JP2004162098A - Resin-metal laminate structure and its production method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂材料の表面上に金属層を積層した積層構造体およびその製造方法に関し、特に樹脂材料と金属層との密着性を高めた積層構造体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂層上に金属配線が形成されたプリント配線板において、樹脂層と金属配線との密着性を高めるために、樹脂層の表面が粗化処理されている。金属配線の高密度化が進むに従って、配線の細線化及び薄膜化が進んでいる。配線が細くかつ薄くなると、下地表面の粗化処理による数μm程度の凹凸が無視できなくなる。
【0003】
また、樹脂層表面を改質して密着性を高める試みもなされている(例えば、特許文献1〜5参照)。例えば特許文献1においては、スパッタ成膜初期段階で窒素ガスを導入しながらポリイミド樹脂上に銅成膜する方法が提案されている。また特許文献2においては、アルミナまたはシリカの無機フィラーを0.01〜2wt%含むポリイミドフィルム上に銅成膜する前に、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素、炭酸ガス雰囲気でプラズマ処理する方法が提案されている。
【0004】
その他、ポリイミド樹脂層と銅配線との間にクロム、ニッケル等の中間層を設け、密着性を高める試みもなされている(例えば、特許文献6)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−228738号公報
【特許文献2】特開2001−151916号公報
【特許文献3】特開昭63−270455号公報
【特許文献4】特開2001−73133号公報
【特許文献5】特開2000−216534号公報
【特許文献6】特開平11−92917号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、樹脂表面の粗化処理や中間層の形成を行うことなく樹脂材料と金属層との密着性が高い積層構造体を製造する方法、および、その積層構造体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、(a)表面に樹脂が露出した基板の該表面を、窒素プラズマに晒す工程と、(b)前記窒素プラズマに晒された後の前記基板の表面上に、金属層を形成する工程とを有し、前記工程(a)において、前記窒素プラズマに晒した後に、前記基板の樹脂表面をX線光電子分光分析することによって検出された窒素(N1s)ピークの積分強度が、前記窒素プラズマに晒す前に、前記基板の樹脂表面をX線光電子分光分析することによって検出された窒素(N1s)ピークの積分強度より大きくなる条件で窒素プラズマ処理を行う樹脂金属積層構造体の製造方法が提供される。
【0008】
また本発明の他の観点によると、表面にポリイミド樹脂が露出した基板と、前記基板のポリイミド樹脂表面上に積層され、ピール強度がJIS規格番号C5012に定める方法による測定で800g/cm以上を示す銅層とを有する樹脂金属積層構造体が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例による樹脂金属積層構造体の製造方法について説明する。ガラスエポキシ等からなるコア基板の両面に、ポリイミド樹脂からなる樹脂層が積層された基板を準備した。樹脂層に用いるポリイミド樹脂は、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有しないものであった。この基板を、120℃の大気中で30分間乾燥させた。
【0010】
乾燥後の基板を、平行平板型プラズマ処理装置の電極上に、接触させて装着し、窒素プラズマ処理を行った。窒素プラズマ処理の条件は、圧力10Pa、窒素流量100sccm、投入パワー0.8W/cm2、処理時間は10分とした。この時、基板が装着された電極には、アース電位に対して直流成分で−350V程度の電圧と、振幅が500Vの高周波が発生していた。この電圧の作用で窒素イオンが基板に引き付けられることにより、効率的に基板表面の改質がなされると考えられる。
【0011】
その後、基板を銅のイオンプレーティング装置に移送し、銅からなる厚さ500nmのシード層を形成した。シード層の成膜条件は、圧力0.01Pa〜0.1Pa、成膜時間は3分〜5分である。
【0012】
イオンプレーティング装置から基板を取り出し、シード層上に銅を電解めっきすることにより、厚さ20μmの配線層を形成した。
【0013】
上記方法により10分間の窒素プラズマ処理後シード層、配線層を形成した試料と、窒素プラズマ処理は行わずにシード層、配線層を形成した試料とを作製した。これら試料について、JIS規格番号C5012に定める測定法により、引っ張り速度50mm/min、幅10mmの条件で90°ピール試験を行った。
【0014】
図1(A)に、ピール試験結果を示す。10分間の窒素プラズマ処理により、ピール強度が大幅に高くなることがわかる。ピール強度が1000g/cm程度のポリイミド/銅積層構造体が得られる。このように、樹脂層表面の粗化処理や中間層の形成を行うことなく、銅からなる配線層の密着性を高めることができる。
【0015】
なお、図1(A)には比較のため、酸素プラズマ、酸素およびCF4のプラズマ、アルゴンプラズマによる処理結果も示す。酸素プラズマ、酸素およびCF4のプラズマによる処理はほとんど効果がない。アルゴンプラズマ処理ではやや効果が見られるが、窒素プラズマ処理に比べると密着性は大幅に低い。
【0016】
図1(A)に示した窒素プラズマ処理の有無が異なる2種の試料について、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis、X線光電子分光分析)による表面付近の組成の分析を行った。
【0017】
図1(B)に、ESCAの測定データを示す。横軸は結合のエネルギ、縦軸はピーク高さを示す。スペクトルpi0は窒素プラズマ処理なしの場合の測定結果、スペクトルpi10は10分間の窒素プラズマ処理を施した場合の測定結果である。
【0018】
ポリイミド樹脂は成分に窒素を含むため、スペクトルpi0において、ポリイミド樹脂に含まれる一重結合のCN結合に対応する窒素(N1s)ピーク(400eV近傍)が現れている。一方、スペクトルpi10においては、pi0に見られたピークの幅が拡大し、高さも高くなっており、ピークの積分強度が増大している。また、ポリイミド樹脂に含まれるCN結合を示す上記のピークよりも低エネルギ側に別のピークが生じており、異なった結合状態を有する窒素が導入されていることがわかる。
