分割されているため、スリット13の直線部13aを通過する出射光の帯(ライン)が鋸歯状分割線の複数個所を横切って第1および第2受光部15a,15b上に照射される。このため、LED14のように照射光量が不均一なものであっても発光素子として用いることができ、また、LED14や2分割フォトダイオード15上にゴミ等の異物が付着した場合でも、第1および第2受光部15a,15b間の受光量比率の不要な変動を抑えることができる。
【0025】
また、リードスクリューのピッチを適宜変更することによって、回転運動から変換されるキャリッジ10の直線運動の移動範囲や一定回転角度あたりの移動距離等を任意に設定できるため、機構設計上の自由度を高めることができ、その変換精度を高精度に設定できると共に、位置検出センサを操舵角検出装置等の各種検出機器の限られたスペース内にコンパクトに装着することができる。
【0026】
なお、上記実施形態例では、スリット13にキャリッジ10の移動方向に対して傾斜する直線部13aを有し、この直線部13aの延出方向と2分割フォトダイオード15の受光量比率が変化する方向とを略直交させた構成について説明したが、スリット13の直線部13aをキャリッジ10の移動方向に対して直交させ、この直線部13aの延出方向と2分割フォトダイオード15の受光量比率が変化する方向とを略直交させるように構成してもよいことは勿論である。
【0027】
また、上記実施形態例では、長方形の2分割フォトダイオード15を例示して説明したが、2分割フォトダイオード15の形状はこれに限定されず、短辺と長辺とが90度以外の角度をなす長方形に近い形状を有する平行四辺形状であってもよいことは勿論である。
【0028】
さらに、上記実施形態例では、本発明のリニア型位置検出センサをステアリング機構の操舵角検出装置に適用した場合について説明したが、直線的に移動する移動部材の変位量を検出する必要のある他の装置に適用することも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】
移動部材がガイド手段に沿って直線的に移動すると、発光素子から出射されてスリットを通過する光の帯が2分割受光素子の第1および第2受光部上に照射され、移動部材の移動位置に応じて第1および第2受光部の受光量比率が変化するため、2分割受光素子の出力値に基づいて移動部材の移動量をアナログ的な変化として検出することができ、しかも、この2分割受光素子は差動式の受光素子であるため、発光素子の発光強度が経年的に低下したとしても、第1および第2受光部の受光量比率が変動することを防止でき、それ故、移動部材の限られた移動範囲内における分解能が高められて位置検出センサの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る位置検出センサを備えた操舵角検出装置を一部破断して示す側面図である。
【図2】該操舵角検出装置の内部機構を示す平面図である。
【図3】該位置検出センサの説明図である。
【図4】該位置検出センサに備えられる遮光板と発光素子および受光素子の説明図である。
【図5】該遮光板のスリットと受光素子の関係を示す説明図である。
【図6】該受光素子の受光量に基づく絶対角検出の説明図である。
【符号の説明】
1 外装ケース(固定側部材)
2 回転部材
4 第1ギア
7 リードスクリュー
7a 螺旋状溝
8 第2ギア
9 ガイドシャフト
10 キャリッジ(移動部材)
10a 係合歯部
11 板ばね
12 遮光板
13 スリット
13a 直線部
14 LED(発光素子)
15 2分割フォトダイオード(2分割受光素子)
15a 第1受光部
15b 第2受光部
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定側部材に対して直線的に移動する移動部材の変位量を検出する位置検出センサに係り、特に、発光素子と受光素子の組み合わせによる光学式検出手段を用いたリニア型の位置検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のステアリング機構に備えられる操舵角検出装置として、ステアリングホイールの回転量を直接検出するロータリー型センサと、ステアリングホイールの回転を一定長さの直線運動に変換した変位量を検出するリニア型位置検出センサとを用い、これら2種類のセンサによってステアリングホイールの操舵角度や操舵方向を検出するようにしたものが提案されている。
【0003】
