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JP5376310B2 - 深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器および深みぞ玉軸受 - Google Patents

深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器および深みぞ玉軸受 Download PDF

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JP5376310B2 JP2009166411A JP2009166411A JP5376310B2 JP 5376310 B2 JP5376310 B2 JP 5376310B2 JP 2009166411 A JP2009166411 A JP 2009166411A JP 2009166411 A JP2009166411 A JP 2009166411A JP 5376310 B2 JP5376310 B2 JP 5376310B2
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Description

この発明は、深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器およびその保持器を用いた深みぞ玉軸受に関する。
一般に、自動車のトランスミッションにおいては、回転トルクの伝達にヘリカルギヤが採用されているため、そのヘリカルギヤを支持するシャフトには、回転時にラジアル荷重とスラスト荷重が負荷されることになる。
そこで、トランスミッションにおいては、普通、円すいころ軸受を用いてシャフトを支持するようにしているが、その円すいころ軸受においては負荷容量が大きいため、損失トルクの少ない深みぞ玉軸受が使用されるケースが多くなってきている。
ここで、深みぞ玉軸受においては、外輪と内輪間に組込まれたボールを保持器により保持しており、その保持器として、金属製のものや、例えば、特許文献1に記載されているように、合成樹脂製のものが採用されている。
特開2006−258172号公報
ところで、深みぞ玉軸受に採用されている上記のいずれの保持器も、単にボールを保持する機能しか有しないため、円すいころ軸受に比較して通油性(潤滑性)に劣り、トランスミッションのような高荷重下や高速回転下での使用においては、発熱し易く、耐久性に問題があり、改善すべき点が残されている。
この発明の課題は、潤滑性の向上を図ることができるようにした深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器および深みぞ玉軸受を提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明に係る深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器においては、合成樹脂の成形品からなる円筒形の第1分割保持器と、その第1分割保持器の内側に挿入される合成樹脂製の円筒形の第2分割保持器からなり、前記第1分割保持器の軸方向一側面と第2分割保持器の軸方向他側面に、その両分割保持器を内外に組み合わせた状態でボール保持用の円形のポケットを形成する切欠部を周方向に間隔をおいて設け、前記第1分割保持器と第2分割保持器が円形のポケットを形成する組み合わせ状態で、その両分割保持器を軸方向に非分離とする連結手段を設けた構成を採用したのである。
また、この発明に係る深みぞ玉軸受においては、内径面に軌道溝が形成された外輪と、外径面に軌道溝が形成された内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝間に組込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とからなる深みぞ玉軸受において、前記保持器として、上記の合成樹脂製保持器を採用した構成としたのである。
上記の構成からなる深みぞ玉軸受の組立てに際しては、外輪と内輪間にボールを組込んだ後、外輪と内輪の一側方から軸受内部に第1分割保持器を、その第1分割保持器に形成された切欠部内にボールが収容されるように挿入し、かつ、外輪と内輪間の他側方から軸受内部に第2分割保持器を、その第2分割保持器に形成された切欠部内にボールが収容されるように挿入して、第1分割保持器の軸方向の一側部内に第2分割保持器の軸方向の他側部を嵌合して、連結手段により、その両分割保持器を連結する。
上記深みぞ玉軸受を用いて、例えば、トランスミッションのインプットシャフト等のトルク伝達シャフトを支持し、その支持状態において、トルク伝達シャフトが回転し、外輪と内輪が相対回転すると、ボールは自転しつつ公転し、その公転により、保持器も回転し、外輪と内輪間に潤滑油が介在していると、その潤滑油は保持器との接触によって連れ回されることになる。