【0019】
なお、第1の実施例において、ポリイミド樹脂は、アルミナ、シリカ等のフィラーを含有しないものであったが、これらのフィラーを含むポリイミド樹脂に対しても、窒素プラズマ処理による密着性向上効果は期待される。
【0020】
また、本実施例では、ガラスエポキシ等からなるコア基板の両面にポリイミド樹脂が積層された基板を用いたが、通常のポリイミドフィルムに銅を積層する場合であっても、同様の効果が得られる。
【0021】
次に、第2の実施例による樹脂金属積層構造体の製造方法について説明する。本実施例では、第1の実施例で用いたポリイミド樹脂に代えて、樹脂層をベンゾシクロブテン(BCB)系樹脂とした基板を用いた。窒素プラズマ処理、銅のシード層および配線層形成工程等は、第1の実施例に示した工程と同様とした。
【0022】
第2の実施例においても、10分間の窒素プラズマ処理後シード層、配線層を形成した試料と、窒素プラズマ処理は行わずにシード層、配線層を形成した試料とを作製した。これら試料について、JIS規格番号C5012に定める測定法により、引っ張り速度50mm/min、幅10mmの条件で90°ピール試験を行った。
【0023】
図2(A)に、ピール試験結果を示す。BCB系樹脂を用いた場合においても、10分間の窒素プラズマ処理により、ピール強度が大幅に高くなることがわかる。ピール強度が600g/cm程度のBCB/銅積層構造体が得られる。樹脂層の表面の粗化処理や中間層の形成を行うことなく、銅からなる配線層の密着性を高めることができる。
【0024】
図2(A)に示した窒素プラズマ処理の有無が異なる2種の試料について、ESCAによる表面付近の組成の分析を行った。
【0025】
図2(B)に、ESCAの測定データを示す。スペクトルbcb0は窒素プラズマ処理なしの場合の測定結果、スペクトルbcb10は10分間の窒素プラズマ処理を施した場合の測定結果である。
【0026】
BCB系樹脂は成分に窒素を含まないため、スペクトルbcb0において、窒素に対応する明瞭なピークは見られない。一方、スペクトルbcb10では、窒素(N1s)ピーク(400eV近傍)に対応する明瞭なピークが出現している。つまり、窒素プラズマ処理により、もともとは窒素を含まないBCB系樹脂の表面に、窒素を含む官能基が導入されるということがわかる。
【0027】
上記の第1、第2の実施例において示した知見より、密着性向上の理由は、例えば以下のように理解される。窒素プラズマ処理で樹脂層表面に導入された窒素を含む官能基には、例えばシアノ基(三重結合のCN結合)等、窒素と銅との間に配位結合を生じさせるものが含まれる。この配位結合により、樹脂層と銅シード層との密着性が向上すると考えられる。
【0028】
以上の知見より、成分元素として窒素を含む樹脂のうち、窒素プラズマ処理後と処理前のESCA分析データを比較すると、窒素プラズマ処理後には窒素の結合エネルギに対応するピークの幅が広がり、あるいは高さが高くなり、ピークの積分強度が拡大するような樹脂であれば、密着性向上が期待される。例えば第1の実施例に示したポリイミド樹脂はこの範疇の樹脂として理解できる。
【0029】
第1の実施例のポリイミド樹脂の場合、図1(B)に示すように、窒素プラズマ処理前後で、ピークの積分強度は約2倍に増大した。成分元素として窒素を含む他の樹脂においても、窒素プラズマ処理前後で、ピークの積分強度が約2倍以上となれば、高い密着性が得られると考えてもよいであろう。
【0030】
また、成分元素として窒素を含まない樹脂であっても、窒素プラズマ処理前後のESCA分析データを比較すると、窒素プラズマ処理前には存在しなかった窒素の結合エネルギに対応するピークが、窒素プラズマ処理後には出現する樹脂であれば、密着性向上効果を有すると考えられる。例えば第2の実施例に示したBCB系樹脂はこの範疇の樹脂として理解できる。
【0031】
なお、窒素プラズマ処理を施した樹脂層に対し高い密着性が得られる金属は、第1、第2の実施例に示した銅に限らない。ニッケル、クロム等の窒素との結合力が強い金属を用いることができる。
【0032】
以上第1、第2の実施例で、窒素プラズマ処理時間は10分とした。密着性向上効果は処理時間1分以上で現れ始めるが、5分以上が好ましい。
【0033】
また、第1、第2の実施例で、銅配線層の厚さを20μmとした試料を作成したが、他の膜厚であっても、窒素プラズマ処理により同様の密着性向上効果が得られる。
【0034】
なお、第1、第2の実施例に示した窒素プラズマ処理の前後で、樹脂層表面の平滑性に特段の変化はない。表面粗さRzは、処理前の5nm程度に対し、処理後でも20nm以下とすることができる。ここで、表面粗さRzは、JIS規格における十点平均粗さRzであり、AFM(Atomic Force Microscopy)により2μm×2μmの範囲を測定して求めた。
【0035】
次に、図3、図4を参照し、第3の実施例を説明する。本実施例では、本発明の樹脂金属積層構造体の製造方法を使用し、サブトラクティブ法により、プリント配線板を作製する方法について説明する。
【0036】
図3(A)に示すように、ガラスエポキシ等の樹脂基板1の表面上に、内層銅配線2が形成されている。内層銅配線2を覆うように、樹脂基板1の表面上にポリイミド樹脂あるいはBCB系樹脂からなる樹脂層3を形成する。樹脂層3としてはその他、上述したように、窒素プラズマ処理により窒素が導入される性質を持つ樹脂を用いることができる。樹脂層3の厚さは例えば40μmである。
【0037】
樹脂層3にレーザビームを入射させることにより、内層銅配線2の一部を露出させるビアホール4を形成する。ビアホール4の直径は例えば50μmである。レーザとしては例えば、紫外レーザを用いることができる。ビアホール4の底面には、レーザ加工後の残渣(スミア)9が残存する。
【0038】
ビアホール4が形成された基板20を、アルゴン、酸素、または水素のプラズマ、またはこれらの元素の2種類以上を含むプラズマに晒し、ビアホール4底面のスミア9を取り除く。
【0039】
次にスミア除去後の基板を、窒素プラズマに晒し、基板表面を改質し、後に形成される銅のシード層との密着性を高める。窒素プラズマ処理工程の詳細は、後に図4を参照して説明する。
【0040】
なお、ビアホール4の側壁は、窒素プラズマに晒されやすくするため、テーパをつけておくことが好ましい。テーパをつけるためには、レーザのビームプロファイルを、ガウス分布状、台形状等の凸形状とすることが好ましい。
【0041】
図3(B)に示すように、表面改質後の樹脂層3の表面上及びビアホール4の内面上に、銅からなるシード層6をスパッタリング等により形成する。プラズマ処理からシード層6の形成工程の間、基板20は真空中を搬送し、大気には晒さないことが好ましい。
