JP2004161964A - 低吸水性ポリエーテルポリアミドエラストマー - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド単位をハードセグメントとし、ポリエーテル単位をソフトセグメントとするポリエーテルポリアミドエラストマーに関する。さらに詳しくは、本発明は、吸水性が低く、かつ強靭性、溶融成形性、低温柔軟性、低温耐衝撃性、伸長回復性、耐屈曲疲労性、反ぱつ弾性、消音特性及び透明性などに優れたポリエーテルポリアミドエラストマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1と特許文献2には、ポリアミド単位、ポリエチレンオキシド単位、そしてジカルボン酸単位からなるポリエーテルポリアミドエラストマーが開示されている。
【0003】
特許文献3には、ポリアミド単位、ポリブチレンオキシド単位、そしてジカルボン酸単位からなるポリエーテルポリアミドエラストマーが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−118750号公報
【特許文献2】
特開2000−7780号公報
【特許文献3】
特許第3199797号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の研究によると、ポリアミド単位、ポリエチレンオキシド単位、そしてジカルボン酸単位からなるポリエーテルポリアミドエラストマーは、吸水性が高いため、屋外や厳しい気候条件下で用いる成形体(例、スポーツシューズ等の靴の靴底、マット)としての使用には不適当であり、一方、ポリアミド単位、ポリブチレンオキシド単位、そしてジカルボン酸単位からなるポリエーテルポリアミドエラストマーは、吸水性は充分低いが、応力緩和や伸張回復率などの物性が不充分になりやすく、またポリウレタンシートなどの樹脂シートとの接着性が充分高いとは言い難いことが判明した。
【0006】
従って、本発明の主な課題は、吸水性が充分に低く、かつ応力緩和や伸張回復率などの各種物性に優れたポリエーテルポリアミドエラストマーを提供することにある。本発明はさらに、ポリウレタンシートなどの樹脂シートとの接着性が充分高く、そりの少ない積層体を製造するために有用なポリエーテルポリアミドエラストマーを提供することにもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(A1)で表わされるアミノカルボン酸化合物及び/又は下記式(A2)で表わされるラクタム化合物、下記式(B)で表わされるトリブロックポリエーテルジアミン化合物、そして下記式(C)で表わされるジカルボン酸化合物を重合して得られるポリエーテルポリアミドエラストマーにある。
【0008】
【化5】
(A1)
H2N−R1−COOH
【0009】
[但し、R1は、炭化水素鎖を含む連結基を表わす]
【0010】
【化6】
【0011】
[但し、R2は、炭化水素鎖を含む連結基を表わす]
【0012】
【化7】
【0013】
[但し、xは1〜20の数値、yは4〜50の数値、そしてzは1〜20の数値を表わす]
【0014】
【化8】
(C)
HOOC−(R3)m−COOH
【0015】
[但し、R3は、炭化水素鎖を含む連結基を表わし、mは0または1である]。
【0016】
本発明の好ましい態様を次に挙げる。
1:(A1)の化合物、(A2)の化合物、(B)の化合物及び(C)の化合物の総量に対して、アミノカルボン酸化合物及び/又はラクタム化合物が10乃至95質量%の量にて用いられる。
2:(A1)の化合物及び/又は(A2)の化合物が15乃至70質量%、そして(B)の化合物と(C)の化合物との合計量が30〜85質量%の量にて用いられる。
3:式(A1)のR1が炭素原子数2〜20のアルキレン基を含む。
4:式(A2)のR2が炭素原子数3〜20のアルキレン基を含む。
【0017】
5:式(B)のxが2〜6の数値、yは6〜12の数値、そしてzは1〜5の数値を表わす。
6:式(B)のxが2〜10の数値、yは13〜28の数値、そしてzは1〜9の数値を表わす。
7:式(C)のジカルボン酸化合物が脂肪族ジカルボン酸もしくは脂環族ジカルボン酸である。
8:式(C)のmが1であって、R3が炭素原子数1〜20のアルキレン基を表わす。
【0018】
9:上記の本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーのシートとポリウレタンシートとが接合してなる複合体。
10:ポリウレタンが熱可塑性ポリウレタンである上記の複合体。
11:熱可塑性ポリウレタンがソフトセグメントとしてポリエステルジオール及び/又はポリエーテルジオール単位を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、ポリアミド形成性モノマー[即ち、アミノカルボン酸化合物(A1)及び/又はラクタム化合物(A2)、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)(Yはポリオキシブチレンである)、及びジカルボン酸(C)を重合して得られるポリエーテルポリアミドエラストマーである。
【0020】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーにおいて、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン、及びジカルボン酸に含まれる末端のカルボン酸又はカルボキシル基と、末端のアミノ基とがほぼ等モルになるような割合が好ましい。
【0021】
特に、ポリアミド形成性モノマーの一方の末端がアミノ基で、他方の末端がカルボン酸又はカルボキシル基の場合、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸は、ポリエーテルジアミンのアミノ基とジカルボン酸のカルボキシル基がほぼ等モルになるような割合とするのが好ましい。
【0022】
次に、アミノカルボン酸化合物(A1)及びラクタム化合物(A2)について説明する。
【0023】
アミノカルボン酸化合物(A1)において、R1は炭素数2〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子2〜20を有するアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖または炭素原子3〜18を有するアルキレン基であり、より好ましくは炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖または炭素原子4〜15を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子10〜15を有するアルキレン基を示す。
【0024】
ラクタム化合物(A2)において、R2は炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜20を有するアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜18を有するアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜15を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子10〜15を有するアルキレン基を示す。
【0025】
アミノカルボン酸化合物(A1)及びラクタム化合物(A2)としては、ポリアミド形成性モノマーとしては、ω−アミノカルボン酸、ラクタム、或いはジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種の脂肪族、脂環族及び/又は芳香族を含むポリアミド形成性モノマーが使用される。
【0026】
ジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及びそれらの塩において、ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミン、またはこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種のジアミン化合物などを挙げることが出き、ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸化合物などを挙げることが出来る。
【0027】
特に、ジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及び/又はそれらの塩において、脂肪族ジアミン化合物と脂肪族ジカルボン酸化合物の組合せを使用することにより、低比重で、引張り伸びが大きく、耐衝撃性に優れ、溶融成形性が良好なポリエーテルポリアミドエラストマーを得ることが出来る。
【0028】
ジアミンとジカルボン酸とのモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は、0.9〜1.1の範囲が好ましく、さらに0.93〜1.07の範囲が好ましく、0.95〜1.05の範囲がより好ましく、そして0.97〜1.03の範囲が特に好ましい。この範囲から外れると高分子量化しにくくなる場合がある。
【0029】
ジアミンとジカルボン酸とから合成されるもの及びそれらの塩において、ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物を挙げることができる。
【0030】
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸のような炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸化合物を挙げることが出来る。
【0031】
ラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムなどを挙げることが出来る。
【0032】
ω−アミノカルボン酸の具体例としては、6-アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸などを挙げることが出来る。
【0033】
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)は、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどの両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニアなどを反応させることによって製造されるポリエーテルジアミンなどを用いることが出来る。
【0034】
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)の具体例としては、米国HUNTSMAN社製XTJ−533(一般式(B)において、xがおよそ12、yがおよそ11、zがおよそ11)、XTJ−536(一般式(B)において、xがおよそ8.5、yがおよそ17、zがおよそ7.5)、そしてXTJ−542(一般式(1)において、xがおよそ3、yがおよそ9、zがおよそ2)などを用いることができる。
【0035】
また、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)として、XYX−1(一般式(B)において、xがおよそ3、yがおよそ14、zがおよそ2)、XYX−2(一般式(B)において、xがおよそ5、yがおよそ14、zがおよそ4)、そしてXYX−3(一般式(B)において、xがおよそ3、yがおよそ19、zがおよそ2)なども用いることができる。
【0036】
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)において、x及びzは1〜20、好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜16、より好ましくは1〜14、特に好ましいのは1〜12であり、yは4〜50、好ましくは5〜45、さらに好ましくは6〜40、より好ましくは7〜35、特に好ましいのは8〜30である。
【0037】
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(B)において、x及びzがそれぞれ上記の範囲より小さい場合には、得られるエラストマーの透明性が劣るため好ましくなく、yが上記範囲より小さい場合には、ゴム弾性が低くなるので好ましくない。また、x及びzが上記範囲より大きい場合又は、yが上記範囲より大きい場合ポリアミド成分との相溶性が低くなり強靭なエラストマーが得られにくいため好ましくない。
【0038】
ジカルボン酸化合物(C)において、R3は炭素数0〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子1〜20を有するアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子を1〜15を有するアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜12の炭化水素の分子鎖又は炭素原子2〜12を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜10を有するアルキレン基を示すものである。mは0又は1を示す。
【0039】
ジカルボン酸化合物(C)としては、脂肪族、脂環族及び芳香族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸又はこれらの誘導体を用いることが出来る。
【0040】
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜25の直鎖脂肪族ジカルボン酸、又は、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、および、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることが出来る。ダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」などを用いることが出来る。
【0041】
ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合は、好ましくは10〜95重量%、さらに好ましくは15〜90重量%、より好ましくは15〜85重量%、特に好ましくは15〜80重量%が好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が、上記範囲より少ない場合、ポリアミド成分の結晶性が低くなる場合があり、強度、弾性率などの機械的物性が低下するので好ましくない場合がある。ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が上記範囲より大きい場合、ゴム弾性や柔軟性などのエラストマーとしての機能、性能が発現しにくくなるために好ましくない場合がある。
