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JP2004158787A - 投影光学系及び露光装置 - Google Patents

投影光学系及び露光装置 Download PDF

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JP2004158787A
JP2004158787A JP2002325353A JP2002325353A JP2004158787A JP 2004158787 A JP2004158787 A JP 2004158787A JP 2002325353 A JP2002325353 A JP 2002325353A JP 2002325353 A JP2002325353 A JP 2002325353A JP 2004158787 A JP2004158787 A JP 2004158787A
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Yumiko Osaki
由美子 大嵜
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Canon Inc
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    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】小型化が図れる反射型縮小投影光学系を得る。
【解決手段】レチクル側から順に、凹面形状の第1ミラー(M1)、第2ミラー(M2)、凹面形状の第3ミラー(M3)、凸面形状の第4ミラー(M4)、凸面形状の第5ミラー(M5)、凹面形状の第6ミラー(M6)の順に光を反射するよう6枚のミラーが配置され、前記第3ミラー(M3)から前記第5ミラー(M5)の間で中間像を形成し、前記6枚のミラーのうち少なくとも1枚は非球面ミラーであり、像側の開口数NAが0.2よりも大きく、前記6枚のミラーの有効径はすべてφ500mm以下である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィー用の投影光学系と露光装置に関し、特に、紫外線や極紫外線(EUV:extreme ultraviolet)光を利用して半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などの被処理体を投影露光するための反射型投影光学系、この投影光学系を備えた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなっている。例えば現在、デザインルールはライン・アンド・スペース(L&S)を0.1μm以下の寸法で広範囲に形成することが要求されており、今後は80nm以下の幅のラインやスペースを持つ回路パターン形成に要求されることが予想される。
【0003】
半導体製造用の代表的な露光装置である投影露光装置は、マスク又はレチクル(なお、本出願ではこれらの用語を交換可能に使用する。)上に描画されたパターンをウェハに投影露光する投影光学系を備えている。投影露光装置の解像度(正確に転写できる最小寸法)Rは、露光用光源の波長λと投影光学系の像側開口数(NA)を用いて次式(1)で与えられる。
【0004】
R=k×λ/NA 式1
従って、波長を短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、解像度は良くなる。現在、露光用光源は、KrFエキシマレーザー(波長約248nm)及びArFエキシマレーザー(波長約193nm)からFレーザー(波長約157nm)に移行しており、更には、EUV(extreme ultraviolet)光源の実用化も進んでいる。
【0005】
しかし、露光光がEUV光になるとレンズに使用できる硝材は存在しなくなり、投影光学系にレンズを含めることは不可能となる。そこで、投影光学系はEUV光を反射する多層膜ミラーのみで構成する反射型投影光学系が提案されている。
【0006】
反射型投影光学系は、光学系全体での反射率を高めるためにできるだけ少ない枚数のミラーで構成することが望ましい。また、反射型投影光学系は、マスクとウェハの機械的な干渉を防止するため、マスクとウェハが瞳を介して反対側に位置するよう投影光学系を偶数枚のミラーで構成することが望ましい。