【0042】
シード層6の形成後、シード層6の表面に電解めっきまたは無電解めっきにより、銅からなる配線層7を形成する。無電解めっきは配線層7の厚さを制御しやすいというメリットを有する。めっき方法は、目的に応じて適宜選択すればよい。配線層の厚さは、一般的に10〜30μmである。
【0043】
なお、シード層6は、めっき液中への溶解を考慮し、100nm以上とすることが好ましい。また、成膜時間の短縮化の観点、及び後工程でのエッチングによる除去のし易さの観点から、シード層6は、1μm以下とすることが好ましい。シード層6の厚さは例えば300nm〜1μmである。
【0044】
図3(C)に示すように、配線層7の表面にレジストを塗布し、露光、現像工程を経て、レジストパターン8を形成する。このレジストパターン8をマスクとして、酸性薬液を用い、配線層7およびシード層6をエッチングする。エッチング後、レジストパターン8を除去する。ここまでの工程で、シード層6、及び配線層7からなる配線が形成される。この配線は、ビアホール4内を経由して内層配線2に電気的に接続される。
【0045】
以上、サブトラクティブ法を例に説明したが、プリント配線板はセミアディティブ法で作製することもできる。セミアディティブ法においては、シード層形成後、シード層の表面上にレジストを塗布し、露光、現像工程を経て、レジストパターンを形成する。このレジストパターンを型として電解メッキにより配線層を形成する。レジストパターンが存在しない部分のシード層上に、配線層が形成される。配線層の形成後、レジストパターンを除去し、レジストパターンの下の不要なシード層をエッチング除去する。セミアディティブ法においては、配線層のパターン形成のためのエッチングは行わない。したがって、配線層の肩部がエッチング時に丸くならないというメリットを有する。
【0046】
以下さらに、図4を参照して、窒素プラズマ処理による樹脂層3の表面の改質工程、その前工程のスミア除去(デスミア)工程、および後工程の銅シード層形成工程について詳しく説明する。
【0047】
図4に、本実施例のプリント配線板作製方法に用いられる金属成膜装置の概略図を示す。
【0048】
プラズマ処理チャンバ10とシード層成膜チャンバ12とが、ゲートバルブ15を介して結合されている。プラズマ処理チャンバ10は、ゲートバルブ13を介して搬入用ロードロックチャンバ(図示せず)に接続され、シード層成膜チャンバ12は、ゲートバルブ16を介して搬出用ロードロックチャンバ(図示せず)に接続されている。各チャンバ10、12には、それぞれ処理に必要なガスを導入するためのガス導入口50、54及び排気口51、55が接続されている。排気口51、55は真空排気装置(図示せず)に接続されている。
【0049】
図3(A)に示す、ビアホール4形成後の基板20が、図4に示すゲートバルブ13を通ってプラズマ処理チャンバ10内に搬入される。電極19は、平行平板型プラズマ発生装置の一方の電極である。基板20は電極19に接触させるように設置する。ガス導入口50の一部およびプラズマ処理チャンバ10が、もう一方の電極として機能する。プラズマ処理チャンバ10およびガス導入口50は接地されている。
【0050】
電極19とガス導入口50との間に高周波電源17より高周波電圧が印加される。電極19と高周波電源17との間に、マッチングボックス18が挿入されている。プラズマ処理チャンバ10において、密着性向上のための窒素プラズマ処理と、その前工程のデスミア処理とを行う。
【0051】
まずスミアの除去を行う。プラズマ処理チャンバ10内を真空排気する。酸素ガスもしくはアルゴンガスを導入し、次いで高周波電圧を印加し、プラズマを生成する。ビアホール4底面に残ったスミア9が除去され、樹脂層3の表面およびビアホール4の内面が清浄化される。デスミア処理に要する時間は、樹脂層3の組成に依存するが、1〜5分で充分である。
【0052】
次に、窒素プラズマ処理により、樹脂層3の表面の改質を行う。酸素ガスもしくはアルゴンガスの導入を停止し、処理室を真空排気した後、窒素ガスを導入する。次いで高周波電圧を印加し、プラズマを生成する。
【0053】
窒素プラズマ処理の条件は、圧力1Pa〜20Pa、投入パワー0.1W/cm2〜5.0W/cm2、処理時間1分以上、の範囲であればよい。好ましくは、圧力は5Paより大きく20Pa以下、処理時間は5分〜10分である。また投入パワーは例えば0.8W/cm2、窒素流量は例えば100sccmである。
【0054】
プラズマ処理後の表面平滑性を維持するために、投入パワー密度は、5.0W/cm2以下が好ましい。また密着性向上の効果を得るためには、少なくとも0.1W/cm2以上であることが好ましい。
【0055】
この窒素プラズマ処理により、樹脂層3表面に、銅等の金属との化学結合を促進する窒素を含有する官能基が形成されると考えられる。次の工程で形成されるシード層6との密着性が向上する。
【0056】
窒素プラズマ処理が終了した基板20は、ゲートバルブ15を通って、DCマグネトロンスパッタリング装置であるシード層成膜チャンバ12内に搬入される。膜材料である銅のターゲット60がシード層成膜チャンバ12内に設置されている。
【0057】
シード層成膜チャンバ12内で、図3(B)に示すように、樹脂層3の上の銅からなるシード層6が形成される。なお、温度条件については、成膜中の基板温度が樹脂層3のガラス転移温度以上にならないことが望ましい。
【0058】
なお、シード層成膜チャンバ12は、DCマグネトロンスパッタリング装置に限らず、その他例えば、RFマグネトロンスパッタリング装置、イオンプレーティング装置、真空蒸着装置、化学気相成長装置等、気相成長法を使用できる装置の成膜チャンバであればよい。真空成膜法を採用することにより、湿式成膜法を採用する場合に比べて、微細なビアホール内に再現性よく金属膜を形成することが可能になる。
【0059】
窒素プラズマ処理後、大気中のほこりやゴミが基板上に付着するのを防止するために真空中で連続的に銅シード層を成膜することが望ましいが、必ずしも連続的に成膜する必要はない。窒素プラズマ処理後、短時間ならばデシケータ等水分の再吸着を防止できる環境に保管後に、シード層成膜チャンバ12に戻し、成膜してもよい。
【0060】
シード層6が形成された基板20は、ゲートバルブ15を通って搬出用ロードロックチャンバに移送される。搬出後、シード層6の表面に銅を電解めっきまたは無電解めっきし、配線層7を形成する。
【0061】
1つのプラズマ処理チャンバを、デスミアのための酸素またはアルゴンプラズマ処理と、密着性向上のための窒素プラズマ処理とで共用する場合を説明したが、それぞれ専用の処理装置を設置すれば生産性を高める事ができる。
【0062】
