JP2004151508A - 表示装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段(11、12)と、入力される入力信号の輝度レベルを、複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて表示手段の夫々に分配する輝度レベル分配手段(24)と、表示手段の夫々についてのガンマ特性により奥行位置に応じて分配された輝度レベルに発生する分配率の狂いを、奥行位置に応じて補償するように、分配された輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償手段(23、26、27)とを備える。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段を観察者の視線方向に相前後して配置し、夫々の表示手段に重ねて表示する画像中における物体像の輝度をその奥行位置に応じて表示手段間で変えることにより当該物体を立体的に表示する、輝度変調型の立体表示方式の表示装置及び表示方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体視することが可能な装置として種々の形態のものが提案され、実用化がなされている。例えば、動画の立体表示を可能とする装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡はカメラで3次元物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、2次元表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、表示される画像と同期を取って右目、左目の液晶シャッタを切り替えることで、両眼の視差に応じた画像を立体的に見ることができるものである。
【0003】
最近では、観察者の視線上に相前後して二つの2次元表示装置を設け、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される3次元表示装置がある。また、その離散的な状態を改善するために、2次元表示装置の夫々に表示される各物体像の輝度に、奥行位置に応じた差或いは変化をつけることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様な立体画像を表示可能であり、より立体感が自然となるように改良された3次元表示装置或いは立体表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示装置からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の立体表示方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した輝度変調型の立体表示方式においては、次の問題点がある。
【0006】
即ち、本来の入力信号が有する輝度レベルに対する実際の出力輝度レベルにおいて、例えば観察者の目の感度特性に適合させるため、ディスプレイや映像信号に所謂「ガンマ補正」が行われていることが多い。しかるに、ガンマ補正が行われた後の立体表示をしない2次元表示装置で表示される輝度レベルと、立体表示を得るために二つの2次元表示装置に輝度信号を分配した後に夫々の2次元表示装置でガンマ補正された後に表示される出力輝度レベルの合計とは、一致しない。言い換えれば、各物体像の輝度の大小に応じて、当該輝度により規定される奥行位置がガンマ特性により変化してしまい、殆どの場合多かれ少なかれ異常な立体表示となるという技術的問題点がある。
【0007】
従って、より具体的には、前方或いは後方の2次元表示装置の一方に100%の輝度レベルの分配信号を入力する場合を除き、二つの2次元表示装置に割り振った出力輝度レベルの合計は、ガンマ特性のために一般的に低下するのである。
【0008】
尚、「ガンマ特性」とは、入力に対して出力がリニアでない特性を一般に意味し、本発明に係る「ガンマ特性」とは、表示装置により出力される出力輝度レベルが、本来の入力信号の輝度レベルに対して非線形或いはリニアでない特性をいうものとする。ここでは、ディスプレイやモニタなどのハードウエア的なものと、映像信号やOS(オペレーティングシステム)などのソフトウエア的なものとが存在する。これらは、規格で決定されている場合が多く、例えばNTSC(National Television System Committee)であれば、ガンマ値は2.2である。ディスプレイや映像信号のガンマ値が分かれば、換算可能であり、ガンマ補正が可能となるのである。
【0009】
以上のように、従来の如く表示装置においてガンマ補正を行いつつ或いはガンマ特性を有する入力信号を用いて、輝度変調型の立体表示方式で表示を行おうとすると、正常な立体表示や正常な輝度での表示を行うことが技術的に困難或いは殆ど不可能であるという問題点がある。
【0010】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えばガンマ特性を有する表示装置或いは入力信号を用いても、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことを可能ならしめる表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段と、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配手段と、前記表示手段の夫々についてのガンマ特性により前記奥行位置に応じて前記出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、前記奥行位置に応じて補償するように、前記出力輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償手段とを備える。
【0012】
上記課題を解決するために請求項11に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段と、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配手段と、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記出力輝度レベルを変換する輝度レベル変換手段とを備える。
【0013】
上記課題を解決するために請求項19に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配工程と、前記表示手段の夫々についてのガンマ特性により前記奥行位置に応じて前記出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、前記奥行位置に応じて補償するように、前記出力輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償工程とを備える。
【0014】
上記課題を解決するために請求項20に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配工程と、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記出力輝度レベルを変換する輝度レベル変換工程とを備える。
【0015】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0017】
本発明の第1実施形態に係わる表示装置は上記課題を解決するために、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段と、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配手段と、前記表示手段の夫々についてのガンマ特性により前記奥行位置に応じて前記出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、前記奥行位置に応じて補償するように、前記出力輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償手段とを備える。
【0018】