前者のロータリー型センサにはロータリーエンコーダが用いられており、ステアリングホイールに連動してロータリーエンコーダのロータ部材を回転させることにより、ロータリーエンコーダから出力される90度の位相差を有する2種類のパルス信号に基づいて、ステアリングホイールの操舵角度や操舵方向を検出するようになっている。ここで、ステアリングホイールは中立位置を基準として時計および反時計方向へ複数回転されるため、操舵角検出装置にステアリングホイールの中立位置からの絶対角度を検出する機能を持たせる必要があり、この機能を後者のリニア型位置検出センサに負担させている。
【0004】
従来より、このようなリニア型位置検出センサとして、ステアリングホイールの回転をギアやリードスクリュー等を介して移動部材の直線運動に変換し、この移動部材の変位量を抵抗体または磁電変換素子から電気信号として取り出すように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これら抵抗体や磁電変換素子は固定側部材であるプリント基板に実装され、抵抗体を用いた場合は移動部材にブラシ(摺動子)が取り付けられ、磁電変換素子を用いた場合は移動部材に磁石が取り付けられている。したがって、このように概略構成された位置検出センサによれば、ステアリングホイールの回転に伴って移動部材がリードスクリューの軸線方向へ直線的に移動すると、移動部材に取り付けられたブラシまたは磁石がプリント基板上の抵抗体または磁電変換素子に対して変位し、その変位量に応じて抵抗体や磁電変換素子から出力される電気信号がアナログ的に変化するため、その出力信号に基づいてステアリングホイールの中立位置からの絶対角度を検出することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−205811号公報(第6−9頁、図4,図33)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のリニア型位置検出センサのうち、抵抗体とブラシの組み合わせによる検出手段の場合、ブラシの摺動に伴う摩耗や摩耗粉の堆積等に起因して経年的に抵抗体の出力値が変動したり、製造条件によって抵抗体の特性にバラツキが生じやすいため、検出精度が悪化するという問題がある。また、磁電変換素子と磁石の組み合わせによる検出手段の場合、周辺機器等からの外部磁界によって磁電変換素子の出力値が変動したり、磁電変換素子の全長に対する出力値の変化量が少ない(すなわち分解能が低い)ため、やはり検出精度が悪化するという問題がある。
【0007】
なお、リニア型位置検出センサの従来例として、多数のメインスリットとインデックススリットを有するパルススケールを発光素子と受光素子との間で直線的に移動させることにより、受光素子の受光量変化に基づいてパルススケールの移動量を検出するリニアエンコーダと呼ばれるものが知られている。このようなリニアエンコーダにおいては、発光素子から受光素子に至る光量がパルススケールの移動によって変化し、パルススケールが1ピッチ移動するごとに受光素子から正弦波状に変化する出力が得られる。ここで、パルススケールの各スリット間の幅が狭ければ狭いほど高い分解能でパルススケールの移動量を検出可能となるが、製造上の問題からスリット間ピッチを数μm程度まで狭めるのが限界であり、限られた移動範囲内で分解能を高めるには限界がある。また、パルススケールの移動量を受光量に基づく信号として取り出しているため、経時変化に伴って発光素子の光学特性が変化し信号精度が劣化するという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、分解能を高めて良好な検出精度が得られるリニア型の位置検出センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の位置検出センサでは、ガイド手段を有する固定側部材と、このガイド手段に沿って直線的に移動可能な移動部材と、この移動部材に設けられたスリットを有する遮光板と、この遮光板を介して対向するように前記固定側部材に配設された発光素子および受光素子とを備え、前記受光素子が第1受光部と第2受光部を有する2分割受光素子からなり、この2分割受光素子と前記発光素子との間を前記スリットが移動することにより、前記第1および第2受光部の受光量比率が変化するように構成した。
【0010】
このように構成された位置検出センサにおいては、移動部材がガイド手段に沿って直線的に移動すると、発光素子から出射されてスリットを通過する光の帯が2分割受光素子の第1および第2受光部上に照射され、移動部材の移動位置に応じて第1および第2受光部の受光量比率が変化するため、2分割受光素子の出力値に基づいて移動部材の移動量をアナログ的な変化として検出することができ、しかも、この2分割受光素子は差動式の受光素子であるため、発光素子の発光強度が経年的に低下したとしても、第1および第2受光部間の受光量比率が変動することを防止できる。したがって、移動部材の限られた移動範囲内における分解能が高められ、その分、位置検出センサの検出精度を向上させることができる。
