JP2004156725A - 転がり軸受 - Google Patents
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- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
- F16C19/14—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
- F16C19/16—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls
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Abstract
【課題】高価な複合材料製の保持器を用いることなく、高強度で、しかも、安価に製造することのできる転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪2と外輪4と転動体6と保持器8とで構成された転がり軸受において、保持器8を、PTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとで構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】内輪2と外輪4と転動体6と保持器8とで構成された転がり軸受において、保持器8を、PTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとで構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関するもので、主にロケットエンジン用ターボポンプ等の極低温条件下で高速回転する用途に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
液体ロケットエンジン用ターボポンプを図7に示し、その回転支持部に使用されているアンギュラ玉軸受の代表例を図8に示す。この軸受は内輪12、外輪14、複数の玉16、保持器18の4種類の部品で構成されている。保持器18はガラス繊維とPTFEの複合材で形成され、保持器以外の部品の材料はマルテンサイト系ステンレス鋼である。
【0003】
液体ロケットエンジン用ターボポンプの軸受は以下のような過酷な条件下で使用される。
1)液体水素あるいは液体酸素中という極低温(−253℃あるいは−183℃)条件
2)dn値168万(max.)の高速回転 dn値=軸受内輪内径(mm)×軸受内輪回転数(rpm)
3)潤滑剤は保持器から転動体・軌道面へと転移するPTFEと、初期潤滑を担う内輪及び外輪軌道面と転動体のPTFE被膜のみである。
【0004】
【非特許文献1】
野坂正隆、「ロケットターボポンプ用軸受の保持器複合材の潤滑特性」、日本複合材料学会誌、第20巻、第6号、1994年、p215−223
【非特許文献2】
T. Jett、外2名、”Evaluation of Bearing Configurations Using the Single Bearing Tester in Liquid Nitrogen”、 NASA Technical Memorandum、NASA、1991、p. 2, 25
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図8のような構成の軸受には次のような問題点がある。保持器18の材料がガラス織布を円筒状に積層したものにPTFEを含浸させて焼成した複合材であるため、A)材料自体が非常に高価である。B)上記非特許文献1にもあるように、保持器形状に加工した後に、加工面にあるガラス繊維を溶解させるフッ酸処理が必要であるため、更に高価になる。C)製造方法が特殊であるため、生産性も低く、リードタイムも長期間必要である。D)ガラス織布が主に強度を支えているが、現状以上の高速回転を要求された場合、遠心力による応力に耐えることが困難になる。
【0006】
したがって、当該軸受の強度を高め、安価かつ短納期で生産するためには、保持器材料を変更する必要がある。たとえば、上記のように積層した複合材ではなく、基本的な構造は金属材料で構成し、ポケットと案内面はPTFEとCuからなるPTFE系樹脂(Salox M)をインサートするタイプが挙げられる(非特許文献2のp.2及びp.25参照)。このタイプであれば、金属材料を使用することにより保持器公転による遠心力に十分耐える強度を確保でき、滑り接触する保持器ポケット面と案内面にはPTFEの固体潤滑剤が供給されることになる。
【0007】
しかしながら、この保持器でも、構造部材である金属部分の機械加工がかなり困難である。Salox Mのポケット部品を収納するために従来の保持器以上の機械加工が必要である。
【0008】
本発明の目的は、高価な複合材料製の保持器を用いることなく、高強度で、しかも、安価に製造することのできる転がり軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内輪2と外輪4と転動体6と保持器8とで構成された転がり軸受であって、保持器8がPTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとで構成されていることを特徴とするものである。金属製のリング状部材8bが保持器公転による遠心力に十分耐える強度を保持し、滑り接触する保持器ポケット面と保持器案内面にはPTFEの固体潤滑剤が供給されることになる。
【0010】
PTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとは互いにしまりばめで結合させることができる。はめあいだけで結合させることにより、最も容易に、安価に実施をすることができる。金属製のリング状部材8bに爪8dを設けてPTFE製のリング状部材8aに係合させることができ、そうすることにより、両者の結合強度を高めることができる。
【0011】
保持器8のポケット穴8cを構成するPTFE製のリング状部材8aのポケット穴部分よりも金属製のリング状部材8bのポケット穴部分を大きくしておくことができ、そうすることによって、金属製のリング状部材8bが転動体6と接触することを防止できる。
【0012】
外輪4の、保持器8と接触する面にPTFE製のリング状部材4aを組み込むことができる。
【0013】
本発明の転がり軸受は、ロケットエンジンターボポンプの回転支持部に使用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。なお、内輪2と外輪4と転動体6と保持器8とからなる転がり軸受の基本的構成に関する限り、図8に関連して既述した従来のものと変わるところはない。
【0015】
図1に示す実施の形態は、外輪案内保持器をもったアンギュラ玉軸受の場合の例である。アンギュラ玉軸受は転動体として玉を用いたアンギュラコンタクトラジアル軸受であって、この転がり軸受は内輪2と外輪4と玉6と保持器8とで構成されている。外輪4の両肩に保持器8をラジアル方向に案内するための保持器案内面を設けてある。外輪4の保持器案内面と保持器外径面とのラジアル方向のすきまを適切に保って、保持器の振れ回りを防ぐようにしている。
【0016】
外輪4の保持器案内面は、PTFE製のリング状部材4aの内周面によって形成されている。リング状部材4aは、外輪4の両端部内周面に形成した環状溝にある程度のしめしろをもってはめ込んである。ここで、ある程度のしめしろとは、最低限、実際の使用時の温度条件において、線膨張係数の違いにより外輪とPTFE製リング状部材4aが分離しない程度の意である。
【0017】
図2に保持器8の詳細を示す。保持器8はPTFE製のリング状部材8aと金属材料製のリング状部材8bとの二部材で構成されている。内周側のPTFE製のリング状部材8aの外周面に金属製のリング状部材8bをある程度のしめしろをもって結合させてある。ここで、ある程度のしめしろとは、最低限、使用時の温度条件において線膨張係数の違いによりPTFE製リング状部材8aと金属製リング状部材8bが分離しないこと、また、遠心力が加えられても比重の違いによって両者が分離しないことが必要であり、実際には、軌道輪案内面との接触による外力が加わるため、さらに大きなしめしろとする必要がある。
【0018】
なお、両者(8a,8b)とも半径方向に貫通したポケット穴8cを有しているが、金属製のリング状部材8bのポケット穴部分がPTFE製のリング状部材8aのポケット穴部分よりも若干大きい。これは、ポケット穴8cに組み込まれる玉6と金属製のリング状部材8bとが直接接触しないようにするためである。図2(c)ではポケット穴の輪郭を太線で描くことにより、金属製のリング状部材8bのポケット穴部分の下にPTFE製のリング状部材8aがわずかに現れていることを表している。
【0019】
金属製のリング状部材8bを構成する材料としては、例えばSUS440Cなどを用いることができるが、線膨張係数等を考慮してアルミ材等、別の材料を用いてもよい。PTFE部材と金属部材との結合強度を考慮すると両者の材料の線膨張係数が同等であるのが好ましい。
【0020】
上述の実施の形態では、保持器8を構成するPTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとがはめあいだけで結合しているが、さらに確実に両者を結合させたい場合、図3(a)−(c)に示すように、金属製のリング状部材8bに爪8dを設けてPTFE製のリング状部材8aの端面に係合させることもできる。金属製のリング状部材8bの軸方向両側の周縁部に複数の爪8dを等間隔に設け、これを半径方向内側に折り曲げて、PTFE製のリング状部材8aを軸方向両側から保持するようにしたものである。
【0021】
さらに、図3(d)に示すように、PTFE製のリング状部材8aに形成した凹部に爪8dをはまり込ませることによって保持器8の幅面を面一にしてもよく、そうすることにより、両者(8a,8b)の結合強度が高まる。また、図3(e)に示すように、PTFE製のリング状部材8aに形成した凹部の断面形状を、保持器の半径方向内側ほど深くなるテーパ状にすることによって、爪8dを鋭角に折り曲げることができるため、両者(8a,8b)の結合強度がさらに高まり、高いdn条件下でも確実に固定することができる。
【0022】
爪8dは、図3に例示したように互いに独立した複数の爪の態様とするほか、全周にわたって連続した態様とすることも可能である。
【0023】
図4に示す実施の形態は、外輪案内で、かつ、片案内保持器を用いる場合の例である。ここでは、外輪4は一方(図4の右側)にのみ保持器案内面を有し、他方の肩を落として冷却効果とトルク低減を図ってある。保持器案内面は、図1の実施の形態と同様に、外輪4の内周面に形成した環状凹部にPTFE製のリング状部材4aをはめ込むことによって形成されている。ここでも、外輪4とリング状部材4aとはある程度のしめしろをもって結合させてある。ここでも、ある程度のしめしろとは、最低限、実際の使用時の温度条件において、線膨張係数の違いにより外輪4とリング状部材4aが分離しない程度の意である。保持器8としては図2あるいは図3に示したものを用いることができる。