本発明の第1実施形態に係わる表示装置によれば、例えば二つの表示手段は、所定の間隔を隔てて観察者の視線上に重なるように配置される。輝度レベル分配手段は、立体画像の奥行位置に応じて、当該表示装置に入力される入力信号の輝度レベルを表示手段の夫々に分配信号の輝度レベルとして分配する。これを受けて、複数の表示手段が出力輝度レベルで表示出力を行うことで、輝度変調型の立体表示が行われる。ここで特に、輝度レベル補償手段は、出力輝度レベルに対して変更を加え、これにより、表示手段の夫々についてのガンマ特性により奥行位置に応じて、出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、奥行位置に応じて補償する。好ましくは、この補償は、夫々の表示手段が表示出力する出力輝度レベルの合計が、輝度変調型の立体表示を行わない、元の出力画像におけるガンマ補正が施された後の輝度レベルに近付くように、好ましくは一致するように行われる。これにより、前述した従来例の如く非線形のガンマ特性に起因する、分配率の狂いにより生じる、輝度変調型の立体表示における狂いが低減される。即ち輝度変調型の立体表示が、より正常に行われることになる。しかも、立体表示のために出力輝度レベルの合計を、本来のガンマ補正が施された出力画像における輝度レベルにより近付けること、或いは一致させることができる。これにより、最終的には観察者の視覚上で正常な奥行位置と明るさで輝度変調型の立体表示を行える。このようにガンマ特性を持つ表示手段や入力信号を用いた場合でも、輝度レベルを補償することによって、輝度変調型の立体表示を正常に行える。
【0019】
因みに、始めから表示手段におけるガンマ特性を無くす、即ち輝度について完全にリニアな入出力特性をもつように表示装置を構成すれば、輝度変調型の立体表示を行う際の輝度レベルの分配自体は容易である。この場合、分配した出力輝度レベルの合計が、奥行位置によらずに一定になるように容易に分配可能である。しかしながら、このようにガンマ特性を単純に排除してしまうと、今度は、表示画像における肝心の輝度に、観察者の視覚上で大きな狂いが生じる。これに対して、本発明によれば、観察者の視覚上の輝度についても問題なく立体表示できるという大きな利点が得られる。
【0020】
尚、本発明に係る輝度レベルの「補償」とは、表示手段の夫々についてのガンマ特性や入力信号のガンマ特性により奥行位置に応じて、輝度レベル分配手段により出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、多少なりとも低減するように或いは完全に相殺するように、輝度レベルに対して変更を加えることをいう。
【0021】
第1実施形態に係わる表示装置の一態様では、前記輝度レベル補償手段は、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように、且つ前記輝度レベル分配手段により分配されないとの仮定の下に前記ガンマ特性に基づき表示出力される筈の輝度レベルに等しくなるように、前記出力輝度レベルに変更を加える。
【0022】
この態様によれば、同一の入力信号の輝度レベルに対して若しくは同一輝度レベルの物体像を、当該輝度変調型の立体表示において任意の奥行位置に表示すると仮定した場合又は任意の配分率で出力輝度レベルを配分すると仮定した場合において、出力輝度レベルの合計が奥行位置によらずに一定とされる。しかも、出力輝度レベルの合計は、観察者の目の感度特性に応じた本来のガンマ補正が行われた後の輝度レベルに等しくされる。従って、ガンマ特性によって輝度を観察者の視覚上で適切なものにしながら、輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。
【0023】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記ガンマ特性は、少なくとも部分的に前記表示手段の夫々のガンマ補正によって生じる。
【0024】
この態様によれば、表示手段の夫々により非線形のガンマ補正が行われる場合であっても、輝度レベル補償手段による補償によって、輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。逆に、表示手段の有するガンマ補正機能によって、観察者の視覚上における輝度を適切なものにしつつ当該輝度変調型の立体表示を行える。
【0025】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記ガンマ特性は、少なくとも部分的に前記入力信号に対して予め行われるガンマ補正によって生じる。
【0026】
この態様によれば、予め入力信号に対して非線形のガンマ補正が行われている場合であっても、輝度レベル補償手段による補償によって、輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。逆に、入力信号源等の有するガンマ補正機能によって、観察者の視覚上における輝度を適切なものにしつつ当該輝度変調型の立体表示を行える。
【0027】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記表示手段は夫々、RGBのカラー表示可能であり、前記輝度レベル分配手段は、前記RGB毎に分配し、前記輝度レベル補償手段は、前記RGB毎に変更を加える。
【0028】
この態様によれば、RGB(赤、緑、青)毎に行われる輝度レベル補償手段による補償によって、カラーの輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。
【0029】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記表示手段は夫々、画素毎に表示可能であり、前記輝度レベル分配手段は、前記画素毎に分配し、前記輝度レベル補償手段は、前記画素毎に変更を加える。
【0030】
この態様によれば、画素毎に行われる輝度レベル補償手段による補償によって、輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。
【0031】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記立体画像の奥行位置を設定する位置設定手段を更に備える。
【0032】
この態様によれば、立体画像が得られる位置を外部から制御することができ、効果的な立体画像の表示が可能となる。その手段としてキーボード等の入力手段を用いてもよく、或いはコンピュータのプログラムによって表示位置を連続的に変化させるようにしてもよい。
【0033】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記輝度レベル補償手段は、予め設定されたテーブルに基づいて前記輝度レベルを変換する。
【0034】
この態様によれば、テーブルに基づく輝度レベルの変換という形式で、比較的簡単に、輝度レベル補償手段による補償を実行できる。
【0035】
或いは第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記輝度レベル補償手段は、予め設定された関数に基づいて演算により前記輝度レベルを変換する。
【0036】
この態様によれば、関数に基づく輝度レベルの変換という形式で、比較的簡単に、輝度レベル補償手段による補償を実行できる。
【0037】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記輝度レベル補償手段は、前記出力輝度レベルの合計を、前記奥行位置によらずに、対応する前記入力信号の輝度レベルに等しくするように前記変更を加える。
【0038】
この態様によれば、輝度レベル補償手段による輝度レベルの変更によって、出力輝度レベルの合計を、奥行位置によらずに入力信号の輝度レベルに等しくできる。これにより、前述した従来例の如く非線形のガンマ補正に起因する、輝度変調型の立体表示における狂いが消滅する。即ち輝度変調型の立体表示が極めて正常に行われることになる。
【0039】
第1実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記輝度レベル補償手段は、前記出力輝度レベルに対して前記変更を加えるのに代えて、前記輝度レベル分配手段の前段において、前記入力信号の輝度レベルに前記変更を加える。
【0040】
この態様によれば、輝度レベル分配手段による分配の前に、輝度レベル補償手段は、輝度レベルに対して変更を加え、ガンマ特性により奥行位置に応じて、出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、予め奥行位置に応じて補償する。