【0011】
上記の構成において、スリットが移動部材の移動方向に対して傾斜する直線部を有し、この直線部の延出方向と第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向とを略直交させると、第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向へスリットが移動する距離に対して、移動部材の移動距離が大きくなるように設定できるので、2分割受光素子の受光量変化をより正確に検出することができて好ましい。すなわち、スリットの直線部と移動部材の移動方向とのなす角度をθ、移動部材の移動距離をLm、第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向へスリットが移動する距離をLsとすると、これらはLm=Ls/sinθの関係にあり、θを90度よりも小さい角度に設定することによりLm>Lsとなるので、移動部材の移動方向に対してスリットの直線部をθ(0度<θ<90度)だけ傾斜させると、第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向へスリットが移動する距離Lsに対して移動部材の移動距離Lmをより大きく設定できる。したがって、2分割受光素子の長手方向の寸法を小さくしても、移動部材の移動方向に対してスリットの直線部が傾斜する角度を小さく設定することにり、2分割受光素子の受光量比率の変化の精度が劣化するのを防止できるので、2分割受光素子を小型化することもできる。
【0012】
特に、2分割受光素子の全体形状が略長方形である場合、スリットの直線部を該2分割受光素子の長辺と略直交させると、2分割受光素子の不感帯領域が低減されて好ましい。この場合、第1および第2受光部を2分割受光素子の短辺側で対向させ、これら第1および第2受光部がくさび形状の分割線に沿って2分割されていれば、2分割受光素子の受光量変化を検出でき、また、これら第1および第2受光部が複数のくさび形状を連続させた鋸歯状の分割線に沿って2分割されていれば、スリットを通過する光の帯が鋸歯状分割線の複数個所を横切って第1および第2受光部上に照射されるため、LEDのように照射光量が不均一なものであっても発光素子として用いることができ、また、発光素子や2分割フォトダイオード上にゴミ等の異物が付着した場合でも、第1および第2受光部間の受光量比率の不要な変動を抑えることができて好ましい。
【0013】
また、上記の構成において、ガイド手段が外周面に螺旋状溝を有するリードスクリューからなり、このリードスクリューが回転駆動されることにより、移動部材が螺旋状溝に係合してリードスクリューの軸線方向へ移動するように構成することが好ましく、このような構成を採用すると、リードスクリューのピッチを適宜変更することによって、回転運動から変換される移動部材の直線運動の移動範囲や一定回転角度あたりの移動距離等を任意に設定できるため、機構設計上の自由度を高めることができ、その変換精度を高精度に設定できると共に、位置検出センサを操舵角検出装置等の各種検出機器の限られたスペース内にコンパクトに装着することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は実施形態例に係る位置検出センサを備えた操舵角検出装置を一部破断して示す側面図、図2は該操舵角検出装置の内部機構を示す平面図、図3は該位置検出センサの説明図、図4は該位置検出センサに備えられる遮光板と発光素子および受光素子の説明図、図5は該遮光板のスリットと受光素子の関係を示す説明図、図6は該受光素子の受光量に基づく絶対角検出の説明図である。
【0015】
図1〜図3に示すように、この操舵角検出装置は図示せぬステアリング機構のステータ部材に固定される外装ケース1を備えており、この外装ケース1に回転部材2が回転可能に支承されている。この回転部材2の中心に図示せぬステアリングシャフトが挿通され、同じく図示せぬステアリングホイールが回転部材2に連結されるようになっている。回転部材2にコード板3が一体的に設けられており、また、回転部材2の下部外周面に第1ギア4が刻設されている。コード板3には内側突起群3aと外側突起群3bが同心円状に配列されており、外装ケース1に固定されたプリント基板5には内側突起群3aと外側突起群3bに対応して複数のフォトインタラプタ6が実装されている。これらコード板3とフォトインタラプタ6はロータリー型センサを構成するものであり、回転部材2の回転に伴って各フォトインタラプタ6から出力されるパルス信号に基づいて、回転部材2を回転動作するステアリングホイールの回転量と回転方向が検出される。