ビアホールが形成されたプリント配線板の処理を例に説明したが、ビア加工されていない基板を処理する場合には、酸素ガスもしくはアルゴンガスによるデスミア処理を省くことができる。窒素プラズマによる表面改質工程と、シード層形成工程のみ行うこととなる。
【0063】
さて、図3(B)に示したように、シード層6は、50μm程度の微細な径のビアホール4の内面まで連続的に被覆する必要がある。圧力勾配型プラズマガンを用いたイオンプレーティング装置が、微細なビアホール4内を連続的に被覆する膜を形成するのに適している。以下に説明するように、ビアホール4の側壁にも良好に成膜することができる。圧力勾配型プラズマガンを用いたイオンプレーティング装置は、例えば特開2002−30423号公報に説明されている。
【0064】
図5に、このイオンプレーティング装置の概略図を示す。成膜室である真空容器30に、真空排気装置41及び圧力勾配型プラズマガン31が取り付けられている。圧力勾配型プラズマガン31の詳細な構造は、例えば特開平7−138743号公報に説明されている。圧力勾配型プラズマガン31は、真空容器30内にアルゴンプラズマビームPBを入射させる。プラズマガン31と真空容器30との接続部に配置されたステアリングコイル33等が、アルゴンプラズマビームPBの強度やアルゴンイオンの分布状態を制御する。
【0065】
真空容器30内の底部に陽極部材32が配置されている。陽極部材32は、主陽極であるハース34と、その周囲に配置された環状の補助陽極35により構成される。補助陽極35は、ハース34の周囲に、これと同心に配置された環状の容器を含んで構成される。環状容器内に、フェライト等で形成された環状の永久磁石38と、これと同心に積層されたコイル39が収納されている。
【0066】
永久磁石38及びコイル39は、ハース34の直上にカスプ状磁場を形成する。カスプ状磁場は、ハース34に入射するプラズマビームPBの向き等を修正する。コイル39に流す電流を制御することにより、プラズマビームPBの向きを微調整することができる。
【0067】
ハース34は導電材料で形成されるとともに、接地された真空容器30に絶縁物を介して支持されている。ハース34の電位が正になるように制御されており、ハース34はプラズマビームPBを下方に吸引する。なお、ハース34に形成すべき膜材料である銅のターゲット36が装填されている。ターゲット36は、アルゴンプラズマビームPBから流入する電子が衝突することによって加熱され、溶融、蒸発する。
【0068】
真空容器30の上面に、搬送機構40が接続されている。搬送機構40は、成膜すべき対象基板20を、成膜すべき面がハース34を向くように保持し、適宜搬送する。
【0069】
圧力勾配型プラズマガン31から出射されたアルゴンプラズマビームPBから流入する電子が衝突することによってターゲット36の一部を加熱溶融させ、蒸発させる。蒸発した銅原子はアルゴンプラズマ中でイオン化され、高いエネルギを持って基板20の表面に衝突する。
【0070】
基板20に衝突する銅イオンが高いエネルギを持っているため、ビアホール内でリスパッタリング現象が生ずる。ビアホール底面の銅がスパッタされて側壁へ付着する。また、ビアホール底面に入射した銅イオンが反射して側壁に付着する効果も期待される。このように、圧力勾配型プラズマガンを用いたイオンプレーティング装置により、ビアホールの側壁にも充分な厚さのシード層を形成することができる。
【0071】
ここで、銅イオンの加速エネルギは、反跳が頻繁に生じ始める50eV以上で、樹脂の損傷を防止できる300eV以下とすることが望ましい。
【0072】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、樹脂部材の表面を窒素プラズマに晒した後に樹脂部材上に金属配線層を形成することで、樹脂表面の粗化処理や中間層の形成を行うことなく、樹脂部材と金属配線層との密着性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミド樹脂部材上に形成した配線層のピール強度を示す表とポリイミド樹脂部材のESCA分析スペクトルである。
【図2】BCB系樹脂部材上に形成した配線層のピール強度を示す表とBCB系樹脂部材のESCA分析スペクトルである。
【図3】プリント配線板の製造方法を説明するための基板断面図である。
【図4】実施例の樹脂金属積層構造体製造方法で使用される成膜装置の概略図である。
【図5】イオンプレーティング装置の概略図である。
【符号の説明】
1 樹脂基板
2 内層配線
3 樹脂層
4 ビアホール
6 シード層
7 配線層
8 レジストパターン
9 スミア
10 プラズマ処理チャンバ
12 シード層成膜チャンバ
13、15、16 ゲートバルブ
17 高周波電源
18 マッチングボックス
19 電極
20 基板
50、54 ガス導入口
51、55 排気口
60 ターゲット[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminated structure in which a metal layer is laminated on a surface of a resin material and a method of manufacturing the same, and more particularly, to a laminated structure in which adhesion between a resin material and a metal layer is improved and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
In a printed wiring board in which metal wiring is formed on a resin layer, the surface of the resin layer is subjected to a roughening treatment in order to increase the adhesion between the resin layer and the metal wiring. As the density of metal wiring has been increased, the wiring has become thinner and thinner. When the wiring is thin and thin, irregularities of about several μm due to the roughening treatment of the base surface cannot be ignored.