このとき、第1分割保持器と第2分割保持器は外径が異なるため、周速に差が生じ、第1分割保持器との接触によって連れ回わされる潤滑油の流れは第2分割保持器との接触によって連れ回される潤滑油の流れより速くなり、流れの速い側に流れの遅い側の潤滑油が引き寄せられて、軸受内部にポンプ作用が生じる。そのポンプ作用により潤滑油が軸受内部を一方向に流動し、深みぞ玉軸受は強制的に潤滑されることになる。
ここで、連結手段として、第1分割保持器の隣接する切欠部間に形成された柱部の先端部に内向きの係合爪を設け、前記第2分割保持器の隣接する切欠部間に形成された柱部の先端部に外向きの係合爪を設け、第1分割保持器の係合爪を第2分割保持器の外径面に形成された係合凹部に係合し、第2分割保持器の係合爪を第1分割保持器の内径面に形成された係合凹部に係合させるようにした構成から成るものを採用することができる。
上記のような連結手段の採用において、係合爪と係合凹部の係合部の数を3つ以上とすることにより、第1分割保持器と第2分割保持器とをより確実に結合することができる。
この発明に係る合成樹脂製保持器において、切欠部は、平面形状において2分の1円を超える円形状とされて開口端に対向一対のポケット爪を有し、断面形状がボールの外周に沿う球面状とされたものであってもよく、あるいは、第1分割保持器と第2分割保持器の嵌合状態において円筒状のポケットを形成する平面U字形とされたものであってもよい。
切欠部として、平面形状が2分の1円を超える円形状ものを採用すると、係合爪と係合凹部の係合およびポケット爪とボールの係合によって分割保持器の脱落を効果的に防止することができる。
一方、切欠部として、平面形状がU字形とされたものを採用することにより、保持器の組込みにボールが干渉することがなく、軸受内部に保持器を容易に組込むことができる。
平面形状が2分の1円を超える円形状の切欠部の採用において、係合爪と係合凹部間に形成される周方向すきまをボールとポケット間に形成される周方向のポケットすきまより大きくしておくことにより、大きなモーメント荷重が負荷されてボールに遅れ進みが生じ、第1分割保持器と第2分割保持器とが相対的に回転しても、係合爪が係合凹部の周方向で対向する側面に当接することはなく、係合爪の損傷防止に効果を挙げることができる。
また、係合爪と係合凹部間に形成される軸方向すきまをボールとポケット間に形成される軸方向のポケットすきまより大きくしておくことにより、第1分割保持器と第2分割保持器に離反する方向の軸方向力が作用した際に、対向一対のポケット爪の内面がボールの外周面に当接して、係合爪が係合凹部の軸方向端面に当接するというようなことはなく、係合爪の損傷防止に効果を挙げることができる。
一方、平面U字形の切欠部の採用において、係合爪と係合凹部間に形成される周方向すきまを径方向で対向する2つの切欠部によって形成されるポケットとそのポケット内に収容されるボール間の周方向のポケットすきまより大きくしておくことにより、大きなモーメント荷重が負荷されてボールに遅れ進みが生じ、第1分割保持器と第2分割保持器とが相対的に回転しても、係合爪が係合凹部の周方向で対向する側面に当接することはなく、係合爪の損傷防止に効果を挙げることができる。
深みぞ玉軸受は、潤滑油により潤滑されるため、第1分割保持器および第2分割保持器は耐油性に優れた合成樹脂で成形するのが好ましい。そのような樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)を挙げることができる。それらの樹脂のうち、ポリフェニレンスルファイド(PPS)は、他の樹脂に比較して耐油性が優れているため、耐油性を考慮するならば、ポリフェニレンスルファイド(PPS)を用いるのが最も好ましい。
また、樹脂材料の価格を考慮するならば、ポリアミド66(PA66)を用いるのが好ましく、潤滑油の種類に応じて適宜に決定すればよい。
上記のように、この発明においては、第1分割保持器の軸方向一側部内に、その第1分割保持器より小径の第2分割保持器の軸方向他側部を嵌合して、連結手段の係合により第1分割保持器と第2分割保持器を軸方向に非分離としたので、深みぞ玉軸受への組込みにおいて、外輪と内輪が相対回転した際に、第1分割保持器と第2分割保持器の径差に基づく周速の相違から、軸受内部にポンプ作用を生じさせることができる。このため、そのポンプ作用によって軸受内部に潤滑油を強制的に流動させることができ、潤滑性に優れた深みぞ玉軸受を得ることができる。