【0016】
外装ケース1の内部にリードスクリュー7が回転可能に支承されており、このリードスクリュー7の軸線方向と回転部材2の中心軸とは互いに平行に設定されている。リードスクリュー7の一端に第2ギア8が固着されており、この第2ギア8は回転部材2の第1ギア4と噛合している。また、外装ケース1の内部にリードスクリュー7と平行に延びるガイドシャフト9が固定されており、このガイドシャフト9に移動部材であるキャリッジ10が摺動自在に係合している。リードスクリュー7の外周面に螺旋状溝7aが刻設されており、キャリッジ10に一体形成された係合歯部10aがこの螺旋状溝7aに噛合し、この係合歯部10aはキャリッジ10に取り付けられた板ばね11の弾性付勢力によって螺旋状溝7aに圧接されている。したがって、リードスクリュー7が回転すると、係合歯部10aが螺旋状溝7aに沿って移動し、それに伴ってキャリッジ10がリードスクリュー7とガイドシャフト9の軸線方向へ直線的に往復移動する。さらに、キャリッジ10の係合歯部10aと反対側の端部に遮光板12が一体的に設けられており、この遮光板12にスリット13が形成されている。一方、外装ケース1の内部には発光素子であるLED14と受光素子である2分割フォトダイオード15が配設され、図4に示すように、これらLED14と2分割フォトダイオード15は遮光板12のスリット13を介して対向しており、LED14からの出射光が遮光板12のスリット13を透過して2分割フォトダイオード15で受光されるようになっている。
【0017】
図5に示すように、この2分割フォトダイオード15は全体的に長方形状に形成されており、第1受光部15aと第2受光部15bを有する差動式フォトダイオードである。第1受光部15aと第2受光部15bは長方形の短辺側で対向しており、これら第1および第2受光部15a,15bは複数のくさび形状を連続させた鋸歯状の分割線に沿って2分割されている。一方、スリット13はキャリッジ10の移動方向(図中の矢印P方向)に対して傾斜する直線部13aを有しており、この直線部13aが2分割フォトダイオード15の長方形の長辺とほぼ直交するように設定されている。したがって、リードスクリュー7の回転に伴ってキャリッジ10が矢印P方向に移動すると、スリット13の直線部13aは2分割フォトダイオード15の相対向する短辺間を長辺と直交する方向(図中の矢印Q方向)に移動し、この直線部13aを通過する出射光の帯(ライン)が鋸歯状分割線の複数個所を横切って第1および第2受光部15a,15b上に照射されるため、その移動位置に応じて第1および第2受光部15a,15bの受光量が変化する。なお、前述した遮光板12のスリット13とLED14および2分割フォトダイオード15は本発明のリニア型位置検出センサを構成するものであり、キャリッジ10の移動に伴って変化する第1および第2受光部15a,15bの出力値に基づいて、ステアリングホイールの中立位置からの絶対角度が検出される。
【0018】
すなわち、ステアリングホイールが中立位置を基準にして時計および反時計方向へそれぞれ2回転(+720度〜−720度)する場合、図5の2点鎖線で示すように、ステアリングホイールの回転角に応じて直線部13aと第1および第2受光部15a,15bの相対位置が変化するため、これら第1および第2受光部15a,15bから得られる電流値を演算することにより、ステアリングホイールの中立位置からの絶対角度を検出することができる。例えば、第1受光部15aから得られる電流値をI1、第2受光部15bから得られる電流値をI2とすると、これら電流値I1,I2は直線部13aの移動位置に応じて変化するため、
I=(I1−I2)/(I1+I2)……(1)
として演算すれば、図6に示すように、ステアリングホイールの絶対角度を電流値Iのアナログ的な変化として検出することができる。
【0019】
次に、このように構成された操舵角検出装置の動作について説明する。
【0020】
ステアリングホイールを回転操作すると、ステアリングホイールに連動して回転部材2が一体的に回転すると共に、この回転力が第1ギア4から第2ギア8へと伝達されるため、回転部材2に連動してリードスクリュー7も回転する。回転部材2にはコード板3が一体的に設けられているため、回転部材2の回転に伴ってコード板3の内側および外側突起群3a,3bと各フォトインタラプタ6との相対位置が変化し、各フォトインタラプタ6から出力されるパルス信号に基づいてステアリングホイールの回転量と回転方向が検出される。これらコード板3とフォトインタラプタ6はインクリメンタル型のロータリーエンコーダとして機能するものであり、本実施形態例の場合はステアリングホイールが中立位置を基準にして時計および反時計方向へそれぞれ2回転(+720度〜−720度)するため、各フォトインタラプタ6の出力信号に基づいてステアリングホイールの全回転範囲(±720度)内の回転量と回転方向が検出される。