【0007】
更に、EUV露光装置に要求される解像度が従来の値より小さくなってきた為、開口数NAをあげる必要があるが(例えば、露光波長13.5nmにおいて像面側のNA0.2)、従来の3〜4枚のミラーでは、投影光学系の波面収差を減らすことが困難である。そこで、波面収差を減らす為にミラーの数を6枚程度にする必要が生じてきた(以下、本出願では、かかる光学系を6枚ミラー系と表現する場合もある)。この種の6枚ミラー系は、例えば、特開2000−100694号公報、特開2000−235144号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−100694号公報は、像側開口数NAが0.14と0.16の2つのEUV光用の6枚ミラー系の実施例が開示されている。しかしながら、どちらの実施例においても、NA0.16以上の高NA化に対応することが困難であるという問題も有している。それは、各実施例において、中間像が第2ミラーM2と第3ミラーM3面の間に形成され、中間像形成位置から像面までの間に4枚もの反射鏡を有している。そのため、高NA化によって光束の幅が大きくなると、特に中間像形成位置から像面までの光束の広がりが大きくなり、ミラーを所望の光束以外の光束と分離して配置することが難しくなるためである。無理に配置しようとすると、ミラーの最大有効径が大きくなるなど、別の問題も発生してくる。
【0009】
更に、どちらの実施例においても、レチクル位置に相当する物体面に最も近い第2ミラー(M2)と物体面の間の距離が20〜30mmと非常に短く、その為、レチクルを交換したり、パターンを焼き付ける際にスキャンしたりするためのレチクルステージ機構を配置する余裕がない。
【0010】
一方、特開2000−235144号公報は、像側開口数NAが0.2、0.28、0.30など高NAの3つのEUV用の6枚ミラー系の実施例が開示されている。
【0011】
これらの実施例においても、レチクル位置に相当する物体面に最も近いミラー(第2ミラーM2)と物体面の距離が80〜85mm程度と短いために、上述のレチクルステージ機構を配置することが困難であるという問題がある。
【0012】
その上、これらの実施例においては、有効径が最も大きいミラーは第4ミラーM4であり、その直径はNA0.2の実施例で540mm以上、NA0.28の実施例で650mmを超えており、高NAに対応して最大ミラー径がかなり大きくなっており、真空雰囲気などの特殊環境下に置く必要のあるEUV光用の投影光学系が大きくなるのは、あまり好ましくない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、像側開口数NAが大きい割にミラーの最大有効径が小さい投影光学系を提供することにある。
【0014】
本発明の投影光学系の第1の形態は、〔特許請求の範囲〕の〔請求項1〕に記載のとおりである。第1の形態と異なり像側の開口数NAが0.2以下であると解像度が不十分であり、このNA0.25以上あると、解像度がかなり向上できる。また、前記6枚のミラーの有効径はすべてφ550mmより大きいと、EUV投影光学系が大きくなり、それを囲む特殊容器も大きくなって、よくない。また、前記6枚のミラーの有効径はすべてφ500mm以下であると、EUV投影光学系並びに特殊容器もかなり小さくなって、好ましい。
【0015】
また、第2の形態は、〔特許請求の範囲〕の〔請求項2〕に記載のとおりである。第2の形態と異なり前記6枚のミラーに対する光線の最大入射角が25度を超えると、の反射率が無視できないほど低下したり、収差が無視できないほど生じるので、よくない。
【0016】
また、第3の形態は、〔特許請求の範囲〕の〔請求項3〕に記載のとおりである。
【0017】
第3の形態と異なり前記物体から第1ミラー(M1)へ入射する光線が5度より小さいと、反射型マスクを照明する照明光学系と投影光学系とを干渉させずに配置することが困難になる。
【0018】
また、第4の形態は、請求項2と請求項3に記載の発明において、前記6枚のミラーの有効径はすべて直径550mm以下、好ましくは500mm以下であることを特徴としている。この範囲の意義は上述したとおりである。
【0019】