[0003]
Attempts have also been made to improve the adhesion by modifying the surface of the resin layer (for example, see Patent Documents 1 to 5). For example, Patent Literature 1 proposes a method of forming a copper film on a polyimide resin while introducing nitrogen gas at an initial stage of sputtering film formation. Further, Patent Document 2 proposes a method of performing a plasma treatment in an atmosphere of argon, helium, oxygen, nitrogen, or carbon dioxide before forming a copper film on a polyimide film containing 0.01 to 2 wt% of an inorganic filler of alumina or silica. Have been.
[0004]
In addition, attempts have been made to provide an intermediate layer of chromium, nickel, or the like between the polyimide resin layer and the copper wiring to improve the adhesion (for example, Patent Document 6).
[0005]
[Patent Document 1] JP-A-6-228738 [Patent Document 2] JP-A-2001-151916 [Patent Document 3] JP-A-63-270455 [Patent Document 4] JP-A-2001-73133 [ [Patent Document 5] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-216534 [Patent Document 6] Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-92917 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method of manufacturing a laminated structure having high adhesion between a resin material and a metal layer without performing a roughening treatment on a resin surface or forming an intermediate layer, and to provide the laminated structure. It is.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
According to one aspect of the present invention, (a) exposing the surface of the substrate having the resin exposed on the surface to nitrogen plasma; and (b) forming a metal on the surface of the substrate after being exposed to the nitrogen plasma. Forming a layer, wherein in the step (a), the integrated intensity of a nitrogen (N1s) peak detected by subjecting the resin surface of the substrate to X-ray photoelectron spectroscopy after exposure to the nitrogen plasma. Is a resin-metal laminate structure that performs a nitrogen plasma treatment under a condition that the integrated intensity of a nitrogen (N1s) peak detected by X-ray photoelectron spectroscopy analysis of the resin surface of the substrate before being exposed to the nitrogen plasma. Is provided.
[0008]
According to another aspect of the present invention, there is provided a substrate having a polyimide resin exposed on the surface, and a laminate having a peel strength of 800 g / cm or more measured by a method specified in JIS standard number C5012, laminated on the polyimide resin surface of the substrate. A resin-metal laminated structure having a copper layer is provided.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A method for manufacturing the resin-metal laminated structure according to the first embodiment of the present invention will be described. A substrate was prepared in which a resin layer made of a polyimide resin was laminated on both sides of a core substrate made of glass epoxy or the like. The polyimide resin used for the resin layer did not contain a filler such as alumina (Al 2 O 3 ) and silica (SiO 2 ). This substrate was dried in the air at 120 ° C. for 30 minutes.
[0010]
The dried substrate was placed in contact with an electrode of a parallel plate type plasma processing apparatus so as to be in contact therewith, and nitrogen plasma processing was performed. The conditions for the nitrogen plasma treatment were a pressure of 10 Pa, a nitrogen flow rate of 100 sccm, a power of 0.8 W / cm 2 , and a treatment time of 10 minutes. At this time, a voltage of about -350 V as a DC component with respect to the ground potential and a high frequency having an amplitude of 500 V were generated at the electrode on which the substrate was mounted. It is considered that the nitrogen ions are attracted to the substrate by the action of this voltage, so that the surface of the substrate is efficiently modified.
[0011]
Thereafter, the substrate was transferred to a copper ion plating apparatus, and a seed layer made of copper and having a thickness of 500 nm was formed. The conditions for forming the seed layer are a pressure of 0.01 Pa to 0.1 Pa and a film formation time of 3 minutes to 5 minutes.
[0012]
The substrate was taken out of the ion plating apparatus, and copper was electrolytically plated on the seed layer to form a wiring layer having a thickness of 20 μm.
[0013]
A sample in which the seed layer and the wiring layer were formed after the nitrogen plasma treatment for 10 minutes by the above method and a sample in which the seed layer and the wiring layer were formed without performing the nitrogen plasma treatment were prepared. These samples were subjected to a 90 ° peel test under the conditions of a tensile speed of 50 mm / min and a width of 10 mm by a measurement method specified in JIS standard number C5012.
[0014]
FIG. 1A shows the results of the peel test. It can be seen that the peel strength is greatly increased by the nitrogen plasma treatment for 10 minutes. A polyimide / copper laminated structure having a peel strength of about 1000 g / cm is obtained. As described above, the adhesion of the wiring layer made of copper can be increased without performing the roughening treatment on the surface of the resin layer or the formation of the intermediate layer.
[0015]
Note that FIG. 1A also shows the results of treatment with oxygen plasma, oxygen and CF 4 plasma, and argon plasma for comparison. Oxygen plasma, there is no oxygen and CF 4 most effective treatment by plasma. Although some effects are seen in the argon plasma treatment, the adhesion is significantly lower than in the nitrogen plasma treatment.