【0021】
また、リードスクリュー7の螺旋状溝7aにキャリッジ10の係合歯部10aが噛合しているため、リードスクリュー7の回転に伴ってキャリッジ10がリードスクリュー7とガイドシャフト9の軸線方向へ直線的に往復移動し、キャリッジ10に一体的に設けられた遮光板12がLED14と2分割フォトダイオード15間を移動する。その結果、遮光板12に形成されたスリット13の直線部13aが2分割フォトダイオード15の相対向する短辺間を図5の矢印Q方向へ移動し、その移動位置に応じて第1および第2受光部15a,15bの受光量が変化するため、これら第1および第2受光部15a,15bの出力値に基づいて、ステアリングホイールの中立位置からの絶対角度が検出される。この場合、第1および第2受光部15a,15bから出力される電流値I1,I2を検出し、これら電流値I1,I2を上記(1)式に代入して電流値Iを演算すれば、図6に示すように、ステアリングホイールの絶対角度を電流値Iのアナログ的な変化として検出することができる。なお、本実施形態例の場合はステアリングホイールが中立位置を基準にして時計および反時計方向へそれぞれ2回転(+720度〜−720度)するため、2分割フォトダイオード15の出力信号に基づいてステアリングホイールの全回転範囲(±720度)内の絶対角度が検出される。しかも、2分割フォトダイオード15の出力信号から求められる電流値Iはアナログ的に変化するため、検出可能なステアリングホイールの絶対角度は整数回転(0,±1,±2)に限らず、例えば、ステアリングホイールの半回転(180度)毎の絶対角度を検出することもできる。
【0022】
このように本実施形態例に係るリニア型の位置検出センサでは、リードスクリュー7の軸線方向へ直線的に往復移動するキャリッジ10にスリット13を有する遮光板12を設けると共に、外装ケース1の内部に発光素子であるLED14と受光素子である差動式の2分割フォトダイオード15を配設し、LED14からの出射光が遮光板12のスリット13を透過して2分割フォトダイオード15で受光されるように構成したので、キャリッジ10がリードスクリュー7に沿って直線的に移動すると、LED14から出射されてスリット13を通過する光の帯が2分割フォトダイオード15の第1および第2受光部15a,15b上に照射され、キャリッジ10の移動位置に応じて第1および第2受光部15a,15bの受光量が変化する。したがって、これら第1および第2受光部15a,15bから得られる電流値を演算することにより、キャリッジ10の移動量を電流値のアナログ的な変化として検出することができ、しかも、第1および第2受光部15a,15bを有する2分割フォトダイオード15は差動式であるため、LED14の発光強度が経年的に低下したとしても、第1および第2受光部15a,15b間の受光量比率が変動することを防止でき、それ故、分解能を高めて検出精度の向上を実現することができる。
【0023】
また、スリット13にキャリッジ10の移動方向に対して傾斜する直線部13aを形成し、この直線部13aの延出方向に対して第1受光部15aと第2受光部15bの受光量比率が変化する方向を略直交させ、この直線部13aを2分割フォトダイオード15の長方形の長辺とほぼ直交するように設定したので、2分割フォトダイオード15の不感帯領域を低減することができると共に、スリット13が第1および第2受光部15a,15bの受光量比率が変化する方向へ移動する距離に対してキャリッジ10の移動距離が大きくなるように設定できる。
【0024】
また、2分割フォトダイオード15の長方形の短辺側で対向する第1受光部15aと第2受光部15bがくさび形状の分割線に沿って2分割されているので、キャリッジ10が直線的に移動すると、第1受光部15aと第2受光部15bの受光量変化を検出でき、さらに、これら第1および第2受光部15a,15bが複数のくさび形状を連続させた鋸歯状の分割線に沿って2分割されているため、スリット13の直線部13aを通過する出射光の帯(ライン)が鋸歯状分割線の複数個所を横切って第1および第2受光部15a,15b上に照射される。このため、LED14のように照射光量が不均一なものであっても発光素子として用いることができ、また、LED14や2分割フォトダイオード15上にゴミ等の異物が付着した場合でも、第1および第2受光部15a,15b間の受光量比率の不要な変動を抑えることができる。
【0025】
また、リードスクリューのピッチを適宜変更することによって、回転運動から変換されるキャリッジ10の直線運動の移動範囲や一定回転角度あたりの移動距離等を任意に設定できるため、機構設計上の自由度を高めることができ、その変換精度を高精度に設定できると共に、位置検出センサを操舵角検出装置等の各種検出機器の限られたスペース内にコンパクトに装着することができる。