また、第5の形態は、請求項1〜4の形態において、前記6枚のミラーのうち、最も有効径の大きいミラーは第3ミラーであることを特徴としている。
【0020】
また、第6の形態は、請求項1〜4の形態において、前記第2ミラーは凸面鏡、凹面鏡、平面鏡のいずれかであることを特徴としている。
【0021】
また、第7の形態は、第6の形態において、前記第2ミラーが平面鏡である場合、前記平面鏡は非球面形状を持っていることを特徴としている。
【0022】
また、第8の形態は、請求項1〜4の形態において、前記第3ミラー(M3)から前記第5ミラー(M5)の間で中間像を結像する際、前記中間像はミラー上には形成されないことを特徴としている。
【0023】
また、第9の形態は、請求項1〜4の形態において、前記第3ミラー(M3)と第4ミラー(M4)の間、または、前記第4ミラー(M4)と第5ミラー(M5)の間に中間像を形成することを特徴としている。
【0024】
また、第10の形態は、請求項1〜4の形態において、前記6枚のミラーのうち、第5ミラー(M5)と第6ミラー(M6)のパワーはその他4枚のミラーよりも大きいことを特徴としている。
【0025】
また、第11の形態は、請求項1〜4の形態において、前記6枚のミラーの反射面はすべて非球面形状であることを特徴としている。
【0026】
また、第12の形態は、請求項1〜4の形態において、前記6枚のミラーが、EUV(extreme ultraviolet)光を反射する多層膜ミラーであることを特徴としている。
【0027】
また、第13の形態は、請求項1〜4の形態において、前記物体面上に反射型マスクを配置することを特徴としている。
【0028】
また、第14の形態は、請求項1〜4の形態において、前記複数のミラーが障害物のない光学経路を形成得るように配置されていることを特徴としている。
【0029】
また、第15の形態は、請求項1〜4の形態において、前記ミラーは光軸(基準軸)に対して回転対称性を有していることを特徴としている。
【0030】
また、第16の形態は、請求項1〜4の形態において、物体から第1ミラー(M1)へ入射する光線はある入射角度を持っており、テレセントリックではないことを特徴としている。
【0031】
また、第17の形態は、第16の形態において、前記物体から第1ミラー(M1)へ入射する光線は5度以上、10度以下の角度で入射することを特徴としている。
【0032】
また、第18の形態は、請求項1〜4の形態において、第6ミラー(M6)から像面への光線はテレセントリック(像側テレセントリック)であることを特徴としている。
【0033】
また、第19の形態は、請求項1〜4の形態において、前記光学系の倍率が1/4倍であることを特徴としている。
【0034】
また、第20の形態は、請求項1〜4の形態において、像側の露光領域は、円弧形状であり、この円弧の幅が0.8mm以上であることを特徴としている。
【0035】
また、第21の形態は、請求項1〜4の形態において、第3ミラー(M3)は、第5ミラー(M5)と第6ミラー(M6)の間に配置されることを特徴としている。
【0036】
また、請求項22の形態は、請求項1〜4の形態において、最も物体面に近いミラーと物体面の距離は100mm以上で好ましくは120mm以上であることを特徴としている。
【0037】
また、第23の形態は、第22の形態において、前記物体面に最も近いミラーは第2ミラー(M2)であることを特徴としている。
【0038】
また、第24の形態は、請求項1〜4の形態において、前記投影光学系の開口絞りは、第1ミラー(M1)から第2ミラー(M2)の間にあることを特徴としている。
【0039】
また、第25の形態は、前記請求項1〜4、第5〜24の形態の投影光学系における波面収差のRMS値が、視野全体に対して最大でも0.05λであり、好ましくは0.03λ以下であることを特徴としている。
【0040】
また、第26の形態は、請求項1〜4の形態において、前記光は、波長20nm以下の極紫外線(EUV光)であることを特徴としている。
【0041】
また、第27の形態は、請求項1〜4、第5〜26の形態のいずれかの投影光学系とレチクルを照明する照明光学系を具備することを特徴としている。
【0042】