この発明に係る合成樹脂製保持器を採用した深みぞ玉軸受の縦断正面図 図1に示す保持器の一部分を示す右側面図 図1に示す保持器の一部分を示す左側面図 図1の第1分割保持器と第2分割保持器の結合部を拡大して示す断面図 第1分割保持器と第2分割保持器の一部分を示す平面図 (I)は、図5に示す第1分割保持器のポケットにボールを組込んだ状態での周方向のポケットすきまを示す平面図、(II)は、図5に示す第1分割保持器のポケットにボールを組込んだ状態での軸方向のポケットすきまを示す平面図 この発明に係る合成樹脂製保持器の他の例を示す一部分の平面図 図7に示す第1分割保持器のポケットにボールを組込んだ状態での周方向のポケットすきまを示す平面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、深みぞ玉軸受Aは、外輪11の内径面に形成された軌道溝12と内輪21の外径面に設けられた軌道溝22間にボール31を組込み、そのボール31をこの発明に係る保持器40で保持している。
ここで、外輪11の軌道溝12の両側に形成された一対の肩13a、13bのうち、軌道溝12の一側方に位置する肩13aの高さを標準型深みぞ玉軸受の外輪の肩の高さより高くし、他側方に位置する肩13bを標準型深みぞ玉軸受の外輪の肩の高さと同じ高さとしており、また、内輪21の軌道溝22の両側に形成された一対の肩23a、23bのうち、軌道溝22の他側方に位置する肩23bの高さを標準型深みぞ玉軸受の内輪の肩の高さより高くし、一側方に位置する肩23aの高さを標準型深みぞ玉軸受の内輪の肩の高さと同じ高さとしているが、外輪11および内輪21は、標準型深みぞ玉軸受の外輪および内輪と同一の構成からなるものを用いるようにしてもよく、また、外輪11の他側方に位置する肩13bおよび内輪21の一側方に位置する肩23aの肩高さを標準型深みぞ玉軸受の肩の高さより低くしてもよい。なお、標準型深みぞ玉軸受とは、外輪の一対の肩の高さおよび内輪の一対の肩の高さが同じ高さとされている軸受のことをいう。
図1乃至図3に示すように、保持器40は、第1分割保持器41と、その第1分割保持器41の内側に挿入された第2分割保持器42とからなる。
図5に示すように、第1分割保持器41は、環状体43の軸方向一側面に対向一対のポケット爪44を周方向に等間隔に形成し、各対向一対のポケット爪44間に上記環状体43を刳り抜く平面形状が2分の1円を超える大きさの切欠部45を設けた合成樹脂の成形品からなっている。
ここで、環状体43の内径は、図1に示すように、ボール31のピッチ円径(PCD)に略等しく、外径は外輪11の高さが高い肩13aの内径と高さの低い肩13bの内径の範囲内とされて、外輪11の高さの低い肩13b側から軸受内に挿入可能とされている。また、切欠部45の内面は、ボール31の外周に沿う球面状とされている。
一方、第1分割保持器42は、環状体48の軸方向他側面に対向一対のポケット爪49を周方向に等間隔に形成し、各対向一対のポケット爪49間に上記環状体48を刳り抜く平面形状が2分の1円を超える大きさの切欠部50を設けた合成樹脂の成形品からなっている。
上記環状体48の外径は、図1に示すように、ボール31のピッチ円径(PCD)に略等しく、内径は内輪21の高さの高い肩23bの外径と高さの低い肩23aの外径の範囲内とされている。この第2分割保持器42は、高さの低い肩23a側から軸受内に挿入可能とされ、かつ、第1分割保持器41の内側に嵌合可能とされている。また、切欠部50の内面は、ボール31の外周に沿う球面状とされている。
図4および図5に示すように、第1分割保持器41と第2分割保持器42の相互間には、第1分割保持器41の軸方向一側部内に第2分割保持器42の軸方向他側部を挿入して、対向一対の切欠部45,50により円形のポケットを形成する状態において、その第1分割保持器41と第2分割保持器42を軸方向に非分離とする連結手段Xが設けられている。
連結手段Xは、第1分割保持器41の隣接する切欠部45間に形成された柱部43aの先端部に内向きの係合爪46を設け、かつ、環状体43の内径面に上記係合爪46と同一軸線上に溝状の係合凹部47を形成し、第2分割保持器42の隣接する切欠部50間に形成された柱部48aの先端部に外向きの係合爪51を設け、かつ、環状体48の外径面に上記係合爪51と同一軸線上に係合凹部52を形成し、第1分割保持器41の係合爪46と第2分割保持器42の係合凹部52の係合、および、第2分割保持器42の係合爪51と第1分割保持器41の係合凹部47の係合によって、第1分割保持器41と第2分割保持器42とを軸方向に非分離とする構成とされている。
ここで、第1分割保持器41および第2分割保持器42は、深みぞ玉軸受を潤滑する潤滑油に触れるため、耐油性に優れた合成樹脂を用いるようにする。そのような合成樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)を挙げることができる。これらの樹脂は、潤滑油の種類に応じて適切なものを選択して使用すればよい。
実施の形態で示す深みぞ玉軸受は上記の構造からなり、その深みぞ玉軸受の組立てに際しては、外輪11の内側に内輪21を挿入し、その内輪21の軌道溝22と外輪11の軌道溝12間に所要数のボール31を組込む。
このとき、内輪21を外輪11に対して径方向にオフセットして、内輪21の外径面の一部を外輪11の内径面の一部に当接し、その当接部位から周方向に180度ずれた位置に三日月形の空間を形成し、その空間の一側方から内部にボール31を組込むようにする。