【0026】
なお、上記実施形態例では、スリット13にキャリッジ10の移動方向に対して傾斜する直線部13aを有し、この直線部13aの延出方向と2分割フォトダイオード15の受光量比率が変化する方向とを略直交させた構成について説明したが、スリット13の直線部13aをキャリッジ10の移動方向に対して直交させ、この直線部13aの延出方向と2分割フォトダイオード15の受光量比率が変化する方向とを略直交させるように構成してもよいことは勿論である。
【0027】
また、上記実施形態例では、長方形の2分割フォトダイオード15を例示して説明したが、2分割フォトダイオード15の形状はこれに限定されず、短辺と長辺とが90度以外の角度をなす長方形に近い形状を有する平行四辺形状であってもよいことは勿論である。
【0028】
さらに、上記実施形態例では、本発明のリニア型位置検出センサをステアリング機構の操舵角検出装置に適用した場合について説明したが、直線的に移動する移動部材の変位量を検出する必要のある他の装置に適用することも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】
移動部材がガイド手段に沿って直線的に移動すると、発光素子から出射されてスリットを通過する光の帯が2分割受光素子の第1および第2受光部上に照射され、移動部材の移動位置に応じて第1および第2受光部の受光量比率が変化するため、2分割受光素子の出力値に基づいて移動部材の移動量をアナログ的な変化として検出することができ、しかも、この2分割受光素子は差動式の受光素子であるため、発光素子の発光強度が経年的に低下したとしても、第1および第2受光部の受光量比率が変動することを防止でき、それ故、移動部材の限られた移動範囲内における分解能が高められて位置検出センサの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る位置検出センサを備えた操舵角検出装置を一部破断して示す側面図である。
【図2】該操舵角検出装置の内部機構を示す平面図である。
【図3】該位置検出センサの説明図である。
【図4】該位置検出センサに備えられる遮光板と発光素子および受光素子の説明図である。
【図5】該遮光板のスリットと受光素子の関係を示す説明図である。
【図6】該受光素子の受光量に基づく絶対角検出の説明図である。
【符号の説明】
1 外装ケース(固定側部材)
2 回転部材
4 第1ギア
7 リードスクリュー
7a 螺旋状溝
8 第2ギア
9 ガイドシャフト
10 キャリッジ(移動部材)
10a 係合歯部
11 板ばね
12 遮光板
13 スリット
13a 直線部
14 LED(発光素子)
15 2分割フォトダイオード(2分割受光素子)
15a 第1受光部
15b 第2受光部
Claims (6)
- ガイド手段を有する固定側部材と、このガイド手段に沿って直線的に移動可能な移動部材と、この移動部材に設けられたスリットを有する遮光板と、この遮光板を介して対向するように前記固定側部材に配設された発光素子および受光素子とを備え、前記受光素子が第1受光部と第2受光部を有する2分割受光素子からなり、この2分割受光素子と前記発光素子との間を前記スリットが移動することにより、前記第1および第2受光部の受光量比率が変化するように構成したことを特徴とする位置検出センサ。
- 請求項1の記載において、前記スリットが前記移動部材の移動方向に対して傾斜する直線部を有し、この直線部の延出方向と前記第1および第2受光部の受光量比率が変化する方向とが略直交することを特徴とする位置検出センサ。
- 請求項2の記載において、前記2分割受光素子が略長方形状に形成され、前記スリットの前記直線部を該2分割受光素子の長辺と略直交させたことを特徴とする位置検出センサ。
- 請求項3の記載において、前記第1および第2受光部が前記2分割受光素子の短辺側で対向しており、これら第1および第2受光部がくさび形状の分割線に沿って2分割されていることを特徴とする位置検出センサ。
- 請求項4の記載において、前記分割線が複数のくさび形状を連続させた鋸歯状分割線であることを特徴とする位置検出センサ。
- 請求項1〜5のいずれかの記載において、前記ガイド手段が外周面に螺旋状溝を有するリードスクリューからなり、このリードスクリューが回転駆動されることにより、前記移動部材が前記螺旋状溝に係合して前記リードスクリューの軸線方向へ移動するように構成したことを特徴とする位置検出センサ。
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