また、第28の形態のデバイス製造方法は、第27の形態の露光装置によりデバイスパターンで基板を露光する段階と、該露光した基板を現像する段階とを含むことを特徴としている。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての縮小倍率を有する投影光学系の例について説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定するものではなく、本発明の目的が達成される範囲において、各構成要素が代替的に置換されてもよい。なお、各図において同一の部材については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
ここで図1は、本発明の代表的な例として、投影光学系とその光路を示す断面図を示したものである。図1に示した本発明の投影光学系は、物体面MS(例えば、反射型マスクのパターン面)上のパターンを像面W(例えば、ウエハ面などの被処理体面)上に縮小投影する反射型投影光学系であって、特に、EUV光(例えば、波長13.4〜13.5nm)に好適な光学系である。
【0045】
この投影光学系は、6枚のミラーを有し、基本的に物体面MS側から光を反射する順番に、第1のミラーM1(凹面鏡)と、第2のミラーM2(凹面鏡)と、第3のミラーM3(凹面鏡)と、第4のミラーM4(凸面鏡)と、第5のミラーM5(凸面鏡)と、第6のミラーM6(凹面鏡)とを有し、第1のミラーから4枚のミラーによって中間像MIを形成させ、この中間像MIを第5、第6のミラーで像面W上に再結像するように構成されている。
【0046】
本発明においては、第2のミラーM2のパワーと中間像の位置には種々の形態が採れる。例えば、図1、図5に示す第1、第5実施例は第2のミラーM2は凹面鏡であって中間像が第4のミラーM4と第5のミラーM5の間にある場合、図2に示す第2実施例は、第2のミラーM2は凹面鏡であって中間像が第3のミラーM3と第4のミラーM4の間にある場合、図3に示す第3実施例は、第2のミラーM2は凸面鏡であって中間像が第4のミラーとM4と第5のミラーM5の間にある場合、図4に示す第4実施例は第2のミラーM2は非球面平面鏡であって中間像が第4のミラーとM4と第5のミラーM5の間にある場合である。
【0047】
図1〜図5に示した各実施例においては、投影光学系を構成する6枚のミラーのうち、最も有効径の大きいものは第3のミラーM3であるが、その最大有効径が全体的に小さいという特徴や、最も入射角の大きいミラーは第4のミラーM4であるが、その入射角も比較的小さいという特徴もあるが、詳しい値に関しては後述する。
【0048】
また、各実施例の投影光学系は、物体面MSから第1のミラーM1へ入射する光線は5度以上の角度を持つ非テレセントリックであって、かつ像側の射出光線はテレセントリックであることも特徴となっている。
この特徴は、不図示の照明光学系によって物体面MSに配置された反射型レチクルの回路パターンを照明し、このレチクルからの反射光で、回路パターンを像面Wであるウエハ面上に結像するため、物体側は物体面に対して斜め入射する入射角を持っていることが必須となる一方、像面側は、像面に配置されるウェハWの表面が光軸方向に移動しても倍率の変化を少なくするために、テレセントリックにすることが望ましいからである。
【0049】
また、各実施例の投影光学系は、基本的には1本の光軸の回りに軸対称な共軸光学系となっていることで、光軸を中心としたリング状(円弧状)の像面(領域)で収差が補正されている。但し、収差補正上又は収差調整上、この反射型縮小投影光学系を構成する6枚のミラーが完全な共軸系になるように配置される必要はなく、若干の偏芯をさせて収差や配置上の自由度を向上させる手法も行われる。
【0050】
反射型の投影光学系はEUVの領域の波長(本実施形態では10〜20nm)を用いる光学系では必須と考えられているが、更なる高NA化が求められるにつれて、像面W側で光線のけられをできるだけ排除する必要がある。ここでは、中間像を第3ミラーM3から第5ミラーM5の間に配置し、さらに第5ミラーM5と第6ミラーM6のパワーを大きくすることにより、光線とミラーを分離した所望の光学系を作成することが出来ている。また、像側開口数NAを大きく、バックフォーカスを所望の距離保って結像するためには、第5ミラーM5を凸面鏡、第6ミラーM6を凹面鏡にすることが好ましい。
【0051】