【0041】
これにより、前述した従来例の如く非線形のガンマ特性に起因する、輝度変調型の立体表示における狂いが低減される。即ち輝度変調型の立体表示がより正常に行われることになる。
【0042】
本発明の第2実施形態に係わる表示装置は上記課題を解決するために、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段と、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配手段と、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記出力輝度レベルを変換する輝度レベル変換手段とを備える。
【0043】
本発明の第2実施形態に係わる表示装置によれば、例えば二つの表示手段は、所定の間隔を隔てて観察者の視線上に重なるように配置される。輝度レベル分配手段は、立体画像の奥行位置に応じて、当該表示装置に入力される入力信号の輝度レベルを表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する。これを受けて、複数の表示手段が出力輝度レベルで表示出力を行うことで、輝度変調型の立体表示が行われる。ここで特に、輝度レベル変換手段の変換によって、同一の入力信号の輝度レベルに対して若しくは同一輝度レベルの物体像を、当該輝度変調型の立体表示において任意の奥行位置に表示すると仮定した場合又は任意の配分率で出力輝度レベルを配分すると仮定した場合において、前記出力輝度レベルの合計が、奥行位置によらずに一定とされる。従って、前述した従来例の如く非線形のガンマ補正に起因する、輝度変調型の立体表示における狂いが殆ど無い。即ち輝度変調型の立体表示が、正常に行われることになる。しかも、立体表示のために出力輝度レベルの合計を、本来のガンマ補正が施された出力画像における輝度レベルにより近付けること、或いは一致させることができる。これにより、最終的には観察者の視覚上で正常な明るさで輝度変調型の立体表示を行える。このようにガンマ特性を持つ表示手段や入力信号を用いた場合でも、輝度レベルを補償することによって、輝度変調型の立体表示を正常に行える。或いは当該輝度レベル変換手段により、ガンマ補正を含めて輝度レベル変換を行うことによって、ガンマ特性を持たない表示手段や入力信号を用いた場合にでも、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。
【0044】
尚、本発明において出力輝度レベルの合計が「一定とされる」とは、完全に一定である場合の他、当該輝度変調型の立体表示が観察者の視覚上で正常に見える程度に一定であれば足りる趣旨である。
【0045】
第2実施形態に係わる表示装置の一態様では、前記輝度レベル変換手段は、前記出力輝度レベルに対してその分配率を維持したままガンマ補正を加える。
【0046】
この態様によれば、当該輝度レベル変換手段により、ガンマ補正を含めて輝度レベル変換を行うことによって、ガンマ特性を持たない表示手段や入力信号を用いた場合にでも、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。
【0047】
第2実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記表示手段は夫々、RGBのカラー表示可能であり、前記輝度レベル分配手段は、前記RGB毎に分配し、前記輝度レベル変換手段は、前記RGB毎に前記出力輝度レベルを変換する。
【0048】
この態様によれば、RGB毎に、輝度レベル分配手段は分配し、輝度レベル変換手段は変換するので、カラーの輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。
【0049】
第2実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記表示手段は夫々、画素毎に表示可能であり、前記輝度レベル分配手段は、前記画素毎に分配し、前記輝度レベル変換手段は、前記画素毎に前記出力輝度レベルを変換する。
【0050】
この態様によれば、画素毎に行われる輝度レベル変換手段による出力輝度レベルの変換によって、輝度変調型の立体表示を正常に行うことが可能となる。
【0051】
第2実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記輝度レベル変換手段は、前記出力輝度レベルを変換するのに代えて、前記輝度レベル分配手段の前段において、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記入力信号の輝度レベルを変換する。
【0052】
この態様によれば、輝度レベル分配手段による分配の前に、輝度レベル変換手段は、輝度レベルに対して変換を行う。これにより、同一の入力信号の輝度レベルに対して若しくは同一輝度レベルの物体像を、当該輝度変調型の立体表示において任意の奥行位置に表示すると仮定した場合又は任意の配分率で出力輝度レベルを配分すると仮定した場合において、出力輝度レベルの合計は、複数の表示手段で表示出力される段階で、一定とされる。よって、輝度変調型の立体表示が正常に行われることになる。
【0053】
第2実施形態に係わる表示装置の他の態様では、前記輝度レベル変換手段は、前記入力信号の輝度レベルに対して前記分配率を維持したままガンマ補正を加える。
【0054】
この態様によれば、輝度レベル分配手段による分配の前に、輝度レベル変換手段により、ガンマ補正を含めて輝度レベル変換を行うことによって、ガンマ特性を持たない表示手段や入力信号を用いた場合にでも、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。
【0055】
上述した第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段は、前記視線上で手前側に配置される半透明の表示手段と、前記視線上で奥側に配置されると共に該半透明の表示手段を介して表示を行う他の表示手段とを含む。
【0056】
この態様によれば、手前側の半透明の表示手段と奥側の表示手段とで、輝度変調型の立体表示を正常に行える。尚、半透明の表示手段は、例えば、EL(Electro− Luminescence)装置、液晶装置等の半透明の2次元表示パネルからなり、他の表示装置については、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶装置等の2次元表示装置或いは表示パネルからなる。
【0057】
上述した第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段は、前記視線上に配置されたハーフミラーを透過しての表示を行う一の表示手段と、前記ハーフミラーを反射しての表示を行う他の表示手段とを含む。
【0058】
この態様によれば、ハーフミラーにより重ねられた二つの表示画像によって、輝度変調型の立体表示を正常に行える。尚、この場合の二つの表示手段はいずれも、例えばEL装置、液晶装置、CRT等の2次元表示装置或いは表示パネルからなる。
【0059】
本発明の第3実施形態に係わる表示方法は上記課題を解決するために、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配工程と、前記表示手段の夫々についてのガンマ特性により前記奥行位置に応じて前記出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、前記奥行位置に応じて補償するように、前記出力輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償工程とを備える。
【0060】
本発明の第3実施形態に係わる表示方法によれば、輝度レベル分配工程は、立体画像の奥行位置に応じて、当該表示装置に入力される入力信号の輝度レベルを表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する。これを受けて、複数の表示手段が出力輝度レベルで表示出力を行うことで、輝度変調型の立体表示が行われる。ここで特に、輝度レベル補償工程は、出力輝度レベルに対して変更を加え、これにより、表示手段の夫々についてのガンマ特性により奥行位置に応じて、出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、奥行位置に応じて補償する。よって上述した第1実施形態に係わる表示装置の場合と同様に、輝度変調型の立体表示を正常に行える。尚、上述した第1実施形態における各種態様と同様の各種態様が、当該第3実施形態の表示方法においても可能である。