[0016]
The composition near the surface was analyzed by ESCA (Electron Spectroscopy for Chemical Analysis, X-ray photoelectron spectroscopy) with respect to the two types of samples having different nitrogen plasma treatments shown in FIG. 1A.
[0017]
FIG. 1B shows measurement data of ESCA. The horizontal axis indicates the energy of the bond, and the vertical axis indicates the peak height. The spectrum pi0 is the measurement result without nitrogen plasma treatment, and the spectrum pi10 is the measurement result with nitrogen plasma treatment for 10 minutes.
[0018]
Since the polyimide resin contains nitrogen as a component, a nitrogen (N1s) peak (around 400 eV) corresponding to the single bond CN bond included in the polyimide resin appears in the spectrum pi0. On the other hand, in the spectrum pi10, the width of the peak observed in pi0 is increased and the height is also increased, and the integrated intensity of the peak is increased. Further, another peak is generated on the lower energy side than the above-mentioned peak indicating the CN bond contained in the polyimide resin, which indicates that nitrogen having a different bonding state is introduced.
[0019]
In the first embodiment, the polyimide resin does not contain a filler such as alumina and silica. However, the effect of improving the adhesion by the nitrogen plasma treatment is expected for the polyimide resin containing these fillers. Is done.
[0020]
Further, in the present embodiment, a substrate in which polyimide resin is laminated on both surfaces of a core substrate made of glass epoxy or the like is used, but even when copper is laminated on a normal polyimide film, similar effects can be obtained. .
[0021]
Next, a method for manufacturing the resin-metal laminated structure according to the second embodiment will be described. In this embodiment, a substrate in which the resin layer is a benzocyclobutene (BCB) resin is used instead of the polyimide resin used in the first embodiment. The nitrogen plasma treatment, the step of forming the copper seed layer and the wiring layer, and the like were the same as the steps shown in the first embodiment.
[0022]
Also in the second example, a sample in which the seed layer and the wiring layer were formed after the nitrogen plasma treatment for 10 minutes and a sample in which the seed layer and the wiring layer were formed without performing the nitrogen plasma treatment were produced. These samples were subjected to a 90 ° peel test under the conditions of a tensile speed of 50 mm / min and a width of 10 mm by a measurement method specified in JIS standard number C5012.
[0023]
FIG. 2A shows the results of the peel test. It can be seen that even when a BCB-based resin is used, the peel strength is significantly increased by the nitrogen plasma treatment for 10 minutes. A BCB / copper laminated structure having a peel strength of about 600 g / cm is obtained. The adhesion of the wiring layer made of copper can be improved without performing the surface roughening treatment or the formation of the intermediate layer of the resin layer.
[0024]
The composition near the surface was analyzed by ESCA for the two samples having different nitrogen plasma treatments shown in FIG. 2A.
[0025]
FIG. 2B shows measurement data of ESCA. The spectrum bcb0 is the measurement result without nitrogen plasma treatment, and the spectrum bcb10 is the measurement result with nitrogen plasma treatment for 10 minutes.
[0026]
Since the BCB-based resin does not contain nitrogen as a component, a clear peak corresponding to nitrogen is not seen in the spectrum bcb0. On the other hand, in the spectrum bcb10, a clear peak corresponding to the nitrogen (N1s) peak (around 400 eV) appears. That is, it can be seen that the nitrogen plasma treatment introduces a nitrogen-containing functional group into the surface of the BCB-based resin that originally does not contain nitrogen.
[0027]
From the findings shown in the first and second embodiments, the reason for the improvement in the adhesion is understood, for example, as follows. The functional group containing nitrogen introduced to the resin layer surface by the nitrogen plasma treatment includes, for example, those that form a coordination bond between nitrogen and copper, such as a cyano group (a triple bond of a CN bond). It is considered that the coordination bond improves the adhesion between the resin layer and the copper seed layer.
[0028]
From the above findings, among the resins containing nitrogen as a component element, when comparing the ESCA analysis data before and after the nitrogen plasma treatment, the width of the peak corresponding to the binding energy of nitrogen becomes wider or higher after the nitrogen plasma treatment. In the case of a resin that increases the peak intensity and increases the integrated intensity of the peak, improvement in adhesion is expected. For example, the polyimide resin shown in the first embodiment can be understood as a resin in this category.
[0029]
In the case of the polyimide resin of the first example, as shown in FIG. 1B, the integrated intensity of the peak increased about twice before and after the nitrogen plasma treatment. In other resins containing nitrogen as a component element, it may be considered that high adhesiveness can be obtained if the integrated intensity of the peak becomes about twice or more before and after the nitrogen plasma treatment.
[0030]
In addition, even if the resin does not contain nitrogen as a component element, when the ESCA analysis data before and after the nitrogen plasma treatment are compared, a peak corresponding to the binding energy of nitrogen that did not exist before the nitrogen plasma treatment shows a peak corresponding to the nitrogen plasma treatment. It is considered that any resin that appears later has an effect of improving adhesion. For example, the BCB-based resin shown in the second embodiment can be understood as a resin in this category.
[0031]
The metal that can provide high adhesion to the resin layer that has been subjected to the nitrogen plasma treatment is not limited to copper shown in the first and second embodiments. A metal having a strong bonding force with nitrogen, such as nickel or chromium, can be used.
[0032]
In the first and second embodiments, the nitrogen plasma processing time was set to 10 minutes. The effect of improving the adhesion begins to appear in a processing time of 1 minute or more, but is preferably 5 minutes or more.
[0033]
Further, in the first and second embodiments, a sample in which the thickness of the copper wiring layer was set to 20 μm was prepared. However, even when the thickness is other than that, the same effect of improving the adhesion can be obtained by the nitrogen plasma treatment. .