【0042】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーにおいて、ポリエーテルポリアミドエラストマーの硬度(ショアD)が15〜70の範囲であって、伸長回復率(%)と硬度(ショアD)とは下記式の関係にあることが好ましい。伸長回復率(%)と硬度(ショアD)とが下記式の関係を示すことにより、反ぱつ弾性や耐屈曲性などのゴム弾性に基づくエラストマーとしての特徴的な性能が特に優れたものとなる。
【0043】
【数1】
Y>(−0.0042X2+0.175X+Z)
【0044】
上記の式において、Xは硬度(ショアD)を表わし、Yは伸長回復率(%)を表わす。Zは91.5、さらに好ましくは92、より好ましくは92.5、特に好ましくは93が好ましい。
【0045】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの硬度(ショアD)は、好ましくは15〜70の範囲、さらに好ましくは18〜70の範囲、より好ましくは20〜70の範囲、特に好ましいのは25〜70の範囲のものである。
【0046】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの応力緩和(t0.9)は、好ましくは2秒以上、さらに好ましくは2.2秒以上、より好ましくは2.5秒以上、特に好ましくは2.8秒以上であることが好ましい。応力緩和が上記範囲であると特にゴム弾性に優れたエラストマーが得られる。
【0047】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの伸長回復率は、好ましくは86〜100%の範囲、さらに好ましくは87〜100%の範囲、特に好ましくは88〜100%の範囲が好ましい。伸長回復率が上記範囲であることにより、特に回復弾性、反ぱつ弾性に優れたエラストマーが得られる。
【0048】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの弾性率は、好ましくは20〜450MPa、さらに好ましくは20〜400MPa、より好ましくは20〜350MPa、特に好ましくは20〜300MPaが好ましい。弾性率が上記範囲であることにより、特に強靭性とゴム弾性に優れるエラストマーが得られる。
【0049】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの降伏点強度は、好ましくは3〜25MPaの範囲、さらに好ましくは3〜22MPaの範囲、より好ましくは3〜20MPaの範囲、特に好ましくは3〜18MPaの範囲が好ましい。降伏点強度が上記範囲であることにより、特に強靭性とゴム弾性に優れるエラストマーが得られる。
【0050】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの破断伸びは、300%以上が好ましく、特に600%以上が好ましい。この範囲よりも少ないと、強靭性、ゴム弾性などのエラストマーとしての性能が発現しにくくなるために好ましくない場合がある。
【0051】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーのヘイズは、好ましくは35以下、さらに好ましくは34以下、より好ましくは32以下、特に好ましくは30以下が好ましい。ヘイズが上記よりも低いことによって透明性に優れるエラストマーが得られる。
【0052】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの吸水率(%)は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.7%以下、特に好ましくは2.5%以下が好ましい。
【0053】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、デマチャ法による屈曲試験におけるき裂発生屈曲回数が好ましくは50,000回以上、さらに好ましくは100,000回以上、より好ましくは110,000回以上、特に好ましくは120,000回以上が好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーのき裂発生屈曲回数が上記範囲では、耐屈曲疲労性に優れるために好ましい。
【0054】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、硬度(ショアD)が好ましくは20〜65の範囲、特に好ましくは30〜60の範囲が好ましい。
【0055】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、その曲げ強さが、好ましくは0.8〜15MPa、さらに好ましくは1〜13MPa、より好ましくは1.1〜10MPa、特に好ましくは1.2〜9MPaが好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さが、上記範囲内では、曲げ強さなどの強靭性とゴム弾性とのバランスの優れるエラストマーが得られるために好ましい。
【0056】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、曲げ弾性率が好ましくは18〜350MPa、より好ましくは20〜300MPa、さらに好ましくは22〜250MPa、特に好ましくは25〜180MPaが好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ弾性率が、上記範囲内では、曲げ強さなどの強靭性とゴム弾性とのバランスの優れるエラストマーが得られるために好ましい。
【0057】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、23℃におけるアイゾットノッチ付き衝撃強さの測定において破壊しないこと(NBと略す)が、特に耐衝撃性に優れるために好ましい。
【0058】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、荷重たわみ温度が50℃以上が好ましい。上記範囲未満であると使用時に材料が変形しやすくなるために好ましくない。
【0059】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法として、一例を挙げると、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることが出来、さらにポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることが出来る。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸の二成分を先に重合させ、ついで、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンを重合させる方法も利用できる。
【0060】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に当たり、原料の仕込む方法に特に制限はないが、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の仕込み割合は、全成分に対してポリアミド形成性モノマーが好ましくは10〜95重量%、特に好ましくは15〜90重量%の範囲、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンが好ましくは3〜88重量%、特に好ましくは8〜79重量%の範囲である。原料のうち、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンとジカルボン酸は、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンのアミノ基とジカルボン酸のカルボキシル基がほぼ等モルになるように仕込むことが好ましい。
【0061】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造は、重合温度が好ましくは150〜300℃、さらに好ましくは160〜280℃、特に好ましくは180〜250℃で行うことが出来る。重合温度が上記温度より低い場合重合反応が遅く、上記温度より大きい場合熱分解が起きやすく良好な物性のポリマーが得られない場合がある。
【0062】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、ポリアミド形成性モノマーとしてω−アミノカルボン酸を使用する場合、常圧溶融重合又は常圧溶融重合とそれに続く減圧溶融重合での工程からなる方法で製造することができる。
【0063】
一方、ポリアミド形成性モノマーとしてラクタム、又はジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及び/又はそれらの塩を用いる場合には、適量の水を共存させ、0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。
【0064】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、重合時間が通常0.5〜30時間で製造することが出来る。重合時間が上記範囲より短いと、分子量の上昇が十分でなく、長いと熱分解による着色などが起こり、いずれの場合も所望の物性を有するポリエーテルポリアミドエラストマーが得られない場合がある。
【0065】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造は、回分式でも、連続式でも実施することができ、またバッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置などを単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。
【0066】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、相対粘度(ηr)が1.2〜3.5(0.5重量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲にあることが好ましい。
【0067】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造において、必要に応じて分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定のために、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのモノアミン及びジアミン、酢酸、安息香酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのモノカルボン酸、或はジカルボン酸などを添加することができる。これらの使用量は、最終的に得られるエラストマーの相対粘度が1.2〜3.5(0.5重量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲になるように適宜添加することが好ましい。
【0068】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造において、上記のモノアミン及びジアミン、モノカルボン酸及びジカルボン酸などの添加量は、得られるポリエーテルポリアミドエラストマーの特性を阻害されない範囲とするのが好ましい。
【0069】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの製造において、必要に応じて触媒として、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などを、また触媒と耐熱剤の両方の効果をねらって亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物を添加することができる。添加量は、通常、仕込み原料に対して50〜3000ppmである。
【0070】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、その特性が阻害されない範囲で、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、香料、難燃剤、補強材などを添加することができる。
【0071】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、吸水性が低く、溶融成形性に優れ、成形加工性に優れ、強靭性に優れ、耐屈曲疲労性に優れ、反ぱつ弾性に優れ、低比重性、低温柔軟性に優れ、低温耐衝撃性に優れ、伸長回復性に優れ、消音特性に優れ、ゴム的な性質及び透明性などに優れている。
【0072】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形などの公知の成形方法により、成形物を得ることが出来る。
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの射出成形品としては、強靭性、耐屈曲疲労性、反ぱつ弾性、低比重の材料が好ましい野球、サッカー、陸上競技などの分野におけるシューズソール材があげられ、その他の射出成形品としては、機械・電気精密機器のギア、コネクタ、シール、自動車用モール、シール材などを挙げることが出来る。
【0073】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーの押出成形品としては、チューブ、ホース、異形材、シート、フィルム、モノフィラメントなどを挙げることが出来る。
【0074】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーのブロー成形品としては、自動車用ミラーブーツ、等速ジョイントブーツなどを挙げることが出来る。
【0075】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーを除くポリアミド、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂との相溶性が良く、これらの熱可塑性樹脂とブレンドすることにより、これらの樹脂の成形性、耐衝撃性、弾性及び柔軟性などを改良することができる。
【0076】
本発明のポリエーテルポリアミドエラストマーは、スポーツシューズソール、スキーブーツなどに使用可能なポリアミド系エラストマーと熱可塑性ポリウレタンとの積層体の形成に有利に用いることができる。特に、本発明は、熱可塑性ポリウレタンとの接着性に優れるポリアミド系エラストマーと熱可塑性ポリウレタンとを直接積層する積層体の提供に有利である。
【0077】
ポリエーテルアミドの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が、前記範囲内では特に、X層とY層との接着強度に優れ、強度,弾性率,柔軟性などのエラストマーとしての機械的特性に優れるために好ましい。ポリエーテルアミドの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が、前記範囲より少ない場合、X層とY層との接着強度が低くなる場合、強度、弾性率などの機械的物性が低下する場合があり好ましくない場合がある。ポリエーテルアミドの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が、前記範囲より大きい場合、ゴム弾性や柔軟性などのエラストマーとしての機能、性能が発現しにくくなるために好ましくない場合がある。X層とY層との接着強度には、ポリエーテルアミドのアミド結合とポリウレタンのウレタン結合との間の分子間水素結合が影響していると推察できる。
【0078】
X層及び/又はY層は、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形などの成形方法により、成形物を得ることが出来る。
【0079】
積層体は、▲1▼X層及びY層を含む各層を同時に成形する方法、▲2▼各層を成形して貼り合わせる方法、▲3▼層の上にさらに層を成形しながら積層する方法(タンデム法)などにより、又はこれらを組み合わせて得ることが出来る。
【0080】
Y層において、ポリウレタンは、ポリオール及びジイソシアネートを反応させて得られたポリウレタン、鎖伸長剤及びジイソシアネートを反応させて得られたポリウレタン、ポリオール、ジイソシアネート及び鎖伸長剤を反応させて得られたポリウレタンなどを用いることが出来る。特にポリウレタンとしては、熱可塑性ポリウレタンを用いることが好ましい。
【0081】
Y層において、ポリウレタンは、ポリエステルジオール及び/又はポリエーテルジオールをソフトセグメントとする熱可塑性ポリウレタンを好ましく用いることができる。
【0082】
ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等及びポリエーテルポリオールなどが用いられる。縮合系ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とジオールの1種又は2種以上用いることにより得られるポリエステルジオールが好ましく用いられる。
【0083】
ジカルボン酸としてはグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、またはこれらの低級アルキルエステルを挙げることができ、これらを1種または2種以上用いることができる。これらのなかでもアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はこれらの低級アルキルエステルが好ましい。
【0084】
ジオールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールを挙げることができ、これらを1種または2種以上用いることができる。これらのなかでも、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの脂肪族ジオールを用いるのが好ましい。
【0085】
ラクトン系ポリエステルポリオールとしては、β−プロピオラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン等のラクトン化合物を、短鎖のポリオール等のヒドロキシ化合物と共に反応させたものなどが挙げられる。
【0086】
ポリカーボネートジオールとしては、例えば、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られる。ポリカーボネートジオールの製造原料である低分子ジオールとしては、ポリエステルジオールの製造原料として先に例示した低分子ジオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0087】
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリンベースポリアルキレンエーテルグリコール等が挙げられる。上記のほか、公知の各種のポリウレタン用ポリオールを使用することもできる。
【0088】
ポリウレタンに使用するポリイソシアネートの種類は特に制限されず、従来よりポリウレタン、好ましくは熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられているポリイソシアネートのいずれもが使用できる。
【0089】
ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどをが用いることができ、これらのポリイソシアネートの1種または2種以上を用いることができる。それらのうちでも4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0090】
ポリウレタンの製造に用いられる鎖伸長剤の種類は特に制限されず、通常のポリウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。
【0091】
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジオール類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも炭素数2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好ましく、1,4−ブタンジオールを用いるのがより好ましい。
【0092】
鎖延長剤としては、多価アルコール、多価アミンなどを用いることが出来る。市販されている具体的な商品名としては、「パンデックス」(大日本インキ化学工業社製)、「クラミロン」(クラレ社製)、「ミラクトラン」(日本ミラクトラン社製)などが挙げられる。
【0093】
熱可塑性ポリウレタン(TPUなど)としては、BASFジャパン製の商品名「エラストランET195」、「エラストランET690」、「エラストランET890」、大日本インキ化学工業製商品名「パンデックスT−8190U」などを用いることができる。
【0094】
X層は、特性を損なわない範囲で、ポリエーテルアミドを除く他のポリアミド、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂との相溶性が良く、これらの熱可塑性樹脂とブレンドして用いることが出来る。X層は、好ましくはポリエーテルアミドを70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上含まれることが好ましい。Y層は、特性を損なわない範囲で、ポリウレタンを除く他の熱可塑性ポリマー、柔軟性を有する熱可塑性ポリマー、エラストマー、ゴムなどとブレンドして用いることが出来る。
【0095】
本発明の積層体の積層構成の例としては、X層/Y層、X層/Y層/X層、Y層/X層/Y層、X層/Y層/基材層、基材層/X層/Y層、X層/Y層/X層/基材層、Y層/X層/Y層/基材層、Y層/X層/接着層/基材層、X層/Y層/接着層/基材層、基材層/接着層/X層/Y層/X層/接着層/基材層、基材層/接着層/Y層/X層/Y層/接着層/基材層などを挙げることが出来る。基材層は、X層及びY層のポリマーを除く、他のポリマー材料から得られるフィルム、シート、膜及び成形物など;天然・合成繊維、ガラス・金属・セラミックなどを原料とする無機繊維から得られる織物、編物、組み物及び不織物など;ガラス、金属、セラミック、塗膜、紙など;皮革などを用いることが出来る。
接着層は、公知の各種接着成分、接着性を有するシートやフィルムなどを用いることが出来、本発明の特性を損なわないものを用いることが好ましい。
【0096】
本発明の積層体は、射出成形による二色成形品として、シューズソール材、スキーブーツなどの靴材、自動車部品などの用いることが出来、押出成形品としてはフィルム積層体を用いたスキー板のほかホース、チューブ、ベルトなどに用いることが出来る。
【0097】
本発明の積層体のX層とY層との剥離強さは、好ましくは10.9kg・cm以上、さらに好ましくは11kg・cm以上であることが好ましい。本発明の積層体において、Y層としてソフトセグメントがポリエーテルジオールのポリウレタンの場合、本発明の積層体のX層とY層との剥離強さは、好ましくは10.9kg・cm以上、さらに好ましくは11kg・cm以上、特に好ましくは11.3kg・cm以上であることが好ましい。本発明の積層体において、Y層としてソフトセグメントがポリエステルジオールのポリウレタンの場合、本発明の積層体のX層とY層との剥離強さは、好ましくは10kg・cm以上、さらに好ましくは10.4kg・cm以上、より好ましくは10.9kg・cm以上、特に好ましくは11kg・cm以上であることが好ましい。
【0098】
本発明の積層体のソリは、好ましくは2.6mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下、特に好ましくは2.4mm以下であることが好ましい。
【0099】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
特性値は次のようにして測定した。
【0100】
1)相対粘度(ηr)(0.5重量/容量%メタクレゾール溶液、25℃):
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
【0101】
2)末端カルボキシル基濃度([COOH]):
重合物約1gに40mLのベンジルアルコールを加え、窒素ガス雰囲気で加熱溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した。
【0102】
3)末端アミノ基濃度([NH2]):
重合物約1gを40mLのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定した。
【0103】
4)数平均分子量(Mn):
数平均分子量(Mn)は、末端カルボキシル基濃度([COOH])及び末端アミノ基濃度([NH2])を用い、下記式により求めた。
【数2】
【0104】
5)融点(Tm)及び結晶化温度(Tc):
Tm及びTcは(株)島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用いて窒素雰囲気下で測定した。室温から230℃まで10℃/minの速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、230℃で10分保持したのち、−100℃まで10℃/minの速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に230℃まで10℃/minの速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
【0105】
6)組成:
重トリフロロ酢酸を溶媒として、4重量%の濃度で、日本電子(株)製JNM−EX400WB型FT−NMRを用いて、室温で測定したプロトンNMRスペクトルから各成分の組成を求めた。
【0106】
7)応力緩和:
厚さ約100μmのフィルムからJIS3号ダンベルを用いて切り出した試料を引張試験機のチャックに、チャック間距離50mmで挟み、500mm/分の速度で延伸し、試料中央部直線部分の2%に想到する0.4mmを延伸したところで止めて、その状態を保ったまま、その応力の変化を測定した。2%延伸時の初期応力(σ0)とt時間後の応力(σt)との比(σt/σ0)が、0.9になる時間(t0.9)を測定した。t0.9が大きくなるほど緩和しにくく、ゴム弾性が優れる。測定は、温度23℃で行った。
【0107】
8)伸長回復率:
厚さ約100μmのフィルムからJIS3号ダンベルを用いて切り出した試料を引張試験機のチャックにチャック間距離50mmで挟み、100mm/minの速度で延伸し、試料中央部直線部分の20%に当たる4mmを延伸したところで直ちに同じ速度で元に戻し、応力が0になった時のチャック間距離r(mm)を測定し、下記式により伸長回復率を求めた。伸長回復率が大きいほどゴム弾性に優れる。測定は、温度23℃で行った。
【0108】
【数3】
【0109】
9)フィルム引張物性:
厚さ約100μmのフィルムから切り出した長さ100mm、幅10mmの短冊を試料とし、チャック間距離50mm、引張速度500mm/分で破断まで引張り試験を行い、弾性率、降伏点強度及び破断伸びを測定した。測定は、温度23℃で行った。
【0110】
10)機械的物性:以下に示す(1)〜(4)の測定は、下記の試験片を射出成形により成形し、これを用いて行った。
(1)引張り試験(引張り降伏点強さ及び引張り伸び):ASTM D638に記載のTypeIの試験片をASTM D638準拠して測定した。
(2)曲げ試験(曲げ強さ及び曲げ弾性率):試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠して測定した。
(3)衝撃強度(アイゾットノッチ付):試験片寸法12.7mm×12.7mm×63.5mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
(4)荷重たわみ温度:試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重0.45MPaで測定した。
【0111】
11)耐屈曲疲労性:
射出成形により成形した厚さ3mmのシートを25mm×150mmの短冊状に切り出し、これを試験片とし、JIS K6260を参考に、つかみ間最大距離75mm、最小距離19mm、屈曲回数300回/分の条件でデマチャ法による屈曲試験を行った。試料は試験片中央に屈曲方向と垂直に長さ2mmのき裂を入れたものと入れていないものの2種類を準備する。き裂を入れた試料は10000回屈曲時のき裂長さを、き裂を入れていない試料はき裂が発生する最低の屈曲回数をそれぞれ測定し、耐屈曲疲労性を評価した。試験は3回行って平均を取った。
【0112】
12)反ぱつ弾性:
射出成形により成形した100mm×100×厚さ6mmの板から直径29mmの円形の板を切り出し、これを2枚重ねたものを試験片とし、JIS K6301に準拠して測定した。試験は4回行って平均を取った。
【0113】
13)硬度:
ASTM・D2240に準拠してショアDを測定した。射出成形により成形した厚さ6mmのシートを用いて測定した。測定は、温度23℃で行った。