【0061】
本発明の第4実施形態に係わる表示方法は上記課題を解決するために、観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配工程と、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記出力輝度レベルを変換する輝度レベル変換工程とを備える。
【0062】
本発明の第4実施形態に係わる表示方法によれば、輝度レベル分配工程は、立体画像の奥行位置に応じて、当該表示装置に入力される入力信号の輝度レベルを表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する。これを受けて、複数の表示手段が出力輝度レベルで表示出力を行うことで、輝度変調型の立体表示が行われる。ここで特に、輝度レベル変換工程の変換によって、同一の入力信号の輝度レベルに対して若しくは同一輝度レベルの物体像を、当該輝度変調型の立体表示において任意の奥行位置に表示すると仮定した場合又は任意の配分率で出力輝度レベルを配分すると仮定した場合において、前記出力輝度レベルの合計が、一定とされるので、上述した第2実施形態に係わる表示装置の場合と同様に、輝度変調型の立体表示を正常に行える。尚、上述した第2実施形態における各種態様と同様の各種態様が、当該第4実施形態の表示方法においても可能である。
【0063】
以上詳細に説明したように本発明の第1実施形態は、輝度レベル分配手段及び輝度レベル補償手段を備え、本発明の第3実施形態は、輝度レベル分配工程及び輝度レベル補償工程を備えるので、ガンマ特性を有する表示装置或いは入力信号を用いても、輝度レベルを補償することによって、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。
【0064】
また、本発明の第2実施形態は、輝度レベル分配手段及び輝度レベル変換手段を備え、本発明の第4実施形態は、輝度レベル分配工程及び輝度レベル変換工程を備えるので、ガンマ特性を有する表示装置或いは入力信号を用いても、輝度レベルを変換することによって、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。或いはガンマ補正を含めて輝度レベル変換を行うことによって、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。
【0065】
本発明の実施形態における、このような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0066】
【実施例】
本発明の実施例について図1〜図8を参照して説明する。
【0067】
(表示装置の立体表示原理)
先ず、各実施例に係る表示装置及び方法の表示原理について図1〜図6を参照して説明する。ここに、図1及び図2は、実施例に係わる表示装置における、立体画像表示を説明するための概念図である。また、図3は、比較例として、表示部にてガンマ補正が行われると共に本実施例による輝度レベルの補償がない場合の立体画像表示であって、図3(a)は、奥行(%)と分配信号の輝度レベル(%)との関係を示し、図3(b)は、奥行(%)と出力輝度レベル(%)との関係を示す特性図である。また、図4は、本実施例において、表示部にてガンマ補正が行われると共にこれに対する輝度レベルの補償がある場合の立体画像表示であって、図4(a)は、奥行(%)と分配信号の輝度レベル(%)との関係を示し、図4(b)は、奥行(%)と出力輝度レベル(%)との関係を示す特性図である。また、図5は、ガンマ補正で補正した場合の、入力信号の輝度レベル(%)と出力輝度レベル(%)との関係を示す特性図の一例である。更に、図6は、表示装置における奥行と出力輝度とが、輝度変調型の立体表示を行うのに適した所定関係を維持するための、入力信号の補償方法或いは変換方法について示す概念図である。
【0068】
図1に示すように、観察者10の同一の視線上に、前方表示部11と後方表示部12が所定距離d0を隔てて平行に配置されている。この状態で同一の物体に関し、前方表示部11に画像111が表示され、後方表示部12に画像121が表示されている。これら画像111と画像121とは、観察者10からは重なるようにして見える位置に表示される。
【0069】
このとき画像111の輝度と画像121の輝度は、所定の関係とされる。この状態で両方の画像を見ることにより、合成された画像131が前方表示部11と後方表示部12の間にあるように視覚される。例えば画像111の輝度が画像112の輝度より高いとすると、画像131は前方表示部11の後方d1であって、後方表示部12の前方d2にあるように視覚される(d1<d2、d1+d2=d0)。
【0070】
また、図2に示すように同一の他の物体に関し、前方表示部11に画像112が表示され、後方表示部12に画像122が表示されている。このとき画像112の輝度は画像122の輝度より低いとすると、合成された画像132は前方表示部11の後方d3であって、後方表示部12の前方d4にあるように視覚される(d3>d4、d3+d4=d0)。
【0071】
上述したように前方表示部11と後方表示部12との輝度の関係によって、物体の画像は前方表示部11と後方表示部12の所定の位置にあるように立体感が得られる。
【0072】
次に、入力信号の輝度レベルと出力輝度レベルと立体画像の奥行との関係について説明する。ここに、「奥行」とは画像の立体感が得られる位置であり、奥行0%とは、前方表示部11に立体感の位置がある場合であり、一方、奥行100%とは後方表示部12に立体感の位置がある場合である。そして、奥行50%とは、前方表示部11と後方表示部12との中間位置に、立体感の位置がある場合である。
【0073】
まず、説明を分かり易くするために、奥行位置によらず、一定(100%)の入力信号の輝度レベルに対して、若しくは同一(100%)輝度レベルの物体像に対して、立体表示する場合について説明する。
【0074】
図3(a)は、前方表示部11に入力される分配信号の輝度レベルa(%)と、後方表示部12に入力される分配信号の輝度レベルb(%)と、これらの合計の輝度レベルc(%)とを、奥行(%)に対して示している。
【0075】
図3(a)に示すように、奥行0%の場合は、前方表示部11に100%の輝度レベルa、即ち表示装置に入力される入力信号の全てが分配される。そして、後方表示部12に0%の輝度レベルb、即ち分配される信号はない。一方、奥行100%の場合は、前方表示部11に0%の輝度レベルa、即ち分配される信号はない。そして、後方表示部12に100%の輝度レベルb、即ち表示装置に入力される入力信号の全てが分配される。
【0076】
また、夫々の表示部の中間位置に立体感が得られるように表示する場合は、表示装置に入力される入力信号を所定の割合で分配する。例えば、前方表示部11と後方表示部12との中間(奥行50%)に立体感が得られるように表示するには、表示装置に入力される入力信号の輝度レベルを、50:50に分割して夫々の表示部に分配することになる。
【0077】
このように、仮に輝度レベルの補償を行っていなければ、奥行に対する分配信号の輝度レベルa及びbは夫々、リニアであり、これらの分配信号の合計の輝度レベルcは、図3(a)のように奥行位置によらずに一定となる。
【0078】
図3(b)は、前方表示部11で表示される画像の出力輝度レベルa(%)、後方表示部12で表示される画像の出力輝度レベルb(%)、及びこれらの合計の出力輝度レベルc(%)を、奥行(%)に対して示している。
【0079】
図3(b)に示すように、表示部においてガンマ補正が行われると、前方表示部11に表示される画像の出力輝度レベルaと後方表示部12に表示される画像の出力輝度レベルbは、リニアでなくなり、特に、合計の出力輝度レベルcは、奥行に応じて変化する。即ち、合計の出力輝度レベルcは、中央(奥行50%)ほど、低くなる傾向を有する。
【0080】