【0024】
図5に示す実施の形態は、内輪案内で、かつ、両側案内保持器を用いる場合の例である。この場合、内輪2の保持器案内面(内輪外周面)には、図1あるいは図3に示すようなPTFE製のリング状部材4aを組み込む必要はない。何故なら、図2あるいは図3に示す保持器8を用いれば、内輪2の保持器案内面と保持器8を構成するPTFE部材8aとが接触するためである。
【0025】
図6に示す実施の形態は、内輪案内で、かつ、片側案内保持器を用いる場合の例である。基本的には図5の実施の形態と同様であるが、内輪2の一方(図6の右側)の肩を落としてあるため片側案内となっている点で異なる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は次のような効果を奏する。
1)高価な複合材料製の保持器が不要になるため安価な軸受になる。
2)ガラス織布を用いないのでフッ酸処理が不要になり、安価になる。
3)強度部材として金属材料を使用するため、強度向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図2】(a)は保持器の断面図、
(b)は図2(a)のb−b断面図、
(c)は図2(a)の部分平面図である。
【図3】(a)は保持器の断面図、
(b)は側面図、
(c)は部分平面図、
(d)は改変例を示す断面図、
(e)も改変例を示す断面図である。
【図4】第二の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図5】第三の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図6】第四の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図7】液体酸素ターボポンプの半断面図である。
【図8】従来の技術を示す転がり軸受の断面図である。
【符号の説明】
2 内輪
4 外輪
4a PTFE製のリング状部材
6 玉(転動体)
8 保持器
8a PTFE製のリング状部材
8b 金属製のリング状部材
8c ポケット
8d 爪
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関するもので、主にロケットエンジン用ターボポンプ等の極低温条件下で高速回転する用途に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
液体ロケットエンジン用ターボポンプを図7に示し、その回転支持部に使用されているアンギュラ玉軸受の代表例を図8に示す。この軸受は内輪12、外輪14、複数の玉16、保持器18の4種類の部品で構成されている。保持器18はガラス繊維とPTFEの複合材で形成され、保持器以外の部品の材料はマルテンサイト系ステンレス鋼である。
【0003】
液体ロケットエンジン用ターボポンプの軸受は以下のような過酷な条件下で使用される。
1)液体水素あるいは液体酸素中という極低温(−253℃あるいは−183℃)条件
2)dn値168万(max.)の高速回転 dn値=軸受内輪内径(mm)×軸受内輪回転数(rpm)
3)潤滑剤は保持器から転動体・軌道面へと転移するPTFEと、初期潤滑を担う内輪及び外輪軌道面と転動体のPTFE被膜のみである。
【0004】
【非特許文献1】
野坂正隆、「ロケットターボポンプ用軸受の保持器複合材の潤滑特性」、日本複合材料学会誌、第20巻、第6号、1994年、p215−223
【非特許文献2】
T. Jett、外2名、”Evaluation of Bearing Configurations Using the Single Bearing Tester in Liquid Nitrogen”、 NASA Technical Memorandum、NASA、1991、p. 2, 25
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図8のような構成の軸受には次のような問題点がある。保持器18の材料がガラス織布を円筒状に積層したものにPTFEを含浸させて焼成した複合材であるため、A)材料自体が非常に高価である。B)上記非特許文献1にもあるように、保持器形状に加工した後に、加工面にあるガラス繊維を溶解させるフッ酸処理が必要であるため、更に高価になる。C)製造方法が特殊であるため、生産性も低く、リードタイムも長期間必要である。D)ガラス織布が主に強度を支えているが、現状以上の高速回転を要求された場合、遠心力による応力に耐えることが困難になる。
【0006】
したがって、当該軸受の強度を高め、安価かつ短納期で生産するためには、保持器材料を変更する必要がある。たとえば、上記のように積層した複合材ではなく、基本的な構造は金属材料で構成し、ポケットと案内面はPTFEとCuからなるPTFE系樹脂(Salox M)をインサートするタイプが挙げられる(非特許文献2のp.2及びp.25参照)。このタイプであれば、金属材料を使用することにより保持器公転による遠心力に十分耐える強度を確保でき、滑り接触する保持器ポケット面と案内面にはPTFEの固体潤滑剤が供給されることになる。
【0007】
しかしながら、この保持器でも、構造部材である金属部分の機械加工がかなり困難である。Salox Mのポケット部品を収納するために従来の保持器以上の機械加工が必要である。
【0008】