また、第1ミラーM1は、物体面MSから出た主光線を反射させ光軸方向に近づけるために凹面鏡であることが好ましい。また、第3ミラーM3は、第2ミラーM2で反射した主光線を光軸方向に向ける必要があるため、凹面鏡であることが好ましい。第2ミラーM2、第4ミラーM4は比較的パワー配置に自由度があるが、各ミラーの曲率半径の絶対値をr1〜r6とした場合、下記の式2、式3で示したようなペッツバール項の和がゼロかほぼゼロになることが必要である。このペッツバール項の和を考慮すると、第3ミラーM3が凹面鏡のため第4ミラーM4は凸面鏡とすることが好ましい。第2ミラーM2は自由なパワー配置を取れる。
【0052】
【外1】
Figure 2004158787
【0053】
【外2】
Figure 2004158787
【0054】
また、図1〜図5に示す各実施例は、6枚のミラーで構成されているが、6枚のうちの少なくとも1枚以上が非球面であれば良く、この非球面の形状は下記の式4に示した一般的な式で表される。但し収差補正の観点から考えると、出来るだけ非球面の枚数が多い方がよく、6枚すべてが非球面であれば好ましい。
【0055】
【外3】
Figure 2004158787
式4において、Zは光軸方向の座標、cは曲率(曲率半径rの逆数)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A、B、C、D、E、F、G、H、J、・・・は各々、4次、6次、8次、10次、12次、14次、16次、18次、20次、・・・の非球面係数である。
【0056】
図1〜図4に示す第1〜第4実施例では、開口絞りは第1ミラーM1と第2ミラーM2の間に配置されているが、第1ミラーM1又は第2ミラーM2と同一位置にあっても良く、また図5に示す第5実施例のように、絞り位置の上下に光線けられがないように配置することで、円形の開口絞りを配置することが出来る。この絞り径は固定であっても可変であっても良く、仮に可変の場合には、開口絞りの径を変化させることによって光学系のNAを変化させることもできる。
【0057】
さらに、6枚のミラーの各々にはEUV光を反射させる多層膜が施されており、これによって光を強め合う作用を利用する。20nm以下のEUV光を反射するために可能な多層膜は、例えばモリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層したMo/Si多層膜や、モリブデン(Mo)とベリリウム(Be)を交互に積層したMo/Be多層膜などがあり、使用波長によって最適な材料を選択する。但し本発明の多層膜はこの材料に限ったものではなく、同様の効果をもつ材料はいずれの適用も可能である。
【0058】
【実施例】
以下、図1〜図5に示す実施例1〜5に関して詳述する。
【0059】
表1は、図1に示した実施例1の反射型投影光学系の詳細(設計データ)を示す。
【0060】
実施例1の光学系は、像側開口数NAは0.26であって、倍率は1/4倍、物体高は112−116mm(1mm幅の円弧スリット)である。この光学系の製造誤差を含まない収差(像高の数点での最大値)は、波面収差=0.016λrms、歪曲最大値=0.9nmである。また、物体面MSと反射面の最少距離(物体面MSと第2ミラーM2との距離)は、195.5mmとなっており、物体面MSのステージ機構や照明光学系との干渉を回避するのに十分な距離となっている。最大有効径のミラーである第3ミラーM3は491.6mmと比較的小さくなっている。また、光線の入射角の最も大きいミラーは第4ミラーM4で、その最大光線入射角は24.3度である。入射角が大きすぎると多層膜での反射特性の劣化が考えられるため、すべての反射鏡の入射角を出来るだけ小さくすることは重要なのである。また、物体面MSから第1ミラーM1への主光線の傾きθは7.1256度になっており、照明光学系で物体面MSに置かれた反射型マスクのパターンに円弧状のEUV光を照射し、像面にあるウエハWに結像するために十分な構成となっている。
【0061】
Figure 2004158787