より具体的には、画像の立体感が奥行0%の場合、前方表示部11は100%の出力輝度、即ち表示装置に入力される入力信号の全てによる輝度レベルで表示され、後方表示部12に0%の出力輝度、即ち分配信号はなく、表示されない。一方、奥行100%の場合、前方表示部11は0%の出力輝度、即ち分配信号はなく、後方表示部12に100%の出力輝度、即ち表示装置に入力される入力信号の全てによる輝度レベルで表示される。即ち、奥行0%又は100%であれば、合計の出力輝度レベルcは100%となるので、ガンマ補正は、輝度変調型の立体表示に影響を及ぼさない。
【0081】
しかしながら、例えば、前方表示部11と後方表示部12との中間(奥行50%)に立体感が得られるように表示するには、夫々の表示部が表示する出力輝度レベルを同一にするが、例えば図5に示した如きガンマ特性に従って、出力輝度の輝度レベルa及びb並びにそれらの合計の出力輝度レベルcは、図3(b)のように低下する。
【0082】
即ち、例えば図5に示すように、表示装置は、観察者の目で感じる体感輝度が、暗い(輝度0%)から明るい(輝度100%)に至るまでリニア(線形)になるように入力信号に対してガンマ補正をかけて出力輝度を得るように構成されている。例えば、入力された入力信号の輝度レベルが50%である場合、出力輝度が50%では、体感輝度は、80%程度の明るさに見えてしまう。このため、ガンマ補正により出力輝度レベルを20%程度に落として表示出力すると体感輝度は50%程度になり、観察者には自然に認識されるように、表示部は通常構成されている。このようなガンマ補正或いはガンマ特性の影響によって、図3(b)の合計の出力輝度レベルcは、奥行に対して一定にならない。例えば、奥行50%の位置に表示するために、入力信号を50:50に分割して夫々の表示部に50%の輝度レベルの分配信号を入力すると、図5に示すガンマ特性によって、出力輝度は図5の符号aに示すように夫々23%程度となり、合計の出力輝度レベルcは46%程度となる。即ち、奥行0%と奥行100%の場合と同じ100%の出力輝度にならない。このように差が生じることによって、輝度変調型の立体表示上では、無視し得ない程度の狂いが生じてしまう。そして、観察者10には不自然な印象が生じる。
【0083】
次に、輝度レベルの補償した場合における、立体画像の奥行に対する、分配信号の輝度レベルと表示装置における出力輝度レベルの関係について説明する。
【0084】
図4は、本実施例において、このようなガンマ特性を補償することによって、奥行(%)に対する出力の輝度レベル(%)を、リニア或いは比例関係とした場合における特性図である。
【0085】
図4(a)は、前方表示部11に入力される分配信号の輝度レベルa(%)、後方表示部12に入力される分配信号の輝度レベルb(%)、及びそれらの合計の輝度レベルc(%)を、奥行(%)に対して示している。
【0086】
図4(a)に示すように、奥行0%の場合は前方表示部11に100%の輝度レベルa、即ち表示装置に入力される入力信号の全てが分配され、後方表示部12に0%の輝度レベルb、即ち分配される信号はない。一方、奥行100%の場合は前方表示部11に0%の輝度レベルa、即ち分配される信号はなく、後方表示部12に100%の輝度レベルb、即ち表示装置に入力される入力信号の全てが分配される。このように、何れか一方の表示部にのみ表示する場合は、分配信号の合計の輝度レベルcは、100%となる。
【0087】
他方、夫々の表示部の中間位置に立体感が得られるように表示する場合は、表示装置に入力される入力信号の輝度レベルを所定の割合で分割し、夫々についてのガンマ特性による配分率の狂いを補償する。例えば、前方表示部11と後方表示部12の中間(奥行50%)に立体感が得られるように表示するには、入力信号の輝度レベルを、50:50に分割し、且つ表示部においてガンマ補正された場合に、画像の出力輝度レベルが50%になるように補正して夫々の表示部に信号を分配することになる。この場合、図5の符号bで示すように分配信号は約80%の輝度レベルに補正される。
【0088】
図4(b)は、前方表示部11で表示される画像の出力輝度レベルa(%)、後方表示部12で表示される画像の出力輝度レベルb(%)、及びこれらの合計の出力輝度レベルc(%)を、奥行(%)に対して示している。
【0089】
図4(b)に示すように、分配信号は、表示部におけるガンマ補正により、出力輝度と奥行との関係をリニアにするように且つ合計の出力輝度レベルcを、奥行位置によらずに一定(100%)になるように輝度レベル補償されている。よって、全ての奥行に対して、輝度変調型の立体表示方式を正常に行うことが可能となる。
【0090】
尚、図3及び図4における分配信号(%)と出力輝度(%)を、輝度変調型の立体表示をしない場合の入力信号と出力輝度に対する割合と考えれば、任意(100%以外)の輝度レベルの場合にも成り立つ。
【0091】
次に、入力信号及び奥行が任意の場合について、その奥行に画像を立体視させ、且つ輝度を一定にする方法について説明する。説明上、入力信号の輝度レベルを70%、奥行位置を前:後=0.6:0.4、即ち前方表示部側に近い位置(即ち、奥行40%)に画像が立体視される場合である。尚、以下の説明は任意の奥行及び入力信号の輝度レベルについて一般的に成り立つ。
【0092】
まず、元の画像の入力信号の輝度レベルは70%であるから、図5の符号cに示すようにガンマ補正後における実際の出力輝度レベルは40%程度である。次に、前後の表示部の輝度によって決定される奥行位置を前:後=0.6:0.4にするために、その出力輝度レベルを0.6:0.4に分配する。即ち、40%×0.6=24%、及び、40%×0.4=16%とする。これに対応した分配信号の輝度レベルは、図5の符号d、及び符号eに示すように夫々、54%程度及び40%程度になる。
【0093】
即ち、前方表示部11には出力輝度レベルが24%になるような補償後の輝度レベルを有する54%の輝度レベルの分配信号が入力される。また、後方表示部12には出力輝度レベルが16%になるような補償後の輝度レベルを有する40%の輝度レベルの分配信号が入力される。つまり、前方表示部11と後方表示部12との出力輝度レベルの比が、0.6:0.4(24%:16%)となり、且つ合計の出力輝度レベル(40%=24%+16%)が、輝度レベルの配分を行わない本来のガンマ補正が行われた画像信号の出力輝度レベル(40%)と同一となる。これによって、前:後=0.6:0.4(奥行40%)の奥行位置に、正常な明るさで立体画像が表示出力されることになる。
【0094】
因みに仮に、輝度レベルの補償を行わず、入力信号の輝度レベルを単純に奥行位置の比率で分割して、前後の表示部に分配信号として入力したのでは、前方の分配信号の輝度レベルは、70%×0.6=42%、後方の分配信号の輝度レベルは、70%×0.4=28%となり、従って図5より表示部夫々の出力輝度レベルは、20%、10%程度となり、合計の出力輝度レベルは30%程度にしかならない。よって、元の出力輝度レベル40%程度に比べて暗い画像になる。また、奥行位置についても、前後の輝度比が、前:後=0.667:0.333(20%:10%)の位置になり、初期の前:後=0.6:0.4とは異なる位置に、立体画像が得られてしまうことになる。また仮に、ガンマ補正を全く行わずに、分配信号の輝度レベルをそのまま出力輝度レベルとして用いたのでは、目的の奥行位置に立体画像は得られるが、出力輝度レベルの合計が70%(即ち、42%+28%)となり、ガンマ補正された正常な出力輝度レベル40%よりも高くなって、観察者10に対して、不自然な輝度を与えることになる。
【0095】
これに対して、本実施例によれば、観察者の視線方向に相前後して配置された複数の表示部に画像を表示して輝度変調型の立体表示を行う表示装置において、表示部の夫々についてのガンマ特性により奥行位置に応じて分配率の狂いを奥行位置に応じて補償することによって、目的の奥行位置に立体画像が得られる。同時に、複数の表示部に表示される画像の出力輝度の合計を、ガンマ補正された本来の表示出力の輝度と同一輝度で表示することが可能である。
【0096】
次に図6を参照して本実施例の表示装置の、ガンマ特性により奥行位置に応じて生じる分配率の狂いに対する補償として、出力輝度レベルと奥行とが所定の関係を維持するための入力信号を変換する際の具体的な処理の流れの一例について説明する。
【0097】