[0034]
Note that there is no particular change in the smoothness of the resin layer surface before and after the nitrogen plasma treatment shown in the first and second embodiments. The surface roughness Rz can be set to about 5 nm before the treatment, and 20 nm or less even after the treatment. Here, the surface roughness Rz is a ten-point average roughness Rz according to the JIS standard, and was determined by measuring a range of 2 μm × 2 μm by AFM (Atomic Force Microscopy).
[0035]
Next, a third embodiment will be described with reference to FIGS. Example 1 In this example, a method for manufacturing a printed wiring board by a subtractive method using the method for manufacturing a resin-metal laminated structure of the present invention will be described.
[0036]
As shown in FIG. 3A, an inner copper wiring 2 is formed on a surface of a resin substrate 1 made of glass epoxy or the like. A resin layer 3 made of a polyimide resin or a BCB-based resin is formed on the surface of the resin substrate 1 so as to cover the inner layer copper wiring 2. As the resin layer 3, as described above, a resin having a property of introducing nitrogen by a nitrogen plasma treatment can be used. The thickness of the resin layer 3 is, for example, 40 μm.
[0037]
By irradiating the resin layer 3 with a laser beam, a via hole 4 exposing a part of the inner layer copper wiring 2 is formed. The diameter of the via hole 4 is, for example, 50 μm. For example, an ultraviolet laser can be used as the laser. Residue (smear) 9 after laser processing remains on the bottom surface of via hole 4.
[0038]
The
[0039]
Next, the substrate from which the smear has been removed is exposed to nitrogen plasma to modify the surface of the substrate, thereby improving the adhesion to a copper seed layer to be formed later. Details of the nitrogen plasma processing step will be described later with reference to FIG.
[0040]
It is preferable that the side wall of the via hole 4 is tapered so that the side wall is easily exposed to nitrogen plasma. In order to form a taper, it is preferable that the laser beam profile has a convex shape such as a Gaussian distribution shape or a trapezoidal shape.
[0041]
As shown in FIG. 3B, a
[0042]
After the formation of the
[0043]
The thickness of the
[0044]
As shown in FIG. 3C, a resist is applied to the surface of the wiring layer 7, and the resist
[0045]
As described above, the subtractive method has been described as an example, but the printed wiring board can also be manufactured by the semi-additive method. In the semi-additive method, after forming the seed layer, a resist is applied on the surface of the seed layer, and a resist pattern is formed through exposure and development steps. Using this resist pattern as a mold, a wiring layer is formed by electrolytic plating. A wiring layer is formed on a portion of the seed layer where no resist pattern exists. After forming the wiring layer, the resist pattern is removed, and unnecessary seed layers below the resist pattern are etched away. In the semi-additive method, etching for forming a wiring layer pattern is not performed. Therefore, there is an advantage that the shoulder of the wiring layer is not rounded during etching.
[0046]
Hereinafter, with reference to FIG. 4, the step of modifying the surface of the resin layer 3 by the nitrogen plasma treatment, the step of removing smear (desmear) in the preceding step, and the step of forming a copper seed layer in the subsequent step will be described in detail.
[0047]
FIG. 4 is a schematic diagram of a metal film forming apparatus used in the method of manufacturing a printed wiring board according to the present embodiment.
[0048]
The
[0049]
The
[0050]
A high frequency voltage is applied between the
[0051]
First, smear is removed. The inside of the
[0052]
Next, the surface of the resin layer 3 is modified by nitrogen plasma treatment. The introduction of oxygen gas or argon gas is stopped, the processing chamber is evacuated, and then nitrogen gas is introduced. Next, a high-frequency voltage is applied to generate plasma.
[0053]
The conditions for the nitrogen plasma treatment may be a pressure of 1 Pa to 20 Pa, an input power of 0.1 W / cm 2 to 5.0 W / cm 2 , and a treatment time of 1 minute or more. Preferably, the pressure is greater than 5 Pa and equal to or less than 20 Pa, and the treatment time is 5 minutes to 10 minutes. The input power is, for example, 0.8 W / cm 2 , and the nitrogen flow rate is, for example, 100 sccm.
[0054]
In order to maintain the surface smoothness after the plasma treatment, the input power density is preferably 5.0 W / cm 2 or less. Further, in order to obtain the effect of improving the adhesion, it is preferable that it is at least 0.1 W / cm 2 or more.
[0055]
It is considered that this nitrogen plasma treatment forms a nitrogen-containing functional group that promotes chemical bonding with a metal such as copper on the surface of the resin layer 3. Adhesion with the
[0056]
The
[0057]
As shown in FIG. 3B, a
[0058]
The seed layer
[0059]
After the nitrogen plasma treatment, it is desirable to continuously form a copper seed layer in a vacuum in order to prevent dust and dust in the air from adhering to the substrate, but it is not always necessary to form the copper seed layer continuously. Absent. After the nitrogen plasma treatment, for a short period of time, the film may be stored in an environment such as a desiccator that can prevent re-adsorption of moisture, and then returned to the seed
[0060]
The
[0061]
A case has been described in which one plasma processing chamber is commonly used for oxygen or argon plasma processing for desmearing and nitrogen plasma processing for improving adhesion, but the productivity is improved by installing dedicated processing equipment for each. Can do things.
[0062]
The processing of a printed wiring board having via holes has been described as an example. However, when processing a substrate that has not been subjected to via processing, desmear processing using oxygen gas or argon gas can be omitted. Only the surface modification step using nitrogen plasma and the seed layer formation step are performed.
[0063]
Now, as shown in FIG. 3B, the
[0064]
FIG. 5 shows a schematic diagram of this ion plating apparatus. A
[0065]
An anode member 32 is arranged at the bottom inside the
[0066]
The
[0067]
The
[0068]
The
[0069]
When the electrons flowing from the argon plasma beam PB emitted from the pressure
[0070]
Since the copper ions colliding with the
[0071]
Here, the acceleration energy of the copper ions is desirably 50 eV or more at which recoil starts to frequently occur and 300 eV or less at which damage to the resin can be prevented.