表2は、図2に示す実施例2の投影光学系の詳細(設計データ)を示す。この光学系の像側開口数NAは0.26であって、倍率は1/4倍、物体高は112−116mm(1mm幅の円弧スリット)である。この光学系の製造誤差を含まない収差(像高の数点での最大値)は、波面収差=0.028λrms、歪曲最大値=0.6nmである。また、物体面MSと反射面の最少距離(物体面MSと第2ミラーM2との距離)は、213.5mmとなっており、物体面MSのステージ機構や照明光学系との干渉を回避するのに十分な距離となっている。最大有効径のミラーである第3ミラーM3は417.8mmと小さくなっている。また、光線の入射角の最も大きいミラーは第4ミラーM4で、最大光線入射角は22.3度である。入射角が大きすぎると多層膜での反射特性の劣化が考えられるため、すべての反射鏡の入射角を出来るだけ小さくすることは重要なのである。また、物体面MSから第1ミラーM1への主光線の傾きθは7.1491度になっており、照明光学系で物体面MSに置かれた反射型マスクのパターンに円弧状のEUV光を照射し、像面にあるウエハWに結像するために十分な構成となっている。
【0062】
Figure 2004158787
表3は、図3に示す第3実施例の投影光学系の詳細(設計データ)を示す。この光学系は、像側の開口数NAは0.26であって、倍率は1/4倍、物体高は112−116mm(1mm幅の円弧スリット)である。また、この光学系の製造誤差を含まない収差(像高の数点での最大値)は、波面収差=0.023λrms、歪曲最大値=1.9nmである。また、物体面MSと反射面の最少距離(物体面MSと第2ミラーM2との距離)は、295.2mmとなっており、物体面MSのステージ機構や照明光学系との干渉を回避するのに十分な距離となっている。最大有効径のミラーである第3ミラーM3は474.4mmと小さくなっている。また、光線の入射角の最も大きいミラーは第4ミラーM4でその最大光線入射角は24.6度である。入射角が大きすぎると多層膜での反射特性の劣化が考えられるため、すべての反射鏡の入射角を出来るだけ小さくすることは重要なのである。また、物体面MSから第1ミラーM1への主光線の傾きθは7.13054度になっており、照明光学系で物体面MSに置かれた反射型マスクのパターンに円弧状のEUV光を照射し、像面にあるウエハWに結像するために十分な構成となっている。
【0063】
Figure 2004158787
表4は、図4に示す実施例4の投影光学系の詳細(設計データ)を示す。この光学系の像側開口数NAは0.26であって、倍率は1/4倍、物体高は112−116mm(1mm幅の円弧スリット)である。この光学系の製造誤差を含まない収差(像高の数点での最大値)は、波面収差=0.017λrms、歪曲最大値=0.8nmである。また、物体面MSと反射面の最少距離(物体面MSと第2ミラーM2との距離)は、266.8mmとなっており、物体面MSのステージ機構や照明光学系との干渉を回避するのに十分な距離となっている。最大有効径のミラーである第3ミラーM3は489.3mmと小さくなっている。また、光線の入射角の最も大きいミラーは第4ミラーM4でその最大光線入射角は24.9度である。入射角が大きすぎると多層膜での反射特性の劣化が考えられるため、すべての反射鏡の入射角を出来るだけ小さくすることは重要なのである。また、物体面MSから第1ミラーM1への主光線の傾きθは7.1271度になっており、照明光学系で物体面MSに置かれた反射型マスクのパターンに円弧状のEUV光を照射し、像面にあるウエハWに結像するために十分な構成となっている。
【0064】
Figure 2004158787
表5は、図5に示す第5実施例の投影光学系の詳細(設計データ)を示す。この光学系は、像側開口数NAは0.26であって、倍率は1/4倍、物体高は130−134mm(1mm幅の円弧スリット)である。この光学系の製造誤差を含まない収差(像高の数点での最大値)は、波面収差=0.032λrms、歪曲最大値=6.7nmである。また、本第5実施例は、パワー配置等の基本的な構成は図1の第1実施例と同じで、第1実施例と同様の効果がある。
【0065】
Figure 2004158787
以上のように、本発明の反射型投影光学系は、EUVの波長でNAを0.2よりも大きく好ましくは0.25以上と高NAである上、ミラーの最大有効径や入射角を小さく、さらに物体面MSと反射鏡との最少距離も十分に確保することが可能なので、物体面MSに置かれるレチクルステージ機構や照明光学系との干渉の恐れが少ない。また、物体側は非テレセントリックであって、物体面MSに置かれた反射型レチクルを、照明光学系によって照射し、その回路パターンを像面Wに結像することが可能となり、良好な結像性能を得ることができる。
【0066】
次に本発明の投影光学系100を適用した露光装置を説明する。本露光装置は露光用の照明光としてEUV光(例えば、波長13.4nm)を用いる。また上述したとおり、投影光学系100は円弧状(リング状)の視野領域(良像域)を有し、レチクルとウェハを投影光学系の投影倍率(1より小さい)と同じ速度比でスキャンすることにより、レチクルのパターン全面をウエハの被露光領域露光する。
【0067】
図6を参照するに、露光装置は、EUV光源210、照明光学系220、反射型レチクル230、アライメント光学系240、投影光学系100、レチクルステージ250、ウェハステージ260、ウェハ270を有する。
【0068】
なお、EUV光は大気に対する透過率が低いため、少なくともEUV光が通る光路は真空雰囲気であることが好ましく、照明光学系220からウェハステージ260までを真空容器280に収納している。
【0069】
本実施形態のEUV光源210は、例えば、レーザープラズマ光源を使用する。レーザープラズマ光源210はターゲット供給装置211によって供給され真空容器280中に置かれたターゲット材213に高強度のパルスレーザー光をパルスレーザー211から集光レンズ214を介して照射し、高温のプラズマ215を発生させる。そして、これから放射される波長13.4nm程度のEUV光を利用するものである。ターゲット材213は、金属薄膜、不活性ガス、液滴などが用いられ、ガスジェット等のターゲット供給装置212により真空容器内280に供給される。
【0070】
照明光学系220はEUV光を伝播してレチクル230を照明する。図6において、照明光学系220は、第1乃至第3ミラー221、222及び223と、オプティカルインテグレータ224と、アパーチャ225とを有する。第1ミラー221はプラズマ215からほぼ等方的に放射されるEUV光を集める。オプティカルインテグレータ224はレチクル230を均一に所定の開口数で照明する。また、それらのEUV光は第2乃至第3ミラー222乃至223によってレチクル230へリレーされる。アパーチャ225は照明光学系220のレチクル230と共役な位置に配置され、レチクル230面で照明される領域を円弧状に限定する。
【0071】
レチクルステージ250とウェハステージ260は、縮小倍率に比例した速度比で同期して走査する機構をもつ。ここで、レチクル230又はウェハ270面内で走査方向をX、それに垂直な方向をY、レチクル230又はウェハ270面に垂直な方向をZとする。
【0072】
レチクル230には所望のパターンが形成され、レチクルステージ250上の図示しないレチクルチャックに保持される。レチクルステージ250はX方向に移動する機構をもつ。また、X方向、Y方向、Z方向、及び各軸の回りの回転方向に微動機構をもち、レチクル230の位置決めができるようになっている。レチクルステージ250の位置と姿勢はレーザ干渉計によって計測され、その結果に基づいて位置と姿勢が制御される。なお、本実施形態ではレチクル230は反射型レチクルとして実現されているが、透過型レチクル又は反射型レチクルのどちらでも適用可能である。
【0073】
ウェハ270は、図示しないウェハチャックによってウェハステージ260に保持される。ウェハステージ260はレチクルステージ250と同様にX方向に移動する移動機構をもつ。また、X方向、Y方向、Z方向、及び各軸の回りの回転方向に微動機構をもち、ウェハ270の位置決めができるようになっている。ウェハステージ260の位置と姿勢はレーザ干渉計によって計測され、その結果に基づいて位置と姿勢が制御される。
【0074】
アライメント検出光学系240によってレチクル230の位置と投影光学系100の光軸との位置関係、及びウェハ270の位置と投影光学系100の光軸との位置関係が計測され、レチクル230の投影像がウェハ270の所定の位置に一致するようにレチクルステージ250及びウェハステージ260の位置と角度が設定される。また、図示しないフォーカス検出光学系によってウェハ270面でZ方向のフォーカス位置が計測され、ウェハステージ260の位置及び角度を制御することによって、露光中は常時ウェハ面を投影光学系100による結像位置に保つ。
【0075】