まず、入力信号を、表示部が有するガンマ特性の影響を考慮した輝度レベルに変換する。そして、立体画像の表示位置、即ち奥行に対応して、前後の表示部に表示される二つの輝度レベルに分配する。更に分配された輝度レベルを、表示部が有するガンマ特性に応じて分配信号に変換する。その後、これらの分配された信号を前方表示部と後方表示部とに入力する。具体的には、前方表示部用信号が前方表示部に入力されると共に後方表示部用信号が後方表示部に入力される。即ち、輝度レベルを分配する段階では、表示部のガンマ特性の影響を考慮して当該分配を行い、二つの分配信号を出力する段階では、表示部のガンマ特性を排除するように当該分配信号を出力する。しかし、表示部で再び同じガンマ特性が加味されるので、夫々の表示部で所望の出力輝度レベルが得られる。よって、表示部のガンマ特性より奥行位置に応じて生じる分配率の狂いが補償され且つ分配された出力輝度レベルの表示出力が当該表示装置において行われる。これらにより、目的とする奥行位置に、しかも本来の入力信号により表示すべき明るさで立体画像を表示することが可能となる。
【0098】
一般に表示部及び入力信号のうち少なくとも一方は、ガンマ特性を有するので、そのまま輝度変調型の立体表示を行おうとすれば、ガンマ特性による奥行位置の狂いや合計の出力輝度の狂いといった悪影響が生じる。このような悪影響とは、より具体的には、(i)立体表示された物体像が全体に、本来の入力信号が示す輝度レベルに比べて暗くなり過ぎたり明るくなり過ぎたりすること、及び(ii)立体表示された物体像が全体に、適度な明るさであっても、その奥行位置に狂いが生じてしまうことの二つがある。本実施例によれば、上述の如く図6に示したように或いは以下に説明する各実施例に示すように、輝度レベルを変換する過程又は輝度レベルを分配する過程でガンマ特性を考慮することで、ガンマ特性によるこれら二つの悪影響を共に低減可能とされているのである。但し、本実施例によって、いずれか一方の悪影響を低減するだけでも、何らの対策も施さない場合と比べて、相応の効果が得られる。
【0099】
また、上述の説明或いは以下に説明する各実施例では、ガンマ補正は、基本的に前方表示部及び後方表示部で行われると仮定して記述している。しかしながら、当該表示装置に入力される前段階で予め、入力信号にガンマ特性を与えることでガンマ補正を行う場合であっても、そのまま輝度変調型の立体表示を行おうとすれば、同様にガンマ特性による奥行位置の狂いや合計の出力輝度の狂いといった悪影響が生じる。そして、この場合にも、同様に、輝度レベルを変換する過程又は輝度レベルを分配する過程でガンマ特性を考慮することで、ガンマ特性によるこれら二つの悪影響を共に低減可能である。
【0100】
尚、入力信号に対する処理でガンマ補正を行う場合には、仮に前方表示部及び後方表示部がガンマ特性を有しないとすれば、出力輝度レベルを分配する際に必要な補償量は、比較的小さくて済むと考えられる。しかしながら、いずれにせよガンマ補正と輝度変調型の立体表示とを両方共を行う限りにおいては、ガンマ補正が存在することを考慮して、当該輝度変調型の立体表示に係る輝度レベルの分配処理等を実行することで、より正常に且つ適切な輝度及び奥行位置で立体表示を行えることになるのである。また、実際にガンマ特性を有しない、完全にリニアな表示部を作製することは、非常に困難である。更に、例えば画像や映像等を作成する段階(例えば、作成者が入力する輝度データの段階)では、ガンマ特性を有しないリニアな状態であることが多く、その後、出力される状況に合わせてガンマ特性が付加されるため、これを立体表示するためには、それぞれのガンマ特性に合わせた輝度レベルの補償が必要である。
【0101】
つまり、入力信号にガンマ特性を与える場合も、その前段階ではガンマ特性のないリニアな入力信号が存在するわけで、その本来の入力信号を基準と考えれば、信号にガンマ特性を与える場合も、表示部がガンマ特性を有する場合も、或いはその両方の場合も、全て同様であり、ガンマ特性の影響のトータルを考慮し、輝度レベルを補償する必要がある。
【0102】
加えて、上述の如く図6に示した或いは以下に説明する各実施例では、ガンマ補正自体の一部又は全部を、輝度レベルを変換する過程又は輝度レベルを分配する過程で行うこと(即ち、ガンマ特性を持たない若しくはガンマ補正を完全に行うだけのガンマ特性を有しない入力信号や表示部に組み合わせて、実施例を構築すること)も可能である。これは、例えば輝度レベルを変換する過程又は輝度レベルを分配する過程で用いる所定関数やそのパラメータ値、テーブル内の数値データ等を、必要なガンマ特性が得られるように調整することで実行可能とされる。
【0103】
更に、上述の如く図6に示した或いは以下に説明する各実施例に対して、必要に応じて工程を適宜追加したり、不要となる工程を適宜削除してもよい。
【0104】
(表示装置の第1実施例)
本発明に係わる表示装置の第1実施例について図7を参照して説明する。図7は、第1実施例の表示装置のブロック図である。
【0105】
図7に示すように、本実施例の表示装置1は、モノクロを信号源とする立体画像表示装置であって、入力信号(モノクロ画像信号)を所定の周期でサンプリングするS/H(サンプルホールド)回路21と、入力信号から同期信号を分離する同期分離手段22と、入力信号の信号レベルをガンマ特性を考慮した輝度レベルに変換する信号レベル/輝度レベル変換手段23と、前後の表示部に輝度レベルを分配する輝度分配手段24と、輝度分配手段24に作用して分配比率を設定する表示位置設定手段25と、分配された輝度レベルを夫々分配信号レベルに変換する輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27と、分配された夫々の輝度レベルで表示出力を行う前方表示部11と後方表示部12とを備えて構成される。
【0106】
次に表示装置1の動作について説明する。
【0107】
S/H回路21は、入力信号を所定期間、一定のレベルに保ち、そのレベルの信号に対しての信号処理やデジタル信号化のためのA/D(アナログ−デジタル)変換等を行うために、サンプリングされ、そのレベルをホールドする回路である。
【0108】
同期分離手段22は、入力信号から画像表示のための水平同期信号、垂直同期信号等が分離され、また、クロックが生成される。これらの同期信号により制御されて、輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27で形成された信号が、前方表示部11と後方表示部12とに出力され、それらにより表示出力される。
【0109】
信号レベル/輝度レベル変換手段23は、入力された信号レベルを表示部のガンマ特性に応じて輝度レベルに変換する。即ち、例えば図5に示した如き入力信号と表示される明るさとの非線形性に関する補償を行う。その変換として予め作成されている変換テーブルに則って行う方法や、ガンマ特性の関数を記憶し、入力された信号レベルから演算によって求める方法等がある。
【0110】
輝度分配手段24は、信号レベル/輝度レベル変換手段23で変換された輝度レベルを、立体画像を得るために所定の奥行位置に対応して前方表示部11と後方表示部12とに表示する輝度レベルに分配する。上述したように夫々の表示部で表示する画像の明るさによって、前方表示部11と後方表示部12の間の所定の位置に立体画像が得られる。
【0111】
表示位置設定手段25は、輝度分配手段24に作用して、輝度分配の比率を設定する。この手段により分配比率を制御することによって立体画像の得られる位置を設定することができる。また、プログラムで分配比率を変動させることで立体画像の得られる位置を効果的に変化させることが可能である。
【0112】
輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27は、輝度分配手段24によって分配された輝度レベルを、信号レベル/輝度レベル変換手段23で用いたと同じガンマ特性に基づいて信号レベルに変換する。その変換として予め作成されている変換テーブルに則って行う方法や、ガンマ特性の関数を記憶し、分配された輝度レベルから演算によって求める方法等がある。
【0113】
前方表示部11は、観察者10側に配置された画像を表示する表示部であって、輝度レベル/信号レベル変換手段26によって変換されたレベルの信号が入力され、表示出力を行う。前方表示部11は、後方表示部12の画像が透過して見ることができるデバイスである必要がある。従って、液晶表示デバイス、EL表示デバイスが好適に用いられる。また、ブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスを、ハーフミラーを介して観察者10の視線方向に導入することも可能である。
【0114】
後方表示部12は、前方表示部11の後方に配置された表示部であって、輝度レベル/信号レベル変換手段27によって変換されたレベルの信号が入力され、表示出力を行う。