そのボール31の組込みに際して、外輪11のスラスト負荷側の肩13aや内輪21の高さが高い肩23bの肩高さHが必要以上に高い場合には、ボール31の組込みを阻害することになるが、実施の形態では、ボール31の球径dに対する肩高さHの比率H/dが、0.50を超えることのない高さとして、外輪11と内輪21間にボール31を確実に組込むことができるようにしてある。
ボール31の組込み後、内輪21の中心を外輪11の中心に一致させてボール31を周方向に等間隔に配置し、外輪11の高さの低い肩13bの一側方から外輪11と内輪21間に第1分割保持器41を、その第1分割保持器41に形成された切欠部45内にボール31が嵌り込むようにして挿入する。
また、内輪21の高さが低い肩23aの一側方から外輪11と内輪21間に第2分割保持器42を、その第2分割保持器42に形成された切欠部50内にボール31が嵌り込むように挿入して、第1分割保持器41の軸方向一側部内に第2分割保持器42の軸方向他側部を嵌合する。
上記のように、第1分割保持器41内に第2分割保持器42を嵌合することにより、図1および図4に示すように、各分割保持器41、42に形成された係合爪46、51が相手方の分割保持器に設けられた係合凹部47、52に係合することになり、深みぞ玉軸受の組立てが完了する。
このように、外輪11の軌道溝12と内輪21の軌道溝22間にボール31を組込んだ後、外輪11と内輪12間の両側方から内部に第1分割保持器41と第2分割保持器42とを挿入して、第1分割保持器41内に第2分割保持器42を嵌合する簡単な作業によって深みぞ玉軸受Aを組立てることができる。
ここで、上記深みぞ玉軸受Aを用いて、例えば、トランスミッションのインプットシャフト等のトルク伝達シャフトを支持し、その支持状態において、トルク伝達シャフトが回転し、外輪11と内輪21が相対回転すると、ボール31は自転しつつ公転し、その公転により、保持器40も回転し、外輪11と内輪21間に潤滑油が介在されていると、その潤滑油は保持器40との接触によって連れ回されることになる。
このとき、第1分割保持器41と第2分割保持器42は外径が異なるため、周速に差が生じ、第1分割保持器41との接触によって連れ回される潤滑油の流れは第2分割保持器42との接触によって連れ回される潤滑油の流れより速くなり、流れの速い側に流れの遅い側の潤滑油が引寄せられて、軸受内部にポンプ作用が生じる。そのポンプ作用により、図1の矢印で示す方向に潤滑油が流動し、軸受内部が強制的に潤滑されることになり、深みぞ玉軸受Aの潤滑性の向上を図ることができる。
実施の形態で示す深みぞ玉軸受においては、第1分割保持器41の切欠部45および第2分割保持器42の切欠部50の開口端にボール31を抱き込む対向一対のポケット爪44、49を設け、上記第1分割保持器41に形成された対向一対のポケット爪44と第2分割保持器42に設けられた対向一対のポケット爪49を相反する方向に向く組み合わせとし、その組み合わせ状態において、係合爪46、51を係合凹部47、52に係合して、第1分割保持器41と第2分割保持器42を軸方向に非分離としているため、大きなモーメント荷重が負荷されてボール31に遅れや進みが生じても、保持器40は脱落するようなことはない。
ここで、図6(I)に示すように、係合爪46、51と係合凹部47、52間に形成される周方向すきま60のすきま量δをボール31と切欠部45、50間に形成される周方向のポケットすきま61のすきま量δより大きくしておくことにより、大きなモーメント荷重が負荷されてボール31に遅れ進みが生じ、第1分割保持器41と第2分割保持器42とが相対的に回転しても、係合爪46、51が係合凹部47、52の周方向で対向する側面に当接することはなく、係合爪46、51の損傷防止に効果を挙げることができる。
また、図6(II)に示すように、係合爪46、51と係合凹部47、52間に形成される軸方向すきま62のすきま量δをボール31と切欠部45、50間に形成される軸方向のポケットすきま63のすきま量δより大きくしておくことにより、第1分割保持器41と第2分割保持器42に離反する方向の軸方向力が作用した際に、対向一対のポケット爪44、49の内面がボール31の外周面に当接して、係合爪46、51が係合凹部47、52の軸方向端面に当接するというようなことがなくなり、係合爪46、51の損傷防止に効果を挙げることができる。
図1および図5では、切欠部45、50として、環状体43、48を刳り抜く平面形状が2分の1円を超える大きさであって、断面形状が円弧状とされたものを示したが、切欠部45、50はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、第1分割保持器41と第2分割保持器42の嵌合状態において円筒状のポケットを形成する平面U字形とされたものであってもよい。