【0114】
14)ヘイズ(曇り度):
射出成形により成形した70mm×70mm×厚さ1mmのシートを用いて、JIS・K7105に準拠し、スガ試験機(株)製直読式ヘイズコンピュータHGM−2DPを用いて測定した。
【0115】
15)黄変度(YI)、グロス(光沢度):
射出成形により成形した70mm×70mm×厚さ1mmのシートを用いて、スガ試験機(株)製SMカラーコンピュータSM−5−1S−2Bを用いて測定した。
【0116】
16)吸水率:
圧縮成形又は射出成形により成形した50mm×50mm×厚さ3mmのシートを用いて、このシートを23℃のイオン交換水に浸漬し、24時間後の重量増加率を測定し吸水率とした。
【0117】
17)剥離強さ:
ポリウレタンを樹脂温度210℃、金型温度40℃の条件で射出成形法により寸法:80mm×80mm×厚さ1mmに成形する(Y層)。金型内の成形物(Y層)の下方を寸法:80mm×25mm×厚さ15μmのアルミ箔で覆い、これに対してポリアミドを樹脂温度240℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、ポリアミドとポリウレタンとが直接積層する積層体を作成する。この積層体から剥離強さ測定用試料を作成するために、アルミ箔の長手方向に垂直にシートを10mm幅でカットし、80mm×10mm×厚さ2mmの短冊を得る。この短冊からアルミ箔をはがし、剥離強さ測定用試験片とする。接着部及び剥離試験時の試験機チャックつかみ部の寸法はそれぞれ55mm×10mm及び25mm×10mmである。
剥離強さはT剥離試験により測定する。装置はオリエンテック社製テンシロン2500を用い、測定はチャック間距離5mm、引張速度20mm/分で行う。剥離強さは1試料5回測定を行い、その平均を取る。
【0118】
18)ソリ:
80mm×80mm×厚さ2mmのポリエーテルアミドと熱可塑性ポリウレタンとを直接積層の積層体(厚さはポリエーテルアミドが1mm、熱可塑性ポリウレタンが1mm)を熱可塑性ポリウレタン側を下にして水平な金属板上に置き、熱可塑性ポリウレタンと金属板の間の間隔を顕微鏡を用いて測定する。
積層体は、樹脂温度210℃、金型温度40℃の条件で成形した熱可塑性ポリウレタンの上に、樹脂温度240℃、金型温度40℃の条件でポリアミドエラストマーを射出成形法により成形することにより製造する。
【0119】
[実施例1]
攪拌機、窒素ガス導入口、そして縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12:宇部興産(株)製)21.1716g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のXTJ−542、全アミン:1.95meq/g)8.2297g及びアジピン酸(AA)1.1414gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら、190℃で1時間加熱し、次に1時間かけて240℃に昇温させ、さらに240℃で8時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.88、[COOH]=2.65×10-5eq/g、[NH2]=2.53×10-5eq/g、Mn=38600、Tm=165℃、Tc=128℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=72.3/25.5/2.2(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムと厚さ約1mmのシートとを作成した。得られたフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、またシートを用いて、硬度を評価した。結果を表1に示す。
【0120】
[実施例2]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)15.0272g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)13.1944g及びアジピン酸(AA)1.8237gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら、190℃で1時間加熱し、次に1時間かけて238℃に昇温し、さらに238℃で10時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.62、[COOH]=3.66×10-5eq/g、[NH2]=4.14×10-5eq/g、Mn=25600、Tm=151℃、Tc=108℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=50.7/44.2/5.1(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形して、厚さ約100μmのフィルムと厚さ約1mmのシートとを作成した。得られたフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。シートを用いて、硬度を評価した。結果を表1に示す。
【0121】
[実施例3]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸17.500kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)6.564kg、アジピン酸0.936kg及び耐熱剤(酸化防止剤、吉富製薬(株)製トミノックス917)0.125kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを300リットル/分で供給しながら、容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら3.5時間かけて室温から240℃まで昇温し、さらに容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら240℃で2時間重合を行った。次いで、窒素ガスの流速を150リットル/分に下げ、さらに真空ポンプにより容器内圧力を500mmHgとし、240℃で5.5時間重合を行ない、重合体を得た。重合終了後、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約15kgのペレットを得た。
得られたペレットは無色透明で、強靭かつゴム弾性に富む重合体であり、ηr=1.90、[COOH]=3.25×10-5eq/g、[NH2]=3.17×10-5eq/g、Mn=31200、Tm=167℃、Tc=126℃であった。
得られたペレットを用い、コートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機に供給し、200℃で溶融混練して、56℃に制御された冷却ロール上に押し出し、次に47℃のロールで冷却して、厚さ約100μmのフィルムを作成した。さらに、射出成形により70mm×70mm×厚さ1mmのシートを成形した。
上記フィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、シートを用いて、硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0122】
[実施例4]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸12.500kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)10.940kg、アジピン酸1.56kg及び耐熱剤(トミノックス917)0.125kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら、容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら3時間かけて、室温から240℃まで昇温させ、さらに容器内の圧力を0.05MPaに調整しながら240℃にて9.5時間重合を行い、重合体を得た。次に、攪拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約15kgのペレットを得た。
得られたペレットは無色透明強靭であって、ゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=1.74、[COOH]=3.13×10-5eq/g、[NH2]=3.24×10-5eq/g、Mn=31400、Tm=150℃、Tc=108℃であった。
得られたペレットを、コートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機に供給して、190℃で溶融混練して、61℃に制御された冷却ロール上に押出し、次に48℃のロールで冷却して、厚さ約100μmのフィルムを成形した。また、射出成形により70mm×70mm×厚さ1mmのシートを成形した。
上記フィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、シートを用いて、硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0123】
[実施例5]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸10.000kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)13.129kg及びアジピン酸1.871kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら、容器内の圧力は0.05MPaに調整しながら3時間かけて室温から240℃まで昇温し、さらに容器内の圧力は0.05MPaに調整しながら240℃で3時間重合を行った。次いで、窒素ガスの流速を150リットル/分に下げ、さらに真空ポンプによって容器内圧力を500mmHgとし、240℃で5.5時間重合を行い、重合体を得た。次に、攪拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約16kgのペレットを得た。
得られたペレットは微黄色透明強靭であって、ゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=1.65、[COOH]=5.13×10-5eq/g、[NH2]=5.33×10-5eq/g、Mn=19100、Tm=137℃であった。
得られたペレットはコートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機に供給し、170℃で溶融混練して、50℃に制御された冷却ロール上に押出し、次に38℃のロールで冷却して、厚さ約100μmのフィルムを成形した。また、射出成形により70mm×70mm×厚さ1mmのシートを成形した。
上記フィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、シートを用いて硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0124】
[実施例6]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に、12−アミノドデカン酸14.000kg、アジピン酸0.879kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)6.121kg、次亜リン酸ナトリウム5.1g及び耐熱剤(トミノックス917)50.0gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら、3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6時間重合を行い、重合体を得た。次に、攪拌を停止し重合体取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約13kgのペレットを得た。
得られたペレットは無色透明強靭であって、ゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=2.15、[COOH]=2.63×10-5eq/g、[NH2]=2.54×10-5eq/g、Mn=38700、Tm=165℃、Tc=130℃であった。
得られた重合体をコートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機に供給し、200℃で溶融混練して、56℃に制御された冷却ロール上に押出し、次に47℃のロールで冷却して、厚さ約100μmのフィルムを成形した。また、射出成形により70mm×70mm×厚さ1mmのシートを成形した。
上記フィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、シートを用いて、硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0125】
[実施例7]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸10.000kg、アジピン酸1.248kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)8.752kg、次亜リン酸ナトリウム20.2g及び耐熱剤(トミノックス917)50.0gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら、3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6時間重合を行い、重合体を得た。次に、攪拌を停止しポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体を紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして約13kgのペレットを得た。
得られたペレットは無色透明強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.13、[COOH]=2.33×10-5eq/g、[NH2]=2.24×10-5eq/g、Mn=43800、Tm=150℃、Tc=118℃であった。
得られた重合体をコートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機に供給し、190℃で溶融混練して、61℃に制御された冷却ロール上に押出し、次に48℃のロールで冷却して、厚さ約100μmのフィルムを成形した。また、射出成形により70mm×70mm×厚さ1mmのシートを成形した。
上記フィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、シートを用いて、硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0126】
[比較例1]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)21.1051g、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン(ALDRICH製、平均分子量1100)7.9417g及びアジピン酸(AA)1.0536gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら、190℃で1時間加熱し、1時間かけて240℃に昇温させ、さらに240℃で6時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.91、[COOH]=3.02×10-5eq/g、[NH2]=2.89×10-5eq/g、Mn=33800、Tm=166℃、Tc=131℃であった。
得られた重合物を、230℃、10MPaで圧縮成形し、厚さ約100μmのフィルムと厚さ約1mmのシートとを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、またシートを用いて硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0127】
[比較例2]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)15.0211g、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン(平均分子量1100)13.2405g及びアジピン酸(AA)1.7588gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら。190℃で1時間加熱し、次に1時間かけて240℃に昇温させ、さらに240℃で6時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.81、[COOH]=3.10×10-5eq/g、[NH2]=3.32×10-5eq/g、Mn=31200、Tm=152℃、Tc=111℃であった。
得られた重合物は、230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムと厚さ約1mmのシートを作成した。このフィルムを用いてt0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、このシートを用いて硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0128】
[比較例3]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)12.0381g、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン(平均分子量1100)15.8805g及びアジピン酸(AA)2.1096gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら、190℃で1時間加熱し、次に1時間かけて240℃に昇温させ、さらに240℃で6時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.72、[COOH]=3.46×10-5eq/g、[NH2]=3.81×10-5eq/g、Mn=27500、Tm=140℃、Tc=98℃であった。
得られた重合物を、230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムと厚さ約1mmのシートを作成した。このフィルムを用いてt0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価し、またシートを用いて硬度及びヘーズを評価した。結果を表1に示す。
【0129】
【表1】
【0130】
表1の結果から、全てのエラストマーが測定項目の各種物性と低吸水性とを満足しているのが確認される。そして、応力緩和(t0.9)と伸長回復率については、下記の傾向があることが分る。
1)実施例1、3及び6の本発明のエラストマーは、比較例1のエラストマーと同等の硬度(シェアーDで62あるいは63)を持っているが、本発明のエラストマーは比較例のエラストマーに比べて、応力緩和(t0.9)と伸長回復率が高い。
2)実施例2、4及び7の本発明のエラストマーは、比較例2のエラストマーと同等の硬度(シェアーDで52あるいは53)を持っているが、本発明のエラストマーは比較例のエラストマーに比べて、応力緩和(t0.9)と伸長回復率が高い。
3)実施例5の本発明のエラストマーは、比較例3のエラストマーと同等の硬度(シェアーDで42あるいは43)を持っているが、本発明のエラストマーは比較例のエラストマーに比べて、応力緩和(t0.9)と伸長回復率が高い。
【0131】
[比較例4]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)15.0350g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(BがポリオキシエチレンであるHUNTSMAN社製XTJ−500、全アミン:3.23meq/g、x+z=3.6、y=9)12.1535g及びアジピン酸(AA)2.8685gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら加熱を行った。190℃で1時間加熱し、次に1時間かけて238℃とし、さらに238℃で10時間重合を行い終了した。
得られた重合物は淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.71、[COOH]=3.15×10-5eq/g、[NH2]=3.56×10-5eq/g、Mn=29800、Tm=150℃、Tc=111℃であった。
得られたポリマーは、230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを得た。この重合物の吸水率は107%であった。このポリマーは吸水率が高いために空気中の水分の吸水により材料物性が大きく低下した。
【0132】
[比較例5]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)15.0186g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(BがポリオキシエチレンであるHUNTSMAN社製XTJ−502、全アミン:0.96meq/g、x+z=6.0、y=38.7)14.0131g及びアジピン酸(AA)0.9871gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給しながら加熱を行った。190℃で1時間加熱し、次に1時間かけて230℃とし、さらに230℃で10時間重合を行い終了した。
得られた重合物は淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.56、[COOH]=5.12×10-5eq/g、[NH2]=5.33×10-5eq/g、Mn=19100、Tm=162℃、Tc=126℃であった。
得られたポリマーは、230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを得た。この重合物の吸水率は121%であった。このポリマーは吸水率が高いために空気中の水分の吸水により材料物性が大きく低下した。
【0133】
[実施例8]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に、12−アミノドデカン酸(PA12)17.9997g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(x=3、y=14、z=2、全アミン:1.458meq/g、XYX−1と名付ける)10.8743g、アジピン酸(AA)1.1577g及び次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0423gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて200℃に昇温させ、200℃で1時間重合を行った後、1時間かけて225℃に昇温させ、さらに225℃で8.5時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.33、[COOH]=3.64×10-5eq/g、[NH2]=2.55×10-5eq/g、Mn=32300、Tm=160℃、Tc=126℃であった。ポリマー組成は、PA12/XYX−1/AA=60.3/35.6/3.7(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を測定した。結果を表2に示す。
【0134】
[実施例9]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に、12−アミノドデカン酸(PA12)15.0088g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)13.6870g、アジピン酸(AA)1.4583g及び次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0520gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて200℃に昇温させ、200℃で1時間重合を行った後、1時間かけて225℃に昇温させ、さらに225℃で8.5時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=2.22、[COOH]=3.38×10-5eq/g、[NH2]=2.69×10-5eq/g、Mn=32900、Tm=155℃、Tc=120℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=50.1/45.1/4.8(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を測定した。結果を表2に示す。
【0135】
[実施例10]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に、12−アミノドデカン酸(PA12)12.0090g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)16.2699g、アジピン酸(AA)1.7341g及び次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0878gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて200℃に昇温させ、200℃で1時間重合を行った後、1時間かけて225℃に昇温させ、さらに225℃で9.5時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=2.38、[COOH]=2.89×10-5eq/g、[NH2]=2.01×10-5eq/g、Mn=40800、Tm=147℃、Tc=91℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=39.7/54.8/5.5(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を測定した。結果を表2に示す。
【0136】
[実施例11]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)9.0006g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)18.9808g、アジピン酸(AA)2.0223g及び次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0881gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて200℃に昇温させ、200℃で1時間重合を行なった後、1時間かけて225℃に昇温させ、さらに225℃で12時間重合を行ない、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.36、[COOH]=2.20×10-5eq/g、[NH2]=1.95×10-5eq/g、Mn=48200、Tm=134℃、Tc=57℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=29.4/64.0/6.6(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を測定した。結果を表2に示す。
【0137】
[実施例12]
攪拌機、窒素ガス導入口、そして縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に、12−アミノドデカン酸(PA12)15.0046g、アジピン酸(AA)1.4448gおよび次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0482gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて240℃に昇温させ、4時間重合を行い、両末端にカルボキシル基を有するプレポリマーを合成した。このプレポリマーにXYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)13.5732gを加えて、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、185℃で1時間重合を行い、次に1時間かけて225℃に昇温させ、さらに9.5時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.21、[COOH]=3.59×10-5eq/g、[NH2]=3.16×10-5eq/g、Mn=29600、Tm=155℃、Tc=110℃であった。そのポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=49.3/45.2/5.5(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0138】