【0115】
これらの前方表示部11及び後方表示部12は夫々、例えば図5に示した如き、ガンマ特性を有しており、ガンマ補正を行った上で画像表示を行うが、このようなガンマ特性を考慮した上で、出力輝度レベルの配分及び合計の出力輝度レベルの設定は行われている。このため、モノクロ物体像を、両表示部間における目的とする奥行位置に、しかも本来の入力信号により表示すべき明るさで表示することが可能となる。
【0116】
尚、S/H回路21、信号レベル/輝度レベル変換手段23、輝度分配手段24、輝度レベル/信号レベル変換手段26、27等で構成する回路ブロックを信号レベル変換部5とする。
【0117】
特に前述の如くガンマ特性より奥行位置に応じて輝度配分手段24にて生じる分配率の狂いに対する補償については、輝度レベル補償手段或いは輝度レベル変換手段の一例として機能する輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27で行うようにしてもよい。若しくは、これに変えて又は加えて、輝度レベル補償手段或いは輝度レベル変換手段の一例として機能する信号レベル/輝度レベル変換手段23で行うようにしてもよい。
【0118】
以上説明したように表示装置1によれば、目的の奥行位置に立体画像が得られると共に、二つの表示部に表示される画像の輝度は、適切な輝度で表示することが可能である。
【0119】
(表示装置の第2実施例)
本発明に係わる表示装置の第2実施例について図8を参照して説明する。図8は、第2実施例の表示装置のブロック図である。
【0120】
図8に示すように、本実施例の表示装置2は、カラーを信号源とする立体画像表示装置であって、入力信号(カラー画像信号)からRGBのカラー信号に分離するRGB分離手段31と、入力信号から同期信号を分離する同期分離手段22と、入力されたR信号の輝度レベルを所定の輝度レベルに変換する信号レベル変換部5Rと、入力されたG信号の輝度レベルを所定の輝度レベルに変換する信号レベル変換部5Gと、入力されたB信号の輝度レベルを所定の輝度レベルに変換する信号レベル変換部5Bと、RGBの夫々の信号が表示される奥行位置を設定する表示位置設定手段25と、表示部に入力されるRGB信号を合成するカラー画像信号生成手段32及び33と、カラー画像信号生成手段32で形成されたカラー画像信号をカラー画像として表示出力する前方表示部11と、カラー画像信号生成手段33で形成されたカラー画像信号をカラー画像として表示出力する後方表示部12とを備えて構成される。
【0121】
また、信号レベル変換部5R、5G及び5Bは、夫々図7に示すS/H回路21、信号レベル/輝度レベル変換手段23、輝度分配手段24、輝度レベル/信号レベル変換手段26、27等で構成する回路ブロックを備えて構成されている。
【0122】
次に表示装置2の動作について説明する。
【0123】
RGB分離手段31は、入力されるカラー信号を、そのカラー成分信号であるR信号、G信号及びB信号に分離する。分離されたR信号、G信号及びB信号は夫々の輝度レベルに変換され、出力される。
【0124】
同期分離手段22は、入力信号から画像表示のための水平同期信号、垂直同期信号等が分離され、また、クロックが生成される。これらの同期信号により制御されて、信号レベル変換部5R、5G及び5Bに含まれる輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27(図7参照)で形成された信号が前方表示部11と後方表示部12とに表示される。
【0125】
信号レベル変換部5R、5G及び5Bは、夫々図7に示すS/H回路21、信号レベル/輝度レベル変換手段23、輝度分配手段24、輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27等で構成され、入力されるカラー信号を前方表示部11と後方表示部12の間の所定の位置に立体表示が得られ、且つ、前方表示部11と後方表示部12で表示される輝度の合計が元の入力信号による出力輝度になるように信号レベルの変換をする。即ち、入力されるR信号、G信号及びB信号の夫々に対して、表示部のガンマ特性に応じて輝度レベルを変換し、その変換後の輝度レベルを表示する奥行位置に対応して分配し、その分配された輝度レベルを同じガンマ特性に従って信号レベルに変換する。尚、その他の夫々の構成要素のその他の動作及び作用は、第1実施例で説明したことと同様であり、適宜参照することとする。
【0126】
表示位置設定手段25は、信号レベル変換部5R、5G及び5Bを構成する輝度分配手段24(図7参照)に作用して、輝度分配の比率を設定する。この手段により分配比率を制御することによって立体画像の得られる位置を設定することができる。また、プログラムで分配比率を変動させることで立体画像の得られる位置を効果的に変化させることも可能である。
【0127】
カラー画像信号生成手段32は、信号レベル変換部5R、5G及び5Bから出力される前方表示用のR信号、G信号及びB信号を合成してカラー信号を形成する。カラー信号を形成する際に、同期分離手段22によって生じるクロックに基づきバースト信号として位相情報が付加される。形成されたカラー信号は前方表示部11に入力される。
【0128】
カラー画像信号生成手段33は、信号レベル変換部5R、5G及び5Bから出力される後方表示用のR信号、G信号及びB信号を合成してカラー信号を形成する。カラー信号を形成する際に、同期分離手段22によって生じるクロックに基づきバースト信号として位相情報が付加される。形成されたカラー信号は後方表示部12に入力される。
【0129】
前方表示部11は、観察者10側に配置されたカラーの表示部であって、カラー画像信号生成手段32によって形成されたカラー信号が入力され、表示出力を行う。前方表示部11は、後方表示部12の画像が透過して見ることができるデバイスである必要がある。従って、液晶表示デバイス、EL表示デバイスが好適に用いられる。また、ブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスを、ハーフミラーを介して観察者10の視線方向に導入することも可能である。
【0130】
後方表示部12は、前方表示部11の後方に配置されたカラーの表示部であって、カラー画像信号生成手段33によって形成されたカラー信号が入力され、表示出力を行う。
【0131】
これらの前方表示部11及び後方表示部12は夫々、図5に示した如き、ガンマ特性を有しており、ガンマ補正を行った上で画像表示を行うが、このようなガンマ特性を考慮した上で、出力輝度レベルの配分及び合計の出力輝度レベルの設定は行われている。このため、カラー物体像を、両表示部間における目的とする奥行位置に、しかも本来の入力信号により表示すべき明るさで表示することが可能となる。
【0132】
特に前述の如くガンマ特性より奥行位置に応じて、各信号レベル変換部5R、5G及び5B内における輝度配分手段24にて生じる分配率の狂いに対する補償については、同じく各信号レベル変換部5R、5G及び5B内における輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27で行うようにしてもよい。若しくは、これに変えて又は加えて、同じく各信号レベル変換部5R、5G及び5B内における信号レベル/輝度レベル変換手段23で行うようにしてもよい。
【0133】
以上説明したように表示装置2によれば、目的の奥行位置にカラーの立体画像が得られると共に、二つの表示部に表示される画像の輝度は、適切な輝度で表示することが可能である。
【0134】
尚、上述した第1及び第2実施例は、前後に置かれた二つの表示手段により立体画像が表示される形態であるが、更に複数の表示手段を相前後して配置するものであっても良く、一層、滑らかな立体画像が得られる。
【0135】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置及び方法また本発明の技術思想に含まれるものである。
【0136】
以上詳細に説明したように、本実施例によれば、例えば輝度分配手段24等からなる輝度レベル分配手段と、例えば信号レベル/輝度レベル変換手段23、輝度レベル/信号レベル変換手段26及び27等からなる輝度レベル補償手段或いは輝度レベル変換手段とを備えるので、ガンマ特性を有する表示装置或いは入力信号を用いても、輝度変調型の立体表示方式を正常に且つ適切な輝度及び奥行位置で行える。或いはガンマ補正を含めて輝度レベル変換を行うことによって、輝度変調型の立体表示方式を正常に且つ適切な輝度及び奥行位置で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる表示装置における、立体画像表示を説明するための一の概念図である。
【図2】本発明の実施例に係わる表示装置における、立体画像表示を説明するための他の概念図である。
【図3】比較例として、ガンマ補正が行われると共に本実施例による輝度レベルの補償がない場合の立体画像表示である。
【図4】本実施例において、ガンマ補正が行われると共にこれに対する輝度レベルの補償がある場合の立体画像表示である。
【図5】ガンマ補正による入力信号の輝度レベル(%)と出力輝度レベル(%)との関係を示す特性図である。
【図6】表示装置における奥行と出力輝度とが、輝度変調型の立体表示を行うのに適した所定関係を維持するための、入力信号の変換方法について示す概念図である。
【図7】本発明に係わる表示装置の第1実施例について示すブロック図である。
【図8】本発明に係わる表示装置の第2実施例について示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2・・・表示装置
5・・・信号レベル変換部
10・・・観察者
11・・・前方表示部
12・・・後方表示部
111、112、121、122・・・表示画像
131、132・・・立体画像
21・・・S/H回路
22・・・同期分離手段
23・・・信号レベル/輝度レベル変換手段
24・・・輝度分配手段
25・・・表示位置設定手段
26、27・・・輝度レベル/信号レベル変換手段
31・・・RGB分離手段
32、33・・・カラー画像信号生成手段
Claims (20)
- 観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段と、
入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配手段と、
前記表示手段の夫々についてのガンマ特性により前記奥行位置に応じて前記出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、前記奥行位置に応じて補償するように、前記出力輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記輝度レベル補償手段は、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように、且つ前記輝度レベル分配手段により分配されないとの仮定の下に前記ガンマ特性に基づき表示出力される筈の輝度レベルに等しくなるように、前記出力輝度レベルに変更を加えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記ガンマ特性は、少なくとも部分的に前記表示手段の夫々のガンマ補正によって生じることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
- 前記ガンマ特性は、少なくとも部分的に前記入力信号に対して予め行われるガンマ補正によって生じることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記表示手段は夫々、RGBのカラー表示可能であり、
前記輝度レベル分配手段は、前記RGB毎に分配し、
前記輝度レベル補償手段は、前記RGB毎に変更を加えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記表示手段は夫々、画素毎に表示可能であり、
前記輝度レベル分配手段は、前記画素毎に分配し、
前記輝度レベル補償手段は、前記画素毎に変更を加えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記立体画像の奥行位置を設定する位置設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度レベル補償手段は、予め設定されたテーブルに基づいて前記輝度レベルを変換することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度レベル補償手段は、予め設定された関数に基づいて演算により前記輝度レベルを変換することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度レベル補償手段は、前記出力輝度レベルに対して前記変更を加えるのに代えて、前記輝度レベル分配手段の前段において、前記入力信号の輝度レベルに前記変更を加えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
- 観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段と、
入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配手段と、
前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記出力輝度レベルを変換する輝度レベル変換手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記輝度レベル変換手段は、前記出力輝度レベルに対してその分配率を維持したままガンマ補正を加えることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
- 前記表示手段は夫々、RGBのカラー表示可能であり、
前記輝度レベル分配手段は、前記RGB毎に分配し、
前記輝度レベル変換手段は、前記RGB毎に前記出力輝度レベルを変換することを特徴とする請求項12又は13に記載の表示装置。 - 前記表示手段は夫々、画素毎に表示可能であり、
前記輝度レベル分配手段は、前記画素毎に分配し、
前記輝度レベル変換手段は、前記画素毎に前記出力輝度レベルを変換することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記輝度レベル変換手段は、前記出力輝度レベルを変換するのに代えて、前記輝度レベル分配手段の前段において、前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記入力信号の輝度レベルを変換することを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度レベル変換手段は、前記入力信号の輝度レベルに対して前記分配率を維持したままガンマ補正を加えることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段は、前記視線上で手前側に配置される半透明の表示手段と、前記視線上で奥側に配置されると共に該半透明の表示手段を介して表示を行う他の表示手段とを含むことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段は、前記視線上に配置されたハーフミラーを透過しての表示を行う一の表示手段と、前記ハーフミラーを反射しての表示を行う他の表示手段とを含むことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の表示装置。
- 観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、
入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配工程と、
前記表示手段の夫々についてのガンマ特性により前記奥行位置に応じて前記出力輝度レベルに発生する分配率の狂いを、前記奥行位置に応じて補償するように、前記出力輝度レベルに変更を加える輝度レベル補償工程と
を備えたことを特徴とする表示方法。 - 観察者の視線上に相前後して配置される複数の表示手段を備えた表示装置における表示方法であって、
入力される入力信号の輝度レベルを、前記複数の表示手段間に設定される立体画像の奥行位置に応じて前記表示手段の夫々に出力輝度レベルとして分配する輝度レベル分配工程と、
前記出力輝度レベルの合計が、前記奥行位置によらずに一定となるように前記出力輝度レベルを変換する輝度レベル変換工程と
を備えたことを特徴とする表示方法。
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