[0072]
Although the present invention has been described with reference to the embodiments, the present invention is not limited thereto. For example, it will be apparent to those skilled in the art that various modifications, improvements, combinations, and the like can be made.
[0073]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the surface of the resin member is exposed to nitrogen plasma, and then the metal wiring layer is formed on the resin member, so that the resin surface is roughened or the intermediate layer is formed. In addition, the adhesion between the resin member and the metal wiring layer can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a table showing the peel strength of a wiring layer formed on a polyimide resin member and an ESCA analysis spectrum of the polyimide resin member.
FIG. 2 is a table showing the peel strength of a wiring layer formed on a BCB-based resin member and an ESCA analysis spectrum of the BCB-based resin member.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a substrate for describing a method of manufacturing a printed wiring board.
FIG. 4 is a schematic view of a film forming apparatus used in a method for manufacturing a resin-metal laminated structure according to an embodiment.
FIG. 5 is a schematic diagram of an ion plating apparatus.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 resin substrate 2 inner wiring 3 resin layer 4 via
Claims (11)
(b)前記窒素プラズマに晒された後の前記基板の表面上に、金属層を形成する工程と
を有し、
前記工程(a)において、前記窒素プラズマに晒した後に、前記基板の樹脂表面をX線光電子分光分析することによって検出された窒素(N1s)ピークの積分強度が、前記窒素プラズマに晒す前に、前記基板の樹脂表面をX線光電子分光分析することによって検出された窒素(N1s)ピークの積分強度より大きくなる条件で窒素プラズマ処理を行う樹脂金属積層構造体の製造方法。(A) exposing the surface of the substrate having the resin exposed on the surface to nitrogen plasma;
(B) forming a metal layer on the surface of the substrate after being exposed to the nitrogen plasma;
In the step (a), after the exposure to the nitrogen plasma, the integrated intensity of the nitrogen (N1s) peak detected by performing X-ray photoelectron spectroscopy analysis on the resin surface of the substrate before the exposure to the nitrogen plasma. A method for producing a resin-metal laminated structure, wherein a nitrogen plasma treatment is performed under a condition where the integrated intensity of a nitrogen (N1s) peak detected by performing X-ray photoelectron spectroscopy analysis on the resin surface of the substrate.
(d)前記窒素プラズマに晒された後の前記基板の表面上に、金属層を形成する工程と
を有し、
前記基板の樹脂表面を前記窒素プラズマに晒す前においては、前記基板の樹脂表面をX線光電子分光分析することによって窒素(N1s)ピークが検出されず、前記工程(c)において、前記窒素プラズマに晒した後に、前記基板の樹脂表面をX線光電子分光分析することによって窒素(N1s)ピークが検出される条件で窒素プラズマ処理を行う樹脂金属積層構造体の製造方法。(C) exposing the surface of the substrate having the resin exposed on the surface to nitrogen plasma;
(D) forming a metal layer on the surface of the substrate after being exposed to the nitrogen plasma;
Before exposing the resin surface of the substrate to the nitrogen plasma, the nitrogen (N1s) peak is not detected by X-ray photoelectron spectroscopy analysis of the resin surface of the substrate, and in the step (c), the nitrogen plasma is exposed to the nitrogen plasma. A method for producing a resin-metal laminated structure, wherein a nitrogen plasma treatment is performed under the condition that a nitrogen (N1s) peak is detected by X-ray photoelectron spectroscopy analysis of the resin surface of the substrate after the exposure.
前記窒素プラズマに晒された後の前記基板の表面上に、金属層を形成する工程と
を有する樹脂金属積層構造体の製造方法。Exposing the surface of the substrate having the resin exposed on the surface to nitrogen plasma by setting the pressure in the plasma chamber to more than 5 Pa and less than 20 Pa;
Forming a metal layer on the surface of the substrate after being exposed to the nitrogen plasma.
前記窒素プラズマに晒された後の前記基板の表面上に、金属層を形成する工程と
を有する樹脂金属積層構造体の製造方法。Exposing the surface of the substrate where the polyimide resin containing no filler is exposed to the surface to nitrogen plasma,
Forming a metal layer on the surface of the substrate after being exposed to the nitrogen plasma.
前記窒素プラズマに晒された後の前記基板の表面上に、金属層を形成する工程と
を有する樹脂金属積層構造体の製造方法。Exposing the surface of the substrate having the benzocyclobutene-based resin exposed to nitrogen plasma,
Forming a metal layer on the surface of the substrate after being exposed to the nitrogen plasma.
前記基板のポリイミド樹脂表面上に積層され、ピール強度がJIS規格番号C5012に定める方法による測定で800g/cm以上を示す銅層と、
を有する樹脂金属積層構造体。A substrate with a polyimide resin exposed on the surface,
A copper layer laminated on the polyimide resin surface of the substrate and having a peel strength of 800 g / cm or more as measured by a method specified in JIS standard number C5012;
A resin-metal laminated structure having:
前記基板のベンゾシクロブテン系樹脂表面上に積層され、ピール強度がJIS規格番号C5012に定める方法による測定で500g/cm以上を示す銅層と、
を有する樹脂金属積層構造体。A substrate with a benzocyclobutene-based resin exposed on the surface,
A copper layer laminated on the benzocyclobutene-based resin surface of the substrate and having a peel strength of 500 g / cm or more as measured by a method specified in JIS standard number C5012;
A resin-metal laminated structure having:
前記基板の表面上に積層され、前記官能基が含む窒素と配位結合を形成する銅を含む銅層と、
を有する樹脂金属積層構造体。A substrate on which a resin is exposed on the surface and a functional group containing nitrogen is present on the surface,
A copper layer containing copper which is stacked on the surface of the substrate and forms a coordination bond with nitrogen contained in the functional group,
A resin-metal laminated structure having:
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