図7に示す切欠部45、50の採用において、図7および図8に示すように、係合爪46、51と係合凹部47、52間に形成される周方向すきま64のすきま量δをボール31と切欠部45、50間に形成される周方向のポケットすきま66のすきま量δより大きくしておくことにより、大きなモーメント荷重が負荷されてボール31に遅れ進みが生じ、第1分割保持器41と第2分割保持器42とが相対的に回転しても、係合爪46、51が係合凹部47、52の周方向で対向する側面に当接することはなく、係合爪46、51の損傷防止に効果を挙げることができる。
31 ボール
40 保持器
41 第1分割保持器
42 第2分割保持器
43a 柱部
44 ポケット爪
45 切欠部
46 係合爪
47 係合凹部
48a 柱部
49 ポケット爪
50 切欠部
51 係合爪
52 係合凹部
60 周方向すきま
61 周方向のポケットすきま
62 軸方向すきま
63 軸方向のポケットすきま
64 周方向すきま
65 周方向のポケットすきま
X 連結手段

Claims (8)

  1. 合成樹脂の成形品からなる円筒形の第1分割保持器と、その第1分割保持器の内側に挿入される合成樹脂製の円筒形の第2分割保持器からなり、前記第1分割保持器の軸方向一側面と第2分割保持器の軸方向他側面に、第1分割保持器の軸方向一側部内に第2分割保持器の軸方向他側部を嵌合する組み合わせ状態でボール保持用の円形のポケットを形成する切欠部を周方向に間隔をおいて設け、前記第1分割保持器と第2分割保持器が円形のポケットを形成すると共に、第1分割保持器の軸方向他側部が第2分割保持器の軸方向他側面から軸方向に突出し、かつ、第2分割保持器の軸方向一側部が第1分割保持器の軸方向一側面から軸方向に突出する組み合わせ状態で、その両分割保持器を軸方向に非分離とする連結手段を設け、
    前記連結手段が、前記第1分割保持器の隣接する切欠部間に形成された柱部の先端部に内向きの係合爪を設け、前記第2分割保持器の隣接する切欠部間に形成された柱部の先端部に外向きの係合爪を設け、第1分割保持器の係合爪を第2分割保持器の外径面に形成された係合凹部に係合し、第2分割保持器の係合爪を第1分割保持器の内径面に形成された係合凹部に係合した構成とされ、前記係合爪と係合凹部の係合部の数を3つ以上とした深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  2. 前記切欠部が、平面形状において2分の1円を超える円形状とされて開口端に対向一対のポケット爪を有し、断面形状がボールの外周に沿う球面状とされた請求項1に記載の深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  3. 前記係合爪と係合凹部間に形成される周方向すきまを径方向で対向する2つの切欠部によって形成されるポケットとそのポケット内に収容されるボール間の周方向のポケットすきまより大きくした請求項に記載の深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  4. 前記係合爪と係合凹部間に形成される軸方向すきまを径方向で対向する2つの切欠部によって形成されるポケットとそのポケット内に収容されるボール間の軸方向のポケットすきまより大きくした請求項又はに記載の深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  5. 前記切欠部が、第1分割保持器と第2分割保持器の組み合わせ状態において円筒状のポケットを形成する平面U字形とされた請求項1に記載の深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  6. 前記係合爪と係合凹部間に形成される周方向すきまを径方向で対向する2つの切欠部によって形成されるポケットとそのポケット内に収容されるボール間の周方向のポケットすきまより大きくした請求項に記載の深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  7. 前記第1分割保持器および第2分割保持器が、ポリアミド46、ポリアミド66およびポリフェニレンスルファイドの一種からなる請求項1乃至のいずれかの項に記載の深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器。
  8. 内径面に軌道溝が形成された外輪と、外径面に軌道溝が形成された内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝間に組込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とからなる深みぞ玉軸受において、
    前記保持器が、請求項1乃至のいずれかの項に記載の保持器からなることを特徴とする深みぞ玉軸受。
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