[実施例13]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)12.0251g、アジピン酸(AA)1.7371g及び次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0838gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に1時間かけて240℃に昇温させ、4時間重合を行い、両末端にカルボキシル基を有するプレポリマーを合成した。このプレポリマーにXYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)16.3141gを加えて、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、185℃で1時間重合を行い、次に1時間かけて225℃に昇温させ、さらに9.5時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.44、[COOH]=2.52×10-5eq/g、[NH2]=2.79×10-5eq/g、Mn=38300、Tm=144℃、Tc=71℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=39.1/55.1/5.8(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0139】
[実施例14]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)12.0157g、アジピン酸(AA)1.7439gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、180℃で1時間重合を行った。次に1時間かけて240℃に昇温させ、4時間重合を行い、両末端にカルボキシル基を有するプレポリマーを合成した。このプレポリマーにXYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)16.3949g及び次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液0.0493gを加えて、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、185℃で1時間重合を行い、次に1時間かけて225℃に昇温させ、さらに9.5時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.32、[COOH]=2.36×10-5eq/g、[NH2]=2.53×10-5eq/g、Mn=40900、Tm=146℃、Tc=90℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=39.3/54.9/5.8(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0140】
[実施例15]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)14.9972g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(x=5、y=14、z=4、全アミン:1.222meq/g、XYX−2と略す)13.9732g、アジピン酸(AA)1.2480g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0467gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で12時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.05、[COOH]=3.06×10-5eq/g、[NH2]=3.31×10-5eq/g、Mn=31400、Tm=159℃、Tc=126℃であった。そのポリマー組成はPA12/XYX−2/AA=49.3/46.5/4.2(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0141】
[実施例16]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に、12−アミノドデカン酸(PA12)12.0058g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−2)16.6445g、アジピン酸(AA)1.4867g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0440gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で15時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.84、[COOH]=2.49×10-5eq/g、[NH2]=3.71×10-5eq/g、Mn=32300、Tm=153℃、Tc=118℃であった。そのポリマー組成はPA12/XYX−2/AA=39.1/65.8/4.9(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0142】
[実施例17]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)8.9971g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−2)19.4173g、アジピン酸(AA)1.7338g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0840gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で13時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.85、[COOH]=2.47×10-5eq/g、[NH2]=3.27×10-5eq/g、Mn=34800、Tm=144℃、Tc=101℃であった。そのポリマー組成はPA12/XYX−2/AA=29.4/62.5/8.1(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0143】
[実施例18]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)6.0047g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−2)22.1446g、アジピン酸(AA)1.9744g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0952gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で15時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.77、[COOH]=2.18×10-5eq/g、[NH2]=3.71×10-5eq/g、Mn=34000、Tm=128℃、Tc=72℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−2/AA=19.3/74.1/6.6(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0144】
[実施例19]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)15.0020g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(x=3、y=19、z=2、全アミン:1.105meq/g、XYX−3と略す)13.8792g、アジピン酸(AA)1.1220g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0439gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で12時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.87、[COOH]=5.44×10-5eq/g、[NH2]=4.13×10-5eq/g、Mn=20900、Tm=161℃、Tc=122℃であった。そのポリマー組成はPA12/XYX−3/AA=50.4/46.3/3.3(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0145】
[実施例20]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に、12−アミノドデカン酸(PA12)12.0007g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−3)16.6546g、アジピン酸(AA)1.3451g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0435gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で12時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.90、[COOH]=5.04×10-5eq/g、[NH2]=3.74×10-5eq/g、Mn=22800、Tm=156℃、Tc=116℃であった。そのポリマー組成はPA12/XYX−3/AA=39.2/55.9/4.9(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0146】
[実施例14]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)9.0021g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−3)19.4309g、アジピン酸(AA)1.5702g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0878gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で12時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=2.11、[COOH]=3.82×10-5eq/g、[NH2]=2.73×10-5eq/g、Mn=30500、Tm=146℃、Tc=93℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−3/AA=30.4/64.4/5.2(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0147】
[実施例22]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)6.0003g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−3)22.2072g、アジピン酸(AA)1.7943g及び次亜リン酸ナトリウムの35.25重量%水溶液0.0856gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で12時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は白色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.74、[COOH]=5.66×10-5eq/g、[NH2]=4.14×10-5eq/g、Mn=20500、Tm=133℃、Tc=72℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−3/AA=19.6/74.1/6.3(重量%)であった。
得られた重合物を、温度230℃、10MPaで圧縮成形を行い、厚さ約100μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、t0.9、伸長回復率及び引張り物性を評価した。結果を表2に示す。
【0148】
【表2】
【0149】
[実施例23]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)1000.05g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)1355.70g、アジピン酸(AA)144.44g、次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液7.07g及び酸化防止剤(トミノックス917)6.25gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で14時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約2.17kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.06、[COOH]=2.83×10-5eq/g、[NH2]=2.16×10-5eq/g、Mn=40000、Tm=149℃、Tc=93℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=39.1/55.0/5.9(重量%)であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定試料を得た。得られた試料を用いて、硬度、反ぱつ弾性及びYIを測定した。結果を表3に示す。
【0150】
[実施例24]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)800.00g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−2)1099.50g、アジピン酸(AA)100.49g、次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液5.65g及び酸化防止剤(吉富製薬製、商品名:トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で12時間重合を行った。次に攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.74kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであって、ηr=2.02、[COOH]=3.90×10-5eq/g、[NH2]=1.25×10-5eq/g、Mn=38800、Tm=154℃、Tc=103℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−2/AA=40.1/54.8/5.1(重量%)であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定用試料を得た。得られた試料を用いて、硬度、反ぱつ弾性及びYIを測定した。結果を表3に示す。
【0151】
[実施例25]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)1000.00g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−3)1387.91g、アジピン酸(AA)112.08g、次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液7.04g及び酸化防止剤(トミノックス917)6.26gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度100rpmで行った。3時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で13時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約2.16kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=19.8、[COOH]=2.48×10-5eq/g、[NH2]=1.98×10-5eq/g、Mn=44800、Tm=155℃、Tc=99℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−3/AA=39.1/56.3/4.6(重量%)であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定試料を得て、各種の測定を行った。結果を表3に示す。
【0152】
[実施例26]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)12.00kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)7.22kg及びアジピン酸(AA)0.78kg、次亜リン酸ナトリウム(太平化学産業製、商品名:次亜リン酸ナトリウムG−3A)0.01kg及び酸化防止剤(吉富製薬製、商品名:トミノックス917)0.05kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/時間で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度20rpmで行った。3時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で6時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は約0.05MPaに調整した。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約14kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.25、[COOH]=3.47×10-5eq/g、[NH2]=2.01×10-5eq/g、Mn=36500、Tm=160℃、Tc=106℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=60.2/35.9/3.9(重量%)であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定試料を得て、各種の測定を行った。結果を表3に示す。
【0153】
[実施例27]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)11.20kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)7.95kg及びアジピン酸(AA、旭化成工業製)0.85kg、次亜リン酸ナトリウム0.01kg及び酸化防止剤(トミノックス917)0.05kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/時間で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度20rpmで行った。3時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で8.5時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は約0.05MPaに調整した。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約16.5kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであって、ηr=2.20、[COOH]=3.23×10-5eq/g、[NH2]=2.12×10-5eq/g、Mn=37400、Tm=158℃、Tc=101℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=55.8/39.3/4.9(重量%)であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定試料を得て、各種の測定を行った。結果を表3に示す。
【0154】
[実施例28]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)8.00kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XYX−1)10.84kg及びアジピン酸(AA)1.16kg、次亜リン酸ナトリウム0.02kg及び酸化防止剤(トミノックス917)0.05kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/時間で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度20rpmで行った。3時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で8.5時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は約0.05MPaに調整した。次に攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約17kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.04、[COOH]=0.70×10-5eq/g、[NH2]=3.78×10-5eq/g、Mn=44600、Tm=150℃、Tc=94℃であった。ポリマー組成はPA12/XYX−1/AA=40.3/54.3/5.4(重量%)であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定試料を得て、各種の測定を行った。結果を表3に示す。
【0155】
[比較例6]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)10.000kg、ポリオキシプロピレンジアミン(商品名:ジェファーミンD−2000、全アミン:1.06meq/g)7.677kg及び水添ダイマー酸(ユニケマ社製プリポール1009、酸価:196mgKOH/g)2.323kg及びを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/時間で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度20rpmで行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で11時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は約0.05MPaに調整した。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。
得られたペレットは白色強靭柔軟なポリマーであり、ηr=1.60、Tm=154℃、Tc=111℃であった。
得られたペレットを射出成形し、物性測定試料を得て、各種の測定を行った。結果を表3に示す。
【0156】
【表3】
【0157】
[比較例7]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)1.000kg、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン(平均分子量1100)0.881kg及びアジピン酸(AA)0.117kgを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。2時間かけて室温から190℃まで昇温し、190℃で1時間重合し、次に1時間かけて240℃に昇温させ、さらに240℃で6時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.3kgのペレットを得た。
得られたペレットは黄色のゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.81、[COOH]=3.10×10-5eq/g、[NH2]=3.32×10-5eq/g、Mn=31200、Tm=152℃、Tc=111℃であった。
得られたペレットを射出成形したが、このポリマーは透明性が悪く黄色に着色していた。
【0158】
[比較例8]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸(PA12)1.000kg、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(Bがポリオキシエチレンである、ハンツマン社:XTJ−500、全アミン:3.23meq/g、x+z=3.6、y=9)0.808kg及びアジピン酸(AA、試薬特級)0.190kgを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。2時間かけて室温から190℃まで昇温し、190℃で1時間重合を行い、次に、1時間かけて240℃に昇温させ、さらに240℃で6時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.4kgのペレットを得た。
このペレットは淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであって、ηr=1.71、[COOH]=3.15×10-5eq/g、[NH2]=3.56×10-5eq/g、Mn=29800、Tm=150℃、Tc=111℃であった。
このポリマーの吸水率は107%であった。得られたペレットを射出成形したところ、吸水性が高いため、空気中の水分の吸水により材料物性が大きく低下した。
【0159】
[比較例9]
攪拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約130mLの反応容器に12−アミノドデカン酸(PA12)15.0186g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(BがポリオキシエチレンであるXTJ−502、全アミン:0.96meq/g、x+z=6.0、y=38.7)14.0131g及びアジピン酸(AA、試薬特級)0.9871gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速50mL/分で供給し、速度50rpmで攪拌しながら、190℃で1時間重合を行った。次に、1時間かけて230℃に昇温させ、さらに230℃で10時間重合を行い、重合物を得た。
得られた重合物は淡黄色強靭でゴム弾性に富むポリマーであり、ηr=1.56、[COOH]=5.12×10-5eq/g、[NH2]=5.33×10-5eq/g、Mn=19100、Tm=162℃、Tc=126℃であった。
このポリマーの吸水率は121%であった。得られたペレットを射出成形したところ、このポリマーは吸水率が高いために空気中の水分の吸水により材料物性が大きく低下した。
【0160】
[PAE1の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸1400.01g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)524.66g、アジピン酸75.34g、次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液1.13g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で10時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.70kgのペレットを得た。
得られたポリマーはポリエーテルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定した。結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.14、[COOH]=2.02×10-5eq/g、[NH2]=1.78×10-5eq/g、Mn=53000、Tm=163℃、Tc=118℃であった。
【0161】
[PAE2の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸1120.02g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)769.51g、アジピン酸110.50g、次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液2.81g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で10時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.66kgのペレットを得た。
得られたポリマーはポリエーテルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定した。結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.22、[COOH]=1.61×10-5eq/g、[NH2]=2.17×10-5eq/g、Mn=53000、Tm=153℃、Tc=109℃であった。
【0162】
[PAE3の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸800.02g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(XTJ−542)1049.30g、アジピン酸150.68g、次亜リン酸ナトリウムの35.55重量%水溶液2.81g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で10時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.68kgのペレットを得た。
得られたポリマーはポリエーテルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定した。結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.16、[COOH]=1.28×10-5eq/g、[NH2]=1.86×10-5eq/g、Mn=64000、Tm=135℃、Tc=59℃であった。
【0163】
[PAE4の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸1400.00g、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:ジェファーミンD−2000、全アミン:1.06meq/g)280.00g、水添ダイマー酸(ユニケマ社製プリポール1009、酸価:196mgKOH/g)273.80g、メタキシリレンジアミン46.20g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で10時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.74kgのペレットを得た。
得られたポリマーはポリエーテルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定し、結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=1.69、[COOH]=4.54×10-5eq/g、[NH2]=3.50×10-5eq/g、Mn=25000、Tm=166℃、Tc=128℃であった。
【0164】
[PAE5の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸1000.00g、ポリオキシプロピレンジアミン(ジェファーミンD−2000)466.00g、水添ダイマー酸(プリポール1009)457.00g、メタキシリレンジアミン77.00gおよび酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で10時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後ペレタイズして、約1.70kgのペレットを得た。得られたポリマーはポリエーテルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定た。結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=1.58、[COOH]=2.75×10-5eq/g、[NH2]=4.16×10-5eq/g、Mn=29000、Tm=151℃、Tc=102℃であった。
【0165】
[PAE6の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸1560.00g及びアジピン酸56.10gを仕込んだ。容器を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱した。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から240℃まで昇温し、230℃で4時間重合を行い、ナイロン12のオリゴマーを合成した。
このオリゴマーにポリテトラメチレングリコール(BASF社製、PolyTHF1000)384.00g、テトラブチルジルコネート2.00g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から210℃まで昇温し、210℃で3時間加熱し、次に徐々に減圧を行い、1時間かけて50Paとし、2時間重合を行った後、さらに30分かけて昇温、減圧を行い、230℃、約30Paで3時間重合を行い終了した。次に、攪拌を停止し、重合層内に窒素ガスを供給し圧力を常圧に戻した。次にポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.70kgのペレットを得た。
得られたポリマーはポリエーテルエステルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定した。その結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.07、Tm=171℃、Tc=130℃であった。
【0166】
[PAE7の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸1260.00g及びアジピン酸94.36g(試薬特級)を仕込んだ。容器を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱した。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から240℃まで昇温し、230℃で4時間重合を行い、ナイロン12のオリゴマーを合成した。
このオリゴマーにポリテトラメチレングリコール(BASF社製、PolyTHF1000)645.65g、テトラブチルジルコネート2.00g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から210℃まで昇温し、210℃で3時間加熱し、次に徐々に減圧を行い、1時間かけて50Paとし、2時間重合を行った後、さらに30分かけて昇温、減圧を行い、230℃、約30Paで3時間重合を行い終了した。次に、攪拌を停止し、重合層内に窒素ガスを供給し圧力を常圧に戻した。次にポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.65kgのペレットを得た。
得られたポリマーはポリエーテルエステルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定した。その結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.09、Tm=160℃、Tc=111℃であった。
【0167】
[PAE8の製造]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸980.00g及びアジピン酸76.60gを仕込んだ。容器を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱した。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から240℃まで昇温し、230℃で4時間重合を行い、ナイロン12のオリゴマーを合成した。
このオリゴマーにポリテトラメチレングリコール(BASF社製、PolyTHF1800)943.40g、テトラブチルジルコネート2.00g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から210℃まで昇温し、210℃で3時間加熱し、次に徐々に減圧を行い、1時間かけて50Paとし、2時間重合を行った後、さらに30分かけて昇温、減圧を行い、230℃、約30Paで3時間重合を行い終了した。次に、攪拌を停止し、重合層内に窒素ガスを供給し圧力を常圧に戻した。次にポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.65kgのペレットを得た。
得られたポリマーは、ポリエーテルエステルアミドであり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、反発弾性及び硬度を測定した。結果を表4に示す。ペレットは白色強靭でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=1.96、Tm=160℃、Tc=105℃であった。
【0168】
【表4】
【0169】
[実施例29〜31、比較例10〜14]
ポリエーテルジオール系ポリウレタン(TPU1と略す、BASFジャパン社製、商品名「エラストランET890」、硬度ショアA90)に対して、PAE1〜8をそれぞれ二色成形を行い、TPUとPAEとの2層の積層体を8種類作成し、剥離強さ及びソリを測定した。その結果を表5に示す。本発明のPAE1〜3はソフトセグメント形成成分としてポリオキシプロピレンジアミン及び水添ダイマー酸が用いられているPAE4、5及びポリエーテルエステルアミドであるPAE6〜8よりも剥離強さが大きく、TPUとの接着性に優れていることがわかる。
【0170】
[実施例32〜34、比較例15〜20]
ポリエステルジオール系ポリウレタン(TPU2と略す、BASFジャパン社製、商品名「エラストランET690」、硬度ショアA90)に対して、PAE1〜8をそれぞれ二色成形を行い、TPUとPAEとの2層の積層体を8種類作成し、剥離強さ及びソリを測定した。その結果を表5に示す。本発明のPAE1〜3はソフトセグメント形成成分としてポリオキシプロピレンジアミン及び水添ダイマー酸が用いられているPAE4、5及びポリエーテルエステルアミドであるPAE6〜8よりも剥離強さが大きく、TPUとの接着性に優れていることがわかる。
【0171】
[実施例35〜37、比較例21〜23]
ポリエステルジオール系ポリウレタン(TPU3と略す、BASFジャパン社製、商品名「エラストランET195」、硬度ショアA95)に対して、PAE1〜3及び5〜8をそれぞれ二色成形を行い、TPUとPAEとの2層の積層体を7種類作成し、剥離強さ及びソリを測定した。その結果を表2に示す。本願発明のPAE1〜3はソフトセグメント形成成分としてポリオキシプロピレンジアミン及び水添ダイマー酸が用いられているPAE4、5及びポリエーテルエステルアミドであるPAE6〜8よりも剥離強さが大きく、TPUとの接着性に優れていることがわかる。
【0172】
【表5】
【0173】
【発明の効果】
本発明のポリエーテルアミド系エラストマーは、ポリアミドをハードセグメント、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンをソフトセグメントとする、強靭性、溶融成形性、低温柔軟性、低温耐衝撃性、伸長回復性、耐屈曲疲労性、反ぱつ弾性及び色調などに優れる熱可塑性ポリアミド系エラストマーであり、特に曲げ強さや曲げ弾性率などの強靱性、耐屈曲疲労性及び耐衝撃性などの特性に優れている。また、本発明のポリアミド系エラストマーは、曲げ強さや曲げ弾性率などの強靱性とゴム弾性とのバランスの優れている。そして、本発明のポリエーテルアミド系エラストマーは低吸水性で、特に硬度(ショアーD)を一定とした場合の応力緩和や伸張回復率に優れている。
【0174】
本発明のポリアミド系エラストマー熱可塑性ポリウレタンとが強固に接着し、そりの少ない積層体を製造するために有利である。従って、この積層体は、スポーツシューズソール、スキーブーツなどに用いることが出来、曲げ強さ・曲げ弾性率などの強靱性、耐屈曲疲労性、反発弾性、低温耐衝撃性、低温柔軟性などのゴム弾性のバランスに優れ、低そり性の好適な材料である。
Claims (12)
- (A1)の化合物、(A2)の化合物、(B)の化合物及び(C)の化合物の総量に対して、アミノカルボン酸化合物及び/又はラクタム化合物が10乃至95質量%の量にて用いられる請求項1に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- (A1)の化合物及び/又は(A2)の化合物が15乃至70質量%、そして(B)の化合物と(C)の化合物との合計量が30〜85質量%の量にて用いられる請求項1もしくは2に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 式(A1)のR1が炭素原子数2〜20のアルキレン基を含む請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 式(A2)のR2が炭素原子数3〜20のアルキレン基を含む請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 式(B)のxが2〜6の数値、yは6〜12の数値、そしてzは1〜5の数値を表わす請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 式(B)のxが2〜10の数値、yは13〜28の数値、そしてzは1〜9の数値を表わす請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 式(C)のジカルボン酸化合物が脂肪族ジカルボン酸もしくは脂環族ジカルボン酸である請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 式(C)のmが1で、R3が炭素原子数1〜20のアルキレン基を表わす請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記載のポリエーテルポリアミドエラストマー。
- 請求項1に記載のポリエーテルポリアミドエラストマーのシートとポリウレタンシートとが接合してなる複合体。
- ポリウレタンが熱可塑性ポリウレタンである請求項10に記載の複合体。
- 熱可塑性ポリウレタンが、ソフトセグメントとしてポリエステルジオール及び/又はポリエーテルジオール単位を有する請求項11に記載の複合体。
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