本発明の目的は、高価な複合材料製の保持器を用いることなく、高強度で、しかも、安価に製造することのできる転がり軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内輪2と外輪4と転動体6と保持器8とで構成された転がり軸受であって、保持器8がPTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとで構成されていることを特徴とするものである。金属製のリング状部材8bが保持器公転による遠心力に十分耐える強度を保持し、滑り接触する保持器ポケット面と保持器案内面にはPTFEの固体潤滑剤が供給されることになる。
【0010】
PTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとは互いにしまりばめで結合させることができる。はめあいだけで結合させることにより、最も容易に、安価に実施をすることができる。金属製のリング状部材8bに爪8dを設けてPTFE製のリング状部材8aに係合させることができ、そうすることにより、両者の結合強度を高めることができる。
【0011】
保持器8のポケット穴8cを構成するPTFE製のリング状部材8aのポケット穴部分よりも金属製のリング状部材8bのポケット穴部分を大きくしておくことができ、そうすることによって、金属製のリング状部材8bが転動体6と接触することを防止できる。
【0012】
外輪4の、保持器8と接触する面にPTFE製のリング状部材4aを組み込むことができる。
【0013】
本発明の転がり軸受は、ロケットエンジンターボポンプの回転支持部に使用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。なお、内輪2と外輪4と転動体6と保持器8とからなる転がり軸受の基本的構成に関する限り、図8に関連して既述した従来のものと変わるところはない。
【0015】
図1に示す実施の形態は、外輪案内保持器をもったアンギュラ玉軸受の場合の例である。アンギュラ玉軸受は転動体として玉を用いたアンギュラコンタクトラジアル軸受であって、この転がり軸受は内輪2と外輪4と玉6と保持器8とで構成されている。外輪4の両肩に保持器8をラジアル方向に案内するための保持器案内面を設けてある。外輪4の保持器案内面と保持器外径面とのラジアル方向のすきまを適切に保って、保持器の振れ回りを防ぐようにしている。
【0016】
外輪4の保持器案内面は、PTFE製のリング状部材4aの内周面によって形成されている。リング状部材4aは、外輪4の両端部内周面に形成した環状溝にある程度のしめしろをもってはめ込んである。ここで、ある程度のしめしろとは、最低限、実際の使用時の温度条件において、線膨張係数の違いにより外輪とPTFE製リング状部材4aが分離しない程度の意である。
【0017】
図2に保持器8の詳細を示す。保持器8はPTFE製のリング状部材8aと金属材料製のリング状部材8bとの二部材で構成されている。内周側のPTFE製のリング状部材8aの外周面に金属製のリング状部材8bをある程度のしめしろをもって結合させてある。ここで、ある程度のしめしろとは、最低限、使用時の温度条件において線膨張係数の違いによりPTFE製リング状部材8aと金属製リング状部材8bが分離しないこと、また、遠心力が加えられても比重の違いによって両者が分離しないことが必要であり、実際には、軌道輪案内面との接触による外力が加わるため、さらに大きなしめしろとする必要がある。
【0018】
なお、両者(8a,8b)とも半径方向に貫通したポケット穴8cを有しているが、金属製のリング状部材8bのポケット穴部分がPTFE製のリング状部材8aのポケット穴部分よりも若干大きい。これは、ポケット穴8cに組み込まれる玉6と金属製のリング状部材8bとが直接接触しないようにするためである。図2(c)ではポケット穴の輪郭を太線で描くことにより、金属製のリング状部材8bのポケット穴部分の下にPTFE製のリング状部材8aがわずかに現れていることを表している。
【0019】
金属製のリング状部材8bを構成する材料としては、例えばSUS440Cなどを用いることができるが、線膨張係数等を考慮してアルミ材等、別の材料を用いてもよい。PTFE部材と金属部材との結合強度を考慮すると両者の材料の線膨張係数が同等であるのが好ましい。
【0020】
上述の実施の形態では、保持器8を構成するPTFE製のリング状部材8aと金属製のリング状部材8bとがはめあいだけで結合しているが、さらに確実に両者を結合させたい場合、図3(a)−(c)に示すように、金属製のリング状部材8bに爪8dを設けてPTFE製のリング状部材8aの端面に係合させることもできる。金属製のリング状部材8bの軸方向両側の周縁部に複数の爪8dを等間隔に設け、これを半径方向内側に折り曲げて、PTFE製のリング状部材8aを軸方向両側から保持するようにしたものである。
【0021】
さらに、図3(d)に示すように、PTFE製のリング状部材8aに形成した凹部に爪8dをはまり込ませることによって保持器8の幅面を面一にしてもよく、そうすることにより、両者(8a,8b)の結合強度が高まる。また、図3(e)に示すように、PTFE製のリング状部材8aに形成した凹部の断面形状を、保持器の半径方向内側ほど深くなるテーパ状にすることによって、爪8dを鋭角に折り曲げることができるため、両者(8a,8b)の結合強度がさらに高まり、高いdn条件下でも確実に固定することができる。
【0022】
爪8dは、図3に例示したように互いに独立した複数の爪の態様とするほか、全周にわたって連続した態様とすることも可能である。
【0023】