ウェハ270上で1回のスキャン露光が終わると、ウェハステージ260はX、Y方向にステップ移動して次の走査露光開始位置に移動し、再びレチクルステージ250及びウェハステージ260が投影光学系の縮小倍率に比例した速度比でX方向に同期走査する。
【0076】
このようにして、レチクル230の縮小投影像がウェハ270上に結像した状態でそれらを同期走査するという動作が繰り返される。(ステップ・アンド・スキャン)。こうしてウェハ270全面にレチクル230の転写パターンが転写される。
【0077】
次に、図7及び図8を参照して、上述の露光装置を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図7は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0078】
図8は、図7に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、最大ミラー径の小さい6枚ミラーの反射光学系を実現できる投影光学系を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例
【図2】本発明の第2の実施例
【図3】本発明の第3の実施例
【図4】本発明の第4の実施例
【図5】本発明の第5の実施例
【図6】本発明の露光装置を示す図である。
【図7】半導体デバイスの製造フローを示す図である。
【図8】図7のウエハプロセスを示す図である。
【符号の説明】
M1 第1ミラー(凹面鏡)
M2 第2ミラー
M3 第3ミラー(凹面鏡)
M4 第4ミラー(凸面鏡)
M5 第5ミラー(凸面鏡)
M6 第6ミラー(凹面鏡)
MS マスク(物体面)
W ウェハ(像面)
AX 光学系の光軸

Claims (5)

  1. レチクルのパターンを像面上に縮小投影する投影光学系において、前記レチクル側から前記像面側へ順に、凹面形状の第1ミラー(M1)、第2ミラー(M2)、凹面形状の第3ミラー(M3)、凸面形状の第4ミラー(M4)、凸面形状の第5ミラー(M5)、凹面形状の第6ミラー(M6)の順に光を反射するよう6枚のミラーが配置され、前記第3ミラー(M3)から前記第5ミラー(M5)の間で中間像を形成し、前記6枚のミラーのうち少なくとも1枚は非球面ミラーであり、像側の開口数NAが0.2よりも大きく、好ましくはNA0.25以上であり、前記6枚のミラーの有効径はすべてφ550mm以下、好ましくはφ500mm以下であることを特徴とする投影光学系。
  2. レチクルのパターンを像面上に縮小投影する投影光学系において、前記レチクル側から前記像面側へ順に、凹面形状の第1ミラー(M1)、第2ミラー(M2)、凹面形状の第3ミラー(M3)、凸面形状の第4ミラー(M4)、凸面形状の第5ミラー(M5)、凹面形状の第6ミラー(M6)の順に光を反射するよう6枚のミラーが配置され、前記第3ミラー(M3)から前記第5ミラー(M5)の間で中間像を形成し、前記6枚のミラーのうち少なくとも1枚は非球面ミラーであり、前記6枚のミラーに対する光線の最大入射角が25度以内であることを特徴とする投影光学系。
  3. レチクルのパターンを像面上に縮小投影する投影光学系において、前記レチクル側から前記像面側へ順に、凹面形状の第1ミラー(M1)、第2ミラー(M2)、凹面形状の第3ミラー(M3)、凸面形状の第4ミラー(M4)、凸面形状の第5ミラー(M5)、凹面形状の第6ミラー(M6)の順に光を反射するよう6枚のミラーが配置され、前記第3ミラー(M3)から前記第5ミラー(M5)の間で中間像を形成し、前記6枚のミラーのうち少なくとも1枚は非球面ミラーであり、前記物体から第1ミラー(M1)へ入射する光線は5度以上の角度を持つ非テレセントリックであって、かつ像側はテレセントリックであることを特徴とする投影光学系。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の投影光学系と、前記レチクルを照明する照明光学系とを有することを特徴とする露光装置。
  5. 請求項4記載の露光装置を用いてデバイスパターンをウエハに露光する段階と、該露光したウエハを現像する段階とを含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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