図4に示す実施の形態は、外輪案内で、かつ、片案内保持器を用いる場合の例である。ここでは、外輪4は一方(図4の右側)にのみ保持器案内面を有し、他方の肩を落として冷却効果とトルク低減を図ってある。保持器案内面は、図1の実施の形態と同様に、外輪4の内周面に形成した環状凹部にPTFE製のリング状部材4aをはめ込むことによって形成されている。ここでも、外輪4とリング状部材4aとはある程度のしめしろをもって結合させてある。ここでも、ある程度のしめしろとは、最低限、実際の使用時の温度条件において、線膨張係数の違いにより外輪4とリング状部材4aが分離しない程度の意である。保持器8としては図2あるいは図3に示したものを用いることができる。
【0024】
図5に示す実施の形態は、内輪案内で、かつ、両側案内保持器を用いる場合の例である。この場合、内輪2の保持器案内面(内輪外周面)には、図1あるいは図3に示すようなPTFE製のリング状部材4aを組み込む必要はない。何故なら、図2あるいは図3に示す保持器8を用いれば、内輪2の保持器案内面と保持器8を構成するPTFE部材8aとが接触するためである。
【0025】
図6に示す実施の形態は、内輪案内で、かつ、片側案内保持器を用いる場合の例である。基本的には図5の実施の形態と同様であるが、内輪2の一方(図6の右側)の肩を落としてあるため片側案内となっている点で異なる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は次のような効果を奏する。
1)高価な複合材料製の保持器が不要になるため安価な軸受になる。
2)ガラス織布を用いないのでフッ酸処理が不要になり、安価になる。
3)強度部材として金属材料を使用するため、強度向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図2】(a)は保持器の断面図、
(b)は図2(a)のb−b断面図、
(c)は図2(a)の部分平面図である。
【図3】(a)は保持器の断面図、
(b)は側面図、
(c)は部分平面図、
(d)は改変例を示す断面図、
(e)も改変例を示す断面図である。
【図4】第二の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図5】第三の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図6】第四の実施の形態を示す転がり軸受の断面図である。
【図7】液体酸素ターボポンプの半断面図である。
【図8】従来の技術を示す転がり軸受の断面図である。
【符号の説明】
2 内輪
4 外輪
4a PTFE製のリング状部材
6 玉(転動体)
8 保持器
8a PTFE製のリング状部材
8b 金属製のリング状部材
8c ポケット
8d 爪
Claims (4)
- 内輪と外輪と転動体と保持器とで構成された転がり軸受であって、前記保持器が金属製のリング状部材とPTFE製のリング状部材とで構成されていることを特徴とする転がり軸受。
- PTFE製のリング状部材のポケット穴部分よりも金属製のリング状部材のポケット穴部分を大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
- 外輪の、保持器と接触する面にPTFE製のリング状部材を組み込んだことを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受。
- ロケットエンジンターボポンプ用であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の転がり軸受。
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---|---|---|---|
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Publications (1)
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ID=32803654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002323906A Withdrawn JP2004156725A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004156725A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014209647A1 (de) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Kugellager für einen Turbolader |
JP2017129276A (ja) * | 2017-03-08 | 2017-07-27 | Ntn株式会社 | 深みぞ玉軸受の保持器 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002323906A patent/JP2004156725A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014209647A1 (de) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Kugellager für einen Turbolader |
JP2017129276A (ja) * | 2017-03-08 | 2017-07-27 | Ntn株式会社 | 深みぞ玉軸受の保持器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |